JP5021529B2 - 内視鏡用可撓管 - Google Patents

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Description

本発明は、医療用等に用いられる内視鏡用可撓管に関し、詳しくは、耐久性の高い内視鏡用可撓管に関する。
従来、人体等の生体内に挿入され、臓器の診断や治療、標本の採取等に使用される内視鏡の(内視鏡用)可撓管は、薄い帯状の板を螺旋状に巻回した螺管(フレックス)と、この螺管の外周面を被覆するブレード(ネット)と、このブレードの外周面を被覆する樹脂製の外皮とからなる。
上述のように構成されている従来の内視鏡用可撓管(以下、単に、可撓管ともいう)において、ブレードは、上述の通り、螺管と外皮との間に位置し、外皮の内周面に接着することにより、可撓管の剛性補強材としての役割を果たしている。すなわち、ブレードは、可撓管にブレードを用いない場合に比べて、すなわち、螺管を被覆するものが外皮のみである場合と比べて、可撓管の剛性を増強させている。
このようなブレードは、一般的に、ステンレスあるいは黄銅等の金属繊維を編成することにより形成されている。そのため、例えば、押出成形等の通常の形成方法で、ブレードの外周面に、一般的な樹脂製の外皮を形成した場合、元来、金属と樹脂との化学的な結合は、分子間力による弱い結合のみであるので、内視鏡を使用しているうちに、可撓管のブレードと外皮との接着性(密着性または結合性)が低下してしまうことが多々ある。
また、金属と樹脂との化学的な結合は、水に非常に弱いため、内視鏡を、水や水蒸気等の水分が存在する状況下で使用される場合や水や消毒液や洗浄液等で洗浄される場合が多い内視鏡では、可撓管におけるブレードと外皮との接着性はすぐに低下してしまう。
可撓管において、上述のようにして、ブレードと外皮との接着性が低下してしまうと、可撓管に対するブレードの剛性補強材としての機能が低下し、可撓管の剛性低下を引き起こし、内視鏡の使用に支障を来たすことが多い。さらには、可撓管において、上述のようにして、ブレードと外皮との接着性が低下してしまうと、ブレードと外皮とが剥離し、可撓管に座屈が生じ、内視鏡の使用が不可能になることもある。
これに対して、特許文献1には、粘着剤を介在させて、繊維状材を編成して形成した網管状のブレードと外皮(外皮チューブ)とを接着(接合)させた内視鏡用可撓管が開示されている。
また、特許文献2には、ブレードを編成する金属製ワイヤ組のうちの少なくとも1本以上の金属製ワイヤに熱可塑性樹脂からなる繊維を巻き合わせ、熱可塑性樹脂からなる繊維を溶融して、上記ブレードと外皮とを接着させた内視鏡用可撓管が開示されている。
さらに、特許文献3には、螺管(フレックス)とブレードとの間には、離型剤を介在させ、ブレードの表面に塗布したトルエンジイソシアネートをモノマーとするポリエステル系ウレタンの接着剤によってブレードと合成樹脂でなる外皮とを接着(結合)させた内視鏡用可撓管が開示されている。
特開昭59−137030号公報 特開昭61−256085号公報 特開昭61−46923号公報
特許文献1に開示される内視鏡用可撓管は、粘着剤によって、ブレードと外皮とが接着されているので、接着剤を用いた場合に生じる可撓管の硬化を防止しつつ、可撓管におけるブレードと外皮との剥離、すなわち、接着性の低下を防止することができる。
しかしながら、特許文献1に開示される内視鏡用可撓管は、接着剤を用いた場合に生じる可撓管の硬化は防止できるものの、粘着剤も一般的に樹脂で生成されており、金属との結合は弱いため、ブレードと外皮との接着性の低下は、従来の内視鏡用可撓管とおよそ変わらない。
また、特許文献2に開示される内視鏡用可撓管は、熱可塑性樹脂からなる繊維でブレードの一部が構成されているため、ブレードと接着剤の役割をする繊維とは物理的な力で結びつき、さらに、繊維が溶融することによって、ブレードと外皮とが接着されるので、接着剤のみで、ブレードと外皮とを接着(密着)させた可撓管よりは、ブレードと外皮との接着強度(密着強度または結合強度)高いと考えられる。
しかしながら、特許文献2に開示される内視鏡用可撓管は、上述の通り、接着剤のみを介して、ブレードと外皮とを接着させた可撓管よりは、ブレードと外皮との接着強度が、高いものの、可撓管、すなわち、内視鏡を使用していくうちに、ブレードと外皮との接着(密着性または結合性)が低下し、可撓管の剛性が低下してしまう。
また、特許文献3に開示される内視鏡用可撓管は、トルエンジイソシアネートをモノマーとするポリエステル系ウレタンの接着剤によって、ブレードと外皮とが接着されているので、従来の接着剤を用いた可撓管よりもブレードと外皮との接着は強いものの、基本的には、樹脂からなる接着剤によって、ブレードと外皮と接着しているため、従来の接着剤を用いた可撓管よりも耐久時間は長いとしても、最終的には、ブレードと外皮との接着性が低下してしまう。
本発明の目的は、内視鏡を使用し続けても、内視鏡の使用時間等の経時や内視鏡の使用環境(洗浄環境も含む)下における水分によって、可撓管におけるブレードと外皮との接着性が低下することのない耐久性の高い内視鏡用可撓管を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、帯状板を螺旋状に巻回して形成した螺管と、前記螺管の外周面を被覆するブレードと、前記ブレードの外周面を被覆する樹脂製の外皮とを有する内視鏡用可撓管であって、前記ブレードは、離型剤を付着した金属繊維と、接着剤を付着した耐熱性の樹脂繊維とが、網目状に混紡されたものであり、前記接着剤によって前記外皮に接着されていることを特徴とする内視鏡用可撓管を提供するものである。
本発明においては、前記ブレードを構成する前記金属繊維と前記樹脂繊維のうち、前記樹脂繊維のみが、前記接着剤を介して、前記外皮と接着しているのが好ましい。
また、本発明においては、前記ブレードは、1層構成であるのが好ましい。
また、本発明においては、前記離型剤を付着した金属繊維の重量は、前記離型剤を付着する前の金属繊維の重量と比較して、10%以上増量しているのが好ましい。
さらに、本発明においては、前記外皮の外周面を被覆するコート層を有するのが好ましい。
本発明によれば、離型剤を付着した金属繊維と、接着剤を付着した耐熱性の樹脂繊維とが、網目状に混紡されたブレードを有することにより、内視鏡の使用時間等の経時や使用環境(洗浄環境も含む)下の水分によるブレードと外皮との接着性(密着性または結合性)の低下、すなわち、内視鏡用可撓管の剛性の低下が殆ど起こらない内視鏡用可撓管を提供することができ、さらに、このような内視鏡用可撓管を用いることにより、長時間使用しても、可撓管の座屈を引き起こすことがなくなるので、内視鏡操作中の不具合が大幅に抑制され、耐久性、コストパフォーマンス、および安全性の高い内視鏡を実現することができる。
以下、本発明の内視鏡用可撓管について、添付の図面に示される好適実施例を基に、詳細に説明する。
図1に、本発明の内視鏡用可撓管を用いる内視鏡の一例の概略図を示す。
図1に示す内視鏡10は、体腔(消化管、耳鼻咽喉など)等の検査部位に挿入されて、検査部位の観察、写真や動画の撮影、さらには組織の採取等を行なうものである。
この内視鏡10は、後述する本発明の内視鏡用可撓管26(以下、単に可撓管26ともいう)以外は、基本的に、公知の内視鏡(内視鏡装置)と同様のものであり、通常の内視鏡と同様に、挿入部12、操作部14、および、ユニバーサルコード18で構成される。
挿入部12は、体腔内等の検査部位に挿入される、長尺な部位で、先端(挿入側の先端=操作部14と逆端)の先端部22と、アングル部(湾曲部)24と、後述する本発明の可撓管26とを有し、本発明の可撓管26の先端にアングル部24を介して先端部22を連結して構成される。
上記アングル部24は、操作部14の操作ノブ36または38によって、先端部22の向きを変更することが可能なように構成されている。
操作部14は、内視鏡10の操作を行なう部位である。
通常の内視鏡と同様に、鉗子を挿入するための鉗子口28、先端部22の送気/送水ノズルから吸引を行なうための吸引ボタン30および同じく送気および送水を行なうための送気/送水ボタン32等が配置される。また、前述のように、操作部14には、挿入部12のアングル部24を湾曲させるための操作手段(操作ノブ36または38)が配置される。
ユニバーサルコード(LG軟性部)18は、操作部18と送水手段、送気手段、吸引手段等と、内視鏡10を接続するためのコネクタ(図示せず)を接続する部位である。
また、図1に示す内視鏡10内には、図示しない検査部位の照明を行なうためライトガイド、送気/送水ノズルに接続する送気/送水チャンネル、鉗子を挿入するための鉗子チャンネル、検査部位の撮影を行なうためのケーブル(観察用のイメージガイド)等の内蔵物が挿入されている。
前述のように、本発明の可撓管26は、アングル部24を介して先端部22と連結するように構成され、先端部22およびアングル部24と、操作部14とを繋ぐ部位で、検査部位への挿入に対して十分な可撓性を有する長尺なものであり、前記ライトガイド、送気/送水チャンネル、鉗子チャンネル、ケーブル等が収容されるものである。
図2に、本発明の可撓管26の一実施例を概念的に示す。
本発明の可撓管26は、薄い帯状板を螺旋状に巻回して形成した螺管(フレックス)40と、螺管40の外周面を被覆するブレード(ネット)42と、ブレード42の外周面を被覆する樹脂製の外皮44とから構成され、ブレード42は、離型剤を付着した金属繊維と、接着剤を付着した耐熱樹脂繊維とが、網目状に混紡されたものである。
なお、本発明の可撓管26は、好ましくは、図2に示すように、樹脂製の外皮44の外周面を被覆するコート層46を有する。
また、本発明では、ブレード42によって螺管40の外周面が被覆された状態の中空管状体を内管(中間生成物)48とする。
螺管40には、特に限定はなく、上述のライトガイド、送気/送水チャンネル、鉗子チャンネル、ケーブル等を収容および保護することができるものであれば、内視鏡10の可撓管26に一般的に使用されているものを用いればよい。
なお、必要に応じて、離型剤を付着した螺管40を用いてもよい。
この場合、螺管40に付着する離型剤は、後に述べる金属繊維に付着する離型剤等、公知の離型剤を用いればよく、また、螺管40に離型剤を付着する方法も公知の方法で行なえばよい。
ブレード42は、上述のように、螺管40の外周面を被覆し、可撓管26の剛性を増強する補強材としての役割を果たすものであり、離型剤を付着した金属繊維と、接着剤を付着した耐熱樹脂繊維とが、網目状に混紡されたものである。
ここで、本発明においては、上述のように、ブレード42は、離型剤を付着した金属繊維と、接着剤を付着した耐熱樹脂繊維とが網目状に混紡されたものを用いる。
ところで、例えば、特許文献2では、ブレードを構成する金属繊維(金属製ワイヤ)に熱可塑性樹脂からなる繊維を巻き合せたブレードを用い、熱可塑性樹脂を溶融して、ブレードと外皮とを接着させてなる可撓管が開示されている。また、本発明者は、従来の可撓管に代わるものとして、図3(図4)に示すような金属繊維100と樹脂繊維102とを混紡したブレード104を有し、図4に示すように、ブレード104全体に接着剤106を塗布し、接着剤106によって、ブレード104と外皮108と接着させた可撓管を考案した。
なお、図3は、本発明の可撓管を説明するための比較例の概略図であり、図4は、図3に示すブレードの部分拡大図である。
前述したように、元来、金属と樹脂との結合は、分子間力のみで結びつく非常に弱い結合であり、特に、水や水蒸気等の水分に弱いため、内視鏡の使用時間等の経時変化や使用環境下や洗浄環境下の水分によって、金属製のブレードと樹脂製の外皮との接着性(密着性または結合性)が低下してしまう。また、金属製のブレードと樹脂製の外皮との接着性を高めるために、接着剤を用いたとしても、接着剤も一般的に樹脂で生成されているため、金属製のブレードと接着剤との接着性も弱く、ブレードと外皮とを十分に接着させるには不十分であり、内視鏡の使用に伴い、金属製のブレードと樹脂製の外皮との接着性は低下してしまう。
このような場合と比較して、上述の特許文献2に開示される可撓管は、上述のようなブレードを有することにより、接着剤の役割を果たす樹脂繊維と金属繊維とが、物理的に結びつくため、接着剤と金属繊維との結びつきが強固になり、さらに、これによって、ブレードと外皮との接着が強固になり、金属製のブレードと樹脂製の外皮とを接着剤のみを介して接着させた可撓管よりもブレードと外皮との接着性の低下が少ない。
また、上述の本発明者が考案した図3(図4)に示すような金属繊維100と樹脂繊維102とを混紡したブレード104を用いた可撓管は、元来、樹脂と樹脂との接着は、硬度の低い樹脂が、硬化している樹脂の表面の空隙に浸入硬化し、釘またはくさびのような働きをするアンカー効果によって、経時や水分等の影響を受けることなく強固に結びつくため、金属製のブレードと樹脂製の外皮とを接着剤のみを介して接着させた可撓管と比較すると、ブレードと外皮との接着力の低下が少ない。
しかしながら、いずれの可撓管も、金属製のブレードと樹脂製の外皮とを接着剤を介して接着させた可撓管と比べると、可撓管におけるブレードと外皮との接着性の低下が少ないものの、内視鏡の使用時間等の経時変化や使用環境下や洗浄環境下の水分によって、ブレードと外皮との接着性が低下し、可撓管の剛性が低下してしまうという問題を解消できなかった。
そこで、本発明者は、熱を加えて接着剤を溶融し、この接着剤を介して、ブレードと外皮とを接着させていた従来の可撓管の製造方法で製造された可撓管を検討したところ、ブレードの金属部分(金属繊維)と外皮も、ブレードの樹脂部分(樹脂繊維)と外皮との接着性と比較すると弱いものではあるが接着しており、このブレードの金属部分と外皮との接着が、可撓管製造直後のブレードと外皮との接着強度に含まれていることを見出し、これによって、樹脂繊維を用いた場合でも、ブレードと外皮との接着性の低下が生じることを知見した。
これに対して、本発明者は、鋭意検討した結果、経時や水分等によって容易に接着性が低下するブレードの金属部分は、外皮と接着させないようにし、水分や経時によって接着性が低下しないブレードの繊維部分だけを外皮と上述のアンカー効果により接着させることにより、ブレードと外皮との接着性が低下しない可撓管を実現できることを見出した。
そこで、本発明においては、図5に示すように、ブレード42は、自身の金属繊維52の部分が外皮44と接着することがないように、離型剤56を付着した金属繊維52と、自身と外皮44との十分な接着性を確保するために、接着剤54を付着した耐熱性の樹脂繊維50(以下、単に、樹脂繊維50という)とを、網目状に混紡されたものが用いられる。
このようなブレード42は、上述したように、螺管40の外周面を被覆し、螺管40と外皮44との間に位置して、可撓管26の剛性補強材としての役割を果たすものである。
さらに、本発明の可撓管26は、このようなブレード42を用いることにより、内視鏡の使用時間等の経時変化や使用環境下や洗浄環境下の水分によってブレード42と外皮44との接着性、すなわち、可撓管26の剛性が低下することが殆どないため、耐久性の高い内視鏡10を実現することができる。
なお、図5は、本発明の可撓管を詳しく説明するための模式図である。
図5においては、ブレード42における金属繊維52と樹脂繊維50とは、約半分ずつの割合で構成されているが、本発明において、ブレード42における金属繊維52と樹脂繊維50との割合は、可撓管26の剛性、および、樹脂繊維50と外皮44との接着によるブレード42と外皮44との接着性が、十分に確保することができれば、特に限定はなく、適宜決定すればよい。
なお、上記機能を果たすために好ましい金属繊維52と樹脂繊維50との構成比は、ブレード42の単位面積辺りの金属繊維、樹脂繊維、空間が、5:4:1の場合が挙げられる。
また、ブレード42における金属繊維52と樹脂繊維50との混紡の仕方(編み方、網目の文様)にも、特に限定はなく、可撓管26の剛性、および、樹脂繊維50と外皮44との接着によるブレード42と外皮44との接着性が、十分に確保することができるように、適宜決定すればよい。
さらに、図5に示すように、ブレード42は、可撓管26(内視鏡10)の小型化の観点や可撓管26の軽量化による操作性向上の観点や可撓管26(内視鏡10)の製造コスト抑制の観点から、一層構成であるのが好ましいが、可撓管26の剛性や出来上がりのサイズによって、適宜決定すればよい。
金属繊維52は、可撓管26に対して十分な剛性効果を発揮できるものであり、離型剤56を付着することができるものであれば、特に限定はなく、ブレード42に使用される一般的な金属繊維を用いればよい。
なお、好適な金属繊維52としては、ステンレス製の直径0.1mmのものが挙げられる。
金属繊維52に付着する離型剤56は、可撓管26製造時に離型剤56が高温の状態に曝された場合でも、離型剤56としての威力を発揮できるものであれば、特に限定はないが、一例として、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂の離型剤が挙げられる。
また、金属繊維52に付着される離型剤56の量は、ブレード42の金属繊維52が、外皮44と溶着しないように、ブレード42の金属繊維の表面状態を保つことができる量であれば、特に限定はないが、一例として、1μm〜100μmの厚さになるように、離型剤56を付着させるのが好ましい。
金属繊維52に離型剤56を付着する方法にも、特に限定はなく、公知の塗布法を好適に用いればよいが、具体的には、金属繊維を離型剤が満たされた槽中に浸漬し、所定時間浸漬した後、金属繊維を槽から引き上げ、溶剤を乾燥させる方法が挙げられる。
他方、樹脂繊維50は、可撓管26製造時にかけられる熱に対して、十分な耐熱性を有するものであれば、特に限定はなく、ブレード42に使用される一般的な耐熱性の樹脂繊維を用いればよい。
ブレード42の樹脂繊維50に付着される接着剤54は、内視鏡10を使用するにあたって、ブレード42の樹脂繊維50と外皮44との接着性が低下することがないように、ブレード42と外皮44とを接着させることができるものであれば、特に限定はないが、好ましくは、ポリエステル系樹脂やポリスチレン系樹脂、さらに、好ましくは、熱可塑性ポリウレタン系エラストマーで形成れた外皮44と接着性の良いポリウレタン系樹脂が、好適に例示される。
また、樹脂繊維50に付着される接着剤54の量にも、特に限定はないが、ブレード42の樹脂繊維50と外皮44との接着性が十分に発揮されるように、接着剤54を付着した樹脂繊維50の重量が、接着剤54を付着する前の樹脂繊維50の重量と比較して、好ましくは、約10%以上増量するように付着するのがよい。
樹脂繊維50に接着剤54を付着する方法にも、特に限定はなく、公知の含浸法等を好適に用いればよいが、具体的には、接着剤54が満たされた槽中に樹脂繊維50を浸漬し、所定時間浸漬した後、樹脂繊維50を槽から引き上げ、溶剤を乾燥させる方法が挙げられる。
ブレード42を形成する方法は、上述の離型剤56を付着した金属樹脂52と接着剤54を付着した樹脂繊維50を用いて、これらを網目状に混紡したものを形成することできれば、特に限定はないが、一例としては、特開2001-70235号公報に開示されている図6に示すような装置を用いても良い。
図6に、本発明に係るブレード42を混紡する際に用いる編み組み装置の一例の概念図を示す。
図6に示す装置(特開2001-70235号公報に開示されている)は、案内円板122の全周部にエンドレスに、かつ、何度も交叉して蛇行するように形成される2条の案円溝123,124を有し、この各案内溝123,124に沿って半分づつ反対向きに移動する多数のボビン125…が配置され、上記各ボビン125には樹脂繊維50と金属樹脂52が複数本ずつ束ねて巻き付けられている。さらに、図6に示す装置は、プーリ127を有し、このプーリ127に駆動力を伝達する歯車機構を有する。
上記図6に示す装置は、上記各ボビン125…を図示しない移動操作機構によって上記案内溝123,124に沿って移動させながら樹脂繊維50および金属繊維52を繰り出すことにより、長尺な樹脂の円筒部材115の外周面に、ブレード42を編成する。このとき、ブレード42は、プーリ127に巻き掛け移送される。
上述のようにして編成したブレード42を、所定の長さに切断し、樹脂の円筒部材115を取り外して、筒状のブレード42を得る。
本発明において、ブレード42を、螺管40の外周面に被覆させる方法には、特に限定はないが、一例としては、中空状(筒状)のブレード42の内側に螺管40を挿入し、挿入後、螺管40とブレード42との間に隙間がなくなるまで、ブレード42を適当な手段で引き伸ばし、螺管40の外周面にブレード42が密着するように被覆させる方法が挙げられる。
こうして、螺管40の外周面に、ブレード42を被覆させた状態の内管48を形成することができる。
外皮44は、樹脂製のもので、可撓管の内部を保護でき、かつ、内視鏡10を体内に挿入した際に、生体に影響を与えないものであれば、特に限定はない。
外皮44を形成する樹脂には、特に限定はないが、ポリウレタン樹脂、塩化ビニール、ナイロン、ポリエステル、テフロン(登録商標)等の合成樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、および、これらの混合物等が、好適例として挙げられる。
外皮44の形成方法には、特に限定はなく、公知の中空管を製造する方法で、中空管状の外皮44を形成しても良いし、他には、例えば、公知の押出成形機を用いて、内管48の外周面に、溶解した樹脂を均一の厚さに押し出して付着した後、直後に冷却することによって、内管48のブレード42の外周面に、外皮44を直接形成する方法が挙げられる。
上述のように、ブレード42の外周面に外皮44を直接形成する場合には、用いる樹脂の熱によって、ブレード42の樹脂繊維50に付着された接着剤54、および、金属繊維52に付着された離型剤56が溶融され、離型剤56の作用により、金属繊維52は、外皮44と結合することなく、樹脂繊維50のみが、接着剤54によって、外皮44と強固に接着し、これによって、ブレード42に外皮44が被覆される。
本発明において、内管48のブレード42の外周面に、外皮44を被覆させる方法には、特に限定は無く、上述のように、ブレード42の外周面に外皮44を直接形成して、ブレード42の外周面に外皮44を形成してもよいし、他の一例としては、内管48に、予め形成した中空管状の外皮44を被せ、全体に、約160℃〜180℃の温度をかけて、この熱で、ブレード42の樹脂繊維50に付着された接着剤54、および、金属繊維52に付着された離型剤56を溶融させ、この接着剤54を介して、樹脂繊維50と外皮44とを接着させて、内管48の外周面に外皮44を被覆させる方法が挙げられる。なお、この場合も、ブレード42の金属繊維52は、離型剤56の作用によって、外皮44と接着することは無い。
上記約160℃〜180℃という温度範囲は、ポリウレタン系樹脂の接着剤54、シリコン系樹脂の離型剤56、ポリウレタン系エラストマーまたはポリエステル系エラストマーで成る外皮44を用いた場合に、ブレード42を内管48の外周面に被覆させる際に、接着剤54および離型剤56が溶融し、接着剤54が、ブレード42と螺管40とを接着させることなく、ブレード42の樹脂繊維50と外皮44とを十分に接着させ、また、離型剤56が、ブレード42の金属繊維52と外皮44とを接着させないように作用する好適な温度範囲である。
上述のように、いずれの方法で形成された場合であっても、本発明の可撓管26においては、接着剤54を付着した樹脂繊維50と離型剤56を付着した金属繊維52とを網目状に混紡したブレード42を有することにより、ブレード42の樹脂繊維50は、接着剤54を介して、外皮44と強固に接着し、他方、金属繊維52は、離型剤56の作用によって、外皮44と接着することがないため、ブレード42と外皮44とをアンカー効果により接着させる結合の中に、経時や水分の影響を受けて接着性(密着性)が低下する結合が殆どなくなる。これにより、本発明の可撓管26は、内視鏡の使用時間や使用環境下の水分等によって、グレード42と外皮44との接着性が低下することがなくなり、すなわち、可撓管26の剛性が低下しない、耐久性の高い内視鏡10を提供することができる。
本発明において、コート層46は、非粘着性の層であり、外皮44を保護し、かつ、内視鏡10の外表面部分に体腔内汚物等が付着することを防止し、内視鏡10の薬品に対する耐性を高め、さらに、患者の体腔内に挿入される可撓管26の滑り性を高めるためのものである。
コート層46を形成する材料には、特に限定はなく、従来の可撓管26に用いられるものを用いればよく、また、その形成方法にも、特に限定はなく、公知の方法で形成すればよい。
さらに、外皮44の外周面にコート層46を被覆させる方法にも、特に限定はなく、公知の方法で行なえばよい。
以上、本発明の内視鏡用可撓管について詳細に説明したが、本発明は、上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行なってもよいのは、もちろんである。
本発明の内視鏡用可撓管を用いる内視鏡の一実施例の概略図である。 本発明の内視鏡用可撓管の一実施例の概念図である。 本発明の可撓管を説明するための比較例の参照図である。 図3に示すブレードの部分拡大図である。 本発明の内視鏡用可撓管の一実施例の模式図である。 本発明に係るブレードを混紡する際に用いる編み組み装置の一実施例の概念図である。
符号の説明
10 内視鏡
12 挿入部
14 操作部
18 ユニバーサルコード
22 先端部
24 アングル部
26 内視鏡用可撓管
28 鉗子口
30 吸引ボタン
32 送気/送水ボタン
36,38 操作ノブ
40,110 螺管
42,104 ブレード
44,108 外皮
46 コート層
48 内管
50,100 金属繊維
52,102 樹脂繊維
54,106 接着剤
56 離型剤
115 円筒部材
122 案内円板
123,124 案内溝
125 ボビン
127 プーリ
128 歯車機構

Claims (5)

  1. 帯状板を螺旋状に巻回して形成した螺管と、
    前記螺管の外周面を被覆するブレードと、
    前記ブレードの外周面を被覆する樹脂製の外皮とを有する内視鏡用可撓管であって、
    前記ブレードは、離型剤を付着した金属繊維と、接着剤を付着した耐熱性の樹脂繊維とが、網目状に混紡されたものであり、前記接着剤によって前記外皮に接着されていることを特徴とする内視鏡用可撓管。
  2. 前記ブレードを構成する前記金属繊維と前記樹脂繊維のうち、前記樹脂繊維のみが、前記接着剤を介して、前記外皮と接着している請求項1に記載の内視鏡用可撓管。
  3. 前記ブレードは、1層構成である請求項1または2に記載の内視鏡用可撓管。
  4. 前記離型剤を付着した金属繊維の重量は、前記離型剤を付着する前の金属繊維の重量と比較して、10%以上増量している請求項1〜3のいずれかに記載の内視鏡可撓管。
  5. 前記外皮の外周面を被覆するコート層を有する請求項1〜4に記載の内視鏡用可撓管。
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