JP5020755B2 - トナー - Google Patents

トナー Download PDF

Info

Publication number
JP5020755B2
JP5020755B2 JP2007244758A JP2007244758A JP5020755B2 JP 5020755 B2 JP5020755 B2 JP 5020755B2 JP 2007244758 A JP2007244758 A JP 2007244758A JP 2007244758 A JP2007244758 A JP 2007244758A JP 5020755 B2 JP5020755 B2 JP 5020755B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
particles
resin
image
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007244758A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009075378A (ja
Inventor
恵理子 柳瀬
正 道上
道久 馬籠
崇 松井
智久 佐野
彰 榊原
就一 廣子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2007244758A priority Critical patent/JP5020755B2/ja
Publication of JP2009075378A publication Critical patent/JP2009075378A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5020755B2 publication Critical patent/JP5020755B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、トナージェット法の如き記録方法に用いられるトナーに関するものである。
プリンターや複写機は近年アナログからデジタルへの移行が進み、潜像の再現性に優れ高解像度であると同時にプリント速度の向上や高信頼性、低ランニングコストであることが要求されている。
複写機やプリンターは電子写真方式の画像形成装置を用いているものが多い。この画像形成装置は、図1に示すように、電子写真感光体としての感光ドラム100を回転させ、感光ドラム100を露光123することで潜像を形成し、その潜像を現像装置140によってトナーを用いて現像してトナー像を形成し、そのトナー像を転写材に転写し、トナー像を転写材に定着することで画像記録するものである。この画像形成装置においては、一般的に、感光体から転写材にトナー像を転写した後に感光ドラム上に残ったトナー(転写残トナー)は、クリーニング部材116(クリーニングブレード)により除去される。除去されなかった転写残トナーは、感光ドラム上に停滞もしくは蓄積し、経時とともに成長することで種々の画像欠陥の原因となる。
この問題に対して、トナー粒子中に研磨剤や潤滑剤として無機微粉体を外添することでトナーのクリーニング性を改良することを目的としたトナーが提案されている。例えば、導電性酸化亜鉛及び酸化錫をトナー粒子に外添したトナーが提案されている。(特許文献1乃至5参照)。さらに、フッ化セリウム或いはフッ素含有酸化セリウム粒子をトナー粒子に外添したトナーが提案されている(特許文献6及び7参照)。さらに、特定のポリエステル樹脂を使用したトナー粒子にBET比表面積が0.5乃至30m2/gの無機微粉体とBET比表面積が40乃至400m2/gの無機微粉体を外添したトナーが提案されている(特許文献8参照)。さらに、平均一次粒子径30乃至150nmの一次粒子の焼結凝集体であるチタン酸ストロンチウム微粒子をトナー粒子に外添したトナーが提案されている(特許文献9参照)。しかし、これらのトナーでは、高画質化を目的としたトナーの微粒子化に伴い安定した画像濃度が得られにくく、研磨粒子の硬度が一定でないために感光ドラムを不均一に削ってしまう。それにより研磨部分と未研磨部分とで感光ドラムとクリーニングブレードとの摩擦係数が異なることにより、クリーニングブレードのめくれや、トナーがクリーニングブレードをすり抜けたり、感光ドラムの傷による画像欠陥を生じたり、或は、十分なクリーニング性が得られない場合があり更に改良の余地があった。
また、クリーニング性改良のためにクリーニングブレードの感光ドラムに対するブレード圧を上げる方法もあるが、単にブレード圧を上げるだけでは逆にクリーニングブレードのビビリやめくれといった問題が発生しやすくなってしまう。さらに、本体の小型化に伴って感光ドラムの小径化も進んでいるが、感光ドラムが小径化すると感光ドラムの表面の曲率が高くなるため、クリーニングブレードによる安定した掻き取り性を達成するのが難しくなる。
これらの問題を解決するために、トナー粒子に樹脂微粒子を外添したトナーが提案されている。例えば、特許文献10では、シリカ微粉体及び研磨性粒子に加えて、特定の樹脂微粒子を潤滑剤として併用することで、長期の使用におけるクリーニング性を改良している。また、特許文献11では、クリーニング性の改良目的ではないが、トナー外添剤として硬質アクリル微粒子またはアクリルーウレタン微粒子を用いることで、長期に渡って高印字品位が得られるトナーが提案されている。
しかしながら、本発明者らが検討したところ、樹脂微粒子を一定量以上トナーに含有させると、停止スジと言われる感光ドラム周期のスジ状の画像欠陥が発生し易いことが分かってきた。
停止スジは以下の原因で発生すると考えられている。印字する際の感光ドラムとクリーニングブレードの挙動を考えると、多数枚印字を重ねることでクリーニングブレードの先端部分にトナーの凝集塊が形成され、印字を停止した際に、感光ドラムとクリーニングブレード先端部のニップ部にトナーが凝集塊として蓄積される。こうしたトナーは印字停止時にニップ部の圧力により感光ドラムに押しつけられることで、融着を引き起こす。その状態のまま、再び印字しようとした際に、トナーは感光ドラムに融着しているがために、本来であればクリーニングブレードにより取り除かれるべきトナーが、保持されたままブレードをすり抜けてしまう現象が発生する。この状態で感光ドラムが1回転し、融着したトナーがクリーニングブレード部位と接触した際に、感光ドラムとクリーニングブレード間の回転阻害を引き起こし、その瞬間に帯電ムラなどの帯電安定性の低下を招く。そして、感光ドラムが2回転、3回転と回転を重ねるたびに、同様の原因により静電潜像担持体の回転周期ごとに帯電不良による画像欠陥が引き起こされる。
特開昭58−66951号公報 特開昭59−168458号公報 特開昭59−168459号公報 特開昭59−168460号公報 特開昭59−170847号公報 特開平1−204068号公報 特開平8−82949号公報 特開平1−223468号公報 特開平10−10770号公報 特許第3234951号 特開平5−341557号公報
本発明の目的は、クリーニング性及び耐久性に優れ、停止スジの発生のないトナーを提供することにある。
さらに、本発明の目的は、高温高湿環境下における長期の使用においても画像濃度が高く、クリーニング不良による縦スジ等の画像不良がなく、停止スジの発生の無いトナーを提供することにある。
本発明は、結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有するトナー粒子と、樹脂粒子とを有するトナーであって、
前記樹脂粒子の含有量は、前記トナー粒子100質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下であり、
前記樹脂粒子が、微小圧縮試験において、前記樹脂粒子の1粒子に負荷速度9.8×10-5N/secで荷重9.8×10-4Nを付加した時の最大変位量をX100(μm)とし、荷重2.0×10-4N時の変位量をX20(μm)とし、弾性変位をYとしたとき、下記式(1)、(2)及び(3
式(1) 0.2≦X20/X100≦0.8
式(2) 0.4≦X100≦1.5
式(3) 0.3≦Y<X100
を満たし、且つ、
前記トナー粒子の重量平均粒径D4tが5.0μm以上10.0μm以下であり、
前記トナー粒子の重量平均粒径D4t(μm)と、前記樹脂粒子の重量平均粒径D4r(μm)が下記式(4)
式(4) 0.5≦D4r/D4t≦2.0
を満たし、
前記トナーは、平均円形度が0.950以上であることを特徴とする。
本発明によれば、クリーニング性及び耐久性に優れ、停止スジの発生のないトナーを提供することができる。
さらに、本発明によれば、高温高湿環境下における長期の使用においても画像濃度が高く、クリーニング不良による縦スジ等の画像不良がなく、停止スジの発生の無いトナーを提供することができる。
本発明のトナーは、結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有するトナー粒子と、樹脂粒子とを有するトナーであって、
前記樹脂粒子が、微小圧縮試験において、前記樹脂粒子の1粒子に負荷速度9.8×10-5N/secで荷重9.8×10-4Nを付加した時の最大変位量をX100(μm)とし、荷重2.0×10-4N時の変位量をX20(μm)とし、弾性変位をYとしたとき、下記式(1)、(2)及び(3)を満たすことを特徴とする。
式(1) 0.2≦X20/X100≦0.8
式(2) 0.4≦X100≦1.5
式(3) 0.3≦Y<X100
感光ドラムとクリーニングブレードとのクリーニングニップ部においては、クリーニングブレードは所定の圧力で感光ドラムへ押圧されている。微小な視点で見た場合、その圧力はある一定の振れ幅を有しているが、小径の感光ドラムであったり、プロセススピードが速くなってくると、振れ幅が大きくなり易い。このような状態が進むと、クリーニングブレードがビビリ、転写残トナーのすり抜けが発生してしまう場合がある。
この問題に対して本発明者らが鋭意検討した結果、微小圧縮試験において、式(1)、(2)及び(3)を満たす樹脂粒子を含有することで、前述したようなブレードのビビリ及びすり抜けを抑制できることが判明した。微小圧縮試験において、最大変位量X100と荷重2.0×10-4N時の変位量X20の比が0.2≦X20/X100≦0.8であるということは、X20に相当する比較的小さな負荷に対しての変位量が、X100の場合に対して最大で80%に達していることを意味する。また、最大変位量X100が0.4≦X100≦1.5であり、弾性変位Yが0.3≦Y<X100であるということは、外部からの負荷に対して変位量が大きく、除荷された際の復元率も高いということを意味する。即ち、このような樹脂粒子は外部からの負荷/ストレスに対して敏感に反応し易く、またそのストレスを吸収することができる。このような樹脂粒子をクリーニングブレードのニップ部に滞留させることで、ニップ部に高弾性の阻止層が形成されるため、クリーニングブレードを高度に安定化することができる。よって、小径の感光ドラムを使用し、高いプロセススピードにおいてもビビリやすり抜けの発生が無く、高いクリーニング性を達成することが可能になった。
20/X100が0.2より小さい場合は、樹脂粒子の負荷に対する応答性が低下するため、クリーニング性を十分に発現しにくい。一方、0.8より大きい場合は、樹脂粒子が柔らか過ぎて、現像時にトナー担持体へ融着し易くなる。
100が0.4より小さい場合は、クリーニングブレードの振れを十分に吸収することが出来ないため、クリーニング性が低下する。逆に、1.5より大きい場合は、変位量が大きすぎてクリーニングブレードの安定性が低下してしまう。
Yが0.3より小さい場合は、負荷が取り除かれた時の戻り変位量が少なく弾性に欠けるため、クリーニングが安定しにくい。
本発明における微小圧縮試験は、(株)エリオニクス社製 超微小硬度計ENT1100を用いた。本装置は、圧子を試料へ押し込んだときの、圧子への負荷荷重と押し込み深さを負荷時、除荷時にわたり連続的に測定することにより、負荷荷重−押し込み深さ曲線を得、この曲線から微小圧縮硬度・弾性率等のデータを得るものである。該装置を用いた測定方法は、(株)エリオニクス発行のENT1100操作マニュアルに記載されているが、具体的には以下の通りである。
使用圧子は20μm×20μm四方の平圧子を用い、測定環境は温度27℃、湿度60%RHで測定する。最大荷重を9.8×10-4Nに設定し、9.8×10-5N/secのスピードで荷重を掛ける。最大荷重(9.8×10-4N)に到達後、0.1secの間、その荷重で放置する。該最大荷重到達後0.1sec経過時に変位している量を最大変位量X100(μm)とする。引き続き、上記最大荷重から9.8×10-5N/secのスピードで除荷し、荷重が0になったときの変位量(μm)を求める。上記最大変位量X100(μm)と荷重が0になったときの変位量(μm)の差を求め、弾性変位量Y(μm)とする。
一方、最大荷重を9.8×10-4Nに設定し、9.8×10-5N/secのスピードで荷重を掛け、荷重が2.0×10-4Nに達したときの変位量をX20(μm)とする。
実際の測定はセラミックセル上に樹脂粒子を塗布し、樹脂粒子がセル上に分散するように微小なエアーを吹き付ける。そのセルを装置にセットして測定する。
測定は、装置付帯の顕微鏡を覗きながら測定用画面(横幅:160μm 縦幅:120μm)に樹脂粒子が1粒子で存在しているもの選択する。変位量の誤差を極力無くすため、樹脂粒子径が個数平均粒径D1の±0.20μmのものを選択して測定する。なお、測定用画面から任意の樹脂粒子を選択するが、粒子径の測定手段は超微小硬度計ENT1100付帯のソフトを用いて樹脂粒子の長径と短径を測定し、それらから求められるアスペクト比[(長径+短径)/2]をD(μm)とした。
測定に際しては、粒子径が上記条件を満たす任意の樹脂粒子100個を選んで最大変位量X100を測定し、得られた最大変位量X100(μm)の最大値、及び最小値から大きい順番又は小さい順番にそれぞれ10個のトナー粒子を除いた残り80個のトナー粒子をデータとして使用する。該選択されたトナー粒子80個についてそれぞれX20(μm)を最大変位量X100(μm)で除し、80個のX20/X100の算術平均値を求め、X20/X100とした。X100及びYについても、それぞれ80個の算術平均値を求め、X100及びYとする。
本発明のトナー(実施例1のトナーA)に使用される樹脂粒子の、微小圧縮試験における荷重−変位曲線を表したグラフを図2に示す。
本発明において、樹脂粒子は次のように回収した。
トナー10gを、ノニオン性界面活性剤(和光純薬社製コンタミノンN)を5.0g溶解した水溶液500mlに均一に分散せしめ、500mlビーカー中、常温・常圧の条件下、10分間、超音波処理を行う。なお、超音波分散機として、SMT社製UH−50を使用し、20kHz,50Wの強度で処理を行う。
この分散液を遠心分離し、乳白色になった上澄みのみをスポイト等で回収し、ポアサイズ0.10μmのろ紙を用いて濾過する。
固形分はイオン交換水により3回以上洗浄し、減圧乾燥させた。
本発明のトナーに使用される樹脂粒子の成分としては特に限定されるものではない。樹脂粒子を形成するための好ましい樹脂として、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、アミノ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。この中でも、ウレタン粒子であると、微小圧縮試験において本発明の範囲を得ることが比較的容易であるため好ましい。
ウレタン粒子は、例えば以下の方法により製造することができる。1種以上からなる懸濁安定剤を含む水中に、ポリイソシアネートプレポリマー単独あるいはそれにポリウレタンを添加し、撹拌して懸濁液を得、次いで加温して反応を開始してポリウレタンビーズを生成させ、これを固液分離、洗浄、乾燥することにより製造することができる。
ポリイソシアネートプレポリマーとは、ジイソシアネート化合物とポリオール化合物との反応物であり、末端イソシアネート基を有する。ジイソシアネート化合部としては、特に限定されないが、例えば以下のものが挙げられる。ジフェニルメタンジイソシアネートの如き芳香族系イソシアネート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネートの如き脂肪族系イソシアネート化合物。ポリオール化合物としては、特に限定されないが、例えば以下のものが挙げられる。ポリエステルポリオール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリオレフィンポリオール。ジイソシアネート化合物及びポリオール化合物は、単独で使用しても、2種以上を併用しても良い。2官能末端ポリイソシアナートプレポリマーを使用した場合は熱可塑性ウレタンビーズが得られ、2官能以上のポリイソシアネートプレポリマーを使用すると3次元架橋したウレタン粒子が得れる。
懸濁安定剤としては、有機系、無機系いずれも使用することができる。具体的には以下のものが挙げられる。メチルセメロース,ヒドロキシエチルセルロース,ヒドロキシプロピルメチルセルロース,カルボキシメチルセルロースの如きセルロース系水溶性樹脂;ポリビニルアルコール,ポリアクリル酸塩類,ポリエチレングリコール,ポリビニルピロリドン,ポリアクリルアミド系,第三燐酸塩類。これらは1種または2種以上の混合物として使用できる。
本発明のトナーにおいて、前期樹脂粒子の含有量は、トナー粒子100質量部に対し0.1質量部以上5.0質量部以下であることが好ましい。含有量が0.1質量部より少ない場合には、本発明の効果が十分に得られにくい。一方、含有量が5.0質量部を超える場合には、トナーの摩擦帯電性が低下しやすく、カブリが発生しやすく、停止スジが発生しやすくなる。
本発明のトナーは、平均円形度が0.950以上であることが好ましい。平均円形度が0.950より小さいと、トナー形状がいびつで不均一であるので、樹脂粒子のトナーからの遊離状態も不均一になり易い。そのため、クリーニング部への樹脂粒子の供給量が不安定となり、特に長期の使用においてはクリーニング性が低下し易く好ましくない。
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像測定装置「FPIA−2100」(シスメックス社製)を用いて測定する。詳細は以下の通りである。
先ず、円形度を次式より算出する。
円形度=(粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
ここで、「粒子投影面積」とは二値化された粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さである。測定は、512×512の画像処理解像度(0.3μm×0.3μmの画素)で画像処理した時の粒子像の周囲長を用いる。
本発明における円形度は粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、粒子が完全な球形の場合に1.00を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
また、円形度頻度分布の平均値を意味する平均円形度Cは、粒度分布の分割点iでの円形度をci、測定粒子数をmとすると、下記式(1)から算出される。
Figure 0005020755
また、円形度標準偏差SDは、平均円形度C、各粒子における円形度ci、測定粒子数をmとすると下記式(2)から算出される。
Figure 0005020755
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩を加えた後、更に測定試料を0.02g加え、分散させる。分散させる手段としては、発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150型」(日科機バイオス社製)を用い、2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上とならない様に適宜冷却する。また、円形度のバラツキを抑えるため、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100の機内温度が26乃至27℃になるよう装置の設置環境を温度23℃±0.5℃にコントロールし、一定時間おきに、好ましくは2時間おきに2μmラテックス粒子を用いて自動焦点調整を行う。
トナー粒子の円形度測定には、前記フロー式粒子像測定装置を用い、測定時のトナー粒子濃度が約5000個/μlとなる様に該分散液濃度を再調整して計測する。計測後、このデータを用いて、円相当径2μm未満のデータをカットして、トナーの平均円形度を求める。尚、円相当径は、以下のようにして算出される値である。
円相当径=(粒子投影面積/π)1/2×2
本発明のトナーは、含有するトナー粒子の重量平均粒径D4tが5.0μm以上10.0μm以下であり、前期トナー粒子の重量平均粒径D4tと前期樹脂粒子の重量平均粒径D4rが下記式(4)を満たすことが好ましい。
式(4) 0.5≦D4r/D4t≦2.0
樹脂粒子のトナー粒子に対する遊離状態は、粒径の大きさによって異なる。一般的に、添加される樹脂粒子の粒径が小さければ小さいほど、トナー粒子に付着して挙動し、大きいほどトナー粒子から遊離して挙動する。D4r/D4tが式(4)の範囲にあるということは、樹脂粒子の重量平均粒径が、トナー粒子の重量平均粒径と同等程度の大きさであることを意味する。このような場合、トナー粒子と樹脂粒子が完全に遊離して挙動するので、クリーニング部へ樹脂粒子が十分に供給されるため好ましい。D4r/D4tが0.5より小さい場合は、樹脂粒子の一部がトナーに付着するようになるため、本発明の効果が小さくなる。一方、D4r/D4tが2.0よりも大きい場合は、粒径が大きすぎて、現像スジなどの画像欠陥の要因となり易く好ましくない。
また、トナー粒子の重量平均粒径D4tは、高画質化という点から10.0μm以下であることが好ましい。一方、トナー粒子の重量平均粒径D4tが5.0μmより小さい場合は、小径粒子となるため、トナー粒子がクリーニングブレードをすり抜けやすくなる。さらに、流動性が低化するため現像性が低下し易くなる。
前述したように、樹脂粒子のトナー粒子に対する粒径はその遊離状態に影響するので、粒度分布についてもまた同様である。そのため、本発明に使用される樹脂粒子の重量平均粒径D4rと個数平均粒径D1rの比、D4r/D1rは1.7以下であることが好ましい。D4r/D1rが1.7より大きい場合は、樹脂粒子の粒度分布がブロードであり、トナー粒子との遊離状態を均一に保ちにくくなるため、特に長期の使用においてはクリーニング性が低下する傾向にある。
前記トナー粒子の重量平均径D4t、前記樹脂粒子の重量平均粒径D4r及び前記樹脂粒子の個数平均粒径D1rは、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行ない、算出した。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行なう前に、以下のように専用ソフトの設定を行なった。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー粒子または樹脂粒子約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナー粒子または樹脂粒子を分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4tまたはD4r)および個数平均粒径(D1r)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4tまたはD4r)であり、専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、分析/個数統計値(算術平均)画面の「平均径」が個数平均粒径(D1r)である。
また、本発明のトナーは負帯電性トナーであり、前記トナー粒子の摩擦帯電量の絶対値IQtIが、前記樹脂粒子の摩擦帯電量の絶対値IQrIよりも大きいことが好ましい。トナー粒子の摩擦帯電量の絶対値IQtIが樹脂粒子の摩擦帯電量の絶対値 IQrIよりも小さい場合は、樹脂粒子が強ネガ性粒子であるか、または強ポジ性粒子である。トナーから遊離して挙動する樹脂粒子の摩擦帯電性がこのように大きい場合は、マイクロキャリアとして働き、トナーの摩擦帯電性に大きな影響を及ぼしてしまうため好ましくない。具体的には、樹脂粒子が強ネガ性粒子の場合は、トナーの負摩擦帯電性が低下してしまい、画像濃度が低下する傾向にある。逆に、樹脂粒子が強ポジ性粒子の場合は、トナーの負摩擦帯電性が非常に高くチャージアップし易くなり、カブリが発生しやすくなる。
トナーの摩擦帯電量は、トナー10質量部に対しキャリア90質量部を混合したものを常温常湿環境下(温度23℃、湿度50%RH)に一晩放置し、下記の要領で測定する。
測定の際には鉄粉キャリアを用い、250メッシュパス、350メッシュオンが70質量%以上になるようにしたものを使用する。
図3はトナーの摩擦帯電量を測定する装置の説明図である。先ず、摩擦帯電量を測定しようとするトナーとキャリアの質量比10:90の混合物を50ml容量のポリエチレン製のビンに入れ、やよい振とう機により2分間振とうする。その後、底に500メッシュのスクリーン103のある金属製の測定容器102に該混合物0.5g以上1.5g以下を入れて金属製のフタ104をする。このときの測定容器102全体の質量を秤りW1(g)とする。次に、吸引機101(測定容器102と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口107から吸引し風量調節弁106を調整して真空計105の圧力を250mmAqとする。この状態で2分間吸引を行いトナーを吸引除去する。このときの電位計109の電位をV(ボルト)とする。ここで108はコンデンサーであり容量をC(μF)とする。吸引後の測定容器全体の質量を秤りW2(g)とする。このトナーの摩擦帯電量(μC/g;mC/kg)は下式を用いて計算される。
Figure 0005020755
トナー粒子に使用される着色剤としては、磁性あるいは非磁性無機化合物、公知の染料及び顔料が挙げられる。具体的には以下のものが挙げられる。コバルト、ニッケルの如き強磁性金属粒子;これらにクロム、マンガン、銅、亜鉛、アルミニウム、希土類元素を加えた合金の粒子;ヘマタイトの粒子;チタンブラック、ニグロシン染料/顔料、カーボンブラック、フタロシアニン。
磁性粉体を着色剤として使用する場合には、マグネタイト、マグヘマタイト、フェライトの如き磁性酸化物及びその混合物が好ましく用いられる。
本発明のトナーに使用できる磁性粉体は、鉄、リン、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、ケイ素の如き元素を含んでも良く、四三酸化鉄、γ−酸化鉄等、酸化鉄を主成分とするものであり、これらを1種または2種以上併用して用いられる。これら磁性体は、窒素吸着法によるBET比表面積が2乃至30m2/gが好ましく、特に3乃至28m2/gがより好ましい。また、モース硬度が5乃至7のものが好ましい。
磁性粉体の形状としては、多面体、8面体、6面体、球形、針状、鱗片状があるが、多面体、8面体、6面体、球形の如く、異方性の少ないものが画像濃度を高める上で好ましい。
なお、磁性粉体の形状はSEMあるいはTEMによって確認することが出来、形状に分布がある場合は、存在する形状の内、最も多い形状をもって該磁性粉体の形状とする。
磁性粉体の体積平均粒径としては0.05乃至0.40μmが好ましい。体積平均径が0.05μm未満の場合、黒色度が低下し、白黒用トナーの着色剤としては着色力が低下する。さらに、磁性粉体の凝集が強くなるため、結着樹脂への分散性が低下する。一方、体積平均粒径が0.40μmを超えてしまうと、残留磁化は小さくなるものの、着色力が低下する。加えて、特に小粒径トナー用の着色剤として使用する場合、個々のトナー粒子に均一に磁性粉体を分散させることが確率的に困難となり、分散性が低下するので好ましくない。
なお、磁性粉体の体積平均粒径は、透過型電子顕微鏡を用いて測定できる。具体的には、エポキシ樹脂中へ観察すべきトナー粒子を十分に分散させた後、温度40℃の雰囲気中で2日間硬化させ得られた硬化物を、ミクロトームにより薄片上のサンプルとして、透過型電子顕微鏡(TEM)において1万倍ないしは4万倍の拡大倍率の写真で視野中の100個の磁性粉体粒子径を測定する。そして、磁性粉体の投影面積に等しい円の相当径をもとに、体積平均粒径の算出を行った。また、画像解析装置により粒径を測定することも可能である。
本発明のトナーを重合法により製造する場合には、上記磁性体をカップリング剤で疎水化処理することが好ましい。磁性体表面を疎水化する際、水系媒体中で、磁性体を一次粒径となるよう分散しながらカップリング剤を加水分解しながら表面処理することによって得られる磁性体が好適である。水系媒体中での疎水化処理方法は、気相中での処理に比べ、磁性体粒子同士の合一が生じにくく、また疎水化処理による磁性体粒子間の帯電反発作用が働き、磁性体はほぼ一次粒子の状態で表面処理されるようになるため、高い均一性の疎水化が達成されるので好ましい。
カップリング剤を水系媒体中で加水分解しながら磁性体表面を処理する方法は、クロロシラン類やシラザン類のようにガスを発生するようなカップリング剤を使用する必要もない。さらに、これまで気相中では磁性体粒子同士が合一しやすくて、良好な処理が困難であった高粘性のカップリング剤も使用できるようになり、疎水化の効果は絶大である。
本発明に使用できるカップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤が挙げられる。より好ましく用いられるのはシランカップリング剤であり、一般式
mSiYn
(式中、Rはアルコキシ基を示し、mは1乃至3の整数を示し、Yはアルキル基、ビニル基、グリシドキシ基、メタクリル基の如き炭化水素基を示し、nは1〜3の整数を示す。)
で示されるものである。具体的には、以下のものが挙げられる。ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン。
特に、下記式
p2p+1−Si−(OCq2q+13
(式中、pは2乃至20の整数を示し、qは1〜3の整数を示す。)
で示されるアルキルトリアルコキシシランカップリング剤を使用して水系媒体中で磁性体を疎水化処理するのが良い。
上記式におけるpが2より小さいと、疎水化処理は容易となるが、疎水性を十分に付与することが困難であり、またpが20より大きいと、疎水性は十分になるが、磁性体粒子同士の合一が多くなり、トナー中へ磁性体粒子を十分に分散させることが困難になる。
また、qが3より大きいと、シランカップリング剤の反応性が低下して疎水化が十分に行われにくくなる。特に、式中のpが2乃至20の整数(より好ましくは、3乃至15の整数)を示し、qが1乃至3の整数(より好ましくは、1または2の整数)を示すアルキルトリアルコキシシランカップリング剤を使用するのが良い。
その処理量は磁性体100質量部に対して、0.05乃至20質量部、好ましくは0.1〜10質量部であり、磁性体の表面積、カップリング剤の反応性などに応じて処理剤の量を調整することが好ましい。
本発明において、水系媒体とは、水を主要成分としている媒体である。具体的には、水系媒体として水そのもの、水に少量の界面活性剤を添加したもの、水にpH調整剤を添加したもの、水に有機溶剤を添加したものが挙げられる。界面活性剤としては、ポリビニルアルコールの如きノンイオン系界面活性剤が好ましい。界面活性剤は、水に対して0.1乃至5質量%添加するのが良い。pH調整剤としては、塩酸の如き無機酸が挙げられる。
撹拌は、例えば撹拌羽根を有する混合機(具体的には、アトライター、TKホモミキサーの如き高剪断力混合装置)で、磁性体微粒子が水系媒体中で、一次粒子になるように充分におこなうのが良い。
こうして得られる磁性体粒子は粒子の凝集が見られず、表面が均一に疎水化処理されているため、トナー材料として用いた場合、トナー中への分散性が非常に良好であり、しかもトナー表面からの露出が無い。
本発明のトナーに用いられる酸化鉄は、例えば下記方法で製造される。
硫酸第一鉄水溶液の如き第一鉄塩水溶液に、鉄成分に対して当量又は当量以上の水酸化ナトリウムの如きアルカリを加え、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製する。調製した水溶液のpHをpH7以上(好ましくはpH8乃至10)に維持しながら空気を吹き込み、水溶液を温度70℃以上に加温しながら水酸化第一鉄の酸化反応を行い、磁性酸化鉄粒子の芯となる種晶をまず生成する。
次に、種晶を含むスラリー状の液に、前に加えたアルカリの添加量を基準として約1当量の硫酸第一鉄を含む水溶液を加える。液のpHを6乃至10に維持しつつ空気を吹込みながら水酸化第一鉄の反応を進め、種晶を芯にして磁性酸化鉄粒子を成長させる。酸化反応が進むにつれて液のpHは酸性側に移行していくが、液のpHは6未満にしない方が好ましい。酸化反応の終期に液のpHを調整し、磁性酸化鉄が一次粒子になるよう十分に撹拌する。カップリング剤を添加して十分に混合撹拌し、撹拌後に濾過し、乾燥し、軽く解砕することで疎水性処理磁性酸化鉄粒子が得られる。あるいは、酸化反応終了後、洗浄、濾過して得られた酸化鉄粒子を、乾操せずに別の水系媒体中に再分散させた後、再分散液のpHを調整し、十分撹拌しながらシランカップリング剤を添加し、カップリング処理を行っても良い。
酸化鉄の製造の際に第一鉄塩水溶液に用いる第一鉄塩としては、一般的に硫酸法チタン製造に副生する硫酸鉄、鋼板の表面洗浄に伴って副生する硫酸鉄の利用が可能であり、硫酸第一鉄以外には更に塩化鉄が可能である。
水溶液法による磁性酸化鉄の製造方法では一般に反応時の粘度の上昇を防ぐこと、及び、硫酸鉄の溶解度から鉄濃度0.5乃至2mol/リットルの硫酸第一鉄水溶液が用いられる。硫酸鉄の濃度は一般に薄いほど製品の粒度が細かくなる傾向を有する。また、反応に際しては、空気量が多い程、そして反応温度が低いほど微粒化しやすい。
このようにして製造された疎水性酸化鉄粒子をトナーに使用することにより、画像特性及び安定性に優れたトナーを得ることが可能となる。
本発明のトナーに用いる酸化鉄は、結着樹脂100質量部に対して、10乃至200質量部用いることが好ましく、20乃至180質量部用いることが更に好ましい。酸化鉄の配合量が10質量部未満ではトナーの着色力が乏しく、カブリの抑制も困難である。一方、200質量部を超えると、トナー担持体への磁力による保磁力が強まり現像性が低下したり、個々のトナー粒子への酸化鉄の均一な分散が難しくなったりするだけでなく、定着性が低下してしまうことがある。
本発明のトナーは、公知の方法によって製造でき、重合法によっても、粉砕法によっても製造することができる。
本発明のトナーを重合法で製造する場合の方法としては、乳化重合法、会合凝集法、懸濁重合法、分散重合法が挙げられる。また、結着樹脂が可溶な有機溶媒中に、結着樹脂、着色剤、および必要に応じてその他の添化剤(離型剤を含む)を混合して油性成分を調製した後、該油性成分を水性媒体中に懸濁させ、粒子化して懸濁液を調製し、該懸濁液から有機溶媒を除去することにより本発明のトナーを製造する方法も好ましい方法の一つである。
これらの方法のうち、円形度が高く表面が均一な粒子を得ることがきる点、及び溶剤を使用しないといった製造コスト面から、懸濁重合法を用いるのが最も好ましい。
本発明のトナー粒子を重合法で製造する場合には、重合開始剤を用いることができる。使用され得る重合開始剤としては、重合反応条件下において半減期0.5乃至30時間であるものを用いることが好ましい。かかる重合開始剤を重合性単量体に対して0.5〜20質量%添加して重合反応を行なうと、分子量1万乃至10万の間に極大を有する重合体を得ることができ、トナーに望ましい強度と適当な溶融特性を与えることができる。
重合開始剤としては、以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系またはジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドの如き過酸化物系重合開始剤。
本発明のトナー粒子を重合法により製造する場合には、分散安定剤の存在下で重合性単量体を重合させることができ、分散安定剤としては公知の界面活性剤や有機・無機分散剤を使用することができる。
なかでも無機分散剤が有害な超微粉を生じ難く、その立体障害性により分散安定性を得ているので反応温度を変化させても安定性が崩れ難く、洗浄も容易でトナー粒子に悪影響を与え難いので、好ましく使用できる。こうした無機分散剤としては、以下のものが挙げられる。燐酸カルシウム、燐酸マグネシウム、燐酸アルミニウム、燐酸亜鉛の如き燐酸多価金属塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムの如き炭酸塩;メタ硅酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウムの如き無機塩;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、ベントナイト、アルミナの如き無機酸化物。
これらの無機分散剤は、重合性単量体100質量部に対して、0.2乃至20質量部を単独でまたは2種類以上組み合わせて使用することが好ましい。
より微粒化されたトナー(例えば、平均粒径が5μm以下)を目的とする場合には、0.001乃至0.1質量部の界面活性剤を併用しても良い。
界面活性剤としては、以下のものが挙げられる。ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム。
これら無機分散剤を用いる場合には、そのまま使用しても良いが、より細かい粒子を得るため、水系媒体中にて該無機分散剤粒子を生成させることができる。例えば、燐酸カルシウムの場合、高速撹拌下、燐酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液とを混合して、水不溶性の燐酸カルシウムを生成させることができ、より均一で細かな分散が可能となる。この時、同時に水溶性の塩化ナトリウム塩が副生するが、水系媒体中に水溶性塩が存在すると、重合性単量体の水への溶解が抑制されて、乳化重合に依る超微粒トナーが発生し難くなるので、より好都合である。重合反応終期に残存重合性単量体を除去する時には障害となることから、水系媒体を交換するか、イオン交換樹脂で脱塩したほうが良い。無機分散剤は、重合終了後酸あるいはアルカリで溶解して、ほぼ完全に取り除くことができる。
懸濁重合法によるトナーの製造では、重合性単量体中に、ポリエステル樹脂、および着色剤、ならびに必要に応じて離型剤、酸化鉄、可塑剤、結着剤、荷電制御剤、架橋剤の如きトナーとして一般的な成分を加える。さらにその他の添加剤(例えば重合反応で生成する重合体の粘度を低下させるために入れる有機溶媒、分散剤)を適宜加えて、これをホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機の如き分散機によって均一に溶解または分散せしめた単量体系組成物を調製する。得られた単量体系組成物を、分散安定剤を含有する水系媒体中に懸濁した後、所定の温度に保持して重合反応を行う。このとき、懸濁粒子のサイズを、高速撹拌機もしくは超音波分散機のような高速分散機を使用することで速やかに所望のサイズとすると、得られるトナー粒子の粒径をシャープにすることができる。懸濁粒子造粒後は、通常の撹拌機を用いて、粒子状態が維持されかつ粒子の浮遊・沈降が防止される程度の撹拌を行なえば良い。
重合開始剤は、重合性単量体中に他の添加剤を添加するときに同時に添加されても良く、単量体系組成物を水系媒体中に懸濁させる直前に添加されても良い。または懸濁粒子造粒後であって重合反応を開始する前に、重合性単量体あるいは溶媒に溶解されて添加されることもできる。
さらに、前記重合法によるトナーの製造において、重合性単量体系組成物に架橋剤を添加しても良く、好ましい添加量は重合性単量体の0.001乃至15質量%である。
前記重合工程における重合反応温度は、通常は40℃以上であり、好ましくは50乃至90℃に設定される。この範囲の温度で重合反応を行なうと、内部に封じられるべき離型剤が相分離により析出するため内包化がより完全となる。
重合反応終了後、得られた粒子を公知の方法を用いて濾過、洗浄、乾燥することにより、本発明のトナーを得ることができる。また、必要により分級工程を行い、粗粉や微粉をカットすることも可能である。
さらに重合法により得られた粒子(トナー)は、前述のトナーの説明において記載された外部添加剤と混合されることにより、外部添加剤を外添されることができる。この外添は通常の方法を用いて実施することができる。用いられる外部添加剤の量は、トナー100質量部に対して0.1乃至5質量部(好ましくは0.1乃至3質量部)であることが好ましい。
本発明のトナーを重合法によって製造する場合に使用される重合性単量体としては、付加重合性のある炭素二重結合を有する下記単量体が挙げられる。スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレンの如きスチレン系単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きメタクリル酸エステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド。
重合法により製造されるトナー粒子の結着樹脂は、これらの単量体を単独でまたは複数種を混合して含む単量体組成物の重合体である。上述の単量体の中でも、スチレンまたはスチレン誘導体を単独で、あるいはほかの単量体と混合して使用することがトナーの現像特性及び耐久性の点から好ましい。
本発明のトナー粒子を粉砕法で製造する場合には、熱的な表面改質工程を経ることが好ましい。
例えば、トナーとして必要な結着樹脂、磁性粉体及び、離型剤、荷電制御剤、他の添加剤をヘンシェルミキサー、ボールミルの如き混合機中で十分混合した後、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーのような熱混練機を用いて溶融混練して、均一に分散させる。その後冷却固化、粗粉砕を行い、微粉砕、分級を行った後に熱風を吹き付けることによりトナー粒子の表面改質を行う装置を用いてトナー粒子の表面改質を行うことが好ましい。この表面改質工程を経ることにより、粉砕法による製造においても平均円形度が高く、流動性の高い本発明のトナーを得る事が可能になる。表面改質工程の後、外添剤をヘンシェルミキサーの如き混合機により十分混合し、本発明に係るトナーを製造することが出来る。
トナー粒子の熱的な表面改質には例えば図4に示すような表面改質装置を用いることができる。トナー粒子1はオートフィーダー2で供給ノズル3を通じて、一定量で表面改質装置内部4に供給される。表面改質装置内部4はブロワー8で吸引されているので、供給ノズル3から導入されたトナー粒子1は機内に分散する。機内に分散にされたトナー粒子1は、熱風導入口5から導入される熱風で、瞬間的に熱が加えられて表面改質される。本発明ではヒーターにより熱風を発生させているが、トナー粒子の表面改質に十分な熱風を発生させられるものであれば装置は特に限定されない。表面改質されたトナー粒子7は、冷風導入口6から導入される冷風で瞬時に冷却される。本発明では冷風には液体窒素を用いているが、表面改質されたトナー粒子7を瞬時に冷却することができれば、手段は特に限定されない。表面改質されたトナー粒子7はブロワー9で吸引されて、サイクロン8で捕集される。
本発明のトナーに使用される結着樹脂としては、公知の樹脂が使用できる。
本発明に用いられるポリエステル樹脂の組成は以下の通りである。
2価のアルコール成分としては、以下のものが挙げられる。エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また(A)式で表わされるビスフェノール及びその誘導体;
Figure 0005020755
(式中Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x,yはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの平均値は0〜10である。)
(B)式で示されるジオール類;
Figure 0005020755
2価の酸成分としては、以下のジカルボン酸又はその誘導体が挙げられる。フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸の如きベンゼンジカルボン酸類又はその無水物、又は低級アルキルエステル;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物、又は低級アルキルエステル;n−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸の如きアルケニルコハク酸類又はアルキルコハク酸類又はその無水物、又は低級アルキルエステル;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物、又は低級アルキルエステル。
また架橋成分として働く3価以上のアルコール成分や3価以上の酸成分を単独で使用するか、もしくは併用することが好ましい。
3価以上の多価アルコール成分としては、以下のものが挙げられる。ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン。
他の2価アルコール類としては、以下のものが挙げられる。エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオ−ル、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールの如き炭素数2乃至12のアルキレングリコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールの如きアルキレンエ−テルグリコール類;1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAの如き炭素数6乃至30の脂環式ジオール;ビスフェノールA、ビスフェノールF,ビスフェノールSの如きビスフェノール類;上記ビスフェノール類のアルキレンオキシド(EO、PO、ブチレンオキシド等)2乃至8モル付加物。
他の3価以上のアルコール類としては、以下のものが挙げられる。ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンの如き炭素数3乃至20の脂肪族多価アルコール;1,3,5−トリヒドロキシルメチルベンゼンの如き炭素数6乃至20の芳香族多価アルコール;これらのアルキレンオキサイド付加物。
また、三価以上の多価カルボン酸成分としては、以下の多価カルボン酸及びその誘導体が挙げられる。ピロメリット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、及びこれらの無水物、低級アルキルエステル;次式
Figure 0005020755
(式中Xは炭素数3以上の側鎖を1個以上有する炭素数5乃至30のアルキレン基又はアルケニレン基)
で表わされるテトラカルボン酸;これらの無水物、低級アルキルエステル。なかでも、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸およびこれらの無水物、低級アルキルエステルが好ましい。
本発明に用いられるアルコール成分としては40乃至60mol%、好ましくは45乃至55mol%、酸成分としては60乃至40mol%、好ましくは55乃至45mol%であることが好ましい。また三価以上の多価の成分は、全成分中の5乃至60mol%であることが好ましい。
該ポリエステル樹脂は、通常一般に知られている縮重合によって得られる。ポリエステル樹脂の重合反応は通常触媒の存在下温度150乃至300℃、好ましくは温度170乃至280℃の条件下で行われる。また反応は常圧下、減圧下、もしくは加圧下で行うことができる。
上記触媒としては、通常ポリエステル化に用いられる触媒が挙げられる。具体的には以下のものが挙げられる。スズ、チタン、アンチモン、マンガン、ニッケル、亜鉛、鉛、鉄、マグネシウム、カルシウム、ゲルマニウムの如き金属;これら金属含有化合物(ジブチルスズオキサイド、オルソジブチルチタネート、テトラブチルチタネート、酢酸亜鉛、酢酸鉛、酢酸コバルト、酢酸ナトリウム、三酸化アンチモン)。
その他の本発明に用いることができる結着樹脂としては、以下のものが挙げられる。スチレン系樹脂、スチレン系共重合樹脂、ポリオール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂又は石油系樹脂。
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、以下のものが挙げられる。ビニルトルエンの如きスチレン誘導体;アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル;メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチルの如きメタクリル酸エステル;マレイン酸;マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチルの如き二重結合を有するジカルボン酸エステル;アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ブタジエン;塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルの如きビニルエステル;エチレン、プロピレン、ブチレンの如きエチレン系オレフィン;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンの如きビニルケトン;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル。これらのビニル系単量体が単独もしくは2つ以上用いられる。
本発明のトナーは離型剤を含有することが好ましい。前記離型剤としては公知のものを使用することができる。具体的には以下のものが挙げられる。パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタムの如き石油系ワックス及びその誘導体;モンタンワックス及びその誘導体;フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体;ポリエチレンワックス及びポリプロピレンワックスの如きポリオレフィンワックス及びその誘導体;カルナバワックス、キャンデリラワックスの如き天然ワックス及びその誘導体。ここで誘導体とは、酸化物、エステル化物、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。
前記離型剤としては、さらに以下のものが挙げられる。高級脂肪族アルコール;ステアリン酸、パルミチン酸の如き脂肪酸、酸アミドワックス、エステルワックス;ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体;植物系ワックス;動物性ワックス。
本発明のトナーは、結着樹脂100質量部に対して離型剤を3乃至30質量部含有することが好ましく、3乃至20質量部含有することがより好ましい。含有量が3質量部未満では、離型剤としての添加効果が十分に得られにくい。一方、含有量が30質量部を超えてしまうと、長期間の保存性が低下する。
本発明のトナーは結着樹脂、着色剤、好ましくは離型剤をさらに含むが、その他の任意成分をも含むことができる。該任意成分としては、例えば荷電制御剤、結着樹脂以外の樹脂、外部添加剤が挙げられる。
荷電制御剤はトナーの荷電特性を安定化させることができる。荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、特に帯電スピードが速く、かつ一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。また、後述するようにトナーを直接重合法によって製造する場合には、重合阻害性が低く、水系分散媒体への可溶化物が実質的にない荷電制御剤が特に好ましい。
具体的な化合物としては、ネガ系荷電制御剤として以下のものが挙げられる。サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の如き芳香族カルボン酸の金属化合物、アゾ染料もしくはアゾ顔料の金属塩または金属錯体、スルホン酸又はカルボン酸基を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーン。ポジ系荷電制御剤として四級アンモニウム塩、その四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、ニグロシン系化合物、イミダゾール化合物が挙げられる。これらの荷電制御剤は、重合性単量体100質量部に対して0.5乃至10質量部使用することが好ましい。なお、本発明のトナーは必ずしも荷電制御剤を含む必要はない。
本発明のトナーは、結着樹脂以外の樹脂を含んでいてもよい。例えば、極性官能基を含む樹脂を含有することができる。該樹脂を含ませることにより、トナーにおいて前記離型剤を相分離させることができ、より離型剤の内包化が強力となる。従って、耐オフセット性、耐ブロッキング性、低温定着性の良好なトナーを得ることができる。
ここで極性官能基を含む樹脂とは、アミノ基、カルボン酸基、水酸基、スルホン酸基、グリシジル基、ニトリル基の如き親水性官能基を含む付加重合性単量体とスチレンもしくはエチレンの如きビニル化合物とのランダム共重合体、ブロック共重合体、もしくはグラフト共重合体の如き共重合体が挙げられる。また、ポリエステル、ポリアミドの如き重縮合体、またはポリエーテル、ポリイミンの如き重付加重合体などが挙げられる。
これら極性官能基を含む樹脂の重量平均分子量は2000以上であることが好ましく、3000以上であることがより好ましい。重量平均分子量が3000未満(特に2000未満)であると、重合法によりトナー粒子を製造した場合に、極性官能基を含む樹脂が粒子表面付近に集中し易いことから、トナーの現像性、耐ブロッキング性に悪い影響が起こり易くなり好ましくない。
本発明のトナーにおける親水性官能基を含む樹脂の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1乃至20質量部であることが好ましい。該含有量が、1質量部未満では添加効果が小さく、一方該含有量が20質量部を超えると、重合法によりトナー粒子を製造する場合に、種々の物性設計が難しくなってしまう。
さらに本発明のトナーは、結着樹脂の分子量範囲とは異なる分子量の樹脂を含有することもできる。このような分子量の樹脂を含ませることで、分子量分布が広く、耐オフセット性が高いトナーを得ることができる。
本発明のトナーは、前記樹脂粒子の他に外添剤が外添されていてもよい。外添剤としては、流動性向上剤として作用しうる無機微粉体または疎水性無機微粉体、クリーニング性を向上させうる無機微粒子または有機微粒子、およびその他の添加剤が挙げられる。本発明のトナーにおける外添剤の量は、トナー粒子100質量部に対して0.1乃至5.0質量部(好ましくは0.1乃至3.0質量部)であることが好ましい。
流動性向上剤としての無機微粉体または疎水性無機微粉体としては、酸化チタン微粉末、シリカ微粉末、アルミナ微粉末が好ましい。特にシリカ微粉末が好ましい。特に、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が、30m2/g以上、特に50乃至400m2/gであるシリカ微粉体が、流動性向上の点から好ましい。
本発明では、上記シリカ微粉体は、疎水化処理されていることが好ましい。また上記シリカ微粉体は、メタノール滴定試験によって測定される疎水化度が30乃至80度の範囲の値を示すようにシリカ微粉体を処理したものが、トナーの濡れ性を制御する上で特に好ましい。なお上記疎水化度は、水中で攪拌されている所定量のシリカ微粉末にメタノールを滴下し、シリカ微粉体の沈降終了時におけるメタノール及び水の液状混合物中におけるメタノールの百分率として表される。シリカ微粉体の疎水化方法としては、例えばシリカ微粉体と反応し、又はシリカ微粒末に物理吸着する有機ケイ素化合物やシリコーンオイルでシリカ微粒子を化学的に処理する方法が挙げられる。より好ましくは、有機ケイ素化合物による疎水化処理である。ここで、上記有機ケイ素化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、及び1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位においてSiに結合する水酸基を有するジメチルポリシロキサン等が挙げられる。これらは一種あるいは二種以上の混合物で用いられる。
シリカ微粉体の疎水化処理においては、上記有機ケイ素化合物の中でもさらに窒素原子を有するシランカップリング剤の一種又は二種以上を用いることが可能である。このような含窒素シランカップリング剤としては、例えばアミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジオクチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミノフェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリル−γ−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルベンジルアミン等が挙げられる。
なお本発明において、好ましいシランカップリング剤としてはヘキサメチルジシラザン(HMDS)が挙げられる。
またシリカ微粉体の疎水化処理で好ましく使用されるシリコーンオイルとしては、25℃における粘度が0.5乃至10000mm2/Sであることが好ましく、1乃至1000mm2/Sであることがより好ましく、10乃至200mm2/Sであることがより一層好ましい。また、特に好ましいシリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルが挙げられる。
シリコーンオイルを用いるシリカ微粉体の表面疎水化処理の方法としては、例えばシランカップリング剤で処理されたシリカ微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサーの如き混合機を用いて直接混合する方法;ベースとなるシリカ微粉体にシリコーンオイルを噴霧する方法;適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解又は分散せしめた後、シリカ微粉体を加え混合し溶剤を除去する方法;が挙げられる。
シリコーンオイルによってシリカ微粉体の表面疎水化処理を行う場合では、シリコーンオイルの処理後にシリカ微粉体を不活性ガス中で200℃以上(より好ましくは250℃以上)に加熱し、表面のコートを安定化させることがより好ましい。
本発明においては、シリカ微粉体の表面疎水化処理に、前述したシランカップリング剤及びシリコーンオイルの両方を用いることが可能であり、このような表面疎水化処理方法としては、シリカ微粉体を予めシランカップリング剤で処理した後にシリコーンオイルで処理する方法、又はシリカ微粉体をシランカップリング剤とシリコーンオイルで同時に処理する方法等が挙げられる。
本発明のトナーには、必要に応じて流動性向上剤以外の外部添加剤を添加してもよい。他の添加剤として、以下のものが挙げられる。ポリフッ化エチレン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末;酸化セリウム粉末、炭化硅素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末の如き研磨剤;ケーキング防止剤;カーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末の如き導電性付与剤;逆極性の有機微粒子、及び無機微粒子。これらの添加剤も、その表面を疎水化処理して用いることも可能である。
本発明のトナーを好適に用いることの出来る画像形成装置の一例を図に沿って具体的に説明する。
図1の画像形成装置において、100は感光ドラムで、その周囲に一次帯電ローラー117、現像器140、転写帯電ローラー114、クリーナ116、レジスタローラー124等が設けられている。そして感光体100は一次帯電ローラー117によって、例えば−700Vに帯電される(印加電圧は交流電圧−2.0kVpp、直流電圧−700Vdc)。そして、レーザー発生装置121によりレーザー光123を感光体100に照射することによって露光される。感光体100上の静電潜像は現像器140によって一成分磁性現像剤で現像され、転写材を介して感光体に当接された転写帯電ローラー114により転写材上へ転写される。トナー画像をのせた転写材は搬送ベルト125等により定着器126へ運ばれ転写材上に定着される。また、一部感光体上に残されたトナーはクリーナ116によりクリーニングされる。現像器140は図2に示すように感光体100に近接してアルミニウム、ステンレスの如き非磁性金属で作られた円筒状のトナー担持体102(以下現像スリーブと称す)が配設され、感光体100と現像スリーブ102との間隙は図示されないスリーブ/感光体間隙保持部材等により約300μmに維持されている。現像スリーブ内にはマグネットローラー104が現像スリーブ102と同心的に固定、配設されている。但し、現像スリーブ102は回転可能である。マグネットローラー104には図示のように複数の磁極が具備されており、S1は現像、N1はトナーコート量規制、S2はトナーの取り込み/搬送、N2はトナーの吹き出し防止に影響している。トナーは、トナー塗布ローラ141によって、現像スリーブ102に塗布され、付着して搬送される。搬送されるトナー量を規制する部材として弾性ブレード103が配設され、弾性ブレード103の現像スリーブ102に対する当接圧により現像領域に搬送されるトナー量が制御される。現像領域では、感光体100と現像スリーブ102との間に直流及び交流の現像バイアスが印加され、現像スリーブ上の現像剤は静電潜像に応じて感光体100上に飛翔し可視像となる。
以下、本発明を製造例及び実施例により具体的に説明するが、これは本発明をなんら限定するものではない。尚、以下の配合における部数は全て質量部である。
<磁性粉体の製造例>
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄元素に対してl.0当量の苛性ソーダ溶液、鉄元素に対しリン元素換算で0.3質量%のヘキサメタ燐酸ソーダ、鉄元素に対して珪素元素換算で1.2質量%の珪酸ソーダを混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。この水溶液をpH8に維持しながら、空気を吹き込み、温度85℃で酸化反応を行い、種晶を生成させるスラリー液を調製した。
次いで、このスラリー液に当初のアルカリ量(苛性ソーダのナトリウム成分)に対し1.0当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を加えた後、スラリー液をpH7.6に維持して、空気を吹込みながら酸化反応を進め、磁性酸化鉄を含むスラリー液を得た。スラリー液を濾過、洗浄した後、この含水スラリー液を一旦取り出した。この時、含水サンプルを少量採取し、含水量を計っておいた。次に、この含水サンプルを乾燥せずに別の水系媒体中に投入し、攪拌すると共にスラリーを循環させながらピンミルにて十分に再分散させ、再分散液のpHを約4.8に調整し、十分攪拌しながらn−ヘキシルトリメトキシシランカップリング剤を磁性酸化鉄100部に対し1.5部(磁性酸化鉄の量は含水サンプルから含水量を引いた値として計算した)添加し、加水分解を行った。その後、攪拌を十分行うと共にスラリーを循環させながらピンミルにて分散を行い、分散液のpHを8.9に調整して縮合反応を行い、カップリング処理を行った。生成した疎水性磁性粉体をドラムフィルターにてろ過し、十分に洗浄した後に温度70℃で1時間、温度80℃で30分乾燥し、得られた粒子を解砕処理して個数平均粒径が0.20μmの磁性粉体1を得た。
<トナー粒子1の製造>
イオン交換水720部に0.1M−Na3PO4水溶液450部を投入し温度60℃に加温した後、1.0M−CaCl2水溶液67.7部を添加して分散安定剤を含む水系媒体を得た。
スチレン 79部
n−ブチルアクリレート 21部
ジビニルベンゼン 0.5部
飽和ポリエステル樹脂 5部
(モノマー構成;ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物/テレフタル酸、酸価; 8mgKOH/g、Tg=72℃、Mn=3900、Mw=10000)
負荷電制御剤・T−77(保土ヶ谷化学製) 1部
磁性粉体1 90部
上記処方をアトライター(三井三池化工機(株))を用いて均一に分散混合した。この単量体組成物を温度60℃に加温し、そこにパラフィンワックス(DSCにおける最大吸熱ピーク78℃)10部を添加し混合溶解し、これに重合開始剤t−ブチル−オキシ2−エチルヘキサノエート4部を溶解して重合性単量体組成物とした。
前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、温度60℃、N2雰囲気下においてTK式ホモミキサー(特殊機化工業(株))にて10,000rpmで15分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌しつつ、温度80℃で8時間反応させた。反応終了後、懸濁液を冷却し、塩酸を加えて分散剤を溶解し、濾過、水洗、乾燥してトナー粒子1を得た。
<トナー粒子2の製造>
トナー粒子1の製造において、0.1mol/L−Na3PO4水溶液の添加量を400部に、1.0mol/L−CaCl2水溶液の添加量を60部に変更すること以外は上記トナー粒子1の製造と同様にして、トナー粒子2を得た。
<トナー粒子3の製造>
スチレン/n−ブチルアクリレート共重合体(質量比78/22)
(Mn =24300 Mw/Mn=3.0) 100部
飽和ポリエステル樹脂 5部
(モノマー構成;ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物/テレフタル酸、酸価; 8mgKOH/g、Tg=72℃、Mn=3900、Mw=10000)
アゾ染料の鉄錯体:T−77(保土ヶ谷化学社製) 2部
磁性粉体1 90部
フィッシャートロプシュワックス(mp.105℃) 5部
上記材料をブレンダーにて混合し、110℃に加熱した2軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をターボミル(ターボ工業社製;回転子および固定子の表面に炭化クロムを含有したクロム合金めっきでコーティング(めっき厚150μm、表面硬さHV1050))で微粉砕し、得られた微粉砕物を風力分級して重量平均粒径8.3μmのトナー粒子3を得た。
<トナー1の製造>
トナー粒子1を100部と、一次粒径12nmのシリカにヘキサメチルジシラザンで処理をした後シリコーンオイルで処理し、処理後のBET比表面積値が120m2/gの疎水性シリカ微粉体1.0部、及びウレタン粒子(アートパールC800,根上工業社製)1.0部をヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))を用い混合し、トナー1を調製した。トナー1の物性を表1に示す。
<トナー2の製造>
トナー1の製造において、ウレタン粒子(アートパールC800)の添加量を0.08部に変更すること以外はトナー1の製造と同様にして、トナー2を得た。トナー2の物性を表1に示す。
<トナー3の製造>
トナー1の製造において、ウレタン粒子(アートパールC800)の添加量を5.5部に変更すること以外はトナー1の製造と同様にして、トナー3を得た。トナー3の物性を表1に示す。
<トナー4の製造>
トナー1の製造において、トナー粒子1をトナー粒子2に変更し、ウレタン粒子(アートパールC800)を分級してD4rを4.0μmとした樹脂粒子に変更すること以外はトナー1の製造と同様にして、トナー4を得た。トナー4の物性を表1に示す。
<トナー5の製造>
トナー1の製造において、ウレタン粒子(アートパールC800)をウレタン粒子:アートパールC400に変更すること以外はトナー1の製造と同様にして、トナー5を得た。トナー5の物性を表1に示す。
<トナー6の製造>
トナー1の製造において、ウレタン粒子(アートパールC800)を0.5部に変更し、ウレタン粒子(アートパールC400)を0.5部に変更すること以外はトナー1の製造と同様にして、トナー6を得た。トナー6の物性を表1に示す。
<トナー7の製造>
トナー1の製造において、ウレタン粒子(アートパールC800)をウレタン粒子:アートパールCF600Tに変更すること以外はトナー1の製造と同様にして、トナー7を得た。トナー7の物性を表1に示す。
<トナー8の製造>
トナー1の製造において、トナー粒子1をトナー粒子3に変更したこと以外はトナー1の製造と同様にして、トナー8を得た。トナー8の物性を表1に示す。
<トナー9の製造>
トナー1の製造において、ウレタン粒子(アートパールC800)をウレタン粒子:アートパールC200に変更すること以外はトナー1の製造と同様にして、トナー9を得た。トナー9の物性を表1に示す。
<トナー10の製造>
トナー1の製造において、ウレタン粒子(アートパールC800)をアクリル粒子(CX1000,綜研化学社製)に変更すること以外はトナー1のs製造と同様にして、トナー10を得た。トナー10の物性を表1に示す。
<トナー11の製造>
トナー1の製造において、ウレタン粒子(アートパールC800)を真球状黒色アクリルーウレタン粒子(EBA100B,日本触媒社製)に変更すること以外はトナー1の製造と同様にして、トナー11を得た。トナー11の物性を表1に示す。
Figure 0005020755
<実施例1>
画像形成装置としてLBP−3000を使用した。ここで、プロセススピードを105mm/secとし、現像バイアスとして−430Vの直流電圧Vdcに1.6kVpp、周波数2200Hzの交番電界を重畳したものを用いた。この条件において、トナー1を使用し、常温常湿環境下(温度23℃、湿度50%RH)及び高温高湿環境下(温度32.5℃、湿度80%RH)において8ポイントのA文字を用い印字率を4%とした画像にて耐久試験を行った。間欠モードで1日あたり750枚耐久を行い、2日かけて1,500枚の耐久試験を行った。なお、記録媒体としてはA4の75g/m2の紙を使用した。その結果、耐久試験を通してクリーニング不良の発生がなく、停止スジのレベルも良好であった。耐久終了時の画像濃度は1.4以上であり、カブリの無い高品位な画像を得ることができた。常温常湿環境下での評価結果を表2に、高温高湿環境下での評価結果を表3に示す。
本発明の実施例、ならびに、比較例中に記載の評価項目とその判断基準について述べる。
(画像濃度)
画像濃度はベタ画像部を形成し、このベタ画像をマクベス反射濃度計(マクベス社製)にて測定を行った。
(カブリ)
カブリの測定は、東京電色社製のREFLECTMETER MODEL TC−6DSを使用して測定した。フィルターは、グリーンフィルターを用い、カブリは下記の式より算出した。
カブリ(反射率)(%)=標準紙上の反射率(%)−サンプル非画像部の反射率(%)
なお、カブリの判断基準は以下の通り。
A:非常に良好(1.5%未満)
B:良好(1.5%以上乃至2.5%未満)
C:普通(2.5%以上乃至4.0%未満)
D:悪い(4%以上)
(クリーニング不良)
クリーニング性の評価は、常温常湿環境下にてベタ白画像上の汚れの程度及び、ベタ白画像画出し後の静電画像担持体の汚れの程度を評価した。
A:画像上全く問題のない鮮明な画質であり、像担持体に全く汚れが見られないクリーニ ング性。
B:画像上全く問題のない画質が得られるが、像担持体上にやや汚れがみられるクリーニ ング性。
C:実用的には問題の無いクリーニング性。
D:画像及び像担持体に汚れが見られ、実用上好ましくないクリーニング性。
(停止スジ)
停止スジは、常温常湿環境下及び高温高湿環境下にて750枚耐久終了後2日目朝一及び、1500枚耐久終了後3日目朝一に評価を行った。その際、ベタ黒画像及びハーフトーン画像上でのスジの程度を評価した。
A:画像上全く問題のない画像レベル
B:実用上問題のないレベルであるが、スジがうっすらと確認できる状態。
C:画像にスジが発生し、実用上好ましくない状態。
参考例1乃至4、実施例2及び3、参考例5
トナーとして、トナー2乃至8を使用し、実施例1と同様の条件で画出し試験、定着性評価及び耐久性評価を行った。その結果、初期の画像特性も問題なく、印字1500枚までいずれも大きな問題のない結果が得られた。常温常湿環境下での評価結果を表2に、高温高湿環境下での評価結果を表3に示す。
<比較例1乃至3>
トナーとして、トナー9乃至11を使用し、実施例1と同様の条件で画出し試験、定着性評価及び耐久性評価を行った。その結果、トナー9については停止スジのレベルが悪く、トナー1011については、クリーニング不良が発生してしまった。またトナー11については、高温高湿環境下における濃度低下が著しかった。常温常湿環境下での評価結果を表2に、高温高湿環境下での評価結果を表3に示す。
Figure 0005020755
Figure 0005020755
本発明の実施例に用いた画像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明の樹脂粒子の、微小圧縮試験における荷重―変位曲線を表したグラフである。 トナーの摩擦帯電量を測定する装置の説明図である。 本発明に使用される表面改質装置の概略図を示す。
符号の説明
100 感光体
102 現像スリーブ(トナー担持体)
114 転写帯電ローラー
116 クリーナ
117 一次帯電ローラー
121 レーザー発生装置
123 レーザー光
124 レジスタローラー
125 搬送ベルト
126 定着器
140 現像器
141 トナー塗布ローラ

Claims (4)

  1. 結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有するトナー粒子と、樹脂粒子とを有するトナーであって、
    前記樹脂粒子の含有量は、前記トナー粒子100質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下であり、
    前記樹脂粒子が、微小圧縮試験において、前記樹脂粒子の1粒子に負荷速度9.8×10-5N/secで荷重9.8×10-4Nを付加した時の最大変位量をX100(μm)とし、荷重2.0×10-4N時の変位量をX20(μm)とし、弾性変位をYとしたとき、下記式(1)、(2)及び(3
    式(1) 0.2≦X20/X100≦0.8
    式(2) 0.4≦X100≦1.5
    式(3) 0.3≦Y<X100
    を満たし、且つ、
    前記トナー粒子の重量平均粒径D4tが5.0μm以上10.0μm以下であり、
    前記トナー粒子の重量平均粒径D4t(μm)と、前記樹脂粒子の重量平均粒径D4r(μm)が下記式(4)
    式(4) 0.5≦D4r/D4t≦2.0
    を満たし、
    前記トナーは、平均円形度が0.950以上であることを特徴とするトナー。
  2. 前記樹脂粒子の重量平均粒径D4r(μm)と個数平均粒径D1r(μm)の比(D4r/D1r)が1.7以下であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 前記トナーが負帯電性トナーであり、前記トナー粒子の摩擦帯電量の絶対値 IQtI が、前記樹脂粒子の摩擦帯電量の絶対値 IQrI よりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。
  4. 前記樹脂粒子が、ウレタン樹脂で形成されている粒子であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のトナー。
JP2007244758A 2007-09-21 2007-09-21 トナー Expired - Fee Related JP5020755B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007244758A JP5020755B2 (ja) 2007-09-21 2007-09-21 トナー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007244758A JP5020755B2 (ja) 2007-09-21 2007-09-21 トナー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009075378A JP2009075378A (ja) 2009-04-09
JP5020755B2 true JP5020755B2 (ja) 2012-09-05

Family

ID=40610391

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007244758A Expired - Fee Related JP5020755B2 (ja) 2007-09-21 2007-09-21 トナー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5020755B2 (ja)

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08179558A (ja) * 1994-12-22 1996-07-12 Dainippon Ink & Chem Inc 電子写真用トナーの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009075378A (ja) 2009-04-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4510927B2 (ja) 磁性トナー
JP4771558B2 (ja) 画像形成方法、磁性トナー及びプロセスユニット
JP6486181B2 (ja) 画像形成装置、プロセスカートリッジおよび画像形成方法
JP4324120B2 (ja) 磁性トナー
JP6289432B2 (ja) トナー及びトナーの製造方法
JP6497907B2 (ja) トナー
JP4533062B2 (ja) 磁性トナー及び磁性トナーの製造方法
JP5230296B2 (ja) 画像形成方法及びプロセスカートリッジ
JP2015125302A (ja) トナー
JP2008304747A (ja) トナー
JP5230115B2 (ja) 現像方法
JP4864475B2 (ja) 静電潜像現像用トナー、画像形成方法、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2008304727A (ja) 磁性トナー、画像形成方法及びプロセスカートリッジ
JP2009109824A (ja) 磁性トナー
JP2003043738A (ja) 磁性トナー
JP2008304723A (ja) トナー
JP2018004879A (ja) トナー、及び該トナーを備えた現像装置
JP4649300B2 (ja) 画像形成方法及びプロセスカートリッジ
JP2001265058A (ja) トナー粒子の製造方法、磁性トナー及び画像形成方法
JP4769607B2 (ja) トナー、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP5020755B2 (ja) トナー
JP2008304728A (ja) 磁性トナー及び画像形成方法
JP5312004B2 (ja) トナー
JP4191912B2 (ja) 二成分現像剤および二成分現像剤を充填した容器および画像形成装置
JP6896545B2 (ja) トナー

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100618

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120221

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120423

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120515

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120613

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5020755

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150622

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees