JP5018691B2 - 顔料分散液、カラーフィルタ用着色組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機elディスプレイ - Google Patents

顔料分散液、カラーフィルタ用着色組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機elディスプレイ Download PDF

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Description

本発明は、顔料分散液、カラーフィルタ用着色組成物、これを用いて形成されたカラーフィルタ、液晶表示装置及び有機ELディスプレイに関する。更に詳しくは、輝度、コントラスト、及び着色力の高い黄色顔料を含有する顔料分散液及びカラーフィルタ用着色組成物、並びにそれらの用途に関する。
従来、液晶表示装置等に用いられるカラーフィルタを製造する方法としては、顔料分散法、染色法、電着法、印刷法が知られている。中でも、分光特性、耐久性、パターン形状及び精度等の観点から、平均的に優れた特性を有する顔料分散法が最も広範に採用されている。
近年、技術革新の流れは急速であり、カラーフィルタに対しては、より高光透過率、高コントラスト且つ高色濃度が要求されている。
ところで、カラーフィルタの赤色画素や緑色画素の形成に用いられる着色組成物は、各々、赤色顔料や緑色顔料の他に、調色用の色材として黄色顔料を併用することが多い。例えば、特許文献1には、C.I.(カラーインデックス。以下同様)ピグメントグリーン36と、特定のニッケルまたは銅錯体の黄色顔料を併用してなる緑色着色組成物が開示されており、これを用いることにより色度と透過率に優れた緑色カラーフィルタが得られる旨、記載されている。しかし、当該黄色顔料は着色力が弱いため、これを含有する組成物において色濃度を高めようとすると、顔料濃度が大幅に高くなり、感光性の着色組成物に用いた場合には現像性が低下する傾向があった。またコントラストについても、更なる改良が求められている。
着色力の高い黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー139なども使用されているが(特許文献2参照)、該色素は輝度やコントラストがそれ程高くないため、併用することによって、得られる画素の輝度やコントラストを低下させる場合がある。
また特許文献2にも見られるように、一般に、カラーフィルタ用着色組成物には多種多様な黄色顔料が使用できる旨、記載されている。しかし実際には、着色力やコントラストが不十分なものが多く、当業者の間では前述した特許文献1に記載のアゾニッケル錯体黄色顔料やC.I.ピグメントイエロー139など、ごく限られた黄色顔料以外は殆ど使用されていないのが実情であった。
特開平9−269410号公報 特開2002−303718号公報
本発明は、輝度やコントラストの高い、薄膜の画素を形成しうる顔料分散液およびカラーフィルタ用着色組成物を提供し、またこれらを用いてなる高品質なカラーフィルタ及びその用途を提供する。
本発明者らは鋭意検討の結果、従来は一般にカラーフィルタ用途に使用されていなかった、着色力の強い特定の黄色顔料を充分に微粒化して使用することにより、従来一般に使用されていた黄色顔料を用いた場合と同等以上の輝度やコントラストを、薄膜にて達成し、上記課題を解決しうることを見出し本発明に至った。
すなわち本発明の要旨は、以下の通りである。
[1]少なくとも顔料、溶剤および分散剤を含有し、該顔料が、平均一次粒径30nm以下のC.I.(カラーインデックス)ピグメントイエロー215を含有することを特徴とする、カラーフィルタ用顔料分散液。
[2]前記分散剤が、親溶剤性を有するA−ブロック及び窒素原子を含む官能基を有するB−ブロックからなるブロック共重合体である分散剤を含有する、前記[1]に記載のカラーフィルタ用顔料分散液。
[3]さらにバインダー樹脂を含有する、前記[1]または[2]に記載のカラーフィルタ用顔料分散液。
[4]前記[1]ないし[3]のいずれか一に顔料分散液、及び重合性モノマーを含有してなる、カラーフィルタ用着色組成物。
[5]少なくとも顔料、溶剤、分散剤及び重合性モノマーを含有し、該顔料が、平均一次粒径30nm以下のC.I.(カラーインデックス)ピグメントイエロー215を含有することを特徴とする、カラーフィルタ用着色組成物。
[6]前記分散剤が、親溶剤性を有するA−ブロック及び窒素原子を含む官能基を有するB−ブロックからなるブロック共重合体である分散剤を含有する、前記[5]に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
[7]更にバインダー樹脂を含有してなる、前記[5]または[6]に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
[8]前記顔料が、更に、C.I.(カラーインデックス)ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、およびC.I.ピグメントグリーン58からなる群より選ばれた少なくとも一種を含有してなる、前記[4]ないし[7]のいずれか一に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
[9]前記顔料が、更に、C.I.(カラーインデックス)ピグメントレッド254及び/又はC.I.ピグメントレッド177を含有してなる、前記[4]ないし[7]のいずれか一に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
[10]前記[4]ないし[9]のいずれか一に記載のカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成された画素を有するカラーフィルタ。
[11]前記[10]に記載のカラーフィルタと、液晶駆動用基板を対向させ、両者の間に液晶を封入してなることを特徴とする液晶表示装置。
[12]前記[10]に記載のカラーフィルタを用いてなることを特徴とする有機ELディスプレイ。
本発明の顔料分散液及びカラーフィルタ用着色組成物は、充分に微粒化された特定の黄色顔料を含有することにより、カラーフィルタ用着色組成物の硬化性等の画像形成能を低下させることなく、高輝度、高コントラスト、低膜厚のカラーフィルタを製造し得る。このようなカラーフィルタを用いることにより、輝度が高く、コントラストが高い優れた液晶表示装置や有機ELディスプレイを得ることができる。
以下に、本発明の構成要件等について詳細に説明するが、これらは本発明の実施態様の一例であり、これらの内容に限定されるものではない。
尚、本発明において、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリレート」等は、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」等を意味するものとし、例えば「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」を意味するものとする。
また「全固形分」とは、顔料分散液又は着色組成物に含まれる、後記する溶剤成分以外の全成分を意味するものとする。
本発明において、重量平均分子量とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)を意味するものとする。
なお、本発明において、「アミン価」とは、特に断りのない限り有効固形分換算のアミン価を表し、分散剤の固形分1gあたりの塩基量と当量のKOHの重量で表される値である。なお測定方法については後述する。
〔1〕顔料分散液
〔1−1〕顔料
本発明に使用される顔料は、平均一次粒径が30nm以下であるC.I.(カラーインデックス。以下同様)ピグメントイエロー215を必須成分として含有する。該顔料をこのように微粒化することにより、該顔料自体の輝度およびコントラストが上昇し、これを含んでなる赤色や緑色などのカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成された画素の輝度やコントラストも上昇するため好ましい。また、該顔料は高い着色力を有するため、これを用いて形成された画素において所望の色度を達成するために、顔料濃度をそれ程高くする必要が無く、結果として膜厚の薄い画素を形成し得る点でも好ましい。
微粒化の方法としては、特に制限無く公知の方法が使用されるが、例えば汎用顔料レベルに顔料化された市販の顔料をボールミル、ニーダーなどの磨砕機で磨砕する方法が挙げられる。中でも、顔料の分散安定性の面から、顔料および必要に応じて加えられる結晶成長抑制剤あるいは結晶転移防止剤としての顔料誘導体を含む顔料組成物と水溶性の無機塩と水溶性の有機溶剤とを混合して湿式磨砕する所謂ソルベントソルトミリング法が好ましく、これらの方式では主にニーダーや連続式の混練機が使用される。
本発明において、平均一次粒径が30nm以下であるC.I.ピグメントイエロー215(以下、「PY215微粒化顔料」と称することがある。)を製造するには、汎用顔料レベルに顔料化された顔料(母体顔料、すなわち微粒化処理前の顔料)をそのまま使用しても構わないが、前処理(比較的緩やかな磨砕)などによりその粒子サイズが50nm〜200nmにされたものを使用することが好ましい。
母体顔料100質量部当たり水溶性無機塩25〜2000質量部、さらには有機溶剤15〜350質量部を予備混合した混合物を加圧式もしくはオープンのニーダー、連続式の混練機で湿式磨砕することによって、微粒化顔料を製造する方法において、使用する水溶性無機塩の種類に特に制限は無く、本発明においては主に塩化ナトリウム(食塩)を使用するが、硫酸ナトリウム(ボウ硝)なども使用することができる。上記無機塩の使用量が少な過ぎると、顔料の微粒化が不十分となり、一方、上記無機塩の使用量が多過ぎると不経済である。また、上記有機溶剤の使用量が少な過ぎると機械的な負荷が大きくなり摩砕が困難であり、一方、上記有機溶剤の使用量が多過ぎると負荷が殆どかからず、微粒化が不十分である。
なお上記無機塩としては、通常、平均粒径400μm〜450μmの塩化ナトリウム(並塩)を乾式磨砕によって平均粒子径を50μm〜60μmにして使用される場合が多いが、この程度の粒子径の塩化ナトリウムでは、50nm以下の一次粒子サイズの顔料を得るには、顔料に対する塩化ナトリウムの量をかなり多くするなどの工夫が必要である。従って、本発明においては、平均粒径1〜30μm程度の塩化ナトリウムを使用することが特に好ましい。
微粒化工程で使用する水溶性の有機溶剤としては、一価アルコール、多価アルコールおよび多価アルコールの誘導体が使用できる。例えば、プロピルアルコール、2−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどのアルコール系溶剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのアルキレングリコール系溶剤、およびそれらの誘導体であるエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルなどのグリコールモノエーテル系溶剤、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリンなどのグリセリン系溶剤、およびその誘導体であるグリセリンエーテルなどの水溶性有機溶剤などを挙げることができる。尚、アルコールは上記のものに限定されるものではない。
次に、本発明の微粒化顔料の製造方法について、より具体的に説明する。
本発明においては、加圧式もしくはオープンのニーダー、連続式の混練機で湿式磨砕する場合も、顔料を塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールとともに温度コントロールしながら、一定時間摩砕処理する所謂ソルベントソルトミリングを行い、目的の粒子サイズに微粒化し、脱塩水による洗浄、濾過および乾燥工程を繰り返すことにより微粒化顔料を得ることができる。
摩砕処理に要する時間は、処理時の圧力や温度、処理方法、使用する無機塩の種類や粒径、目標値とする顔料の一次粒径、ブレードの回転数などによっても異なるが、通常、1〜20時間、好ましくは3〜12時間程度である。なお摩砕処理は、上述の処理時間の間、連続して処理を行っても良いし、数回に分けて、必要に応じて溶剤や塩化ナトリウム等を追加しながら処理を行ってもよい。
このようにして得られる本発明のPY215微粒化顔料は、その平均一次粒径が30nm以下であり、輝度やコントラストが一層向上する点からは、20nm以下が好ましい。
なお顔料の平均一次粒径は次の方法で求めることができる。すなわち、顔料をクロロホルム中に超音波分散し、コロジオン膜貼り付けメッシュ上に滴下して、乾燥させ、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により、顔料の一次粒子像を得る。この像から、有機顔料の場合は、個々の顔料粒子の粒径を、同じ面積となる円の直径に換算した面積円相当径として、複数個(通常200〜300個)の顔料粒子についてそれぞれ粒径を求めた後、下式の計算式の通り個数平均値を計算し平均粒径を求める。
個々の顔料粒子の粒径:X,X,X,X,・・・・,X,・・・・・・X
平均粒径 = ΣX/m
本発明の顔料分散液は、上述のPY215微粒化顔料を含有していれば良いが、さらに赤色顔料または緑色顔料を含有し、一般にカラーフィルタが有する赤色画素や緑色画素の形成用材料として使用してもよい。
PY215微粒化顔料と併用しうる赤色顔料としては、例えばC.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、12、14、15、16、17、21、22、23、31、32、37、38、41、47、48、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、57:2、58:4、60、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90:1、101、101:1、104、108、108:1、109、112、113、114、122、123、144、146、147、149、151、166、168、169、170、172、173、174、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、214、216、220、221、224、230、231、232、233、235、236、237、238、239、242、243、245、247、249、250、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276等を挙げることができる。これらの中でも、PY215微粒化顔料の効果が著しく現れ、また得られる画素の輝度、コントラストなどが高い点から、好ましくはC.I.ピグメントレッド166、177、209、224、242、254等、より好ましくはC.I.ピグメントレッド177、254等を挙げることができる。これら赤色顔料は、1種類を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
併用しうる緑色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、55、及び58等を挙げることができる。これらの中でも、PY215微粒化顔料の効果が著しく現れ、また得られる画素の輝度、コントラストなどが高い点から、好ましくはC.I.ピグメントグリーン7、36、58等、より好ましくはC.I.ピグメントグリーン36、58を挙げることができる。これら緑色顔料は、1種類を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
また本発明の顔料分散液は、本発明の効果を損なわない範囲で、上述した赤色顔料および緑色顔料以外の顔料を含有していてもよい。
PY215微粒化顔料と併用される顔料の平均一次粒径は、PY215微粒化顔料の性能を損なわない限り特に制限は無いが、通常100nm以下、好ましくは40nm以下、より好ましくは30nm以下、さらに好ましくは20nm以下であり、また通常0.005μm以上である。
本発明の顔料分散液における顔料の含有量は、固形分全量に対し、通常90重量%以下、好ましくは85重量%以下、より好ましくは80重量%以下であり、また通常20重量%以上、好ましくは30重量%以上、より好ましくは40重量%以上である。
顔料の量が多すぎると、顔料の分散状態が維持されにくく、凝集や沈降が生じ、結果として増粘や輝度、コントラストの低下という問題が生じる可能性があり、また少なすぎると、色濃度が薄く、カラーフィルタとして充分に機能しないという問題が生じる可能性がある。
本発明の顔料分散液が、前述のように、PY215微粒化顔料とそれ以外の顔料を含有する場合、顔料全量に対するPY215微粒化顔料の割合は、所望の色度に応じて適宜調整すればよい。具体的には、「[2]カラーフィルタ用着色組成物」の項で後述する割合と同様の割合が好ましい。
本発明の顔料分散液として特に好ましくは、顔料として、実質的にPY215微粒化顔料のみを含有するものである。
〔1−2〕溶剤
溶剤は、本発明に係る顔料分散液や後述するカラーフィルタ用着色組成物において、顔料、分散剤のほか、場合により配合したその他の成分等を溶解又は分散させ、粘度を調節する機能を有する。
このような溶剤としては、例えば、次のものが挙げられる。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、メトキシメチルペンタノール、プ
ロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテルのようなグリコールモノアルキルエーテル類。
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルのようなグリコールジアルキルエーテル類。
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートのようなグリコールアルキルエーテルアセテート類。
エチレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサノールジアセテートなどのグリコールジアセテート類。
シクロヘキサノールアセテートなどのアルキルアセテート類。
アミルエーテル、プロピルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ジアミルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジヘキシルエーテルのようなエーテル類。
アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソアミルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルアミルケトン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケトン、メトキシメチルペンタノンのようなケトン類。
エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、メトキシメチルペンタノールグリセリン、ベンジルアルコールのような1価又は多価アルコール類。
n−ペンタン、n−オクタン、ジイソブチレン、n−ヘキサン、ヘキセン、イソプレン、ジペンテン、ドデカンのような脂肪族炭化水素類。
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキセン、ビシクロヘキシルのような脂環式炭化水素類。
ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンのような芳香族炭化水素類。
アミルホルメート、エチルホルメート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸アミル、メチルイソブチレート、エチレングリコールアセテート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、イソ酪酸メチル、エチルカプリレート、ブチルステアレート、エチルベンゾエート、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトンのような鎖状又は環状エステル類。
3−メトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸のようなアルコキシカルボン酸類。
ブチルクロライド、アミルクロライドのようなハロゲン化炭化水素類。
メトキシメチルペンタノンのようなエーテルケトン類。
アセトニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル類。
上記に該当する市販の溶剤としては、例えば、ミネラルスピリット、バルソル#2、アプコ#18ソルベント、アプコシンナー、ソーカルソルベントNo.1及びNo.2、ソルベッソ#150、シェルTS28 ソルベント、カルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、ジグライム(いずれも商品名)等が挙げられる。
これらの溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の顔料分散液における溶剤としては、上記各種溶剤中、塗布性、表面張力等のバランスが良く、顔料分散液や後述するカラーフィルタ用着色組成物の構成成分の溶解度が比較的高い点からグリコールアルキルエーテルアセテート類が好ましく、中でもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが特に好ましい。
また、グリコールアルキルエーテルアセテート類は、単独で使用してもよいが、他の溶剤を併用してもよい。併用する溶剤としては、顔料分散液や後述するカラーフィルタ用着色組成物の構成成分の溶解度が高い点からグリコールモノアルキルエーテル類が特に好ましい。中でも、特に組成物中の構成成分の溶解性からプロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。なお、グリコールモノアルキルエーテル類は極性が高く、添加量が多すぎると顔料が凝集しやすく、後に得られる着色組成物の粘度が上昇する等の保存安定性が低下する傾向があるので、溶剤中のグリコールモノアルキルエーテル類の割合は5重量%〜30重量%が好ましく、5重量%〜20重量%がより好ましい。
〔1−3〕分散剤
本発明に使用される分散剤に特に制限はなく、本発明の効果を損なわない限り、顔料分散液やカラーフィルタ用着色組成物に通常使用されるものの中から適宜選択すればよいが、例えば(E−1)窒素原子を含有するグラフト共重合体、(E−2)窒素原子を含有するアクリル系ブロック共重合体、及び(E−3)ウレタン樹脂分散剤、から選ばれた1以上の分散剤を含有することが好ましい。
これら(E−1)〜(E−3)はいずれも、これに含まれる窒素原子が顔料表面に対して親和性をもち、窒素原子以外の部分が媒質に対する親和性を高めることにより、全体として分散安定性の向上に寄与するものと推定される。
分散剤の性能は、その固体表面に対する吸着挙動により大きく左右される。分子のアーキテクチャーと吸着挙動の関係については、同じユニットを用いた場合は、ランダム共重合<グラフト共重合体<ブロック共重合体、の順で吸着挙動が優れていることが知られている(例えば、Jones and Richards,"Polymers at Surfaces and Interfaces"p281
)。
詳しいメカニズムは不明だが、以下のことが推察される。
即ち、通常のランダム共重合体の場合、共重合体を構成するモノマーは、重合体形成時に、立体的に及び/又は電気的に、共重合体中に安定的に配置される確率が高くなる。モノマーが安定的に配置された部分(分子)は、立体的に及び/又は電気的に安定しているため、顔料に吸着するとき、かえって障害となる場合がある。これに対し、グラフト共重
合体あるいはブロック共重合体のように分子配列が制御された樹脂は、分散剤の吸着を妨げる部分を、顔料と分散剤との吸着部から離れた位置に配置することができる。つまり、顔料と分散剤との吸着部には吸着に最適な部分を、溶剤親和性が必要な部分にはそれに適した部分を配置することができる。特に結晶子サイズの小さい顔料の分散には、この分子配置が良好な分散性に影響するものと推察される。
(E−1)窒素原子を含有するグラフト共重合体
(E−1)窒素原子を含有するグラフト共重合体(以下、「分散剤(E−1)」と称す場合がある。)は、顔料を極めて効率よく分散しうる点で好ましい。その理由は明らかではないが、顔料と分散剤との吸着の障害となる部分(分子)が、顔料への吸着部周辺に配置することを、積極的に排斥し得る構造を有しているためと推察される。窒素原子を含有するグラフト共重合体としては、主鎖に窒素原子を含有する繰り返し単位を有するものが好ましい。中でも、下記一般式(I)で表される繰り返し単位又は/及び下記一般式(II)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。
Figure 0005018691
(上記一般式(I)において、R51は炭素数1〜5のアルキレン基を表し、Aは水素原子又は後述する一般式(III)〜(V)のいずれかで表される基を示す。)
Figure 0005018691
(上記一般式(II)において、R51およびAは、それぞれ前記一般式(I)におけると同義である。)
前記一般式(I)および(II)において、R51はメチレン基、エチレン基、プロピレン基等の直鎖状又は分岐状の炭素数1〜5のアルキレン基を表し、好ましくは炭素数2〜3であり、更に好ましくはエチレン基である。
Aは水素原子又は下記一般式(III)〜(V)のいずれかを表すが、好ましくは下記式
(III)で表される構造である。
Figure 0005018691
(上記一般式(III)中、Wは炭素数2〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表
し、中でもブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基等の炭素数4〜7のアルキレン基が好ましい。pは1〜20の整数を表し、好ましくは5〜10の整数である。)
Figure 0005018691
(上記一般式(IV)中、Yは2価の連結基を表し、中でもエチレン基、プロピレン基等の炭素数1〜4のアルキレン基、又はエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基等の炭素数1〜4のアルキレンオキシ基が好ましい。Wはエチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の直鎖状又は分岐状の炭素数2〜10のアルキレン基を表し、中でもエチレン基、プロピレン基等の炭素数2〜3のアルキレン基が好ましい。Yは水素原子又は−CO−R52(R52はエチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜10のアルキル基を表し、中でもエチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等の炭素数2〜5のアルキル基が好ましい。)を表す。qは、1〜20の整数を表し、好ましくは5〜10の整数である。)
Figure 0005018691
(上記一般式(V)中、Wは炭素数1〜50のアルキル基又は水酸基を1〜5個有する炭素数1〜50のヒドロキシアルキル基を表し、中でもステアリル等の炭素数10〜20のアルキル基、モノヒドロキシステアリル等の水酸基を1〜2個有する炭素数10〜20のヒドロキシアルキル基が好ましい。)
分散剤(E−1)における一般式(I)又は一般式(II)で表される繰り返し単位の含有率は、高い方が好ましく、通常50モル%以上であり、好ましくは70モル%以上である。一般式(I)で表される繰り返し単位と、一般式(II)で表される繰り返し単位の、両方を併有してもよく、その含有比率に特に制限は無いが、一般式(I)の繰り返し単位
を多く含有していた方が好ましい。一般式(I)又は一般式(II)で表される繰り返し単位の合計数は、1分子中に通常1〜100、好ましくは10〜70、更に好ましくは20〜50である。
また、分散剤(E−1)は一般式(I)及び一般式(II)以外の繰り返し単位を含んでいてもよく、他の繰り返し単位としては、例えばアルキレン基、アルキレンオキシ基などが例示できる。
(E−1)のグラフト共重合体は、その末端が−NHまたは−R51−NH(但しR51は、前記一般式(I)におけるR51と同義である)のものが好ましい。
なお、分散剤(E−1)はグラフト共重合体であれば、主鎖が直鎖状であっても分岐していてもよい。
分散剤(E−1)のアミン価は、通常5〜100mgKOH/gであり、好ましくは10〜70mgKOH/gであり、更に好ましくは15〜40mgKOH/g以下である。アミン価が低すぎると分散安定性が低下し、粘度が不安定になることがあり、逆に高すぎると残渣が増加したり、液晶パネルを形成した後の電気特性が低下することがある。
なお、分散剤のアミン価は、分散剤試料中の溶剤を除いた固形分1gあたりの塩基量と当量のKOHの重量で表し、次の方法により測定する。
100mLのビーカーに分散剤試料の0.5〜1.5gを精秤し、50mLの酢酸で溶解する。pH電極を備えた自動滴定装置を使って、この溶液を0.1mol/LのHClO酢酸溶液にて中和滴定する。滴定pH曲線の変曲点を滴定終点とし次式によりアミン価を求める。
アミン価[mgKOH/g]=(561×V)/(W×S)
(但し、W:分散剤試料秤取量[g]、V:滴定終点での滴定量[mL]、S:分散剤試料の固形分濃度[重量%]を表す。)
分散剤(E−1)のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、3000〜100000が好ましく、5000〜50000が特に好ましい。重量平均分子量が3000未満であると、顔料の凝集を防ぐことができず、高粘度化ないしはゲル化してしまうことがあり、100000を超えるとそれ自体が高粘度となり、また有機溶剤への溶解性が不足する場合がある。
分散剤(E−1)の合成方法は、公知の方法が採用でき、例えば特公昭63−30057号公報に記載の方法を用いることができる。
本発明において、分散剤(E−1)としては、上述のものと同様の構造を有する市販のグラフト共重合体を適用することもできる。
(E−2)アクリル系ブロック共重合体
(E−2)アクリル系ブロック共重合体(以下「分散剤(E−2)」と称す場合がある。)は、(A)顔料を極めて効率よく分散しうる点で好ましい。その理由は明らかではないが、分子配列が制御されていることにより、分散剤が顔料に吸着する際に障害となる構造が少ないためと推察される。
分散剤(E−2)のアクリル系ブロック共重合体としては、親溶剤性を有するA−ブロック及び窒素原子を含む官能基を有するB−ブロックからなるブロック共重合体が好ましい。
具体的にはB−ブロックとしては、窒素原子含有官能基として側鎖に4級アンモニウム塩基及び/又はアミノ基を有するB−ブロックが挙げられ、親溶剤性のA−ブロックとしては、4級アンモニウム塩基及び/又はアミノ基を有さないA−ブロックが挙げられる。これらA−ブロックおよびB−ブロックからなる、A−Bブロック共重合体及び/又はA
−B−Aブロック共重合体が好ましい。以下、これらを例に、より詳細に説明する。
B−ブロックにおける4級アンモニウム塩基は、好ましくは−N313233・Z(但し、R3132及びR33は、各々独立に、水素原子、又は置換されていてもよい環状若しくは鎖状の炭化水素基を表す。或いは、R31、R32及びR33のうち2つ以上が互いに結合して、環状構造を形成していてもよい。Zは、対アニオンを表す。)で表される4級アンモニウム塩基である。この4級アンモニウム塩基は、直接主鎖に結合していてもよいが、2価の連結基を介して主鎖に結合していてもよい。
−N313233・Zにおいて、R31、R32及びR33のうち2つ以上が互いに結合して形成する環状構造としては、例えば5〜7員環の含窒素複素環単環又はこれらが2個縮合してなる縮合環が挙げられる。該含窒素複素環は芳香性を有さないものが好ましく、飽和環であればより好ましい。具体的には、例えば下記のものが挙げられる。
Figure 0005018691
(上記式中、RはR31、R32及びR33のうち何れかの基を表す。これらの環状構造は、更に置換基を有していてもよい。)
−N313233におけるR31、R32及びR33としてより好ましいのは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基、又は置換基を有していてもよいベンジル基である。
4級アンモニウム塩基を有するB−ブロックとしては、下記一般式(VI)で表される部分構造を含有するものが好ましい。
Figure 0005018691
(上記一般式(VI)中、R31、R32及びR33は各々独立に、水素原子、又は置換されていてもよい環状若しくは鎖状の炭化水素基を表す。或いは、R31、R32及びR33のうち2つ以上が互いに結合して、環状構造を形成していてもよい。R34は、水素原子又はメチル基を表す。Xは、2価の連結基を表し、Zは、対アニオンを表す。)
一般式(VI)において、R31、R32及びR33の炭化水素基は、それぞれ独立して、炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数6〜20の芳香族基を有する置換基が好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ベンジル基、フェニル基等を挙げることができる。中でもメチル基、エチル基、プロピル基及びベンジル基が好ましい。
一般式(VI)において、2価の連結基Xとしては、例えば、炭素数1〜10のアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R35−、−COO−R36−(但し、R35及びR36は、それぞれ独立に、直接結合、炭素数1〜10のアルキレン基、又は炭素数1〜10のエーテル基(−R37−O−R38−:R37及びR38は、各々独立にアルキレン基)を表す。)等が挙げられ、好ましくは−COO−R36−である。
また、対アニオンのZとしては、Cl、Br、I、ClO 、BF 、CHCOO、PF 等が挙げられる。
B−ブロックがアミノ基を有する場合、該アミノ基としては3級アミノ基が好ましく、具体的には−NR4142(但し、R41及びR42は、各々独立に、置換基を有していてもよい環状又は鎖状のアルキル基、置換基を有していてもよいアリル基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基を表す。)で表される構造などが挙げられる。このような構造を有する繰り返し単位としては、例えば下記一般式で表される構造が挙げられる。
Figure 0005018691
(但し、R41及びR42は、上述したR41及びR42と同義であり、R43は炭素数1以上のアルキレン基、R44は水素原子又はメチル基を表す。)
中でも、R41及びR42はメチル基が好ましく、R43はメチレン基又はエチレン基が好ましく、R44はメチル基であるのが好ましい。このような繰り返し単位としては、下記構造式で表される構造が挙げられる。
Figure 0005018691
上術の如き特定の4級アンモニウム塩基及び/又はアミノ基を含有する部分構造は、1つのB−ブロック中に2種以上含有されていてもよい。その場合、2種以上の4級アンモニウム塩基及び/又はアミノ基含有部分構造は、該B−ブロック中においてランダム共重合又はブロック共重合の何れの態様で含有されていてもよい。
また、該4級アンモニウム塩基及び/又はアミノ基を含有しない部分構造が、B−ブロック中に含まれていてもよく、該部分構造の例としては、後述の(メタ)アクリル酸エステル系モノマー由来の部分構造等が挙げられる。かかる4級アンモニウム塩基及び/又はアミノ基を含まない部分構造の、B−ブロック中の含有量は、好ましくは0〜50重量%、より好ましくは0〜20重量%であるが、かかる4級アンモニウム塩基及び/又はアミノ基非含有部分構造はB−ブロック中に含まれないことが最も好ましい。
一方、分散剤(E−2)のアクリル系ブロック共重合体を構成するA−ブロックとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系モノマー;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エチルアクリル酸グリシジル、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;(メタ)アクリル酸クロライドなどの(メタ)アクリル酸塩系モノマー;酢酸ビニル系モノマー;アリルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル系モノマーなどのコモノマーを共重合させたポリマー構造が挙げられる。
中でも、A−ブロックとして、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどのポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートを共重合成分として含む(すなわち、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート由来の部分構造を含む)部分構造を有することにより、適度な凝集防止効果が認められ、分散系の安定化に寄与するため好ましく、特に下記式(VII)で表される部分構造 を有するA−ブロックが好ましい。
Figure 0005018691
(式中、gは1〜5の整数を表し、R60は水素原子又はメチル基を表す。)
上記式(VII)で表される部分構造は、A−ブロック中に5〜40モル%含まれている
ことが、特に好ましい。
また、A−ブロックは、適度な疎水性を付与することにより、溶剤の非極性部分へのなじみを良くする点において、特に下記一般式(VIII)で表される、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー由来の部分構造を含むことが好ましい。
Figure 0005018691
(上記一般式(VIII)中、R39は、水素原子又はメチル基を表す。R40は、置換基を有していてもよい環状又は鎖状のアルキル基、置換基を有していてもよいアリル基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基を表す。)
なお、顔料との親和性が高く、なじみが良いという点では、R40は環状の基であることが好ましい。
上記(メタ)アクリル酸エステル系モノマー由来の部分構造は、1つのA−ブロック中に2種以上含有されていてもよい。もちろん該A−ブロックは、更にこれら以外の部分構造を含有していてもよい。2種以上のモノマー由来の部分構造が、4級アンモニウム塩基を含有しないA−ブロック中に存在する場合、各部分構造は該A−ブロック中においてランダム共重合又はブロック共重合の何れの態様で含有されていてもよい。A−ブロック中に上記(メタ)アクリル酸エステル系モノマー由来の部分構造以外の部分構成を含有する場合、当該(メタ)アクリル酸エステル系モノマー以外の部分構造の、A−ブロック中の含有量は、好ましくは0〜99重量%、より好ましくは0〜85重量%である。
分散剤(E−2)のアクリル系分散剤は、このようなA−ブロックとB−ブロックとからなる、A−Bブロック又はA−B−Aブロック共重合型高分子化合物であるが、このようなブロック共重合体は、例えばアニオンリビング重合法、カチオンリビング重合法、ラジカルリビング重合法などのリビング重合法にて調製される。
分散剤(E−2)の固形分1gのアミン価は、通常1〜300mgKOH/g程度であるが、その好ましい範囲は、B−ブロックが4級アンモニウム塩基を有する場合と有さない場合とで異なる。
即ち、分散剤(E−2)のA−Bブロック共重合体及びA−B−Aブロック共重合体の、B−ブロックが4級アンモニウム塩基を有する場合、該共重合体1g中の4級アンモニウム塩基の量は、0.1〜10mmolであることが好ましい。この範囲外では、良好な耐熱性と分散性を兼備することができない場合がある。このようなブロック共重合体中には、製造過程で生じたアミノ基が含有される場合があり、そのアミン価は、通常、共重合体1gあたり1〜100mgKOH/g程度、好ましくは1〜50mgKOH/g、より好ましくは1〜30mgKOH/gである。
また、B−ブロックに4級アンモニウム塩基を含まない場合、該共重合体のアミン価は、通常、1gあたり50〜300mgKOH/g程度、好ましくは50〜200mgKOH/gである。なおアミン価の測定方法は前述の通りである。
また、このブロック共重合体の酸価は、該酸価の元となる酸性基の有無及び種類にもよるが、一般に低い方が好ましく、通常100mgKOH/g以下であり、その分子量は、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で通常1000以上、100,000以下の範囲である。ブロック共重合体の分子量が小さすぎると分散安定性が低下し、大きすぎると現像性、解像性が低下する傾向にある。
本発明においては、分散剤(E−2)として上述のものと同様の構造を有する市販のアクリル系ブロック共重合体を適用することもできる。
(E−3)ウレタン樹脂分散剤
(E−3)ウレタン樹脂分散剤(以下「分散剤(E−3)」と称す場合がある。)としては、ポリイソシアネート化合物と、同一分子内に水酸基を1個又は2個有する化合物と、同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物とを反応させることによって得られるウレタン樹脂が特に好ましい。
上記ポリイソシアネート化合物の例としては、パラフェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、トリジンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、ω,ω′−ジイソシネートジメチルシクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート;キシリレンジイソシアネート、α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香環を有する脂肪族ジイソシアネート;リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニルメタン)、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等のトリイソシアネート;及び、これらの3量体、水付加物、並びにこれらのポリオール付加物等が挙げられる。
ポリイソシアネートとして好ましいのは有機ジイソシアネートの三量体で、最も好まし
いのはトリレンジイソシアネートの三量体とイソホロンジイソシアネートの三量体であり、これらを単独で用いても、複数種併用してもよい。
イソシアネートの三量体の製造方法としては、前記ポリイソシアネート類を適当な三量化触媒、例えば第3級アミン類、ホスフィン類、アルコキシド類、金属酸化物、カルボン酸塩類等を用いてイソシアネート基の部分的な三量化を行い、触媒毒の添加により三量化を停止させた後、未反応のポリイソシアネートを溶剤抽出、薄膜蒸留により除去して目的のイソシアヌレート基含有ポリイソシアネートを得る方法が挙げられる。
上記同一分子内に水酸基を1個又は2個有する化合物としては、ポリエーテルグリコール、ポリエステルグリコール、ポリカーボネートグリコール、ポリオレフィングリコール等、又はこれらの化合物の片末端水酸基が炭素数1〜25のアルキル基でアルコキシ化されたもの、若しくはこれら2種類以上の混合物が挙げられる。
ポリエーテルグリコールとしては、ポリエーテルジオール、ポリエーテルエステルジオール、又はこれら2種類以上の混合物が挙げられる。
ポリエーテルジオールとしては、アルキレンオキシドを単独又は共重合させて得られるもの、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン−プロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシヘキサメチレングリコール、ポリオキシオクタメチレングリコール、又はそれらの2種以上の混合物が挙げられる。
ポリエーテルエステルジオールとしては、エーテル基含有ジオール若しくは他のグリコールとの混合物をジカルボン酸又はそれらの無水物と反応させるか、ポリエステルグリコールにアルキレンオキシドを反応させることによって得られるもの、例えば、ポリ(ポリオキシテトラメチレン)アジペート等が挙げられる。
ポリエーテルグリコールとして最も好ましいのは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、又はこれらの化合物の片末端水酸基が炭素数1〜25のアルキル基でアルコキシ化された化合物である。
ポリエステルグリコールとしては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸等のジカルボン酸類又はそれらの無水物と、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジーオル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、1,8−オクタメチレングリコール、2−メチル−1,8−オクタメチレングリコール、1,9−ノナンジオール等の脂肪族グリコール;ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン等の脂環族グリコール;キシリレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等の芳香族グリコール;N−メチルジエタノールアミン等のN−アルキルジアルカノールアミン等のジオール類と、を重縮合させて得られたもの、例えば、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリエチレン/プロピレンアジペート等、又は前記ジオール類若しくは炭素数1〜25の1価アルコールを開始剤として用いて得られるポリラクトンジオールあるいはポリラクトンモノオール、例えば、ポリカプロラクトングリコール、ポリメチルバレロラクトン、又はこれらの2種以上の混合物が挙げられる。ポリエステルグリコールとして最も好ましいのは、ポリカプロラクトングリコール又は炭素数1〜25のアルコールを開始剤としたポリカプロラクトン、より具体的には、モノオールにε−カプロラクトンを開環付加重合して得られる化合物である。
ポリカーボネートグリコールとしては、ポリ(1,6−ヘキシレン)カーボネート、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレン)カーボネート等が挙げられる。
また、ポリオレフィングリコールとしては、ポリブタジエングリコール、水素添加型ポリブタジエングリコール、水素添加型ポリイソプレングリコール等が挙げられる。
これらの同一分子内に水酸基を1個又は2個有する化合物のうち、特にポリエーテルグリコールとポリエステルグリコールが好ましい。
なお、同一分子内に水酸基を1個又は2個有する化合物の数平均分子量は、通常300〜10,000、好ましくは500〜6,000、更に好ましくは1,000〜4,000である。
上記同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物において、活性水素、即ち、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子に直接結合している水素原子としては、水酸基、アミノ基、チオール基等の官能基中の水素原子が挙げられ、中でもアミノ基、特に1級のアミノ基の水素原子が好ましい。また、3級アミノ基としては、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル等の炭素数1〜4のアルキル基を有するジアルキルアミノ基や、該ジアルキルアミノ基が連結してヘテロ環構造を形成している基、より具体的には、イミダゾール環、又はトリアゾール環が挙げられるが、中でもジメチルアミノ基及びイミダゾール環が分散安定性に優れるため好ましい。
このような同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物を例示するならば、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジプロピル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジブチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジプロピルエチレンジアミン、N,N−ジブチルエチレンジアミン、N,N−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジエチル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジプロピル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジブチル−1,4−ブタンジアミン等か挙げられる。
また、3級アミノ基が窒素含有ヘテロ環であるものとして、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、インドール環、カルバゾール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾチアジアゾール環等の窒素原子含有ヘテロ5員環;ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、アクリジン環、イソキノリン環等の窒素原子含有ヘテロ6員環が挙げられる。これらのイミダゾール環と1級アミノ基を有する化合物を具体的に例示するならば、1−(3−アミノプロピル)イミダゾール、ヒスチジン、2−アミノイミダゾール、1−(2−アミノエチル)イミダゾール等が挙げられる。
また、トリアゾール環と1級アミノ基を有する化合物を具体的に例示するならば、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、5−(2−アミノ−5−クロロフェニル)−3−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−4H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジオール、3−アミノ−5−フェニル−1H−1,3,4−トリアゾール、5−アミノ−1,4−ジフェニル−1,2,3−トリアゾール、3−アミノ−1−ベンジル−1H−2,4−トリアゾール等が挙げられる。
これらの中でも、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、1−(3−アミノプロピル)イミダゾール、3−アミノ−1
,2,4−トリアゾール等が好ましい。
これらの(E−3)分散剤の原料の好ましい使用比率は、ポリイソシアネート化合物100重量部に対し、同一分子内に水酸基を1個又は2個有する化合物が、通常10〜200重量部、好ましくは20〜190重量部、更に好ましくは30〜180重量部、同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物が、通常0.2〜25重量部、好ましくは0.3〜24重量部である。
同一分子内に水酸基を1個または2個以上有する化合物の含有量が、上記範囲よりも多いと、化合物合成時に反応点が多すぎてゲル化する等、合成が困難になる場合があり、また上記範囲より少ない場合は、分散剤のいわゆるteil部分が短くなるため、分散能が不十分となるおそれがある。
また、同一分子内に活性水素とアミノ基を有する化合物の含有量が、上記範囲より多いと、顔料に吸着しないフリーの吸着基が多くなり、これらが着色組成物中で反応点となると考えられ、保存安定性に悪影響が出るおそれがある。上記範囲より少ない場合には、分散剤が顔料に吸着しづらくなるため、分散剤として十分に機能しなくなる可能性がある。
分散剤(E−3)の製造は、ウレタン樹脂製造の公知の方法に従って行われる。製造する際の溶剤としては、通常、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸セロソルブ等のエステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素類;ダイアセトンアルコール、イソプロパノール、第二ブタノール、第三ブタノール等の一部のアルコール類;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキサイド等の非プロトン性極性溶剤等が用いられる。また、製造する際の触媒としては、通常のウレタン化反応触媒が用いられる。例えば、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、ジブチルチンジオクトエート、スタナスオクトエート等の錫系;鉄アセチルアセトナート、塩化第二鉄等の鉄系;トリエチルアミン、トリエチレンジアミン等の3級アミン系等が挙げられる。
また、同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物の導入量は、反応により得られる(E−3)分散剤のアミン価で1〜100mgKOH/gの範囲に制御するのが好ましく、より好ましくは5〜80mgKOH/gの範囲であり、更に好ましくは10〜60mgKOH/gの範囲である。アミン価が上記範囲以下であると分散能力が低下する傾向があり、また、上記範囲を超えると現像性が低下しやすくなる。なお、以上の反応で得られた(E−3)分散剤にイソシアネート基が残存する場合には、更にアルコールやアミノ化合物でイソシアネート基を潰すと該分散剤分子の経時安定性が高くなるので好ましい。
ウレタン樹脂分散剤(E−3)のGPCで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、通常1,000〜200,000、好ましくは2,000〜100,000、より好ましくは3,000〜50,000の範囲である。分子量が1,000未満では分散性及び分散安定性が劣り、200,000を超えると溶解性が低下し、分散性が劣ると同時に反応の制御が困難となる。
(E−4)その他の分散剤
本発明の顔料分散液および着色組成物に用いられる分散剤は上記の各種分散剤(E−1)〜(E−3)以外に、その他の分散剤(以下「分散剤(E−4)」と称す場合がある。)を含有していてもよい。
その他の分散剤としては、例えば、ポリアリルアミン系分散剤、アミノ基を持つモノマ
ーとマクロモノマーからなる分散剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系分散剤、ポリオキシエチレンジエステル系分散剤、ポリエーテルリン酸系分散剤、ポリエステルリン酸系分散剤、ソルビタン脂肪族エステル系分散剤、脂肪族変性ポリエステル系分散剤等を挙げることができる。
このような分散剤の具体例としては、EFKA(エフカーケミカルズビーブイ(EFKA)社製)、Disperbyk(ビックケミー社製)、ディスパロン(楠本化成社製)、SOLSPERSE(ルーブリゾール社製)、KP(信越化学工業社製)、ポリフロー(共栄社化学社製)、アジスパー(味の素ファインテクノ社製)等のシリーズ名で市販のものを挙げることができる。
上述の分散剤(E−1)〜(E−4)は1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を併用してもよい。
本発明の顔料分散液および着色組成物は、上述した各種分散剤のうち、(E−1)窒素原子を含有するグラフト共重合体、(E−2)窒素原子を含有するアクリル系ブロック共重合体、及び(E−3)ウレタン樹脂分散剤から選択された一つ以上の分散剤を含むことが好ましく、(E−2)窒素原子を含有するアクリル系ブロック共重合体を含むことがさらに好ましい。
本発明の顔料分散液および着色組成物において、分散剤の含有割合は、顔料に対して通常95重量%以下、好ましくは65重量%以下、更に好ましくは50重量%以下であり、また、通常5重量%以上、好ましくは7重量%以上、特に好ましくは10重量%以上である。分散剤の含有割合が少なすぎると、顔料への吸着が不足し、凝集を防ぐことができず、高粘度化ないしゲル化してしまうことがあるため、分散安定性が悪化し、再凝集や増粘等の問題が発生する可能性がある。逆に多すぎると、相対的に顔料の割合が減るため、着色力が低くなり、色濃度に対して膜厚が厚くなりすぎて、カラーフィルタに用いた場合、液晶セル化工程でのセルギャップ制御不良が出ることがある。
〔1−4〕分散助剤
本発明に係る顔料分散液には、顔料の分散性の向上、分散安定性の向上のために分散助剤を含有してもよい。分散助剤としては、例えば顔料誘導体等が挙げられる。
顔料誘導体としては、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンツイミダゾロン系、キノフタロン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ジオキサジン系、アントラキノン系、インダンスレン系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、ジオキサジン系顔料等の誘導体が挙げられる。
これら顔料誘導体の置換基としてはスルホン酸基、スルホンアミド基及びその4級塩、フタルイミドメチル基、ジアルキルアミノアルキル基、水酸基、カルボキシル基、アミド基等が挙げられる。これらの置換基は、顔料骨格に直接結合していてもよく、またアルキレン基、アリーレン基、複素環基等を介して結合していてもよい。前記置換基のうち、好ましくはスルホンアミド基及びその4級塩、スルホン酸基が挙げられ、より好ましくはスルホン酸基である。
これら置換基は、一つの顔料骨格に複数置換していても良いし、置換数の異なる化合物の混合物でも良い。
顔料誘導体の具体例としてはアゾ顔料のスルホン酸誘導体、フタロシアニン顔料のスルホン酸誘導体、キノフタロン顔料のスルホン酸誘導体、イソインドリン顔料のスルホン酸誘導体、アントラキノン顔料のスルホン酸誘導体、キナクリドン顔料のスルホン酸誘導体、ジケトピロロピロール顔料のスルホン酸誘導体、ジオキサジン顔料のスルホン酸誘導体等が挙げられる。
中でも好ましくは、顔料分散液の色相との干渉が少ない顔料の誘導体が好ましい。
なお分散助剤は、上述したような顔料そのものの誘導体でなくても、これと類似の化学構造である化合物であってもよい。
分散助剤の添加量は、顔料に対して通常0.1重量%以上、また、通常30重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下、更に好ましくは5重量%以下である。添加量が少ないとその効果が発揮され難い傾向があり、逆に添加量が多過ぎると分散性、分散安定性がかえって悪くなることがあるためである。
〔1−5〕分散樹脂
本発明の顔料分散液には、後述する本発明のカラーフィルタ用着色組成物に使用することができるバインダー樹脂から選ばれた、樹脂の一部または全部を含有していてもよい。具体的には、後述する顔料分散液の調製における分散処理工程において、前述の分散剤とともにバインダー樹脂を含有させることにより、該バインダー樹脂が、分散剤との相乗効果で分散安定性に寄与する。結果として分散剤の添加量を減らせる可能性があるため好ましい。また現像性が向上し、基板の非画素部に未溶解物が残存せず、画素の基板への密着性が向上する、といった効果もあるため好ましい。
このように、分散処理工程に使用されるバインダー樹脂を、分散樹脂と称することがある。
分散樹脂は、顔料分散液中の顔料全量に対して5〜200重量%程度使用することが好ましく、10〜100重量%程度使用することがより好ましい。
分散樹脂の酸価は10mgKOH/g以上が好ましく、30mgKOH/g以上がより好ましく、50mgKOH/g以上が最も好ましく、また500mgKOH/g以下が好ましく、300mgKOH/g以下がより好ましく、200mgKOH/g以下が最も好ましい。酸価が高すぎると、高粘度となり合成が困難になる傾向があり、また低すぎるとアルカリ現像に適用することが難しくなる場合がある。
また分散樹脂のGPCにて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は、1000以上が好ましく、1500以上がより好ましく、2000以上が最も好ましく、また200000以下が好ましく、50000以下がより好ましく、30000以下が最も好ましい。分子量が大きすぎると、アルカリ現像に適用することが困難になる傾向があり、また分子量が小さすぎると、分散安定性が低下する場合がある。
〔2〕カラーフィルタ用着色組成物
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、少なくとも、前述した顔料、溶剤及び分散剤と、重合性モノマーを含有する。
なお本発明において該着色組成物の調製方法に特に制限はなく、予め前述のような顔料分散液を調製し、これに種々の成分を加えてカラーフィルタ用着色組成物を調製してもよく、またカラーフィルタ用着色組成物を構成する成分を一度に、または順次配合することにより、該着色組成物を調製してもよい。なお、後述する分散工程にて顔料をより微細に分散させられること、また分散処理時に光重合する、或いは光重合せしめる成分が存在しない方が取り扱いが容易であること等から、予め調製しておいた顔料分散液に、その他の成分を加えて調製する方法がより好ましい。
〔2−1〕重合性モノマー
重合性モノマーは、重合可能な低分子化合物であれば特に制限はないが、エチレン性二重結合を少なくとも1つ有する付加重合可能な化合物(以下、「エチレン性化合物」と称す)が好ましい。エチレン性化合物とは、本発明の着色組成物が活性光線の照射を受けた場合、後述の光重合開始系の作用で、或いは加熱により後述する熱重合開始剤の作用で、
付加重合し、硬化するようなエチレン性二重結合を有する化合物である。なお、本発明におけるモノマーは、いわゆる高分子物質に相対する概念を意味し、狭義の単量体以外に二量体、三量体、オリゴマーも包含する概念を意味する。
エチレン性化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸、それとモノヒドロキシ化合物とのエステル、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル、芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル、不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び前述の脂肪族ポリヒドロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステル、ポリイソシアネート化合物と(メタ)アクリロイル含有ヒドロキシ化合物とを反応させたウレタン骨格を有するエチレン性化合物等が挙げられる。
脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、グリセロールアクリレート等のアクリル酸エステルが挙げられる。また、これらアクリレートのアクリル酸部分を、メタクリル酸部分に代えたメタクリル酸エステル、イタコン酸部分に代えたイタコン酸エステル、クロトン酸部分に代えたクロトン酸エステル、又は、マレイン酸部分に代えたマレイン酸エステル等が挙げられる。
芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、例えば、ハイドロキノンジアクリレート、ハイドロキノンジメタクリレート、レゾルシンジアクリレート、レゾルシンジメタクリレート、ピロガロールトリアクリレート等が挙げられる。
不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステルは、必ずしも単一物ではなく、混合物であっても良い。代表例としては、例えば、アクリル酸、フタル酸及びエチレングリコールの縮合物、アクリル酸、マレイン酸及びジエチレングリコールの縮合物、メタクリル酸、テレフタル酸及びペンタエリスリトールの縮合物、アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオール及びグリセリンの縮合物等が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物と(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物とを反応させたウレタン骨格を有するエチレン性化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート等と、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシ(1,1,1−トリアクリロイルオキシメチル)プロパン、3−ヒドロキシ(1,1,1−トリメタクリロイルオキシメチル)プロパン等の(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物との反応物が挙げられる。
その他、本発明に用いられるエチレン性化合物としては、例えば、エチレンビスアクリルアミド等のアクリルアミド類;フタル酸ジアリル等のアリルエステル類;ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物等も有用である。
また、エチレン性化合物は酸価を有するモノマーであってもよい。酸価を有するモノマーとしては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルであり、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を持たせた多官能モノマーが好ましく、特に好ましくは、このエステルにおいて、脂肪族ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトール及び/又はジペンタエリスリトールであるものである。
これらのモノマーは1種を単独で用いても良いが、製造上、単一の化合物を用いることは難しいことから、2種以上を混合して用いても良い。また、必要に応じてモノマーとして酸基を有しない多官能モノマーと酸基を有する多官能モノマーを併用しても良い。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1〜40mgKOH/gであり、特に好ましくは5〜30mgKOH/gである。多官能モノマーの酸価が低すぎると現像溶解特性が落ち、高すぎると製造や取扱いが困難になり光重合性能が落ち、画素の表面平滑性等の硬化性が劣る傾向がある。従って、異なる酸基の多官能モノマーを2種以上併用する場合、或いは酸基を有しない多官能モノマーを併用する場合、全体の多官能モノマーとしての酸基が上記範囲に入るように調整することが好ましい。
本発明において、より好ましい酸基を有する多官能モノマーは、東亞合成社製TO1382として市販されているジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートのコハク酸エステルを主成分とする混合物である。この多官能モノマーの他の多官能モノマーを組み合わせて使用することもできる。
本発明において、上述したエチレン性化合物は、分子量が650以下、好ましくは550以下、より好ましくは400以下、かつ二重結合当量が150以下、好ましくは140以下、より好ましくは110以下であるものが適当である。またそれらの下限は特に限定されず、付加重合が可能な化学構造をとり得る範囲であればよい。これらの中でも、画素の“かけ”を少なくし、より直線性に優れた画素を形成できる点からは、比較的分子量が小さく、かつ二重結合当量が小さい化合物が好ましい。
なお、得られるカラーフィルタ用着色組成物の感度の点からは分子量が250を超えるエチレン性化合物を使用することが好ましい。この様な化合物としては、特にペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が好ましい。
これらの重合性モノマーの含有量は、本発明の着色組成物の全固形分中、通常0重量%以上、好ましくは5重量%以上、更に好ましくは10重量%以上であり、通常80重量%以下、好ましくは70重量%以下、更に好ましくは50重量%以下、特に好ましくは40重量%以下である。また、色材に対する比率は、通常0重量%以上、好ましくは5重量%以上、更に好ましくは10重量%以上、特に好ましくは20重量%以上であり、通常200重量%以下、好ましくは100重量%以下、更に好ましくは80重量%以下である。
〔2−2〕その他の固形分(成分)
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、更に、必要に応じ上記成分以外の固形分を配合できる。このような成分としては、バインダー樹脂、光重合開始系及び/又は熱重合開始剤、界面活性剤、熱重合防止剤、可塑剤、保存安定剤、表面保護剤、密着向上剤、現像改良剤、染料等が挙げられる。
〔2−3〕バインダー樹脂
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、バインダー樹脂を含有することが好ましい。バインダー樹脂は、該着色組成物をどのような手段により硬化するものとするかにより、好ましい樹脂は異なる。
本発明の着色組成物が光重合性樹脂組成物の場合、バインダー樹脂としては、例えば特
開平7−207211号、特開平8−259876号、特開平10−300922号、特開平11−140144号、特開平11−174224号、特開2000−56118号、特開2003−233179号などの各公報等に記載される公知の高分子化合物を使用することができるが、好ましくは
〔2−3−1〕エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂、
〔2−3−2〕主鎖にカルボキシル基を含有する直鎖状アルカリ可溶性樹脂、
〔2−3−3〕前記「主鎖にカルボキシル基を含有する直鎖状アルカリ可溶性樹脂」のカルボキシル基部分に、エポキシ基含有不飽和化合物を付加させた樹脂、
〔2−3−4〕(メタ)アクリル系樹脂、
〔2−3−5〕カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂
等が挙げられる。以下、これら各樹脂について説明する。
〔2−3−1〕エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂
特に好ましい樹脂の一つとして、「エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂」(以下「〔2−3−1〕樹脂」と称することがある)が挙げられる。より具体的には「エポキシ基含有(メタ)アクリレート5〜90モル%と、他のラジカル重合性単量体10〜95モル%との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の10〜100モル%に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂」が挙げられる。
〔2−3−1〕樹脂を構成する「エポキシ基含有(メタ)アクリレート」としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等が例示できる。中でもグリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。これらのエポキシ基含有(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと共重合させる「他のラジカル重合性単量体」としては、下記一般式(1)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートが好ましい。
Figure 0005018691
式(1)中、R1〜R8は、各々独立して、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示すが、R7及びR8は互いに連結して環を形成していてもよい。
式(1)において、R7とR8が互いに連結して形成される環は、脂肪族環であるのが好ましく、飽和又は不飽和の何れでもよく、又、炭素数が5〜6であるのが好ましい。
中でも、一般式(1)で表される構造としては、下記式(1a)、(1b)、又は(1c)で表さ
れる構造が好ましい。
バインダー樹脂にこれらの構造を導入することによって、本発明の着色組成物をカラーフィルタや液晶表示素子に使用する場合に、該着色組成物の耐熱性を向上させ、該着色組成物を用いて形成された画素の強度を増すことが可能となる。
尚、一般式(1)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
Figure 0005018691
前記一般式(1)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートとしては、当該構造を有する限り公知の各種のものが使用できるが、特に下記一般式(2)で表されるものが好ましい。
Figure 0005018691
式(2)中、R9は水素原子又はメチル基を示し、R10は前記一般式(1)の構造を示す。
前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体
において、前記一般式(1) で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートに由来す
る繰り返し単位は、「他のラジカル重合性単量体」に由来する繰り返し単位中、5〜90モル%含有するものが好ましく、10〜70モル%含有するものが更に好ましく、15〜50モル%含有するものが特に好ましい。
尚、前記一般式(1)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレート以外の、「他のラジカル重合性単量体」としては、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、スチレン、スチレンのα−、o−、m−、p−アルキル、ニトロ、シアノ、アミド、エステル誘導体等のビニル芳香族類;ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸−iso−プロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−sec−ブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸プロパギル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ナフチル、(メタ)アクリル酸アントラセニル、(メタ)アクリル酸アントラニノニル、(メタ)アクリル酸ピペロニル、(メタ)アクリル酸サリチル、(メタ)アクリル酸フリル、(メタ)アクリル酸フルフリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフリル、(メタ)アクリル酸ピラニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェネチル、(メタ)アクリル酸クレジル、(メタ)アクリル酸−1,1,1−トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオルエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロ−n−プロピル、(メタ)アクリル酸パーフルオロ−iso−プロピル、(メタ)アクリル酸トリフェニルメチル、(メタ)アクリル酸クミル、(メタ)アクリル酸3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジプロピルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジ−iso−プロピルアミド、(メタ)アクリル酸アントラセニルアミド等の(メタ)アクリル酸アミド;(メタ)アクリル酸アニリド、(メタ)アクリロイルニトリル、アクロレイン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、酢酸ビニル等のビニル化合物類;シトラコン酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等の不飽和ジカルボン酸ジエステル類;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド等のモノマレイミド類;N−(メタ)アクリロイルフタルイミド等が挙げられる。
これら「他のラジカル重合性単量体」の中で、着色組成物に優れた耐熱性及び強度を付与させるためには、スチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、及びモノマレイミドから選択された少なくとも一種を使用することが有効である。特に「他のラジカル重合性単量体」に由来する繰り返し単位中、これらスチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、及びモノマレイミドから選択された少なくとも一種に由来する繰り返し単位の含有割合が、1〜70モル%であるものが好ましく、3〜50モル%であるものが更に好ましい。
尚、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、前記他のラジカル重合性単量体との共重合反応には、公知の溶液重合法が適用される。使用する溶剤はラジカル重合に不活性なものであれば特に限定されるものではなく、通常用いられている有機溶剤を使用することができる。
その溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類等の酢酸エステル類;エチレングリコールジアルキルエーテル類;メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類;トリエチレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールジアルキルエーテル類;ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、オクタン、デカン等の炭化水素類;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等の乳酸エステル類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。これらの溶剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの溶剤の使用量は、得られる共重合体100重量部に対し、通常30〜1000重量部、好ましくは50〜800重量部である。溶剤の使用量がこの範囲外では共重合体の分子量の制御が困難となる。
又、共重合反応に使用されるラジカル重合開始剤は、ラジカル重合を開始できるものであれば特に限定されるものではなく、通常用いられている有機過酸化物触媒やアゾ化合物触媒を使用することができる。その有機過酸化物触媒としては、公知のケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアリルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネートに分類されるものが挙げられる。
その具体例としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシル−3、3−イソプロピルヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジクミルヒドロパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、イソブチルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
又、アゾ化合物触媒としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスカルボンアミド等が挙げられる。
これらの中から、重合温度に応じて、適当な半減期のラジカル重合開始剤が1種又は2種以上使用される。ラジカル重合開始剤の使用量は、共重合反応に使用される単量体の合計100重量部に対して、0.5〜20重量部、好ましくは1〜10重量部である。
共重合反応は、共重合反応に使用される単量体及びラジカル重合開始剤を溶剤に溶解し、攪拌しながら昇温して行ってもよいし、ラジカル重合開始剤を添加した単量体を、昇温、攪拌した溶剤中に滴下して行ってもよい。又、溶剤中にラジカル重合開始剤を添加し昇温した中に単量体を滴下してもよい。反応条件は目標とする分子量に応じて自由に変えることができる。
本発明において、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと前記他のラジカル重合性単量体との共重合体としては、エポキシ基含有(メタ)アクリレートに由来する繰り返し単位5〜90モル%と、他のラジカル重合性単量体に由来する繰り返し単位10〜95モル%と、からなるものが好ましく、前者20〜80モル%と、後者80〜20モル%とからなるものが更に好ましく、前者30〜70モル%と、後者70〜30モル%とからなるものが特に好ましい。
エポキシ基含有(メタ)アクリレートが少なすぎると、後述する重合性成分及びアルカリ可溶性成分の付加量が不十分となる場合があり、一方、エポキシ基含有(メタ)アクリレートが多すぎて、他のラジカル重合性単量体が少なすぎると、耐熱性や強度が不十分となる可能性がある。
続いて、エポキシ樹脂含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体のエポキシ基部分に、不飽和一塩基酸(重合性成分)と、多塩基酸無水物(アルカリ可溶性成分)とを反応させる。
エポキシ基に付加させる不飽和一塩基酸としては、公知のものを使用することができ、例えば、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和カルボン酸が挙げられる。
具体例としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、α−位がハロアルキル基、アルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、又はシアノ基などで置換された(メタ)アクリル酸等のモノカルボン酸等が挙げられる。中でも好ましくは(メタ)アクリル酸である。これらの1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このような成分を付加させることにより、本発明で用いるバインダー樹脂に重合性を付与することができる。
これらの不飽和一塩基酸は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは30〜100モル%、より好ましくは50〜100モル%に付加させる。不飽和一塩基酸の付加割合が少なすぎると、着色組成物の経時安定性等に関して、残存エポキシ基による悪影響が懸念される。尚、共重合体のエポキシ基に不飽和一塩基酸を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
更に、共重合体のエポキシ基に不飽和一塩基酸を付加させたときに生じる水酸基に付加させる多塩基酸無水物としては、公知のものが使用できる。
例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸等の二塩基酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の三塩基以上の酸の無水物が挙げられる。中でも、テトラヒドロ無水フタル酸、及び/又は無水コハク酸が好ましい。これらの多塩基酸無水物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このような成分を付加させることにより、本発明で用いるバインダー樹脂にアルカリ可溶性を付与することができる。
これらの多塩基酸無水物は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基に、不飽和一塩基酸を付加させることにより生じる水酸基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは20〜90モル%、より好ましくは30〜80モル%に付加させる。この付加割合が多すぎると、現像時の残膜率が低下する場合があり、少なすぎると溶解性が不十分となる可能性がある。尚、当該水酸基に多塩基酸無水物を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
更に、光感度を向上させるために、前述の多塩基酸無水物を付加させた後、生成したカルボキシル基の一部にグリシジル(メタ)アクリレートや重合性不飽和基を有するグリシジルエーテル化合物を付加させてもよい。
また、現像性を向上させるために、生成したカルボキシル基の一部に、重合性不飽和基を有さないグリシジルエーテル化合物を付加させてもよい。
又、この両方を付加させてもよい。
重合性不飽和基を有さないグリシジルエーテル化合物の具体例としては、フェニル基やアルキル基を有するグリシジルエーテル化合物等が挙げられる。市販品として、例えば、ナガセ化成工業社製の商品名「デナコールEX−111」、「デナコールEX−121」、「デナコールEX−141」、「デナコールEX−145」、「デナコールEX−146」、「デナコールEX−171」、「デナコールEX−192」等がある。
尚、このような樹脂の構造に関しては、例えば特開平8−297366号公報や特開2001−89533号公報に記載されており、既に公知である。
〔2−3−1〕樹脂の、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、3000〜100000が好ましく、5000〜50000が特に好ましい。分子量が3000未満であると、耐熱性や膜強度に劣る可能性があり、100000を超えると現像液に対する溶解性が不足する傾向がある。又、分子量分布の目安として、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比は、2.0〜5.0が好ましい。
〔2−3−2〕主鎖にカルボキシル基を含有する直鎖状アルカリ可溶性樹脂
主鎖にカルボキシル基を含有する直鎖状アルカリ可溶性樹脂(以下、「〔2−3−2〕樹脂」と称することがある)としては、カルボキシル基を有していれば特に限定されず、通常、カルボキシル基を含有する重合性単量体を重合して得られる。
カルボキシル基含有重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルフタル酸等のビニル系単量体;アクリル酸にε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン類を付加させたものである単量体;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートにコハク酸、マレイン酸、フタル酸、或いはそれらの無水物等の酸或いは無水物を付加させた単量体等が挙げられる。これらは複数種使用してもよい。
中でも好ましいのは、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸であり、更に好ましいのは、(メタ)アクリル酸である。
又、主鎖にカルボキシル基を含有する直鎖状アルカリ可溶性樹脂は、上記のカルボキシル基含有重合性単量体に、カルボキシル基を有さない他の重合性単量体を共重合させてもよい。
他の重合性単量体としては、特に限定されないが、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリ
レート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン及びその誘導体等のビニル芳香族類;N−ビニルピロリドン等のビニル化合物類;N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミド等のN−置換マレイミド類;ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリスチレンマクロモノマー、ポリ2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリエチレングリコールマクロモノマー、ポリプロピレングリコールマクロモノマー、ポリカプロラクトンマクロモノマー等のマクロモノマー類等が挙げられる。これらは複数種併用してもよい。
特に好ましいのは、スチレン、メチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−フェニルマレイミドである。
〔2−3−2〕樹脂は、さらに水酸基を有していてもよい。水酸基含有単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらを上述の各種単量体と共重合させることにより、カルボキシル基および水酸基を有する樹脂を得ることができる。
〔2−3−2〕樹脂として、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸と、メチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルマレイミド等の水酸基を含まない重合性単量体と、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有単量体との共重合体;(メタ)アクリル酸と、メチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体;(メタ)アクリル酸とスチレンとの共重合体;(メタ)アクリル酸とスチレンとα−メチルスチレンとの共重合体;(メタ)アクリル酸とシクロヘキシルマレイミドとの共重合体等が挙げられる。
顔料分散性に優れる点からは、特にベンジル(メタ)アクリレートおよび/またはシクロヘキシル(メタ)アクリレートを含む共重合体樹脂が好ましい。
〔2−3−2〕樹脂の酸価は、通常30〜500mgKOH/g、好ましくは40〜350mgKOH/g、さらに好ましくは50〜300mgKOH/gである。
また、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常2000〜80000、好ましくは3000〜50000、さらに好ましくは4000〜30000である。重量平均分子量が小さすぎると、着色組成物の安定性に劣る傾向があり、大きすぎると、後述するカラーフィルタや液晶表示装置に使用する場合に、現像液に対する溶解性が悪化する傾向がある。
〔2−3−3〕前記「主鎖にカルボキシル基を含有する直鎖状アルカリ可溶性樹脂」のカルボキシル基部分に、エポキシ基含有不飽和化合物を付加させた樹脂
前記「主鎖にカルボキシル基を含有する直鎖状アルカリ可溶性樹脂」(即ち〔2−3−2〕樹脂)の、カルボキシル基部分にエポキシ基含有不飽和化合物を付加させた樹脂(以下、〔2−3−3〕樹脂と称することがある)も特に好ましい。
エポキシ基含有不飽和化合物としては、分子内にエチレン性不飽和基及びエポキシ基を有するものであれば特に限定されるものではない。
例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、グリシジル−α−エチルアクリレート、クロトニルグリシジルエーテル、(イソ)クロトン酸グリシジルエーテル、N−(3,5−ジメチル−4−グリシジル)ベンジルアクリルアミド、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等の非環式エポキシ基含有不飽和化合物も挙げることができるが、耐熱性や、後述する顔料の分散性の観点から、脂環式エポキシ基含有不飽和化合物が好ましい。
ここで、脂環式エポキシ基含有不飽和化合物としては、その脂環式エポキシ基として、例えば、2,3−エポキシシクロペンチル基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、7,8−エポキシ[トリシクロ[5.2.1.0]デシ−2−イル]基等が挙げられる。又、エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基に由来するものであるのが好ましく、好適な脂環式エポキシ基含有不飽和化合物としては、下記一般式(3a)〜(3m)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005018691
式(3a)〜(3m)中、R11は水素原子又はメチル基を、R12はアルキレン基を、R13は2価の炭化水素基をそれぞれ示し、nは1〜10の整数である。
一般式(3a)〜(3m)における、R12のアルキレン基は、炭素数1〜10であるものが好ましい。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が例示でき
るが、好ましくはメチレン基、エチレン基、プロピレン基である。又、R13の炭化水素基としては、炭素数が1〜10であるものが好ましく、アルキレン基、フェニレン基等が挙げられる。
これらの脂環式エポキシ基含有不飽和化合物は、1種類を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも、一般式(3c)で表される化合物が好ましく、3,4−エポキシシクロヘキシル
メチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
前記〔2−3−2〕樹脂のカルボキシル基部分に、前記エポキシ基含有不飽和化合物を付加させるには、公知の手法を用いることができる。例えば、カルボキシル基含有樹脂とエポキシ基含有不飽和化合物とを、トリエチルアミン、ベンジルメチルアミン等の3級アミン;ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩;ピリジン、トリフェニルホスフィン等の触媒の存在下、有機溶剤中、反応温度50〜150℃で数時間〜数十時間反応させることにより、樹脂のカルボキシル基にエポキシ基含有不飽和化合物を導入することができる。
〔2−3−3〕樹脂の酸価は、通常10〜200mgKOH/g、好ましくは20〜150mgKOH/g、より好ましくは30〜150mgKOH/gである。
又、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常2000〜100000、好ましくは4000〜50000、更に好ましくは5000〜30000である。

〔2−3−4〕(メタ)アクリル系樹脂
(メタ)アクリル系樹脂(以下、「〔2−3−4〕樹脂」と称することがある)としては、(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸エステルを単量体成分とし、これらを重合してなるポリマーをいう。好ましい(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸及びベンジル(メタ)アクリレートを含む単量体成分を重合してなるポリマー〔2−3−4a〕、及び下記一般式(4)及び/又は(5)で表される化合物を必須とする単量体成分を重合してなるポリマー〔2−3−4b〕、を挙げることができる。
Figure 0005018691
式(4)中、R1aおよびR2aは、それぞれ独立して、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基を示す。
Figure 0005018691
式(5)中、R1bは水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を示し、L3
2価の連結基又は直接結合を示し、Xは下記式(6)で表される基又は置換されていてもよいアダマンチル基を示す。L3は下記式(6)におけるR3b又はR4bと結合して環を形
成していてもよい。
Figure 0005018691
式(6)中、R2b、R3b、R4bは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、アミノ基、又は有機基を示し、L1、L2は2価の連結基を示し、L1、L2および上記式(5)におけるL3の2以上が互いに結合して環を形成していてもよい。
〔2−3−4a〕(メタ)アクリル酸及びベンジル(メタ)アクリレートを含む単量体成分を重合してなるポリマー
(メタ)アクリル酸及びベンジル(メタ)アクリレートを含む単量体成分を重合してなるポリマーは、顔料との親和性が高いという点で、好ましく用いられる。
単量体成分中における前記(メタ)アクリル酸及びベンジル(メタ)アクリレートの割合は、特に制限されないが、全単量体成分中(メタ)アクリル酸は、通常10〜90重量%、好ましくは15〜80重量%、さらに好ましくは20〜70重量%である。また、ベンジル(メタ)アクリレートは、全単量体成分中、通常5〜90重量%、好ましくは15〜80重量%、さらに好ましくは20〜70重量%である。(メタ)アクリル酸の量が多すぎると、現像の際、塗膜表面が荒れやすくなる傾向があり、少なすぎると、現像不可能になる場合がある。また、ベンジル(メタ)アクリレートの量は、多すぎても少なすぎても、分散が困難になる傾向がある。
〔2−3−4b〕一般式(4)及び/又は(5)で示される化合物を必須とする単量体成分を重合してなるポリマー
まず、一般式(4)の化合物について説明する。
一般式(4)で表されるエーテルダイマーにおいて、R1aおよびR2aで表される置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基としては、特に制限はないが、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、t−アミル、ステアリル、ラウリル、2−エチルヘキシル等の直鎖状または分岐状のアルキル基;フェニル等のアリール基;シクロヘキシル、t−ブチルシクロヘキシル、ジシク
ロペンタジエニル、トリシクロデカニル、イソボルニル、アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル等の脂環式基;1−メトキシエチル、1−エトキシエチル等のアルコキシで置換されたアルキル基;ベンジル等のアリール基で置換されたアルキル基;等が挙げられる。これらの中でも特に、メチル、エチル、シクロヘキシル、ベンジル等のような酸や熱で脱離しにくい1級または2級炭素の置換基が耐熱性の点で好ましい。なお、R1aおよびR2aは、同種の置換基であってもよいし、異なる置換基であってもよい。
前記エーテルダイマーの具体例としては、例えば、ジメチル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(n−プロピル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソプロピル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(n−ブチル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソブチル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−ブチル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−アミル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ステアリル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ラウリル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(2−エチルヘキシル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(1−メトキシエチル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(1−エトキシエチル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジフェニル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−ブチルシクロヘキシル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ジシクロペンタジエニル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(トリシクロデカニル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソボルニル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジアダマンチル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(2−メチル−2−アダマンチル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート等が挙げられる。
これらの中でも特に、ジメチル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエートが好ましい。
これらエーテルダイマーは、1種のみ単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
前記アクリル系樹脂を得る際の、単量体成分中における前記エーテルダイマーの割合は、特に制限されないが、全単量体成分中、通常2〜60重量%、好ましくは5〜55重量%、さらに好ましくは5〜50重量%である。エーテルダイマーの量が多すぎると、重合の際、低分子量のものを得ることが困難になったり、あるいはゲル化し易くなったりする場合があり、一方、少なすぎると、透明性や耐熱性などの塗膜性能が不充分となる場合がある。
続いて、一般式(5)の化合物について説明する。
一般式(5)中、R1bは、好ましくは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基を表し、さらに好ましくは水素原子、メチル基である。
また、一般式(6)中、R2b、R3b、R4bの有機基としては、それぞれ独立して、例えばアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アシル基、カルボキシル基、又はアシルオキシ基等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18のシクロアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数3〜18のシクロアルケニル基、炭素数1〜15のアルコキシ基、炭素数1〜15のアルキルチオ基、炭素数1〜15のアシル基、炭素数1のカルボキシル基、又は炭素数1〜15のアシルオキシ基であり、更に好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数3〜15のシクロアルキル基である。
2b、R3b、R4bの中で好ましい置換基としては、水素原子、水酸基、炭素数1〜10のアルキル基である。
1、L2は2価の連結基、L3は2価の連結基又は直接結合であれば特に限定されない
が、少なくともL1又はL2のどちらかは炭素数1以上の連結基であるのが好ましい。また、L1、L2、L3は、それぞれ独立に、直接結合、炭素数1〜15のアルキレン、−O−、−S−、−C(=O)−、炭素数1〜15のアルケニレン、フェニレン、あるいはそれらの組み合わせが好ましい。
1、L2、L3の好ましい組合せとしては、L3は直接結合、炭素数1〜5のアルキレン、又はR3bあるいはR4bと結合して形成する環であり、L1、L2は炭素数1〜5のアルキレンである。
また、一般式(6)の好ましいものとしては、下記一般式(7)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0005018691
式(7)中、R2b、R3b、R4b、L1、L2は、式(6)におけると同義であり、R5b、R6bは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、アミノ基、又は有機基を示す。
一般式(7)中、R5b、R6bの有機基としては、それぞれ独立して、例えばアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アシル基、カルボキシル基、又はアシルオキシ基等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18のシクロアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数3〜18のシクロアルケニル基、炭素数1〜15のアルコキシ基、炭素数1〜15のアルキルチオ基、炭素数1〜15のアシル基、炭素数1のカルボキシル基、又は炭素数1〜15のアシルオキシ基であり、更に好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数3〜15のシクロアルキル基である。
5b、R6bの中で好ましい置換基としては、水素原子、水酸基、炭素数1〜10のアルキル基である。
また、R1bのアルキル基、R2b、R3b、R4b、の各有機基、L1、L2、L3の2価の連
結基、Xのアダマンチル基は、それぞれ独立して置換基を有していてよく、具体的には、
例えば以下の置換基を挙げることができる。
ハロゲン原子;水酸基;ニトロ基;シアノ基;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、アミル基、t−アミル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、t−オクチル基等の炭素数1〜18の直鎖又は分岐のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等の炭素数3〜18のシクロアルキル基;ビニル基、プロペニル基、ヘキセニル基等の炭素数2〜18の直鎖又は分岐のアルケニル基;シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の炭素数3〜18のシクロアルケニル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、アミルオキシ基、t−アミルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、t−オクチルオキシ基等の炭素数1〜18の直鎖又は分岐のアルコキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、s−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、アミルチオ基、t−アミルチオ基、n−ヘキシルチオ基、n−ヘプチルチオ基、n−オクチルチオ基、t−オクチルチオ基等の炭素数1〜18の直鎖又は分岐のアルキルチオ基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基等の炭素数6〜18のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜18のアラルキル基;ビニルオキシ基、プロペニルオキシ基、ヘキセニルオキシ基等の炭素数2〜18の直鎖又は分岐のアルケニルオキシ基;ビニルチオ基、プロペニルチオ基、ヘキセニルチオ基等の炭素数2〜18の直鎖又は分岐のアルケニルチオ基;−COR17で表されるアシル基;カルボキシル基;−OCOR18で表されるアシルオキシ基;−NR1920で表されるアミノ基;−NHCOR21で表されるアシルアミノ基;−NHCOOR22で表されるカーバメート基;−CONR2324で表されるカルバモイル基;−COOR25で表されるカルボン酸エステル基;−SO3NR2627で表されるスルファモイル基;−SO328で表されるスルホン酸エステル基;2−チエニル基、2−ピリジル基、フリル基、オキサゾリル基、ベンゾキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、モルホリノ基、ピロリジニル基、テトラヒドロチオフェンジオキサイド基等の飽和もしくは不飽和の複素環基;トリメチルシリル基などのトリアルキルシリル基等。
なお、R17〜R28は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアリール基、または置換基を有していてもよいアラルキル基を示す。
また、上記置換基の位置関係は特に限定されず、複数の置換基を有する場合、同種でも異なっていてもよい。
一般式(5)で表される化合物の具体例としては、例えば下記のものが挙げられる。
Figure 0005018691
Figure 0005018691
本発明に係る〔2−3−4b〕ポリマーを構成する単量体成分中、一般式(5)の割合は、特に制限されないが、通常は全単量体成分中0.5〜60重量%、好ましくは1〜55重量%、さらに好ましくは5〜50重量%である。多すぎると、分散剤として使用する場合、分散体の分散安定性が低下する場合があり、一方、少なすぎると、地汚れ適性が低下する場合がある。
本発明における〔2−3−4〕樹脂は、〔2−3−4a〕および〔2−3−4b〕のポリマーを含め、いずれも酸基を有することが好ましい。酸基を有することにより、得られる着色組成物が、酸基とエポキシ基が反応してエステル結合を形成する架橋反応(以下、酸−エポキシ硬化と略する)により硬化が可能な着色組成物、あるいは未硬化部をアルカリ現像液で顕像可能な組成物、とすることができる。前記酸基としては、特に制限されな
いが、例えば、カルボキシル基、フェノール性水酸基、カルボン酸無水物基等が挙げられる。
これら酸基は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
〔2−3−4〕樹脂に酸基を導入するには、例えば、酸基を有するモノマーおよび/または「重合後に酸基を付与しうるモノマー」(以下「酸基を導入するための単量体」と称することもある。)を、単量体成分として使用すればよい。なお「重合後に酸基を付与しうるモノマー」を単量体成分として使用する場合には、重合後に、後述するような酸基を付与するための処理が必要となる。
前記酸基を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸やイタコン酸等のカルボキシル基を有するモノマー;N−ヒドロキシフェニルマレイミド等のフェノール性水酸基を有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等のカルボン酸無水物基を有するモノマー等が挙げられるが、これらの中でも特に、(メタ)アクリル酸が好ましい。
前記重合後に酸基を付与しうるモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するモノマー;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有するモノマー;2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネート基を有するモノマー等が挙げられる。
これら酸基を導入するための単量体は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
〔2−3−4〕樹脂を得る際の単量体成分が、前記酸基を導入するための単量体をも含む場合、その含有割合は特に制限されないが、通常は全単量体成分中5〜70重量%、好ましくは10〜60重量%である。
また〔2−3−4〕樹脂は、ラジカル重合性二重結合を有するものであってもよい。
〔2−3−4〕樹脂にラジカル重合性二重結合を導入するには、例えば「重合後にラジカル重合性二重結合を付与しうるモノマー」(以下「ラジカル重合性二重結合を導入するための単量体」と称することもある。)を、単量体成分として重合した後に、後述するようなラジカル重合性二重結合を付与するための処理を行えばよい。
重合後にラジカル重合性二重結合を付与しうるモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸等のカルボキシル基を有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等のカルボン酸無水物基を有するモノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、o−(またはm−、またはp−)ビニルベンジルグリシジルエーテル等のエポキシ基を有するモノマー等が挙げられる。これらラジカル重合性二重結合を導入するための単量体は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
〔2−3−4〕樹脂を得る際の単量体成分が、前記ラジカル重合性二重結合を導入するための単量体をも含む場合、その含有割合は特に制限されないが、通常は全単量体成分中5〜70重量%、好ましくは10〜60重量%である。
〔2−3−4〕樹脂が、〔2−3−4a〕で説明した、前記一般式(4)の化合物を必須の単量体成分とするポリマーである場合、エポキシ基を有することが好ましい。
エポキシ基を導入するには、例えば、エポキシ基を有するモノマー(以下「エポキシ基を導入するための単量体」と称することもある。)を、単量体成分として重合すればよい。
前記エポキシ基を有するモノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、o−(またはm−、またはp−)ビニルベンジルグリシジルエーテル等が挙げられる。これらエポキシ基を導入するための単量体は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
〔2−3−4〕樹脂を得る際の単量体成分が、前記エポキシ基を導入するための単量体をも含む場合、その含有割合は特に制限されないが、通常は全単量体成分中5〜70重量%、好ましくは10〜60重量%であるのがよい。
〔2−3−4〕樹脂を得る際の単量体成分は、上記必須の単量体成分のほかに、必要に応じて、他の共重合可能なモノマーを含んでいてもよい。
他の共重合可能なモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸メチル2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド類;ブタジエン、イソプレン等のブタジエンまたは置換ブタジエン化合物;エチレン、プロピレン、塩化ビニル、アクリロニトリル等のエチレンまたは置換エチレン化合物;酢酸ビニル等のビニルエステル類等が挙げられる。
これらの中でも、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、スチレンが、透明性が良好で、耐熱性を損ないにくい点で好ましい。これら共重合可能な他のモノマーは、1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
また、特に〔2−3−4〕樹脂の一部または全部を、後述するように分散剤として用いる場合は、(メタ)アクリル酸ベンジルを用いることが好ましく、その含有量は、通常全単量体成分中1〜70重量%、好ましくは5〜60重量%であるのがよい。
前記〔2−3−4〕樹脂を得る際の単量体成分が、前記共重合可能な他のモノマーをも含む場合、その含有割合は特に制限されないが、95重量%以下が好ましく、85重量%以下がより好ましい。
次に、〔2−3−4〕樹脂の製造方法(重合方法)について説明する。
前記単量体成分の重合方法に特に制限はなく、従来公知の各種方法を採用することができるが、特に、溶液重合法によることが好ましい。なお、重合温度や重合濃度(重合濃度=[単量体成分の全重量/(単量体成分の全重量+溶剤重量)]×100とする)は、使用する単量体成分の種類や比率、目標とするポリマーの分子量によって異なる。重合温度に関しては、好ましくは40〜150℃、さらに好ましくは重合温度60〜130℃である。また重合濃度に関しては、好ましくは重合濃度5〜50%、さらに好ましくは10〜40%である。
また、重合時に溶剤を用いる場合には、通常のラジカル重合反応で使用される溶剤を用いればよい。具体的には、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;クロロホルム;ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これら溶剤は、1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。
前記単量体成分を重合する際には、必要に応じて、重合開始剤を使用してもよい。重合開始剤に特に制限は無いが、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物;2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1′−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物が挙げられる。これら重合開始剤は、1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。
なお、開始剤の使用量は、用いる単量体の組み合わせや、反応条件、目標とするポリマーの分子量等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、ゲル化することなく重量平均分子量が数千〜数万のポリマーを得ることができる点で、通常は全単量体成分に対して0.1〜15重量%、より好ましくは0.5〜10重量%である。
また分子量調整のために、連鎖移動剤を添加してもよい。連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、メルカプト酢酸、メルカプト酢酸メチル等のメルカプタン系連鎖移動剤、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられるが、好ましくは、連鎖移動効果が高く、残存モノマーを低減でき、入手も容易な、n−ドデシルメルカプタン、メルカプト酢酸がよい。連鎖移動剤を使用する場合、その使用量は、用いる単量体の組み合わせや、反応条件、目標とするポリマーの分子量等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、ゲル化することなく重量平均分子量が数千〜数万のポリマーを得ることができる点で、通常は全単量体成分に対して0.1〜15重量%、より好ましくは0.5〜10重量%である。
なお、一般式(4)の化合物を必須の単量体成分として使用する場合、前記重合反応においては、エーテルダイマーの環化反応が同時に進行するものと考えられるが、このときのエーテルダイマーの環化率は必ずしも100モル%である必要はない。
前記〔2−3−4〕樹脂を得る際に、単量体成分として、前述した酸基を付与しうるモノマーを用いることにより酸基を導入する場合、重合後に酸基を付与するための処理を行う必要がある。該処理は、用いるモノマーの種類によって異なるが、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのような水酸基を有するモノマーを用いた場合には、コハク酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、マレイン酸無水物等の酸無水物を付加させればよい。グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有するモノマーを用いた場合には、N−メチルアミノ安息香酸、N−メチルアミノフェノール等のアミノ基と酸基を有する化合物を付加させるか、もしくは、まず(メタ)アクリル酸のような酸を付加させ、結果生じた水酸基に、コハク酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、マレイン酸無水物等の酸無水物を付加させればよい。2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネート基を有するモノマーを用いた場合には、例えば、2−ヒドロキシ酪酸等の水酸基と酸基を有する化合物を付加させればよい。
前記〔2−3−4〕樹脂を得る際に、単量体成分として、前述したラジカル重合性二重結合を付与しうるモノマーを用いることによりラジカル重合性二重結合を導入する場合、重合後にラジカル重合性二重結合を付与するための処理を行う必要がある。
該処理は、用いるモノマーの種類によって異なるが、例えば、(メタ)アクリル酸やイタコン酸等のカルボキシル基を有するモノマーを用いた場合には、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、o−(またはm−、またはp−)ビニルベンジルグリシジルエーテル等の、エポキシ基とラジカル重合性二重結合とを有する化合物を付加させればよい。無水マレイン酸や無水イタコン酸等
のカルボン酸無水物基を有するモノマーを用いた場合には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の、水酸基とラジカル重合性二重結合とを有する化合物を付加させればよい。グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、o−(またはm−、またはp−)ビニルベンジルグリシジルエーテル等の、エポキシ基を有するモノマーを用いた場合には、(メタ)アクリル酸等の酸基とラジカル重合性二重結合とを有する化合物を付加させればよい。
〔2−3−4〕樹脂の重量平均分子量は、特に制限されないが、好ましくはGPCにて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が2000〜200000、より好ましくは4000〜100000である。重量平均分子量が200000を超える場合、高粘度となりすぎ塗膜を形成しにくくなる場合があり、一方2000未満であると、十分な耐熱性を発現しにくくなる傾向がある。
〔2−3−4〕樹脂が酸基を有する場合、好ましい酸価は30〜500mgKOH/g、より好ましくは50〜400mgKOH/gである。酸価が30mgKOH/g未満の場合、アルカリ現像に適用することが難しくなる場合があり、500mgKOH/gを超える場合、高粘度となりすぎ塗膜を形成しにくくなる傾向がある。
尚、〔2−3−4〕樹脂のうち、前記一般式(4)で示される化合物を必須の単量体成分とするポリマーとしては、例えば、特開2004−300203号公報及び特開2004−300204号公報に記載の化合物を挙げることが出来る。
〔2−3−5〕カルボキシル基を有するエポキシアクリレート樹脂
「カルボキシル基を有するエポキシアクリレート樹脂」(以下、「〔2−3−5〕樹脂」と称することがある)は、エポキシ樹脂にα,β−不飽和モノカルボン酸又はエステル部分にカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルを付加させ、さらに、多塩基酸無水物を反応させることにより合成される。かかる反応生成物は化学構造上、実質的にエポキシ基を有さず、かつ「アクリレート」に限定されるものではないが、エポキシ樹脂が原料であり、かつ「アクリレート」が代表例であるので、慣用に従いこのように命名したものである。
原料となるエポキシ樹脂として、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂(例えば、ジャパンエポキシレジン社製の「エピコート828」、「エピコート1001」、「エピコート1002」、「エピコート1004」等)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のアルコール性水酸基とエピクロルヒドリンの反応により得られるエポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「NER−1302」(エポキシ当量323,軟化点76℃))、ビスフェノールF型樹脂(例えば、ジャパンエポキシレジン社製の「エピコート807」、「EP−4001」、「EP−4002」、「EP−4004等」)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂のアルコール性水酸基とエピクロルヒドリンの反応により得られるエポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「NER−7406」(エポキシ当量350,軟化点66℃))、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニルグリシジルエーテル(例えば、ジャパンエポキシレジン社製の「YX−4000」)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「EPPN−201」、ジャパンエポキシレジン社製の「EP−152」、「EP−154」、ダウケミカル社製の「DEN−438」)、(o,m,p−)クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「EOCN−102S」、「EOCN−1020」、「EOCN−104S」)、トリグリシジルイソシアヌレート(例えば、日産化学社製の「TEPIC」)、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「EPPN−501」、「EPN−502」、「EPPN−503」)、フルオレンエポキシ樹脂(例えば、新日鐵化学社製のカルドエポキシ樹脂「ESF−300」)、脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業社製の「セロキサイド2021P」、「セロキサイドEHPE」)、ジシクロペンタジエンとフェノールの反応によるフェノール樹脂をグリシジル化したジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「XD−1000」、大日本インキ社製の「EXA−7200」、日本化薬社製の「NC−3000」、「NC−7300」)、および下記構造式で示されるエポキシ樹脂(特開平4−355450号公報参照)、等を好適に用いることができる。
Figure 0005018691
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂の他の例としては共重合型エポキシ樹脂が挙げられる。共重合型エポキシ樹脂としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルメチルシクロヘキセンオキサイド、ビニルシクロヘキセンオキサイドなど(以下「共重合型エポキシ樹脂の第1成分」と称す。)とこれら以外の1官能エチレン性不飽和基含有化合物(以下、「共重合型エポキシ樹脂の第2成分」と称す。)、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、スチレン、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、α−メチルスチレン、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、下記一般式(8)で表される化合物から選ばれる1種又は2種以上、とを反応させて得られた共重合体が挙げられる。
Figure 0005018691
式(8)中、R61は水素原子又はエチル基、R62は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、rは2〜10の整数である。
一般式(8)の化合物としては、例えば、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート;メトキシジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、等のアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記共重合型エポキシ樹脂の分子量は約1000〜200000が好ましい。また、上記共重合型エポキシ樹脂の第1成分の使用量は、上記共重合型エポキシ樹脂の第2成分に対して好ましくは10重量%以上、特に好ましくは20重量%以上であり、好ましくは70重量%以下、特に好ましくは50重量%以下である。
このような共重合型エポキシ樹脂としては、具体的には日本油脂社製の「CP−15」、「CP−30」、「CP−50」、「CP−20SA」、「CP−510SA」、「CP−50S」、「CP−50M」、「CP−20MA」等が例示される。
原料エポキシ樹脂の分子量は、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量として、通常200〜200000、好ましくは300〜100000の範囲である。重量平均分子量が上記範囲未満であると被膜形成性に問題を生じる場合が多く、逆に、上記範囲を越えた樹脂ではα,β−不飽和モノカルボン酸の付加反応時にゲル化が起こりやすく製造が困難となるおそれがある。
α,β−不飽和モノカルボン酸としては、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられ、好ましくは、アクリル酸及びメタクリル酸であり、特にアクリル酸が反応性に富むため好ましい。
エステル部分にカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルとしては、アクリル酸−2−サクシノイルオキシエチル、アクリル酸−2−マレイノイルオキシエチル、アクリル酸−2−フタロイルオキシエチル、アクリル酸−2−ヘキサヒドロフタロイルオキシエチル、メタクリル酸−2−サクシノイルオキシエチル、メタクリル酸−2−マレイノイルオキシエチル、メタクリル酸−2−フタロイルオキシエチル、メタクリル酸−2−ヘキサヒドロフタロイルオキシエチル、クロトン酸−2−サクシノイルオキシエチル等が挙げられ、好ましくは、アクリル酸−2−マレイノイルオキシエチル及びアクリル酸−2−フタロイルオキシエチルであり、特にアクリル酸−2−マレイノイルオキシエチルが好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
α,β−不飽和モノカルボン酸又はそのエステルとエポキシ樹脂との付加反応は、公知の手法を用いることができ、例えば、エステル化触媒存在下、50〜150℃の温度で反応させることにより実施することができる。エステル化触媒としてはトリエチルアミン、トリメチルアミン、ベンジルジメチルアミン、ベンジルジエチルアミン等の3級アミン;テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩等を用いることができる。
α,β−不飽和モノカルボン酸又はそのエステルの使用量は、原料エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対し0.5〜1.2当量の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.7〜1.1当量の範囲である。α,β−不飽和モノカルボン酸又はそのエステルの使用量が少ないと不飽和基の導入量が不足し、引き続く多塩基酸無水物との反応も不十分となる。また、多量のエポキシ基が残存することも有利ではない。一方、該使用量が多いとα,β−不飽和モノカルボン酸又はそのエステルが未反応物として残存する。いずれの場合も硬化特性が悪化する傾向が認められる。
α,β−不飽和カルボン酸又はそのエステルが付加したエポキシ樹脂に、更に付加させる多塩基酸無水物としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水クロレンド酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等が挙げられ、好ましくは、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物であり、特に好ましい化合物は、無水テトラヒドロフタル酸及びビフェニルテトラカルボン酸二無水物である。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
多塩基酸無水物の付加反応に関しても公知の手法を用いることができ、α,β−不飽和カルボン酸又はそのエステルの付加反応と同様な条件下で継続反応させることにより実施
することができる。
多塩基酸無水物の付加量は、生成する〔2−3−5〕樹脂の酸価が10〜150mgKOH/gの範囲となるような量が好ましく、更に20〜140mgKOH/gの範囲が特に好ましい。樹脂の酸価が小さすぎるとアルカリ現像性に乏しくなり、また、樹脂の酸価が大きすぎると硬化性能に劣る傾向が認められる。
その他、〔2−3−5〕樹脂としては、例えば特開平6−49174号公報記載のナフタレン含有樹脂;特開2003−89716号、特開2003−165830号、特開2005−325331号、特開2001−354735号などの各公報記載のフルオレン含有樹脂;特開2005−126674号、特開2005−55814号、特開2004−295084号などの各公報等に記載の樹脂などを挙げることができる。
また、市販のカルボキシル基を有するエポキシアクリレート樹脂を用いることもでき、市販品としては例えばダイセル社製の「ACA−200M」等を挙げることが出来る。
バインダー樹脂としては、また、例えば特開2005−154708号公報などに記載のアクリル系のバインダーも用いることができる。
本発明におけるバインダー樹脂としては、上述した各種バインダー樹脂のうち、 〔2
−3−1〕の「エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂」、または〔2−3−4〕の「(メタ)アクリル系樹脂」が特に好ましい。
本発明におけるバインダー樹脂としては、前述の各種バインダー樹脂のうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、これらの各種バインダー樹脂は、前述したように、分散樹脂として使用することもできる。
分散樹脂として使用するバインダー樹脂としては、特に〔2−3−3〕樹脂または〔2−3−4〕樹脂が好ましい。〔2−3−4〕樹脂の中では、前記一般式(4)で表される化合物を必須とするモノマー成分を重合してなるポリマー、が特に好ましい。
本発明の着色組成物において、バインダー樹脂の含有割合は、全固形分中、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、より好ましくは10重量%以上であり、また、通常80重量%以下、好ましくは60重量%以下、より好ましくは50重量%以下である。バインダー樹脂の含有量がこの範囲よりも少ないと、膜が脆くなり、基板への密着性が低下することがある。逆に、この範囲よりも多いと、露光部への現像液の浸透性が高くなり、画素の表面平滑性や感度が悪化する場合がある。
〔2−4〕光重合開始系及び/又は熱重合開始剤
本発明の着色組成物は、塗膜を硬化させる目的で、光重合開始系及び/又は熱重合開始剤を含むことが好ましい。ただし、硬化の方法はこれらの開始剤によるもの以外でもよい。
特に、本発明の着色組成物が、バインダー樹脂成分としてエチレン性二重結合を有する樹脂を含む場合や、前述の重合性モノマーとしてエチレン性化合物を含む場合には、光を直接吸収し、または光増感されて分解反応または水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する光重合開始系、及び/又は、熱によって重合活性ラジカルを発生する熱重合開始剤を含有することが好ましい。
〔2−4a〕光重合開始系
光重合開始剤は単独で使用してもよいが、通常、必要に応じて加速剤等との混合物(光重合開始系)として用いられる。光重合開始系は、光を直接吸収し、或いは光増感されて
分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する成分である。
光重合開始系成分を構成する光重合開始剤としては、例えば、特開昭59−152396号、特開昭61−151197号等の各公報に記載されているチタノセン化合物を含むメタロセン化合物や、特開平10−39503号公報に記載されているヘキサアリールビイミダゾール誘導体、ハロメチル−s−トリアジン誘導体、N−フェニルグリシン等のN−アリール−α−アミノ酸類、N−アリール−α−アミノ酸塩類、N−アリール−α−アミノ酸エステル類等のラジカル活性剤、α-アミノアルキルフェノン系化合物、特開20
06−36750号公報、特開2002−323762号公報、及び特開2000−80068号公報等に記載されているオキシムエステル系化合物等が挙げられる。
本発明で用いることができる重合開始剤の具体的な例を以下に列挙する。
2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシカルボニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロメチル−s−トリアジン誘導体;
2−トリクロロメチル−5−(2′−ベンゾフリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−[β−(2′−ベンゾフリル)ビニル]−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−[β−(2′−(6″−ベンゾフリル)ビニル)]−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5一フリル−1,3,4−オキサジアゾール等のハロメチル化オキサジアゾール誘導体;
2−(2′−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダソール2量体、2−(2′−クロロフェニル)−4,5−ビス(3′−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(2′−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(2′−メトキシフエニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、(4′−メトキシフエニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体等のイミダゾール誘導体;
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類;
2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン誘導体;
ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、ジエチルアミノベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、α−ヒドロキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、1,1,1−トリクロロメチル−(p一ブチルフェニル)ケトン等のアセトフェノン誘導体;
チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2、4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体;
p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、P−ジエチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸エステル誘導体;
9−フェニルアクリジン、9−(p−メトキシフェニル)アクリジン等のアクリジン誘導体;
9,10−ジメチルベンズフェナジン等のフェナジン誘導体;
ベンズアンスロン等のアンスロン誘導体;
ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジェニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジェニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル−1一イル、ジ−シクロペンタジェニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル−1−イル、ジ−シクロペンタジェニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジェニル−Ti−2,6一ジープルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジェニル−Ti−2,4−ジ−フルオロフエニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジェニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジェニル−Ti−ビス−2,6−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジェニル−Ti−2,6−ジ−フルオロ−3−(ピル−1−イル)−フェニ−1−イル等のチタノセン誘導体;
2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、4−ジメチルアミノエチルベンゾエ−ト、4−ジメチルアミノイソアミルベンゾエ−ト、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、2−エチルヘキシル−1,4−ジメチルアミノベンゾエート、2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチルアミノベンゾイル)クマリン、4−(ジエチルアミノ)カルコン等のα−アミノアルキルフェノン系化合物;
1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−エタン−1−オキシム−O−アセテート、1−(4−フェニルスルファニルーフェニル)−オクタン−1,2−ジオン−2−オキシム−O−ベンゾアート等のオキシムエステル系化合物。
本発明に使用される光重合開始系には、光重合開始剤としてオキシムエステル系化合物が含まれていることが好ましく、中でも特に好ましいものとして、下記一般式(I)で表されるオキシムエステル系化合物が挙げられる。
Figure 0005018691
[上記一般式(I)において、R1は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数
2〜25のアルケニル基、炭素数3〜20のヘテロアリール基または炭素数4〜25のヘテロアリールアルキル基を示し、これらはいずれも置換基を有していてもよい。あるいは、R1はXまたはYと結合し、環を形成していてもよい。
2は、炭素数2〜20のアルカノイル基、炭素数3〜25のアルケノイル基、炭素数
4〜8のシクロアルカノイル基、炭素数7〜20のアリーロイル基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、炭素数3〜20のヘテロアリーロイル基または炭素数2〜20のアルキルアミノカルボニル基を示し、これらはいずれも置換基を有していてもよい。
Xは、置換基を有していてもよい、2個以上の環が縮合してなる、2価の芳香族炭化水
素基および/または芳香族複素基を示す。
Yは、置換基を有していてもよい芳香族基を示す。]
上記一般式(I)において、Y−C(=O)−X部分は吸光部を形成し、オキシム構造部:−C(−R1)=N−OR2部分がラジカル発生部位となる。吸光部:Y−C(=O)−Xが効率よく光を吸収し、吸収したエネルギーをオキシム構造部に効率的に移動させることにより高感度が達成される。なお、Y−C(=O)−X部分で表されるような吸光部は、特に組成物中に高濃度で添加される場合には、分子同士が会合し、見かけ上複数分子が単分子として振る舞うことにより、吸光度および吸収効率が低下する傾向があると考えられる。本発明に係るオキシムエステル系化合物(I)は、Yの部分を嵩高い基とすることにより、高濃度で添加した場合にも高い吸光度を有することができるため好ましい。
また、オキシム構造部でラジカル発生に活用しやすい三重項エネルギーを、Y−C(=O)−X部分が高効率で生成することが重要であり、分子内での効率的なエネルギー移動を達成するべく、なるべくY−C(=O)−X部分とオキシム構造部を空間的に近接させることが重要である。
前記一般式(I)で表される化合物は、Y−C(=O)−X部分に、一重項状態から三重項状態への状態変化の効率の高いベンゾフェノン構造またはこれに類似の構造を含有するため、吸収した光を効率よく三重項エネルギーに変換することができる。
さらに前記一般式(I)で表される化合物は、ベンゾフェノン構造またはこれに類似の構造が、分子内での空間的回転により、オキシム構造部とオーバーラップしやすい化合物であるため、分子内での効率的なエネルギー移動が可能となり、より高感度を達成することができる。
一般式(I)において、Xは置換基を有していてもよい、2個以上の環が縮合してなる、2価の芳香族炭化水素基および/または芳香族複素基の基を表す。
Xとして、具体的には、例えば、ナフタレン環、アントラセン環、クリセン環、フェナントレン環、アズレン環、フルオレン環、アセナフチレン環、インデン環等の芳香族炭化水素環からなる縮合環由来の基;アクリジン環、フェナントリジン環、キサンテン環、カルバゾール環、フェナジン環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、ベンゾチアゾール環等の芳香族炭化水素環と芳香族複素環からなる縮合環由来の基等が挙げられる。
これらはいずれも、任意の置換基を有していてもよい。この「任意の置換基」については後述する。
一般式(I)で表される化合物の中でも、特に下記一般式(i)で表される化合物、すなわち一般式(I)におけるX基が、一般式(i)におけるベンゼン環Xおよびこれに縮合する環Xで表される構造である化合物が好ましい。
Figure 0005018691
[式中、R1、R2およびYは、前記一般式(I)におけると同義である。環X2は、ベン
ゼン環X1に縮合した環を示し、単環でも、2以上の環からなる縮合環でもよい。また環
2は、ベンゼン環Xのどの位置に縮合していてもよい。ベンゼン環X1およびこれに縮合する環X2は、さらに置換基を有していてもよい。]
一般式(i)で表される化合物は、ベンゼン環Xが−C(=O)−Yと共にベンゾフェノン構造またはその類似構造を形成しうるため、吸光度が高いと共に、一重項状態から3重項状態への励起効率が高いので好ましい。
一般式(I)におけるXとしては芳香族複素環を含む基が好ましく、特に一般式(i)においてベンゼン環Xに縮合する環X2が複素環である場合が好ましい。
また、Xは通常2〜4縮合環由来の2価の基であり、分子量が比較的小さくなる点から2または3縮合環由来の2価の基が好ましく、組成物の光硬化に使用する照射光の波長に適合しやすい点からは、3縮合環由来の2価の基がより好ましい。
一般式(I)におけるX、および一般式(i)においてベンゼン環X1および環X2が形成する構造として、特に好ましいのはカルバゾール環由来の基である。Xがカルバゾール基由来の基である場合は、露光時の照射光への適合性に加えて、堅牢な骨格であるため、好ましい。
一般式(I)において、R1は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜
25のアルケニル基、炭素数3〜20のヘテロアリール基または炭素数4〜25のヘテロアリールアルキル基を示し、これらのアルキル基、アルケニル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキル基はいずれも置換基を有していてもよい。Rをこのような基とすることにより、Rがフェニル基等である化合物に比べて、光に対する感度が高くなる。また化合物の合成も容易であるため、工業的な観点からも好ましい。
1の炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは1〜6のアルキル基である。
1の炭素数2〜25のアルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基等が挙げられ
、好ましくはプロペニル基等の炭素数3〜12のアルケニル基、より好ましくは2〜5のアルケニル基である。
1の炭素数3〜20のヘテロアリール基としては、チオニル基、フリル基、イミダゾ
リル基、ベンズチアゾリル基、ベンズオキサゾリル基等が挙げられ、好ましくは炭素数3〜15、より好ましくは炭素数4〜10のヘテロアリール基である。
1の炭素数4〜25のヘテロアリールアルキル基としては、チオニルメチル基、フル
フリル基、イミダゾリルメチル基、ベンズチアゾリルメチル基、ベンズオキサゾリルメチル基等が挙げられ、好ましくは炭素数4〜18、より好ましくは炭素数4〜10のヘテロアリールアルキル基である。
なお、上述した各基はいずれも置換基を有していてもよい。該置換基については後述する。
としては、置換基を有していてもよいアルキル基が特に好ましい。中でも、製造上の容易さの点からは、無置換のアルキル基が好ましい。また、後述するように一般式(I)で表される化合物を光重合性組成物に使用した場合、該組成物の基板への密着性の観点からは、置換アミノ基で置換されたアルキル基が好ましく、N−アセチル−N−アセトキシアミノ基で置換されたアルキル基が最も好ましい。
一般式(I)において、Rは、炭素数2〜20のアルカノイル基、炭素数3〜25の
アルケノイル基、炭素数4〜8のシクロアルカノイル基、炭素数7〜20のアリーロイル基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、炭素数3〜20のヘテロアリーロイル基、炭素数2〜20のアルキルアミノカルボニル基を示し、これらのアルカノイル基、アルケノイル基、シクロアルカノイル基、アリーロイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリーロイル基、アルキルアミノカルボニル基はいずれも置換基を有していてもよい。Rをこのような基とすることにより、オキシム部の開裂が進みやすく、ラジカルの発生による感度の向上が得られやすくなる。
2の炭素数2〜20のアルカノイル基としては、アセチル基、プロパノイル基、ブタ
ノイル基等が挙げられ、好ましくはアセチル等の炭素数2〜12、より好ましくは炭素数2〜7のアルカノイル基である。
2の炭素数3〜25のアルケノイル基としては、クロトノイル基、アクリロイル基等
が挙げられ、好ましくはクロトノイル等の炭素数3〜12、より好ましくは炭素数3〜7のアルケノイル基である。
2の炭素数4〜8のシクロアルカノイル基としては、シクロヘキシルカルボニル基、
メチルシクロヘキシルカルボニル基、シクロペンチルカルボニル基等が挙げられ、好ましくはシクロヘキシルカルボニル等の炭素数4〜8、より好ましくは炭素数4〜7のシクロアルカノイル基である。
2の炭素数7〜20のアリーロイル基としては、ベンゾイル基、メチルベンゾイル基
、ナフトイル基等が挙げられ、好ましくはナフトイル等の炭素数7〜12、より好ましくは炭素数7〜10のアリーロイル基である。
2の炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エ
トキシカルボニル基、プロポシキカルボニル基等が挙げられ、好ましくはメトキシカルボニル基等の炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基である。
2の炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基としては、フェノキシカルボニル
基、p−メチルフェノキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基等が挙げられ、好ましくはナフトキシカルボニル基等の炭素数7〜15、より好ましくは炭素数7〜10のアリールオキシカルボニル基である。
2の炭素数2〜20のヘテロアリール基としては、チオフェニル基、ピロリル基、ピ
リジル基等が挙げられ、好ましくはチオフェニル基等の炭素数2〜12、より好ましくは炭素数2〜7のヘテロアリール基である。
2の炭素数3〜20のヘテロアリーロイル基としては、チオフェンカルボニル基、ピ
ロリルカルボニル基、ピリジンカルボニル基等が挙げられ、好ましくはチオフェンカルボニル基等の炭素数5〜15、より好ましくは炭素数7〜10のヘテロアリーロイル基である。
2の炭素数2〜20のアルキルアミノカルボニル基としては、モリホリノカルボニル
基、ジメチルアミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基等が挙げられ、好ましくはジメチルアミノカルボニル等の炭素数2〜12、より好ましくは炭素数2〜10のアルキルアミノカルボニル基である。
上述した各基のうち、露光感度の点から、Rとしてはアカノイル基、シクロアルカノイル、アリーロイル基が好ましく、アカノイル基、アリーロイル基がより好ましい。
なお、R2として上述した各基が有しうる置換基については後述するが、上述した各基
としては、置換基を有さないものが特に好ましい。
一般式(I)において、Yは置換基を有していてもよい芳香族基を示し、さらに詳しくは、Yは芳香族炭化水素環または芳香族複素環由来の1価の基であり、これらはいずれも置換基を有していてもよい。なお、Yが芳香族複素環由来の1価の基である場合は、フェニル基に1以上の環が縮合してなる基でも、5または6員環であるヘテロアリール基に1以上の環が縮合してなる基でもよい。
一般式(I)で表される化合物は、前述したように、−(C=O)−基を介してYに含まれるフェニル基または芳香族複素環の部分とXの一部とで、ベンゾフェノン構造またはその類似構造を形成するため、好ましい。
また前述したように、一般式(I)で表される化合物は、ベンゾフェノン構造またはこれに類似の構造が、分子内での空間的回転により、オキシム構造部とオーバーラップしやすい化合物であるため、分子内での効率的なエネルギー移動が可能となり、より高感度を達成することができるので好ましい。
Yが、フェニル基に1以上の環が縮合してなる縮合環基である場合、該フェニル基の2,3−位、3,4−位および4,5−位から選ばれた少なくとも1箇所に、5または6員環が1〜3個縮合してなる2〜4縮合環由来の基であることが好ましい。また、Yにおけるフェニル基に縮合する環は、炭化水素環であるか、芳香族炭化水素環および/または芳香族複素環であることが好ましい。Yにおけるフェニル基に縮合する環は、量子収率が高い点からは、炭化水素環であることが好ましく、また吸光波長が幅広くなる点からは芳香族環であることが好ましい。
Yの環としては、単環や2〜4縮合環基が好ましく、分子量が大きくなりすぎない点からは、単環や2〜3縮合環基がより好ましく、単環と2縮合環基が特に好ましい。なお、Yが3〜4縮合環由来の基である場合には、吸収波長域が比較的長波長化し、安価な光源にも適応するため、工業的には好ましい。
Yにおける環の具体例としては、例えば、ベンゼン環;ナフタレン環、アントラセン環、クリセン環、フェナントレン環、アズレン環、フルオレン環、アセナフチレン環、インデン環等の2縮合環以上の芳香族炭化水素環由来の基;チエニル基、ピリジル基、フリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基などの5または6員環である芳香族複素環由来の基;またはアクリジン環、フェナントリジン環、キサンテン環、カルバゾール環、フェナジン環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、ベンゾチアゾール環、ベンゾキサゾール環等の芳香族炭化水素環と芳香族複素環からなる縮合環由来の基が挙げられる。
Yの環基としては、フェニル基、ナフチル基、チエニル基、フリル基および2−ピリジル基が特に好ましく、感度の点からはフェニル基、ナフチル基およびチエニル基が最も好ましい。
上述したYにおける環基が有していてもよい置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜20のアルキル基;メチルチオ基、エチルチオ基等の炭素数1〜20のアルキルチオ基;−SOR(但し、Rはメチル基、エチル基等の炭素数1〜20のアルキル基)で表されるスルホン酸アルキルエステル基;ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等の炭素数5〜20のアルコキシ基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数5〜20のシクロアルキル基;シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の炭素数5〜20のシクロアルキルオキシ基;モルホリノ基、ピペリジノ基、ピロリジニル基等の原子数5〜20の環状アミノ基;ジイソプロピルアミノ基、ジ−t−ブチルアミノ基等の炭素数4〜20であるジアルキルアミノ基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;ピリジル基等のヘテロアリール基;ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基;Cl、Br、I、F等のハロゲン原子;テトラヒドロチエニルオキサイド基、等が挙げられる。
これらの中でもアルキル基、アルコキシ基、−SOR、環状アミノ基またはジアルキルアミノ基が好ましく、より感度が向上する点から、環状アミノ基またはジアルキルアミノ基が特に好ましい。
一般式(I)で表される化合物のうち特に好ましい形態である、Xが置換基を有していてもよいカルバゾール環由来の基である化合物は、例えば下記一般式(III)で表される。
Figure 0005018691
[式中、R1、R2およびYは、前記一般式(I)におけると同義である。R3〜R9は各々独立に水素原子または後述する任意の置換基Zを示す。]
前述した一般式(I)におけるXが有しうる置換基(一般式(i)におけるベンゼン環Xとこれに縮合する環X2が有しうる置換基)、一般式(I)、(i)および(III)におけるR1およびR2が有しうる置換基、並びに一般式(III)におけるR3〜R9としては、
各々独立に、次の置換基Zから選ばれるものが挙げられる。
[置換基群Z]
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;水酸基;ニトロ基;シアノ基;任意の有機基等を挙げることができる。
その任意の有機基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、アミル基、t−アミル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、t−オクチル基等の炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等の炭素数3〜18のシクロアルキル基;ビニル基、プロペニル基、ヘキセニル基等の炭素数2〜18の直鎖または分岐のアルケニル基;シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の炭素数3〜18のシクロアルケニル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−アミルオキシ基、t−アミルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、t−オクチルオキシ基等の炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルコキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、s−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、n−アミルチオ基、t−アミルチオ基、n−ヘキシルチオ基、n−ヘプチルチオ基、n−オクチルチオ基、t−オクチルチオ基等の炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルキルチオ基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基等の炭素数6〜18のアルキル基で置換されていてもよいアリール基;ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜18のアラルキル基;ビニルオキシ基、プロペニルオキシ基、ヘキセニルオキシ基等の炭素数2〜18の直鎖または分岐のアルケニルオキシ基;ビニルチオ基、プロペニルチオ基、ヘキセニルチオ基等の炭素数2〜18の直鎖または分岐のアルケニルチオ基;−COR17で表されるアシル基;カルボキシル基;−OCOR18で表されるアシルオキシ基;−NR1920で表されるアミノ基;−NHCOR21で表されるアシルアミノ基;−NHCOOR22で表されるカーバメート基;−CONR2324で表されるカルバモイル基;−COOR25で表されるカルボン酸エステル基;−SO3NR2627で表されるスルファモイル基;−SO328で表されるスルホン酸エステル基;2−チエニル基、2−ピリジル基、フリル基、オキサゾリル基、ベンゾキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、モルホリノ基、ピロリジニル基、テトラヒドロチオフェンジオキサイド基等の飽和もしくは不飽和の芳香族複素環基、トリメチルシリル基等のトリアルキルシリル基。
なお、前記のR17〜R28は、各々独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルカノイル基、置換されていてもよいアルキルカルボニルオキシ基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアリール基、または置換されていてもよいアラルキル基を示す。これらの位置関係は特に限定されず、複数の置換基を有する場合、同種でも異なっていてもよい。
上記において、複数の置換基同士が結合して環を形成していてもよく、形成された環は飽和あるいは不飽和の芳香族炭化水素環あるいは芳香族複素環であってもよく、環上にさらに各々置換基を有していてよく、置換基がさらに環を形成していてもよい。
一般式(III)において、R3〜R9は、各々独立に、水素原子または上記置換基群Zから
選ばれるものであるが、置換基群Zのうち、好ましくは、置換基を有していてもよい、メチル基、エチル基等の炭素数1〜20のアルキル基;置換基を有していてもよいフェニル基等の炭素数6〜20のアリール基;置換基を有していてもよいピリジル基等の炭素数3〜20のヘテロアリール基;置換基を有していてもよい炭素数7〜18のアラルキル基;置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基が挙げられ、特に好ましくは、アルキル基である。
なお、前記一般式(I)におけるXが有しうる置換基(一般式(i)におけるベンゼン環Xとこれに縮合する環Xが有しうる置換基)として好ましいものは、上記R3〜R9として好ましいものと同様である。
が有しうる置換基としては、−NR1920で表されるアミノ基およびアリール基が好ましく、R19およびR20としては置換されていてもよいアルカノイル基、置換されていてもよいアルキルカルボニルオキシ基が好ましい。前述したように、組成物の密着性向上にも有効であることから、N−アセチル−N−アセトキシアミノ基等の−NR1920で表されるアミノ基が特に好ましい。
本発明の一般式(I)で表される化合物のうち、最も好ましいのは、下記一般式(II)で表される化合物である。
Figure 0005018691
[式中、R1は、炭素数1〜3のアルキル基、または下記式(IIa)
Figure 0005018691
で表される基(但し、式中、R101およびR102は、各々独立に、水素原子、フェニル基またはN−アセチル−N−アセトキシアミノ基を示す。)を示し、R2は、炭素数2〜4の
アルカノイル基を示し、Xは、窒素原子が1〜4のアルキル基で置換されていてもよい2価のカルバゾリル基を示す。Yaは、アルキル基で置換されていてもよいフェニル基また
はモルホリノ基で置換されていてもよいナフチル基を示す。]
前記一般式(I)で表されるオキシムエステル系化合物は、例えばWO2002/100903号公報、WO2005/080337号公報、特開2006−36750号公報等に記載の方法に準じて合成することができる。
光重合開始系成分を構成する加速剤としては、例えば、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等のN,N−ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール等の複素環を有するメルカプト化合物又は脂肪族多官能メルカプト化合物等が用いられる。
これら光重合開始剤及び加速剤は、それぞれ1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
光重合開始剤が発生するラジカルの種類を考慮すると、複数種の光重合開始剤を併用することが特に好ましく、例えば、前記一般式(I)で表されるオキシムエステル系化合物と、アセトフェノン誘導体、α−アミノアルキルフェノン系化合物、またはチオキサントン誘導体との組み合わせが挙げられる。この場合、アセトフェノン誘導体としては、例えば、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、α−アミノアルキルフェノン系化合物としては2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モリフォリン−4−イル−フェニル)-ブタン−1−オ
ン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、チオキサントン誘導体としてはチオキサントン、2、4−ジエチルチオキサントン等が好ましい。
その他、具体的な光重合開始系成分としては、例えば、「ファインケミカル」(1991年、3月1日号、vol.20、No.4)の第16〜26頁に記載されている、ジアルキル
アセトフェノン系、ベンゾイン、チオキサントン誘導体等のほか、特開昭58−403023号公報、特公昭45−37377号公報等に記載されている、ヘキサアリールビイミダゾール系、S−トリハロメチルトリアジン系、特開平4−221958号公報、特開平4−219756号公報等に記載されている、チタノセンとキサンテン色素、アミノ基又はウレタン基を有する付加重合可能なエチレン性飽和二重結合含有化合物を組み合わせた系、等が挙げられる。
上記光重合開始系成分の配合割合(すなわち、光重合開始剤と加速剤との合計量)は、本発明のカラーフィルタ用着色組成物の全固形分中、通常0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜30重量%である。この配合割合が著しく低いと露光光線に対する感度が低下する原因となることがあり、反対に著しく高いと未露光部分の現像液に対する溶解性が低
下し、現像不良を誘起させることがある。
光重合開始系成分には、必要に応じて、感応感度を高める目的で、画像露光光源の波長に応じた増感色素を併用することができる。これら増感色素としては、特開平4−221958号、同4−219756号公報に記載のキサンテン色素、特開平3−239703号、同5−289335号公報に記載の複素環を有するクマリン色素、特開平3−239703号、同5−289335号に記載の3−ケトクマリン化合物、特開平6−19240号公報に記載のピロメテン色素、その他、特開昭47−2528号、同54−155292号、特公昭45−37377号、特開昭48−84183号、同52−112681号、同58−15503号、同60−88005号、同59−56403号、特開平2−69号、特開昭57−168088号、特開平5−107761号、特開平5−210240号、特開平4−288818号公報に記載のジアルキルアミノベンゼン骨格を有する色素等を挙げることができる。
これらの増感色素のうち好ましいものは、アミノ基含有増感色素であり、更に好ましいものは、アミノ基及びフェニル基を同一分子内に有する化合物である。特に、好ましいのは、例えば、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−アミノベンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾ[4,5]ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾ[6,7]ベンゾオキサゾール、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)1,3,4−オキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンズイミダゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンズイミダゾール、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)1,3,4−チアジアゾール、(p−ジメチルアミノフェニル)ピリジン、(p−ジエチルアミノフェニル)ピリジン、(p−ジメチルアミノフェニル)キノリン、(p−ジエチルアミノフェニル)キノリン、(p−ジメチルアミノフェニル)ピリミジン、(p−ジエチルアミノフェニル)ピリミジン等のp−ジアルキルアミノフェニル基含有化合物等である。このうち最も好ましいものは、4,4’−ジアルキルアミノベンゾフェノンである。
増感色素もまた1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
本発明の着色組成物中に占める増感色素の配合率は、着色組成物の全固形分中、通常0重量%以上、好ましくは0.2重量%以上、更に好ましくは0.5重量%以上、また、通常20重量%以下、好ましくは15重量%以下、更に好ましくは10重量%以下の範囲である。
〔2−4b〕熱重合開始剤
本発明の着色組成物に含有されていてもよい熱重合開始剤の具体例としては、アゾ系化合物、有機過酸化物および過酸化水素等を挙げることができる。これらのうち、アゾ系化合物が好適に用いられる。
アゾ系化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキセン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド(2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル)、2,2−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−
エチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(ジメチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(ジメチル−2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンテン)等を挙げることができ、これらのうちでも、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が好ましい。
有機過酸化物としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ジ−t−ブチル、クメンハイドロパーオキシド等が挙げられる。具体的には、ジイソブチリルパーオキシド、クミルパーオキシネオデカノエート、ジ−n−プロピルパーオキシジカルボネート、ジイソプロピルパーオキシジカルボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカルボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカルボネート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカルボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカルボネート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、ジメトキシブチルパーオキシジカルボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジ−n−オクタノイルパーオキシド、ジラウロイルパーオキシド、ジステアロイルパーオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキシル)プロパン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカルボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(3−メチルベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカルボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカルボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキシド、ジ−t−ヘキシルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシド、p−メンタンハイドロパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、t−ブチルハイドロパーオキシド、t−ブチルトリメチルシリルパーオキシド、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、ジ(3−メチルベンゾイル)パーオキシドとベンゾイル(3−メチルベンゾイル)パーオキシドとジベンゾイルパーオキシドの混合物等を挙げることができる。
なお、〔2−4a〕の項で述べた光重合開始剤のうち、例えばα−アミノアルキルフェノン系化合物などのように、熱重合開始剤としても働くものがある。そのため、熱重合開始剤として、光重合開始剤の例として挙げた中から選択した化合物を使用してもよい。
これらの熱重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
着色組成物中の熱重合開始剤の割合が少な過ぎると膜の硬化が不十分であり、カラーフィルタとしての耐久性が不足する場合がある。多過ぎると熱収縮の度合が大きくなり、熱硬化後にヒビ割れ、クラックの発生が起こるおそれがある。また、保存安定性が低下する傾向が見られる。従って、熱重合開始剤の含有割合は、本発明の着色組成物の全固形分中0〜30重量%、特に0〜20重量%の範囲とすることが好ましい。
〔2−5〕界面活性剤
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、非イオン系、両性界面活性剤等、各種のものを用いることができるが、諸特性に悪影響を及ぼす可能性が低い点で、非イオン系界面活性剤を用いるのが好ましい。界面活性剤の濃度範囲としては、全組成物量に対して通常0.001重量%以上、好ましくは0.005重量%以上、更に好ましくは0.01重量%以上、最も好ましくは0.03重量%以上、また、通常10重量%以下、好ましくは1重量%以下、更に好ましくは0.5重量%以下、最も好ましくは0.3重量%以下の範囲が用いられる。
〔2−6〕熱重合防止剤
熱重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ピロガロール、カテコール、2,6−t−ブチル−p−クレゾール、β−ナフトール等が用いられる。熱重合防止剤の配合量は、組成物の全固形分に対し0重量%以上、3重量%以下の範囲であることが好ましい。
〔2−7〕可塑剤
可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等が用いられる。これら可塑剤の配合量は、組成物の全固形分に対し、通常10重量%以下の範囲であることが好ましい。
〔3〕顔料分散液および着色組成物の調製
次に、本発明の顔料分散液、および着色組成物を調製する方法を説明する。
前述の通り、本発明の着色組成物は、予め調製しておいた顔料分散液に、その他の成分を混合することにより調製しても良く、また全ての成分を同時に、または順次混合してもよい。以下では、前者の方法に従って調製する場合を例に説明するが、これに限定されるものではない。
また本発明の着色組成物は、適用したい製造プロセスに応じて、光硬化性(光重合性)であっても熱重合性であってもよい。以下では、着色組成物が光重合性組成物(以下これを「レジスト」と称することがある)である場合を例に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
まず、顔料、溶剤及び分散剤を各所定量秤量し、分散処理工程において、顔料を分散させて顔料分散液を調製する。
この分散処理工程では、ペイントコンディショナー、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザーなどを使用することができる。この分散処理を行なうことによって顔料が微粒子化されるため、着色組成物の塗布特性が向上し、製品のカラーフィルタ基板における画素の透過率が向上する。
顔料を分散処理する際には、上述の通り、分散助剤又は分散樹脂などを適宜併用するのが好ましい。
また、顔料としては上述したとおりであり、さらに調色用に諸種の顔料や染料等と混合して分散を行ってもよい。
サンドグラインダーを用いて分散処理を行なう場合は、0.1から数mm径のガラスビ
ーズ、又は、ジルコニアビーズを用いるのが好ましい。分散処理する際の温度は、通常0℃以上、好ましくは室温以上、また、通常100℃以下、好ましくは80℃以下の範囲に設定する。
なお分散時間は、顔料分散液の組成、及びサンドグラインダーの装置の大きさなどにより適正時間が異なるため、粘度とコントラストの最適点付近となるように、適宜調整する必要がある。
上記分散処理によって得られた顔料分散液に、溶剤、重合性モノマー、場合によっては、所定量のバインダー樹脂、光重合開始系成分、及びその他の成分などを混合し、均一な分散溶液とする。なお、分散処理工程及び混合の各工程においては、微細なゴミが混入することがあるため、得られた顔料分散液をフィルタなどによって、ろ過処理することが好ましい。
〔4〕カラーフィルタの製造
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、基板上に上述の着色組成物を用いて形成された画素を有することを特徴とする。
〔4−1〕透明基板(支持体)
カラーフィルタの透明基板としては、透明で適度の強度があれば、その材質は特に限定されるものではない。材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスルホンの熱可塑性樹脂製シート、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂などの熱硬化性樹脂シート、又は各種ガラスなどが挙げられる。これらの中で、耐熱性の観点からガラスまたは耐熱性樹脂が好ましい。
透明基板及びブラックマトリックス形成基板には、接着性などの表面物性の改良のため、必要に応じ、コロナ放電処理、オゾン処理、シランカップリング剤や、ウレタン系樹脂などの各種樹脂の薄膜形成処理などを行なってもよい。透明基板の厚さは、通常0.05mm以上、好ましくは0.1mm以上、また、通常10mm以下、好ましくは7mm以下の範囲とされる。また、各種樹脂の薄膜形成処理を行なう場合、その膜厚は、通常0.01μm以上、好ましくは0.05μm以上、また、通常10μm以下、好ましくは5μm以下の範囲である。
〔4−2〕ブラックマトリックス
上述の透明基板上にブラックマトリックスを設け、更に通常は赤色、緑色、青色の画素を形成することにより、本発明に係るカラーフィルタを製造することができる。本発明の着色組成物は、赤色、緑色、青色の画素のうち、少なくとも1色の画素(レジストパターン)形成用塗布液として使用される。当該着色組成物(レジスト)を用い、透明基板上に形成された樹脂ブラックマトリックス形成面上、又は、クロム化合物その他の遮光金属材料を用いて形成した金属ブラックマトリックス形成面上に、塗布、加熱乾燥、露光、現像及び熱硬化の各処理を行なって画素を形成する。
ブラックマトリックスは、遮光金属薄膜又はブラックマトリックス用感光性着色組成物を利用して、透明基板上に形成される。遮光金属材料としては、金属クロム、酸化クロム、窒化クロムなどのクロム化合物、ニッケルとタングステン合金などが用いられ、これらを複数層状に積層させたものであってもよい。
これらの金属遮光膜は、一般にスパッタリング法によって形成され、ポジ型フォトレジストにより、膜状に所望のパターンを形成した後、クロムに対しては硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸及び/又は硝酸とを混合したエッチング液を用い、その他の材料に
対しては、材料に応じたエッチング液を用いて蝕刻され、最後にポジ型フォトレジストを専用の剥離剤で剥離することによって、ブラックマトリックスを形成することができる。
この場合、まず、蒸着又はスパッタリング法などにより、透明基板上にこれら金属又は金属・金属酸化物の薄膜を形成する。次いで、この薄膜上に着色組成物の塗布膜を形成した後、ストライプ、モザイク、トライアングルなどの繰り返しパターンを有するフォトマスクを用いて、塗布膜を露光・現像し、レジストパターンを形成する。その後、この塗布膜にエッチング処理を施してブラックマトリックスを形成することができる。
ブラックマトリックス用感光性着色組成物を利用する場合は、黒色の色材を含有する着色組成物を使用して、ブラックマトリックスを形成する。例えば、カーボンブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラック、シアニンブラック、チタンブラックなどの黒色色材単独又は複数、もしくは、無機又は有機の顔料、染料の中から適宜選択される赤色、緑色、青色などの混合による黒色色材を含有する着色組成物を使用し、下記の赤色、緑色、青色の画素画像を形成する方法と同様にして、ブラックマトリックスを形成することができる。
〔4−3〕画素の形成
画素の形成方法は、使用する着色組成物の種類により異なる。ここでは着色組成物として光重合性組成物を用いた場合を例に説明するが、これに限定されるものではない。
ブラックマトリックスを設けた透明基板上に、赤色、緑色、青色のうち一色の着色組成物を塗布し、乾燥した後、塗布膜の上にフォトマスクを重ね、このフォトマスクを介して露光、現像、必要に応じて熱硬化又は光硬化により画素を形成させ、着色層を作成する。この操作を、赤色、緑色、青色の三色の着色組成物について各々行なうことによって、カラーフィルタ画像を形成することができる。
カラーフィルタ用着色組成物の塗布は、スピナー法、ワイヤーバー法、フローコート法、ダイコート法、ロールコート法、スプレーコート法などによって行なうことができる。中でも、ダイコート法によれば、塗布液使用量が大幅に削減され、かつ、スピンコート法によった際に付着するミストなどの影響が全くなく、更には異物発生が抑制されるなど、総合的な観点から好ましい。
塗布膜の厚さは、大き過ぎると現像が困難となるとともに、液晶セル化工程でのギャップ調整が困難となることがある一方で、小さ過ぎると顔料濃度を高めることが困難となり、所望の色発現が不可能となることがある。塗布膜の厚さは、乾燥後の膜厚として、通常0.2μm以上、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは0.8μm以上、また、通常20μm以下、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下の範囲である。
〔4−4〕塗布膜の乾燥
基板に着色組成物を塗布した後の塗布膜の乾燥は、ホットプレート、IRオーブン、コンベクションオーブンを使用した乾燥法によるのが好ましい。通常は、予備乾燥の後、再度加熱させて乾燥させる。
予備乾燥の条件は、前記溶剤成分の種類、使用する乾燥機の性能などに応じて適宜選択することができる。乾燥温度及び乾燥時間は、溶剤成分の種類、使用する乾燥機の性能などに応じて選択されるが、具体的には、乾燥温度は通常40℃以上、好ましくは50℃以上、また、通常80℃以下、好ましくは70℃以下の範囲であり、乾燥時間は通常15秒以上、好ましくは30秒以上、また、通常5分間以下、好ましくは3分間以下の範囲である。
再加熱乾燥の温度条件は、予備乾燥温度より高い温度が好ましく、具体的には、通常50℃以上、好ましくは70℃以上、また、通常200℃以下、好ましくは160℃以下、特に好ましくは130℃以下の範囲である。また、乾燥時間は、加熱温度にもよるが、通常10秒以上、中でも15秒以上、また、通常10分以下、中でも5分の範囲とするのが好ましい。乾燥温度は、高いほど透明基板に対する接着性が向上するが、高過ぎるとバインダー樹脂が分解し、熱重合を誘発して現像不良を生ずる場合がある。なお、この塗布膜の乾燥工程としては、温度を高めず減圧チャンバー内で乾燥を行なう減圧乾燥法を用いてもよい。
〔4−5〕露光工程
露光は、着色組成物の塗布膜上に、ネガのマトリックスパターンを重ね、このマスクパターンを介し、紫外線又は可視光線を照射して行なう。この際、必要に応じ、酸素による光重合性層の感度の低下を防ぐため、光重合性層上にポリビニルアルコール層などの酸素遮断層を形成した後に露光を行なってもよい。露光に使用される光源は、特に限定されるものではない。光源としては、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、蛍光ランプなどのランプ光源や、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミニウムレーザー、半導体レーザーなどのレーザー光源などが挙げられる。特定の波長の光を照射して使用する場合には、光学フィルタを利用することもできる。
〔4−6〕現像工程
本発明のカラーフィルタは、本発明の着色組成物を用いて形成された塗布膜に対して露光を行なった後、有機溶剤、又は、界面活性剤とアルカリ性化合物とを含む水溶液を用いて現像を行なうことによって、基板上に画素を形成して製造することができる。この水溶液には、更に有機溶剤、緩衝剤、錯化剤、染料又は顔料を含ませることができる。
アルカリ性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、水酸化アンモニウムなどの無機アルカリ性化合物や、モノ−・ジ−又はトリエタノールアミン、モノ−・ジ−又はトリメチルアミン、モノ−・ジ−又はトリエチルアミン、モノ−又はジイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノ−・ジ−又はトリイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジイミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリンなどの有機アルカリ性化合物が挙げられる。
これらのアルカリ性化合物は、2種以上の混合物であってもよい。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類などのノニオン系界面活性剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、スルホコハク酸エステル塩類などのアニオン性界面活性剤、アルキルベタイン類、アミノ酸類などの両性界面活性剤が挙げられる。
有機溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコールなどが挙げられる。有機溶剤は、単独でも水溶液と併用して使用できる。
現像処理の条件には特に制限はないが、現像温度は通常10℃以上、中でも15℃以上、更には20℃以上、また、通常50℃以下、中でも45℃以下、更には40℃以下の範囲が好ましい。現像方法は、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法などの何れかの方法によることができる。
〔4−7〕熱硬化処理
現像の後のカラーフィルタには、通常、熱硬化処理を施す。この際の熱硬化処理条件は、温度は通常100℃以上、好ましくは150℃以上、また、通常280℃以下、好ましくは250℃以下の範囲で選ばれ、時間は5分間以上、60分間以下の範囲で選ばれる。これら一連の工程を経て、一色のパターニング画像形成は終了する。この工程を順次繰り返し、ブラック、赤色、緑色、青色をパターニングし、カラーフィルタを形成する。なお、各色のパターニングの順番は、上記した順番に限定されるものではない。
なお、本発明のカラーフィルタは、上記した製造方法の他に、(1)溶剤、顔料、分散剤、及びバインダー樹脂としてのポリイミド系樹脂を含む着色組成物を、基板に塗布し、エッチング法により画素を形成する方法によっても製造することができる。また、(2)溶剤、顔料及び分散剤を含む着色組成物を、着色インキとして用い、印刷機によって、透明基板上に直接画素を形成する方法や、(3)溶剤、顔料及び分散剤を含む着色組成物を、電着液として用い、基板をこの電着液に浸漬させ所定パターンにされたITO電極上に、着色膜を析出させる方法などが挙げられる。更に、(4)溶剤、顔料及び分散剤を含む着色組成物を塗布したフィルムを、透明基板に貼りつけて剥離し、露光、現像し画素を形成する方法や、(5)溶剤、顔料及び分散剤を含む着色組成物を、着色インキとして用い、インクジェットプリンターにより画素を形成する方法、などが挙げられる。カラーフィルタの製造方法は、カラーフィルタ用着色組成物の組成に応じ、これに適した方法が採用される。
〔4−8〕透明電極の形成
本発明のカラーフィルタは、このままの状態で画像上にITOなどの透明電極を形成して、有機ELディスプレイ、液晶表示装置などの部品の一部として使用されるが、表面平滑性や耐久性を高めるため、必要に応じ、画像上にポリアミド、ポリイミドなどのトップコート層を設けることもできる。また一部、平面配向型駆動方式(IPSモード)などの用途においては、透明電極を形成しないこともある。
〔5〕液晶表示装置(パネル)
次に、本発明の液晶表示装置(パネル)の製造法について説明する。本発明の液晶表示装置は、本発明のカラーフィルタと、液晶駆動用基板を対向させ、両者の間に液晶を封入することにより作製される。より具体的には、通常、上記本発明のカラーフィルタ上に配向膜を形成し、この配向膜上にスペーサを散布した後、液晶駆動用の対向基板と貼り合わせて液晶セルを形成し、形成した液晶セルに液晶を注入し、対向電極に結線して完成する。配向膜は、ポリイミド等の樹脂膜が好適である。配向膜の形成には、通常、グラビア印刷法及び/又はフレキソ印刷法が採用され、配向膜の厚さは数10nmとされる。熱焼成によって配向膜の硬化処理を行なった後、紫外線の照射やラビング布による処理によって表面処理し、液晶の傾きを調整しうる表面状態に加工される。
スペーサは、対向基板とのギャップ(隙間)に応じた大きさのものが用いられ、通常2〜8μmのものが好適である。カラーフィルタ基板上に、フォトリソグラフィ法によって透明樹脂膜のフォトスペーサ(PS)を形成し、これをスペーサの代わりに活用することもできる。対向基板としては、通常、アレイ基板が用いられ、特にTFT(薄膜トランジスタ)基板が好適である。
対向基板との貼り合わせのギャップは、液晶表示装置の用途によって異なるが、通常2μm以上、8μm以下の範囲で選ばれる。対向基板と貼り合わせた後、液晶注入口以外の部分は、エポキシ樹脂等のシール材によって封止する。シール材は、UV照射及び/又は加熱することによって硬化させ、液晶セル周辺がシールされる。
周辺をシールされた液晶セルは、パネル単位に切断した後、真空チャンバー内で減圧とし、上記液晶注入口を液晶に浸漬した後、チャンバー内をリークすることによって、液晶を液晶セル内に注入する。液晶セル内の減圧度は、通常1×10-2Pa以上、好ましくは1×10-3以上、また、通常1×10-7Pa以下、好ましくは1×10-6Pa以下の範囲である。また、減圧時に液晶セルを加温するのが好ましく、加温温度は通常30℃以上、好ましくは50℃以上、また、通常100℃以下、好ましくは90℃以下の範囲である。
減圧時の加温保持は、通常10分間以上、60分間以下の範囲とされ、その後、液晶中に浸漬される。液晶を注入した液晶セルは、液晶注入口を、UV硬化樹脂を硬化させて封止することによって、液晶表示装置(パネル)が完成する。
液晶の種類には特に制限がなく、芳香族系、脂肪族系、多環状化合物等、従来から知られている液晶であって、リオトロピック液晶、サーモトロピック液晶等の何れでもよい。サーモトロピック液晶には、ネマティック液晶、スメスティック液晶及びコレステリック液晶等が知られているが、何れであってもよい。
〔6〕有機ELディスプレイ
本発明のカラーフィルタを用いて有機ELディスプレイを作成する場合、例えば図1に示すように、まず透明支持基板10上に、画素20(但し、画素20のうち少なくとも一部は、本発明の着色組成物を用いて形成されたものである)、および隣接する画素20の間に設けられた樹脂ブラックマトリックス(図示せず)が形成されてなる本発明のカラーフィルタを作製し、該カラーフィルタ上に有機保護層30および無機酸化膜40を介して有機発光体500を積層することによって、有機EL素子を作製することができる。
有機発光体500の積層方法としては、カラーフィルタ上面へ透明陽極50、正孔注入層51、正孔輸送層52、発光層53、電子注入層54、および陰極55を逐次形成していく方法や、別基板上へ形成した有機発光体500を無機酸化膜40上に貼り合わせる方法などが挙げられる。このようにして作製された有機EL素子100を用い、例えば「有機ELディスプレイ」(オーム社、2004年8月20日発行、時任静士、安達千波矢、村田英幸著)に記載された方法等にて、有機ELディスプレイを作製することができる。
なお本発明のカラーフィルタは、パッシブ駆動方式の有機ELディスプレイにもアクティブ駆動方式の有機ELディスプレイにも適用可能である。
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[合成例1]
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート114重量部を、4つ口フラスコに入れ、窒素バブリングを行いながら85℃まで昇温した。これにベンジルメタクリレート114重量部、メタクリル酸26重量部、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)
9.9重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート96重量部に溶解し、4時間かけて滴下した。
滴下後、反応液を85℃に保ったままさらに2時間攪拌し、その後、窒素バブリングを止めて100℃に昇温し1時間攪拌した。これにテトラエチルアンモニウムクロライドを0.7重量部加え、80℃で攪拌、溶解させ、さらに3,4−エポキシシクロヘキシル−1−メチルアクリレート16重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート24重量部を混合した溶液を1時間かけて滴下した。
反応溶液を80℃に保ったまま30時間攪拌し、GPCにより測定したポリスチレン換
算の重量平均分子量8000、酸価90mgKOH/gの重合体溶液を得た。
[合成例2]
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート400重量部を仕込み、窒素置換したあと、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。
一方、モノマー槽中にジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート30重量部、メタクリル酸60重量部、メタクリル酸シクロヘキシル110重量部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート5.2重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40重量部を仕込み、連鎖移動剤槽にn−ドデシルメルカプタン5.2重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート27重量部を仕込み、反応槽の温度が90℃に安定してからモノマー槽および連鎖移動剤槽から滴下を開始し、重合を開始させた。温度を90℃に保ちながら滴下をそれぞれ135分かけて行い、滴下が終了して60分後に昇温を開始して反応槽を110℃にした。
3時間、110℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=5/95(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、メタクリル酸グリシジル39.6重量部、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)0.4重量部、トリエチルアミン0.8重量部を仕込み、そのまま110℃で9時間反応させた。
室温まで冷却し、重量平均分子量8000,酸価70mgKOH/gの重合体溶液を得た。
[合成例3]
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート145重量部を窒素置換しながら攪拌し120℃に昇温した。ここにスチレン20重量部、グリシジルメタクリレート57重量部およびトリシクロデカン骨格を有するモノアクリレート(日立化成社製「FA−513M」)82重量部を滴下し、更に120℃で2時間攪拌し続けた。次に、反応容器内を空気置換に変え、アクリル酸27重量部にトリスジメチルアミノメチルフェノール0.7重量部およびハイドロキノン0.12重量部を投入し、120℃で6時間反応を続けた。その後、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)52重量部、トリエチルアミン0.7重量部を加え、120℃で3.5時間反応させた。
こうして得られたバインダー樹脂Fの、GPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは約15000であった。
[合成例4]
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート400重量部を仕込み、窒素置換したあと、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。
一方、モノマー槽中にジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート30重量部、メタクリル酸60重量部、メタクリル酸シクロヘキシル110重量部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート5.2重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40重量部を仕込み、連鎖移動剤槽にn−ドデシルメルカプタン5.2重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート27重量部を仕込み、反応槽の温度が90℃に安定してからモノマー槽および連鎖移動剤槽から滴下を開始し、重合を開始させた。温度を90℃に保ちながら滴下をそれぞれ135分かけて行い、滴下が終了して60分後に昇温を開始して反応槽を110℃にした。
3時間、110℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=5/95(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、メタクリル酸グリシジル39.6重量部、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフ
ェノール)0.4重量部、トリエチルアミン0.8重量部を仕込み、そのまま110℃で9時間反応させた。
室温まで冷却し、GPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量8000、酸価は101mgKOH/gの重合体溶液を得た。
[a]PY215(C.I.ピグメントイエロー215)顔料の微粒化処理
容量300mLの加圧ニーダーまたはオープンニーダーを用い、表−1に記載の各成分を、表−2に記載の条件にてニーディングした。得られた湿式摩砕物を、総重量の10倍の脱塩水に溶解し、30分間攪拌した後、No.5Cの濾紙で濾過した。
濾過物を、重量比で5倍の脱塩水に溶解し、30分間攪拌した後、再度No.5Cの濾紙で濾過し、これを計3回繰り返し、ウェットケーキを得た。
得られたウェットケーキを熱風乾燥機にて50℃で8時間乾燥し、得られた乾燥物を、粉砕機(大阪有機社製「ラボミルサープラス」)を使用して粉砕した。
以上の工程を、所望の平均一次粒径を有する顔料が得られるまで繰り返し、表−3に示す3種類のPY215微粒化顔料(顔料1〜顔料3)を得た。なお、顔料の結晶形状および平均一次粒径は、以下の方法にて観察・測定した。
[顔料の結晶形状および平均一次粒径の求め方]
顔料をクロロホルム中に超音波分散し、コロジオン膜貼り付けメッシュ上に滴下して、乾燥させ、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により、顔料の一次粒子像を得た。この像から、顔料の結晶形状を観察した。
また得られた顔料の一次粒子像から、個々の顔料粒子の粒径を、同じ面積となる円の直径に換算した面積円相当径として、複数個(約200個)の顔料粒子についてそれぞれ粒径を求めた後、下式の計算式の通り個数平均値を計算し平均粒径を求めた。
個々の顔料粒子の粒径:X,X,X,X,・・・・,X,・・・・・・X
平均粒径 = ΣX/m
Figure 0005018691
Figure 0005018691
Figure 0005018691
[b]色度及びコントラストの測定(PY215微粒化顔料)
上記[a]にて得られた顔料1〜顔料3を用い、カラーフィルタ用着色組成物を調製した。
まず耐圧ガラス容器に、下記表−4に示す各成分と、これら成分の合計量の2.5重量倍のジルコニアビーズ(0.5mm径)を入れて密栓し、ペイントシェイカーに装着して分散処理を行い、顔料分散液1〜3を得た。(顔料分散液1は顔料1を含み、顔料分散液2は顔料2を含み、顔料分散液3は顔料3を含む。)
なお分散処理時間はそれぞれ、8時間(顔料分散液1)、24時間(顔料分散液2)、及び80時間(顔料分散液3)であった。
Figure 0005018691
表−4中、ビックケミー社製「Disperbyk- 2000」(アクリル系ブロック共重合体。4
級アンモニウム塩基(ジメチルベンジルアンモニウム塩基)を有するB−ブロックと、有さないA−ブロックからなるA−Bブロック共重合体であり、アミン価は10mgKOH/g(固形分換算)、酸価は0mgKOH/g)は、固形分換算での含有量である。
得られた各顔料分散液を用い、下記表−5に記載の各成分と混合し、さらに溶剤を加えて着色組成物1〜3を調製した。(着色組成物1は顔料分散液1を含み、着色組成物2は顔料分散液2を含み、着色組成物3は顔料分散液3を含む。)
なお表−5中の数値は重量部を表し、いずれも固形分換算の量である。また加える溶剤は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)であり、組成物の固形分濃度が18重量%になり、かつ組成物に含まれる(PGMEA):(PGME)=9:1(重量比)となるように加えた。
Figure 0005018691
なお、表−5における各成分の略称の意味は、以下の通りである。
「DPHA」:商品名、日本化薬(株)製。ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート。
「Irg OXE02」: チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「Irgacure OXE02」。下記構造式で表される化合物である。
Figure 0005018691
「Irg 907」:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「Irgacure 907」。(2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン)
「F−475」:商品名、大日本インキ化学工業社製。フッ素系界面活性剤
得られた着色組成物1〜3を、それぞれカラーフィルタ用ガラス基板にスピンコート塗布し、80℃のホットプレートにて3分間プリベークを行った。塗布に際しては乾燥後、色座標x=0.422となる膜厚となるように回転数を調整した。続いて、高圧水銀灯により60mJ/cmで露光した後、230℃のオーブンにて30分間ポストベークを行い、膜厚約1.2μmの着色樹脂膜を形成した。
得られた各着色樹脂膜について、後述する方法にてコントラストを測定した。結果を表−6に示す。
Figure 0005018691
[着色板のコントラストの測定]
図2(a),(b)は、いずれも、着色板(上記[b]にて作製された、着色樹脂膜を有するガラス基板。以下同様)の平行透過光および直交透過光の色度を測定する方法を説明するための模式的な図である。まず、図2(a)に示すように、上記[b]で得られた
着色板(以下「着色板34」と称す)の両側に偏光板33,35を重ねて、偏光板33,35の偏光軸を互いに平行にした状態で、一方の偏光板35の側からバックライト37の光36を当てて、他方の偏光板33を透過した光の輝度Lp(平行透過光の輝度)を色彩輝度計トプコンテクノハウス製「BM−5A」32を使用して、2゜視野の条件で測定した。
次に、図2(b)に示すように、偏光板33,35の偏光軸を互いに直交させた状態で、一方の偏光板35側からバックライト37の光36を当て、他方の偏光板33を透過した光の輝度Lc(直交透過光の輝度)を、色彩輝度計32にて上記Lpと同様に測定した。
なお、バックライト37は、図3に示すような発光スペクトルを有するものを用いた。このスペクトルの測定は、コニカミノルタ製分光放射輝度計CS−1000Aと、光量を制御し、測定を容易にするため、ケンコー社製のフィルター「NDフィルターND4」を用いて測定し、算出した。
また、偏光板33,35は、図4のスペクトル特性を持つものを用いた。
[b]で得られた各着色板のコントラストは、平行透過光の輝度Lpと直交透過光の輝度Lcから式Lp/Lcを用いて算出した。結果を表−6に示す。
[c]カラーフィルタ用赤色組成物の調製および評価
[c−1]カラーフィルタ用赤色組成物の調製
顔料としてC.I.ピグメントレッド254及びC.I.ピグメントレッド177を使用し、それぞれ以下の表−7に記載の割合の各成分を、これら各成分の合計量の2.5重量倍のジルコニアビーズ(0.5mm径)と共にステンレス容器に入れて密栓し、ペイントシェイカーに装着して分散処理を行い、赤色顔料分散液を得た。以下、得られたそれぞれの赤色顔料分散液につき、C.I.ピグメントレッド254を含む顔料分散液を「PR245分散液」、C.I.ピグメントレッド177を含む顔料分散液を「PR177分散液」と称す。
また顔料としてランクセス社製アゾニッケル錯体黄色顔料「E4GN−GT」を使用し、下記表−7に記載の各成分とともに、同様に分散処理を行い、黄色顔料分散液を得た。以下、得られた黄色顔料分散液を「PY−AZO分散液」と称す。なお表−7中の数値は重量部を表し、いずれも固形分換算の量である。
Figure 0005018691
得られた顔料分散液「PR254分散液」、「PR177分散液」及び「PY−AZO分散液」、並びに前記[2]にて得られた顔料分散液3(顔料3、すなわち平均一次粒径15nmのC.I.ピグメントイエロー215、を含有する顔料分散液)を用い、下記表−8に記載の割合で各成分を加え、さらに溶剤を加えて混合し、カラーフィルタ用赤色組成物を得た(実施例1及び比較例1)。
各組成物における顔料の割合は、膜厚2.2μmの着色樹脂膜のXYZ表色系における色度座標(x,y)=(0.648,0.330)となるように決定した。
なお表−8中の数値は重量部を表し、いずれも固形分換算の量である。また加える溶剤は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)であり、組成物の固形分濃度が22重量%になり、かつ組成物に含まれる(PGMEA):(PGME)=9:1(重量比)となるように加えた。
Figure 0005018691
なお、表−8における各成分の略称の意味は、以下の通りである。
「BI」:2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール
「Irg 907」:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「Irgacure 907」。(2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン)
「2−MBT」:2−メルカプトベンゾチアジール
「DETX−S」:日本化薬社製「KAYACURE DETX−S」(2,4−ジエチルチオキサントン)
「F−475」:商品名、大日本インキ化学工業社製。フッ素系界面活性剤
[c−2]色度及びコントラストの測定
前記[c−1]にて得られた赤色組成物を用い、前記[b]と同様にガラス基板上に着色樹脂膜を形成し(但し膜厚は2.2μmとした)、前記[b]の[着色板のコントラスト測定]の項に記載の方法にて、コントラストを測定した。得られたコントラストの値を、Y値及び各組成物の全固形分に対する顔料濃度(重量%)とともに表−9に示す。
Figure 0005018691
表−9の記載から分かるように、実施例1のカラーフィルタ用赤色組成物は、比較例1の組成物と比較して、低い顔料濃度で同等のY値が得られ、かつ高いコントラストを示すため好ましい。
[d]カラーフィルタ用緑色組成物の調製および評価
[d−1]カラーフィルタ用緑色組成物の調製
顔料としてC.I.ピグメントグリーン58及びC.I.ピグメントグリーン36を使用し、それぞれ以下の表−10に記載の割合の各成分を、これら各成分の合計量の2.5重量倍のジルコニアビーズ(0.5mm径)と共にステンレス容器に入れて密栓し、ペイントシェイカーに装着して分散処理を行い、緑色顔料分散液を得た。
以下、得られたそれぞれの緑色顔料分散液につき、C.I.ピグメントグリーン58を含む顔料分散液を「PG58分散液」、C.I.ピグメントグリーン36を含む顔料分散液を「PG36分散液」と称す。なお表−10中の数値は重量部を表し、いずれも固形分換算の量である。
Figure 0005018691
※3 ビックケミー社製分散剤「BYK-LPN 6919」:
メタクリル酸系A−Bブロック共重合体。重量平均分子量Mwは約9000、アミン価は121mgKOH/g、酸価は1mgKOH/g以下である。B−ブロックに含まれる、窒素原子含有官能基を有する繰返し単位のうち、約100モル%が下記式(i)で表される構造であり、また下記式(ii)で表される繰返し単位の、A−ブロックにおける割合は11モル%である。
Figure 0005018691
※4 ビックケミー社製分散剤「Disprebyk-2001」:
前記「Disprebyk-2000」とリン酸誘導体との混合物。アミン価は約63mgKOH/g(固形分換算)。
得られた顔料分散液「PG58分散液」、「PG36分散液」、前記「[c−1]カラーフィルタ用赤色組成物」の項で調製した「PY−AZO分散液」、並びに前記[b]にて得られた顔料分散液3(顔料3、すなわち平均一次粒径15nmのC.I.ピグメントイエロー215、を含有する顔料分散液)を用い、下記表−11に記載の割合で各成分を加え、さらに溶剤を加えて混合し、カラーフィルタ用緑色組成物を得た(実施例2〜3及び比較例2〜3)。
各組成物における顔料の割合は、膜厚2.2μmの着色樹脂膜のXYZ表色系における色度座標(x,y)=(0.290,0.599)となるように決定した。
なお表−11中の数値は重量部を表し、いずれも固形分換算の量である。また加える溶剤は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)であり、組成物の固形分濃度が22重量%になり、かつ組成物に含まれる(PGMEA):(PGME)=9:1(重量比)となるように加えた。
Figure 0005018691
なお表−11中の成分の略称の意味は、前記表−5におけると同様である。
[d−2]色度及びコントラストの測定
前記[d−1]にて得られた緑色組成物を用い、前記[b]と同様にガラス基板上に着色樹脂膜を形成し(但し膜厚は2.2μmとした)、前記[b]の[着色板のコントラスト測定]の項に記載の方法にて、コントラストを測定した。得られたコントラストの値を、各組成物の全固形分に対する顔料濃度(重量%)とともに表−12に示す。
Figure 0005018691
表−12の記載から分かるように、実施例2及び3にて得られたカラーフィルタ用緑色組成物は、それぞれ比較例2及び3にて得られた組成物と比較して、低い顔料濃度で同じ色度が達成でき、かつ高いコントラストを示すため好ましい。
本発明によると、充分に微粒化された特定の黄色顔料を含有することにより、カラーフィルタ用着色組成物の硬化性等の画像形成能を低下させることなく、高輝度、高コントラスト、低膜厚のカラーフィルタを製造し得る。このようなカラーフィルタを用いることにより、輝度が高く、コントラストが高い優れた液晶表示装置や有機ELディスプレイを得ることができる。
本発明のカラーフィルタを備えた有機EL素子の一例を示す断面概略図である。 (a),(b)は、いずれも、着色板の平行透過光および直交透過光の色度を測定する方法を説明するための模式的な図である。 緑色顔料分散液を用いて形成した緑色画素について、XYZ表色系色度図の色度座標(x、y)を測定する際に用いる光源の発光スペクトルを表わす図である。 実施例及び比較例の測定に用いた偏光板の特性を示すスペクトル図である。
符号の説明
32 色彩輝度計
33,35 偏光板
34 着色板
36 光
37 バックライト
10 透明支持基板
20 画素
30 有機保護層
40 無機酸化膜
50 透明陽極
51 正孔注入層
52 正孔輸送層
53 発光層
54 電子注入層
55 陰極
100 有機EL素子
500 有機発光体

Claims (12)

  1. 少なくとも顔料、溶剤および分散剤を含有し、該顔料が、平均一次粒径30nm以下のC.I.(カラーインデックス)ピグメントイエロー215を含有することを特徴とする、カラーフィルタ用顔料分散液。
  2. 前記分散剤が、親溶剤性を有するA−ブロック及び窒素原子を含む官能基を有するB−ブロックからなるブロック共重合体である分散剤を含有する、請求項1に記載のカラーフィルタ用顔料分散液。
  3. さらにバインダー樹脂を含有する、請求項1または2に記載のカラーフィルタ用顔料分散液。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に顔料分散液、及び重合性モノマーを含有してなる、カラーフィルタ用着色組成物。
  5. 少なくとも顔料、溶剤、分散剤及び重合性モノマーを含有し、該顔料が、平均一次粒径30nm以下のC.I.(カラーインデックス)ピグメントイエロー215を含有することを特徴とする、カラーフィルタ用着色組成物。
  6. 前記分散剤が、親溶剤性を有するA−ブロック及び窒素原子を含む官能基を有するB−ブロックからなるブロック共重合体である分散剤を含有する、請求項5に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  7. 更にバインダー樹脂を含有してなる、請求項5または6に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  8. 前記顔料が、更に、C.I.(カラーインデックス)ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、およびC.I.ピグメントグリーン58からなる群より選ばれた少なくとも一種を含有してなる、請求項4ないし7のいずれか一項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  9. 前記顔料が、更に、C.I.(カラーインデックス)ピグメントレッド254及び/又はC.I.ピグメントレッド177を含有してなる、請求項4ないし7のいずれか一項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  10. 請求項4ないし9のいずれか一項に記載のカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成された画素を有するカラーフィルタ。
  11. 請求項10に記載のカラーフィルタと、液晶駆動用基板を対向させ、両者の間に液晶を封入してなることを特徴とする液晶表示装置。
  12. 請求項10に記載のカラーフィルタを用いてなることを特徴とする有機ELディスプレイ。
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