JP5017741B2 - 耐熱水性を有する包装材料、及びそれを使用した複合容器及び袋状容器 - Google Patents

耐熱水性を有する包装材料、及びそれを使用した複合容器及び袋状容器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐水物性および耐熱水物性を有する、印刷適性に優れた低坪量のシート状繊維構造物に樹脂を含浸させてなる含浸繊維構造物からなる包装材料およびそれを用いた複合容器及び袋状容器に関するものである。
衣料用洗剤、柔軟剤、シャンプー、リンスなどのトイレタリー用品や化粧品をはじめとする耐水性を必要とする容器や、飲料や食料品などのボイル殺菌処理、レトルト殺菌処理、熱水処理による殺菌および調理を必要とする内容物を収納する容器の蓋材、底材、ラベルなどの包装材料として使用される。また、複合容器及び袋状容器用の包装材料としても使用される。
また、上記含浸繊維構造物の片面に被印刷層が設けられ、印刷適性を有するために、本発明の包装材料を用いた複合容器は、美粧性に優れた複合容器が得られるものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境問題が深刻化し、容器類ならびに包装材料の易廃棄性が必要とされ、易焼却性、リサイクル性、またはリサイクル材料の需要が高まっている。ボトル、トレイ形状の紙容器、および紙とプラスチックからなる複合容器や、化粧板や壁紙などの建装材や、ラベルなどの産業資材分野においてもプラスチック使用量を大幅に低減したいわゆる紙製品や、容器分野においては廃棄時に紙とプラスチックの分別が可能な複合容器等が種々提案されている。
【0003】
環境問題、省資源化に対応するため、例えば、紙とプラスチックからなる複合容器が開発されている。一方で、このような複合容器に優れた耐水性や、強度物性が要求されている。
【0004】
上記複合容器の耐水性を改良するために、複合容器に使用する紙等の繊維構造物を耐水化する方法として、繊維構造物を内添剤で耐水処理を施す方法、繊維構造物へのプラスチックフィルムのラミネートや樹脂塗工によって耐水処理を施す方法とがある。
紙等の繊維構造物を内添剤で耐水処理を施す方法では、ボイルや、レトルト等苛酷な耐熱水処理に耐えられる、トレー型やカップ等の容器骨格として使用可能な高坪量の厚紙のものでは現在見出されない。また、繊維構造物紙に内添剤で耐水機能を付与するためには大掛かりな製紙設備が必要とする問題がある。
【0005】
一方、紙等の繊維構造物へのプラスチックフィルムのラミネートや樹脂塗工によって耐水処理を施す方法においては、グラビア印刷、噴霧、どぶずけ等の塗工方法が最も簡便的な方法である。
しかしながら、特に紙が肉厚の場合、従来の塗工方法では紙の厚み方向全体を均一に樹脂を浸透させることが出来ずに、紙層の一部に耐水処理が施されない欠損部が生じる問題があった。
【0006】
上記のような問題を解決するために、紙等の繊維構造物の両面から、適性に粘性等調整された樹脂を塗工することにより、繊維構造物の厚み方向の全層を耐水化処理を施すことが可能である。
しかしながら、使用する樹脂の粘性や紙等の繊維構造物の表面状態によって、樹脂、紙等の使用する材料の選択に現在のところ制限がある。
一般的にクレー層はインキ樹脂等がクレー層表層に浸透せずに定着するよう設計され、表面から繊維層へ樹脂を浸透させるといった性能を要求されることはない。
しかし、クレーコート層が厚く設けられているトレー容器等に使用されるような、腰のある強度の強い高坪量の板紙等への樹脂塗工による耐水処理は困難である。
そのため、クレーコート層のない紙等の繊維構造物を基材として、両面塗工する方法を選択せざるを得ない。
またこの方法、基材を使用することは、もっともコスト的にメリットがあり、かつ基材の浸透性が非常に良く、求められる耐熱水性能に応じた調整を塗布量の増減により簡単にすることができ、また製造管理、品質管理も良好にできる。
【0007】
一般に、板紙とよばれる高坪量(約坪量150g/m2以上)の紙は、抄紙工程において薄いシート状の繊維構造物(紙)に、でんぷん等水溶性接着剤を噴霧し、3層、5層と重ね合わせ(複層漉き)て、厚みのある高坪量の板紙としている。
一層一層の繊維構造物は水により溶解したパルプスラリーというどろどろの状態において、シート状にされてなるものであり、表面に繊維一本一本がささくれだった状態である。
印刷適性が求められる板紙においては、クレー層を塗工するのであるが、一般的にはクレー層を塗工する前の抄紙段階である複層漉きの直後の乾燥工程間の前後において、クレー層を平滑に塗工するために、鏡面カレンダーロール等により、まず表面を平滑にする。
しかしまだまだ表面が粗いため、コンマーコータ、エアーナイフといった高塗布量での塗工が可能なユニットを2回通し、クレーコート層を設ける。
この工程をへて得られたクレーコート層により、紙等の繊維構造物の目止めや、表面の平滑性が改善されて、調子物印刷(写真ライクな印刷)が可能となる。
クレーコート層が設けられていない繊維構造物または三次元構造体であるパルプモールド等の表面状態は、表面平滑処理もそれほどされておらず(クレー層を塗工する必要がないため)、しかもクレー層もないために非常に粗く、文字等の内容成分の表示や、バーコード等のPOS印刷等の印刷しか対応できず、調子印刷が不可能で、美粧性に優れた容器を得ることが困難である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、優れた耐水物性および耐熱水物性有し、かつ印刷適正に優れた繊維構造物からなる包装材料およびこれを用いたボイル殺菌処理、レトルト殺菌処理、熱水処理等による調理が可能な、美粧性に優れた複合容器及び袋状容器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するためのものであり、本発明の請求項1に係る発明は、片面にベック平滑度が50sec以上であるクレイコート層からなる被印刷層を有する坪量が200g/m2 以下の範囲を満たすシート状のセルロース繊維構造物であって、前記セルロース繊維構造物の繊維層の全層に、ポリウレタン系樹脂、ポリイソシアネート系樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、および硝化綿系樹脂から選ばれる1種類の樹脂または2種以上の樹脂を混合してなる樹脂を3g/m2 含浸させてなる被印刷層を有する含浸セルロース構造物(A)であり、該含浸セルロース構造物(A)の湿潤引っ張り強度が9.8N/15mm以上であり、なおかつ湿潤前後の寸法変化が1%以下であることを特徴とする耐熱水性を有する包装材料である。
【0010】
本発明の請求項2に係る発明は、請求項1に係る耐熱水性を有する包装材料において、前記セルロース繊維構造物が、その被印刷層(クレーコート層)と反対面の最外層に、接着剤による接着層を積層してなる含浸セルロース構造物(B)であることを特徴とする耐熱水性を有する包装材料である。
【0012】
本発明の請求項3に係る発明は、請求項に係る耐熱水性を有する包装材料において、前記含浸セルロース構造物が、その被印刷層(クレーコート層)と反対面に1層以上の熱可塑性プラスチックフィルムを積層してなる含浸セルロース構造物()であることを特徴とする耐熱水性を有する包装材料である。
【0014】
本発明の請求項に係る発明は、請求項に係る耐熱水性を有する包装材料における含浸セルロース構造物(A)または請求項に係る耐熱水性を有する包装材料における含浸セルロース構造物(B)または請求項に係る耐熱水性を有する包装材料における含浸セルロース構造物(C)を、容器の蓋材、底材、ラベル材のいずれかの中から選ばれる1種類以上として使用したことを特徴とする耐熱水性を有する複合容器である。
【0015】
本発明の請求項5に係る発明は、片面にベック平滑度が50sec以上であるクレイコート層からなる被印刷層を有する坪量が500g/m 2 以下の範囲を満たすシート状のセルロース繊維構造物であって、前記セルロース繊維構造物の繊維層の全層に、ポリウレタン系樹脂、ポリイソシアネート系樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、および硝化綿系樹脂から選ばれる1種類の樹脂または2種以上の樹脂を混合してなる樹脂を3g/m 2 含浸させてなる被印刷層を有する含浸セルロース構造物(A)であり、該含浸セルロース構造物(A)の湿潤引っ張り強度が9.8N/15mm以上であり、なおかつ湿潤前後の寸法変化が1%以下の含浸セルロース構造物(A)を、容器の蓋材、底材、ラベル材のいずれかの中から選ばれる1種類以上として使用したことを特徴とする耐熱水性を有する複合容器である。
【0016】
本発明の請求項に係る発明は、請求項に係る耐熱水性を有する複合容器において、前記容器本体が、プラスチック容器であることを特徴とする耐熱水性を有する複合容器である。
【0017】
本発明の請求項7に係る発明は、請求項1に係る耐熱水性を有する包装材料における含浸セルロース構造物(A)または請求項に係る耐熱水性を有する包装材料における含浸セルロース構造物(B)または請求項に係る耐熱水性を有する包装材料における含浸セルロース構造物(C)を、パウチ、バッグなどの袋の形状に成形したことを特徴とする袋状容器である。
【0018】
<作用>
本発明の耐水性を有する包装材料は、片面にベック平滑度が50sec以上であるクレイコート層からなる被印刷層を有する、坪量が200g/m2以下の範囲を満たすシート状のセルロース繊維構造物を用いて、前記セルロース繊維構造物の繊維層の全層に樹脂を含浸させてなる被印刷層を有する含浸セルロース構造物(A)である。
繊維構造物の全層が耐熱水性のある樹脂で処理されることにより、セルロース繊維の表面がコーティングされ、またセルロース繊維構造物のセルロースのもつ官能器と、樹脂の官能器の水素結合等により構造体としての強度が著しく向上することにより、優れた耐水性、耐熱水性を付与することができ、具体的には前記含浸繊維構造物の湿潤状態での引張破断強度が9.8N/15mm以上であって、かつ調湿前の寸法に対して、調湿後の湿潤状態での寸法変化が1%以下であることから、容器等の膨張収縮や熱水処理等に十分耐えられ、破壊、皺、変形を生ずることがないボイル殺菌処理、レトルト殺菌処理および熱水処理による調理が可能な用途の包装材料として好適に使用される。
また、ベック平滑度が50sec以上であるクレイコート層からなる被印刷層を設けてあることから、優れた印刷適性を有し、高品質の印刷が可能なラベル等に好適に使用される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の耐水性を有する包装材料は、片面にベック平滑度が50sec以上であるクレイコート層からなる被印刷層を有する、坪量が200g/m2以下の範囲を満たすシート状のセルロース繊維構造物を用いて、前記セルロース繊維構造物の繊維層の全層に樹脂を含浸させてなることを特長とするものである。
本発明に係る包装材料は、耐水性を有する容器の印刷適性を求められる個所に使用する、蓋材、底材、ラベル等の外装材に使用されるものであり、基本的に最外層に設けられるものである。
湿潤状態もしくは熱水処理等の状態に曝された際、複合容器の内側容器の膨張に耐えうるための強度物性、および印刷部分の皺等の発生を防止するに必要な最小限の寸法変化等が要求される。
印刷の場合、内容物の写真ライクな印刷や、階調再現性の求められるグラデーション等の印刷など、調子物と呼ばれる印刷をかける場合、表面の粗さの指標であるベック平滑度が50sec以上でないと、インキの転移等が良好にゆかずに再現できない。
強度物性に関しては、200g/m2以下の繊維構造物に対しては、室温水で1時間以上の湿潤状態の引張破断強度が9.8N/15mm以上なるように樹脂系、塗布量の調整によって全層含浸処理されなくてはいけない。
寸法変化に関しては、初期の状態の寸法に対して、室温水での湿潤状態での寸法の伸び率が1%以下であれば、湿潤前後で破壊、皺等が発生せずに、印刷適正に優れた包装材料を得ることが出来る。
【0020】
本発明の耐水性を有する包装材料で使用される繊維構造物としては、100%バ−ジンパルプからなるもの、100%再生故紙からなるもの、それらを任意の割合で混合したもの、NBKP材、LBKP材、木材パルプ以外のケナフ、バカラ、バンブー等の植物繊維材料、合成樹脂パルプなど、様々な種類の紙を所望する耐水レベルに応じて用いることが可能である。
ここでの紙は不織布、布等を包含するものであり抄紙による、いわゆる紙の種類に限定されるものではない。
クレーコートに使用される、クレーの種類、クレー粒径、塗工方法等は適宜選択できる。
【0021】
繊維構造物の坪量としてはまず、被印刷面であるクレーコート層が片面にあるために、クレー面からの繊維層への樹脂含浸は難しい。そのため、片面から処理できるような200g/m2以下の坪量の繊維構造物が好ましく使用でき、またその坪量のなかで用途、熱水殺菌のレベルに応じて、蓋材、底材、ラベル等へ使用される場合などに、伸縮等の問題を起こさないのものが好ましく選定し使用できる。
【0022】
印刷適性をもつために必要とされる繊維構造物の平滑度の値としては、文字やバーコード等のPOS印刷レベルに求められる値は、ベック平滑度で15sec以上であれば良いが、調子印刷物の場合は、50sec以上、好ましくは200sec以上が必要であり、クレーコート層により実現できる。
一般的にはクレーコート層と、シート状繊維構造物(紙)の繊維構造体の間もでんぷん、PVA等の接着剤により接着されてあるが、このままでは耐熱水性をもたない。
今回の発明により樹脂が繊維構造物を含浸し、繊維間の強度とさらには繊維間とクレーコート層の間のつなぎとなることで、全体の耐節水性が確保される。
【0023】
これらのシート状繊維構造物に抄紙後の二次加工として、耐水性、耐熱水性を付与できる樹脂を含浸するものである。
この外添による含浸、塗工方法としては、繊維構造物を含浸剤中に浸し過剰量の含浸剤を一時的に付与できるディッピング法や、好ましくは、含浸剤を一定量だけ塗工または含浸させるグラビアコーティング法やロールコーティング法などがある。
シート状繊維構造物に含浸樹脂を供給できる方法であれば、使用されるシート状繊維構造物や含浸樹脂の種類にもよるが、それらに応じていずれの方法を任意に選択することができる。
さらには、これらの加工は二次加工的に行われるため、抄紙工程に比較すると少量の含浸材で加工ができるために安価に行うことができる。
【0024】
耐水性、耐熱水性を付与できる樹脂としては、ウレタン系樹脂、イソシアネート系樹脂、などの熱硬化性樹脂の他に、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂、硝化綿系樹脂などが、単体もしくは組み合わせて使われ、要求される耐熱水温度、機能レベルに応じて上記の樹脂材料を複合もしくは混合して使用することも可能である
【0025】
耐水処理される繊維構造物の処理については、未処理部が存在すると破壊等おこるため、厚み方向へ全て処理(全層処理)されることが必要である。
但し処理部において樹脂濃度勾配や層によって樹脂を選択するなど、求められる耐水レベル、機能に応じて適宜調整できる。
【0026】
湿潤状態においての引張破断強度としては9.8N/15mm以上であれば、熱水中の水の動きや、容器等の膨張伸縮などに十分絶えることが出来る。
また一般的に耐水処理を行っていない繊維構造物の場合、繊維間の基本的な結合力である水素結合が水の進入によって、結合力の阻害および、繊維自体の移動等がおこるため、熱水中の水の動きによっても破壊されうるし、また容器等に貼り付けた際は、膨張伸縮等に耐えうることが出来ない。
【0027】
湿潤状態においての寸法変化は1%以下であれば、熱水処理した後において、皺や、変形それに伴う容器等からの脱離等の問題は起こらずに、好ましく使用できる。
【0028】
容器の外装材等に使用するために、接着層もしくはプラスチックフィルムが最外装に設けられるが、要求される耐水、耐熱水レベルに応じたものが適宜選択できる。
接着剤としては、例えば、イソシアネ−ト系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジェン系、有機チタン系等のアンカ−コ−ティング剤、あるいはポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロ−ス系、その他等のラミネ−ト用接着剤等の公知のアンカ−コ−ト剤、接着剤等を使用することができる。
塗工方式は一般的な方法がつかえる。
プラスチックフィルムとしては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂のようなポリオレフィン系樹脂のほか、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂やエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体のようなバリア性樹脂層、又はそれらの穴あけ加工物の単体、Al、AlOx、SiOxに代表される無機物を蒸着した樹脂フィルム、もしくはこれらを組み合わせた複合フィルムなども外観、酸素バリア性、水蒸気バリア性や保香性を付与目的で使用可能である。
その積層構成に限定されるものではない。ラミネ−トする方法としては例えば、ウエットラミネ−ション法、ドライラミネ−ション法、無溶剤型ドライラミネ−ション法、押し出しラミネ−ション法、Tダイ共押し出し成形法、共押し出しラミネ−ション法、その他等の方法で行うことができる。
必要ならば、例えば、コロナ処理、フレーム処理等おこなって良い。
本発明によって設けられた接着層、プラスチックフィルム等を介してシールや接着等を行うことができる。
【0029】
本発明においては、この外装材自体をパウチのように単体で容器として、使用しても良い。
また風呂場、トイレ、台所等におかれるプラスチック、金属、紙容器等にラベル、蓋材、底材等の外装材として使用できる。また、耐熱水性を持たせた繊維構造物を主体としてなる、容器の外装材として好ましく使用できる。
【0030】
この包装材を容器と組み合わせて、使用する場合には、そのトレー自体も耐熱水性をもたなくてはいけない。
容器を繊維構造物(紙)でつくる場合、これまで記載した樹脂、塗工方法等により得ることが出来る。
容器本体として使用されるためには、繊維構造物自体が、坪量の高い、こし強度や引っ張り強度のつよい繊維構造物を使用することが必要となる。
そのため、容器本体に使われる、繊維構造物の坪量としては、内容物の状態、内容量等に応じればよいが、500g/m2以下のもののなかから選択すればよい。
本発明の包装材と組み合わせた場合に、湿潤で寸法変化をおこしたための脱離等がおきないように、寸法変化(伸び率)は1%以下の容器になるよう、また破壊がおきないよう9.8N/15mm以上の引っ張り強度をもつ容器になるように、これまで記載した樹脂、塗工方法等により処理を行えばよい。
【0031】
容器の形状は代表的なものとして上方に開口部を有する形状、胴部と底部を有するカップ形状、トレー形状、天部、胴部と底部を有する筒形状、天部、胴部と底部を有する4面体、6面体、または屋根型形状、胴部と底部、山形の天部を有するいわゆる牛乳パック形状、袋状の形状、ボトル形状、三面体形状のいわゆる三角牛乳形状等が有りいずれかの形状を選択することができるがその他の形状であってもよい。また耐水性を有する紙を用いた容器の成形方法は、容器の形状応じて周知の方法によるものであって良い。
【0032】
【実施例】
以下、本発明の具体的な実施例を示して説明する。
【0033】
<実施例1>
ベック平滑度が150secのクレイコート層の設けられた、坪量120g/m2のシート状の繊維構造物を用い、これにイソホロンジイソシアネートのアダクト体を主成分とするイソシアネート系樹脂をグラビアコーティング法により全層含浸した。含浸量は、約3g/m2であった。クレイコート層への印刷は、調子再現性が非常に高いレベルで要求される印刷物をかけることが出来た。この印刷物の最外面にはCPPを構成した。
上記で作成された包装材料を95℃の熱水で60分浸漬させ物性評価したところ、寸法変化は1%以下であり、取り出して後の湿潤状態での引張破断強度は22N/15mmであり、破損もなかった。洗面台や台所での使用に耐え、さらに熱水での加熱調理やボイル殺菌工程での使用に耐える外装材としてつかえる包装材料が得られた。
次に、樹脂を全層含浸した繊維構造物を主体とした複合容器への蓋材として使用した。
複合容器としては、厚みが160μmのポリプロピレン製シートを内装に、外装の骨格としてポリイソシアネートを含浸した坪量290g/m2の繊維構造物からなる、満容量が330mlのトレー形状をした複合容器を使用した。なお複合容器に使われている繊維構造物はベック平滑度が15secであり、文字、バーコード等の印刷は可能であるが、内容物を表示するような調子印刷は再現性が悪かった。蓋材と複合容器は、蓋材と容器のフィルムを介してインパルスシーラーにて一体化させた。
容器を95℃の熱水で60分浸漬させ物性評価したところ、容器の寸法変化は1%以下であり、熱水処理中および取り出して後の破損もなかった。また蓋材の状態も皺等なく良好であった。
洗面台や台所での使用に耐え、さらに、食品容器としても熱水での加熱調理やボイル殺菌工程での使用に耐える複合容器が得られた。
【0034】
<実施例2>
ベック平滑度が50secのクレイコート層の設けられた、坪量120g/m2のシート状の繊維構造物を用い、これにポリウレタン系樹脂を主体とし、イソシアネート系樹脂を硬化剤として混合した樹脂をグラビアコーティング法により全層含浸した。含浸量は、約3g/m2であった。クレイコート層への印刷は、野菜等の鮮やかなイラストの絵柄といったある程度の調子再現性が求められる印刷物をかけることが出来た。この印刷物の最外面にはCPPを構成した。
上記で作成された包装材料を95℃の熱水で60分浸漬させ物性評価したところ、寸法変化は1%以下であり、取り出して後の湿潤状態での引張破断強度は20N/15mmであり、破損もなかった。洗面台や台所での使用に耐え、さらに熱水での加熱調理やボイル殺菌工程での使用に耐える外装材としてつかえる包装材料が得られた。
次に、樹脂を全層含浸した繊維構造物を主体とした複合容器への蓋材として使用した。
複合容器としては、厚みが160μmのポリプロピレン製シートを内装に、外装の骨格としてポリイソシアネートを含浸した坪量290g/m2の繊維構造物をもった、満容量が330mlのトレー形状をした複合容器を使用した。なお、複合容器に使われている繊維構造物はベック平滑度が15secであり、文字、バーコード等の印刷は可能であるが、内容物を表示するような調子印刷は再現性が悪かった。蓋材と複合容器は、蓋材と容器のフィルムを介してインパルスシーラーにて一体化させた。
容器を95℃の熱水で60分浸漬させ物性評価したところ、容器の寸法変化は1%以下であり、熱水処理中および、取り出して後の破損もなかった。また蓋材の状態も皺等なく良好であった。
洗面台や台所での使用に耐え、さらに、食品容器としても熱水での加熱調理やボイル殺菌工程での使用に耐える複合容器が得られた。
【0035】
<実施例3>
ベック平滑度が150secのクレイコート層の設けられた、坪量120g/m2のシート状の繊維構造物を用い、これにアクリル系樹脂をグラビアコーティング法により全層含浸した。含浸量は、約3g/m2であった。クレイコートへの印刷は、調子再現性が非常に高いレベルで要求される印刷物をかけることが出来た。この印刷物の最外面にはCPPを構成した。
上記で作成された包装材料を95℃の熱水で60分浸漬させ物性評価したところ、寸法変化は1%以下であり、取り出して後の湿潤状態での引張破断強度は15N/15mmであり、破損もなかった。洗面台や台所での使用に耐え、さらに熱水での加熱調理やボイル殺菌工程での使用に耐える外装材としてつかえる包装材料が得られた。
次に、樹脂を全層含浸した繊維構造物を主体とした複合容器への蓋材として使用した。
複合容器としては、厚みが160μmのポリプロピレン製シートを内装に、外装の骨格としてポリイソシアネートを含浸した坪量290g/m2の繊維構造物をもった、満容量が330mlのトレー形状をした複合容器を使用した。なお複合容器に使われている繊維構造物はベック平滑度が15secであり、文字、バーコード等の印刷は可能であるが、内容物を表示するような調子印刷は再現性が悪かった。蓋材と複合容器は、蓋材と容器のフィルムを介してインパルスシーラーにて一体化させた。
容器を95℃の熱水で60分浸漬させ物性評価したところ、容器の寸法変化は1%以下であり、熱水処理中および、取り出して後の破損もなかった。また蓋材の状態も皺等なく良好であった。
洗面台や台所での使用に耐え、さらに、食品容器としても熱水での加熱調理やボイル殺菌工程での使用に耐える複合容器が得られた。
【0036】
<実施例4>
ベック平滑度が150secのクレイコート層の設けられた、坪量120g/m2のシート状の繊維構造物を用い、これにアクリル系樹脂を主体に、ポリイソシアネート系樹脂を硬化材として混合した樹脂をグラビアコーティング法により全層含浸した。含浸量は、約3g/m2であった。クレイコートへの印刷は調子再現性が非常に高いレベルで要求される印刷物をかけることが出来た。この印刷物の最外面にはCPPを構成した。
上記で作成された包装材料を95℃の熱水で60分浸漬させ物性評価したところ、寸法変化は1%以下であり、取り出して後の湿潤状態での引張破断強度は20N/15mmであり、破損もなかった。洗面台や台所での使用に耐え、さらに熱水での加熱調理やボイル殺菌工程での使用に耐える外装材としてつかえる包装材料が得られた。
次に、樹脂を全層含浸した繊維構造物を主体とした複合容器への蓋材として使用した。
複合容器としては、厚みが160μmのポリプロピレン製シートを内装に、外装の骨格としてポリイソシアネートを含浸した坪量290g/m2の繊維構造物をもった、満容量が330mlのトレー形状をした複合容器を使用した。なお複合容器に使われている繊維構造物はベック平滑度が15secであり、文字、バーコード等の印刷は可能であるが、内容物を表示するような調子印刷は再現性が悪かった。蓋材と複合容器は、蓋材と容器のフィルムを介してインパルスシーラーにて一体化させた。
容器を95℃の熱水で60分浸漬させ物性評価したところ、容器の寸法変化は1%以下であり、熱水処理中および、取り出して後の破損もなかった。また蓋材の状態も皺等なく良好であった。
洗面台や台所での使用に耐え、さらに、食品容器としても熱水での加熱調理やボイル殺菌工程での使用に耐える複合容器が得られた。
【0037】
<実施例5>
ベック平滑度が150secのクレイコート層の設けられた、坪量120g/m2のシート状の繊維構造物を用い、これにアクリル系樹脂を主体に、エポキシ系樹脂を硬化剤として混合した樹脂をグラビアコーティング法により全層含浸した。含浸量は、約3g/m2であった。クレイコートへの印刷は、調子再現性が非常に高いレベルで要求される印刷物をかけることが出来た。この印刷物の最外面にはCPPを構成した。
上記で作成された包装材料を95℃の熱水で60分浸漬させ物性評価したところ、寸法変化は1%以下であり、取り出して後の湿潤状態での引張破断強度は18N/15mmであり、破損もなかった。洗面台や台所での使用に耐え、さらに熱水での加熱調理やボイル殺菌工程での使用に耐える外装材としてつかえる包装材料が得られた。
次に、樹脂を全層含浸した繊維構造物を主体とした複合容器への蓋材として使用した。
複合容器としては、厚みが160μmのポリプロピレン製シートを内装に、外装の骨格としてポリイソシアネートを含浸した坪量290g/m2の繊維構造物をもった、満容量が330mlのトレー形状をした複合容器を使用した。なお複合容器に使われている繊維構造物はベック平滑度が15secであり、文字、バーコード等の印刷は可能であるが、内容物を表示するような調子印刷は再現性が悪かった。蓋材と複合容器は、蓋材と容器のフィルムを介してインパルスシーラーにて一体化させた。
容器を95℃の熱水で60分浸漬させ物性評価したところ、容器の寸法変化は1%以下であり、熱水処理中および、取り出して後の破損もなかった。また蓋材の状態も皺等なく良好であった。
洗面台や台所での使用に耐え、さらに、食品容器としても熱水での加熱調理やボイル殺菌工程での使用に耐える複合容器が得られた。
【0038】
<実施例6>
ベック平滑度が150secのクレイコート層の設けられた、坪量70g/m2のシート状の繊維構造物を用い、これにエポキシ系樹脂をグラビアコーティング法により全層含浸した。含浸量は、約3g/m2であった。クレイコートへの印刷は調子再現性が非常に高いレベルで要求される印刷物をかけることが出来た。この印刷物の最外面にはCPPを構成した。
上記で作成された包装材料を95℃の熱水で60分浸漬させ物性評価したところ、寸法変化は1%以下であり、取り出して後の湿潤状態での引張破断強度は10N/15mmであり、破損もなかった。洗面台や台所での使用に耐え、さらに熱水での加熱調理やボイル殺菌工程での使用に耐える外装材としてつかえる包装材料が得られた。
次に、樹脂を全層含浸した繊維構造物を主体とした複合容器への蓋材として使用した。
複合容器としては、厚みが160μmのポリプロピレン製シートを内装にもち、外装の骨格としてポリイソシアネートを含浸した坪量290g/m2の繊維構造物をもった、満容量が330mlのトレー形状をした複合容器を使用した。なお複合容器に使われている繊維構造物はベック平滑度が15secであり、文字、バーコード等の印刷は可能であるが、内容物を表示するような調子印刷は再現性が悪かった。蓋材と複合容器は、蓋材と容器のフィルムを介してインパルスシーラーにて一体化させた。
容器を95℃の熱水で60分浸漬させ物性評価したところ、容器の寸法変化は1%以下であり、熱水処理中および、取り出して後の破損もなかった。また蓋材の状態もしわ等なく良好であった。
洗面台や台所での使用に耐え、さらに、食品容器としても熱水での加熱調理やボイル殺菌工程での使用に耐える複合容器が得られた。
【0039】
<実施例7>
ベック平滑度が150secのクレイコート層の設けられた、坪量70g/m2のシート状の繊維構造物を用い、これに硝化綿系樹脂をグラビアコーティング法により全層含浸した。含浸量は、約3g/m2であった。クレイコートへの印刷は調子再現性が非常に高いレベルで要求される印刷物をかけることが出来た。この印刷物の最外面にはCPPを構成した。
上記で作成された包装材料を95℃の熱水で60分浸漬させ物性評価したところ、寸法変化は1%以下であり、取り出して後の湿潤状態での引張破断強度は10N/15mmであり、破損もなかった。洗面台や台所での使用に耐え、さらに熱水での加熱調理やボイル殺菌工程での使用に耐える外装材としてつかえる包装材料が得られた。
次に、樹脂を全層含浸した繊維構造物を主体とした複合容器への蓋材として使用した。
複合容器としては、厚みが160μmのポリプロピレン製シートを内装にもち、外装の骨格としてポリイソシアネートを含浸した坪量290g/m2の繊維構造物をもった、満容量が330mlのトレー形状をした複合容器を使用した。なお複合容器に使われている繊維構造物はベック平滑度が15secであり、文字、バーコード等の印刷は可能であるが、内容物を表示するような調子印刷は再現性が悪かった。蓋材と複合容器は、蓋材と容器のフィルムを介してインパルスシーラーにて一体化させた。
容器を95℃の熱水で60分浸漬させ物性評価したところ、容器の寸法変化は1%以下であり、熱水処理中および、取り出して後の破損もなかった。また蓋材の状態も皺等なく良好であった。
洗面台や台所での使用に耐え、さらに、食品容器としても熱水での加熱調理やボイル殺菌工程での使用に耐える複合容器が得られた。
【0040】
<実施例8>
片面にベック平滑度が150secのクレイコートの設けられた、坪量50g/m2のシート状の繊維構造物を用い、ポリイソシアネート系樹脂をグラビアコーティング法により全層含浸された繊維構造物と、坪量50g/m2のベック平滑度が15secでクレイコート層を設けない、ポリイソシアネート系樹脂をグラビアコーティング法により全層含浸された繊維構造物とを、ポリウレタン系樹脂を塗工して貼り合わせてなるもの作成した。クレイコート層への印刷は、調子再現性が非常に高いレベルで要求される印刷物をかけることが出来た。この印刷物の最外面にはCPPを構成した。
上記で作成された包装材料を95℃の熱水で60分浸漬させ物性評価したところ、寸法変化は1%以下であり、取り出して後の湿潤状態での引張破断強度は10N/15mmであり、破損もなかった。洗面台や台所での使用に耐え、さらに熱水での加熱調理やボイル殺菌工程での使用に耐える外装材としてつかえる包装材料が得られた。
次に、この包装体を2枚貼り合わせてパウチとして使用した。
容器を95℃の熱水で60分浸漬させ物性評価したところ、熱水処理中および、取り出して後の破損もなかった。また皺等の発生なく良好であった。
洗面台や台所での使用に耐え、さらに、食品容器としても熱水での加熱調理やボイル殺菌工程での使用に耐える容器が得られた。
【0041】
<比較例1>
ベック平滑度が15secのクレイコート層の設けられた、坪量120g/m2のシート状の繊維構造物を用い、これにポリイソシアネート樹脂をグラビアコーティング法により全層含浸した。含浸量は、約3g/m2であった。
クレイコート層への印刷は文字、バーコードといったPOSレベルの印刷しかできなかった。熱水状態での物性に問題はおきなかった。
【0042】
<比較例2>
ベック平滑度が15secのクレイコート層の設けられた、坪量120g/m2のシート状の繊維構造物を用い、これにポリイソシアネート樹脂をグラビアコーティング法により含浸したが、厚み方向に90%しか含浸されていなかった。含浸量は、約2.5g/m2であった。
クレイコート層への印刷は文字、バーコードといったPOSレベルの印刷しかできなかった。95℃の熱水にて処理中含浸層、非含浸層の相関において、破壊された。
【0043】
<比較例3>
ベック平滑度が15secのクレイコート層の設けられた、坪量35g/m2のシート状の繊維構造物を用い、これにポリイソシアネート樹脂をグラビアコーティング法により含浸したが、厚み方向に90%しか含浸されていなかった。含浸量は、約2.5g/m2であった。
クレイコート層への印刷は文字、バーコードといったPOSレベルの印刷しかできなかった。95℃の熱水にて処理中破壊された。
【0044】
<比較例4>
ベック平滑度が15secのクレイコート層の設けられた、坪量120g/m2のシート状の繊維構造物を用い、これにロジン系樹脂をグラビアコーティング法により含浸したが、厚み方向に90%しか含浸されていなかった。含浸量は、約3g/m2であった。
クレイコート層への印刷は文字、バーコードといったPOSレベルの印刷しかできなかった。95℃の熱水にて処理処理後、4%以上の寸法変化をおこし、皺が発生した。取り出して後の湿潤状態での引張破断強度は5N/15mmであり、指等で不用意に触れるとちぎれる強度しかなかった。最外層にCPPを構成させた。
次に、樹脂を全層含浸した繊維構造物を主体とした複合容器への蓋材として使用した。
複合容器としては、厚みが160μmのポリプロピレン製シートを内装に、外装の骨格としてポリイソシアネートを含浸した坪量290g/m2の繊維構造物をもった、満容量が330mlのトレー形状をした複合容器を使用した。なお複合容器に使われている繊維構造物はベック平滑度が15secであり、文字、バーコード等の印刷は可能であるが、内容物を表示するような調子印刷は再現性が悪かった。蓋材と複合容器は、蓋材と容器のフィルムを介してインパルスシーラーにて一体化させた。
容器を95℃の熱水で60分浸漬させ物性評価したところ、容器の寸法変化は1%以下であり、熱水処理中および、取り出して後の破損もなかったが、蓋材は破損した。
以上のように印刷レベルは低く、また洗面台や台所での使用および、レトルト、ボイル等の殺菌処理に耐えるものではない。
【0045】
上記実施例1〜8および比較例1〜4で得られた繊維構造物の湿潤引張破断強度、寸法変化の測定結果および熱水処理前後のシート状繊維構造物の印刷状態、インキの密着性、複合容器としての容器の状態を目視観察した結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
Figure 0005017741
【0047】
【発明の効果】
本発明により、優れた耐水物性および耐熱水物性有し、かつ印刷適正に優れた繊維構造物からなる包装材料およびこれを用いたボイル殺菌処理、レトルト殺菌処理、熱水処理等による調理が可能な、美粧性に優れた複合容器及び袋状容器を提供することが可能となった。
本発明の繊維構造物からなる包装材料は、従来の印刷再現性を大幅に向上した浴室で使用される金属容器やプラスチックボトルへのラベル、熱水調理・殺菌される食品の紙容器の蓋材、底材やラベルに好適に使用されるものである。
【0048】
また、内装プラスチック容器と外装繊維構造物容器からなる複合容器において、外装容器に本発明の繊維構造物からなる包装材料を適用することで、優れた印刷再現性、耐水物性および耐熱水物性を有するボイル殺菌処理、レトルト殺菌処理および熱水処理による調理が可能な複合容器及び袋状容器を提供できる。

Claims (7)

  1. 片面にベック平滑度が50sec以上であるクレイコート層からなる被印刷層を有する坪量が200g/m2以下の範囲を満たすシート状のセルロース繊維構造物であって、前記セルロース繊維構造物の繊維層の全層に、ポリウレタン系樹脂、ポリイソシアネート系樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、および硝化綿系樹脂から選ばれる1種類の樹脂または2種以上の樹脂を混合してなる樹脂を3g/m2含浸させてなる被印刷層を有する含浸セルロース構造物(A)であり、該含浸セルロース構造物(A)の湿潤引っ張り強度が9.8N/15mm以上であり、なおかつ湿潤前後の寸法変化が1%以下であることを特徴とする耐熱水性を有する包装材料。
  2. 請求項1に記載の耐熱水性を有する包装材料において、前記セルロース繊維構造物が、その被印刷層(クレーコート層)と反対面の最外層に、接着剤による接着層を積層してなる含浸セルロース構造物(B)であることを特徴とする耐熱水性を有する包装材料。
  3. 請求項1に記載の耐熱水性を有する包装材料において、前記含浸セルロース構造物が、その被印刷層(クレーコート層)と反対面に1層以上の熱可塑性プラスチックフィルムを積層してなる含浸セルロース構造物(C)であることを特徴とする耐熱水性を有する包装材料。
  4. 請求項1に記載の耐熱水性を有する包装材料における含浸セルロース構造物(A)または請求項2に記載の耐熱水性を有する包装材料における含浸セルロース構造物(B)または請求項3に記載の耐熱水性を有する包装材料における含浸セルロース構造物(C)を、容器の蓋材、底材、ラベル材のいずれかの中から選ばれる1種類以上として使用したことを特徴とする耐熱水性を有する複合容器。
  5. 片面にベック平滑度が50sec以上であるクレイコート層からなる被印刷層を有する坪量が500g/m2以下の範囲を満たすシート状のセルロース繊維構造物であって、前記セルロース繊維構造物の繊維層の全層に、ポリウレタン系樹脂、ポリイソシアネート系樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、および硝化綿系樹脂から選ばれる1種類の樹脂または2種以上の樹脂を混合してなる樹脂を3g/m2含浸させてなる被印刷層を有する含浸セルロース構造物(A)であり、該含浸セルロース構造物(A)の湿潤引っ張り強度が9.8N/15mm以上であり、なおかつ湿潤前後の寸法変化が1%以下の含浸セルロース構造物(A)を、容器の蓋材、底材、ラベル材のいずれかの中から選ばれる1種類以上として使用したことを特徴とする耐熱水性を有する複合容器。
  6. 前記容器本体が、プラスチック容器であることを特徴とする請求項5記載の耐熱水性を有する複合容器。
  7. 請求項1に係る耐熱水性を有する包装材料における含浸セルロース構造物(A)または請求項に係る耐熱水性を有する包装材料における含浸セルロース構造物(B)または請求項に係る耐熱水性を有する包装材料における含浸セルロース構造物(C)を、パウチ、バッグなどの袋の形状に形成したことを特徴とする袋状容器。
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