JP5014875B2 - 作業機ブーム - Google Patents
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Description
本発明の一実施形態にかかる作業機ブーム7を備えた建設機械1を図1に示す。この建設機械1は、油圧ショベルであり、作業機ブーム7を含む作業機5と、作業機ブーム7が取り付けられる本体部3とを備える。
図2に示すように、作業機ブーム7は、ブーム本体11と、第1ブラケット12と、第2ブラケット13と、第3ブラケット14と、第4ブラケット15と、補強部材60a(図6参照)とを備える。
ブーム本体11は、長手方向の中間部において屈曲した形状を有し、角部にアールが設けられた略矩形の断面形状を有する(図4参照)。ブーム本体11は、後述するように、液圧成形法によって、管状素材が拡管されることにより一体成形されたものである。このため、ブーム本体11は、継ぎ目の無い中空の構造となっている。ブーム本体11は、基端側部分21と、先端側部分22と、中間部分23とを有する。なお、作業機ブーム7の長手方向に沿って、本体部3に取り付けられる側を「基端側」と呼び、アーム8に取り付けられる側を「先端側」と呼ぶものとする。
図2に示す第1ブラケット12は、ブーム本体11の長手方向の一端すなわち第1端部24に取り付けられ、作業機ブーム7を建設機械1の本体部3に取り付けるためのものである。第1ブラケット12は、板金が組み合わされて溶接されることによって形成されており、第1側面部31と、第2側面部32と、第1フランジ部33とを有する。第1側面部31は、平坦な板状の部分であり、上面視において、ブーム本体11の長手方向に沿った直線状の形状を有する。また、第1側面部31は、側面視において先細りの形状を有しており、その基端側の端部は円弧状の形状となっている。第2側面部32は、第1側面部31と左右対称に配置されている。第2側面部32は、平坦な板状の部分であり、上面視において、ブーム本体11の長手方向に沿った直線状の形状を有する。また、第2側面部32は、第1側面部31と同様に、側面視において先細りの形状を有しており、その基端側の端部は円弧状の形状となっている。第1側面部31と第2側面部32とは、水平方向に距離を隔てて配置されており、第1側面部31の表面と第2側面部32の表面との間の距離は、ブーム本体11の第1端部24の水平方向の幅寸法d1と概ね同じである。第1フランジ部33は、第1側面部31、第2側面部32の先端側の端部に固定されている。第1フランジ部33の先端側の端面は、ブーム本体11の第1端部24に固定されている。また、第1ブラケット12には、水平方向に貫通する孔34が設けられており、この孔34には、作業機ブーム7を本体部3に取り付けるための固定ピン(図示せず)が通される。なお、第1ブラケット12は、鋳造によって成形されたものであってもよい。
第3ブラケット14は、アームシリンダ19を取り付けるためのものであり、図2に示すように、ブーム本体11の上面に溶接により固定されている。より詳しくは、第3ブラケット14は、ブーム本体11の中間部分23の上面に固定されている。第3ブラケット14は、ブーム本体11の幅方向に互いに距離を隔てて配置される第3側板部51および第4側板部52と、連結部材53とを有している。第3側板部51は、比較的薄い板状の形状を有しており、ブーム本体11の上面に立設され、ブーム本体11の長手方向に沿って配置されている。第4側板部52は、第3側板部51と対称な形状を有している。連結部材53は、第3側板部51と第4側板部52とに亘って設けられ、第3側板部51と第4側板部52とを連結する棒状の部材である。また、第3側板部51と第4側板部52とには、第3側板部51と第4側板部52とを幅方向に貫通する孔54が設けられている。この孔54には、作業機ブーム7にアームシリンダ19を取り付けるための固定ピン(図示せず)が通される。
補強部材60aは、ブーム本体11の下面に取り付けられる板状の部材であり、より詳しくは、ブーム本体11の中間部分23の下面に溶接により固定されている。補強部材60aは、ブーム本体11の長手方向に長い形状を有しており、ブーム本体11の屈曲に応じて屈曲した形状となっている。補強部材60aの先端部61は、先端側ほど幅が小さくなる先細りの形状となっており、その先端は、緩やかに湾曲した形状となっている。また、補強部材60aのうち第1側板部55の先端および第2側板部56の先端が接合される位置から基端側の部分は、第1側板部55と第2側板部56との間の距離よりも幅広の形状となっている。なお、補強部材60aの基端部には、先端側に凹んだ凹部62が設けられている。
次に、この作業機ブーム7の製造方法について、図8に示すフローチャートに基づいて説明する。
(1)
この作業機ブーム7では、ブーム本体11が、管状素材が拡管されることにより一体成形されている。このため、従来のように複数の板材を溶接してブーム本体11が形成される場合と比べて、溶接部分が少なくなっている。これにより、この作業機ブーム7では、製造を容易にすることができ、且つ、強度を向上させることができる。また、ブーム本体11の板厚を薄くすることが容易であり、作業機ブーム7を容易に軽量化することができる。
この作業機ブーム7では、第4ブラケット15が補強部材60aを介してブーム本体11に取り付けられている。このため、第4ブラケット15の接合部分における応力を緩和することができ、作業機ブーム7の強度が向上している。従って、ブーム本体11の板厚が薄くなった場合でも、必要な強度を容易に確保することができる。
(a)
ブーム本体11は、管状素材から形成されたものに限らず、複数の板材が溶接されることによって形成されたものであってもよい。ただし、ブーム本体11が、上記のように液圧成形法によって管状素材から形成される場合、ブーム本体11の板厚を薄くして軽量化することが容易であるという利点がある一方、ブーム本体11の板厚を薄くした場合には第4ブラケット15との接合部分の強度が低下するという問題が生じ易く、このような場合、本発明がより有効となる。また、この場合、ブーム本体11aの加工方法は、液圧成形法に限らず、素材に内圧を付与することにより素材の一部を膨出成形するバルジ加工であればよい。例えば、管状素材43にゴムを挿入してゴムを圧縮することにより、管状素材43に内圧を付与してもよい。
上記の実施形態において、補強部材60aは、第1側板部55と第2側板部56との間の距離よりも幅広の形状となっているが、少なくとも第4ブラケット15の第1側板部55の先端と第2側板部56の先端とに亘って設けられればよく、第1側板部55の先端と第2側板部56の先端との距離と同じ幅方向寸法であってもよい。
上記の先端部開口63に代えて、図13に示すように、先端側に先細りの形状を有する第1開口63aと、第1開口63aに対してブーム本体11の長手方向の基端側に並んで配置され基端側が先細りの形状を有する第2開口63bとが補強部材60aの先端部61に設けられてもよい。この場合、第1開口63aと第2開口63bとの組み合わせによって、上記の先端部開口63と同様の効果を奏することができる。
上記の実施形態では、先端部開口63は先端側および基端側の両方が先細りの形状となっているが、図14(b)に示す補強部材60cのように、先端側のみが先細りとなり、基端側は平坦な形状の先端部開口が設けられてもよい。この場合、上記と同様に、比較例に係る作業機ブーム100において、ブラケット101の先端とブーム本体102との接合部分の応力を1とすると、第4ブラケット15の先端と補強部材60cとの接合部分の応力は、0.49である。また、補強部材60cの先端部61の先端とブーム本体11との接合部分の応力は、0.71であり、補強部材60cの先端部61の傾斜部分61a、61bとブーム本体11との接合部分の応力は、0.28である。従って、このような補強部材60cが用いられる場合でも、比較例に係る作業機ブーム100と比べて、第4ブラケット15の接合部分に生じる応力の最大値が緩和される。なお、図14(a)は、比較例に係る作業機ブーム100を示している。
上記の実施形態では、ブーム本体11の下面に補強部材60a〜60cが取り付けられているが、図15に示すように、ブーム本体11の上面に補強部材60dが取り付けられてもよい。
7 作業機ブーム
11 ブーム本体
15 第4ブラケット(ブラケット)
55 第1側板部
56 第2側板部
60a−60d 補強部材
63 先端部開口(第1開口)
63a 第1開口
63b 第2開口
Claims (6)
- 建設機械に設けられる作業機ブームであって、
中空のブーム本体と、
前記ブーム本体の下面または上面に取り付けられる板状の補強部材と、
前記補強部材を介して前記ブーム本体の下面または上面に取り付けられるシリンダ取付用のブラケットと、
を備え、
前記補強部材の先端部には第1開口が設けられている、
作業機ブーム。 - 前記ブラケットは、互いに距離を隔てて配置される第1側板部および第2側板部を有し、
前記補強部材は、少なくとも前記第1側板部の先端と前記第2側板部の先端とに亘って設けられている、
請求項1に記載の作業機ブーム。 - 前記補強部材は、先端側が先細りの形状を有する、
請求項1または2に記載の作業機ブーム。 - 前記第1開口は、先端側が先細りの形状を有する、
請求項1から3のいずれかに記載の作業機ブーム。 - 前記第1開口は、先端側と反対の基端側も先細りの形状を有する、
請求項4に記載の作業機ブーム。 - 前記補強部材には、前記第1開口に対して前記ブーム本体の長手方向の基端側に並んで配置され基端側が先細りの形状を有する第2開口がさらに設けられている、
請求項4に記載の作業機ブーム。
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