JP5014196B2 - プーリ構造体、及び、これを用いた補機駆動システム - Google Patents

プーリ構造体、及び、これを用いた補機駆動システム Download PDF

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Description

本発明は、プーリ構造体、及び、これを用いた補機駆動システムに関する。
自動車等のエンジンの動力によってオルタネータ等の補機を駆動する補機駆動システムでは、オルタネータ等の補機の駆動軸に連結されるプーリと、エンジンの出力軸に連結されるプーリに亘ってベルトが掛け渡され、このベルトを介してエンジンのトルクが補機に伝達される。一般的に、エンジンの出力軸は、エンジンの爆発行程等の要因により回転速度が変動し、それに伴いベルトの走行速度も変動する。そのため、このベルトと補機の駆動軸に連結されたプーリとの間でスリップが生じたり、ベルトの張力が大きく変動したりする。このようなベルトのスリップや張力の過大な変動は、ベルトの異音の発生や寿命低下等の原因となる。特に、オルタネータは、発電軸の慣性モーメントが大きいため、ベルトのスリップや張力変動が特に生じやすい。さらに、発電軸に出力軸の回転変動が伝えられると、オルタネータの耐久性を低下させ、また、発電効率に悪影響を与えるという問題がある。
そこで、従来からこのような補機駆動システムに、出力軸の回転変動を吸収することが可能なプーリ構造体が採用されている。このようなプーリ構造体は、二重構造になっており、ベルトが巻き掛けられる第1回転体と、第1回転体の内側に設けられ、第1回転体に対して相対回転可能な第2回転体とを有する。これら2つの回転体の間には環状のゴム弾性体が設けられており、2つの回転体はこのゴム弾性体を介して連結されている。このプーリ構造体を補機の駆動軸に連結した場合、即ち、第2回転体を補機の駆動軸に連結した場合、第1回転体にはベルトを介して出力軸の回転変動が伝達される。この第1回転体の回転変動に伴い、2つの回転体が相対回転すると、ゴム弾性体を介して2つの回転体の間でトルクが伝達されるとともに、ゴム弾性体が周方向にねじれることにより、回転変動が吸収される。そのため、ベルトのスリップや張力変動を抑えることができる。しかし、このようなプーリ構造体を長期間使用すると、ゴム弾性体がねじれによって破損する虞がある。そこで、ゴム弾性体に過度のねじれが生じるのを抑制するための構造を有するプーリ構造体が種々提案されている。
例えば、特許文献1に開示されたプーリ構造体は、2つの回転体の所定の相対回転角度以上の相対回転を規制するためのたわみ制限部を有する。たわみ制限部は、第2回転体の外周面に固定された中央プレートと、第1回転地体の内周面に配置された弾性当接部とから構成される。また、ゴム弾性体は、2つの回転体に固定されている。2つの回転体の相対回転角度が所定の値になると、弾性当接部は中央プレートに当接し、2つの回転体のそれ以上の相対回転が規制され、同時に、ゴム弾性体のそれ以上のねじれも規制される。
また、特許文献2に開示されたプーリ構造体のゴム弾性体は、2つの回転体のうち、一方の回転体に相対回動不能に固定されており、他方の回転体に滑り層を介して摺動可能に連結されている。2つの回転体の間に所定の値以上のトルクが作用すると、滑り層と他方の回転体とが摺動回転するため、ゴム弾性体の過度のねじれが抑制される。
特開2006−177548号公報 特開平6−200956号公報
しかし、上述した特許文献1及び2のプーリ構造体によると、たとえゴム弾性体のねじり角を抑制しても、2つの回転体間でトルクを伝達する際、ゴム弾性体の内周部及び外周部には必ずせん断応力が作用する。そのため、ゴム弾性体は破損しやすい。
そこで、本発明は、ベルトのスリップ及び張力変動を防止するとともに、ゴム弾性体の耐久性の高いプーリ構造体及びこれを用いた補機駆動システムを提供することを目的とする。
課題を解決するための手段及び発明の効果
請求項1のプーリ構造体は、ベルトが巻き掛けられる筒状の第1回転体と、前記第1回転体の内側に、前記第1回転体に対して相対回転可能に設けられた筒状の第2回転体と、前記第1回転体と前記第2回転体との間に、前記回転体の周方向に関して並んで配置された複数の第1ゴム弾性体からなる第1ダンパ部材と、前記回転体の軸方向に関して前記第1ゴム弾性体の少なくとも一方側に配置された規制部材と、を備え、前記第1回転体が前記第2回転体に対して所定の方向に相対回転したときに、前記複数の第1ゴム弾性体がそれぞれ圧縮力を受ける一方、前記第1回転体が前記第2回転体に対して前記所定の方向と反対方向に相対回転したときに、前記複数の第1ゴム弾性体がそれぞれ引張力を受けるように構成されており、前記規制部材は、前記第1ゴム弾性体が前記圧縮力を受けて、前記軸方向に関して膨張変形したときに、前記第1ゴム弾性体と接触することにより、前記第1ゴム弾性体のそれ以上の変形を規制することを特徴とする。
第1回転体と第2回転体とが相対回転すると、第1ゴム弾性体を介して、これら2つの回転体の間でトルクが伝達される。このとき、同時に第1ゴム弾性体が変形することによって、回転体の回転変動が吸収される。これにより、第1回転体に巻き掛けられたベルトがスリップしたり、ベルトの張力が過大に変動したりするのを防止することができる。ここで、2つの回転体の間に環状のゴム弾性体が設置されている従来のプーリ構造体の場合、2つの回転体が相対回転したとき、ゴム弾性体は周方向に関してせん断力を受ける。一方、本発明のプーリ構造体の複数の第1ゴム弾性体は、2つの回転体が相対回転したとき、圧縮力または引張力を受ける。そのため、本発明の第1ゴム弾性体は、せん断力を受ける場合よりも破損しにくくなる。従って、第1ゴム弾性体の耐久性を向上させることができる。
また、本発明では、第1回転体が第2回転体に対して所定の方向に相対回転したとき、複数のゴム弾性体は圧縮力を受けて縮むと同時に、軸方向に膨張して規制部材に接触する。これにより、第1ゴム弾性体のそれ以上の変形が規制されるため、ゴム弾性体の耐久性が向上する。
請求項2のプーリ構造体は、ベルトが巻き掛けられる筒状の第1回転体と、前記第1回転体の内側に、前記第1回転体に対して相対回転可能に設けられた筒状の第2回転体と、前記第1回転体と前記第2回転体との間に、前記回転体の周方向に関して並んで配置された複数の第1ゴム弾性体からなる第1ダンパ部材と、前記第1回転体と前記第2回転体との間に、それぞれ前記回転体の軸方向に関して前記第1ダンパ部材に隣接するとともに、前記回転体の周方向に関して並んで配置された複数の第2ゴム弾性体からなる第2ダンパ部材と、を備え、前記第1回転体が前記第2回転体に対して所定の方向に相対回転したときに、前記複数の第1ゴム弾性体がそれぞれ圧縮力を受けるとともに、前記複数の第2ゴム弾性体がそれぞれ引張力を受ける一方、前記第1回転体が前記第2回転体に対して前記所定の方向と反対方向に相対回転したときに、前記複数の第1ゴム弾性体がそれぞれ引張力を受けるとともに、前記複数の第2ゴム弾性体がそれぞれ圧縮力を受けるように構成されていることを特徴とする
第1回転体と第2回転体とが相対回転すると、第1ゴム弾性体及び第2ゴム弾性体を介して、これら2つの回転体の間でトルクが伝達される。このとき、同時にゴム弾性体が変形することによって、回転体の回転変動が吸収される。これにより、第1回転体に巻き掛けられたベルトがスリップしたり、ベルトの張力が過大に変動したりするのを防止することができる。ここで、2つの回転体の間に環状のゴム弾性体が設置されている従来のプーリ構造体の場合、2つの回転体が相対回転したとき、ゴム弾性体は周方向に関してせん断力を受ける。一方、本発明のプーリ構造体の複数のゴム弾性体は、2つの回転体が相対回転したとき、圧縮力または引張力を受ける。そのため、本発明のゴム弾性体は、せん断力を受ける場合よりも破損しにくくなる。従って、ゴム弾性体の耐久性を向上させることができる。
また、本発明では、2つの回転体が相対回転し、2つのダンパ部材の一方を構成するゴム弾性体が引張力を受ける場合、他方のダンパ部材を構成するゴム弾性体が圧縮力を受けて変形することによって回転体の回転変動が吸収される。そのため、ゴム弾性体の受ける引張力は、ダンパ部材を1つしか設けない場合に比べて低減されるため、ゴム弾性体の耐久性が向上する。
請求項3のプーリ構造体は、ベルトが巻き掛けられる筒状の第1回転体と、前記第1回転体の内側に、前記第1回転体に対して相対回転可能に設けられた筒状の第2回転体と、前記第1回転体と前記第2回転体との間に、前記回転体の周方向に関して並んで配置された複数の第1ゴム弾性体からなる第1ダンパ部材と、を備え、前記第1回転体が前記第2回転体に対して所定の方向に相対回転したときに、前記複数の第1ゴム弾性体がそれぞれ圧縮力を受ける一方、前記第1回転体が前記第2回転体に対して前記所定の方向と反対方向に相対回転したときに、前記複数の第1ゴム弾性体がそれぞれ引張力を受けるように構成されており、前記複数の第1ゴム弾性体が、前記第1回転体と前記第2回転体のうち、何れか一方の回転体に固定されており、他方の回転体に対して摺動可能であることを特徴とする
第1回転体と第2回転体とが相対回転すると、第1ゴム弾性体を介して、これら2つの回転体の間でトルクが伝達される。このとき、同時に第1ゴム弾性体が変形することによって、回転体の回転変動が吸収される。これにより、第1回転体に巻き掛けられたベルトがスリップしたり、ベルトの張力が過大に変動したりするのを防止することができる。ここで、2つの回転体の間に環状のゴム弾性体が設置されている従来のプーリ構造体の場合、2つの回転体が相対回転したとき、ゴム弾性体は周方向に関してせん断力を受ける。一方、本発明のプーリ構造体の複数の第1ゴム弾性体は、2つの回転体が相対回転したとき、圧縮力または引張力を受ける。そのため、本発明の第1ゴム弾性体は、せん断力を受ける場合よりも破損しにくくなる。従って、第1ゴム弾性体の耐久性を向上させることができる。
また、本発明では、第1回転体が第2回転体に対して相対回転し、複数の第1ゴム弾性体が引張力を受けたとき、この複数の第1ゴム弾性体を他方の回転体に対して摺動させることができる。そのため、第1ゴム弾性体に作用する引張力は、2つの回転体の両方に固定された場合よりも小さくなるため、第1ゴム弾性体が破断しにくくなり、耐久性が向上する。
請求項4のプーリ構造体は、ベルトが巻き掛けられる筒状の第1回転体と、前記第1回転体の内側に、前記第1回転体に対して相対回転可能に設けられた筒状の第2回転体と、前記第1回転体と前記第2回転体との間に、前記回転体の周方向に関して並んで配置された複数の第1ゴム弾性体からなる第1ダンパ部材と、前記第1ゴム弾性体の弾性率よりも低い弾性率を有する材料からなり、前記複数の第1ゴム弾性体のうち、前記周方向に関して隣接する2つのゴム弾性体の隙間に介在する複数の変形吸収部材と、を備え、前記第1回転体が前記第2回転体に対して所定の方向に相対回転したときに、前記複数の第1ゴム弾性体がそれぞれ圧縮力を受ける一方、前記第1回転体が前記第2回転体に対して前記所定の方向と反対方向に相対回転したときに、前記複数の第1ゴム弾性体がそれぞれ引張力を受けるように構成されていることを特徴とする。
第1回転体と第2回転体とが相対回転すると、第1ゴム弾性体を介して、これら2つの回転体の間でトルクが伝達される。このとき、同時に第1ゴム弾性体が変形することによって、回転体の回転変動が吸収される。これにより、第1回転体に巻き掛けられたベルトがスリップしたり、ベルトの張力が過大に変動したりするのを防止することができる。ここで、2つの回転体の間に環状のゴム弾性体が設置されている従来のプーリ構造体の場合、2つの回転体が相対回転したとき、ゴム弾性体は周方向に関してせん断力を受ける。一方、本発明のプーリ構造体の複数の第1ゴム弾性体は、2つの回転体が相対回転したとき、圧縮力または引張力を受ける。そのため、本発明の第1ゴム弾性体は、せん断力を受ける場合よりも破損しにくくなる。従って、第1ゴム弾性体の耐久性を向上させることができる。
また、本発明では、2つの回転体が相対回転したとき、複数の第1ゴム弾性体は、圧縮力を受けて縮むと同時に、周方向に膨張しようとする。このとき、複数の第1ゴム弾性体は、周方向に関してそれぞれ2つの変形吸収部材で挟まれているため、第1ゴム弾性体は、変形吸収部材を押圧しつつ、周方向に関して滑らかに膨張変形する。これにより、第1ゴム弾性体は、周方向に関する急激な変形が抑制されるため、座屈しにくくなり、耐久性が向上する。
請求項5のプーリ構造体は、請求項1、3、4のいずれかにおいて、前記複数の第1ゴム弾性体が、それぞれ前記回転体の径方向に対して、前記周方向に傾いて延在していることを特徴とする。
上記の構成により、複数の第1ゴム弾性体は、第1回転体が第2回転体に対して所定の方向に相対回転したときに、圧縮力を受けることができる一方、第1回転体が第2回転体に対して所定の方向と反対方向に相対回転したときに、引張力を受けることができる。
請求項6のプーリ構造体は、請求項2において、前記複数の第1ゴム弾性体及び第2ゴム弾性体が、それぞれ前記回転体の径方向に対して、前記周方向に傾いて延在しており、前記複数の第1ゴム弾性体と、前記複数の第2ゴム弾性体の、前記径方向に対する傾斜方向が、互いに反対方向であることを特徴とする。
上記の構成により、第1回転体が第2回転体に対して相対回転したとき、第1ダンパ部材及び第2ダンパ部材の一方が圧縮力を受ける一方、他方が引張力を受けることができる。
請求項のプーリ構造体は、請求項2又は6において、前記回転体の軸方向に関して、前記第1ゴム弾性体の少なくとも一方側、及び、前記第2ゴム弾性体の少なくとも一方側に配置された規制部材を備え、前記規制部材は、前記第1ゴム弾性体が前記圧縮力を受けて、前記軸方向に関して膨張変形したときに、前記第1ゴム弾性体と接触することにより、前記第1ゴム弾性体のそれ以上の変形を規制するとともに、前記第2ゴム弾性体が前記圧縮力を受けて、前記軸方向に関して膨張変形したときに、前記第2ゴム弾性体と接触することにより、前記第2ゴム弾性体のそれ以上の変形を規制することを特徴とする。
第1回転体が第2回転体に対して相対回転したとき、第1ダンパ部材及び第2ダンパ部材の一方を構成する複数のゴム弾性体が、圧縮力を受けて縮むと同時に、軸方向に膨張して規制部材に接触する。これにより、このゴム弾性体のそれ以上の変形が規制されるため、耐久性が向上する。また、規制部材によって、圧縮力を受けるゴム弾性体の変形が規制されることにより、2つの回転体のそれ以上の相対回転も規制されることとなるため、引張力を受けるゴム弾性体の伸び変形も規制することができる。従って、ゴム弾性体の耐久性がより向上する。
請求項のプーリ構造体は、請求項2、6、7の何れかにおいて、前記複数の第2ゴム弾性体が、前記第1回転体と前記第2回転体のうち、何れか一方の回転体に固定されており、他方の回転体に対して摺動可能であることを特徴とする。
上記の構成により、第1回転体が第2回転体に対して相対回転し、複数の第2ゴム弾性体が引張力を受けたとき、この複数の第2ゴム弾性体を他方の回転体に対して摺動させることができる。そのため、第2ゴム弾性体に作用する引張力は、2つの回転体の両方に固定された場合よりも小さくなるため、第2ゴム弾性体が破断しにくくなり、耐久性が向上する。
請求項のプーリ構造体は、請求項3又は8において、前記複数の第1ゴム弾性体又は第2ゴム弾性体の前記他方の回転体側の面が、耐摩耗性の高い被覆材で被覆されていることを特徴とする。
上記の構成により、ゴム弾性体は他方の回転体に対して直接摺動することがなく、被覆材を介して摺動するため、ゴム弾性体は、擦り減りや、引っかかりによる破損が防止され、耐久性が向上する。
請求項10のプーリ構造体は、請求項1〜の何れかにおいて、前記第1ゴム弾性体又は第2ゴム弾性体が、前記第1回転体と前記第2回転体との間に、前記径方向に関して圧縮状態で設置されていることを特徴とする。
径方向に関して圧縮状態で設置されたゴム弾性体は、2つの回転体が相対回転することによって圧縮力を受けたとき、無負荷状態で設置された場合に比べて、圧縮変形しやすくなる。従って、ゴム弾性体は、大きな圧縮力を確実に受けることができるため、2つの回転体の間で確実にトルクを伝達することができる。
請求項11のプーリ構造体は、請求項2、6〜8の何れかにおいて、前記第2ゴム弾性体の弾性率よりも低い弾性率を有する材料からなり、前記複数の第2ゴム弾性体のうち、前記周方向に関して隣接する2つの第2ゴム弾性体の隙間に介在する複数の変形吸収部材を備えることを特徴とする。
2つの回転体が相対回転したとき、複数の第2ゴム弾性体は、圧縮力を受けて縮むと同時に、周方向に膨張しようとする。このとき、複数の第2ゴム弾性体は、周方向に関してそれぞれ2つの変形吸収部材で挟まれているため、第2ゴム弾性体は、変形吸収部材を押圧しつつ、周方向に関して滑らかに膨張変形する。これにより、第2ゴム弾性体は、周方向に関する急激な変形が抑制されるため、座屈しにくくなり、耐久性が向上する。
請求項12の補機駆動システムは、オルタネータを含む複数の補機を駆動する補機駆動システムであって、エンジンに連結された出力軸と、前記出力軸に設けられた第1プーリと、前記複数の補機にそれぞれ連結された複数の補機駆動軸と、前記複数の補機駆動軸にそれぞれ設けられた複数の第2プーリと、前記第1プーリ及び前記複数の第2プーリに亘って巻き掛けられるベルトと、を含み、前記複数の第2プーリのうち、少なくともオルタネータの補機駆動軸に設けられた第2プーリが、請求項1〜11の何れかに記載のプーリ構造体であることを特徴とする。
上記の構成により、請求項1〜11の何れかのプーリ構造体に懸架されたベルトのスリップ及び張力の過大な変動を長期間にわたって防止できる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本実施形態の補機駆動システム100は、自動車エンジンの補機であるオルタネータ等をエンジンの回転力で駆動するシステムである。補機駆動システム100は、エンジンのクランク軸101と、クランク軸に連結されたプーリ(第1プーリ)102と、オルタネータ(Alt)の駆動軸103と、エアコンプレッサー(A/C)の駆動軸104と、パワーステアリング(P/S)の駆動軸105と、ウォーターポンプ(W/P)の駆動軸106と、これら補機の駆動軸103、104、105、106にそれぞれ連結されたプーリ(第2プーリ)107、10、108、109、110と、これらのプーリ102、107、108、109、110に亘って共通に巻き掛けられるベルト111と、ベルト111の張りを調節するオートテンショナーのテンションプーリ(A/T)112と、プーリ102とプーリ108との間のベルト111に当接するアイドラープーリ(Idler)113とから構成される。ベルト111は、ベルト長手方向に延びた複数のリブ部を有するVリブドベルトである。
クランク軸101は、エンジンの爆発行程に起因する回転変動を伴いつつ回転している。クランク軸101に連結されたプーリ102が回転駆動すると、ベルト111が走行する。このベルト111の走行に伴って、プーリ107、108、109、110が従動回転することにより、オルタネータ等の補機が駆動される。以下、オルタネータの駆動軸103に設けられるプーリ107に対して適用されるプーリ構造体について詳細に説明する。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係るプーリ構造体200について説明する。
図2に示すように、本実施形態のプーリ構造体200は、ベルト111が巻き掛けられる筒状の第1回転体1と、第1回転体1の内側に第1回転体1に対して相対回転可能に設けられた筒状の第2回転体2と、第1回転体1と第2回転体2の間に設置された複数のゴム弾性体(第1ゴム弾性体)4からなるダンパ部材(第1ダンパ部材)3とを備える。
第1回転体1と第2回転体2は、共通の回転軸Aを中心として図3の矢印の方向に回転する。尚、以下のプーリ構造体の説明において、この回転軸Aの軸方向を軸方向と定義し、2つの回転体1、2の周方向及び径方向を単に周方向及び径方向と定義し、図2及び図6の左右方向を左右方向と定義し、2つの回転体1、2の回転方向(図3の矢印の方向)を回転方向と定義する。
図2に示すように、第1回転体1の外周面には、ベルト111のリブ部に係合する複数のプーリ溝が形成されている。また、第2回転体2の内側には、オルタネータの駆動軸(図示省略)が螺合される。
第1回転体1と第2回転体2との間には、転がり軸受5が介設されている。これにより、第1回転体1と第2回転体2とは相対回転可能に連結されている。転がり軸受5の右側面は、第1回転体1の内周面に嵌合固定された止め輪6に当接しており、転がり軸受5の左側面は、第1回転体1の内周面に形成された段差面に当接している。これにより、転がり軸受5は軸方向にずれない。
図2及び図3に示すように、ダンパ部材3を構成する複数のダンパ部材4は、第1回転体1と第2回転体2との間の、転がり軸受5の左側に配置されている。また、図3に示すように、複数のゴム弾性体4は、周方向に関して並んで、羽根状に配置されている。即ち、複数のゴム弾性体4は、それぞれ径方向に対して、周方向に傾いて延在しており、詳細には、回転方向(図3の矢印方向)と反対方向に傾いて延在している。また、複数のゴム弾性体4の周方向に関する両側面4c、4dは、緩やかな曲面に形成されている。複数のゴム弾性体4のうち、隣接する2つのゴム弾性体4の対向する側面4c、4dの間には、隙間が形成されている。側面4cは、第2回転体2の外周面の接線方向とほぼ同じ方向に延在している。側面4dは、側面4cと平行ではなく、側面4cの延在方向に対して、ゴム弾性体4の第1回転体1側の周方向長さが長くなる方向に傾斜して形成されている。また、図2に示すように、ゴム弾性体4の左右両端面4a、4bは、それぞれ軸方向に直交して形成されている。
ゴム弾性体4の材料としては、例えば、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴム(EPDM)、天然ゴム(NR)、クロロプレンゴム(CR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、ブチルゴム(BR)等のゴムや、ウレタンなどが用いられる。
また、複数のゴム弾性体4の第2回転体2側の面は、共通の金属リング7に加硫接着等で接合されている。金属リング7の軸方向長さは、ゴム弾性体4の軸方向長さと同じである。金属リング7は、第2回転体2の外周面に圧入固定されている。そのため、複数のゴム弾性体4は、金属リング7を介して、第2回転体2に固定されている。金属リング7を設けることにより、複数のゴム弾性体4を金属リング7を介さずに直接第2回転体2に固定する場合に比べて、プーリ構造体200の組立て作業性が向上する。
また、複数のゴム弾性体4の第1回転体1側の面は、耐摩耗性の高い帆布(被覆材)8で被覆されている。この帆布8の第1回転体1側の表面を接触面8aとする。また、第1回転体1の内周面には、この接触面8aに対向する位置に、筒部材9が嵌合固定されている。筒部材9は、軸方向長さが接触面8aの軸方向長さとほぼ同じに形成されている。接触面8aは、この筒部材9の内周面に対して摺動可能となっている。従って、ゴム弾性体4は、帆布8を介して、第2回転体2に摺動可能に設置されていることとなる。
帆布8としては、上述した通り耐摩耗性に優れ、強度の高い繊維織物が用いられる。この繊維織物は、例えば、アラミドやポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール(PBO)等の合成樹脂繊維、ステンレス、真鍮及び銅等の金属繊維を、単独あるいは組み合わせたものが用いられる。また、上記繊維材料に加えて、潤滑性の高いグラファイトや二硫化モリブデン等が織り込まれた織物を用いてもよい。これにより、接触面8aの摩擦係数を下げることができる。また、接触面8aの摩擦係数を下げるには、繊維織物の材料として、上記繊維材料の代わりに潤滑性の高いカーボン系繊維を用いてもよい。
また、筒部材9としては、耐摩耗性に優れた、合成樹脂、焼結金属、軸受材料等が用いられる。
外力が作用していない、いわゆる無負荷状態のゴム弾性体4(及び帆布8)の径方向の長さは、筒部材9の内周面から金属リング7の外周面までの径方向に関する距離よりも若干大きく設定されている。そのため、複数のゴム弾性体4は、径方向に圧縮された状態で、筒部材9と金属リング7との間に設置されている。即ち、複数のゴム弾性体4は、径方向に圧縮された状態で、第1回転体1と第2回転体2との間に設置されている。
複数のゴム弾性体4と帆布8と金属リング7は、軸方向に長く一体成形した後、所定の軸方向長さに切断することにより作製することができる。具体的には、先ず、金属リング7となる金属筒の外周面に、ゴム弾性体4となる未加硫ゴムと、隣接する2つのゴム弾性体4の隙間の形状に形成された金型とを、周方向に交互に配置する。そして、複数の未加硫ゴムの外側をそれぞれ帆布8で覆った後、加圧及び加熱し、ゴムの加硫とともに、ゴムと金属筒とを接着する。その後、所定の軸方向長さに切断する。この方法で量産することにより、プーリ構造体200の製造コストを下げることができる。
次に、プーリ構造体200の作用について図4を用いて説明する。
先ず、第1回転体1の回転速度が第2回転体2の回転速度より速くなる場合、即ち、第1回転体1が第2回転体2に対して回転方向と同じ方向(図4(a)の矢印Aの方向)に相対回転する場合について説明する。
図4(a)に示すように、帆布8の接触面8aと筒部材9との摩擦力により、接触面8aは第1回転体1(及び筒部材9)に対して摺動しつつ、矢印Aの方向に回転する。ゴム弾性体4は、径方向に対して、回転方向(矢印Aの方向)と反対方向に傾いて延在しているため、この延在する方向(以下、延在方向という)に関して圧縮力を受けることができる。そのため、ゴム弾性体4は、延在方向に縮むと同時に、周方向及び軸方向に膨張する。さらに、ゴム弾性体4に作用する延在方向の圧縮力が大きくなると、接触面8aと筒部材9との摩擦力が増大するため、接触面8aと筒部材9とが一体的に回転する。このように、ゴム弾性体4が圧縮力を受けて変形することにより、2つの回転体1、2の回転変動を吸収するとともに、2つの回転体1、2の間を、圧縮状態のゴム弾性体4を介して、トルクが伝達される。これにより、第1回転体1に巻き掛けられたベルト111のスリップや張力変動を防止することができる。
次に、第1回転体1の回転速度が第2回転体2の回転速度より遅くなる場合、即ち、第1回転体1が第2回転体2に対して回転方向と反対方向(図4(b)の矢印Bの方向)に相対回転する場合についてについて説明する。
図4(b)に示すように、帆布8の接触面8aと筒部材9との摩擦力により、接触面8aは第1回転体1(及び筒部材9)対して摺動しつつ、矢印Bの方向に回転する。ゴム弾性体4は、径方向に対して、回転方向(矢印Aの方向)と反対方向に傾いて延在しているため、この延在する方向(以下、延在方向という)に関して引張力を受けることができる。そのため、接触面8aと筒部材9との間の摩擦力は低減する。ゴム弾性体4に作用する引張力が、接触面8aと筒部材9との間の摩擦力よりも大きくなると、接触面8aは筒部材9に対して滑り、ゴム弾性体4は延在方向に関して僅かな引張力を受けるだけの状態となる。そのため、2つの回転体1、2の間のトルクの伝達が遮断される。
ここで、第1回転体と第2回転体の間に環状のゴム弾性体を設置した従来のプーリ構造体について説明する。2つの回転体が相対回転すると、環状のゴム弾性体は周方向に関してせん断力を受けるため、特にゴム弾性体の内周部及び外周部においてせん断応力が集中的に生じる。一方、上述した通り、本実施形態の複数のゴム弾性体4は、2つの回転体が相対回転したとき、延在方向に関して圧縮力または引張力を受ける。圧縮力または引張力を受けるゴム弾性体4には、せん断力を受ける場合に比べて、応力が局所的に発生しにくい。そのため、ゴム弾性体4は、せん断力を受ける従来のゴム弾性体よりも破損しにくく、耐久性が高くなる。また、耐久性が高いため、ゴム弾性体4の軸方向長さ及び径方向長さは、環状のゴム弾性体よりも小さくすることが可能となるため、プーリ構造体200のサイズを小さくすることが可能となる。
次に、ゴム弾性体4の圧縮応力と圧縮歪みの関係について説明する。図5は、縦軸を径方向に関する圧縮応力、横軸を径方向に関する圧縮歪みとしている。図5に示す曲線の傾きは圧縮弾性率を表す。図5に示すように、圧縮歪みε1が生じているときの傾きは、圧縮歪みがゼロ付近の傾きと比べて小さい。また、圧縮歪みがゼロ付近では傾きが大きく変化しているのに対して、圧縮歪みがε1からε2までの範囲では傾きがほぼ一定となっている。従って、所定の圧縮歪みε1が生じている状態から圧縮すると、無負荷状態から圧縮する場合よりも安定して圧縮変形しやすくなる。
そのため、第1回転体1が第2回転体2に対して増速回転すると、2つの回転体1、2の間に径方向に関して圧縮状態で設置されたゴム弾性体4は、無負荷状態で設置された場合に比べて、安定して圧縮変形しやすくなる。そのため、ゴム弾性体4は大きな圧縮力を確実に受けることができるため、2つの回転体1、2の間で確実にトルクの伝達を行うことができる。
また、ゴム弾性体4を径方向に圧縮状態で設置することにより、接触面8aと筒部材9とを確実に接触させることができる。
また、ゴム弾性体4の周方向の両側面4c、4dが緩やかな曲面に形成されているため、平面状に形成されている場合に比べてゴム弾性体4が圧縮力を受けたとき、座屈しにくくなり、ゴム弾性体4の耐久性が向上する。
また、ゴム弾性体4の第1回転体1側の面が、耐摩耗性の高い帆布8で被覆されている構成されているため、ゴム弾性体4が筒部材9に対して直接摺動することがなく、ゴム弾性体4が、擦り減りや、引っかかりによって破損することがない。そのため、ゴム弾性体4の耐久性が向上する。
尚、ゴム弾性体4は、本実施形態では第2回転体2に固定され、第1回転体1に摺動可能に設置されているが、第1回転体1に固定され、第2回転体2に摺動可能に設置される構成であってもよい。
また、ゴム弾性体4は、第1回転体1と第2回転体2の両方に固定される構成であってもよい。この場合、第1回転体1が第2回転体2に対して減速回転すると、接触面8aは第1回転体1(筒部材9)と共に回転する。そのため、ゴム弾性体4は、第1回転体1に摺動可能に設置されている場合に比べて大きな引張力を受けるため、破断しやすくなり、耐久性が低くなる。その点において、ゴム弾性体4は第1回転体1に摺動可能に設置されていることが好ましい。
また、ゴム弾性体4は、外力が作用していない、いわゆる無負荷状態で第1回転体1と第2回転体2との間に設置されていてもよい。
また、ゴム弾性体4は、周方向に関して並んで配置されるものであって、且つ、第1回転体1が第2回転体2に対して回転方向に相対回転したとき、圧縮力を受ける一方、第1回転体1が第2回転体2に対して回転方向と反対方向に相対回転したとき、引張力を受けるように構成されているものであれば、径方向に関して、周方向に傾いて延在しているものでなくてもよい。例えば、ゴム弾性体4の周方向に関する側面4dが、側面4cに対してかなり曲率の大きい曲面に形成されており、ゴム弾性体4が、周方向に傾いて延在しているとは言えないような構成であってもよい。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について、前記第1実施形態と相違する点を中心に説明する。但し、前記第1実施形態と同じ構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
図6に示すように、本実施形態のプーリ構造体200Aは、ゴム弾性体4の左右両側に配置された2つの規制部材20、21を備える。
ゴム弾性体4の左側に配置された規制部材20は、軸方向に直交して形成された円盤状の壁板22と、壁板22の外周縁部から左側に突出する外筒部24と、壁板22の内周縁部から左側に突出する内筒部25と、内筒部25の表面を覆う帆布27とから構成される。一方、ゴム弾性体4の右側に配置された規制部材21は、軸方向に直交して形成された円盤状の壁板23と、壁板23の外周縁部から右側に突出する外筒部26とから構成される。
外筒部24、26は、第1回転体1の内周面にそれぞれ嵌合固定されている。これにより、2つの規制部材20、21は、第1回転体1の内周面に固定されている。
壁板22、23のゴム弾性体4側の面(以下、当接面という)22a、23aは、ゴム弾性体4の左右両端面4a、4bに対して所定の隙間を空けて対向配置されている。
壁板22、23は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、超高分子量ポリエチレン、ポリアミド、ポリアセタール等の耐摩耗性に優れた合成樹脂材料、又は、薄い金属板によって形成されている。そのため、壁板22、23の剛性は比較的低い。
また、当接面22a、23aは、耐摩耗性に優れ、且つ、潤滑性の高い被膜(図示省略)によって被覆されている。被膜の材料としては、例えば、カーボン系や、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)系、ボロン系が挙げられる。尚、壁板22、23が、上記合成樹脂材料で形成されている場合には、上記被膜を設けなくてもよい。
また、規制部材20の内筒部25の内周面は、帆布27に被覆されている。この帆布27の第2回転体2側の表面は、第2回転体2の外周面に対して低摩擦で摺動可能となっている。
次に、プーリ構造200Aの作用について説明する。
第1回転体1の回転速度が第2回転体2の回転速度よりも速くなると、複数のゴム弾性体4が延在方向に関して圧縮されて縮むと同時に、軸方向及び周方向に膨張する。すると、ゴム弾性体4の左右両端面4a、4bと、規制部材20、21の当接面22a、23aとの間の隙間が詰まり、端面4a、4bが、当接面22a、23aとそれぞれ接触する。これにより、ゴム弾性体4のそれ以上の変形が規制されるため、ゴム弾性体4の耐久性が向上する。尚、ゴム弾性体4の端面4a、4bと当接面22a、23aとの隙間の大きさは、例えば、ゴム弾性体4のねじれ角(軸3を中心とした、ゴム弾性体4の第1回転体1側の面と第2回転体2側の面のずれの回転角度)が20度以下になるように設定される。
また、壁板22、23が剛性の低い材料によって形成されており、さらに当接面22a、23aの摩擦係数が低いため、ゴム弾性体4の軸方向の膨張変形が急激に規制されることがない。即ち、ゴム弾性体4は滑らかに変形した後に、それ以上の変形が規制される。そのため、ゴム弾性体4は破損しにくくなり、耐久性が向上する。
また、当接面22a、23aが、潤滑性の高い被膜によって被覆されていることにより、ゴム弾性体4が当接面22a、23aに接触したときに、ゴム弾性体4の端面4a、4bが擦れて劣化するのを防止することができる。
尚、壁板23、23のゴム弾性体4側の面は、本実施形態ではカーボン系などの被膜(図示省略)によって被覆されているが、帆布で被覆される構成であってもよい。帆布としては、耐摩耗性に優れ、且つ、潤滑性の高いものが用いられる。例えば、カーボン系繊維による織物を用いることができる。あるいは、高強度の繊維材料からなる繊維織物の表面をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)系、ボロン系の被膜で被覆した織物を用いてもよい。
また、規制部材20、21は、第1回転体1の内周面に固定される代わりに、第2回転体2の外周面に固定されていてもよい。具体的には、規制部材20は、内筒部25が第2回転体2に固定され、且つ、外筒部24が第1回転体1に対して摺動可能な構成であってもよい。また、規制部材21は、外筒部26の代わりに、壁板23の内周縁部に形成された内筒部を備え、この内筒部が第2回転体2に固定される構成であってもよい。
また、プーリ構造体200Aは、本実施形態では、2つの規制部材20、21を備えているが、何れか一方のみを備える構成であってもよい。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について、上記第1実施形態と相違する点を中心に説明する。但し、上記第1実施形態と同じ構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
図7に示すように、本実施形態のプーリ構造体200Bは、複数の変形吸収部材30を備える。複数の変形吸収部材30は、複数のゴム弾性体4のうち、隣接する2つのゴム弾性体4の隙間にそれぞれ介在する。変形吸収部材30は、例えば、発泡ゴム、発泡ウレタン、中空バルーンとゴムとの混合体など、ゴム弾性体4より弾性率が低い材料によって形成される。
無負荷状態の変形吸収部材30の径方向及び軸方向の長さは、2つの回転体1、2の間に設置された状態のゴム弾性体4よりも若干短い。また、無負荷状態の変形吸収部材30の軸方向に直交する断面形状は、無負荷状態の隣接する2つのゴム弾性体4の隙間の軸方向に直交する断面形状とほぼ同じあるいはそれよりも若干大きい。ゴム弾性体4は、2つの回転体1、2の間に、径方向に関して圧縮され、径方向に関して縮むとともに、周方向に膨張した状態で設置されている。そのため、変形吸収部材30は、ゴム弾性体4に押圧されて、周方向に圧縮された状態で設置される。
次に、プーリ構造200Bの作用について説明する。
第1回転体1の回転速度が第2回転体2の回転速度よりも速くなると、ゴム弾性体4は延在方向に関して圧縮されて縮むと同時に、周方向に膨張しようとする。このとき、ゴム弾性体4の周方向の両側面4c、4dが、それぞれ2つの変形吸収部材30に接触しているため、ゴム弾性体4は、変形吸収部材30を押圧しつつ、周方向に関して滑らかに膨張変形する。従って、ゴム弾性体4は、周方向に関する急激な変形が抑制されるため、座屈しにくくなり、耐久性が向上する。
尚、変形吸収部材30は、本実施形態では2つの回転体1、2の間に、周方向に圧縮状態で設置されているが、外力の作用していない状態で設置してもよい。ここで、発泡ゴム等で形成される変形吸収部材30についても、図5に示したゴム弾性体4の応力と歪みの関係が成立する。つまり、所定の圧縮歪みが生じている状態の変形吸収部材30の圧縮弾性率は、圧縮歪みがゼロの状態の圧縮弾性率よりも小さくなる。従って、圧縮状態の変形吸収部材30で挟まれたゴム弾性体4は、無負荷状態の変形吸収部材30で挟まれたゴム弾性体4に比べて、より滑らかに周方向に膨張するため、座屈しにくくなる。この点において、変形吸収部材30は圧縮状態で2つの回転体1、2の間に設置されることが好ましい。
また、プーリ構造体200Bは、第2実施形態のプーリ構造体200Aが備える2つの規制部材20、21を備える構成であってもよい。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について、前記第1実施形態と相違する点を中心に説明する。但し、前記第1実施形態と同じ構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
図8に示すように、本実施形態のプーリ構造体200Cは、前記第1実施形態と同様の構成の第1回転体1及び第2回転体2に加えて、第1回転体1と第2回転体2との間に配置された第1ダンパ部材10と、第1回転体1と第2回転体2との間の、第1ダンパ部材10の左側に設置された第2ダンパ部材11と、3つの規制部材50、51、52とを備える。規制部材50は、第1ダンパ部材10と第2ダンパ部材11の間に配置されている。規制部材51、及び、規制部材52は、第1ダンパ部材10の左側、及び、第2ダンパ部材11の右側にそれぞれ配置されている。
図9に示すように、第1ダンパ部材10は、周方向に関して並んで配置されている複数のゴム弾性体(第1ゴム弾性体)12から構成されている。複数のゴム弾性体12は、それぞれ径方向に対して、周方向に傾いて延在しており、詳細には、回転方向(図8の矢印方向)と反対方向に傾いて延在している。また、ゴム弾性体12の周方向に関する両側面12c、12dは、緩やかな曲面に形成されている。また、複数のゴム弾性体12のうち、隣接する2つのゴム弾性体12の対向する側面12c、12dの間には、僅かな隙間(図示省略)が形成されている。側面12c、12dは、第2回転体2の外周面の接線方向とほぼ同じ方向に延在している。そのため、ゴム弾性体12の周方向長さは、内周側から外周側に向って大きくなっている。
また、図8に示すように、ゴム弾性体12の左端面12aは、軸方向に直交して形成されている。ゴム弾性体12の右端面12bは、緩やかな曲面に形成されている。右端面12bは、ゴム弾性体12の軸方向長さが外周側から内周側に向かって大きくなる方向に傾斜している。詳細には、ゴム弾性体12の延在方向と直交する断面の面積がほぼ一定となるように設定されている。即ち、ゴム弾性体12の内周部と外周部の周方向長さの比は、内周部と外周部の軸方向長さの比とほぼ逆比となる。
図9に示すように、第2ダンパ部材11は、周方向に関して並んで配置されている複数のゴム弾性体(第2ゴム弾性体)13から構成されている。複数のゴム弾性体13は、それぞれ径方向に対して、周方向に傾いて延在しており、詳細には、回転方向(図8の矢印方向)に傾いて延在している。即ち、複数のゴム弾性体12と複数のゴム弾性体13とは、径方向に対する傾斜方向が互いに反対方向となっている。ゴム弾性体13の周方向に関する両側面13c、13dは、側面12c、12dと同様の緩やかな曲面に形成されている。また、複数のゴム弾性体13のうち、隣接する2つのゴム弾性体13の対向する側面13c、13dの間には、僅かな隙間(図示省略)が形成されている。
また、図8に示すように、ゴム弾性体13の左右両端面13a、13bは、ゴム弾性体12の端面12b、12aの左右対称な形状にそれぞれ形成されている。
ゴム弾性体12、13は、前記第1実施形態のゴム弾性体4と同様の材料で形成されている。
複数のゴム弾性体12、13の第2回転体2側の面は、共通の金属リング40に加硫接着等によって接合されている。金属リング40は、第2回転体2の外周面に圧入固定されている。そのため、複数のゴム弾性体12、13は、金属リング40を介して、第2回転体2に固定されている。尚、金属リング40は、ゴム弾性体12に接合された金属リングと、ゴム弾性体13に接合された金属リングとが連結されて一体化したものであってもよい。
また、複数のゴム弾性体12の第1回転体1側の面は、共通の金属リング41に、加硫接着等によって接合されている。また、複数のゴム弾性体13の第1回転体1側の面は、共通の金属リング42に加硫接着等によって接合されている。金属リング41、42は、第1回転体1の内周面にそれぞれ圧入固定されている。そのため、複数のゴム弾性体12、13は、それぞれ金属リング41、42を介して、第1回転体1に固定されている。また、金属リング41、42の内径は、互いに同じである。
ゴム弾性体12は、外周面が内周面に対して図9の矢印方向(回転方向)にねじられた状態、即ち、ゴム弾性体12の延在方向に関して圧縮された状態で、第1回転体1と第2回転体2の間に配置されている。また、複数のゴム弾性体13は、外周面が内周面に対して図9の矢印方向と反対方向(回転方向と反対方向)にねじられた状態、即ち、ゴム弾性体13の延在方向に関して圧縮された状態で、第1回転体1と第2回転体2の間に配置されている。
無負荷状態のゴム弾性体12、13の径方向長さは、互いに同じであって、金属リング40の外周面から金属リング41、42の内周面までの径方向に関する距離と同じである。また、無負荷状態のゴム弾性体12(13)のうち、隣接する2つのゴム弾性体12(13)の対向する側面12c、12d(13c、13d)の間は、例えば0.05m以下の隙間が形成されていてもよいが、接触していてもよい。
また、図8に示すように、複数のゴム弾性体12と複数のゴム弾性体13との間に配置されている規制部材50は、円環板状に形成されている。規制部材50の外周側端部は、金属リング41、42の間に嵌合等によって固定されている。これにより、規制部材50は、金属リング41、42を介して、第1回転体1に固定されている。また、規制部材50の外周側端部を除く部分を壁部53とする。壁部53の左右両側面は、ゴム弾性体13の右端面13b、及び、ゴム弾性体12の左端面12aに対して所定の隙間を空けてそれぞれ対向配置されている。
複数のゴム弾性体12の右側に配置されている規制部材51は、環状の壁部54と、壁部54の外周縁部から右側に突出する外筒部56とから構成されている。また、複数のゴム弾性体13の左側に配置されている規制部材52は、環状の壁部55と、壁部55の外周縁部から左側に突出する外筒部57とから構成されている。外筒部56、57は、金属リング41の内周面に、それぞれ嵌合固定されている。これにより、規制部材51、52は、それぞれ金属リング41、42を介して、第1回転体1に固定されている。また、壁部54のゴム弾性体12側の面は、ゴム弾性体12の右端面12bに対して所定の隙間を空けて対向配置されている。また、壁部55のゴム弾性体13側の面は、ゴム弾性体13の左端面13aに対して所定の隙間を空けて対向配置されている。
壁部53〜55は、前記第1実施形態の壁板22、23と同様の合成樹脂材料、又は、薄い金属板で形成されている。また、壁部53〜55のゴム弾性体12、13に対向する面は、前記第1実施形態の当接面22a、23aと同じく、耐摩耗性に優れ、且つ、潤滑性の高い被膜によって被覆されている。
また、第1回転体1と第2回転体2との間の、第2ダンパ部材11の左側には、環状部材43が配置されている。環状部材43の内周縁部及び外周縁部には、それぞれ鍔部が形成されている。環状部材43の外周側の鍔部は、第1回転体1に嵌合固定されている。また、環状部材43の内周側の鍔部は、滑り軸受44を介して第2回転体2に連結されている。第1回転体1と第2回転体2との間の、環状部材43と転がり軸受5との間に形成された空間をゴム収容空間45とする。
環状部材43の内周側には、軸方向に延びる連通孔60が形成されている。また、第1回転体1には、ほぼ径方向に延びる連通孔61が形成されている。ゴム収容空間45は、連通孔60、61によって外部と連通している。連通孔60、61の数は、それぞれ1つであっても、複数であってもよい。また、連通孔60、61には、外部からの異物の侵入を防止するためのフィルタ(図示省略)がそれぞれ設けられている。
次に、プーリ構造体200Cの作用について説明する。
2つの回転体1、2が相対回転したとき、ゴム弾性体12、13の一方が、その延在方向に関して圧縮力を受け、他方がその延在方向に関して引張力を受ける。具体的には、第1回転体1の回転速度が第2回転体2の回転速度よりも速くなる場合、複数のゴム弾性体12は圧縮力を受け、複数のゴム弾性体13は引張力を受ける。逆に、第1回転体1の回転速度が第2回転体2の回転速度よりも遅くなる場合、複数のゴム弾性体12は引張力を受け、複数のゴム弾性体13は圧縮力を受ける。
第1回転体1の回転速度が第2回転体2の回転速度よりも速くなる場合について詳細に説明する。ゴム弾性体12は、その延在方向に圧縮されて縮むと同時に、軸方向に関して膨張し、周方向に関して図10に示すように変形する。ゴム弾性体12は、力を受けて変化しても容積は変化しないため、軸方向に膨張した分、周方向に関する隙間は大きくなる。一方、ゴム弾性体13は、その延在方向に引っ張られて伸び変形する。ゴム弾性体12、13が力を受けて変形することにより、2つの回転体1、2の回転変動が吸収されるととともに、2つの回転体1、2間でゴム弾性体12、13を介してトルクが伝達される。これにより、第1回転体1に巻き掛けられたベルト111のスリップや張力変動を防止することができる。
また、ゴム弾性体12が軸方向に膨張すると、ゴム弾性体12の左右両端面12a、12bと、壁部53、54との隙間が詰まり、左右両端面12a、12bが、壁部53、54とそれぞれ接触し、端面12a、12bと壁部53、54との間に摩擦力が生じる。さらにゴム弾性体12から壁部53、54に対する軸方向の力が大きくなると、摩擦力が増大し、ゴム弾性体12のそれ以上の変形が規制される。従って、ゴム弾性体12の耐久性が向上する。
一方、第1回転体1の回転速度が第2回転体2の回転速度よりも遅くなる場合、ゴム弾性体12、13の作用が上記の場合と逆になる。
また、例えば、ゴム弾性体12が引張力を受ける場合、ゴム弾性体13が圧縮力を受けて変形することによって回転変動が吸収されるため、ゴム弾性体12の受ける引張力は、ゴム弾性体13を設けない場合に比べて低減される。このように、ゴム弾性体12、13の一方が引張力を受けたとき、他方が圧縮力を受けるように構成されていることにより、ゴム弾性体12、13の受ける引張力を低減することができるため、ゴム弾性体12、13の耐久性が向上する。
また、例えば、ゴム弾性体12が引張力を受けるとき、壁部53、55によってゴム弾性体13の変形が規制されることにより、2つの回転体1、2のそれ以上の相対回転も規制されることとなる。これにより、ゴム弾性体12のそれ以上の伸び変形も規制される。このように、ゴム弾性体12、13に対してそれぞれ規制部材を設けることにより、ゴム弾性体12、13の一方が圧縮力を受けたときに、その変形を規制するだけでなく、引張力を受ける他方の伸び変形も規制することができるため、ゴム弾性体12、13の耐久性がより向上する。
また、ゴム弾性体12、13は、それぞれ延在方向に関して圧縮された状態で2つの回転体1、2の間に設置されている。そのため、例えば、ゴム弾性体12が引張力を受ける方向に2つの回転体1、2が相対回転したとき、無負荷状態で設置された場合に比べて、ゴム弾性体12の引張応力を低減することができる。この場合、ゴム弾性体13の圧縮応力は、無負荷状態で設置されている場合に比べて大きくなるが、一般的に、ゴムは圧縮には強いが、引張には破断しやすく弱い。従って、ゴム弾性体12、13に作用する引張応力を低減することによって、ゴム弾性体12、13の耐久性を向上させることができる。
また、ゴム弾性体12、13が、それぞれ延在方向に圧縮状態で設置されることにより、無負荷状態で設置される場合に比べて、安定して圧縮変形しやすくなる。そのため、ゴム弾性体12、13は、2つの回転体1、2の回転変動を確実に吸収することができる。
また、ゴム弾性体12、13は、延在方向(圧縮方向)と直交する断面の面積がほぼ一定となるように設定されているため、延在方向に圧縮力を受けたとき、圧縮応力がほぼ均一となる。
また、複数のゴム弾性体12のうち、隣接する2つのゴム弾性体12の対向する側面12c、12dの間の隙間が比較的小さいため、ゴム弾性体12が圧縮力を受けたときに座屈しにくくなる。ゴム弾性体13についても同様の効果が得られる。
また、ゴム弾性体12、13は変形を繰り返すことにより発熱する。ここで、ゴム収容空間45は、連通孔60、61によって外部と連通しているため、回転体1、2が回転するとき、遠心力によって、外部の空気が連通孔60からゴム収容空間45内に吸い込まれて、連通孔61から排出される。つまり、ゴム収容空間45内において、第2回転体2側から第1回転体1側へ向かう空気の流れが生じる。この空気の流れによって、ゴム弾性体12、13が冷却されるため、熱による劣化を防止することができる。
尚、ゴム弾性体12、13は、本実施形態では、それぞれ延在方向に圧縮された状態で2つの回転体1、2の間に配置されているが、無負荷状態で配置されていてもよい。
また、無負荷状態のゴム弾性体12、13の径方向長さは、金属リング40の外周面から金属リング41、42の内周面までの径方向に関する距離よりも若干大きく形成され、ゴム弾性体12、13は、径方向に関して圧縮された状態で金属リング40と金属リング41、42の間に設置されていてもよい。
また、ゴム弾性体12、13の端面12a、13bは、本実施形態では、軸方向に直交するように形成されているが、それぞれ端面13a、12bと同様の形状に形成されていてもよい。即ち、ゴム弾性体12、13は、軸方向断面が略円錐台状に形成されていてもよい。但し、この場合、端面12a、13bに対して、2つの規制部材が必要となる。一方、本実施形態では、端面12a、13bに対して、1つの規制部材50を共有できるので、プーリ構造体200Cの部品数を減らすことができ、且つ、軽量化することができる。この点においては、本実施形態の方が好ましい。
また、壁部53〜55のゴム弾性体12、13に対向する面は、本実施形態では、潤滑性の高い被膜で覆われているが、前記被膜の代わりにゴムに対する摩擦係数が高くなる表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、例えば、ショットブラスト、酸化皮膜処理などが挙げられる。これにより、例えば、ゴム弾性体12が圧縮力を受けて、壁部53、54に接するとき、ゴム弾性体12と壁部53、54との間により大きな摩擦力が生じ、ゴム弾性体12の変形量が本実施形態よりも小さい段階で、ゴム弾性体12の変形が規制される。従って、ゴム弾性体12の耐久性がより向上する。
また、ゴム弾性体12、13は、2つの回転体1、2の一方に固定され、他方に対して摺動可能に構成されていてもよい。この場合、ゴム弾性体12、13の前記他方の回転体側の面は、耐摩耗性の高い帆布等で被覆される。
以上、本発明の好適な実施形態として、第1実施形態乃至第4実施形態を説明したが、前記第1実施形態乃至第3実施形態のプーリ構造体は、ダンパ部材3の代わりに、第4実施形態の第1ダンパ部材10を備える構成であってもよい。
第1実施形態第1実施形態乃至第4実施形態のプーリ構造体200、200A、200B、200Cは、オルタネータの駆動軸103に連結されるものに限定されない。例えば、エアコンプレッサーの駆動軸104や、パワーステアリングの駆動軸105、ウォーターポンプの駆動軸106に連結されてもよい。
自動車の補機駆動システムの構成を示す概略図である。 本発明の第1実施形態に係るプーリ構造体の軸方向断面図である。 図2のIII−III線断面図である (a)はゴム弾性体が圧縮力を受けた状態の断面図であり、(b)はゴム弾性体が引張力を受けた状態の断面図である。 ゴム弾性体の応力と歪みの関係を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係るプーリ構造体の軸方向断面図である。 本発明の第3実施形態に係るプーリ構造体の断面図であり、図3に相当する図である。 本発明の第4実施形態に係るプーリ構造体の軸方向断面図である。 図8のIX−IX 線断面図である。 ゴム弾性体が圧縮力を受けた状態の断面図である。
符号の説明
100 補機駆動システム
101 クランク軸(出力軸)
102 プーリ(第1プーリ)
103、104、105、106 駆動軸(補機駆動軸)
107、108、109、110 プーリ(第2プーリ)
111 ベルト
200、200A、200B、200C プーリ構造体
1 第1回転体
2 第2回転体
3 ダンパ部材(第1ダンパ部材)
4 ゴム弾性体(第1ゴム弾性体)
4a、4b 端面
8 帆布(被覆材)
20、21 規制部材
22、23 壁板
30 変形吸収部材
10 第1ダンパ部材
11 第2ダンパ部材
2 ゴム弾性体(第1ゴム弾性体)
13 ゴム弾性体(第2ゴム弾性体)
12a、12b、13a、13b 端面
50、51、52 規制部材
53、54、55 壁部

Claims (12)

  1. ベルトが巻き掛けられる筒状の第1回転体と、
    前記第1回転体の内側に、前記第1回転体に対して相対回転可能に設けられた筒状の第2回転体と、
    前記第1回転体と前記第2回転体との間に、前記回転体の周方向に関して並んで配置された複数の第1ゴム弾性体からなる第1ダンパ部材と、
    前記回転体の軸方向に関して前記第1ゴム弾性体の少なくとも一方側に配置された規制部材と、
    を備え、
    前記第1回転体が前記第2回転体に対して所定の方向に相対回転したときに、前記複数の第1ゴム弾性体がそれぞれ圧縮力を受ける一方、前記第1回転体が前記第2回転体に対して前記所定の方向と反対方向に相対回転したときに、前記複数の第1ゴム弾性体がそれぞれ引張力を受けるように構成されており、
    前記規制部材は、前記第1ゴム弾性体が前記圧縮力を受けて、前記軸方向に関して膨張変形したときに、前記第1ゴム弾性体と接触することにより、前記第1ゴム弾性体のそれ以上の変形を規制することを特徴とするプーリ構造体。
  2. ベルトが巻き掛けられる筒状の第1回転体と、
    前記第1回転体の内側に、前記第1回転体に対して相対回転可能に設けられた筒状の第2回転体と、
    前記第1回転体と前記第2回転体との間に、前記回転体の周方向に関して並んで配置された複数の第1ゴム弾性体からなる第1ダンパ部材と、
    前記第1回転体と前記第2回転体との間に、それぞれ前記回転体の軸方向に関して前記第1ダンパ部材に隣接するとともに、前記回転体の周方向に関して並んで配置された複数の第2ゴム弾性体からなる第2ダンパ部材と、
    を備え、
    前記第1回転体が前記第2回転体に対して所定の方向に相対回転したときに、前記複数の第1ゴム弾性体がそれぞれ圧縮力を受けるとともに、前記複数の第2ゴム弾性体がそれぞれ引張力を受ける一方、前記第1回転体が前記第2回転体に対して前記所定の方向と反対方向に相対回転したときに、前記複数の第1ゴム弾性体がそれぞれ引張力を受けるとともに、前記複数の第2ゴム弾性体がそれぞれ圧縮力を受けるように構成されていることを特徴とするプーリ構造体。
  3. ベルトが巻き掛けられる筒状の第1回転体と、
    前記第1回転体の内側に、前記第1回転体に対して相対回転可能に設けられた筒状の第2回転体と、
    前記第1回転体と前記第2回転体との間に、前記回転体の周方向に関して並んで配置された複数の第1ゴム弾性体からなる第1ダンパ部材と、
    を備え、
    前記第1回転体が前記第2回転体に対して所定の方向に相対回転したときに、前記複数の第1ゴム弾性体がそれぞれ圧縮力を受ける一方、前記第1回転体が前記第2回転体に対して前記所定の方向と反対方向に相対回転したときに、前記複数の第1ゴム弾性体がそれぞれ引張力を受けるように構成されており、
    前記複数の第1ゴム弾性体が、前記第1回転体と前記第2回転体のうち、何れか一方の回転体に固定されており、他方の回転体に対して摺動可能であることを特徴とするプーリ構造体。
  4. ベルトが巻き掛けられる筒状の第1回転体と、
    前記第1回転体の内側に、前記第1回転体に対して相対回転可能に設けられた筒状の第2回転体と、
    前記第1回転体と前記第2回転体との間に、前記回転体の周方向に関して並んで配置された複数の第1ゴム弾性体からなる第1ダンパ部材と、
    前記第1ゴム弾性体の弾性率よりも低い弾性率を有する材料からなり、前記複数の第1ゴム弾性体のうち、前記周方向に関して隣接する2つのゴム弾性体の隙間に介在する複数の変形吸収部材と、
    を備え、
    前記第1回転体が前記第2回転体に対して所定の方向に相対回転したときに、前記複数の第1ゴム弾性体がそれぞれ圧縮力を受ける一方、前記第1回転体が前記第2回転体に対して前記所定の方向と反対方向に相対回転したときに、前記複数の第1ゴム弾性体がそれぞれ引張力を受けるように構成されていることを特徴とするプーリ構造体。
  5. 前記複数の第1ゴム弾性体が、それぞれ前記回転体の径方向に対して、前記周方向に傾いて延在していることを特徴とする請求項1、3、4のいずれかに記載のプーリ構造体。
  6. 前記複数の第1ゴム弾性体及び第2ゴム弾性体が、それぞれ前記回転体の径方向に対して、前記周方向に傾いて延在しており、
    記複数の第1ゴム弾性体と、前記複数の第2ゴム弾性体の、前記径方向に対する傾斜方向が、互いに反対方向であることを特徴とする請求項に記載のプーリ構造体。
  7. 前記回転体の軸方向に関して、前記第1ゴム弾性体の少なくとも一方側、及び、前記第2ゴム弾性体の少なくとも一方側に配置された規制部材を備え、
    前記規制部材は、前記第1ゴム弾性体が前記圧縮力を受けて、前記軸方向に関して膨張変形したときに、前記第1ゴム弾性体と接触することにより、前記第1ゴム弾性体のそれ以上の変形を規制するとともに、前記第2ゴム弾性体が前記圧縮力を受けて、前記軸方向に関して膨張変形したときに、前記第2ゴム弾性体と接触することにより、前記第2ゴム弾性体のそれ以上の変形を規制することを特徴とする請求項又はに記載のプーリ構造体。
  8. 前記複数の第2ゴム弾性体が、前記第1回転体と前記第2回転体のうち、何れか一方の回転体に固定されており、他方の回転体に対して摺動可能であることを特徴とする請求項2、6、7の何れか記載のプーリ構造体。
  9. 前記複数の第1ゴム弾性体又は第2ゴム弾性体の前記他方の回転体側の面が、耐摩耗性の高い被覆材で被覆されていることを特徴とする請求項3又は8に記載のプーリ構造体。
  10. 前記第1ゴム弾性体又は第2ゴム弾性体が、前記第1回転体と前記第2回転体との間に、前記径方向に関して圧縮状態で設置されていることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載のプーリ構造体。
  11. 前記第2ゴム弾性体の弾性率よりも低い弾性率を有する材料からなり、前記複数の第2ゴム弾性体のうち、前記周方向に関して隣接する2つの第2ゴム弾性体の隙間に介在する複数の変形吸収部材を備えることを特徴とする請求項2、6〜8の何れかに記載のプーリ構造体。
  12. オルタネータを含む複数の補機を駆動する補機駆動システムであって、
    エンジンに連結された出力軸と、
    前記出力軸に設けられた第1プーリと、
    前記複数の補機にそれぞれ連結された複数の補機駆動軸と、
    前記複数の補機駆動軸にそれぞれ設けられた複数の第2プーリと、
    前記第1プーリ及び前記複数の第2プーリに亘って巻き掛けられるベルトと、
    を含み、
    前記複数の第2プーリのうち、少なくともオルタネータの補機駆動軸に設けられた第2プーリが、請求項1〜11の何れかに記載のプーリ構造体であることを特徴とする補機駆動システム。
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