JP5013611B2 - 半導体発光素子 - Google Patents

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Description

本発明は、主に光通信用半導体レーザ技術に係り、特に半導体発光素子に関する。
近年、インターネットの爆発的普及に見られるように扱われる情報量が飛躍的に増大しており、今後さらに加速すると考えられる。このため幹線系のみならず、各家庭やオフィスといった加入者系やLAN(Local Area Network)などのユーザに近い伝送路、さらには各機器間や機器内の配線へも光ファイバーが導入され、光による大容量情報伝送技術が極めて重要となる。
そして、安価で、距離を気にしないで光ネットワーク、光配線の大容量化を図るためには、光源としてシリカファイバーの伝送ロスが小さく整合性の良い1.3μm帯、1.55μm帯の面発光型半導体レーザ素子(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser:垂直空洞面発光型半導体レーザ素子)は極めて有望である。面発光型半導体レーザ素子は端面発光型レーザに比べて、低価格、低消費電力、小型、2次元集積化に向き、実際にGaAs基板上に形成できる0.85μm帯ではすでに高速LANである1Gbit/sのイーサネット(登録商標)などで実用化されている。
1.3μm帯ではInP基板上の材料系が一般的であり、端面発光型レーザでは実績がある。しかし、この従来の長波長帯半導体レーザでは、環境温度が室温から80℃になると動作電流が3倍にも増加する大きな欠点を持っている。また、面発光型半導体レーザ素子においては反射鏡に適した材料がないため高性能化は困難であり、実用レベルの特性が得られていないのが現状である。
このためInP基板上の活性層とGaAs基板上のAlGaAs/GaAs反射鏡を直接接合で張り合わせた構造により現状での最高性能が得られている(V.Jayaraman,J.C.Geske,M.H.MacDougalF.H.Peters,T.D.Lowes,and T.T.Char,Electron.Lett.,34,(14),pp.1405-1406,1998.(非特許文献1))。
しかしこの方法はコスト上昇を避けられないので量産性の点で問題があると考えられる。そこで最近、GaAs基板上に1.3μm帯を形成できる材料系が注目され、(Ga)InAs量子ドット、GaAsSbやGaInNAs(例えば、特開平6−37355号公報(特許文献1)参照)が研究されている。新材料GaInNAsはレーザ特性の温度依存性を極めて小さくすることができる材料として注目されている。
GaAs基板上GaInNAs系半導体レーザは、窒素添加によりバンドギャップが小さくなるのでGaAs基板上に1.3μm帯など長波長帯を形成できるようになる。In組成10%のとき窒素組成は約3%で1.3μm帯を形成できるが、窒素組成が大きいほどしきい値電流密度が急激に上昇するという問題がある。図15は、発明者が実験的に求めたしきい値電流密度の窒素組成依存性を示す図であり、横軸は窒素組成割合(%)を、縦軸はしきい値電流密度を示している。このようにしきい値電流密度が窒素組成が大きくなるに伴って急激に上昇する理由は、GaInNAs層の結晶性が窒素組成増加に伴い劣化するためである。
このため、如何にGaInNAsを高品質に成長するかが課題となる。このようなGaInNAsの結晶成長方法にはMOCVD法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition;有機金属化学気相成長法)やMBE法(Molecular Beam Epitaxy;分子線エピタキシャル成長法)が試みられている。
MOCVD法はMBE法のような高真空を必要とせず、またMBE法では原料供給をセルの温度を変えて制御するのに対して原料ガス流量を制御するだけでよく、また成長速度を高くすることができ、容易にスループットを上げられることから、極めて量産に適した成長方法である。実際に実用化されている0.85μm帯面発光型半導体レーザ素子の生産には全て(ほとんどの場合)MOCVD法が用いられている。
最近、この新規なGaInNAs系材料を用いた半導体レーザの報告が多数報告されるようになった。しかしこれらのほとんどの場合はMBE法によるものであった。また、特開平9−237942号公報(特許文献2)には面発光レーザの提案がされている。ごく最近は面発光型半導体レーザ素子についても報告されるようになった。1998年に日立(1.18μm)より最初の報告(M.C.Larson,M.Kondow,T.Kitatani,K.Nakahara,K.Tamura,H.Inoue,and K.Uomi,IEEE Photonics Technol.Lett.,10,pp.188-190,1998.(非特許文献2))があり、2000年にはStanford(1.215μm)、Sandia&Cielo(1.294μm)、東工大&リコー(1.262μm)、Infineon(1.285μm)から報告されている。
特開平6−37355号公報 特開平9−237942号公報 V.Jayaraman,J.C.Geske,M.H.MacDougalF.H.Peters,T.D.Lowes,and T.T.Char,Electron.Lett.,34,(14),pp.1405-1406,1998. M.C.Larson,M.Kondow,T.Kitatani,K.Nakahara,K.Tamura,H.Inoue,and K.Uomi,IEEE Photonics Technol.Lett.,10,pp.188-190,1998.
しかしながら、この新規なGaInNAs系面発光型半導体レーザ素子の報告は、量産に適したMOCVD法では1件報告があるのみで、その他は全てMBE法によって成長されたものであり、十分な特性を有するものとなっていない。特にMBE法により成長されたものはp側多層膜反射鏡の抵抗が極めて高いので、p側多層膜反射鏡を電流経路としない方法を用いたりしているが、結局、動作電圧が高くなってしまうなどの問題を有していた。しかしながらこのような問題を解消し量産に適したMOCVD法による新規なGaInNAs系面発光型半導体レーザ素子の製造方法、製造装置は未だ確立されていない。
そこで本発明は高品質で実用レベルの半導体発光素子を提供することを目的としている。
まず、MOCVD法によるGaInNAs系面発光型半導体レーザ素子の高性能化を阻んでいる原因について発明者等の実験結果について述べる。
図1は、一般的なMOCVD装置の概略を示す図である。MOCVD法は、少なくとも有機金属原料を一部に用い原料ガスの熱分解と被成長基板との表面反応により結晶成長させる気相成長方法である。
MOCVD装置は、同図に示すように、原料ガスが供給される原料ガス供給部Aと、被成長基板を加熱するための加熱手段(図示なし)と、加熱部(加熱体B)と、反応済みのガスを排気するための排気部(排気ポンプなど)Cを有した構成である。通常、空気が成長室(反応室)12に入らないように基板は基板出し入れ口11から入れ、排気部Cによる真空引き後に成長室(反応室)12に搬送される。原料ガス供給部Aは通常III族ラインA1とV族ラインA2に分けられている。図2では成長室(反応室)12入り口手前でIII族とV族原料が合流している。
成長室の圧力は50Torr〜100Torr程度の減圧がよく用いられる。その原料にはIII族原料として、Ga:TMG(トリメチルガリウム),TEG(トリエチルガリウム)、Al:TMA(トリメチルアルミニウム)、In:TMI(トリメチルインジウム)などの有機金属が用いられる。V族原料には、AsH(アルシン),TBA(ターシャルブチルアルシン)、PH(フォスフィン),TBP(ターシャルブチルフォスフィン)などの水素化物ガスや有機化合物が一般に用いられる。
キャリアガスには水素ガス(H)が通常用いられる。通常水素精製器を通して不純物を除去して供給している。そして窒素を含んだ半導体層の成長のための窒素の原料にはDMHy(ジメチルヒドラジン),MMHy(モノメチルヒドラジン)等の有機化合物を用いることができる。原料はこれに限られるものではない。
有機金属や有機窒素化合物のような液体または固体の原料は、バブラーに入れられてキャリアガスを通してバブリングすることで供給される。また、水素化物はガスシリンダーに入れられ供給される。図1ではTMG,TMA,TMIそしてDMHyがバブラー(液体、個体原料バブラー)を用い、AsH15とドーパントガス15’(図1では1種類のみ示している)がガスシリンダーを用いている。
原料ガスの経路はバルブ16で切り変え、供給量をMFC(マスフローコントローラー)等で制御することで必要な材料、組成を成長する。一般にIII族ラインA1、V族ラインA2ごとに、反応室にガスを供給するメインラインa1,b1と、排気ポンプに供給するベントラインa2,b2を有し、かつ、原料ラインの他にダミーライン(図中、ダミーライン#1〜#4参照)を設けてそれぞれメインラインa1,b1またはベントラインa2,b2のどちらか一方に合流するようにバルブ16を切り替え、メインラインa1,b1とベントラインa2,b2の圧力差をなくすことでガス流が極力乱れないようにしている。
なおメインラインa1,b1、ベントラインa2,b2、ダミーライン#1〜#4もキャリアガスが供給されている。複数の半導体層を有する半導体発光素子等を成長する場合、各層ごとに必要な原料をメインライン側に供給しキャリアガスを供給するダミーラインをベント側に供給し結晶成長が行われる。成長の厚さは原料ガスを供給する時間で制御する。これにより必要な構造を成長できるのでスループットは良く、量産向きな方法といえる。
図2は、このようなMOCVD装置で作製した窒素を含んだ半導体層であるGaInNAs量子井戸層とGaAsバリア層とからなるGaInNAs/GaAs 2重量子井戸構造からなる活性層からの室温フォトルミネッセンススペクトルを示す図である。
図3は、試料構造を示す図であり、GaAs基板101上に、下部クラッド層102、中間層103、窒素を含む活性層104、中間層103、上部クラッド層105が順次積層されている。
図2において、AはAlGaAsクラッド層上にGaAs中間層をはさんで2重量子井戸構造を形成した試料の室温フォトルミネッセンススペクトルであり、BはGaInPクラッド層上にGaAs中間層をはさんで2重量子井戸構造を連続的に形成した試料の室温フォトルミネッセンススペクトルである。
図2に示すように、試料Aでは試料Bに比べてフォトルミネッセンス強度が半分以下に低下している。従って、1台のMOCVD装置を用いてAlGaAs等のAlを構成元素として含む半導体層上に、GaInNAs等の窒素を含む活性層を連続的に形成すると、活性層の発光強度が劣化してしまうという問題が生じた。そのため、AlGaAsクラッド層上に形成したGaInNAs系レーザの閾電流密度は、GaInPクラッド層上に形成した場合に比べて数倍高くなってしまう。
次に、この原因について検討する。
図4は、図3に示した半導体発光素子の1例として、クラッド層をAlGaAsとし、中間層をGaAsとし、活性層をGaInNAs/GaAs2重量子井戸構造として構成した素子を1台のエピタキシャル成長装置(MOCVD)を用いて形成したときの、窒素と酸素濃度の深さ方向分布を示した図である。測定はSIMS(Secondary Ion-microprobe Mass Spectrometer(Spectrometry);二次イオン質量分析計(分析法))によって行った。
図5は、その測定条件を示す図である。図4において、GaInNAs/GaAs2重量子井戸構造に対応して、活性層中に2つの窒素ピークが見られる。そして、活性層において、酸素のピークが検出されている。しかし、NとAlを含まない中間層における酸素濃度は活性層の酸素濃度よりも約1桁低い濃度となっている。
一方、クラッド層をGaInPとし、中間層をGaAsとし、活性層をGaInNAs/GaAs2重量子井戸構造として構成した素子について、酸素濃度の深さ方向分布を測定した場合には、活性層中の酸素濃度はバックグラウンドレベルであった。
即ち、窒素化合物原料と有機金属Al原料を用いて、1台のエピタキシャル成長装置により、基板と窒素を含む活性層との間にAlを含む半導体層を設けた半導体発光素子を連続的に結晶成長すると、窒素を含む活性層中に酸素が取りこまれることが我々の実験により明らかとなった。活性層に取りこまれた酸素は非発光再結合準位を形成するため、活性層の発光効率を低下させてしまう。
この活性層に取りこまれた酸素が、基板と窒素を含む活性層との間にAlを含む半導体層を設けた半導体発光素子における発光効率を低下させる原因であることが新たに判明した。この酸素の起源は装置内に残留している酸素を含んだ物質、または窒素化合物原料中に不純物として含まれる酸素を含んだ物質と考えられる。
次に、酸素の取りこまれる原因について検討する。
図6は、図4と同じ試料のAl濃度の深さ方向分布を示した図である。測定はSIMSによって行った。図7は、その測定条件を示す図である。
図6より、本来Al原料を導入していない活性層において、Alが検出されている。しかし、Alを含む半導体層(クラッド層)に隣接した中間層(GaAs層)においては、Al濃度は活性層よりも約1桁低い濃度となっている。これは、活性層中のAlがAlを含む半導体層(クラッド層)から拡散,置換して混入したものではないことを示している。
一方、GaInPのようにAlを含まない半導体層上に窒素を含む活性層を成長した場合には、活性層中にAlは検出されなかった。
従って、活性層中に検出されたAlは、装置内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlが、窒素化合物原料または窒素化合物原料中の不純物(水分等)と結合して活性層中に取りこまれたものである。すなわち、窒素化合物原料と有機金属Al原料を用いて、1台のエピタキシャル成長装置により、基板と窒素を含む活性層との間にAlを含む半導体層を設けた半導体発光素子を連続的に結晶成長すると、窒素を含む活性層中に自然にAlが取りこまてしまうことが新たにわかった。
図6に示した同じ素子における、窒素と酸素濃度の深さ方向分布と比較すると、2重量子井戸活性層中の2つの酸素ピークプロファイルは、窒素濃度のピークプロファイルと対応しておらず、図6のAl濃度プロファイルと対応している。このことから、GaInNAs井戸層中の酸素不純物は、窒素原料と共に取りこまれるというよりも、むしろ井戸層中に取りこまれたAlと結合して一緒に取りこまれていることが明らかとなった。
即ち、成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlが窒素化合物原料と接触すると、Alと窒素化合物原料中に含まれる水分またはガスラインや反応室中に残留する水分などの酸素を含んだ物質とが結合して、活性層中にAlと酸素が取りこまれる。この活性層に取り込まれた酸素が活性層の発光効率を低下させていたことが我々の実験により初めて明らかとなった。
通常のMBE法で作製した場合には、基板と窒素を含む活性層との間にAlを含む半導体層を設けた半導体発光素子における発光効率低下については報告されていない。
MBE法は超減圧(高真空中)で結晶成長が行われるのに対して、MOCVD法は通常数10Torrから大気圧程度と、MBE法に比べて反応室の圧力が高いため、平均自由行程が圧倒的に短く、供給された原料やキャリアガス等が反応室等でAl系残留物と接触、反応するためと考えられる。
よって、MOCVD法のように、反応室やガスラインの圧力が高い成長方法の場合、これを改善するためには、少なくとも装置内に残留したAlが窒素を含む活性層成長時に酸素とともに膜中に取りこまれないように、Al系残留物を除去する工程が必要なことがわかった。
以上のことを考慮し、本発明では、上記目的を達成するために、次のような構成を採用したことを特徴としている。
(1)本発明の関連技術である半導体発光素子の製造方法は、基板と窒素を含む活性層との間にAlを含む半導体層を設けた半導体発光素子の製造方法において、上記Alを含む半導体層と窒素を含む活性層はそれぞれ有機金属Al原料と窒素化合物原料を用いて成長されるとともに、Alを含む半導体層成長後と窒素を含む活性層の成長開始との間に、成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlをエッチングガスで除去する工程を設けたことを特徴としている。
上述の説明のようにAl系残留物が非発光再結合の原因となる酸素を、窒素を含んだ活性層に取りこむ原因となっているので、Alを含んだ半導体層成長後、窒素を含んだ活性層成長の前までに、反応室側壁、加熱体、基板を保持する治具等に残留しているAl系残留物と反応し除去することのできるガスを反応室に供給することで、活性層への酸素の取り込みを抑えることができる。
この手法により窒素を含む活性層中のAl濃度を1×1019cm−3以下に低減することにより、室温連続発振が可能となった。さらに、窒素を含む活性層中のAl濃度を2×1018cm−3以下に低減することにより、Alを含まない半導体層上に形成した場合と同等の発光特性が得られた。
図8は、AlGaAsをクラッド層(Alを含む層)とし、GaInNAs2重量子井戸構造(窒素を含む層)を活性層としたブロードストライプレーザを試作して閾電流密度を評価した結果を示している。Alを構成元素として含む半導体層に、窒素を含む活性層を連続的に形成した構造においては、活性層中に2×1019cm−3以上のAl及び1×1018cm−3以上の酸素が取りこまれており、閾電流密度は10kA/cm2以上と著しく高い値となった。
しかし、活性層中のAl濃度を1×1019cm−3以下に低減することにより、活性層中の酸素濃度が1×1018cm−3以下に低減され、閾電流密度2〜3kA/cmでブロードストライプレーザが発振した。ブロードストライプレーザの閾電流密度が数kA/cm以下の活性層品質であれば、室温連続発振が可能である。従って、窒素を含む活性層中のAl濃度を1×1019cm−3以下に抑制することにより、室温連続発振可能な半導体レーザを作製することが可能である。
(2)本発明の関連技術である半導体発光素子の製造方法は、成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlをエッチングガスで除去する工程は、有機系窒素化合物ガスを成長室内に供給する工程であることを特徴とする。
Al系残留物と反応し除去することのできるガスの1例として有機系化合物ガスが上げられる。上述のように窒素を含んだ活性層成長時に有機系化合物ガスの一つであるDMHyガスをDMHyシリンダーを用いて供給するとAl系残留物と反応することは明らかである。
よってAlを含んだ半導体層成長後、窒素を含んだ活性層成長の前までに、有機系化合物ガスシリンダーを用いて有機系化合物ガスを供給すると反応室側壁、加熱体、基板を保持する治具等に残留しているAl系残留物と反応し除去することのできるので、活性層への酸素の取り込みを抑えることができる。更に窒素を含む活性層の窒素原料と同じガスを用いると、特別にガスラインを追加する必要がないので好ましい。
(3)本発明の関連技術である半導体発光素子の製造方法は、上記成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlをエッチングガスで除去する工程は、酸素(O)を含んだガスを成長室内に供給する工程であることを特徴としている。
Al系残留物と反応し除去することのできるガスの1例としてO,HO等酸素を含んだガスが上げられる。上述のように窒素を含んだ活性層成長時にAlとともに酸素が活性層に取りこまれることがわかっている。よってO,HO等酸素を含んだガスはAl系残留物と反応することがわかる。
したがってAlを含んだ半導体層成長後、窒素を含んだ活性層成長の前までに、O,HO等酸素を含んだガスを供給すると反応室側壁、加熱体、基板を保持する治具等に残留しているAl系残留物と反応し除去することのできるので、活性層への酸素の取り込みを抑えることができる。よって活性層への酸素の取り込みを抑えることができる。
図6のSIMSプロファイルを見るとわかるように窒素を含んだ活性層の1層目に多くのAlが取りこまれていて2層目にはほとんど取り込まれないことから、ごくわずかの酸素を含んだガスを供給するだけでAl系残留物を除去することができる。もちろん過剰に供給した酸素を含んだガスは活性層成長前に除去する必要があるので、あまり過剰にならない適量を供給することが望ましい。逆に酸素を含んだガスの除外が困難になるからである。
(4)本発明に係る半導体発光素子は、上記製造方法により形成された半導体発光素子において、上記成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlをエッチングガスで除去する工程を行った半導体領域と窒素を含む活性層との間にGaIn1-xAs(0<x≦1,0<y≦1)層を成長することを特徴としている。
上記成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlをエッチングガスで除去する工程は、例えば成長中断して行うことができる。この場合、エピ基板表面にはエッチングガス等によるダメージを受け欠陥が発生する可能性がある。もしこの界面が、キャリアが注入される活性領域であれば、非発光再結合中心となり発光素子動作時発光効率を落としてしまう。
成長中断時の表面材料のバンドギャップエネルギーより高いバンドギャップエネルギーを有するGaIn1-xAs(0<x≦1,0<y≦1)層を窒素を含む活性層との間に成長すると、エッチングガスで除去するための成長中断界面への注入キャリアはほとんどなくなるので発光効率を落とすことはなくなる。この成長中断界面をSIMS分析すれば、酸素(O)または窒素(N)またはアルミニューム(Al)が観察されるであろう。なお、Alと窒素を含まず、成長中断時の表面材料のバンドギャップエネルギーより高いバンドギャップエネルギーを有していれば他の材料でもかまわない。
(5)本発明に係る半導体発光素子は、基板と窒素を含む活性層との間にAlを含む半導体層を設けた半導体発光素子において、Alを含む半導体層と窒素を含む活性層との間に、活性層に直接接しない窒素を含む半導体層が形成されていることを特徴としている。
上記成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlをエッチングガスで除去する工程は、結晶成長により行うことができる。たとえば上記Alを含む半導体層と窒素を含む活性層の間に中間層として窒素とAlを含まない半導体層を設け、その途中で少なくともIII族原料と同時に上記エッチングガスであるDMHyガス等有機系窒素化合物ガスを供給すると、Alと酸素を取りこむ形で窒素を含む半導体層が成長される。これにより成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlを除去できるので、活性層への酸素の取り込みを抑えることができる。
この場合、窒素を含む半導体層は活性層のバンドギャップより大きいバンドギャップとなるように条件を設定する必要がある。また窒素を含む半導体層には非発光再結合センターの原因となる酸素が取りこまれることから、活性層と直接接しない方が好ましい。
本構成の半導体発光素子によれば、Alを含む半導体層と窒素を含む活性層との間に窒素を含む半導体層が形成されている。つまり、成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlをエッチングガスで除去する工程を、窒素の原料としてDMHy等有機系窒素化合物ガスを供給して窒素を含む半導体層を結晶成長しながら行っているので、Alと酸素を取りこむ形で窒素を含む半導体層が成長される。
これにより成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlを除去できるので、活性層への酸素の取り込みを抑えることができ、発光効率を高くできた。半導体レーザの場合しきい値電流を充分低いものとすることができた。
(6)本発明に係る半導体発光素子は、上記半導体発光素子において、窒素を含む半導体層と窒素を含む活性層との間に窒素を含む半導体層よりバンドギャップエネルギーが大きい半導体層が形成されていることを特徴としている。
前記成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlを除去する工程は、窒素を含む半導体層の成長であり、Alと酸素を膜中に取りこむ。窒素を含む半導体層がキャリアが注入される活性領域内にあれば、酸素が非発光再結合中心となり発光素子動作時発光効率を落としてしまう。窒素を含む半導体層と窒素を含む活性層との間に窒素を含む半導体層よりバンドギャップエネルギーが高くAlと窒素を含まない半導体層が形成されていると、窒素を含む半導体層への注入キャリアはほとんど無くなるので発光効率を落とすことは無くなる。
本構成の半導体発光素子によれば、発光素子動作時発光効率を落としてしまう非発光再結合中心となる酸素が膜中に取りこまれた窒素を含む半導体層と窒素を含む活性層との間に窒素を含む半導体層よりバンドギャップエネルギーの高い半導体層を形成したので、窒素を含む半導体層へのキャリア注入を抑制でき、発光効率低下を抑制できるので発光効率を高くできた。半導体レーザの場合しきい値電流を充分低いものとすることができた。
(7)本発明に係る半導体発光素子は、基板と窒素を含む活性層との間にAlを含む半導体層を設けた半導体発光素子において、Alを含む半導体層と窒素を含む活性層との間にGaNAs層またはGaInNAs層が形成されていることを特徴としている。
上記成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlをエッチングガスで除去する工程は、結晶成長しながら行うことができる。たとえば上記Alを含む半導体層と窒素を含む活性層の間に中間層として窒素とAlを含まないGaAsを設ける場合、GaAs層またはGaInAs層成長途中に上記エッチングガスであるDMHyガスを供給すると、Alと酸素を取りこむ形でGaNAs層またはGaInNAs層が成長される。
これにより成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlを除去できるので、活性層への酸素の取り込みを抑えることができる。この場合、GaNAs層またはGaInNAs層は活性層のバンドギャップより大きいバンドギャップとなるように条件を設定する必要がある。例えばDMHy気相比:[DMHy]/([DMHy]+[AsH])を小さくすること、成長温度を高くすること、In組成を大きくすることにより窒素のとりこまれは低減する。
(8)本発明に係る半導体発光素子は、上記半導体発光素子において、GaNAs層またはGaInNAs層と窒素を含む活性層との間にGaAs,GaInAs,GaAsP,GaInPAs,GaInP層のいずれかが形成されていることを特徴としている。
上述したように成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlを除去する工程は、GaNAs層またはGaInNAs層成長であり、Alと酸素を膜中に取りこむ。GaNAs層またはGaInNAs層がキャリアが注入される活性領域内にあれば、酸素が非発光再結合中心となり発光素子動作時発光効率を落としてしまう。
GaNAs層またはGaInNAs層と窒素を含む活性層との間にGaNAs層またはGaInNAs層よりバンドギャップエネルギーが高くAlと窒素を含まないGaAs,GaInAs,GaAsP,GaInPAs,GaInP層のいずれかが形成されていると、GaNAs層またはGaInNAs層への注入キャリアはほとんどなくなるので発光効率を落とすことはなくなる。
(9)本発明に係る半導体発光素子は、基板と窒素を含む活性層との間にAlを含む半導体層を設けた半導体発光素子において、Alを含む半導体層と窒素を含む活性層との間にGaInNP層またはGaInNPAs層が形成されていることを特徴としている。
上記成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlをエッチングガスで除去する工程は、結晶成長しながら行うことができる。たとえば上記Alを含む半導体層と窒素を含む活性層の間に中間層として窒素とAlを含まないGaInP層またはGaInPAs層を設ける場合、中間層成長途中に上記エッチングガスであるDMHyガスを供給すると、Alと酸素を取りこむ形でGaInNP層またはGaInNPAs層が成長される。
これにより成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlを除去できるので、活性層への酸素の取り込みを抑えることができる。この場合、活性層のバンドギャップより大きいバンドギャップとなるように条件を設定する必要がある。例えばDMHy気相比:[DMHy]/([DMHy]+[AsH]+[PH])を小さくすること、成長温度を高くすることにより窒素のとりこまれは低減する。
(10)本発明に係る半導体発光素子は、上記半導体発光素子において、GaInNP層またはGaInNPAs層と窒素を含む活性層との間にGaInNP層またはGaInNPAs層よりバンドギャップエネルギーの大きいGaAsP,GaInPAs,GaInP層が形成されていることを特徴としている。
上述したように成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlを除去する工程は、GaInNP層またはGaInNPAs層成長であり、Alと酸素を膜中に取りこむ。GaInNP層またはGaInNPAs層がキャリアが注入される活性領域内にあれば、酸素が非発光再結合中心となり発光素子動作時発光効率を落としてしまう。
GaInNP層またはGaInNPAs層と窒素を含む活性層との間にGaInNP層またはGaInNPAs層よりバンドギャップエネルギーが高くAlと窒素を含まない,GaAsP,GaInPAs,GaInP層のいずれかが形成されていると、GaInNP層またはGaInNPAs層への注入キャリアはほとんどなくなるので発光効率を落とすことはなくなる。
(11)本発明の関連技術である面発光型半導体レーザ素子は、上記半導体発光素子の製造方法、または上記に記載の構成を用いて形成されたことを特徴としている。
窒素を含んだ活性層はGaNAs,GaInNAs,InNAs,GaAsNSb,GaInNAsSb,GaInNPAs等が上げられる。例えばGaInNAsについて以下説明する。GaAsより格子定数が大きいGaInAsにNを添加することで、GaInNAsはGaAsに格子整合させることが可能となるとともに、そのバンドギャップが小さくなり、1.3μm、1.55μm帯での発光が可能となる。GaAs基板格子整合系なので、ワイドギャップのAlGaAsやGaInPをクラッド層に用いることができる。
さらに、Nの添加により上記のようにバンドギャップが小さくなるとともに、伝導帯、価電子帯のエネルギーレベルがともに下がり、ヘテロ接合における伝導帯のバンド不連続が極めて大きくなる結果レーザの動作電流の温度依存性を極めて小さくできる。
さらに、面発光型半導体レーザ素子は、小型、低消費電力及び2次元集積化による並列伝送に有利である。面発光型半導体レーザ素子は従来のGaInPAs/InP系では実用化に絶え得る性能を得るのは困難であるが、GaInNAs系材料によるとGaAs基板を用いた0.85μm帯面発光型半導体レーザ素子などで実績のあるAl(Ga)As/(Al)GaAs系半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡や、AlAsの選択酸化による電流狭さく構造が適用できるので、実用化が期待できる。
これを実現するためにはGaInNAs活性層の結晶品質の向上や、多層膜反射鏡の低抵抗化、面発光型半導体レーザ素子としての多層膜構造体の結晶品質や制御性の向上が重要であったが、本発明の請求項1から3のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法、または請求項4から8のいずれかに記載の構成を用いているので、低抵抗で駆動電圧が低く、発光効率が高く低しきい値電流動作し、温度特性が良い面発光型半導体レーザ素子を容易に低コストで実現できる。
(12)本発明の関連技術である面発光型半導体レーザ素子は、上記成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlをエッチングガスで除去する工程を行った半導体領域と窒素を含む活性層との間にGaIn1-xAs(0<x≦1,0<y≦1)層が設けられ、上記エッチングガスで除去する工程を行う領域は半導体分布ブラッグ反射鏡部分としたことを特徴とする上述した半導体発光素子の製造方法を用いて形成されたことを特徴としている。
キャリアが注入される活性領域中で除去工程を設けると、酸化等により非発光再結合が生じ発光効率を落とす可能性があるが、請求項12のように成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlをエッチングガスで除去する工程を行った後、活性層を成長する前に反射鏡の低屈折率層の一部としてGaIn1-xAs(0<x≦1,0<y≦1)層を成長した構造とすると、GaIn1-xAs(0<x≦1,0<y≦1)より活性層に近い領域で、ナローギャップの材料(例えばGaAs)を用いて活性領域を形成することが可能となるので上記発光効率低下の心配はなく、Al系残留物除去工程を行った領域での非発光再結合センターによる素子性能への影響をなくすることができ、低しきい値電流動作し、温度特性が良い面発光型半導体レーザ素子を得ることができる。
(13)本発明の関連技術である面発光型半導体レーザ素子は、上記成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlをエッチングガスで除去する工程を行う半導体領域と窒素を含む活性層との間にGaIn1−xAs(0<x≦1,0<y≦1)層が設けられ、上記エッチングガスで除去する工程を行う領域は共振器部分としたことを特徴とする上述した半導体発光素子の製造方法を用いて形成されたことを特徴としている。
成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlをエッチングガスで除去する工程は、Alを含んだ下部反射鏡と窒素を含んだ活性層の間であれば良く、共振器内でも良い。ただしキャリアが注入される活性領域中で除去工程を設けると、酸化等により非発光再結合が生じ発光効率を落とす可能性があるが、共振器部分で成長中断して、成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlをエッチングガスで除去する工程を行った後、活性層を成長する前にGaInP、またはGaPAs、またはGaInPAs層を成長した構造とすると、GaInP、またはGaPAs、またはGaInPAs層より活性層に近い領域で、ナローギャップの材料(例えばGaAs)を用いて活性領域を形成することが可能となるので、共振器内で成長中断しても上記発光効率低下の心配はなく、Al系残留物除去工程を行った領域での非発光再結合センターによる素子性能への影響を無くすることができ、低しきい値電流動作し、温度特性が良い面発光型半導体レーザ素子を得ることができる。
本構成の半導体発光素子によれば、成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlをエッチングガスで除去する工程を行った半導体領域と窒素を含む活性層との間にGaInP、またはGaPAs、またはGaInPAs層を形成したので、エッチングガスで除去する工程中に発生したダメージや、成長中断により酸素の取りこまれが発生し非発光再結合中心が形成された半導体領域のバンドギャップより大きいバンドギャップを有する半導体層が活性層との間にあるので、非発光再結合中心が形成された半導体領域への注入キャリアを低減でき、発光効率低下を抑制できるので発光効率を高くできた。半導体レーザの場合しきい値電流を充分低いものとすることができた。
(14)本発明の関連技術である光送信モジュールは、上述した面発光型半導体レーザ素子を光源として用いたことを特徴としている。
上記の如き低抵抗で駆動電圧が低く、低しきい値電流動作し、温度特性が良い面発光型半導体レーザ素子を用いることによって、冷却素子が不要な低コストな光送信モジュールを実現することができる。
(15)本発明の関連技術である光送受信モジュールは、上述した面発光型半導体レーザ素子を光源として用いたことを特徴としている。
上記の如き低抵抗で駆動電圧が低く、低しきい値電流動作し、温度特性が良い面発光型半導体レーザ素子を用いることによって、冷却素子が不要な低コストな光送受信モジュールを実現することができる。
(16)本発明の関連技術である光通信システムは、上述した面発光型半導体レーザ素子を光源として用いたことを特徴としている。
上記の如き低抵抗で駆動電圧が低く、低しきい値電流動作し、温度特性が良い面発光型半導体レーザ素子を用いることによって、冷却素子不要な低コストな光ファイバー通信システム、光インターコネクションシステムなどの光通信システムを実現することができる。
本発明によれば、高品質で実用レベルのGaInNAs等窒素を含んだ活性層を用いた半導体発光素子実現できる。
さらに詳しくは、
(1)本発明の関連技術である半導体発光素子の製造方法によれば、Alを含んだ半導体層成長後、窒素を含んだ活性層成長の前までに、反応室側壁、加熱体、基板を保持する治具等に残留しているAl系残留物と反応し除去することのできるガスを反応室に供給したので、活性層への酸素の取り込みを抑えることができ、発光効率が高い半導体発光素子を形成できた。
(2)本発明の関連技術である半導体発光素子の製造方法によれば、Alを含んだ半導体層成長後、窒素を含んだ活性層成長の前までに、エッチングガスとしてDMHy等有機系窒素化合物原料シリンダーを用いてを成長室内に供給したので、成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlと反応するので、反応室側壁、加熱体、基板を保持する治具等に残留しているAl系残留物と反応し除去することができ、活性層への酸素の取り込みを抑えることができた。これにより発光効率が高い半導体発光素子を形成できた。
(3)本発明の関連技術である半導体発光素子の製造方法によれば、Alを含んだ半導体層成長後、窒素を含んだ活性層成長の前までに、エッチングガスとして酸素(O)を含んだガスを成長室内に供給したので、成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlと反応するので、反応室側壁、加熱体、基板を保持する治具等に残留しているAl系残留物と反応し除去することができ、活性層への酸素の取り込みを抑えることができた。これにより発光効率が高い半導体発光素子を形成できた。
(4)本発明に係る半導体発光素子によれば、成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlをエッチングガスで除去する工程を行う半導体領域と窒素を含む活性層との間にGaIn1-xAs(0<x≦1,0<y≦1)層を形成したので、エッチングガスで除去する工程中に発生したダメージや、酸素の取りこまれが発生し非発光再結合中心が形成された半導体領域のバンドギャップより大きいバンドギャップを有する半導体層が活性層との間にあるので、非発光再結合中心が形成された半導体領域への注入キャリアを低減でき、発光効率低下を抑制できるので発光効率を高くできた。半導体レーザの場合しきい値電流を充分低いものとすることができた。
(5)本発明に係る半導体発光素子によれば、成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlを除去できるので、活性層への酸素の取り込みを抑えることができ、発光効率を高くできる。半導体レーザの場合しきい値電流を充分低いものとすることができる。
(6)本発明に係る半導体発光素子によれば、窒素を含む半導体層へのキャリア注入を抑制でき、発光効率低下を抑制できるので発光効率を高くできる。また半導体レーザの場合しきい値電流を充分低いものとすることができる。
(7)本発明に係る半導体発光素子によれば、Alを含む半導体層と窒素を含む活性層との間にGaNAs層またはGaInNAs層が形成されている。つまり、成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlをエッチングガスで除去する工程を、窒素の原料としてDMHy等有機系窒素化合物ガスを供給してGaNAs層またはGaInNAs層を結晶成長しながら行っている。
GaAs層またはGaInAs層成長途中に有機系窒素化合物ガスを供給すると、Alと酸素を取りこむ形でGaNAs層またはGaInNAs層が成長される。これにより成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlを除去できるので、活性層への酸素の取り込みを抑えることができ、発光効率を高くできた。半導体レーザの場合しきい値電流を充分低いものとすることができた。
(8)本発明に係る半導体発光素子によれば、発光素子動作時発光効率を落としてしまう非発光再結合中心となる酸素が膜中に取りこまれたGaNAs層またはGaInNAs層と窒素を含む活性層との間にGaNAs層またはGaInNAs層よりバンドギャップエネルギーの高いGaAs,GaInAs,GaAsP,GaInPAs,GaInP層のいずれかを形成したので、GaNAs層またはGaInNAs層へのキャリア注入を抑制でき、発光効率低下を抑制できるので発光効率を高くできた。半導体レーザの場合しきい値電流を充分低いものとすることができた。
(9)本発明に係る半導体発光素子によれば、Alを含む半導体層と窒素を含む活性層との間にGaInNP層またはGaInNPAs層が形成されている。つまり、成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlをエッチングガスで除去する工程を、窒素の原料としてDMHy等有機系窒素化合物ガスを供給してGaInNP層またはGaInNPAs層を結晶成長しながら行っている。GaInP層またはGaInPAs層成長途中に有機系窒素化合物ガスを供給すると、Alと酸素を取りこむ形でGaInNP層またはGaInNPAs層が成長される。
これにより成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlを除去できるので、活性層への酸素の取り込みを抑えることができ、発光効率を高くできた。半導体レーザの場合しきい値電流を充分低いものとすることができた。
(10)本発明に係る半導体発光素子によれば、発光素子動作時発光効率を落としてしまう非発光再結合中心となる酸素が膜中に取りこまれたGaInNP層またはGaInNPAs層と窒素を含む活性層との間にGaInNP層またはGaInNPAs層よりバンドギャップエネルギーが高くAlと窒素を含まないGaAsP,GaInPAs,GaInP層のいずれかを形成したので、GaInNP層またはGaInNPAs層へのキャリア注入を抑制でき、発光効率低下を抑制できるので発光効率を高くできた。半導体レーザの場合しきい値電流を充分低いものとすることができた。
(11)本発明の関連技術である面発光型半導体レーザ素子によれば、請求項1から3のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法、または請求項4から10のいずれかに記載の構成を用いているので、低抵抗で駆動電圧が低く、発光効率が高く低しきい値電流動作し、温度特性が良い面発光型半導体レーザ素子を容易に低コストで実現できる。
(12)本発明の関連技術である面発光型半導体レーザ素子によれば、成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlをエッチングガスで除去する工程を行った後、活性層を成長する前にGaIn1-xAs(0<x<1,0<y≦1)層を成長したことにより、エッチングガスで除去する工程中に発生したダメージや、酸素の取りこまれが発生し非発光再結合中心が形成された半導体領域への注入キャリアを低減でき、発光効率低下を抑制できるので発光効率が高くしきい値電流の小さい特性が得られた。
(13)本発明の関連技術である面発光型半導体レーザ素子によれば、非発光再結合中心が形成された半導体領域への注入キャリアを低減でき、発光効率低下を抑制できるので発光効率を高くできる。半導体レーザの場合しきい値電流を充分低いものとすることができる。
(14)本発明の関連技術である光送信モジュールは、上述した面発光型半導体レーザ素子を光源として用いたものであり、冷却素子が不要な低コストな光送信モジュールを実現することができる。
(15)本発明の関連技術である光送受信モジュールは、上述した面発光型半導体レーザ素子を光源として用いたものであり、冷却素子が不要な低コストな光送受信モジュールを実現することができる。
(16)本発明の関連技術である光通信システムは、上述した面発光型半導体レーザ素子を光源として用いたものであり、冷却素子不要な低コストな光ファイバー通信システム、光インターコネクションシステムなどの光通信システムを実現することができる。
以下、本発明の実施例を、図面を用いて詳細に説明する。
(第1の実施例)
本発明の第1の実施例に係るGaInNAs面発光型半導体レーザ素子について説明する。図9は、第1の実施例(および第2の実施例)におけるGaInNAs面発光型半導体レーザ素子の構造を示す図である。
図9に示すように、本実施例における面発光型半導体レーザ素子は、2インチの大きさの面方位(100)のn−GaAs基板201上に,それぞれの媒質内における発振波長の1/4倍の厚さでn−AlGa1−xAs(x=0.9)とn−GaAsを交互に35周期積層した周期構造からなるn−半導体分布ブラッグ反射鏡(下部半導体分布ブラッグ反射鏡:単に下部反射鏡ともいう)202が形成(図9では詳細は省略)されている。その上にアンドープ下部GaAsスペーサ層203,3層のGaIn1−xAs1−y(x、y)井戸層とGaAsバリア層からなる多重量子井戸活性層204,アンドープ上部GaAsスペーサ層205が形成されている。
その上にp−半導体分布ブラッグ反射鏡(上部半導体分布ブラッグ反射鏡:単に上部反射鏡ともいう)206が形成されている。上部反射鏡206は、被選択酸化層となるAlAsをAlGaAsで挟んだ3λ/4厚さの低屈折率層(λ/4−15nmのCドープp−AlGa1−xAs(x=0.9)、C ドープp−AlAs被選択酸化層30nm、2λ/4−15nmのCドープのp−AlGa1−xAs(x=0.9))と厚さλ/4のGaAs(1 周期)、及びCドープのp−AlGa1−xAs(x=0.9)とp−GaAsをそれぞれの媒質内における発振波長の1/4倍の厚さで交互に積層した周期構造 例えば、25周期から構成されている(図では詳細は省略)。
上部反射鏡206の最上部のGaAs層は電極とコンタクトを取るコンタクト層207を兼ねている。活性層内の井戸層のIn組成xは37%,窒素組成は0.5%とした。井戸層の厚さは7nmとした。GaAs基板201に対して約2.5%の圧縮歪(高歪)を有していた。
MOCVD法によるGaInNAs活性層の原料にはTMG(トリメチルガリウム),TMI(トリメチルインジウム),AsH(アルシン),そして窒素の原料にはDMHy(ジメチルヒドラジン)を用いた。キャリアガスにはHを用いた。DMHyは低温で分解するので600℃以下のような低温成長に適しており,特に低温成長の必要な歪みの大きい量子井戸層を成長する場合好ましい原料である。本実施例のGaInNAs面発光型半導体レーザ素子の活性層のように歪が大きい場合は、非平衡となる低温成長が好ましい。本実施例ではGaInNAs層は540℃で成長させた。
なお本実施例では活性層への酸素の取り込みを抑え発光効率を低下させないようにするため、下部GaAsスペーサ層203成長途中で成長中断し、DMHyガスを用いてAl系残留物を除外した。DMHyシリンダーを用いてDMHyを供給すると反応室側壁、加熱体、基板を保持する治具等に残留しているAl系残留物と反応し除去することのできるので、活性層への酸素の取り込みを抑えることができた。この工程はAlを含んだ半導体層成長後、窒素を含んだ活性層成長の前までに行えば良い。
所定の大きさのメサを少なくともp−AlAs被選択酸化層208の側面を露出させて形成し、側面の現れたAlAsを水蒸気で側面から酸化してAlxOy電流狭さく部209を形成した。そして、次にポリイミド210でエッチング部を埋め込んで平坦化し、pコンタクト部と光出射部のある上部反射鏡206上のポリイミドを除去し、pコンタクト層207上の光出射部以外にp側電極211、裏面にn側電極212を形成した。
作製した面発光型半導体レーザ素子の発振波長は約1.3μmであった。GaInNAsを活性層に用いたのでGaAs基板上に長波長帯の面発光型半導体レーザ素子を形成できた。装置内に残留したAlを含んだ化合物が、窒素を含む活性層成長時に酸素とともに膜中に取りこまれないように、エッチングガスを用いて除外したので、活性層に酸素がAlとともに混入することを抑えることができた。これにより発光効率が高く低しきい値で発振するGaInNAs面発光型半導体レーザ素子を量産に有利なMOCVD法で製造できた。
また、AlとAsを主成分とした被選択酸化層の選択酸化により電流狭さくを行ったのでしきい値電流は低かった。被選択酸化層を選択酸化したAl酸化膜からなる電流狭さく層を用いた電流狭さく構造によると、電流狭さく層を活性層に近づけて形成することで電流の広がりを抑えられ大気に触れない微小領域に効率良くキャリアを閉じ込めることができる。さらに酸化してAl酸化膜となることで屈折率が小さくなり凸レンズの効果でキャリアの閉じ込められた微小領域に効率良く光を閉じ込めることができ、極めて効率が良くなり、しきい値電流は低減される。また、容易に電流狭さく構造を形成できることから製造コストを低減できる。
GaInNAs等の窒素と他のV族を含んだ半導体層はMBE法が主に用いられていたが、原理的に高真空中での成長なので原料供給量を大きくできない。大きくすると排気系に負担がかかるデメリットがある。高真空排気系の排気ポンプを必要とするが、MBEチャンバー内の残留原料等を除去するなどのために排気系に負担がかかり故障しやすいことからスループットは悪い。
面発光型半導体レーザ素子はレーザ光を発生する少なくとも1層の活性層を含んだ活性領域を半導体多層膜反射鏡で挟んで構成されている。端面発光型レーザの結晶成長層の厚さが3μm程度であるのに対して、例えば1.3μm波長帯面発光型半導体レーザ素子では10μmを超える厚さが必要になるが、MBE法では高真空を必要とすることから原料供給量を高くすることができず、成長速度は1μm/h程度であり10μmの厚さを成長するには原料供給量を変えるための成長中断時間を設けないとしても最低10時間かかる。
活性領域の厚さは全体に比べて通常ごくわずかであり(10%以下)、ほとんどが多層膜反射鏡を構成する層である。半導体多層膜反射鏡はそれぞれの媒質内における発振波長の1/4倍の厚さ(λ/4の厚さ)で低屈折率層と高屈折率層を交互に積層して(例えば20〜40ペア)形成されている。
GaAs基板上の面発光型半導体レーザ素子ではAlGaAs系材料を用いAl組成を変えて低屈折率層(Al組成大)と高屈折率層(Al組成小)としている。しかし実際には、特にp側は各層のヘテロ障壁により抵抗が大きくなるので低屈折率層と高屈折率層の間に、Al組成が両者の間となる中間層を挿入して多層膜反射鏡の抵抗を低減している。
このように、面発光型半導体レーザ素子は100層を超える組成の異なる半導体層を成長しなければならない他に多層膜反射鏡の低屈折率層と高屈折率層の間にも中間層を設けるなど、瞬時に原料供給量を制御する必要がある素子である。しかしMBE法では原料供給を原料セルの温度を変えて供給量を制御しており臨機応変に組成をコントロールすることができない。よってMBE法により成長した半導体多層膜反射鏡は抵抗を低くするのは困難であり動作電圧が高い。
一方、MOCVD法は原料ガス流量を制御するだけでよく瞬時に組成をコントロールできるとともに、MBE法のような高真空を必要とせず、また成長速度を例えば3μm/h以上と高くでき、容易にスループットを上げられることから、極めて量産に適した成長方法である。
このように本実施例によれば、低消費電力で低コストの1.3μm帯の面発光型半導体レーザ素子を実現できる。
(第2の実施例)
本発明の第2の実施例に係るGaInNAs面発光型半導体レーザ素子について説明する。第1の実施例と違うところは、成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlを除去するためにGaAs下部スペーサ層203の成長途中で成長中断し酸素(O)を供給したことである。
作製した面発光型半導体レーザ素子の発振波長は約1.3μmであった。GaInNAsを活性層に用いたのでGaAs基板上に長波長帯の面発光型半導体レーザ素子を形成できた。
装置内に残留したAlを含んだ化合物が、窒素を含む活性層成長時に酸素とともに膜中に取りこまれないように、Alを含んだ層と窒素を含んだ活性層との間で成長中断してエッチングガスである酸素(O)を供給したので、成長中断界面に酸素とともにAlが取りこまれたが、反応室内に残留したAlを含んだ化合物は活性層成長前に除外され、活性層に酸素がAlとともに混入することを抑えることができた。これにより発光効率が高く低しきい値で発振するGaInNAs面発光型半導体レーザ素子を量産に有利なMOCVD法で製造できた。
(第3の実施例)
本発明の第3の実施例に係るGaInNAs面発光型半導体レーザ素子について説明する。図10は、第3の実施例におけるGaInNAs面発光型半導体レーザ素子の構造を示す図である。
第1の実施例と違うところは、成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlを除去する工程はGaAs下部スペーサ層203の成長途中でDMHyを供給しGaInNAs層を成長したことである。このGaInNAs層はGaInNAs活性層よりバンドギャップエネルギーが大きい条件となっている。
作製した面発光型半導体レーザ素子の発振波長は約1.3μmであった。GaInNAsを活性層に用いたのでGaAs基板上に長波長帯の面発光型半導体レーザ素子を形成できた。装置内に残留したAlを含んだ化合物が、窒素を含む活性層成長時に酸素とともに膜中に取りこまれないように、エッチングガスであるDMHyを供給しGaInNAs層を成長したので、除去工程を行ったGaInNAs層に酸素とともにAlが取りこまれたが、反応室内に残留したAlを含んだ化合物は活性層成長前に除外され、活性層に酸素がAlとともに混入することを抑えることができた。この除去工程を行ったGaInNAs層は活性層のダミー層といえる。これにより発光効率が高く低しきい値で発振するGaInNAs面発光型半導体レーザ素子を量産に有利なMOCVD法で製造できた。
(第4の実施例)
本発明の第4の実施例に係るGaInNAs面発光型半導体レーザ素子について説明する。図11は、第4の実施例におけるGaInNAs面発光型半導体レーザ素子の構造を示す図である。
第1の実施例と違うところは、成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlを除去する工程は下部反射鏡領域で行っていることである。下部反射鏡を構成する低屈折率層はほとんどAlGaAsで構成されているが、最も活性層側の一層がGaIn1-xAs(x=0.5,y=1)とし、その下部の高屈折率層であるGaAs層の途中で成長中断しDMHyを供給した。
作製した面発光型半導体レーザ素子の発振波長は約1.3μmであった。GaInNAsを活性層に用いたのでGaAs基板上に長波長帯の面発光型半導体レーザ素子を形成できた。
装置内に残留したAlを含んだ化合物が、窒素を含む活性層成長時に酸素とともに膜中に取りこまれないように、Alを含んだ半導体層と窒素を含んだ活性層との間でエッチングガスであるDMHyを供給したので、反応室内に残留したAlを含んだ化合物は活性層成長前に除外され、活性層に酸素がAlとともに混入することを抑えることができた。ただしこの界面にはエッチングガス等によるダメージを受け欠陥が発生する可能性がある。また窒素、酸素、Alが取りこまれることもある。これらにより非発光再結合センターが形成される可能性がある。
しかしながら本実施例では、成長中断した界面とGaInNAs活性層の間にワイドバンドギャップであるGaInPAs層が挿入されているので、成長中断界面にキャリアが注入されるのを抑制できるので成長中断界面の非発光再結合センターによる発光効率低下が防止できる。
これにより発光効率が高く低しきい値で発振するGaInNAs面発光型半導体レーザ素子を量産に有利なMOCVD法で製造できた。
(第5の実施例)
本発明の第5の実施例に係るGaInNAs面発光型半導体レーザ素子について説明する。図12は、第5の実施例におけるGaInNAs面発光型半導体レーザ素子の構造を示す図である。
第4の実施例と違うところは、成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlを除去する工程は下部反射鏡を構成する低屈折率層を構成しているGaIn1-xAs(x=0.5,y=1)層中となっていてGaInP層の成長途中でDMHyを供給しGaInNP層を成長したことである。
作製した面発光型半導体レーザ素子の発振波長は約1.3μmであった。GaInNAsを活性層に用いたのでGaAs基板上に長波長帯の面発光型半導体レーザ素子を形成できた。装置内に残留したAlを含んだ化合物が、窒素を含む活性層成長時に酸素とともに膜中に取りこまれないように、エッチングガスであるDMHyを供給しGaInNP層を成長したので、GaInNP層に酸素とともにAlが取りこまれたが、反応室内に残留したAlを含んだ化合物は活性層成長前に除外され、活性層に酸素がAlとともに混入することを抑えることができた。
更に、GaInNP層とGaInNAs活性層の間にワイドバンドギャップであるGaInP層があるので、非発光再結合センターとなる酸素が取りこまれるGaNAs層がキャリアの注入される活性領域ではないのでGaInNP層中の非発光再結合センターによる発光効率低下が防止できる。
これにより発光効率が高く低しきい値で発振するGaInNAs面発光型半導体レーザ素子を量産に有利なMOCVD法で製造できた。
GaInP層の途中にGaInNP層を形成したが、下部反射鏡の低屈折率層一層全てをGaInNP層としてもよい。
(第6の実施例)
図13は、本発明の第6の実施例を示す図で、第4の実施例に係る面発光型半導体レーザ素子とファイバーとを組み合わせた光送信モジュールの概要図である。本実施例では1.3μm帯GaInNAsの面発光型半導体レーザ素子301からのレーザ光が石英系光光ファイバー302に入力され、伝送される。
発振波長の異なる複数の面発光型半導体レーザ素子を1次元または2次元にアレイ状に配置して、波長多重送信することにより伝送速度を増大することが可能となる。また、面発光型半導体レーザ素子を1次元または2次元にアレイ状に配置し、それぞれに対応する複数の光ファイバーからなる光ファイバー束とを結合させて伝送速度を増大することもできる。
さらに、本発明による面発光型半導体レーザ素子を光通信システムに用いると、低コストで信頼性が高い光送信モジュールを実現できる他、これを用いた低コスト高信頼光通信システムを実現できる。また、GaInNAsを用いた面発光型半導体レーザ素子は温度特性が良いこと、及び低しきい値であることにより、発熱が少なく高温まで冷却なしで使えるシステムを実現できる。
(第7の実施例)
図14は、本発明の第7の実施例を示す図で、第5の実施例の面発光型半導体レーザ素子と、受信用フォトダイオードと、光ファイバーとを組み合わせた光送受信モジュールの概要図である。
本発明による面発光型半導体レーザ素子を光通信システムに用いる場合、面発光型半導体レーザ素子は低コストであるので、図14に示すように送信用の面発光型半導体レーザ素子(1.3μm帯GaInNAs面発光型半導体レーザ素子)305と、受信用フォトダイオード306と、光ファイバー307とを組み合わせた光送信モジュールを用いた低コスト高信頼性の光通信システムを実現できる。
また、本発明に係るGaInNAsを用いた面発光型半導体レーザ素子の場合,温度特性が良いこと、動作電圧が低いこと、及び、低しきい値であることにより、発熱が少なく、高温まで冷却なしで使えるより低コストのシステムを実現できる。
さらに、1.3μm等の長波長帯で低損失となるフッ素添加POF(プラスチックファイバ)とGaInNAsを活性層に用いた面発光型レーザとを組み合わせるとファイバが低コストであること、ファイバの径が大きくてファイバとのカップリングが容易で実装コストを低減できることから、極めて低コストのモジュールを実現できる。
(第8の実施例)
本発明の第8の実施例に係るGaInNAs面発光型半導体レーザ素子について説明する。本実施例におけるGaInNAs面発光型半導体レーザ素子の構造を図16に示す。
実施例1と違うところは、成長室内に残留したAl原料、またはAl反応物、またはAl化合物、またはAlを除去する工程は共振器部分にGaPAs層を形成してその途中で成長中断し、DMHyガスを反応室に供給してAl系残留物を除外していることである。具体的に本実施例では下部反射鏡を形成する最も上部にあるAlGaAs低屈折率層の上部に形成した。AlGaAs低屈折率層とGaPAs層との間にGaAs層を形成してその途中でAl系残留物を除外しても良い。
作製した面発光型半導体レーザ素子の発振波長は約1.3μmであった。GaInNAsを活性層に用いたのでGaAs基板上に長波長帯の面発光型半導体レーザ素子を形成できた。装置内に残留したAlを含んだ化合物が、窒素を含む活性層成長時に酸素とともに膜中に取りこまれないように、Alを含んだ半導体層と窒素を含んだ活性層との間でエッチングガスであるDMHyを供給したので、反応室内に残留したAlを含んだ化合物は活性層成長前に除外され、活性層に酸素がAlとともに混入することを抑えることができた。ただしこの界面には成長中断による酸化膜が形成され欠陥が発生する可能性がある。これにより非発光再結合センターが形成される可能性がある。
しかしながら本実施例では、成長中断した界面とGaInNAs活性層の間にGaAsスペーサ層よりワイドバンドギャップであるGaPAs層が挿入されているので、確実に成長中断界面にキャリアが注入されるのを抑制できるので成長中断界面の非発光再結合センターによる発光効率低下が防止できる。GaPAs層はGaAs基板に対して引張り歪を有している。活性層が本実施例のように高圧縮歪組成の場合は、引っ張り歪組成とすると活性層の歪を補償する効果があり活性層の格子緩和を抑制できるので好ましい。なお本実施例では、GaPAs層としたが、GaInP、GaInPAs層でも良い。
これにより発光効率が高く低しきい値で発振するGaInNAs面発光型半導体レーザ素子を量産に有利なMOCVD法で製造できた。
本発明に係る面発光型半導体レーザ素子を用いた光通信システムとしては光ファイバーを用いた長距離通信に用いることができるのみならず、LAN(Local Area Network)などのコンピュータ等の機器間伝送、さらにはボード間のデータ伝送、ボード内のLSI間、LSI内の素子間等、光インターコネクションとして短距離通信に用いることができる。
近年LSI等の処理性能は向上しているが、これらを接続する部分の伝送速度が今後ボトルネックとなる。システム内の信号接続を従来の電気接続から光インターコネクトに変えると、例えばコンピュータシステムのボード間、ボード内のLSI間、LSI内の素子間等を本発明に係る光送信モジュールや光送受信モジュールを用いて接続すると、超高速コンピュータシステムが可能となる。
また、複数のコンピュータシステム等を本発明に係る光送信モジュールや光送受信モジュールを用いて接続した場合、超高速ネットワークシステムが構築できる。特に面発光型半導体レーザ素子は端面発光型レーザに比べて桁違いに低消費電力化でき2次元アレイ化が容易なので並列伝送型の光通信システムに適している。
以上説明したように、窒素を含んだ半導体層であるGaInNAs系材料によるとGaAs基板を用いた0.85μm帯面発光型半導体レーザ素子などで実績のあるAl(Ga)As/(Al)GaAs系半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡や、AlAsの選択酸化による電流狭さく構造が適用でき、本発明による製造方法で面発光型半導体レーザ素子を製造することにより、GaInNAs活性層の結晶品質の向上や、多層膜反射鏡の低抵抗化、面発光型半導体レーザ素子としての多層膜構造体の結晶品質や制御性の向上ができるので、実用レベルの高性能の1.3μm帯等の長波長帯面発光型半導体レーザ素子を実現でき、さらにこれらの素子を用いると、冷却素子不要で低コストの光ファイバー通信システム、光インターコネクションシステムなどの光通信システムを実現することができる。
一般的なMOCVD装置の概略を示す図である。 MOCVD装置で作製した窒素を含んだ半導体層であるGaInNAs量子井戸層とGaAsバリア層とからなるGaInNAs/GaAs 2重量子井戸構造からなる活性層からの室温フォトルミネッセンススペクトルを示す図である。 半導体発光素子の試料構造を示す図である。 図3に示した半導体発光素子の1例として、クラッド層をAlGaAsとし、中間層をGaAsとし、活性層をGaInNAs/GaAs2重量子井戸構造として構成した素子を1台のエピタキシャル成長装置(MOCVD)を用いて形成したときの、窒素と酸素濃度の深さ方向分布を示した図である。 図4の測定条件を示す図である。 図4と同じ試料のAl濃度の深さ方向分布を示した図である。 図6の測定条件を示す図である。 AlGaAsをクラッド層(Alを含む層)とし、GaInNAs2重量子井戸構造(窒素を含む層)を活性層としたブロードストライプレーザを試作して閾電流密度を評価した結果を示す図である。 第1および2の実施例におけるGaInNAs面発光型半導体レーザ素子の構造を示す図である。 第3の実施例におけるGaInNAs面発光型半導体レーザ素子の構造を示す図である。 第4の実施例におけるGaInNAs面発光型半導体レーザ素子の構造を示す図である。 第5の実施例におけるGaInNAs面発光型半導体レーザ素子の構造を示す図である。 本発明の第6の実施例を示す図である。 本発明の第7の実施例を示す図である。 発明者が実験的に求めたしきい値電流密度の窒素組成依存性を示す図である。 本発明の第8の実施例を示す図である。
符号の説明
A:原料ガス供給部、A1:III族ガスライン、A2:V族ガスライン、B:加熱体、C:排気部、
11:基板出し入れ口、12:成長室(反応室)、13:水素精製器、14:バブラー、15:AsHガスシリンダー、15’:ドーパントガスシリンダー、16:バルブ、
101:GaAs基板、102:下部クラッド層、103:中間層103、104:活性層、105:上部クラッド層、
a1,b1:メインライン、a2,b2:ベントライン、ダミーライン#1〜#4:ダミーライン、
201:n−GaAs基板、202:n−半導体分布ブラッグ反射鏡(下部半導体分布ブラッグ反射鏡:単に下部反射鏡ともいう)、203:下部GaAsスペーサ層、204:多重量子井戸活性層、205:上部GaAsスペーサ層、206:p−半導体分布ブラッグ反射鏡(上部半導体分布ブラッグ反射鏡:単に上部反射鏡ともいう)、207:コンタクト層、208:p−AlAs被選択酸化層、209:AlxOy電流狭さく部、210:ポリイミド、211:p側電極、212:n側電極、213:GaInNAs層、214:GaInNP層、
301,305:半導体レーザ素子、302,307:光ファイバー、306:受信用フォトダイオード。

Claims (3)

  1. 基板と、GaNAs,GaInNAs,InNAs,GaAsNSb,GaInNAsSb,GaInNPAsのうちいずれか一つの材料からなる窒素を含む活性層との間にAlGaAsからなるクラッド層またはAlGaAs系材料を含む半導体分布ブラッグ反射鏡を設けた半導体発光素子において、
    前記クラッド層または前記半導体分布ブラッグ反射鏡と、前記活性層との間に活性層に直接接しないGaNAs,GaInNAs,InNAs,GaAsNSb,GaInNAsSb,GaInNPAsのうちいずれか一つの材料からなる半導体層が形成され、
    前記半導体層と前記活性層との間にGa In 1-x As(0<x≦1、0<y≦1)層が形成され
    前記Ga In 1−x As(0<x≦1、0<y≦1)層のバンドギャップエネルギーは、前記半導体層のバンドギャップエネルギーより大きい半導体発光素子。
  2. 基板と、GaNAs,GaInNAs,InNAs,GaAsNSb,GaInNAsSb,GaInNPAsのうちいずれか一つの材料からなる窒素を含む活性層との間にAlGaAsからなるクラッド層またはAlGaAs系材料を含む半導体分布ブラッグ反射鏡を設けた半導体発光素子において、
    前記クラッド層または前記半導体分布ブラッグ反射鏡と、前記活性層との間にGaNAs層またはGaInNAs層が形成され、
    前記GaNAs層またはGaInNAs層と前記活性層との間にAlと窒素を含まない半導体層が形成され
    前記Alと窒素を含まない半導体層は、バンドギャップエネルギーが前記GaNAs層またはGaInNAs層のバンドギャップエネルギーより大きく、GaAs,GaInAs,GaAsP,GaInPAs,GaInP層のいずれか一つから形成されている半導体発光素子。
  3. 基板と、GaNAs,GaInNAs,InNAs,GaAsNSb,GaInNAsSb,GaInNPAsのうちいずれか一つの材料からなる窒素を含む活性層との間にAlGaAsからなるクラッド層またはAlGaAs系材料を含む半導体分布ブラッグ反射鏡を設けた半導体発光素子において、
    前記クラッド層または前記半導体分布ブラッグ反射鏡と、前記活性層との間にGaInNP層またはGaInNPAs層が形成され、
    前記GaInNP層またはGaInNPAs層と前記活性層との間にAlと窒素を含まない半導体層が形成され
    前記Alと窒素を含まない半導体層は、バンドギャップエネルギーが前記GaInNP層またはGaInNPAs層のバンドギャップエネルギーより大きく、GaAsP,GaInPAs,GaInP層のいずれか一つから形成されている半導体発光素子。
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