JP5013545B2 - メガネ用の回動構造及びそれを備えたメガネ - Google Patents
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Description
また螺子の締付け力は僅かなねじ込み量の違いにより大きく変化するため、左右のテンプルの回動抵抗が相互に異なったり、テンプルの回動抵抗が製品毎に異なったりする場合が生ずる。
そのためメガネの掛け心地が悪くなる原因となる。
このようなことから、螺子を使用しないメガネの回動構造が種々開発された。
また、回動抵抗が低下するとテンプル自体がガタ付く。
すなわち、長期間にわたる使用によっても回動抵抗が極力低下しないメガネの回動構造、及びその回動構造を備えたメガネを提供することを目的とする。
このときに生じる捻れ変形により今度は戻る方向に力が作用し柱部材の変形も解消され、同時に第2基部材も元の状態へ戻る。
柱部材の弾性限度内での変形を利用することにより、第2基部材の回動操作を繰り返し行ったとしても回動抵抗は低下しにくく、常にある一定の大きさの締め付け力をメガネに与え続けることができる。
また第1固定部と第2固定部とはその離間距離が小さくなるため捻りによる弾性力が大きくなる。
なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。
また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとし、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
図1は、本実施形態の回動構造を備えるメガネを示す外観図である。
また、図2は、本実施形態の回動構造を説明する拡大図である。
なお、便宜的に固定部を点で示した。
このように、第1基部材1と第2基部材2とを柱部材3を介して固定し、且つ第1固定部4と第2固定部5とを柱軸方向に一定の距離、離間させて形成することで、第2基部材2の回動に伴う柱部材3の捻れ作用を第2基部材2の復帰力として利用することができる。
特に、柱部材3に関しては弾性限度が高いほど第2基部材2の回動域を広げられるため、組成がTi:40〜75重量%、Nb:18〜30重量%、Zr:10〜30重量%、Al、Sn、In及びGaからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属添加元素:0.2〜3.7重量%である弾性限度の高いTiバネ合金を用いることがより好ましい。
次に、参考までにこの本発明に使用するTiバネ合金(Ti:53、4重量%、Nb:23重量%、Zr:22重量%、Al:1、6重量%)、一般的Tiバネ合金(Ti:76重量%、V:15重量%、Al:3重量%、Cr:3重量%、Sn:3重量%の「トルク−ねじり角」特性を示す(直径1mm、長さ20mmの円柱)。
第1基部材1、第2基部材2、及び柱部材3の材質が金属である場合には、各部材を極力鈍らせないように固定するために、レーザによる溶接を用いることが好ましい。
そして、柱部材3の端部と突出部6とをネジ、リベット等の固着具で締結することで、柱部材3が第1基部材1及び第2基部材2に固定される。
もっとも第1基部材1や第2基部材2が金属の場合は、柱部材3と溶接すると確実に固定できる。
本実施形態の回動構造Aでは、図6に示すように、第1基部材1の端面の第1固定部4が複数個(図面では二つ)形成され、第2基部材2の端面の第2固定部5は二つある第1固定部の間に形成されている。
このように、第1固定部4を複数個形成し、第2固定部5をそれらの間に形成することで回動構造Aの強度が出る。
その結果、第2基部材2に回動操作が繰り返し行われても、例えば、柱部材3と第1基部材1との間に間隙が生じにくく、回動ぶれも起きにくい。
また、第1固定部と第2固定部とはその離間距離が小さくなるため捻りによる弾性力が強くなる。
第1固定部4及び第2固定部5の形成数は、本発明の原理を使う限り特に限定されるものではなく、柱部材3、第1基部材1、及び第2基部材2の大きさに応じて適宜設定される。
上方の第1固定部41と下方の第1固定部42との間に第2固定部51が設けられているが、第2固定部51の下方に更に第2固定部52が設けられている。
この場合、第2基部材2と柱部材3との固定が強固になるため、両者間の間隙が生じにくく、回動構造Aの動きが安定する。
図9の場合は、第1基部材1の切り欠き部Sに第2基部材2の細幅部が入り込んだ状態で細幅部に挿通された柱部材3の上下端が、第1基部材1に固定される。
本実施形態の回動構造は上述した回動構造を複数個有するメガネの一例であり、例えば、図2、図6に示した回動構造を複数個連結したものをテンプルに備えている。
回動構造A0においては、それぞれの回動構造が個々に回動することになる。
すなわち、各回動構造の回動域(回動範囲)の合計が回動構造A0の回動域となる。
その結果、第2基部材2であるテンプルのカーブが大きく取れ、また全体としてのしなり具合を柔らかくすることが可能となる。
ところで、図2、図6に示した回動構造においては、柱部材3は第1基部材1と第2基部材2の端面に固定されていたが、図12に示すように回動構造Aは、固定部の位置を変えた場合の変形例を説明した図である。
図12に示すように、柱部材3が第1基部材1や第2基部材2の端面ではなく、側面と固定している。
ここで柱部材3と第2基部材2との固定部5が、図13に示すように、第2基部材2の端面より内方に設けられた場合は、第2基部材2を回動させた際に、その端部が第1基部材1に当接する[図13(A)→図13(B)]。
これを利用して第2基部材2の回動角度を制限することが可能である。
このように回動構造Aを構成することで、第2基部材2を回動させたときに、第2基部材2の端部が第1基部材1に当接して、それ以上の回動を妨げるストッパーの機能を果たす。
回動構造Aにストッパー機能が付与されることで、第2基部材2、すなわちテンプルがその可動域を超えて過度に回動させられることがない。
図14は、回動構造Aにストッパー機能が付与された他の例を示す。
第1基部材1と第2基部材2に窪みPを設けて柱部材3をその窪みP内に配置させ、固定したものである。
柱軸方向の固定部4,5については、図2、図6に示したような位置とすることが可能である。
第2基部材2を回動させたときに、第2基部材2の端部が第1基部材1の端部に当接して、それ以上の回動が阻止される[図14(A)→図14(B)]。
図15は、第5の実施形態の回動構造を一部断面で示す説明図である。
本実施形態の回動構造Aは柱部材3が第1基部材1に形成された貫通孔11に挿通され、柱部材3の一方の端面は第2基部材に固定される。
柱部材3の他方の端面は、ストッパー部12の一方端に固定される。
またストッパー部12の他方端は第1基部材1に形成された突起13に当接可能となっている。
第2基部材に回動力を加えると(図15における紙面垂直下方向)、ストッパー部12が突起13に当たり柱部材3が捻れて復帰力を生む。
この円筒スリーブ14は、柱部材3と貫通孔11との間に生じる摩擦力を高めており、ストッパー部12が突起13に当接する段階前における第2基部材に回動抵抗を与えている。
例えば上述した実施形態においては、第1基部材はブラケットに相当し、第2基部材はテンプルに相当したが、第1基部材はブラケットに取り付けられた部材であっても構わない。
また、第2基部材に関しても、テンプルに取り付けられた部材で構わない。
そして当然、ブラケットに第2基部材を取り付け、テンプルに第1基部材を取り付けるような配設の方法も可能である。
上述した実施形態1〜5では柱部材は各基部材の端面に対して平行に配設されていたが、柱部材を斜めにした状態であっても、柱部材のバネ効果は損なわれない。
なお、図16に示された柱部材3が捻れ変形する際は、第1固定部1と第2固定部との間の部分が捻れて復帰力を生む。
11…貫通孔
1…第1基部材
11…貫通孔
12…ストッパー部
13…突起
14…円筒スリーブ
2…第2基部材
3…柱部材
4…第1固定部
5…第2固定部
6…爪部
A…回動構造
H…小孔
P…窪み
S…切りかき部
Claims (12)
- メガネにおける回動構造であって、第1基部材と第2基部材と、第1基部材と第2基部材の間に介在する柱部材よりなり、該柱部材の捻れ作用によって第2基部材が第1基部材に対して回動可能になっている回動構造。
- 柱部材と第1基部材とが第1固定部により固定され、柱部材と第2基部材とが第2固定部により固定され、第1固定部と第2固定部間に柱軸方向の一定の距離を有するものであることを特徴とする請求項1記載の回動構造。
- 第1固定部が複数個形成され、第1固定部と第1固定部との間に第2固定部が形成されていることを特徴とする請求項2記載の回動構造。
- 第1固定部または第2固定部が、固着具によって柱部材に固定されていることを特徴とする請求項1記載の回動構造。
- 柱部材が第1基部材に挿通され、柱部材の一方端面に第2基部材が固定され、柱部材の他方端面にストッパー部の一方端が固定され、該ストッパー部の他方端が第1基部材に形成された突起に当接可能となっていることを特徴とする請求項1記載の回動構造。
- 前記柱部材が湾曲していることを特徴とする請求項3記載の回動構造。
- 柱部材が円柱形であることを特徴とする請求項1記載の回動構造。
- 第1基部材がブラケットで第2基部材がテンプルであることを特徴とする請求項1記載の回動構造。
- 柱部材が金属部材であることを特徴とする請求項1記載の回動構造。
- 前記金属部材の組成が
(A)Ti:40〜75重量%、
(B)Nb:18〜30重量%、
(C)Zr:10〜30重量%、
(D)Al、Sn、In及びGaからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属添加元素:0.2〜3.7重量%、
であることを特徴とする請求項7記載の回動構造。 - 上記請求項1〜10のいずれか一項に記載の回動構造を備えたメガネ。
- 上記請求項1〜10のいずれか一項に記載の回動構造を複数個備えたメガネ。
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