JP5011616B2 - 導電性樹脂粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性樹脂粒子の製造方法に関するものである。本発明の製造方法は例えば、異方性導電接着材や異方性導電膜に使用される導電性樹脂粒子の製造に好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子部品の小型薄型化、高機能化に伴い、プリント配線基板やこれに搭載する半導体チップの接続回路は微細化、高密度化が進んでいる。これらの微細回路の接続は、従来のワイヤボンド方式や半田ボール溶融方式などとともに、最近では分解能に優れ、異方導電性を有する接着剤や膜状物のような接続部材である異方導電材が多用されるようになってきた。異方導電材は、高密度かつ多数の電極を一括して接続する材料であり、導電性粒子で相対峙する電極間の電気的接続を行い、接着剤によって両電極の固定と隣接電極間の絶縁性を得ている。これらは接続時の加熱加圧により接着剤が溶融し、分散されている導電粒子が電極間で保持されることにより厚み方向での高い導電性が得られ、面方向では導電粒子は互いに接触しない程度に分散されていることで高い絶縁性が得られるものである。
【0003】
このような異方導電材において、その分解能を向上させるためには、異方導電材中の導電材料である導電性粒子の粒径を微小化して隣接回路間の絶縁部分より小さくするとともに、絶縁部分における導電性粒子どうしの接触を防止できるように導電性粒子の添加量を調節し、回路接続部における導通性を確実にすることが必要である。しかし、導電性粒子の粒径を小さくすると表面積の増加と粒子個数の増加により、粒子は2次凝集しやすくなることで隣接回路との絶縁性が保持できなくなることがあり、また粒子の添加量を減少させると接続すべき回路上の導電性粒子の数が減少することから接続点数が不足し接続回路間での十分な導通が得られなくなり、長期接続信頼性を損なう場合があるという問題があった。
【0004】
一般的にこのような接続部材に用いられる導電性粒子としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックやグラファイトなどのカーボン系粒子、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、半田などの金属粒子またはこれらの金属の表面を金などの金属でメッキした金属粒子、あるいは樹脂、無機化合物などの非導電性性粒子にニッケル、金などの金属でメッキを施したものなどが挙げられる。これらの中で、金属粒子は導電性には優れた性質を有するが、異方導電性の接着剤組成物などに用いられる場合、その比重差が大きいことから、組成物中で沈降することで局在化しやすく、異方導電材として用いた場合に一様な導電性を発揮できなくなることがあった。
【0005】
一方、樹脂粒子などの非導電性粒子の表面に金属被膜を形成させる場合、一般的には金属メッキ法が適用される。この方法は導電材料としては優れた性質を有するものが得られるが、通常は、メッキ層との密着を改善するため非導電性粒子の表面に小さな凹凸を形成させるエッチング工程、エッチング後の粒子表面に触媒層を形成させこれを活性化させるアクチベーション工程を経たのち、化学メッキ工程において金属メッキを行うのが一般的である。金属メッキ法はこのように処理工程が多く、各工程で使用する薬液も異なることから、コスト面において問題があった。さらに、被メッキ粒子が小径になるほど比表面積が増大するため、メッキ反応速度が速くなり制御が難しくなりやすいことに加え、粒子が凝集を起こした状態でメッキ被覆が形成されると、凝集が解離した際にメッキ被覆の欠陥が現れ、使用時に支障をきたすことがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、簡単な工程により導電性、分散性、および耐熱性に優れた導電性粒子を製造する方法を提供するものである。
【0007】
本発明は、
(1)樹脂粒子を金属粒子で被覆して得られる導電性粒子の製造方法であって、樹脂粒子と金属粒子とを媒体中で300kg/cm2以上の圧力で処理し、前記樹脂粒子がポリイミド樹脂粒子であり、前記媒体がキシレンであることを特徴とする導電性粒子の製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、樹脂粒子と金属粒子とを媒体中に分散させたもの(以下、混合物と記す)に圧力を加えて衝突させる装置で処理することにより、金属粒子が樹脂粒子の表面を被覆し、導電性と分散性に優れた導電性材料を簡単な工程により効率よく製造する方法を提供するものである。
【0009】
本発明で用いる樹脂粒子については特に限定しないが、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂などの熱可塑性樹脂、あるいはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリエステル樹脂、シリコン樹脂などの熱硬化性樹脂、あるいはポリイミド樹脂を用いることができる。これらの中でも、本発明の製造方法を適用した場合には金属粒子の衝突に対して容易に変形や破壊を起こさないものが好ましく、また、本発明の製造方法によって得られた導電性粒子を異方性導電接着剤や異方性導電膜の材料として用いる場合には加熱加圧して圧接を行うことを考慮する必要がある。これらのことから、耐熱性に優れたフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂などを用いることが好ましく、さらには、耐熱性に優れること、微粒子の製造が比較的容易であることから、ポリイミド樹脂を用いることが特に好ましい。
【0010】
樹脂粒子の形状は特に限定しないが、大きさの揃ったものが得られやすく、処理時に金属粒子が樹脂粒子表面に均一に付着しやすいという点から、球状のものを用いることが好ましい。樹脂粒子の大きさは特に限定しないが、処理時に凝集しにくく、かつ、導電性粒子としてより小径のものが求められている背景を考慮すると、粒径が0.01〜10μmであることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜5μmである。樹脂粒子径が前記上限より大きいと市場の要求に合致しにくい場合がある。また、樹脂粒子径が前記下限より小さいと、処理時に樹脂粒子どうしの凝集が起こりやすくなり、凝集粒子が解離した場合に被覆欠陥を生じる場合がある。
【0011】
前記樹脂粒子は、市販のものを用いてもよいし、必要に応じて合成してもよい。ポリイミド粒子を用いる場合では、例えば以下のような方法で樹脂粒子を得ることができる。
まず第一工程として、無水テトラカルボン酸を含む第一溶液と、ジアミン化合物を含む第二溶液とをそれぞれ調製する。第一溶液で用いる溶媒は、実質的に無水テトラカルボン酸が溶解し、かつ、生成するポリアミド酸が溶解しないものを用い、第二溶液で用いる溶媒は、実質的にジアミン化合物が溶解し、かつ、生成するポリアミド酸が溶解しないものを用いる。
第二工程では、第一溶液と第二溶液とを混合し、例えば20〜40℃で通常の撹拌または超音波による撹拌などを行って、混合溶液からポリアミド酸微粒子を析出させる。沈殿生成したポリアミド酸粒子は、遠心分離法等により固液分離して回収する。
第三工程として、第二工程で得たポリアミド酸粒子をイミド化することによってポリイミド微粒子を得る。イミド化する方法は、ポリアミド酸微粒子を有機溶媒中に分散させ、130〜250℃程度の温度で加熱してイミド化する方法(熱閉環)、又はポリアミド酸粒子をピリジン及び無水酢酸からなる有機溶媒中に分散させ、撹拌しながら15〜115℃程度の温度で24時間程度加熱してイミド化する方法(化学閉環)などを用いることができる。得られたポリイミド粒子は、公知の方法により回収し、必要に応じて石油エーテル、メタノール、アセトン等の有機溶剤で洗浄すればよい。
【0012】
本発明で用いる金属は、導電性を有する各種の金属、金属酸化物、合金等が用いられるが、特に限定されるものではない。このうち金属の例としては、亜鉛、アルミニウム、スズ、金、銀、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、パラジウム、白金などが挙げられ、これらを単独もしくは複合して用いることもできる。これらの中でも、展性、延性、導電性などに優れることから、金、銀、アルミニウム、スズ、銅を用いるのが好ましい。金属粒子の形状は、例えば金属を溶融させて製造するアトマイズ法によれば球形のものが得られ、電気分解による析出ではリーフ状または針状のものが得られる。また、粒子形状は不均一であるが金属塊を微粉砕させる方法でも得ることができる。これらの中でも、樹脂粒子への衝突を効率よく行えること、また、樹脂粒子を均一に被覆しやすいなどの理由から、粒径の揃った球状粒子を用いることが好ましい。
【0013】
本発明で用いる金属粒子の大きさは特に限定しないが、樹脂粒子に対する被覆を効率よく行うためには0.01〜5.0μmであることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜1.0μmである。前記範囲の粒径の金属粒子と、前記範囲の粒径の樹脂粒子とを用いることにより、本発明の処理において金属粒子が樹脂粒子に衝突し、その際の衝撃により、展性、延性を有した金属粒子が変形し、樹脂粒子の表面を被覆することができる。また、用いる樹脂粒子の大きさや性状によっては、樹脂粒子どうしの凝集が起こりやすいこともあるが、そのような場合でも金属粒子の衝突により凝集が解離しやすくなり、さらに金属による樹脂粒子の被覆によって樹脂粒子の再凝集を起こりにくくする効果も併せ持つ。
【0014】
本発明で用いられる媒体の種類は特に限定しないが、以下の点に留意して適宜選択して用いればよい。即ち、樹脂粒子や金属粒子が媒体中で溶解あるいは変質しないこと、処理時の発熱で容易に蒸発しないこと、処理温度範囲(通常20〜50℃)における粘度が低く樹脂粒子や金属粒子の運動を阻害しないこと、使用後の処理が容易にできること、などである。一例を挙げると、トルエン、キシレンなどの芳香族類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、あるいは水などを使用できる。これらの中でも、樹脂粒子にポリイミド樹脂を用い、金属粒子として銀を用いてこれを被覆する場合は、前記の理由からキシレンを用いることが特に好ましい。
【0015】
本発明において、前記混合物を処理する際の粒子濃度についても特に限定しないが、混合物全体に対して、樹脂粒子が0.1〜5重量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜3重量%である。粒子濃度が前記下限より低いと、樹脂粒子と金属粒子との衝突回数が少なくなるため、十分に被覆処理することが難しくなったり、処理回数を費やしエネルギーコスト面で不利になることがある。また、前記上限より高いと、用いる粒子や媒体の種類によっては樹脂粒子同志の凝集が増加したり、処理系の粘度が上がることで衝突のエネルギーが粒子に伝わりにくくなることなどにより、被覆処理が十分に行えない場合がある。
また、処理時の樹脂粒子と金属粒子との配合比は、用いる樹脂粒子あるいは金属粒子の性質・性状、媒体の種類、および処理条件によって異なるため特に限定しないが、樹脂粒子を金属粒子で均一かつ効率的に被覆するためには、一般的には両方の体積比率が略等量であることが好ましい。
【0016】
本発明で用いられる装置は、300kg/cm2以上の加圧能力を有するものであればよく特に限定しない。衝突方法としては、前記混合物を装置内の配管や障害壁などの面に衝突させる方法と、混合物同志を衝突させる方法があるが、被処理物質に与えられるエネルギーが大きい点で、混合物同志を衝突させる方法が好ましい。このような処理ができる装置としては、最高圧力1750kg/cm2のみづほ工業社製のマイクロフルイダイザー、最高圧力2750kg/cm2のスギノマシン社製のアルティマイザ−、最高圧力3500kg/cm2のビ−イ−イ−社製のDeBEE等がある。
【0017】
本発明において用いられる装置の加圧能力は、300kg/cm2以上であることが好ましく、より好ましくは800kg/cm2以上である。前記混合物にこのような圧力を加えることにより、樹脂粒子と金属粒子とが互いに十分な運動エネルギーを有して衝突し、金属粒子による樹脂粒子の被覆を行うことができる。圧力が300kg/cm2未満であると、樹脂粒子や金属粒子の種類や用いる設備によっては前記の被覆のための条件が不十分になり、単なる衝突による部分融合的な複合化しか行われない場合がある。また、処理圧力の上限値は特に限定しないが、一定以上に圧力値を上げてもその効果が顕著には変わらない傾向があるので、処理を行う回数と併せて、用いる材料や処理条件に適合した最適条件を見い出せばよい。
【0018】
本発明の処理を行うことにより、混合物中の成分には衝突による衝撃力や剪断力などが複合的に作用し、金属粒子は樹脂粒子の表面に衝突し、衝撃で変形するとともに樹脂粒子の表面に付着し樹脂粒子を被覆するものと考えられる。通常、媒体などの液中においても、樹脂粒子はその粒径が小さいとゼータ電位の絶対値が小さく、凝集を起こして粗大化しやすい傾向があるが、本発明においては高圧で衝突させることにより、樹脂粒子の凝集や樹脂粒子どうしのくっつきを低減することができ、さらに樹脂粒子は金属粒子で被覆されるに従って粒子としてのゼータ電位の絶対値が増大し、被覆された後の導電性樹脂粒子の再凝集を防止する効果もあると考えられる。
【0019】
本発明の方法による樹脂粒子の金属粒子による被覆は、従来のメッキ法に比べると、工程が単純で、化学薬品の高精度な制御を行う必要がなく、操作が容易な設備を用いて短時間で処理できる。また、粒子濃度、撹拌速度、処理時間など設備の運転条件設定を簡単に行えるため、樹脂粒子、金属粒子の性状に適合した最適な被覆条件を容易に選択することができる。
【0020】
本発明の導電性樹脂粒子を異方導電性接着剤に用いる場合は、通常の方法を適用することができる。例えば、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂などの樹脂を単独又は組み合わせたものを主成分とし、これに硬化剤、カップリング剤、粘着性付与剤などを適宜含有した接着剤を配合する。これを適量の溶剤に溶解させ液状としたものに導電性樹脂粒子を添加し、ボールミルや通常の撹拌装置により分散混合させて導電性接着剤組成物とすることができる。導電性接着剤の使用方法としては、例えば回路または電極上にこれを塗布したのち、必要に応じて溶剤を除去した状態とし、これと接続されるべき対峙する回路または電極を位置合わせした後、加熱加圧あるいは熱ロールにより成形を行う。このとき、導電性樹脂粒子は成形時の温度、圧力に対してその形状を維持することができ、対峙する回路または電極間で保持されることにより、厚み方向での高い導電性を確保することができる。
【0021】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。ここで記載されている「部」および「%」は、全て「重量部」「重量%」を示す。
【0022】
(1)ポリイミド粒子Aの製造
第一溶液としてBTDA(3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物)0.002molをアセトンに溶解させた50ml溶液(BTDA/アセトン=0.002mol/50ml溶液という。以下同じ。)、第二溶液としてDPE(4,4'−ジアミノジフェニルエーテル)/アセトン=0.002mol/50ml溶液をそれぞれ調製した。次いで、25℃で両溶液を混合して周波数38kHzの超音波で10分間撹拌し、反応させることにより、ポリアミド酸を析出した。得られたポリアミド酸を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、ポリアミド酸が単分散状の均一な球状粒子から構成されていることを確認した。このポリアミド酸粒子は平均粒径0.499μm、標準偏差0.0295、変動係数5.912%であった。
次に、回収したポリアミド酸粒子1gを200mlキシレン中に分散させた後、140℃で約4時間環流してイミド化を行い、ポリイミド粒子Aを得た。このポリイミド粒子をSEMで観察し、ポリイミド粒子も単分散状の均一な球状粒子から構成されていることを確認した。このポリイミド粒子は平均粒径0.506μm、比重1.420、標準偏差0.0268、変動係数5.285%であった。ガラス転移温度(Tg)は329℃であった。
【0023】
(2)ポリイミド粒子Bの製造
第一溶液としてBTDA/アセトン=0.002mol/100ml溶液、第二溶液として2,4,6−トリアミノピリミジン/(メタノール+アセトン)=0.0004mol/(2ml+18ml)溶液、さらに第二溶液としてDPE/アセトン=0.0016mol/80ml溶液をそれぞれ調製した。次いで、25℃で両溶液を混合して周波数38kHzの超音波で10分間攪拌し、反応させることにより、ポリアミド酸を析出した。得られたポリアミド酸を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、ポリアミド酸が単分散状の均一な球状粒子から構成されていることを確認した。このポリアミド酸粒子は平均粒径1.135μm、標準偏差0.0500、変動係数4.474%であった。
次に、回収したポリアミド酸粒子0.3gを200mlキシレン中に分散させた後、135℃で約4時間環流してイミド化を行い、ポリイミド粒子Bを得た。このポリイミド粒子をSEMで観察し、ポリイミド粒子も単分散状の均一な球状粒子から構成されていることを確認した。このポリイミド粒子は平均粒径1.112μm、比重1.410、標準偏差0.0460、変動係数4.151%であった。ガラス転移温度(Tg)は310℃であった。
【0024】
(3)実施例1:導電性粒子Cの製造
前記方法で得られたポリイミド粒子A3g/キシレン500ml、金属粒子として銀粒子(福田金属箔粉工業製「シルコートAgC−AO」、平均粒径0.5μmの球状粒子品)23g/キシレン500mlをそれぞれ調製し、これらを簡易混合したのち、マイクロフルイダイザー M−110−E/H Y型(みづほ工業社製)を使用して、1,500kg/cm2の圧力を加えて3回処理し、導電性粒子Cを得た。
この導電性粒子をSEMで観察したところ、ほぼ球形状で粒径の揃った粒子から構成されていることがわかった。また、粒子表面についてXMA分析装置を行い、銀粒子による面分析を行ったところ、粒子表面の全面から銀が検出され、非検出部はほとんど存在しないことを確認した。この導電粒子の平均粒径0.592μm、比重6.037であった。
これらのことから、ポリイミド粒子はそのほとんど全面を銀粒子によって被覆された状態であると考えられた。
【0025】
(4)実施例2:導電性粒子Dの製造
前記方法で得られたポリイミド粒子B3g/キシレン500ml、金属粒子として銀粒子(福田金属箔粉工業製「シルコートAgC−AO」、平均粒径0.5μmの球状粒子品)23g/キシレン500mlをそれぞれ調製し、これらを簡易混合したのち、アルティマイザー HJP−25030(スギノマシン社製)を使用して2,000kgf/cm2の圧力を加えて圧力を加えて3回処理し、導電性粒子Dを得た。
この導電性粒子をSEMで観察したところ、ほぼ球形状で粒径の揃った粒子から構成されていることがわかった。また、粒子表面についてXMA分析装置を行い、銀粒子による面分析を行ったところ、粒子表面の全面から銀が検出され、非検出部はほとんど存在しないことを確認した。この導電粒子の平均粒径1.294μm、比重6.055であった。
これらのことから、ポリイミド粒子はそのほとんど全面を銀粒子によって被覆された状態であると考えられた。
【0026】
(5)導電性材料としての評価▲1▼
実施例1で得られた導電性樹脂粒子Cを、エポキシ接着剤(吉川化工社製・SE−4500)に、10重量%となるように配合し、均一に混合して導電性接着剤とした。この導電性接着剤を、150μmピッチ幅でITO電極(インジウム−スズ酸化物電極)が形成されたガラス板上にスクリーン印刷により塗布した。これとは別に、150μmのピッチ幅で35μmのポリイミドフィルム上に、表面がアルミからなる電極を形成したフレキシブルプリント電極を、前記ITO電極に重ね合わせ、150℃、30kg/cm2で1時間加熱加圧して圧着した。
この接合部における接触抵抗を測定したところ、1.0Ωであった。さらに、冷熱サイクル試験(70℃1時間保持/マイナス40℃1時間保持)を50回及び100回繰り返した後の接触抵抗値を測定したところ、それぞれ、1.1Ω、1.1Ωであり、安定した導電性能が得られていることが確認された。
【0027】
(6)導電性材料としての評価▲2▼
導電性樹脂粒子として、実施例2で得られたDを用いた以外は、「(5)導電性材料としての評価▲1▼」と同様の方法で行った。接合後の接触抵抗を測定したところ、0.6Ωであった。さらに、冷熱サイクル試験(70℃1時間保持/マイナス40℃1時間保持)を50回及び100回繰り返した後の接触抵抗値を測定したところ、それぞれ、0.7Ω、0.7Ωであり、安定した導電性能が得られていることが確認された。
【0028】
実施例で得られた導電性粒子は、樹脂粒子に対する金属粒子の被覆度合いが高いものであり、被覆後の再凝集が発生せず、分散性に優れたものであった。また、得られた導電性粒子を接着剤と混合して異方導電性接着剤として用いたところ、冷熱サイクル試験後も良好な導電性能を得ることができた。
【0029】
【発明の効果】
本発明は、樹脂粒子を金属粒子で被覆して得られる導電性粒子の製造方法であって、樹脂粒子と金属粒子とを媒体中で300kg/cm2以上の圧力で処理することを特徴とする導電性粒子の製造方法であり、従来の金属メッキ法と比較すると、複数の処理工程や高精度な制御を必要とせず、操作が容易な設備を用いて短時間で処理できる。また、粒子濃度、衝突圧力、処理時間など設備の運転条件設定を簡単に行えるため、樹脂粒子、金属粒子の性状に適合した最適な被覆条件を容易に選択することができ、工業的に導電性粒子を得るのに好適である。

Claims (1)

  1. 樹脂粒子を金属粒子で被覆して得られる導電性粒子の製造方法であって、樹脂粒子と金属粒子とを媒体中で300kg/cm2以上の圧力で処理し、前記樹脂粒子がポリイミド樹脂粒子であり、前記媒体がキシレンであることを特徴とする導電性粒子の製造方法。
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