JP5011106B2 - エチレンポリマー組成物を製造するためのマルチステージ方法 - Google Patents

エチレンポリマー組成物を製造するためのマルチステージ方法 Download PDF

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Description

本発明は、エチレンポリマー組成物を製造する方法、その方法によって得ることができるエチレンポリマー組成物、およびそれらから製造された物品に関する。
成形物品、たとえばパイプ、容器、ケーブルジャケットおよび絶縁体、ならびにフィルムに使用されるエチレンポリマー組成物には、機械的性質、耐薬品性、加工特性、および光学特性の良好なバランスが必要である。特定の機械的性質を向上させるため組成物の密度がより高いことが望ましいことに加えて、比較的高分子量のポリマーが望ましい場合、その組成物の加工性はより高い分子量においては低下する。この理由のため、高分子量および低分子量のポリマー成分を含有する組成物が、これらの問題に対処するため提案されている。
このような組成物は物理的ブレンドによって、たとえば押出機または他のミキサーによって得ることができるが、好都合には、電力および費用の増加を回避し、物理的ブレンド方法に伴う均一性の低いブレンドを回避するために、マルチステージ反応方法により製造される。
一般に、ポリマー組成物の製造においては、小さい粒径を有する触媒を使用することが望ましいが、その理由は、そのような触媒は一般に高い活性を有し、そのためプロセスが経済的になりうるからである。しかし、当技術分野において周知のエチレンポリマー組成物を製造するためのマルチステージ方法の場合は、小さい粒径を有する触媒を使用すると問題が生じる場合がある。たとえば、バイモーダル分子量分布を有するオレフィンホモポリマーおよびコポリマーを製造するための方法に関する国際公開第94/22948号パンフレットには、複数ステージ方法において、第1の反応器中で生成される微粒子は触媒活性が非常に高く、このためこれらによって局所的な過熱が生じ、最終生成物中にゲルが形成されると記載されている。したがって、第1のステージがスラリー反応器中で実施されるマルチステージ方法において製造されるエチレンポリマー組成物中のゲルの量を減少させる必要性が残る。
本発明は、複数ステージにおいてエチレンポリマー組成物を製造する方法であって、第1のステージにおいてエチレンを単独、またはコモノマーとともに重合させてエチレンポリマーを生成するステップと、第1のステージにおいて生成したポリマーを第2のステージに移し、第1のステージにおいて生成したポリマーの存在下で、第2のステージのエチレンを単独、またはコモノマーとともに重合させるステップとを含み、第1のステージはスラリー重合ステージであり、この重合は、a)チタンおよびバナジウムから選択される遷移金属と;マグネシウムと;ハロゲン化物と;場合により電子供与体と;無機酸化物を含む固体粒子状材料とを含む固体触媒前駆体であって、固体触媒前駆体の全体積を基準にした固体触媒前駆体のメジアン粒径D50が1〜13μmである、固体触媒前駆体と;b)有機アルミニウム化合物とを含む触媒系の存在下で行われる、方法に関する。上記D50に関して、1〜13μmの間のあらゆる個別の値および部分的範囲が、本明細書において開示され、本明細書に含まれる。
さらに本発明は、本発明の方法によって得ることができるエチレンポリマー組成物であって、0.900〜0.980g/cm3の密度、より好ましくは0.900〜0.970g/cm3の密度、0.02〜3.5dg/分のMI5、1平方メートル当たり6個未満の800μmを超えるゲル(μm/m2)、および1平方メートル当たり100個未満の400〜800μmの範囲内のゲルを有し、ゲルの数は、エチレンポリマー組成物から調製された厚さ50μmのキャストフィルムの5平方メートル(m2)のサンプルに対して測定される、エチレンポリマー組成物に関する。本発明は、上記組成物、または本発明の方法によって得られた組成物を含む製品にも関する。本発明のエチレン組成物は、エチレンのホモポリマー、コポリマー、テレポリマー(terepolymer)、またはその他のマルチポリマー(3種類以上のコモノマーを含有するポリマー)を含むことができる。好適なコモノマーとしては、C3〜C20α−オレフィンおよびジエンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。C3〜C20α−オレフィンに関して、3個の炭素から20個の炭素までのあらゆる個別の値および部分的範囲が、本明細書に含まれ、本明細書において開示される。
さらに本発明は、家庭用品および工業製品用のダウンゲージ(downgauging)ブロー成形容器に特に適したエチレンポリマー組成物に関する。本発明の組成物によって、同様の密度の他の樹脂と比較して剛性が増加した成形物が提供される。
増加した剛性は、以下の式による高い「3点曲げヤング率」として説明される:
F>1340×{1−exp[−235×(ρ−0.9451)]} (式1)
F>1355×{1−exp[−235×(ρ−0.9448)]} (式2)
ここで、F=3点曲げヤング率(MPa)、
ρ=密度(g/cm3)、
a1、a2、およびa3はそれぞれ係数である。
本発明は、0.915〜0.970g/cm3の密度、0.02〜3.5g/10分のMI5を有し、ISO 178に準拠しインストロン(Instron)装置上で測定した曲げヤング率が1340×{1−exp[−235×(密度−0.9451)]}を超えるエチレンポリマー組成物も提供し、さらに本明細書において議論される1又はそれ以上の追加の特徴を併せ持つこのような組成物も提供する。
本発明は、0.915〜0.970g/cm3の密度、0.02〜3.5g/10分のMI5を有し、曲げヤング率が1355×{1−exp[−235×(密度−0.9448)]}を超えるエチレンポリマー組成物も提供し、さらに本明細書において議論される1又はそれ以上の追加の特徴を併せ持つこのような組成物も提供する。
本発明は、本発明の方法によって調製された組成物も提供し、この組成物は、バイモーダルポリエチレン樹脂を含み、一実施形態においては、このバイモーダルポリエチレン樹脂は、高分子量エチレンポリマーと低分子量エチレンポリマーとを含み、
この低分子量エチレンポリマーは、10g/10分〜1000g/10分の間のMI2、および少なくとも0.920g/cm3の密度を有し、
この組成物は、0.915g/cm3〜0.970g/cm3の間の密度を有する。本発明は、本明細書に記載される1又はそれ以上の他の特徴を有する組成物も提供する。
本発明の方法において、複数ステージにおいてエチレンを単独、またはコモノマーとともに重合させてエチレンポリマーを生成することによって、エチレンポリマー組成物が製造される。この方法は、異なるステージを1つの同じ反応器中、複数ステージまたは反応ゾーンを有する1つの反応器中、あるいはそれぞれ1又はそれ以上のステージからなる一連の複数の反応器中で続けて行うことによって行うことができる。本発明のすべての実施形態において、より早いステージで生成されたポリマーがより遅いステージに移され、より早いステージにおいて生成したポリマーの存在下で、このより遅いステージのエチレンを単独、またはコモノマーとともに重合させる。各ステージの重合は、典型的にはスラリー重合によって行われるが、この重合は別の種類の重合、たとえば気相重合によって行うこともできる。
本発明の方法において、第1のステージは、好ましくはスラリー重合ステージである。スラリー重合においては、固体粒子状ポリマーの懸濁液が液体重合希釈媒体中に形成され、これに、エチレン、場合によりコモノマー、触媒、および場合により分子量調整剤、たとえば水素が加えられる。ポリマーと液体希釈剤とを含む懸濁液はスラリーとも呼ばれ、これが第1のステージから、好ましくは断続的または連続的に取り出され、続いて、場合により、モノマーと、希釈剤と、他の成分、たとえば揮発性成分とのすべてまたは一部が分離される。こうして分離された成分は、場合により、蒸留の後で、第1の反応ステージに再循環することができる。重合媒体中に使用される液体希釈媒体は典型的には、使用される重合条件下で液体である炭化水素である。使用される希釈剤は、重合条件下で液体であり比較的不活性であるべきである。希釈剤の例は、脂肪族炭化水素、たとえばプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン ヘプタン、オクタン、デカン、またはドデカン;脂環式炭化水素、たとえばシクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、およびメチルシクロヘキサン;ならびに芳香族炭化水素、たとえばベンゼン、トルエン、キシレン、またはエチルベンゼンである。好ましい希釈剤は、3〜7個の炭素原子を有するアルカン、好ましくはプロパン、イソブタン、イソペンタン、およびヘキサン、またはそれらの混合物である。
第1のスラリー重合ステージの後の反応ステージは、気相重合ステージ、バルク重合ステージ、溶液重合ステージ、またはスラリー重合ステージである。好ましい一実施形態においては、第2のステージがスラリー重合ステージである。本発明の別の好ましい実施形態においては、本発明の方法は直列の2または3つの重合ステージからなる。一般に、すべての反応ステージがスラリー反応ステージであることが好ましく、その理由は、これらは、小さな粒径を有する触媒が使用される場合に、気相反応器よりも付着物が付きにくいからである。さらに、スラリー反応ステージのみが使用される複数ステージの方法においては、一般に、反応ステージ間で希釈剤を除去する必要はない。
本発明のマルチステージ方法では、場合により触媒予備重合ステップが先に行われ、このステップはマルチステージ反応の1ステージとは見なされない。典型的には、触媒予備重合ステップにおいては、エチレンポリマー組成物の全重量を基準にして5重量%未満、望ましくは3重量%未満、最も好ましくは1重量%未満のポリマーが生成される。
本発明のマルチステージ方法は、好ましくは、全エチレンポリマー組成物を基準にして5〜90重量%、好ましくは10〜80重量%のポリマーが第1の反応器中で生成される。好ましい一実施形態においては、本発明の方法は、2つのステージからなり、第1のステージにおいては、エチレンポリマー組成物の重量を基準にして好ましくは20〜80重量%のポリマーが生成され、第2のステージにおいては80〜20重量%が生成される。より好ましい一実施形態においては、本発明の方法は2つのステージからなり、第1のステージにおいては40〜60重量%のポリマーが生成され、第2のステージにおいては60〜40重量%が生成される。
本発明の方法においては、当技術分野において公知のあらゆる好適な反応器中で重合を行うことができる。一般に、タンク型反応器、ループ型反応器、気泡塔、管型反応器、または多管型反応器が使用される。これらの反応器は、撹拌器、ポンプ、スクリューコンベヤ、スタティックミキサー、スパージャー、分配および再分配装置、またはバッフルを含むことができる。反応器は、2つ以上の反応ステージを含むことができる。このような反応器は、栓流反応ステージを介した内部再循環または外部再循環を有するタンク型反応器、カラム反応器、または複数の反応ステージを有するリングおよびディスク型(ring-and-disc)反応器、あるいは反応器の異なる部分でポリマーの組成物または形態が異なるように配置された複数の供給ノズル及び出口ノズルを有する反応器であってよい。反応ステージは、個別に冷却、過熱、または断熱操作を行うことができる。
本発明の方法の一実施形態においては、その方法は連続的に運転され、その第1のステージはタンクを含み、このタンクは場合により、反応器内で生成したスラリーを抜き取り、それを外部循環セクションを介して反応器に戻して循環させるための外部循環セクション、好ましくは管型または多管型セクションが提供された撹拌タンクである。タンクおよび外部循環セクションはそれぞれ独立して、断熱的または非断熱的に運転される。新しいエチレンおよび固体触媒前駆体の両方をタンクに供給することができる。タンク反応器から外部循環セクションに入るスラリーのすべてまたは好ましくは一部を、外部循環セクションのある場所において、前記セクションの少なくとも一部を通過した後で、前記ステージから抜き取ると好都合である。本発明の別の実施形態においては、第1のステージは、前述のような管型または多管型セクションを介して外部循環が提供されたタンクであり、新しいエチレンはタンクに供給されるが、固体触媒前駆体は(多)管型セクションに供給され、タンク反応器から外部循環セクションに入るスラリーのすべてまたは好ましくは一部は、前記セクションの少なくとも一部を通過した後で、固体触媒前駆体が外部循環セクションに加えられる場所の前である、外部循環セクションのある場所において、前記ステージから抜き取られる。好ましくは、スラリーが第1のステージから取り出される外部循環セクション中の場所は、タンク反応器から、外部循環セクション中の前記スラリー排出場所までスラリーが流れるのに、少なくとも30秒、好ましくは少なくとも60秒、より好ましくは少なくとも90秒、好都合には600秒以下、好ましくは400秒以下要するように選択される。これらの実施形態では、第1のステージ中の触媒の平均滞留時間を増加させることができ、同時に、第1のステージ中の触媒粒子の最短滞留時間が、外部循環セクション、スラリー再循環速度、およびスラリー排出点の場所を計画することによって制御可能となる。これらの実施形態では、後続の反応ステージにおけるゲル形成をさらに減少させることができる。
第1または後続のステージの後で気相重合ステージが使用される場合、この気相重合ステージは、当技術分野において周知の反応器中、たとえば、欧州特許出願公開第713 888号明細書、または米国特許第5,589,539号明細書(これらの関連する特徴は参照して本明細書に組む込まれる)に記載されるような流動または撹拌タンク反応器中で行うことができる。
本発明の方法において、各ステージは、連続的、バッチモード、またはセミバッチモードで運転することができるが、好ましくは連続的に運転される。希釈剤、エチレンモノマー、場合によるコモノマー、および分子量調整剤が存在する場合、各ステージで別々に反応条件を制御できるように、これらを、各ステージに別々に加えることができる。
本発明の方法において使用される触媒系は、チタンおよびバナジウムの群から選択される遷移金属を含む固体触媒前駆体を含み;マグネシウム、ハロゲン化物、および無機酸化物を含む固体粒子状材料、および場合により電子供与体をさらに含む。
マグネシウムは、一般に他の触媒成分と反応してマグネシウム化合物を形成するマグネシウム金属として、固体触媒前駆体の製造に使用することができるし、またはマグネシウムはマグネシウム化合物の形態で使用することもできる。固体触媒前駆体の調製に使用することができる好適なマグネシウム化合物としては、ハロゲン化マグネシウムおよび有機マグネシウム化合物が挙げられる。好ましい一実施形態においては、ハロゲン化マグネシウム、たとえば塩化マグネシウム(MgCl2)、臭化マグネシウム(MgBr2)、ヨウ化マグネシウム(MgI2)が使用される。より好ましい一実施形態においては、このハロゲン化マグネシウムが塩化マグネシウムである。
固体触媒前駆体成分の調製に使用される遷移金属は、チタンまたはバナジウムから選択される。好ましい一実施形態においては、チタンまたはバナジウム金属は次式の化合物の形態であり:
M(R)ab
上式中、Mはチタンまたはバナジウムであり、Rは、RiまたはORi、またはOCORiであり、RiはC1〜C14脂肪族または芳香族の炭化水素基であり、XはCl、
Br、I、またはそれらの混合物から選択され、「a」は0または1であり、「b」2〜4(両端の値を含む)であり、a+b=3または4である。代表的なチタン化合物としては、TiCl3、TiCl4、Ti(OC65)Cl3、Ti(OCOCH3)Cl3、Ti(OCOC65)Cl3、またはそれらの混合物が挙げられる。代表的なバナジウム化合物としてはハロゲン化バナジウムが挙げられる。好ましい一実施形態においては、このハロゲン化バナジウムは三塩化バナジウムである。固体触媒前駆体組成物は、チタン化合物およびバナジウム化合物の混合物を含むこともできる。
好ましい一実施形態においては、触媒が電子供与化合物をさらに含む。電子供与化合物は、脂肪族または芳香族モノまたはポリカルボン酸のアルキルエステル、脂肪族ケトン、脂肪族アミン、脂肪族アルコール、アルキルまたはシクロアルキルエーテル、あるいはそれらの混合物であってよく、各電子供与体は2〜20個の炭素原子を有する。これらの電子供与体の中で好ましいものは、2〜20個の炭素原子を有するジアルキルおよびシクロアルキルエーテル;3〜20個の炭素原子を有するジアルキル、ジアリール、およびアルキルアリールケトン;ならびに2〜20個の炭素原子を有するアルキルおよびアリールカルボン酸のアルキル、アルコキシ、およびアルコキシアルキルエステルである。特に好ましい電子供与体はテトラヒドロフランである。好適な電子供与体の他の例は、メチルホルメート、エチルアセテート、ブチルアセテート、エチルエーテル、ジオキサン、ジ−n−プロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルホルメート、メチルアセテート、エチルアニセート、エチレンカーボネート、テトラヒドロピラン、およびエチルプロピオネート、ならびにジカルボン酸無水物、たとえば無水フタル酸である。
他の特に好ましい種類の電子供与体は、環式脂肪族エーテルと脂肪族アルコールとの組み合わせである。この種類の中で特に好ましい組み合わせは、テトラヒドロフランと、エタノール、n−ブタノール、またはイソプロパノールとの組み合わせである。本発明の方法において使用することができる他の好適な電子供与体の組み合わせは、米国特許出願公開第2004/0009869号明細書、現在は米国特許第6,780,808号明細書に記載されており、好適な電子供与体の組み合わせに関する教示が参照して本明細書に組む込まれる。さらなる情報は米国特許出願公開第2004/0010101号明細書に提供されており、この記載内容全体が参照して本明細書に組む込まれる。
本発明において使用される触媒前駆体組成物は、無機酸化物を含む固体粒子状材料をさらに含む。好適な無機酸化物としては、シリカ、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、アルミナ、シリカ/アルミナ混合物が挙げられる。シリカが使用される場合、その表面は、表面のシラノールと反応できる試薬で改質することができる。好ましい一実施形態においては、固体粒子状材料がシリカである。固体粒子状材料の粒度は、固体触媒前駆体を製造するために選択された方法に適するように選択することができる。
触媒前駆体を固体粒子状材料中に含浸させる場合、無機酸化物を含む固体粒子状材料は、好ましくは、重合に対して実質的に不活性な多孔質材料である。無機酸化物を含む固体粒子状材料のメジアン粒径は、一般に、固体触媒前駆体と同程度であってよい。無機酸化物を含む固体粒子状材料は、一般に、ASTM規格D−3663−84に記載される方法に準拠して測定される表面積が少なくとも3m2/g、好ましくは少なくとも50m2/gであり;ASTM D−4641−87に記載の方法に準拠して測定される孔径が少なくとも8nm、好ましくは少なくとも10nmである。
あるいは、無機酸化物を含む固体粒子状材料は、結果として得られる固体触媒前駆体のメジアン直径よりもはるかに小さい粒度を有することもできる。この実施形態においては、固体粒子状材料が、固体触媒前駆体組成物のフィラーとして機能し、触媒活性材料の希釈剤としての機能、および噴霧乾燥した固体触媒前駆体粒子にさらなる機械的強度を付与する機能の両方の機能を果たす。ヒュームドシリカ、たとえばCab−O−Sil TS−610(米国のキャボット・コーポレーション(Cabot Corporation)の商標)は、このような非常に小さい粒度を有する好ましいシリカである。このようなシリカは、典型的には、典型的には鎖の形態である凝集粒子を形成する一次粒子を含む。一次粒子のメジアン粒度は典型的には100nm未満であり、その凝集体は典型的には0.5μm未満の鎖長を有する。ヒュームドシリカは、ASTM規格D−3663−84に記載される方法に準拠して測定される表面積が少なくとも50m2/gであり、好ましくは少なくとも100m2/gである。
固体触媒前駆体のメジアン粒度D50は、固体触媒前駆体の全体積を基準としており、少なくとも1μm、好ましくは少なくとも4μm、最も好ましくは少なくとも6μmである。メジアン粒度D50は、好ましくは最大13μm、より好ましくは最大11μm、最も好ましくは最大9μmである。1μm〜13μmの間のあらゆる個別の値および部分的範囲が、本明細書に含まれ、本明細書において開示される。
好ましくは、固体触媒前駆体は以下の関係(または範囲)を満たす:
2≧(D90−D10)/D50
上記のD50は、固体触媒前駆体の全体積を基準とした固体触媒前駆体のメジアン粒度であり、すなわちサンプル中の粒子50体積%が、記載の値D50以下の直径を有する。D10は、D10に関して記載される値未満の直径を有するサンプル中の10体積%の粒子を表す。D90は、D90に関して記載される値未満の直径を有するサンプル中の90体積%の粒子を表す。これらの値を求める方法では、体積の平均を調べるためにレーザー光散乱が使用される。
より好ましくは、本発明の固体触媒前駆体は関係:1.6≧(D90−D10)/D50を満たし、さらにより好ましくは1.5≧(D90−D10)/D50、最も好ましくは1.0≧(D90−D10)/D50を満たす。
典型的には、本発明の固体触媒前駆体はマグネシウムおよび遷移金属を、2:1〜50:1、好ましくは5:1を超え、より好ましくは6:1〜10:1のモル比で含む。2:1〜50:1の間のあらゆる個別の比率および比率の部分的範囲が、本明細書に含まれ、本明細書において開示される。
本発明の固体触媒前駆体組成物は、典型的には、固体触媒前駆体成分の遷移金属1モル当たり1〜20モルの電子供与体、好ましくは遷移金属1モル当たり1〜10モルの電子供与体も含む。固体触媒前駆体の遷移金属1モル当たりの電子供与体1〜20モルの間あらゆる個別の値および部分的範囲が、本明細書に含まれ、本明細書において開示される。
酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、または酸化チタンが固体触媒前駆体中に使用される場合、この形態にあるこれらの金属および遷移金属は、一般に触媒的に不活性であり、したがってこれらの含有量は前述の比率の計算には含まれない。
好ましい一実施形態においては、本発明の固体触媒前駆体は、固体触媒前駆体の全重量を基準にして10重量%〜95重量%の無機酸化物粒子状材料、好ましくはシリカを含む。10重量%〜95重量%の間のあらゆる個別の値および部分的範囲が、本明細書に含まれ、本明細書において開示される。固体触媒前駆体は、固体触媒前駆体の全重量を基準にして10重量%〜95重量%のフィラー材料を含むことができる。10重量%〜95重量%の間のあらゆる個別の値および部分的範囲が、本明細書に含まれ、本明細書において開示される。
固体触媒前駆体の調製方法は、米国特許第4,482,687号明細書、第5,106,926号明細書、第5,290,745号明細書、および第5,442,018号明細書(これらそれぞれの関連部分が参照して本明細書に組む込まれる)によって例示されるように、当技術分野において周知である。典型的には、本発明の固体触媒前駆体組成物は、大過剰の電子供与化合物を、マグネシウム金属またはマグネシウム化合物、遷移金属化合物、ならびに無機酸化物を含む固体粒子状材料と任意の順序で接触させて前駆体スラリーを形成することによって形成される。これらの成分の混合は、一般に数時間にわたって、電子供与体の標準沸点未満の温度であるが、好ましくは20℃〜80℃の間の温度で行われる。次に、触媒前駆体スラリーが形成された後に過剰の電子供与体が除去されて、固体触媒前駆体が形成される。
好ましい一実施形態においては、本発明の触媒前駆体組成物が噴霧乾燥によって得られ、この場合、触媒前駆体成分の溶液が調製され、固体粒子状材料とスラリー化される。次にこのスラリーが、米国特許第5,290,745号明細書(この記載内容全体が参照して本明細書に組む込まれる)に開示されるような方法によって噴霧乾燥され、これによって、本出願の無機酸化物を含む固体粒子状材料が、米国特許第5,290,745号明細書に開示される不活性フィラーに対応する。噴霧乾燥した前駆体の平均粒度は、一般に噴霧乾燥中の処理手段によって調整され、場合により、噴霧乾燥後に分離または分級技術を使用することによって変化させることもできる。
前述したように、触媒前駆体は噴霧乾燥によって得ることができる。噴霧乾燥した触媒は好ましい形式の触媒である。これを選択した場合、前駆体を調製し、不活性フィラーとスラリー化させる。次に、前述のように米国特許第5,290,745号明細書に開示されるような方法によって、このスラリーを噴霧乾燥する。一般に、使用される不活性フィラーの量は、噴霧乾燥した前駆体1g当たり0.3〜2.5ミリモルのチタンとなる量である。噴霧乾燥前に溶液に加えられるフィラーは、チタン化合物および最終活性触媒に対して不活性なあらゆる有機化合物または無機化合物、たとえばヒュームドシリカの形態の二酸化ケイ素、二酸化チタン、ポリスチレン、ゴム改質ポリスチレン、塩化マグネシウム、および炭酸カルシウムが挙げられる。フィラーは、個別に使用することもできるし、組み合わせて使用することもできる。噴霧乾燥した前駆体は10〜95重量%フィラーとなる。噴霧乾燥した前駆体中の典型的なMg/Ti原子比は3:1〜10:1である。平均粒度および粒度分布範囲は、噴霧乾燥中の処理手段によって調整することができ、さらに、噴霧乾燥後の分離技術によって変化させることができるが、乾燥後の粒子の分級は工程が非常に複雑になるので好ましくない。標準的な成形および分粒技術を使用した平均粒度は10〜30μmの範囲内であり、一部の触媒系の場合、典型的には14μm以上となりうる。
触媒を第1の重合反応器に導入する間、場合による予備重合ステップの間、またはルイス酸を直接重合反応器に加えることによって、場合によりルイス酸改質を行うことができる。最初の2つの技術が、所望の効果を得るために必要なルイス酸量が少ないので好ましい。特に好ましい選択の1つは、触媒を反応器に供給する間に不活性炭化水素希釈剤に加えることである。これを行う場合、1〜200分の滞留時間が望ましく、特に好ましい滞留時間は1〜100分である。米国特許第6,187,866号明細書および第6,617,405号明細書に記載される装置が、触媒供給中のルイス酸改質に特に適している。これら両方の特許の記載内容全体が参照して本明細書に組む込まれる。ルイス酸を、触媒を供給する前の別のステップで触媒前駆体に加え、この混合物を単離し、次にこの混合物を重合反応器に供給することもできる。しかし、余分な工程段階が増えるため、これはあまり望ましくない選択となる。好適なルイス酸の例について以下に述べる。
ルイス酸改質は、部分的活性化を実施する場合にその最中に行うこともできる。この場合も、米国特許第6,187,866号明細書に記載される装置が特に好ましい。好ましい部分的活性化系は、ジエチルアルミニウムクロライド(Et2AlCl)およびトリヘキシルアルミニウム(Hex3Al)の系である。部分的活性化も場合により使用されるステップである。
本発明の固体触媒前駆体は、活性重合触媒を得るために共触媒が併用される。好適な共触媒は有機アルミニウム化合物を含む。好ましい有機アルミニウム化合物は小僧AlRii di efを有し、式中、XiはClまたはORiiiであり、RiiおよびRiiiは、1〜14個の炭素原子を含有する飽和炭化水素基であり、これらの基は同種の場合も異種の場合もあり、「e」は0〜2であり、「f」は0または1であり、d+e+f=3である。RiiおよびRiiiは、重合中に使用される反応条件下で不活性である1又はそれ以上の置換基で置換されていてもよい。好ましくはRiiおよびRiiiは、1〜8個の炭素原子を含有するアルキル基である。
このような共触媒化合物は、個別に、または組み合わせて使用することがで、このようなものとしては、Al(C253、Al(C252Cl、Al2(C253Cl3、Al(C252H、Al(C252(OC25)、Al(C493、Al(i−C493、Al(i−C492H、Al(C6133、Al(C6132H、およびAl(C8173、Al(i−C492(C613)、Al(i−C49)(C6132、Al(CH33、Al(C373、Al(i−C373、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウム、トリドデシルアルミニウム、トリベンジルアルミニウム、トリメチルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、トリナフチルアルミニウム、トリトリルアルミニウム、ジブチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、およびエチルアルミニウムセスキクロライドなどの化合物が挙げられる。好ましい共触媒としては、ジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)、トリ−n−ヘキシルアルミニウム(TnHAl)、エチルアルミニウムジクロライド(EADC)、トリブチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、またはそれらの混合物が挙げられる。共触媒対遷移金属のモル比は一般に1:1〜150:1の範囲内であり、好ましくは10:1〜30:1の範囲内である。1:1〜150:1の間のあらゆる個別の値および部分的範囲が、本明細書において開示され、本明細書に含まれる。好ましい共触媒としては、トリエチルアルミニウム、トリメチルアルミニウムおよびTIBAlが挙げられる。
望ましくは、本発明の固体触媒前駆体は、重合反応器に導入する前に、共触媒化合物を使用して部分的に活性化させることができる。最大の触媒活性を維持するため、そして電子供与体が使用される場合、「共触媒化合物対電子供与体」のモル比が0.1:1〜1:1となる触媒が得られる量で共触媒化合物が好ましくは使用される。このような部分的活性化は、炭化水素スラリー中で行うことができ、場合により、続いて、20℃〜80℃、好ましくは50℃〜70℃の温度で得られた混合物を乾燥させて溶媒を除去することができる。得られた乾燥生成物を次に重合反応器に供給することができ、ここで、同種の化合物である場合も異なる化合物である場合もある追加の共触媒化合物を使用して、活性化を完了させる。好ましくは、固体触媒前駆体および共触媒の両方を含有する炭化水素スラリーを直接反応器に供給することができるし、固体触媒前駆体および共触媒のそれぞれを別々に重合反応器に加えることもできる。固体触媒前駆体供給材料は、一般に1重量%〜75重量%の触媒前駆体を含有する。炭化水素スラリー中の予備活性化は米国特許第6,187,866号明細書に記載されており、この記載内容全体が参照して本明細書に組む込まれる。
好ましい一実施形態においては、本発明の固体触媒系は:
(i)式MgaTi(OR)bXc(ED)dを有するチタン系触媒前駆体
(上式中、
Rは、1〜14個の炭素原子を有する脂肪族または芳香族の炭化水素基、あるいはCOR’であり、R’は、1〜14個の炭素原子を有する脂肪族または芳香族の炭化水素基であり;
各OR基は同種または異種であり;
各Xは独立して、塩素、臭素、またはヨウ素であり;
EDは電子供与体であり;
aは0.5〜56であり;
bは0、1、または2であり;
cは2〜116であり;
dは1.5a+4以下である)と;
(ii)式BX3またはAlR(3-b)bを有する少なくとも1種類の改質剤
(上式中、各Rは、アルキルまたはアリールであって、同種または異種であり、Xおよび「b」は成分(i)に関して前述した通りである)を含み、有機アルミニウム化合物はヒドロカルビルアルミニウム共触媒である。
チタン系触媒およびその調製方法は、米国特許第5,290,745号明細書および米国特許第4,293,673号明細書に開示されており、これらそれぞれの関連部分全体が参照して本明細書に組む込まれる。
本発明の実施に有用な触媒は、チタン化合物、マグネシウム化合物、および電子供与体から調製することができる。
これらの触媒の調製に有用なチタン化合物は、式Ti(OR)beを有し、式中、R、X、および「b」は成分(a)に関して前述した通りであり;「e」は1〜4の整数であり;b+eは3または4である。チタン化合物の例は、TiCl3、TiCl4、Ti(OC252Br2、Ti(OC65)Cl3、Ti(OCOCH3)Cl3、およびTi(OCOC65)Cl3である。
これらの触媒の調製に有用なマグネシウム化合物としては、ハロゲン化マグネシウム、たとえばMgCl2、MgBr2、およびMgI2が挙げられる。無水MgCl2が好ましい化合物である。チタン化合物1モル当たり0.5〜56モル、好ましくは1〜10モルのマグネシウム化合物が使用される。
触媒中に使用される電子供与体は、0℃〜200℃の範囲内の温度で液体である有機ルイス塩基であり、この範囲でチタンおよびマグネシウム化合物は可溶性である。
好適な電子供与体の例は、脂肪族または芳香族のカルボン酸のアルキルエステル、脂肪族ケトン、脂肪族アミン、脂肪族アルコール、アルキルまたはシクロアルキルエーテル、ならびにそれらの混合物である。電子供与体が2〜20個の炭素原子を有することが好ましい。好ましい電子供与体は、2〜20個の炭素原子を有するアルキルおよびシクロアルキルエーテル;3〜20個の炭素原子を有するジアルキル、ジアリール、およびアルキルアリールケトン;ならびに2〜20個の炭素原子を有するアルキルおよびアリールカルボン酸のアルキル、アルコキシ、およびアルキルアルコキシエステルである。最も好ましい電子供与体はテトラヒドロフランである。好適な電子供与体の他の例は、メチルホルメート、エチルアセテート、ブチルアセテート、エチルエーテル、ジオキサン、ジ−n−プロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルホルメート、酢酸メチル、エチルアニセート、エチレンカーボネート、テトラヒドロピラン、およびエチルプロピオネートである。
改質剤すなわちルイス酸は、式BX3またはAlR(3−a)Xaを有し、式中、各Rは、1〜14個の炭素原子を有するアルキル基であって、同種または異種であり;各Xは、塩素、臭素、またはヨウ素であって、同種または異種であり;「a」は0、1、または2である。1又はそれ以上の改質剤を使用することができるが、2種類の異なる改質剤が好ましい。好ましい改質剤としては、各アルキル基が1〜6個の炭素原子を有するアルキルアルミニウムモノ−およびジクロライド、三塩化ホウ素、ならびにトリアルキルアルミニウムが挙げられる。特に好ましい改質剤の組み合わせは、ジエチルアルミニウムクロライドおよびトリ−n−ヘキシルアルミニウムである。電子供与体1モル当たり0.1〜10モル、好ましくは0.2〜2.5モルの改質剤(1又は複数)が使用される。改質剤は、チタン錯体の一部であると見なされる。電子供与体、担体、および共触媒は、前述の通りである。前述したように、改質剤は、アルミニウム含有活性化剤と化学構造が類似していてもよい。この改質剤は、式BX3またはAlR(3-e)eを有し、式中、各Rは独立して、1〜14個の炭素原子を有するアルキル基であり;各Xは独立して、塩素、臭素、またはヨウ素であり;「e」は1、または2である。1又はそれ以上の改質剤を使用することができる。好ましい改質剤としては、各アルキル基が1〜6個の炭素原子を有するアルキルアルミニウムモノ−およびジクロライド;三塩化ホウ素;ならびにトリアルキルアルミニウムが挙げられる。電子供与体1モル当たり0.1〜10モル、好ましくは0.2〜2.5モルの改質剤を使用することができる。改質剤対チタンのモル比は、1:1〜10:1の範囲内とすることができ、好ましくは2:1〜5:1の範囲内である。改質剤は前駆体と反応するので、これは前駆体の一部となるが、しかし、前駆体の平均粒度に有意な影響は与えない。
好ましい部分的活性化剤としては、限定するものではないが、ジエチルアルミニウム/トリヘキシルアルミニウム系が挙げられる。
ヒドロカルビルアルミニウム共触媒は、式R3Alで表すことができ、式中、各Rは独立して、アルキル、シクロアルキル、アリール、または水素であり;少なくとも1つのRがヒドロカルビルであり;2または3つのR基は、結合して複素環式構造を形成する場合がある。ヒドロカルビル基である各Rは、1〜20個の炭素原子を有することができ、好ましくは1〜10個の炭素原子を有する。
ヒドロカルビルアルミニウム化合物の例は以下の通りである:トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジヘキシルアルミニウムジヒドリド、ジイソブチルヘキシルアルミニウム、イソブチルジヘキシルアルミニウム、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウム、トリドデシルアルミニウム、トリベンジルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、トリナフチルアルミニウム、およびトリトリルアルミニウム。好ましい共触媒は、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、およびジヘキシルアルミニウムヒドリドである。トリアルキルアルミニウム化合物も改質剤として機能することができる。
前駆体が担持される場合、シリカが好ましい担体であり、他の好適な担体は、無機酸化物、たとえばリン酸アルミニウム、アルミナ、シリカ/アルミナ混合物、有機アルミニウム化合物で改質された、たとえばトリエチルアルミニウムで改質されたシリカ、およびジエチル亜鉛で改質されたシリカである。
典型的な担体は、重合に対して実質的に不活性な固体粒子状多孔質材料である。これは、平均粒度が10〜250μm、好ましくは30〜100μmであり;表面積が少なくとも200m2/g、好ましくは少なくとも250m2/gであり;孔径が少なくとも80オングストローム、好ましくは少なくとも200オングストロームである乾燥粉末として使用される。一般に、使用される担体の量は、担体1g当たり0.1〜0.5ミリモルのチタン、および好ましくは担体1g当たり0.2〜0.3ミリモルのチタンが得られるような量である。上記触媒をシリカ担体への含浸は、錯体およびシリカゲルを電子供与溶媒中で混合した後、減圧下で溶媒を除去することによって行われる。
好ましくは、本発明の固体触媒前駆体は、噴霧乾燥され、10〜95重量%の前述のフィラーを含有する固体粒子を含む。
改質剤(またはルイス酸)が使用される場合、その改質剤は有機溶媒中、たとえばイソペンタンまたはヘキサン中に溶解され、担体が使用される場合、担体への含浸の後、チタン化合物または錯体の含浸を行い、その後担持触媒前駆体を乾燥させる。改質剤は、活性化剤と化学構造および機能が類似している。変法としては、たとえば、米国特許第5,106,926号明細書を参照することができ、この関連部分が参照して本明細書に組む込まれる。改質剤も活性化剤も、前駆体の平均粒度または範囲に対して有意な影響を与えない。活性化剤は好ましくは、単独でそのまま、または不活性溶媒中、たとえばイソペンタン中の溶液として、エチレンを流し始めるのと同時に重合反応器に加えられる。
改質剤は、モノマーの存在下またはモノマーの非存在下で、触媒前駆体に加えることができる。好ましい方法の1つは、触媒が反応器システムに導入されるときに、改質剤をスラリー中の触媒前駆体に加えることである。1〜100分の滞留時間を使用することができる。
本発明の方法において生成されるエチレンポリマー組成物は、エチレンを単独、またはコモノマーとともに重合させることによって生成される。好ましくは、使用されるコモノマーは、3〜12個の炭素原子を有するα−オレフィンである。3〜12個の炭素原子の間のあらゆる個別の値および部分的範囲が、本明細書に含まれ、本明細書において開示される。使用されるα−オレフィンコモノマーは、最も好ましくは3〜8個の炭素原子を有し、たとえば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、または1−オクテンであってよい。好ましくは、エチレン以外に反応器1つ当たり、1または2種類以下のα−オレフィンコモノマーが使用される。コポリマーの生成が望まれる場合、α−オレフィン対エチレンのモル比は、一般に0.005:1〜0.6:1の範囲内であり、好ましくは0.01:1〜0.42:1の範囲内であり、最も好ましくは0.02:1〜0.26:1の範囲内である。0.005:1〜0.6:1の間のあらゆる個別のモル比および部分的範囲が、本明細書に含まれ、本明細書において開示される。
好ましくは、固体触媒前駆体および共触媒は、第1の反応ステージにのみ供給される。前駆体の改質は、触媒を第1の反応ステージに供給する間に行うことができる。好ましくは、固体触媒前駆体は噴霧乾燥によって得られる。共触媒は後続の反応ステージのいずれかに供給することもできる。この方法でプロセスを運転することによって、一般に、エチレンポリマー組成物中に形成されるゲルの数が減少する。
エチレンポリマー組成物およびその成分のMI2およびMI5を制御するために、分子量調整剤、好ましくは水素を、場合により各反応ステージに供給することができる。
本発明の方法による典型的なプロセスにおいては、本発明の固体触媒前駆体および共触媒、希釈剤、エチレン、場合によるコモノマー、ならびに場合による水素は、スラリー重合が行われる第1の反応器に連続的に供給され;ポリマー/触媒混合物は、第1の反応ステージから懸濁液として連続的に抜き取られる。未反応のモノマーおよびコモノマー、水素、ならびに希釈剤は、この懸濁液から部分的または完全に除去することができる。これらの材料は、プロセスから除去したり、場合により蒸留の後で、第1の反応ステージに再循環させたりすることができる。ポリマー/触媒混合物は次に、第2および後続の反応ステージに移される。より早いステージで生成したポリマーとともに、エチレン、場合によりコモノマー、水素、および共触媒を、第2におよび後続の反応ステージに連続的に供給することができる。好ましくは、新しい固体触媒前駆体は、後続の反応ステージには供給されない。最終生成物は、最終反応ステージから連続的に取り出される。
各反応ステージの運転温度は、一般に、形成されるポリマー粒子が実質的に軟化、および溶融、および溶解が起こらない温度である。典型的な温度は60℃〜110℃の範囲内である。各反応器ステージの圧力は、一般に5〜30barの範囲内である。第1の反応ステージの圧力は、好ましくは7〜20barの範囲内である。エチレンの分圧、滞留時間、ならびに固体触媒前駆体の量、および共触媒の量は、生成されるポリマーの所望の量により、各反応ステージで設定される。全体の圧力のバランスは、エチレン以外のコモノマー、および不活性ガス、たとえば窒素によって提供される。
好ましくは、比較的低分子量のポリマーが第1のステージで調製され、これが次に第2および場合により後続の反応ステージに移されて、そこで比較的高分子量のポリマーが調製される。この順序を逆にすることもできるが、それはあまり好ましくない。比較的低分子量の成分を生成するためにステージ中に存在する水素対エチレンの比率は、液相中に存在するエチレン1モル当たりの水素のモル数で表現すると、一般に0.035〜0.60の範囲内であり、好ましくは0.10〜0.40の範囲内である。高分子量ポリマーを生成する反応ステージもスラリー反応ステージである場合、高分子量ポリマーを生成する反応ステージにおける水素対エチレンの比率は、一般に0.0001〜0.05の範囲内であり、好ましくは0.001〜0.02の範囲内である。
形成されるエチレンポリマー組成物の特性は、ASTM D 1238−04に準拠して測定されるメルトフローレートMI2およびMI5を使用して表される。第1の反応ステージを離れた比較的低分子量のエチレンポリマーのメルトフローレートは、ASTM D 1238−04、条件(Condition)190℃/2.16、MI2に準拠して測定される。第1のステージで生成されるポリマーが比較的高分子量の成分である場合、そのメルトフローレートは、ASTM D 1238−04、条件(Condition)190℃/21.6、MI21.6に準拠して測定される。最終反応ステージを離れたエチレンポリマー組成物のメルトフローレートは、ASTM D 1238−04、条件(Condition)190℃/5、MI5に準拠して測定される。
第1のステージを離れた比較的低分子量のエチレンポリマーは、好ましくは10〜1000g/10分の範囲内、好ましくは15〜750g/10分の範囲内、より好ましくは20〜500g/10分の範囲内のMI2を有する。10g/10分〜1000g/10分の間のあらゆる個別の値および部分的範囲が、本明細書に含まれ、本明細書において開示される。
第1の反応ステージで生成される比較的低分子量のエチレンポリマーの密度は、一般に少なくとも0.920g/cm3であり、好ましくは0.940g/cm3〜0.980g/cm3であり、より好ましくは0.950g/cm3〜0.975g/cm3の範囲内である。0.920g/cm3〜0.980g/cm3の間のあらゆる個別の値および部分的範囲が、本明細書に含まれ、本明細書において開示される。この成分は、好ましくは、エチレンホモポリマー、または最大10重量%のC410α−オレフィンコモノマーを含有するエチレンコポリマーである。1重量%〜10重量%の間のあらゆる値および部分的範囲が、本明細書に含まれ、本明細書において開示される。
比較的高分子量のエチレンポリマーは、第1の反応器中で生成される場合、好ましくは0.01〜50g/10分の範囲内、より好ましくは0.05〜30g/10分の範囲内のMI21.6を有する。0.01g/10分〜50g/10分の間のあらゆる個別の値および部分的範囲が、本明細書に含まれ、本明細書において開示される。
この比較的高分子量の成分の密度は、好ましくは0.870g/cm3〜0.950g/cm3、または〜0.965g/cm3、より好ましくは0.880〜0.955g/cm3である。0.870g/cm3〜0.965g/cm3の間のあらゆる個別の値および部分的範囲が、本明細書に含まれ、本明細書において開示される。この成分は、好ましくは最大30重量%のC410α−オレフィンコモノマー、好ましくは最大25重量%のコモノマーを含有するエチレンコポリマーである。1重量%〜30重量%の間のあらゆる値および部分的範囲が、本明細書に含まれ、本明細書に組み込まれる。第2の反応器で生成された比較的高分子量のエチレンポリマーは0.900g/cm3〜0.980g/cm3の密度を有することができる。0.900g/cm3〜0.980g/cm3の間のあらゆる個別の値および部分的範囲が、本明細書に含まれ、本明細書において開示される。
最終反応ステージから取り出されたエチレンポリマー組成物は一般に、MI5が0.02〜5g/10分の範囲内であり、好ましくは0.04〜3.5g/10分の範囲内であり、最も好ましくは0.08〜1.0g/10分の範囲内である。0.02g/10分〜5g/10分の間のあらゆる個別の値および部分的範囲が、本明細書に含まれ、本明細書において開示される。
最終反応ステージを離れたエチレンポリマー組成物の密度は、一般に0.900g/cm3〜0.980g/cm3、好ましくは0.915g/cm3〜0.970g/cm3、より好ましくは0.916g/cm3〜0.965g/cm3の範囲内である。0.900g/cm3〜0.980g/cm3の間のあらゆる個別の値および部分的範囲が、本明細書に含まれ、本明細書において開示される。
好ましい一実施形態においては、第1の重合ステージで生成したメジアンD50のポリマー粒度は、100〜300μm、より好ましくは150〜250μm、最も好ましくは180〜220μmである。100μm〜300μmの間のあらゆる個別の値および部分的範囲が、本明細書に含まれ、本明細書において開示される。
別の実施形態においては、第2の重合ステージで生成したメジアンD50のポリマー粒度は、150〜350μm、より好ましくは200〜300μm、最も好ましくは210〜260μmである。150μm〜350μmの間のあらゆる個別の値および部分的範囲が、本明細書に含まれ、本明細書において開示される。
典型的には、ポリマー生成物は、ミクロレベル(ナノメートル)で観察すると多相組成物であり、マクロレベル(ミクロンおよびサブミクロン)で観察すると2種類のポリマー成分の均一な固溶体である。典型的には、FTIR顕微鏡検査またはSEMでは、区別可能な相は検出されない。
本発明のマルチステージ方法によって得られたエチレンポリマー組成物は、好都合には少ないゲル量を有する。好ましくは、このエチレンポリマー組成物は、1平方メートル(m2)当たり6個未満の800μmを超える大きさのゲル、および1平方メートル当たり100個未満の400〜800μmの範囲内の大きさのゲル、より好ましくは1平方メートル当たり3個未満の800μmを超える大きさのゲル、および1平方メートル当たり75個未満の400〜800μmの範囲内の大きさのゲル、最も好ましくは1平方メートル当たり1個未満の800μmを超える大きさのゲル、および1平方メートル当たり50個未満の400〜800μmの範囲内の大きさのゲルを示す。ゲルの数および大きさは、エチレンポリマー組成物から調製した厚さ50μmのキャストフィルムの5m2のサンプルについて測定する。本発明の方法により形成された組成物中のゲルの大きさを測定する場合、ゲルの領域を、たとえばデジタルカメラによって、または目視観察、または他の好適な手段測定し、同じ領域を有する円の直径として表す。ゲルは、フィルム中のポリエチレンの欠陥として画定され、他の欠陥、たとえば段ボール箱からのほこりおよび繊維などは含まない。
最も好ましくは、本発明のマルチステージ方法によって得られるエチレンポリマー組成物の密度は、0.900g/cm3〜0.980g/cm3、好ましくは0.915g/cm3〜0.970g/cm3、より好ましくは0.916g/cm3〜0.965g/cm3の範囲内、最も好ましくは0.935g/cm3〜0.965g/cm3である。0.900g/cm3〜0.980g/cm3の間のあらゆる個別の値および部分的範囲が、本明細書に含まれ、本明細書において開示される。
さらに最も好ましくは、本発明のマルチステージ方法によって得られるエチレンポリマー組成物は、MI5が0.02〜5g/10分の範囲内、好ましくは0.04g/10分〜3.5g/10分の範囲内、最も好ましくは0.08g/10分〜1.0g/10分、または〜2.0g/10分の範囲内であり;密度が少なくとも0.920g/cm3、好ましくは0.940g/cm3〜0.980g/cm3、より好ましくは0.950〜0.975g/cm3の範囲内であり;MI2が10g/10分〜1000g/10分の範囲内、好ましくは15g/10分〜750g/10分の範囲内、最も好ましくは20g/10分〜500g/10分の範囲内であるエチレンポリマーを、組成物の全重量を基準にして20〜80重量%、好ましくは40〜60重量%含み;このエチレンポリマー組成物は、1平方メートル(m2)当たり6個未満の800μmを超える大きさのゲル、および1平方メートル当たり100個未満の400〜800μmの範囲内の大きさのゲル、より好ましくは1平方メートル当たり3個未満の800μmを超える大きさのゲル、および1平方メートル当たり75個未満の400〜800μmの範囲内の大きさのゲル、最も好ましくは1平方メートル当たり1個未満の800μmを超える大きさのゲル、および1平方メートル当たり50個未満の400〜800μmの範囲内の大きさのゲルを示し、これらのゲルの大きさおよび数は、エチレンポリマー組成物から調製した厚さ50μmのキャストフィルムの5m2のサンプルに対して測定される。
従来の添加剤、たとえば酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、顔料、染料、核剤、フィラー、ナノフィラー、スリップ剤、難燃剤、可塑剤、加工助剤、潤滑剤、安定剤、発煙抑制剤、粘度調整剤、および架橋剤、ならびにブースター、粘着付与剤、およびブロッキング防止剤を、エチレンポリマー組成物に導入することができる。フィラーを除けば、添加剤は、それぞれ100重量部のエチレンポリマー組成物に対して、0.1〜10重量部の添加剤の量で組成物中に存在することができる。フィラーは、それぞれ100重量部のエチレンポリマー組成物に対して、最大200重量部以上の量で加えることができる。さらに別の好適な添加剤としては、他のポリエチレン系樹脂、たとえば非限定的に、ダウレックス(DOWLEX)(商標)、アテイン(ATTANE)(商標)、およびアフィニティ(AFFINITY)(商標)樹脂が挙げられ、これらすべてはザ・ダウ・ケミカル・カンパニー(The Dow Chemical Company)より入手可能である。
本発明のエチレンポリマー組成物は、フィルム、繊維、テープに押出加工することができるし、あるいはTダイ成形、圧縮成形、インフレーション成形、ブロー成形、射出成形、および押出成形によって種々の成形物品、たとえば容器、常用の物品、パイプ、およびチューブに加工することもできる。さらに、本発明のコポリマーは、他のフィルム、シート、ワイヤ、またはケーブル上に押出コーティングすることができるし、あるいは別のフィルムまたはシートとともに同時押出して、種々の複合フィルムまたは積層構造を調製することもできる。さらに、本発明のコポリマーは、鋼管コーティング材料、ワイヤコーティング材料、および発泡成形物品の分野で使用することができる。
本発明の別の実施形態は、前述の本発明によるエチレンポリマー組成物を含む製品である。
本発明の組成物は、家庭用品および工業製品用のダウンゲージブロー成形容器に特に適している。本発明の組成物によって、類似の密度の他の樹脂と比較して剛性が増加した成形物が提供される。
本明細書に記載されるあらゆる数値範囲は、下の値から上の値までのすべての値を含んでいる。一例として、組成的、物理的、または機械的な性質、たとえば、メルトインデックス、密度、弾性率が100〜1,000であると記載される場合、あらゆる個別の値、たとえば100、101、102など、および部分的範囲、たとえば100〜144、155〜170、197〜200などが本明細書において明確に列挙されることを意図している。これらは、具体的な意図の単なる例であり、記載の最小値と最大値との間のあらゆる可能な数値範囲の組み合わせが、本明細書において明確に記載されていると見なされる。本明細書で議論される場合、数値は、メルトインデックス、密度、成分の重量%値、粒度、およびその他の性質に関して記載されている。
本明細書において使用される場合、用語「組成物」は、その組成物、ならびに組成物の材料から形成された反応生成物および分解生成物を含む材料の混合物を含んでいる。
本明細書において使用される場合、用語「ポリマー」は、同種または異種のいずれかのモノマーを重合させることによって調製されたポリマー化合物を意味する。したがって、総称のポリマーは、1種類のみのモノマーから調製されたポリマーを意味するために通常使用される用語ホモポリマー、および以下に定義する用語インターポリマーを含んでいる。
本明細書において使用される場合、用語「インターポリマー」は、少なくとも2種類の異なるモノマーの重合によって調製されたポリマーを意味する。したがって総称のインターポリマーは、2種類の異なるモノマーから調製されたポリマーを意味するために通常使用されるコポリマー、および3種類以上の異なるモノマーから調製されたポリマーを含んでいる。
以下の実施例によって本発明をさらに説明するが、これらの実施例は本発明を説明することを意図しており、本発明の範囲を限定するものとして構成されたものではない。
メジアン粒径D50は、D50が8.9μm±0.3μmである均一ポリマーサイズ標準ポリマー微小球(Uniform Polymer Size Standard polymer microspheres)(米国パロアルトのデューク・サイエンティフィック・コーポレーション(Duke Scientific Corporation,Palo Alto,USA)製)で較正したマルバーン・マスターサイザーSモジュラー粒度分析器(Malvern Mastersizer S modular particle size analyzer)(英国のマルバーン・インストルメンツ・リミテッド(Malvern Instruments Ltd.)より入手可能)によって測定される。
粒子の分布に関する情報は、ザ・マルバーン・オペレーターズ・ガイド(The Malvern Instruments Operator's Guide), Man 0247 Issue 2.0(1999)に見ることができ、この記載内容全体が参照して本明細書に組む込まれる。
生成された組成物は、以下の試験によって特性決定を行った:
MI2は、ASTM−D−1238−04、条件190℃/2.16に準拠し圧縮成形プラーク上で測定される。
MI5は、ASTM−D−1238−04、条件190℃/5.0に準拠して圧縮成形プラーク上で測定される。オレフィンポリマーのペレット密度は、ASTM−D−792に記載されようなアルキメデス(Archimedes)の原理を使用した置換方法によって測定される。使用した溶媒はイソプロピルアルコールである。
ゲル数は、OCS GmbH(ドイツ)より入手可能なモデル(Model)FS−3ゲルカウンターを使用して5平方メートル(m2)のフィルムサンプルに対して測定される。このカウンターは、デジタルスキャニングカメラと、光源と、計数を行うソフトウェアの入ったコンピューターとを含む。ゲル数は、フィルム1m2当たりのゲル数として報告される。
ゲル計数試験用のフィルムサンプルを調製するために、試験されるエチレンポリマー組成物サンプルを最初に、たとえば、2500ppm イルガノックス(Irganox)B−215(チバガイギー(Ciba-Geigy)より入手可能)および1000ppm カルシウムステアレートと混合することによって安定化させる。この混合は、混合中にゲル数が有意に変化するのを防止するため、比較的穏やかな条件下で行われる。2軸スクリュー同方向回転押出機(モデルMP19TC、英国のAPVべイカー・インダストリアル・エクストルーダーズ・ディビジョン(APV Baker Industrial Extruders Division)より入手可能)がこの目的のために使用され、直径19mmの2つのスクリューが取り付けられ、それぞれのスクリュー長さ対スクリュー直径の比(L/D比)は40:1である。この押出機を、190℃から210℃の温度プロファイル、3kg/時、およびスクリュー速度300rpmで運転する。スクリーンパックは使用せず、酸素含有率を減少させるために、供給ホッパーに対して窒素パージを使用する。
次に、安定化させた組成物を押出成形することによって厚さ50μmのキャストフィルムを作製する。このフィルム押出は、3つの加熱ゾーン(温度プロファイル190℃〜210℃)を有し、L/D比25および圧縮比3:1を有する標準「3/4インチ」スクリュー(ハーケ・メス−テクニークGmbHのタイプ・レオメックス252(Type Rheomex 252))、および「10cm幅」および0.5mmダイギャップのフラットシートダイ(ドイツのOCS GmbHより入手可能)を取り付けたハーケ・レオメックス・モデル・レオドライブ−3000・タイプ250(Haake Rheomex model Rheodrive-3000, type 250)の「3/4インチ」押出機(ドイツのハーケ・メス−テクニークGmbH(Haake Mess-Technik GmbH)より入手可能)で行う。このフィルム押出装置は、ガイドロールおよび75℃で運転される冷却ロールが取り付けられ、5.5ニュートン(N)で自動張力制御される引き取りユニット(ドイツのOCS GmbHより入手可能なモデルQCS CR-8)を含む。
実施例1
a)固体触媒前駆体の調製
米国特許第5,290,745号明細書(この記載内容全体が参照して本明細書に組む込まれる)の実施例1パート(a)および(b)に記載される方法に実質的に従って固体触媒前駆体を調製した。
この固体触媒前駆体は2段階で調製した。最初に、スラリーを生成し、次にこのスラリーを噴霧乾燥して、固体触媒前駆体を得た。
圧力および温度制御装置、およびタービン撹拌機を取り付けた容器中で、三塩化チタン触媒成分調製した。常に窒素雰囲気(<5ppm H20)を維持した。
マグネシウム対テトラヒドロフランの重量比が1:800となるように、0.1mm〜4mmの粒度を有する粒状マグネシウム金属を、窒素下、50℃の温度の過剰のテトラヒドロフランに加えた。溶媒中の水分を捕捉するために少量のトリエチルアルミニウムを加えた。典型的には、0.01〜0.02モル量(THFを基準とする)を加えた。マグネシウム対チタンのモル比が1:2の混合物に塩化チタン(IV)を加えた。
この混合物を連続的に撹拌した。四塩化チタンを加えることによって起こった発熱によって、3時間の間、混合物の温度が約72℃まで上昇した。さらに約4時間加熱することによって温度を70℃に維持した。この時間が終了してから、混合物中のマグネシウム対チタンの比が5:1まで上昇するように二塩化マグネシウムを加え、70℃でさらに8時間加熱を続けた。次に、この混合物を100ミクロン(μm)フィルターで濾過して、溶解していない二塩化マグネシウムおよび未反応のマグネシウムを除去した。
次に、CAB−O−SIL TS−610ヒュームドシリカ(キャボット・コーポレーションより入手可能)を、窒素下で、濾過した混合物に2時間かけて加え;その後、得られたスラリーをタービン撹拌機で数時間撹拌して、ヒュームドシリカを完全に分散させた。得られたスラリーは、回転式噴霧器が取り付けられた直径8フィートの閉鎖循環式スプレードライヤーを使用して噴霧乾燥した。この回転式噴霧器は、D50が8.6μmの触媒粒子が得られるように調整した。このスプレードライヤーのスクラバーセクションは、約−4℃に維持した。再循環ガスの流量は、スラリー供給材料1kg当たり15〜25kgガスの範囲内である。
窒素ガスを入口温度150℃〜160℃でスプレードライヤー中に導入し、約1700kg/時の速度で循環させた。温度35℃および速度90〜95kg/時、または約110℃〜120℃の出口ガス温度が得られるに十分となるように、触媒スラリーをスプレードライヤーに供給した。霧化速度は、所望の粒度を実現するのに必要なように調整した。霧化圧力は大気圧よりもわずかに高くした。
上記のように調製したばらばらの触媒粒子を鉱油と、窒素雰囲気下、タービン撹拌機を取り付けた400リットル容器中で混合して、スラリーを形成した。成分の量を表1に示す。

Figure 0005011106
表1:スラリーの調製
b)エチレンポリマー組成物の調製
それぞれが10リットルの容積を有する直列の2つの撹拌タンク反応器からなるマルチステージ方法において、70%の液体レベルで運転して、エチレンポリマー組成物を調製した。これらの反応器のそれぞれには、1000回転/分で運転される混合ブレードが取り付けられていた。
ヘキサン希釈剤と、トリ−n−ブチルアルミニウムと、前述の固体触媒前駆体とを含むストリームを、1.8キログラム/時(kg/hr)の速度で第1の反応器に連続的に供給した。
エチレンは0.85kg/時の速度で連続的に第1の反応器に供給し、水素は6.8g/時の速度で供給した。第1の反応器中の絶対圧力は、エチレン供給速度を調整することによって13barに維持した。エチレンポリマー組成物のメルトフローレートMI2は、水素の流量を変化させることによって調整される。第1の反応器中の温度は、ジャケットによって温度を80℃まで冷却することによって維持した。
第1の反応器中で形成されたエチレンポリマー組成物を、連続的に第2の反応器に移した。第2の反応器中、エチレンを連続的に1.3kg/時の速度で供給し、第2の反応器中のポリマーの密度を目標の0.951g/cm3に制御するために、1−ブテンを0.130kg/時の速度で加える。第2の反応器中の絶対圧力は、エチレン供給速度を調整することによって7barに維持した。第2の反応器を離れるポリマー組成物のメルトインデックスは、第2の反応器の気相を排出することによって制御した。
第2の反応器を離れたエチレンポリマー組成物を、1.3barおよび70℃に維持したフラッシュドラムに連続的に供給し、そこで揮発性材料をフラッシングすると、乾燥エチレンポリマー組成物の粉末が残った。
実施例2
触媒のメジアン粒度が10.3μmであることを除けば、実施例1に記載されるものと同じ手順で実施例2を実施した。得られたエチレンポリマー組成物は低ゲル含有率を有する。
比較例1
14.7μmの固体触媒前駆体粒度D50を使用して、比較例1のエチレンポリマー組成物を得た。実施例1および2と比較すると、比較例1のエチレンポリマー組成物はかなりの数のゲルを含有している。
表2は、実施例1および2における本発明の方法で生成したエチレンポリマー組成物、ならびに本発明の範囲外である方法の比較例で生成したエチレンポリマー組成物の特性をまとめている。

Figure 0005011106
実施例3、4、および5
使用した触媒系は、a)表3に記載の平均直径を有する固体触媒前駆体粒子が得られるように調整した回転式噴霧器速度を使用して、実施例1と同じ方法で調製した固体触媒前駆体と、b)有機アルミニウム化合物トリ−n−ブチルアルミニウムとをモル比Al/Ti=50で含有した。この固体触媒前駆体は2≧(D90−D10)/D50の関係を満たし、式中、D50はメジアン粒径であり、D10およびD90は前述の通りである。
市販の2反応器のカスケードスラリー方法で、表3に記載の以下の反応条件を使用して、バイモーダルポリエチレンを調製した。

Figure 0005011106
実施例3および4の場合、得られたバイモーダル粉末を、コペリオン(Coperion)W&P 160mm2軸スクリュー押出機で、1000ppm カルシウムステアレートおよび870ppm イルガノックスB225と配合した。実施例5は、バイモーダル粉末を2軸スクリュー押出機ライストリッツ(Leistritz)ZSE−65上で、1000ppm カルシウムステアレート、600ppm イルガノックス1010、および1500ppm イルガフォス(Irgafos)168とともに押出成形することによって得た。
すべての比較例は市販の樹脂である。
サンプルは、ASTM 4703−02手順(Procedure)cに準拠して圧縮成形した。ISO 178に準拠してインストロン(Instron)装置で「3点曲げヤング率」を測定した。「3点曲げヤング率」はサンプルの剛性の基準となる。密度および3点曲げヤング率を表4に示す。
図1に示されるように、「3点曲げヤング率」は、種々のHDPE樹脂(比較例と記載)のヤング率と比較して予想外に高い。さらに、樹脂の密度を比較すると、本発明の樹脂ははるかに高い「3点曲げヤング率」を示している。
以下の式は、「3点曲げヤング率」および密度特性に基づいて樹脂を評価するために使用することができ、式中、
F=3点曲げヤング率(MPa)、
ρ=密度(g/cm3)、
a1、a2、およびa3のそれぞれは係数である。
F>1340×{1−exp[−235×(ρ−0.9451)]} (式1)
F>1355×{1−exp[−235×(ρ−0.9448)]} (式2)
本発明の樹脂は、図1の下側の実線(またはグラフ)で表される「式1」によって表すことができる。より好ましい本発明の樹脂は、図1の上側の破線(またはグラフ)で表される「式2」によって表される。

Figure 0005011106
Figure 0005011106
曲げヤング率対密度プロファイルを示している。

Claims (11)

  1. 2つのステージにおいてエチレンポリマー組成物を製造する方法であって、第1のステージにおいてエチレンを単独、またはコモノマーとともに重合させてエチレンポリマーを生成するステップと、前記第1のステージにおいて生成した前記ポリマーを第2のステージに移し、前記第1のステージにおいて生成した前記ポリマーの存在下で、第2のステージのエチレンを単独、またはコモノマーとともに重合させるステップとを含み、
    前記第1のステージはスラリー重合ステージであり、前記第1のステージにおける前記重合は、(a)チタンおよびバナジウムから選択される遷移金属と、マグネシウムと、ハロゲン化物と、電子供与体と、無機酸化物を含む固体粒子状材料とを含む固体触媒前駆体と、(b)有機アルミニウム化合物とを含む触媒系の存在下で行われ;固体触媒前駆体の全体積を基準にした前記固体触媒前駆体のメジアン粒径D504〜9μmである、方法。
  2. 前記固体触媒系(a)が:
    (i)式MgaTi(OR)bXc(ED)dを有するチタン系触媒前駆体
    (上式中、
    Rは、1〜14個の炭素原子を有する脂肪族または芳香族の炭化水素基、あるいはCOR’であり、R’は、1〜14個の炭素原子を有する脂肪族または芳香族の炭化水素基であり;
    各OR基は同種または異種であり;
    各Xは独立して、塩素、臭素、またはヨウ素であり;
    EDは電子供与体であり;
    aは0.5〜56であり;
    bは0、1、または2であり;
    cは2〜116であり;
    dは1.5a+4以下である)と;
    (ii)式BX3またはAlR(3-b) b 有する少なくとも1種類の改質剤
    (上式中、各Rは、アルキルまたはアリールであって、同種または異種であり、Xおよびbは成分(a)に関して前述した通りである)を含み、
    前記有機アルミニウム化合物(b)が、ヒドロカルビルアルミニウム化合物である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第2のステージがスラリー重合ステージである、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 記エチレンポリマー組成物の重量を基準にして、前記第1のステージにおいて、20〜80重量%のポリマーが生成され、前記第2のステージにおいて、80〜20重量%のポリマーが生成される、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記エチレンポリマー組成物の重量を基準にして、前記第1のステージにおいて、40〜60重量%のポリマーが生成され、前記第2のステージにおいて、60〜40重量%のポリマーが生成される、請求項に記載の方法。
  6. 前記無機酸化物がシリカである、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記電子供与体がテトラヒドロフランである、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記固体触媒前駆体組成物のメジアン粒径D50が6〜μmである、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記固体触媒前駆体が、
    2≧(D90−D10)/D50
    の関係を満たし、式中、D50はメジアン粒径であり、D10は、前記固体触媒前駆体の全体積の10%がD10未満の粒径を有するような直径であり、D90は、前記固体触媒前駆体の全体積の90%がD90未満の粒径を有するような直径である、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記第1のステージを離れた前記エチレンポリマーの、ASTM D 1238−04、条件(Condition)190/2.16に準拠して測定したメルトフローレートMI2が、10〜1000g/10分となり、最終反応ステージを離れた前記エチレンポリマー組成物の、ASTM D 1238−04条件190/5に準拠して測定したメルトフローレートMI5が0.02〜5g/10分となる、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記第1のステージを離れた前記ポリマーの密度が0.940〜0.980g/cm3となり、最終反応ステージを離れた前記エチレンポリマー組成物の密度が0.915〜0.970g/cm3となる、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
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