JP5011080B2 - 廃液焼却炉内部の清掃方法 - Google Patents

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Description

本発明は、廃液焼却炉内部の清掃方法に関するものであり、より詳しくは、塔頂のバーナーから燃料を供給し、上記バーナーよりも下に位置する複数の廃液バーナーから供給される廃液を焼却する廃液焼却炉の内部を、稼働時に清掃する方法に関する。
各種プラントにおいては、廃液の焼却処理を行うために、塔頂のバーナーから燃料(補助燃料)として重油等を供給し、上記バーナーよりも下に位置する複数の廃液バーナーから廃液を供給して焼却する廃液焼却炉、具体的には、例えば、CT(Combustion Treatment)焼却炉や液中燃焼炉が用いられている。廃液バーナーは、通常、廃液焼却炉全体で4本から12本取り付けられている。上記廃液焼却炉内部の温度は、塔頂付近では1000℃以上(コニカル部は凡そ900℃)、廃液バーナーよりも下方では凡そ900〜1000℃(中央部は凡そ950℃)となる。これに対して、廃液バーナーの周囲(並びにその上方)では、廃液を燃焼させるために廃液と共に空気が供給されるので、当該空気によって冷却され、上記温度は凡そ800℃にしかならない。
上記廃液は、焼却処理を行う前に、通常、水酸化ナトリウムや硫酸を用いた中和処理が施されている。つまり、廃液には一般的に、中和に用いられたナトリウムが含まれている。そして、当該廃液を焼却処理すると、有機物は完全燃焼して二酸化炭素と水とになる一方、無機物であるナトリウムは燃焼ガス(排気ガス)に含まれる二酸化炭素や二酸化硫黄等と反応して、炭酸ナトリウム(NaCO)や硫酸ナトリウム(NaSO)となる。炭酸ナトリウムは融点が851℃であり、硫酸ナトリウムは融点が884℃である。
このため、廃液焼却炉を長時間(連続的に)、稼働させると、温度が凡そ800℃にしかならない廃液バーナーの周囲(並びにその上方)では、炭酸ナトリウム(および硫酸ナトリウム)は融解せずに、廃液焼却炉の内壁に付着(析出)して徐々に堆積する。そして、主成分が炭酸ナトリウム(および硫酸ナトリウム)からなる付着物が鍾乳石のように(つらら状に)成長すると、当該付着物が廃液バーナーの前面にぶら下がり、廃液の噴霧状態を悪化させるので、廃液焼却炉は燃焼不良を引き起こす。
従って、廃液焼却炉を安定して連続的に稼働させるには、付着物を定期的に除去して燃焼状態を回復させる必要がある。
従来、付着物の除去は、廃液焼却炉の稼働を一旦停止し、水蒸気を供給して廃液バーナーを冷却した後、当該廃液焼却炉から廃液バーナーを抜き取り、抜き取った孔を通じて内部状況の確認を行った上で、治具等を用いた物理的な剥離(剥ぎ取り)を行うことによって実施されている。また、表面に付着した付着物を除去するため、抜き取られた廃液バーナーは一旦回収され、清掃される。従って、廃液焼却炉には、付着物の除去後、清掃作業が行われた別の廃液バーナーが取り付けられる。
特開平10−160146号公報(1998年6月19日公開)
上記付着物の除去は、廃液焼却炉を連続的に稼働させる場合には、例えば、廃液バーナー1本当たり年間100回程度、行わなければならない。つまり、廃液バーナーが8本取り付けられている廃液焼却炉全体では、年間で最大800回程度、付着物の除去を行わなければならない。
しかしながら、上記廃液バーナーは、一般的に20kg程度の重量があり、また、廃液焼却炉における取り付け位置は、通常、地上から凡そ5階の高さに相当する。つまり、付着物を除去するときには、その都度、重量物である廃液バーナーを凡そ十数mの高さにまで上げ下げしなければならない。
また、廃液バーナーを抜き取った孔を通じて付着物の除去作業を行うので、熱風や付着物の飛散から身を守るため、作業者は耐火服(防護服)や保護具を着用・装着して当該作業を行わなければならない。即ち、付着物の除去作業は重労働(所謂3K作業)であるという問題点を有している。
また、付着物を除去するときには廃液焼却炉の稼働を停止しなければならないので、廃液焼却炉を長期間、連続稼働させることができないという問題点が生じると共に、廃液焼却炉の稼働の停止時および再開時に一酸化炭素が発生するという不都合も生じる。
それゆえ、廃液焼却炉を長期間、連続稼働させながら付着物の除去作業を簡便に行うことができる廃液焼却炉内部の清掃方法が望まれている。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、廃液焼却炉を長期間、連続稼働させながら付着物の除去作業を実施することができ、しかも、当該除去作業を簡便に行うことができる廃液焼却炉内部の清掃方法を提供することにある。
本発明に係る廃液焼却炉内部の清掃方法は、上記の課題を解決するために、塔頂のバーナーから燃料が供給されると共に、上記バーナーよりも下に位置する複数の廃液バーナーから噴霧によって廃液が供給され、当該廃液が焼却される廃液焼却炉の内部を、当該廃液焼却炉の稼働時に清掃する方法であって、1本の廃液バーナーからの廃液の供給を停止した後、当該廃液バーナーからの空気の供給を停止すると共に、当該廃液バーナーから水蒸気を供給する清掃工程を行うことを特徴としている。
上記の方法によれば、1本の廃液バーナーからの廃液の供給を停止した後、当該廃液バーナーからの空気の供給を停止するので、廃液バーナーの周囲(並びにその上方)の温度を上昇させることができる。従って、廃液焼却炉の内壁に付着(析出)して徐々に堆積した主成分が炭酸ナトリウム(および硫酸ナトリウム)からなる付着物を融解させることができ、落下させることによって除去することができる。
また、当該廃液バーナーから水蒸気を供給するので、廃液バーナーを冷却することができる。従って、付着物の除去作業を行っているときに廃液バーナーが焼損することを防止することができる。
本発明に係る廃液焼却炉内部の清掃方法においては、上記空気の供給停止および水蒸気の供給を行うことにより、廃液焼却炉内部における当該廃液バーナーの周囲の温度を、850℃以上に昇温させることがより好ましい。これにより、付着物を確実に融解させることができる。
また、本発明に係る廃液焼却炉内部の清掃方法においては、上記清掃工程における空気の供給停止時間、または、水蒸気の供給時間が、45秒〜90秒の範囲内であることがより好ましい。さらに、本発明に係る廃液焼却炉内部の清掃方法においては、廃液バーナーを焼損させない程度に水蒸気を供給することがより好ましい。また、上記清掃工程における水蒸気の供給量が、4〜100kg/hの範囲内であることがより好ましい。これにより、廃液バーナーが焼損することを、より一層防止することができる。
また、本発明に係る廃液焼却炉内部の清掃方法においては、上記清掃工程の後、当該廃液バーナーからの水蒸気の供給を停止すると共に、当該廃液バーナーから空気を供給し、その後、当該廃液バーナーからの廃液の供給を再開することがより好ましい。これにより、廃液焼却炉の稼働を素早く定常状態に戻すことができる。
さらに、本発明に係る廃液焼却炉内部の清掃方法においては、上記清掃方法を行った後、さらに、当該廃液バーナーから最も離れた位置にある別の廃液バーナーにおいて上記清掃工程を行うことがより好ましい。このように清掃工程を実施することにより、廃液焼却炉全体の付着物を除去することができる。
本発明に係る廃液焼却炉内部の清掃方法は、塔頂のバーナーから燃料が供給されると共に、上記バーナーよりも下に位置する複数の廃液バーナーから噴霧によって廃液が供給され、当該廃液が焼却される廃液焼却炉の内部を、当該廃液焼却炉の稼働時に清掃する方法であって、1本の廃液バーナーからの廃液の供給を停止した後、当該廃液バーナーからの空気の供給を停止すると共に、当該廃液バーナーから水蒸気を供給する清掃工程を行う方法である。
これにより、廃液焼却炉を長期間、連続稼働させながら付着物の除去作業を実施することができ、しかも、当該除去作業を簡便に行うことができる廃液焼却炉内部の清掃方法を提供することができるという効果を奏する。
本発明に係る清掃方法の好適な実施形態の一例について、以下に説明する。
<廃液焼却炉>
先ず、本発明に係る清掃方法の対象となる廃液焼却炉の一例を、プラントの周辺設備も含めて記載した図1、および図2を参照しながら説明する。尚、以下の説明においては、廃液焼却炉が液中燃焼炉である場合を例に挙げることとするが、清掃方法の対象となる廃液焼却炉は液中燃焼炉に限定されるものではない。
本発明に係る清掃方法を実施するのに好適な廃液焼却炉は公知の廃液焼却炉であり、耐火レンガが内張りされている。図1および図2に示すように、廃液焼却炉1の塔頂には、燃料(補助燃料)を供給するメインバーナー(バーナー)11が取り付けられており、当該メインバーナー11には燃料供給配管21と空気供給配管22とが接続されている。廃液焼却炉1における上記メインバーナー11よりも下には、複数の廃液バーナー12…が互いに等間隔で同じ高さに取り付けられており、当該廃液バーナー12には廃液供給配管23と空気供給配管22と水蒸気供給配管24とが接続されている。
図2に示すように、燃料供給配管21は、ポンプ(図示しない)を介して燃料タンク31に接続されており、燃料タンク31からメインバーナー11に燃料を供給する。空気供給配管22は、ブロワーを備えた空気供給設備32に接続されており、メインバーナー11および廃液バーナー12に燃焼用の空気(酸素)を供給するようになっている。廃液供給配管23は、ポンプ9を介して廃液タンク8に接続されており、廃液タンク8から廃液バーナー12に廃液を一定の圧力で供給する。水蒸気供給配管24は、水蒸気発生設備33に接続されており、清掃工程を行うときに廃液バーナー12に水蒸気(好ましくは飽和状態)を供給する。
図1に示すように、廃液焼却炉1の塔底には例えば金属で形成されたダウンカマー1aが設けられており、ダウンカマー1aの下方には、水が満たされた吸収缶2が設置されている。廃液焼却炉1で発生した燃焼ガスは、ダウンカマー1aを通して吸収缶2内の水中に導入され、バブリングされて冷却された後、配管31を通じて吸収缶2の外部に排出される。排出された燃焼ガスは、殆どが窒素、二酸化炭素および水蒸気であり、気液分離器3および除塵設備4等の後工程へ送られる。
一方、無機物である炭酸ナトリウムや硫酸ナトリウムは、廃液焼却炉1から降下して吸収缶2内の水に溶解するようになっている。炭酸ナトリウムは、その一部が水中で二酸化炭素や二酸化硫黄等と反応して炭酸水素ナトリウム(重炭酸ナトリウム)や硫酸ナトリウムに変化する。上記水は、吸収缶2内に例えば連続的に供給されると共に連続的に回収されるようになっており、回収された水はタンク7に貯蔵された後、アルカリ水(ソーダ水)として再利用される。これにより、炭酸カルシウムによる各種装置・配管内のスケーリングを防止することができる。
上記吸収缶2内の水のTOD(Total Oxygen Demand;全酸素消費量)を測定することにより、廃液焼却炉1内の燃焼状態を判断することができる。TODが一定値以上になると、廃液バーナー12の噴霧不良によって廃液焼却炉に燃焼不良が発生していると予測することができる。
図2に示すように、空気供給配管22には、空気供給設備32から廃液バーナー12に至るまでに、自動調節弁22a、流量計22b、および、開閉弁22c(図3)が取り付けられている。廃液供給配管23には、廃液タンク8から廃液バーナー12に至るまでに、開閉弁23aおよび自動開閉バルブ23bが取り付けられている。水蒸気供給配管24には、水蒸気発生設備33から廃液バーナー12に至るまでに、開閉弁24a・24bおよび自動開閉バルブ24cが取り付けられている。また、廃液供給配管23と水蒸気供給配管24とは、途中で一つの共通配管25にまとめられて廃液バーナー12に接続されている。尚、水蒸気供給配管24の末端には、蒸気ドレイン設備24dが設けられている。また、廃液バーナー12には開閉弁12aが設けられている。
メインバーナー11は、燃料である重油等を供給するノズルと空気を供給するノズルとを有する3流体バーナーである。また、メインバーナー11の周囲には、燃焼用の空気(酸素)を供給する供給配管(図示しない)が設けられている。重油等の単位時間当たりの供給量は、廃液焼却炉1の大きさ、廃液の量、廃液の組成(単位重量当たりの熱量)等に応じて、適宜設定すればよい。空気の単位時間当たりの供給量は、重油等および廃液の量、廃液の組成(単位重量当たりの熱量)等に応じて、完全燃焼を行わせることができるように、適宜設定すればよい。具体的には、例えば、燃焼ガス(排気ガス)中の残存酸素濃度が一定の範囲内となるように空気の供給量を調節すればよい。尚、重油の代わり(または一部)に、各種製造プロセスで回収された不要な油成分を用いることもできる。また、メインバーナー11は、3流体バーナーに限定されるものではなく、燃料を噴霧することができる構成を備えていればよい。
廃液バーナー12は、廃液を供給するノズルと空気を供給するノズルとを有する圧力型の3流体バーナーである。また、廃液バーナー12の周囲には、燃焼用の空気(酸素)を供給する供給配管(図示しない)が設けられている。廃液の単位時間当たりの供給量は、廃液焼却炉1の大きさ、当該廃液の組成(単位重量当たりの熱量)等に応じて、適宜設定すればよい。尚、廃液バーナー12は、3流体バーナーに限定されるものではなく、廃液を噴霧することができる構成を備えていればよい。
上記廃液バーナー12の本数は特に限定されるものではなく、廃液焼却炉1の大きさや、焼却すべき廃液の供給量に応じて調整すればよいが、通常は4〜12本の範囲内である。尚、1本の廃液バーナー12から噴霧される廃液の単位時間当たりの供給量は、廃液焼却炉を定常状態で稼働させるために、ほぼ一定であることが好ましい。
<清掃方法>
上記廃液焼却炉1に対して行う本発明に係る清掃方法の好適な実施形態の一例を、図2および図3を参照しながら説明する。本発明に係る清掃方法は、廃液焼却炉1の内部を、当該廃液焼却炉1の稼働時に清掃する方法である。
図3に示すように、廃液焼却炉1の内壁に、主成分が炭酸ナトリウム(および硫酸ナトリウム)からなる付着物40が付着(析出)して徐々に堆積すると、当該付着物40は、廃液バーナー12のノズル先端部12cの前面にぶら下がり、廃液の噴霧状態を悪化させる。即ち、付着物40の堆積によって、廃液焼却炉1に燃焼不良が発生する。このように燃焼不良が発生すると、本発明に係る清掃方法を実施することになる。
上記清掃方法の工程(清掃工程)を、手順を追って説明する。
廃液焼却炉1を定常状態で稼働させるには、炉内の温度変動ができるだけ小さくなるような管理操作を行うことが望ましい。従って、清掃工程を実施する廃液バーナー12は、一度に1本とすることが望ましい。
先ず、図2に示すように、廃液供給配管23に取り付けられた自動開閉バルブ23bを閉状態にすることにより、廃液タンク8から清掃対象となっている廃液バーナー12への廃液の供給を停止する(工程1)。尚、残りの廃液バーナー12…に対しては、廃液の供給を引き続き行う。従って、残りの廃液バーナー12…では廃液の噴霧が引き続き行われる。
次に、水蒸気供給配管24に取り付けられた自動開閉バルブ24cを開状態にすることにより、水蒸気発生設備33から清掃対象となっている廃液バーナー12へ水蒸気を供給する(工程2)。
また、空気供給配管22に取り付けられた開閉弁22cを閉状態にすることにより、清掃対象となっている廃液バーナー12への空気の供給を停止する(工程3)。
上記工程2および工程3の順序は、何方を先に行ってもよい。つまり、「工程1,2,3」の順序で行ってもよく、「工程1,3,2」の順序で行ってもよい。但し、各工程の終了時点から次の工程の開始時点までのタイムラグは、数秒程度であることが望ましい。
そして、上記各工程を行った後、その状態を45〜90秒間、より好ましくは60秒間、維持する(工程4)。つまり、「工程1,2,3」の順序で行った場合には、空気の供給停止時間が45秒〜90秒の範囲内となるように工程4を実施する。一方、「工程1,3,2」の順序で行った場合には、水蒸気の供給時間が45秒〜90秒の範囲内となるように工程4を実施する。これにより、廃液焼却炉1内部における当該廃液バーナー12の周囲(並びにその上方)の温度を徐々に、850℃以上に昇温させることができる。
当該廃液バーナー12の周囲(並びにその上方)の温度が850℃以上に昇温すると、主成分が炭酸ナトリウム(および硫酸ナトリウム)からなる付着物40は融解し、廃液焼却炉1の内壁から剥がれて落下する。つまり、廃液バーナー12のノズル先端部12cの前面にぶら下がっている付着物40は除去される。一方、廃液バーナー12には、水蒸気を供給しているので、温度の上昇を抑制することができる。従って、廃液バーナー12の焼損を防止することができる。
上記工程4の時間が45秒間よりも短い場合には、付着物40を充分に融解させることができないので、清掃が不充分となる。一方、上記工程4の時間が90秒間よりも長い場合には、水蒸気による温度上昇の抑制効果が乏しくなるので、廃液バーナー12が焼損するおそれがある。
その後、空気供給配管22に取り付けられた開閉弁22cを開状態にすることにより、当該廃液バーナー12への空気の供給を再開する(工程5)。
また、水蒸気供給配管24に取り付けられた自動開閉バルブ24cを閉状態にすることにより、水蒸気発生設備33から当該廃液バーナー12への水蒸気の供給を停止する(工程6)。
次いで、廃液供給配管23に取り付けられた自動開閉バルブ23bを開状態にすることにより、廃液タンク8から廃液バーナー12への廃液の供給を再開する(工程7)。
上記工程5および工程6の順序は、何方を先に行ってもよい。つまり、「工程5,6,7」の順序で行ってもよく、「工程6,5,7」の順序で行ってもよい。但し、「工程1,2,3」の順序で行った場合には、「工程5,6,7」の順序で行うことがより好ましく、「工程1,3,2」の順序で行った場合には、「工程6,5,7」の順序で行うことがより好ましい。また、各工程の終了時点から次の工程の開始時点までのタイムラグは、数秒程度であることが望ましい。従って、各自動開閉バルブ23b・24c・開閉弁22cは自動弁であることが好ましく、各工程1〜7は制御装置によって自動制御されていることが好ましい。
本発明に係る清掃方法として、上記工程1〜7に示す清掃工程を実施することにより、清掃対象となっている1本の廃液バーナー12に対する清掃作業が終了する。
上記工程2においては、廃液バーナー12を焼損させない程度に水蒸気を供給することが好ましい。具体的には、清掃対象となっている廃液バーナー12への水蒸気の供給量は、4〜100kg/hの範囲内とすればよい。例えば、清掃工程中に廃液バーナー12に供給される水蒸気の量は、工程4の維持時間が60秒間である場合、0.07〜1.67kgとすればよい。
清掃工程は、燃焼ガスに含まれる一酸化炭素の濃度や、吸収缶2内の水のTODを測定して、一定の数値以上になれば実施すればよいが、単純に一定時間毎に実施する方が簡便である。具体的には、廃液焼却炉1の稼働状況や廃液の組成(単位重量当たりの熱量)にもよるが、清掃工程は、1日当たり、2本程度の廃液バーナー12に対して実施すれば充分である。従って、廃液焼却炉1に廃液バーナー12が8本取り付けられている場合には、4日で一通りの清掃工程が実施されることになる。
例えば、清掃工程を1日当たり2本の廃液バーナー12に対して実施する場合には、1本の廃液バーナー12に対して上記清掃工程を行った後、廃液焼却炉1を定常状態で稼働させるために半日程度の間隔を空け、その後、清掃対象となっている次の廃液バーナー12に対する上記清掃工程を行うことが好ましい。このとき、次の廃液バーナーは、廃液焼却炉1を定常状態で稼働させるために、直前に清掃工程を行った廃液バーナー12から最も離れた位置にある廃液バーナー12を選択することが好ましい。より具体的には、最も離れた位置にある廃液バーナー12が2つ前に清掃工程を行った廃液バーナー12である場合には、その廃液バーナーの隣に位置する廃液バーナー12を清掃対象とすることが好ましい。要するに、廃液焼却炉1を定常状態で稼働させるためには、できるだけ離れた位置にある廃液バーナー12を次の清掃対象とすることが好ましい。
以上のように、本発明に係る廃液焼却炉内部の清掃方法によれば、1本の廃液バーナーからの廃液の供給を停止した後、当該廃液バーナーからの空気の供給を停止するので、廃液バーナーの周囲(並びにその上方)の温度を上昇させることができる。従って、廃液焼却炉の内壁に付着(析出)して徐々に堆積した主成分が炭酸ナトリウム(および硫酸ナトリウム)からなる付着物を融解させることができ、落下させることによって除去することができる。また、当該廃液バーナーから水蒸気を供給するので、廃液バーナーを冷却することができる。従って、付着物の除去作業を行っているときに廃液バーナーが焼損することを防止することができる。即ち、本発明によれば、廃液焼却炉を長期間、連続稼働させながら付着物の除去作業を実施することができ、しかも、当該除去作業を簡便に行うことができる。
本発明によれば、1本の廃液バーナーからの廃液の供給を停止した後、当該廃液バーナーからの空気の供給を停止すると共に、当該廃液バーナーから水蒸気を供給する清掃工程を行うので、廃液焼却炉を長期間、連続稼働させながら付着物の除去作業を実施することができ、しかも、当該除去作業を簡便に行うことができる。即ち、廃液焼却炉内部の簡便な清掃方法を提供することができるので、幅広い産業上の利用が可能である。
本発明に係る清掃方法の対象となる廃液焼却炉の一例を示すものであり、周辺設備も含めた概略の構成を示すブロック図である。 上記廃液焼却炉の要部の構成を示す概略の正面図である。 上記廃液焼却炉の要部の構成を示す概略の断面図である。
符号の説明
1 廃液焼却炉
2 吸収缶
11 メインバーナー(バーナー)
12 廃液バーナー
21 燃料供給配管
22 空気供給配管
23 廃液供給配管
24 水蒸気供給配管
40 付着物

Claims (7)

  1. 塔頂のバーナーから燃料が供給されると共に、上記バーナーよりも下に位置する複数の廃液バーナーから噴霧によって廃液が供給され、当該廃液が焼却される廃液焼却炉の内部を、当該廃液焼却炉の稼働時に清掃する方法であって、
    1本の廃液バーナーからの廃液の供給を停止した後、当該廃液バーナーからの空気の供給を停止すると共に、当該廃液バーナーから水蒸気を供給する清掃工程を行うことを特徴とする廃液焼却炉内部の清掃方法。
  2. 上記空気の供給停止および水蒸気の供給を行うことにより、廃液焼却炉内部における当該廃液バーナーの周囲の温度を、850℃以上に昇温させることを特徴とする請求項1に記載の廃液焼却炉内部の清掃方法。
  3. 上記清掃工程における空気の供給停止時間、または、水蒸気の供給時間が、45秒〜90秒の範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載の廃液焼却炉内部の清掃方法。
  4. 上記清掃工程においては、廃液バーナーを焼損させない程度に水蒸気を供給することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の廃液焼却炉内部の清掃方法。
  5. 上記清掃工程における水蒸気の供給量が、4〜100kg/hの範囲内であることを特徴とする請求項4に記載の廃液焼却炉内部の清掃方法。
  6. 上記清掃工程の後、当該廃液バーナーからの水蒸気の供給を停止すると共に、当該廃液バーナーから空気を供給し、その後、当該廃液バーナーからの廃液の供給を再開することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の廃液焼却炉内部の清掃方法。
  7. 請求項1から6の何れか1項に記載の廃液焼却炉内部の清掃方法を行った後、さらに、当該廃液バーナーから最も離れた位置にある別の廃液バーナーにおいて上記清掃工程を行うことを特徴とする廃液焼却炉内部の清掃方法。
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