JP5005919B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
この形式の画像形成装置、特に複数の像担持体を有する多色の画像形成装置において、例えばドラム状の感光体(以下、「感光体ドラム」という)からなる像担持体等を備え画像形成装置本体に対して着脱可能に構成された複数の像担持体ユニット(プロセスカートリッジ)を、画像形成装置本体に装着される際に正確に位置決めすることは、色ズレを始めとする画像の位置ズレを防止する上で重要な課題となっていて、さまざまな方式が提案され、実用化されている(例えば、特許文献1ないし6参照)。
そこで、本願出願人は、特願2005−332015号(平成17年11月16日特許出願)にて、上記問題点を解消できる新規な画像形成装置等に係る技術を提案した。
まず、第2の比較例を示す図8ないし図11を参照して、1つ目の問題点を説明する。図8ないし図11において、符号1Yないし1BKは像担持体としての感光体ドラム、帯電ローラ等を有する帯電手段としての帯電装置、現像ローラ等を有する現像手段としての現像装置及びクリーニングブレード等を有するクリーニング手段としてのクリーニング装置等で構成されるプロセスカートリッジを、符号7は画像形成装置本体を、符号16は感光体ドラムの支持軸を、符号17は感光体ドラムの支持軸16を回転自在に支持する軸受を、符号15は感光体ドラムを支持するための、支持軸16と軸受17とから構成される担持体支持部材を、符号70はプロセスカートリッジ1Yないし1BKを担持体支持部材15を介して、画像形成装置本体7に対して着脱し位置決めするための開閉自在な位置決めユニットを、それぞれ示す。
しかし、図8に示したように位置決めユニット70を画像形成装置本体7から開放した状態で、ユーザやサービスマンなどが、誤って図11に示したようにスライド部材41Aを図において右側へスライドさせて第2の位置にセット状態にしてしまうと、各押圧部材44Aが押圧位置を占めていて感光体ドラムの軸受17を保持する位置となっているので、位置決めユニット70を画像形成装置本体7に装着・セットする際に、各感光体ドラムの軸受17と各押圧部材44Aとが干渉してしまい、位置決めユニット70を画像形成装置本体7にセットすることが困難となる問題点があった。
なお、位置決め孔73aと位置決め孔73bとは、図において左右の形成位置を区別するためのもので同一の形状・寸法であり、同様に位置決めピン74aと位置決めピン74bとも同一の形状・寸法である。以下、図において左側の位置決め孔73bと位置決めピン74bとの嵌合状態を代表して説明するが、図において右側の位置決め孔73aと位置決めピン74aとの嵌合状態でも同様の不具合現象が発生する。
そして、図25に示すように、位置決め保持部材32A及びスライド部材41A等を備えた位置決めユニット70を図24の矢印D方向に揺動させてセットする際、位置決め保持部材32Aに設けられた位置決め孔73bが、位置決めピン74aの嵌合部74eに対して正しく嵌合されるようになっている。
しかしながら、図26に示すように、位置決めユニット70が自重などにより僅かに下降したような場合、位置決め孔73bが位置決めピン74aの嵌合部74eに到達する前に、位置決めピン74bの溝74dにはまり込んでしまい、位置決め孔73bに対する位置決めピン74bの嵌合部74eの嵌合が困難となってしまう第2の問題点があった。この問題点は、反対側の位置決めピン74aについても同様である。
また、第1の目的に加えて、あるいは第1の目的とは独立して、位置決め保持部材32A及びスライド部材41A等を備えた位置決めユニット70を図24の矢印D方向に揺動させてセットする際、位置決め保持部材32Aに設けられた位置決め孔73b(位置決め凹部)が、位置決めピン74b(位置決め凸部)の嵌合部74eに到達する前に、位置決めユニット70の位置決め保持部材32Aが自重などにより位置決めピン74bの溝74dにはまり込むことなく、スムーズかつ確実な嵌合を実現することを第2の目的とする。
請求項1記載の発明は、像担持体及び該像担持体を支持する担持体支持部材を備えた少なくとも一つの像担持体ユニットと、該少なくとも一つの像担持体ユニットを前記担持体支持部材を介して、画像形成装置本体に対して着脱し位置決めするための開閉自在な位置決めユニットとを有し、該位置決めユニットは、前記画像形成装置本体に対して閉じられるとき、前記担持体支持部材が保持される少なくとも一つの開口した保持部を備えた保持部材と、前記少なくとも一つの保持部上の前記担持体支持部材を押圧しない第1の位置と前記少なくとも一つの保持部上の前記担持体支持部材を押圧する第2の位置との間で移動可能に前記保持部材に支持された可動部材とを具備し、前記少なくとも一つの像担持体上の像は直接的又は間接的にシート状記録媒体に転写される画像形成装置であって、前記可動部材の第2の位置への移動を規制する規制位置と、前記可動部材の第2の位置への移動を許す非規制位置との間で変位可能な規制手段が前記保持部材に設けられており、前記位置決めユニットが前記画像形成装置本体に対して開放されているとき、前記規制手段は前記規制位置を占め、前記位置決めユニットが前記画像形成装置本体に対して閉じられるとき、前記規制手段を前記規制位置から前記非規制位置に変位させることにより、前記規制手段による前記可動部材の第2の位置への移動規制を解除する移動規制解除手段を前記画像形成装置本体側に有することを特徴とする。
本発明によれば、位置決めユニットが画像形成装置本体に対して開放されているときに、規制手段によって、可動部材の第2の位置への移動が規制されていることにより、可動部材が第1の位置に保持され、例えばユーザやサービスマン等が誤って可動部材を第2の位置にしてしまうことを防ぐことができるとともに、位置決めユニットが画像形成装置本体に対して閉じられるとき、移動規制解除手段によって規制手段による可動部材の第2の位置への移動規制が確実に解除されることにより、担持体支持部材と可動部材等(例えば押圧部材等を含む)との干渉を避けることができるので、位置決めユニットの画像形成装置本体へのスムーズな装着が可能となる(請求項1、2)。
同図に示す画像形成装置は、フルカラー画像を形成するタンデム式の画像形成装置構成である。この画像形成装置は、画像形成装置本体7内に装着・配置された第1ないし第4のプロセスカートリッジ1Y,1C,1M,1BKと、これらのプロセスカートリッジに対向して配置された中間転写体としての中間転写ベルト2とを有する。中間転写ベルト2は、無端ベルトであり、駆動ローラ及び従動ローラを備えた複数のローラ3,4,5に巻き掛けられている。各プロセスカートリッジ1Yないし1BKは、像担持体としてのドラム状の感光体(以下、「感光体ドラム」という)6Y,6C,6M,6BKを有し、その各感光体ドラム上にそれぞれ異なった色のトナー像が形成され、その各トナー像が中間転写ベルト2に順次転写される。
各プロセスカートリッジ1Yないし1BKは、後述する位置決めユニットの開閉方向とほぼみなせる各感光体ドラム6Yないし6BKの回転軸(図示せず)の長手方向に画像形成装置本体7に対して着脱自在に構成されている。
図2は、プロセスカートリッジ1Yの感光体ドラム6Yと、その感光体ドラム6Yを支持する担持体支持部材15を示す部分断面図であり、この図にはプロセスカートリッジ1Yの他の構成要素の図示は省略してある。ここに示した担持体支持部材15は、図3にも示すように、回転軸である支持軸16と、その支持軸16に取り付けられた例えば玉軸受より成る軸受17とを有し、感光体ドラム6Yは、その両端部に固定されたフランジ18,19を介して、支持軸16に固定支持されている。また、支持軸16は、図示していない軸受を介して、図1に示したカートリッジケース14Yに回転自在に組み付けられている。
次に、プロセスカートリッジ1Yないし1BKを画像形成装置本体7に装着する際の位置決め構成及び動作について説明するが、後述するように本発明の実施形態は図2ないし図7に示す位置決め構成(以下、「第1の比較例」という)と、図8ないし図18に示す位置決め構成(以下、「第2の比較例」という)と、図23ないし図27に示す位置決め構成(以下、「第3の比較例」という)とに対して改良を加えたものであるため、細部に亘って詳しく説明する。
図2における符号Fは、画像形成装置の手前側を示し、符号Rは画像形成装置の奥側、すなわち後側を示している。プロセスカートリッジ1Yと他のプロセスカートリッジ1C,1M,1BKとは、後述するように、その前後方向、換言すれば支持軸16の長手方向に着脱可能に画像形成装置本体7に装着されている。画像形成装置本体7を構成するフレーム33は、その手前側に配置された前側板28と、図3にも示すように、奥側に配置された後側板29と、これらの側板28,29が固着された底板30(図3)とを有する。
フレーム33と位置決め保持部材32の周りには、図示していない外装カバーと、これに支持された前カバー(図示せず)とが位置するようになっている。
他のプロセスカートリッジ1C,1M,1BKの各支持軸16の奥側の端部も、上述した内容と全く同様にして後側板29に位置決めされ、かつその各支持軸16と感光体ドラム6C,6M,6BKが上述した内容と同様にして回転駆動される。
図4は前述のように各プロセスカートリッジ1Yないし1BKを画像形成装置本体の奥側に押し込んで、位置決め保持部材32を閉位置に回動し、その位置決め保持部材32に形成された位置決め孔35a,35bを前側板28に突設された位置決めピン36a,36bに嵌合して、位置決め保持部材32を所定の取付位置に位置決めしたときの様子を示す図であって、図2の矢印IV方向に見た図である。この図4と図2及び図6から判るように、位置決め保持部材32には、スライド部材41が配置されている。
スライド部材41には、水平方向に長い複数の長孔42が形成され、その各長孔42に段付ねじ43が相対的に摺動可能に挿入され、その各段付ねじ43は位置決め保持部材32に螺着されている。これにより、スライド部材41は、図4に示した第1の位置と図5に示した第2の位置との間を水平方向にスライド・移動可能に位置決め保持部材32に支持される。
また、スライド部材41の上部のフランジ部の下側面は各押圧部材44が水平方向に移動するとき、その押圧部材44を案内するガイド面50として機能する。このように、スライド部材41には、各押圧部材44用のガイド面50が形成されている。
このように、各押圧部材44は、ばね52により付勢された状態で、スライド部材41に移動可能に支持され、スライド部材41が第1の位置にあるとき、ばね付勢された押圧部材44は、スライド部材41に設けられたストッパ49により規制されて、担持体支持部材15に接触することが禁止されるのである。このため、操作者が手操作にて、位置決め保持部材32を図2に示した開位置から図4に示した閉位置に揺動したとき、各軸受17は、各押圧部材44に干渉することなく、各取付穴37に嵌入することができる。
各押圧部材44が停止した後も、各ばね52の付勢力に抗してスライド部材41を第2の位置へ向けて移動させると、各押圧部材44に形成された長孔48の各端部61が各ストッパ49から離れ、各押圧部材44は各ストッパ49による規制から解除される。
上述のとおり、押圧手段は、各担持体支持部材15に対応して設けられ各保持部上の各担持体支持部材15と非接触である非押圧位置と各保持部(2つの面45,46)上の各担持体支持部材15を押圧し位置決めする押圧位置との間で移動可能な複数の押圧部材44と、各押圧部材44を押圧位置に移動する向きに付勢する付勢手段としての引張ばね52と、各押圧部材44を移動可能に支持すると共に、非押圧位置に対応した第1の位置と押圧位置に対応した第2の位置との間で移動可能に位置決め保持部材32に支持された単一のスライド部材41と、スライド部材41を第1の位置と第2の位置との間で移動させる移動手段(図示せず)とから主に構成されている。
さらに、図7に示すように、各押圧部材44の楔形部53のなす角度をθとすると、この角度θが大き過ぎると、その楔形部53をガイド面50と軸受17の間に圧入させるのに大きな力が必要となり、操作性が低下する。逆にこの角度θが小さすぎると、押圧部材44の作動ストロークが徒らに大きくなり、やはり操作性が低下する。かかる観点から、この角度θを5°ないし45°、特に15°ないし20°に設定することが好ましい。
プロセスカートリッジは、プロセスカートリッジ1Yないし1BKに限らず、例えば感光体ドラム6Yないし6BKと、帯電手段としての帯電装置11Y、現像手段としての現像装置9Y及びクリーニング手段としてのクリーニング装置10Yのうちの少なくとも一つとの組合せからなるものであってもよい。これは、後述する第2の比較例、各実施形態及び変形例等でも同様である。
図8ないし図18に、第2の比較例を示す。第2の比較例は、図1ないし図7に示した第1の比較例としての画像形成装置と比較して、位置決めユニット65に代えて、図8ないし図11及び図17等に示す位置決めユニット70を用いる点が主に相違する。上記相違点以外は、図1ないし図7に示した画像形成装置とほぼ同様である。
位置決め保持部材32A、スライド部材41A及び各押圧部材44Aは、第1の比較例と同様に、板材としての板金で後述の各部等が一体的に形成されているので、非常に安価に、かつ、所定の強度や耐摩耗性・耐久性を確保して形成することができるという利点・効果も奏するものである。
図9に示すように、開口した取付穴77には、各プロセスカートリッジ1Yないし1BKの自重によって担持体支持部材15が保持される保持部としての2つの面78,79を備えた舌片80,81が一体的に形成されている。2つの面78,79を備えた舌片80,81は、ほぼ鉛直線を中心としてその両側にほぼ等しい角度(約45°)をもって互いにほぼ直交するように形成されている。これは、丸棒状の軸の芯出しに用いられるVブロックの2つの面と同様の機能を発揮するものである。
図7に示した第1の比較例と同様に、2つの面78,79が、プレス成形時の切り起こし加工によって成形された舌片80,81によって形成されていると、その舌片80,81の基部に丸みが形成されるので、位置決め保持部材32Aを図8に示した矢印D方向に揺動させて閉位置にするとき、丸みの部分が軸受17に摺接することになり、その軸受17に傷が付けられる不具合を防止できる。
当然のことながら、フレーム33に対する位置決め保持部材32Aの寸法精度や、位置決め保持部材32Aの各取付穴77の2つの面78,79のピッチや各部の寸法精度は、各感光体ドラム6Yないし6BKを画像形成装置本体7に対して位置決めするために所定の精度範囲(公差)内に設定されていることは言うまでもない。
また、位置決め保持部材32Aの担持体支持部材保持部分32bから、位置決め保持部材32Aの揺動支点(図8及び図9に示すヒンジピン34参照)へ嵌合する形状32cまでを一体構造で形成している。そして、上記形状32c部分と担持体支持部材保持部分32bまでを絞り形状32dで成形したフランジでつないでいる。これにより、位置決め保持部材32Aの揺動支点から担持体支持部材保持部分32bにかけてより強度を確保することができる。
上述したとおり、スライド部材41Aは、図6等に示したスライド部材41と比較して、移動手段92を構成するピン93が植設されている点、及びストッパ49を除去し、切り曲げ形状41aを形成されている点が主に相違する。
図12、図13、図16等において、スライド部材41Aのウエブ内面に二点鎖線で示す扇状ないし丸は、図の簡明化を図るために、位置決め保持部材32Aの図示を省略し、取付穴77及び担持体支持部材15の軸受17が仮想的に存在する状態を投影して示している。
スライド部材41Aの切り曲げ形状41aの、ばね71を係止するための係止角度としての曲げ角度θ2は、図14に示すようにスライド部材41Aの摺接移動面に対して45°以上に設定されている。曲げ角度θ2が45°未満であると、ばね71の引っ掛け形状71bがスライド部材41Aの切り曲げ形状41aと押圧部材44Aとの間で挟まれやすくなり、押圧部材44Aの動きが悪くなってしまうので好ましくない。
ばね71のU字部の開口側両端間の幅である曲げ形状71a,71bの曲げ内同士の幅W1は、U字部の最大幅W2よりも小さくなっている。当然、引っ掛かるようにフック形状となっている。W1<W2とすることで、ばね71のテンションによって、ばね71が図16に矢印で示す上方に移動しないようにすることができる。
ばね71の荷重やばね定数は、本比較例では4本使用するのでそれらの合計の荷重と操作力との関係を考慮して、また共振などを避けるように設定されるものであることは言うまでもない。
本比較例によれば、曲げ角度θ2を45°以上とすることで、ばね71の引っ掛け形状71bが、スライド部材41Aの切り曲げ形状41aと押圧部材44aとの間で挟まれることなく、押圧部材44Aの動きをスムーズにすることができる。
また、本比較例によれば、ばね71のU字部の開口側曲げ内の幅W1を、U字部の最大幅W2よりも小さくする(W1<W2)ことで、ばね71のテンションによって、ばね71が図16に矢印で示す上方に移動しないようにすることができる。
この往復運動変換手段は、スライド部材41Aに植設されたピン93と、カバー90にほぼ水平方向に長く形成されピン93が挿通される長孔90bと、カバー90に形成された孔90cを挿通してねじ95で締結固定されるレバー基端部94aと、ピン93が嵌入されるレバー94の基部に形成された案内溝94bとから主に構成されている。
レバー94による矢印K方向の往復揺動運動は、ピン93が案内溝94bに沿って移動しつつ、かつ、レバー基端部94aのねじ95を中心としてピン93が長孔90b内のほぼ水平方向に沿って移動するように案内規制されることで、スライド部材41Aのほぼ水平直線運動に変換される。
図10は、図8に示すように、各プロセスカートリッジ1Yないし1BKを画像形成装置本体7の矢印Gで示す奥側の方向に押し込んで、位置決め保持部材32Aを閉位置に揺動し、その位置決め保持部材32Aに形成された位置決め孔35a,35bを前側板28(図2及び図3参照)に突設された位置決めピン36a,36bに嵌合して、位置決め保持部材32Aを所定の取付位置に位置決めしたときの様子を示す図であって、第1の比較例と同様に図2を借りて説明すると同図の矢印IV方向に見た図である。
スライド部材41Aには、水平方向に長い複数の長孔42が形成され、その各長孔42に段付ねじ43が相対的に摺動可能に挿入され、その各段付ねじ43は位置決め保持部材32Aに螺着されている。これにより、スライド部材41Aは、図10に示す第1の位置と図11に示した第2の位置との間を水平方向にスライド・移動可能に位置決め保持部材32Aに支持される。
一方、各軸受17に対応して、各押圧部材44Aがそれぞれ設けられており、各押圧部材44Aはスライド部材41Aに対して、ガイド面50に摺接・案内されながら、また長孔44bに嵌入している切り曲げ形状41aに案内されつつ、所定のストロークを水平方向に移動することができる。
このように、各押圧部材44Aは、ばね71により付勢された状態で、スライド部材41Aにスライド・移動可能に支持され、スライド部材41Aが第1の位置にあるとき、ばね付勢された押圧部材44Aは、スライド部材41Aに設けられた切り曲げ形状41aにより規制されて、担持体支持部材15に接触することが禁止されるのである。このため、操作者が手操作にて、位置決め保持部材32Aを前記開位置から図10に示した閉位置に揺動したとき、各軸受17は、各押圧部材44Aに干渉することなく、各取付穴77に嵌入することができる。
各押圧部材44Aが停止した後も、各ばね71の付勢力等に抗してスライド部材41Aを第2の位置へ向けて移動させると、各押圧部材44Aに形成された長孔44bの各端部が各切り曲げ形状41aから離れ、各押圧部材44Aは各切り曲げ形状41aによる規制から解除される。
当然のことながら、フレーム33に対する位置決め保持部材32Aの寸法精度や、位置決め保持部材32Aの各取付穴77の2つの面78,79のピッチや各部の寸法精度は、各感光体ドラム6Yないし6BKを画像形成装置本体7に対して位置決めするために所定の精度範囲(公差)内に設定されていることは言うまでもない。
本比較例によれば、本比較例の特徴的な前述した構成を除く第1の比較例と同様の構成を有する部分については、第1の比較例と同様の利点・効果を奏することは言うまでもない。すなわち、位置決めユニット70が画像形成装置本体7に対して閉じられるとき、開口した取付穴77の2つの面77,79(保持部)上にプロセスカートリッジ1Yないし1BK(像担持体ユニット)の自重によって軸受17(担持体支持部材15)が保持された後、押圧手段によって2つの面77,79上の軸受17が押圧されて位置決めされるので、簡単な位置決め構成によってプロセスカートリッジ1Yないし1BKを画像形成装置本体7に対して正しく位置決めすることができると共に、その操作性を向上してコストダウンを図れる画像形成装置を提供できるものである。
図23ないし図27を参照して、画像形成装置本体7に対する位置決めユニット70の位置決め精度向上に関する構成について説明する。この第3の比較例では、図3及び図8に示した第1及び第2の比較例の位置決めピン36a,36bと位置決め孔35a,35bとの嵌合による位置決め方式を改良したものである。
すなわち、第3の比較例は、第1及び第2の比較例の画像形成装置本体7に対する位置決めユニット70の位置決め方式と比較して、第1及び第2の比較例の位置決め孔35a,35bに代えて、図23ないし図25に示すように、丸孔と長孔を繋げた形状の孔72a,72bがスライド部材41Aの両端部(右側端部の図示を省略している)に形成されている点、スライド部材41Aが第1の位置を占めているときに、孔72a,72bの丸孔に対応する位置に位置決め凹部としての孔73a,73bが位置決め保持部材32Aの両端部(右側端部の図示を省略している)に形成されている点、及び第1及び第2の比較例の位置決めピン36a,36bに代えて、上記各孔72a,72b、73a,73bに対応する画像形成装置本体7の所定の位置に、位置決め凸部及び位置決め軸としての位置決めピン74a,74bが設けられている点が主に相違する。
以下、背景技術での説明を補足する。位置決めピン74a,74bは、第1及び第2の比較例の位置決めピン36a,36bと同様に、例えば鋼材等の金属で形成されていて、画像形成装置本体7の所定の位置に植設・固定されている。ここで、位置決め凸部は、位置決め軸としての位置決めピン74a,74bに限らず、簡易で安価なものを望まなくてもよいのであれば、例えば画像形成装置本体7の前側板28(図8参照)と一体的に突出して形成された凸部であってもよい。同様に、位置決め凹部は、孔73a,73bに限らず、例えば前記凸部と嵌合可能な凹部であってもよい。
図24に示すように、位置決め保持部材32Aを矢印D方向に揺動させて画像形成装置本体に対して閉じることによって、位置決めピン74bが孔73bと孔72bに入る。この際、スライド部材41Aは第1の位置を占めている。
スライド部材41Aを矢印La方向にスライドさせ第2の位置に移動することで、位置決めピン74bの溝74dと長孔72bとが緩く嵌合することにより、位置決め保持部材32Aが画像形成装置本体側に固定される。これにより、位置決め保持部材32A(位置決めユニット70)を画像形成装置本体に対して位置決め固定することができる。
図19及び図20を参照して、第1の実施形態を説明する。図19には、第1の実施形態における位置決め保持部材32Aの左半分が示されている。
第1の実施形態は、図8ないし図18に示した第2の比較例と比較して、図19及び図20に示すように、位置決めユニット70が画像形成装置本体に対して開放されているとき、スライド部材41Aの第2の位置へのスライド・移動を規制する規制手段としての規制部材85を位置決め保持部材32Aに後述する状態で設けた点、位置決めユニット70が画像形成装置本体に対して閉じられるとき、規制部材85によるスライド部材41Aの第2の位置へのスライド・移動規制を解除する移動規制解除手段及び凸部としてのピン88を画像形成装置本体側の前側板28(図8参照)に植設した点、位置決めユニット70が画像形成装置本体に対して閉じられるとき、ピン88と嵌合可能な凹部としての孔89が位置決め保持部材32Aに形成されている点、及び規制部材85を矢印D方向に常に付勢する規制部材用付勢手段としてのコイルばね87(圧縮ばね)を有する点が主に相違する。第1の実施形態は、上記相違点以外は第2の比較例の画像形成装置と同様である。
位置決め保持部材32Aには、スライド部材41Aの第2の位置へのスライドを規制する規制部材85が、位置決め保持部材32Aに回動可能に設けられた支点軸86を揺動支点として矢印C方向、矢印D方向に揺動・変位可能に設けられている。すなわち、規制部材85は、両図に示すように、スライド部材41Aが第1の位置を占めているとき、孔89を遮ると共にスライド部材41Aに係合してスライド部材41Aを第1の位置に保持する規制位置と、ピン88と孔89とが嵌合・係合することにより、スライド部材41Aとの係合状態が解除されてスライド部材41Aの第2の位置への移動を許す非規制位置との間で揺動・変位可能になっている。
また、図20に示すように、規制部材85は、規制部材85の図において右側面とカバー90の内壁面との間に設けられた弾性部材であるコイルばね87によって、規制部材85を常に位置決め保持部材32Aに押し付ける方向に付勢されている。つまり、コイルばね87の付勢力は、スライド部材41Aの図19に示す矢印La方向、すなわちスライド・移動方向と直交する方向に設定されている。
なお、規制部材用付勢手段は、コイルばね87に限らず、例えば板ばね等であってもよい。
また、本実施形態によれば、規制部材85は、スライド部材41Aが第1の位置を占めているとき、孔89を遮ると共にスライド部材41Aに係合してスライド部材41Aを第1の位置に保持する規制位置と、ピン88と孔89とが嵌合・係合しピン88の頭部が通過することにより、スライド部材41Aとの係合状態が解除されてスライド部材41Aの第2の位置への移動を許す非規制位置との間で揺動・変位可能になっていて、位置決めユニット70が画像形成装置本体7に対して閉じられるとき、移動規制解除手段としてのピン88を孔89に押し込むことによって規制部材85によるスライド部材41Aの第2の位置への移動規制が確実に解除されるので、上記効果をより確実に奏する。
また、本実施形態によれば、規制部材用付勢手段としてのコイルばね87によって、規制部材85が規制位置を占める向きに常に付勢されているので、規制部材85によるスライド部材41Aの第1の位置への保持・固定がより確実となる。
具体的には図示しないが、スライド部材41Aが第1の位置を占めているとき、位置決め孔35bを遮ると共にスライド部材41Aに係合してスライド部材41Aを第1の位置に保持する規制位置と、位置決めピン36bと位置決め孔35bとが嵌合することにより、スライド部材41Aとの係合状態が解除されてスライド部材41Aの第2の位置への移動を許す非規制位置との間で揺動・変位可能に前記規制部材を構成することも可能である。そして、位置決めユニット70が画像形成装置本体7に対して閉じられるとき、位置決めピン36bの頭部が位置決め孔35bと嵌合・通過し前記規制部材を矢印C方向に押し込み揺動させることで、該規制部材を非規制位置を占めさせることも可能である。
この変形例によれば、位置決め凸部としての位置決めピン36bが移動規制解除手段を兼ねていることで、特別な移動規制解除手段が不要となり、コストをかけずに済むという利点・効果を奏する。
図21および図22を参照して、第2の実施形態を説明する。第2の実施形態は、図23ないし図27に示した第3の比較例における位置決めユニット70の位置決め方式と比較して、位置決めピン74a,74bに代えて、スライド部材41A及び位置決め保持部材32Aの各孔72a,72b、73a,73bに対応する画像形成装置本体7の所定の位置に、位置決め凸部及び位置決め軸としての位置決めピン96a,96bが設けられている点のみが相違する。第2の実施形態は、上記相違点以外は第3の比較例の画像形成装置と同様である。
なお、位置決めピン96aと位置決めピン96bとも同一の形状・寸法であるため、図において左側の位置決めピン96bを代表して説明するが、図において右側の位置決めピン96aでも同様である。位置決めピン96bは、第1ないし第3の比較例の位置決めピンと同様に、例えば鋼材等の金属で形成されていて、画像形成装置本体7の所定の位置に植設・固定されている。ここで、位置決め凸部は、位置決め軸としての位置決めピン96a,96bに限らず、例えば画像形成装置本体7の前側板28(図8参照)と一体的に突出して形成された凸部であってもよい。
溝部96dは、矢印La方向で示すスライド部材41Aのスライド・移動方向とほぼ平行な二つの平坦部となっていて、これらの平坦部は、互いに平行な二つの平面形状からなる。
この際、スライド部材41Aは第1の位置を占めており、位置決め保持部材32A及びスライド部材41A等(位置決めユニット70)が自重などにより僅かに下降したような場合であっても、位置決めピン96bにおけるテーパ部96cの終端から嵌合部96eまで同一の外周径寸法で形成されている連続面部96fが位置決め孔73bにガイドされるので、嵌合部96eに到達する前であっても溝部96dにはまり込んでしまうことなく、位置決め孔96bに対して嵌合部96eの嵌合がスムーズかつ確実になされることとなる。
次いで、スライド部材41Aを矢印La方向にスライドさせ第2の位置に移動することで、位置決めピン96bの上下に平坦部をなす溝部96dと長孔72bとが緩く嵌合することにより、位置決め保持部材32Aが画像形成装置本体側に固定される。これにより、スライド部材41Aが第2の位置においての位置決め保持部材32A(位置決めユニット70)を画像形成装置本体に対して位置決め固定することができる。
また、本発明は、例えば特開2001−222207号公報(特許文献6)記載の像担持体ユニットの位置決め方式を用いた画像形成装置等にも適用できる。
6Y,6C,6M,6BK 感光体ドラム(像担持体)
7 画像形成装置本体
15 担持体支持部材
16 支持軸(回転軸)
17 軸受
32A 位置決め保持部材(保持部材)
41A スライド部材(可動部材)
44A 押圧部材
78,79 面(保持部)
49 ストッパ
50 ガイド面(ガイド部)
53 楔形部
70 位置決めユニット
71 U字状のばね
73a,73b 位置決め孔(位置決め凹部)
77 取付穴(開口)
85 規制部材(規制手段)
87 コイルばね(規制部材用付勢手段)
88 ピン(移動規制解除手段)
90 カバー(カバー部材)
92 移動手段
94 レバー(操作部材)
96a,96b 位置決めピン(位置決め凸部、移動規制解除手段)
96c テーパ部
96d 溝部(平坦部を備えた溝部)
96e 嵌合部
96f 連続面部
P 転写紙(シート状記録媒体の一例)
Claims (9)
- 像担持体及び該像担持体を支持する担持体支持部材を備えた少なくとも一つの像担持体ユニットと、該少なくとも一つの像担持体ユニットを前記担持体支持部材を介して、画像形成装置本体に対して着脱し位置決めするための開閉自在な位置決めユニットとを有し、該位置決めユニットは、前記画像形成装置本体に対して閉じられるとき、前記担持体支持部材が保持される少なくとも一つの開口した保持部を備えた保持部材と、前記少なくとも一つの保持部上の前記担持体支持部材を押圧しない第1の位置と前記少なくとも一つの保持部上の前記担持体支持部材を押圧する第2の位置との間で移動可能に前記保持部材に支持された可動部材とを具備し、前記少なくとも一つの像担持体上の像は直接的又は間接的にシート状記録媒体に転写される画像形成装置であって、
前記可動部材の第2の位置への移動を規制する規制位置と、前記可動部材の第2の位置への移動を許す非規制位置との間で変位可能な規制手段が前記保持部材に設けられており、
前記位置決めユニットが前記画像形成装置本体に対して開放されているとき、前記規制手段は前記規制位置を占め、前記位置決めユニットが前記画像形成装置本体に対して閉じられるとき、前記規制手段を前記規制位置から前記非規制位置に変位させることにより、前記規制手段による前記可動部材の第2の位置への移動規制を解除する移動規制解除手段を前記画像形成装置本体側に有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記画像形成装置本体には、前記位置決めユニットが前記画像形成装置本体に対して閉じられるとき、前記保持部材と係合可能な凸部が設けられており、
前記保持部材には、前記凸部と係合する凹部が設けられており、
前記規制手段は、前記可動部材が第1の位置を占めているとき、前記凹部を遮ると共に前記可動部材に係合して該可動部材を第1の位置に保持する規制位置と、前記凸部と前記凹部とが係合することにより、前記可動部材との係合状態が解除されて該可動部材の第2の位置への移動を許す非規制位置との間で変位可能な規制部材からなり、
前記移動規制解除手段は、前記凸部からなり、前記位置決めユニットが前記画像形成装置本体に対して閉じられるとき、前記凸部が前記凹部と係合することにより、前記規制部材を前記非規制位置に変位させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。 - 前記凸部は、前記位置決めユニットを前記画像形成装置本体に対して位置決めするための位置決め凸部からなり、
前記凹部は、前記位置決め凸部と嵌合する位置決め凹部からなり、
前記規制手段は、前記可動部材が第1の位置を占めているとき、前記位置決め凹部を遮ると共に前記可動部材に係合して該可動部材を第1の位置に保持する規制位置と、前記位置決め凸部と前記位置決め凹部とが嵌合することにより、前記可動部材との係合状態が解除されて該可動部材の第2の位置への移動を許す非規制位置との間で変位可能な規制部材からなり、
前記移動規制解除手段は、前記位置決め凸部からなり、前記位置決めユニットが前記画像形成装置本体に対して閉じられるとき、前記位置決め凸部が前記位置決め凹部と嵌合することにより、前記規制部材を前記非規制位置に変位させることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。 - 前記規制部材及び前記可動部材は、共に金属製の板状部材で形成されており、互いの板厚方向の面同士が接触するような形状に形成され配置されていることを特徴とする請求項2又は3記載の画像形成装置。
- 前記規制部材を、前記規制位置を占める向きに付勢する規制部材用付勢手段を有することを特徴とする請求項2ないし4の何れか一つに記載の画像形成装置。
- 前記規制部材用付勢手段による付勢力は、前記可動部材の移動方向に対して直交する方向に設定されていることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
- 像担持体及び該像担持体を支持する担持体支持部材を備えた少なくとも一つの像担持体ユニットと、該少なくとも一つの像担持体ユニットを前記担持体支持部材を介して、画像形成装置本体に対して着脱し位置決めするための開閉自在な位置決めユニットとを有し、該位置決めユニットは、前記画像形成装置本体に対して閉じられるとき、前記担持体支持部材が保持される少なくとも一つの開口した保持部を備えた保持部材と、前記少なくとも一つの保持部上の前記担持体支持部材を押圧しない第1の位置と前記少なくとも一つの保持部上の前記担持体支持部材を押圧する第2の位置との間で移動可能に前記保持部材に支持された可動部材とを具備し、前記少なくとも一つの像担持体上の像は直接的又は間接的にシート状記録媒体に転写される画像形成装置であって、
前記画像形成装置本体には、前記位置決めユニットが前記画像形成装置本体に対して閉じられるとき、前記位置決めユニットを前記画像形成装置本体に対して位置決めするための位置決め凸部としての嵌合部を備えた位置決めピンが設けられており、
前記保持部材には、前記位置決めユニットが前記画像形成装置本体に対して閉じられるとき、前記位置決めピンの前記嵌合部と嵌合する位置決め凹部としての位置決め孔が設けられており、
前記可動部材には、前記位置決めユニットが前記画像形成装置本体に対して閉じられるとき、前記位置決め孔に対向して形成され該位置決め孔よりも大きい孔と、前記可動部材の移動方向に沿って前記孔に連通して形成され、前記可動部材の移動方向と直交する方向の大きさが前記位置決め孔よりも小さい長孔とが設けられており、
前記位置決めピンは、前記位置決め孔に案内されると共に前記孔を貫通すべくその先端部に形成され該先端に向かうにしたがって先細りに傾斜したテーパ部と、該テーパ部の終端から前記位置決め孔と嵌合する前記嵌合部までの間に形成され、ほぼ同一の外周径寸法である連続面部と、前記可動部材を第2の位置に移動するときに前記長孔に嵌入される、前記連続面部の全外周に亘り遮らないように前記連続面部の一部に形成された溝部とを備えていることを特徴とする画像形成装置。 - 前記溝部は、前記可動部材の移動方向とほぼ平行な少なくとも一つの平坦部を備えていることを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
- 前記少なくとも一つの平坦部は、互いに平行な二つの平面形状からなることを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
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