JP5005311B2 - 塗膜保護用粘着シート - Google Patents

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Description

本発明は、例えば自動車の車体や部品などの塗膜を保護するのに用いられる塗膜保護用粘着シートに関し、より詳細には、ポリオレフィン系基材の片面に粘着剤層が積層されている塗膜保護用粘着シートに関する。
塗装を終えた自動車の車体や部品等がトラックや船に荷積みされて、海外等の遠隔地に移送されることがある。移送の際に、塵や埃、雨等の種々の浮遊物が塗膜に付着し、塗膜が汚れたり、変色することがあった。また、衝突物により塗膜が損傷することもあった。
そこで、このような塗膜の汚染、変色、損傷等を防止するために、塗膜表面に保護シートを仮着し、海外等の遠隔地への移送が行われている。
下記の特許文献1には、この種の保護シートの一例として、支持基材上にゴム系粘着剤からなる粘着剤層が設けられた自動車塗膜保護用粘着シートが開示されている。特許文献1に記載の保護用シートでは、ポリイソブチレンを主成分とする特定のゴム系粘着剤を用いて粘着剤層が構成されている。これらのゴム系粘着剤を用いて粘着剤層を構成することで、表面保護フィルムの初期接着力、接着力の経時安定性、及び糊残り防止効果などを向上し得ることが示されている。
特許2832565号公報
しかしながら、特許文献1に記載の表面保護フィルムにおいても、接着力の経時安定性はなお十分なものではなかった。特に、長期間屋外に暴露された際には、経時による接着力の昂進を完全に抑制することはできず、多かれ少なかれ接着昂進に伴って、剥離作業性が低下せざるを得なかった。
本願発明者らは、特許文献1に記載の表面保護フィルムや類似の塗膜保護用の表面保護フィルムについて、長期間の暴露試験を行い、検討した。その結果、長期間の暴露試験を行った場合、粘着力が経時により上昇することを避けることができず、そのため、長期間暴露後に保護フィルムを剥離しようとした場合、剥離を速やかに開始することができないという問題に直面した。すなわち、塗膜表面に貼り付けられている表面保護フィルムの剥離開始端部において、塗膜表面から表面保護フィルムの端部を引きはがすことが困難であった。このような問題を解決するには、表面保護フィルムの端部において、表面保護フィルムを折り返し、粘着剤層同士を重ね合わせ、保護フィルムの端部を塗膜から部分的に浮かすように貼り付ける方法を考えた。この方法では、表面保護フィルムの端部が上記のように折り返されており、折り返された部分では、表面保護フィルムの基材の粘着剤層と反対側の面が塗膜の表面に対向されているため、折り返し部分を手で持ち、表面保護フィルムを容易に塗膜から剥離することができる。
しかしながら、上記のような方法で塗装鋼板に表面保護フィルムを貼付した後、70℃の温度に2日間曝露する耐熱試験に供したところ、折り返されて塗膜表面に対向している基材表面が塗膜に密着し、剥離は容易であるものの、剥離後に塗膜表面が白っぽく変化する現象、(以下、単に白化という)が生じることがあることを見いだした。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、糊残りが生じ難く、貼着作業が容易であるだけでなく、上記のような折り返し部分を設けて塗膜を有する被着体に貼付した場合であっても、折り返し部分における被着体の白化が生じ難い、塗膜保護用粘着シートを提供することにある。
本発明は、ゴム系樹脂成分と粘着付与樹脂とを含む粘着剤組成物からなる粘着剤層が、単層もしくは多層のポリオレフィン系基材の片面に積層されている塗膜保護用粘着シートであって、前記ポリオレフィン系基材の23℃における引張弾性率が少なくとも350MPaであり、前記ポリオレフィン系基材の粘着剤層が設けられていない側の表面の算術平均粗さRaが0.4〜1μmの範囲にあることを特徴とする。
本発明に係る塗膜保護用粘着シートのある特定の局面では、前記ポリオレフィン系基材の前記粘着剤層が設けられていない側の表面を構成する層がブロックポリプロピレンからなり、この場合には、ポリオレフィン基材の引張弾性率及び表面の算術平均粗さRaを上記特定の範囲に容易に設計することができる。
また、本発明においては、上記基材の粘着剤層が設けられていない側の表面を構成する層は、ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物により構成されていてもよい。この場合、好ましくは、ポリプロピレン100重量部に対し、ポリエチレン15〜600重量部の混合物が用いられ、それによって、基材の粘着剤層が設けられていない側の表面の算術平均粗さRaを上記特定の範囲に容易に設定することができる。
本発明に係る塗膜保護用粘着シートは、ポリオレフィン系基材の片面に、ゴム系樹脂成分と粘着付与樹脂とを含む粘着剤組成物からなる粘着剤層が積層された構成において、上記ポリオレフィン系基材の23℃における引張弾性率が少なくとも350MPaであり、ポリオレフィン系基材の粘着剤層が設けられていない側の表面の算術平均粗さが0.4〜1μmの範囲とされているため、被着体に対する貼着作業性に優れており、加えて、塗膜を有する被着体に、例えば前述した折り返し部分を設けるようにして塗膜保護用粘着シートを貼付した場合、折り返し部分において塗膜に基材の粘着剤層が設けられていない側の表面が接触された場合であっても、塗膜の白化を抑制することができる。また、算術平均粗さRaが過度に大きくされていないため、巻回体として巻き取られた際にこの表面形状が粘着剤表面を荒らす結果発生する、塗膜の貼着部分への転写による外観不良を防止できる。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明に係る塗膜保護用粘着シートでは、ゴム系樹脂成分と粘着付与樹脂とを含む粘着剤組成物からなる粘着剤層が、ポリオレフィン系基材に積層されている。
本発明に係る塗膜保護用粘着シートでは、基材の23℃における引張弾性率が少なくとも350MPaであり、基材の粘着剤層を設けていない表面の算術平均粗さが0.4〜1μmとされているため、塗膜を有する被着体に基材の粘着剤層が設けられていない表面が接触した場合にも、塗膜の前述した白化を抑制することができる。
本願発明者らは、前述した塗膜の白化のメカニズムを検討した結果、耐熱試験などの加熱条件下でポリオレフィン系基材が軟化し、軟化した基材が塗膜と密着する結果、すなわち塗膜との間に何らかの相互作用を生じ、これが原因となって塗膜に白化が生じることを見いだした。
そして、本願発明者らは、上記白化を抑制するには、ポリオレフィン系基材の23℃における引張弾性率が少なくとも350MPaであり、粘着剤層が設けられていない側の表面の算術平均粗さが0.4〜1μmの範囲とすれば、上記課題を達成することを見いだし、本発明をなすに至った。
(ポリオレフィン系基材)
本発明において、上記ポリオレフィン系基材は、単層または2層以上の多層構造を有する。多層構造とした場合には、各層に機能を振り分けることができるので、所望とする性能のポリオレフィン系基材を容易に設計することができる。従って、多層構造のポリオレフィン系基材が好ましい。
上記ポリオレフィン系基材を構成するポリオレフィンについては特に限定されず、ポリプロピレン、ポリプロピレンと他のポリオレフィンとの混合物などの様々なポリオレフィンを用いることができる。もっとも、本発明においては、ポリオレフィン系基材の23℃における引張弾性率が少なくとも350MPaであることが必要である。23℃における引張弾性率が350MPa以上とされていることにより、後述する算術平均粗さRaとあいまって後述した実施例から明らかなように、上記白化を確実に抑制することができる。23℃における引張弾性率の上限については、上記白化を抑制する効果を得る上で特に限定されないが、塗膜保護用粘着シートのハンドリング性を考慮すると、1500MPa以下程度が好ましい。上記基材の23℃における引張弾性率は、白化をより確実に抑制する上では、400MPa以上であることが望ましい。
また、本発明においては、上記ポリオレフィン系基材の粘着剤層が設けられていない側の表面における算術平均粗さが0.4〜1μmの範囲とされていることが必要である。この算術平均粗さが0.4〜1μmの範囲とされれば、前述の引張弾性率とあいまって後述の実施例から明らかなように、被着体の白化を確実に抑制することができる。より好ましくは、白化をより確実に抑制するためには、上記表面の算術平均粗さは、0.4〜0.8μmの範囲とすることが望ましい。
上記のように、ポリオレフィン系基材の表面を上記特定の範囲の算術平均粗さを有するように粗面化する方法については特に限定されない。例えば、バフや研磨紙を使用した研磨等の機械的粗面化方法、ブロックポリプロピレンのように予め二種類のポリマーがブレンドされている樹脂を押出す方法、二種類以上の単一ポリマー同士をブレンドする方法、冷却温度、冷却速度、溶融温度、スウェル比等の成形条件を制御する方法等を採用することができる。
本発明に係る塗膜保護用粘着シートにおいて、上記ポリオレフィン系基材は、好ましくは、基材の粘着剤層が設けられていない側の表面を構成する層がブロックポリプロピレンからなる。この場合、ポリオレフィン系基材の全体がブロックポリプロピレンにより形成されていてもよい。
ブロックポリプロピレンには、通常エチレンプロピレンゴム(EPR)がブレンドされている。従って、単独で押出した場合でも、ブロックポリプロピレンからなる表面の場合、その表面の算術平均粗さは、通常0.4〜1μmの範囲となる。よって、ブロックポリプロピレンにより、基材の粘着剤層が設けられていない側の表面を構成する層を形成することにより、基材の粘着剤層が設けられていない側の表面の算術平均粗さRaを容易にかつ確実に上記特定の範囲とすることができる。
上記ブロックポリプロピレンとしては、特に限定されず、市販の様々なブロックポリプロピレンを用いることができる。また、1種類のブロックポリプロピレンを用いてもよく、複数種のブロックポリプロピレンを用いてもよい。
さらに、1種のブロックポリプロピレンを用いる場合、ブロックポリプロピレン中のEPRの量は5〜40%が好ましい。5%以下、40%以上ではEPRの添加効果が発現しないため、上記算術平均粗さの範囲を逸脱する可能性がある。
本特許でのEPR成分とは、下記条件にてCFC分析を行った場合に、0〜80℃で溶出する非晶性ポリマー成分のことを指す。
CFC測定条件は次の通りである。
装置 :CFC T−150A(三菱化学社製クロス分別クロマトグラフ)
検出器 :IR検出器(3.42μm)
移動相 :o−ジクロロベンゼン
流速 :1.0ml/min
サンプル濃度:3mg/ml
注入量 :0.4ml
降温条件 :140分(140℃→0℃)
TREFカラム :100〜120μm ガラスビーズ充填カラム
溶出区分 :30区画
GPCカラム:Shodex AD806MS(30cm×3本)
カラム温度 :140℃
具体的には、樹脂サンプルをo−ジクロロベンゼンに溶解して濃度3mg/mlの溶液を調製し、該溶液0.4mlをクロス分別装置CFC T−150A(三菱化学社製クロス分別クロマトグラフ)に注入し、1℃/1分の速度で140℃から0℃まで冷却して、樹脂サンプルをTREF(温度上昇溶離分別)用カラムに担持させた。次いで、移動相としてo−ジクロロベンゼンを用い、0℃から140℃まで30区画以上に段階的に昇温しながら流速1.0ml/分で溶出させ、各温度において溶出した溶出分を自動的にGPCカラムに送って分別し、赤外検出器により3.42μmの波長で溶出ポリマー濃度を定量した。なお、ピークのデータ処理は、装置付属のプログラムを用いて行った。
なお、ポリオレフィン系基材をブロックポリプロピレンで形成する場合、ブロックポリプロピレンに、ポリエチレンなどの他のポリマーをブレンドしてもよい。
また、本発明に係る塗膜保護用粘着シートでは、上記ブロックポリプロピレン以外のポリプロピレンと、ポリエチレンなどの他のポリマーの混合物により、上記ポリオレフィン系基材の粘着剤層が設けられていない側の表面を構成する層を形成してもよい。特に、ポリプロピレン100重量部に対し、ポリエチレン15〜600重量部の割合でこれらを混合してなる混合物を用いてポリオレフィン系基材の表面を構成した場合、その表面の算術平均粗さを上記特定の範囲とすることが容易である。ポリエチレンの混合割合が15重量部未満の場合、及び600重量部を超える場合には、表面の粗さを上記算術平均粗さ範囲とすることができないおそれがある。また、ポリエチレン量が過大になると基材層の引張弾性率が小さくなって、塗膜保護用積層シートのハンドリング性が低下する。
本発明に係る塗膜保護用粘着シートの上記ポリオレフィン系基材は、様々な方法で製造され得るが、好ましくは、溶融押出法により形成され、その場合、スウェル比が1.5〜3となる条件で溶融押出しされることが好ましい。
ここでスウェル比とは、溶融ポリマーがノズル(口金)から吐出される際のふくらみの程度のことで、溶融ポリマーの吐出の際の流れ易さの指標となる。スウェル比が大きいと、溶融ポリマーは流れにくく、ノズルからの吐出時のふくらみの程度が大きく、スウェル比が小さいと溶融ポリマーは流れ易く吐出時のふくらみの程度は小さい。したがって、スウェル比が大きいと、溶融ポリマー吐出時にノズル吐出口の縁によって吐出シートの表面が粗れ易く、逆にスウェル比が小さいと、吐出シートの表面粗れが小さく抑えられ、表面が平滑になる。
本発明では、このスウェル比を1.5〜3の条件に調整することにより、上記算術平均粗さの範囲を達成できることを見いだした。スウェル比を1.5〜3にするには、溶融押出温度、金型温度、リップヒータ温度等をある範囲に調整すればよい。実際に何度にコントロールするかは、得られる製品フィルムの表面粗さに応じて、すなわち、表面粗さが前述の範囲内に入るように決めればよい。
本発明に係る塗膜保護用粘着シートでは、好ましくはポリオレフィン系基材が耐候剤を含み、かつポリオレフィン系基材の波長190〜370nmの範囲における紫外線透過率が10%以下とされる。そして、後述の粘着剤組成物からなる粘着剤層が、ポリオレフィン系基材に積層された構造を有する。
塗膜保護用粘着シート、特に自動車用塗膜保護用粘着シートでは、波長190〜370nmの範囲における紫外線透過率が10%以下に設定されていることによって、十分な耐候性を有するものとなり、望ましい。より好ましい紫外線透過率は1%以下である。
上記ポリオレフィン系基材の厚みは、使用目的によっても異なるが、20〜100μmが好ましい。20μm以下では、塗膜の保護性能を十分に発揮できないことがあり、100μm以上では、単位面積当りの重量も大きくなってハンドリング性が悪くなるとともに、経済性も劣るようになる。
また、ポリオレフィン系基材に配合される耐候剤としては、紫外線遮蔽剤及び/または紫外線安定化剤が好ましく用いられる。
上記紫外線遮蔽剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、カーボンブラック等の無機顔料等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数のものをブレンドして用いてもよい。なかでも、紫外線遮蔽性に優れるため、酸化チタンが特に好ましく用いられる。
上記紫外線安定化剤としては、例えば、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系化合物等の光安定剤が挙げられ、これらは単独で使用されてもよく、併用されてもよい。
塗膜保護用粘着シートの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、粘着剤層を構成する粘着剤組成物と、ポリオレフィン系基材を構成する組成物とを共押出することにより積層一体化する方法、あるいは成膜されたポリオレフィン系基材上に粘着剤組成物をラミネートし、積層一体化する方法などが挙げられる。
ポリオレフィン系基材と粘着剤組成物とを共押出により積層一体化する方法としては、インフレーション法やTダイ法などの公知の方法が用いられ得る。粘着剤組成物をポリオレフィン系基材にラミネートする方法としては、粘着剤溶液を塗工する溶液塗工法、ドライラミネーション法、Tダイを用いた押出コーティング法などが用いられる。これらの中でも、品質を高めることができ、かつ経済的に製造し得るため、Tダイによる共押出法が好ましい。また、溶液塗工法が行われる場合には、基材層と粘着剤層との間の接合強度を高めるために、ポリオレフィン系基材に予めプライマー塗布などし、表面処理を施すことが好ましい。
なお、上記共押出法を用いる場合、多層のポリオレフィン系基材の場合には、多層のポリオレフィン系基材を構成する各組成物を、粘着剤組成物と共押出し、積層一体化すればよい。また、単層のポリオレフィン系基材を用いて共押出法により塗膜保護用粘着シートを製造する場合には、ポリオレフィン系基材を構成する組成物と粘着剤組成物とを共押出し、積層一体化すればよい。
(粘着剤層)
本発明に係る塗膜保護用粘着シートでは、上述したポリオレフィン系基材の片面にゴム系樹脂成分と粘着付与樹脂とを含む粘着剤組成物から粘着剤層が積層されている。上記ゴム系樹脂成分としては、塗膜保護用粘着シートにおけるゴム系樹脂成分として用いられている適宜のゴム系樹脂成分が用いられ、 具体的には、例えば、スチレン系エラストマー;ポリイソブチレン(イソブチレンの重合体)、ブチルゴム(イソブチレンとイソプレンの共重合体を主成分とし、必要に応じて架橋性官能基をもったモノマーを共重合したものまたは変性したもの)、ポリブテン(1−ブテンの重合体)等のオレフィン系エラストマー;ポリクロロプレン;ニトリルゴムなどが挙げられる。これらは、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。なかでも再剥離性、易成形性の点でスチレン系エラストマーが好ましい。
スチレン系エラストマーとしては、スチレン−共役ジエン系ブロック共重合体やスチレンイソブチレン系ブロック共重合体が例示でき、脂肪族性不飽和結合を有するものは水素添加したものが好ましい。また、改質の目的で変性されていてもよい。スチレン系エラストマーの重量平均分子量は、GPC法によるポリスチレン換算重量平均分子量で50000〜400000の範囲が好ましく、より好ましくは80000〜200000である。重量平均分子量が50000未満では、粘着剤の凝集力が低下するため、再剥離時に被着体に糊残りが生じるおそれがある。400000を超えると、粘着力が不足するとともに、流動性が悪くなるおそれがある。
上記粘着付与樹脂は、特に限定されず、例えば、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、テルペン系樹脂、テルペン・フェノール系樹脂、アルキル・フェノール系樹脂、クマロン・インデン系樹脂、ロジン系樹脂等が挙げられ、なかでも、水素添加された脂肪族系、脂環族系、芳香族系等の石油樹脂やテルペン系樹脂が耐候性に優れているので好ましい。より具体的には、例えば、水素添加された脂環族系石油樹脂である荒川化学社製、商品名:アルコンや、テルペン系樹脂であるヤスハラケミカル社製、商品名:クリアロンなどが挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記粘着付与樹脂は、ゴム系樹脂成分100重量部に対し5〜70重量部の範囲で配合されることが好ましく、より好ましくは20〜50重量部である。5重量部未満では、上記剪断貯蔵弾性率が高くなりすぎることがあり、さらに被着体に対する粘着力が不足することがある。70重量部を超えると、粘着剤の凝集力が不足し、表面保護フィルムとして使用した後、被着体から剥離し難いことがあり、また剥離に際し糊残りが生じるおそれがある。
本発明に係る塗膜保護用粘着シートでは、必要に応じて、粘着性能を阻害しない範囲で、粘着剤層に紫外線安定化剤などの耐候剤、酸化防止剤、接着昂進防止剤、軟化剤、充填剤などが添加されてもよい。
上記紫外線安定化剤としては、特に限定されず、例えば、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系化合物等の光安定剤などが例示でき、酸化防止剤としては、フェノール系(モノフェノール系、ビスフェノール系、高分子型フェノール系)、硫黄系、リン系等の酸化防止剤が挙げられる。
上記接着昂進防止剤としては、特に限定されず、脂肪酸アミド、ポリエチレンイミンの長鎖アルキルグラフト物、大豆油変性アルキド樹脂(例えば、荒川化学社製、商品名「アラキード251」等)、トール油変性アルキド樹脂(例えば、荒川化学社製、商品名「アラキード6300」等)などが挙げられる。なお、粘着剤層の厚みは3〜30μm程度、より好ましくは5〜20μm程度とされればよい。
(用途)
本発明に係る塗膜保護用粘着シートは、例えばメラミン・アルキッド系やメラミン・アクリル系、ないしウレタン系などの塗料で塗装処理された塗膜を有する自動車の車体やその部品、あるいは鋼板等の金属板やその成形品などの保護に好ましく用いられる。本発明の塗膜保護用粘着シートは、自動車の車体や自動車の部品等の自動車用塗膜保護シートとしてより好ましく用いられる。
以下、本発明の実施例及び比較例を挙げることにより本発明の効果を明らかにする。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(使用した材料)
〔ゴム系樹脂成分〕
(1)SIBS ;カネカ社製、品番:シブスター 073T、スチレンとイソブチレンとのブロック共重合体
(2)SEBS ;クレイトンポリマー社製、品番:G1657、スチレンとエチレン、ブチレンとのブロック共重合体
〔粘着付与樹脂〕
ダイアナプロセスオイル;パラフィン系プロセスオイル系樹脂、出光興産社製、商品名:ダイアナプロセスオイルP−430
〔ポリオレフィン系基材材料〕
(1)PB370A;サンアロマー社製ポリプロピレン(EPR含有量 15%)
(2)M12;プライムポリマー社製ポリエチレン(EPR含有量 0%)
(3)C200F;サンアロマー社製ポリプロピレン(EPR含有量 70%)
(4)FLX80E4;住友化学社製ポリプロピレン(EPR含有量 0%)
(5)PC630A;サンアロマー社製ポリプロピレン(EPR含有量 7%)
〔紫外線隠蔽剤〕
PEX6800A;東京インキ社製酸化チタン、商品名:PEX6800A White
(実施例1)
ゴム系樹脂成分であるスチレン系エラストマーとしてSIBSを100重量部、及び粘着付与樹脂としてダイアナプロセスオイルを20重量部含むゴム系粘着剤組成物を用意した。
次に、PB370Aを100重量部と、M12を30重量部とからなる第1層と、PB370Aを100重量部と、C200Fを20重量部と、PEX6800Aを15重量部とからなる第2層と、上記ゴム系粘着剤組成物からなるゴム系粘着剤層とをゴム系粘着剤層が前記第2層に接する側となるように、かつ成形温度はスウェル比が1.6となるように設定して、Tダイ法により共押出して巻回体に巻き取り、第1層が10μm、第2層が40μmの厚みのポリプロピレン基材上に10μmの厚みのゴム系粘着剤層が積層された塗膜保護用粘着シートを得た。
(実施例2〜5及び比較例1〜3)
使用したポリオレフィン系基材材料、ゴム系樹脂成分及び粘着付与樹脂の種類と配合割合とを下記の表1に示すように変更したことを除いては、実施例1と同様にして塗膜保護用粘着シートを得た。
(実施例及び比較例の評価)
上記のようにして得た各塗膜保護用粘着シートの以下の項目を測定した。結果を下記の表1に示す。
(1)23℃における引張弾性率
ポリオレフィン系基材の23℃における引張弾性率をJIS K 7113に準じて測定した。
(2)算術平均粗さRa
基材の粘着剤層が設けられていない側の表面である第1層の表面の算術平均粗さを日本Vecco社製 Wykoにより測定した。
(3)背面白化
得られた塗膜保護用粘着シートから25mm×100mmの試験片を作製し、これを自動車用塗装鋼板(ガラス転位点が60℃のアルキッド・メラミン塗膜を有する鋼板、表面グロス80%)に、塗膜保護用粘着シートの端部に粘着剤層同士が25mmの長さにわたって貼り合わされている折り返し部分を設けた状態で貼付し、折り返し部分において、背面であるポリプロピレン系基材の第1の層の表面が自動車用塗装鋼板に接触された状態となるようにして、80℃のギアオーブン中に4日間放置した後、塗膜保護用粘着シートを剥離し、剥離後の塗膜面の白化の有無を目視にて評価した。
(4)転写
得られた塗膜保護用粘着シートから25mm×100mmの試験片を作製し、自動車用塗装鋼板(ガラス転位点が60℃のアルキッド・メラミン塗膜を有する鋼板、表面グロス80%)に貼り付け、その状態で60℃90%の恒温恒湿オーブン中に4日間放置した後、塗膜保護用粘着シートを剥離し、粘着層の粗面状態が剥離後の塗膜面に転写していないかどうかを目視にて評価した。
Figure 0005005311

Claims (3)

  1. ゴム系樹脂成分と粘着付与樹脂とを含む粘着剤組成物からなる粘着剤層が、単層もしくは多層のポリオレフィン系基材の片面に積層されている塗膜保護用粘着シートであって、
    前記ポリオレフィン系基材の23℃における引張弾性率が少なくとも350MPaであり、
    前記ポリオレフィン系基材の粘着剤層が設けられていない側の表面の算術平均粗さRaが0.4〜1μmの範囲にあることを特徴とする塗膜保護用粘着シート。
  2. 前記ポリオレフィン系基材の前記粘着剤層が設けられていない側の表面を構成する層がブロックポリプロピレンからなる請求項1に記載の塗膜保護用粘着シート。
  3. 前記ポリオレフィン系基材の粘着剤層が設けられていない側の表面を構成する層の組成が、ポリプロピレン100重量部に対し、ポリエチレン15〜600重量部を混合してなる混合物からなる請求項1に記載の塗膜保護用粘着シート。
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