JP5003860B2 - 組立ラインのワーク搬送装置 - Google Patents
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Description
また、パレットの使用に加えて、パレット自体に自走機能を持たせることにより、コンベアの駆動装置をなくすようにしたものも、例えば特許文献1によって提案されている。特許文献1の搬送装置は、パレットの下面にローラを備えた支承体を複数装着し、このローラを駆動体によって駆動することにより、パレットが自走可能となっている。そして、このパレット上にワークが載置され、ワークが搬送されるようになっている。
また、特許文献1の搬送装置のようにパレット自体に自走機能を持たせるようにした場合でも、組立完了後にパレットを戻すための通路を確保する必要があり、通路確保のための費用とスペースが必要となる。
また、パレットを使用する場合は、パレット上にワークを位置決めするための機構をパレットに設ける必要があるため、型式の異なるワークごとに別のパレットを用意する必要があり、パレットの製造費用がかさむという問題もある。
このように構成された組立ラインのワーク搬送装置によれば、搬送ボール部材の転動ボールの転動によりワークが搬送台上を移動して組み立て作業を行う位置に達すると、搬送台上面に形成された凹部に搬送ボール部材の転動ボールが係合し、ワークがその位置から移動しにくくなる。
更に、ワークは搬送ボール部材から露出する転動ボールが転動することにより、搬送台上を移動可能であるため、作業者が軽くワークを押し出すだけで次の作業工程までワークを移動させることが可能となり、ワークを搬送するための駆動装置が不要となって、搬送設備のためのコストを削減することが可能となる。
また、請求項2の組立ラインのワーク搬送装置によれば、ワークが搬送台上を移動して組み立て作業を行う位置に達すると、搬送台上面に形成された凹部に搬送ボール部材の転動ボールが係合し、ワークがその位置から移動しにくくなるので、組み立て作業を安定して行うことが可能となる。
また、請求項3の組立ラインのワーク搬送装置によれば、取り外し部材によってワークから離脱した搬送ボール部材は開口から搬送台下方に落下するので、開口の下方にトレイなどを配設することにより、用済みとなった搬送ボール部材を一時的に貯留することが可能となる。従って、ワークから離脱した搬送ボール部材をその都度手作業で別の場所に移送する必要がなくなり、作業効率を向上させることができる。
図1は、本発明に係る組立ラインのワーク搬送装置が適用された、エンジン用アルミ製シリンダヘッドの組立ラインの概要を示す平面図である。
図1に示すように、シリンダヘッド組立ライン1は略L字状に構成されており、エンジン本体組立ライン2に並設されている。
シリンダヘッド4には、シリンダヘッド4をシリンダブロック(図示せず)に固定するためのヘッドボルトが挿通されるヘッドボルト孔10が、シリンダヘッド4の上面及び下面に開口して形成されている。このヘッドボルト孔10は、シリンダヘッド4の長手方向に沿って2列に配列され、各列に4個ずつ計8個形成されている。
搬送ボール部材8の下端側にはベアリング部24が設けられており、ベアリング部24には転動ボール26がその一部を下方に露出させた状態で回転可能に保持されている。従って、搬送ボール部材8が下面に装着されたシリンダヘッド4を、転動ボール26が搬送台6の上面に接する状態で搬送台6上に載置すると、シリンダヘッド4は搬送ボール部材8により支持されると共に、転動ボール26の転動により搬送台6上を移動することが可能となる。
図1の組立ラインの搬入エリアA1で上述のようにして搬送ボール部材8が装着されたシリンダヘッド4が搬送台6上に載置された状態を図3に示す。搬送台6は、床面に固定された図示しない支持基盤によって支持され、組立ラインに沿って平行に配設された2本のフレーム32と、これらフレーム32間にブラケット34を介して掛け渡された搬送プレート36とを備えている。
このようにして搬送台6の搬送プレート36上に載置されたシリンダヘッド4は、搬入エリアA1の作業者が図中の矢印D1の方向に押し出すことにより、組み立て作業エリアA2へと移動する。
また、シリンダヘッド4がストッパ42によって停止した後は、シリンダ機構46に供給された油圧を解放することにより、ストッパ42が搬送プレート36の下方に下降するようにして、組立作業時や次の作業工程へのシリンダヘッド4の移動の際にストッパ42が邪魔にならないようになっている。
搬送ボール部材8の転動ボール26が第1凹部に係合することにより、図6中に一点鎖線で示すように搬送時の向きで停止しているシリンダヘッド4に、旋回方向に力を加えて転動ボール26と第1凹部との係合を解除し、図6中の破線で示すような組み立て作業に必要な向きまで旋回させると、今度は転動ボール26が第2凹部50に係合し、旋回後の位置から動きにくくなる。このため、組み立て作業に適した位置にシリンダヘッド4を速やかに位置決めすることが可能となると共に、この状態でシリンダヘッド4に対して部品の組み付けなどを行う際にシリンダヘッド4が動かず、安定した状態で作業を行うことができる。
組み立て作業を完了した後は、シリンダヘッド4に旋回方向に力を加えて転動ボール26と第2凹部50との係合を解除し、再びシリンダヘッド4を搬送時の向きまで旋回させることにより、転動ボール26が第1凹部48に係合するので、搬送に適した向きにシリンダヘッド4を速やかに位置決めすることが可能となる。
なお、このときもストッパ42はシリンダ機構46によって搬送プレート36の下方に下降した状態にあって、出没口44から突出していないので、シリンダヘッド4の移動の際にストッパ42が干渉することはない。
方向転換エリアA4に達したシリンダヘッド4は、図示しない押し出し機構により、これまでの搬送方向に直交する方向(矢印D2の方向)に押され、第2傾斜エリアA5に押し出される。
移載エリアA6では、組立の完了したシリンダヘッド4を、並設されているエンジン本体組立ライン2上のエンジン本体52に移載するため、図示しないリフトアップ機構によりシリンダヘッド4を上方に持ち上げる作業が行われる。
この取り外し部材58は、シリンダヘッド4が矢印D3の方向に移動してきたときに、シリンダヘッド4に装着されている4個の搬送ボール部材8にそれぞれ近接するような位置に配設されている。そして、図7及び9に示すように搬送ボール部材8の段部30の上面と取り外し部材58の押さえ板56下面との間に上下方向でわずかに隙間が生じると共に、図8に示すように、押さえ板56が段部30と上下に重なり合いながら搬送ボール部材8の脚部26の外周面から水平方向にわずかに離間するようになっている。
このような状態で、シリンダヘッド4がエンジン本体組立ライン2への移載のために上方に持ち上げられると、各搬送ボール部材8の段部30が取り外し部材58の押さえ板56と係合し、搬送ボール部材8の上方へのさらなる移動が妨げられる。このため、引き続き上昇するシリンダヘッド4のヘッドボルト孔10から搬送ボール部材8の係止部12が抜き取られ、4個の搬送ボール部材8がそれぞれシリンダヘッド4から離脱する。
従って、シリンダヘッド4の上昇に伴ってシリンダヘッド4から離脱した搬送ボール部材8は、開口62から下方に落下してトレイ66内に収容される。移載エリアA6において、組立の完了したシリンダヘッド4の移載が繰り返し行われ、その際にシリンダヘッド4から離脱した搬送ボール部材8がトレイ66に貯留されて所定量に達した場合には、搬送ボール部材8が貯留されたトレイ66を支持フレーム64から取り外して空のトレイ66と入れ換える。搬送ボール部材8が貯留されたトレイ66は、台車などで再び組立ラインの搬入エリアA1に戻される。
また、シリンダヘッド4から離脱した搬送ボール部材8は、搬送台6の開口62から落下してトレイ66に貯留され、トレイ66に所定量の搬送ボール部材8が貯留された時点で組立ラインの搬入エリアA1に戻せばよいので、パレットを用いた場合のように広い保管場所を必要とせず、元の位置に戻すためのコンベアなどの大がかりな設備も不要となるため、スペース効率を高め製造コストを低減することが可能となる。
また、移載エリアA6でのシリンダヘッド4の位置決めは、搬送プレート36に形成された凹部60に対する転動ボール26の係合によって行うようにしたが、このときに作業エリアA2で用いたストッパ42と同様の機構を併用するようにしてもよいし、凹部60を用いずにストッパ48のみで位置決めするようにしてもよい。
例えば、上記実施形態はシリンダヘッド4をワークとして搬送するものであったが、ワークはこれに限られるものではなく、搬送ボール部材を装着可能な孔を有するものであればどのようなものでもよい。従って、組立ラインについても上記実施形態のようにエンジンの組立ラインに限定されるものではない。
4 シリンダヘッド(ワーク)
6 搬送台
8 搬送ボール部材
26 転動ボール
30 段部
38 ガイドレール
42 ストッパ
48 第1凹部
50 第2凹部
58 取り外し部材
62 開口
Claims (3)
- ワーク下面に開口する孔に着脱可能に係止する係止部を上端側に有すると共に下端に転動ボールがその一部を下方に露出させた状態で回転可能に保持された複数の搬送ボール部材と、
前記ワークが前記搬送ボール部材に支持されて載置され、前記搬送ボール部材から露出する転動ボールが転動することにより、組立ラインに沿って前記ワークを移動可能とする搬送台と、
前記搬送台に沿って設けられ、前記ワークの下面に装着された前記搬送ボール部材の、前記ワークの搬送方向に直交する方向への動きを規制する2本のガイドレールと
を備えた組立ラインのワーク搬送装置であって、
前記2本のガイドレールは、前記ワークの下面に装着された全ての前記搬送ボール部材が両ガイドレールの間に位置するように配置されており、
前記搬送ボール部材は、前記ワーク下面に装着された状態にあるときに上方を向く段部を有し、
前記ワークは所定の組み立て作業の完了後に上方に持ち上げられて移送されるものであって、
前記搬送台は、前記ワークが持ち上げられる際に前記搬送ボール部材の前記段部に係合して前記搬送ボール部材を前記ワークから離脱させる取り外し部材を有することを特徴とする組立ラインのワーク搬送装置。 - 前記搬送台は、前記ワークへの組み立て作業を行う位置の上面に、前記ワーク下面に装着された搬送ボール部材の転動ボールが係合可能な凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の組立ラインのワーク搬送装置。
- 前記搬送台は、前記取り外し部材によって前記ワークから離脱した前記搬送ボール部材を前記搬送台の下方に落下させるための開口を有することを特徴とする請求項1に記載の組立ラインのワーク搬送装置。
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