JP5003401B2 - コネクタおよびコネクタ形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、患者体内へ輸液や経腸用栄養剤等の医療用薬液を投与する際に、または、患者体内へ血液を輸血する際に、或いは、患者の血液を体外循環させる際に使用する、熱可塑性エラストマーチューブ端部に設けられるコネクタおよびその形成方法に関し、特に、医療用として最適なチューブ素材とコネクタ素材とを強固かつ簡便に接合する方法ないし製品に関する。
従来、輸液、薬液、血液、その他の医療にかかわる液体を導通するチューブ素材として、その成形性、柔軟性、耐久性、耐薬品性などの観点から、熱可塑性エラストマー、特に、ポリ塩化ビニル、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、水添スチレンブタジエン共重合体が用いられている。
一方、医療装置や医療器具へ接続するコネクタ、または、チューブ延長のオスメスや回路の分岐などに用いられるコネクタの素材として、その成型性、堅強性、靱性、耐薬品性、などの観点からポリオレフィン、たとえば、ポリプロピレン、ポリエチレンが用いられている。特に、ポリプロピレンは、使用実績も豊富である。
ここで、ポリオレフィンとりわけポリプロピレンと上述の熱可塑性エラストマーとは、両者に共通の溶媒がなく溶剤接着や超音波溶着ができないため、チューブの端部にコネクタを形成する場合には、カシメによる物理的接合やUV接着により両者を接合している。特に、UV接着の場合は強固な接合を実現できるという利点がある。
また、チューブの素材を重視し、上述した熱可塑性エラストマーと簡便に接合(溶剤接着、熱溶着など)できるポリカーボネートをコネクタの次善の素材として用い、両者を接合した製品も存在する。
特開2003−320037号公報 特開2006−181222号公報 特開2007−23062号公報 特開2006−75363号公報
しかしながら、従来の技術では以下の問題点があった。
まず、ポリカーボネートはあくまで次善の素材であって、薬液によってはソルベントクラックが発生する可能性があり、ソルベントクラックを生じ難いポリオレフィン製のコネクタが望まれているという実情がある。
また、カシメによる物理的接合の場合は、十分な耐水圧が確保されない場合もあり、信頼性に劣るという問題点があった。
また、UV接着の場合は、十分な耐水圧性が確保されるものの、図4に示したように硬化前の液体状UV接着剤を溜める溝が必要となる。しかしながら、図示したように管内に段差が生じてしまうので、液体の流れに変化が生じてしまい、たとえば、血液がこの段差部分で凝血しやすくなるという問題点があった。また、チューブを広げてコネクタに接続して段差をなくすことも考えられるが、医療用のチューブは径が数ミリ以内であって細いものが多いため、適用範囲が限定されてしまうという問題点があった。また、チューブの先端を加工して管内を平坦化することも考えられるが、これも細いチューブでは現実的ではないし、これまで単に押出成形工程+切断工程で簡便に製造されていたチューブ自体の生産性も低下させてしまうという問題点があった。
また、溝を形成するための縁(図4のEo、Ei)を、チューブ差し込み等のために比較的厚くしておく必要があり、この点からもコネクタ径が大きくならざるを得ない。すなわち、コネクタが太くなり、チューブの細身が生かせない場合があるという問題点があった。たとえば、多数のコネクタを装置に接続する際に互いが邪魔になったり、コネクタが重くなる結果、チューブ延長の際など、チューブがコネクタ部分で折れ曲がり流動性を損ねてしまう場合があるといった問題点があった。
また、UV接着の場合は、UV接着剤を注入する工程数の増加や、UV照射時間を確保する必要があるため、必ずしも生産性に優れないという問題点があった。加えて、チューブの接続間違いを回避するため、近年ではコネクタを色分けして人為的なミスを軽減する設計が採用されている。しかしながら、UV接着の場合はコネクタにUVを照射するので、接合部分が着色されていると、UV照射が遮られ、UV接着剤の硬化が不十分となり、その結果、製品信頼性が低下する可能性が生じるという問題があった。
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、医療用に好適な素材であり、細身であっても生産性に優れかつ強固な接合を可能とするコネクタおよびその形成方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載のコネクタ形成方法は、患者の体内へ医療用薬液を投与する際にまたは輸血する際に或いは患者の血液を体外循環させる際に使用する熱可塑性エラストマーチューブ端部に設けられるコネクタの形成方法であって、金型に、一方端に接続構造を有し他端に前記チューブと略同形の筒状凸部を有するポリオレフィン製の筒状基体を装着し、次いで、前記筒状凸部に前記チューブと同外径のピンをあてがって凸端を保護し、前記チューブと同素材であって前記ポリオレフィンの軟化点より高温に加熱され液状となっている熱可塑性エラストマーを、前記金型内に前記ピンが所定長さ埋入するまで注入し、前記筒状凸部外周面を熱溶解させてポリオレフィンとエラストマーとの混成領域を形成しつつ、少なくとも前記筒状凸部部分を内包し更にその先に前記チューブ挿入用の内腔域が形成されるように筒状アダプタ部を設けることを特徴とする。
すなわち、請求項1に係る発明は、素材の融点を考慮したインサート成形により強固な基体−アダプタ接合を実現すると共に、チューブ用の挿入しろ(孔)である内腔域を設けて簡便かつ強固なアダプタ−チューブ接合を可能とする。特にアダプタ−チューブ間に関しては、医療用に用いられる細いチューブであっても、チューブを特段加工せずとも外接接合が可能となるので生産性を高める。このとき、アダプタとチューブが同素材であるので、熱融着や溶剤接着など接合方法の選択枝が広がりかつ強固な接合を実現できる。
なお、「筒状基体」とは、内部に液体を導通する孔構造ないし管構造が概念できるものであればよく、文字通り筒形状であるものの他、外径>軸長であるものや、外周に溝、螺条、羽根体、つまみ部などが形成されているものも当然に含まれる。また、設計上内部の孔構造や管構造が、たとえばL字やU字に曲がっているものも筒状基体に含まれるものとする。この意味において、一方端とは、他端に対して必ずしも最遠方に位置している必要はない。また、「接続構造」は、螺合や嵌合、挿入など、接続先との組合せにより適宜設けられていればよく特に限定されるものではない(場合によっては単なる筒形状であっても接続構造である場合がある)。
また、「略同形」および「同外径」とは、チューブを緩くもなくきつくもなくアダプタ部ないし基体に挿入ないし接合でき、チューブ内面と筒状凸部内面に関しては実質的に段差がないと見なせる程度であることを意味するものである。また、「液状」とは、流動性があればよく、粘性が高い状態のものも含まれるものとする。また、「同素材」とは、チューブとの接着性が担保できるのであれば、実質的に同素材と見なせるものや主成分が同素材であるものも含まれるものとする。
また、請求項2に記載のコネクタ形成方法は、請求項1に記載のコネクタ形成方法において、前記熱可塑性エラストマーの温度を前記ポリオレフィンの融点以上に加熱して注入することを特徴とする。
すなわち、請求項2に係る発明は、より密な混成領域を形成し、強固な接合を実現する。なお、筒状基体がたとえばポリプロピレン製である場合には請求項1にいう軟化点とは概ね140℃程度であり、請求項2にいう融点とは概ね160℃である。
また、請求項3に記載のコネクタ形成方法は、請求項1または2に記載のコネクタ形成方法において、前記筒状基体は、前記筒状凸部が周囲より縮径し段差を以て前記他端方向に延伸して設けられた形状であることを特徴とする。
すなわち、請求項3に係る発明は、段差部分にも混成領域が形成されるため、接合信頼性ひいては耐水圧性を高める。また、筒状凸部が周囲より細いので筒状アダプタ部外周と筒状基体の外周とのツラを合わせて成形でき、細身のコネクタを提供可能となる。これにより、たとえば、人工透析や人工心肺などの器具や装置、それらの施術時に使用される血液回路など、多数のチューブを装置等に接合する場合の利便性が高まる。
また、請求項4に記載のコネクタ形成方法は、請求項3に記載のコネクタ形成方法において、前記筒状基体は、前記段差部分が円環状の溝を形成するように前記段差の外縁側周部に円筒縁を設けた形状であることを特徴とする。
すなわち、請求項4に係る発明は、円筒縁部分も混成領域を形成し、接合層の面積が広がる結果、より強固な接合が可能となる。
また、請求項5に記載のコネクタ形成方法は、請求項1〜4のいずれか一つに記載のコネクタ形成方法において、前記内腔域に熱可塑性エラストマーチューブを挿入し、前記筒状凸部につきあわせて接合することを特徴とする。
すなわち、請求項5に係る発明は、チューブも含めた製品(コネクタ)を提供可能となる。なお、接合の態様は特に限定されず、上述したような、熱融着や溶剤接着の他、超音波溶着、UV接着も採用可能である。
また、請求項6に記載のコネクタ形成方法は、請求項1〜5のいずれか一つに記載のコネクタ形成方法において、前記熱可塑性エラストマーが、ポリ塩化ビニル、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、または、水添スチレンブタジエン共重合体であることを特徴とする。
すなわち、請求項6に係る発明は、医療分野で使用実績もあり取扱性や品質にも優れる素材を用いたコネクタを提供可能となる。
また、請求項7に記載のコネクタ形成方法は、請求項1〜6のいずれか一つに記載のコネクタ形成方法において、前記金型に注入する液状の熱可塑性エラストマーに着色剤が添加されていることを特徴とする。
すなわち、請求項7に係る発明は、色分けにより接続間違いを減少させるコネクタを提供可能となる。
また、請求項8に記載のコネクタは、患者の体内へ医療用薬液を投与する際にまたは輸血する際に或いは患者の血液を体外循環させる際に使用する熱可塑性エラストマーチューブ端部に設けられるコネクタであって、一方端に接続構造を有し他端に前記チューブと略同形の筒状凸部を有するポリオレフィン製の筒状基体部と、前記チューブ外径と同内径を有する前記チューブと同素材の筒状アダプタ部と、を有し、前記筒状アダプタ部の略半分は、その内周面と前記筒状凸部外周面との間で素材の混成領域を形成して当該筒状凸部に接合し、前記筒状アダプタ部の残り半分は、前記チューブを前記筒状凸部につきあわせて挿入するチューブ用挿入しろとして当該筒状凸部の先に延伸していることを特徴とする。
すなわち、請求項8に係る発明は、混成領域により強固な基体−アダプタ接合を実現すると共に、チューブ用の挿入しろ(孔)により簡便かつ強固なアダプタ−チューブ接合を可能とする。特にアダプタ−チューブ間に関しては、医療用に用いられる細いチューブであっても、チューブを特段加工せずとも外接接合が可能となるので生産性を高める。このとき、アダプタとチューブが同素材であるので、熱融着や溶剤接着など接合方法の選択枝が広がりかつ強固な接合を実現できる。
なお、「略同形」および「同内径」とは、チューブを緩くもなくきつくもなくアダプタ部ないし基体に挿入ないし接合でき、チューブ内面と筒状凸部内面に関しては実質的に段差がないと見なせる程度であることを意味するものである。
また、請求項9に記載のコネクタは、請求項8に記載のコネクタにおいて、前記筒状アダプタ部に熱可塑性エラストマーチューブを挿入し、前記筒状凸部につきあわせて接合したことを特徴とする。
すなわち、請求項9に係る発明は、チューブも含めた製品(コネクタ)を提供可能となる。
また、請求項10に記載のコネクタは、請求項8または9に記載のコネクタにおいて、前記熱可塑性エラストマーが、ポリ塩化ビニル、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、または、水添スチレンブタジエン共重合体であることを特徴とする。
すなわち、請求項10に係る発明は、医療分野で使用実績もあり取扱性や品質にも優れる素材を用いたコネクタを提供可能となる。
また、請求項11に記載のコネクタは、請求項8、8または10に記載のコネクタにおいて、少なくとも前記筒状アダプタ部が着色されていることを特徴とする。
すなわち、請求項11に係る発明は、色分けにより接続間違いを減少させるコネクタを提供可能となる。
本発明によれば、医療用に好適な素材であり、細身であっても生産性に優れかつ強固な接合を可能とする細身のコネクタおよびその形成方法を提供できる。特にUV手段を採用せず、成形のみにより製造できるので、生産性が向上しひいては低コストで提供可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明のコネクタの一例を示した断面図である。図示したように、コネクタ1は、基体部2とアダプタ部3と、チューブ4と、により構成される。
基体部2は、概ね円筒形状であって、端部の外周には接続先に螺合させる螺条21が設けられている。また、基体部2の胴回りの中途には段差部22がありチューブ4側に向けて一回り径の小さくなった円筒が延伸している。ここでは、この円筒部分を筒状凸部23と称することとする。筒状凸部23は、チューブ4と同形、すなわち、チューブ4の外径と内径を同一としている。また、基体部2の胴回りには舌片24を設け、螺合の際に力をかけやすくしている(図ではちょうど舌片24を含めて切断した断面図となっている)。
基体部2は、ポリオレフィン製であり、ここではポリプロピレン製のものを用いている。ポリオレフィンは、コネクタとして十分な強度を有し、接続先の素材が合成樹脂であっても金属であっても適度な摩擦力を発揮し、耐薬品性や製造性にも優れるので医療分野の接合端子に好適であり、豊富な使用実績もある。基体部2の製造方法は特に限定されないが、たとえば、射出成形により量産可能である。
アダプタ部3は、基体部2とチューブ4との接合を補助する円筒体であり、内径は筒状凸部23の胴周りと同一で外径は基体部2の胴回りと同一である。アダプタ部3は、チューブ4と同素材のものを採用し、ここではシンジオタクチック1,2−ポリブタジエン製としている(以降では適宜単にポリブタジエンと表記する)。チューブ4と同素材とするのは、細身であるチューブ4との接合性および接合強度を確保するためである。
ポリブタジエンとポリプロピレンは、熱融着せず、適当な接着剤もないため、アダプタ部3は後付けでは基体部2に接合しない(嵌合はするが、医療用薬液投与装置や器具または輸血装置等として必要な嵌合強度、特に耐水圧性を含めた要求性能を満足しない場合がある)。そこで、アダプタ部3は、後述するように、基体部2の筒状凸部23の外周表面および段差部22と混成領域を形成しながら円筒体を形作るようにインサート成形する。混成領域を設けることにより両者が堅強に接合する。なお、基体部2もチューブ4も透明ないし白色半透明であるが、アダプタ部3は用途に応じて着色剤を添加して着色しておき、接続先の取り違えなどが生じないように視覚的な予防をしておくのが望ましい。
チューブ4は、しなやかな管体であって、内外径とも筒状凸部23の内外径と同一としている。特に、チューブ4の内径と筒状凸部23の内径を実質的に等しくし、接合部の段差を極力なくすように設計することが好ましい。段差があると、コネクタ、チューブ等の接合部内腔を血液が流れる場合に、滞留や乱流が発生し、血栓形成の原因となるためである。このように設計することにより、チューブ端と筒状凸部23の凸端の接合部の流路構造が面一になり、円滑な液体移動が実現される。前記接合部に血液を流した場合でも、血栓形成が抑制できる。また、不要な圧力ないし抵抗が接合部分(境界部)にかからないため、構造的にも製品信頼性が向上する。
チューブ4は、アダプタ部3と同様にシンジオタクチック1,2−ポリブタジエン製である(正確には、アダプタ部3は、チューブ4がポリブタジエン製であるのでポリブタジエン製としている)。ポリブタジエンはしなやかで曲げ易いものの折れにくく、液体の流動性を確保でき、また、ポリオレフィンと同様に耐薬品性や製造性にも優れるので医療分野のチューブに好適である。チューブの製造方法は特に限定されないが、たとえば、押出成形により量産可能であり、適宜、所望の長さで軸に垂直に切断するだけで得られる。
チューブ4は、筒状凸部23につきあわせた状態でアダプタ部3の内面に外接させて接合する。接合方法は特に限定されないが、同素材であるので、接着剤による接合、熱融着などが可能である。
なお、コネクタは接続先の形状に合わせて適宜製造でき、外形の自由度は高い。図2に、コネクタの他の例を示した。図では、同一の機能部については同一の符号を付している。なお、図2に示したコネクタでは、基体部2の筒状凸部23の外側に二重円筒を形成するように、段差部22の外縁側周部に円筒縁25が形成されている。円筒縁25があることにより段差部22がリング状の溝となる。そして、アダプタ部3との関係では、円筒縁25も混成領域を形成し強固な接合を実現している。
次に、コネクタの製造方法について説明する。ここでは、円筒縁があるタイプのコネクタについて説明する。
図3は、コネクタの製造方法の説明図である。図では、金型を含めて断面図を示している。まず、金型K内に予め製造しておいたポリプロピレン製基体部2を、筒状凸部23が手前(図では上向き)になるように装着する。次に、筒状凸部23の凸端にピンPをあてがう(図3(a))。ピンPは、筒状凸部23の外径と同径であり、また、内部の孔に進入する凸部が設けられている。この凸部は錐形となっており、コネクタの装着ずれの修正が可能となっている。ピンPにより、凸端も管内部も被覆され、内部に樹脂が進入するのを防ぐ。
次いで、樹脂を注入し、アダプタ部3を形成する(図3(b))。ここでは、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンを用い、基体部2の素材であるポリプロピレンの軟化点好ましくは融点よりも高くして注入する(注入手段は図示せず)。注入量は、ピンPが所定深さ埋入する量とする。これにより、筒状凸部23と、段差部22と、円筒縁25が一部融解し、ポリオレフィンとポリブタジエンの混成領域層26が形成される。この混成領域層26は、層厚は薄いものの、両素材が入り組みメカニカルロック(物理的接合)を含め熱融着された層である。すなわち、混成領域層26では、ミクロに物理的接合が、サブミクロに化学的接合が形成された層といえる。また、加えて、ごくわずかであるがアダプタ部3の成形収縮により筒状凸部23は円筒に沿って外側から締め付け、これも加わり相乗的に基体部2−アダプタ部3間の接合強度が確保される。
次いで、ピンPを抜き、インサート成形が終了する(図3(c))。こののち、基体部2+アダプタ部3の半製品を脱型し、適宜、チューブ4を後付けする。なお、以上は、金型K中の一つの嵌合孔の断面を図示したが、実際には金型には一度に多数のコネクタを装着できるようにしてあり、量産を実現している。
なお、ポリブタジエンの注入温度は140℃〜200℃が好ましく、より好ましくはポリプロピレンが実用的な熱融着性を持ち始める150℃以上、更に好ましくは融点付近である170℃以上である。なお、ブタジエンの劣化、分解の観点からは200℃を下回る温度が好ましく、より好ましくは190℃以下である。すなわち、工業的量産観点から最も好ましい温度範囲は170℃〜190℃である。
以上の方法により得られたコネクタの耐水圧性を評価した。コネクタ内を水で満たしチューブ4を介して付加圧力を0.05MPaから開始し、昇圧間隔を0.05MPaとして、1.0MPaまで昇圧した。実験では1.0MPaまで、液漏れなどは観測されなかった。なお、医療分野では、管内圧力はせいぜい0.20MPaであるので、1.0MPaの耐水圧性があれば性能としては十分であるのでこれ以上の加圧は行わなかった。
対比として、ポリプロピレン製コネクタと、ポリブタジエン製チューブを接続し、カシメにより接合した製品を同様に評価したところ、およそ0.20MPaで液漏れが発生し、用途によっては十分な接合力を有さないことが確認できた。
なお、以上はポリプロピレンとシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンとの組合せの例であるが、ポリエチレンとポリ塩化ビニルなど、例示した種々の組合せを採用できる。このとき、設計接合強度、特に耐水圧をまず設定し、これにあわせて、使用する素材の融点(もしくは軟化点)の観点から温度決定し、適宜インサート成形するようにする。
本発明のコネクタの一端をルア形状に形成することにより接続性の高いまたは汎用性のあるコネクタを提供可能となる。
本発明のコネクタの一例を示した断面図である。 本発明のコネクタの他の例を示した断面図である。 本発明のコネクタの製造工程を表した図である。 UV接続する際の基体とチューブとの嵌合関係を示した断面図である。
符号の説明
1 コネクタ
2 基体部
3 アダプタ部
4 チューブ
21 螺条
22 段差部
23 筒状凸部
24 舌片
25 円筒縁
26 混成領域層
K 金型
P ピン

Claims (11)

  1. 患者の体内へ医療用薬液を投与する際にまたは輸血する際に或いは患者の血液を体外循環させる際に使用する熱可塑性エラストマーチューブ端部に設けられるコネクタの形成方法であって、
    金型に、一方端に接続構造を有し他端に前記チューブと略同形の筒状凸部を有するポリオレフィン製の筒状基体を装着し、
    次いで、前記筒状凸部に前記チューブと同外径のピンをあてがって凸端を保護し、
    前記チューブと同素材であって前記ポリオレフィンの軟化点より高温に加熱され液状となっている熱可塑性エラストマーを、前記金型内に前記ピンが所定長さ埋入するまで注入し、前記筒状凸部外周面を熱溶解させてポリオレフィンとエラストマーとの混成領域を形成しつつ、少なくとも前記筒状凸部部分を内包し更にその先に前記チューブ挿入用の内腔域が形成されるように筒状アダプタ部を設けることを特徴とするコネクタ形成方法。
  2. 前記熱可塑性エラストマーの温度を前記ポリオレフィンの融点以上に加熱して注入することを特徴とする請求項1に記載のコネクタ形成方法。
  3. 前記筒状基体は、前記筒状凸部が周囲より縮径し段差を以て前記他端方向に延伸して設けられた形状であることを特徴とする請求項1または2に記載のコネクタ形成方法。
  4. 前記筒状基体は、前記段差部分が円環状の溝を形成するように前記段差の外縁側周部に円筒縁を設けた形状であることを特徴とする請求項3に記載のコネクタ形成方法。
  5. 前記内腔域に熱可塑性エラストマーチューブを挿入し、前記筒状凸部につきあわせて接合することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のコネクタ形成方法。
  6. 前記熱可塑性エラストマーが、ポリ塩化ビニル、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、または、水添スチレンブタジエン共重合体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のコネクタ形成方法。
  7. 前記金型に注入する液状の熱可塑性エラストマーに着色剤が添加されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のコネクタ形成方法。
  8. 患者の体内へ医療用薬液を投与する際にまたは輸血する際に或いは患者の血液を体外循環させる際に使用する熱可塑性エラストマーチューブ端部に設けられるコネクタであって、
    一方端に接続構造を有し他端に前記チューブと略同形の筒状凸部を有するポリオレフィン製の筒状基体部と、
    前記チューブ外径と同内径を有する前記チューブと同素材の筒状アダプタ部と、
    を有し、
    前記筒状アダプタ部の略半分は、その内表面と前記筒状凸部外周面との間で素材の混成領域を形成して当該筒状凸部に接合し、
    前記筒状アダプタ部の残り半分は、前記チューブを前記筒状凸部につきあわせて挿入するチューブ用挿入しろとして当該筒状凸部の先に延伸していることを特徴とするコネクタ。
  9. 前記筒状アダプタ部に熱可塑性エラストマーチューブを挿入し、前記筒状凸部につきあわせて接合したことを特徴とする請求項8に記載のコネクタ。
  10. 前記熱可塑性エラストマーが、ポリ塩化ビニル、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンまたは、水添スチレンブタジエン共重合体であることを特徴とする請求項8または9に記載のコネクタ。
  11. 少なくとも前記筒状アダプタ部が着色されていることを特徴とする請求項8、9または10に記載のコネクタ。
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