JP4999377B2 - 展開型の使い捨ておむつ - Google Patents
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Description
そして、ファスニングテープの視認性を向上した展開型の使い捨ておむつが提案されている。
前記ファスニングテープの他方の面は、その所定幅の先端部の色と、該先端部と前記取り付け部との間に位置する中央部の色とが異なっており、
600〜700nmの波長の光に対する反射率が、前記先端部と前記中央部との間で20%以上の差があり、前記先端部の反射率の方が前記中央部よりも低い展開型の使い捨ておむつを提供することにより、上記目的を達成したものである。
また、本実施形態のおむつ1におけるファスニングテープ8の他方の面8Bは、図4に示すように、その所定幅の先端部83の色と、該先端部83と取り付け部81との間に位置する中央部84の色とが異なっており、600〜700nmの波長の光に対する反射率が、先端部83と中央部84との間で20%以上の差があり、先端部83の反射率の方が中央部84よりも低い。
また、腹側部Aの非肌当接面側には、ファスニングテープ8が止着されるランディングテープ9が貼り付けられている。
ファスニングテープ8は、図5に示すように、横長であり、その長手方向がおむつ幅方向と一致している。ファスニングテープ8は、その矩形を有する取り付け部81が、図3に示すように、シート材62と外層シート5との間に挟持固定されている。取り付け部81の両面それぞれは、シート材62又は外層シート5と公知の接合方法により接合されている。
ファスニングテープ8は、図5に示すように、取り付け部81からおむつ幅方向の外方に延出する延出部86を有している。この延出部86は、角部が丸みを帯び、側辺が曲線となっている台形をしている。該延出部86の一方の面8Aには、面ファスナのオス材82が接合されている。ファスニングテープ8は、おむつ使用前には、図3に示すように、一方の面8A側を背側部Cの肌当接面と対向させて折り畳まれた状態にあり、オス材82により、面ファスナのメス材である不織布からなるシート材62と剥離自在に止着されている。
また、ファスニングテープ8の他方の面8Bは、中央部84と取り付け部81との間における所定幅の境界部85の色と、中央部84の色とが異なっている。境界部85における取り付け部81側の部分は、図5に示すように、シート材62と外層シート5との間に挟持固定されている。また、境界部85の中央部84側の部分は、背側部Cの長手方向側縁から、おむつ幅方向の外方に延出している。
ファスニングテープ8が、図4に示すように、他方の面8Bを外方に向けて折り畳まれた状態では、先端部83、中央部84、境界部85における中央部84側の部分、それぞれが、所定の幅を有し隣接している。ここで所定の幅は、ファスニングテープ8の各部位のおむつ幅方向の長さである。
ファスニングテープ8の先端部83の幅は、境界部85の幅より小さくしている。先端側に向けて細くなっているので、ファスニングテープの向きも見えやすくなっている。
600〜700nmの波長の光は、黄〜赤色に対応する波長の光であり、例えば、夜中に用いる常夜灯(黄色豆電球)が有する光である。このように可視光領域の光について、600nm未満の波長を有する光量が少なく、主に600〜700nmの波長を有する光量が主体となっているような暗い所を、以下暗所下ともいう。暗所下は、例えば、夜中の常夜灯のみの明かりの下で、乳幼児のおむつ換えを行っているような明るさの環境を意味する。
まず、おむつ1からファスニングテープ8を取り外し、次に、先端部83及び中央部84それぞれを、切り出して、先端部83及び中央部84それぞれの測定サンプルとする。
このようにして、先端部83及び中央部84それぞれの測定サンプルの分光反射スペクトルを測定し、600〜700nmの波長について各波長ごとの反射率の差を求め、その値の最大値を、600〜700nmの波長の光に対する反射率の差とした。
このように、他方の面8Bの先端部83は、400〜550nmの波長の光に対する反射率が30%以上であるため、昼光下において、鮮やかな色を有しており、デザイン性に優れているので、特に乳幼児に用いられるおむつの部材の色として適している。
従って、600〜700nmの波長の光に対する反射率が、境界部85と中央部84との間で20%以上の差があり、境界部85の反射率の方が中央部84よりも低い。
ファスニングテープ8の境界部85と中央部84との間で、600〜700nmの波長の光に対する反射率の差の測定は、前述したものと同様に行える。
同様に、先端部83と同じ色に着色されている境界部85の中央部84側の部分は、周辺部Pとの間で明暗の差が大きく、周辺部Pよりも黒っぽく見え、該周辺部Pは白っぽく見える。
境界部85の取り付け部81側の部分の非肌当接面側は、図3に示すように、撥水性の不織布からなる外層シート5に覆われている。境界部85の色は、外層シート5の非肌当接面側から、該外層シート5を透して見えるようになっている。外層シート5の坪量は、5〜30g/m2、特に10〜20g/m2であることが、境界部85の色が外層シート5を透して良好に見える上で好ましい。
ランディングテープ9は、横長矩形であり、その長手方向がおむつ幅方向と一致している。ランディングテープ9は、腹側部Aの外層シート5の非肌当接面側の面に貼り付けられている。そして、ランディングテープ9の表面には、図7に示すように、ファスニングテープ8との位置合わせ用の縦線91が所定間隔を置いて複数設けられている。各縦線91には、その位置を示す位置合わせ用の数字92が表示されている。また、ランディングテープ9の長手方向の両端部それぞれには、図6に示すように、所定の幅を有する着色部分93が設けられている。
そして、ランディングテープ9は、600〜700nmの波長の光に対する反射率が、縦線91、数字92及び着色部分93と、それ以外の部分との間で20%以上の差があり、縦線91、数字92及び着色部分93の反射率の方がそれ他の部分よりも低い。
また、ファスニングテープ8の各部位は、下記の寸法を有していることが、暗所下におけるおむつ交換の操作性の観点から好ましい。
ファスニングテープ8の先端部83の幅は、3〜20mm、特に5〜15mmであることが好ましい。また、ファスニングテープ8の境界部85の幅は、3〜20mm、特に5〜15mmであることが好ましい。更に、境界部85の中央部84側の部分の幅は、15〜40mm、特に25〜35mmであることが好ましい。
また、ランディングテープ9の形成材料としては、従来の使い捨ておむつ等において用いられている面ファスナのメス材となる不織布、又は面ファスナのメス材となる不織布若しくは編布を接合した合成樹脂製フィルム等が好ましく、特にそれ自身で面ファスナのメス材となる不織布が好ましい。
また、表面シート2、裏面シート3、外層シート5又は吸収体4としては、従来の吸収性物品等において用いられている各種材料を用いることができる。
まず、長尺状の不織布の原反(図示せず)を用意し、該原反の一方の面において、その幅方向に所定の間隔を置いて、所定の幅を有する一対の着色帯87,87を長手方向に連続するように着色する。一対の着色帯87,87それぞれは、前記原反における長手方向の両側縁から、所定の幅だけ離間していることが好ましい。一対の着色帯87,87の着色は、印刷又は着色された帯を接合して形成しても良い。
前記原反は、前述したファスニングテープ8の他方の面8Bにおける中央部84と同じ色を有していることが好ましく、一対の着色帯87,87それぞれは、同じく先端部83と同じ色を有していることが好ましい。
前述したファスニングテープ8の製造方法によれば、前記原反からトリムを出すことなく、簡単な工程で、本実施形態のおむつ1におけるファスニングテープ8を作製することができる。
本実施形態のおむつ1は、包装状態においては、例えば、背側部C及び肌側部AそれぞれのサイドフラップSをおむつ幅方向の内方側に折り畳んだ状態で、おむつ長手方向に2つ折りされている。暗所下において、おむつ換えをする際には、まず、包装状態のおむつ1を取り出し、該おむつ1を、その2つ折りの状態から、肌当接面側を内側にしておむつ長手方向に開き、次に背側部Cの一対のサイドフラップS,Sをおむつ幅方向の外方に開く操作が必要となる。
一方、本実施形態のおむつ1は、前述した色を有する境界部85が、背側部Cの非肌当接面側から視認可能であるため、図6に示すおむつ1の状態で、サイドフラップSの端縁の位置が極めて容易に判別でき、背側部Cの一対のサイドフラップS,Sをおむつ幅方向の外方に開く操作が速やかに行えるものである。
一方、本実施形態のおむつ1は、図1及び図2に示すように、ファスニングテープ8の他方の面8Bにおける先端部83及び境界部85の延出部86側の部分の視認性に優れるため、背側部Cの一対のサイドフラップS,Sを広げた状態のおむつの輪郭を判別することが極めて容易である。また、図6に示すように、腹側部Aの一対のサイドフラップS,Sそれぞれが、おむつ幅方向の内方に折り畳まれた状態において、ランディングテープ9の着色部93は、暗所下でも視認性に優れるため、腹側部Aの輪郭の視認性にも優れている。
また、ファスニングテープ8の先端部83及び境界部85それぞれは、昼光下において、鮮やかな色を有しているため、おむつ1はデザイン性に優れている。
例えば、本発明の展開型の使い捨ておむつ1は、前述した本実施形態において、ファスニングテープ8が、おむつ1の背側部Cの両側縁部に配されていたが、ファスニングテープ8は、腹側部Aの両側縁部に配されていても良い。また、本実施形態は、乳幼児用の実施形態を用いて説明したが、大人用であっても良い。
また、おむつ1は、背側部Cにおいて、おむつ幅方向に伸縮する伸縮部を有していても良い。例えば、背側部C側のおむつ長手方向における端縁に沿って、おむつ幅方向に伸縮するウエスト伸縮部を有していても良い。また、背側部Cの両端部におむつ幅方向に伸縮する一対の幅方向伸縮部を有していても良い。
図1〜図3に示す形態の展開型の使い捨ておむつを製造した。
ファスニングテープ8の他方の面8Bにおいて、先端部83及び境界部85それぞれには、表1に示す色を着色した。また、ファスニングテープ8の他方の面8Bにおいて、中央部84は、表1に示す参照色を有していた。その他の部位については、常法に従いおむつを作製し、実施例1を得た。
ファスニングテープ8の他方の面8Bにおいて、先端部83及び境界部85それぞれには、表1に示す色を着色した。また、ファスニングテープ8の他方の面8Bにおいて、中央部84は、表1に示す参照色を有していた。その他は、実施例1と同様にして、実施例2を得た。
ファスニングテープ8の他方の面8Bにおいて、先端部83及び境界部85それぞれには、表1に示す色を着色した。また、ファスニングテープ8の他方の面8Bにおいて、中央部84は、表1に示す参照色を有していた。その他は、実施例1と同様にして、実施例3を得た。
ファスニングテープ8の他方の面8Bにおいて、先端部83及び境界部85それぞれには、表1に示す色を着色した。また、ファスニングテープ8の他方の面8Bにおいて、中央部84は、表1に示す参照色を有していた。その他は、実施例1と同様にして、実施例4を得た。
ファスニングテープ8の他方の面8Bにおいて、先端部83及び境界部85それぞれには、表1に示す色を着色した。また、ファスニングテープ8の他方の面8Bにおいて、中央部84は、表1に示す参照色を有していた。その他は、実施例1と同様にして、比較例1を得た。
ファスニングテープ8の他方の面8Bにおいて、先端部83及び境界部85それぞれには、表1に示す色を着色した。また、ファスニングテープ8の他方の面8Bにおいて、中央部84は、表1に示す参照色を有していた。その他は、実施例1と同様にして、比較例1を得た。
ファスニングテープ8の他方の面8Bにおいて、先端部83及び境界部85それぞれには、表1に示す色を着色した。また、ファスニングテープ8の他方の面8Bにおいて、中央部84は、表1に示す参照色を有していた。その他は、実施例1と同様にして、比較例2を得た。
実施例1〜5並びに比較例1及び2のおむつについて、ファスニングテープ8の他方の面8Bにおける先端部83と中央部84との間で、600〜700nmの波長の光に対する反射率の差の測定を、前述した方法で行った。その結果を表1及び図9に示す。図9中には、一例として、実施例4と参照色との間における反射率の差を矢印で示している。
尚、表1において、ΔL*は、各実施形態又は比較例におけるL*と参照色のL*との差であり、Δa*は、各実施形態又は比較例におけるa*と参照色のa*との差であり、Δb*は、各実施形態又は比較例におけるb*と参照色のb*との差である。また、表1において、ΔE*abは、ΔL*、Δa*、Δb*それぞれの2乗の和の平方根である。
実施例1〜5及び比較例1及び2のおむつについて、ファスニングテープ8の他方の面8Bにおける先端部83の400〜550nmの波長の光に対する反射率の測定を、前述した方法で行った。その結果を表1及び図9に示す。表1には、反射率の最大値と、その光の波長を記載している。
実施例1〜5並びに比較例1及び2と共に、参照色のみのファスニングテープ8を有するおむつについて、常夜灯(黄色豆電球)の下でのファスニングテープ8の先端部83の視認性の感応評価を実施した。常夜灯には松下電器産業株式会社製、小丸電球(商品名、100V/5W)を用いた。評価は常夜灯の直下(距離は2mとした)に白地の木綿製シーツの上に水平におむつを置き、おむつに対して45度の角度で距離50cmの角度から目視することにより行なった。感応評価基準は以下の通りである。
4点:わかりやすい。
3点:ややわかりやすい。
2点:ややわかりにくい。
1点:わかりにくい。
その結果を表1に記す。
また、昼光下でのデザイン性の確認として色の鮮やかさに関する感応試験を行なった。評価は前述の評価から照明を東芝ライフテック株式会社製の2つの環型蛍光灯(商品名:メロウZ3波長型昼光色32型(30W)、ならびに40型(38W))に置き換えた以外は同様の条件で実施した。また、評価は実施例1〜5及び比較例1及び2について行なった。評価基準は以下の通りである。
4点:鮮やかである。
3点:やや鮮やかである。
2点:やや鮮やかでない。
1点:鮮やかでない。
その結果を表1に記す。
また、常夜灯(黄色豆電球)の下での先端部83の視認性は実施例1〜5では良好であった。昼光下の下での先端部83の色の鮮やかさ感応評価を実施したところ、実施例1〜4では良好であった。
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
5 外層シート
6 防漏カフ
61 立体ギャザー形成用の弾性部材
62 防漏カフ形成用のシート
63 固定部
7 レッグフラップ
71 レッグギャザー形成用の弾性部材
8 ファスニングテープ
8A 一方の面
8B 他方の面
81 取り付け部
82 メカニカルファスナのオス材(止着手段)
83 先端部
84 中央部
85 境界部
86 延出部
9 ランディングテープ
91 位置合わせ用の縦線
92 位置合わせ用の数字
A 腹側部
B 背側部
C 股下部
P 周辺部
S サイドフラップ
Claims (7)
- 長手方向の両側縁部それぞれにファスニングテープが配されていると共に、非肌当接面側に、該ファスニングテープが止着されるランディングテープが貼り付けられており、該ファスニングテープは、その取り付け部により前記側縁部に固定されており、該ファスニングテープの一方の面に止着手段が設けられている展開型の使い捨ておむつであって、
前記ファスニングテープの他方の面は、その所定幅の先端部の色と、該先端部と前記取り付け部との間に位置する中央部の色とが異なっており、
600〜700nmの波長の光に対する反射率が、前記先端部と前記中央部との間で20%以上の差があり、前記先端部の反射率の方が前記中央部よりも低く、
前記ランディングテープの表面に、前記おむつの長手方向に延びる、前記ファスニングテープとの位置合わせ用の縦線が、該おむつの幅方向に所定間隔を置いて複数設けられており、各該縦線には、その位置を示す位置合わせ用の数字が表示されており、
前記縦線及び前記数字は同じ色を有し、且つ該縦線及び該数字と、前記ランディングテープにおける該縦線及び該数字以外の他の部分とは、色が異なっており、
600〜700nmの波長の光に対する反射率が、前記縦線及び前記数字と前記ランディングテープにおける該縦線及び該数字以外の他の部分との間で20%以上の差があり、該縦線及び該数字の反射率の方が該他の部分よりも低い展開型の使い捨ておむつ。 - 前記ランディングテープの表面における、該ランディングテープの長手方向の両端部それぞれに、所定の幅を有する着色部分が設けられており、
前記縦線、前記数字及び前記着色部分は同じ色を有し、且つ該縦線、該数字及び該着色部分と、前記ランディングテープにおける該縦線、該数字及び該着色部分以外の他の部分とは、色が異なっており、
600〜700nmの波長の光に対する反射率が、前記縦線、前記数字及び前記着色部分と前記ランディングテープにおける該縦線、該数字及び該着色部分以外の他の部分との間で20%以上の差があり、該縦線、該数字及び該着色部分の反射率の方が該他の部分よりも低い請求項1記載の展開型の使い捨ておむつ。 - 前記ファスニングテープが、前記止着手段を肌当接面と対向させて折り畳まれた状態で、該肌当接面側における前記ファスニングテープの周辺部の色と、前記先端部の色とは異なっており、
600〜700nmの波長の光に対する反射率が、前記先端部と前記周辺部との間で20%以上の差があり、前記先端部の反射率の方が前記周辺部よりも低い請求項1又は2記載の展開型の使い捨ておむつ。 - 前記ファスニングテープの前記他方の面は、前記中央部が、前記一方の面の前記止着手段が設けられている領域の反対側に位置しており、前記先端部が、該領域よりも前記ファスニングテープの先端側に位置している請求項1〜3の何れか一項に記載の展開型の使い捨ておむつ。
- 前記ファスニングテープの前記他方の面は、前記中央部と前記取り付け部との間における所定幅の境界部の色と、前記中央部の色とが異なっており、
600〜700nmの波長の光に対する反射率が、前記境界部と前記中央部との間で20%以上の差があり、前記境界部の反射率の方が前記中央部よりも低い請求項1〜4の何れか一項に記載の展開型の使い捨ておむつ。 - 前記ファスニングテープが、前記止着手段を肌当接面と対向させて折り畳まれた状態で、前記境界部の色が、非肌当接面側から視認可能である請求項5記載の展開型の使い捨ておむつ。
- 前記ファスニングテープの前記他方の面は、前記先端部が、400〜550nmの波長の光に対する反射率が30%以上である請求項1〜6の何れか一項に記載の展開型の使い捨ておむつ。
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