JP4999367B2 - 防水シートおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、有機溶剤に対し耐久性のある防水布帛およびその製造方法に関するものである。
防水布帛は、合羽、ウインドブレーカー、ヤッケ、テント、手袋、つり用防水胴長靴など雨や水の浸入を防ぐ素材として様々なものに使用されている。 このような防水布帛として、例えば、繊維布帛の片面に、ポリウレタン重合体の樹脂溶液をコーテイングし、湿式凝固して得られた微多孔質皮膜を有するコーテイング加工布(特許文献1)や繊維布帛の片面にウレタン樹脂の無孔質膜を貼り合せて得られる透湿性防水布帛(特許文献2)などが知られている。
特開昭55−80583号公報 特開平7−9631号公報
また、近年、釣やキャンプなどのアウトドアが盛んになり、蚊、ブヨ、ノミ、ダニなどの人体に害の有る虫等の防虫や忌避のための防虫剤が使用されることがある。この防虫剤には、N,N’−ジエチル−m−トルアマイド(DEET)などが主成分として含有されているのが一般的であり、このDEETは、N,N’−ジメチルホルムアミド(DMF)と化学的構造が似ているものである。ジメチルホルムアミドは、ポリウレタン樹脂の溶媒として一般に使用されており、ポリウレタン樹脂の皮膜を溶解する能力を有している。これと類似の化学的構造をもつDEETも同様にポリウレタン樹脂の皮膜を溶解する能力を有しており、従来の透湿性防水シートに接触すると、ポリウレタン樹脂の表面層が溶解し破壊され、防水性が著しく低下してしまう。さらに、化粧料等に含まれる低級アルコールに接触・使用しても、ポリウレタン樹脂の表面層が破壊されることが少なからず生じていた。
また、近年、より軽い衣服等が求められており、裏地を用いない防水衣服などが増えてきている。従って、DEETや化粧料が直接、ウレタン樹脂皮膜に接触する機会が増え、ポリウレタン樹脂の破壊による防水性の低下がより懸念される。本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、防虫剤や化粧料等に含まれる有機溶剤などの薬品類に対する耐久性を有する防水シートおよびその製造方法を提供することを目的としている。さらに、好ましくは透湿性をも有し、透湿性と防水性が共に優れ、防虫剤、化粧料等に含まれる有機溶剤などの薬品類に対する耐久性を有する防水シートおよびその製造方法を提供することを目的としている。
本発明者らは、鋭意検討の結果、課題が解決することを見出し、本発明を完成するに至った。上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。(1)微多孔質のポリウレタン樹脂皮膜が、最外層またはその近傍に位置し、有機溶剤を用いて処理した後のJIS L1092の耐水度が19.6KPa以上であることを特徴とする防水シート。(2)前記有機溶剤が、N,N’−ジエチル−m−トルアマイド、アミド系溶媒から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする前記(1)に記載の防水シート。(3)前記ウレタン樹脂皮膜が、2液型ポリウレタン樹脂(A)を含むポリウレタン樹脂組成物からなることを特徴とする前記(1)または前記(2)に記載の防水シート。
(4)前記ポリウレタン樹脂組成物が、官能基数3以上のポリイソシアネート(B0)を有する有機ポリイソシアネート(B)をも含むことを特徴とする前記(3)に記載の防水シート。(5)前記2液型ポリウレタン樹脂(A)が、オキシエチレン基含有高分子ジオール(d)と、有機ジイソシアネート(e)と、鎖伸長剤(f)とからなるポリウレタン樹脂であり、該親水性ポリウレタン樹脂(A)に対してオキシエチレン基含有量が10〜80質量%である前記(3)または前記(4)に記載の防水シート。(6)前記有機ポリイソシアネート(B)が、平均官能基数2.3〜5の脂肪族ポリイソシアネートおよび脂環式ポリイソシアネートからなる群より選択される少なくとも1種である前記(4)または前記(5)に記載の防水シート。
(7)前記ポリウレタン樹脂組成物が、湿式凝固用ポリウレタン樹脂をも含むことを特徴とする前記(3)〜(6)のいずれかに記載の防水シート。(8)耐水圧が19.6〜196KPaであり、塩化カルシウム法での透湿度が6000〜15000g/m・24hrsであり、酢酸カリウム法での透湿度が、8000〜30000g/m・24hrsであることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載の防水シート。(9)繊維布帛をも含むことを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれかに記載の防水シート。
(10)繊維布帛の少なくとも片面に、2液型ポリウレタン樹脂(A)と、官能基数3以上のポリイソシアネート(B0)を有する有機ポリイソシアネート(B)を含むポリウレタン樹脂組成物の有機溶媒溶液を塗布し、湿式凝固させ、微多孔質のポリウレタン樹脂皮膜を形成することを特徴とする防水シートの製造方法。
本発明により、防水性に優れ、防虫剤や化粧料等に含まれる有機溶剤などの薬品類に対する耐久性を有する防水シートおよびその製造方法が提供される。従って、本発明の防水シートを用いて得られた一般衣料、スポーツ衣料、防寒衣料、軍事衣料やテント、手袋、靴などにDEETや化粧料が付着した場合においても、防水性を有する防水製品が提供できる。また、化学特殊防護服などの特殊作業服などに用いることもできる。さらに、本発明の好ましい態様においては、透湿性も有し、ムレを抑えながら耐久性に優れた防水性を有する防水製品が提供できる。
<防水布帛の構成> 本発明の防水シートは、微多孔質のウレタン樹脂皮膜が最外層またはその近傍に位置し、有機溶剤を用いて処理した後の、JIS L1092の耐水度が19.6KPa以上であるものである。また、本発明の防水シートは、他のシート状物の少なくとも片面に微多孔質のウレタン樹脂皮膜を積層したものであってもよく、その他のシート状物としては、無孔質、多孔質のウレタン樹脂シート、ポリテトラフルオロエチレンシート、繊維布帛やこれらを組み合わせたものであってもよい。得られる防水シートの強度や風合い、意匠性の観点からは、繊維布帛を含むと好ましい。繊維布帛としては、ポリエステル、ナイロン、アクリルなどの合成繊維、レーヨンなどの再生繊維、アセテートなどの半合成繊維、綿、絹、羊毛などの天然繊維やこれらを複合したものであってもよい。また、これらの形態は織物、編物、不織布等任意のものを用いることができる。また、これらの繊維布帛は、染色や捺染、撥水加工、抗菌防臭加工、制菌加工、制電加工、起毛などの加工がなされていてよい。
<微多孔質のウレタン樹脂皮膜> 本発明の微多孔質のウレタン樹脂皮膜とは、ウレタン樹脂皮膜の内部に多数の空孔を有するものをいう。特に透湿性の観点からは、連結した空孔を有するものが好ましく、特に湿式凝固によって得られた連結した空孔を有する微多孔質のウレタン樹脂皮膜がよい。微多孔質のポリウレタン樹脂皮膜の厚みは、防水シートが使用される用途に応じ、任意の厚さに設定すればよいが、厚さ10〜500μmであるとよい。厚さが10μm未満では充分な防水性がえられないことがあり、500μmを超えると、風合が硬化することがある。また、透湿性の観点からも厚みは500μm以下が好ましい。
微多孔質のウレタン樹脂皮膜は、本発明の防水シートの最外層またはその近傍に位置する。最外層とは、防水シートの最も外側に位置するものをいう。防水シートが衣服に縫製された場合の雨などが直接当る表面に用いるものに限定されるものではなく、微多孔質のウレタン樹脂皮膜が身体側に使用された場合も含め防水シートとして、最も外側に位置するものをいう。また、最外層として、意匠性の付与、すべりやタッチ、膜強度アップ、抗菌性などの機能性付与などのための樹脂皮膜が微多孔質のウレタン樹脂皮膜の上に部分的に付与されているものであっても、微多孔質のウレタン樹脂皮膜の少なくとも一部が最外層に位置しているものを近傍に位置するという。また、微多孔質のウレタン樹脂皮膜の上に、仕上げ加工などに用いられる撥水剤による皮膜や柔軟剤、帯電防止剤などに起因する皮膜に覆われた状態も近傍
に位置するとする。
また、有機溶剤を用いての処理とは、DEET、アミド系溶媒(DMF、ジメチルアセトアミドなど)から選択される少なくとも1種を含有している有機溶剤を脱脂綿に付与させ、シートの樹脂膜面を軽く1回こすり、2分間乾燥させる操作を20回繰り返す処理をいう。より具体的には、DEETを含有している米国市販の防虫剤(商品名:Cutter OUTDOORSMAN、組成:DEET 21.85%、DEETの異性体 1.15%、他の成分 77.0%)を脱脂綿に付与し、得られた防水シートの表面を軽く1回こすり、2分間乾燥させる操作を20回繰り返す処理および前記防虫剤の代わりに、50%DMF/50%エタノール溶液を用いておこなう同様の処理をいう。
また、有機溶剤を用いて処理した後の、JIS L1092の耐水度が19.6KPa以上とは、JIS L1092−1998(静水圧法) B法(高水圧法)に準じて測定をおこない耐水度が19.6KPa以上のものをいう。より好ましくは48KPa以上であるとよい。 耐水度測定時、水圧をかけることにより試験片が伸びるものは、試験片の上にナイロンタフタ(2.54cm当りのタテ糸とヨコ糸の密度の合計が210本程度のもの)を重ねて、試験機に取り付け測定を行う。 また、本発明の防水シートは、有機溶剤を用いて処理する前のもので、耐水度が48KPa以上であると好ましい。 また、本発明の防水シートは、透湿性をも有すると好ましく、有機溶剤を用いて処理する前のもので、透湿度は、塩化カルシウム法での透湿度が6000g/m・24hrsであり、酢酸カリウム法での透湿度が、8000g/m・24hrsであるとよい。
さらに好ましくは、耐水度が19.6〜196KPaであり、塩化カルシウム法での透湿度が6000〜15000g/m・24hrsであり、酢酸カリウム法での透湿度が、8000〜30000g/m・24hrsであると好ましい。 なお、透湿度は、JIS L1099−1993 塩化カルシウム法 A−1法および酢酸カリウム法 B−1法に準じて測定をおこなったものである。なお、塩化カルシウム法および酢酸カリウム法ともに、24時間当りの透湿量に換算した。
これらの透湿性と防水性を有したものは、透湿性と防水性のバランスを保ちながら、ムレを抑え、漏水を防ぐ優れた防水シートが得られる。
<2液型ポリウレタン樹脂(A)>本発明の微多孔質のポリウレタン樹脂皮膜は、2液型ポリウレタン(A)を含むポリウレタン樹脂組成物からなるとよい。また、2液型ポリウレタン樹脂とは、ウレタン樹脂とイソシアネート基を反応させて皮膜をつくることのできるポリウレタン樹脂のことをいい、一般的には接着剤や無孔質のウレタン樹脂皮膜の形成に使用されるものである。本発明の2液型ポリウレタン樹脂(A)は、透湿性の観点からは、親水性の2液型ポリウレタン樹脂が好ましい。
<ポリウレタン樹脂組成物>ここで、ポリウレタン樹脂組成物とは、2液型ポリウレタン樹脂(A)と、官能基数3以上のポリイソシアネート(B0)を有する有機ポリイソシアネート(B)とを含有するとよい。本発明における2液型ポリウレタン樹脂(A)は、高分子ジオールと、有機ジイソシアネート(e)と、鎖伸長剤(f)とからなるポリウレタン樹脂である。 高分子ジオールとしては、なかでも、オキシエチレン基含有高分子ジオール(d)が好ましい。オキシエチレン基含有高分子ジオール(d)としては、例えばポリオキシエチレングリコール(以下PEGと略記)、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロック共重合ジオール、ポリオキシエチレンオキシテトラメチレンブロック共重合ジオール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダム共重合ジオール、エチレンオキシドとテトラヒドロフランとのランダム共重合ジオール;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサメチレングリコール、ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−ジフェニルプロパンなどの低分子グリコールのエチレンオキシド付加物;分子量1000以下のPEGとジカルボン酸(例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸など)とを反応させて得られる縮合ポリエーテルエステルジオール;およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらの中で、好ましくはPEG、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロック共重合ジオール、ポリオキシエチレンオキシテトラメチレンブロック共重合ジオールであり、特に好ましくはPEGである。
オキシエチレン基含有高分子ジオール(d)中のオキシエチレン基含有量は、透湿性の観点から、好ましくは少なくとも40質量%以上、さらに好ましくは少なくとも50質量%以上である。(d)の分子量は、好ましくは700〜20,000、さらに好ましくは1,000〜15,000である。 また、透湿性を阻害しない範囲で該ジオールと共に他の高分子ジオール(d1)を併用することもできる。(d1)は上記(d)の質量に基づいて、通常0〜60質量%、好ましくは10〜50質量%を併用することができる。
他の高分子ジオール(d1)としては、例えば、ポリエーテルジオール(イ)、ポリエステルジオール(ロ)、ポリカーボネートジオール(ハ)およびこれらの混合物などが挙げられる。分子量は通常600〜5000のものが挙げられる。 ポリエーテルジオール(イ)としてはオキシエチレン基を含有しないもの、例えば、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール(以下PTMGと略記)、ポリオキシプロピレンオキシテトラメチレンブロック共重合ジオールおよびこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。 ポリエステルジオール(ロ)としては、低分子ジオールおよび/または分子量1000以下のポリエーテルジオールとジカルボン酸とを反応させて得られる縮合ポリエステルジオールや、ラクトンの開環重合により得られるポリラクトンジオールなどが挙げられる。
上記低分子ジオールとしては、オキシエチレン基含有高分子ジオールの項で述べた低分子グリコールなど挙げられる。 分子量1000以下のポリエーテルジオールとしては、ポリプロピレングリコール、PTMGなどが挙げられる。 ジカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸(例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸など)、芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸など)ならびにこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。
ラクトンとしては、例えば、ε−カプロラクトンが挙げられる。 ポリエステルジオール(ロ)の具体例としては、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリ2,2−ジメチルトリメチレンアジペート、ポリ3−メチルペンタメチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリカプロラクトンジオールおよびこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。 ポリカーボネートジオール(ハ)としては、例えば、ポリヘキサメチレンカーボネートジオールが挙げられる。
本発明の2液型ポリウレタン樹脂に用いられる有機ジイソシアネート(e)としては、例えば、(1)炭素数6〜12[NCO基中の炭素を除く、以下、(2)〜(4)も同様]の脂肪族ジイソシアネート、(2)炭素数6〜15の脂環式ジイソシアネート、(3)炭素数8〜12の芳香脂肪族ジイソシアネート、(4)炭素数6〜30の芳香族ジイソシアネートおよびこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。 脂肪族ジイソシアネート(1)の具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、1,3,6−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。
脂環式ジイソシアネート(2)の具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート(水添TDI)、1,4−ビス(2−イソシアナートエチル)シクロヘキサンなどが挙げられる。 芳香脂肪族ジイソシアネート(3)の具体例としては、p−またはm−キシリレンジイソシアネート、α、α、α’、α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。 芳香族ジイソシアネート(4)の具体例としては、1,3−または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,4’−または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートなどが挙げられる。これらのうち好ましいものは芳香族ジイソシアネートであり、特に好ましいものはMDIである。
鎖伸長剤(f)としては、例えば、低分子ジオール[エチレングリコール(以下EGと略記)、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール(以下BGと略記)など]、脂肪族ジアミン(エチレンジアミンなど)、脂環式ジアミン(イソホロンジアミン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンなど)、芳香族ジアミン(4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど)、アルカノールアミン(エタノールアミンなど)、ヒドラジンおよびこれらの2種以上の混合物などが挙げられ、好ましくは低分子ジオールである。
2液型ポリウレタン樹脂(A)のオキシエチレン基含量は、(A)に対して透湿性の観点から、好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上である。また、皮膜の強度の観点から、好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下、より好ましくは65質量%以下である。
2液型ポリウレタン樹脂(A)において、有機ジイソシアネートと高分子ジオールおよび鎖伸長剤との割合(NCO:OH+NH当量比)は、通常(0.95〜1.05):1、好ましくは実質的に1:1である。(NCO/OH+NH当量比)が、上記範囲の場合にはポリウレタン樹脂の分子量が高分子量になり、実用的に有用な物性を有するポリウレタン樹脂を製造することができる。親水性ポリウレタン樹脂(d)の分子量は数平均分子量で、好ましくは5,000〜300,000、さらに好ましくは8,000〜200,000である。
2液型ポリウレタン樹脂(A)は、有機ポリイソシアネート(B)と反応して、DEETなどの防虫剤や化粧料等に含まれる有機溶剤などの薬品類に対する耐久性を有するポリウレタン樹脂となるために、末端基としてOHを有することが好ましい。末端基濃度は、(A)の固形分として、水酸基価が好ましくは0.5〜25、さらに好ましくは1〜20、より好ましくは1.5〜15である。
溶媒の存在下で2液型ポリウレタン樹脂(A)の製造を行う場合の適当な有機溶媒としては、例えば、アミド系溶媒(DMF、ジメチルアセトアミドなど)、スルホキシド系溶媒(ジメチルスルホキシドなど)、ケトン系溶媒(メチルエチルケトン(MEK)など)、芳香族系溶媒(トルエン、キシレンなど)、エーテル系溶媒(ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、エステル系溶媒(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)およびこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。これらのうち好ましいものはアミド系溶媒、ケトン系溶媒、芳香族系溶媒およびこれらの2種以上の混合物である。 有機溶媒の量は、ポリウレタン樹脂の樹脂固形分濃度が通常5〜50質量%、好ましくは10〜40質量%となる量である。
2液型ポリウレタン樹脂(A)の製造に際し、反応温度はポリウレタン化反応に通常採用される温度と同じで良く、溶媒を使用する場合は、通常20〜100℃、無溶媒の場合は通常20〜220℃である。反応を促進させるた
め、ポリウレタン反応に通常使用される触媒[例えばアミン系触媒(トリエチルアミン、トリエチレンジアミンなど)、錫系触媒(ジブチルチンジラウレートなど)]を必要により使用することができる。 また、必要により、重合停止剤[例えば1価アルコール(エタノール、ブタノールなど)、1価アミン(ジエチルアミン、ジブチルアミンなど)、低分子ジオール(EG、BGなど)、アルカノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなど)など]を用いることもできる。
2液型ポリウレタン樹脂(A)の製造は、通常、当該業界において採用されている製造装置で行うことができる。また、溶媒を使用しない場合は、ニーダやエクストルーダなどの製造装置を用いることができる。このようにして製造されるポリウレタン樹脂としては、30質量%(固形分)DMF溶液として測定した溶液粘度が通常1〜1000Pa・s/20℃であり、実用上好ましいのは5〜200Pa・s/20℃である。
<有機ポリイソシアネート(B)> 本発明における有機ポリイソシアネート(B)は、官能基数3以上のポリイソシアネート(B0)を含有する。これ以外のものとして、有機ジイソシアネート(e)を含有していてもよい。(B)が官能基数2の有機ジイソシアネート(e)しか含有しない場合は、DEET等に対する耐久性が不十分となる。有機ポリイソシアネート(B)の平均官能基数は、DEET等に対する耐久性の観点から、2.3〜5が好ましく、2.5〜5がさらに好ましい。
官能基数3以上のポリイソシアネート(B0)としては、例えば、前記有機ジイソシアネート(e)(3モル)とトリメチロールプロパン(TMP)(1モル)を反応させたウレタン変性体(例えば、HDIまたはIPDIまたはTDIとTMPとを反応させた変性体など)、(e)(3モル)と水(1モル)を反応させたビューレット変性体(例えば、HDIまたはIPDIと水を反応させた変性体など)、(e)のイソシアヌレート変性体(例えば、HDIまたはIPDIまたはTDIの3量体など)、前記変性体の2量体(例えば、前記ウレタン変性体またはビューレット変性体またはイソシアヌレート変性体(2モル)と水またはEG(1モル)とを反応させた変性体など)、前記変性体の3量体(例えば、前記ウレタン変性体またはビューレット変性体またはイソシアヌレート変性体(3モル)と水またはEG(2モル)とを反応させた変性体など)など、およびこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、脂肪族ジイソシアネートを用いた前記変性体である脂肪族ポリイソシアネートおよび脂環式ジイソシアネートを用いた前記変性体である脂環式ポリイソシアネートおよびこれらの2種以上の混合物が挙げられ、さらに好ましくはイソシアヌレート変性体の脂肪族ポリイソシアネート、イソシアヌレート変性体の脂環式ポリイソシアヌレートおよびこれらの2種以上の混合物が挙げられ、特に好ましくはHDIのイソシアヌレート変性体、IPDIのイソシアヌレート変性体およびこれらの混合物が挙げられる。 官能基数3以上のポリイソシアネート(B0)と有機ジイソシアネート(e)の質量比(B0):(e)は、好ましくは50:50〜100:0、さらに好ましくは60:40〜100:0である。
本発明において、2液型ポリウレタン樹脂(A)と有機ポリイソシアネート(B)の使用比率は、2液型ポリウレタン樹脂(固形分として)100質量部に対して、有機ポリイソシアネートを好ましくは3〜100質量部、さらに好ましくは10〜90質量部、より好ましくは15〜85質量部である。3質量未満であれば、DEET等の耐久性が不十分なことがあり、100質量部を超えると、風合いが硬化する可能性がある。
<湿式凝固用ポリウレタン樹脂>湿式凝固用ポリウレタン樹脂とは、DMFなどの極性有機溶媒に溶解されたウレタン樹脂組成物の有機溶媒溶液を、水やDMFを含む水などに浸漬させることにより、溶媒が抽出され微多孔質膜を成膜することができるポリウレタン樹脂をいい、エーテル型、エステル型、エーテル・エステル型等特に限定されるものではない。一般的には、一液型ウレタン樹脂が用いられている。 また、ポリウレタン樹脂組成物中の湿式凝固用ポリウレタン樹脂と2液型ポリウレタン樹脂(A)との混合比(質量比)が1:9〜9:1であると好ましい。
〔その他の添加剤〕また、その他の添加剤として、撥水剤を添加するとよい。撥水剤の添加により、酢酸カリウム法による透湿性が著しく向上させることができる。 一般的には、微多孔質のウレタン樹脂膜中に撥水剤を添加した場合、ウレタン樹脂膜の疎水性が向上し、防水性は向上するものの、水と樹脂膜面を接触させて透湿度を測定する酢酸カリウム法による透湿度は低下すると考えられるが、本発明の2液型ポリウレタン樹脂と撥水剤を併用すると著しく酢酸カリウム法による透湿度が向上する。 撥水剤としては、フッ素系、シリコン系など公知の撥水剤を用いることができる。
また、本発明のポリウレタン樹脂組成物中には、透湿性、防水性向上のため酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、炭酸カルシウムなどの粒子径が数nm〜数μmの微粒子を添加したり、必要により耐候性、耐熱劣化等の向上のための各種安定剤、着色剤、無機充填剤、有機改質剤、また、接着強度向上を目的とした浸透向上剤、その他の添加剤等を含有させることができる。これら各種の充填材や架橋剤を添加した場合にも、ポリウレタン樹脂膜の厚さの制御などが自由に設計できる。 また、本発明のポリウレタン樹脂、ポリイソシアネートおよびその他の添加剤等の混合法は、通常の攪拌混合だけでもよいし、混合装置(ボールミル、ニーダー、サンドグラスター、ロールミルなど)を用いて混合することもできる。
<防水シートの製造方法>次に、本発明の防水シートの好ましい製造方法について説明する。本発明の防水シートは、繊維布帛の少なくとも片面に、2液型ポリウレタン樹脂(A)と、官能基数3以上のポリイソシアネート(B0)を有する有機ポリイソシアネート(B)を含むウレタン樹脂組成物の有機溶媒溶液を塗布し、湿式凝固し、微多孔質のポリウレタン樹脂皮膜を形成する。さらに、湿式凝固用ポリウレタン樹脂をウレタン樹脂組成物の有機溶媒溶液に含むと微多孔質形成の観点、塩化カルシウム法による透湿性の観点、得られるウレタン樹脂皮膜の耐水膨潤性の観点より好ましい。また、酢酸カリウム法による透湿性の観点からは、撥水剤もウレタン樹脂組成物に含むとよい。このとき用いられる有機溶媒としては、アミド系溶媒(DMF、ジメチルアセトアミドなど)、スルホキシド系溶媒(ジメチルスルホキシドなど)、ケトン系溶媒(メチルエチルケトン(MEK)など)、芳香族系溶媒(トルエン、キシレンなど)、エーテル系溶媒(ジオキサン、テトラヒドロフラノンなど)、エステル系溶媒(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)およびこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。微多孔質のポリウレタン樹脂皮膜形成の観点からは、DMF、ジメチルアセトアミドが好ましい。
有機溶媒の量は、ウレタン樹脂組成物の有機溶媒溶液中の固形分が1〜50質量%、好ましくは5〜40質量%となるのとよい。 また、繊維布帛については、繊維布帛への過度なウレタン樹脂組成物の含浸を防ぐために、カレンダー処理や撥水処理を行ってもよい。 繊維布帛の片面にウレタン樹脂組成物の有機溶媒溶液を塗布方法としては、ナイフコータ、パイプコータ、コンマコータなどを用いて塗布すればよい。 塗布後、水やウレタン樹脂組成物の有機溶媒溶液に用いられているDMFなどを含む水溶液の凝固浴に浸漬し、湿式凝固させ、微多孔質のポリウレタン樹脂皮膜を形成する。凝固温度は、ウレタン樹脂皮膜中に形成される空孔を適度に調節する観点から、10〜50℃の範囲が好ましい。
次に、脱溶媒される。脱溶媒には水が好ましく用いられ、脱溶媒の温度は、10℃〜80℃の範囲にて好ましく選択される。 脱溶媒された防水シートは、次いで、乾燥される。乾燥温度は90〜150℃の範囲が好ましく選択される。 なお、有機ポリイソシアネート(B)の架橋の観点からは、さらに、90〜150℃で熱処理をおこなうとよい。 また、乾燥後に、必要に応じ、微多孔質のポリウレタン樹脂皮膜の上にグラビアコータなどを用い部分的に意匠性や滑り性、耐磨耗性、抗菌性、保温性を付与するための樹脂皮膜を付与したり、撥水加工などをおこなってもよい。
以上の製造方法により得られる防水シートは、優れた防水性を有し、快適な作業(運動)環境を提供でき、防虫剤などに接触・使用しても性能面の低下がみられることが少なく、アウトドア用や軍事用の衣服、カッパ、ヤッケ、靴等に好適に用いることができる。 また、DEET、DMF、エタノールなどの有機溶剤類が接触・使用に対する耐久性も有しているため、特殊作業服に用いれば、快適な作業環境や設備を提供できる。
次に、本発明に係る実施例について説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。(評価項目および評価方法)得られた防水シートに対し下記の方法にて各種性能を測定した。〔透湿度〕透湿度は、JIS L1099−1993 塩化カルシウム法 A−1法および酢酸カリウム法 B−1法に準じて測定をおこなったものである。なお、塩化カルシウム法および酢酸カリウム法ともに、24時間当りの透湿量に換算した。〔耐水度〕耐水度は、JIS L1092−1998(静水圧法) B法(高水圧法)に準じて耐水圧の測定を行った。耐水度測定時、水圧をかけることにより試験片が伸びるものは、試験片の上にナイロンタフタ(2.54cm当りのタテ糸とヨコ糸の密度の合計が210本程度のもの)を重ねて、試験機に取り付け測定を行う。
〔有機溶剤を用いての処理:耐薬品性〕有機溶剤を用いての処理は、DEET処理として、DEETを含有している米国市販の防虫剤(商品名:Cutter OUTDOORSMAN、組成:DEET 21.85%、DEETの異性体 1.15%、他の成分 77.0%)を脱脂綿に付与し、得られた防水シートの表面を軽く1回こすり、2分間乾燥させる操作を20回繰り返す処理をした後の耐水度を前記の方法にて測定し、評価を行った。また、DMF/エタノール処理として、前記防虫剤の代わりに、50%DMF/50%エタノール溶液を用いて同様の測定をし、評価を行った。
<2液型ポリウレタン樹脂溶液の調製>「部」及び「%」は特に断らない限り、水を除いた固形分であり、それぞれ質量部及び質量%を示す。オキシエチレン基(OE基と略記)含有量が異なる二液型ポリウレタン樹脂溶液を調製し、実施例に示す各種防水シートを作製した。(OE基の含有量が50%の2液型ポリウレタン樹脂:A−1)攪拌機および温度計を備えた四つ口フラスコに、数平均分子量2000(水酸基価から計算)のPEG 148.6部、EG 26.4部、MDI 125部およびDMF 700部を仕込み、乾燥窒素雰囲気下で70℃、7時間反応させた。次に、EG 0.5部を加えて反応を終了し、樹脂濃度30%、粘度10,000mPa/20℃の2液型ポリウレタン樹脂(A−1)溶液を得た。このA−1のOE基含有量は50%である。
(OE基の含有量が30%の2液型ポリウレタン樹脂:A−2)数平均分子量2000のPEG 89.9部、数平均分子量2000のポリエチレンアジペート 59.9部、BG 34.8部、MDI 115.4部およびDMF 700部を仕込み、A−1と同様の方法で反応させた。次に、EG 0.5部を加えて反応を終了し、樹脂濃度30%、粘度9,000mPa/20℃の二液型ポリウレタン樹脂(A−2)溶液を得た。このA−2のOE基含有量は30%である。
(OE基の含有量が0%の二液型ポリウレタン樹脂:A−3)数平均分子量2000のポリエチレンアジペート 149.8部、BG 34.8部、MDI 115.4部およびDMF
700部を仕込み、A−1と同様の方法で反応させた。次に、EG 0.5部を加えて反応を終了し、樹脂濃度30%、粘度9,000mPa/20℃の二液型ポリウレタン樹脂(A−3)溶液を得た。このA−3のOE基含有量は0%である。
以下の実施例での「部」、「%」は、それぞれ質量部、質量%を示す。(実施例1)ポリエステルツイル織物(タテ糸、ヨコ糸ともに110デシテックスー50フィラメント、タテ密度:171本/2.54cm、ヨコ密度:84本/2.54cm)にフッ素系撥水剤アサヒガードAG710(旭硝子(株)製)5%水溶液をパディング、乾燥、キュアリングし、プラストカレンダーにより目潰しをおこなった。次に、ナイフコータを用い下記ウレタン樹脂組成物の有機溶媒溶液を塗布し、DMF15%水溶液中で5分間凝固させた。その後、25℃の水中で脱溶媒、洗浄し、乾燥し、さらに、フッ素系撥水剤を用いて撥水処理を行い150℃で仕上げセットをおこなって、繊維布帛の片面に厚さ40μmの微多孔質のポリウレタン樹脂皮膜を有する防水シートを得た。得られた防水シートの性能を表1に記した。
ウレタン樹脂組成物の有機溶媒溶液 A−1(樹脂固形分30%) 25質量部、一液型湿式凝固用ポリウレタン樹脂(固形分30%) 75質量部、DMF 30質量部、炭酸カルシウム微粒子(平均粒子径 0.3μm) 3質量部、デュラネートTPA−100 5質量部(旭化成工業(株)製、HDIイソシアヌレート変性体 官能基数3.0 固形分100%)、HI−215(大日精化工業(株)製、触媒) 0.5質量部、L−1500(大日本インキ化学工業(株)製、白色顔料) 5質量部、フッ素系撥水剤(溶剤系、固形分10%) 5質量部
(比較例1)ウレタン樹脂組成物の有機溶媒溶液として下記のものを用いた以外は、実施例1と同様にし、防水シートを得た。得られた防水シートの性能を表1に記した。
ウレタン樹脂組成物の有機溶媒溶液 A−1(樹脂固形分30%) 25質量部、一液型湿式凝固用ポリウレタン樹脂(固形分30%)75質量部、DMF 30質量部、炭酸カルシウム微粒子(平均粒子径 0.3μm) 3質量部、L−1500(大日本インキ化学工業(株)製、白色顔料) 5質量部、フッ素系撥水剤(溶剤系、固形分10%) 5質量部
(比較例2)ウレタン樹脂組成物の有機溶媒溶液として下記のものを用いた以外は、実施例1と同様にし、防水シートを得た。得られた防水シートの性能を表1に記した。
ウレタン樹脂組成物の有機溶媒溶液 A−1(樹脂固形分30%) 25質量部、一液型湿式凝固用ポリウレタン樹脂(固形分30%) 75質量部、DMF 30質量部、炭酸カルシウム微粒子(平均粒子径 0.3μm) 3質量部、デュラネートTPA−100 0.2質量部(旭化成工業(株)製、HDIイソシアヌレート変性体 官能基数3.0 固形分100%)、HI−215(大日精化工業(株)製、触媒) 0.5質量部、L−1500(大日本インキ化学工業(株)製、白色顔料) 5質量部、フッ素系撥水剤(溶剤系、固形分10%) 5質量部
(比較例3)ウレタン樹脂組成物の有機溶媒溶液として下記のものを用いた以外は、実施例1と同様にし、防水シートを得た。得られた防水シートの性能を表1に記した。
ウレタン樹脂組成物の有機溶媒溶液 一液型湿式凝固用ポリウレタン樹脂(固形分30%) 100質量部、DMF 30質量部、炭酸カルシウム微粒子(平均粒子径 0.3μm) 3質量部、デュラネートTPA−100 5質量部(旭化成工業(株)製、HDIイソシアヌレート変性体 官能基数3.0 固形分100%)、HI−215(大日精化工業(株)製、触媒) 0.5質量部、L−1500(大日本インキ化学工業(株)製、白色顔料) 5質量部、フッ素系撥水剤(溶剤系、固形分10%) 5質量部
Figure 0004999367
(実施例2)ウレタン樹脂組成物の有機溶媒溶液にフッ素系撥水剤を用いなかった以外は実施例1と同様にし、防水シートを得た。得られた防水シートの性能を表2に記した。
(実施例3)ウレタン樹脂組成物の有機溶媒溶液として下記のものを用いた以外は、実施例1と同様にし、防水シートを得た。得られた防水シートの性能を表2に記した。
ウレタン樹脂組成物の有機溶媒溶液 A−1(樹脂固形分30%) 40質量部、一液型湿式凝固用ポリウレタン樹脂(固形分30%) 60質量部、DMF 30質量部、二酸化ケイ素微粒子(平均粒子径 0.7μm) 3質量部、デュラネートTPA−100 5質量部(旭化成工業(株)製、HDIイソシアヌレート変性体 官能基数3.0 固形分100%)、HI−215(大日精化工業(株)製、触媒) 0.5質量部、L−1500(大日本インキ化学工業(株)製、白色顔料) 5質量部、フッ素系撥水剤(溶剤系、固形分10%) 5質量部
(実施例4)ウレタン樹脂組成物の有機溶媒溶液として、二液型ポリウレタン樹脂A−1に代えてA−2を用いた以外は実施例1と同様にして防水シートを得た。得られた防水シートの性能を表2に記した。
(実施例5)ウレタン樹脂組成物の有機溶媒溶液として、二液型ポリウレタン樹脂A−1に代えてA−3を用いた以外は実施例1と同様にして防水シートを得た。得られた防水シートの性能を表2に記した。
Figure 0004999367

Claims (7)

  1. 湿式凝固により得られた微多孔質のポリウレタン樹脂皮膜が、最外層またはその近傍に位置し、有機溶剤を用いて処理した後のJIS L1092の耐水度が19.6KPa以上であり、前記ポリウレタン樹脂皮膜が2液型ポリウレタン樹脂(A)および湿式凝固用のポリウレタン樹脂を含むポリウレタン樹脂組成物からなり、前記ポリウレタン樹脂組成物中の湿式凝固用のポリウレタン樹脂と2液型ポリウレタン樹脂(A)との質量比が1:9〜9:1であり、前記有機溶剤がN,N’−ジエチル−m−トルアマイドおよびN,N’−ジメチルホルムアミドから選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする防水シート。
  2. 前記ポリウレタン樹脂組成物が、官能基数3以上のポリイソシアネート(B0)を有する有機ポリイソシアネート(B)をも含むことを特徴とする請求項1に記載の防水シート。
  3. 前記2液型ポリウレタン樹脂(A)が、オキシエチレン基含有高分子ジオール(d)と、有機ジイソシアネート(e)と、鎖伸長剤(f)とからなるポリウレタン樹脂であり、該2液型ポリウレタン樹脂(A)に対してオキシエチレン基含有量が10〜80質量%である請求項1または2に記載の防水シート。
  4. 前記有機ポリイソシアネート(B)が、平均官能基数2.3〜5の脂肪族ポリイソシアネートおよび脂環式ポリイソシアネートからなる群より選択される少なくとも1種である請求項2または3に記載の防水シート。
  5. 耐水圧が19.6〜196KPaであり、塩化カルシウム法での透湿度が6000〜15000g/m・24hrsであり、酢酸カリウム法での透湿度が、8000〜30000g/m・24hrsであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の防水シート。
  6. 繊維布帛をも含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の防水シート。
  7. 湿式凝固により得られた微多孔質のポリウレタン樹脂皮膜が、最外層またはその近傍に位置し、有機溶剤を用いて処理した後のJIS L1092の耐水度が19.6KPa以上であり、前記ポリウレタン樹脂皮膜が2液型ポリウレタン樹脂(A)および湿式凝固用のポリウレタン樹脂を含むポリウレタン樹脂組成物からなり、前記有機溶剤がN,N’−ジエチル−m−トルアマイドおよびN,N’−ジメチルホルムアミドから選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする防水シートの製造方法であって、繊維布帛の少なくとも片面に、2液型ポリウレタン樹脂(A)および湿式凝固用のポリウレタン樹脂を含むポリウレタン樹脂組成物の有機溶媒溶液であって、前記湿式凝固用のポリウレタン樹脂と2液型ポリウレタン樹脂(A)との質量比が1:9〜9:1である有機溶媒溶液を塗布し、湿式凝固させ、微多孔質のポリウレタン樹脂皮膜を形成することを特徴とする防水シートの製造方法。
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