JP4999039B2 - イオン伝導性結着剤 - Google Patents

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Description

本発明は、イオン伝導性を有し、触媒同士又は該触媒を含む触媒層と高分子電解質膜とを結着するイオン伝導性結着剤に関する。特に、本発明は、このイオン伝導性結着剤を含む新規な膜/電極接合体及びこの接合体を用いた燃料電池に関する。
燃料電池は、排出物が少なく、かつ高エネルギー効率で環境への負担の低い発電装置である。このため、近年の地球環境保護への高まりの中で脚光を浴びており、自動車用、家庭用(定置用)の大型機器電源、並びに、携帯電話、ノートパソコン、携帯情報端末等の小型携帯機器電源への実用化が検討されている。
燃料電池は、水素やメタノールなどの燃料を酸素または空気を用いて電気化学的に酸化することにより、燃料の化学エネルギーを電気エネルギーに変換して取り出すものである。
中でも高分子電解質型燃料電池では、プロトン伝導性高分子樹脂電解質膜と触媒層との結着及び触媒層中の触媒同士の結着のため、結着剤が使用される。この結着剤は、十分な結着性のほか、高いイオン伝導性(プロトン伝導性)が要求される。高いプロトン伝導性を有することにより、触媒層内で、触媒、反応ガス及び電解質膜の三相が共存するいわゆる三相界面を維持することができ、触媒上における反応ガスとプロトンとの十分な接触性を達成することができる。このような性質を有する結着剤としては、電解質膜の材料としても使用されるプロトン酸基含有フッ素系高分子が知られている。
しかしながら、このプロトン酸基含有フッ素系高分子は、作製が困難で非常に高価格である。また、廃棄時に焼却するとフッ酸ガスが発生するため触媒を回収しにくく、環境汚染の原因となる。さらに、高温低湿度下ではプロトン伝導性が急激に低下するといった問題を有していた。
そのほか、結着剤としては、プロトン酸基と、炭素原子数1〜20のアルキル基を有する芳香環を含む架橋性ポリエーテルケトン(特許文献1)、スルホアルキル基を側鎖に含む芳香族炭化水素系高分子化合物を有する固体高分子(特許文献2)が知られている。しかしこれらポリマーは触媒層に含まれる触媒の細孔内部までポリマーが入り込まず、高いイオン伝導性が達成できなかった。
特開2004−281422号公報 特開2004−47244号公報
よって、本発明の第一の目的は、製造が容易であり、上記三相界面を維持し、廃棄時にフッ素ガスを発生しないイオン伝導性結着剤を提供することである。
また、本発明の第二の目的は、このイオン伝導性結着剤を用いた膜−電極接合体及びこの接合体を用いた固体高分子燃料電池及び直接メタノール型固体高分子燃料電池等の燃料電池を提供することにある。
上記課題を解決するために検討したところ、本発明者らは、特定の基を有する化合物をイオン伝導性結着剤として用いることで、三相界面を形成することができることを見出し、この知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
1.式:
Figure 0004999039
(式中、m=50、n=50)
で表される基を有するポリエーテルスルホン(1)又は式:
Figure 0004999039
(式中、m=50、n=50)
で表される基を有するポリエーテルスルホン(2)を含むことを特徴とする、イオン伝導性結着剤に関する。
2.上記1に記載のイオン伝導性結着剤と、該イオン伝導性結着剤によって結着された触媒とを含む多孔質触媒層を有する膜−電極接合体であって、前記多孔質触媒層の孔径が0 .004〜10μmであることを特徴とする、膜−電極接合体に関する。
3.上記2に記載の膜−電極接合体を用いた燃料電池に関する。
本発明は、耐熱性及び耐酸化性等に優れ、低コスト、高耐久性、良好な接着性、並びに三相界面を維持することができるイオン伝導性結着剤に関する。また、本発明は、このイオン伝導性結着剤を有する新規な膜/電極接合体及びそれを用いた燃料電池に関する。
本発明のイオン伝導性結着剤は、製造が容易であり、廃棄時にフッ素ガスを発生しない。
本発明のイオン伝導性結着剤と触媒とから製造された燃料電池の触媒層は、本発明のイオン伝導性結着剤に含まれる化合物の分子量を制御することで、多孔質の触媒層の一次細孔中にイオン伝導性結着剤が入ることができるようになり、触媒層に必要な三相界面を確保することができる。
本発明のイオン伝導性結着剤は、燃料電池、水電解、ハロゲン化水素酸電解、食塩電解、酸素濃縮器、湿度センサ、ガスセンサ等に用いられる。本発明の非フッ素系イオン伝導性結着剤は、特に、固体高分子型燃料電池及び直接メタノール型燃料電池用の電解質膜として使用される。このような燃料電池に使用することにより、メタノールのような燃料及びO2ガスのような酸化剤のクロスオーバーが抑制でき、高い電池出力を長期間安定的に得ることができる。
以下、本発明のイオン伝導性結着剤及びその製造方法、膜−電極接合体、燃料電池について詳述する。
(1) イオン伝導性結着剤
(1−1) イオン伝導性結着剤を構成する化合物の構造
イオン伝導性結着剤は、炭化水素系樹脂の主骨格に芳香族基を有し、プロトン伝導源として以下の式(1)で表される基を有する化合物がある
式(1):
Figure 0004999039
式中、Xは、O、S、SO、SO2、CO又はPOであり、好ましくは、SO2である。
1及びY2は、互いに同一であっても異なっていてもよく、単結合又はC、H、Oからなる分子量50以下、好ましくは14〜40の2価の脂肪族基である。Y1及びY2は、好ましくは、単結合である。
Arは、1以上、好ましくは2つの芳香族基を含む分子量1000以下、好ましくは76〜800の2価の基である。ここで、該芳香族基は、Arの主骨格に含まれる2価の芳香族基であることが好ましい。また、Arは、芳香族基のほか、エチレン、プロピレン等の脂肪族基、シクロヘキサン等の脂環式基、ピリジン及びイミダゾール等の複素環式基を含んでもよい。好ましくは、Arは以下の式(2)で表される2価の基である。
式(2):
Figure 0004999039
式中、Zは単結合、O、S、SO、SO2、CO、PO、C(CH32又はC(CF32であり、好ましくは単結合又はSO2である。
イオン伝導性結着剤の主骨格は、ポリエーテルケトン、ポリスルフィド、ポリホスファゼン、ポリフェニレン、ポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリ尿素、ポリキノリン、ポリキノキサリン、ポリスルホン、ポリスルホネート、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリチアゾール、ポリフェニルキノキサリン、ポリキノリン、ポリシロキサン、ポリトリアジン、ポリジエン、ポリピリジン、ポリピリミジン、ポリオキサチアゾール、ポリテトラザピレン、ポリオキサゾール、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾール、ポリピロリドン、ポリアクリレート誘導体、ポリメタクリレート誘導体、ポリスチレン誘導体等であることが好ましい。特に好ましくは、耐熱性、耐電解液性(耐膨潤性)という点からポリエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリキノリン、ポリキノキサリンのいずれかを含むことがより好ましく、ポリエーテルスルホンを含むことがさらに好ましい。Arは、式(3)で表される2価の基であることが極めて好ましい。
式(3):
Figure 0004999039
式中、Zは、単結合、O、S、SO、SO2、CO、PO、C(CH32又はC(CF32であり、好ましくは単結合又はSO2である。
また、式(2)又は(3)で示される単位が、1以上、好ましくは、2〜200、より好ましくは、3〜50繰り返されていてもよい。各繰り返し単位は、上記Arで定義された単位であれば、互いに同一でも異なっていてもよい。
上記式(1)で表される基を有する化合物は、より具体的には、以下の式(1)’で表される基を有する芳香族炭化水素樹脂(ポリエーテルスルホン)である。
式(1)’:
Figure 0004999039

式中、X,Y1、Y2、Arは式(1)と同様である。nは、3〜200、好ましくは、5〜100である。また、式(1)基は、上記式(1)’にさらに1以上、例えば、3〜200、好ましくは、5〜100の−Ar−O−基が結合したものであってもよい。このとき、各Ar基は同一でも異なっていてもよい。
上記式(1)で表される基を有する化合物のうち本発明のイオン伝導性結着剤は、以下の式(1)''又は式(1)''’で表される基を有するポリエーテルスルホンを含む
式(1)'':
Figure 0004999039
式(1)''’:
Figure 0004999039
各式中、mは、50であり、nは、50である。
上記式(1)で表される基を有する化合物は、質量平均分子量1,500〜80,000の芳香族炭化水素樹脂(ポリエーテルスルホン)であることが好ましい。得られる触媒層の強度と加工性の観点から、より好ましくは、該質量平均分子量が5,000〜80,000であってもよい。
本発明のイオン伝導性結着剤は、燃料電池等の触媒層において、触媒同士又は該触媒を含む触媒層と隣接する高分子電解質膜等とを結着するために使用される。このとき、触媒層中では貴金属担持触媒のような触媒と微粉状炭素のような助触媒とが凝集体を形成する。この凝集体は、通常20〜40nmの細孔(一次細孔とする)を形成する。イオン伝導性結着剤が、この一次細孔に入り込むと、触媒上で反応ガスとプロトンとの十分な接触を達成できる三相界面を構成できるようになる。従って、本発明のイオン伝導性結着剤を構成する上記式(1)で表される基を有する化合物は、この一次細孔に入り込める大きさとすることが好ましい。また、燃料電池等の触媒層は、上記凝集体間に細孔(二次細孔)を作り、多孔質な触媒層を構成する。この二次細孔の孔径は、通常0.004〜10μm、例えば、0.04〜1μmであることが適当である。0.004μm以上であれば、二次細孔内に水やガスが進入することを抑止でき、10μm以下であれば、十分な表面積を確保できる。上記一次細孔への入りやすさ及び二次細孔の保持に鑑み、上記式(1)で表される基を有する化合物は、質量平均分子量を1000以上とすることが適当であり、また、10000〜70000であることが特に好ましく、20000〜60000であることが極めて好ましい。
さらに、上記一次細孔への入りやすさ及び二次細孔の保持に鑑み、上記式(1)で表される基を有する化合物は、直鎖構造を有することが好ましい。例えば、式(1)中、Y1及びY2は単結合であることが好ましく、Arは置換基を持たないパラ型芳香族基を主鎖に持つ基又はこの芳香族基と直鎖脂肪族基とを主鎖に持つ基であることが適当である。
なお、この質量平均分子量は、ゲルパーミッショオンクロマトグラフィー(以下GPCとする)を用いて測定される。測定条件は、測定温度:60℃、測定溶媒:5%KBrN-メチルピロリドン溶液であり、スチレン換算で測定できる。また、各細孔の孔径は、例えば、バブルポイント法で測定することができる。
(1-2) イオン伝導性結着剤に含まれる化合物及び添加剤
本発明のイオン伝導性結着剤は、上記式(1)で表される基を有する化合物のみから構成されているか、又は、上記式(1)で表される基を有する化合物を1種以上含む組成物から構成されていてもよい。さらに、上記式(1)で表される基を有する化合物と、他の芳香族高分子化合物等との組み合わせであってもよい。他の高分子化合物を含む場合、他の高分子化合物は、イオン伝導性結着剤全体の質量に対し、例えば、40〜1質量%、好ましくは、10〜1質量%の量で存在することが適当である。
また、必要に応じて、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、粘着付与剤、可塑剤、架橋剤、粘度調整剤、静電気防止剤、抗菌剤、消泡剤、分散剤、重合禁止剤、増粘剤、撥水剤、吸水剤、増粘剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤は、イオン伝導性結着剤全体の質量に対し、例えば0.01〜50質量%、好ましくは、0.1〜30質量%の量で存在することが適当である。
(1−3) イオン伝導性結着剤の製造方法
本発明のイオン伝導性結着剤は、上記式(1)で示される基を有する化合物のうち、式(1)’’又は式(1)’’’で表される基を有する化合物、及び、上記添加剤を混合することにより製造される。ここで、式(1)で示される基を有する化合物は、該化合物を常法により製造することができるが、式(1)で示される基を有する化合物がポリマーである場合、例えば、以下のように、モノマー又はオリゴマーを原料とする重合反応により製造され得る。
即ち、原料となるモノマー又はオリゴマーは、例えば、以下のような式(4)及び(5)で示される基を有する化合物が挙げられる。
式(4):
Figure 0004999039
式中、X、Ar、Y1及びY2は、上記式(1)と同様である。上記式(4)の基を有する化合物としては、上述した式(1)の基を有し、末端にヒドロキシル基、塩素、臭素等のハロゲン基、−ONa基、−OK基等を有する化合物が挙げられる
。具体的には、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジスルホン酸ジフェニルスルホンナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジスルホン酸ジフェニルケトンナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩;4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジスルホン酸ジフェニルエーテルナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩;4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジスルホン酸ジフェニルチオエーテルナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等が挙げられる。
式(5):
Figure 0004999039
式中、Arは、上記式(1)と同様である。上記式(5)の基を有する化合物としては、上記式(2)又は(3)の基を有し、末端にヒドロキシル基、塩素、臭素等のハロゲン基、−ONa基、−OK基等を有する化合物が挙げられる。具体的には、4,4'-ジヒドロキシビフェニル、4,4'-ジヒドロキシビフェニルスルホン、ビス(4−クロロフェニル)スルホン、4,4'-ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4'-ジヒドロキシジフェニルエーテル、ベンゾフェノン等が挙げられる。
次いで、上記モノマーを単独で又は2種以上混合し、その他の添加剤を混合し、溶媒中で重合する。重合条件は、上記モノマーを重合する通常の条件が採用され得る。例えば、60〜200℃、好ましくは、80〜180℃で1〜24時間、好ましくは2〜12時間熱処理後、さらに前記温度より高い150〜250℃、好ましくは、160〜200℃の温度に昇温し、さらに8〜64時間、好ましくは、12〜48時間保持する。ここで、溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホンアミド等の非プロトン極性溶媒や、メタノール、エタノール等のアルコール類、トルエンなどの有機溶媒から適切なものを選ぶことができるがこれらに限定されるものではない。これらの溶媒は、可能な範囲で複数を混合して使用してもよい。
(1-4) イオン伝導性結着剤の性質
本発明のイオン伝導性結着剤は、耐熱性、耐酸化性、製膜性という点で好ましい。
ここで、イオン伝導性(プロトン伝導性)は、25℃、湿度100%において0.01S/cm以上が好ましく0.04S/cm以上がより好ましく、0.09S/cm以上が極めて好ましい。0.01S/cm以上であれば、燃料電池の内部抵抗が増大することもなく好ましい。
耐熱性は、燃料電池の使用範囲である-30℃〜150℃で物性が変わらないことが望ましい。
耐薬品性は、電解質膜内で発生する過酸化水素等に暴露しても分解せず、耐酸化性に優れていることが望ましい。
(2)イオン伝導性結着剤を含む触媒層
本発明のイオン伝導性結着剤は、燃料電池等の電極に設けられる触媒層で使用される。具体的には、本発明のイオン伝導性結着剤は、触媒層に含まれる触媒同士又は該触媒を含む触媒層と該触媒層に隣接する高分子電解質膜並びにガス拡散層とを結着するために使用される。
触媒層に使用される触媒物質としては、例えば、白金,ロジウム,ルテニウム,イリジウム,パラジウム,オスニウムなどの白金族金属及びその合金が適している。これら触媒物質及び触媒物質の塩類を単独または混合して用いてもよい。中でも、金属塩や錯体、特に[Pt(NH3)4]X2または[Pt(NH3)6]X4(Xは1価の陰イオン)であらわされるアンミン錯体が好ましい。また、触媒として金属化合物を用いる場合、いくつかの化合物の混合物を用いても良いし、複塩でもよい。例えば、白金化合物とルテニウム化合物を混ぜて用いることで、還元工程により、白金−ルテニウム合金の形成が期待できる。
触媒の粒径は、特に限定されないが、触媒活性の大きくなる適当な大きさの観点から平均粒径が0.5〜20nmであることが好ましい。なお、K. Kinoshita等の研究(J. Electrochem. Soc., 137, 845(1990))では、酸素の還元に対して活性の高い白金の粒径は3nm程度であることが報告されている。
本発明で用いる触媒には、更に助触媒を添加することができる。助触媒としては、微粉状炭素が挙げられる。微粉状炭素としては共存する触媒が高い活性を示すものが好ましく、例えば、触媒として白金族金属の化合物を用いる場合には、Denka Black, Valcan XC-72,Black Pearl 2000等の、アセチレンブラック等が適当である。
触媒の量は、付着方法等により異なるが、触媒層に隣接するガス拡散層の表面に例えば、約0.02〜約20mg/cm2の範囲、好ましくは約0.02〜約20mg/cm2の範囲で付着されていることが適当である。また、触媒層とガス拡散層とを含む電極全体の総量に対し、例えば、0.01〜10質量%、好ましくは、0.3〜5質量%の量で存在することが適当である。
本発明の触媒層は、上述の通り、触媒と助触媒とから形成される凝集体を有し、さらに、この凝集体は、通常20〜40nmの一次細孔を有する。また、この凝集体は、触媒層中に分散し、凝集体間で0.004〜10μm程度の二次細孔を形成し、多孔質な触媒層を形成する。
(3)電極
上記触媒層は、ガス拡散層上及び/又は内部に設けられ、本発明の電極を構成する。
ここで、ガス拡散層としては、例えば、カーボン繊維織布、カーボンペーパー等、通気性を有する既知の基体が使用され得る。好ましくは、これらの基体等を撥水処理したものが使用される。撥水処理は、例えば、これら基体を、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などのフッ素樹脂等からなる撥水剤の水溶液中に浸漬し、乾燥し、焼成することにより行われる。
得られる電極は、多孔質である。この多孔質の平均細孔径は、例えば、0.01〜50μm、好ましくは0.1〜40μmであることが適当である。さらに、この多孔質の空孔率は、例えば、10〜99%、好ましくは10〜60%であることが適当である。
(4)膜−電極接合体
本発明の電極は、電解質膜の少なくとも1面、通常電解質膜の両面に、電解質膜と触媒層とが接触するように設けられ、膜-電極接合体を構成する。
ここで、電解質膜としては、高分子電解質膜であることが好ましく、例えば、本発明のイオン伝導性結着剤に使用される化合物として記載した式(1)で表される基を有する化合物を使用することができる。その他、ナフィオン(登録商標)等の他の高分子化合物、及びこれらの組み合わせも、電解質膜として使用できる。より好ましくは、非フッ素系の高分子電解質膜であり、さらに好ましくは、特に上記式(1)'及び(1)''で表されるポリエーテルスルホンであり、特に好ましくは、本発明のイオン伝導性結着剤と同一組成のものであることが適当である。
該電解質膜の厚みは特に制限はないが10〜200μmが好ましい。特に30〜100μmが好ましい。実用に耐える膜の強度を得るには10μmより厚い方が好ましく、膜抵抗の低減つまり発電性能向上のためには200μmより薄い方が好ましい。
(5)膜−電極接合体の製造
本発明の膜−電極接合体は、電解質膜上に、上記電極を設けることにより製造される。製造法の制限はないが、本発明のイオン伝導性結着剤を含む触媒層の製造方法の違いにより、例えば以下の3つの方法を挙げることができる。
(a)電解質膜上に、直接触媒物質を適用して触媒層を形成し、さらに形成した触媒層上にガス拡散層を形成する方法。
例えば、本発明のイオン伝導性結着剤、白金族触媒、微粉状炭素(カーボンブラック)その他添加物を含む触媒物質を電解質膜上に塗布、噴霧、印刷等することにより適用して触媒層を形成し、この触媒層上に、ガス拡散層を熱プレス等により加熱圧着する方法がある。
(b)あらかじめ基板上に触媒物質を適用して触媒層を作成し、得られた触媒層を電解質膜上に転写し、さらに形成した触媒層上にガス拡散層を形成する方法。
例えば、あらかじめ本発明のイオン伝導性結着剤と、トーマス法等で合成した白金黒とを均一に混合し、テフロン(登録商標)シート基板上に適用して加圧成型した後、電解質膜上に転写し、さらにガス拡散層を配置し、得られた積層物を加圧圧着する方法がある。
(c)ガス拡散層を触媒含有ペーストに浸漬等させてあらかじめ電極を作成し、得られた電極を電解質膜上に設ける方法。
例えば、可溶性白金族塩の溶液(触媒含有ペースト)に、ガス拡散層を浸漬し、可溶性白金族塩をガス拡散層上及び内に吸着(イオン交換)させる。次いで、ヒドラジン、Na2BO4のような還元剤溶液に浸漬してガス拡散層上に触媒となる金属を析出させる方法がある。
ここで、上記触媒含有ペーストは、触媒層を構成するべき触媒物質、助触媒、その他添加剤、並びに本発明のイオン伝導性結着剤を溶媒に加えたものである。触媒含有ペーストの組成は、触媒物質に対し本発明のイオン伝導性結着剤量が1〜90質量%であることが好ましく、20〜80質量%であることがより好ましく、30〜60質量%であることが極めて好ましい。1%以上であれば良好な接着性を確保でき、90%以下であれば内部抵抗が高くなることもないので好ましい。
ここで使用する溶媒としては、例えば、水、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、ブタノール、トルエン、アセトン、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)及びジメチルアセトアミド(DMAc)等を使用することができる。本発明のイオン伝導性結着剤の溶媒に対する溶解性を上げ、三相界面を作りやすくするという点でN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)及びジメチルアセトアミド(DMAc)が好ましい。
上記触媒含有ペーストに添加されるその他の添加剤としては、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、粘着付与剤、可塑剤、架橋剤、粘度調整剤、静電気防止剤、抗菌剤、消泡剤、分散剤、重合禁止剤、増粘剤、撥水剤、吸水剤、増粘剤等等の各種添加剤が挙げられる。特に、架橋剤は、上記(a)や(b)の触媒物質、(c)の触媒含有ペースト等に架橋剤を加え、これら触媒物質又は触媒含有ペーストを基板等に塗布後、イオン伝導性結着剤が一次細孔に進入し、その後にイオン伝導性結着剤を架橋する作用を有するもの、例えば、フェノール樹脂等の三官能以上のヒドロキシル基を有する化合物が適当である。
これらの添加剤は、本発明のイオン伝導性結着剤に対し、例えば0.01〜50質量%、好ましくは、0.1〜30質量%の量で存在することが適当である。
(6) 燃料電池
本発明の燃料電池は、上記膜−電極接合体を用いたものである。本発明の燃料電池としては、固体高分子型(PEFC)及び直接メタノール供給型燃料電池(DMFC)が挙げられる。
また、本発明の燃料電池の製造方法は、上記電解質膜を2つの電極の間に配置して膜−電極接合体を得る工程を含む。
具体的には、例えば、本発明の電解質膜の各面上に本発明のイオン伝導性結着剤を含有する触媒層を付着させ、さらにガス拡散層を設けた膜−電極接合体の各面に、さらにアノード極及びカソード極の2つの極板を配置又は挟持し、得られた積層体の一方の面に常圧或いは加圧された水素ガス、加圧されたメタノールガス或いはメタノール水溶液を保持できる燃料室を配置し、積層体の他方の面に常圧或いは加圧された酸素或いは空気を保持できるガス室を配置することにより燃料電池が作製される。このように作製された燃料電池は、水素或いはメタノールと酸素が反応して生じた電気エネルギーを取り出すものである。
また、必要な電力を取り出すために、この膜−電極接合体又は積層体を1単位として直列或いは並列に多数の単位を配してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]イオン伝導性結着剤の作製
4,4'-ジヒドロキシビフェニル3.724g、ビス(4−クロロフェニル)スルホン2.872g、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジスルホン酸ジフェニルスルホンナトリウム塩5.093g、炭酸カリウム3.37g、N−メチルピロリドン25mlを、ディーンスタークトラップ、コンデンサー、撹拌機および窒素供給管を備えた100ml容の4つ口丸底フラスコに仕込んだ。この混合物をオイルバス上で100℃に加熱したのち、トルエン20mlを加え、160℃に加熱して4時間還流してトルエンを留去した。オイルバスを180℃に昇温してトルエンを留去するとともに、180℃で24時間重合を続けた。冷却後、この溶液を250ml水中に注いで重合物を析出させた後、この重合物を水洗し、乾燥した(収率90%)。得られた重合物 (粉末)を1N塩酸で1日浸漬し、ナトリウム塩をプロトンに交換した(Na→H)。これを100℃で3時間乾燥後、得られた粉末をジメチルホルムアミドに再溶解し、ポリエーテルスルホン(1)溶液(固形分30%)を作製した。また、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)を用いて質量平均分子量(Mw)を測定したところ、60,000であった(測定温度:60℃、測定溶媒:5%KBrN-メチルピロリドン溶液、カラムShodex GPC KD-805 昭和電工(株)・ポリスチレン換算)。
[実施例2]イオン伝導性結着剤の作製
4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルホン5.005g、ビス(4−クロロフェニル)スルホン2.872g、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジスルホン酸ジフェニルスルホンナトリウム塩5.093g、炭酸カリウム3.3g、N−メチルピロリドン30mlを、ディーンスタークトラップ、コンデンサー、撹拌機および窒素供給管を備えた100ml容の4つ口丸底フラスコに仕込んだ。この混合物をオイルバス上で100℃に加熱したのち、トルエン25mlを加え、160℃に加熱して4時間還流してトルエンを留去した。オイルバスを180℃に昇温してトルエンを留去するとともに、180℃で24時間重合を続けた。冷却後、この溶液を250ml水中に注いで重合物を析出させた後、この重合物を水洗し、乾燥した(収率90%)。得られた重合物 (粉末)を1N塩酸で1日浸漬し、ナトリウム塩をプロトンに交換した(Na→H)。これを100℃で3時間乾燥後、得られた粉末をジメチルホルムアミドに再溶解し、ポリエーテルスルホン(2)溶液(固形分30%)を作製した。また、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)を用いて質量平均分子量(Mw)を測定したところ、23,000であった(測定温度:60℃、測定溶媒:5%KBrN-メチルピロリドン溶液、カラムShodex GPC KD-805 昭和電工(株)・ポリスチレン換算)。
上記実施例1及び2で使用した原料及び得られたポリエーテルスルホン(1)及び(2)の構造式を以下に示す。










表1
Figure 0004999039
[比較例1]イオン伝導性結着剤の作製
市販のナフィオン(登録商標) (Aldrich社製、5質量%メタノール溶液)を使用した。ナフィオンをジメチルホルムアミドに溶解し、ナフィオン(登録商標)溶液(固形分30%)を作製した。
[実施例3]燃料電池の作製
白金/微粉状炭素触媒(ケッチエンブラックEC、田中貴金属(株)製TEC10E50E、白金の担持率50質量%)1g、イオン伝導性結着剤としての実施例1で作製したポリエーテルスルホン溶液1.4g、溶媒としてのジメチルホルムアミド5.9gを混合し、十分に攪拌して触媒含有ペーストを作製した。
この触媒含有ペーストを、乾燥後の白金の塗布量が0.3mg/cm2となるように上記ガス拡散層に数回塗布して電極を得た。同一の電極を2つ作製し、アノード用電極及びカソード用電極として使用した。
次に、電解質膜として、ナフィオン(登録商標)117(厚さ175μm、大きさ2.5mm×2.5mm、デュポン社製)を準備した。この電解質膜を、触媒を塗布した側が電解質膜と接触するように上記2つの電極ではさみ、熱プレス(130℃、2MPa、1分間)を行って、膜−電極接合体(1)を作製した。
燃料電池(Electrochem, Inc.,製FC05-01SP-REF, 電極面積5cm2, サーペンタインフロー)を準備し、該燃料電池の膜−電極接合体の代わりに上記実施例3で作製した膜−電極接合体(1)を用いて燃料電池(1)を作製した。燃料電池(1)の触媒層の一次細孔は、20〜40nmの範囲であった。
[実施例4]燃料電池の作製
イオン伝導性結着剤として実施例2で作製したポリエーテルスルホン(2)溶液を使用した以外は、実施例3と同様な方法で膜−電極接合体(2)を作製し、さらに、この膜−電極接合体(2)を用いて燃料電池(2)を作製した。燃料電池(2)の触媒層の一次細孔は、20〜40nmの範囲であった。
[比較例2]燃料電池の作製
触媒含有ペーストとして、白金/微粉状炭素触媒(ケッチエンブラックEC、田中貴金属(株)製TEC10E50E、白金の担持率50質量%)1g、イオン伝導性結着剤として比較例1のナフィオン(登録商標)溶液8.133g、溶媒として水1.8g及び60%PTFE懸濁液0.405gを含む触媒含有ペーストを使用した以外は実施例3と同様の方法で比較例1のイオン伝導性結着剤を用いた燃料電池(3)を作製した。
[評価]
(1) 発電効率
上述のようにして作製した燃料電池(1)〜(3)の発電効率を測定するため、カソード過電圧を測定し、交換電流密度(i0)を算出した。交換電流密度(i0)は、電流の流れやすさの指標であり、交換電流密度(i0)が大きいほど、電圧ロスが小さく(カソード過電圧が小さく)、発電効率が高いことになる。上記実施例3及び4並びに比較例2で得られた各燃料電池(1)〜(3)のカソードに酸素(200ml/分)、アノードに水素(200ml/分)を流し、60℃の条件で、燃料電池測定装置(Scribner 850B)を用いて電位-電流特性を測定した。電流は、10〜100mAの間で変化させた。燃料電池に所定の電流を流した後、2秒間電流を遮断した。遮断してから10μ秒後の電圧降下を電解質膜のオーム損(E ηIR[V])とした。なおアノードの過電圧(ηanode)=0[V]とし、1/2O2+2H++2e-→H2Oの反応の標準電極電位(E0)=1.23[V]とし、式からカソード過電圧(ηcathode)[V]を測定した。
ηcathode =E0− E ηIR −ηanode
(ηanode=0、E0=1.23)
各電流密度[A/cm2]におけるカソード過電圧(ηcathode)[V]は、以下の通りである。
表2
Figure 0004999039
また、測定したカソード過電圧(ηcathode)を負の値としてX軸にとり、流した電流密度(I)[A/cm2]の対数(log10I)をY軸にとり、図1を作成した。
ここで、交換電流密度(i0)は、ηcathode=0のときのI(電流密度)の値から求めることができる。






図1
Figure 0004999039
図1の交換電流密度(i0)を、以下の表3に示す。
表3
Figure 0004999039
その結果、実施例3及び4の燃料電池(1)及び(2)は、従来の比較例2の燃料電池(3)と同等の発電効率を有することがわかった。また、実施例4の燃料電池(2)は、実施例3の燃料電池(1)と比較してi0が大きくカソード過電圧が小さいことがわかった。これは実施例4のイオン伝導性結着剤の分子量が、実施例3と比較して低いため、触媒の一次細孔に入り込み、触媒の反応への利用率が向上したためである。
(2)燃料電池の出力測定
燃料電池(1)及び(2)の出力を測定するため、所定の電流密度のときの電圧を測定した。上記実施例3及び4で得られた各燃料電池(1)及び(2)のカソードに酸素(200ml/分)、アノードに水素(200ml/分)を流し、80℃の条件で、燃料電池測定装置(Scribner 850B)を用いて電位-電流特性を測定した。電流は、0〜8Aの間で変化させた。その結果を図2に示す。









図2
Figure 0004999039
図2に示されるように、燃料電池(1)及び(2)は、いずれも高い電圧を示し、高出力の燃料電池であることがわかった。また、実施例4の燃料電池(2)のほうが、実施例3の燃料電池(1)よりも、特に、電流密度が300以下の場合に高出力であることがわかった。これは、実施例4の燃料電池(2)は、実施例3の燃料電池(1)と比較して、カソード過電圧が低いことを示している。
(3)二次細孔
上記実施例4及び比較例2で得られた各燃料電池(2)及び(3)で使用する電極中の触媒層の二次細孔を以下のようにして測定した。
二次細孔は、ASTM F316-86、JIS K 3832に準拠する多孔質材料自動細孔径分布測定器を用い、バブルポイント法で測定した。
測定機器:
多孔質材料自動細孔径分布測定器Perm-Porometer(POROUS MATERIAL INC.製)
測定条件:
平均流量直径圧力:5.28KPA
平均流量直径:0.8505μm
バブルポイント圧力:12.291KPA
バブルポイント細孔直径:3.6548μm
使用試薬:Galwick
測定された各二次細孔の分布を図3〜図4に示す。







図3

Figure 0004999039
図4
Figure 0004999039
図3及び4からわかるように、実施例2で作製したイオン伝導性結着剤を利用した燃料電池(2)(実施例4)は、比較例1のイオン伝導性結着剤を利用した燃料電池(3)(比較例2)と同様に、0.2〜0.4μmに二次細孔径のピークを有する。従って、本発明の燃料電池は、触媒層中に触媒、反応ガス及び電解質膜の三相が共存し得る三相界面を有することが確認できた。

Claims (3)

  1. 式:
    Figure 0004999039
    (式中、m=50、n=50)
    で表される基を有するポリエーテルスルホン(1)又は式:
    Figure 0004999039
    (式中、m=50、n=50)
    で表される基を有するポリエーテルスルホン(2)を含むことを特徴とする、イオン伝導性結着剤。
  2. 請求項1に記載のイオン伝導性結着剤と、該イオン伝導性結着剤によって結着された触媒とを含む多孔質触媒層を有する膜−電極接合体であって、前記多孔質触媒層の孔径が0 .04〜1μmであることを特徴とする、膜−電極接合体。
  3. 請求項に記載の膜−電極接合体を用いた燃料電池。
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