JP4998351B2 - 操作量検出装置およびパーキングブレーキ自動解除装置 - Google Patents

操作量検出装置およびパーキングブレーキ自動解除装置 Download PDF

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Description

本発明は、操作量センサを備え、ペダル,レバー等の操作部材の操作量を検出する装置および操作量検出装置を備えたパーキングブレーキ自動解除装置に関するものであり、特に、操作量センサの異常検出に関するものである。
操作量検出装置は、下記の特許文献1〜4に記載されているように、例えば、車両のブレーキシステムやエンジンシステムに設けられる。特許文献1に記載のブレーキシステムにおいては、各種スイッチの設定状態および各種センサの出力状態に応じて制動力保持装置が制御され、自動的に制動力保持状態とされ、制動力保持状態が自動的に解除されるようにされている。制動力保持状態の解除にはクラッチペダルの踏込み量を検出するクラッチストロークセンサの出力信号が使用される。クラッチストロークセンサは、クラッチペダルの踏込み量に応じた信号を出力するように構成され、その出力信号に基づいて、クラッチが接続状態にあるか、非接続状態にあるかがわかり、クラッチペダルが踏み込まれ、クラッチストロークセンサの出力値がクラッチの非接続状態における値となった後、クラッチペダルが戻され、クラッチの接続状態における値になれば、制動力保持状態が自動的に解除される。
また、特許文献2に記載のブレーキシステムにおいては、ストロークセンサが2つ設けられ、ブレーキペダルの踏込みストロークが検出されるようにされている。これらストロークセンサの一方は踏込みストロークの増大に伴って出力電圧が増大するものとされ、他方は減少するものとされており、これらストロークセンサの各出力電圧に基づいて目標減速度が演算される。このブレーキシステムにおいては、ストロークセンサの異常が判定されるようにされている。2つの出力電圧の各微分値の和の絶対値を基準値と比較し、基準値を超えていれば、2つのストロークセンサの少なくとも一方が異常と判定され、出力電圧が目標減速度の演算に使用されず、警報が発せられるようにされているのである。
特開平10−329706号公報 特開2000−249577公報 特開平5−26085号公報 特開2002−349314公報
しかしながら、ストロークセンサの出力値に基づいて、その異常検出を行う場合、誘導ノイズ等外来のノイズにより誤って異常が検出される可能性がある。例えば、2つのストロークセンサの各出力値が同じ位相に変動すれば、誤って異常が検出される可能性があるのである。
それに対し、従来、操作量センサの出力値の異常が設定時間継続した場合、異常として検出することが行われている。このようにすれば、操作量センサの出力値が異常でも、その異常が設定時間継続しない限り、異常とされず、外来ノイズのように突発的に発生する異常は異常として検出されないため、操作量センサが誤って異常とされることが防止されるのである。しかし、何らかの理由で短時間、単発的に発生する異常による操作量センサの異常を検出することができない問題がある。例えば、クラッチペダルは操作速度が速く、特に、踏込み速度が早いため、クラッチペダルの操作量を検出するセンサの異常が操作中に発生する異常であれば、検出されない場合があるのである。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、操作量センサの異常の誤検出を防止しつつ、発生時間が短い異常による操作量センサの異常を検出することができる操作量検出装置およびその操作量検出装置を備えた装置、例えば、パーキングブレーキ自動解除装置を提供することを課題とする。
上記の課題は、操作量検出装置を、(A)原位置と操作端との間で往復操作される操作部材の操作量に応じた大きさの出力値を出力する操作量センサと、(B)その操作量センサの前記出力値が異常な値である出力値異常を検出する出力値異常検出部と、(C)前記操作量センサにより、前記操作部材の前記原位置と前記操作端とにそれぞれ対応して設定された第1検出領域および第2検出領域の一方が、それら第1検出領域および第2検出領域の他方が一旦検出された後に検出される状態になった場合に、前記操作部材の1往復の操作を検出する1往復検出部と、(D)カウンタと、(E)前記出力値異常検出部が前記出力値異常を検出した場合に前記カウンタのカウント値を増加させるが、前記1往復検出部により検出される前記操作部材の1往復操作に対して前記出力値異常検出部が前記出力値異常を複数回検出してもカウント値を2以上は増加させないカウントアップ部と、(F)カウンタのカウント値が設定カウント値に達した場合に前記操作量センサが異常であると判定する異常判定部とを含むものとすることにより解決される。
本発明は、操作量センサの異常を検出する異常検出装置に係る発明であるとも、操作量センサが異常ではないのに異常が検出される異常誤検出を防止する異常誤検出防止装置に係る発明であるとも考えることができる。
操作量には、例えば、操作角度あるいは操作ストロークがある。
出力値異常の検出は、操作部材が操作されていない非操作時も含めて常時行われてもよく、操作中にのみ行われてもよい。検出されるべき出力値異常が操作部材の操作中に生じる異常であれば、少なくとも操作中に出力値異常の検出が行われればよい。ただし、操作部材が操作端へ操作された状態に維持されることがあっても、操作中であると考えることとする。
1往復操作は、操作部材が操作されて動かされている状態と、操作部材が動かされず、原位置あるいは操作端において停止させられている状態との両方を含む操作と考えてもよく、操作部材が操作されて動かされている状態のみを含む操作と考えてもよい。
操作部材の操作は、原位置から操作端に向かって開始され、原位置に戻されて終了するが、必ずしも操作端まで操作されなくてもよい。少なくとも、その操作部材の操作の目的が達せられる位置まで操作されて戻されれば1往復操作が行われたものとする。また、操作部材が1往復操作されたことは、原位置を認定点として認定されるようにしても、操作端側に設定された操作端側領域の1点を認定点として認定されるようにしてもよい。
上記の課題はまた、車両を制動する作用状態と制動しない解除状態とに切り換え可能なパーキングブレーキを自動で前記解除状態とする装置を、(a)請求項1に記載の操作量検出装置であって、操作部材が、車両のクラッチを接続状態と切断状態とに切り換えるために操作されるクラッチペダルである操作量検出装置と、(b)その操作量検出装置により検出された前記クラッチペダルの操作量に基づいて、クラッチペダルの前記操作端から前記原位置への操作である接続操作を検出する接続操作検出部と、(c)少なくとも、その接続状態検出部による前記接続操作の検出に基づいて、パーキングブレーキを自動で解除状態とするブレーキ解除部とを含むものとすることにより解決される。
操作量センサが異常であり、その異常が1往復操作中に発生すれば、出力値異常検出部により検出され、発生時間が短い異常でも検出され、カウントアップ部によりカウントされる。出力値異常が検出される場合、1往復操作中に1回のみ検出される場合もあれば、複数回検出される場合もあるが、1往復検出部により検出される操作部材の1往復操作に対してカウント値は2以上は増加させられず、1往復操作に対して検出された異常は1回しかカウントされない。また、1往復操作に対して出力値異常が検出されない場合、カウント値は増加させられず、異常のカウントは行われない。したがって、例えば、操作部材が3往復操作させられ、1,2回目の往復操作時には異常が検出されないが、3回目の往復操作に対して異常が検出された場合、出力値異常は、往復操作数と等しい回数である3回カウントされるのではなく、出力値異常の検出と対応する1往復操作についてのみカウントされる。このカウント数は1であり、操作部材の1往復操作に対して、例えば、ノイズにより多数回、出力値異常が検出されても、それらが全部、カウントされることはなく、出力値異常検出回数が不適切に設定カウント値に達することが防止され、操作量センサ異常の誤判定が防止されつつ、短時間の異常によるセンサ異常が検出される。
操作量センサが実際に異常であれば、カウント値が設定カウント値に達し、操作量センサの異常が検出される。カウント値が設定カウント値に達するまでは操作量センサが異常とは判定されないのであるが、実際に異常であれば、操作部材が1往復操作される毎に異常が検出されてカウントされ、設定カウント値の適切な設定により、誤判定を回避しつつ、操作量センサの異常を遅れ少なく検出することができる。
本発明に係るパーキングブレーキ自動解除装置には、例えば、操作量検出装置の異常判定部により操作量センサが出力値異常である旨の判定が行われた場合にはその旨を報知する報知部を設けたり、操作量検出装置の異常判定部により操作量センサが出力値異常である旨の判定が行われていない場合にはブレーキ自動解除部の作動を許容し、異常である旨の判定が行われている場合にはブレーキ自動解除部の作動を禁止する解除禁止部を設けたりすることができる。
例えば、登坂路において、クラッチペダルが操作されてクラッチが切断状態とされるとともに、パーキングブレーキが作用状態とされている状態から、前記クラッチが接続状態とされる際に、パーキングブレーキが自動的に解除されるようにすることにより、運転者が手動でパーキングブレーキを解除しなくてよく、操作の負担が軽減されるのであるが、操作量センサの異常誤判定が回避されれば、例えば、誤ってパーキングブレーキの自動解除が禁止されることがなくなり、パーキングブレーキ自動解除装置の使い勝手が向上する。
パーキングブレーキの自動解除は、クラッチペダルの踏込みを解除する操作が行われ、クラッチを切断状態から接続状態に切り換える接続操作時に行われればよいが、適切な時期に行われることが望ましく、例えば、クラッチがちょうど接続されつつある状態で行われるようにされる。また、例えば、クラッチの接続部分の摩耗により、クラッチペダルの接続操作におけるクラッチの接続時期がずれてきた場合には、その接続時期を検出するためのクラッチペダルの操作量が調整されることが望ましい。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、特許請求の範囲に記載された発明である本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むことある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載,従来技術等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、(7)項が請求項1に相当し、(8)項が請求項2に、(4)項が請求項3に、(12)項が請求項4に、(13)項が請求項5にそれぞれ相当する。
(1)原位置と操作端との間で往復操作される操作部材の操作量に応じた大きさの出力値を出力する操作量センサと、
その操作量センサの前記出力値が異常な値である出力値異常を検出する出力値異常検出部と、
カウンタと、
前記出力値異常検出部が前記出力値異常を検出した場合に前記カウンタのカウント値を増加させるが、前記操作部材の1往復操作に対して前記出力値異常検出部が前記出力値異常を複数回検出してもカウント値を2以上は増加させないカウントアップ部と、
前記カウンタのカウント値が設定カウント値に達した場合に前記操作量センサが異常であると判定する異常判定部と
を含む操作量検出装置。
(2)前記カウントアップ部が、前記操作部材の1往復操作の終了後、次の1往復操作が終了するまでの間に前記出力値異常検出部が前記出力値異常を設定回数以上検出した場合にカウント値を1増加させるものである(1)項に記載の操作量検出装置。
設定回数は1回でもよく、あるいは2回でもよく、3回以上でもよい。例えば、操作部材は1往復操作時に必ず、同じ操作経路を2回通る。そのため、その操作経路中のある1箇所でノイズに起因しない出力値異常が発生する場合は、往時と復時との両方で出力値異常が発生することが多い。そこで、1往復操作中に出力値異常検出部が1回出力値異常を検出するのみではカウントアップ部がカウンタのカウント値を増加させず、2回以上出力値異常を検出してはじめてカウント値を増加させるようにすることにより、ノイズに起因しない出力値異常の発生をより高い信頼性を以て検出することができる。あるいは、1往復操作の操作経路を予め複数の領域に分割しておき、カウントアップ部を、それら領域の各々において出力値異常検出部が1回以上出力値異常を検出した場合にカウント値を1増加させる下位カウンタおよび下位カウントアップ部を含むものとし、下位カウンタのカウント値が設定値以上である場合に、カウントアップ部がカウンタ(上記下位カウントアップ部および下位カウンタとの対比において上位カウントアップ部および上位カウンタと称すべきものとなる)のカウント値を1増加させるものとすることもできる。その場合、操作経路の分割は、往経路と復経路との2つとしたり、さらに多くの数の領域に分割したりすることができる。1往復操作中に出力値異常が2回以上検出されてはじめてカウント値が増加させられる場合にも、カウントアップ部は下位カウンタおよび下位カウントアップ部を含むものとされる。
操作部材の操作は、操作部材が原位置に位置する状態で終了させられ、本項に記載の操作量検出装置においては、操作部材の1往復操作は原位置を始点として行われる。そのため、本項に記載の操作量検出装置においては、操作部材が操作端から原位置へ戻り、原位置に位置すると見なすことができる状態になれば、すなわち操作部材が操作されていないとすることができる位置に至れば、1往復操作が行われたとされ、出力値異常をカウントすることができるようになり、その後、出力値異常が検出されれば、直ちにカウントされる。したがって、操作部材が1往復操作される間に出力値異常が検出されたか否かが記憶されるようにしなくて済む。
ただし、1往復操作の間における出力値異常検出を記憶するメモリあるいはカウンタを設け、1往復操作の終了後、その1往復操作の間に検出された出力値異常検出の回数が設定回数以上であればカウントアップ部がカウンタのカウント値を1増加させるようにしてもよい。設定回数が1回であれば、メモリが設けられればよく、2回以上であれば、カウンタが設けられる。
(3)前記カウントアップ部が、前記操作部材が前記原位置側に設定された原位置側領域から前記操作端側に設定された操作端側領域に向かって操作され、前記原位置側領域から出外れた時点と、一旦前記操作端側領域まで操作され、前記原位置側領域まで戻された後、再び操作端側領域に向かって前記原位置側領域から出外れるまで操作された時点との間に、前記出力値異常検出部が前記出力値異常を設定回数以上検出した場合にカウント値を1増加させるものである(1)項に記載の操作量検出装置。
本項に記載の操作量検出装置において操作部材の1往復操作は、原位置側領域から出外れた時点を認定点として認定される。操作部材の原位置および操作端はそれぞれ、機械的にあるいは電気的に決められる位置であり、原位置側領域は、操作部材が原位置に位置し、非操作状態にあると見なすことができる領域であって、原位置および原位置に近接する位置を含む領域である。操作部材は、原位置側領域から出外れた時点では、ほぼ原位置側領域の操作端側境界に位置し、原位置に位置すると見なすことができる。また、操作端側領域は、操作部材が操作の目的が達せられるまで操作されたと見なすことができる領域であって、操作部材により操作される***作装置ないし作動装置に、操作部材が操作端に位置する状態での***作状態ないし作動状態が得られる領域である。
本項に記載の操作量検出装置においては、操作部材の1往復操作の途中における出力値異常の発生がメモリに記憶され、あるいは出力値異常の発生回数(出力値異常検出部による検出回数)が下位カウンタおよび下位カウントアップ部によりカウントされ、操作部材の1往復操作の開始時に、メモリに1回の出力値異常が記憶されており、あるいは下位カウンタのカウント値が設定値以上であれば、カウントアップ部およびカウンタ(上記下位カウントアップ部および下位カウンタとの対比において上位カウントアップ部および上位カウンタと称すべきものとなる)によるカウント値の1増加が行われる。
(2)項について行った「1往復操作中に出力値異常検出部が1回出力値異常を検出するのみではカウントアップ部がカウンタのカウント値を増加させず、2回以上出力値異常を検出してはじめてカウント値を増加させるようにすること」に関する説明は本項についても当てはまる。ただし、操作経路の分割は原位置側領域から出外れる位置を基準として行われる。例えば、操作経路が、原位置側領域から出外れる位置と操作端側領域から出外れる位置とで2分割されるのである。
なお、1往復操作の開始後、その1往復操作が終了するまでの間に下位カウンタのカウント値が設定値以上になった場合に、カウントアップ部によるカウントアップが行われるようにしてもよい。
(4)さらに、前記出力値異常検出部が前記出力値異常を検出しない場合に、前記カウンタのカウント値を、前記操作部材の設定往復操作数につき1だけ減じさせるカウントダウン部を含む(1)ないし(3)項のいずれかに記載の操作量検出装置。
例えば、ノイズによる出力値異常等、操作量センサが異常ではないにもかかわらず生じる異常は、偶発的に生じ、1往復操作毎に生じるとは限らない。したがって、出力値異常が検出されない場合、操作量センサは異常でないと見なしてもよく、カウント値が減じられることにより、操作量センサの異常によらない出力値異常のカウントアップが抑制され、操作量センサの異常の誤検出がより確実に防止される。
設定往復操作数は1でもよく、2以上でもよい。設定往復操作数を多くするほど、操作量センサが正常であることに基づいてカウントダウンが行われる確率が低くなり、センサ異常が検出され易くなる。逆に、設定往復操作数を少なくするほど、センサ異常の誤検出が防止され易くなる。
(5)前記カウントダウン部が、前記操作部材の1往復操作の終了後、次の1往復操作が終了するまでの間に前記出力値異常検出部が前記出力値異常を検出しなかった場合に前記カウンタに前記カウント値を1減じさせるものである(4)項に記載の操作量検出装置。
カウントダウンは次の1往復操作の終了後に行われる。本項の操作量検出装置においては、出力値異常が検出されることなく、操作部材の1往復操作が行われる毎に1回、カウントダウンが行われる。
(6)前記カウントダウン部が、前記操作部材が前記原位置側に設定された原位置側領域から前記操作端側に設定された操作端側領域に向かって操作され、前記原位置側領域から出外れた時点と、一旦前記操作端側領域まで操作され、前記原位置側領域まで戻された後、再び操作端側領域に向かって前記原位置側領域から出外れるまで操作された時点との間に、前記出力値異常検出部が前記出力値異常を検出しなかった場合に、前記カウンタに前記カウント値を1減じさせるものである(4)項に記載の操作量検出装置。
カウントダウンは、操作部材の1往復操作の開始時に行われ、操作部材がほぼ原位置に位置する状態で行われる。
本項が(3)項に従属する態様においては、カウンタのカウント値の増加と減少とを操作部材が同じ位置に位置する状態で行うことができる。
(7)前記操作量センサにより、前記操作部材の前記原位置と前記操作端とにそれぞれ対応して設定された前記操作量センサの第1検出領域および第2検出領域の一方が、それら第1検出領域および第2検出領域の他方が一旦検出された後に検出される状態になった場合に、前記操作部材の1往復の操作を検出する1往復検出部を含む(1)項または(4)項に記載の操作量検出装置。
第1検出領域は、操作部材の原位置側領域に対応して設定され、第2検出領域は、操作端側領域に対応して設定される。
操作部材が1往復操作されたとするためには、1往復操作の認定点側から反対側へ至り、認定点側へ戻ることが必要であり、認定点側に位置する状態で、認定点側とは反対側に位置したことが検出されていれば、操作部材が1往復させられたとすることができる。
(8)前記1往復検出部が、
前記操作量センサの前記第1検出領域の検出に応じてオン,オフの一方とされ、前記第2検出領域の検出に応じてオン,オフの他方とされる第1フラグと、
前記操作量センサが前記第1検出領域を検出している状態で前記第1フラグがオン,オフの前記他方とされていれば、前記操作部材の1往復の操作が行われたと判定する1往復判定部と
を含む(7)項に記載の操作量検出装置。
操作部材の1往復の操作が行われたことを、フラグを用いて容易に判定することができる。
(9)前記1往復判定部により前記操作部材の1往復の操作が行われたと判定されるのに伴ってオン,オフの一方とされ、前記カウンタの前記カウント値が1増加させられる毎にオン,オフの他方とされる第2フラグを含み、前記カウントアップ部が、前記第2フラグが前記オン,オフの前記一方とされていない限り前記カウンタのカウント値を増加させない(8)項に記載の操作量検出装置。
操作部材の1往復操作が次に検出されるまで、第2フラグがオン,オフの一方にされないため、出力値異常がカウントされず、1往復操作に対して1回、出力値異常の検出回数が増加させられることが保証される。
(10)前記出力値異常検出部が、前記操作量センサの出力値が異常領域に属する値である場合に前記出力値異常を検出する(1)項ないし(9)項のいずれかに記載の操作量検出装置。
(11)前記操作量センサが、前記操作部材の操作量が増大するのに伴って値が増加する第1出力と値が減少する第2出力とであってそれら両出力の値の和が常時設定出力値となるものを出力する2出力型センサであり、前記出力値異常検出部が、(a)前記第1出力と前記第2出力との値の和と前記設定出力値との差の絶対値が設定差以上である場合に前記出力値異常を検出する第1出力値異常検出部と、(b)前記第1出力と前記第2出力との少なくとも一方の値が異常領域に属する場合に前記出力値異常を検出する第2出力値異常検出部との少なくとも一方を含む(1)項ないし(9)項のいずれかに記載の操作量検出装置。
操作量センサを2つ用いて出力値異常を検出すれば、より確実に出力値異常を検出することができる。
(12)前記操作部材が、車両のクラッチを接続状態と切断状態とに切り換えるために操作されるクラッチペダルである(1)項ないし(11)項のいずれかに記載の操作量検出装置。
クラッチは、クラッチペダルがほぼ原位置に位置し、原位置側領域に位置する状態で接続状態とされ、クラッチペダルが操作端側領域に位置する状態で切断状態とされる。
クラッチペダルの操作によりクラッチが接続状態と切断状態とに切り換えられるが、その操作量は、種々に利用することができ、操作量センサの異常の誤検出が防止されるようにすることは、操作量の利用の上で有効である。
(13)車両を制動する作用状態と制動しない解除状態とに切り換え可能なパーキングブレーキを自動で前記解除状態とする装置であって、
(12)項に記載の操作量検出装置と、
その操作量検出装置により検出された前記クラッチペダルの操作量に基づいて、前記クラッチペダルの前記操作端から前記原位置への操作である接続操作を検出する接続操作検出部と、
少なくとも、その接続操作検出部による前記接続操作の検出に基づいて、前記パーキングブレーキを自動で前記解除状態とするブレーキ解除部と
を含むパーキングブレーキ自動解除装置。
(14)車両のエンジンへのフュエルの供給を断つフュエルカット部を備え、前記車両のクラッチが切られた際に前記エンジンの吹き上がりが発生することを防止するために前記フュエルカット部を作動させるフュエルカット装置であって、
(12)に記載の操作量検出装置と、
その操作量検出装置により検出された前記クラッチペダルの操作量に基づいて、前記クラッチペダルの前記原位置から前記操作端への操作である切断操作を検出する切断操作検出部と、
少なくとも、その切断操作検出部による前記切断操作の検出に基づいて、前記フュエルカット部にフュエルの供給を断たせるフュエルカット制御部と
を含むフュエルカット装置。
本項のフュエルカット装置においても、前記パーキングブレーキ自動解除装置と同様に、報知部を設けたり、操作量検出装置の異常判定部により操作量センサが出力値異常である旨の判定が行われていない場合にはフュエルカット制御部の作動を許容し、異常である旨の判定が行われている場合にはフュエルカット制御部の作動を禁止するフュエルカット制御禁止部を設けたりすることができる。
フュエルカットは、クラッチペダルの踏込み操作が行われ、クラッチを接続状態から切断状態に切り換える切断操作時に行われればよいが、適切な時期に行われることが望ましく、例えば、クラッチが完全に切断される前に行われるようにされる。フュエルカット装置についても、フュエルカット実行条件の成立の可否を判定するためのクラッチペダルの操作量は適切な量に調整されることが望ましい。
以下、請求可能発明のいくつかの実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、上記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
図1に請求可能発明に係る操作量検出装置の実施例であるクラッチペダル踏込み角度検出装置を含むパーキングブレーキ自動解除装置を備えた電動パーキングブレーキシステムが概略的に図示されている。図1において、符号10は駆動源たる電動モータを示し、符号12はクラッチ付き運動変換機構を示す。本電動モータ10は、デューティ制御が可能な電動モータにより構成され、例えば、ブラシレス直流モータにより構成される。クラッチ付き運動変換機構12は、ギヤ列,一方向クラッチおよびねじ機構等を備え、ねじ機構により、電動モータ10の出力軸の回転を出力部材の直線運動に変換するとともに、一方向クラッチにより、出力部材に加えられる力によって電動モータ10が回転させられることを防止する。
また、符号14,16は左右後輪を示し、符号18,20は車輪14,16にそれぞれ設けられたパーキングブレーキを示す。本電動パーキングブレーキシステムが設けられた車両は後輪駆動の車両であり、駆動輪である左右後輪14,16にそれぞれパーキングブレーキが設けられる。パーキングブレーキ18,20とクラッチ付き運動変換機構12とは、それぞれ、ケーブル22,24によって連結されている。ケーブル22,24が、電動モータ10の作動により引っ張られると、パーキングブレーキ18,20が作用する状態とされる。本実施例においては、電動モータ10,クラッチ付き運動変換機構12,ケーブル22,24,パーキングブレーキ18,20等により電動パーキングブレーキ30が構成されている。
パーキングブレーキ18,20は、図示は省略するが、本実施例においては、デュオサーボ型のドラムブレーキとされている。これらドラムブレーキは、サービスブレーキを構成するディスクブレーキのブレーキディスクの内周側に設けられている。前記クラッチ付き運動変換機構12およびパーキングブレーキ18,20は、未だ公開されていないが、本出願人の出願に係る特願2006−251796の明細書に記載されており、詳細な図示および説明を省略する。
電動パーキングブレーキ30は、図1に示す制御装置たるパーキングブレーキ(PKB)ECU(電子制御ユニット)50により制御される。パーキングブレーキECU50は、入出力部52,実行部54および記憶部56を備え、実行部54にはカウンタ57およびタイマ59が設けられ、入出力部52にはパーキングブレーキスイッチ58(以後、PKBスイッチ58と略記する),張力センサ60および報知装置61が接続されている。
本PKBスイッチ58は手動操作スイッチとされ、図2および図3に示すように、例えば、インストルメントパネル62に回動可能に設けられ、ロック側操作部64およびリリース側操作部66を備え、図2に実線で示すOFF位置と、一点鎖線で示すロック位置と、二点鎖線で示すリリース位置とに選択的に位置させられるとともに、操作力が加えられない状態では自動的にOFF位置に戻る自動復帰型のスイッチとされている。
PKBスイッチ58はOFF位置に位置する状態ではOFF信号を出力する。PKBスイッチ58は、図3に示すロック側操作部64が押されれば、ロック位置へ回動させられてロック信号を出力し、それに基づいて電動パーキングブレーキ30が作用させられる。また、PKBスイッチ58のリリース側操作部66が押されれば、PKBスイッチ58はリリース位置へ回動させられてリリース信号を出力する。
本電動パーキングブレーキ30は、ロック信号の出力に基づいて作用させられるが、車両の駐車のために電動パーキングブレーキ30が作用させられた状態では、PKBスイッチ58が、操作力が加えられなくなってOFF位置へ戻っても電動パーキングブレーキ30の作用は解除されず、運転者がPKBスイッチ58をリリース位置へ回動させ、リリース信号を出力させることにより、電動パーキングブレーキ30の作用を手動で解除することができる。また、走行中にPKBスイッチ58がロック側操作部64へ押されれば、電動パーキングブレーキ30が作用させられるが、この作用は、PKBスイッチ58がOFF位置へ復帰し、OFF信号が出力されることにより解除される。
また、前記報知装置61は、例えば、音声、文字,図形等の画像、ランプの点灯,点滅の少なくとも1つにより、後述するクラッチペダル角センサの異常を報知するものとされている。
入出力部52にはまた、図1に示すように、駆動回路70を介して前記電動モータ10が接続され、駆動される。入出力部52にはさらに、CAN(Car Area Network)72が接続され、それにより、パーキングブレーキECU50とスキッドコントロールコンピュータ74およびエンジンコントロールコンピュータ76等との間で通信が行われる。スキッドコントロールコンピュータ74には、車輪速センサ78,前後Gセンサ80等、各種センサの検出信号等が入力され、それらに基づいてブレーキアクチュエータ82等を制御し、制動制御,アンチロック制御,ビークルスタビリティ制御等を行う。スキッドコントロールコンピュータ74からパーキングブレーキECU50へは、例えば、車両の走行速度(以後、車速と略称する)が供給される。
本エンジンコントロールコンピュータ76は、図1に示すように、エンジン制御部90およびトランスミッション制御部92を含み、シフト位置センサ94,アクセルペダル96の操作量である踏込み角度を検出するアクセルペダル角センサ98,操作部材たるクラッチペダル100の操作量である踏込み角度を検出する操作量センサたるクラッチペダル角センサ102,104,スロットルポジションセンサ(図示省略)等、各種センサの検出信号が入力され、それらに基づいて車両の駆動源たるエンジン106およびトランスミッション108を含む駆動装置110を制御し、左右後輪14,16が回転駆動される。
クラッチペダル100は車体に回動可能に取り付けられ、運転者により踏込み操作されて車両のクラッチを接続状態と切断状態とに切り換える。クラッチペダル角センサ102,104はいずれも、出力値として、クラッチペダル100の踏込み角度に応じた大きさの電圧を出力するように構成されているが、本実施例では、図4に示すように、一方のクラッチペダル角センサ102は、クラッチペダル100の踏込み角度が増大するのに伴って出力電圧が増加し、他方のクラッチペダル角センサ104は、出力電圧が減少するとともに、それら出力電圧の和が常時設定電圧となるように構成されている。クラッチペダル角センサ102,104は、2出力型センサである。
クラッチペダル100は、原位置と、操作端である踏込み端との間で往復操作される。原位置は、クラッチペダル100が踏込み操作されていない状態における位置であって非踏込位置であり、クラッチが接続状態とされ、踏込み端は、クラッチペダル100が限界まで踏み込まれた位置であり、クラッチが切断状態とされる。これら原位置および踏込み端はそれぞれ、例えば、ストッパを用いて機械的に規定され、ストッパは、例えば、クラッチペダル100に当接して、その移動端を規定するものとされる。
クラッチペダル角センサ102,104は、それらの出力可能な電圧のうちの一部により、クラッチペダル100の踏込み角度を検出するものとされている。図4に示すように、センサ102,104は、それらの出力可能な最小電圧をVmin、最大電圧をVmaxとすれば、最小電圧Vminより大きい値を下限値V1とし、最大電圧Vmaxより小さい値を上限値V2とする範囲で使用されるのであり、クラッチペダル角センサ102については、クラッチペダル100が原位置に位置する状態において出力電圧が下限値V1となり、クラッチペダル100が踏込み端まで踏み込まれた状態において出力電圧が上限値V2となるようにされている。また、クラッチペダル角センサ104については、クラッチペダル100が原位置に位置する状態において出力電圧が上限値V2となり、クラッチペダル100が踏込み端まで踏み込まれた状態において出力電圧が下限値V1となるようにされている。センサ102,104の各出力電圧の和である前記設定電圧は、本実施例では最大電圧Vmaxと等しい大きさとされ、上限値V2および下限値V1は、それらの和が最大電圧Vmaxとなる。また、出力電圧が上限値V2より大きい設定値を最大電圧Vmax側へ超える領域は上限側異常領域とされ、下限値V1より小さい設定値を最小電圧Vmin側へ超える領域は下限側異常領域とされている。
さらに、パーキングブレーキECU50の記憶部56には、図示を省略するメインルーチン,電動パーキングブレーキ30を制御するための電動パーキングブレーキ制御ルーチン,図7にフローチャートで表す第1クラッチペダル角センサ異常検出ルーチン等が記憶させられている。
本電動パーキングブレーキシステムにおいて電動パーキングブレーキ30による車両の制動は、前記特願2006−251796の明細書に記載の電動パーキングブレーキと同様に行われ、簡単に説明する。電動パーキングブレーキ30は、車両の駐車時ないし停止時あるいは走行時に作用させられる。電動パーキングブレーキ30による車両の駐車制御を説明すれば、この制御は、車速が設定車速以下の状態でPKBスイッチ58がロック位置に操作されることにより開始される。ロック信号の出力に基づいて電動モータ10が起動され、一対のブレーキシューがブレーキドラムに駐車時作動力で押圧される。駐車時作動力は、例えば、路面の勾配に応じて設定され、記憶部56に記憶させられている。そして、張力センサ60により検出されるケーブル22,24の張力に基づいて電動モータ10への電流供給が制御され、所定の駐車時作動力で電動パーキングブレーキ30が作用させられ、車両が制動されて停車状態に維持される。この作動力は、電動モータ10への電流供給が遮断されても維持され、ブレーキシューがブレーキドラムに押し付けられた状態に保たれる。そして、PKBスイッチ58がOFF位置へ戻っても駐車制御が続けて行われる。
この駐車制御時における電動パーキングブレーキ30の作用状態は、発車時に自動的に解除される。例えば、車両が登坂路に停車させられ、電動パーキングブレーキ30が作用状態とされている状態から発車させられる際に自動的に解除される。この自動解除は、予め設定された自動解除条件が成立した場合に行われる。自動解除条件は、本システムにおいては、アクセルペダル96が踏込み操作されていること、クラッチがちょうど切断状態から接続状態に切り換えられつつあること、およびシフトレバーの位置がロー(1速)位置であることである。クラッチペダル100が接続状態に切り換えられつつあるか否かの判定はクラッチペダル100の踏込み角度に基づいて行われ、本システムでは、2つのクラッチペダル角センサ102,104のうち、クラッチペダル100の踏込み角度の増大に伴って出力電圧が増加するクラッチペダル角センサ102の出力電圧に基づいて判定が行われる。
しかし、クラッチペダル角センサ102に異常があれば、パーキングブレーキ自動解除条件が成立したか否か(クラッチが切断状態から接続状態に切り換えられつつあるか否か)を正確に判定することができない。そのため、本電動パーキングブレーキシステムにおいては、クラッチペダル角センサ102の異常検出が行われ、異常が検出された場合には、電動パーキングブレーキ30の自動解除が禁止されるようにされている。本システムでは、この異常検出を行うために、2つのクラッチペダル角センサ102,104が設けられており、例えば、センサ102,104の各出力電圧の和と設定電圧との差の絶対値が設定差以上である場合(以後、第1出力電圧異常と称する)、あるいはクラッチペダル角センサ102,104の少なくとも一方の出力電圧が、上限側と下限側とのいずれかの異常領域に属する場合(以後、第2出力電圧異常と称する)、クラッチペダル角センサ102の出力電圧が異常であり、それらの検出により出力電圧異常が検出される。
また、クラッチペダル角センサ102の出力電圧について、図5に示すように、クラッチペダル100の原位置と踏込み端とにそれぞれ対応して、第1検出領域および第2検出領域が設定されている。第1検出領域は、クラッチペダル100の原位置に対応して設定された領域であり、クラッチペダル100が原位置に位置する状態における出力電圧V1に、正の設定比率、例えば、前記最大電圧Vmaxに、1より小さい正の設定比率aを掛けることにより得られる値v1を加減した値を上限値および下限値とする領域とされている。クラッチは、クラッチペダル100がストッパにより規定される原位置に位置する状態に限らず、原位置からやや踏込み端側へ離れた位置に位置する状態でも接続状態とされ、クラッチペダル100が原位置に位置すると見なすことができる。このクラッチペダル100が原位置に位置すると見なすことができる領域が原位置側領域であり、第1検出領域は、クラッチペダル100が原位置側領域に位置することを検出することができる範囲に設定されている。
また、第2検出領域は、クラッチペダル100の踏込み端に対応する領域であり、クラッチペダル100がストッパにより規定される踏込み端まで踏み込まれた状態における出力電圧V2を上限とし、出力電圧V2に、1より小さい正の設定比率bを掛けることにより得られる値を下限とする領域とされている。クラッチは、クラッチペダル100が踏込み端まで踏み込まれなくても、切断状態とされる。クラッチが切断状態とされたことが保証される領域がクラッチペダル100の踏込み端側領域であり、第2検出領域は、クラッチペダル100が踏込み端側領域に位置することを検出することができる範囲に設定されている。
以下、クラッチペダル角センサ102の異常検出を説明するが、クラッチペダル角センサ102の異常には、発生する機会や時間の長さが限定され、発生時間が短い異常(以後、短異常と略称する)や、一旦、発生したならば、異常原因が除かれるまで続き、発生時間が長い異常(以後、長異常と略称する)がある。クラッチペダル100の操作中であって、クラッチペダル100の移動中に現われる異常が短異常の一例である。クラッチペダル100の操作速度、特に踏込み速度は速く、操作時間が短いからである。
長異常は、例えば、設定時間を設定し、異常発生状態が設定時間続いたことを条件として検出することができるが、この異常検出条件では、短異常を検出することができない。それに対し、前記第1,第2出力電圧異常を検出条件とすれば、短異常を検出することができるが、外来ノイズ等により生じるクラッチペダル角センサ102の出力電圧異常も検出され、センサ異常が誤って検出されることがある。そこで、本システムでは、長異常によるクラッチペダル角センサ102の異常検出と、短異常によるクラッチペダル角センサ102の異常検出とが別々に行われ、いずれの異常によるクラッチペダル角センサ102の異常も検出されるとともに、誤検出が防止されるようにされている。本システムでは、長異常センサ異常検出条件は、クラッチペダル角センサ102,104の各出力電圧の和と設定電圧との差の絶対値が設定差以上である状態が設定時間継続することとされ、短異常センサ異常検出条件は、前記第1,第2出力電圧異常のいずれか一方が設定回数、生じることとされている。短異常検出回数はカウンタ57によりカウントされるのであるが、本システムにおいては、クラッチペダル100の1往復操作後、次の1往復操作が終了するまでの間に出力電圧異常が1回以上、検出された場合に、出力電圧異常が1回、カウントされるようにされている。クラッチペダル100の1往復操作に対して異常が検出されれば、カウントされるが、以後、1往復操作が終了するまで、異常が発生してもカウントされず、複数回、検出されても1回のみカウントされるのである。また、次の1往復操作が終了するまでの間に出力電圧異常が検出されなければ、カウントは行われず、カウント値は増加させられない。したがって、短異常によりセンサが異常と判定されるためには、クラッチペダル100の少なくとも設定回数の踏込みが必要であるのに対し、長異常によるセンサ異常は、クラッチペダル100の操作の有無に関係なく、発生後、設定時間が経過すれば検出され、長異常によるセンサ異常が検出されれば、クラッチペダル角センサ102の出力電圧に基づくすべての制御,作動等が禁止され、短異常によるセンサ異常の検出も行われない。換言すれば、短異常によるセンサ異常の検出は、クラッチペダル角センサ102が正常であると見なすことができる状態で行われることとなる。
短異常によるセンサ異常の検出を図6に基づいて概略的に説明する。図6においてクラッチペダル踏込みフラグ(以後、踏込みフラグと略称する)は、オンにされることにより、クラッチペダル100が踏込み端側領域まで踏み込まれたことを表し、クラッチペダル1往復フラグ(以後、1往復フラグと略称する)は、オンにされることにより、クラッチペダル100が1往復操作されたことを表す。踏込みフラグは、1往復フラグがオンにされる際にオフにされ、1往復フラグは、踏込みフラグがオンにされるのに伴ってオンにされ、異常検出回数が1増加させられる毎にオフにされる。
本システムにおいてクラッチペダル100の1往復操作は、原位置を認定点として認定され、クラッチペダル角センサ102の出力電圧に基づいて判定される。踏込み開始後、クラッチペダル角センサ102の出力電圧が第2検出領域に属する値になれば、クラッチペダル100が踏込み端側領域まで踏み込まれたことがわかり、踏込みフラグがオンにされる。その状態からクラッチペダル100が踏み戻され、クラッチペダル角センサ102の出力電圧が第1検出領域に属する値になれば、クラッチペダル100が原位置側領域に位置する状態になったことがわかるが、踏込みフラグがオンにされているため、クラッチペダル100が踏込み端側領域まで踏み込まれて戻った状態にあり、1往復操作されたことがわかり、1往復フラグがオンにされる。
それにより、以後、クラッチペダル角センサ102の出力電圧の異常が検出されれば、検出された時点で異常がカウントされる。出力電圧の異常は、クラッチペダル100が踏み込まれていない状態でも、踏込みの途中でも発生し得、いずれにおいても異常が発生し、検出されれば、カウンタ57のカウント値が1増加させられるとともに、1往復フラグがオフにされる。そのため、次にクラッチペダル100の1往復の踏込み操作および踏込み解除操作が検出され、1往復フラグがオンにされるまで、出力電圧異常が検出されてもカウント値は増加させられない。1往復フラグがオンとされていない限り、カウンタ57のカウント値が増加させられず、1往復操作の終了後、次の1往復操作が終了するまでの間に出力電圧異常が複数回、検出されても、カウントされるのは初回の1回のみであり、カウント値は1しか増加させられないのである。1往復操作が検出されていることが出力電圧異常検出回数カウントアップ許可条件であり、出力電圧の異常検出のカウントにより、出力電圧異常検出回数カウントアップ許可条件が不成立とされる。出力電圧異常検出回数カウントアップ許可条件の成立によりカウントすることができる出力電圧の異常検出回数は1回なのであり、この条件が成立しても出力電圧の異常が検出されなければ、条件は成立したままであり、その状態で出力電圧の異常が検出されることなく、クラッチペダル100が複数回、往復操作された後、出力電圧の異常が検出されれば、カウント値は1のみ増加させられる。
クラッチペダルの1往復操作の終了後、次の1往復操作が終了するまでの間に出力電圧異常が検出されなかった場合、出力電圧の異常検出回数が1、減少させられる。出力電圧の異常が検出されない限り、出力電圧の異常検出のカウントは行われず、1往復フラグがオフにされないため、1往復操作が終了した時点で既に1往復フラグがオンにされていれば、1往復操作の間に異常が検出されず、クラッチペダル角センサ102が正常であることが保証されるからである。
以下、まず、図7に示す第1クラッチペダル角センサ異常検出ルーチン等に基づいて、長異常によるクラッチペダル角センサ102の異常検出を説明する。本ルーチンを始めとし、本システムにおいて実行されるルーチンは、一定微小時間間隔で繰り返し実行される。
第1クラッチペダル角センサ異常検出ルーチンのステップ1(以後、S1と略記する。他のステップについても同じ。)においては、クラッチペダル角センサ102の出力電圧が異常であるか否かの判定が行われる。この判定は、クラッチペダル角センサ102,104の各出力電圧の和と設定電圧との差の絶対値が設定差以上であるか否かにより行われ、設定差以上でなければ、S1の判定結果はNOになってS5が実行され、タイマ59により計測される時間Tが0にリセットされる。クラッチペダル角センサ102,104の出力電圧は、エンジンコントロールコンピュータ76からパーキングブレーキECU50に供給される。
それに対し、上記差の絶対値が設定差以上であり、出力電圧異常が発生していれば、S1の判定結果がYESになってS2が実行され、計測時間Tが1増加させられる。そして、S3において計測時間Tが設定時間T1以上になったか否かの判定が行われる。なお、異常発生時間Tは、第1クラッチペダル角センサ異常検出ルーチンの実行サイクルタイムを1として計測され、設定時間T1は、クラッチペダル角センサ102が異常であると判定することができる時間を上記実行サイクルタイムによって除することにより得られる値とされ、予め設定されている。S3の判定は計測時間Tが設定時間T1に達するまでNOであり、ルーチンの実行は終了する。
クラッチペダル角センサ102の出力電圧異常が一旦、検出されても、設定時間T1が経過する前に検出されなくなれば、S5の実行により計測時間Tがリセットされ、次に異常が検出されたとき、異常発生時間が計測し直される。出力電圧異常が設定時間T1、継続して検出されれば、クラッチペダル角センサ102が異常であり、S3の判定結果がYESになってS4が実行され、異常処理が行われる。例えば、センサ異常の発生が報知装置61により報知されるとともに、クラッチペダル角センサ102により検出されるクラッチペダル100の踏込み角度に基づいて行われるすべての制御の実行が禁止される。次に説明する第2クラッチペダル角センサ異常検出ルーチンも行われない。
次に、図8に示す第2クラッチペダル角センサ異常検出ルーチンに基づいて、短異常によるクラッチペダル角センサ102の異常検出を説明する。
本ルーチンのS11においては、前記第1出力電圧異常または第2出力電圧異常が検出されているか否かの判定が行われる。第1出力電圧異常および第2出力電圧異常のいずれも検出されていなければ、S11の判定結果はNOになってS12が実行され、カウンタ57のカウント値Cntが設定カウント値、例えば、10であるか否かの判定が行われる。カウンタ57は、クラッチペダル角センサ102の出力電圧異常を計数するものであり、そのカウント値Cntは、本車両の電源投入時に行われる初期設定等において0にリセットされる。
カウント値Cntが10でなければ、S12の判定結果がNOになってS13が実行され、クラッチペダル100が踏み込まれているか否かの検出が行われる。この検出は、図9に示すクラッチペダル踏込み検出ルーチンの実行により行われる。本ルーチンのS21においては、予め定められた一方のセンサ、ここではクラッチペダル角センサ102の出力電圧が読み込まれ、第2検出領域に属する値であるか否かの判定が行われる。クラッチペダル100が踏み込まれておらず、あるいは踏込み途中、あるいは踏み戻し途中であって、踏込み端側領域から外れ、クラッチペダル角センサ102の出力電圧が第2検出領域に属する値でなければ、S21の判定結果がNOになってS14が実行される。
S14では、クラッチペダル100が1往復操作されたか否かの判定が行われる。クラッチペダル100が踏込み端側領域へ踏み込まれた後、原位置まで踏み戻されたか否かの判定が行われるのであり、この判定は、図10に示すクラッチペダル1往復判定ルーチンに基づいて行われる。本実施例では、クラッチペダル角センサ102の出力電圧が第1検出領域に属する値であり、かつ、S13においてクラッチペダル100の踏込み端側領域への踏込みが検出され、踏込みフラグがオンにされている場合に1往復操作されたとされる。S31においては、この1往復操作判定条件が成立しているか否かの判定が行われる。クラッチペダル100が踏込み端側領域まで踏み込まれておらず、あるいは踏み込まれていても原位置側領域へ戻されていなければ、1往復操作判定条件は成立せず、S31の判定結果はNOになってルーチンの実行は終了する。
第1出力電圧異常および第2出力電圧異常のいずれも検出されず、クラッチペダル100が踏み込まれない状態では、S11,S12,S21,S31が繰り返し実行される。クラッチペダル100が踏込み端側領域へ踏み込まれれば、クラッチペダル踏込み検出ルーチンのS21の判定結果がYESになってS22が実行され、踏込みフラグがオンにされる。クラッチペダル100が原位置側領域へ戻されるまで、S11,S12,S21,S31あるいはS11,S12,S21,S22,S31が実行される。
クラッチペダル100が原位置側領域へ戻されれば、クラッチペダル角センサ102の出力電圧が第1検出領域に属する値となり、クラッチペダル1往復判定ルーチンのS31の判定結果がYESになってS32が実行され、1往復フラグがオフにされているか否かの判定が行われる。1往復フラグがオフにされていれば、S32の判定結果がYESになってS33が実行され、1往復フラグがオンにされ、クラッチペダル100が1往復操作されたことが表されるようにされる。また、踏込みフラグがオフにされる。クラッチペダル100が原位置に到達しなくても、原位置側領域に入れば、クラッチペダル角センサ102の出力電圧が第1検出領域に属する値となり、クラッチペダル100の1往復操作が検出されて、出力電圧の異常検出のカウントが可能となる。踏込みフラグがオフにされるため、1往復操作判定条件が成立しなくなり、その後、S11,S12,S21,S31が実行される。
クラッチペダル100の1往復の踏込み検出後、クラッチペダル100が踏み込まれず、原位置に位置する状態で、あるいは次に踏込みが行われている状態で第1出力電圧異常または第2出力電圧異常が検出されれば、S11の判定結果がYESになってS15が実行され、1往復フラグがオンにされているか否かの判定が行われる。ここでは、クラッチペダル100の1往復の踏込みが検出されているため、S15の判定結果がYESになってS16が実行され、カウント値Cntが1増加させられて異常の検出が数えられるとともに、1往復フラグがオフにされる。そのため、次にクラッチペダル100の1往復の踏込みが検出されて1往復フラグがオンにされるまで、クラッチペダル角センサ102の出力電圧の異常が検出され、S11の判定結果がYESになってS15が実行されても、その判定結果がNOになってS16は実行されず、異常の検出はカウントされない。クラッチペダル100の1往復操作に対して、出力電圧異常が複数回検出されても、カウントされるのは1回のみなのであり、センサ異常の誤検出が防止される。
S11において第1出力電圧異常あるいは第2出力電圧異常が検出される毎に異常がカウントされれば、例えば、図12(a)に示すように、第2出力電圧異常が高周波ノイズによって発生した場合、いずれの異常もカウントされて出力電圧の異常発生回数が短時間Tmsのうちに10回に達し、センサ異常が確定されてしまうのに対し、異常が複数回発生してもクラッチペダル100の1往復操作に対して1回のみ、カウントされるのであれば、図12(b)に示すように、第2出力電圧異常が高周波ノイズによって発生しても、出力電圧異常としてカウントされるのは初回の1回のみであり、すぐにはセンサ異常と確定されず、クラッチペダル角センサ102が異常ではないにもかかわらず、異常と誤判定されることが防止されるのである。
このように1往復フラグは、クラッチペダル角センサ102の出力電圧異常が検出され、カウント値が1増加させられるまでオフにされない。そのため、クラッチペダル100の1往復の踏込みが検出された後、次に1往復の踏込みが終了したとき、1往復フラグがオンにされていれば、その1往復の間に異常が検出されなかったことが保証され、その踏込みの終了時に異常発生回数が1、減少させられる。1往復フラグがオンにされている状態で、出力電圧異常が検出されることなくクラッチペダル100が1往復させられれば、S31の判定結果がYES、S32の判定結果がNOになってS34が実行され、カウント値Cntが0より大きいか否かの判定が行われる。カウント値Cntが0であれば、減ずる値がないため、S34の判定結果がNOになってS33が実行される。それにより、カウント値Cntが負の値になることがない。また、踏込みフラグがオフにされることにより、次にクラッチペダル100が1往復操作されるまで、S31の判定結果がNOになってS32,S34,S33は実行されない。
それに対し、カウント値Cntが0より大きいのであれば、S34の判定結果がYESになってS35が実行され、カウント値Cntが1減少させられるとともに、踏込みフラグがオフにされる。クラッチペダル100が1往復操作される間に出力電圧異常が検出されなければ、先に検出された異常が実際にクラッチペダル角センサ102の異常によるものであるかが確かではなく、異常として計数されないようにされるのである。
カウント値が減じられるとき、1往復フラグはオフにされず、オンのままとされるが、踏込みフラグはS35においてオフにされるため、その後、クラッチペダル100の踏込み操作が行われ、クラッチペダル100が原位置側領域へ戻るまで、S31の判定結果はYESにならず、S32,S34,S35は実行されない。そして、次に、異常が検出されることなく、クラッチペダル100の1往復操作が検出されれば、S32の判定結果がNOになってS34が実行され、カウント値Cntが0より大きければ、S35が実行される。クラッチペダル100の1往復操作が検出され、1往復フラグがオンにされていても、カウントダウンが行われるのは、次の1往復操作が検出された場合のみであり、カウント値Cntは1往復操作につき1、減じられるのである。1往復フラグがオンにされているため、クラッチペダル角センサ102の出力電圧異常が検出されれば、S11,S15の各判定結果がYESになってS16が実行され、出力電圧の異常検出がカウントされる。
クラッチペダル角センサ102の出力電圧異常が10回、カウントされれば、第2クラッチペダル角センサ異常検出ルーチンのS12の判定結果がYESになってS17が実行され、クラッチペダル角センサ102の異常検出が確定される。この場合、本実施例では、センサ異常の発生が報知装置61により運転者に報知される。また、電動パーキングブレーキ30の自動解除が禁止される。そのため、クラッチペダル角センサ異常フラグがセットされる。
前述のように、車両駐車状態において作用させられた電動パーキングブレーキ30は、予め設定された自動解除条件の成立時に自動的に解除される。この自動解除は、図11に示すパーキングブレーキ自動解除ルーチンの実行により行われる。このルーチンは、車両駐車時ないし停止時に電動パーキングブレーキ30が作用させられている状態で実行され、S41においてクラッチペダル角センサ102が異常であるか否かの判定が行われる。この判定は、クラッチペダル角センサ異常フラグがオンにされているか否かにより行われる。
クラッチペダル角センサ102の異常が検出されておらず、クラッチペダル角センサ異常フラグがオフにされていれば、S41の判定結果がNOになってS42が実行され、クラッチペダル100の操作状態が検出される。クラッチペダル100が原位置側領域に位置するか、踏込み端側領域に位置するか、原位置から踏込み端への踏込み中であり、クラッチの切断操作中であるか、ちょうど切断されつつあるか、踏込み端から原位置への踏み戻し途中であり、クラッチの接続操作中であるか、クラッチがちょうど接続されつつあるか等が検出されるのである。この検出は、クラッチペダル角センサ102の出力電圧に基づいて行われ、出力電圧が増大し、クラッチペダル100の踏込み角度が増大しているのであれば、クラッチの切断操作中であることが検出され、減少しているのであれば、クラッチの接続操作中であることが検出される。この接続操作により、クラッチが切断状態から接続状態に切り換えられる。クラッチが切断状態から接続されつつある状態でのクラッチペダル角センサ102の出力電圧(クラッチペダル100の踏込み角度)は予め設定されている。
次いでS43が実行され、パーキングブレーキ自動解除条件が成立しているか否かの判定が行われる。パーキングブレーキ自動解除条件は、前述のように、アクセルペダル96が踏込み操作されていること、クラッチペダル100がちょうど切断状態から接続状態に切り換えられつつあること、シフトレバーがロー(1速)位置に位置させられていることであり、S42におけるクラッチペダル100の操作状態検出結果,アクセルペダル角センサ180の出力信号およびシフト位置センサ178の検出信号に基づいてS43の判定が行われる。これら信号は、エンジンコントロールコンピュータ76からパーキングブレーキECU50へ供給される。
パーキングブレーキ自動解除条件が成立していなければ、S43の判定結果はNOになってルーチンの実行は終了する。パーキングブレーキ自動解除条件が成立していれば、S43の判定結果がYESになってS44が実行され、電動パーキングブレーキ30の作用状態が自動的に解除される。自動解除時にはリリース信号が出力され、電動モータ10が電動パーキングブレーキ30を作用させる場合とは逆向きに回転させられる。それにより、ケーブル22,24が緩められ、ブレーキシューがリターンスプリングの付勢によりブレーキドラムから離間させられて、電動パーキングブレーキ30の作用状態が解除され、解除状態に切り換えられる。
それに対し、クラッチペダル角センサ102の異常が検出されていれば、S41の判定結果がYESになってS42〜S44がスキップされ、パーキングブレーキの自動解除は行われない。このようにS42〜S44が実行されないことがパーキングブレーキ自動解除の禁止であり、運転者は報知装置61によるセンサ異常の報知に基づいてPBKスイッチ58をリリース位置へ操作し、電動パーキングブレーキ30の作用状態を手動で解除する。
クラッチペダル角センサ102の出力電圧異常の報知に基づいて、例えば、クラッチペダル角センサ102,104の点検が行われ、異常原因が除去される。この際、カウンタのカウント値Cntが0にリセットされ、クラッチペダル角センサ異常フラグがオフにされる。そのため、異常が解消されるまでクラッチペダル角センサ異常フラグはオンにされたままであり、電動パーキングブレーキ30の自動解除が行われない。また、第2クラッチペダル角センサ異常検出ルーチンも実行されない。
以上の説明から明らかなように、本実施例では、踏込みフラグが第1フラグを構成し、1往復フラグが第2フラグを構成し、パーキングブレーキECU50のS11を実行する部分が第1出力電圧異常検出部および第2出力電圧異常検出部を構成し、これらが出力値異常検出部を構成し、S12を実行する部分が異常判定部を構成し、S16を実行する部分がカウントアップ部およびフラグリセット部を構成し、S35を実行する部分がカウントダウン部を構成している。また、パーキングブレーキECU50のS31を実行する部分が1往復判定部を構成し、踏込みフラグと共に1往復検出部を構成している。さらに、パーキングブレーキECU50のS42を実行する部分が操作部材操作状態検出部たるクラッチペダル操作状態検出部,接続操作検出部およびクラッチ接続状態検出部を構成し、S43およびS44を実行する部分がブレーキ解除部を構成し、パーキングブレーキECU50のS17を実行する部分および報知装置61が報知部を構成し、S41を実行する部分が解除禁止部を構成している。パーキングブレーキECU50のS43を実行する部分は、パーキングブレーキ自動解除条件成立判定部を構成すると考えることもできる。
なお、クラッチペダル1往復判定ルーチンのS34が実行されるとき、クラッチペダル角センサ102の出力電圧の異常検出回数をカウントするカウンタのカウント値Cntが0であり、S34の判定結果がNOになった場合、S33が実行されることなく、クラッチペダル1往復判定ルーチンの実行が終了し、S11が行われるようにしてもよい。
また、S34の判定結果がNOになった場合、踏込みフラグのオフのみを行うステップを設け、そのステップの実行後、クラッチペダル1往復判定ルーチンが終了するようにしてもよい。
クラッチペダル角センサの出力値異常が検出されない場合、出力値異常検出回数を減じることは不可欠ではない。この場合、クラッチペダルの1往復の踏込み判定ルーチンは、例えば、図13に示すように、図10に示すクラッチペダル1往復判定ルーチンのS31およびS33を含むルーチンとされる。
クラッチペダル100の1往復操作が検出され、1往復フラグがオンにされている状態でクラッチペダル角センサ102の異常が検出されず、さらにクラッチペダル100が1往復操作された場合、S51の判定結果がYESになってS52が実行され、1往復フラグがオンにされ、踏込みフラグがオフにされるのみであり、カウンタ57のカウント値は減じられず、変わらない。1往復フラグは既にオンにされており、S52ではオン状態に保たれるのみである。そして、異常が検出されれば、S15,S16が実行され、カウント値が1増加させられる。
クラッチペダルの1往復操作は、クラッチペダルが原位置側領域から操作端側領域へ踏み込まれる際に原位置側領域から操作端側領域へ出外れた位置を認定点として認定されてもよい。その実施例を図14ないし図16に基づいて説明する。なお、前記実施例の電動パーキングブレーキシステムの構成要素と同じ作用を成す構成要素については、同一の符号を付して説明に使用する。
クラッチペダル100は、図14に概念的に示すように、原位置側領域から操作端側領域に向かって踏み込まれるとき、図中、黒丸印で示すように、原位置側領域から出外れた位置を通った時点から、踏込み端側領域に至った後、原位置側領域へ戻され、その後、再度、踏み込まれ、原位置側領域から出外れた位置へ到達した時点までが1往復とされる。この1往復の間にクラッチペダル角センサ102の出力電圧異常が検出されれば、1往復した時点で出力電圧異常がカウントされ、カウント値が1、増加させられ、出力電圧異常が検出されなければ、カウント値が1、減じられる。クラッチペダル100が1往復させられる間におけるセンサ102の出力電圧異常の有無が記憶され、カウントアップあるいはカウントダウンがいずれも次の1往復操作の開始時に行われるのである。
図15に示すクラッチペダル角センサ異常検出ルーチンに基づいてクラッチペダル角センサの異常検出を説明する。
まず、S61において出力電圧異常フラグがオンにされているか否かが判定される。出力電圧異常フラグはオンにされることにより、クラッチペダル角センサ102の出力電圧異常が検出されたことを表す。出力電圧異常フラグがオフにされていれば、S61の判定結果はNOになってS62が実行され、前記実施例のS11と同様に第1出力電圧異常または第2出力電圧異常が検出されているか否かの判定が行われる。いずれの異常も検出されていなければ、S62の判定結果はNOになってS64が実行され、1往復フラグがオンにされているか否かが判定される。クラッチペダル100の1往復の踏込みが検出されず、1往復フラグがオフにされていれば、S64の判定結果はNOになってS65が実行され、クラッチペダル100が1往復したか否かの判定が行われる。
この判定は、図16に示すクラッチペダル1往復判定ルーチンに基づいて行われる。本実施例においては、クラッチペダル100が原位置側領域を踏込み端側領域へ出外れた位置を認定点として1往復が認定されるため、クラッチペダル100が、踏込み端側領域への踏込みが検出されている状態で、原位置側領域に位置することが検出され、その後、原位置側領域から抜け出し、出外れた位置へ到達したことが検出された場合にクラッチペダル100が1往復したと判定される。
S81では、クラッチペダル角センサ102の出力電圧Vが読み込まれる。次いでS82が実行され、踏込みフラグがセットされているか否かが判定される。クラッチペダル100が踏込み端側領域に位置する状態となるまで踏み込まれておらず、踏込みフラグがオフにされていれば、S82の判定結果はNOになってS83が実行され、クラッチペダル角センサ102の出力電圧Vが第2検出領域に属する値であるか、すなわちクラッチペダル100が踏込み端側領域まで踏み込まれたか否かの判定が行われる。クラッチペダル100が踏込み端側領域まで踏み込まれていなければ、S83の判定結果はNOになってルーチンの実行は終了する。
クラッチペダル100が踏込み端側領域内に位置する状態まで踏み込まれれば、S83の判定結果がYESになってS84が実行され、踏込みフラグがオンにされる。次いでS85が実行され、クラッチペダル角センサ102の出力電圧Vが設定電圧Va以下であるか否かの判定が行われる。設定電圧Vaは、クラッチペダル100が原位置側領域の踏込み端側領域側の境界に位置する状態に対応する電圧に設定されている。クラッチペダル100が原位置側領域へ戻されていなければ、S85の判定結果がNOになってS90が実行され、戻りフラグがオンにされているか否かが判定される。戻りフラグは、オンにされることにより、クラッチペダル100が原位置側領域に位置する状態まで戻されたことを表す。戻りフラグがオフにされていれば、S90の判定結果はNOになってS91が実行され、次に説明する第1タイマの計測時間TAが0にリセットされてルーチンの実行は終了する。
クラッチペダル100が原位置側領域へ戻されるまで、S81,S82,S85,S90,S91が繰り返し実行される。クラッチペダル100が原位置側領域内に位置する状態まで戻されれば、S85の判定結果がYESになってS86が実行され、戻りフラグがオンにされているか否かが判定される。戻りフラグがオフにされていれば、S86の判定結果がNOになってS87が実行され、第1タイマの計測時間TAが1増加させられ、クラッチペダル100が原位置側領域内に位置する時間が計測される。クラッチペダル角センサ102の出力電圧のふらつき等により、クラッチペダル100が原位置側領域内に戻されていなくても、出力電圧が設定電圧Va以下になることがある。そのため、クラッチペダル100が原位置側領域内に位置する時間が計測され、出力電圧Vが設定電圧Va以下である状態が設定時間T2続けば、クラッチペダル100が原位置側領域へ戻ったと判定されるようにされているのである。
S87の実行後、S88が実行され、計測時間Tが設定時間T2以上であるか否かの判定が行われる。この判定は設定時間T2が経過するまでNOとなり、S81,S82,S85〜S88が繰り返し実行される。設定時間T2が経過する前に出力電圧Vが設定電圧Vaより大きくなることがあれば、S85の判定結果がNO、S90の判定結果もNOになってS91が実行され、第1タイマの計測時間TAが0にリセットされて、クラッチペダル100が原位置側領域に位置する状態の時間が計測し直されるようにされる。クラッチペダル100が原位置側領域に位置する状態が設定時間T2継続すれば、クラッチペダル100は確実に原位置へ踏み戻されたと判定され、S88の判定結果がYESになってS89が実行され、戻りフラグがオンにされる。そのため、その後、再びクラッチペダル100が踏み込まれ、出力電圧Vが設定電圧Vaを超えるまで、S81,S82,S85,S86,S92が繰り返し実行される。S92においては、後述する第2タイマの計測時間TBが0にリセットされる。
クラッチペダル100が踏み込まれ、出力電圧Vが設定電圧Vaを超えれば、S85の判定結果がNOになってS90が実行されるが、戻りフラグがオンにされているため、S90の判定結果はYESになってS93が実行され、第2タイマの計測時間TBが1増加させられ、クラッチペダル100が原位置側領域を出外れた時間が計測される。次いでS94が実行され、計測時間TBが設定時間T3以上であるか否かが判定される。この設定時間T3は、クラッチペダル100が原位置側領域内に入ったことを検出するための前記設定時間T2より短い時間に設定されている。S94の判定結果は設定時間T3が経過するまでNOであり、ルーチンの実行は終了する。設定時間T3が経過する前に出力電圧Vが設定電圧Va以下になることがあれば、S85,S86の判定結果がYESになってS92が実行され、計測時間TBがリセットされて、クラッチペダル100が原位置側領域から出外れた状態の時間が計測し直されるようにされる。そして、出力電圧Vが設定電圧Vaを超える状態が設定時間T3継続すれば、S94の判定結果がYESになってS95が実行され、1往復フラグがオンにされる。また、踏込みフラグおよび戻りフラグがオフにされ、クラッチペダル100の次の1往復が検出されるようにされる。さらに、第1,第2タイマの各計測時間TA,TBが0にリセットされる。
このようにクラッチペダル100の1往復操作の検出が行われる間、第2クラッチペダル角センサ異常検出ルーチンでは、クラッチペダル角センサ102に出力電圧異常が生じたか否かの判定が行われ、第1出力電圧異常または第2出力電圧異常が検出されれば、S62の判定結果がYESになってS63が実行され、出力電圧異常フラグがオンにされて異常の発生が記憶される。それにより、以後、S61が実行されるとき、その判定結果がYESになってS62,S63がスキップされ、S64が実行される。
そして、クラッチペダル100の1往復の踏込み操作が検出されれば、第2クラッチペダル角センサ異常検出ルーチンのS64の判定結果がYESになってS66が実行され、出力電圧異常フラグがオンにされているか否かの判定が行われる。出力電圧異常が検出され、出力電圧異常フラグがオンにされていれば、S66の判定結果がYESになってS67が実行され、カウンタのカウント値Cntが1増加させられ、異常の検出がカウントされる。出力電圧異常フラグは、1回、出力電圧異常が検出されればオンにされ、クラッチペダル100の1往復操作の間に1回以上、異常が検出された場合にカウント値が1増加させられる。また、1往復フラグおよび出力電圧異常フラグがオフにされる。そして、S69においてカウント値Cntが設定回数、例えば、10回であるか否かの判定が行われ、10回に達していなければ、S69の判定結果はNOになってルーチンの実行はS61に戻る。また、カウント値が10回に達すれば、S69の判定結果がYESになってS70が実行され、センサ異常検出が確定する。S70は、前記実施例のS17と同様に実行される。
それに対し、クラッチペダル100が1往復させられる間に異常が検出されなければ、S66の判定結果がNOになってS68が実行され、カウント値Cntが1減少させられるとともに、1往復フラグがオフにされる。本実施例においては、クラッチペダル100が1往復操作される間、クラッチペダル角センサ102に出力電圧異常が発生したか否かが監視され、1往復が検出された時点、本実施例ではクラッチペダル100が原位置側領域から踏込み端側領域へ出外れた時点で、その1往復操作間における異常監視結果に基づいてカウント値Cntが1ずつ増加あるいは減少させられるのである。出力電圧の異常検出回数のカウントは1往復操作毎に1回ずつ、行われ、カウント値は1回のカウント毎に1ずつ増減させられるため、クラッチペダル100の1往復操作中に出力電圧異常が複数回発生しても、発生した異常の全部がカウントされることはなく、センサ異常の誤判定が防止される。本実施例では、クラッチペダル角センサ102の出力電圧異常が検出されれば、出力電圧異常フラグがオンにされることにより、一旦、出力電圧異常が検出されれば、異常検出は行われないが、これは、実行されるステップ数を少なくするためにS62,S63をスキップさせるためであり、S62における出力電圧異常の検出は、第2クラッチペダル角センサ異常検出ルーチンが実行される毎に行われてもよく、クラッチペダル100の1往復操作に対して出力電圧異常が複数回発生すれば、複数回、検出されると見なすことができる。
本実施例においては、出力電圧異常フラグが、クラッチペダル100の1往復操作の間における1回以上の出力電圧異常の発生を記憶するメモリを構成し、パーキングブレーキECUのS62を実行する部分が第1出力電圧異常検出部および第2出力電圧異常検出部を構成し、これらが出力電圧異常検出部を構成し、S69を実行する部分が異常判定部を構成し、S67を実行する部分がカウントアップ部およびフラグリセット部を構成し、S68を実行する部分がカウントダウン部を構成している。また、パーキングブレーキECUのS65を実行する部分が1往復判定部を構成し、踏込みフラグと共に1往復検出部を構成している。
クラッチペダルの操作量検出装置は、エンジンシステムのフュエルカット装置に設けてもよい。その実施例を図17および図18に基づいて説明する。
本実施例のエンジンシステムは車両用であり、図17に一部を概略的に示すように、エンジン150を含む。エンジン150は複数のシリンダを備え、吸気管152からスロットルバルブ154を経て吸入される空気とインジェクタ156により噴射されるフュエルとの混合気体の燃焼により作動する。
インジェクタ156はフュエルタンク158からフュエルポンプ160によって汲み上げられた燃料をシリンダに噴射するのであるが、本エンジンシステムは、電子制御式燃料噴射装置を備え、燃料の噴射量および噴射時期がエンジンコントロールコンピュータ170により正確に制御される。エンジンコントロールコンピュータ170は、前記エンジンコントロールコンピュータ76と同様に、エンジン制御部172およびトランスミッション制御部174を備え、エンジン150を制御するとともに、トランスミッション176を制御する。
また、エンジンコントロールコンピュータ170には、シフト位置センサ178,アクセルペダル角センサ180,クラッチペダル182の踏込み角度を検出するクラッチペダル角センサ184,186等、各種センサおよびスイッチの出力信号が入力される。クラッチペダル角センサ184,186は、前記クラッチペダル角センサ102,104と同様に構成され、2出力型センサとされている。さらに、エンジンコントロールコンピュータ170のエンジン制御部172の記憶部(図示省略)には、エンジン150の制御に必要な各種プログラムの他、クラッチペダル角センサ異常検出ルーチン,図18に示すフュエルカット制御ルーチン等が記憶させられ、フュエルカット制御が行われる。
本エンジンシステムにおいてフュエルカットは、クラッチが切断状態に切り換えられた際にエンジン150の吹き上がりが発生することを防止するために行われる。例えば、エンジン150が作動している状態でクラッチが切断状態とされれば、エンジン150の負荷が小さくなって回転数が増大し、吹き上がりが発生してフュエルが無駄に費やされるため、フュエルカットが行われ、燃費の無駄が低減される。特に、アクセルペダルの踏込みに対してエンジン150の回転が遅れている状態でクラッチが切断状態に切り換えられれば、その遅れを取り戻すべくエンジン150の回転が速くなるため、フュエルカットが行われる。
フュエルカットは、本システムでは、クラッチペダル182が踏み込まれて切断操作が行われ、クラッチが完全に切断される少し前である切断直前の状態にあることを条件として行われ、インジェクタ156への通電を停止することにより行われる。クラッチが切断直前であるか否かは、例えば、クラッチペダル角センサ184により検出されるクラッチペダル182の踏込み角度に基づいて、クラッチペダル182が原位置側領域から踏込み端側へ外れた位置にあるか否かに基づいて判定されるが、クラッチペダル角センサ184に異常があり、クラッチの切換え状態が正確に検出されなければ、誤ってフュエルカットが行われることとなる。そのため、本エンジンシステムにおいてはクラッチペダル角センサ184の異常検出が行われ、クラッチペダル角センサ184が異常であれば、フュエルカット制御が行われないようにされている。クラッチペダル角センサ異常検出ルーチンは、例えば、前記実施例の図8に示すルーチンと同様に構成されており、説明を省略し、図18に示すフュエルカット制御ルーチンに基づいて、フュエルカット制御を説明する。
フュエルカット制御ルーチンのS101においては、クラッチペダル角センサ184が異常であるか否かの判定が行われる。この判定はクラッチペダル角センサ異常検出ルーチンの実行により、クラッチペダル角センサ異常フラグがオンにされているか否かにより行われる。クラッチペダル角センサ異常フラグがオフにされていれば、S101の判定結果はNOになってS102が実行され、クラッチペダル182の操作状態が検出される。この検出は、前記実施例の図11に示すパーキングブレーキ自動解除ルーチンのS42と同様に実行され、クラッチペダル角センサ184により検出されるクラッチペダル182の踏込み角度に基づいて、クラッチペダル182が接続操作されているか、切断操作されているか等が検出される。
次いでS103が実行され、クラッチが切断直前の状態にあるか否かの判定が行われる。この判定は、S102において検出されたクラッチペダル182の操作状態に基づいて、クラッチペダル182が原位置側領域から外れた領域に位置するか否かにより行われ、原位置側領域内にあれば、S103の判定結果がNOになってルーチンの実行は終了する。クラッチペダル182が踏み込まれて原位置側領域から外れ、クラッチが切断直前の状態になれば、S103の判定結果はYESになってS104が実行され、フュエルカットが行われる。本システムでは、インジェクタ156への通電停止指令が出力されるのであり、それによりインジェクタ156に電流が供給されなくなり、フュエルの噴射が止められる。
本システムでは、エンジンコントロールコンピュータ170のS102を実行する部分が操作部材操作状態検出部たるクラッチペダル操作状態検出部,切断操作検出部およびクラッチ切断直前状態検出部を構成し、S103およびS104を実行する部分がフュエルカット制御部を構成している。本システムでは、インジェクタ156への電流の供給停止によりフュエルカットが行われるようにされており、フュエルカット制御部の一部がフュエルカット部を構成している。エンジンコントロールコンピュータ170のS103を実行する部分は、フュエルカット条件成立判定部を構成していると考えることもできる。
なお、クラッチペダルの1往復操作が原位置を認定点として認定される場合、その1往復操作の間における異常検出の有無が記憶され、1往復操作が行われた時点で異常検出回数のカウントアップあるいはカウントダウンが行われるようにしてもよい。また、クラッチペダルの1往復操作が原位置側領域から操作端側へ出外れた位置を認定点として認定される場合、次の1往復操作が終了するまでの間における異常検出に基づいてカウントアップが行われるようにしてもよい。
また、クラッチペダルの操作状態は、2つのクラッチペダル角センサを使用して検出されるようにしてもよい。例えば、2つのクラッチペダル角センサの各出力電圧の平均値に基づいて操作状態を検出するようにするのである。
さらに、パーキングブレーキ自動解除装置においてパーキングブレーキの作用状態の自動解除は適切な時期に行われることが望ましく、パーキングブレーキ自動解除条件が成立しているか否かを判定するためのクラッチペダルの操作量が適正な量であることが望ましい。そのため、例えば、条件成立判定用クラッチペダル操作量は、その初期値がおおよその値に設定され、その後、実際にパーキングブレーキの自動解除が行われる際に解除結果が取得され、それに基づく学習により条件成立判定用クラッチペダル操作量が調整されるようにされる。例えば、登坂路においてパーキングブレーキの解除時期が早ければ、パーキングブレーキは解除されたもののクラッチが未だ接続されておらず、車両が駆動されず、後退することから、解除時期が早いことがわかる。車両の後退は、例えば、車速に基づいて検出される。平地においては、パーキングブレーキの解除時期が早ければ、車両が動き始めないことから解除時期が早く、条件が成立したとされる時期が早いことがわかる。また、パーキングブレーキの解除時期が遅ければ、クラッチが接続されたものの車両が走行を開始しないことから、解除時期が遅く、条件が成立したとされる時期が遅いことがわかる。このようにパーキングブレーキの解除時期と解除結果とに基づいて解除が早過ぎることが取得された場合には、解除条件成立判定用クラッチペダル操作量が小さくされて(原位置側領域側の量にされて)条件成立時期が遅らされ、解除が遅いことが取得された場合には、条件成立用判定クラッチペダル操作量が大きくされて(踏込み端側領域側の量にされて)条件成立時期が早くされ、パーキングブレーキの自動解除が適切な時期に行われるようにされる。パーキングブレーキの作用状態の自動解除が適切な時期に行われたか否かは、エンジン回転数を取得し、エンジンの負荷変動が適切であるか否かを判定することによってもわかる。例えば、自動解除が早過ぎて、クラッチが未だ接続されていないのであれば、負荷が小さく、エンジンが空回りして回転数が過大となり、また、自動解除が遅れ、既にクラッチが接続状態にあれば、負荷が大きく、自動解除時におけるエンジンの回転数が小さいことから、パーキングブレーキの自動解除時期が適切でなく、解除条件成立判定用クラッチペダル操作量が不適切であり、大きくし、あるいは小さくすることが必要であることがわかる。
あるいは、パーキングブレーキ自動解除時期の学習に限らず、車両の整備時に解除が適切な時期に行われるように調整されてもよい。例えば、設定された解除条件成立判定用クラッチペダル操作量に基づいて適切な時期にパーキングブレーキの自動解除が行われるように、クラッチの接続部と被接続部とのギャップを調整するのである。
フュエルカット装置についても同様に、フュエルカット実行時期と実行結果とに基づいて学習が行われ、フュエルカット条件成立判定用クラッチペダル操作量が不適切であれば、大きくされ、あるいは小さくされる。フュエルカット実行時期が適切であるか否かは、エンジン回転数からわかる。クラッチの切断に対してフュエルカット実行時期が早いのであれば、エンジン回転数が低下し、フュエルカット実行時期が遅いのであれば、エンジン回転数が増大するからである。また、フュエルカットが適切な時期に行われるように車両整備時にクラッチの接続部と被接続部とのギャップが調整されるようにしてもよい。
また、請求可能発明は、クラッチペダル以外の操作部材の操作量を検出する装置、例えば、アクセルペダルやブレーキペダルの操作量を検出する装置に適用することができる。
一実施例であるクラッチペダル踏込み角度検出装置を含む電動パーキングブレーキシステムをエンジン制御システムと共に概略的に示す図である。 上記電動パーキングブレーキシステムのパーキングブレーキスイッチを概略的に示す正面図である。 上記パーキングブレーキスイッチを概略的に示す平面図である。 上記クラッチペダル踏込み角度検出装置の2つのクラッチペダル角センサの出力特性を示すグラフである。 上記クラッチペダル角センサについて設定された第1検出領域および第2検出領域を説明する図である。 上記クラッチペダル角センサの出力電圧の異常検出回数のカウントアップおよびカウントダウンを説明する図である。 上記電動パーキングブレーキシステムを制御するパーキングブレーキECUの記憶部に記憶させられた第1クラッチペダル角センサ異常検出ルーチンを示すフローチャートである。 上記記憶部に記憶させられた第2クラッチペダル角センサ異常検出ルーチンを示すフローチャートである。 上記記憶部に記憶させられたクラッチペダル踏込み検出ルーチンを示すフローチャートである。 上記記憶部に記憶させられたクラッチペダル1往復判定ルーチンを示すフローチャートである。 上記記憶部に記憶させられたパーキングブレーキ自動解除ルーチンを示すフローチャートである。 上記クラッチペダル角センサのノイズによる出力電圧異常時における異常回数のカウントを説明する図であり、図10(a)は従来の異常回数のカウントを説明する図であり、図10(b)は実施例における異常回数のカウントを説明する図である。 クラッチペダル1往復判定ルーチンの別の例を示すフローチャートである。 別の実施例であるクラッチペダル踏込み角度検出装置におけるクラッチペダル角センサの出力電圧の異常検出回数のカウントアップおよびカウントダウンを説明する図である。 図14により説明される異常検出回数のカウントアップおよびカウントダウンを実行するための第2クラッチペダル角センサ異常検出ルーチンを示すフローチャートである。 図15に示す第2クラッチペダル角センサ異常検出ルーチンにおいて実行されるクラッチペダル1往復判定ルーチンを示すフローチャートである。 別の実施例であるクラッチペダル踏込み角度検出装置を含むフュエルカット装置を備えたエンジンシステムを概略的に示す図である。 図17に示すエンジンシステムのエンジンコントロールコンピュータの記憶部に記憶させられたフュエルカット制御ルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
18,20:パーキングブレーキ 50:パーキングブレーキECU 58:PKBスイッチ 100:クラッチペダル 102,104:クラッチペダル角センサ 150:エンジン 170:エンジンコントロールコンピュータ 180:クラッチペダル 182,184:クラッチペダル角センサ

Claims (5)

  1. 原位置と操作端との間で往復操作される操作部材の操作量に応じた大きさの出力値を出力する操作量センサと、
    その操作量センサの前記出力値が異常な値である出力値異常を検出する出力値異常検出部と、
    前記操作量センサにより、前記操作部材の前記原位置と前記操作端とにそれぞれ対応して設定された第1検出領域および第2検出領域の一方が、それら第1検出領域および第2検出領域の他方が一旦検出された後に検出される状態になった場合に、前記操作部材の1往復の操作を検出する1往復検出部と、
    カウンタと、
    前記出力値異常検出部が前記出力値異常を検出した場合に前記カウンタのカウント値を増加させるが、前記1往復検出部により検出される前記操作部材の1往復操作に対して前記出力値異常検出部が前記出力値異常を複数回検出してもカウント値を2以上は増加させないカウントアップ部と、
    前記カウンタのカウント値が設定カウント値に達した場合に前記操作量センサが異常であると判定する異常判定部と
    を含む操作量検出装置。
  2. 前記1往復検出部が、
    前記操作量センサの前記第1検出領域の検出に応じてオン,オフの一方とされ、前記第2検出領域の検出に応じてオン,オフの他方とされるフラグと、
    前記操作量センサが前記第1検出領域を検出している状態で前記フラグがオン,オフの前記他方とされていれば、前記操作部材の1往復の操作が行われたと判定する1往復判定部と
    を含む請求項に記載の操作量検出装置。
  3. さらに、前記出力値異常検出部が前記出力値異常を検出しない場合に、前記カウンタのカウント値を、前記操作部材の設定往復操作数につき1だけ減じさせるカウントダウン部を含む請求項1または2に記載の操作量検出装置。
  4. 前記操作部材が、車両のクラッチを接続状態と切断状態とに切り換えるために操作されるクラッチペダルである請求項1ないしのいずれかに記載の操作量検出装置。
  5. 車両を制動する作用状態と制動しない解除状態とに切り換え可能なパーキングブレーキを自動で前記解除状態とする装置であって、
    請求項に記載の操作量検出装置と、
    その操作量検出装置により検出された前記クラッチペダルの操作量に基づいて、前記クラッチペダルの前記操作端から前記原位置への操作である接続操作を検出する接続操作検出部と、
    少なくとも、その接続操作検出部による前記接続操作の検出に基づいて、前記パーキングブレーキを自動で前記解除状態とするブレーキ解除部と
    を含むパーキングブレーキ自動解除装置。
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