JP4996957B2 - 緩衝器および緩衝器の組立工具 - Google Patents

緩衝器および緩衝器の組立工具 Download PDF

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Description

本発明は、緩衝器および緩衝器の組立工具に関する。
従来の緩衝器にあっては、たとえば、シリンダと、シリンダ内に挿通されるロッドと、ロッドの中間に設けられるとともにシリンダ内に二つの圧力室を隔成するピストンと、シリンダに延設される筒状の延設部内に形成されてロッドの一端が挿通されるリザーバとを備えて構成されている。
この両ロッド型の緩衝器によれば、ロッドとロッドをガイドする軸受部材との間の隙間を介して圧力室とリザーバとを連通して、作動油温度の変化による体積変化をリザーバで補償するようにしている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2004−270902号公報(図1)
このような緩衝器にあっては、上述のように、ロッドがリザーバ内に挿通されており、ロッドには常に気室内の圧力が作用して、これがロッド反力として緩衝器を伸長させるように作用し、また、緩衝器の伸縮時にはロッドがリザーバ内の気室の容積を変化させることになるので、ロッド反力は変化することになる。
したがって、このような緩衝器を車両に適用する場合、上記ロッド反力は車高に影響与えるばかりでなく、車両における乗り心地に影響を与えるので、必然的に気室内の圧力は制限を受けることになって、自由に設定することができない。
気室内の圧力の設定に自由度が無いということは、換言すれば、緩衝器の発生減衰力や応答性の設定に自由度が無いということであり、従来緩衝器では、気室内の圧力を車両における乗り心地にとって最適な設定を行うことができない虞がある。
そこで、本発明は、上記した不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、車両における乗り心地を向上することができる緩衝器を提供することであり、また、緩衝器の組立に向く組立工具を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の課題解決手段における緩衝器は、シリンダと、シリンダの一端を閉塞するキャップと、拡径部と小径部を備え拡径部がシリンダ内に嵌合され小径部がキャップに連結されて内方が外部へと連通されるとともにシリンダとの間に液室と気室とでなるリザーバを形成するパイプと、シリンダ内に挿通されるとともに一端側がパイプ内に挿通されるロッドと、パイプの拡径部の内周側に固定されてロッドの一端を摺動自在に軸支する環状のガイド部材と、ロッドの中間に設けられるとともにシリンダ内に二つの圧力室を隔成するピストンと、パイプの拡径部に設けられて液室と圧力室とを連通するオリフィスと、ガイド部材とパイプとの間に介装されて圧力室からパイプ内への液体の漏洩を阻止するシール部材を備えたことを特徴とする。
さらに、上記目的を達成するために、本発明の他の課題解決手段における緩衝器は、
シリンダと、シリンダの一端を閉塞するキャップと、拡径部と小径部を備え拡径部がシリンダ内に嵌合され小径部がキャップに連結されて内方が外部へと連通されるとともにシリンダとの間にリザーバを形成するパイプと、シリンダ内に挿通されるとともに一端側がパイプ内に挿通されるロッドと、パイプの拡径部の内周側に固定されてロッドの一端を摺動自在に軸支する環状のガイド部材と、ロッドの中間に設けられるとともにシリンダ内に二つの圧力室を隔成するピストンと、パイプの小径部とシリンダとの間に摺動自在に挿入されてリザーバを液室と気室に区画する環状のフリーピストンと、パイプの拡径部に設けられて液室と圧力室とを連通するオリフィスと、ガイド部材とパイプとの間に介装されて圧力室からパイプ内への液体の漏洩を阻止するシール部材を備えたことを特徴とする。
また、本発明の課題解決手段における緩衝器の組立工具は、シリンダと、シリンダの一端を閉塞するキャップと、拡径部と小径部を備え拡径部がシリンダ内に嵌合されるとともに小径部がキャップに連結されてシリンダとの間にリザーバを形成するパイプと、シリンダ内に挿通されるとともに一端側がパイプ内に挿通されるロッドと、パイプの拡径部の内周側に固定されてロッドの一端を摺動自在に軸支する環状のガイド部材と、ロッドの中間に設けられるとともにシリンダ内に二つの圧力室を隔成するピストンと、パイプの小径部とシリンダとの間に摺動自在に挿入されてリザーバを液室と気室に区画する環状のフリーピストンと、パイプの拡径部に設けられて液室と圧力室とを連通するオリフィスと、ガイド部材とパイプとの間に介装されて圧力室からパイプ内への液体の漏洩を阻止するシール部材を備えた緩衝器の液室に液体を注入する工程においてフリーピストンをシリンダ内の所定位置に位置決める緩衝器の組立工具であって、シリンダの一端に嵌合する基部と、基部に連結されてフリーピストンの気室側端部に螺合可能な組立ロッドとを備えたことを特徴とする。
本発明の緩衝器によれば、ロッド反力が生じないので、気室内の圧力の設定に制限を受けることがなく、気室内の圧力を自由に設定することができ、緩衝器の発生減衰力や応答性の設定の自由度が飛躍的に高まり、気室内の圧力を車両における乗り心地にとって最適となるように設定することができ、車両における乗り心地を飛躍的に向上させることができる。
また、シリンダ内にシリンダの端部を閉塞するキャップに連結されるパイプを挿入してシリンダ内に環状のリザーバを形成するようにしたので、両ロッド型の緩衝器の構成をモノチューブで実現することができ、緩衝器の外径をコンパクトにすることができるとともに、ピストンにおける受圧面積を大きく設定することができ緩衝器を大きな減衰力の発生に適するものとすることができる。
さらに、シリンダ内に内部が大気開放されるパイプを挿入してシリンダ内に環状のリザーバを形成するようにし、このリザーバはパイプの拡径部に設けたオリフィスによって圧力室に連通されるようになっているため、緩衝器の構成が複雑とならず容易に緩衝器を製造することが可能である。
さらに、緩衝器の組立工具を利用することで緩衝器の液室内への液体の注入を容易に行うことができるとともに、緩衝器の組立加工時に液室の容積変化が招来されることがなく、設計どおりに緩衝器を製造することが可能であり、緩衝器の性能が製品毎に異なってしまうということもなく、製品歩留まりも向上することになる。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1は、一実施の形態における緩衝器の縦断面図である。図2は、一実施の形態における緩衝器の液室に液体を注入する工程を示す図である。
図1に示すように、一実施の形態における緩衝器Dは、シリンダ1と、シリンダ1の一端を閉塞するキャップ2と、拡径部3aと小径部3bを備え拡径部3aがシリンダ1内に嵌合され小径部3bがキャップ2に連結されて内方が外部へと連通されるとともにシリンダ1との間にリザーバRを形成するパイプ3と、シリンダ1内に挿通されるとともに一端4a側がパイプ3内に挿通されるロッド4と、パイプ3の拡径部3aの内周側に固定されてロッド4の一端4aをガイドする環状のガイド部材5と、ロッド4の中間に設けられるとともにシリンダ1内に二つの圧力室R1,R2を隔成するピストン6と、パイプ3の小径部3bとシリンダ1との間に摺動自在に挿入されてリザーバRを液室Lと気室Gに区画する環状のフリーピストン7と、パイプ3の拡径部3aに設けられて液室Lと圧力室R2とを連通するオリフィス3cとを備えて構成されている。
以下、各部材について詳細に説明すると、シリンダ1は、図1中上端外周に螺子部1aを備えており、この螺子部1aには、環状の懸架バネ受けSと懸架バネ受けSの回り止めを防止するナットNが螺着され、懸架バネ受けSは回転させることでシリンダ1に対して上下方向に移動でき、これによって車高調整ができるようになっている。
また、シリンダ1は、図1中下端外周にも螺子部1bを備えており、この螺子部1bには、シリンダ1の一端たる図1中下端を閉塞するキャップ2が螺着されており、このキャップ2は、シリンダ1の下端を車両における車軸側に取り付ける取付ブラケット2aを備えている。
そして、キャップ2は、シリンダ1内を向く図1中上端から開口する嵌合孔2bと、側方から開口して上記嵌合孔2bに通じて嵌合孔2bを緩衝器D外へ連通する横孔2cとを備えており、この嵌合孔2b内にはシリンダ1内に挿入されるパイプ3の小径部3bの先端となる図1中下端が嵌合される。
パイプ3は、図1中上端側が拡径されて拡径部3aが形成され、拡径部3aから下方は小径部3bとされ、この小径部3bの先端である図1中下端の外周には環状溝3dが形成されている。さらに、拡径部3aの外周には軸方向となる図1中上下方向に沿う縦溝が設けられており、この縦溝は、拡径部3aをシリンダ1内に嵌合することでオリフィス3cとして機能する。
そして、このパイプ3における小径部3bの先端をキャップ2の嵌合孔2b内に挿入嵌合させ、キャップ2に一対の螺子部材8,8をパイプ3の接線方向から平行に螺着させてパイプ3の環状溝3d内に挿入することで、パイプ3をキャップ2に固定するようになっており、パイプ3内は、横孔2cを介して緩衝器D外へ連通されて大気開放されるとともに、パイプ3は螺子部材8,8と環状溝3dとの遊びによってキャップ2およびシリンダ1に対して若干の振れが可能なようになっている。
このように、パイプ3をシリンダ1内に挿入してキャップ2に固定すると、パイプ3の拡径部3aはシリンダ1の内周に嵌合して、パイプ3は、シリンダ1内に環状隙間を画成し、この環状隙間でリザーバRを形成するとともに、シリンダ1の図1中上方側に液体が充填される作動室を仕切っている。
そして、このパイプ3の小径部3bとシリンダ1の内周との間には、環状のフリーピストン7が摺動自在に挿入され、このフリーピストン7は、リザーバRを液体が充填される液室Lと所定圧のガスが封入される気室Gとに区画している。なお、パイプ3の小径部3bの先端となる図1中下端外周には環状のシール15が装着されており、このシール15によりキャップ2の嵌合孔2bと小径部3bとの間がシールされて、気体のシリンダ1外への漏洩が阻止されている。
また、フリーピストン7は、内周および外周に環状シール7a,7bを備えており、液室L内の液体の漏れを防止しており、さらに、図1中下端部となる気室側端部には、螺子孔7cが設けられている。
つづいて、ピストン6は、環状とされてロッド4の中間に取り付けられ、パイプ3でシリンダ1の図1中上方側に仕切られて液体が充填される作動室を2つの圧力室R1,R2に区画し、さらには、上記圧力室R1と圧力室R2とを連通するポート6a,6bを有している。
そして、ピストン6は、ポート6aを開閉するリーフバルブ9aおよびポート6bを開閉するリーフバルブ9bとともに、ロッド4の中間に取り付けられている。
すなわち、ピストン6がシリンダ1に対して図1中上方向に移動して緩衝器Dが伸長すると、圧力室R1から圧力室R2へ上記ポート6bを介して移動する液体の流れにリーフバルブ9bで抵抗を与えて緩衝器Dに減衰力を発生させ、逆に、ピストン6がシリンダ1に対して図1中下方に移動して緩衝器Dが圧縮されると、圧力室R2から圧力室R1へ上記ポート6aを介して移動する液体の流れにリーフバルブ9aで抵抗を与えて緩衝器Dに減衰力を発生させることができるようになっている。
また、このように構成されることで、リザーバRの液室Lは、オリフィス3cを通じて作動室のうち圧力室R2に連通されるようになっており、リザーバRは、各圧力室R1,R2を気室Gの圧力によって加圧している。
さらに、ロッド4は、ピストン6より図1中下方に配置される一端4aと、ピストン6より図1中上方に配置される一端4aと同外径の他端4bとを備えて構成されており、一端4aの上端に螺子孔4cを設けて、他端4bの下端に設けた小径部4dをピストン3内に挿通させて螺子孔4cに螺合させることで、ピストン6を中間に保持しながら一端4aと他端4bとが一体化されている。なお、このようにロッド4を一端4aと他端4bの二つの部材で構成することで、中間へのピストン6の設置が容易となるが、ロッド4およびピストン6を一体的に製造するようにしてもよい。
さらに、ロッド4の他端4bは、シリンダ1の図1中上端に嵌合される環状のヘッド部材10の内側に挿通されてシリンダ1外へ突出させてあり、このロッド4の他端4bを車両における車体側に、シリンダ1の下端に螺着されて当該下端を閉塞するキャップ2に設けた取付ブラケット2aを用いてシリンダ1の下端を車両における車軸側に取り付けることによって、緩衝器Dを車体と車軸との間に介装することができるようになっている。なお、キャップ2とシリンダ1との間にはシール11によってシールされて、気体のシリンダ1外への漏洩が阻止されている。
さらに、シリンダ1の螺子部1aには、シリンダ1の図1中上端を覆うカバー12が螺着され、当該カバー12と上記ヘッド部材10との間には、環板状のインサートメタル13aと該インサートメタル13aの内周に保持されてロッド4の外周に摺接するリップ13bとを備えたシール部材13が介装され、このシール部材13によってシリンダ1の上端は封止されて、液体のシリンダ1外への漏洩が阻止されている。
戻って、ロッド4の一端4aは、シリンダ1内に挿入されるパイプ3内に移動自在に挿通されるとともに、パイプ3の拡径部3a内に固定される環状のガイド部材5によって摺動自在に軸支されている。すなわち、ロッド4の一端4aはパイプ3の拡径部3aに設置されたガイド部材5によってガイドされて小径部3b内に突出されており、パイプ3内は大気開放されているので、緩衝器Dが伸縮しても当該一端4aに大気圧以外の圧力が作用することがないようになっている。
上記ガイド部材5は、ロッド4の一端4aの挿入を許容するため環状とされており、具体的には、パイプ3の拡径部3aの内周に螺着される環状本体5aと、環状本体5aの内周に固定されてロッド4の一端4aの外周に摺接する筒状のベアリング5bとを備えて構成されており、このガイド部材5とパイプ3における拡径部3aと小径部3bとの境の段部3eとの間には、シール部材14が介装されている。
シール部材14は、環状本体5aとパイプ3の段部3eとの間で挟持される環板状のインサートメタル14aとインサートメタル14aの内周部に設けられてロッド4の一端4aの外周に摺接するリップ14bとパイプ3の拡径部3aの内周に密着する外周シール14cとを備えて構成され、このシール部材14によって、圧力室R2からパイプ3内への液体の漏洩が阻止されている。
なお、ベアリング5bとロッド4との間を通過した液体は、環状本体5aに設けた通孔5cを介して圧力室R2へ還流するようになっており、環状本体5aとパイプ3における拡径部3aの内周および段部3eとで仕切られる空間内に液体が貯留されて蓄圧されないよう配慮されている。
上述したところから理解できるように、この緩衝器Dは、いわゆる両ロッド型の緩衝器として構成されており、伸縮する際に各圧力室R1,R2の全体の容積に変化は無く、単に緩衝器Dが伸縮する場合、基本的にはフリーピストン7がシリンダ1に対し図1中上下方向に移動しない。つまり、リザーバRは、内部の圧力によって作動室である各圧力室R1,R2を加圧するとともに温度変化による作動室である各圧力室R1,R2の全体の容積変化について気室Gで吸収して容積補償し、基本的には、伸縮時の容積補償を行わない。
すなわち、この緩衝器Dでは、基本的に、伸縮時にフリーピストン7が上下方向へ移動しないので、フリーピストン7とシリンダ1との間の不安定な摩擦力が圧力室R2内の圧力に影響を与えることが無く、緩衝器Dは安定した減衰力を発揮できる。
また、突発的に、圧力室R2内の圧力が上昇あるいは下降することがあっても、ピストン速度が低速となる場合にはフリーピストン7とシリンダ1との摩擦力によってフリーピストン7の移動が制限されることになり、ピストン速度が高速となる場合にはオリフィス3cの絞り効果によって液室L内への液体の流入が規制されて、温度補償時以外において液室Lと圧力室R2との液体の交流を制限することができ、緩衝器Dの発生減衰力に影響を与えることがない。
このように、この緩衝器Dは、両ロッド型の緩衝器として構成され、シリンダ1内に内部が大気開放されるパイプ3を挿入してシリンダ1内に環状のリザーバRを形成し、このパイプ3内にロッド4の一端4aを挿通するようにしているので、ロッド4の両端には大気圧が作用するのみであってリザーバRの気室G内の圧力が作用することがないため、ロッド反力が生じない。
したがって、この緩衝器Dによれば、上記ロッド反力が生じないので、気室G内の圧力の設定に制限を受けることがなく、気室G内の圧力を自由に設定することができ、緩衝器の発生減衰力や応答性の設定の自由度が飛躍的に高まり、気室G内の圧力を車両における乗り心地にとって最適となるように設定することができ、車両における乗り心地を飛躍的に向上させることができる。
また、シリンダ1内にシリンダ1の端部を閉塞するキャップ2に連結されるパイプ3を挿入してシリンダ1内に環状のリザーバRを形成するようにしたので、両ロッド型の緩衝器Dの構成をモノチューブで実現することができ、緩衝器Dの外径をコンパクトにすることができるとともに、ピストン6における受圧面積を大きく設定することができ緩衝器Dを大きな減衰力の発生に適するものとすることができる。
さらに、シリンダ1内に内部が大気開放されるパイプ3を挿入してシリンダ1内に環状のリザーバRを形成するようにし、このリザーバRはパイプ3の拡径部3aに設けたオリフィス3cによって圧力室R2に連通されるようになっているため、緩衝器Dの構成が複雑とならず容易に緩衝器Dを製造することが可能である。
また、パイプ3の拡径部3aに設けたガイド部材5で図1中上下方向に移動するロッド4をガイドして、ロッド4に作用する横方向の荷重をガイド部材5およびパイプ3の拡径部3aで支持できるようになっている。したがって、緩衝器Dに横力が作用しても、ヘッド部材10、ピストン6およびガイド部材5を保持したパイプ3の各部材で横力を分散して受けることができ、ロッド4の摺動部における摩擦抵抗を低減でき、緩衝器Dのより滑らかな伸縮を実現することが可能である。
そしてさらに、パイプ3は、上述したように、キャップ2およびシリンダ1に対して若干の振れが可能なようになっているので、各部品の寸法誤差によって緩衝器Dの組立が不能となってしまう虞も無く、パイプ3のキャップ2への固定と螺子部材8,8を環状溝3dに挿入することで行うようにしているので、パイプ3の環状溝3dへの螺子部材8,8の挿入の際にパイプ3を周方向に位置決める必要も無く組み付けが容易である。
上述のように本発明の緩衝器Dは、上記の如く優れた作用効果を奏するのであるが、緩衝器Dの液室L内に液体を注入するには以下のようにする。
まず、図2に示すように、シリンダ1内にガイド部材5を備えたパイプ3およびフリーピストン7を組み付け、ガイド部材5内にロッド4の一端4aを挿入した状態とし、そこに上方から液体をシリンダ1内に注入する。しかし、パイプ3の拡径部3aの外周に設けたオリフィス3cの流路面積が微小な場合には、そのままでは、リザーバRの液室L内に液体が注入されず、液室L内に気体が取り残されたままとなってしまう。
そこで、フリーピストン7をシリンダ1内の所定位置に位置決める緩衝器の組立工具20を用いて、フリーピストン7をシリンダ1に対し所定位置に位置決めしておき、パイプ3をシリンダ1およびフリーピストン7に対して上下方向に往復動させて、注射器の要領で液室L内の容積を増減させて、シリンダ1のパイプ3の拡径部3aより上方に充填されている液体を液室L内に吸い込んでやる。
この組立工具20は、図2に示すように、シリンダ1の一端に嵌合する基部21と、基部21に連結されてフリーピストン7の気室側端部に螺合可能な組立ロッド22とを備えて構成されている。
基部21は、パイプ3の挿通が可能なように環状とされており、シリンダ1の開口端に当接するフランジ21aと、孔21bとを備え、組立ロッド22は、フリーピストン7に設けた螺子孔7cに螺合する螺子部22aと、基部21の孔21bに挿通される小径部22bと、小径部22bの先端に設けた螺子部22cとを備え、基部21と組立ロッド22とは螺子部22cに螺着するナット23によって行うようになっている。
この組立工具20は、フリーピストン7に組立ロッド22を螺合してフリーピストン7と一体化された状態で、基部21をフランジ21aがシリンダ1の開口端に当接するまでシリンダ1内へ押し込むことで、フリーピストン7をシリンダ1内の所定位置に位置決めできるようになっており、また、組立工具20でフリーピストン7をシリンダ1に対して所定位置に位置決めしたまま、パイプ3を上下方向に往復動させることができるようになっている。
そして、パイプ3を上方へ移動させることによって、オリフィス3cを介して液室L内に吸い込まれた液体は、重量の重いので液室Lの下方に貯まり、パイプ3の下方への移動によって液体より上方にある気体がオリフィス3cを介して液室Lから排出され、上記往復動を繰り返すことによって、やがては、液室L内は液体のみで充満されることになり、この組立工具20を利用することで液室L内への液体の注入を容易に行うことができる。
液室L内が液体のみで充満された後は、組立工具20でフリーピストン7をシリンダ1内の所定位置に位置決めした状態で、今度は、先程の液室L内への液体注入時にシリンダ1内に注入された液体量と合わせて全体量が圧力室R1,R2および液室Lの容積と一致するよう液体をシリンダ1に注入し、ピストン6を備えたロッド4をシリンダ1内に挿入していく。
このようにすると、圧力室R2がピストン6によって圧縮されて液室L内へ液体が流入しようとするが、フリーピストン7は組立工具20によって位置決めされて不動とされているので、液体は圧力室R2が圧縮された分、圧力室R1へ移動するのみとなり、緩衝器Dの組立加工時に液室Lの容積変化が招来されることがなく、設計どおりに緩衝器Dを製造することが可能である。
また、組立工具20によって設計どおりに緩衝器Dを製造することが可能となるので、緩衝器Dの性能が製品毎に異なってしまうということもなく、製品歩留まりも向上することになる。
なお、パイプ3を上下方向へ往復動させる作業を容易ならしめるために、パイプ3の小径部3bの図1中下端内周に螺子部3fが設けてあり、この螺子部3fに図示しないボルトを螺着し、当該ボルトを取っ手として用いてパイプ3を往復動させることができるようになっている。
また、上述したところでは、液室L内に液体を注入するのに、パイプ3を上下方向に往復動させるとしていたが、パイプ3をシリンダ1に対して不動としておき、フリーピストン7をシリンダ1内の所定位置に位置決める緩衝器の組立工具20を用いて、フリーピストン7をシリンダ1およびパイプ3に対して上下方向に往復動させて、注射器の要領で液室L内の容積を増減させて、シリンダ1のパイプ3の拡径部3aより上方に充填されている液体を液室L内に吸い込んでやるようにしてもよい。
またさらに、上述したところでは、緩衝器Dをシリンダ1を車軸側に設置するいわゆる正立型の緩衝器として利用可能なように、リザーバRの液室Lと気室Gとをフリーピストン7で仕切るようにしているが、シリンダ1側を車体側に取り付け、ロッド4の他端4bを車軸側に取り付ける、いわゆる倒立型とする場合には、図1の緩衝器Dを天地逆とする配置になるため、気室Gが必然的にシリンダ1のキャップ2側に配置されて気液分離が可能となり、フリーピストン7を省略するとしてもよく、本発明の作用効果を失うことが無い。換言すれば、フリーピストン7を設けることで、緩衝器Dが正立型でも倒立型でも使用可能になるということである。また、この倒立型に設定される緩衝器では、フリーピストン7を省略できるので、部品点数を削減できる。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
一実施の形態における緩衝器の縦断面図である。 一実施の形態における緩衝器の液室に液体を注入する工程を示す図である。
符号の説明
1 シリンダ
1a,1b シリンダにおける螺子部
2 キャップ
2a キャップにおける取付ブラケット
2b キャップにおける嵌合孔
2c キャップにおける横孔
3 パイプ
3a パイプにおける拡径部
3b パイプにおける小径部
3c パイプにおけるオリフィス
3d パイプにおける環状溝
3e パイプにおける段部
3f パイプにおける螺子部
4 ロッド
4a ロッドの一端
4b ロッドの他端
4c 螺子孔
4d 小径部
5 ガイド部材
5a ガイド部材における環状本体
5b ガイド部材におけるベアリング
5c 環状本体における通孔
6 ピストン
6a,6b ポート
7 フリーピストン
7a,7b フリーピストンにおける環状シール
7c フリーピストンにおける螺子孔
8 螺子部材
9a,9b リーフバルブ
10 ヘッド部材
11,15 シール
12 カバー
13,14 シール部材
13a,14a シール部材におけるインサートメタル
13b,14b シール部材におけるリップ
20 組立工具
21 基部
21a 基部におけるフランジ
21b 基部における孔
22 組立ロッド
22a,22c 組立ロッドにおける螺子部
22b 組立ロッドにおける小径部
23 組立工具におけるナット
D 緩衝器
G 気室
L 液室
N ナット
R リザーバ
R1,R2 圧力室
S 懸架バネ受け

Claims (4)

  1. シリンダと、シリンダの一端を閉塞するキャップと、拡径部と小径部を備え拡径部がシリンダ内に嵌合され小径部がキャップに連結されて内方が外部へと連通されるとともにシリンダとの間に液室と気室とでなるリザーバを形成するパイプと、シリンダ内に挿通されるとともに一端側がパイプ内に挿通されるロッドと、パイプの拡径部の内周側に固定されてロッドの一端を摺動自在に軸支する環状のガイド部材と、ロッドの中間に設けられるとともにシリンダ内に二つの圧力室を隔成するピストンと、パイプの拡径部に設けられて液室と圧力室とを連通するオリフィスと、ガイド部材とパイプとの間に介装されて圧力室からパイプ内への液体の漏洩を阻止するシール部材を備えたことを特徴とする緩衝器。
  2. シリンダと、シリンダの一端を閉塞するキャップと、拡径部と小径部を備え拡径部がシリンダ内に嵌合され小径部がキャップに連結されて内方が外部へと連通されるとともにシリンダとの間にリザーバを形成するパイプと、シリンダ内に挿通されるとともに一端側がパイプ内に挿通されるロッドと、パイプの拡径部の内周側に固定されてロッドの一端を摺動自在に軸支する環状のガイド部材と、ロッドの中間に設けられるとともにシリンダ内に二つの圧力室を隔成するピストンと、パイプの小径部とシリンダとの間に摺動自在に挿入されてリザーバを液室と気室に区画する環状のフリーピストンと、パイプの拡径部に設けられて液室と圧力室とを連通するオリフィスと、ガイド部材とパイプとの間に介装されて圧力室からパイプ内への液体の漏洩を阻止するシール部材を備えたことを特徴とする緩衝器。
  3. キャップは、外方に連通されるとともにパイプの小径部の先端が嵌合される嵌合孔を備え、パイプは、小径部の先端外周に環状溝を備え、キャップにパイプの接線方向から平行に螺着されてパイプの環状溝内に挿入される一対の螺子部材でパイプをキャップに固定してなる請求項1または2に記載の緩衝器。
  4. シリンダと、シリンダの一端を閉塞するキャップと、拡径部と小径部を備え拡径部がシリンダ内に嵌合されるとともに小径部がキャップに連結されてシリンダとの間にリザーバを形成するパイプと、シリンダ内に挿通されるとともに一端側がパイプ内に挿通されるロッドと、パイプの拡径部の内周側に固定されてロッドの一端を摺動自在に軸支する環状のガイド部材と、ロッドの中間に設けられるとともにシリンダ内に二つの圧力室を隔成するピストンと、パイプの小径部とシリンダとの間に摺動自在に挿入されてリザーバを液室と気室に区画する環状のフリーピストンと、パイプの拡径部に設けられて液室と圧力室とを連通するオリフィスと、ガイド部材とパイプとの間に介装されて圧力室からパイプ内への液体の漏洩を阻止するシール部材を備えた緩衝器の液室に液体を注入する工程においてフリーピストンをシリンダ内の所定位置に位置決める緩衝器の組立工具であって、シリンダの一端に嵌合する基部と、基部に連結されてフリーピストンの気室側端部に螺合可能な組立ロッドとを備えたことを特徴とする緩衝器の組立工具。
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