JP4996560B2 - アイアン型ゴルフクラブヘッド - Google Patents

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Description

本発明は、打球感を向上しつつ重量配分設計に優れたアイアン型ゴルフクラブヘッドに関する。
近年、ヘッド本体の適所に比重が大きい錘部材を固着することにより、慣性モーメントの増大化やヘッド重心位置の改善を図ったアイアン型ゴルフクラブヘッドが種々提案されている。
一方、アイアン型ゴルフクラブでは、ウッド型のクラブに比べて、ミスショット時にゴルファの手に伝えられる振動が大きいので、優れた振動吸収性能を有することが望まれる。
従来、振動吸収性能を向上させるために、アイアン型ゴルフクラブヘッドの内部に、樹脂やゴム等の振動吸収材を配置する技術が提案されている(下記特許文献1参照)。
特開2004−89434号公報
ところで、振動吸収性能を十分に高めるためには、比較的大きな体積の振動吸収材を用いる必要がある。しかしながら、そのような大きな体積の振動吸収材は、錘部材を配置するための場所や位置の自由度を損ねるので、慣性モーメントやヘッド重心の改善を十分に図ることができないという問題があった。
本発明は、以上のような実情に鑑み案出なされたもので、錘部材を、ヘッド本体に設けられた貫通孔からなる凹部に配するとともに、該錘部材に、凹部の開口と溶接されていない振動しない非溶接部を設けることを基本として、錘部材に振動吸収効果と重量効果とを与え、重量配分設計の自由度をより一層向上しうるアイアン型ゴルフクラブヘッドを提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、ボールを打撃するフェースを有しかつ金属材料からなるヘッド本体と、該ヘッド本体に固着されかつ前記ヘッド本体よりも比重が大きい金属材料からなる錘部材とを含むアイアン型ゴルフクラブヘッドであって、前記ヘッド本体には、錘部材取付用の凹部が設けられ、かつ前記凹部は、ヘッド外面の一方の面で開口する第1の開口と、前記一方の面とは異なる他方の面で前記第1の開口とは離間して開口する第2の開口とがヘッド内部で連通した貫通孔からなり、かつ前記錘部材は、少なくとも第1の開口と第2の開口との間をのびるとともに、第1の開口と溶接された溶接部と、第2の開口とは溶接されていない非溶接部とを具えることを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、前記非溶接部の深さL1は、前記溶接部の溶接深さL2よりも大きい請求項1記載のアイアン型ゴルフクラブヘッドである。
また請求項3記載の発明は、前記比(L1/L2)が1.5〜10.0である請求項2記載のアイアン型ゴルフクラブヘッドである。
また請求項4記載の発明は、前記ヘッド本体は、前面が前記フェースをなすフェース部と、このフェース部の下端部からヘッド後方にのびるソール壁部と、このソール壁部の後端部から上方に立ち上がることにより、前記フェース部の背面との間にアンダーカットキャビティを形成する背壁部とを含み、前記第1の開口の少なくとも一部は前記背壁部の背面側をのびるとともに、前記第2の開口の少なくとも一部は前記背壁部の前面側をのびる請求項1乃至3のいずれかに記載のアイアン型ゴルフクラブヘッドである。
また請求項5記載の発明は、前記第1の開口は一つであり、かつ前記第2の開口は、規定のライ角及びロフト角で水平面に載置した基準状態において、ヘッド重心を通りかつフェースと直角な垂直面の両側に設けられたトウ側開口部とヒール側開口部とからなる請求項4記載のアイアン型ゴルフクラブヘッドである。
本発明のアイアン型ゴルフクラブヘッドは、ヘッド本体に、錘部材取付用の凹部が設けられ、かつ凹部は、ヘッド外面の一方の面で開口する第1の開口と、前記一方の面とは異なる他方の面で第1の開口とは離間して開口する第2の開口とがヘッド内部で連通する貫通孔からなる。また、錘部材は、少なくとも第1の開口と第2の開口との間をのびるとともに、第1の開口と溶接された溶接部と、第2の開口とは溶接されていない非溶接部とを具える。
ヘッド本体の凹部の開口と溶接されていない錘部材の非溶接部は、ボール打撃時の衝撃エネルギーによって自由振動し、ヘッドの振動エネルギーを早期に減衰させる。従って、ゴルファの手に伝えられる振動が低減する。このように、本発明のクラブヘッドは、従来のゴム等からなる振動吸収材を別途設けることなく錘部材を用いて振動吸収性能を発揮できる。従って、錘部材の配置場所や配置位置などを自由に設定でき、重量配分設計の自由度を高め得る。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態のアイアン型ゴルフクラブヘッド(以下、単に「ヘッド」又は「クラブヘッド」ということがある。)1の基準状態の正面図、図2はその背面図、図3ないし5はそれぞれ図2のX−X、Y−Y及びZ−Z線の拡大端面図である。
ここで、前記クラブヘッド1の基準状態とは、ヘッド1をそのライ角α及びロフト角β(図4に示す)に保持して水平面HPに接地させた状態とする。特に言及されていない場合、クラブヘッド1は、この基準状態に置かれているものとする。
前記クラブヘッド1は、ボールを打撃するフェース2と、このフェース2の上縁に連なりかつヘッド上部を形成するトップ面3と、フェース2の下縁に連なりヘッド底面を形成するソール面4と、前記トップ面3と前記ソール面4との間を滑らかに湾曲して継ぐトウ面5と、前記フェース2と反対側の面をなすバックフェース面6と、図示しないシャフトが装着されるシャフト差込孔7aを有するホーゼル部7とを有する。なお、クラブシャフトが装着されていない場合、ヘッド1のライ角αは、前記シャフト差込孔7aの中心線CLを基準とすることができる。
また、本実施形態のクラブヘッド1は、図2ないし5に示されるように、前記フェース2を有しかつ金属材料からなるヘッド本体1Aと、そのソール面4側に固着されかつヘッド本体1Aよりも比重が大きい金属材料からなる錘部材1Bとで構成される。
本実施形態において、前記ヘッド本体1Aは、図3〜図5に示されるように、板状のフェース部材1A1と、該フェース部材1A1とは異なる金属材料からなりかつフェース部材1A1を前面に装着する受け枠部1A2とから構成される。ただし、ヘッド本体1Aは、単一の材料で一体成形されたものでも良い。
好ましい態様として、フェース部材1A1には、受け枠部1A2よりも比重が小さい金属材料が用いられる。例えば、フェース部材1A1には、アルミニウム合金、チタン合金又はマグネシウム合金が好適に用いられる一方、受け枠部1A2には、SUS630、SUS304又はSUS410などのステンレス鋼、S20C又はS25Cなどの炭素鋼又はFe−Mn−Al合金などFeをベースとした鋼材料が好適に用いられる。これにより、フェース2の周辺部により多くの重量が配分され、ひいては慣性モーメントやスイートエリアが大きい打球の方向性に優れたヘッド1が提供される。
本実施形態において、フェース部材1A1はフェースラインFL等のインパクトエリアマーキングを除いてほぼ一定の厚さtを有する板状で構成される。ただし、フェース部材1A1は、例えば、その中央部に向かって段階的又は連続的に厚さを減少させても良いし、逆に増加させることもできる。また、フェース部材1A1の輪郭形状は、例えばフェース2の輪郭に合わせてヒール側からトウ側に向かって高さが徐々に大となるのが好ましい。これにより、フェース2のより広い範囲を低比重のフェース部材1A1で構成できる。
前記フェース部材1A1の厚さtは、特に限定されないが、小さすぎると耐久性の悪化傾向があり、逆に大きすぎるとヘッド1の反発性能の低下傾向がある。このため、前記厚さtは、好ましくは1.5mm以上、より好ましくは1.8mm以上、さらに好ましくは2.0mm以上が望ましく、上限については、好ましくは4.0mm以下、より好ましくは3.5mm以下、さらに好ましくは3.0mm以下が望ましい。
前記受け枠部1A2は、図6及び図7に示されるように、フェース部材1A1が装着されるフェース取付部8が設けられた外周枠9と、該外周枠9にネック部10を介して連設された前記ホーゼル部7とから構成される。
前記外周枠9は、ヘッド上部をトウ側からヒール側に向かって斜め下方にのびるトップ部枠9aと、ヘッド底部をトウ、ヒール方向にのびるソール部枠9bと、トウ側でこれらの間を継ぐトウ部枠9cと、前記トップ部枠9a、トウ部枠9c、ソール部枠9b及びネック部10の内縁で囲まれかつヘッド前後方向に貫通する透孔部Oとを有する。
図7に示されるように、前記透孔部Oの周りには、前記フェース取付部8が設けられる。該フェース取付部8は、フェース部材1A1の裏面11の周縁部を支える環状の受け面8Aと、この受け面8Aの外周縁から前側にのびかつフェース部材1A1の外周面12を保持しうる内周面8Bとを含む略ステップ状で形成される。そして、受け枠部1A2のフェース取付部8に、フェース部材1A1を装着し、例えばヘッド本体1Aの一部を塑性変形させてフェース部材1A1を保持するようにかしめることにより、両部材を一体に固着できる。なお、両部材の固着には、かしめの他、溶接やろう付け又は接着剤など種々の方法が採用され得る。
また、図4に示されるように、ソール部枠9bには、フェース2を前面に有するフェース部Fの下端部からヘッド後方にのびるソール壁部16と、このソール壁部16の後端部から上方に立ち上がることにより、前記フェース部Fの背面との間にアンダーカットキャビティCを形成する背壁部17とを含む。このようなキャビティ構造は、ヘッド重心Gをより後方に位置させるのに役立つ。
また、本実施形態では、ヘッド本体1Aの底部側に、ヘッド外面から凹む錘部材取付用の凹部13が設けられる。なお、ヘッド外面とは、完成されたクラブヘッドの外面を意味する。
本実施形態の凹部13は、一方の面E1で開口する第1の開口e1と、この一方の面E1とは異なる他方の面E2で第1の開口e1とは離間した第2の開口e2と、これらの第1及び第2の開口e1、e2間をヘッド内部で連通させる空所iとを有する貫通孔からなる。具体的に述べると、本実施形態の凹部13は、一方の面E1が背壁部17の背面及びソール面4を含み、他方の面E2が背壁部17の前面である。
前記第1の開口e1は、図3、図6に示されるように、例えば背壁部17をのびる上の開口縁e1aと、ソール面4をのびる下の開口縁e1bとからなる。また、第1の開口e1は、トウ側及びヒール側にそれぞれ横長状にのびるとともに、両端部がそれぞれ上に向かって滑らかに湾曲してのびる略弓形状で形成される。
他方、前記第2の開口e2は、図6、図7に示されるように、基準状態において、ヘッド重心Gを通りかつフェース2と直角な垂直面VP2の両側に設けられたトウ側開口部e2tとヒール側開口部e2hとからなる。
前記空所iは、図3、図4に示されるように、下の開口縁e1bからフェース2とほぼ平行な単一の平面からなる第1の凹面15aと、上の開口縁e1aからフェース2とほぼ直角にのびる第2の凹面15bと、第2の開口e2t、e2hからヘッド後方にのびるトウ側孔部15ct及びヒール側孔部15chとで区画される。
また、本実施形態の凹部13は、図4及び図6に示されるように、スイートスポットSSよりも低い位置に設けられる。これは、ヘッド本体1Aのより低い位置に錘部材1Bを取り付けることを可能とし、低重心化に役立つ。なお、上記スイートスポットSSは、図4に示されるように、ヘッド重心Gからフェース2に立てた法線Nとフェース2との交点とする。
本実施形態の錘部材1Bは、図8に示されるように、凹部13の空所iの形状にほぼ一致する。具体的には、錘部材1Bは、トウ、ヒール方向に横長状にのびるとともに、両端部がそれぞれ上に向かって滑らかに湾曲してのびる略弓形状で形成される。より具体的に述べると、本実施形態の錘部材1Bは、トウ側孔部15ct内をのびるトウ側凸部18と、ヒール側開口部15ch内をのびるヒール側凸部19と、これらを連結するとともに第1の凹面15a及び第2の凹面15bに向き合う連結部20とから構成される。連結部20は、凹部13の第1の凹面15aに向き合う第1の面20aと、第2の凹面15bに向き合う第2の面20bと、ヘッド外面に露出する第3の面20cとを含む。
以上のような錘部材1Bは、第1の開口e1側から凹部13に装着される。これにより、錘部材1Bは、第1の開口e1と第2の開口e2との間をのび、前記空所iを実質的に埋める。なお、図9には、受け枠部1A2に錘部材1Bを嵌め込んだ状態が示される。
これにより、錘部材1Bのトウ側凸部18及びヒール側凸部19は、それぞれトウ側孔部15ct及びヒール側孔部15hに嵌め込まれる。また、錘部材1Bの連結部20は、その第1の面20a及び第2の面20bが、それぞれ第1の凹面15a及び第2の凹面15bに実質的に接して配される。さらに、錘部材1Bの第3の面20cは、ソール面4の一部及び背壁部6の背面(ヘッド外面)の一部をそれぞれ構成するとともに、第1の開口e1と小隙間を介して連なる。
また、本実施形態において、トウ側凸部18及びヒール側凸部19は、図3及び図5に示されるように、いずれも各開口e2からフェース2側にはみ出すが、フェース部Fの背面とは接触しない長さを有する。つまり、フェース部Fの背面と各凸部18、19との間には、隙間が設けられる。この隙間は、ボール打撃時でもフェース部Fと接触しないような大きさで形成される。これにより、ボール打撃時のフェース部Fの自由な撓みが保証され、飛距離の低下を防止しうる。
また、錘部材1Bは、ヘッド本体1Aよりも比重が大きい金属材料で構成される。本実施形態の場合、錘部材1Bは、フェース部材1A1及び受け枠部1A2よりも比重が大きい金属材料で構成される。このような高比重材料からなる錘部材1Bをヘッド本体1Aに固着することにより、ヘッド1の重心を所望の位置に調整できる。
本実施形態の錘部材1Bは、トウ・ヒール方向に横長状にのびることにより、ヘッド重心Gをより後方かつ低所に広く配分するのに役立つ。また、錘部材1Bは、そのトウ側及びヒール側に連結部20よりも前後方向の長さが大きい凸部18及び19を具えるので、フェースのトウ及びヒールの両側にさらに多くの重量を配分できる。これは、クラブヘッド1の慣性モーメントを増大させ、打球の方向性を安定させるのに役立つ。
また、錘部材1Bは、受け枠部1A2と溶接可能な金属材料で形成される。このような金属材料は、受け枠部1A2との組み合わせによって決まるため特に限定されるものではない。一例として、受け枠部1A2がステンレス鋼や軟鉄といった鋼材料からなる場合、錘部材1Bには、タングステン合金、とりわけタングステンに鉄及びニッケルを配合したW−Fe−Ni合金が好ましい。
前記タングステン合金としては、好ましくはWを15〜50wt%、Feを12〜30wt%、Niを30〜69wt%含むことが望ましい。Wが15wt%未満の場合、比重を大きくすることができず、逆に50wt%を超えると湯流れが悪くなるので、例えば鋳造による成形性が悪化するおそれがある。またFeが12wt%未満の場合、鋼製の受け枠部1A2への溶接が困難になるおそれがあり、逆に30wt%を超える場合、防錆性が低下するおそれがある。さらに、Niが30wt%未満の場合、耐食性が低下するおそれがあり、逆に69wt%を超える場合、強度が低下する他、比重が小さくなるおそれがある。
錘部材1Bの比重は、ヘッド重心Gの位置を効果的に調節するために、好ましくは8.5以上、より好ましくは9.0以上が望ましい。他方、錘部材1Bの比重が大きすぎると、材料コストが上昇するおそれがあるので、好ましくは13.0以下、より好ましくは12.5以下が望ましい。なお、錘部材1Bは、鋳造、鍛造、切削又は焼結等種々の方法で製造でき、とりわけ精密成形が可能な鋳造品が望ましい。
錘部材1Bの重量は、特に限定されるものではないが、小さすぎると重心調整効果が十分に得られないおそれがあり、逆に錘部材1Bの重量が大きすぎると、受け枠部1A2に使用可能な重量が制限され、クラブヘッド1の小型化を余儀なくされるおそれがある。このような観点より、錘部材1Bの重量は、好ましくは30g以上、より好ましくは40g以上、さらに好ましくは45g以上が望ましく、また上限に関しては、好ましくは100g以下、より好ましくは90g以下、さらに好ましくは80g以下が望ましい。
また、本実施形態において、錘部材1Bとヘッド本体1Aの凹部13とは溶接にて固着されるが、該溶接は一方の面E1からのみ行われ、他方の面E2側では行われない。これにより、錘部材1Bは、第1の開口e1と溶接された溶接部22を具える一方、第2の開口e2とは溶接されていない非溶接部23を具える。
このように、錘部材1Bの凸部18、19に、ヘッド本体1Bと溶接されていない自由振動可能な非溶接部23を設けることにより、ボール打撃時の衝撃エネルギーは、錘部材1Bの非溶接部23に集中しかつこの部分を振動させることで素早く消費される。従って、本実施形態のクラブヘッド1は、ボール打撃時のヘッド本体1Aの振動が早期に減衰し、ゴルファの手に伝えられる不快な振動が効果的に抑制される。とりわけ、錘部材1Bが背壁部17からはみ出すはみ出し長さKを1.0mm以上とした場合、より一層、非溶接部23を自由振動させて振動吸収効果が発揮される。
なお、図4に示されるように、錘部材1Bの連結部20も、凹部13の奥側ではヘッド本体1Aと溶接されていない非溶接部23を有する。しかし、発明者らの種々の実験の結果、この部分は、第1、第2の凹面15a、15bで拘束され、実質的な自由振動をなし得ない。従って、このような非溶接部23では、振動吸収効果を殆ど発揮できない。
また、本実施形態のクラブヘッド1は、上述のように、振動吸収効果を錘部材1Bの配置ないし取付構造の改善で行うことができる。従って、従来のゴムや樹脂等からなる振動吸収材を別途設ける必要がなく、錘部材1Bの配置スペースや配置位置などを自由に設定できる。これは、重量配分設計の自由度をより一層向上するのに役立つ。
ここで、図3に示されるように、前記非溶接部23の開口部14に沿った深さL1は、特に限定されるものではないが、小さすぎると上述の振動吸収効果が低下するおそれがある。このような観点より、非溶接部23の深さL1は、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上、さらに好ましくは6mm以上が望ましい。この深さL1は、本実施形態では、フェース2と直角な垂直断面において測定され、かつ、第2の開口e2から凹部13の表面に沿って測定される実長さとする。即ち、図3の凹部13の上側の面のように、凹部13の内面が真っ直ぐな場合にはその直線距離とするが、下側の面のように、屈曲している場合にはその屈曲に合わせて測定された各距離L1a及びL1bの和とする。
また、前記溶接部22の溶接深さL2も特に限定されるものではないが、小さすぎると錘部材1Bとヘッド本体1Aとの接合強度が低下するおそれがあるので、好ましくは1mm以上、より好ましくは2mm以上が望ましい。逆に、溶接部22の溶接深さL2が大きすぎると、非溶接部23の深さL1が相対的に小さくなり、上述の振動吸収効果が低下するおそれがあるので、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下、さらに好ましくは4mm以下が望ましい。
上記各深さL1、L2に関する数値限定の規定は、複数箇所で測定された各長さの平均値が満たしていれば良いが、好ましくは各測定値がいずれも上記規定を満たすことが望ましい。
また、非溶接部23の深さL1は、溶接部22の溶接深さL2よりも大きいことが望ましい。これによって、より一層振動吸収効果を発揮できる。
とりわけ、振動吸収効果と接合強度とをバランス良く向上させるために、非溶接部23の深さL1と、溶接部22の溶接深さL2との比(L1/L2)は、好ましくは1.5以上、より好ましくは2.0以上が望ましく、また、好ましくは10.0以下、より好ましくは7.0以下、さらに好ましくは5.0以下が望ましい。
また、本実施形態の錘部材1Bは、スイートスポットSSの両側にトウ側凸部18とヒール側凸部19とを有し、かつ、これらにそれぞれ非溶接部23が設けられている。このため、フェース2のスイートスポットSSよりもトウ側又はヒール側でボールを打撃したミスショット時の大きな振動は、これらの各凸部18、19の自由振動によってより効果的に吸収される点で望ましい。
前記非溶接部23において、凹部13と、錘部材1Bの凸部18、19との間には隙間が設けられるのが望ましい。これにより、非溶接部23をより効果的に振動させることができる。ただし、上記隙間が大きくなると、錘部材1Bが外れやすくなったり、錘部材1Bの体積が小さくなって重量調整効果が小さくなるおそれがある。このような観点より、前記隙間は、0mmよりも大であるが、好ましくは0.05mm以上であり、また好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.3mm以下、さらに好ましくは0.2mm以下、特に好ましくは0.1mm以下が望ましい。
上記隙間に関し、勿論、部分的に上記数値範囲を超える部分があっても良い。しかしながら、上記数値範囲は、好ましくは、第2の開口e2から凹部13内に少なくとも5mmの範囲、より好ましくは非溶接部23の全範囲で満たされることが望ましい。
なお、ヘッド外面の一方の面E1では、錘部材1Bと凹部13との間が溶接されることにより、隙間を無くして見映えを高め、かつこれらの界面からの異物の侵入などを効果的に防止できる。また、他方の面E2である背壁部17の前面では、錘部材1Bと凹部13との間に隙間が生じる。しかし、この部分はアンダーカットキャビティとなるため、外部からは見え難い。従って、美感の悪化がなく、かつ異物も侵入し難いので問題にはなるものではない。
錘部材1B及び凹部13の形状は、上述の態様に限定されるものではなく、種々の形状に変形して実施できる。例えば図10に示されるように、凹部13の第2の開口e2は、トウ・ヒール方向に連続する一つのものでも良い。図11(a)ないし(c)には、図10のX−X、Y−Y及びZ−Z線に相当する拡大端面図を示す。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は種々の態様で実施することができる。
表1及び図12〜13の仕様に基づいてアイアン型ゴルフクラブヘッドが試作され、それらについて性能がテストされた。各例とも、別々にフェース部材、受け枠部及び錘部材が準備された。そして、ヘッド本体と錘部材とを先ず嵌め合わせて仮組みし、かつヘッド背面及び底面において錘部材と第1の開口との境界がプラズマ溶接にて溶接された。その後、比較例のみ、図13に示されるように、背壁部の前面において、錘部材と第2の開口との境界が溶接された。そして、その後、フェース部材がかしめによってヘッド本体に固着された。溶接部の溶け込み深さは約3mmである。また、実施例においては、凸部と開口部との間の隙間は0〜0.3mmであった。
また、表1に記載の部分以外の共通仕様等は以下の通りである。
ロフト角24度
受け枠部の材料:SUS630の鋳造品
受け枠部の比重:7.8
フェース部材の材料:Ti−6Al−4Vのプレス成形品
フェース部材の比重:4.42
錘部材の材料:タングステン合金の鋳造品
タングステン合金の組成;W:20wt%、Fe:15wt%、Ni:60wt%、Cr:3wt%及び残部(C、Si、Mn、N等)
錘部材の比重:9.5
ヘッド総重量:249g
次に、各クラブヘッドについて、重心高さGH(図4)、左右の慣性モーメント(ヘッド重心を通る垂直軸回りの慣性モーメント)が測定された。また、各クラブヘッドにSRIスポーツ社製のカーボンシャフト(MP400、フレックスS)を固着してアイアン型ゴルフクラブが製造され、これらについて打球感がテストされた。
打球感は、ハンディキャップ5〜25のゴルファー20名が、各テストクラブで市販の3ピースゴルフボールを打撃し、不快な振動の有無を各ゴルファーの官能により5点法で評価された。数値が大きいほど打球感が良いことを示す。
テストの結果を表1に示す。実施例のクラブヘッドは、重心が低くかつ打球感にすぐれることが確認できた。
Figure 0004996560
本発明の一実施形態を示す基準状態のクラブヘッドの正面図である。 その背面図である。 図2のX−X線拡大断面図である。 図2のY−Y線拡大断面図である。 図2のZ−Z線拡大断面図である。 受け枠部の背面図である。 受け枠部の斜視図である。 錘部材の斜視図である。 受け枠部に錘部材を装着した状態の斜視図である。 他の実施形態を示す受け枠部の斜視面図である。 (a)〜(c)は図10のX−X、Y−Y及びZ−Z断面図である。 (a)、(b)は、実施例のクラブヘッドの寸法を説明する断面図である。 (a)、(b)は、比較例のクラブヘッドの寸法を説明するための部分断面図である。
符号の説明
1 ゴルフクラブヘッド
1A ヘッド本体
1A1 フェース部材
1A2 受け枠部
1B 錘部材
2 フェース
3 トップ面
4 ソール面
5 トウ面
6 バックフェース面
13 凹部
18 トウ側凸部
19 ヒール側凸部
20 連結部
22 溶接部
23 非溶接部
E1 一方の面
E2 他方の面
e1 第1の開口
e2 第2の開口

Claims (5)

  1. ボールを打撃するフェースを有しかつ金属材料からなるヘッド本体と、該ヘッド本体に固着されかつ前記ヘッド本体よりも比重が大きい金属材料からなる錘部材とを含むアイアン型ゴルフクラブヘッドであって、
    前記ヘッド本体には、錘部材取付用の凹部が設けられ、かつ
    前記凹部は、ヘッド外面の一方の面で開口する第1の開口と、前記一方の面とは異なる他方の面で前記第1の開口とは離間して開口する第2の開口とがヘッド内部で連通した貫通孔からなり、かつ
    前記錘部材は、少なくとも第1の開口と第2の開口との間をのびるとともに、第1の開口と溶接された溶接部と、第2の開口とは溶接されていない非溶接部とを具えることを特徴とするアイアン型ゴルフクラブヘッド。
  2. 前記非溶接部の深さL1は、前記溶接部の溶接深さL2よりも大きい請求項1記載のアイアン型ゴルフクラブヘッド。
  3. 前記比(L1/L2)が1.5〜10.0である請求項2記載のアイアン型ゴルフクラブヘッド。
  4. 前記ヘッド本体は、前面が前記フェースをなすフェース部と、このフェース部の下端部からヘッド後方にのびるソール壁部と、このソール壁部の後端部から上方に立ち上がることにより、前記フェース部の背面との間にアンダーカットキャビティを形成する背壁部とを含み、
    前記第1の開口の少なくとも一部は前記背壁部の背面側をのびるとともに、前記第2の開口の少なくとも一部は前記背壁部の前面側をのびる請求項1乃至3のいずれかに記載のアイアン型ゴルフクラブヘッド。
  5. 前記第1の開口は一つであり、かつ
    前記第2の開口は、規定のライ角及びロフト角で水平面に載置した基準状態において、ヘッド重心を通りかつフェースと直角な垂直面の両側に設けられたトウ側開口部とヒール側開口部とからなる請求項4記載のアイアン型ゴルフクラブヘッド。
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