JP4993666B2 - 紫外線塗料硬化設備、塗料硬化方法 - Google Patents

紫外線塗料硬化設備、塗料硬化方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4993666B2
JP4993666B2 JP2006143417A JP2006143417A JP4993666B2 JP 4993666 B2 JP4993666 B2 JP 4993666B2 JP 2006143417 A JP2006143417 A JP 2006143417A JP 2006143417 A JP2006143417 A JP 2006143417A JP 4993666 B2 JP4993666 B2 JP 4993666B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
work
workpiece
tank
light source
processing tank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006143417A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007313393A (ja
Inventor
征弘 後藤
秀明 原
敦也 加藤
雄 赤木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Trinity Industrial Corp
Original Assignee
Trinity Industrial Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Trinity Industrial Corp filed Critical Trinity Industrial Corp
Priority to JP2006143417A priority Critical patent/JP4993666B2/ja
Priority to PCT/JP2007/000524 priority patent/WO2007144980A1/ja
Publication of JP2007313393A publication Critical patent/JP2007313393A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4993666B2 publication Critical patent/JP4993666B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05DPROCESSES FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05D3/00Pretreatment of surfaces to which liquids or other fluent materials are to be applied; After-treatment of applied coatings, e.g. intermediate treating of an applied coating preparatory to subsequent applications of liquids or other fluent materials
    • B05D3/06Pretreatment of surfaces to which liquids or other fluent materials are to be applied; After-treatment of applied coatings, e.g. intermediate treating of an applied coating preparatory to subsequent applications of liquids or other fluent materials by exposure to radiation
    • B05D3/061Pretreatment of surfaces to which liquids or other fluent materials are to be applied; After-treatment of applied coatings, e.g. intermediate treating of an applied coating preparatory to subsequent applications of liquids or other fluent materials by exposure to radiation using U.V.
    • B05D3/065After-treatment
    • B05D3/067Curing or cross-linking the coating
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F26DRYING
    • F26BDRYING SOLID MATERIALS OR OBJECTS BY REMOVING LIQUID THEREFROM
    • F26B15/00Machines or apparatus for drying objects with progressive movement; Machines or apparatus with progressive movement for drying batches of material in compact form
    • F26B15/10Machines or apparatus for drying objects with progressive movement; Machines or apparatus with progressive movement for drying batches of material in compact form with movement in a path composed of one or more straight lines, e.g. compound, the movement being in alternate horizontal and vertical directions
    • F26B15/12Machines or apparatus for drying objects with progressive movement; Machines or apparatus with progressive movement for drying batches of material in compact form with movement in a path composed of one or more straight lines, e.g. compound, the movement being in alternate horizontal and vertical directions the lines being all horizontal or slightly inclined
    • F26B15/14Machines or apparatus for drying objects with progressive movement; Machines or apparatus with progressive movement for drying batches of material in compact form with movement in a path composed of one or more straight lines, e.g. compound, the movement being in alternate horizontal and vertical directions the lines being all horizontal or slightly inclined the objects or batches of materials being carried by trays or racks or receptacles, which may be connected to endless chains or belts
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F26DRYING
    • F26BDRYING SOLID MATERIALS OR OBJECTS BY REMOVING LIQUID THEREFROM
    • F26B25/00Details of general application not covered by group F26B21/00 or F26B23/00
    • F26B25/06Chambers, containers, or receptacles
    • F26B25/08Parts thereof
    • F26B25/12Walls or sides; Doors
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F26DRYING
    • F26BDRYING SOLID MATERIALS OR OBJECTS BY REMOVING LIQUID THEREFROM
    • F26B3/00Drying solid materials or objects by processes involving the application of heat
    • F26B3/28Drying solid materials or objects by processes involving the application of heat by radiation, e.g. from the sun

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)

Description

本発明は、ワークに紫外線を照射して、そのワーク表面に塗布された紫外線硬化型塗料を硬化させる紫外線塗料硬化設備、及び、ワークに紫外線を照射することによる塗料硬化方法に関するものである。
従来、紫外線塗料硬化設備は、車両用部品などのワークに塗布された紫外線硬化型塗料(UV塗料)を硬化させる工程などで使用されている。具体的にいうと、紫外線塗料硬化設備では、コンベアによりワークを一定方向に搬送しながらワーク表面に紫外線を照射することにより、ワーク表面のUV塗料の硬化処理を行う。
ところが、空気中に存在する酸素により、UV塗料の硬化が阻害されてしまうことがある(いわゆる「酸素阻害」)。従来の紫外線塗料硬化設備では、上記の酸素阻害を打ち消すように、高い光量の紫外線を照射してUV塗料を硬化させていたが、UV塗料を効率良く硬化させるためには、紫外線が照射される照射ゾーン内の酸素濃度をできるだけ低下させておくことが望ましい。
そこで、上部にワーク出入口が形成された処理槽を設け、処理槽内に炭酸ガス(二酸化炭素)などの不活性ガスが充満した状態で、処理槽内を通過するワークに対して紫外線を照射することが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。このようにすれば、空気よりも重い炭酸ガスが処理槽内に溜まるのに伴い、空気がワーク出入口から押し出されることで処理槽内の酸素濃度が低下するため、UV塗料を効率良く硬化させることができる。
特表2003−515445号公報(請求項1,5,6等参照) 特開2005−342549号公報(図1等参照)
ところで、紫外線の照射には通常UVランプが用いられる。なお、UVランプは、紫外線に加え、可視光線や赤外線も照射する。そして、UVランプから照射された赤外線は、処理槽の内面に当たることにより処理槽の壁部の温度を上昇させ、壁部の熱は処理槽内の炭酸ガスの温度を上昇させる。特に、ワークが車両用部品のような大型部品であると、処理槽内の複数箇所にUVランプを設けてワーク表面全体に満遍なく紫外線を当てる必要があるため、壁部の温度上昇は顕著になり、炭酸ガスの温度上昇も顕著になる。その結果、炭酸ガスの比重が小さくなって軽くなるため、槽上部のワーク出入口を介して炭酸ガスが処理槽外に漏れ易くなる。ゆえに、酸素濃度を低く維持するためには、絶えず炭酸ガスを供給し続けなければならないため、炭酸ガスの消費量が多くなり、コストアップの原因となる。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、不活性ガスの消費量を低減してランニングコストを抑えることができる紫外線塗料硬化設備及び塗料硬化方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ワークに紫外線を照射して、そのワーク表面に塗布された紫外線硬化型塗料を硬化させる紫外線塗料硬化設備であって、内面側が光反射面として機能しうる壁部により構成され、前記壁部が、設備設置面に対して垂直に設けられて互いに対面する一対の側壁を有し、槽上部にワーク出入口が形成され、空気よりも重い不活性ガスが内部に溜まるように構成された処理槽と、前記ワークを下降させながら前記ワーク出入口を介して前記ワークを前記処理槽内に搬入するとともに、前記ワークを上昇させながら前記ワーク出入口を介して前記処理槽外に前記ワークを搬出する搬出手段と、前記一対の側壁の少なくとも一方に設けられた貫通孔に対して、前記側壁の内面側に突出しないように取り付けられ、前記処理槽内を通過する前記ワークに紫外線を照射する光源と、前記光源と対面する位置にある前記側壁をその外面側から冷却する冷却手段とを備え、前記光源及び前記冷却手段は、前記搬送手段を挟んで配置されていることを特徴とする紫外線塗料硬化設備をその要旨とする。
通常、光源と対面する位置にある壁部は、光源から照射された光が直接当たるために温度上昇が顕著であるが、請求項1に記載の発明によると、当該壁部が冷却手段によって冷却されることで温度上昇が防止される。これにより、壁部から伝達された熱による処理槽内の不活性ガスの温度上昇を防止できるため、温度上昇に伴う熱膨張が回避され、不活性ガスが軽く(即ち低密度に)なりにくい。その結果、不活性ガスが槽上部のワーク出入口から処理槽外に漏れにくくなるため、不活性ガスの消費量を低減でき、ひいては、紫外線塗料硬化設備のランニングコストを抑えることができる。また、壁部の内面側が光反射面として機能しうるため、紫外線は、壁部の内面で反射しながらワーク表面全体に満遍なく当たる。ゆえに、紫外線硬化型塗料を効率良く硬化させることができる。さらに、壁部は冷却手段によってその外面側から冷却されるため、壁部の内面側に冷却手段を設置する必要性がなく、光源からの光が遮られない。
ここで、不活性ガスとしては、狭義にはヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガスなどの希ガス族元素ガスが挙げられ、広義には化学反応性の低い窒素ガスや炭酸ガスなども挙げられる。そして、空気よりも重い不活性ガスとしては、アルゴンガスや炭酸ガス(二酸化炭素)などが挙げられるが、アルゴンガスよりも比較的安価な炭酸ガスを用いることが好ましい。また、不活性ガスとして炭酸ガスを用いれば、ヘリウムガスや窒素ガスなどに比べて気体拡散速度が低いため、不活性ガスが処理槽外に漏れにくくなる。
また、冷却手段としては、冷風や冷却水などの冷媒を用いて壁部を冷却するものが挙げられるが、冷風を冷媒として用いるようにすれば、冷却水を用いる場合ほど冷媒が流れる冷媒流路の密封に気を遣わなくても済むため、冷却手段を簡単に構成できる。
さらに、本発明において壁部とは、処理槽を区画形成する部材のことをいい、設備設置面(水平面)に対して垂直に設けられる側壁のみならず、設備設置面に対して水平に設けられる壁(上壁や下壁)も含む。
上記課題を解決するために、請求項2に記載の発明は、ワークに紫外線を照射して、そのワーク表面に塗布された紫外線硬化型塗料を硬化させる紫外線塗料硬化設備であって、内面側が光反射面として機能しうる壁部により構成され、前記壁部が、設備設置面に対して垂直に設けられて互いに対面する一対の側壁を有し、槽上部にワーク出入口が形成され、空気よりも重い不活性ガスが内部に溜まるように構成された処理槽と、前記ワークを下降させながら前記ワーク出入口を介して前記ワークを前記処理槽内に搬入するとともに、前記ワークを上昇させながら前記ワーク出入口を介して前記処理槽外に前記ワークを搬出する搬送手段と、前記一対の側壁の少なくとも一方に設けられた貫通孔に対して、前記側壁の内面側に突出しないように取り付けられ、前記処理槽内を通過する前記ワークに紫外線を照射する光源と、外表面に光反射面を有しかつ内部に冷媒流路を有し、前記光源と対面する位置にある前記側壁に設置された冷却機構付きの光反射部材とを備え、前記光源及び前記光反射部材は、前記搬送手段を挟んで配置されていることを特徴とする紫外線塗料硬化設備をその要旨とする。
通常、光源と対面する位置にある壁部は、光源から照射された光が直接当たるために温度上昇が顕著であるが、請求項2に記載の発明によると、当該壁部に光反射部材を設置するとともに、光反射部材を冷却機構によって冷却することで、壁部の温度上昇が防止される。これにより、壁部から伝達された熱による処理槽内の不活性ガスの温度上昇を防止できるため、熱膨張が回避され、不活性ガスが軽く(即ち低密度に)なりにくい。その結果、不活性ガスが槽上部のワーク出入口から処理槽外に漏れにくくなるため、不活性ガスの消費量を低減でき、ひいては、紫外線塗料硬化設備のランニングコストを抑えることができる。また、壁部の内面側及び光反射部材の外表面が光反射面として機能しうるため、紫外線はそれらの面で反射しながらワーク表面全体に満遍なく当たる。ゆえに、紫外線硬化型塗料を効率良く硬化させることができる。なお、本発明の光反射部材は、例えば光源と対面する位置にある壁部の内面側に設置されてもよく、あるいは当該壁部に形成した開口部分に嵌め込むようにして設置されてもよい。
ここで、冷媒流路を流れる冷媒としては、冷風や冷却水などが挙げられるが、冷風を冷媒として用いるようにすれば、冷却水を用いる場合ほど冷媒流路の密封に気を遣わなくても済むため、冷却機構付きの光反射部材を簡単に構成できる。また、光反射部材を着脱可能に構成できるため、汚れたり破損した際などに交換が可能となる。
上記課題を解決するために、請求項3に記載の発明は、内面側が光反射面として機能しうる壁部により構成され、前記壁部が、設備設置面に対して垂直に設けられて互いに対面する一対の側壁を有し、槽上部にワーク出入口が形成された処理槽内に、空気よりも重い不活性ガスを溜めるとともに、この状態で前記ワーク出入口を介してワークの搬入及び搬出を行いながら、前記一対の側壁の少なくとも一方に設けられた貫通孔に対して前記側壁の内面側に突出しないように取り付けられた光源から前記処理槽内を通過する前記ワークに紫外線を照射することにより、そのワーク表面に塗布された紫外線硬化型塗料を硬化させる塗料硬化方法であって、前記光源と対面する位置にある前記側壁に設置された冷却手段を用いて、前記光源と対面する位置にある前記側壁をその外面側から冷却しながら、前記光源と前記冷却手段との間を通過する前記ワークに対する紫外線照射を行うことを特徴とする塗料硬化方法をその要旨とする。
従って、請求項3に記載の発明によると、光源と対面する位置にある壁部を外面側から冷却しながら紫外線照射を行うため、光源から照射された光に起因する壁部の温度上昇が防止され、壁部から伝達された熱による処理槽内の不活性ガスの温度上昇が防止される。その結果、不活性ガスの熱膨張が回避され、不活性ガスが軽く(即ち低密度に)ならず、槽上部にあるワーク出入口から不活性ガスが処理槽外に漏れにくくなる。従って、不活性ガスの消費量を低減でき、ひいては、紫外線塗料硬化設備のランニングコストを抑えることができる。また、処理槽内に不活性ガスを溜めた状態でワークの搬入及び搬出が行われるため、ワークに紫外線が照射される時点で、処理槽内には不活性ガスが充満する。よって、紫外線硬化型塗料は酸素に阻害されることなく硬化する。
上記課題を解決するために、請求項4に記載の発明は、内面側が光反射面として機能しうる壁部により構成され、前記壁部が、設備設置面に対して垂直に設けられて互いに対面する一対の側壁を有し、槽上部にワーク出入口が形成された処理槽内に、空気よりも重い不活性ガスを溜めるとともに、この状態で前記ワーク出入口を介してワークの搬入及び搬出を行いながら、前記一対の側壁の少なくとも一方に設けられた貫通孔に対して前記側壁の内面側に突出しないように取り付けられた光源から前記処理槽内を通過する前記ワークに紫外線を照射することにより、そのワーク表面に塗布された紫外線硬化型塗料を硬化させる塗料硬化方法であって、前記光源と対面する位置にある前記側壁に設置された冷却機構付きの光反射部材に冷媒を流して前記光反射部材自身を冷却しながら、前記光源と前記光反射部材との間を通過する前記ワークに対する紫外線照射を行うことを特徴とする塗料硬化方法をその要旨とする。
従って、請求項4に記載の発明によると、光源と対面する位置にある壁部の内面側に設置された光反射部材を冷却しながら紫外線照射を行うため、光源から照射された光に起因する壁部の温度上昇が防止され、壁部から伝達された熱による処理槽内の不活性ガスの温度上昇が防止される。その結果、不活性ガスの熱膨張が回避され、不活性ガスが軽く(即ち低密度に)ならず、槽上部にあるワーク出入口から不活性ガスが処理槽外に漏れにくくなる。従って、不活性ガスの消費量を低減でき、ひいては、紫外線塗料硬化設備のランニングコストを抑えることができる。また、処理槽内に不活性ガスを溜めた状態でワークの搬入及び搬出が行われるため、ワークに紫外線が照射される時点で、処理槽内には不活性ガスが充満する。よって、紫外線硬化型塗料は酸素に阻害されることなく硬化する。
以上詳述したように、請求項1〜4に記載の発明によると、不活性ガスの消費量を低減してランニングコストを抑えることができる紫外線塗料硬化設備及び塗料硬化方法を提供することができる。
[第1実施形態]
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1に示されるように、紫外線塗料硬化設備10は、大型のワークWを製造するための製造ラインに組み込まれ、ワークWに紫外線を照射して、前工程においてワーク表面に塗布された紫外線硬化型塗料(UV塗料)を硬化させる設備である。なお、本実施形態のワークWは、被塗面W1を表面側に有する一方で被塗面W1でない凹状曲面W2を裏面側に有する樹脂製の車両用部品(バンパー)である。
また、紫外線塗料硬化設備10は、ワーク搬送通路11と、同ワーク搬送通路11の下側に位置する処理槽12とを備えている。ワーク搬送通路11は、UV塗料が塗布されたワークWを搬送するようになっている。一方、処理槽12は、複数の壁部、具体的には、処理槽12の天井部を構成する槽上部12aと、処理槽12の床部を構成する槽底部12bと、4つの側壁12e,12f,12g,12hとによって略直方体状に構成されている。これら槽上部12a、槽底部12b及び側壁12e〜12hは、厚さ方向に対してガス不透過性を有するアルミニウム板によって形成されている。なお、アルミニウム板は紫外線の反射率が比較的高く、槽上部12a、槽底部12b及び側壁12e〜12hの内面は、平滑な面である。このため、槽上部12a、槽底部12b及び側壁12e〜12hの内面側は、光反射面として機能する。また、槽上部12aには、ワーク搬送通路11から処理槽12内にワークWを搬入するためのワーク搬入口12c(ワーク出入口)と、処理槽12外(ワーク搬送通路11内)にワークWを搬出するためのワーク搬出口12d(ワーク出入口)とがそれぞれ別の場所に開口されている。
図1,図2に示されるように、紫外線塗料硬化設備10は、搬送手段としてのフロアコンベア14を備えている。フロアコンベア14は、凹状曲面W2を下方に向けた状態のワークWをワーク支持体19で支持しながら搬送するようになっている。また、フロアコンベア14は、ワークWを下降させながらワーク搬入口12cを介してワークWを処理槽12内に搬入するとともに、ワークWを上昇させながらワーク搬出口12dを介して処理槽12外にワークWを搬出するようになっている。なお、フロアコンベア14は、ワーク支持体19が搬送されるワーク搬送経路18を備えている。ワーク搬送経路18は、断面コ字状をなす一対のガイドレール17aによって構成されている。両ガイドレール17aは、ワーク搬送経路18の長手方向に平行に設けられている。
図2(a)に示されるように、ワーク支持体19は、4つの車輪17cが回転可能に取り付けられた台車17を備えている。各車輪17cは、一対のガイドレール17aによって支持されるようになっている。このため、台車17は、例えば図示しない牽引部材(ワイヤやチェーン等)で引っ張られることにより、両ガイドレール17a(ワーク搬送経路18)に沿って移動する。なお、台車17が自走する構成であってもよい。また、ワーク支持体19は、台車17に対して回動可能に設けられた支持棒17bを備えている。支持棒17bは、上端部にてワークWを支持するとともに、下端部にワークWよりも重い錘17dを有している。これにより、ワーク支持体19がワーク搬送経路18の傾斜部分を通過する際に、支持棒17bは、錘17dによって台車17に対して回動する。このため、支持棒17bはガイドレール17aの設置面に対してほぼ直立状態に維持され、支持棒17bに支持されるワークWの向きはほぼ同じ状態に維持される。
図1,図2に示されるように、前記処理槽12において互いに対面する前記側壁12g,12hには、UVランプ61a,61b(光源)がそれぞれ1つずつ設置されている。具体的に言うと、UVランプ61aは、側壁12gに設けられた貫通孔13に取り付けられ、側壁12gの外面側に突出している。同様に、UVランプ61bは、側壁12hに設けられた貫通孔13に取り付けられ、側壁12hの外面側に突出している。各UVランプ61a,61bは、処理槽12内においてフロアコンベア14の最下点がある箇所に対応して設けられている。これらUVランプ61a,61bは、処理槽12の高さ方向と平行(即ち縦置き)に設置されており、処理槽12内を通過するワークWに紫外線を照射するようになっている。なお、各UVランプ61a,61bは、縦置きに設置されていたが、横置きに設置されていてもよい。本実施形態のように縦置きに設置すれば、UV塗料をムラなく硬化させることができる。
UVランプ61a,61bとしては、図2に示すように、発光部62と、凹状の反射面を有するアルミ板63(反射板)とを備える集光形のランプが用いられる。UVランプ61a,61bと処理槽12とを区画する位置には、区画体としての熱線カットフィルタ64が設けられている。詳述すると、熱線カットフィルタ64は、貫通孔13を塞ぐように取り付けられている。熱線カットフィルタ64は、UVランプ61a,61bから照射される光線(可視光線、紫外線、赤外線)のうち、紫外線を処理槽12内に透過させるとともに、赤外線の処理槽12内への透過を抑えるようになっている。よって、UVランプ61a,61bは、炭酸ガス(二酸化炭素)が充満している処理槽12に近付けて配置される。
図1,図2に示されるように、処理槽12において互いに対面する前記側壁12g,12hには、冷却装置41a,41b(冷却手段)がそれぞれ1つずつ設置されている。具体的に言うと、冷却装置41aは、UVランプ61bと対面する位置にある側壁12gに設置されており、側壁12gを冷却するようになっている。また、冷却装置41bは、UVランプ61aと対面する位置にある側壁12hに設置されており、側壁12hを冷却するようになっている。即ち、冷却装置41a,41b及びUVランプ61a,61bは、前記ワークWの搬送方向に沿って千鳥状に配置されている(図2(b)参照)。各冷却装置41a,41bは、処理槽12内においてフロアコンベア14の最下点がある箇所に対応して設けられている。
図2(a)に示されるように、冷却装置41a,41bは、処理槽12の外部に配置されており、箱状の冷却装置本体40と、複数枚の冷却フィン42と、ファン43とを備えている。ファン43は、冷却装置本体40の下側に配置されており、外部の空気を冷風として冷却装置本体40内に供給するようになっている。各冷却フィン42は、冷却装置本体40内に位置する側壁12eの外面において上下方向に沿って等間隔に配置されており、それぞれ水平に延びている。各冷却フィン42は、ファン43から送られてきた冷風によって冷却されるようになっている。これにより、側壁12g,12hの外面が冷却装置41a,41bに冷却されて側壁12g,12hの一部が冷却され、これに伴って処理槽12内の炭酸ガスも冷却される。また、冷却装置本体40を通過した冷風は、排気口44を介して外部に排出されるようになっている。なお、本実施形態のファン43は、冷却装置本体40の下側に配置されており、下側から上側に向けて冷風を流すが、冷却装置本体40の上側に配置し、上側から下側に向けて冷風を流すようにしてもよい。また、冷却装置本体40の大きさ、形状などを、ファン43の位置に応じて任意に変更してもよい。
図1に示されるように、紫外線塗料硬化設備10は、空気よりも重い炭酸ガス(不活性ガス)を液化した状態で貯留するタンク32を備えている。また、紫外線塗料硬化設備10は、タンク32と処理槽12内との間を連通しうる炭酸ガス供給経路を構成する炭酸ガス供給管37を備えている。炭酸ガス供給管37上には、加熱装置34及び減圧器38が設置されている。加熱装置34は、タンク32から送り出された炭酸ガスの温度を氷点下から例えば0℃以上10℃以下に加熱するようになっている。これにより、炭酸ガス供給管37上において処理槽12側にある減圧器38などの凍結を防止できるとともに、供給した炭酸ガスによる処理槽12内の温度上昇を防止できる。なお、本実施形態の加熱装置34は、熱交換器を加熱源とする装置である。また、減圧器38は、加熱装置34の下流側に配置されており、加熱装置34に加熱された炭酸ガスの圧力を低下させて処理槽12側に送るようになっている。
図1に示されるように、炭酸ガス供給管37上には、炭酸ガス供給ポンプ33、温度センサ39、炭酸ガス供給バルブ35及び炭酸ガス供給口36を備えている。炭酸ガス供給ポンプ33は、加熱装置34の下流側に配置されており、加熱装置34によって加熱された炭酸ガスを、10mm/sec以下(本実施形態では2mm/sec以下の速度)でパンチングメタル51(整流手段)を通過させるようになっている。このようにすれば、炭酸ガスの速度が抑えられるため、炭酸ガスがワーク搬入口12c及びワーク搬出口12dから処理槽12外に漏れにくくなる。温度センサ39は、炭酸ガス供給ポンプ33の下流側に配置されており、加熱装置34に加熱された炭酸ガスの温度を測定して、CPU21に第1温度測定信号を出力するようになっている。炭酸ガス供給バルブ35は、温度センサ39の下流側に配置されており、炭酸ガス供給管37を開状態または閉状態に切り替えるようになっている。炭酸ガス供給バルブ35は、開状態に切り替えられた際に、処理槽12内に炭酸ガスを供給可能とするようになっている。なお、本実施形態の炭酸ガス供給バルブ35は、図示しないソレノイドにより作動する電磁弁である。また、炭酸ガス供給口36は、処理槽12の前記槽底部12bの複数箇所に設置されており(図2(a)参照)、炭酸ガスを処理槽12内に供給するようになっている。これにより、炭酸ガスが処理槽12内に溜まるようになる。なお、本実施形態の炭酸ガス供給口36は、上方に開口するノズルである。
図1,図2(a)に示されるように、処理槽12内の槽底部12bの上方であって、紫外線が照射される照射ゾーンの下方には、パンチングメタル51が槽底部12bと平行に配置されている。パンチングメタル51は、板状部材に複数の貫通孔を規則的に配置することで構成されている。パンチングメタル51は、炭酸ガスが各貫通孔を通過する際にその流れを整えて、槽底部12b全体から鉛直方向上側に向けて流れる微小風速の上昇流を生じさせるようになっている。なお、整流手段としてパンチングメタル51を用いる代わりに、フィルタなどを用いてもよい。この場合におけるフィルタとしては、例えば、繊維をまとめて積層することでマット状に構成されたもの等が好適である。
図1に示されるように、処理槽12内の照射ゾーンには、酸素濃度計24及び温度計25が設置されている。酸素濃度計24は、処理槽12内の酸素濃度を測定して、前記CPU21に酸素濃度測定信号を出力するようになっている。また、温度計25は、処理槽12内の温度を測定して、CPU21に第2温度測定信号を出力するようになっている。なお、酸素濃度計24は、処理槽12内の槽上部12aの近傍に位置しており、フロアコンベア14の最下点に搬送されてきたワークWの上端よりも上方に位置している。従って、酸素濃度計24によってワークW付近の酸素濃度を正確に測定できる。同様に、温度計25も、上記槽上部12aの近傍に位置しており、最下点に搬送されてきたワークWの上端よりも上方に位置している。従って、温度計25によってワークW付近の温度を正確に測定できる。
次に、紫外線塗料硬化設備10の電気的構成について説明する。
図1に示されるように、紫外線塗料硬化設備10は、設備全体を統括的に制御するための制御装置15を備えている。制御装置15は、CPU21、ROM22、RAM23、入出力回路等により構成されている。CPU21は、UVランプ61a,61b、フロアコンベア14、冷却装置41a,41bのファン43、加熱装置34、減圧器38、炭酸ガス供給ポンプ33及び炭酸ガス供給バルブ35に電気的に接続されており、各種の駆動信号によってそれらを制御する。
また、CPU21には、前記温度センサ39から出力された第1温度測定信号が入力されるようになっている。そして、CPU21は、第1温度測定信号が示す温度が0℃未満であるか否かを判定するとともに、第1温度測定信号が示す温度が10℃よりも高いか否かを判定するようになっている。第1温度測定信号が示す温度が0℃未満である場合、CPU21は、加熱装置34による炭酸ガスの加熱を開始する制御を行うようになっている。また、第1温度測定信号が示す温度が10℃よりも高くなると、CPU21は、加熱装置34による炭酸ガスの加熱を終了する制御を行うようになっている。このような制御によれば、処理槽12内に供給する炭酸ガスの温度を一定に保つことができる。また、炭酸ガスを無駄に加熱しなくても済むため、加熱に要するエネルギを節約できる。
また、CPU21には、前記酸素濃度計24から出力された酸素濃度測定信号が入力されるようになっている。そして、CPU21は、酸素濃度測定信号が示す酸素濃度が閾値以上(例えば3%以上)であるか否かを判定するようになっている。酸素濃度測定信号が示す酸素濃度が閾値以上である場合、CPU21は、炭酸ガス供給バルブ35を開状態に切り替える制御を行うようになっている。一方、酸素濃度測定信号が示す酸素濃度が閾値未満である場合、CPU21は、炭酸ガス供給バルブ35を閉状態に切り替える制御を行うようになっている。このような制御によれば、処理槽12内の酸素濃度を一定に保つことができるため、塗装品質が安定する。また、炭酸ガスの無駄な供給が減るため、炭酸ガスの消費量をよりいっそう低減できる。
さらに、CPU21には、前記温度計25から出力された第2温度測定信号が入力されるようになっている。そして、CPU21は、第2温度測定信号が示す温度が例えば20℃未満であるか否かを判定するとともに、第2温度測定信号が示す温度が40℃よりも高いか否かを判定するようになっている。第2温度測定信号が示す温度が40℃よりも高い場合、CPU21は、ファン43の回転数を上げて送風量を増す制御を行うなどして冷却装置41a,41bによる炭酸ガスの冷却を開始する制御を行うようになっている。また、第2温度測定信号が示す温度が20℃未満になると、CPU21は、ファン43の回転数を下げて送風量を減らす制御を行うなどして冷却装置41a,41bによる炭酸ガスの冷却を停止する制御を行うようになっている。このような制御によれば、処理槽12内の温度を一定に保つことができるため、UV塗料の硬化時間が一定になり、塗装品質が安定する。また、炭酸ガスを無駄に冷却しなくても済むため、冷却に要するエネルギを節約できる。なお、ここでは温度閾値を20℃としたが、この値を20±1℃で設定してもよい。
次に、紫外線塗料硬化設備10を用いた塗料硬化方法を説明する。
まず、CPU21は、加熱装置34、減圧器38、炭酸ガス供給ポンプ33及び炭酸ガス供給バルブ35に駆動信号を出力する。これにより、炭酸ガス供給バルブ35が開状態に切り替わり、加熱装置34にて加熱され、減圧器38にて減圧された炭酸ガスが、炭酸ガス供給ポンプ33によって炭酸ガス供給管37を通過し、処理槽12内に充填される。
この状態で、CPU21は、フロアコンベア14に駆動信号を出力し、ワーク搬入口12cを介して処理槽12内にワーク支持体19(ワークW)を搬入させるとともに、ワーク搬出口12dを介して処理槽12外にワーク支持体19(ワークW)を搬出させる。なお、UVランプ61a,61bは、紫外線の出力が安定するまでに時間がかかるため、常時点灯している。このため、処理槽12内を通過するワークWには紫外線が照射される。このとき、紫外線は、槽上部12a、槽上部12a及び側壁12e〜12hの内面で反射しながらワークWの全面に満遍なく当たる。その結果、ワークWのワーク表面に塗布されたUV塗料が効率良く硬化する。
ところで、処理槽12内に充填された炭酸ガスは、処理槽12内に溜まるものの、UVランプ61a,61bから照射された光が側壁12g,12hにあたって側壁12g,12hの温度が上昇すると、側壁12g,12hの熱によって温められてしまう。その結果、炭酸ガスの比重が小さくなって上方に流れ、ワーク搬入口12c及びワーク搬出口12dから処理槽12外に漏れ出してしまう。このため、CPU21は、温度計25から出力された第2温度測定信号が示す温度が40℃よりも高いか否かを常時判定している。第2温度測定信号が示す温度が40℃よりも高くなると、CPU21は、冷却装置41a,41bのファン43に駆動信号を出力し、側壁12g,12hを外面から冷却する制御を行う。このとき、側壁12g,12hが外面側から冷却されながら、ワークWに対する紫外線照射が行われる。その結果、処理槽12内の炭酸ガスも冷却されるため、炭酸ガスの比重が大きくなって空気との比重差が大きくなり、炭酸ガスが重くなる。本実施形態では、40℃で1.35程度となる炭酸ガスの比重が20℃に冷却された際に1.43程度に上昇し、空気の比重(約1)との差が大きくなる。その後、第2温度測定信号が示す温度が例えば20℃未満になった場合、CPU21は、冷却装置41a,41bのファン43に対する駆動信号の出力を停止する。
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)通常、UVランプ61a,61bと対面する位置にある側壁12g,12hは、UVランプ61a,61bから照射された光が直接当たるために温度上昇が顕著である。そこで、本実施形態の紫外線塗料硬化設備10では、側壁12g,12hが冷却装置41a,41bで冷却されることにより、側壁12g,12hの温度上昇を防止できる。従って、側壁12g,12hから伝達された熱による処理槽12内の炭酸ガスの温度上昇を防止できるため、炭酸ガスの熱膨張が回避され、炭酸ガスが軽く(即ち低密度に)なりにくい。その結果、炭酸ガスがワーク搬入口12c及びワーク搬出口12dから処理槽12外に漏れにくくなるため、炭酸ガスの消費量を低減できる。例えば、冷却装置41a,41bで側壁12g,12hを冷却して処理槽12内の温度(雰囲気温度)を40℃から20℃へ冷却した場合、炭酸ガスの流出量を約50%の低減できる。従って、紫外線塗料硬化設備10のランニングコストを抑えることができる。さらに、側壁12g,12hは冷却装置41a,41bによってその外面側から冷却されるため、側壁12g,12hの内面側に冷却装置41a,41bを設置する必要がなく、UVランプ61a,61bからの光が遮られない。また、冷却装置41a,41bの設置によって処理槽12内のスペースが小さくならないため、ワークWと冷却装置41a,41bとが接触するなどの問題を解消できる。
(2)本実施形態の処理槽12は、紫外線の反射率が比較的高いアルミニウム板によって構成されているため、紫外線は、槽上部12a、槽上部12a及び側壁12e〜12hの内面などで反射しながらワークWの全面に満遍なく当たる。ゆえに、UVランプ61a,61bの数を減らしたり光量を小さくしても、UV塗料を効率良く硬化させることができる。また、処理槽12は、厚さ方向に対してガス不透過性を有するアルミニウム板によって構成されているため、炭酸ガスが槽上部12a、槽底部12b及び側壁12e〜12hを透過して処理槽12外に漏れることがない。さらに、ワーク搬入口12c及びワーク搬出口12dが槽底部12bに形成されているため、ワーク搬入口12c及びワーク搬出口12dからの炭酸ガスの漏れを最小限に抑えることができる。従って、ある程度大きくワーク搬入口12c及びワーク搬出口12dを形成することも可能となり、三次元的な形状を有する大型のワークWに対する処理も可能となる。
(3)本実施形態では、ワーク搬入口12c及びワーク搬出口12dから遠い槽底部12bから炭酸ガスを供給しているため、炭酸ガスが空気中に拡散しにくくなる。しかも、パンチングメタル51が上昇流を生じさせるため、槽底部12b側に流れやすい炭酸ガスを槽上部12aまで到達させることができる。よって、処理槽12内を炭酸ガスで確実に充満させることができる。さらに、処理槽12外の空気がワーク搬入口12c及びワーク搬出口12dを介して侵入することを、上昇流の風圧によって防止できる。
(4)本実施形態の塗料硬化方法では、ワークWの搬入を行ってから処理槽12内に炭酸ガスを溜めるのではなく、炭酸ガスを溜めておいてからワークWの搬入を行っている。よって、紫外線の照射に際し、ワークWを搬入した状態でフロアコンベア14を止めて、炭酸ガスが溜まるのを待たなくても済む。従って、UV塗料の硬化作業を効率良く行うことができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の紫外線塗料硬化設備10について説明する。なお、第1実施形態と共通している構成については、同一の部材番号を付す代わりに、その詳細な説明を省略する。
図3に示されるように、本実施形態の紫外線塗料硬化設備10は、UVランプ61a(またはUVランプ61b)と対面する位置にある側壁12h(または側壁12g)の内面側に冷却機構付きの光反射部材71を設置した点が第1実施形態と異なる。即ち、光反射部材71は、処理槽12とは別体になっている。なお、光反射部材71は、平板状であって、側壁12h(または側壁12g)に接触して配置されるため、搬送されるワークWとの接触が防止される。
光反射部材71は、前記第1実施形態の冷却装置41a,41bとほぼ同様の構成を有しており、内部に冷媒流路70を有している。冷媒流路70上には、光反射部材本体72、複数の冷却フィン73及びファン43が設けられている。光反射部材本体72は、紫外線の反射率が比較的高いアルミニウム板によって構成されており、外表面が光反射面となっている。なお、光反射部材本体72は、各冷却フィン73がファン43から送られてきた冷風(冷媒)によって自身が冷却される。これに伴い、処理槽12内の炭酸ガスも冷却される。
従って、本実施形態によれば、側壁12h(または側壁12g)の内面側に光反射部材71を設置するとともに、光反射部材71を冷却することで、側壁12h(または側壁12g)の温度上昇が防止される。これにより、側壁12h(または側壁12g)から伝達された熱による処理槽12内の炭酸ガスの温度上昇を防止できるため、炭酸ガスの熱膨張が回避され、炭酸ガスが軽く(即ち低密度に)なりにくい。その結果、炭酸ガスがワーク搬入口12c及びワーク搬出口12dから処理槽12外に漏れにくくなるため、炭酸ガスの消費量を低減でき、ひいては、紫外線塗料硬化設備10のランニングコストを抑えることができる。
なお、本発明の各実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態の冷却装置41a,41bは、処理槽12において互いに対面する側壁12g,12hにそれぞれ設置されていた。しかし、冷却装置41a,41bは、処理槽12を下方から囲むようにして配置されていてもよい。具体的には、図4に示されるように、冷却装置41が、側壁12g,12h及び槽底部12bを覆うように配置されていてもよい。
・図5に示されるように、UVランプ61a,61bを、側壁12g,12hにおいて互いに対面するように配置してもよい。そして、UVランプ61a,61bを囲むようにして冷却装置41a,41bを配置してもよい。
・上記実施形態では、冷却装置41a,41bを用いて側壁12g,12hを冷却することにより、処理槽12内の炭酸ガスを冷却するようになっていたが、冷却装置41a,41bによって冷却した炭酸ガスを処理槽12内に供給するようにしてもよい。
・上記実施形態の冷媒は、ファン43から送り出される冷風であったが、冷却水などを冷媒としてもよい。
・上記実施形態の槽上部12a、槽底部12b及び側壁12e〜12hは、紫外線の反射率が比較的高いアルミニウム板によって形成することで、内面側が光反射面として機能しうるようになっていた。しかし、内面を研磨して鏡面としたり、内面に対して蒸着を行うことにより、槽上部12a、槽底部12b及び側壁12e〜12hの内面を光反射面として機能させてもよい。
・上記実施形態では、UVランプ61a,61b、フロアコンベア14、冷却装置41a,41bのファン43、加熱装置34、減圧器38、炭酸ガス供給ポンプ33及び炭酸ガス供給バルブ35の制御を1つのCPU21で制御するようにしたが、各制御を別々のCPUで行うように構成してもよい。
・上記実施形態では、紫外線塗料硬化設備10によって塗装されるワークWとしてバンパーを例示したが、これに限定されるものではない。例えば、空力付加物(スポイラーなど)などの他の車両用部品をワークWとしてもよい。また、ワークWは、必ずしも車両用部品でなくてもよい。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)請求項1において、冷却手段は、前記ワークの搬送方向に沿って千鳥状に配置されていることを特徴とする紫外線塗料硬化設備。
(2)請求項1において、前記冷却手段は、前記処理槽を下方から囲むようにして配置されていることを特徴とする紫外線塗料硬化設備。
(3)請求項1において、前記光源は、前記処理槽において互いに対向するように配置されていることを特徴とする紫外線塗料硬化設備。
(4)技術的思想(3)において、前記冷却手段は、前記光源を囲むようにして配置されていることを特徴とする紫外線塗料硬化設備。
(5)請求項1または2において、前記光源は、前記光源と前記処理槽とを区画する位置に熱線カットフィルタを備えることを特徴とする紫外線塗料硬化設備。
(6)請求項1または2において、前記光源は、前記処理槽内において前記搬送手段の最下点がある箇所に対応して設けられていることを特徴とする紫外線塗料硬化設備。
(7)請求項1または2において、前記ワーク出入口は、前記処理槽内に前記ワークを搬入するためのワーク搬入口と、前記処理槽外に前記ワークを搬出するためのワーク搬出口とからなることを特徴とする紫外線塗料硬化設備。
(8)請求項1または2において、前記不活性ガスは炭酸ガスであることを特徴とする紫外線塗料硬化設備。
(9)請求項1または2において、前記不活性ガスを10mm/sec以下の速度(好ましくは2mm/sec以下の速度)で整流手段を通過させるようにして供給することを特徴とする紫外線塗料硬化設備。
第1実施形態における紫外線塗料硬化設備の概略構成を示す断面図。 (a)は紫外線塗料硬化設備の概略構成を示す側断面図、(b)は処理槽の概略構成を示す平面図。 第2実施形態における紫外線塗料硬化設備の概略構成を示す側断面図。 他の実施形態における紫外線塗料硬化設備の概略構成を示す側断面図。 他の実施形態における紫外線塗料硬化設備の概略構成を示す側断面図。
符号の説明
10…紫外線塗料硬化設備
12…処理槽
12a…壁部としての槽上部
12b…壁部としての槽底部
12c…ワーク出入口としてのワーク搬入口
12d…ワーク出入口としてのワーク搬出口
12e,12f,12g,12h…壁部としての側壁
14…搬送手段としてのフロアコンベア
41a,41b…冷却手段としての冷却装置
61a,61b…光源としてのUVランプ
70…冷媒流路
71…冷却機構付きの光反射部材
W…ワーク

Claims (4)

  1. ワークに紫外線を照射して、そのワーク表面に塗布された紫外線硬化型塗料を硬化させる紫外線塗料硬化設備であって、
    内面側が光反射面として機能しうる壁部により構成され、前記壁部が、設備設置面に対して垂直に設けられて互いに対面する一対の側壁を有し、槽上部にワーク出入口が形成され、空気よりも重い不活性ガスが内部に溜まるように構成された処理槽と、
    前記ワークを下降させながら前記ワーク出入口を介して前記ワークを前記処理槽内に搬入するとともに、前記ワークを上昇させながら前記ワーク出入口を介して前記処理槽外に前記ワークを搬出する搬出手段と、
    前記一対の側壁の少なくとも一方に設けられた貫通孔に対して、前記側壁の内面側に突出しないように取り付けられ、前記処理槽内を通過する前記ワークに紫外線を照射する光源と、
    前記光源と対面する位置にある前記側壁をその外面側から冷却する冷却手段と
    を備え
    前記光源及び前記冷却手段は、前記搬送手段を挟んで配置されている
    ことを特徴とする紫外線塗料硬化設備。
  2. ワークに紫外線を照射して、そのワーク表面に塗布された紫外線硬化型塗料を硬化させる紫外線塗料硬化設備であって、
    内面側が光反射面として機能しうる壁部により構成され、前記壁部が、設備設置面に対して垂直に設けられて互いに対面する一対の側壁を有し、槽上部にワーク出入口が形成され、空気よりも重い不活性ガスが内部に溜まるように構成された処理槽と、
    前記ワークを下降させながら前記ワーク出入口を介して前記ワークを前記処理槽内に搬入するとともに、前記ワークを上昇させながら前記ワーク出入口を介して前記処理槽外に前記ワークを搬出する搬送手段と、
    前記一対の側壁の少なくとも一方に設けられた貫通孔に対して、前記側壁の内面側に突出しないように取り付けられ、前記処理槽内を通過する前記ワークに紫外線を照射する光源と、
    外表面に光反射面を有しかつ内部に冷媒流路を有し、前記光源と対面する位置にある前記側壁に設置された冷却機構付きの光反射部材と
    を備え
    前記光源及び前記光反射部材は、前記搬送手段を挟んで配置されている
    ことを特徴とする紫外線塗料硬化設備。
  3. 内面側が光反射面として機能しうる壁部により構成され、前記壁部が、設備設置面に対して垂直に設けられて互いに対面する一対の側壁を有し、槽上部にワーク出入口が形成された処理槽内に、空気よりも重い不活性ガスを溜めるとともに、この状態で前記ワーク出入口を介してワークの搬入及び搬出を行いながら、前記一対の側壁の少なくとも一方に設けられた貫通孔に対して前記側壁の内面側に突出しないように取り付けられた光源から前記処理槽内を通過する前記ワークに紫外線を照射することにより、そのワーク表面に塗布された紫外線硬化型塗料を硬化させる塗料硬化方法であって、
    前記光源と対面する位置にある前記側壁に設置された冷却手段を用いて、前記光源と対面する位置にある前記側壁をその外面側から冷却しながら、前記光源と前記冷却手段との間を通過する前記ワークに対する紫外線照射を行うことを特徴とする塗料硬化方法。
  4. 内面側が光反射面として機能しうる壁部により構成され、前記壁部が、設備設置面に対して垂直に設けられて互いに対面する一対の側壁を有し、槽上部にワーク出入口が形成された処理槽内に、空気よりも重い不活性ガスを溜めるとともに、この状態で前記ワーク出入口を介してワークの搬入及び搬出を行いながら、前記一対の側壁の少なくとも一方に設けられた貫通孔に対して前記側壁の内面側に突出しないように取り付けられた光源から前記処理槽内を通過する前記ワークに紫外線を照射することにより、そのワーク表面に塗布された紫外線硬化型塗料を硬化させる塗料硬化方法であって、
    前記光源と対面する位置にある前記側壁に設置された冷却機構付きの光反射部材に冷媒を流して前記光反射部材自身を冷却しながら、前記光源と前記光反射部材との間を通過する前記ワークに対する紫外線照射を行うことを特徴とする塗料硬化方法。
JP2006143417A 2006-05-23 2006-05-23 紫外線塗料硬化設備、塗料硬化方法 Expired - Fee Related JP4993666B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006143417A JP4993666B2 (ja) 2006-05-23 2006-05-23 紫外線塗料硬化設備、塗料硬化方法
PCT/JP2007/000524 WO2007144980A1 (ja) 2006-05-23 2007-05-16 紫外線塗料硬化設備、塗料硬化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006143417A JP4993666B2 (ja) 2006-05-23 2006-05-23 紫外線塗料硬化設備、塗料硬化方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007313393A JP2007313393A (ja) 2007-12-06
JP4993666B2 true JP4993666B2 (ja) 2012-08-08

Family

ID=38831503

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006143417A Expired - Fee Related JP4993666B2 (ja) 2006-05-23 2006-05-23 紫外線塗料硬化設備、塗料硬化方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP4993666B2 (ja)
WO (1) WO2007144980A1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20130041756A (ko) * 2010-03-31 2013-04-25 가부시키가이샤 지에스 유아사 자외선 조사 장치 및 잉크젯 프린트 장치
KR20170039081A (ko) * 2014-07-24 2017-04-10 가부시키가이샤 도쿠야마 광중합 장치 및 포토크로믹 코트층을 갖는 렌즈의 제조방법
CN104526938A (zh) * 2014-12-31 2015-04-22 苏州立人听力器材有限公司 一种紫外灯光固化机
CN104526937A (zh) * 2014-12-31 2015-04-22 苏州立人听力器材有限公司 一种上开口式固化机
CN104526936A (zh) * 2014-12-31 2015-04-22 苏州立人听力器材有限公司 一种旋转式光固化装置
CN106269433B (zh) * 2016-08-31 2019-09-17 深圳市华星光电技术有限公司 Uv胶的固化装置及其固化方法
DE102017215453A1 (de) * 2017-09-04 2019-03-07 Krones Ag Bestrahlungstunnel für Behälter und Verfahren zur Bestrahlung von Behältern

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6094169A (ja) * 1983-10-27 1985-05-27 Trinity Ind Corp 塗膜用硬化装置
JPS6214965A (ja) * 1985-07-15 1987-01-23 Citizen Watch Co Ltd 紫外線照射接着装置
JPH03278831A (ja) * 1990-03-29 1991-12-10 Toshiba Lighting & Technol Corp 紫外線照射装置
JPH06232545A (ja) * 1993-02-01 1994-08-19 Hitachi Ltd プリント基板のはんだ付装置
JP3522333B2 (ja) * 1993-06-29 2004-04-26 岩崎電気株式会社 紫外線照射装置
JP2004230297A (ja) * 2003-01-30 2004-08-19 Fujikura Ltd 紫外線照射装置および線条体被覆uv樹脂の硬化方法
JP2006320813A (ja) * 2005-05-18 2006-11-30 Trinity Ind Corp 紫外線照射型硬化装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007313393A (ja) 2007-12-06
WO2007144980A1 (ja) 2007-12-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4993666B2 (ja) 紫外線塗料硬化設備、塗料硬化方法
KR100841523B1 (ko) 하이베이 랙을 갖는 냉동선의 정지형 저장실 또는 적하 공간을 위한 에어 재순환 시스템
KR20100059674A (ko) 엑시머 램프 장치
KR20180105086A (ko) 종형 열처리 장치 및 종형 열처리 장치의 운전 방법
CN114430711B (zh) 用于使施加至基板的湿涂层进行固化的***和方法
JP2014501896A (ja) 近赤外線を用いた缶の乾燥システム及びその制御方法
JP7510705B2 (ja) 熱分解装置
JP5129249B2 (ja) ハイブリッド型熱処理機及びその方法
JP2007245135A (ja) 紫外線塗料硬化設備、塗料硬化方法
JP4649344B2 (ja) 紫外線塗料硬化設備、塗料硬化方法
JP6691088B2 (ja) 熱処理装置
JP5654796B2 (ja) 連続拡散処理装置
JP2006320813A (ja) 紫外線照射型硬化装置
JP2007216132A (ja) 紫外線塗料硬化設備、塗料硬化方法
US20150354890A1 (en) Device for controlling the temperature of objects
JP4645448B2 (ja) 真空成膜装置及び真空成膜方法並びに太陽電池材料
JP4988401B2 (ja) 基板熱処理装置
JP5584526B2 (ja) 溶融金属めっき設備の電磁石制振装置
CN101109073A (zh) 用于uv固化***的富氮冷却空气模块
JP2007216153A (ja) 紫外線塗料硬化設備、塗料硬化方法
JP2010002129A (ja) フィルム式加熱炉
JP2010107194A (ja) 熱処理装置
KR20210064523A (ko) 금속 열처리용 냉각장치 및 이를 갖는 금속 열처리장치
JP2008274349A (ja) 鋼材の熱処理方法及び冷却装置
CN114833048B (zh) 加热处理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090323

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111121

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120117

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20120217

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20120217

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120501

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120507

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150518

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees