JP4992846B2 - 内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、ポート噴射式の内燃機関に関するものであり、特に、ツインインジェクタ式の内燃機関に関するものである。
従来、気筒毎に設けられた2個の吸気弁と、これらに対応する2個の吸気ポートと、2個の吸気ポートのそれぞれに装着された2個の燃料噴射弁とを備えたエンジンの吸気装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このエンジンの吸気装置では、2個の吸気弁を所定時間毎に交互に開弁動作させており、このとき、他方の吸気ポートへの燃料の溜まりを防止すべく、開弁動作を行う吸気弁側の燃料噴射弁のみから燃料を噴射している。
特開2001−159322号公報
ところで、従来のエンジンの吸気装置によれば、開弁動作を行う吸気弁側の燃料噴射弁から燃料を噴射しているが、吸気弁の開弁時期および燃料噴射弁の燃料噴射時期については開示されていない。つまり、一方の吸気弁が閉弁し、他方の吸気弁が開弁している場合、すなわち、2つの吸気弁が所定時間毎に交互に開弁動作する場合、燃料噴射弁による燃料噴射時期によっては、気筒内部に十分に燃料および空気を導入することができず、混合気の燃焼により得られるエンジントルクが低減してしまう虞がある。
そこで、本発明は、エンジントルクを向上させると共に、燃費効率を向上させることができる内燃機関を提供することを課題とする。
本発明の内燃機関は、燃焼室と、燃焼室に連通する2つの吸気通路と、各吸気通路を開閉自在な2つの吸気弁と、各吸気通路に向かって燃料を噴射可能な2つの燃料噴射弁と、各吸気弁を開放位置と閉塞位置との間で全開閉動作させると共に、少なくとも一方の吸気弁を閉塞位置に停止可能な吸気弁駆動手段と、吸気弁駆動手段を制御可能な吸気弁駆動制御手段と、各燃料噴射弁による燃料噴射動作を制御可能な燃料噴射制御手段と、を備え、吸気弁駆動制御手段が、一方の吸気弁を閉塞位置に停止させる一方、他方の吸気弁を全開閉動作させたとき、燃料噴射制御手段は、一方の吸気弁側における一方の燃料噴射弁からの燃料噴射を停止すると共に、他方の吸気弁側における他方の燃料噴射弁からの燃料噴射を他方の吸気弁の開弁期間中に実行することを特徴とする。
この場合、吸気弁駆動制御手段は、内燃機関の運転領域に基づいて吸気弁駆動手段を制御しており、運転領域が、他方の吸気弁から吸入した空気量で内燃機関を駆動可能な第1運転領域であるとき、一方の吸気弁を閉塞位置に停止させる一方、他方の吸気弁を全開閉動作させ、燃料噴射制御手段は、一方の吸気弁側における一方の燃料噴射弁からの燃料噴射を停止すると共に、他方の吸気弁側における他方の燃料噴射弁からの燃料噴射を、他方の吸気弁の開弁期間中に実行することが、好ましい。
また、この場合、吸気弁駆動制御手段は、運転領域が、第1運転領域に比して高負荷領域であると共に2つの吸気弁から吸入した空気量で内燃機関を駆動可能な第2運転領域であるとき、2つの吸気弁を全開閉動作させ、燃料噴射制御手段は、2つの燃料噴射弁からの燃料噴射を実行することが、好ましい。
また、この場合、吸気弁駆動手段は、少なくとも一方の吸気弁を半開放位置と閉塞位置との間で半開閉動作可能な構成となっており、吸気弁駆動制御手段は、運転領域が第1運転領域と第2運転領域との間の第3運転領域となるとき、一方の吸気弁を半開閉動作させると共に、他方の吸気弁を全開閉動作させることが、好ましい。
また、この場合、第3運転領域において、燃料噴射制御手段が2つの燃料噴射弁から燃料噴射を実行するとき、燃料噴射制御手段は、半開閉動作する一方の吸気弁側における一方の燃料噴射弁からの燃料噴射を、一方の吸気弁の閉弁期間中に実行することが、好ましい。
また、この場合、半開閉動作する一方の吸気弁側における一方の燃料噴射弁から噴射される燃料噴射量は、全開閉動作する他方の吸気弁側における他方の燃料噴射弁から噴射される燃料噴射量に比して少量となっていることが、好ましい。
これらの場合、燃焼室内に吸入される吸入空気量を調整可能なスロットルバルブと、スロットルバルブのスロットル開度を制御可能なスロットル制御手段と、をさらに備え、スロットル制御手段は、2つの吸気弁が開閉動作を実行する第3運転領域から、一方の吸気弁が閉塞位置に停止すると共に他方の吸気弁が全開閉動作する第1運転領域へ移行するとき、スロットル開度を大きくすることが、好ましい。
本発明に係る内燃機関は、一方の吸気弁が閉塞位置または閉塞位置近傍に停止した状態において、全開閉動作する他方の吸気弁の開弁期間中に、他方の燃料噴射弁から燃料噴射を行うことで、燃料の気化潜熱により吸入される空気の温度を下げることができ、混合気の充填効率を向上させることができる。これにより、一方の吸気弁が閉塞位置において停止状態であっても、他方の吸気弁から良好に混合気を充填させることができるため、混合気の燃焼により得られるエンジントルクを向上させることができる。また、噴射した燃料が吸入される空気の気流に乗って燃焼室に導入されるため、吸気ポート周りへの燃料の付着を抑制することができる。これにより、噴射した略全ての燃料を燃焼室内に導入することができるため、燃費向上を図ることができるという効果を奏する。
以下、添付した図面を参照して、本発明に係る内燃機関について説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
ここで、図1は、本実施例に係るポート噴射式のエンジンの構成を表した模式的断面図であり、図2は、本実施例に係るポート噴射式のエンジンの燃焼室周りを表した部分断面図である。また、図3は、燃焼室の上方から見た吸気側連通口および排気側連通口の上面図であり、図4は、運転制御マップを模式的に表した説明図である。さらに、図5は、各運転領域における吸気弁のリフト量と燃料噴射弁からの燃料噴射量との関係を説明する図であり、図6は、本実施例に係るエンジンのスロットル全開時において、低・中回転で駆動するエンジンの燃焼動作を表したタイムチャートであり、図7は、本実施例に係るエンジンのスロットル全開時において、高回転で駆動するエンジンの燃焼動作を表したタイムチャートである。また、図8は、変形例に係るエンジンのスロットル全開時において、低・中回転で駆動するエンジンの燃焼動作を表したタイムチャートであり、図9は、変形例に係るエンジンのスロットル全開時において、高回転で駆動するエンジンの燃焼動作を表したタイムチャートである。
先ず、図1ないし図3を参照して、本実施例に係る内燃機関(以下、エンジンと略す)について説明する。このエンジン1は、ポート噴射式のエンジンであり、ECU2により制御されている。
エンジン1は、下部からクランクケース10と、クランクケース10の上部に設けられたシリンダブロック11と、ヘッドガスケット(図示省略)を介してシリンダブロック11の上部に設けられたシリンダヘッド12とで外殻が形成されている。シリンダブロック11の上方内部には、往復動可能にピストン13が気筒数(図示では1つ)に応じて複数収容され、また、シリンダブロック11の下方内部およびクランクケース10により形成された収容部には、クランクシャフト14が収容されている。各ピストン13とクランクシャフト14とは、コンロッド15により連結されており、各ピストン13の往復動作をクランクシャフト14に伝達している。そして、上記のシリンダブロック11、シリンダヘッド12およびピストン13により、ペントルーフ型の燃焼室16が気筒数に応じて複数形成されている。
クランクケース10には、クランク角センサ20が配設されており、クランクシャフト14の回転角度を検知している。クランク角センサ20は、ECU2に接続されており、ECU2は、クランク角センサ20の検出結果に基づいて、後述する点火プラグ44の点火動作、後述する2つの燃料噴射弁45a,45bの燃料噴射動作、後述する2つの吸気弁34a,34bおよび2つの排気弁35a,35bの開閉動作等を制御している。
シリンダブロック11は、その内部に複数のピストン13を収容するための複数のシリンダボア24が円柱状に貫通形成されている。そして、ピストン13は、シリンダボア24に嵌合するように円柱状に形成されており、このシリンダボア24内で上死点と下死点との間を往復動可能に支持されている。また、ピストン13のヘッド面には、ピストンキャビティ25が没入形成されている。
シリンダヘッド12は、その内部に燃焼室16に連通する吸気ポート30と、吸気ポート30に対向配置され、燃焼室16に連通する排気ポート31とが形成されている(図3参照)。吸気ポート30は、上流側に形成された集合吸気通路30aと、集合吸気通路30aから分岐して燃焼室16にそれぞれ連通する2つの分岐吸気通路30b(2つの吸気通路)とで構成されている。排気ポート31は、上流側に形成されると共に燃焼室16にそれぞれ連通する2つの分岐排気通路31bと、2つの分岐排気通路31bが合流する集合排気通路31aとで構成されている。
また、燃焼室16と各分岐吸気通路30bとの間の2つの吸気側連通口32には、2つの吸気弁34a,34bがそれぞれ配設されており、また、燃焼室16と各分岐排気通路31bとの間の2つの排気側連通口33には、2つの排気弁35a,35bが配設されている。
図3に示すように、各吸気側連通口32は上面視円形に形成されており、各排気側連通口33も同様に上面視円形に形成され、各排気側連通口33は吸気側連通口32より小径に形成されている。2つの吸気側連通口32はそれぞれ隣接して配置されると共に、2つの排気側連通口33も同様にそれぞれ隣接して配置されている。
再び図1を参照して、各吸気弁34a,34bおよび各排気弁35a,35bは、傘形状をなす末広がりの円錐状に形成されており、各吸気側連通口32および各排気側連通口33を開放する開放位置(下降端位置)と、各吸気側連通口32および各排気側連通口33を閉塞する閉塞位置(上昇端位置)との間で移動自在に構成されている。そして、2つの吸気弁34a,34bの基端部にはこれらを動作させる吸気弁駆動装置40が、また、2つの排気弁35a,35bの基端部にはこれらを動作させる排気弁駆動装置41が、それぞれ配設されている。
吸気弁駆動装置40は、各吸気弁34a,34bを開放位置と閉塞位置との間で全開閉動作させると共に、一方の吸気弁34aを閉塞位置に停止させるように構成されており、いわゆる、片弁停止機構を備えた構成となっている。また、吸気弁駆動装置40は、一方の吸気弁34aを開放位置と閉塞位置との間の中間位置である半開放位置に移動させることが可能となっており、一方の吸気弁34aを半開放位置と閉塞位置との間で半開閉動作させることが可能となっている。これにより、吸気弁駆動装置40は、一方の吸気弁34aのリフト量を半分にすることが可能となっている。
なお、半開放位置は、開放位置と閉塞位置との間の中間位置に限らず、中間位置近傍であっても良い。また、閉塞位置は、吸気弁のリフト量がゼロとなる位置に限らず、ゼロ近傍の位置、すなわち半開放位置と閉塞位置との間であっても良い。つまり、中間位置および閉塞位置は、制御や寸法公差等の誤差により生ずるズレの範囲内であれば良い。また、詳細は後述するが、吸気弁駆動装置40はECU2に接続されており、ECU2は、吸気弁駆動装置40を制御して、各吸気弁34a,34bの開閉動作を制御している。
排気弁駆動装置41は、各排気弁35a,35bを開放位置と閉塞位置との間で全開閉動作させると共に、ECU2に接続されており、ECU2は、排気弁駆動装置41を制御して、各排気弁35a,35bの開閉動作を制御している。
燃焼室16の頂部には、先端部が突出するように点火プラグ44が配設されている。点火プラグ44は、ECU2に接続されており、ECU2は、クランク角センサ20による検出結果に基づいて点火動作を制御している。
また、シリンダヘッド12の2つ分岐吸気通路30bの上部のそれぞれには、各吸気弁34a,34bに向かって燃料を噴射する2つの燃料噴射弁45a,45bが配設されており(図3参照)、いわゆるツインインジェクタの構成となっている。そして、2つの燃料噴射弁45a,45bは、ECU2に接続されており、ECU2は、クランク角センサ20による検出結果に基づいて燃料噴射動作を制御している。具体的に、各燃料噴射弁45a,45bは、各吸気弁34a,34bの近傍の各分岐吸気通路30bに配置しているため、各燃料噴射弁45a,45bの噴射角を広角とすることができ、これにより、各分岐吸気通路30bの壁面に燃料が付着することを抑制することができる。また、2つの燃料噴射弁45a,45bを用いて燃料噴射を行うことが可能であるため、一燃焼サイクル中に噴射される燃料噴射量をそれぞれ半分ずつに減らすことができ、これにより、噴射した燃料の微粒化を図ることが可能となっている。
また、詳細は後述するが、ECU2は、点火プラグ44の点火動作を制御する点火制御部100と、2つの燃料噴射弁45a,45bの燃料噴射動作をそれぞれ制御する燃料噴射制御部101と、2つの吸気弁34a,34bを開閉動作させる吸気弁駆動装置40を制御する吸気弁駆動制御部102と、有している。
ここで、一燃焼サイクル中におけるエンジン1の燃焼動作について説明する。燃焼サイクルでは、吸気行程、圧縮行程、膨張行程および排気行程が順に行われている。
吸気行程では、ピストン13が上死点から下死点へ向けて移動を開始すると共に、2つの吸気弁34a,34bの少なくとも一方を前進移動させて吸気側連通口32を開放する。すると、燃焼室16の負圧により空気が吸気側連通口32を介して燃焼室16内に吸入され、この後、前進移動した吸気弁34a,34bを後退移動させて吸気側連通口32を閉塞する。このとき、ECU2は、2つの燃料噴射弁45a,45bの少なくとも一方から燃料噴射を開始し、噴射された燃料と吸入された空気とが混合することにより混合気を形成する。
圧縮行程では、ピストン13が下死点から上死点へ向けて移動する。ピストン13が上死点に移動すると、この移動に伴って混合気は圧縮される。そして、ピストン13が上死点近傍に達すると、ECU2は、点火プラグ44をスパークさせて、混合気に着火する。なお、2つの燃料噴射弁45a,45bによる燃料噴射は、点火プラグ44の放電前に終了する。
膨張行程では、着火による混合気の燃焼により、混合気が膨張(爆発)して、ピストン13を上死点から下死点へ向けて移動させる。
排気行程では、下死点へ到達したピストン13が、慣性により再び上死点へ向けて移動する。このとき、2つの排気弁35a,35bを前進移動させて排気側連通口33を開放し、ピストン13の上死点への移動に伴って、燃焼後の排気ガスを排気側連通口33から排出させる。排気ガスの排出後、各排気弁35a,35bを後退移動させて排気側連通口33を閉塞する。
以上の燃焼サイクルを繰り返し行うことで、各ピストン13を往復動作させ、この動力をコンロッド15を介してクランクシャフト14に伝達することで、エンジン1は駆動力を得ることができる。
ところで、エンジン1の燃焼動作(運転)は、エンジン1の運転領域に基づいて制御されており、具体的には、2つの吸気弁34a,34bの開閉動作を可変させたり、2つの燃料噴射弁45a,45bの燃料噴射動作を可変させたり、あるいは点火プラグ44の点火動作を可変させたりしている。以下、エンジン1の運転制御について、具体的に説明する。
先ず、エンジン1の運転制御の説明に先立ち、ECU2について説明する。ECU2は、上記したように点火プラグ44の点火動作を制御する点火制御部100と、2つの燃料噴射弁45a,45bの燃料噴射動作を制御する燃料噴射制御部101と、吸気弁駆動装置40を制御する吸気弁駆動制御部102と、を有している。また、ECU2には、エンジン1に吸入される吸入空気量を検出するエアフローセンサ105が接続されると共に、図示しないスロットルバルブのスロットル開度を検出するスロットル開度センサ106が接続され、ECU2には、スロットルバルブを制御するスロットル制御部103が設けられている。さらに、ECU2には、エンジン回転数およびエンジントルクに基づいてエンジン1の運転を制御するための運転制御マップMが記憶されている。
図4に示すように、運転制御マップMは、その横軸がエンジン回転数、その縦軸がエンジントルクとなっており、低回転・低トルク領域から高回転・高トルク領域にかけて3つの運転領域が設定されている。3つの運転領域は、片弁停止運転領域E1(第1運転領域)と、パーシャルリフト運転領域E2(第3運転領域)と、フルリフト運転領域E3(第2運転領域)とである。
片弁停止運転領域E1は、低回転・低トルク領域から中回転・中トルク領域に亘って設定されており、他方の吸気弁34bを介して吸入される吸入空気量で十分にエンジン1を運転可能な運転領域となっている。
フルリフト運転領域E3は、高回転・高トルク領域に設定されており、2つの吸気弁34a,34bから吸入した吸入空気量でエンジン1を運転可能な領域である。つまり、フルリフト運転領域E3は、2つの吸気弁34a,34bから空気を吸入することでエンジン1の運転が可能となる運転領域となっている。
パーシャルリフト運転領域E2は、片弁停止運転領域E1とフルリフト運転領域E3との間の領域に設定されており、他方の吸気弁34bを介して吸入される吸入空気量と2つの吸気弁34a,34bを介して吸入される吸入空気量との間の吸入空気量でエンジン1を運転可能な運転領域となっている。
吸気弁駆動制御部102は、上記の運転制御マップMに基づいて、2つの吸気弁34a,34bの開閉動作、すなわち開閉時期やリフト量を吸気弁駆動装置40を介して制御している。具体的に、吸気弁駆動制御部102は、図5の表に示すように、エンジン1が片弁停止運転領域E1内で駆動している場合、一方の吸気弁34aを閉塞位置に停止させる一方、他方の吸気弁34bを開放位置と閉塞位置との間で全開閉動作させている。つまり、吸気弁駆動制御部102は、一方の吸気弁34aのリフト量をゼロとしている。また、吸気弁駆動制御部102は、エンジン1がパーシャルリフト運転領域E2内で駆動している場合、一方の吸気弁34aを閉塞位置と半開放位置との間で半開閉動作させると共に、他方の吸気弁34bを全開閉動作させている。つまり、吸気弁駆動制御部102は、一方の吸気弁34aのリフト量をパーシャルリフト量(半分のリフト量)としている。さらに、吸気弁駆動制御部102は、エンジン1がフルリフト運転領域E3内で駆動している場合、2つの吸気弁34a,34bを全開閉動作させている。つまり、吸気弁駆動制御部102は、2つの吸気弁34a,34bのリフト量をフルリフト量としている。
燃料噴射制御部101は、上記の運転制御マップMに基づいて、2つの燃料噴射弁45a,45bの燃料噴射動作、すなわち燃料噴射時期や燃料噴射量を制御している。具体的に、燃料噴射制御部101は、図5の表に示すように、エンジン1が片弁停止運転領域E1内で駆動している場合、閉塞位置に停止した一方の吸気弁34a側の一方の燃料噴射弁45aからの燃料噴射を停止させ、全開閉動作を行う他方の吸気弁34b側の他方の燃料噴射弁45bからの燃料噴射を全量分、実行する。このとき、燃料噴射制御部101は、他方の燃料噴射弁45bからの燃料噴射を、他方の吸気弁34bの開弁期間中に実行しており(吸気同期噴射)、具体的には、他方の燃料噴射弁45bからの燃料噴射を、他方の吸気弁34bの開弁直後に実行している。これにより、他方の燃料噴射弁45bから噴射した燃料は、他方の吸気弁34bの開弁直後に燃焼室16内へ吸入される空気に乗って導入される。そして、燃焼室16内へ導入された燃料は気化することで、燃焼室16内に吸入された空気の温度を低下させ、これにより、混合気の充填効率を向上させることができる。
また、燃料噴射制御部101は、エンジン1がパーシャルリフト運転領域E2内で駆動している場合、半開閉動作を行う一方の吸気弁34a側の一方の燃料噴射弁45aからの燃料噴射を停止させ、全開閉動作を行う他方の吸気弁34b側の他方の燃料噴射弁45bからの燃料噴射を全量分、実行する。このとき、燃料噴射制御部101は、他方の燃料噴射弁45bからの燃料噴射を、他方の吸気弁34bの開弁期間中に実行する。
なお、高回転駆動しながらエンジン1の運転領域がパーシャルリフト運転領域E2からフルリフト運転領域E3へ移行する場合、エンジン1を駆動させるために必要な燃料噴射量が、他方の燃料噴射弁45bから噴射可能な最大燃料噴射量を上回ってしまうため、燃料噴射制御部101は、一方の燃料噴射弁45aからの燃料噴射を再開させる。このとき、燃料噴射制御部101は、再開した一方の燃料噴射弁45aからの燃料噴射を、一方の吸気弁34aの閉弁期間中に実行する(吸気非同期噴射)。これにより、一方の燃料噴射弁45aから噴射した燃料は、一方の分岐吸気通路30b内において気化し、気化した燃料が一方の吸気弁34aの開弁時に燃焼室16に流入することで、燃焼室16内の混合気形成を均質とすることができる。なお、2つの燃料噴射弁45a,45bから燃料を噴射する場合、噴射する燃料噴射量の全量をそれぞれ半分ずつに減らして燃料を噴射する。
さらに、燃料噴射制御部101は、エンジン1がフルリフト運転領域E3内で駆動している場合、2つの燃料噴射弁45a,45bからの燃料噴射を実行する。このとき、燃料噴射制御部101は、2つの燃料噴射弁45a,45bからの燃料噴射を、2つの吸気弁34a,34bの開弁期間中に実行する。なお、この場合も、2つの燃料噴射弁45a,45bから燃料を噴射するため、噴射する燃料噴射量の全量をそれぞれ半分ずつに減らして燃料を噴射する。
スロットル制御部103は、上記したようにスロットルバルブのスロットル開閉動作を制御することにより、燃焼室16内に流入する吸入空気量の調整を行っている。例えば、エンジン1の運転領域がフルリフト運転領域E3から片弁停止運転領域E1へ移行する場合、すなわち全開閉動作を実行する吸気弁34a,34bが2つから1つになった場合、スロットル制御部103は、一方の吸気弁34aを閉塞位置において停止した分、スロットル開度を大きくする。具体的に、フルリフト運転領域E3から片弁停止運転領域E1へ移行すると、スロットル制御部103はスロットル開度を閉じ側とする。このため、吸気ポート30内は負圧となり吸気抵抗が増加する。このとき、吸気弁駆動制御部102は、一方の吸気弁34aを停止させると共に他方の吸気弁34bを全開閉動作させ、スロットル制御部103は、スロットル開度を大きくする。これにより、吸気ポート30内の負圧は大気圧側に戻されることで吸気抵抗が減少し、ピストン13の往復動作に加わる負荷を、すなわちポンピングロスを軽減させることができる。
ここで、図6および図7を参照して、運転制御マップMに基づいて制御されるエンジン1の一連の燃焼動作について説明する。図6は、エンジンのスロットル全開時において、低・中回転で駆動するエンジンの燃焼動作を表したタイムチャートであり、その横軸が時間(Time)となっており、その縦軸がアクセル開度、2つの吸気弁34a,34bのリフト量、2つの吸気弁34a,34bからの吸入空気量、2つの燃料噴射弁45a,45bの燃料噴射量、および点火プラグ44の点火時期となっている。
先ず、開度が小さい所定のアクセル開度A1から、開度が大きい所定のアクセル開度B1となるように、アクセル操作を行った場合、エンジン1の運転領域は、片弁停止運転領域E1からパーシャルリフト運転領域E2を経てフルリフト運転領域E3まで移行する。つまり、アクセル開度A1での運転時におけるエンジン1の運転領域は、片弁停止運転領域E1となる。また、アクセル開度A1からアクセル開度B1への移行時におけるエンジン1の運転領域は、パーシャルリフト運転領域E2となる。そして、アクセル開度B1での運転時におけるエンジン1の運転領域は、フルリフト運転領域E3となる。
このときの2つの吸気弁34a,34bの開閉動作について説明する。片弁停止運転領域E1において、2つの吸気弁34a,34bは、その一方が閉塞位置において停止すると共にその他方が全開閉動作するため、一方の吸気弁34aのリフト量はゼロとなり、他方の吸気弁34bのリフト量はフルリフト量となる。また、パーシャルリフト運転領域E2において、2つの吸気弁34a,34bは、その一方が半開閉動作すると共にその他方が全開閉動作するため、一方の吸気弁34aのリフト量はフルリフト量の半分、すなわちパーシャルリフト量となり、他方の吸気弁34bのリフト量はフルリフト量となる。そして、フルリフト運転領域E3において、2つの吸気弁34a,34bはその両方が全開閉動作するため、2つの吸気弁34a,34bのリフト量はフルリフト量となる。
また、このときの2つの吸気弁34a,34bからの吸入空気量について説明する。片弁停止運転領域E1において、2つの吸気弁34a,34bは、その他方の吸気弁34bのみが全開閉動作するため、燃焼室16内に吸入される吸入空気量は、所定の吸入空気量となっている。パーシャルリフト運転領域E2において、2つの吸気弁34a,34bは、その一方が半開閉動作すると共にその他方が全開閉動作するため、燃焼室16に吸入される吸入空気量は、一方の吸気弁34aを半開閉動作させた分、増加する。なお、一方の吸気弁34aを半開閉動作させた直後から、わずかに遅れて吸入空気量が増加するのは、吸入空気量を検出するエアフローセンサ105が各吸気弁34a,34bから離れて設置されていることによる検出遅れによるものである。そして、フルリフト運転領域E3において、2つの吸気弁34a,34bは、その両方が全開閉動作するため、燃焼室16内に吸入される吸入空気量は、一方の吸気弁34aを半開閉動作から全開閉動作に移行した分、増加する。
さらに、このときの2つの燃料噴射弁45a,45bからの燃料噴射量について説明する。片弁停止運転領域E1において、2つの燃料噴射弁45a,45bは、その他方のみから燃料噴射が実行されるため、燃焼室16内に導入される燃料噴射量は、吸入空気量に応じた所定の燃料噴射量となっている。また、パーシャルリフト運転領域E2において、2つの燃料噴射弁45a,45bは、その他方のみから燃料噴射が実行される。このとき、燃焼室16内に吸入される吸入空気量は片弁停止運転領域E1における吸入空気量に比して増加するため、他方の燃料噴射弁45bから噴射する燃料噴射量も増加する。そして、フルリフト運転領域E3において、2つの燃料噴射弁45a,45bは、その両方から燃料噴射が実行される。このとき、燃焼室16内に吸入される吸入空気量はパーシャルリフト運転領域E2における吸入空気量に比して増加するため、2つの燃料噴射弁45a,45bから噴射する燃料噴射量も増加する。この場合、2つの燃料噴射弁45a,45bから燃料を噴射するため、噴射する燃料噴射量をそれぞれ半分ずつに減らすことができる。
最後に、この場合における点火プラグ44の点火時期について説明する。片弁停止運転領域E1において、点火プラグ44は、所定のクランク角度を点火時期として放電する。また、パーシャルリフト運転領域E2において、点火プラグ44は、一方の吸気弁34aの半開閉動作の直後において、点火時期を大きく遅角させ、この後、遅角した点火時期を徐々に進角させてゆく。そして、フルリフト運転領域E3において、点火プラグ44は、一方の吸気弁34aの全開閉動作の直後において、点火時期を大きく遅角させ、この後、遅角した点火時期を徐々に進角させた後、再び点火時期を徐々に遅角させる。これにより、吸入空気量および燃料噴射量の増加時において、点火時期を大きく遅角させることで、エンジントルクの急激な増加によるトルク段差を抑制することができ、トルク段差によるドライバビリティの悪化を抑制することができる。
次に、図7は、エンジンのスロットル全開時において、高回転で駆動するエンジンの燃焼動作を表したタイムチャートであり、その横軸が時間(Time)となっており、その縦軸がアクセル開度、2つの吸気弁34a,34bのリフト量、2つの吸気弁34a,34bからの吸入空気量、2つの燃料噴射弁45a,45bの燃料噴射量、および点火プラグ44の点火時期となっている。なお、図6に示すタイムチャートと異なる部分のみ説明する。
エンジン1の高回転運転時にスロットルを全開とすると、上記したように多量の燃料噴射量が必要となる。この場合、要求燃料噴射量が、他方の燃料噴射弁45bから噴射可能な最大燃料噴射量を上回るため、パーシャルリフト運転領域E2内であっても、一方の燃料噴射弁45aから燃料を噴射する必要がある。つまり、パーシャルリフト運転領域E2において、2つの燃料噴射弁45a,45bは、その両方から燃料噴射が実行される。このとき、上記したように、全開閉動作する他方の吸気弁34b側に配設された他方の燃料噴射弁45bは、他方の吸気弁34bの開弁期間中に燃料噴射が実行される。一方、半開閉動作する一方の吸気弁34a側に配設された一方の燃料噴射弁45aは、一方の吸気弁34aの閉弁期間中に実行される。なお、図7に示すように、パーシャルリフト運転領域E2において、2つの燃料噴射弁45a,45bから燃料を噴射するため、噴射する燃料噴射量をそれぞれ半分ずつに減らすことができる。
以上の構成によれば、一方の燃料噴射弁45aからの燃料噴射を行わず、全開閉動作する他方の吸気弁34bの開弁期間中に、他方の燃料噴射弁45bから燃料噴射を行うことで、燃料の気化潜熱により吸入される空気の温度を下げることができ、混合気の体積効率を向上させることができる。これにより、一方の吸気弁34aが閉塞位置において停止状態であっても、他方の吸気弁34bから良好に混合気を充填させることができるため、混合気の燃焼により得られるエンジントルクを向上させることができる。また、噴射した燃料が吸入される空気の気流に乗って燃焼室16に導入されるため、分岐吸気通路30b周りへの燃料の付着を抑制することができる。これにより、噴射した略全ての燃料を燃焼室16内に導入することができるため、燃費向上を図ることができる。
また、片弁停止運転領域E1において、一方の吸気弁34aを閉塞位置または閉塞位置近傍に停止させると共に、一方の吸気弁34a側に配設された一方の燃料噴射弁45aからの燃料噴射を停止させることで、一方の吸気弁34a周りに燃料が溜まることを防止することができる。このため、一方の吸気弁34aの開弁時において、溜まった燃料が燃焼室16内に流入することによる、つまり燃料の過剰供給によるトルク段差の発生を防止することができる。
さらに、半開閉動作する一方の吸気弁34aの開弁期間中に燃料噴射を実行すると、一方の吸気弁34aに対し多量の燃料が付着する。このため、一方の吸気弁34aが半開閉動作を行うパーシャルリフト運転領域E2において、一方の吸気弁34a側の一方の燃料噴射弁45aからの燃料噴射を停止することで、一方の吸気弁34aに燃料が付着することを防止することができる。
また、一方の吸気弁34aが半開閉動作を行うパーシャルリフト運転領域E2において、一方の吸気弁34a側の一方の燃料噴射弁45aから燃料を噴射する場合、一方の燃料噴射弁45aは一方の吸気弁34aの閉弁時において燃料を噴射する。これにより、噴射された燃料は一方の吸気弁34a側の分岐吸気通路30b内において気化し、気化した燃料は一方の吸気弁34aの開弁時に燃焼室16内に導入されることで、燃焼室16内に形成される混合気を均質状態とすることができる。
さらに、2つの吸気弁34a,34bが全開閉動作するフルリフト運転領域E3から、一方の吸気弁34aが閉塞位置に停止すると共に他方の吸気弁34bが全開閉動作する片弁停止運転領域E1へ移行する場合、スロットルバルブのスロットル開度を大きくすることができる。これにより、吸気ポート30内の圧力を上昇させることができるため、吸気抵抗が減少し、ピストン13の往復動作に加わる負荷を、すなわちポンピングロスを軽減させることができる。
また、本実施例において、吸気弁駆動装置40は片弁停止機構により構成されていたが、これに限らず、変形例として、吸気弁駆動装置40は可変動弁機構により構成してもよい。つまり、可変動弁機構は、少なくとも一方の吸気弁34aを所望のリフト量で開閉動作可能となっている。この構成によれば、図8および図9に示すように、一方の吸気弁34aのリフト量をゼロからフルリフト量まで連続的に可変させることができる。
ここで、図8および図9を参照して、吸気弁駆動装置40を可変動弁機構により構成した変形例において、運転制御マップMに基づいて制御されるエンジン1の燃焼動作について説明する。図8は、エンジンのスロットル全開時において、低・中回転で駆動するエンジンの燃焼動作を表したタイムチャートであり、その横軸が時間(Time)となっており、その縦軸がアクセル開度、2つの吸気弁34a,34bのリフト量、2つの吸気弁34a,34bからの吸入空気量、2つの燃料噴射弁45a,45bの燃料噴射量、および点火プラグ44の点火時期となっている。なお、重複した記載を避けるべく、異なる部分についてのみ説明する。
先ず、開度が小さい所定のアクセル開度A1から、開度が大きい所定のアクセル開度B1となるように、アクセル操作を行った場合、エンジン1の運転領域は、片弁停止運転領域E1からパーシャルリフト運転領域E2を経てフルリフト運転領域E3まで移行する。つまり、アクセル開度A1でエンジン1を運転した場合におけるエンジン1の運転領域は、片弁停止運転領域E1となる。また、アクセル開度A1からアクセル開度B1への移行した場合におけるエンジン1の運転領域は、パーシャルリフト運転領域E2となる。そして、アクセル開度B1でエンジン1を運転した場合におけるエンジン1の運転領域は、フルリフト運転領域E3となる。
このときの2つの吸気弁34a,34bの開閉動作について説明する。片弁停止運転領域E1において、2つの吸気弁34a,34bは、その一方が閉塞位置において停止すると共にその他方が全開閉動作するため、一方の吸気弁34aのリフト量はゼロとなり、他方の吸気弁34bのリフト量はフルリフト量となる。また、パーシャルリフト運転領域E2において、2つの吸気弁34a,34bは、その一方が連続的にリフト量をゼロからフルリフト量まで増加させながら開閉動作すると共にその他方が全開閉動作する。そして、フルリフト運転領域E3において、2つの吸気弁34a,34bは、その両方が全開閉動作するため、2つの吸気弁34a,34bのリフト量はフルリフト量となる。
また、このときの2つの吸気弁34a,34bからの吸入空気量について説明する。片弁停止運転領域E1において、2つの吸気弁34a,34bは、その他方の吸気弁34bのみが全開閉動作するため、燃焼室16内に吸入される吸入空気量は、所定の吸入空気量となっている。パーシャルリフト運転領域E2において、2つの吸気弁34a,34bは、その一方のリフト量が連続的に増加すると共にその他方が全開閉動作するため、燃焼室16に吸入される吸入空気量は、一方の吸気弁34aのリフト量が増加した分、増加する。つまり、吸入空気量も連続的に増加する。そして、フルリフト運転領域E3において、2つの吸気弁34a,34bは、その両方が全開閉動作するため、燃焼室16内に吸入される吸入空気量は、一方の吸気弁34aが全開閉動作する分、増加する。
さらに、このときの2つの燃料噴射弁45a,45bからの燃料噴射量について説明する。片弁停止運転領域E1において、2つの燃料噴射弁45a,45bは、その他方のみから燃料噴射が実行されるため、燃焼室16内に導入される燃料噴射量は、吸入空気量に応じた所定の燃料噴射量となっている。また、パーシャルリフト運転領域E2において、2つの燃料噴射弁45a,45bは、その他方のみから燃料噴射が実行される。このとき、燃焼室16内に吸入される吸入空気量は片弁停止運転領域E1における吸入空気量から連続的に増加するため、他方の燃料噴射弁45bから噴射する燃料噴射量も連続的に増加する。そして、フルリフト運転領域E3において、2つの燃料噴射弁45a,45bは、その両方から燃料噴射が実行される。このとき、燃焼室16内に吸入される吸入空気量はパーシャルリフト運転領域E2において連続的に増加してきた最大の吸入空気量となる。この場合、2つの燃料噴射弁45a,45bから燃料を噴射するため、噴射する燃料噴射量をそれぞれ半分ずつに減らすことができる。
最後に、この場合における点火プラグ44の点火時期について説明する。片弁停止運転領域E1において、点火プラグ44は、所定のクランク角度を点火時期として放電する。また、パーシャルリフト運転領域E2において、点火プラグ44は、点火時期を徐々に進角させてゆく。そして、フルリフト運転領域E3において、点火プラグ44は、点火時期を徐々に遅角させる。つまり、吸入空気量および燃料噴射量が徐々に増加するため、点火時期を大きく遅角する必要がない。
次に、図9は、エンジンのスロットル全開時において、高回転で駆動するエンジンの燃焼動作を表したタイムチャートであり、その横軸が時間(Time)となっており、その縦軸がアクセル開度、2つの吸気弁34a,34bのリフト量、2つの吸気弁34a,34bからの吸入空気量、2つの燃料噴射弁45a,45bの燃料噴射量、および点火プラグ44の点火時期となっている。なお、図8に示すタイムチャートと異なる部分のみ説明する。
エンジン1の高回転運転時にスロットルを全開とすると、上記したように多量の燃料噴射量が必要となる。この場合、要求燃料噴射量が、他方の燃料噴射弁45bから噴射可能な最大燃料噴射量を上回るため、パーシャルリフト運転領域E2内であっても、一方の燃料噴射弁45aから燃料を噴射する必要がある。つまり、パーシャルリフト運転領域E2において、2つの燃料噴射弁45a,45bは、その両方から燃料噴射が実行される。このとき、上記したように、全開閉動作する他方の吸気弁34b側に配設された他方の燃料噴射弁45bは、他方の吸気弁34bの開弁期間中に燃料噴射が実行される。一方、リフト量が連続的に増加する一方の吸気弁34a側に配設された一方の燃料噴射弁45aは、一方の吸気弁34aの閉弁期間中に実行される。なお、パーシャルリフト運転領域E2において、2つの燃料噴射弁45a,45bから燃料噴射が実行される場合、図9に示すように、各燃料噴射弁45a,45bからの燃料噴射量は半分となる。
以上の構成においても、一方の燃料噴射弁45aからの燃料噴射を行わず、全開閉動作する他方の吸気弁34bの開弁期間中に、他方の燃料噴射弁45bから燃料噴射を行うことで、燃料の気化潜熱により吸入される空気の温度を下げることができ、混合気の充填効率を向上させることができる。これにより、一方の吸気弁34aが閉塞位置において停止状態であっても、他方の吸気弁34bから良好に混合気を充填させることができるため、混合気の燃焼により得られるエンジントルクを向上させることができる。
なお、図7および図9に示す、エンジン1の高回転運転時におけるパーシャルリフト運転領域E2において、2つの燃料噴射弁45a,45bから噴射される燃料噴射量を半分ずつとなるようにしたが、半開閉動作を行う一方の吸気弁34a側に設けられた一方の燃料噴射弁45aからの燃料噴射量を、全開閉動作を行う他方の吸気弁34b側に設けられた他方の燃料噴射弁45bからの燃料噴射量に比して少量となる燃料噴射量にしてもよい。
以上のように、本発明は、ポート噴射式の内燃機関において有用であり、特に、ツインインジェクタ式の内燃機関に適している。
本実施例に係るポート噴射式のエンジンの構成を表した模式的断面図である。 本実施例に係るポート噴射式のエンジンの燃焼室周りを表した部分断面図である。 燃焼室の上方から見た吸気側連通口および排気側連通口の上面図である。 運転制御マップを模式的に表した説明図である。 各運転領域における吸気弁のリフト量と燃料噴射弁からの燃料噴射量との関係を説明する図である。 本実施例に係るエンジンのスロットル全開時において、低・中回転で駆動するエンジンの燃焼動作を表したタイムチャートである。 本実施例に係るエンジンのスロットル全開時において、高回転で駆動するエンジンの燃焼動作を表したタイムチャートである。 変形例に係るエンジンのスロットル全開時において、低・中回転で駆動するエンジンの燃焼動作を表したタイムチャートである。 変形例に係るエンジンのスロットル全開時において、高回転で駆動するエンジンの燃焼動作を表したタイムチャートである。
符号の説明
1 エンジン
2 ECU
10 クランクケース
11 シリンダブロック
12 シリンダヘッド
13 ピストン
14 クランクシャフト
15 コンロッド
16 燃焼室
20 クランク角センサ
24 シリンダボア
25 ピストンキャビティ
30 吸気ポート
30a 集合吸気通路
30b 分岐吸気通路
31 排気ポート
31a 集合排気通路
31b 分岐排気通路
32 吸気側連通口
33 排気側連通口
34a,34b 吸気弁
35a,35b 排気弁
40 吸気弁駆動装置
41 排気弁駆動装置
44 点火プラグ
45a,45b 燃料噴射弁
100 点火制御部
101 燃料噴射制御部
102 吸気弁駆動制御部
103 スロットル制御部
105 エアフローセンサ
106 スロットル開度センサ
M 運転制御マップ
E1 片弁停止運転領域
E2 パーシャルリフト運転領域
E3 フルリフト運転領域

Claims (4)

  1. 燃焼室と、
    前記燃焼室に連通する2つの吸気通路と、
    前記各吸気通路を開閉自在な2つの吸気弁と、
    前記各吸気通路に向かって燃料を噴射可能な2つの燃料噴射弁と、
    前記各吸気弁を開放位置と閉塞位置との間で全開閉動作させると共に、少なくとも前記一方の吸気弁を前記閉塞位置に停止可能な吸気弁駆動手段と、
    前記吸気弁駆動手段を制御可能な吸気弁駆動制御手段と、
    前記各燃料噴射弁による燃料噴射動作を制御可能な燃料噴射制御手段と、を備え、
    前記吸気弁駆動手段は、少なくとも前記一方の吸気弁を半開放位置と前記閉塞位置との間で半開閉動作可能な構成となっており、
    前記吸気弁駆動制御手段は、内燃機関の運転領域に基づいて前記吸気弁駆動手段を制御しており、前記運転領域が、前記他方の吸気弁から吸入した空気量で内燃機関を駆動可能な第1運転領域であるとき、前記一方の吸気弁を前記閉塞位置に停止させる一方、前記他方の吸気弁を全開閉動作させ、
    前記燃料噴射制御手段は、前記一方の吸気弁側における前記一方の燃料噴射弁からの燃料噴射を停止すると共に、前記他方の吸気弁側における前記他方の燃料噴射弁からの燃料噴射を、前記他方の吸気弁の開弁期間中に実行し、
    前記吸気弁駆動制御手段は、前記運転領域が、前記第1運転領域に比して高負荷領域であると共に前記2つの吸気弁から吸入した空気量で内燃機関を駆動可能な第2運転領域であるとき、前記2つの吸気弁を全開閉動作させ、
    前記燃料噴射制御手段は、前記2つの燃料噴射弁からの燃料噴射を実行し、
    前記吸気弁駆動制御手段は、前記運転領域が前記第1運転領域と前記第2運転領域との間の第3運転領域となるとき、前記一方の吸気弁を半開閉動作させると共に、前記他方の吸気弁を全開閉動作させることを特徴とする内燃機関。
  2. 前記第3運転領域において、前記燃料噴射制御手段が前記2つの燃料噴射弁から燃料噴射を実行するとき、前記燃料噴射制御手段は、半開閉動作する前記一方の吸気弁側における前記一方の燃料噴射弁からの燃料噴射を、前記一方の吸気弁の閉弁期間中に実行することを特徴とする請求項に記載の内燃機関。
  3. 半開閉動作する前記一方の吸気弁側における前記一方の燃料噴射弁から噴射される燃料噴射量は、全開閉動作する前記他方の吸気弁側における前記他方の燃料噴射弁から噴射される燃料噴射量に比して少量となっていることを特徴とする請求項に記載の内燃機関。
  4. 前記燃焼室内に吸入される吸入空気量を調整可能なスロットルバルブと、
    前記スロットルバルブのスロットル開度を制御可能なスロットル制御手段と、をさらに備え、
    前記スロットル制御手段は、前記2つの吸気弁が開閉動作を実行する前記第3運転領域から、前記一方の吸気弁が前記閉塞位置に停止すると共に前記他方の吸気弁が全開閉動作する前記第1運転領域へ移行するとき、スロットル開度を大きくすることを特徴とする請求項またはに記載の内燃機関。
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