JP4992186B2 - 電池セパレータ - Google Patents

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Description

本発明は電池の正極と負極の短絡を防ぐとともに、電解液を保持する電池セパレータにおいて、特に電解液の保液性に優れ、かつ2次電池において充電時に発生するガスの透過性に優れた電池セパレータに関する。
電池セパレータは電池の正極と負極を隔離し、両極の接触やデンドライトのような析出物による短絡を防止しつつ、電解液を保持し、イオンを通過させる役割を持つものである。近年の電池の小型化、軽量化の流れを受け、電池セパレータは薄くなり、含浸する電解液の量も少なくする傾向にある。このため、電池セパレータはこの電解液を確実に電極間に保持し、電池の内部抵抗を低く保つことが求められる。しかしながら、2次電池の正極や負極は通常燒結金属のような多孔物質により形成されるため、長期間の使用の間に電解液がセパレータから極物質の微細孔に吸い出される現象が発生し、電池性能の低下に繋がっていた。
また、2次電池のセパレータはガス透過性に優れることが求められる。これは、2次電池においては充電時に正極から発生するガスを負極へ導き、負極表面で還元して電解液へ戻すように設計されているため、電池セパレータのガス透過性が低いと、正極付近にガスが充満し、内圧が上昇すると共に電解液の量が減少し、電池性能が低下してしまうためである。
電池セパレータの保液性を改善する方法として、電池セパレータを構成する繊維を細繊度化し、不織布を緻密化することにより、不織布を構成する繊維間の細孔を小さくし、毛細管効果を利用して保液性を改善することが試みられてきた。例えば、メルトブロー法を利用した平均直径5μm以下の繊維を用いた極細繊維不織布が提案されている(特許文献1参照)。また、複合繊維を分割して極細繊維を発生させることで不織布の保液性を改善する技術も提案されており(特許文献2参照)、また、極細繊維を高度に分散し、不織布の細孔径を小さくすることも提案されている(特許文献3参照)。しかしながら、不織布を構成する繊維間の細孔を小さくしその空間に電解液を充填すると、保液性は改善されるものの、電解液が不織布の細孔を埋めてしまうため、過充電時に正極より発生するガスの透過性が著しく低くなるという問題があった。
また、電池セパレータのガス透過性を改善する方法としては、太繊度の繊維で構成された不織布を用いることや、不織布に水流などを作用させて部分的に大きな穴を形成することが試みられている(特許文献4参照)。しかしながら、一部の孔でガス透過性を補うためには必然的に大きな孔を形成する必要があり、その部分でデンドライトの析出や電極活物質の移動による微少短絡が発生しやすいという問題があった。
上記のように、2次電池セパレータにおいて保液性とガス透過性は相反する特性であり、両者を同時に満たすセパレータは存在しなかった。
特開平1−157055号公報(第1頁、請求項1) 特開平3−257755号公報(第1頁、請求項2) 特開平9−302563号公報(第1頁) 特開2001−84983号公報(第2頁、請求項3)
本発明の課題は、電解液の保液性とガス透過性を両立させ、電池性能に優れた電池セパレータを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の構成を採用する。すなわち、本発明は、2種類以上の溶剤に対する溶解性の異なるポリマーを2軸押出混練機を用いてアロイ化し、これを紡糸してポリマーアロイ繊維を得て、このポリマーアロイ繊維を溶剤で処理することにより得られる、ポリアミドもしくはポリアリーレンからなる平均直径500nm以下の超極細繊維が集合して形成される直径1μm以上の繊維状物を含むことを特徴とする電池セパレータである。
また、平均直径500nm以下の超極細繊維が集合して形成される直径1μm以上の繊維状物に加え、直径1μm以上の繊維を含むことを特徴とする電池セパレータである。
また、上記の超極細繊維は熱可塑性樹脂からなることが好ましい。
また、上記の熱可塑性樹脂は、ポリアミド、ポリオレフィン、またはポリアリーレンからなるものであることが好ましい。
本発明によれば、平均直径500nm以下という超極細繊維を集めることで、超極細繊維間の間隙に電解液を保持することができ、さらに、超極細繊維集合体を直径1μm以上の繊維状とすることで、不織布の細孔径を保ち通気性を確保することができ、電池性能に優れた電池セパレータを提供することができる。
本発明の電池セパレータは平均直径500nm以下の超極細繊維が束状に集合した繊維状物からなることが重要である。このような構成とすることで、1本の繊維状物内部に多数の超極細繊維が存在し、その超極細繊維の間に多くの微少空間を保有することになる。このため、この繊維状物を液体に接触させると、内部の微少空間の持つ毛細管効果により、液体を繊維状物内部へと吸収し、保持することが可能である。このように、繊維状物内部の空間に電解液を保持することで、不織布自体の細孔を電解液が閉塞することがなく、通気性にも優れたセパレータとなる。このような効果は繊維状物内部に存在する表面積が多ければ多いほど高まるため、繊維状物を構成する超極細繊維の平均直径は500nm以下とナノレベルの細さであることが重要であり、200nm以下であると好ましく、100nm以下であるとより好ましい。ただし、超極細繊維が細くなり過ぎると生産効率が低下し、コストが上昇することから、超極細繊維の平均直径は1nm以上であることが好ましく、10nm以上であるとより好ましい。
ここで、超極細繊維の平均直径は以下のようにして求めることができる。すなわち、超極細繊維からなる繊維状物を繊維軸方向に垂直な面で切り出して透過型電子顕微鏡(TEM)により観察し、超極細繊維1本1本の直径を計測した後に、得られた直径を平均することで求められる。この時、繊維形状が円形でない場合は、繊維の断面積と同じ面積を有する円の直径をもって繊維直径とする(以下、このようにして換算した見かけの繊維直径を円換算径と略記する)。ここで、測定する繊維の本数が多ければ多いほど測定した平均直径はセパレーターを構成する超極細繊維全体の平均直径に近くなるため、より多くの本数を測定することが好ましく、無作為に選択した200本以上の繊維の直径を測定することで全体の平均直径とする事ができる。
加えて、超極細繊維の集合体である繊維状物の直径が1μm以上であることが重要である。超極細繊維はその細さ故に剛性が非常に低く、単独では目開きの大きな不織布を作製することは難しいが、通常の極細繊維と同等の太さに集合することにより、通常の繊維を利用した場合と同等の目開きの不織布を作製することが可能となる。その上で前記したとおり、繊維状物内部に電解液を保持することで、ガス透過性に優れた電池セパレータとなる。このようにガス透過性を確保するためには繊維状物の直径が1μm以上であることが重要であり、2μm以上であると好ましく、5μm以上であるとより好ましい。ただし、繊維状物の太さが太すぎると不織布の目開きが大きくなりすぎ、特にセパレータが薄いときに正極と負極とが短絡しやすくなってしまうため、繊維状物の太さは100μm以下であることが好ましく、50μm以下であるとより好ましい。
ここで、繊維状物の直径は下記のようにして求めることができる。すなわち、電池セパレーターの断面をSEM観察し、繊維状物の断面の面積より円換算径を計算することで直径を計算する。この時、電池セパレーターを異なる方向に3カ所切断し、各断面において繊維状物の繊維軸に垂直に近い面で切断されていると思われる5本の繊維状物の円換算径を計算し、合計15本の繊維状物の直径の平均を計算することで繊維状物の直径とする。
繊維状物を構成するポリマーは、電解液に対する耐久性を有する熱可塑性樹脂からなるもので、ナイロン6(N6)、ナイロン66、ナイロン12などのポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド(PPS)等のポリアリーレンが使用可能である。
加えて、本発明の電池セパレータは電解液と親和性の高いポリマーで構成されることが好ましい。例えば、アルカリ2次電池に使用する場合であれば、水との親和性の高い親水性のポリマーで構成されることが好ましく、ナイロン6やナイロン66等を使用することが好ましい。本発明の電池セパレータは主に毛細管効果という形態的な効果により液体を保持するため、ポリマー自体の親水性が低くても保液性を改善することが可能であるが、濡れ性が悪いと繊維状物内部に電解液を浸透させることが難しくなるため、疎水性のポリマーを使用する際には界面活性化剤を付与するか、スルホン化、フッ素化、コロナ放電、プラズマ放電等の親水化処理を行い濡れ性を改善することが好ましい。
本発明の電池セパレータの製造方法は、次の方法を採用することができる。
まず、2種類以上の溶剤に対する溶解性の異なるポリマーをアロイ化したポリマーアロイ溶融体となし、これを紡糸した後、冷却固化して繊維化する。そして必要に応じて延伸・熱処理を施し、ポリマーアロイ繊維を得る。そして、このポリマーアロイ繊維を溶剤で処理を行うと、ポリマーアロイ繊維中の易溶解性ポリマーが溶出され、ポリマーアロイ繊維中の難溶解性ポリマーであるポリアミドもしくはポリアリーレンが超極細繊維を形成すると同時に、ポリマーアロイ繊維1本の中に存在したポリアミドもしくはポリアリーレンからなる超極細繊維が集合して繊維状物が形成される。
ここで、超極細繊維集合体の前駆体であるポリマーアロイ繊維中で易溶解性ポリマーを海(マトリックス)、難溶解性ポリマーを島(ドメイン)となし、その島サイズを制御することが重要である。ここで、島サイズは、ポリマーアロイ繊維の横断面をTEM観察し、直径換算で評価したものである。前駆体中での島サイズにより超極細繊維の直径がほぼ決定されるため、島サイズの分布は本発明の超極細繊維の直径分布に準じて設計される。このため、アロイ化するポリマーの混練が極めて重要であり、本発明では混練押出機や静止型混練器等によって高度に混練することが好ましい。なお、例えば特開平6−272114号公報に示されるような、単純なチップブレンドでは混練が不足するため、本発明のような平均500nm以下のサイズで島を分散させることは困難である。
具体的に混練を行う際の目安としては、組み合わせるポリマーにもよるが、混練押出機を用いる場合は2軸押出混練機を用いることが好ましく、静止型混練器を用いる場合はその分割数を100万以上とすることが好ましい。また、ブレンド斑や経時的なブレンド比率の変動を避けるため、それぞれのポリマーを独立に計量し、独立にポリマーを混練装置に供給することが好ましい。このとき、ポリマーはペレットとして別々に供給しても良く、あるいは、溶融状態で別々に供給しても良い。また、2種以上のポリマーを押出混練機の根本に供給しても良いし、あるいは、一成分を押出混練機の途中から供給するサイドフィードとしても良い。
混練装置として二軸押出混練機を使用する場合には、高度の混練とポリマー滞留時間の抑制を両立させることが好ましい。スクリューは、送り部と混練部から構成されているが、混練部の長さをスクリューの有効長さの20%以上とすることで高混練とすることができ好ましい。また、混練部の長さをスクリュー有効長さの40%以下とすることで、過度の剪断応力を避け、しかも滞留時間を短くすることができ、ポリマーの熱劣化やポリアミド成分等のゲル化を抑制することができる。また、混練部はなるべく二軸押出機の吐出側に位置させることで、混練後の滞留時間を短くし、島ポリマーの再凝集を抑制することができる。加えて、混練を強化する場合は、押出混練機中でポリマーを逆方向に送るバックフロー機能のあるスクリューを設けることもできる。
また、島を500nm以下のサイズで超微分散させるには、ポリマーの組み合わせも重要である。
明確な海島構造を得るためには、混ぜ合わせるポリマー同士が非相溶である必要がある。しかし、両ポリマーの相溶性が悪すぎると高度に混練を行っても島ドメインのサイズが不均一で、大きな島が混在するようになる。このため、両ポリマーの相溶性を適切な範囲に収める必要がある。ここで、相溶性を制御するため、少量の第3成分(相溶化剤等)を利用することも可能である。
また、ポリマー同士の融点差が20℃以下であると、特に押出混練機を用いた混練の際、押出混練機中での融解状況に差を生じにくいため、高効率で混練しやすく好ましい。特に、熱分解や熱劣化し易いポリマーを1成分に用いる際は、混練や紡糸温度を低く抑える必要があるが、これにも有利となるのである。ここで、非晶性ポリマーの場合は、融点が存在しないため、ガラス転移温度あるいはビカット軟化温度あるいは熱変形温度でこれに代える。
さらに、溶融粘度も重要であり、島を形成するポリマーの方を低く設定すると剪断力による島ポリマーの変形が起こりやすいため、島ポリマーの微分散化が進みやすく超微細化の観点からは好ましい。ただし、島ポリマーを過度に低粘度にすると海化しやすくなり、繊維全体に対するブレンド比を高くできないため、島ポリマー粘度は海ポリマー粘度の1/10以上とすることが好ましい。また、海ポリマーの溶融粘度は紡糸性に大きな影響を与える場合があり、海ポリマーとして100Pa・s以下の低粘度ポリマーを用いると紡糸性を改善できるため好ましい。この時、溶融粘度は紡糸の際の口金面温度で剪断速度1216sec−1での値である。
また、海ポリマーを取り除いた後に島ポリマーからなる超極細繊維が集合して繊維状物質を形成するためには、繊維中における島ポリマーの分量が重要となる。島ポリマーのブレンド比が少ないと海ポリマーを取り除いた後に残された超極細繊維が十分に集合せず、明確な繊維状物を形成しないか、繊維状物を形成しても強度が非常に低いものになってしまう。海ポリマーを取り除いた後に強固な繊維状物を形成するには繊維全体に占める島ポリマーの重量分率が20%以上であることが好ましく、35%以上であるとより好ましい。ただし、島ポリマーの分率を多くしすぎると海島構造が崩れ、超極細繊維が得られなくなってしまうため注意が必要である。
本発明で用いる超微分散化したポリマーアロイを紡糸する際は、紡糸口金設計が重要であるが、糸の冷却条件も重要である。上記したようにポリマーアロイは非常に不安定な溶融流体であるため、口金から吐出した後に速やかに冷却固化させることが好ましい。このため、口金から冷却開始までの距離は1〜15cmとすることが好ましい。ここで、冷却開始とは糸の積極的な冷却が開始される位置のことを意味するが、実際の溶融紡糸装置ではチムニー上端部でこれに代える。
また、紡糸されたポリマーアロイ繊維には延伸・熱処理を施すことが好ましいが、延伸の際の予熱温度は島ポリマーのガラス転移温度(Tg)以上の温度すると、糸斑を小さくすることができるため好ましい。
前記したとおり、このようにして得られたポリマーアロイ繊維を溶剤で処理することで超極細繊維が集合した繊維状物を得ることができる。その際、溶剤としては水溶液系のものを用いることが環境負荷を低減する観点から好ましい。具体的にはアルカリ水溶液や熱水を用いることが好ましい。このため、易溶解ポリマーとしては、ポリエステルやその誘導体等のアルカリ加水分解されるポリマーやポリアルキレングリコールやポリビニルアルコールおよびそれらの誘導体等の熱水可溶性ポリマーが好ましい。
ここで、本発明の電池セパレータに使用可能な繊維状物からなる不織布を作成する方法としては、ポリマーアロイ繊維を溶剤で処理した後に不織布化する方法と、ポリマーアロイ繊維の不織布を作製した後に溶剤で処理する方法が挙げられる。溶剤で処理した後に不織布を作製すると、不織布作製の際の外力により繊維状物がほぐれて超極細繊維が発生することで、電池セパレータとした際のガス透過性が低下することがあるため、ポリマーアロイ繊維の不織布を作製した後に溶剤で処理して繊維状物を生成させることが好ましい。また、不織布の作成方法としては、湿式法、乾式法等の公知の作成方法を使用することが可能であり、通気度を優先したい場合は目開きの大きくなる乾式法を、薄さを優先したい場合は被覆率の高くなる湿式法を選択するのが好ましい。
本発明の電池セパレータに用いる不織布は上記ポリマーアロイ繊維より発生する繊維状物のみから構成されていても良いが、他の繊維と組み合わせて利用することも可能である。特に、ポリマーアロイ繊維より生成した繊維状物は湿潤時の形態安定性に乏しいため、形態の保持や、空隙率の確保のため、溶剤処理で形状の変化しない繊維と混合して使用することが好ましい。この際、上記繊維状物と他の繊維を混合して不織布を作製しても良く、上記繊維状物からなる不織布と他の繊維からなる不織布を積層して一体化しても良い。この時、上記繊維状物と他の繊維の繊維の比率については特に制限はないが、電池セパレーターとして十分な保液性を保持するためには、電池セパレーター全体の質量に占める上記繊維状物の割合を40%以上とすることが好ましく、60%以上とすることがより好ましい。
ここで、混用する繊維の繊度に特に制限はないが、湿潤時の形態安定性を改善するためには直径1μm(繊度約0.01dtex)以上の繊維と混用することが好ましく、直径5μm(繊度約0.25dtex)以上であるとより好ましい。ただし、混用する繊維の直径が太くなりすぎると、不織布の細孔が大きくなり正極と負極が短絡しやすくなってしまうため、混用する繊維の直径は50μm(繊度約25dtex)以下であることが好ましく、30μm(繊度約10dtex)以下であることがより好ましい。
ここで、混用した繊維の直径は下記のようにして求めることができる。すなわち、電池セパレーターの断面をSEM観察し、繊維の断面の面積より円換算径を計算することで直径を計算する。この時、電池セパレーターを異なる方向に3カ所切断し、各断面において混用した繊維の繊維軸に垂直に近い面で切断されていると思われる5本の繊維の円換算径を計算し、合計15本の繊維の直径の平均を計算することで繊維の直径とする。
また、混用する繊維の素材は繊維状物と同じであっても異なっていても良いが、電池として使用するためには電解液に対して十分な耐久性があることが重要であり、例えばアルカリ2次電池に使用する場合であれば、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィンや、ナイロン6(N6)、ナイロン66、ナイロン12などのポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド(PPS)等のポリアリーレンが使用可能である。ここで、繊維状物よりも融点の低い繊維を組み合わせると、後に熱処理により融着させることで不織布の強度を向上させることができるため好ましい。
得られた不織布は、必要に応じて親水化処理を行うことで親水性を改善し、より保水性を高めることが可能である。親水化処理方法としては公知の方法が使用できる。たとえば、不織布がポリオレフィンから形成される場合にはスルホン化処理、フッ素化処理、コロナ放電処理、プラズマ処理等を用いることが可能である。
以下、本発明を実施例を用いて具体的に説明する。なお、実施例中の測定方法は以下の方法を用いた。
A.ポリマーの溶融粘度
東洋精機キャピログラフ1Bによりポリマーの溶融粘度を測定した。なお、サンプル投入から測定開始までのポリマーの貯留時間は10分とした。
B.融点
Perkin Elmaer DSC−7を用いて2nd runでポリマーの融解を示すピークトップ温度をポリマーの融点とした。この時の昇温速度は16℃/分、サンプル量は10mgとした。
C.繊維のウースター斑(U%)
ツェルベガーウスター株式会社製USTER TESTER 4を用いて給糸速度200m/分でノーマルモードで測定を行った。
D.TEMによる繊維横断面観察
繊維の横断面方向に超薄切片を切り出し、透過型電子顕微鏡(TEM)で繊維横断面を観察した。また、ナイロンはリンタングステン酸で金属染色した。
TEM装置 : 日立社製H−7100FA型
E.超極細繊維の平均直径
TEMによる繊維横断面写真を画像処理ソフト(三谷商事株式会社、WinROOF)を用いて円換算径を計算した。この時、同一断面内で300本の繊維を無作為に抽出し平均値を求めた。
F.SEM観察
電池セパレータの一部をサンプリングし、任意に3カ所切断して断面を作成し、格段面について白金−パラジウム合金の蒸着を行った後に走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、各観察について5本の繊維状物について画像処理ソフト(三谷商事株式会社、WinROOF)を用いて円換算径を計算し、合計15本の平均値を求めた。
SEM装置 : 日立社製S−4000型
G.力学特性
室温(25℃)で、初期試料長=200mm、引っ張り速度=200mm/分とし、JIS L1013に示される条件で荷重−伸長曲線を求めた。次に破断時の荷重値を初期の繊度で割り、それを強度とし、破断時の伸びを初期試料長で割り伸度として強伸度曲線を求めた。
H.保液性
電池セパレータの保液性は加圧保液率にて評価を行った。まず、5cm×5cmの試験片を採取し、温度20℃、湿度65%の環境に24時間保持して平衡水分率に調整した後、重量(W0)を測定した。次に、試験片をイオン交換水中に沈め、93kPaの減圧下に15分保持した後、1時間浸漬して水分を保持させた。次に、この試験片を上下3枚ずつの濾紙(アドバンテック(株)No.1)で挟み、加圧ポンプにより5.7MPaの圧力を30秒間作用させた後、セパレータの重量(W1)を測定した。そして、下記の式から、加圧保液率を算出した。この測定は1つのセパレータに対して各4回行い、その平均値を加圧保液率とした。
加圧保液率(%)=[(W1−W0)/W0]×100
I.通気度
実際の電池内部における通気度を評価するため、特開2001−84983号公報に記載の方法に従い、電解液を保持した状態での通気度であるウエットフランジール通気度を測定した。まず、20cm×20cmの試験片を作製し、十分に水分を吸尽させた後、水分量を調整して2.88g(0.0072g/cm)の脱イオン水(水温20℃)を保持させた。その試験片をフラジール型試験器を用いてJIS L 1096(1999)に従い通気度を測定した。
実施例1
溶融粘度212Pa・s(262℃、剪断速度121.6sec−1)、融点220℃のナイロン6(以下、N6と略記)と重量平均分子量12万、溶融粘度30Pa・s(240℃、2432sec−1)、融点170℃のポリL乳酸(以下、PLAと略記)(光学純度99.5%以上)を用い、N6の含有率を40重量%とし、2軸押し出し混練機で220℃で混練してポリマーアロイチップを得た。なお、PLAの重量平均分子量は以下のようにして求めた。試料のクロロホルム溶液にTHF(テトラヒドロフラン)を混合し測定溶液とした。これをWaters社製ゲルパーミテーションクロマトグラフィー(GPC)Waters2690を用いて25℃で測定し、ポリスチレン換算で重量平均分子量を求めた。
スクリュー型式 同方向完全噛合型 2条ネジ
スクリュー 直径37mm、有効長さ1670mm、L/D=45.1
混練部長さはスクリュー有効長さの28%
混練部はスクリュー有効長さの1/3より吐出側に位置させた。
途中3個所のバックフロー部有り
ポリマー供給 N6とPLAを別々に計量し、別々に混練機に供給した。
温度 220℃
ベント 2個所
このポリマーアロイを230℃で溶融し、紡糸温度230℃のスピンブロックに導いた。そして、限界濾過径15μmの金属不織布でポリマーアロイ溶融体を濾過した後、口金面温度215℃とした口金から溶融紡糸した。この時、口金としては、吐出孔径が0.3mm、吐出孔長が0.75mmのものを用いた。そして、この時の単孔あたりの吐出量は0.8g/分とした。さらに、口金下面から冷却開始点までの距離は9cmであった。吐出された糸条は20℃の冷却風で1mにわたって冷却固化され、口金から1.8m下方に設置した給油ガイドで給油された後、非加熱の第1引き取りローラーおよび第2引き取りローラーを介して1350m/分で巻き取られた。この時の紡糸性は良好であり、24時間の連続紡糸の間の糸切れはゼロであった。そして、これを第1ホットローラーの温度を90℃、第2ホットローラーの温度を130℃として延伸熱処理した。この時、第1ホットローラーと第2ホットローラー間の延伸倍率を2.05倍とした。得られたポリマーアロイ繊維は105dtex、36フィラメント、強度3.4cN/dtex、伸度36%、U%=1.3%の優れた特性を示した。また、得られたポリマーアロイ繊維の横断面をTEMで観察したところ、PLAが海(薄い部分)、N6(濃い部分)が島の海島構造を示し、島N6の数平均による直径は85nmであり、N6が超微分散化したポリマーアロイ繊維が得られた。
上記ポリマーアロイ繊維を15万dtexに合糸した後、捲縮機で捲縮を付与し、51mmにカットして原綿化した。この原綿をローラーカードでカーディングし、ニードルパンチで絡合して目付150g/mの不織布とした。得られた不織布を3%の水酸化ナトリウム水溶液(95℃、浴比1:100)に2時間浸漬して、ポリマーアロイ繊維中の海ポリマーの99%以上を加水分解除去し、実質的にN6のみからなる目付60g/mの電池セパレータを作製した。
得られた電池セパレータ表面をSEM観察したところ、図1に示すように繊維状の物質から構成されていることが確認された。さらに、この繊維状物のTEM観察を行ったところ、図2に示すようにこの繊維状物が直径100nm以下の超極細繊維が集合して形成されていることが確認された。この電池セパレータについて断面のSEM観察と、繊維状物のTEM観察を行った結果、繊維状物の直径は13μmであり、繊維状物を構成する超極細繊維の平均直径は95nmであった。
比較例1
特公昭47−26723号公報に示されたものと同型の口金を用い、実施例1で使用したものと同じN6とPLAを用いてN6が島、PLAが海の24島海島型複合繊維を作製した。紡糸条件はN6の溶融温度250℃、PLAの溶融温度220℃、紡糸温度250℃(口金面温度235℃)、N6の吐出量:PLAの吐出量=4:6、巻き取り速度900m/minとした。得られた繊維を延伸温度90℃、熱セット温度120℃、延伸倍率2.4倍で延伸して、単糸繊度8dtexの繊維を作製した。
得られた繊維を用いて実施例1と同様に捲縮付与、カット、カーディング、ニードルパンチを行い乾式不織布を作製したのち、水酸化ナトリウム水溶液で処理して実質的にN6のみからなる目付60g/mの電池セパレータを作製した。得られた電池セパレータ断面をSEM観察したところ、直径4μmのN6繊維から形成されていることが確認された。
参考例1
溶融粘度350Pa・s(220℃、剪断速度121.6sec−1)、融点162℃のポリプロピレン(以下、PPと略記)(30重量%)と実施例1で使用したPLA(70重量%)を混練温度を220℃として、実施例1と同様に溶融混練しポリマーアロイペレットを得た。なお、このPLAの220℃、121.6sec−1における溶融粘度は107Pa・sであり、215℃、1216sec−1での溶融粘度は86Pa・sであった。
このポリマーアロイペレットを用い、溶融温度230℃、紡糸温度230℃(口金面温度215℃)、口金孔径0.7mm(上部に0.3mmの計量部を有する)、単孔吐出量1.50g/分、紡糸速度1300m/分として、実施例1と同様に溶融紡糸を行った。得られた未延伸糸を延伸温度80℃、延伸倍率2.7倍、熱セット温度100℃の条件で延伸熱処理し、単糸繊度4dtexのポリマーアロイ繊維を得た。
また、同じPPを用いて溶融温度220℃、紡糸温度220℃(口金面温度210℃)、口金孔径0.3mm、単孔吐出量1.5g/分、紡糸速度900m/分として溶融紡糸を行った。得られた未延伸糸を延伸温度80℃、熱セット温度100℃、延伸倍率3.3倍の条件で延伸熱処理し、単糸繊度5dtexのPP繊維を得た。
上記ポリマーアロイ繊維に捲縮機で捲縮を付与し、51mmにカットして原綿化した。また、PP繊維も同様に捲縮を付与し、51mmにカットして原綿化した。得られたポリマーアロイ原綿とPP原綿を90/10の重量比で混合し、ローラーカードでカーディングした後ニードルパンチで絡合して目付200g/mの不織布とした。この不織布を実施例1と同様に水酸化ナトリウム水溶液で処理してPLAを除去し、実質的にPPのみからなる目付75g/mの電池セパレータを作製した。
得られた電池セパレータ断面をSEM観察したところ、直径25μmの繊維と直径14μmの繊維状物質から構成されていることが確認された。さらに、繊維状物のTEM観察を行ったところ、この繊維状物が平均直径240nmの超極細繊維が集合して形成されていることが確認された。
比較例2
PP原綿のみを使用したことを除いて実施例2と同様に不織布を作製し、目付75g/mの電池セパレータを作製した。
比較例3
実施例2で得られた不織布に対して、特開平9−302563号公報の実施例2に示された方法に従い超音波を作用させた。得られた電池セパレータ断面をSEM観察したところ、超極細繊維が分散して表面を被覆しているのが確認された。
実施例
溶融粘度190Pa・s(300℃、剪断速度121.6sec−1)、融点283℃のポリフェニレンスルフィド(以下、PPSと略記)(40重量%)と溶融粘度520Pa・s(300℃、剪断速度121.6sec−1)、融点255℃のポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記)(60重量%)を2軸混練機押出機を備えた溶融紡糸装置を用いて混練紡糸を行った。なお、このPETの305℃、1216sec−1での溶融粘度は270Pa・sであった。
ここで、スクリュー構成は下記のとおりであり、混練温度300℃、紡糸温度315℃(口金面温度305℃)、口金孔径0.6mm(上部に0.3mmの計量部を有する)、単孔吐出量1.5g/分、紡糸速度1000m/分として、溶融紡糸を行った。得られた未延伸糸を延伸温度100℃、延伸倍率3.1倍、熱セット温度130℃の条件で延伸熱処理し、ポリマーアロイ繊維を得た。
スクリュー型式 同方向完全噛合型 2条ネジ
スクリュー 直径15mm、有効長さ672mm、L/D=44.8
混練部長さはスクリュー有効長さの33%
途中2個所のバックフロー部有り
ポリマー供給 PPSとPETを別々に計量し、別々に混練機に供給した。
温度 300℃
ベント 無し
また、融点162℃のPPを用いて溶融温度200℃、紡糸温度200℃(口金面温度180℃)、口金孔径0.3mm、単孔吐出量0.5g/分、紡糸速度900m/分として溶融紡糸を行った。得られた未延伸糸を延伸温度80℃、熱セット温度100℃、延伸倍率3.7倍の条件で延伸熱処理し、単糸1.5dtexのPP繊維を得た。
上記ポリマーアロイ繊維を長さ6mmにカットしてカットファイバーとした。また、PP繊維も同様にカットしてカットファイバーとした。このポリマーアロイカットファイバーとPPカットファイバーを重量比で90:10の割合で混合して1%のノニオン系界面活性剤を含浸させた後、水中に投入してミキサーで3分間攪拌した。この分散液にポリアクリルアミドの0.1重量%水溶液(粘剤)を適宜添加し、緩やかに攪拌してスラリーを作製した。該スラリーを用い、丸網抄紙機で目付40g/mの湿式不織布を作製した。この不織布を10重量%の水酸化ナトリウム水溶液に減量促進剤(マーセリンPES、明成化学工業(株))を5%owf加え、浴比1:100、温度98℃で2時間処理を行い、ポリマーアロイ中のPET成分のうち99%以上を加水分解除去し、PPSとPPからなる不織布とした。該不織布を200℃の熱風乾燥機に通してPP成分を融着させた後、80℃に設定したカレンダーロールで厚さを100μmに調整して、目付20g/mの電池セパレータを作製した。
得られた電池セパレータ断面をSEM観察したところ、直径14μmの繊維と直径14μmの繊維状物質から構成されていることが確認された。さらに、繊維状物のTEM観察を行ったところ、この繊維状物が平均直径70nmの超極細繊維が集合して形成されていることが確認された。
比較例4
実施例3で用いたPPSポリマーを用い、溶融温度310℃、紡糸温度320℃(口金面温度305℃)、口金孔径0.3mm、単孔吐出量0.9g/分、紡糸速度900m/分の条件で溶融紡糸を行い、延伸温度90℃、熱セット温度230℃、延伸倍率3.1倍の条件で延伸熱処理して、単糸3dtexのPPS繊維を作製した。このPPS繊維を6mmにカットし、実施例3で用いたPPカットファイバーと10:3の比率で混合した後、実施例3と同様に湿式不織布を作製し、熱処理を行うことで目付20g/mの電池セパレータを作製した。
実施例
溶融粘度100Pa・s(280℃、剪断速度121.6sec−1)、融点250℃のナイロン66(以下、N66と略記)(30重量%)と溶融粘度180Pa・s(280℃、剪断速度121.6sec−1)のイソフタル酸を8mol%、ビスフェノールAを4mol%共重合した融点225℃の共重合PET(70重量%)を2軸混練機押出機を備えた溶融紡糸装置を用いて混練紡糸を行った。なお、この共重合PETの280℃、1216sec−1での溶融粘度は125Pa・sであった。
ここで、スクリュー構成は下記の通りであり、混練温度270℃、紡糸温度290℃(口金面温度280℃)、口金孔径0.3mm、単孔吐出量1.0g/分、紡糸速度1000m/分として、溶融紡糸を行った。得られた未延伸糸を延伸温度100℃、延伸倍率2.6倍、熱セット温度170℃の条件で延伸熱処理し、ポリマーアロイ繊維を得た。
スクリュー型式 同方向完全噛合型 2条ネジ
スクリュー 直径15mm、有効長さ672mm、L/D=44.8
混練部長さはスクリュー有効長さの33%
途中2個所のバックフロー部有り
ポリマー供給 N66と共重合PETを別々に計量し、別々に混練機に供給した。
温度 270℃
ベント 2カ所
また、融点128℃の高密度ポリエチレン(以下、PEと略記)を用いて溶融温度180℃、紡糸温度180℃(口金面温度170℃)、口金孔径0.3mm、単孔吐出量0.3g/分、紡糸速度900m/分として溶融紡糸を行った。得られた未延伸糸を延伸温度60℃、熱セット温度100℃、延伸倍率3.3倍の条件で延伸熱処理し、単糸繊度1dtexのPE繊維を得た。
上記ポリマーアロイ繊維を長さ6mmにカットしてカットファイバーとした。また、PE繊維も同様にカットしてカットファイバーとした。ポリマーアロイカットファイバーとPEカットファイバーを80:20の割合で混合して1%のノニオン系界面活性剤を含浸させた後、水中に投入してミキサーで3分間攪拌した。この分散液にポリアクリルアミドの0.1重量%水溶液(粘剤)を適宜添加し、緩やかに攪拌してスラリーを作製した。該スラリーを用い、丸網抄紙機で目付70g/mの湿式不織布を作製した。この不織布を5重量%の水酸化ナトリウム水溶液に減量促進剤(マーセリンPES、明成化学工業(株))を5%owf加え、浴比1:100、温度98℃で2時間処理を行い、ポリマーアロイ中の共重合PET成分のうち99%以上を加水分解除去し、N66とPEからなる不織布とした。次に、該不織布を130℃の熱風乾燥機に通してPE成分を融着させ、60℃に設定したカレンダーロールで厚さを150μmに調整して目付30g/mの電池セパレータを作製した。
得られた電池セパレータ断面をSEM観察したところ、直径11μmの繊維と直径14μmの繊維状物質から構成されていることが確認された。さらに、繊維状物のTEM観察を行ったところ、この繊維状物が平均直径110nmの超極細繊維が集合して形成されていることが確認された。
実施例1〜、比較例1〜4のそれぞれの電池セパレータについて、保液性と通気度の試験を行った。結果を表1に示す。
表1から明らかなように、本発明の繊維状物質を含む電池セパレータは優れた保液性と通気度を示し、2次電池用セパレータとして良好な特性を持つことが示された。一方で、超極細繊維を含まない電池セパレータでは十分な保液性が得られなかった。また、超極細繊維を分散させた電池セパレータでは保液性は改善されるが、通気度が極めて低くなり、過充電に弱い電池セパレータとなった。
また、本発明の電池セパレータは疎水性のポリマを用いても保液性が改善されており、同時に通気度にも優れた電池セパレータとなった。これは、疎水性のポリマでは電解液をポリマ内部に吸収できないため、通常の不織布では不織布の空隙を電解液が埋めてしまうのに対して、本発明の電池セパレータでは繊維状物内部の超極細繊維間に電解液を保持できるため、不織布の空隙が埋まりにくいためであると考えられる。
上記のように、本発明の電池セパレータは保液性とガス透過性を両立し、特に2次電池のセパレータとして繰り返し充電を行い長期にわたり使用した際でも電解液の現象が少なく、電池性能の低下を抑えることが可能なものである。
実施例1の電池セパレータ表面の超極細繊維からなる繊維状物の形状を示すSEM写真である。 実施例1の電池セパレータに含まれる繊維状物を構成する繊維の形状を示す断面TEM写真である。

Claims (3)

  1. 2種類以上の溶剤に対する溶解性の異なるポリマーを2軸押出混練機を用いてアロイ化し、これを紡糸してポリマーアロイ繊維を得て、このポリマーアロイ繊維を溶剤で処理することにより得られる、ポリアミドもしくはポリアリーレンからなる平均直径500nm以下の超極細繊維が集合して形成される直径1μm以上の繊維状物を含むことを特徴とする電池セパレータ。
  2. 繊維状物に加え、直径1μm以上の繊維を含むことを特徴とする請求項1記載の電池セパレータ。
  3. 請求項1または2記載の電池セパレータを有することを特徴とする電池。
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