JP4989510B2 - レゾネータを備える自動二輪車の遮音構造体 - Google Patents

レゾネータを備える自動二輪車の遮音構造体 Download PDF

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Description

本発明は、動力を発生する動力装置が発生する放射音を低減するカバー部材と、該放射音を低減するレゾネータとを備える自動二輪車の遮音構造体に関し、詳細には、動力装置およびカバー部材に対するレゾネータの配置に関する。
動力装置である内燃機関において、該内燃機関からの放射音を低減するカバー部材が内燃機関に取り付けられ、さらに、内燃機関とカバー部材とにより形成される空間での騒音を低減するために、カバー部材の内側にレゾネータが一体に形成され、該レゾネータの首部が空間に開放しているものは知られている。(例えば、特許文献1参照)
また、動力装置が、内燃機関と該内燃機関の動力が入力される変速機とを備え、該変速機が斜板式の静油圧式無段変速機により構成されるものも知られている。(例えば、特許文献2,3参照)
特開平8−144783号公報 特開2005−248838号公報 特開2005−263143号公報
内燃機関と該内燃機関を覆うカバー部材との間に形成される空間に配置されるレゾネータが、カバー部材に一体に形成される場合、レゾネータ自体がカバー部材と共に振動する。そして、このときのレゾネータ自体の振動は、レゾネータが共鳴により低減させようとする特定周波数の放射音とは異なる周波数であることが多く、特にカバー部材が防振ゴム等の防振部材を介して内燃機関に取り付けられている場合には、レゾネータ自体の振動の周波数と前記特定周波数とが異なることが一層多くなる。このため、レゾネータによる特定周波数の放射音の低減効果が十分に得られないことがあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、動力装置を外側から覆うことにより動力装置が発生する放射音を低減するカバー部材と、レゾネータとを備える自動二輪車の遮音構造体の騒音低減効果の向上を図ること、およびレゾネータによる乗員に対する騒音低減効果の向上を図ることを目的とする。
請求項1記載の発明は、自動二輪車の乗員用シートよりも下方に配置されて、放射音が発生する動力装置を、前記動力装置の外側で前記動力装置を所定方向から覆うことにより放射音を低減するカバー部材と、前記放射音の特定周波数で共鳴するレゾネータとを備える遮音構造体において、
前記カバー部材の内面に放射音を低減する吸音材が取り付けられ、前記レゾネータは、前記動力装置と前記カバー部材との間に形成される空間に前記吸音材と接触または空間を空けて前記カバー部材と非接触状態で配置されると共に、前記動力装置に接触状態で取り付けられ、前記レゾネータは、前記動力装置における、特定周波数の前記放射音の加振源の近傍に取り付けられ、前記レゾネータに設けられる首部の開口部は、前記空間内において、前記カバー部材に沿う方向で、かつ、前記開口部の位置に対して、前記空間の上方に向かう方向に開口し、前記開口部は、前記シートよりも前方に位置することを特徴とする自動二輪車の遮音構造体である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の自動二輪車の遮音構造体において、前記カバー部材は、前記所定方向から前記動力装置を覆う覆い部と、前記所定方向とは反対方向に前記動力装置に近接するように屈曲した外周部とを有し、前記外周部は、前記所定方向に直交する直交方向から前記動力装置を覆い、前記空間には、前記カバー部材の内面に沿って、かつ前記カバー部材と前記レゾネータとの間に前記吸音材が配置されることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、動力装置とカバー部材との間の空間に配置されたレゾネータにより、該空間で動力装置が発生した放射音が低減する。このとき、レゾネータとカバー部材とが接触していないので、カバー部材の振動が共鳴状態にあるレゾネータ自体の振動を抑制して、レゾネータの共鳴を阻害することが防止されること、しかもレゾネータは動力装置に直接取り付けられているので、レゾネータ自体も特定周波数で直接加振されることから、特定周波数での共鳴がレゾネータ自体の振動により促進される。この結果、レゾネータによる騒音低減効果が向上して、遮音構造体の騒音低減効果が向上する。
また、レゾネータがカバー部材と接触していないことを利用して、吸音材を、レゾネータにより妨げられることなく、カバー部材の内面に沿って広範囲に渡って空間内に配置することができる。この結果、レゾネータによる特定周波数の放射音の騒音低減効果に加えて、カバー部材の内面に沿って配置された吸音材により、特定周波数の放射音を含めた放射音全体の騒音を低減できるので、騒音低減効果が向上する。
また、レゾネータの開口部は、空間を形成するカバー部材に沿って、該空間の上方に広い側に向かって開口しているので、レゾネータでの共鳴が発生しやすくなるうえ、首部がカバー部材に沿う方向に開口しているので、カバー部材に沿って伝播する放射音のうちで、特定周波数の放射音をレゾネータにより低減することができる。
さらに、レゾネータが加振源の近傍に取り付けられているので、レゾネータ自体が特定周波数で効果的に加振されることから、特定周波数での共鳴が一層促進される。
この結果、レゾネータによる騒音低減効果が向上して、遮音構造体の騒音低減効果が向上する。
そして、動力装置から自動二輪車の乗員に向かう放射音がレゾネータにより効果的に低減するので、乗員に対する騒音低減効果が向上する。
請求項2記載の事項によれば、カバー部材は、所定方向から騒音源装置を覆う覆い部のほかに、その外周部で該所定方向に直交する直交方向からも騒音源装置を覆うので、カバー部材による騒音低減効果が向上する。
以下、本発明の実施形態を図1〜図4を参照して説明する。
図1を参照すると、この実施形態において、本発明が適用された遮音構造体は、車両としての自動二輪車Vに備えられ、後述するように、動力装置Pをその外側で覆う外装カバーC1と、レゾネータ120 とを備える。
なお、実施形態において、左右方向および前後方向は、動力装置Pが搭載される自動二輪車Vの左右方向および前後方向にそれぞれ一致し、また上下方向は鉛直方向である。
軸方向とは、後述する各回転軸に関して、その回転中心線の方向である。そして、内燃機関Eに備えられるクランク軸33(図3参照)の軸方向は、この実施形態では左右方向に一致する。そして、右方および左方の一方をクランク軸33の軸方向の一方向とするとき、右方および左方の他方はクランク軸33の軸方向の他方向である。
自動二輪車Vは、ヘッドパイプ1、メインフレーム2およびダウンチューブ3を有する車体フレームFと、車体フレームFに支持される動力装置Pと、ヘッドパイプ1に操向可能に支持されるフロントフォーク4に軸支される前輪6と、メインフレーム2に揺動可能に支持されたスイングアーム5に軸支される後輪7と、車体フレームFに支持される燃料タンク8および乗員用のシート9とを備える。そして、動力装置Pは、自動二輪車Vにおいて乗員用のシート9よりも下方に配置される。
併せて図2,図3を参照すると、動力装置Pは、水冷式の多気筒4ストローク内燃機関である内燃機関Eと、クランク軸33からの動力が入力される変速機60(図3参照)を備える変速装置Mとを備えると共に、内燃機関Eおよび変速装置Mが一体化された装置であり、駆動対象としての後輪7を駆動する動力を出力する。
クランク軸33が車幅方向に指向する横置き配置で車体フレームFに支持される内燃機関Eは、前バンクB1および後バンクB2を有するV型内燃機関である。変速機60は、油圧ポンプ61および油圧モータ62を備える静油圧式の無段変速機である。
そして、内燃機関Eが発生する動力は、変速装置Mに入力された後、変速装置Mの動力取出軸91から、該動力取出軸91にユニバーサルジョイント141 により連結されると共にスイングアーム5内に収容されたドライブ軸142 を備える終伝達機構140 を介して駆動輪としての後輪7に伝達される。
内燃機関Eは、V字形の1対のバンクB1,B2を構成するように配列された複数の、この実施形態では2つのシリンダ10aを有するシリンダブロック10と、各バンクB1,B2のシリンダ10aの上端部に結合される1対のシリンダヘッド11と、各シリンダヘッド11の上端部に結合される1対のシリンダヘッドカバー12と、シリンダブロック10の下端部に結合されるクランクケース13とから構成される機関本体を備える。
なお、各バンクB1,B2でのシリンダ10a、シリンダヘッド11およびシリンダヘッドカバー12が関わる構造は、両バンクB1,B2において基本的に同一であるため、以下では、主に後バンクB2の構造を参照して説明する。
図2,図3を参照すると、シリンダヘッド11には、シリンダ軸線方向でピストン20に対向する燃焼室21と、シリンダヘッド11に接続されるスロットルボディ22aを有する吸気装置22からの吸入空気と燃料噴射弁(図示されず)からの燃料との混合気を燃焼室21に導く吸気ポート24と、シリンダヘッド11に接続される排気管23aを有する排気装置23に燃焼室21からの排気ガスを導く排気ポート25と、燃焼室21に臨む点火栓26と、吸気ポート24および排気ポート25をそれぞれ開閉する吸気弁27および排気弁28とが設けられる。
吸気弁27および排気弁28を開閉する動弁装置30は、動弁カム30bを有するカム軸30aと、吸気弁27および排気弁28に当接すると共に動弁カム30bにより駆動されて揺動するロッカアーム30c,30dとを備える。動弁カム30bは、ロッカ軸30e,30fに揺動可能にそれぞれ支持されるロッカアーム30c,30dを介して吸気弁27および排気弁28を開閉する。
クランク軸33のトルクによりカム軸30aを回転駆動する動弁用伝動機構31は、クランク軸33の両軸端部33a,33bに設けられた駆動スプロケット31aと、カム軸30aに設けられたカムスプロケット31bと、両スプロケット31a,31bに掛け渡されたチェーン31cとを備える。
クランクケース13は、車幅方向(左右方向でもある。)に複数に分割されるケース部分である1対のケース半体13a,13bが結合されて構成される左右割りのクランクケースである。各ピストン20にコンロッド32を介して連結されるクランク軸33は、クランクケース13により形成されるクランク室34内に収容されると共に、両ケース半体13a,13bにそれぞれ1対の主軸受35を介して回転可能に支持される。クランクケース13の一部は、変速装置MのミッションケースMcを構成する。
また、内燃機関Eは、左右のケース半体13a,13bに、多数のボルトによりそれぞれ結合される1対のカバー14,15を備える。
そして、クランク軸33において、クランク室34内から左方に突出する一方の軸端部33aは、左ケース半体13aおよび左カバー14により形成される左室である伝動室36内に延びており、クランク室34内から右方に突出する他方の軸端部33bは、右ケース半体13bおよび右カバー15により形成される右室である補機室37内に延びている。軸端部33aには、変速装置Mの入力側伝達機構50とオイルポンプ40を駆動する伝動機構41のチェーン41cが巻き掛けられる駆動スプロケット41aとが設けられ、軸端部33bには交流発電機42が設けられる。変速装置M、オイルポンプ40および交流発電機42は、いずれもクランク軸33のトルクにより駆動される被動装置である。
変速装置Mは、クランク軸33のトルクにより回転駆動される変速機60と、クランク軸33のトルクを変速機60に入力する入力側伝達機構50と、変速機60から出力されたトルクが入力される出力側伝達機構Tと、変速機60および両伝達機構50,Tが収容されるミッション室38を形成するミッションケースMcとを備える。
そして、内燃機関Eが発生するトルク(または動力)は、機関出力軸であるクランク軸33から、入力側伝達機構50、変速機60、出力側伝達機構Tおよび終伝達機構140 (図1参照)により形成されるトルク伝達経路(以下、「トルク伝達経路」という。)を経て後輪7(図1参照)に伝達される。このトルク伝達経路は、変速機60を境に、クランク軸33と変速機60との間の入力側トルク伝達経路と、変速機60自体と、変速機60と後輪7との間の出力側トルク伝達経路とから構成される。それゆえ、入力側トルク伝達経路は入力側伝達機構50により形成され、出力側トルク伝達経路は、出力側伝達機構Tと、該出力側伝達機構Tからのトルクが入力される終伝達機構140 とにより形成される。
ミッションケースMcは、1対のケース半体13a,13bと、左ミッションカバーを兼ねる左カバー14と、右ケース半体13bに結合される右ミッションカバーである右カバー16と、左ケース半体13aの後部に軸受ハウジング96と共に結合されるカバーであるギヤカバー17とを備える。そして、ミッション室38を構成する第1,第2伝動室36,37のうち、変速機60と、入力側伝達機構50と、走行クラッチ70などの一部を除く出力側伝達機構Tの大部分とが配置される第1伝動室36は、両ケース半体13a,13bおよび左カバー14により形成され、走行クラッチ70が配置されるクラッチ室としての第2伝動室37は、右ケース半体13bおよび右カバー16により形成される。
ここで、クランクケース13、左カバー14、両右カバー15,16およびギヤカバー17は、動力装置Pの動力ケースを構成する。
入力側伝達機構50は、クランク軸33のトルクを変速機60に伝達するギヤ機構51,52と、入力側トルク伝達経路に発生する過大トルクを吸収する入力側トルクダンパ54とを備える。
前記ギヤ機構51,52は、軸端部33aにスプライン嵌合されたカラー53と該カラー53にスプライン嵌合された入力カム部材55とから構成される伝達機構を介してクランク軸33に結合される駆動ギヤ51と、変速機60の入力回転体としてのポンプハウジング61aに一体に回転するように設けられた被動ギヤ52とから構成される。駆動ギヤ51は、カラー53に回転可能に支持され、該カラー53を介して軸端部33aに設けられる。
カム式のトルクダンパ54は、軸端部33aに対して軸方向に移動可能な入力部材としての入力カム部材55と、入力カム部材55と係合してクランク軸33のトルクが入力カム部材55を介して入力される出力部材としての出力カム部材である駆動ギヤ51と、入力カム部材55を駆動ギヤ51に当接させるように軸方向に付勢する付勢部材としてのダンパバネ56とから構成される。複数の皿バネからなるダンパバネ56は、カラー53に保持されるバネ受け57と入力カム部材55との間に配置される。入力カム部材55は入力カム部55aを有し、駆動ギヤ51は出力カム部51aを有する。入力カム部55aおよび出力カム部51aは、互いに、ダンパバネ56の付勢力により軸方向および周方向で当接すると共に、周方向に相対的に摺動可能である。
そして、トルクダンパ54は、入力カム部材55および駆動ギヤ51間で、予め設定された第1設定トルク以下のトルクが作用するとき、入力カム部材55および駆動ギヤ51を一体に回転させ、自動二輪車V(図1参照)または内燃機関Eの減速時など、例えば自動二輪車Vのエンジンブレーキ時に、該第1設定トルクを超える過大トルクが作用するとき、入力カム部材55と駆動ギヤ51との間に周方向での滑りが生じて、出力カム部51aにより駆動される入力カム部材55がダンパバネ56の付勢力に抗して軸方向に移動しながら、入力カム部材55と駆動ギヤ51とが互いに相対回転することにより該過大トルクを吸収する。
変速機60は、特許文献2,3に開示された変速機と同様のものであり、斜板式の油圧ポンプ61と、斜板式の油圧モータ62と、油圧ポンプ61と油圧モータ62との間での作動油の流れを制御する弁機構63と、出力回転体としての変速機出力軸64と、変速機出力軸64の停止および回転を切り換える発進クラッチとしての入力側クラッチ65とを備える。
油圧ポンプ61は、左カバー14に軸受66を介して回転可能に支持されるポンプハウジング61aと、ポンプハウジング61aに収容されたポンプ斜板61bと、ポンプ斜板61bに軸方向で対向して配置されるポンプボディ61cと、ポンプボディ61cに往復動可能に嵌合すると共にポンプ斜板61bにより駆動されて作動油の吸入および吐出を行う複数のポンププランジャ61dとを備える。
油圧モータ62は、右ケース半体13bに固定されるモータハウジング62aと、モータハウジング62aに形成された球面状の支持面に揺動可能に支持される支持部材62eと、支持部材62eに回転可能に支持されるモータ斜板62bと、モータ斜板62bに軸方向で対向して配置されるモータボディ62cと、モータボディ62cに往復動可能に嵌合すると共に油圧ポンプ61から吐出された作動油により駆動される複数のモータプランジャ62dと、支持部材62eを駆動するアクチュエータとしての電動モータ67とを備える。支持部材62eが電動モータ67により駆動されて揺動することにより、モータ斜板62bの傾斜角度が変更されて、クランク軸33の回転速度に対する変速機出力軸64の回転速度が変更されて、クランク軸33の回転速度が変速される。
軸方向で油圧ポンプ61と油圧モータ62との間に設けられる弁機構63は、オイルポンプ40から吐出されて右カバー16に形成された油路から変速機出力軸64に形成された油路68を経て供給されるオイルである作動油の流れおよび油圧ポンプ61と油圧モータ62との間の作動油の流れを制御する複数のスプール63aと、それらスプール63aの位置をポンプハウジング61aの回転位置に応じて制御する制御リング63bとを備える。
モータボディ62cにスプライン嵌合する変速機出力軸64は、ポンプハウジング61a、モータハウジング62aおよび右カバー16にそれぞれ軸受69a,69b,69cを介して回転可能に支持され、クランク軸の回転中心線L1(図2参照)と平行な回転中心線L2を有する。また、後述する出力軸72、中間軸90の各回転中心線L3,L4は、両回転中心線L1,L2に平行である。
変速機60において軸方向で左カバー14寄りの端部に配置されるクラッチ65は、被動ギヤ52から変速機出力軸64へのトルクの伝達および遮断を行う。クラッチ65は、ポンプハウジング61aと一体に回転する入力部材65aと、入力部材65aに支持されると共に入力部材65aの回転速度に応じて発生する遠心力により入力部材65aに案内されて径方向に移動可能な遠心ウエイト65bと、遠心ウエイト65bの位置に応じて軸方向に移動可能であると共に入力部材65aと一体に回転する出力部材65cと、入力部材65aと出力部材65cとの間に配置されて出力部材65cを介して遠心ウエイト65bを入力部材65aに押し付けるクラッチバネ65eとを備える。
出力部材65cは、変速機出力軸64をスリーブとしてスプール弁を構成するスプール65dを有する。
内燃機関Eの機関回転速度がアイドリング速度以下のとき、クラッチ65は図3に示されるトルク遮断位置にある。このとき、スプール65dにより、油圧ポンプ61から吐出された作動油は油圧モータ62を回転させることなく油圧ポンプ61に戻る。また、機関回転速度がアイドリング速度を超えるとき、スプール65dは遠心力により径方向外方に移動する遠心ウエイト65bにより駆動されて右方に移動し、クラッチ65はトルク伝達位置を占める。このトルク伝達位置で、油圧ポンプ61から吐出された作動油が油圧モータ62に流入して油圧モータ62が回転駆動され、クランク軸33のトルクが変速機出力軸64に伝達される。そして、アイドリング速度を超える機関回転速度領域で、モータ斜板62bの傾斜角度に応じて変速された回転速度で変速機出力軸64が回転する。
出力側伝達機構Tは、変速機出力軸64に設けられて該変速機出力軸64と一体に回転する出力ギヤ64oにより構成される入力機構Tiと、変速機60から後輪7へのトルクの伝達および遮断を行うことによりドライブ位置およびニュートラル位置の切換を行う出力側クラッチとしての走行クラッチ70と、走行クラッチ70を介して伝達された変速機60からのトルクを終伝達機構140 (図1参照)に伝達する伝達機構である出力機構Toとを備える。
出力回転体としての出力ギヤ64oは、変速機出力軸64において軸受69bから右方に突出して第2伝動室37内に延びている軸端部64aにスプライン嵌合すると共に、走行クラッチ70の入力ギヤ71と噛合する。
図3を参照すると、油圧式の多板摩擦式クラッチである走行クラッチ70は、右ケース半体13bおよび右カバー16に軸受を介して回転可能に支持される出力部材としての出力軸72と、出力軸72に回転可能に支持されると共に入力軸としての変速機出力軸64からのトルクが出力ギヤ64oを介して入力される入力部材としての入力ギヤ71と、交互に積層される複数のクラッチ板74と、出力軸72にスプライン嵌合して一体に回転する中間部材としてのハウジング75と、接続状態にあるクラッチ74を介して伝達された入力ギヤ71からのトルクを出力軸72に伝達可能なハウジング75に往復動可能に嵌合すると共にクラッチ板74が互いに接触するように押圧可能な押圧部材である押圧ピストン76と、クラッチ板74が離隔するように押圧ピストン76を付勢するクラッチバネ77とを備える。
油圧により作動する油圧作動装置としての走行クラッチ70には、ハウジング75と押圧ピストン76とにより、押圧ピストン76を駆動する作動油が導かれる油圧室78が形成される。該作動油は、伝動機構41により駆動されるオイルポンプ40(図2参照)から吐出されたオイルの一部である。
油圧室78の油圧は、油圧室78に対するオイルの給排を制御する油圧制御装置により制御される。該油圧制御装置は、右カバー16に設けられて変速位置操作部材の操作に応じて制御装置により制御される油圧制御弁79と、油圧制御弁79により制御されたオイルが流れる油路系統とから構成される。
油圧室78へのオイルの供給および油圧室78からのオイルの排出のための通路である前記油路系統は、右カバー16の一部を弁ボディとする油圧制御弁79に接続される接続部材80に形成された油路81と、油路81に連なると共に右カバー16に形成された油路82と、油路82と油圧室78とを連通させる油路83とから構成される。
また、右カバー16には、走行クラッチ70での油圧状態を検出することにより、走行クラッチ70の作動状態を監視するために、前記油路系統の油圧を検出する油圧センサ88が取り付けられる。油圧センサ88は油路82の油圧を検出する。
このような走行クラッチ70において、油圧室78に高油圧のオイルが供給されて油圧室78が高油圧になると、クラッチバネ77の弾発力に抗して押圧ピストン76がクラッチ板74を押し付けて、クラッチ板74の間の摩擦により入力ギヤ71とハウジング75とが一体に回転する接続状態になり、変速機出力軸64のトルクが両ギヤ64o,71を通じて出力軸72に伝達される。一方、油圧室78の作動油が排出されて油圧室78が低油圧になると、クラッチバネ77の弾発力によりクラッチ板74が離隔して入力ギヤ71とハウジング75との間でトルクの伝達が遮断される切断状態になり、変速機出力軸64のトルクの出力軸72への伝達が遮断される。このようにして、油路81,82,83を通じて油圧室78に対するオイルの給排が制御されて、走行クラッチ70の切断および接続が制御される。
前記出力機構Toは、駆動回転軸としての出力軸72により回転駆動される被動回転軸としての第1動力取出軸である中間軸90と、中間軸90により回転駆動されると共にドライブ軸142 (図1参照)を回転駆動する被動回転軸としての第2動力取出軸91と、出力側トルク伝達経路において出力軸72と中間軸90との間に配置されて出力軸72のトルクを中間軸90に入力する第1伝達機構と、出力側トルク伝達経路において中間軸90と動力取出軸91との間に配置されて中間軸90のトルクを動力取出軸91に入力する第2伝達機構と、出力側トルク伝達経路において変速機60と動力取出軸91との間に配置されて出力側トルク伝達経路に発生する過大トルクを吸収する出力側トルクダンパ100 とを備える。
前記第1伝達機構は、出力軸72と一体に回転する駆動回転体としての駆動ギヤ92と、該駆動ギヤ92と噛合すると共に出力軸72のトルクを中間軸90に入力する入力回転体としての被動ギヤ93とから構成される。被動ギヤ93は、トルクダンパ100 の入力カム部材101 にスプライン嵌合して一体に回転するように設けられていて、トルクダンパ100 を介して中間軸90に結合される。
中間軸90は、右方の軸部分において、右ケース半体13bに入力カム部材101 および軸受94を介して回転可能に支持され、左方の軸部分において、左ケース半体13aに軸受95および該左ケース半体13aに結合される軸受ハウジング96を介して支持される。
中間軸90において、軸受94から右方に突出する軸端部には、入力カム部材101 を介して被動ギヤ93が配置され、軸受95から左方に突出する軸端部には、駆動ギヤ97が一体成形されて配置される。
カム式のトルクダンパ100 は、中間軸90に回転可能に支持されると共に出力軸72のトルクが入力される入力部材としての入力カム部材101 と、入力カム部材101 と係合して入力カム部材101 からのトルクを中間軸90に伝達する出力部材としての出力部材としての出力カム部材102 と、出力カム部材102 を入力カム部材101 に当接させるように軸方向に付勢する付勢部材としてのダンパバネ103 とを有する。コイルバネからなるダンパバネ103 は、軸受95の固定部材でもあるバネ受け95aと出力カム部材102 との間に配置される。
入力カム部材101 は中間軸90に回転可能に支持されるので、被動ギヤ93も中間軸90に回転可能に支持される。
入力カム部材101 が有する入力カム部101aと出力カム部材102 が有する出力カム部102aとは、互いに、ダンパバネ103 の付勢力により軸方向および周方向で当接すると共に、周方向に相対的に摺動可能である。そして、トルクダンパ100 は、両カム部材101 ,102 間に前記第2設定トルク以下のトルクが作用するとき、入力カム部材101 および出力カム部材102 を一体に回転させ、自動二輪車V(図1参照)または内燃機関Eの減速時など、例えば自動二輪車Vのエンジンブレーキ時に、該第2設定トルクを超える過大トルクが作用するとき、入力カム部材101 と出力カム部材102 との間に回転方向での滑りが生じて、出力カム部材102 が入力カム部材101 により駆動されてダンパバネ103 の付勢力に抗して軸方向に移動しながら、入力カム部材101 と出力カム部材102 とが互いに相対回転することにより該過大トルクを吸収する。
前記第2伝達機構は、ベベルギヤからなる駆動ギヤ97と、該駆動ギヤ97と噛合すると共に動力取出軸91に一体成形されて設けられたベベルギヤからなる被動ギヤ98とから構成される。
動力取出軸91は、左ケース半体13aに結合されるギヤカバー17内に配置され、1対の軸受99a,99bを介して回転可能に支持される。また、ギヤカバー17には、被動ギヤ98の回転位置を検出する回転位置センサ19が設けられ、該センサ19の検出信号に基づいて車速が検出される。
図2,図3を参照すると、車幅方向(クランク軸33の軸方向でもある。)での動力装置Pの一側壁を構成する左ケース半体13aと左カバー14とギヤカバー17(以下、「左ケース半体13a、左カバー14およびギヤカバー17」の全体を、必要に応じて「側部カバー」という。)の大部分が、動力装置Pの外側で所定方向としての左方から外装カバーC1により覆われ、車幅方向での動力装置Pの別の一側壁を構成する右ケース半体13bと右カバー16の大部分が、動力装置Pの外側である右方から外装カバーC2により覆われる。合成樹脂により形成される両外装カバーC1,C2は、動力装置Pの外観性を向上させると共に、動力装置Pが発生する放射音を低減するカバー部材としての遮音カバーである。
そして、外装カバーC1は、側部カバーが発生する放射音、主に左カバー14が発生する放射音を低減する。なお、以下の説明で、特に断らない限り、「放射音」とは、側部カバーが発生する放射音を意味する。
外装カバーC1は、複数としての3つの取付部111 においてボルト110 により左ケース半体13a、左カバー14およびギヤカバー17に設けられた取付座112 (図3には、左ケース半体13aに設けられた取付座112 が示されている。)に固定される。外装カバーC1は、左カバー14の下縁部を除いて左カバー14のほぼ全体と、ギヤカバー17の全体を左方から覆う。そして、外装カバーC1は、各取付部111 において、ゴム状弾性を有する弾性材からなる防振部材113 (図3(b)参照)を介して取付座112 に取り付けられるので、この防振部材113 により外装カバーC1の振動が低減し、外装カバーC1が発生する騒音が低減する。
左右方向での間隔が形成されるように配置される側部カバーと外装カバーC1との間には、空間Sが形成される。外装カバーC1は、左方から側部カバーを覆う覆い部Caと、覆い部Caから左方とは反対方向である右方に動力装置Pに近づくように屈曲すると共に屈曲後に右方にほぼ平行に延びる外周部Cbとを有する。外周部Cbは、軸方向に直交する直交方向(以下、「直交方向」という。)から側部カバーの少なくとも一部を覆う。このため、外装カバーC1は、左方および前記直交方向から側部カバーを囲むように覆うので、外装カバーC1による放射音の低減効果が向上する。
外装カバーC1には、放射音を低減するために、発泡材料(例えばウレタンフォーム)からなる吸音材115 が、空間Sに面する内面Ciに沿って配置される。吸音材115 は、覆い部C1における内面Ciの全面に渡って、接着剤等により内面Ciに接着されて取り付けられる。さらに、吸音材115 は、外周部Cbにおいて、前記直交方向で左カバー14との間にも、該左カバー14に接触した状態で配置され、後述するレゾネータ120 と外装カバーC1との間にも配置される。なお、吸音材115 は、この実施形態ではレゾネータ120 に接触した状態で配置されるが、レゾネータ120 との間に空隙が形成されて、レゾネータ120 に非接触状態となるように配置されてもよい。
このため、レゾネータ120 は、空間Sにおいて、吸音材115 と側部カバーとの間に配置され、外装カバーC1と非接触状態で配置される。
空間Sには、放射音の特定周波数で共鳴するレゾネータ120 が、吸音材115 と前記側部カバーとの間に配置される。
図4を併せて参照すると、動力装置Pおよび外装カバーC1とは別個の部材であるレゾネータ120 は、いずれも合成樹脂製の第1ケース121 および第2ケース122 が、結合部123 において溶着により気密に結合されて構成され、共鳴室125 を形成する容積部124 と、共鳴室125 と空間Sとを連通させる開口部127 を形成する直管状の首部126 と、左カバー14およびギヤカバー17に結合される取付部128 ,129 とを有する。
そして、首部126 の全体を含めて、レゾネータ120 の大部分は空間S内に配置される一方、レゾネータ120 のほぼ全体が外装カバーC1により左方から覆われる(図2参照)。
共鳴室125 の容積と、開口部127 の通路面積および長さ(すなわち開口部127 の容積)とは、放射音のうちで、騒音の低減効果を特に高めようとする前記特定周波数の放射音を低減するように設定される。そして、この実施形態では、該特定周波数の放射音の加振源は、変速機60である。それゆえ、変速機60の振動が、該変速機60を支持する支持部材である軸受66が取り付けられる部材である左カバー14を含む側部カバーを前記特定周波数で振動させて、前記特定周波数の放射音が発生する。
開口部127 は、上下方向に平行な軸線を有する柱状の通路であり、該軸線の方向で同一形状の通路断面を有する。そして、開口部127 は、空間S内において、外装カバーC1に沿う方向で、かつ、開口部127 の位置に対して、空間Sの、より内方に向かう方向A1(この実施形態では上下方向での上方)に開口している。ここで、内方に向かう方向A1とは、開口部127 (または開口部127 の前記軸線)に平行な方向A(この実施形態では上下方向に一致する。)のうちの、開口部127 における空間S側の開口端127aから外装カバーC1の外周部Cbの縁部Cb1までの距離が大きくなる方向である。したがって、開口部127 に対して、前記方向A1には、該方向A1とは反対側の方向(この実施形態では上下方向での下方)に比べて、方向Aにおいて広い空間Sが存在する。
また、首部126 の開口部127 は、シート9よりも前方に位置する(図1参照)。そして、開口部127 が開口している前記方向A1は、この実施形態では、上下方向に平行な上方(すなわち真上)であるが、真上以外にも斜め上方を含む上方であってもよい。
各取付部128 ,129 は、容積部124 と一体成形された本体部128a,129aと、本体部128a,129aに圧入されて固定された金属製の補強用の部材であるカラー128b,129bとから構成される。1対の取付部128 ,129 は、左カバー14およびギヤカバー17に設けられたボス状の取付座130 ,131 にカラー128b,129bが接触した状態で、カラー128b,129bに挿通された結合具としてのボルト132 により、それぞれ結合される。それゆえ、レゾネータ120 は、側部カバーに防振部材を介することなく、直接取り付けられ、したがって側部カバーと接触状態で取り付けられる。このため、左カバー14およびギヤカバー17の振動は、カラー128b,129bによりレゾネータ120 に直接伝達される。
そして、側部カバーの振動、特に軸受66が取り付けられる左カバー14の振動がレゾネータ120 に伝達されて、レゾネータ120 自体が左カバー14を含む側部カバーと共に振動するように、レゾネータ120 は、取付部128 ,129 において軸受66の近傍、または左カバー14において軸受66が取り付けられている取付部14bの近傍に取り付けられる。ここで、近傍とは、左方から見たときの軸受66と取付部128 のカラー128bにおける左カバー14との接触部との距離が、左方から見て軸受66により囲まれる範囲の、前記直交方向での最大幅d(図2参照)の1/2以下となる部位である。
また、容積部124 には、開口部127 から水が侵入したときに、該水を排出する排水孔124a(図2参照)が設けられる。そして、この排水孔124aの大きさを変更することにより、レゾネータ120 の共鳴周波数を調整することが可能である。
次に、前述のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。
左ケース半体13a、左カバー14およびギヤカバー17から構成される側部カバーから放射音が発生する動力装置Pを所定方向としての左方から覆うことにより放射音を低減すると共に動力装置Pの外観性を向上させる外装カバーC1と、放射音の特定周波数で共鳴するレゾネータ120 とを備える遮音構造体において、レゾネータ120 は、動力装置Pの一側壁である側部カバーと外装カバーC1との間に形成される空間Sに外装カバーC1と非接触状態で配置されると共に、該側部カバーに接触状態で取り付けられることにより、動力装置Pと外装カバーC1との間の空間Sに配置されたレゾネータ120 により、該空間Sで側部カバーが発生した放射音が低減する。このとき、レゾネータ120 と外装カバーC1とが接触していないので、外装カバーC1の振動が共鳴状態にあるレゾネータ120 自体の振動を抑制して、レゾネータ120 の共鳴を阻害することが防止されること、しかもレゾネータ120 は側部カバーに直接取り付けられているので、レゾネータ120 自体も特定周波数で直接加振されることから、特定周波数での共鳴がレゾネータ120 自体の振動により促進される。この結果、レゾネータ120 による騒音低減効果が向上して、前記遮音構造体の騒音低減効果が向上する。
外装カバーC1は、左方から側部カバーを覆う覆い部と、左方とは反対方向(右方)に側部カバーに近接するように屈曲した外周部Cbとを有し、外周部Cbは前記直交方向から側部カバーを覆い、空間Sには、外装カバーC1の内面Ciに沿って、かつ外装カバーC1とレゾネータ120 との間に吸音材115 が配置される。この構造により、外装カバーC1は、覆い部Caのほかに、外周部Cbで前記直交方向からも側部カバーを覆うので、外装カバーC1による騒音低減効果が向上する。また、レゾネータ120 が外装カバーC1と接触していないことを利用して、吸音材115 を、レゾネータ120 により妨げられることなく、外装カバーC1の内面に沿って広範囲に渡って空間S内に配置することができる。
この結果、レゾネータ120 による特定周波数の放射音の騒音低減効果に加えて、外装カバーC1の内面Ciに沿って配置された吸音材115 により、特定周波数の放射音を含めた放射音全体の騒音を低減できるので、騒音低減効果が向上する。
レゾネータ120 は、特定周波数の放射音の加振源である変速機60を回転可能に支持する軸受66の近傍に取り付けられ、レゾネータ120 の首部126 の開口部127 は、空間S内において、外装カバーC1の内面Ciに沿う方向で、かつ、開口部127 の位置に対して、空間Sの、より内方に向かう方向に開口していることにより、レゾネータ120 での共鳴が発生しやすくなるうえ、首部126 が外装カバーC1に沿う方向に開口しているので、外装カバーC1または吸音材115 に沿って伝播するために、外装カバーC1または吸音材115 による騒音低減効果が小さい放射音のうちで、特定周波数の放射音をレゾネータ120 により効果的に低減することができる。さらに、レゾネータ120 が加振源である変速機60を支持する軸受66の近傍に取り付けられているので、レゾネータ120 自体が特定周波数で効果的に加振されることから、特定周波数での共鳴が一層促進される。
この結果、レゾネータ120 による騒音低減効果が向上して、遮音構造体の騒音低減効果が向上する。
動力装置Pは、自動二輪車Vにおいて乗員用のシート9よりも下方に配置され、レゾネータ120 の開口部127 はシート9よりも前方に位置し、開口部127 が開口している方向は上方であることにより、側部カバーから自動二輪車Vの乗員に向かう放射音がレゾネータ120 により効果的に低減するので、乗員に対する騒音低減効果が向上する。
以下、前述した実施形態の一部が変更された形態について、変更された部分を中心に説明する。
カバー部材は、内燃機関Eのクランクケース13、または側部カバーのみ、またはクランクケース13および側部カバーを含むと共にクランクケース13以外の機関本体、例えばシリンダブロック10やシリンダヘッド11を外側から覆うものであってもよい。
放射音が発生する騒音源装置は、動力装置P以外の装置または機器であってもよい。
駆動対象を駆動する動力装置Pは、前記実施形態のように内燃機関Eと変速装置とが一体化された装置である必要はなく、内燃機関のみまたは変速装置のみで構成されてもよく、さらに内燃機関以外の機関で構成されてもよい。
内燃機関は、V型2気筒以外の多気筒内燃機関、または単気筒内燃機関であってもよい。また、変速機は、斜板式以外の静油圧式無段変速機、油圧式以外の無段変速機、または無段変速機以外の変速機であってもよい。
本発明が適用された遮音構造体を備える自動二輪車の要部左側面図である。 図1の自動二輪車が備える動力装置の要部側面図である。 (a)は、図2のIII−III線断面図であり、(b)は、(a)のb部分の拡大図ある。 図3のレゾネータの拡大図である。
符号の説明
13…クランクケース、14…左カバー、33…クランク軸、60…変速機、61…油圧ポンプ、62…油圧モータ、66…軸受、115 …吸音材、…、120 …レゾネータ、126 …首部、127 …開口部、128 ,129 …取付部、
V…自動二輪車、P…動力装置、E…内燃機関、M…変速装置、C1…外装カバー、Cb…外周部、S…空間。

Claims (2)

  1. 自動二輪車(V)の乗員用シート(9)よりも下方に配置されて、放射音が発生する動力装置(P)を、前記動力装置(P)の外側で前記動力装置(P)を所定方向から覆うことにより放射音を低減するカバー部材(C1)と、前記放射音の特定周波数で共鳴するレゾネータ(120)とを備える遮音構造体において、
    前記カバー部材(C1)の内面に放射音を低減する吸音材(115)が取り付けられ、前記レゾネータ(120)は、前記動力装置(P)と前記カバー部材(C1)との間に形成される空間(S)に前記吸音材(115)と接触または空間を空けて前記カバー部材(C1)と非接触状態で配置されると共に、前記動力装置(P)に接触状態で取り付けられ
    前記レゾネータ(120)は、前記動力装置(P)における、特定周波数の前記放射音の加振源(60)の近傍に取り付けられ、
    前記レゾネータ(120)に設けられる首部(126)の開口部(127)は、前記空間(S)内において、前記カバー部材(C1)に沿う方向で、かつ、前記開口部(127)の位置に対して、前記空間(S)の上方に向かう方向(A1)に開口し、
    前記開口部(127)は、前記シート(9)よりも前方に位置する
    ことを特徴とする自動二輪車の遮音構造体。
  2. 前記カバー部材(C1)は、前記所定方向から前記動力装置(P)を覆う覆い部(Ca)と、前記所定方向とは反対方向に前記動力装置(P)に近接するように屈曲した外周部(Cb)とを有し、
    前記外周部(Cb)は、前記所定方向に直交する直交方向から前記動力装置(P)を覆い、
    前記空間(S)には、前記カバー部材(C1)の内面(Ci)に沿って、かつ前記カバー部材(C1)と前記レゾネータ(120)との間に前記吸音材(115)が配置されることを特徴とする請求項1記載の自動二輪車の遮音構造体。
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