JP4988246B2 - パイプと板材との接合方法 - Google Patents

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Description

本発明は、パイプとフランジ等の板材とを接合する方法に関する。
従来、パイプにフランジ等の板材を接合する方法として、例えば次の方法が用いられている。
パイプを板材に設けられた挿通孔内に挿通するとともに、パイプの中空部内に、楔孔部を有し且つ該楔孔部を中心に周方向に複数個に分割されたエキスパンド加工用ダイを配置する。次いで、マンドレルの楔部をダイの楔孔部内に差し込むことにより、ダイの各ダイセグメントをパイプの半径方向外向きに移動させる。これにより、パイプの挿通孔内への挿通部分及びその軸方向両側近傍部分からなるエキスパンド加工対象部を、ダイセグメントによって外側に押してエキスパンド加工(拡管加工)し、もってパイプに板材を接合する方法である(例えば、特許文献1及び2参照)。なお、この接合方法はリッジロック方法とも呼ばれている。
なお、パイプに板材を接合する方法ではないが、ダイを用いた円筒体のエキスパンド加工方法として、例えば特開2002−224743号公報に記載された方法が知られている(特許文献3)。
特開平4−8818号公報(第2頁、第8図) 特開平11−36859号公報 特開2002−224743号公報
而して、上述した従来の接合方法では、エキスパンド加工時に板材に加わる荷重に耐えうるようにするため板材の肉厚を厚く設定して板材の剛性を高める必要があった。すなわち、板材の剛性をパイプの剛性よりも高くする必要があった。その結果、得られる接合構造体の重量が重くなるという難点があった。このように接合構造体の重量が重くなると、接合構造体が、例えば、ステアリングサポートビーム、ステアリングコラムホルダ、マフラ、フレーム、プロペラシャフト、サスペンションアーム等の自動車の部品である場合には、自動車の燃費が悪くなるという問題を生じる。
本発明は、上述した技術背景に鑑みてなされたもので、その目的は、パイプに板材が接合された接合構造体の軽量化を図ることができるパイプと板材との接合方法、この接合方法により得られた接合構造体、及び、この接合方法に用いられる接合装置を提供することにある。
本発明は以下の手段を提供する。
[1] パイプを板材に設けられた挿通孔内に挿通するとともに、パイプの中空部内に周方向に複数個に分割されたエキスパンド加工用ダイを配置し、
次いで、ダイの各ダイセグメントをパイプの半径方向外向きに移動させることにより、パイプの挿通孔内への挿通部分及びその軸方向両側近傍部分からなるエキスパンド加工対象部の少なくとも一部をエキスパンド加工し、パイプに板材を接合する、パイプと板材との接合方法であって、
板材の挿通孔の周縁部に、短筒状の座部がパイプの軸方向に突出して一体に設けられており、
板材の座部をパイプの外周面に重合状態に配置するとともに、座部の外側に配置された規制部材により座部の外側への膨出量を規制した状態で、エキスパンド加工を行うことを特徴とするパイプと板材との接合方法。
[2] パイプの断面形状は多角形状であるとともに、該パイプの各角部の断面形状は略円弧状であり、
板材の挿通孔の断面形状は、パイプの断面形状に対応した形状であり、
ダイは、パイプの各平坦壁部に対応する位置で分割されており、
ダイの各ダイセグメントをパイプの各角部に向かってパイプの半径方向外向きに移動させることにより、エキスパンド加工を行う前項1記載のパイプと板材との接合方法。
[3] 板材の座部の外側に、規制部材を、規制部材と座部の角部との間の隙間が規制部材と座部の平坦壁部との間の隙間よりも大きくなるように配置する前項2記載のパイプと板材との接合方法。
[4] ダイの外周面におけるパイプの各平坦壁部に対応する部位に、ダイの軸方向に延びた凹条部が設けられている前項2又は3記載のパイプと板材との接合方法。
[5] 規制部材と板材の曲がりを防止する屈曲防止部材とで板材をその厚さ方向両側から挟むことにより、板材の曲がりを防止した状態で、エキスパンド加工を行う前項1〜4のいずれかに記載のパイプと板材との接合方法。
[6] 規制部材の座部との当接面に凹部又は凸部が設けられている前項1〜5のいずれかに記載のパイプと板材との接合方法。
[7] ダイの外周面に、パイプの挿通孔内への挿通部分の軸方向両側近傍部分の少なくとも一部を外側に局部的に膨出させる2個の押圧凸部が設けられている前項1〜6のいずれかに記載のパイプと板材との接合方法。
[8] 前項1〜7のいずれかに記載の接合方法により得られたパイプと板材との接合構造体。
[9] パイプが板材に設けられた挿通孔内に挿通された状態で、パイプの挿通孔内への挿通部分及びその軸方向近傍部分からなるエキスパンド加工対象部の少なくとも一部がエキスパンド加工されることにより、パイプに板材が接合された、パイプと板材との接合構造体であって、
板材の挿通孔の周縁部に、短筒状の座部がパイプの軸方向に突出して一体に設けられており、
板材の座部がパイプの外周面に重合された状態で、パイプに板材が接合されていることを特徴とする接合構造体。
[10] パイプの断面形状は多角形状であるとともに、該パイプの各角部の断面形状は略円弧状であり、
板材の挿通孔の断面形状は、パイプの断面形状に対応した形状である前項9記載の接合構造体。
[11] パイプの挿通孔内への挿通部分の角部の外側への膨出量が、該挿通部分の平坦壁部の外側への膨出量よりも大きい前項10記載の接合構造体。
[12] 板材の座部とパイプの挿通孔内への挿通部分とが互いに重合状態で外側に膨出しているか又は内側に窪んでいる前項9〜11のいずれかに記載の接合構造体。
[13] パイプの挿通孔内への挿通部分の軸方向両側近傍部分の少なくとも一部が外側に局部的に膨出している前項9〜12のいずれか1項記載の接合構造体。
[14] パイプを板材に設けられた挿通孔内に挿通するとともに、板材の挿通孔の周縁部にパイプの軸方向に突出して一体に設けられた短筒状の座部をパイプの外周面に重合状態に配置した状態で、パイプの挿通孔内への挿通部分及びその軸方向両側近傍部分からなるエキスパンド加工対象部の少なくとも一部をエキスパンド加工することにより、パイプに板材を接合する接合装置であって、
パイプの中空部内に配置され、周方向に複数個に分割されたエキスパンド加工用ダイと、
ダイの各ダイセグメントをパイプの半径方向外向きに移動させるエキスパンド加工用マンドレルと、
板材の座部の外側に配置され、エキスパンド加工時に座部の外側への膨出量を規制する規制部材と、を備えていることを特徴とするパイプと板材との接合装置。
[15] パイプの断面形状は多角形状であるとともに、該パイプの各角部の断面形状は略円弧状であり、
板材の挿通孔の断面形状は、パイプの断面形状に対応した形状であり、
ダイは、パイプの各平坦壁部に対応する位置で分割されており、
ダイの各ダイセグメントは、マンドレルにより、パイプの各角部に向かってパイプの半径方向外向きに移動されるものである前項14記載の接合装置。
[16] ダイの外周面におけるパイプの各平坦壁部に対応する部位に、ダイの軸方向に延びた凹条部が設けられている前項15記載の接合装置。
[17] 板材の曲がりを防止する屈曲防止部材を備えており、
屈曲防止部材は、エキスパンド加工時に規制部材と屈曲防止部材とで板材をその厚さ方向両側から挟むことにより、板材の曲がりを防止するものである前項14〜16のいずれかに記載の接合装置。
[18] 規制部材の座部との当接面に、凹部又は凸部が設けられている前項14〜17のいずれかに記載の接合装置。
[19] ダイの外周面に、パイプの挿通孔内への挿通部分の軸方向両側近傍部分の少なくとも一部を外側に局部的に膨出させる2個の押圧凸部が設けられている前項14〜18のいずれかに記載の接合装置。
本発明は以下の効果を奏する。
なお本明細書では、パイプに板材が接合された接合構造体において、パイプの周方向の荷重に対する板材の接合強度を「ねじり強度」という。また、パイプの軸方向の荷重に対する板材の接合強度を「抜け強度」という。
[1]の発明では、板材の挿通孔の周縁部に、短筒状の座部がパイプの軸方向に突出して一体に設けられているので、板材の座部をパイプの外周面に重合状態に配置することにより、板材とパイプとの接触面積が増加する。これにより、板材の接合強度を増大できる。
さらに、板材の座部の外側に配置された規制部材により座部の外側への膨出量を規制した状態で、エキスパンド加工を行うので、板材の肉厚を厚く設定する必要がない。そのため、接合構造体の軽量化を図ることができる。
[2]の発明では、パイプの断面形状は多角形状であり、板材の挿通孔の断面形状はパイプの断面形状に対応した形状であるから、パイプが板材の挿通孔内に挿通された状態においてねじり強度が向上する。したがって、もし仮に板材にパイプの周方向の荷重が加わった場合であっても、板材はパイプの周方向にずれ動き難くなる。
さらに、ダイの各ダイセグメントをパイプの各角部に向かってパイプの半径方向外向きに移動させることにより、エキスパンド加工を行うので、パイプの各角部が各平坦壁部よりも重点的にエキスパンド加工されて外側に大きく膨出される。そのため、ねじり強度が更に向上する。
さらに、パイプの各角部の断面形状が略円弧状に形成されているので、板材にパイプの周方向の荷重が加わった場合において、パイプの各角部に応力が集中するのを確実に防止できる。そのため、強度的信頼性が向上する。
[3]の発明では、板材の座部の外側に、規制部材を、規制部材と座部の角部との間に隙間が規制部材と座部の平坦壁部との間の隙間よりも大きくなるように配置し、この状態で、エキスパンド加工を行うことにより、パイプの各角部を各平坦壁部よりも確実に大きく膨出できる。そのため、ねじり強度が更に一層向上する。
[4]の発明では、ダイの外周面におけるパイプの各平坦壁部に対応する部位に、ダイの軸方向に延びた凹条部が設けられているので、ダイのダイセグメントの外周面がパイプの内周面に接触する面積を減少できる。そのため、エキスパンド加工時にダイセグメントの外周面とパイプの内周面との間の摩擦力を低減できる。その結果、パイプの各角部を各平坦壁部よりも更に確実に大きく膨出できるし、またエキスパンド加工に要する力を低減できる。
[5]の発明では、エキスパンド加工時において板材の曲がりを防止できる。
[6]の発明では、規制部材の座部との当接面に凹部又は凸部が設けられているので、エキスパンド加工によって、座部とパイプの挿通孔内への挿通部分(即ちエキスパンド加工対象部)とが互いに重合した状態で外側に膨出させ又は内側に凹ませることができる。そして、エキスパンド加工後に規制部材を取り外すと、板材の座部とパイプの挿通孔内への挿通部分とは互いに係合しているから、板材の接合強度を更に向上できる。
[7]の発明では、ダイの外周面に、パイプの挿通孔内への挿通部分の軸方向両側近傍部分の少なくとも一部を外側に局部的に膨出させる2個の押圧凸部が設けられているので、このダイを用いてエキスパンド加工を行うことにより、エキスパンド加工対象部として、パイプの挿通孔内への挿通部分の軸方向両側近傍部分の少なくとも一部が、外側に局部的に且つ確実に膨出される。そのため、抜け強度が確実に向上する。したがって、もし仮に板材にパイプの軸方向の荷重が加わった場合であっても、板材はパイプの軸方向にずれ動き難くなる。
[8]の発明では、軽量な接合構造体を提供できる。
[9]の発明では、上記[1]の発明と同じ効果を奏する。
[10]の発明では、上記[2]の発明と同じ効果を奏する。
[11]の発明では、パイプの挿通孔内への挿通部分の角部の外側への膨出量が、該挿通部分の平坦壁部の外側への膨出量よりも大きいので、ねじり強度が更に一層向上する。
[12]の発明では、板材の座部とパイプの挿通孔内への挿通部分とが互いに重合した状態で外側に膨出しているか又は内側に窪んでいるので、板材の接合強度が更に向上する。
[13]の発明では、パイプの挿通孔内への挿通部分の軸方向両側近傍部分の少なくとも一部が外側に局部的に膨出しているので、抜け強度が確実に向上する。
[14]の発明では、上記[1]の発明に係る接合方法に好適に用いられる接合装置を提供できる。
[15]の発明では、上記[2]の発明に係る接合方法に好適に用いられる接合装置を提供できる。
[16]の発明では、上記[4]の発明に係る接合方法に好適に用いられる接合装置を提供できる。
[17]の発明では、上記[5]の発明に係る接合方法に好適に用いられる接合装置を提供できる。
[18]の発明では、上記[6]の発明に係る接合方法に好適に用いられる接合装置を提供できる。
[19]の発明では、上記[7]の発明に係る接合方法に好適に用いられる接合装置を提供できる。
次に、本発明の幾つかの実施形態について図面を参照して以下に説明する。
図1〜図12は、本発明の第1実施形態に係る接合方法及び接合装置を説明する図である。
図1〜図4において、(A1)は、本第1実施形態に係る接合方法により得られた接合構造体である。この接合構造体(A1)は、パイプ(1)と板材(5)が互いに接合されて構成されたものである。
パイプ(1)の断面形状は四角形状であり、パイプ(1)はその内部に軸方向に延びた断面四角形状の中空部(3)を有している。
パイプ(1)は、軸方向に延びるとともに周方向に並んだ4個の平坦壁部(1a)(1a)(1a)(1a)と、互いに隣り合う2個の平坦壁部(1a)(1a)間に介在された角部(1b)とを有している。各角部(1b)の断面形状は、所定の曲率半径の円弧状に形成されている。
パイプ(1)は、弾性変形及び塑性変形可能な材料からなり、例えば金属からなり、詳述するとアルミニウム又はアルミニウム合金からなる。ただし本発明では、パイプ(1)の材質はアルミニウム又はアルミニウム合金であることに限定されるものではなく、その他に、例えば、鉄、鋼、銅等の金属であっても良いし、プラスチックであっても良い。また、パイプ(1)は、例えば押出材からなるものであっても良いし、その他の方法で製作されたものであっても良い。
板材(5)は、例えば、他の部材に取り付けられるフランジとして用いられるものである。この板材(5)は、平面視略四角形状のものであり、更に板材(5)の各辺から外側へ突出した4個の突片部(5a)(5a)(5a)(5a)を有している。各突片部(5a)の先端部には、ボルト挿通孔(5b)等の締結具挿通孔が設けられている。ただし本発明では、板材(5)はフランジとして用いられるものであることに限定されるものではなく、その他に、例えば、ブラケットやステイを有するものであっても良いし、その他の目的に用いられるものであっても良い。
板材(5)の中央部には、パイプ(1)が挿通される挿通孔(6)が設けられている。この挿通孔(6)の断面形状は、パイプ(1)の断面形状に対応した形状であり、即ち四角形状である。ここで、上述したようにパイプ(1)の各角部(1b)の断面形状は円弧状に形成されていることから、板材(5)の挿通孔(6)の各角部の断面形状はパイプ(1)の各角部(1b)の断面形状に対応して円弧状に形成されている。
さらに、板材(5)の挿通孔(6)の周縁部には、挿通孔(6)を包囲するように短角筒状(詳述すると短四角筒状)の座部(8)がパイプ(1)の軸方向の片側に突出して一体形成されている。
この座部(8)は、板材(5)の挿通孔(6)の周縁部を、その全周に亘ってパイプ(1)の軸方向の片側に突出するように短角筒状にプレス曲げ加工することにより、形成されたものである。すなわち、この座部(8)は板材(5)の挿通孔(6)の周縁部からパイプ(1)の軸方向の片側に突出するように屈曲して形成されたものである。したがって、この座部(8)は、板材(5)の挿通孔(6)の周縁部の全周に沿って形成されており、また、この座部(8)の内側の中空部の断面形状は挿通孔(6)の断面形状と同じであり、即ち四角形状である。また、この座部(8)は、エキスパンド加工時にパイプ(1)の外周面に重合状態に配置されるものである。
この座部(8)は、短四角筒状に形成されたものであるから、周方向に並んだ4個の平坦壁部(8a)(8a)(8a)(8a)と、互いに隣り合う2個の平坦壁部(8a)(8a)間に介在された角部(8b)とを有している。座部(8)の各角部(8b)の断面形状は、挿通孔(6)の角部と同様に、パイプ(1)の各角部(1b)の断面形状に対応して円弧状に形成されている。
板材(5)及びその座部(8)は、弾性変形可能な材料からなり、例えば金属からなり、詳述するとアルミニウム又はアルミニウム合金からなる。ただし本発明では、板材(5)の材質はアルミニウム又はアルミニウム合金であることに限定されるものではなく、その他に、例えば、鉄、鋼、銅等の金属であっても良いし、プラスチックであっても良い。また、この板材(5)及びその座部(8)はプレス成形により製造されたものであるが、本発明では、その他に、例えば、押出加工やダイカストにより製造されたものであっても良いし、その他の方法により製造されたものであっても良い。
パイプ(1)の長さは例えば50〜2000mmの範囲内である。パイプ(1)の断面における各辺の長さは例えば20〜100mmの範囲内である。パイプ(1)の各角部(1b)の曲率半径は例えば5〜45mmの範囲内である。パイプ(1)の周壁部としての平坦壁部(1a)及び角部(1b)の肉厚は例えば0.5〜5mmの範囲内である。
ただし本発明では、パイプ(1)の各寸法は上記の範囲内であることに限定されるものではなく、使用目的や用途に応じて様々に設定されるものである。
板材(5)の各辺の長さは例えば30〜150mmの範囲内である。板材(5)及びその座部(8)の肉厚は例えば2〜5mmの範囲内である。座部(8)の突出長さ(即ち、座部(8)のパイプ(1)軸方向に沿う長さ)は例えば5〜20mmの範囲内である。板材(5)の挿通孔(6)の断面における各辺の長さは、パイプ(1)の断面における各辺の長さよりも例えば0.1〜1mm大きく設定されている。板材(5)の挿通孔(6)の各角部の曲率半径は例えば5.1〜47mmの範囲内である。
ただし本発明では、板材(5)及びその座部(8)の各寸法は上記の範囲内であることに限定されるものではなく、使用目的や用途に応じて様々に設定されるものである。
第1実施形態の接合構造体(A1)では、図1〜図4に示すように、パイプ(1)が板材(5)の挿通孔(6)内に挿通されるとともに、板材(5)の座部(8)がパイプ(1)の外周面に重合された状態で、パイプ(1)の挿通孔(6)内への挿通部分(2a)及びその軸方向両側近傍部分(2b)(2b)とからなるエキスパンド加工対象部(2)の一部が局部的にエキスパンド加工(拡管加工)されることで、パイプ(1)に板材(5)が接合されている。
この接合構造体(A1)において、エキスパンド加工されたパイプ(1)の部位について詳述すると次のとおりである。
パイプ(1)のエキスパンド加工対象部(2)のうち、パイプ(1)の挿通孔(6)内への挿通部分(2a)の各角部(1b)と、該挿通部分(2a)の軸方向両側近傍部分(2b)(2b)の各角部(1b)とが局部的にエキスパンド加工されている(図1〜図3参照)。さらに、該挿通部分(2a)の各角部(1b)が局部的にエキスパンド加工されることにより、板材(5)の座部(8)の各角部(8b)が外側に押されて局部的に膨出している(図1及び図2参照)。これらの図において、(B)は、この接合構造体(A1)のパイプ(1)におけるエキスパンド加工により形成された膨出部(即ちエキスパンド加工部)である。一方、パイプ(1)の挿通孔(6)内への挿通部分(2a)の各平坦壁部(1a)の幅方向中間部と、該挿通部分(2a)の軸方向両側近傍部分(2b)(2b)の各平坦壁部(1a)の幅方向中間部とは、いずもれエキスパンド加工されていない。したがって、この接合構造体(A1)では、パイプ(1)の挿通孔(6)内への挿通部分(2a)の各角部(1b)の外側への膨出量(即ち、エキスパンド加工による膨出量、以下同じ。)は、該挿通部分(2a)の各平坦壁部(1a)(詳述すると、各平坦壁部(1a)の幅方向中間部)の外側への膨出量よりも大きくなっている。また、パイプ(1)の挿通孔(6)内への挿通部分(2a)の軸方向両側近傍部分(2b)(2b)の各角部(1b)の外側への膨出量は、該両近傍部分(2b)(2b)の各平坦壁部(1a)(詳述すると、各平坦壁部(1a)の幅方向中間部)の外側への膨出量よりも大きくなっている。
また、この接合構造体(A1)では、パイプ(1)の挿通孔(6)内への挿通部分(2a)の軸方向両側近傍部分(2b)(2b)の各角部(1b)に形成された2個の膨出部(B)(B)間で板材(5)の座部(8)が挟まれた状態になっている。
パイプ(1)に形成された膨出部(B)の最大高さは例えば1〜5mmの範囲内であり、膨出部(B)の幅は例えば5〜20mmの範囲内である。ただし本発明では、膨出部(B)の高さ及び幅は上記の範囲内であることに限定されるものではない。
次に、パイプ(1)と板材(5)を接合する、本発明の第1実施形態に係る接合装置(10)の構成について、以下に説明する。
図5〜図9に示すように、この接合装置(10)は、エキスパンド加工用ダイ(11)及びマンドレル(18)を備え、更に、規制部材(30)を備えている。
マンドレル(18)は、図8及び図9に示すように、例えば工具鋼や超硬合金製の楔部(19)を有している。この楔部(19)はマンドレル(18)の先端部に先細りの円錐状(詳述すると円錐台状)に形成されている。したがって、この楔部(19)の断面形状は円形状である。また、マンドレル(18)の基端部には、該マンドレル(18)をその軸方向に移動させる駆動源(図示せず)が接続されている。この駆動源として、例えば、油圧シリンダ等の流体圧シリンダが用いられている。
ダイ(11)は、図6〜図9に示すように、パイプ(1)の中空部(3)内に配置されるものであり、パイプ(1)のエキスパンド加工対象部(2)を外側へ押して膨出させるものである。ダイ(11)は例えば工具鋼や超硬合金製である。ダイ(11)の中心部には、マンドレル(18)の楔部(19)に対応する楔孔部(14)がダイ(11)の軸方向に貫通して設けられている。この楔孔部(14)はテーパ孔からなるもので、楔孔部(14)の断面形状は、マンドレル(18)の楔部(19)の断面形状に対応した形状であり、即ち円形状である。
さらに、図6に示すように、このダイ(11)は、楔孔部(14)を中心に周方向に均等に複数個に分割されている。詳述すると、このダイ(11)は、楔孔部(14)を中心にパイプ(1)の各平坦壁部(1a)の幅方向中間部に対応する位置で分割されている。ダイ(11)の分割数は、パイプ(1)の角部(1b)(又は平坦壁部(1a))の数と同数であり、即ち4個である。したがって、このダイ(11)は、4個のダイセグメント(11a)(11a)(11a)(11a)が互いに組み合わされて構成されたものである。
さらに、図6に示すように、このダイ(11)の外周面におけるパイプ(1)の各平坦壁部(1a)(詳述すると、各平坦壁部(1a)の幅方向中間部)に対応する部位には、ダイ(11)の軸方向に延びた断面コ字状(又はU字状)の凹条部(15)が設けられている。これにより、エキスパンド加工時にダイ(11)の各ダイセグメント(11a)の外周面がパイプ(1)の内周面に接触する面積が減少している。
また、図8及び図9に示すように、ダイ(11)の外周面の軸方向中間部には、軸方向に互いに離間した2個の断面円弧状の押圧凸部(12)が周方向に延びて設けられている。両押圧凸部(12)(12)は、パイプ(1)の挿通孔(6)内への挿通部分(2a)の軸方向両側近傍部分(2b)(2b)の少なくとも一部を外側に押圧して局部的に断面円弧状に膨出させるものである。ここで、本第1実施形態では、上述したように、ダイ(11)の外周面におけるパイプ(1)の各平坦壁部(1a)に対応する部位に凹条部(15)が設けられていることから、各押圧凸部(12)は、パイプ(1)の挿通孔(6)内への挿通部分(2a)の軸方向両側近傍部分(2b)(2b)の各角部(1b)を外側に局部的に膨出させるものである。一方、該両近傍部分(2b)(2b)の各平坦壁部(1a)はこの押圧凸部(12)により膨出されない。
押圧凸部(12)の突出高さは例えば1〜5mmの範囲内に設定されており、押圧凸部(12)の幅は例えば4〜10mmの範囲内に設定されている。ただし本発明では、押圧凸部(12)の突出高さ及び幅は上記の範囲内であることに限定されるものではない。
さらに、ダイ(11)の両押圧凸部(12)(12)間の部位(13)の直径は、ダイ(11)の軸方向両端部の直径よりも大きく設定されている。この部位(13)は、パイプ(1)の挿通孔(6)内への挿通部分(2a)を外側に局部的に膨出させるものである。ここで、本第1実施形態では、上述したように、ダイ(11)の外周面におけるパイプ(1)の各平坦壁部(1a)に対応する部位に凹条部(15)が設けられていることから、この部位(13)は、パイプ(1)の挿通部分(2a)の各角部(1b)を外側に局部的に膨出させるものである。一方、該挿通部分(2a)の各平坦壁部(1a)はこの部位(13)により膨出されないか殆ど膨出されない。
マンドレル(18)は、その楔部(19)をパイプ(1)の中空部(3)内に配置されたダイ(11)の楔孔部(14)内に差し込むことにより、ダイ(11)の各ダイセグメント(11a)をパイプ(1)の各角部(1b)に向かってパイプ(1)の半径方向外向きに移動させるものである。
なお本発明では、マンドレル(18)の楔部(19)の断面形状及びダイ(11)の楔孔部(14)の断面形状は、それぞれ、本実施形態で示したように円形状であることに限定されるものではなく、その他に、例えば、四角形状等の多角形状であっても良いし、パイプ(1)やその中空部(3)の断面形状と相似の形状であっても良い。
規制部材(30)は、図5及び図6に示すように、板材(5)の座部(8)の外側に該座部(8)を全周に亘って包囲するように配置され、エキスパンド加工時に板材(5)の座部(8)の外側への膨出量を座部(8)の全周に亘って所定量に規制するものである。
この規制部材(30)は、環状であり、その内側に板材(5)の座部(8)が配置されるものである。また、この規制部材(30)は周方向に複数個に分割されている。(31)は、規制部材(30)の分割部である。本第1実施形態では、規制部材(30)の分割数は4個である。そして、この規制部材(30)は、エキスパンド加工時に、その内側に板材(5)の座部(8)が配置されるように4個の規制部材セグメント(30a)を互いに組み合わせて一体化することにより、座部(8)の外側への膨出量を規制する位置に配置されるものである。4個の規制部材セグメント(30a)を一体化する手段としては、ボルトによる締結、プレスによる締結等が用いられる。
なお本発明では、規制部材(30)の分割数は4個であることに限定されるものではなく、その他に、例えば2個、3個又は5個以上以上であっても良い。あるいは、規制部材(30)は分割されていないものであっても良い。
規制部材(30)は、エキスパンド加工時に規制部材(30)に荷重が加わった場合に規制部材(30)が変形しないような強度を有しており、例えば工具鋼製である。
規制部材(30)の厚さ(即ち、規制部材(30)のパイプ(1)軸方向に沿う長さ)は、板材(5)の座部(8)の突出長さに対して例えば0.8〜1.2倍の範囲内に設定されている。ただし本発明では、規制部材(30)の厚さは上記の範囲内であることに限定されるものではない。
図7に示すように、この規制部材(30)は、板材(5)の座部(8)の外側に配置された状態において、規制部材(30)と座部(8)の各角部(8b)との間の隙間(クリアランス)(C2)が、規制部材(30)と座部(8)の各平坦壁部(8a)との間の隙間(C1)よりも大きくなるように設定されている(即ち、C2>C1)。
規制部材(30)と座部(8)の各角部(8b)との間の隙間(C2)は、例えば1.1〜5mmの範囲内に設定される。一方、規制部材(30)と座部(8)の各平坦壁部(8a)との間の隙間(C1)は、例えば0.1〜1mmの範囲内に設定される。ただし本発明では、各隙間(C1)(C2)は上記の範囲内であることに限定されるものではない。
次に、この接合装置(10)を用いたパイプ(1)と板材(5)の接合方法について以下に説明する。
まず、図5〜図9に示すように、パイプ(1)を板材(5)の挿通孔(6)内に遊挿状態に挿通するとともに、板材(5)の座部(8)をパイプ(1)の外周面に重合状態に配置する。また、規制部材(30)の内側に板材(5)の座部(8)が配置されるように、4個の規制部材セグメント(30a)を互いに組み合わせて一体化することにより、規制部材(30)を板材(5)の座部(8)の外側に、該座部(8)を全周に亘って包囲するように配置する。このように規制部材(30)を配置することにより、座部(8)の外側への膨出量が該座部(8)の全周に亘って所定量に規制される。すなわち、図7に示すように、規制部材(30)と座部(8)の各角部(8b)との間の隙間(C2)は、規制部材(30)と座部(8)の各平坦壁部(8a)との間の隙間(C1)よりも大きくなるように設定される(即ち、C2>C1)。
さらに、パイプ(1)の中空部(3)内における板材(5)に対応する位置に、ダイ(11)を配置する。
次いで、図8及び図9に示すように、マンドレル(18)をパイプ(1)の中空部(3)内において該パイプ(1)の軸方向と平行に配置した状態で、マンドレル(18)の楔部(19)をマンドレル(18)の軸方向に移動させることより、楔部(19)をダイ(11)の楔孔部(14)内に差し込む。これにより、図10〜図12に示すように、ダイ(11)の各ダイセグメント(11a)をパイプ(1)の各角部(1b)に向かってパイプ(1)の半径方向外向きに移動させ、パイプ(1)の挿通孔(6)内への挿通部分(2a)及びその軸方向両側近傍部分(2b)(2b)からなるエキスパンド加工対象部(2)の一部をエキスパンド加工(拡管加工)する。
このエキスパンド加工によって、パイプ(1)の挿通孔(6)内への挿通部分(2a)の各平坦壁部(1a)及び各角部(1b)のうち特に各角部(1b)と、該挿通部分(2a)の軸方向両側近傍部分(2b)(2b)の各平坦壁部(1a)及び各角部(1b)のうち特に各角部(1b)とが、外側に局部的に膨出するように各ダイセグメント(11a)(詳述すると両押圧凸部(12)(12)等)によって押されて塑性変形される。さらに、このようにパイプ(1)の挿通孔(6)内への挿通部分(2a)が外側に膨出することにより板材(5)の座部(8)が外側に押され、これにより、該座部(8)の各平坦壁部(8a)及び各角部(8b)のうち特に各角部(8b)が外側に膨出するように弾性変形される。このように座部(8)が弾性変形されることに伴い、座部(8)に弾性復元力が蓄積される。そして、座部(8)が弾性域内で外側へ膨出していく途中で、該座部(8)の各平坦壁部(8a)及び各角部(8b)が規制部材(30)に衝合することにより、座部(8)の各平坦壁部(8a)及び各角部(8b)の膨出がそれぞれ止められ、これにより座部(8)の各平坦壁部(8a)及び各角部(8b)の外側への膨出量が規制される。したがって、座部(8)の各平坦壁部(8a)及び各角部(8b)はともに弾性域内で外側へ膨出する。
次いで、マンドレル(18)の楔部(19)をダイ(11)の楔孔部(14)から抜出する。すると、板材(5)の座部(8)に蓄積された弾性復元力(スプリングバック力)により、座部(8)がパイプ(1)の外周面に、パイプ(1)に対して外嵌状態に圧接固定される。これにより、板材(5)がパイプ(1)(詳述するとパイプ(1)の外周面)に接合される。
次いで、規制部材(30)を取り外すことにより、図1に示した所望する接合構造体(A1)が得られる。
而して、本第1実施形態の接合方法は次の利点がある。
板材(5)の挿通孔(6)の周縁部に、短角筒状の座部(8)がパイプ(1)の軸方向の片側に突出して一体に設けられているので、板材(5)の座部(8)をパイプ(1)の外周面に重合状態に配置することにより、板材(5)とパイプ(1)との接触面積が増加する。これにより、板材(5)の接合強度を増大できる。
さらに、板材(5)の座部(8)の外側に配置された規制部材(30)により座部(8)の外側への膨出量を規制した状態で、エキスパンド加工を行うので、板材(5)の肉厚を厚く設定する必要がなく、すなわち、板材(5)の剛性をパイプ(1)の剛性よりも必ずしも高くすることを要しない。そのため、接合構造体(A1)の軽量化を図ることができる。
さらに、パイプ(1)の断面形状は四角形状であり、板材(5)の挿通孔(6)の断面形状はパイプ(1)の断面形状に対応した形状(即ち四角形状)であるから、パイプ(1)が板材(5)の挿通孔(6)内に挿通された状態においてねじり強度が向上する。したがって、もし仮に板材(5)にパイプ(1)の周方向の荷重が加わった場合であっても、板材(5)はパイプ(1)の周方向にずれ動き難くなる。
さらに、パイプ(1)の各角部(1b)の断面形状が円弧状に形成されているので、板材(5)にパイプ(1)の周方向の荷重が加わった場合において、パイプ(1)の各角部(1b)に応力が集中するのを確実に防止できる。そのため、強度的信頼性が向上する。
さらに、ダイ(11)の各ダイセグメント(11a)をパイプ(1)の各角部(1b)に向かってパイプ(1)の半径方向外向きに移動させることにより、エキスパンド加工を行うので、パイプ(1)の各角部(1b)が各平坦壁部(1a)よりも重点的にエキスパンド加工されて外側に大きく膨出される。そのため、ねじり強度が更に向上する。
さらに、板材(5)の座部(8)の外側に、規制部材(30)を、規制部材(30)と座部(8)の各角部(8b)との間の隙間(C1)が規制部材(30)と座部(8)の各平坦壁部(8a)との間の隙間(C2)よりも大きくなるように配置し、この状態で、エキスパンド加工を行うので、パイプ(1)の各角部(1b)を各平坦壁部(1a)よりも確実に大きく膨出できる。そのため、ねじり強度が更に一層向上する。また、こうして得られた接合構造体(A2)では、パイプ(1)の挿通孔(6)内への挿通部分(2a)の各角部(1b)の外側への膨出量が、該挿通部分(2a)の各平坦壁部(1a)の外側への膨出量よりも大きいので、ねじり強度が更に一層向上する。
さらに、ダイ(11)の外周面におけるパイプ(1)の各平坦壁部(1a)に対応する部位に、ダイ(11)の軸方向に延びた凹条部(15)が設けられているので、ダイ(11)の各ダイセグメント(11a)の外周面がパイプ(1)の内周面に接触する面積を減少できる。そのため、エキスパンド加工時にダイセグメント(11a)の外周面とパイプ(1)の内周面との間の摩擦力を低減できる。その結果、パイプ(1)の各角部(1b)を各平坦壁部(1a)よりも更に確実に大きく膨出できるし、またエキスパンド加工に要する力を低減できる。
さらに、ダイ(11)の外周面に、パイプ(1)の挿通孔(6)内への挿通部分(2a)の軸方向両側近傍部分(2b)(2b)の一部(即ち各角部(1b))を外側に局部的に膨出させる2個の押圧凸部(12)(12)が設けられているので、このダイ(11)を用いてエキスパンド加工を行うことにより、パイプ(1)の挿通孔(6)内への挿通部分(2a)の軸方向両側近傍部分(2b)(2b)の一部(即ち各角部(1b))が外側に局部的に且つ確実に膨出される。そのため、抜け強度が確実に向上する。したがって、もし仮に板材(5)にパイプ(1)の軸方向の荷重が加わった場合であっても、板材(5)はパイプ(1)の軸方向にずれ動き難くなる。
図13〜図20は、本発明の第2実施形態に係る接合方法及び接合装置を説明する図である。本第2実施形態の接合方法及び接合装置について、上記第1実施形態とは異なる点を中心に以下に説明する。
図13に示すように、本第2実施形態の接合構造体(A2)では、パイプ(1)が板材(5)の挿通孔(6)内に挿通されるとともに、板材(5)の座部(8)がパイプ(1)の外周面に重合された状態で、パイプ(1)の挿通孔(6)内への挿通部分(2a)及びその軸方向両側近傍部分(2b)(2b)とからなるエキスパンド加工対象部(2)の全体が局部的にエキスパンド加工されることで、パイプ(1)に板材(5)が接合されている。すなわち、パイプ(1)の挿通孔(6)内への挿通部分(2a)の周方向の全体と、該挿通部分(2a)の軸方向両側近傍部分(2b)(2b)の周方向の全体とが局部的にエキスパンド加工されている(図18〜図20参照)。
また、この接合構造体(A2)では、パイプ(1)の挿通孔(6)内への挿通部分(2a)の各角部(1b)の外側への膨出量は、該挿通部分(2a)の各平坦壁部(1a)の外側への膨出量と同じである。
次に、第2実施形態に係る接合装置の構成について、上記第1実施形態の接合装置とは異なる点を中心に以下に説明する。
この接合装置(10)では、図15に示すように、エキスパンド加工用ダイ(11)の外周面におけるパイプ(1)の各平坦壁部(1a)の幅方向中間部に対応する部位には、該ダイ(11)の軸方向に延びた凹条部(図6参照、15)は設けられていない。
また、図15〜図17に示すように、規制部材(30)は、板材(5)の座部(8)の外側に配置された状態において、規制部材(30)と座部(8)の各角部(8b)との間の隙間(C2)が規制部材(30)と座部(8)の各平坦壁部(8a)との間の隙間(C1)と同じになるように設定されている(即ち、C2=C1)。この隙間(C1)(C2)は例えば0.1〜1mmの範囲内に設定される。ただし本発明では、この隙間(C1)(C2)は上記の範囲内であることに限定されるものではない。また、規制部材(30)の分割数は2個である。
なお本発明では、規制部材(30)と座部(8)の各角部(8b)との間の隙間(C2)は、上記第1実施形態と同様に、規制部材(30)と座部(8)の各平坦壁部(8a)との間の隙間(C1)よりも大きくなるように設定されていても良い(即ち、C2>C1)。
次に、この接合装置(10)を用いたパイプ(1)と板材(5)との接合方法について、上記第1実施形態の接合方法とは異なる点を中心に以下に説明する。
この接合方法では、図18〜図20に示すように、エキスパンド加工によって、パイプ(1)の挿通孔(6)内への挿通部分(2a)の周方向の全体と該挿通部分(2a)の軸方向両側近傍部分(2b)(2b)の周方向の全体とが、外側に局部的に膨出するようにダイ(11)の各ダイセグメント(11a)によって押されて塑性変形される。さらに、このようにパイプ(1)の挿通孔(6)内への挿通部分(2a)が外側に膨出することにより板材(5)の座部(8)が外側へ押され、これにより、該座部(8)が外側に膨出するように弾性変形される。このように座部(8)が弾性変形されることに伴い、座部(8)に弾性復元力が蓄積される。そして、座部(8)が弾性域内で外側へ膨出していく途中で、該座部(8)が規制部材(30)に衝合することにより、座部(8)の膨出が止められ、これにより座部(8)の外側への膨出量が規制される。したがって、座部(8)は弾性域内で外側へ膨出する。
次いで、マンドレル(18)の楔部(19)をダイ(11)の楔孔部(14)内から抜出する。すると、板材(5)の座部(8)に蓄積された弾性復元力(スプリングバック力)により座部(8)がパイプ(1)の外周面に、パイプ(1)に対して外嵌状態に圧接固定される。これにより、板材(5)がパイプ(1)(詳述するとパイプ(1)の外周面)に接合される。
次いで、規制部材(30)を取り外すことにより、図13に示した所望する接合構造体(A2)が得られる。
図21〜図26は、本発明の第3実施形態に係る接合方法及び接合装置を説明する図である。本第3実施形態の接合方法及び接合装置について、上記第1実施形態とは異なる点を中心に以下に説明する。
図21に示すように、本第3実施形態の接合構造体(A3)では、パイプ(1)の断面形状は円形状である。板材(5)の挿通孔(6)の断面形状は、パイプ(1)の断面形状に対応した形状であり、即ち円形状である。また、板材(5)の挿通孔(6)の周縁部には、短円筒状の座部(8)がパイプ(1)の軸方向の片側に突出して一体に設けられている。
この接合構造体(A3)では、パイプ(1)が板材(5)の挿通孔(6)内に挿通されるとともに、板材(5)の座部(8)がパイプ(1)の外周面に重合された状態で、パイプ(1)の挿通孔(6)内への挿通部分(2a)及びその軸方向両側近傍部部(2b)(2b)とからなるエキスパンド加工対象部(2)の全体が局部的にエキスパンド加工されることで、パイプ(1)に板材(5)が接合されている。すなわち、パイプ(1)の挿通孔(6)内への挿通部分(2a)の周方向の全体と、該挿通部分(2a)の軸方向両側近傍部分(2b)(2b)の周方向の全体とが局部的にエキスパンド加工されている。
次に、第2実施形態に係る接合装置の構成について、上記第1実施形態の接合装置とは異なる点を中心に以下に説明する。
この接合装置(10)では、図23に示すように、エキスパンド加工用ダイ(11)の断面形状は、パイプ(1)の中空部(3)の断面形状と同じ形状であり、即ち円形状である。また、ダイ(11)は、楔孔部(14)を中心に周方向に均等に8個に分割されている。したがって、このダイ(11)は、8個のダイセグメント(11a)が互いに組み合わされて構成されたものである。また、ダイ(11)の外周面には、該ダイ(11)の軸方向に延びた凹条部(図6参照、15)は設けられていない。
また、図23及び図24に示すように、規制部材(30)は、板材(5)の座部(8)の外側に配置された状態において、規制部材(30)と座部(8)との間の隙間(C)が全周に亘って一定になるように設定されている。この隙間(C)は例えば0.1〜1mmの範囲内に設定される。ただし本発明では、この隙間(C)は上記の範囲内であることに限定されるものではない。
次に、この接合装置(10)を用いたパイプ(1)と板材(5)との接合方法について、上記第1実施形態の接合方法とは異なる点を中心に以下に説明する。
この接合方法では、図25及び図26に示すように、エキスパンド加工によって、パイプ(1)の挿通孔(6)内への挿通部分(2a)の周方向の全体と該挿通部分(2a)の軸方向両側近傍部分(2b)(2b)の周方向の全体とが、外側に局部的に膨出するようにダイ(11)の各ダイセグメント(11a)によって押されて塑性変形される。さらに、このようにパイプ(1)の挿通孔(6)内への挿通部分(2a)が外側に膨出することにより板材(5)の座部(8)が外側へ押され、これにより、該座部(8)が外側に膨出するように弾性変形される。このように座部(8)が弾性変形されることに伴い、座部(8)に弾性復元力が蓄積される。そして、座部(8)が弾性域内で外側へ膨出していく途中で、該座部(8)が規制部材(30)に衝合することにより、座部(8)の膨出が止められ、これにより座部(8)の外側への膨出量が規制される。したがって、座部(8)は弾性域内で外側へ膨出する。
次いで、マンドレル(18)の楔部(19)をダイ(11)の楔孔部(14)内から抜出する。すると、板材(5)の座部(8)に蓄積された弾性復元力(スプリングバック力)により座部(8)がパイプ(1)の外周面に、パイプ(1)に対して外嵌状態に圧接固定される。これにより、板材(5)がパイプ(1)に接合される。
次いで、規制部材(30)を取り外すことにより、図21に示した所望する接合構造体(A3)が得られる。
図27は、本発明の第4実施形態に係る接合方法及び接合装置を説明する図である。本第4実施形態の接合方法及び接合装置について、上記第1実施形態とは異なる点を中心に以下に説明する。
同図に示すように、この接合装置(10)は、上記第1実施形態の接合装置の構成要素(即ち、ダイ(11)、マンドレル(18)、規制部材(30)等)の他に、エキスパンド加工時に生じることのある板材(5)の曲がりを防止する屈曲防止部材(35)を備えている。この屈曲防止部材(35)は、エキスパンド加工時に規制部材(30)と屈曲防止部材(35)とで板材(5)をその厚さ方向両側から挟むことにより、板材(5)の曲がりを防止するものである。
この屈曲防止部材(35)は、剛性を有するものであり、例えば工具鋼製である。
また、本第4実施形態では、規制部材(30)の厚さは、板材(5)の座部(8)の突出長さよりも若干小さく設定されている。したがって、同図に示すように、規制部材(30)が板材(5)の座部(8)の外側に配置された状態において、座部(8)の先端部(8c)が規制部材(30)の厚さ方向片側へはみ出している。
この接合装置(10)を用いた接合方法では、同図に示すように、板材(5)の座部(8)の外側に配置された規制部材(30)と、板材(5)の厚さ方向両側のうち規制部材(30)が存在している側とは反対側に配置された屈曲防止部材(35)とで板材(5)をその厚さ方向両側から挟むことにより、板材(5)の曲がりを防止した状態で、エキスパンド加工を行う。その他の接合手順は上記第1実施形態の接合方法と同じである。
なお、板材(5)の座部(8)の先端部(8c)は、エキスパンド加工によってパイプ(1)の挿通孔(6)内への挿通部分(2a)の軸方向片側近傍部分(2b)が外側に膨出されることに伴い、外側に少し屈曲している。
この接合方法では、エキスパンド加工時において板材(5)の曲がりを防止できるという利点がある。
図28は、本発明の第5実施形態に係る接合方法及び接合装置を説明する図である。
本第5実施形態の接合装置では、規制部材(30)における、板材(5)の座部(8)との当接面(規制面)には、凹部(32)が周方向の全周に亘って延びて設けられている。この凹部(32)の幅は例えば5〜20mmの範囲内に設定されており、凹部(32)の深さは例えば2〜5mmの範囲内に設定されている。ただし本発明では、凹部(32)の幅及び深さは上記の範囲内であることに限定されるものではない。
この接合装置(10)を用いた接合方法では、エキスパンド加工によって、規制部材(30)の凹部(32)内に、板材(5)の座部(8)とパイプ(1)の挿通孔(6)内への挿通部分(2a)とが互いに重合した状態で入り込むように変形して外側に局部的に断面円弧状に膨出する。これにより、両部位(8)(2a)が互いにパイプ(1)の軸方向に係合する。
この接合方法には次の利点がある。
すなわち、規制部材(30)の当接面に凹部(32)が設けられているので、エキスパンド加工によって、板材(5)の座部(8)とパイプ(1)の挿通孔(6)内への挿通部分(2a)とを互いに重合させた状態で外側に膨出させることができる。そして、エキスパンド加工後に規制部材(30)を取り外すと、両部位(8)(2a)とは互いにパイプ(1)の軸方向に係合しているから、板材(5)の接合強度を更に向上できる。
図29は、本発明の第6実施形態に係る接合方法及び接合装置を説明する図である。
本第6実施形態の接合方法では、上記第5実施形態の接合方法と基本的には同じであるが、パイプ(1)の挿通孔(6)内への挿通部分(2a)の軸方向両側近傍部分(2b)(2b)を膨出させていない。その他の手順は上記第5実施形態の接合方法と同じである。
図30は、本発明の第7実施形態に係る接合方法及び接合装置を説明する図である。
本第6実施形態の接合装置(10)では、規制部材(30)における、板材(5)の座部(8)との当接面(規制面)には、凸部(33)が周方向の全周に亘って延びて設けられている。この凸部(33)の幅は例えば5〜20mmの範囲内に設定されており、凸部(33)の高さは例えば2〜5mmの範囲内に設定されている。ただし本発明では、凸部(33)の幅及び高さは上記の範囲内であることに限定されるものではない。
この接合装置(10)を用いた接合方法には次の利点がある。
すなわち、エキスパンド加工によって、パイプ(1)の挿通孔(6)内への挿通部分(2a)の軸方向両側近傍部分(2b)(2b)を外側へ膨出できることはもとより、更に、規制部材(30)の当接面に凸部(33)が設けられていることから、板材(5)の座部(8)とパイプ(1)の挿通孔(6)内への挿通部分(2a)とを互いに重合させた状態で内側に局部的に断面円弧状等に窪ませることができる。そして、エキスパンド加工後に規制部材(30)を取り外すと、両部位(8)(2a)は互いにパイプ(1)の軸方向に係合しているから、板材(5)の接合強度を更に向上できる。
以上で、本発明の幾つかの実施形態を説明したが、本発明では上記実施形態に示したものに限定されるものではなく、様々に設定変更可能である。
例えば、本発明では、図31に示すように、板材(5)の座部(8)の内周面には、複数個の凹部(9a)又は/及び凸部(9b)が周方向に間隔をおいて設けられていても良い。この板材(5)をパイプ(図示せず)に接合する場合には、エキスパンド加工によって、パイプ(1)の挿通孔(6)内への挿通部分(2a)が、板材(5)の座部(8)の内周面の凹部(9a)又は/及び凸部(9b)にパイプ(1)の周方向に係合するように塑性変形して外側へ膨出される。その結果、板材(5)のねじり強度が更に向上するという利点がある。
また本発明では、パイプ(1)の断面形状は四角形状であることに限定されるものではなく、その他に、例えば、三角形状、五角形状、六角形状、七角形状、八角形状であっても良い。
また本発明では、マンドレル(18)の楔部(19)の表面とダイ(11)の楔孔部(14)の周面との少なくとも一方の面に、摩擦力を低減させるための処理や、摩耗量を減少させるための処理を施しても良い。そのような処理として、潤滑剤の付着、窒化処理、硬質皮膜処理、DLC処理等が用いられる。
本発明は、例えば、自動車のステアリングサポートビーム、ステアリングコラムホルダ、マフラ、フレーム、プロペラシャフト、サスペンションアーム、その他の自動車の部品、あるいは、自動車以外の製品として、例えば配管材、自転車の部品に用いられる、パイプと板材との接合方法及びこの接合方法に用いられる接合装置に利用可能である。
本発明の第1実施形態の接合構造体の斜視図である。 図1中のX−X線断面図である。 図2中のY−Y線断面図である。 図2中のZ−Z線断面図である。 同接合構造体においてパイプのエキスパンド加工対象部をエキスパンド加工する前の状態の斜視図である。 図5中のX−X線断面図である。 図6中のW部分の拡大図である。 図6中のY−Y線断面図である。 図6中のZ−Z線断面図である。 同接合構造体においてパイプのエキスパンド加工対象部をエキスパンド加工した状態の、図2に対応する断面図である。 図10中のY−Y線断面図である。 図10中のZ−Z線断面図である。 本発明の第2実施形態の接合構造体の斜視図である。 同接合構造体においてパイプのエキスパンド加工対象部をエキスパンド加工する前の状態の斜視図である。 図14中のX−X線断面図である。 図15中のY−Y線断面図である。 図15中のZ−Z線断面図である。 同接合構造体においてパイプのエキスパンド加工対象部をエキスパンド加工した状態の、図15に対応する断面図である。 図18中のY−Y線断面図である。 図18中のZ−Z線断面図である。 本発明の第3実施形態の接合構造体の斜視図である。 同接合構造体においてパイプのエキスパンド加工対象部をエキスパンド加工する前の状態の斜視図である。 図22中のX−X線断面図である。 図23中のY−Y線断面図である。 同接合構造体においてパイプのエキスパンド加工対象部をエキスパンド加工した状態の、図23に対応する断面図である。 図25中のY−Y線断面図である。 本発明の第4実施形態の接合構造体の要部断面図である。 本発明の第5実施形態の接合構造体の要部断面図である。 本発明の第6実施形態の接合構造体の要部断面図である。 本発明の第7実施形態の接合構造体の要部断面図である。 板材の一変形例を示す斜視図である。
符号の説明
A1〜A7…接合構造体
1…パイプ
1a…平坦壁部
1b…角部
2…エキスパンド加工対象部
2a…挿通部分
2b…挿通部分の近傍部分
3…中空部
5…板材
6…挿通孔
8…座部
8a…平坦壁部
8b…角部
9a…凹部
9b…凸部
10…接合装置
11…ダイ
11a…ダイセグメント
12…押圧凸部
14…楔孔部
15…凹条部
18…マンドレル
19…楔部
30…規制部材
32…凹部
33…凸部
35…屈曲防止部材

Claims (13)

  1. パイプを板材に設けられた挿通孔内に挿通するとともに、パイプの中空部内に周方向に複数個に分割されたエキスパンド加工用ダイを配置し、
    次いで、ダイの各ダイセグメントをパイプの半径方向外向きに移動させることにより、パイプの挿通孔内への挿通部分及びその軸方向両側近傍部分からなるエキスパンド加工対象部の少なくとも一部をエキスパンド加工し、パイプに板材を接合する、パイプと板材との接合方法であって、
    パイプの断面形状は多角形状であるとともに、該パイプの各角部の断面形状は略円弧状であり、
    板材の挿通孔の断面形状は、パイプの断面形状に対応した形状であり、
    板材の挿通孔の周縁部に、短筒状の座部がパイプの軸方向に突出して一体に設けられており、
    ダイは、パイプの各平坦壁部に対応する位置で分割されており、
    板材の座部をパイプの外周面に重合状態に配置するとともに、座部の外側に、座部の外側への膨出量を規制する規制部材を、規制部材と座部の角部との間の隙間が規制部材と座部の平坦壁部との間の隙間よりも大きくなるように配置した状態で、ダイの各ダイセグメントをパイプの各角部に向かってパイプの半径方向外向きに移動させることにより、エキスパンド加工を行うことを特徴とするパイプと板材との接合方法。
  2. ダイの外周面におけるパイプの各平坦壁部に対応する部位に、ダイの軸方向に延びた凹条部が設けられている請求項記載のパイプと板材との接合方法。
  3. 規制部材と板材の曲がりを防止する屈曲防止部材とで板材をその厚さ方向両側から挟むことにより、板材の曲がりを防止した状態で、エキスパンド加工を行う請求項1又は2記載のパイプと板材との接合方法。
  4. 規制部材の座部との当接面に凹部又は凸部が設けられている請求項1〜のいずれかに記載のパイプと板材との接合方法。
  5. ダイの外周面に、パイプの挿通孔内への挿通部分の軸方向両側近傍部分の少なくとも一部を外側に局部的に膨出させる2個の押圧凸部が設けられている請求項1〜のいずれかに記載のパイプと板材との接合方法。
  6. パイプが板材に設けられた挿通孔内に挿通された状態で、パイプの挿通孔内への挿通部分及びその軸方向近傍部分からなるエキスパンド加工対象部の少なくとも一部がエキスパンド加工されることにより、パイプに板材が接合された、パイプと板材との接合構造体であって、
    パイプの断面形状は多角形状であるとともに、該パイプの各角部の断面形状は略円弧状であり、
    板材の挿通孔の断面形状は、パイプの断面形状に対応した形状であり、
    板材の挿通孔の周縁部に、短筒状の座部がパイプの軸方向に突出して一体に設けられており、
    板材の座部がパイプの外周面に重合された状態で、パイプに板材が接合されるとともに、
    パイプの挿通孔内への挿通部分の角部の外側への膨出量が、該挿通部分の平坦壁部の外側への膨出量よりも大きいことを特徴とする接合構造体。
  7. 板材の座部とパイプの挿通孔内への挿通部分とが互いに重合した状態で外側に膨出しているか又は内側に窪んでいる請求項記載の接合構造体。
  8. パイプの挿通孔内への挿通部分の軸方向両側近傍部分の少なくとも一部が外側に局部的に膨出している請求項6又は7記載の接合構造体。
  9. パイプを板材に設けられた挿通孔内に挿通するとともに、板材の挿通孔の周縁部にパイプの軸方向に突出して一体に設けられた短筒状の座部をパイプの外周面に重合状態に配置した状態で、パイプの挿通孔内への挿通部分及びその軸方向両側近傍部分からなるエキスパンド加工対象部の少なくとも一部をエキスパンド加工することにより、パイプに板材を接合する接合装置であって、
    パイプの中空部内に配置され、周方向に複数個に分割されたエキスパンド加工用ダイと、
    ダイの各ダイセグメントをパイプの半径方向外向きに移動させるエキスパンド加工用マンドレルと、
    板材の座部の外側に配置され、エキスパンド加工時に座部の外側への膨出量を規制する規制部材と、を備えており、
    パイプの断面形状は多角形状であるとともに、該パイプの各角部の断面形状は略円弧状であり、
    板材の挿通孔の断面形状は、パイプの断面形状に対応した形状であり、
    ダイは、パイプの各平坦壁部に対応する位置で分割されており、
    ダイの各ダイセグメントは、マンドレルにより、パイプの各角部に向かってパイプの半径方向外向きに移動されるものであり、
    規制部材は、板材の座部の外側に、規制部材と座部の角部との間の隙間が規制部材と座部の平坦壁部との間の隙間よりも大きくなるように配置されるものであることを特徴とするパイプと板材との接合装置。
  10. ダイの外周面におけるパイプの各平坦壁部に対応する部位に、ダイの軸方向に延びた凹条部が設けられている請求項記載の接合装置。
  11. 板材の曲がりを防止する屈曲防止部材を備えており、
    屈曲防止部材は、エキスパンド加工時に規制部材と屈曲防止部材とで板材をその厚さ方向両側から挟むことにより、板材の曲がりを防止するものである請求項9又は10記載の接合装置。
  12. 規制部材の座部との当接面に、凹部又は凸部が設けられている請求項9〜11のいずれかに記載の接合装置。
  13. ダイの外周面に、パイプの挿通孔内への挿通部分の軸方向両側近傍部分の少なくとも一部を外側に局部的に膨出させる2個の押圧凸部が設けられている請求項9〜12のいずれかに記載の接合装置。
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