JP4987906B2 - ヘアライン加工装置 - Google Patents
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Description
本発明は、例えば、紙製シートや樹脂製シートや金属製シートなどの表面にヘアライン加工を施してヘアライン装飾を有するシートを得るヘアライン加工装置に関するものである。
紙製シートや樹脂製シートや金属製シートなどの表面にヘアライン加工を施すヘアライン加工装置として、例えば、特開2000−79423号(特許文献1)がある。
この特許文献1を簡単に説明すると、帯状の加工用シート材を連続的に移送する移送装置部の途中部に、加工用シート材を張設しつつ回転して移送する張設ロールが設けられ、この張設ロールと対設状態にして移送装置部に研磨ロールが設けられて、この張設ロールと研磨ロールの間に加工用シート材が挟まれながら移送するように構成されていると共に、この際研磨ロールが加工用シート材の表面を回転研磨してこの加工用シート材の表面にヘアライン加工を施すように構成されている。
本発明は、特許文献1のようなヘアライン加工装置の改良に係るもので、研磨ロールを移送装置部に対して着脱可能とすると共に、研磨範囲の異なる複数種類の研磨ロールを備えてこの研磨ロールの付け替えによりヘアライン加工のパターン変更を可能とし、更に少ない装置動作で研磨ロールの付け替えを可能な構成として装置の段取り替え作業が容易に行われるようにした画期的なヘアライン加工装置を提供するものである。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
帯状の加工用シート材1を連続的に移送する移送装置部2に、加工用シート材1を張設しつつ回転して移送する張設ロール3を設け、この張設ロール3と対設状態にして移送装置部2に研磨ロール4を設けて、この張設ロール3と研磨ロール4の間に加工用シート材1が挟まれながら移送するように構成すると共に、研磨ロール4が加工用シート材1の表面を回転研磨してこの加工用シート材1の表面にヘアライン加工5を施すように構成したヘアライン加工装置において、前記研磨ロール4は、両端に回転軸6を備えた構成とすると共に、この両端の回転軸6の少なくとも一方に回転駆動源7と係合して駆動力が伝達される伝達係合部8を設け、この両端の回転軸6の双方に軸受体9を被嵌し、この各軸受体9を着脱自在に包持するクランプ部10を前記移送装置部2に設けると共に、このクランプ部10は接近・離反自在な構成として、このクランプ部10が接近することで前記軸受体9を包持して前記研磨ロール4を前記張設ロール3と対設状態に取り付け可能とすると共に、この包持状態からクランプ部10が離反することで軸受体9を包持解除して研磨ロール4を取り外し可能に構成し、この研磨ロール4は、前記加工用シート材1の表面の全範囲を研磨可能なものや,一部範囲を研磨可能なものや,間隔を置いた複数の範囲を研磨可能なものなどの研磨範囲が異なる複数種類を備えたことを特徴とするヘアライン加工装置に係るものである。
また、前記クランプ部10は、起伏回動することで接近・離反自在な構成とし、このクランプ部10が伏動回動して接近することで前記軸受体9を包持して前記研磨ロール4を前記張設ロール3と対設状態に取り付け可能とすると共に、この包持状態からクランプ部10が起動回動して離反することで軸受体9を包持解除して研磨ロール4を取り外し可能に構成したことを特徴とする請求項1記載のヘアライン加工装置に係るものである。
また、前記研磨ロール4は、回転軸6と、この回転軸6に組み付け可能な複数の研磨ロール体11と、この研磨ロール体11と共に前記回転軸6に組み付け可能な複数のスペーサー12とから成り、前記回転軸6に対する前記研磨ロール体11と前記スペーサー12の組み付け方を変更する、若しくは前記研磨ロール体11の幅の異なるものを組み付けすることにより、前記加工用シート材1の表面の全範囲を研磨可能なものや,一部範囲を研磨可能なものや,間隔を置いた複数の範囲を研磨可能なものなどの研磨範囲が異なる研磨ロール4を形成し得るように構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のヘアライン加工装置に係るものである。
また、前記移送装置部2に、前記研磨ロール4と対設状態にしてこの研磨ロール4と共に回転しながら研磨ロール4を研磨する砥石ロール13を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のヘアライン加工装置に係るものである。
また、前記砥石ロール13は、両端に支点軸14を備えた構成とすると共に、この両端の支点軸14の少なくとも一方の端部に砥石ロール用回転駆動源15と係合して駆動力が伝達される支点軸用伝達係合部16を設け、この両端の支点軸14の双方に支点軸用軸受体17を被嵌し、この各支点軸用軸受体17を包持する砥石ロール用クランプ部18を前記移送装置部2に設けると共に、この砥石ロール用クランプ部18は接近・離反自在な構成として、この砥石ロール用クランプ部18が接近することで前記支点軸用軸受体17を包持して前記砥石ロール13を前記研磨ロール4と対設状態に取り付け可能とすると共に、この包持状態から砥石ロール用クランプ部18が離反することで支点軸用軸受体17を包持解除して砥石ロール13を取り外し可能に構成したことを特徴とする請求項4記載のヘアライン加工装置に係るものである。
本発明は上述のように構成したから、加工用シート材の表面の全範囲を研磨可能なものや,一部範囲を研磨可能なものや,間隔を置いた複数の範囲を研磨可能なものなどの研磨範囲が異なる複数種類の研磨ロールを付け替えて使用することができるので、様々な装飾パターンのヘアライン加工を加工用シート材に施すことが可能となり、しかも、この研磨ロールの付け替え作業は、クランプ部が接近・離反動作するだけの非常に簡単な装置動作によって行われるので、装飾パターンの変更に伴う装置の段取り替え作業も極めて容易に且つ迅速に行うことができ、その上、研磨ロールが付け替え自在な構成でありながら、クランプ部が回転軸に対して回転の支障となったり回転駆動源との伝達係合の支障とならず、確実に研磨ロールが回動駆動して加工用シート材の表面にヘアライン加工を施すことができる装置構成を実現可能となるなど、極めて実用性に秀れた画期的なヘアライン加工装置となる。
また、請求項2記載の発明においては、研磨ロールの付け替え作業が、クランプ部が起伏動作するだけの非常に簡単な装置動作によって行われるので、装置の段取り替え作業が容易に行われる一層実用性に秀れた構成のヘアライン加工装置となる。
また、請求項3記載の発明においては、様々なパターンのヘアライン加工を形成可能な研磨ロールを簡易構成によって容易に設計実現可能となる一層実用性に秀れた構成のヘアライン加工装置となる。
また、請求項4記載の発明においては、研磨ロールが常に良好なヘアライン加工を施すことができる状態に保たれるので、長期間装置の駆動を停止することなく加工用シート材に対してヘアライン加工を施し続けることができて極めて秀れた量産性を発揮することになる。
また、請求項5記載の発明においては、例えば、砥石ロールが不要な場合には砥石ロールを取り外しできるし、砥石ロールが劣化した場合には新しいものと交換可能であり、しかも、この砥石ロールの取り外しや交換作業は、砥石ロール用クランプ部が接近・離反動作するだけの非常に簡単な装置動作によって行われるので、この砥石ロールも含めた装置の段取り替え作業を極めて容易に且つ迅速に行うことができ、その上、砥石ロールが付け替え自在な構成でありながら、砥石ロール用クランプ部が支点軸に対して回転の支障となったり砥石ロール用回転駆動源との伝達係合の支障とならず、確実に砥石ロールが回動駆動して研磨ロールを研磨することができる装置構成を実現可能となるなど、一層実用性に秀れた構成のヘアライン加工装置となる。
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
移送装置部2で連続的に移送される帯状の加工用シート材1は、対設状態に設けられる張設ロール3と研磨ロール4の間を挟まれながら移送する。するとこの際、加工用シート材1の表面を研磨ロール4が回転研磨して加工用シート材1の表面にヘアライン加工5が施される。
また、本発明では、前記加工用シート材1の表面の全範囲を研磨可能なものや,一部範囲を研磨可能なものや,間隔を置いた複数の範囲を研磨可能なものなどの研磨範囲が異なる複数種類の研磨ロール4を備えていて、この複数の研磨ロール4を移送装置部2に必要に応じて付け替えて使用することができる。
即ち、本発明の研磨ロール4は、その両端の回転軸6に被嵌した軸受体9を、移送装置部2に設けたクランプ部10が接近して包持することによって移送装置部2に取り付けられていて、このクランプ部10による取り付け(包持)状態からクランプ部10を離反させると、軸受体9が包持解除されて研磨ロール4を取り外し可能となる。
従って、クランプ部10が離反するだけの装置動作(一動作)によって研磨ロール4を取り外し可能であるし、取り付けもクランプ部10に軸受体9をセットした後このクランプ部10が接近するだけの装置動作(一動作)によって行われるので、この研磨ロール4の着脱動作が迅速に行われて付け替え作業が容易に行われると共に、この着脱構造は簡易構造であるから容易に設計実現可能である。
よって、本発明のヘアライン加工装置一台で、様々な装飾パターンのヘアライン加工5を加工用シート材1に施すことが可能であると共に、この装飾パターンの変更に伴うヘアライン加工装置の段取り替え作業(複数種類の研磨ロール4を選択して付け替えする作業など)も、簡単な装置動作を伴うことで容易に且つ迅速に行われることとなる。
また、研磨ロール4の回転軸6をクランプ部10が包持するのではなく、この回転軸6に被嵌した軸受体9をクランプ部10で包持する本発明によれば、軸受体9に対して回転する回転軸6(研磨ロール4)に対してクランプ部10が回転支障とならない上、この回転軸6の少なくとも一方に設けた伝達係合部8を回転駆動源7と係合させることにもクランプ部10が支障とはならず、研磨ロール4が付け替え自在な構成でありながら、確実に回動駆動して加工用シート材1の表面にヘアライン加工5を施す構成を実現できる。
また、例えば、前記クランプ部10は、起伏回動することで接近・離反自在な構成とし、このクランプ部10が伏動回動して接近することで前記軸受体9を包持して前記研磨ロール4を前記張設ロール3と対設状態に取り付け可能とすると共に、この包持状態からクランプ部10が起動回動して離反することで軸受体9を包持解除して研磨ロール4を取り外し可能に構成すれば、研磨ロール4の付け替え作業に要する装置動作が、クランプ部10が起動する動作と、伏動する動作だけの極めて簡単な動作によって行われるので、装置の段取り替え作業が容易に且つ迅速に行われると共に、この研磨ロール4の着脱構造は簡易構造であり、容易に設計実現可能であるなど、一層実用的となる。
また、例えば、前記研磨ロール4は、回転軸6と、この回転軸6に組み付け可能な複数の研磨ロール体11と、この研磨ロール体11と共に前記回転軸6に組み付け可能な複数のスペーサー12とから成る構成とすれば、前記回転軸6に対する前記研磨ロール体11と前記スペーサー12の組み付け方を変更する、若しくは前記研磨ロール体11の幅の異なるものを組み付けすることにより、様々なパターンのヘアライン加工5を形成可能な研磨ロール4をユーザー自身が簡単に組むことが可能になると共に、この研磨ロール4の構成は簡易構成であるから容易に設計実現可能であるなど、一層実用的となる。
また、例えば、前記移送装置部2に、前記研磨ロール4と対設状態にしてこの研磨ロール4と共に回転しながら研磨ロール4を研磨する砥石ロール13を設ければ、この砥石ロール13により常に研磨ロール4が研磨されて良好なヘアライン加工5を施せる状態に保たれるので、研磨ロール4の交換時期を通常より著しく延期させることができると共に、長期間装置の駆動を停止することなく加工用シート材1に対してヘアライン加工5を施し続けることができるので量産性向上にも繋がり、一層実用的となる。
また、例えば、前記砥石ロール13は、両端に支点軸14を備えた構成とすると共に、この両端の支点軸14の少なくとも一方の端部に砥石ロール用回転駆動源15と係合して駆動力が伝達される支点軸用伝達係合部16を設け、この両端の支点軸14の双方に支点軸用軸受体17を被嵌し、この各支点軸用軸受体17を包持する砥石ロール用クランプ部18を前記移送装置部2に設けると共に、この砥石ロール用クランプ部18は接近・離反自在な構成として、この砥石ロール用クランプ部18が接近することで前記支点軸用軸受体17を包持して前記砥石ロール13を前記研磨ロール4と対設状態に取り付け可能とすると共に、この包持状態から砥石ロール用クランプ部18が離反することで支点軸用軸受体17を包持解除して砥石ロール13を取り外し可能に構成すれば、例えば、砥石ロール13の交換や取り外しが必要な場合に、砥石ロール用クランプ部18が離反するだけの一動作で砥石ロール13を取り外しできるし、取り付けも砥石ロール用クランプ部18に支点軸用軸受体17をセットした後この砥石ロール用クランプ部18が接近するだけの一動作で行われるので、この砥石ロール13の取り外しや交換作業が簡単な装置動作によって行われて、この砥石ロール13も含めた装置の段取り替え作業も極めて容易に行われることとなり、しかも、砥石ロール13の支点軸14を砥石ロール用クランプ部18が包持するのではなく、この支点軸14に被嵌した支点軸用軸受体17を砥石ロール用クランプ部18で包持するので、支点軸用軸受体17に対して回転する支点軸14(砥石ロール13)に対して砥石ロール用クランプ部18が回転支障とならない上、この支点軸14の少なくとも一方に設けた支点軸用伝達係合部16を砥石ロール用回転駆動源15と係合させることにも砥石ロール用クランプ部18が支障とはならず、よって砥石ロール13が付け替え自在な構成でありながら、確実に回動駆動して研磨ロール4を研磨する構成を実現できるなど、一層実用的となる。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例の移送装置部2は、図1に示すように、基台19に帯状の加工用シート1を巻き出して供給するシート供給ロール20と、このシート供給ロール20から巻き出し供給された加工用シート材1を巻き取りするシート巻取ロール21とを並設状態に設け、このシート供給ロール20から巻き出し供給された加工用シート材1が多数の移送ロール22を介して所定の移送軌道を描いて前記シート巻取ロール21に巻き取られるように構成している。図中符号23は移送装置部2での加工用シート材1の張設度を調整するためのテンションロール、24はテンションロール23による加工用シート材1の張設度を制御するための制御コントローラ、28は加工用シート材1の切断が生じた際やシート供給ロール20の入れ替えの際などに加工用シート材1の繋ぎ合せ作業を行うための作業台である。
本実施例では、この移送装置部2の前記加工用シート材1の移送途中位置に、ヘアライン加工部Aを設けている。
このヘアライン加工部Aは、加工用シート材1を張設しつつ回転して移送する張設ロール3と、この張設ロール3と対設状態に当接する研磨ロール4とから成り、この張設ロール3と研磨ロール4の間に加工用シート材1が挟まれながら移送するように構成すると共に、研磨ロール4が加工用シート材1の表面を回転研磨してこの加工用シート材1の表面にヘアライン加工5を施すように構成している。
具体的には、前記多数の移送ロール22の配置設定により、前記移送装置部2で張設される帯状の前記加工用シート材1の中間部分が略水平方向に張設されるように構成し、この加工用シート材1の水平張設部分1Aが張設される位置に前記ヘアライン加工部Aを設けている。
更に具体的には、加工用シート材1の水平張設部分1Aの下方に前記張設ロール3を設けると共に、この水平張設部分1Bの上方に前記研磨ロール4を設けて、張設ロール3と研磨ロール4とを上下対設状態に構成している。
また、本実施例の張設ロール3は、移送装置部2に適宜な駆動源(図示省略)により加工用シート1を移送する方向に回転駆動する構成としている。
また、本実施例の研磨ロール4は、両端に回転軸6を備えた構成とすると共に、この両端の回転軸6の双方に軸受体9を被嵌した構成としている。
また、この研磨ロール4の移送装置部2への取付構造は、前記各軸受体9を着脱自在に包持するクランプ部10を移送装置部2に設けると共に、このクランプ部10は接近・離反自在な構成として、このクランプ部10が接近することで前記軸受体9を包持して前記研磨ロール4を前記張設ロール3と対設状態に取り付け可能とすると共に、この包持状態からクランプ部10が離反することで軸受体9を包持解除して研磨ロール4を取り外し可能に構成している。
具体的には、図2,図3に示すように、前記張設ロール3の上方に平面視コ字形の取付用フレーム27を、その中間フレーム部分が前記加工用シート材1の移送方向側に位置するように配設して移送装置部2に固定し、この取付用フレーム27の両側フレーム部分の夫々の先端部に前記クランプ部10を設けている。そして、この両先端部のクランプ部10が、夫々前記研磨ロール4の両端の回転軸6に被嵌した軸受体9を包持することで、研磨ロール4を取付用フレーム27の両端部間に架設状態にして且つ前記張設ロール3と略平行な対設状態にして取り付けし得るように構成している。即ち、研磨ロール4両端の軸受体9をクランプ部10が包持して研磨ロール4を安定的に保持し、この安定保持された軸受体9を介して研磨ロール4が安定的に軸支回転可能となる構成としている。
更に具体的には、本実施例の軸受体9は、回転軸6の全周を被嵌する環状のボールベアリング9を採用している。
また、本実施例のクランプ部10は、略U字状をなす下顎体25と上顎体26とを上下対設状態に設けて構成すると共に、固定状態に設けられる下顎体25に対し上顎体26は起伏回動自在に枢着した構成としている。
このクランプ部10について更に説明すると、前記取付用フレーム27の両側フレーム部分の夫々の先端部を側面視で略U字状をなす形状に形成してこの各U形部を前記下顎部25とし、この下顎部25よりやや前記中間フレーム部分寄りとなる両側フレーム部分の中程に略逆U字状の上顎体26の基端部を枢着することで、この上顎体26を下顎体25に対し起伏回動自在に設けている。そして、この下顎体25と上顎体26とで軸受体9の外周面を挟み込むように包持して移送装置部2(取付用フレーム27)に研磨ロール4を取り付けし得るように構成している。
また、本実施例では、このクランプ部10の上顎体26を起伏回動制御する制御機構29を備えている。
この制御機構29は、前記上顎体26に連結してこの上顎体26を起伏回動させる流体圧シリンダ装置部30(本実施例ではエアシリンダ装置部30を採用している。以下、エアシリンダ装置部30と称す。)と、このエアシリンダ装置部30を作動制御する制御部(図示省略)と、この制御部が組み込まれた操作パネル31とから成る構成としている。
更に具体的には、前記取付用フレーム27の両側フレーム部分の基端部に夫々エアシリンダ装置部30をそのピストン32が前記上顎体26側を向くようにして設けると共に、この各ピストン32をリンク33を介して各上顎体26と連結している。そして、このエアシリンダ装置部30のピストン32が伸びると上顎体26が伏動回動して下顎体25に接近動作し、この際上顎体26と下顎体25とで前記軸受体9を包持でき、逆にピストン32が縮むと上顎体26が起動回動して下顎体25から離反動作し、この際クランプ部10から軸受体9を着脱可能となる構成としている(図4参照。)。
また、前記操作パネル31には、このエアシリンダ装置部30のピストン32を前記制御部によって伸縮動作させるタッチパネル方式の切替スイッチ部(図示省略)を表示し、この切替スイッチ部を指でタッチするだけの簡易操作によって、クランプ部10(の上顎部26)がエアシリンダ装置部30により自動的に接近・離反動作する構成としている。
また、本実施例の研磨ロール4は、回転駆動源7により回転動力が伝達されて回転する構成としている。
具体的には、研磨ロール4の両端に存する丸棒状の回転軸6の一方(図2,図3において奥側)に、回転駆動源7と係合して駆動力が伝達される伝達係合部8を設けている。
更に具体的には、研磨ロール4の一方側の回転軸6の端部が、この一方の回転軸6に前記軸受体9を被嵌した状態でこの軸受体9よりも外方へ突出する長さを有するように設定構成すると共に、この軸受体9より外方へ突出している一方の端部を半割形状としてこの半割形状部分を前記伝達係合部8としている。
また、前記取付用フレーム27の両側フレーム部分の一方側(図2,図3において奥側)の側方に、この取付用フレーム27に前記クランプ部10を介して研磨ロール4を取り付けした際に、この研磨ロール4の側方で回転軸6と同軸上に配置する丸棒状の伝達軸34を設け、この伝達軸34は、回転駆動源7として採用した電動モータ7によって回転駆動する構成としている。
そして、この伝達軸34の、前記回転軸6の伝達係合部8と臨設する側の端部を半割形状の係合端部35に形成して、半割形状の係合端部35と伝達係合部8とを係合することで、回転駆動源7によって回転駆動する伝達軸34の回転が回転軸6に伝達し、研磨ロール4が回転駆動する構成としている(図5参照。)。図中符号36は伝達軸34の軸受である。
また、本実施例では、前記研磨ロール4は、前記加工用シート材1の表面の全範囲を研磨可能なものや,一部範囲を研磨可能なものや,間隔を置いた複数の範囲を研磨可能なものなどの研磨範囲が異なる複数種類を備えている。
具体的には、前記研磨ロール4は、一本の丸棒状(円筒状)の回転軸6と、この回転軸6に組み付け可能な複数の研磨ロール体11と、この研磨ロール体11と共に前記回転軸6に組み付け可能な複数のスペーサー12とから成り、前記回転軸6に対する前記研磨ロール体11と前記スペーサー12の組み付け方を変更する、若しくは前記研磨ロール体11の幅の異なるものを組み付けすることにより、前記加工用シート材1の表面の全範囲を研磨可能なものや,一部範囲を研磨可能なものや,間隔を置いた複数の範囲を研磨可能なものなどの研磨範囲が異なる研磨ロール4を形成し得るように構成している。
更に具体的には、研磨ロール体11は、回転軸6に被嵌状態に組み付け可能な円筒状体とすると共に、外周面が粗面に形成されて加工用シート材1の表面を研磨してヘアライン加工5を施すことができるように構成している。
また、この研磨ロール体11は、回転軸6の軸長さ方向に沿った幅が異なる複数種類を備えた構成とし、この複数種類の研磨ロール体11を必要(所望の研磨パターン)に応じて選択して回転軸6に組み付けできるようにしている。
また、スペーサー12は、回転軸6に被嵌状態に組み付け可能な円筒状体とすると共に、外径寸法を前記研磨ロール体11の外径寸法よりも径小に設定して、このスペーサー12の外周面は、前記加工用シート材1の表面に触れることなく、無加工部分が得られるように構成している。
尚、図6,図7は、研磨ロール4の組み付け例を示している。具体的には、図6(図2,図3)は、スペーサー12を使用せず、加工用シート材1の幅と同等かそれより幅広な研磨ロール体11を回転軸6に組み付けて構成した研磨ロール4を示しており、この研磨ロール4によれば、加工用シート材1の表面の全範囲を研磨可能(加工用シート材1の表面の全範囲にヘアライン加工5を施すことが可能)である(図7参照。)。また、図8は、細幅の研磨ロール体11とスペーサー12とを交互に回転軸6に組み付けて構成した研磨ロール4を示しており、この研磨ロール4によれば、加工用シート材1の表面の間隔を置いた複数の範囲を研磨可能となる(図9参照。)。この図示した二例以外にも、研磨ロール体11とスペーサー12の様々な組み合せが可能であり、様々な研磨パターンのヘアライン加工5を施せる研磨ロール4を構成可能である。
また、本実施例では、回転軸6は一本とし、この回転軸6の両端部が露出するようにして前記研磨ロール体11を組み付けるか若しくは研磨ロール体11とスペーサー12とを組み付けることにより、両端部に回転軸6を備えた研磨ロール4を構成することとしている。
また、本実施例では、前記移送装置部2のヘアライン加工部Aに、前記研磨ロール4と対設状態に当接してこの研磨ロール4と共に回転しながら研磨ロール4を研磨する砥石ロール13を、その回転軸(支点軸14)が研磨ロール4の回転軸6と略平行状態となるようにして設けている。
従って、この砥石ロール13により常に研磨ロール4が良好なヘアライン加工5を施すことができる状態に保たれるように構成している。
また、図示した前記砥石ロール13は、図6で示した研磨ロール4と略同形状のものとして研磨ロール4の略全範囲に対して研磨可能に構成している。
また、この砥石ロール13は、両端から支点軸14が貫通突設する構成とすると共に、この両端の支点軸14の双方に支点軸用軸受体17を被嵌し、この各支点軸用軸受体17を包持する砥石ロール用クランプ部18を前記移送装置部2に設けると共に、この砥石ロール用クランプ部18は接近・離反自在な構成として、この砥石ロール用クランプ部18が接近することで前記支点軸用軸受体17を包持して前記砥石ロール13を前記研磨ロール4と対設状態に取り付け可能とすると共に、この包持状態から砥石ロール用クランプ部18が離反することで支点軸用軸受体17を包持解除して砥石ロール13を取り外し可能に構成している。
また、前記砥石ロール用クランプ部18は、起伏回動することで接近・離反自在な構成とし、この砥石ロール用クランプ部18が伏動回動して接近することで前記支点軸用軸受体17を包持して前記砥石ロール13を前記研磨ロール4と対設状態に取り付け可能とすると共に、この包持状態から砥石ロール用クランプ部18が起動回動して離反することで支点軸用軸受体17を包持解除して砥石ロール13を取り外し可能に構成している。
具体的には、支点軸用軸受体17は、支点軸14の全周を被嵌する環状のボールベアリング9を採用している。
また、本実施例の砥石ロール用クランプ部18は、前記クランプ部10と同一の構成を採用すると共に、その駆動構造もクランプ部10と同一の構成を採用している(図面にはクランプ部10の各部と同符号を付してある。)。
更に具体的には、前記取付用フレーム27を上下二段構造とし、下側の取付用フレーム27は前記クランプ部10を具備し、上側の取付用フレーム27はクランプ部10と同様の構造を持つ前記砥石ロール用クランプ部18を設けている。
また、この砥石ロール用クランプ部18の切替スイッチ部(図示省略)を前記操作パネル31に表示し、この砥石ロール用クランプ部18も切替スイッチ部を指でタッチ操作して切替操作する構成としている。
また、本実施例の砥石ロール13は、両端部に存する丸棒状(円筒状)の支点軸14の一方(図2,図3において奥側)に、砥石ロール用回転駆動源15と係合して駆動力が伝達される支点軸用伝達係合部16を設けて、この砥石ロール用回転駆動源15により回転動力が伝達されて回転する構成としている。
具体的には、前記研磨ロール4と同様の回転伝達構造を砥石ロール13にも設けている。
即ち、砥石ロール13の一方側の支点軸14の端部が、この一方の支点軸14に前記支点軸用軸受体17を被嵌した状態でこの支点軸用軸受体17よりも外方へ突出する長さを有するように設定構成すると共に、この支点軸用軸受体17より外方へ突出している一方の端部を半割形状としてこの半割形状部分を前記支点軸用伝達係合部16としている。
また、上側の取付用フレーム27の両側フレーム部分の一方側(図2,図3において奥側)の側方に、この上側の取付用フレーム27に前記砥石ロール用クランプ部18を介して砥石ロール13を取り付けした際に、この砥石ロール13の側方で支点軸14と同軸上に配置する丸棒状の伝達軸34を設け、この伝達軸34は、砥石ロール用回転駆動源15として採用した電動モータ15によって回転駆動する構成としている。
そして、この伝達軸34の、前記支点軸14の支点軸用伝達係合部16と臨設する側の端部を半割形状の係合端部35に形成して、半割形状の係合端部35と支点軸用伝達係合部16とを係合することで、砥石ロール用回転駆動源15によって回転駆動する伝達軸34の回転が支点軸14に伝達し、砥石ロール13が回転駆動する構成としている(図5参照。)。
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
1 加工用シート材
2 移送装置部
3 張設ロール
4 研磨ロール
5 ヘアライン加工
6 回転軸
7 回転駆動源
8 伝達係合部
9 軸受体
10 クランプ部
11 研磨ロール体
12 スペーサー
13 砥石ロール
14 支点軸
15 砥石ロール用回転駆動源
16 支点軸用伝達係合部
17 支点軸用軸受体
18 砥石ロール用クランプ部
2 移送装置部
3 張設ロール
4 研磨ロール
5 ヘアライン加工
6 回転軸
7 回転駆動源
8 伝達係合部
9 軸受体
10 クランプ部
11 研磨ロール体
12 スペーサー
13 砥石ロール
14 支点軸
15 砥石ロール用回転駆動源
16 支点軸用伝達係合部
17 支点軸用軸受体
18 砥石ロール用クランプ部
Claims (5)
- 帯状の加工用シート材を連続的に移送する移送装置部に、加工用シート材を張設しつつ回転して移送する張設ロールを設け、この張設ロールと対設状態にして移送装置部に研磨ロールを設けて、この張設ロールと研磨ロールの間に加工用シート材が挟まれながら移送するように構成すると共に、研磨ロールが加工用シート材の表面を回転研磨してこの加工用シート材の表面にヘアライン加工を施すように構成したヘアライン加工装置において、前記研磨ロールは、両端に回転軸を備えた構成とすると共に、この両端の回転軸の少なくとも一方に回転駆動源と係合して駆動力が伝達される伝達係合部を設け、この両端の回転軸の双方に軸受体を被嵌し、この各軸受体を着脱自在に包持するクランプ部を前記移送装置部に設けると共に、このクランプ部は接近・離反自在な構成として、このクランプ部が接近することで前記軸受体を包持して前記研磨ロールを前記張設ロールと対設状態に取り付け可能とすると共に、この包持状態からクランプ部が離反することで軸受体を包持解除して研磨ロールを取り外し可能に構成し、この研磨ロールは、前記加工用シート材の表面の全範囲を研磨可能なものや,一部範囲を研磨可能なものや,間隔を置いた複数の範囲を研磨可能なものなどの研磨範囲が異なる複数種類を備えたことを特徴とするヘアライン加工装置。
- 前記クランプ部は、起伏回動することで接近・離反自在な構成とし、このクランプ部が伏動回動して接近することで前記軸受体を包持して前記研磨ロールを前記張設ロールと対設状態に取り付け可能とすると共に、この包持状態からクランプ部が起動回動して離反することで軸受体を包持解除して研磨ロールを取り外し可能に構成したことを特徴とする請求項1記載のヘアライン加工装置。
- 前記研磨ロールは、回転軸と、この回転軸に組み付け可能な複数の研磨ロール体と、この研磨ロール体と共に前記回転軸に組み付け可能な複数のスペーサーとから成り、前記回転軸に対する前記研磨ロール体と前記スペーサーの組み付け方を変更する、若しくは前記研磨ロール体の幅の異なるものを組み付けすることにより、前記加工用シート材の表面の全範囲を研磨可能なものや,一部範囲を研磨可能なものや,間隔を置いた複数の範囲を研磨可能なものなどの研磨範囲が異なる研磨ロールを形成し得るように構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のヘアライン加工装置。
- 前記移送装置部に、前記研磨ロールと対設状態にしてこの研磨ロールと共に回転しながら研磨ロールを研磨する砥石ロールを設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のヘアライン加工装置。
- 前記砥石ロールは、両端に支点軸を備えた構成とすると共に、この両端の支点軸の少なくとも一方の端部に砥石ロール用回転駆動源と係合して駆動力が伝達される支点軸用伝達係合部を設け、この両端の支点軸の双方に支点軸用軸受体を被嵌し、この各支点軸用軸受体を包持する砥石ロール用クランプ部を前記移送装置部に設けると共に、この砥石ロール用クランプ部は接近・離反自在な構成として、この砥石ロール用クランプ部が接近することで前記支点軸用軸受体を包持して前記砥石ロールを前記研磨ロールと対設状態に取り付け可能とすると共に、この包持状態から砥石ロール用クランプ部が離反することで支点軸用軸受体を包持解除して砥石ロールを取り外し可能に構成したことを特徴とする請求項4記載のヘアライン加工装置。
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JP2010253660A JP2010253660A (ja) | 2010-11-11 |
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