JP4984626B2

JP4984626B2 - 電気ケーブル

Info

Publication number: JP4984626B2
Application number: JP2006124672A
Authority: JP
Inventors: 陽二小林; 弘高江島; 幸雄鈴木; 研治中嶋; 良和早川; 道晃清水
Original assignee: Hitachi Cable Ltd
Current assignee: Hitachi Cable Ltd
Priority date: 2006-04-28
Filing date: 2006-04-28
Publication date: 2012-07-25
Anticipated expiration: 2026-04-28
Also published as: JP2007299558A

Description

本発明は、電源線や信号線などの複数の電線を備えた電気ケーブルに関し、特に屈曲性に優れた電気ケーブルに関する。

自動車の電動化に伴い、電源線と信号線を備えた電気ケーブルが、自動車の振動や屈曲を多く受ける場所に配策されるようになっている。

図４に従来技術の電気ケーブルの一例を示す。電気ケーブル４０は、電源線や信号線などの４本の電線４１と、４本の電線４１の外周のおさえ巻き４２と、その外周を覆うシース４３とからなる。４本の電線４１は撚り合わされて、束ねられている。シース４３は、ＥＰＤＭなどのゴム材、ポリウレタンなどの樹脂からなり、断面略円形に形成される。４本の電線４１とシース４３の間に金属編組線などによる電気シールド層が設けられる場合もある。

図５（ａ）（ｂ）に、電源線または信号線となる電線の断面図と外観図を示す。電線５０は、複数の導体５１（本例では７本）を撚り合わせた撚り線の周囲に絶縁層５２を設けたものである。各導体５１は、細い銅線からなる素線を多数本束ねて構成されている。絶縁層５２は、ポリエチレン、塩化ビニル、ＥＴＦＥなどの樹脂からなり、断面略円形に形成される。電源線や信号線の用途、必要とされる特性に応じて、素線の径、束ねられて導体を形成する素線の数、撚り線を形成する導体の数が設定される。

電気ケーブルの屈曲性（曲り易さ）を向上させるために、種々の構造が検討されている。（例えば、特許文献１、２）
特開２００５−１６６６１０特開２００５−２０３１１７

自動車の頻繁に屈曲運動が起こる場所に配策される電気ケーブルには、さらなる屈曲性の良さが要求されている。

そこで、本発明の目的は、屈曲性を向上させた電気ケーブルを提供することにある。

上記目的を達成するために、本発明の電気ケーブルは、導体と絶縁層とからなる複数の電線と、前記複数の電線の外周側を覆うシースと、を備えた電気ケーブルにおいて、さらに、当該電気ケーブルは、前記複数の電線と前記シースとの間に介在すると共に、前記複数の電線の外周を覆うおさえ巻きを備え、前記電線の前記絶縁層の表面に前記電線の長手方向に沿った溝が形成されており、前記電気ケーブルに屈曲が加わったとき、前記複数の電線が互いに接触しながら相対移動することを特徴とするものである。

電気ケーブルの屈曲性を向上させることができる。

以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。

（電気ケーブル）
図１に本発明の電気ケーブルの一実施形態を示す。電気ケーブル１０は、電源線や信号線などの４本の電線１１と、４本の電線１１の外周のおさえ巻き１２と、その外周を覆うシース１３とからなる。４本の電線１１は撚り合わされて、束ねられている。シース１３は、ＥＰＤＭなどのゴム材、ポリウレタンなどの樹脂からなり、断面略円形に形成される。４本の電線１１とシース１３の間に金属編組線などによる電気シールド層が設けられる場合もある。

（電線）
図２（ａ）（ｂ）に、電源線または信号線となる電線の断面図と外観図を示す。電線２０は、複数の導体２１（本例では７本）を撚り合わせた撚り線の周囲に絶縁層２２を設けたものである。各導体２１は、銅や銅合金の細い銅線からなる素線を多数本束ねて構成されている。絶縁層２２は、ポリエチレン、塩化ビニル、ＥＴＦＥなどの樹脂からなり、断面略円形に形成される。電源線や信号線の用途、必要とされる特性に応じて、素線の径、束ねられて導体を形成する素線の数、撚り線を形成する導体の数が設定される。

（溝）
本実施形態においては、電源線や信号線などの電線のすべてに、電線の長手方向に沿った溝２３が絶縁層の表面に形成されている。溝２３は電線２０の絶縁層２２の表面に等間隔で複数個所に形成されている。図２（ｂ）に示すように、溝２３は電線２０の長手方向に沿って直線状に形成されている。各溝２３は、断面略矩形状である。なお、溝は電線の長手方向に沿って、螺旋状に形成しても良い。溝は、図３（ａ）（ｂ）に示すように、断面Ｕ字状、断面波状としても良い。

（製造方法）
電線は、導体の撚り線を押し出しダイスの中に挿通しながら、押し出しダイスの外部からダイス内の撚り線の周囲に絶縁層材料を注入し、塗布、硬化させて形成される。撚り線を挿通する押し出しダイスの内周面に凹凸形状を設ける。これにより、絶縁層の表面に溝が形成される。形成する溝の形状に合わせて、ダイスの内周面の凹凸形状を設定すれば良い。螺旋状の溝を形成する場合は、撚り線に対してダイスを回転させながら絶縁層を形成すれば良い。

（作用）
電気ケーブルに屈曲が加わったとき、信号線や電源線などの電線は互いに接触しながら相対移動する。本実施形態では、電線の表面に溝を形成しているので、互いに接触したさいの摩擦力が低下する。したがって、屈曲時における電線の互いに接触しながらの相対移動が容易となり、電気ケーブルの屈曲性が向上する。

また、電線の表面に溝を形成しているので、電気ケーブル内に溝による隙間が生じる。この隙間により電気ケーブル内の通気性が良くなるという効果を有する。これにより、電気ケーブルの使用時の熱による膨張、収縮の悪影響を低減することができる。

（変形例）
本発明は、上記実施形態の電気ケーブルに限られず、電源線や信号線などの電線の形状、大きさや数、シース内における電線の配置などを、応用目的に対応して設計したものに適用できる。

上記実施形態では、電気ケーブルのシース内に電線すべてに溝を設けたものを用いているが、一部の電線に溝を設けたものを用いても良い。

（応用例）
本発明の電気ケーブルは、ロボットや自動車の可動機器に接続する電気ケーブルとして使用できる。自動車においては、電動ブレーキハーネスやインホイールモータ用ハーネスのような振動や屈曲が頻繁に加わる電気ケーブルに適用できる。

本発明の実施形態の電気ケーブルの断面図である。本発明の実施形態の電源線や信号線などの電線の図であり、（ａ）は断面図、（ｂ）は外観図である。本発明の変形例の溝の断面拡大図であり、（ａ）は断面Ｕ字状の溝、（ｂ）は断面波上の溝である。従来技術の電気ケーブルの断面図である。従来技術の電源線や信号線などの電線の図であり、（ａ）は断面図、（ｂ）は外観図である。

符号の説明

１０、４０電気ケーブル
１１、２０、４１、５０電源線や信号線などの電線
１２、４２おさえ巻き
１３、４３シース
２１、５１導体
２２、５２絶縁層
２３溝

Claims

導体と絶縁層とからなる複数の電線と、
前記複数の電線の外周側を覆うシースと、
を備えた電気ケーブルにおいて、
さらに、当該電気ケーブルは、前記複数の電線と前記シースとの間に介在すると共に、前記複数の電線の外周を覆うおさえ巻きを備え、
前記電線の前記絶縁層の表面に前記電線の長手方向に沿った溝が形成されており、
前記電気ケーブルに屈曲が加わったとき、前記複数の電線が互いに接触しながら相対移動することを特徴とする電気ケーブル。
前記溝が前記電線の前記絶縁層の表面の周方向に等間隔で複数形成されていることを特徴とする請求項１に記載の電気ケーブル。
前記溝は前記電線の長手方向に沿って直線状に形成されていることを特徴とする請求項１または２に記載の電気ケーブル。
前記溝は前記電線の長手方向に沿って螺旋状に設けられていることを特徴とする請求項１または２に記載の電気ケーブル。
前記溝は断面矩形状に形成されていることを特徴とする請求項１〜４いずれかに記載の電気ケーブル。
前記溝は断面略Ｕ字状に形成されていることを特徴とする請求項1〜４いずれかに記載の電気ケーブル。
前記溝は断面波状に形成されていることを特徴とする請求項１〜４いずれかに記載の電気ケーブル。
前記複数の電線のすべてに前記溝が形成されていることを特徴とする請求項１〜７いずれかに記載の電気ケーブル。
前記複数の電線の一部の電線に前記溝が形成されていることを特徴とする請求項１〜７いずれかに記載の電気ケーブル。