以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る制御装置が適用されるハイブリッド車両の制御ブロック図を説明する。
ハイブリッド車両は、駆動源としての、たとえばガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関(以下、単にエンジンという)120と、回転電機であるモータジェネレータ(MG)140を含む。なお、図1においては、説明の便宜上、モータジェネレータ140を、モータ140Aとジェネレータ140B(あるいはモータジェネレータ140B)と表現するが、ハイブリッド車両の走行状態に応じて、モータ140Aがジェネレータとして機能したり、ジェネレータ140Bがモータとして機能したりする。
エンジン120の吸気通路122には、吸入空気のほこりを捕捉するエアクリーナ122A、エアクリーナ122Aを通ってエンジン120に吸入される空気量を検知するエアフローメータ122B、エンジン120に吸入される空気量を調整するためのバルブである電子スロットルバルブ122Cが設けられている。電子スロットルバルブ122Cにはスロットルポジションセンサが設けられている。エンジンECU280には、エアフローメータ122Bにより検知された吸入空気量や、スロットルポジションセンサにより検知された電子スロットルバルブ122Cの開度等が入力される。
エンジン120には、複数の気筒および各気筒に燃料を噴射する燃料噴射装置130が設けられる。燃料噴射装置130は、エンジンECU280からの燃料噴射制御信号に基づいて各気筒に対して適切な時期に適切な量の燃料を噴射する。
また、エンジン120の排気通路124には、三元触媒コンバータ124Bと、三元触媒コンバータ124Bに導入される排気における空燃比(A/F)を検知する空燃比センサ124Aと、三元触媒コンバータ124Bの温度を検知する触媒温度センサ124Cと、消音器124Dとが設けられている。エンジンECU280には、空燃比センサ124Aにより検知された三元触媒コンバータ124Bに導入される排気の空燃比や、触媒温度センサ124Cにより検知された三元触媒コンバータ124Bの温度等が入力される。
なお、空燃比センサ124Aは、エンジン120で燃焼された混合気の空燃比に比例した出力電圧を発生する全域空燃比センサ(リニア空燃比センサ)である。本実施の形態において、空燃比センサ124Aは、検出素子を有し、エンジン120の排出ガスの検出素子への接触によりエンジン120の空燃比に対応した信号を出力する。なお、空燃比センサ124Aとしては、エンジン120で燃焼された混合気の空燃比が理論空燃比に対してリッチであるかリーンであるかをオン−オフ的に検出するO2センサを用いてもよい。
また、エンジンECU280には、エンジン120の冷却水の温度を検知する水温検知センサ360からエンジン冷却水温を示す信号が入力される。エンジン120の出力軸には、クランクポジションセンサ380が設けられており、エンジンECU280には、クランクポジションセンサ380から出力軸の回転数を示す信号が入力される。
ハイブリッド車両には、この他に、エンジン120やモータジェネレータ140で発生した動力を駆動輪160に伝達したり、駆動輪160の駆動をエンジン120やモータジェネレータ140に伝達する減速機180と、エンジン120の発生する動力を駆動輪160とジェネレータ140Bとの2経路に分配する動力分割機構(たとえば、遊星歯車機構)200と、モータジェネレータ140を駆動するための電力を充電する走行用バッテリ220と、走行用バッテリ220の直流とモータ140Aおよびジェネレータ140Bの交流とを変換しながら電流制御を行なうインバータ240と、走行用バッテリ220の充放電状態を管理制御するバッテリ制御ユニット(以下、バッテリECUという)260と、エンジン120の動作状態を制御するエンジンECU280と、ハイブリッド車両の状態に応じてモータジェネレータ140およびバッテリECU260、インバータ240等を制御するMG−ECU300と、バッテリECU260、エンジンECU280およびMG−ECU300等を相互に管理制御して、ハイブリッド車両が最も効率よく運行できるようにハイブリッドシステム全体を制御するHV−ECU320等を含む。なお、走行用バッテリではなくキャパシタ等の蓄電機構であってもよい。
本実施の形態においては、走行用バッテリ220とインバータ240との間にはコンバータ242が設けられている。これは、走行用バッテリ220の定格電圧が、モータ140Aやモータジェネレータ140Bの定格電圧よりも低いので、走行用バッテリ220からモータ140Aやモータジェネレータ140Bに電力を供給するときには、コンバータ242で電力を昇圧する。このコンバータ242には平滑コンデンサが内蔵されており、コンバータ242が昇圧動作を行なう際には、この平滑コンデンサに電荷が蓄えられる。
なお、図1においては、各ECUを別構成しているが、2個以上のECUを統合したECUとして構成してもよい(たとえば、図1に、点線で示すように、MG−ECU300とHV−ECU320とを統合したECUとすることがその一例である)。
運転席にはアクセルペダル(図示せず)が設けられており、アクセルポジションセンサ(図示せず)は、アクセルペダルの踏込み量を検知する。アクセルポジションセンサは、アクセルペダルの踏込み量を示す信号をHV−ECU320に出力する。HV−ECU320は、踏込み量に対応する要求駆動力に応じて、モータ140A、ジェネレータ140BおよびエンジンECU280を介してエンジン120の出力あるいは発電量を制御する。
さらに、車速センサ330は、車両の速度に関連した物理量を検出するセンサである。「車両の速度に関連した物理量」とは、たとえば、車輪軸の回転数であってもよいし、トランスミッションの出力軸の回転数であってもよい。車速センサ330は、検出した物理量をエンジンECU280に送信する。
動力分割機構200は、エンジン120の動力を、駆動輪160とモータジェネレータ140Bとの両方に振り分けるために、遊星歯車機構(プラネタリーギヤ)が使用される。モータジェネレータ140Bの回転数を制御することにより、動力分割機構200は無段変速機としても機能する。
図1に示すようなハイブリッドシステムを搭載するハイブリッド車両においては、発進時や低速走行時等であってエンジン120の効率が悪い場合には、モータジェネレータ140のモータ140Aのみによりハイブリッド車両の走行を行ない、通常走行時には、たとえば動力分割機構200によりエンジン120の動力を2経路に分け、一方で駆動輪160の直接駆動を行ない、他方でジェネレータ140Bを駆動して発電を行なう。この時、発生する電力でモータ140Aを駆動して駆動輪160の駆動補助を行なう。また、高速走行時には、さらに走行用バッテリ220からの電力をモータ140Aに供給してモータ140Aの出力を増大させて駆動輪160に対して駆動力の追加を行なう。
一方、減速時には、駆動輪160により従動するモータ140Aがジェネレータとして機能して回生発電を行ない、回収した電力を走行用バッテリ220に蓄える。なお、走行用バッテリ220の充電量が低下し、充電が特に必要な場合には、エンジン120の出力を増加してジェネレータ140Bによる発電量を増やして走行用バッテリ220に対する充電量を増加する。もちろん、低速走行時でも必要に応じてエンジン120の駆動力を増加する制御を行なう場合もある。たとえば、上述のように走行用バッテリ220の充電が必要な場合や、エアコン等の補機を駆動する場合や、エンジン120の冷却水の温度を所定温度まで上げる場合等である。
さらに、図1に示すようなハイブリッドシステムを搭載するハイブリッド車両においては、車両の運転状態や走行用バッテリ220の状態によっては、燃費を向上させるために、エンジン120を停止させる。そして、その後も車両の運転状態や走行用バッテリ220の状態を検知して、エンジン120を再始動させる。このように、このエンジン120は間欠運転され、従来の車両(エンジンしか搭載していない車両)においては、イグニッションスイッチがSTART位置にまで回されてエンジンが始動すると、イグニッションスイッチがON位置からACC位置またはOFF位置にされるまでエンジンが停止しない点で異なる。
HV−ECU320は、入力インターフェースと、出力インターフェースと、ROM(Read Only Memory)またはRAM(Random Access Memory)等の記憶装置と、CPU等の演算処理装置とから構成される。HV−ECU320には、車両に搭載される補機バッテリ(図示せず)等の電源が接続され、補機バッテリは、HV−ECU320に対して電力を供給する。
図2にHV−ECU320の内部回路の構成を示す。図2に示すように、HV−ECU320は、ハイブリッド制御用マイクロコンピュータ(以下の説明において、HV制御マイコンと記載する)322と、電源制御IC(Integrated Circuit)324と、HV制御マイコン監視用マイクロコンピュータ(以下の説明において、監視マイコンと記載する)326と、IGCTリレー328とから構成される。
補機バッテリからの電力は、電源制御IC324およびIGCTリレー328を経由してHV−ECU320に接続される電気機器に供給される。
電源制御IC324は、補機バッテリの+B電圧(DC12V)をHV−ECU320内の各回路用の内部電源電圧(たとえば、DC5V)に変換する電源レギュレータICである。電源制御IC324は、HV制御マイコン322および監視マイコン326に対して内部電源電圧を供給する。
HV制御マイコン322は、車両に搭載される機器を制御する。具体的には、HV制御マイコン322は、各センサや各ECUからの入力信号に基づいて、エンジン120、モータジェネレータ140の駆動を制御するプログラムや、走行用バッテリ220の接続・遮断を行なうSMR(System Main Relay)(図示せず)を制御するプログラム等を処理する。
HV制御マイコン322は、運転者のイグニッションオフ操作によりIGCTリレー328を遮断状態に切り換えたり(以下、IGCTリレー328をオフするという)、運転者のイグニッションオン操作によりIGCTリレー328を導通状態に切り換えたりする(以下、IGCTリレー328をオンするという)。
運転者によりイグニッションオン操作がされるとIGリレーがオンされてIG信号がHV−ECU320に入力される。HV制御マイコン322は、IG信号が入力されるとイグニッションオン操作がされたことを判定する。
また、運転者によりイグニッションオフ操作がされるとIGリレーがオフされてIG信号のHV−ECU320への入力が停止する。HV制御マイコン322は、IG信号の入力が停止するとイグニッションオフ操作がされたことを判定する。
IGCTリレー328がオンされると、IGCTリレー328の上流側の補機バッテリ等の電源からIGCTリレー328の下流側の電気機器に電力が供給される。IGCTリレー328の下流側に接続される電気機器は、MG−ECU300またはアクチュエータ等の車両に搭載される電気機器である。以下、補機バッテリからHV−ECU320(すなわち、IGCTリレー328)を経由して上述した電気機器に供給される電圧を+B電圧と記載する。
HV制御マイコン322は、IGCTリレー328の状態(遮断状態または導通状態であること)を示す情報(以下、IGCT操作通知ともいう)を監視マイコン326に送信する。
また、HV制御マイコン322は、運転者のイグニッションオフ操作が行なわれると、プログラムの初期ルーチンにジャンプした後に、IGCTリレー328をオフする。
監視マイコン326は、HV制御マイコン322への電力供給の指示または電力供給の停止の指示を電源制御IC324に送信する。電源制御IC324は、監視マイコン326からHV制御マイコン322への電力供給の指示を受信するとHV制御マイコン322に対して内部電源電圧を供給する。
また、電源制御IC324は、監視マイコン326からHV制御マイコン322への電力供給の停止指示を受信するとHV制御マイコン322に対して内部電源電圧の供給を停止する。電源制御IC324は、監視マイコン326に対しては内部電源電圧を継続的に供給する。
監視マイコン326は、IGCTリレー328の下流側の電気機器に供給される+B電圧を検出する。なお、監視マイコン326は、+B電圧を入力としてA/D(アナログ/デジタル)変換するなど周知の技術を用いて+B電圧を検出すればよく、その詳細な説明は行なわない。
以上のような構成において、本発明は、監視マイコン326が、IGCTリレー328の状態と+B電圧の状態とのうちの少なくともいずれか一方に基づいてHV制御マイコン322の停止を指示するか否かを判定する点に特徴を有する。
具体的には、監視マイコン326は、IGCTリレー328が遮断状態に切り換えられた後にHV制御マイコン322の停止を指示するか否かを判定する。本実施の形態においては、監視マイコン326は、IGCTリレー328が遮断状態に切り換えられた後の経過時間に基づいてHV制御マイコン322の停止を指示するか否かを判定する。
さらに、本実施の形態において、監視マイコン326は、IGCTリレー328が遮断状態であるときに、+B電圧が予め定められた値よりも小さくなるとHV制御マイコン322の動作の停止を指示することを判定する。
以下、図3を参照して、本実施の形態に係る車両の制御装置であるHV−ECU320の監視マイコン326において実行されるプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと記載する)100にて、監視マイコン326は、IGCTリレー328がオフであるか否かを判定する。具体的には、監視マイコン326は、HV制御マイコン322からIGCTリレー328が遮断状態であることを示す情報を受信すると、IGCTリレー328がオフであることを判定する。IGCTリレー328がオフであると(S100にてYES)、処理はS102に移される。もしそうでないと(S100にてNO)、処理はS114に移される。
S102にて、監視マイコン326は、検出された+B電圧が予め定められた値Aよりも小さいか否かを判定する。予め定められた値Aは、特に限定される値ではなく、実験等により適合されればよい。本実施の形態においては、予め定められた値Aは、たとえば、8Vであるとする。検出された+B電圧が予め定められた値Aよりも小さいと(S102にてYES)、処理はS104に移される。もしそうでないと(S102にてNO)、処理はS110に移される。
S104にて、監視マイコン326は、IGCTリレー328がオフされた時点から+B電圧が予め定められた値Aよりも小さくなるまでの経過時間を計測する。監視マイコンは、内部に時間計測回路として設けられる時間計測タイマによりカウントされたカウント値に基づいて経過時間を算出する。監視マイコン326は、メモリに記憶された経過時間を更新する。
S106にて、監視マイコン326は、学習時間を更新する。具体的には、監視マイコン326は、今回の学習時間=前回の学習時間+(更新された経過時間−前回の学習時間)/Nの式により今回の学習時間を算出して、メモリに記憶された学習時間を更新する。なお、Nは、予め定められた値であるが、特に限定される値ではなく、ECUあるいは車種毎に実験等により適合される。
今回の学習時間は、複数回計測された経過時間に基づいて算出されればよく、過去に計測された経過時間の平均値であってもよいし、平均値と更新された経過時間との差が大きい場合は、更新された経過時間を平均値の算出に用いないようにしてもよい。
S108にて、監視マイコン326は、HV制御マイコン322への電力供給の停止を電源制御IC324に指示する。S110にて、監視マイコン326は、計測された経過時間がメモリに記憶された学習時間の2倍の時間よりも長いか否かを判定する。なお、本実施の形態においては、学習時間の2倍に限定されるものではない。計測された時間がメモリに記憶された学習値の2倍の時間よりも長いと(S110にてYES)、処理はS108に移される。もしそうでないと(S110にてNO)、処理はS112に移される。
S112にて、監視マイコン326は、HV制御マイコン322への電力供給の実施を電源制御IC324に指示する。S114にて、監視マイコン326は、時間計測タイマのカウント値を初期値(たとえば、ゼロ)にリセットする。
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態に係る車両の制御装置であるHV−ECU320の動作について図4および図5を用いて説明する。
<+B電圧の低下によりHV制御マイコンが停止される場合>
たとえば、IGCTリレー328がオンである場合を想定する。HV制御マイコン322は、IGCTリレー328がオンであることを示す情報を監視マイコン326に送信する。そのため、IGCT操作通知もIGCTリレー328もオンとなる。IGCTリレー328がオンであるため、+B電圧は12Vとなる。
監視マイコン326は、HV制御マイコン322への電力供給の実施を電源制御IC324に指示している。そのため、HV制御マイコン322には、電源制御IC324から5Vの内部電源電圧が供給される。また、電源制御IC324は、監視マイコンにも5Vの内部電源電圧を供給する。そのため、監視マイコン326もHV制御マイコン322も動作状態となる。
以上のような状態において、時間T(0)になるまでは、IGCTリレー328がオンであるため(S100にてNO)、時間計測タイマのカウント値が初期値ゼロにリセットされる(S114)。
時間T(0)にて、運転者によりイグニッションオフ操作が行なわれるとHV制御マイコン322は、プログラムを初期ルーチンにジャンプさせ、IGCTリレー328をオフしつつ、IGCTリレー328がオフされたことを示す情報を監視マイコン326に送信する。そのため、IGCT操作通知もIGCTリレー328もオフとなる。
監視マイコン326は、HV制御マイコン322から受信するIGCT操作通知によりIGCTリレー328がオフであることを判定する(S100にてYES)。
IGCTリレー328がオフになると、+B電圧は12Vから時間の経過とともに低下する。+B電圧が予め定められた値Aよりも低下するまでは(S102にてNO)、時間計測タイマにより計測された経過時間が学習時間の2倍の時間よりも長いか否かが判定される(S110)。計測された経過時間は学習時間の2倍の時間以下であるため(S110にてNO)、HV制御マイコン322への電力供給の実施が指示される(S112)。
時間T(2)にて、+B電圧が予め定められた値Aよりも小さくなると(S102にてYES)、時間計測タイマにより計測された経過時間がメモリに記憶される(S104)。記憶された経過時間に基づいて学習時間が更新される(S106)。そして、HV制御マイコン322への電力供給の停止が指示される(S108)。そのため、HV制御マイコン322に供給される内部電源電圧が低下する。そして、時間T(3)にて、内部電源電圧がHV制御マイコン322の動作不可となる電圧まで低下すると、HV制御マイコン322の動作が停止する。
<学習時間に基づいてHV制御マイコンが停止される場合>
図5に示すように、時間T(0)にて、監視マイコン326がIGCTリレー328がオフされたことを判定した後において(S100にてYES)、+B電圧の低下が遅いと予め定められた値A以上の状態が継続する(S102にてNO)。時間計測タイマにより計測された経過時間がメモリに記憶された学習時間の2倍の時間より短いときは(S110にてNO)、HV制御マイコン322への電力供給の実施が指示される(S112)。
一方、時間T(4)にて、+B電圧が予め定められた値以上の状態が学習時間の2倍の時間よりも長く継続すると(S110にてYES)、HV制御マイコン322への電力供給の停止が指示される(S108)。
そのため、HV制御マイコン322に供給される内部電源電圧が低下する。そして、時間T(5)にて、内部電源電圧がHV制御マイコン322の動作不可となる電圧まで低下すると、HV制御マイコン322の動作が停止する。これにより、+B電圧が予め定められた値Aよりも低下する時点である時間T(6)よりも前にHV制御マイコン322の動作が停止される。
以上のようにして、本実施の形態に係る車両の制御装置によると、監視マイコンによりイグニッションオフ後にも一部の機能を継続して動作させることができるとともに、HV制御マイコンの起動または停止を指示することができる。
特に、+B電圧が低下するとHV制御マイコンの停止を指示したり、あるいは、IGCTリレーが遮断されてから経過する時間が長いとHV制御マイコンの停止を指示することにより、イグニッションオフ操作後にHV制御マイコンに動作可能な電力が供給される状態が継続することを抑制することができる。すなわち、イグニッションオフ操作後にHV制御マイコンに供給される電力を速やかに低下させることができるため、HV制御マイコンを速やかにシャットダウンすることができる。そのため、HV制御マイコンの終了処理後に再起動して通常制御に再度移行するなどの不安定な動作を抑制することができる。
したがって、イグニッションオフ後にも一部の機能が動作するように複数の回路を連係して動作させる車両の制御装置を提供することができる。
なお、IGCTリレーがオフされてから+B電圧が予め定められた値Aよりも低下するまでの経過時間を計測することにより、IGCTリレーがオフされた後から+B電圧が予め定められた値Aよりも小さくなるまでの時間を精度よく計測することができる。そのため、+B電圧が予め定められた値Aよりも小さくなる前に学習時間の2倍の時間が経過するとHV制御マイコンの停止を指示することにより、イグニッションオフ操作後にHV制御マイコンに動作可能な電力が供給される状態が継続することを抑制することができる。そのため、第1の制御手段を速やかにシャットダウンすることができる。
<第2の実施の形態>
以下、第2の実施の形態に係る車両の制御装置について説明する。本実施の形態に係る車両の制御装置が搭載される車両の構成は、上述の第1の実施の形態に係る車両の制御装置が搭載される車両の構成と比較して、監視マイコン326で実行されるプログラムの制御構造が異なる。それ以外の構成は、上述の第1の実施の形態に係る車両の制御装置が搭載される車両の構成と同じ構成である。それらについては同じ参照符号が付してある。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
本実施の形態においては、監視マイコン326がIGCTリレー328がオンである場合、+B電圧が予め定められた値Aよりも小さい予め定められたB以上であるとHV制御マイコン322の動作を継続し、IGCTリレー328の状態に関わらず+B電圧が予め定められた値Bよりも小さくなるとHV制御マイコン322の停止を指示する点に特徴を有する。
以下、図6を参照して、本実施の形態に係る車両の制御装置であるHV−ECU320の監視マイコン326において実行されるプログラムの制御構造について説明する。
S200にて、監視マイコン326は、IGCTリレー328がオフである否かを判定する。IGCTリレー328がオフであると(S200にてYES)、処理はS202に移される。もしそうでないと(S200にてNO)、処理はS206に移される。
S202にて、監視マイコン326は、検出された+B電圧が予め定められた値Aよりも小さいか否かを判定する。予め定められた値Aは、特に限定される値ではなく、実験等により適合されればよい。本実施の形態においては、予め定められた値Aは、たとえば、8Vであるとする。検出された+B電圧が予め定められた値Aよりも小さいと(S202にてYES)、処理はS204に移される。もしそうでないと(S202にてNO)、処理はS208に移される。
S204にて、監視マイコン326は、HV制御マイコン322への電力供給の停止を電源制御IC324に指示する。
S206にて、監視マイコン326は、検出された+B電圧が予め定められた値Bよりも小さいか否かを判定する。なお、本実施の形態においては、予め定められた値Bは、予め定められた値Aよりも小さい値であれば、特に限定されるものではないが、たとえば、4Vであるとする。検出された+B電圧が予め定められた値Bよりも小さいと(S206にてYES)、処理はS204に移される。もしそうでないと(S206にてNO)、処理はS208に移される。
S208にて、監視マイコン326は、HV制御マイコン322への電力供給の実施を電源制御IC324に指示する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態に係る車両の制御装置であるHV−ECU320の動作について図7および図8を用いて説明する。
なお、図7および図8における時間T(0)までのHV−ECU320の動作は、前述の第1の実施の形態において説明した図4または図5における時間T(0)までのHV−ECU320の動作と同様である。そのため、その詳細な説明は繰り返さない。
時間T(0)までは、IGCTリレー328がオンであって(S200にてNO)、検出された+B電圧が予め定められた値B以上であるため(S206にてNO)、HV制御マイコン322への電力供給の実施が指示される(S208)。
<+B電圧の低下によりHV制御マイコンが停止される場合>
時間T(0)にて、運転者によりイグニッションオフ操作が行なわれるとHV制御マイコン322は、プログラムを初期ルーチンにジャンプさせ、IGCTリレー328をオフしつつ、IGCTリレー328がオフされたことを示す情報を監視マイコン326に送信する。そのため、IGCT操作通知もIGCTリレー328もオフとなる。
監視マイコン326は、HV制御マイコン322から受信するIGCT操作通知によりIGCTリレー328がオフであることを判定する(S200にてYES)。
IGCTリレー328がオフになると、+B電圧は12Vから時間の経過とともに低下する。+B電圧が予め定められた値Aよりも低下するまでは(S202にてNO)、HV制御マイコン322への電力供給の実施が指示される(S208)。
時間T(2)にて、+B電圧が予め定められた値Aよりも小さくなると(S202にてYES)、HV制御マイコン322への電力供給の停止が指示される(S204)。そのため、HV制御マイコン322に供給される内部電源電圧が低下する。そして、時間T(3)にて、内部電源電圧がHV制御マイコン322の動作不可となる電圧まで低下すると、HV制御マイコン322の動作が停止する。
<+B電圧の瞬低下によりHV制御マイコンが停止される場合>
図8に示すように、IGCTリレー328がオンされた状態が継続すると(S200にてNO)、+B電圧が予め定められた値Bよりも大きい場合(S206にてNO)、HV制御マイコン322への電力供給の実施が継続して指示される(S208)。そのため、HV制御マイコン322は、動作状態を継続する。
時間T(7)にて、IGCTリレー328がオンのまま、+B電圧が低下を開始して、時間T(8)にて、+B電圧が予め定められた値Bよりも低下すると(S206にてYES)、HV制御マイコン322への電力供給の停止が指示される(S204)。そのため、HV制御マイコン322に供給される内部電源電圧が低下する。そして、時間T(9)にて、内部電源電圧がHV制御マイコン322の動作不可となる電圧まで低下すると、HV制御マイコン322の動作が停止する。
以上のようにして、本実施の形態に係る車両の制御装置によると、IGCTリレーが遮断された後に、+B電圧が予め定められた値Aよりも低下するとHV制御マイコンの停止することにより、運転者のイグニッションオフ操作後にHV制御マイコンに動作可能な電力が供給される状態が継続することを抑制することができる。すなわち、イグニッションオフ操作後にHV制御マイコンに供給される電力を速やかに低下させることができるため、HV制御マイコンを速やかにシャットダウンすることができる。そのため、HV制御マイコンの終了処理後に再起動して通常制御に再度移行するなどの不安定な動作を抑制することができる。
また、+B電圧が瞬低下した場合には、IGCTリレーの状態に関わらずHV制御マイコンの停止が指示される。そのため、HV制御マイコンの不安定な動作を抑制して速やかにシャットダウンすることができる。
したがって、イグニッションオフ後にも一部の機能が動作するように複数の回路を連係して動作させる車両の制御装置を提供することができる。
<第3の実施の形態>
以下、第3の実施の形態に係る車両の制御装置について説明する。本実施の形態に係る車両の制御装置が搭載される車両の構成は、上述の第1の実施の形態に係る車両の制御装置が搭載される車両の構成と比較して、HV制御マイコン322が動作開始後に監視マイコン326に対して電源停止要求を送信する点が異なる。それ以外の構成は、上述の第1の実施の形態に係る車両の制御装置が搭載される車両の構成と同じ構成である。それらについては同じ参照符号が付してある。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
図9に示すように、本実施の形態に係る車両の制御装置であるHV−ECU320のHV制御マイコン322は、監視マイコン326に対して、IGCT操作通知に加えて電源停止要求を送信する。
本実施の形態においては、監視マイコン326がHV制御マイコン322への停止指示後における再始動の状態に基づいてHV制御マイコン322が異常であるか否かを判定する点に特徴を有する。
具体的には、監視マイコン326は、HV制御マイコン322からの電源停止要求を受信すると、HV制御マイコン322への電力供給の停止を電源制御IC324に指示する。監視マイコン326は、電力供給の停止を指示してから予め定められた時間が経過するまでにHV制御マイコン322への電力供給が遮断されないとHV制御マイコン322が異常であることを判定する。
以下、図10を参照して、本実施の形態に係る車両の制御装置であるHV−ECU320の監視マイコン326において実行されるプログラムの制御構造について説明する。
S300にて、監視マイコン326は、IGがオンであるか否かを判定する。監視マイコン326は、イグニッションのオン操作とともにHV−ECU320に入力されるIG信号を受信するとIGがオンであることを判定する。IGがオンであると(S300にてYES)、処理はS302に移される。もしそうでないと(S300にてNO)、処理はS308に移される。
S302にて、監視マイコン326は、監視マイコン326のステータス(以下、ステータス(1)と記載する)が「初期」であるか否かを判定する。ステータス(1)が「初期」であると(S302にてYES)、処理はS304に移される。もしそうでないと(S302にてNO)、処理はS312に移される。
S304にて、監視マイコン326は、HV制御マイコン322への電力供給の実施を電源制御IC324に指示する。S306にて、監視マイコン326は、ステータス(1)を「電源オン」に変更する。
S308にて、監視マイコン326は、ステータス(1)を「初期」に変更する。S310にて、監視マイコン326は、HV制御マイコン322への電力供給の停止を電源制御IC324に指示する。
S312にて、監視マイコン326は、ステータス(1)が「電源オン」であるか否かを判定する。ステータス(1)が「電源オン」であると(S312にてYES)、処理はS314に移される。もしそうでないと(S312にてNO)、処理はS320に移される。
S314にて、HV制御マイコン322のステータス(以下、ステータス(2)と記載する)が「初期」であることを示すステータス情報を受信したか否かを判定する。HV制御マイコン322からステータス情報を受信すると(S314にてYES)、処理はS316に移される。もしそうでないと(S314にてNO)、この処理は終了する。なお、本実施の形態において、IGオン後最初に監視マイコン326に送信される、ステータス(2)が「初期」であることを示すステータス情報が「電源停止要求」に対応するものである。
S316にて、監視マイコン326は、HV制御マイコン322への電力供給の停止を電源制御IC324に指示する。S318にて、監視マイコン326は、ステータス(1)を「電源オフ」に変更する。
S320にて、監視マイコン326は、ステータス(1)が「電源オフ」であるか否かを判定する。ステータス(1)が「電源オフ」であると(S320にてYES)、処理はS322に移される。もしそうでないと(S320にてNO)、処理はS328に移される。
S322にて、監視マイコン326は、ステータス(1)が「電源オフ」に変更されてから予め定められた時間が経過したか否かを判定する。予め定められた時間が経過すると(S322にてYES)、処理はS324に移される。もしそうでないと(S322にてNO)、この処理は終了する。
S324にて、監視マイコン326は、HV制御マイコン322への電力供給を電源制御IC324に指示する。S326にて、監視マイコン326は、ステータス(1)を「再起動」に変更する。
S328にて、監視マイコン326は、ステータス(1)が「再起動」であるか否かを判定する。ステータス(1)が「再起動」であると(S328にてYES)、処理はS330に移される。もしそうでないと(S328にてNO)、この処理は終了する。
S330にて、監視マイコン326は、HV制御マイコン322からステータス(2)が「初期」であることを示すステータス情報を受信したか否かを判定する。HV制御マイコン322からステータス情報を受信すると(S330にてYES)、処理はS332に移される。もしそうでないと(S330にてNO)、処理はS334に移される。
S332にて、監視マイコン326は、ステータス(1)を「正常」に変更する。S334にて、監視マイコン326は、HV制御マイコン322からステータス(2)が「定常」であることを示すステータス情報を受信したか否かを判定する。HV制御マイコン322からステータス情報を受信すると(S334にてYES)、処理はS336に移される。もしそうでないと(S334にてNO)、この処理は終了する。
S336にて、監視マイコン326は、ステータス(1)を「異常」に変更する。S338にて、監視マイコン326は、ステータス(1)が「異常」であることを示すステータス情報をHV制御マイコン322に送信する。
以下、図11を参照して、本実施の形態に係る車両の制御装置であるHV−ECU320のHV制御マイコン322において内部電源電圧の供給により動作を開始する際に実行されるプログラムの制御構造について説明する。
S400にて、HV制御マイコン322は、内部電源電圧の供給を受けるとCPUを起動する。S402にて、HV制御マイコン322は、ステータス(2)を「初期」に変更する。HV制御マイコン322は、たとえば、ステータス(2)が「初期」であることを示すフラグをオンするようにしてもよい。
次に、図12を参照して、HV制御マイコン322においてCPUが起動して、ステータス(2)が「初期」に変更された後に実行されるプログラムの制御構造について説明する。
S500にて、HV制御マイコン322は、ステータス(2)が「初期」であるか否かを判定する。HV制御マイコン322は、たとえば、ステータス(2)が「初期」であることを示すフラグがオンであると、ステータス(2)が「初期」であることを判定するようにしてもよい。ステータス(2)が「初期」であると(S500にてYES)、処理はS502に移される。もしそうでないと(S500にてNO)、処理はS508に移される。
S502にて、HV制御マイコン322は、ステータス(2)が「初期」であることを示すステータス情報を監視マイコン326に対して送信済であるか否かを判定する。たとえば、HV制御マイコン322がステータス(2)が「初期」であることを示す情報が送信した後に送信済フラグをオンする場合において、HV制御マイコン322は、送信済フラグがオンであれば、ステータス情報を監視マイコン326に対して送信済であることを判定するようにしてもよい。
ステータス情報が監視マイコン326に対して送信済であると(S502にてYES)、処理はS504に移される。もしそうでないと(S502にてNO)、処理はS506に移される。
S504にて、HV制御マイコン322は、ステータス(2)を「定常」に変更する。HV制御マイコン322は、たとえば、ステータス(2)が「定常」であることを示すフラグをオンするようにしてもよい。S506にて、ステータス(2)が「初期」であることを示すステータス情報を監視マイコン326に送信する。
S508にて、HV制御マイコン322は、ステータス(2)が「定常」であるか否かを判定する。HV制御マイコン322は、たとえば、ステータ(2)が「定常」であることを示すフラグがオンであると、ステータス(2)が「定常」であることを判定するようにしてもよい。ステータス(2)が「定常」であると(S508にてYES)、処理はS510に移される。もしそうでないと(S508にてNO)、この処理は終了する。
S510にて、HV制御マイコン322は、ステータス(2)が「定常」であることを示す情報を監視マイコン326に送信する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態に係る車両の制御装置であるHV−ECU320の動作について図13および図14を用いて説明する。
<HV制御マイコンが正常である場合>
図13に示すように、たとえば、イグニッションがオフである場合を想定する。このとき、監視マイコン326は、電源制御IC324からの内部電源電圧の供給を受けて作動している。イグニッションがオフであるため(S300にてNO)、ステータス(1)は「初期」に変更され(S308)、HV制御マイコン322への電力供給の停止が指示される(S310)。
時間T(10)にて、運転者によりイグニッションのオン操作が行なわれると(S300にてYES)、時間T(11)にて、HV制御マイコン322への電力供給の実施が指示されて(S304)、ステータス(1)は「電源オン」に変更される(S306)。
時間T(12)にて、HV制御マイコン322に内部電源電圧が供給されることによりCPUが起動し(S400)、ステータス(2)が「初期」に変更される(S402)。ステータス(2)が「初期」に変更されると(S500にてYES)、ステータス(2)が「初期」であることを示すステータス情報が未送信の状態であるため(S502にてNO)、ステータス情報がHV制御マイコン322から監視マイコン326に送信される(S506)。そして、ステータス(2)は「定常」に変更される(S504)。ステータス(2)が「定常」に変更されると(S500にてNO,S508にてYES)、HV制御マイコン322から監視マイコン326に対して計算サイクル毎にステータス(2)が「定常」であることを示すステータス情報が送信される(S510)。
ステータス(1)が「電源オン」であるため(S312にてYES)、監視マイコン326において、HV制御マイコン322からステータス(2)が「初期」であることを示すステータス情報を受信すると(S314にてYES)、時間T(13)にて、HV制御マイコン322への電力供給の停止が指示されて(S316)、ステータス(1)が「電源オフ」に変更される(S318)。
そのため、時間T(14)にて、HV制御マイコン322に供給される内部電源電圧が低下を開始して、時間T(15)にて、内部電源電圧がHV制御マイコン322の動作不可となる電圧まで低下するとHV制御マイコン322の動作が停止する。
ステータス(1)が「電源オフ」であるため(S320にてYES)、時間T(16)にて、HV制御マイコン322への電力供給の停止が指示されてから予め定められた時間が経過すると(S322にてYES)、HV制御マイコン322への電力供給の実施が指示されて(S324)、ステータス(1)が「再起動」に変更される(S326)。
そのため、時間T(17)にて、HV制御マイコン322に供給される内部電源電圧が上昇する。そして、時間T(18)にて、内部電源電圧がHV制御マイコン322の動作可能となる電圧まで上昇すると、HV制御マイコン322が動作を開始する。
HV制御マイコン322に内部電源電圧が供給されることによりCPUが起動し(S400)、ステータス(2)が「初期」に変更される(S402)。ステータス(2)が「初期」に変更されると(S500にてYES)、ステータス(2)が「初期」であることを示すステータス情報が監視マイコン326に送信される(S506)。
ステータス(1)が「再起動」であるため(S328にてYES)、監視マイコン326において、HV制御マイコン322からステータス(2)が「初期」であることを示すステータス情報を受信すると(S330にてYES)、ステータス(1)を「正常」に変更する(S332)。すなわち、監視マイコン326は、HV制御マイコン322が正常であることを判定する。
<HV制御マイコンが異常である場合>
図14において、時間T(13)までのHV−ECU320の動作は、図13における時間T(13)までのHV−ECU320の動作と同様である。そのため、その詳細な説明は繰り返さない。
時間T(13)にて、HV制御マイコン322への電力供給の停止が指示されているにも関わらず(S316)、内部電源電圧が低下しない場合には、HV制御マイコン322は、動作を継続することとなる。そのため、時間T(13)以降においても、HV制御マイコン322のステータス(2)は、「定常」となる。
ステータス(1)が「電源オフ」であるときに(S320)、時間T(19)にて、HV制御マイコン322への電力供給の停止が指示されてから予め定められた時間が経過したときに(S322にてYES)、HV制御マイコン322への電力供給の実施が指示されて(S324)、ステータス(1)が「再起動」に変更される(S326)。
ステータス(1)が「再起動」になっても(S328にてYES)、HV制御マイコン322への電力供給が遮断されず、ステータス(2)が「定常」であるため(S330にてNO,334にてYES)、ステータス(1)は「異常」に変更される(S336)。そして、ステータス(1)が「異常」であることを示すステータス情報がHV制御マイコン322に送信される(S338)。そのため、時間T(20)にて、HV制御マイコン322の動作モードが通常モードからフェールセーフモードに変更される。
HV制御マイコン322の動作モードがフェールセーフモードになると、異常に対応する診断コードを記憶して、CPUがリセットされるまで待機する。
以上のようにして、本実施の形態に係る車両の制御装置によると、監視マイコンがHV制御マイコンに対して停止を指示した後にHV制御マイコンが動作を継続した場合に、停止を指示してから予め定められた時間が経過するまでHV制御マイコンへの電力供給が遮断されないことによりHV制御マイコンが異常であることを判定することができる。そのため、HV制御マイコンが停止不可能な異常状態であることを判定することができる。これにより、たとえば、HV制御マイコンの動作が継続することにより電力消費の増大を抑制することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
120 エンジン、122 吸気通路、122A エアクリーナ、122B エアフローメータ、122C 電子スロットルバルブ、124 排気通路、124A 空燃比センサ、124B 三元触媒コンバータ、124C 触媒温度センサ、124D 消音器、130 燃料噴射装置、140 モータジェネレータ、140A モータ、140B ジェネレータ、160 駆動輪、180 減速機、200 動力分割機構、220 走行用バッテリ、240 インバータ、242 コンバータ、260 バッテリECU、280 エンジンECU、300 MG−ECU、320 HV−ECU、322 HV制御マイコン、324 電源制御IC、326 監視マイコン、328 IGCTリレー、330 車速センサ、360 水温検知センサ、380 クランクポジションセンサ。