JP4981778B2 - ニーブラケットおよび自動車乗員の膝保護方法 - Google Patents
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Description
a.このニーブラケットは、単一のアルミニウム合金押出中空形材からなり、この押出形材の押出方向が車体幅方向となるように配置されている。
b.この単一のアルミニウム合金押出中空形材は、一対の面板とこれらの面板間をつなぐ複数本の板状リブとから少なくとも構成されている。
c.前記一対の面板の車体後方側の端部は、乗員の膝に対して向き合うニーパネルに固定されて荷重点とされる一方で、前記一対の面板の車体前方側の端部は車体へ固定されて支持点とされる。
d.前記面板は、各々その中央部に、下方に向けてV字形状あるいはU字形状の断面形状に屈曲する屈曲部を有する。
e.前記板状リブのうち、前記面板屈曲部における各屈曲点同士を結ぶ仮想連結線を挟んで相隣り合う板状リブ同士が、この仮想連結線に対して互いに平行に設けられている。
f.これら互いに平行な板状リブと前記面板中央部の屈曲部とで、前記ニーブラケットの荷重点と支持点との間の屈曲構造体を形成している。
g.前記ニーブラケットは、前記仮想連結線が、車体衝突時の前記ニーパネルへの乗員の膝の想定押し込み力方向に対して直角となるように車体前後方向に配置されている。
図1において、ニーブラケット1は、単一のアルミニウム合金押出中空形材からなり、一対の面板2、3とこれらの面板間をつなぐ、複数本の(4本の)補強用の板状リブ4、5、6、7とから少なくとも構成されている。このニーブラケット1の車体前後方向に亙る断面において、一対の面板2、3は、板厚方向を車体上下方向として、互いに車体上下方向に間隔をあけながら、上方の面板2と下方の面板3とが互いに略平行に、車体前後方向に延在する。
図1の態様では、このフランジ9、9によって、インパネ補強材20の外周部を挟持する形で、ニーブラケット1が車体に固定され、前記一対の面板2、3の車体前方側の端部の支持点とされる。接合自体はボルト、リベットなどの機械的な接合手段によって接合する。ここで、インパネ補強材20が鋼製の場合には異材接合となり、電食防止のための絶縁皮膜乃至塗膜を介在させることが必要となる。一方、インパネ補強材20がニーブラケット1と同じアルミニウム合金製で同種接合となる場合には不要である。なお、前記異材接合の場合、溶接のみによる接合は、接合強度の点で好ましくない。
前記した通り、図1のニーブラケット1(面板2、3)は、車室内前方に設けられたダッシュボックスなどの、他の車体部品や部材との干渉を防止するために、
車体前後方向に亙る全体形状として、V字形状あるいはU字形状に、屈曲ないし湾曲した形状を有している。ニーブラケット1が、このように、他の車体部品や部材との干渉防止のために、車体前後方向に亙って比較的大きく屈曲している場合には、前記した通り、図1に矢印と点線14(乗員の膝の軌跡)とで示す、図1では水平な押し込み力方向と、下方に屈曲しているニーブラケット1の圧壊方向とに大きなずれが生じる。このために、必然的に、ニーブラケット1に局所変形や不安定な変形が生じやすくなる。
そして、更に、本発明は、前記屈曲構造体での折れ変形が支配的になるように、これら屈曲構造体の構成の他に、前記ニーブラケットの配置の仕方あるいは取り付け方として、前記仮想連結線が、車体衝突時の前記ニーパネルへの乗員の膝の想定押し込み力方向に対して垂直となるように車体前後方向に配置するようにする。
図1の場合、矢印と点線14とで示す押し込み力方向は略水平であり、この押し込み力の方向に対する、図示しないニーパネルの乗員の膝の受圧面と端板8とが平行だとすると、受圧面の延在方向はほぼ直角(垂直)となっている。ここで、押し込み力方向は、車体設計上、略水平の場合のみには限らず、水平方向から傾いている場合も当然ある。しかし、押し込み力の方向がいずれの場合でも、押し込み力の方向に対して、前記受圧面の延在方向がほぼ直角となっている場合に、前記本発明構成によって前記押し込み力による変形が、前記面板2、3同士の各屈曲点11、12あるいは仮想連結線13に集中する効果、言い換えると前記屈曲構造体の下方への折れ変形が生じる効果が、最大限に発揮される。
図2は、図1のニーブラケット1が前記車体衝突時の乗員の膝の押し込み力によって変形した状態を示し、点線が元の図1の初期形状のニーブラケット1を、実線が変形後のニーブラケット1を各々示す。この図2は、後述する図9、11のニーブラケット1の変形解析結果を集約して記載したものでもある。
図1の場合、ニーブラケット1は、車体前後方向の全体形状として、V字形状あるいはU字形状に屈曲ないし湾曲した形状を有している。これは、前記したように、屈曲構造体のV字形状あるいはU字形状の断面形状と、屈曲構造体の車体前後方向の周囲部分を含めた面板2、3全体のV字形状あるいはU字形状の断面形状の、形状(角度、大きさなど)が一致しているからである。ただ、これらの形状は図1のように必ずしも互いに一致させる必要はなく、面板2、3全体のV字形状あるいはU字形状の断面形状と、屈曲構造体のV字形状あるいはU字形状の断面形状との、角度や大きさなどを変えても勿論良い。
図1では、屈曲構造体を構成する板状リブ5、6以外にも、仮想連結線13を挟んで、前記板状リブ4や7が車体前後側に各々設けられている。すなわち、この図1では、仮想連結線13を挟んで、板状リブ4、5の2本が車体前方側に、板状リブ6、7の2本が車体後方側に設けられている。
次に、ニーブラケットを自動車車室内へ取り付けた本発明の態様を説明する。図3はこの態様を示す斜視図である。図4は図3のニーブラケットの存在部分(図3の左側のニーブラケット)における車体前後方向に亙る断面図である。図3では、ニーブラケット1が、自動車車室内の前座席である運転者席(車室内の右側)側の前方、あるいは運転者席に座る乗員50の脚部51の前方、に配置されている態様を示している。なお、車体幅方向の反対側にある助手席側(車室内の左側)でも、ニーブラケット1の態様は基本的に同じである。
ニーブラケット1が直線的であった場合や多少湾曲させていた場合には、また、ニーブラケット1の車体前後方向の配置角度を変えて、水平ではなく、車体上下方向に角度を付けて傾斜させたとしても、ダッシュボックスなどの他の車体部品や部材との干渉は防止できない。言い換えると、ニーブラケット1は、直線的ではなく、他の車体部品や部材と干渉する箇所を迂回すべく、比較的大きく屈曲させ、変形させる必要がある。即ち、車体に配置されたダッシュボックスなどの他の車体部品との干渉防止が可能な屈曲度に、ニーブラケットを、干渉する箇所においてV字あるいはU字形状に屈曲させる必要がある。
以上説明した態様では、前記図1で説明した通り、ニーブラケット1の前記車体後方側の、端板8や面板2、3の車体後方側の各端部2c、3cで構成される受圧面の延在方向(車体の上下方向)が、図1に矢印と点線14(乗員の膝の軌跡)とで示す、想定される押し込み力方向に対してほぼ直角となっている。この結果、前記した通り、押し込み力方向と受圧面の延在方向との関係として、前記本発明構成によって前記押し込み力による変形が前記面板2、3同士の各屈曲点11、12あるいは仮想連結線13に集中する効果、前記屈曲構造体での折れ変形が支配的になる効果が最大限に発揮される。
図1、3あるいは図5、6、8などのニーブラケット1の車体前後方向に亙る断面(アルミニウム合金中空押出形材の押出断面)の設計は、車体の設計条件と、本発明の効果発揮(前記押し込み力が負荷された際に、面板2、3の中央部2a、3a:仮想連結線13に沿った部位で、最も圧壊しやすく、折れ変形が生じるようにする)のための設計条件とから定まる。ニーブラケット1の車体前後方向に亙る断面(アルミニウム合金中空押出形材の押出断面)の設計は、車体前後方向に亙るニーブラケット1(断面)の長さ、車体上下方向に亙るニーブラケット1(断面)の高さ、車体幅方向に亙るニーブラケット1の幅、面板や板状リブの板厚、長さ、配置位置などである。
Claims (6)
- 自動車車室内の前座席の前方に配置され、以下のa〜gの要件を有することを特徴とするニーブラケット。
a.このニーブラケットは、単一のアルミニウム合金押出中空形材からなり、この押出形材の押出方向が車体幅方向となるように配置されている。
b.この単一のアルミニウム合金押出中空形材は、一対の面板とこれらの面板間をつなぐ複数本の板状リブとから少なくとも構成されている。
c.前記一対の面板の車体後方側の端部は、乗員の膝に対して向き合うニーパネルに固定されて荷重点とされる一方で、前記一対の面板の車体前方側の端部は車体へ固定されて支持点とされる。
d.前記面板は、各々その中央部に、下方に向けてV字形状あるいはU字形状の断面形状に屈曲する屈曲部を有する。
e.前記板状リブのうち、前記面板屈曲部における各屈曲点同士を結ぶ仮想連結線を挟んで相隣り合う板状リブ同士が、この仮想連結線に対して互いに平行に設けられている。
f.これら互いに平行な板状リブと前記面板中央部の屈曲部とで、前記ニーブラケットの荷重点と支持点との間の屈曲構造体を形成している。
g.前記ニーブラケットは、前記仮想連結線が、車体衝突時の前記ニーパネルへの乗員の膝の想定押し込み力方向に対して直角となるように車体前後方向に配置されている。 - 前記仮想連結線を挟んで、前記板状リブが車体前後側に各々同数ずつ設けられるとともに、前記仮想連結線を中心にして、前記板状リブが車体前後方向に面対称に設けられている請求項1に記載のニーブラケット。
- 前記ニーパネルの受圧部分の延在方向が前記乗員の膝の想定押し込み力方向に対して直角であり、前記面板同士の厚みが略同じである請求項1または2に記載のニーブラケット。
- 前記ニーパネルの受圧部分の延在方向が前記乗員の膝の想定押し込み力方向に対して直角方向から傾斜しており、前記面板の内、下方の面板の厚みが上方の面板の厚みよりも薄い請求項1乃至3のいずれか1項に記載のニーブラケット。
- 前記ニーブラケットが車体前後方向に亙って屈曲している請求項1乃至4のいずれか1 項に記載のニーブラケット。
- 請求項1から5のいずれかのニーブラケットを用いて自動車乗員の膝を保護する方法であって、前記ニーパネルの受圧部分に乗員の膝が衝突した際に、前記ニーブラケットの荷重点と支持点との間に形成した屈曲構造体を下方に向けて変形させて、前記乗員の膝衝突の衝撃を緩和することを特徴とする自動車乗員の膝保護方法。
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