JP4981530B2 - 熱源システムの流量制御装置および熱源システムの流量制御方法 - Google Patents

熱源システムの流量制御装置および熱源システムの流量制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、地域冷暖房や、工場等の冷暖房等に用いられる熱源システムに用いて好適な熱源システムの流量制御装置および熱源システムの流量制御方法に関する。
複数台の熱源機で製造した冷温水を需要側へ送水する設備である熱源システムでは、運転される熱源機の台数を制御する台数制御と、需要側へ送水する冷温水の流量を変える変流量制御との組み合わせにより、冷温水の流量制御が行われる場合が多い。
しかし、需要側に配置された熱交換器の特性により、送り温度と戻り温度の温度差(△T)が、設備設計時に想定された温度差よりも小さくなる場合があった。この場合には、冷温水の流量を確保するために余分な熱源機を運転しなければならないという問題があった。
このような問題の対策として、冷温水を需要側へ送水するポンプだけを追加運転し、冷温水を冷却する熱源機は追加運転しない方法や、熱源機を流れる冷温水の流量を熱源機の定格流量より多く流す過流量制御が提案されている(例えば、特許文献1から5参照。)。
特開2004−245560号公報 特許第3851285号公報 特許第3884718号公報 特許第3666167号公報 特許第3062644号公報
上述のように、ポンプだけ追加運転し、かつ、熱源機は追加運転しない方法では、要求される温度(送り温度)の冷温水を需要側へ送水できないという問題があった。
この場合では、追加運転されたポンプにより送り出された冷温水は、運転されていない熱源機を通過して需要側へ送水される。つまり、冷温水は戻り温度のまま送り出され、運転されている熱源機により送り温度とされた冷温水と混合された後に需要側へ送水される。そのため、需要側に送水される冷温水は、送り温度とは異なる温度になり、送り温度に制御することが難しいという問題があった。
一方、上述の過流量制御では、上述のように送り温度と戻り温度との温度差(ΔT)が、設備設計時に想定された温度差よりも小さい場合にポンプや熱源機を効率的に制御できるが、上述の温度差が設備設計時に想定された温度差である場合には、過流量制御の対象とはならず固定流量での制御がなされていたため、後述する変流量制御と比較してポンプの消費動力が大きくなるという問題があった。
さらに、上述の温度差が一定の場合には、需要側の熱負荷に応じて冷温水の流量を制御する変流量制御も用いられている。
しかしながら、この変流量制御では、戻り温度が変化して上述の温度差の値が変化した場合には、需要側が要求する熱負荷を供給できないという問題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、需要側から要求される熱負荷および流量負荷が独立して変動する場合でも、要求される熱負荷および流量負荷を満たすとともに、熱源システムが消費する動力の増加を容易に防止することができる熱源システムの流量制御装置および熱源システムの流量制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の熱源システムの流量制御装置は、外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する複数の熱源機と、該複数の熱源機のそれぞれに対応して配置されるとともに該対応する熱源機とともに起動および停止され、冷却または加熱された前記熱媒を前記外部負荷に送出する複数のポンプと、熱源システムにかかる実負荷を演算して求める負荷演算部と、少なくとも前記実負荷に基づいて、前記複数のポンプにより送り出される熱媒の流量を制御する流量制御部と、前記実負荷に基づいて前記熱源機および前記ポンプの運転台数を制御する台数制御部と、が設けられ、少なくとも一つの前記ポンプにおける単位時間当たりの最大送出流量は、最大熱負荷時における前記熱媒の送出流量よりも多い過流量であることを特徴とする。
本発明によれば、少なくとも実負荷に基づいて、ポンプにより送り出される熱媒の流量が制御されるため、例えば、温度差が小さくなった場合、要求される実負荷を満たすために上述の熱媒の流量を増やす制御が行われる。ここで、少なくとも一つのポンプにおいては、単位時間当たりの最大送出流量が過流量であるので、上述の熱媒の流量は、過流量まで制御される。そのため、外部負荷から要求される熱負荷、つまり熱源システムより具体的には熱源機にかかる実負荷に対して、熱源機の運転台数を過剰に増やす必要がなく、熱源システムの消費動力の増加を防止できる。
一方、実負荷に基づいて運転される熱源機およびポンプの台数が制御されるため、実負荷が増加した場合には運転される熱源機およびポンプの台数が増やされ、実負荷が減少した場合には運転される熱源機およびポンプの台数が減らされる。実負荷は、外部負荷から要求される熱負荷でもあるため、このように熱源機およびポンプの運転台数を制御することにより、熱源機の運転台数を過剰に増やすことなく上述の要求される熱負荷を満たすことができる。
熱源機は、当該熱源機に対応するポンプとともに起動および停止されるため、外部負荷から戻ってきた熱媒が、熱源機により加熱または冷却されることなく、再び外部負荷に送出されることがない。つまり、熱媒は必ず熱源機により加熱または冷却された後に、外部負荷へ送出されるため、ポンプと熱源機とを別々に起動および停止する場合と比較して、外部負荷に送出される熱媒の温度を容易に制御できる。
上記発明においては、前記外部負荷を流れる熱媒の流量を計測する流量計測部と、前記外部負荷に送出される前記熱媒の送り温度と、前記外部負荷から前記熱源機に戻る前記熱媒の戻り温度との間の温度差を計測する温度差計測部と、が設けられ、前記負荷演算部は、前記流量計測部および前記温度差計測部により得られた計測値から前記実負荷を演算して求め、前記流量制御部は、少なくとも前記実負荷および前記温度差に基づいて、前記複数のポンプにより送り出される熱媒の流量を制御することが望ましい。
本発明によれば、少なくとも実負荷および温度差に基づいて、ポンプにより送り出される熱媒の流量が制御されるため、実負荷のみに基づいて熱媒の流量を制御する場合と比較して、より効果的に熱源システムの消費動力の増加を防止できる。
上記発明においては、前記温度差計測部により計測された前記温度差に基づいて、前記複数のポンプにより送り出される熱媒の流量の設定値である流量設定値を求め、該流量設定値を前記流量制御部に出力する流量演算部が設けられ、前記流量制御部は、入力された前記流量設定値に基づいて、前記熱媒の流量を制御することが望ましい。
本発明によれば、流量演算部において求めた熱媒の流量設定値に基づいて、複数のポンプにより送り出される熱媒の流量が制御されるため、熱媒の流量を確実に制御することができる。
上記発明においては、前記流量演算部は、前記流量設定値の大きさを前記実負荷に比例させることが望ましい。
本発明によれば、熱源機の運転台数を増減させる必要がない実負荷の変動に対しては、熱媒の流量を実負荷に比例して増減させることができ、実負荷、つまり外部負荷から要求される熱負荷を満たすことができる。
そのため、実負荷の変動に対して熱源機の運転台数を過剰に増減させる必要がなく、熱源システムの消費動力の増加を防止できる。
上記発明においては、前記流量演算部は、運用時の前記熱媒の温度差である運用温度差が、設計時の前記熱媒の温度差である設定温度差よりも小さい場合に、前記流量設定値の上限値を前記過流量に対応する値まで広げることが望ましい。
本発明によれば、運用温度差が設計温度差よりも小さい場合には、外部負荷により要求される実負荷が同じであっても、その実負荷を満たすために必要な熱媒の流量が増大する。かかる場合に、流量設定値の上限値を上述の過流量に対応する値にまで広げることにより、増大した必要な熱媒の流量に対応することができる。
そのため、要求される実負荷に対して、熱源機の運転台数を過剰に増やす必要がなく、熱源システムの消費動力の増加を防止できる。
上記発明においては、運転されている前記熱源機および前記ポンプの組が複数の場合に、前記流量演算部は、複数組の前記運転されている熱源機およびポンプの間で、負荷率が略等しくなる前記流量設定値を求めることが望ましい。
本発明によれば、運転されている熱源機およびポンプの組同士の間で、負荷率が略等しくなるため、これらの異なる組の間でヘッド(揚程)が略等しくなる。そのため、各ポンプから送出された熱媒を、他のポンプから送出された熱媒に流れを阻害されることなく、外部負荷に送ることができる。
上記発明においては、前記台数制御部は、前記実負荷および前記温度差に基づいて求められた前記熱媒の流量が、運転されている前記熱源機の上限流量値の合計を超えた場合に、停止している前記熱源機およびポンプの組を新たに一組起動することが望ましい。
本発明によれば、例えば、上述の温度差が小さくなり、実負荷を満たすために必要な熱媒の流量が増加した場合であって、必要な熱媒の流量が、運転されている各熱源機の上限流量値の合計値を超えた場合には、熱源機およびポンプの組を新たに一組起動する。そのため、一組の熱源機およびポンプあたりの熱媒流量が低下し、熱源機内の熱媒の流速が低下する。すると、熱源機内の熱媒の流速を低下させない場合と比較して、熱媒が流れる伝熱管の減肉を防止することができる。
上記発明においては、前記流量制御部による前記熱媒の流量の制御タイミングの間隔は、前記台数制御部による前記熱源機の運転台数の制御タイミングの間隔よりも短いことが望ましい。
本発明によれば、熱源機の立ち上げと比較して短時間で変更可能な熱媒の流量の制御については、熱源機の台数制御の制御タイミングより短い間隔で制御が行われる。一方、熱媒の流量の制御と比較して時間のかかる熱源機の立ち上げが必要となる熱源機の運転台数の制御については、熱媒の流量の制御タイミングより長い間隔で制御が行われる。
そのため、短い時間で熱源機を立ち上げる必要がなくなることから、熱源機に過剰な負荷がかからなくなり、熱源機の故障等を防止することができる。さらに、短い間隔での制御が容易で、故障等のリスクが少ない熱媒の流量の制御を短い間隔で行うことで、実負荷の短期間の変動を満たすことができる。
上記発明においては、前記流量制御部による前記熱源機の運転台数の制御タイミングの間隔は、前記熱源機の起動特性に基づき設定されていることが望ましい。
本発明によれば、熱源機の起動特性に基づいて、熱源機の運転台数の制御タイミングの間隔を設定することにより、短い時間で熱源機を立ち上げる必要がなくなることから、熱源機に過剰な負荷がかからなくなり、熱源機の故障等を防止することができる。
例えば、熱源機がターボ冷凍機の場合には、吸収冷凍機の場合と比較して短い間隔で運転台数の制御が行われる。一方、熱源機が吸収冷凍機の場合には、ターボ冷凍機の場合と比較して長い間隔で運転台数の制御が行われる。
本発明の熱源システムの流量制御方法は、複数の熱源機から外部負荷へ送出される熱媒の流量を計測するとともに、前記外部負荷に送出される前記熱媒の送り温度と、前記外部負荷から前記熱源機に戻る前記熱媒の戻り温度との間の温度差を計測する計測ステップと、前記温度差と前記熱媒の流量とに基づいて実負荷を演算する実負荷演算ステップと、前記実負荷に応じた前記熱媒を供給するのに必要な前記熱源機の運転台数を演算する台数演算ステップと、前記実負荷に応じた前記熱媒を供給するのに必要な流量設定値を演算する設定流量演算ステップと、演算により求められた前記熱源機の運転台数が、運転されている前記熱源機の運転台数より多い場合には運転されている前記熱源器の運転台数を増やし、運転されている前記熱源機の運転台数より少ない場合には運転されている前記熱源器の運転台数を減らす運転台数制御ステップと、演算により求められた前記流量設定値に基づいて、前記複数の熱源機から前記外部負荷へ送出される前記熱媒の流量を制御する流量制御ステップと、を有することを特徴とする。
本発明によれば、演算により求められた流量設定値に基づいて、ポンプにより送り出される熱媒の流量が制御されるため、例えば、上述の温度差が小さくなった場合、要求される実負荷を満たすために温度差に基づいて上述の熱媒の流量を増やす制御が行われる。
一方、実負荷に基づいて運転される熱源機およびポンプの台数が制御されるため、実負荷が増加した場合には運転される熱源機およびポンプの台数が増やされ、実負荷が減少した場合には運転される熱源機およびポンプの台数が減らされる。
このように、熱媒の流量の制御と、熱源機およびポンプの運転台数の制御とを、複雑な切り替えロジックを用いずに単一のアルゴリズムで行うことができるため、要求される熱負荷および流量負荷を満たすとともに、熱源システムが消費する動力の増加を容易に防止できる。
本発明の熱源システムの流量制御装置によれば、演算により求められた流量設定値に基づいて、ポンプにより送り出される熱媒の流量を制御するとともに、実負荷に基づいて運転される熱源機およびポンプの台数を制御するため、需要側である外部負荷から要求される熱負荷および流量負荷が独立して変動する場合でも、要求される熱負荷および流量負荷を満たすとともに、熱源システムが消費する動力の増加を防止することができるという効果を奏する。
本発明の熱源システムの流量制御方法によれば、さらに、熱媒の流量の制御と、熱源機およびポンプの運転台数の制御とを、複雑な切り替えロジックを用いずに単一のアルゴリズムで行うことができるため、要求される熱負荷および流量負荷を満たすとともに、熱源システムが消費する動力の増加を容易に防止できるという効果を奏する。
以下、本発明の一実施形態に係る熱源システムについて図1から図7を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る熱源システムの構成を説明する模式図である。
本実施形態では、本発明を、地域冷暖房や、半導体工場などの工場設備の熱源として用いられる熱源システム1に適用して説明する。
熱源システム1には、図1に示すように、熱媒を加熱または冷却する複数の熱源機3と、熱媒を外部負荷5へ送出する複数のポンプ4と、熱媒と空気との間で熱交換を行う複数の外部負荷5と、熱媒の循環流量を計測する流量計測部7と、熱媒の送り温度と戻り温度の温度差を計測する温度差計測部9と、熱源機3およびポンプ4の運転を制御する制御部(流量制御部、台数制御部)11と、が設けられている。
本実施形態では、熱媒に水を用いる実施形態に適用して説明する。
熱源機3は、熱媒である水を加熱または冷却して冷温水を生成するものであって、本実施形態では、熱源機3として冷凍機を用いる実施形態に適用して説明する。用いられる冷凍機としては、ターボ冷凍機や、吸収冷凍機などを例示することができるが、特にこれらの冷凍機に限定するものではない。
複数の熱源機3は、図1に示すように並列に配置され、これらの熱源機3から流出した冷温水は一本の配管に合流して外部負荷5に導かれている。一方、複数の熱源機3に流入する冷温水は、外部負荷5から一本の配管に導かれてきた後に、各熱源機3に向かって分流して、それぞれの熱源機3に流入している。さらに、熱源機3は、制御部11により起動および停止が制御されている。
本実施形態では、全ての熱源機3の容量が略等しい例に適用して説明する。
ポンプ4は、外部負荷5から戻ってきた冷温水を吸入し、再び外部負荷5に向かって送出することにより、冷温水を熱源システム1内で循環させるポンプであって、その回転数が制御されることにより冷温水の送出流量が制御されるインバータポンプである。
複数のポンプ4は、図1に示すように熱源機3に一対一に対応して配置されている。ポンプ4には外部負荷5から戻ってきた冷温水が導かれ、ポンプから送出された冷温水は熱源機3に導かれている。さらに、各ポンプ4には、制御部11から冷温水の送出流量を制御するとともに、起動および停止を制御する制御信号が入力されている。
本実施形態では、熱源機3と同様に、全てのポンプ4の容量が略等しい例に適用して説明する。そのため、熱源機3およびポンプ4の異なる組の間でも、ヘッドが略等しくなる。
上述の熱源機3およびポンプ4は、冷温水の単位時間当たりの流量の上限値が、熱源システム1における最大熱負荷時における冷温水の流量よりも多い過流量となるように設定されている。
そのため、ポンプ4における単位時間当たりの最大送出流量は、最大熱負荷時における冷温水の送出流量よりも多い過流量となる。一方、熱源機3における単位時間当たりの最大流量は、最大熱負荷時における冷温水の流量よりも多い過流量となる。
一対一に対応する熱源機3とポンプ4の組を起動する場合には、まず、ポンプ4が起動され、対応する熱源機3に冷温水が流される。対応する熱源機3に冷温水が流れたのを確認した後、対応する熱源機3が起動される。ここでは、上述の順序で熱源機3およびポンプ4を起動することを同時に起動すると表記する。
外部負荷5は、熱源機3により加熱または冷却された冷温水と、空気との間で熱交換を行い、所定温度の空気を生成する熱交換器である。
複数の外部負荷5は、図1に示すように並列に配置され、これらの外部負荷から流出した冷温水は一本の配管に合流して熱源機3に導かれている。一方、複数の外部負荷5に流入する冷温水は、熱源機3から一本の配管に導かれてきた後に、各外部負荷5に向かって分流されている。
外部負荷5の下流側には、外部負荷5を流れる冷温水の流量を制御する流量制御弁6が、外部負荷5に対して一対一に配置されている。本実施形態では、流量制御弁6として二方弁を用いた例に適用して説明する。
流量計測部7は、外部負荷5から熱源機3に戻る冷温水の流量を計測するものである。流量計測部7は、図1に示すように、流量制御弁6とポンプ4との間に配置されている。さらに、流量計測部7は、冷温水の流量の計測値を制御部11に出力している。
なお、流量計測部7としては、公知の流量計を用いることができ、特に限定するものではない。
温度差計測部9は、熱源機3から外部負荷5に送出される冷温水の温度である送り温度と、外部負荷5から熱源機3に戻る冷温水の温度である戻り温度との温度差を計測するものである。温度差計測部9は、図1に示すように、送り温度を計測する部分が熱源機3と外部負荷5との間の冷温水が流れる配管に設けられ、戻り温度を計測する部分が流量計測部7とポンプ4との間の冷温水が流れる配管に設けられている。さらに、温度差計測部9は、冷温水の送り温度と戻り温度との温度差の計測値を制御部11に出力している。
なお、温度差計測部9としては、公知の温度差を計測する温度計を用いることができ、特に限定するものではない。
制御部11は、ポンプ4による冷温水の送出流量を制御するとともに、熱源機3およびポンプ4の起動および停止を制御するものである。
制御部11には、図1に示すように、流量計測部7から冷温水の流量の計測値、および温度差計測部9から冷温水の温度差の計測値が入力されている。一方、制御部11からは、熱源機3にその起動および停止を制御する制御信号が出力されているとともに、ポンプ4に冷温水の送出流量を制御する制御信号と、ポンプ4の起動および停止を制御する制御信号とが出力されている。
制御部11における具体的な制御方法については、以下に詳しく説明する。
次に、本実施形態の熱源システム1における熱の供給について、図1を参照しながら説明する。
ここでは、熱源機3により生成された冷熱を外部負荷5に供給し、外部負荷5において空気を冷却する場合について説明する。
熱源システム1の冷温水は、図1に示すように、インバータ駆動されるポンプ4により熱源機3に供給される。熱源機3に供給された冷温水は、所定の温度、例えば約5℃に冷却されて、熱源機3から流出する。
熱源機3から流出した冷温水は、配管により外部負荷5に導かれ、流量制御弁6が開かれた外部負荷5に流入する。外部負荷5に流入した冷温水は、空気から熱を奪い冷却する。
外部負荷5では、冷温水は空気から熱を奪うことにより、予め設定された温度、例えば約15℃まで温度が上昇する。その後、冷温水は外部負荷5から流出し、流量制御弁6を通過する。
流量制御弁6を通過した冷温水は、流量計測部7を通過した後に、運転されているポンプ4に分流して流入する。以後、上述の過程を繰り返すことにより、熱源機3により生成された冷熱が外部負荷5に供給される。
なお、熱源機3により生成された熱を外部負荷5に供給する場合についても、上述と同様な過程により、熱が外部負荷5に供給されるため、その説明を省略する。
次に、本実施形態の特徴であるポンプ4による冷温水の流量制御と、熱源機3およびポンプ4の運転台数の制御とについて説明する。
図2から図4は、図1の熱源システムにおけるポンプおよび熱源機の制御を説明するフローチャートである。
熱源システム1が運転されると、図1および図2に示すように、制御部11は、温度差計測部9から冷温水の温度差(運用温度差、ΔT)の計測値を取得するとともに、流量計測部7から冷温水の流量(F)の計測値を取得する(計測ステップ、ステップS1)。
温度差(ΔT)および流量(F)の測定値を取得すると、制御部11は、以下の一連の演算を行う。
まず、取得した温度差(ΔT)および流量(F)の測定値に基づいて、下記の式により外部負荷5において要求されている実負荷(L)が演算される(実負荷演算ステップ、ステップS2)。
L = ΔT × F
次に、求められた実負荷(L)および熱源機3の定格容量に基づいて、以下の式により適正運転台数(n)が演算される(台数演算ステップ、ステップS3)。ここで、適正運転台数(n)は、求められた実負荷を満たす冷熱量を過不足なく供給できる熱源機3の運転台数のことである。
n = L / (定格容量)
さらに、取得された温度差(ΔT)の測定値、求められた実負荷(L)および適正運転台数(n)に基づいて、以下の式により設定流量値(Fset)が演算される(設定流量演算ステップ、S4)。ここで設定流量値(Fset)は、各ポンプ4のそれぞれにおいて求められる冷温水の流量のことである。
Fset = L / (ΔT × n)
設定流量値(Fset)が求められると、制御部11は、運転されている各熱源機3における流量の上限値の合計値(Fmax)と、設定流量値(Fset)との大小関係を判断する(ステップS5)。
設定流量値(Fset)が流量上限値の合計値(Fmax)よりも大きい場合には、図3に示すように、新たに適正運転台数(n1)を演算する(ステップS6)。
一方、設定流量値(Fset)が流量上限値の合計値(Fmax)以下の場合には、図4に示すように、運転されている各熱源機3における流量の下限値の合計値(Fmin)と、設定流量値(Fset)との大小関係が判断される(ステップS21)。
まず、新たに適正運転台数(n1)を演算する(ステップS6)場合について説明する。
制御部11は、求められた実負荷(L)、流量上限値の合計値(Fmax)および温度差(ΔT)の測定値に基づいて、以下の式により新たな適正運転台数(n1)が演算される。
n1 = L / (Fmax × ΔT)
新たな適正運転台数(n1)を求めると、次に、流量上限値の合計値(Fmax)に基づいて、新たな設定流量値(Fset1)が設定される(ステップS7)。
Fset1 = Fmax
一方、図4に示すように、運転されている各熱源機3における流量の下限値の合計値(Fmin)と、設定流量値(Fset)との大小関係が判断される(ステップS21)場合について説明する。
設定流量値(Fset)が下限値の合計値(Fmin)よりも小さい場合には、制御部11は、下限値の合計値(Fmin)に基づいて新たな設定流量値(Fset1)を設定する(ステップS22)。
Fset1 = Fmin
設定流量値(Fset)が下限値の合計値(Fmin)以上の場合には、すでに求められた設定流量値(Fset)が、新たな設定流量値(Fset1)として設定される(ステップS24)。
Fset1 = Fset
そして、すでに求められた適正運転台数(n)が、新たな適正運転台数(n1)として設定される(ステップS23)。
n1 = n
制御部11は、上述のようにして新たな適正運転台数(n1)および新たな設定流量値(Fset1)が設定されると、図3に示すように、現在運転されている熱源機3の運転台数(N)を取得し、新たな適正運転台数(n1)と現在の運転台数(N)との比較を行う(運転台数制御ステップ、ステップS8)。
具体的には、新たな適正運転台数(n1)が現在の運転台数(N)よりも多い場合には、制御部11は、熱源機3およびポンプ4の組を一組起動する判断が行われ(ステップS9)、起動する判断が行われたことが記憶される。
一方、新たな適正運転台数(n1)が現在の運転台数(N)よりも少ない場合には、制御部11は、熱源機3およびポンプ4の組を一組停止する判断が行われ(ステップS10)、停止する判断が行われたことが記憶される。
上述の判断が記憶された場合、または、新たな適正運転台数(n1)が現在の運転台数(N)と等しい場合には、制御部11は、新たな設定流量値(Fset1)に基づいて各ポンプ4を制御する制御信号を出力する(流量制御ステップ、S11)。
上述の制御信号が入力された各ポンプ4は、新たな設定流量値(Fset1)に基づいた冷温水の流量を送出する。
以後、上述のステップS1に戻って同様の制御ステップが繰り返される。これらの制御ステップの繰り返しは、例えば1分から数分程度の短いサイクルで繰り返され、繰り返すたびに各ポンプ4は新たな設定流量値(Fset1)に基づいて冷温水の流量が制御される。
一方、熱源機3およびポンプ4の運転台数は、例えば30分から1時間程度の長いサイクルで行われる。具体的には、熱源機3およびポンプ4の運転台数の制御を行う直近に、熱源機3およびポンプ4の組を起動する判断、または停止する判断が、連続して所定回数された場合に熱源機3の運転台数の制御が行われる。
以下に、上述の制御方法によりポンプ4による冷温水の流量制御と、熱源機3の運転台数の制御とをシミュレートした結果について表を参照しながら説明する。
まず、温度差計測部9から取得された冷温水の温度差(ΔT)の計測値と、熱源システム1を設計したときの冷温水の温度差である設定温度差とが略等しい場合について説明する。
例えば、熱源システム1の設計時に冷温水の送り温度が約5℃、戻り温度が約15℃であって、設定温度差が約10℃に設定された場合に、温度差計測部9から取得された冷温水の温度差(ΔT)が約100%の約10℃になっている場合について説明する。
以下に示す表は、温度差計測部9から取得された冷温水の温度差(ΔT)の各値に対する、実負荷(L)、適正運転台数(n)および流量設定値(Fset)の値を示すものである。
表では、一台の熱源機3が供給する定格の負荷または冷温水の流量を基準としている。つまり、表中の冷温水の流量(F)および流量設定値(Fset)は、一台の熱源機3に対する定格の冷温水の流量を基準として相対値として表されている。一方、実負荷(L)は、一台の熱源機3が供給する定格の負荷の値を基準として相対値として表されている。
Figure 0004981530
上述の表では、冷温水の流量(F)の値が0.8から1まで増加すると、実負荷(L)の値は、冷温水の流量(F)の値と比例して0.8から1まで増加する。この間は、一台の熱源機3が運転されている。一方、流量設定値(Fset)の値も、冷温水の流量(F)の値と比例して0.8から1まで増加する。
つまり、実負荷の増加または減少に合わせて冷温水の流量が増加または減少する変流量制御が行われている。
なお、このときの流量設定値(Fset)の演算および冷温水の流量(F)の制御は、上述のように1分程度の間隔で行われている。
さらに、冷温水の流量(F)の値が1.2から2まで増加すると、実負荷(L)の値は、冷温水の流量(F)の値と比例して1.2から2まで増加する。すると、一台の熱源機3は供給できる熱量が不足するため、新たに一台の熱源機3が起動され、二台の熱源機3が運転される。一方、流量設定値(Fset)の値は、運転されるポンプ4が二台になるため、冷温水の流量(F)の値と比例して0.6から1まで増加する。
つまり、実負荷の増加または減少に合わせて、運転される熱源機3の台数を制御する台数制御が行われている。
なお、このときの熱源機3の起動の制御は、上述のように熱源機3の特性に合わせて30分から1時間程度の間隔で行われている。
逆に、冷温水の流量(F)の値が減少する場合は、実負荷(L)および流量設定値(Fset)の値は、冷温水の流量(F)の値と比例して減少する。一方、熱源機3の運転台数は、冷温水の流量(F)の値が1.2から1に減少する際に、二台から一台に減らされる。
次に、温度差(ΔT)の計測値が設定温度差より小さい場合について下記の表を参照しながら説明する。
例えば、熱源システム1の設計時に冷温水の送り温度が約5℃、戻り温度が約15℃であって、設定温度差が約10℃に設定された場合に、温度差計測部9から取得された冷温水の温度差(ΔT)が約80%の約8℃になっている場合について説明する。
Figure 0004981530
上述の表では、冷温水の流量(F)の値が0.8から1.2まで増加すると、実負荷(L)の値は、冷温水の流量(F)の値と比例して0.64から0.96まで増加する。この間は、一台の熱源機3が運転されている。一方、流量設定値(Fset)の値は、冷温水の流量(F)の値と比例して0.8から1.2まで増加する。
なお、上述のように、熱源機3およびポンプ4は一対一に対応して配置され、同時に起動および停止されているため、冷温水の流量(F)および流量設定値(Fset)の値が1.2の場合には、ポンプ4は過流量状態で制御、つまり過流量制御されている。同時に、運転されている熱源機3に対しても定格の冷温水流量より多い過流量の冷温水が流れている。
さらに、冷温水の流量(F)の値が1.4から2.4まで増加すると、実負荷(L)の値は、冷温水の流量(F)の値と比例して1.12から1.92まで増加する。すると、一台の熱源機3は供給できる熱量が不足するため、新たに一台の熱源機3が起動され、二台の熱源機3が運転される。一方、流量設定値(Fset)の値は、運転されるポンプ4が二台になるため、冷温水の流量(F)の値と比例して0.7から1.2まで増加する。
さらに、例えば、熱源システム1の設計時に冷温水の送り温度が約5℃、戻り温度が約15℃であって、設定温度差が約10℃に設定された場合に、温度差計測部9から取得された冷温水の温度差(ΔT)が約60%の約6℃になっている場合について説明する。
Figure 0004981530
上述の表では、冷温水の流量(F)の値が0.8から1.6まで増加すると、実負荷(L)の値は、冷温水の流量(F)の値と比例して0.48から0.96まで増加する。この間は、一台の熱源機3が運転されている。一方、流量設定値(Fset)の値は、冷温水の流量(F)の値と比例して0.8から1.6まで増加する。
なお、冷温水の流量(F)および流量設定値(Fset)の値が1.2から1.6までの場合には、ポンプ4は過流量状態で制御されている。同時に、運転されている熱源機3に対しても定格の冷温水流量より多い過流量の冷温水が流れている。
さらに、冷温水の流量(F)の値が1.8より増加すると、実負荷(L)の値は、冷温水の流量(F)の値と比例して1.08より増加する。すると、一台の熱源機3は供給できる熱量が不足するため、新たに一台の熱源機3が起動され、二台の熱源機3が運転される。一方、流量設定値(Fset)の値は、運転されるポンプ4が二台になるため、冷温水の流量(F)の値と比例して0.9となる。
上記の構成によれば、少なくとも実負荷(L)、および温度差(ΔT)から求められた流量設定値(Fset)に基づいて、ポンプ4により送り出される冷温水の流量が制御されるため、例えば、温度差(ΔT)が設定温度差より小さくなった場合、要求される実負荷(L)を満たすために温度差(ΔT)に基づいて上述の冷温水の流量を増やす制御が行われる。ここで、ポンプ4においては、単位時間当たりの最大送出流量が過流量であるので、上述の冷温水の流量は、過流量まで制御される。そのため、外部負荷5から要求される熱負荷、つまり実負荷(L)に対して、熱源機3の運転台数を過剰に増やす必要がなく、熱源システム1の消費動力の増加を防止できる。
一方、実負荷(L)に基づいて運転される熱源機3およびポンプ4の台数が制御されるため、実負荷(L)が増加した場合には運転される熱源機3およびポンプ4の台数が増やされ、実負荷(L)が減少した場合には運転される熱源機3およびポンプ4の台数が減らされる。実負荷(L)は、外部負荷5から要求される熱負荷でもあるため、このように熱源機3およびポンプ4の運転台数を制御することにより、熱源機3の運転台数を過剰に増やすことなく上述の要求される熱負荷を満たすことができる。
熱源機3は、当該熱源機3に対応するポンプ4とともに起動および停止されるため、外部負荷5から戻ってきた冷温水が、熱源機3により加熱または冷却されることなく、再び外部負荷5に送出されることがない。つまり、冷温水は必ず熱源機3により加熱または冷却された後に、外部負荷5へ送出されるため、ポンプ4と熱源機3とを別々に起動および停止する場合と比較して、外部負荷5に送出される冷温水の温度を容易に制御できる。
流量演算部において求めた冷温水の流量設定値(Fset)に基づいて、複数のポンプ4により送り出される冷温水の流量が制御されるため、冷温水の流量を確実に制御することができる。
熱源機3の運転台数を増減させる必要がない実負荷(L)の変動に対しては、冷温水の流量を実負荷(L)に比例して増減させることができ、実負荷(L)、つまり外部負荷5から要求される熱負荷を満たすことができる。
そのため、実負荷(L)の変動に対して熱源機3の運転台数を過剰に増減させる必要がなく、熱源システム1の消費動力の増加を防止できる。
温度差(ΔT)が設計温度差よりも小さい場合には、外部負荷5により要求される実負荷(L)が同じであっても、その実負荷(L)を満たすために必要な熱媒の流量が増大する。かかる場合に、流量設定値の上限値を上述の過流量に対応する値にまで広げることにより、増大した必要な熱媒の流量に対応することができる。
そのため、要求される実負荷(L)に対して、熱源機3の運転台数を過剰に増やす必要がなく、熱源システム1の消費動力の増加を防止できる。
上述の温度差(ΔT)が小さくなり、実負荷(L)を満たすために必要な冷温水の流量が増加した場合であって、必要な冷温水の流量が、運転されている各熱源機3の上限流量値の合計値(Fmax)を超えた場合には、熱源機3およびポンプ4の組を新たに一組起動する。そのため、一組の熱源機3およびポンプ4あたりの冷温水流量が低下し、熱源機3内の冷温水の流速が適正な流量範囲内に低下する。すると、熱源機3内の冷温水の流速を低下させない場合と比較して、冷温水が流れる伝熱管が減肉されることを防止できる。
逆に、必要な冷温水の流量が、運転されている各熱源機3の下限流量値の合計値(Fmin)を下回る場合には、下限流量値の合計値(Fmin)を流量設定値(Fset)とすることで、熱源機3内での冷温水の流量を確保し、冷温水の凍結を防止することができる。
なお、各熱源機3の下限流量値としては、例えば、定格流量の約50%の値を挙げることができる。
熱源機3の立ち上げと比較して短時間で変更可能な冷温水の流量の制御については、熱源機3の台数制御の制御タイミングより短い間隔で制御が行われる。一方、冷温水の流量の制御と比較して時間のかかる熱源機3の立ち上げが必要となる熱源機3の運転台数の制御については、冷温水の流量の制御タイミングより長い間隔で制御が行われる。
そのため、短い時間で熱源機3を立ち上げる必要がなくなることから、熱源機3に過剰な負荷がかからなくなり、熱源機3の故障等を防止することができる。さらに、短い間隔での制御が容易で、故障等のリスクが少ない冷温水の流量の制御を短い間隔で行うことで、実負荷の短期間の変動に追従することができる。
熱源機3の起動特性に基づいて、熱源機3の運転台数の制御タイミングの間隔を設定することにより、短い時間で熱源機3を立ち上げる必要がなくなることから、熱源機3に過剰な負荷がかからなくなり、熱源機3の寿命を延ばすことができる。
例えば、熱源機3がターボ冷凍機の場合には、吸収冷凍機の場合と比較して短い間隔で運転台数の制御が行われる。一方、熱源機3が吸収冷凍機の場合には、ターボ冷凍機の場合と比較して長い間隔で運転台数の制御が行われる。
演算により求められた流量設定値(Fset)に基づいて、ポンプ4により送り出される冷温水の流量が制御されるため、例えば、上述の温度差(ΔT)が小さくなった場合、要求される実負荷(L)を満たすために温度差(ΔT)に基づいて上述の冷温水の流量を増やす制御が行われる。
一方、実負荷(L)に基づいて運転される熱源機3およびポンプ4の台数が制御されるため、実負荷(L)が増加した場合には運転される熱源機3およびポンプ4の台数が増やされ、実負荷(L)が減少した場合には運転される熱源機3およびポンプ4の台数が減らされる。
このように、冷温水の流量の制御と、熱源機3およびポンプ4の運転台数の制御とを、複雑な切り替えロジックを用いずに単一のアルゴリズムで行うことができるため、要求される熱負荷および流量負荷を満たすとともに、熱源システム1が消費する動力の増加を容易に防止できる。
なお、上述の実施形態のように、複数の熱源機3が略同じ能力であり、かつ、複数のポンプ4が略同じ能力であってもよいし、複数の熱源機3の能力が異なっていてもよく、特に限定するものではない。かかる場合には、各熱源機3の能力に応じてポンプ4の能力も選定されるため、複数のポンプ4の能力も異なるものとなる。
このような構成の場合、制御部11において演算される流量設定値(Fset)は、運転されている各熱源機3における負荷率が略等しくなるように決定される。各熱源機3における負荷率が略等しくなると、各熱源機3に対応して設置されたポンプ4においても負荷率が略等しくなる。
そのため、熱源機3とポンプ4との異なる組の間でヘッド(揚程)が略等しくなり、各ポンプ4から送出された冷温水を、他のポンプ4から送出された冷温水に流れを阻害されることなく外部負荷5に送ることができる。
なお、複数の熱源機3としては、ターボ冷凍機や、吸収冷凍機などの冷凍機のうち、一の種類の冷凍機で統一されていてもよいし、数種類の冷凍機を混在させて使用してもよく、特に限定するものではない。
図5は、図1の熱源システムの別の実施形態を説明する模式図である。
なお、熱源システム1としては、上述のように、二方弁である流量制御弁6を外部負荷5に組み合わせて、外部負荷5を流れる冷温水の流量を制御してもよいし、図5に示すように、三方弁である流量制御弁6Aを外部負荷5に組み合わせて、外部負荷5を流れる冷温水の流量を制御してもよく、特に限定するものではない。
流量制御弁6Aは、外部負荷5から流出した冷温水と、外部負荷5を迂回する冷温水とが合流して熱源機3に向かって流れる合流形の三方弁である。
このような構成の場合、流量制御弁6Aを用いて外部負荷5を流れる冷温水と、外部負荷5を迂回する冷温水の割合を制御することで、外部負荷5における熱交換量が制御される。すると、冷温水の送り温度と戻り温度との温度差(ΔT)は、外部負荷5における熱負荷の大小により大きく変動する。
図6は、図1の熱源システムのさらに別の実施形態を説明する模式図である。
なお、熱源システム1としては、上述のように、インバータポンプであるポンプ4のみにより冷温水を循環させてもよいし、図6に示すように、2次ポンプ4Aを熱源機3と外部負荷5との間に配置して、ポンプ4および二次ポンプ4Aを用いて冷温水を循環させてもよく、特に限定するものではない。
二次ポンプ4Aは例えばインバータポンプであって、複数の二次ポンプ4Aが並列に並んで配置されている。二次ポンプ4Aには、二次ポンプ制御部11Aから制御信号が入力されている。二次ポンプ制御部11Aには、外部負荷5の流入側と流出側との間の圧力差を計測する圧力差計測部12の計測値が入力されており、二次ポンプ制御部11Aは、入力された計測値に基づいて二次ポンプ4Aの制御信号を出力している。
このような構成とすることで、例えば、外部負荷5が高層建築物の高層階に設置されていても、冷温水を当該外部負荷5に送出する十分なヘッドを確保できる。つまり、外部負荷5を流れる冷温水の流量が増加し、圧力差計測部12に計測される圧力差が減少した場合、二次ポンプ制御部11Aは、二次ポンプ4Aを起動する制御信号を出力し、二次ポンプ4Aを運転させることにより、外部負荷5に供給される冷温水の流量を確保することができる。
図7は、図1の熱源システムのさらに別の実施形態を説明する模式図である。
上述のように、インバータポンプであるポンプ4および二次ポンプ4Aを用いて冷温水を熱源機3から外部負荷5に送出してもよいし、図7に示すように、ポンプ4の代わりに固定速度である固定ポンプ4Bを用いて、固定ポンプ4Bおよび二次ポンプ4Aを用いて冷温水を熱源機3から外部負荷5に送出してもよく、特に限定するものではない。ただし、この場合には、流量設定値の出力先は流量制御弁4Cとなる。
図7に示す構成の場合、熱源機3と二次ポンプ4Aとの間と、流量計測部7と固定ポンプ4Bとの間を繋ぐ流路であるデカップラ(decoupler)13が設けられている。
このような構成とすることにより、固定ポンプ4Bから送出される冷温水の流量が、外部負荷5が要求する冷温水の流量より多い場合には、固定ポンプ4Bから熱源機3を介して送出された冷温水の一部が、デカップラ13を通過して固定ポンプ4Bの流入側に導かれ、流量の差が吸収される。逆に、固定ポンプ4Bから送出される冷温水の流量が、外部負荷5が要求する冷温水の流量より少ない場合には、外部負荷5から固定ポンプ4Bに流れる冷温水の一部が、デカップラ13を通過して二次ポンプ4Aに導かれ、流量の差が吸収される。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記の実施形態においては、ポンプからと送出される冷温水の流量を、熱媒の送り温度と熱媒の戻り温度との間の温度差に基づいて制御する方法に適用して説明したが、上述の温度差に基づく制御方法に限られることなく、熱量計により計測された熱媒に係る熱量に基づいて制御する方法や、負荷側の各機器にかかる実負荷を集計して制御する方法など、その他の制御方法を用いてもよく、特に限定するものではない。
本発明の一実施形態に係る熱源システムの構成を説明する模式図である。 図1の熱源システムにおけるポンプおよび熱源機の制御を説明するフローチャートである。 図1の熱源システムにおけるポンプおよび熱源機の制御を説明するフローチャートである。 図1の熱源システムにおけるポンプおよび熱源機の制御を説明するフローチャートである。 図1の熱源システムの別の実施形態を説明する模式図である。 図1の熱源システムのさらに別の実施形態を説明する模式図である。 図1の熱源システムのさらに別の実施形態を説明する模式図である。
符号の説明
1 熱源システム
3 熱源機
4 ポンプ
5 外部負荷
7 流量計測部
9 温度差計測部
11 制御部(流量制御部、台数制御部)

Claims (8)

  1. 外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する複数の熱源機と、
    該複数の熱源機のそれぞれに対応して配置されるとともに該対応する熱源機とともに起動および停止され、冷却または加熱された前記熱媒を前記外部負荷に送出する複数のポンプと、
    前記外部負荷を流れる熱媒の流量を計測する流量計測部と、
    前記外部負荷に送出される前記熱媒の送り温度と、前記外部負荷から前記熱源機に戻る前記熱媒の戻り温度との間の温度差を計測する温度差計測部と、
    前記流量計測部および前記温度差計測部により得られた計測値から、熱源システムにかかる実負荷を演算して求める負荷演算部と、
    少なくとも前記実負荷および前記温度差に基づいて、前記複数のポンプにより送り出される熱媒の流量を制御する流量制御部と、
    前記実負荷に基づいて前記熱源機および前記ポンプの運転台数を制御する台数制御部と、
    が設けられ、
    少なくとも一つの前記ポンプにおける単位時間当たりの最大送出流量は、最大熱負荷時における前記熱媒の送出流量よりも多い過流量であり、
    前記流量制御部による前記熱媒の流量の制御タイミングの間隔は、前記台数制御部による前記熱源機の運転台数の制御タイミングの間隔よりも短いことを特徴とする熱源システムの流量制御装置。
  2. 前記温度差計測部により計測された前記温度差に基づいて、前記複数のポンプにより送り出される熱媒の流量の設定値である流量設定値を求め、該流量設定値を前記流量制御部に出力する流量演算部が設けられ、
    前記流量制御部は、入力された前記流量設定値に基づいて、前記熱媒の流量を制御することを特徴とする請求項記載の熱源システムの流量制御装置。
  3. 前記流量演算部は、前記流量設定値の大きさを前記実負荷に比例させることを特徴とする請求項記載の熱源システムの流量制御装置。
  4. 前記流量演算部は、運用時の前記熱媒の温度差である運用温度差が、設計時の前記熱媒の温度差である設定温度差よりも小さい場合に、前記流量設定値の上限値を前記過流量に対応する値まで広げることを特徴とする請求項またはに記載の熱源システムの流量制御装置。
  5. 運転されている前記熱源機および前記ポンプの組が複数の場合に、
    前記流量演算部は、複数組の前記運転されている熱源機およびポンプの間で、負荷率が略等しくなる前記流量設定値を求めることを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載の熱源システムの流量制御装置。
  6. 前記台数制御部は、前記実負荷および前記温度差に基づいて求められた前記熱媒の流量が、運転されている前記熱源機の上限流量値の合計を超えた場合に、停止している前記熱源機およびポンプの組を新たに一組起動することを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載の熱源システムの流量制御装置。
  7. 前記流量制御部による前記熱源機の運転台数の制御タイミングの間隔は、前記熱源機の起動特性に基づき設定されていることを特徴とする請求項記載の熱源システムの流量制御装置。
  8. 複数の熱源機から外部負荷へ送出される熱媒の流量を計測するとともに、前記外部負荷に送出される前記熱媒の送り温度と、前記外部負荷から前記熱源機に戻る前記熱媒の戻り温度との間の温度差を計測する計測ステップと、
    前記温度差と前記熱媒の流量とに基づいて実負荷を演算する実負荷演算ステップと、
    前記実負荷に応じた前記熱媒を供給するのに必要な前記熱源機の運転台数を演算する台数演算ステップと、
    前記実負荷に応じた前記熱媒を供給するのに必要な流量設定値を演算する設定流量演算ステップと、
    演算により求められた前記熱源機の運転台数が、運転されている前記熱源機の運転台数より多い場合には運転されている前記熱源器の運転台数を増やし、運転されている前記熱源機の運転台数より少ない場合には運転されている前記熱源器の運転台数を減らす運転台数制御ステップと、
    演算により求められた前記流量設定値に基づいて、前記複数の熱源機から前記外部負荷へ送出される前記熱媒の流量を制御する流量制御ステップと、
    を有し、
    前記複数の熱源機のそれぞれに対応して配置されるとともに該対応する熱源機とともに起動および停止され、冷却または加熱された前記熱媒を前記外部負荷に送出する複数のポンプのうち少なくとも一つの前記ポンプにおける単位時間当たりの最大送出流量は、最大熱負荷時における前記熱媒の送出流量よりも多い過流量であり、
    前記流量制御ステップにおける前記熱媒の流量の制御タイミングの間隔は、前記運転台数制御ステップにおける前記熱源機の運転台数の制御タイミングの間隔よりも短いことを特徴とする熱源システムの流量制御方法。
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