JP4978536B2 - 発進装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動変速機を有する車両における発進装置に関する。
一般に、自動変速機を有する車両にあっては、発進時においてエンジンのトルクを変速機構に対して発進装置を用いて円滑に伝達するようにしている。この発進装置は、エンジンの出力軸に連結された油密構造のハウジング(入力側部材)を有し、ハウジング内には、通常、変速機構の入力軸をスプライン結合により貫装して該入力軸に対して一体回転可能に連結されたタービンハブ(出力側部材)と、該タービンハブとハウジングとをクラッチ作動することにより機械的に接続して直結させるクラッチ機構が設けられている。そして、該クラッチ機構を必要に応じて非係合状態から係合状態に切り替えるための作動油を供給する油路がハウジング内におけるクラッチ機構の配置箇所に応じた油路構造を形成するように設けられている。
例えば特許文献1に記載の発進装置においては、オイルポンプから吐出される作動油をクラッチ機構まで供給するための作動油路が次のような油路構造で設けられている。すなわち、この特許文献1の発進装置では、作動油路が、変速機構の入力軸の先端部から軸方向に穿設された軸方向に延びる油路と、この軸方向に延びる油路の先端(前端)からハウジングの前半部を構成するフロントカバーの内部を径方向外方に位置するクラッチ機構部の油圧室に向けて穿設された少なくとも径方向に延びる油路とを含んだ油路構造をしている。
ところが、作動油路がこのような油路構造をしている場合には、軸方向に延びる油路の先端開口(油孔)から軸方向前側に向けて吐出される作動油の油圧がフロントカバーに応力を及ぼしてしまい、フロントカバーを変形させてしまう虞がある。そこで、こうした虞を回避するための油路構造として、例えば、次のような油路構造が考えられる。
すなわち、変速機構の入力軸にタービンハブが連結されたときにタービンハブの貫通孔の内周面と対向することになる入力軸の外周面部分に油孔が開口するように、入力軸の内部を軸方向に延びる油路を入力軸の先端側において径方向外方に屈曲させる。そして、タービンハブには、その貫通孔の内周面からタービンハブ内を径方向外方に向けて貫通する少なくとも径方向に延びる油路を形成し、これらの軸方向に延びる油路と径方向に延びる油路を経由してクラッチ機構部の油圧室に連通する油路構造(以下、「改良油路構造」という。)にすれば、フロントカバーが変形する虞を回避可能な作動油路を実現できる。
国際公開番号 WO2003/016736
ところで、作動油の油路構造として上記のような改良油路構造を採用した場合には、入力軸の外周面に開口する油孔から吐出した作動油が入力軸の外周面とタービンハブにおける貫通孔の内周面との間を通って軸方向に漏出することを規制する必要がある。そのため、入力軸の外周面とタービンハブにおける貫通孔の内周面との間にはシール部材が介設される。一般的には、一対のOリングが作動油路における入力軸の外周面に開口した油孔を入力軸の軸方向の両側から挟んだ配置態様となるように介設される。
すなわち、入力軸の外周面において該入力軸の外周面に開口した油孔を軸方向の両側から挟む2位置に環状の凹溝を形成し、それらの凹溝にそれぞれOリングを嵌め込むことにより、各Oリングの軸方向移動を規制しつつ、それら前後一対のOリングで作動油が軸方向に沿って漏出することを規制するようにしている。
しかしながら、上記の改良油路構造では、入力軸の先端側の外周面にOリングを嵌め込むための環状の凹溝を形成する必要があり、この凹溝の形成スペースを確保するために入力軸が径方向及び軸方向に大型化するという問題があった。近時は、自動変速機に対する多様なニーズに対応するために発進装置の小型化要請されていることから、このような問題は解消することが望ましい。なお、シール部材としてシールリングを用いる場合にも、入力軸の外周面にはシールリングを嵌め込むための環状の凹溝が形成されるため、Oリングの場合と同様の問題を含有していた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型化要請に応えつつ、作動油路を介して供給される作動油の軸方向への漏出を好適に規制することができる発進装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の発進装置は、駆動源の出力軸に連結された入力側部材と、変速機構の入力軸を挿通可能な貫通孔を有し、且つ該貫通孔に前記入力軸が先端部から挿通されることにより該入力軸に対して一体回転可能に連結される出力側部材と、クラッチ作動することにより前記入力側部材と前記出力側部材とを動力伝達可能に直結するクラッチ機構と、前記変速機構の入力軸に前記出力側部材が連結された状態において前記貫通孔の内周面と対向する前記入力軸の外周面部分に油孔が開口するように前記入力軸に穿設された油路と、該油路の前記油孔を前記入力軸の軸方向の両側から挟んだ配置態様となるように前記入力軸の外周面と前記貫通孔の内周面との間に介設されるシール部材とを備え、該シール部材は、前記出力側部材の前記貫通孔内に該貫通孔の内周面に圧接するように嵌入される環状の嵌合部材と、該嵌合部材に径方向外側の部分が固着されると共に径方向内側の部分が前記入力軸の外周面に対して弾性変形を伴いながら摺接可能に形成された環状のシールリップとを備え、前記入力軸の外周面には、前記出力側部材における前記貫通孔の内周面に形成された凹凸係合部に対して前記出力側部材と前記入力軸とを該入力軸の軸方向には相対移動可能に且つ周方向には相対移動不能に係合する凹凸被係合部が形成されており、該凹凸被係合部は、前記入力軸の外周面において、前記シール部材が配置される位置よりも前記入力軸の基端側となる位置に形成されている
上記構成によれば、作動油路の油孔をシールするシール部材としてオイルシールを適用しているため、シール部材を内装するための環状の凹溝を変速機構の入力軸に設けることが不要となる。そのため、この凹溝の配設スペースを入力軸に確保することが不要となり、装置全体の小型化要請に応えつつ、作動油路からの作動油の漏出を規制することができる。さらに、入力軸を出力側部材に対して組み付ける際には、入力軸の外周面に形成された凹凸係合部が出力側部材に圧入されたシール部材の配設位置まで挿入されることはない。そのため、入力軸の組み付け過程で、入力軸の凹凸係合部がシール部材に対する摩擦摺動に伴ってシール部材を損傷することを防止できる。
また、本発明の発進装置において、前記シール部材は、前記シールリップの径方向内側の部分を前記入力軸の外周面に対して圧接するように付勢する付勢部材を更に備えている。
上記構成によれば、付勢部材は、シールリップの径方向内側の部分に対して入力軸の外周面に向けて径方向内側に荷重を付与することにより、シール部材のシール機能を高めることができる。
また、本発明の発進装置において、前記変速機構の前記入力軸における先端面の周縁は面取り加工が施されている。
上記構成によれば、入力軸を出力側部材に組み付ける際には、シール部材の内周側が入力軸の先端面の角部を面取りすることにより形成された斜面に沿って軸方向に円滑に摺動される。そのため、入力軸の組み付け過程で、シール部材の内周側が入力軸の挿入方向にめくり上がることを抑制できる。
また、本発明の発進装置において、前記シール部材は、前記シールリップの径方向内側の部分における前記入力軸の外周面が摺接する部位が、前記入力軸の外周面との摺接に基づき該外周面上に前記径方向内側の部分を乗り上げさせ得る面形状をなすように形成されている。
上記構成によれば、入力軸を出力側部材に組み付ける際には、シールリップの径方向内側の部分が入力軸の外周面上に乗り上げるように円滑に摺動される。そのため、入力軸の組み付け過程で、シールリップが入力軸に引っ掛かるようなことを抑制できる。
以下、本発明を具体化した発進装置の一実施形態を図1〜図8を参照しながら説明する。なお、以下における本明細書中の説明において、「前後方向」をいう場合には図1等において矢印で示す前後方向を示すものとする。
図1及び図2に示すように、発進装置11は、駆動源としてのエンジンの出力軸12のトルクを変速機構の入力軸13に伝達するための装置であり、エンジンの出力軸12に接続されたフロントカバー14と、フロントカバー14の外周側端部に溶接により固着されたポンプカバー15とにより入力側部材としてのハウジング16を構成している。そして、ハウジング16の内部には、ダンパ装置17、及びクラッチ機構としての発進クラッチ18が収容されると共に、作動油及び潤滑油としてのATF(オートマチック・トランスミッション・フルード)が油密状に充填されている。
フロントカバー14は、前側が閉塞し且つ後側が開口した有底略円筒状をなすと共に、その底壁の外面(前面)略中心部から前方に向けて突設された連結部14aにエンジンの出力軸12が連結されることにより、エンジンの出力軸12の回転駆動に基づき、変速機構の入力軸13の軸線Lを中心に回転するようになっている。ポンプカバー15は、フロントカバー14の後側の開口を閉塞可能な略円環状をなしていると共に、その中心部には、油圧源としてのオイルポンプ(図示略)の駆動軸に連結される円筒状の支持カバー19がポンプカバー15の一部を構成するように固定されている。すなわち、オイルポンプには、エンジンの出力軸12の回転がフロントカバー14とポンプカバー15(及び支持カバー19)を介して伝達されるようになっている。
ダンパ装置17は、エンジン側に連結される円環状のダンパプレート20と、変速機構側に連結される円環状のダンパディスク21と、ダンパプレート20の回転力をダンパディスク21に伝達するトルク伝達手段22とを備えている。ダンパプレート20は、フロントカバー14における外周側の後面(ポンプカバー15に相対する内面)に固着され、フロントカバー14と一体回転するようになっている。ダンパディスク21は、その内周縁がフロントカバー14の後面に固定された円筒状をなす支持部材23に嵌合することにより変速機構の入力軸13の軸線Lを中心に軸方向への移動を規制された状態で回転自在に支持されている。また、ダンパディスク21は、その回転時においてフロントカバー14に対する相対角度が所定角度を超える場合には、周方向における所定箇所が支持部材23の外周面の一部に対して係止することにより、それ以上の回転規制がされるようになっている。
トルク伝達手段22は、複数のダンパスプリング24と、各ダンパスプリング24を弾性的に直列接続するようにダンパスプリング24間に介在する中間部材25とにより構成されている。そして、各ダンパスプリング24は、それらの各一端がダンパプレート20又はダンパディスク21に当接し、かつ、それらの各他端が中間部材25に当接している。そのため、フロントカバー14を介してダンパプレート20に伝達されるエンジンの出力軸12からの回転駆動は、ダンパスプリング24及び中間部材25が弾性的に直列に連結されたことによりダンパ機能を発揮するトルク伝達手段22を介してダンパディスク21に伝達される。なお、ダンパディスク21は、フロントカバー14との相対角度が所定の値を上回らないように支持部材23との係止により回転規制されているため、ダンパスプリング24のバネ長が限界値に至るまで収縮しない構成となっている。
図1及び図2に示すように、変速機構の入力軸13は、その先端(前端)から所定距離だけ基端(後端)側の外周面13a上に凹凸被係合部としてのスプライン30が前後方向に沿うように形成されている。また、入力軸13の先端面の周縁には面取り加工が施されることにより先端側ほど径が小さくなるテーパ面13bが形成されている。そして、この変速機構の入力軸13は、その先端からスプライン30が形成された位置までの軸方向長さ部分を出力側部材としてのタービンハブ31に貫装されている。
すなわち、タービンハブ31は、円柱状をなすように形成されると共に、その軸心には入力軸13を挿通可能な貫通孔32が貫通形成されている。貫通孔32は、その軸方向の中途から後側が入力軸13の径とほぼ同一の径を有する小径部32aとして形成されると共に、軸方向の中途から前側が小径部32aよりも大きな径を有する大径部32bとして形成されている。貫通孔32の小径部32aの内周面には、入力軸13の外周面13aに形成されたスプライン30に対してタービンハブ31と入力軸13とを軸方向には相対移動可能に且つ周方向には相対移動不能に係合する凹凸係合部としてのスプライン33が形成されている。
そして、入力軸13の先端部がタービンハブ31の貫通孔32に対して後側から挿通された場合には、貫通孔32の小径部32aの内周面に形成されたスプライン33が入力軸13側に形成されたスプライン30に対して凹凸嵌合することにより、入力軸13とタービンハブ31が一体回転可能に連結されるようになっている。そして、このように入力軸13の先端部が貫装された状態にあるタービンハブ31における貫通孔32の大径部32b内には前後一対のオイルシール50がシール部材として機能するように圧入されている。なお、このオイルシール50に関する具体的構成については、後に詳述する。
また、タービンハブ31は、その回転に伴うスラスト方向の荷重に耐え得る環状のスラストベアリング34a,34bを軸方向の両側に配設した状態で、変速機構の入力軸13に連結されている。すなわち、フロントカバー14の後面(内面)とタービンハブ31の軸方向前端面との間には第1のスラストベアリング34aが介設されると共に、タービンハブ31の後端面とポンプカバー15(支持カバー19)の前面(内面)との間には第2のスラストベアリング34bが介設されている。なお、各スラストベアリング34a,34bは、タービンハブ31の前後各端面において貫通孔32よりも径方向外方側となる環状領域に配設されている。そして、各スラストベアリング34a,34bとタービンハブ31との間には両者の当接状態の安定性を高めることを目的としてワッシャ35a,35bが介設されている。
また、図1に示すように、ダンパ装置17の背面(後面)側には、クラッチ作動することによりエンジンの出力軸12と変速機構の入力軸13とを直結可能な発進クラッチ18が配置されている。この発進クラッチ18は、ダンパディスク21の内周側にピン48により締結された状態で後方側に延びる筒状のクラッチハブ26を備え、クラッチハブ26の外周側には複数枚(本実施形態では4枚)の内側摩擦係合板27が前後方向への移動自在にスプライン嵌合されている。また、タービンハブ31の後端外周部には前側が開口した有底略円筒状のクラッチドラム36の底部内周縁が固着されており、該クラッチドラム36の外周側筒部36aの内周側には内側摩擦係合板27と前後方向において1枚ずつ交互に位置するように複数枚(本実施形態では4枚)の外側摩擦係合板28が前後方向への移動自在にスプライン嵌合されている。
また、タービンハブ31の周面上には、円環状をなすピストン29が、その内周縁を摺動可能に嵌合することにより、タービンハブ31に対して軸方向に移動自在に支持されている。このピストン29は、その軸方向に沿った断面の形状がクランク状をなすように形成されており、そのクランク状に屈曲した中途筒部29aの外周面がクラッチドラム36の内周側筒部36bの外周面上に摺動可能に嵌合している。そして、ピストン29の中途筒部29aとクラッチドラム36の内周側筒部36bとの間、及びピストン29の内周縁とタービンハブ31の周面との間には、それぞれOリングc1,c2が配置され、各Oリングc1,c2のシール機能により、ピストン29の背面(後面)側に油圧室37を形成している。
また、タービンハブ31の前端外周部においてピストン29よりも軸方向前側となる位置には円環状のキャンセルプレート38がスナップリング39により移動が規制された状態で支持されている。そして、該キャンセルプレート38とピストン29との間にはリターンスプリング49が配設され、該リターンスプリング49の付勢力により、ピストン29は、常にはクラッチドラム36に接近する方向(各摩擦係合板27,28から離間する方向)に付勢されている。
すなわち、発進クラッチ18の係合状態は、油圧室37内のATFの油圧上昇に伴い、ピストン29がリターンスプリング49の付勢力に抗して前方に移動することにより、外側摩擦係合板28を内側摩擦係合板27に対して押圧することにより実現される。一方、発進クラッチ18の非係合状態は、油圧室37内のATFの油圧降下に伴い、ピストン29がリターンスプリング49の付勢力に従って後方に移動することにより、外側摩擦係合板28を内側摩擦係合板27から離間させることにより実現される。
また、ハウジング16内においてポンプカバー15の外周側前面(フロントカバー14に相対する内面)と対応する位置にはトルク増幅作用を有さないフルードカップリング40が配設されており、発進時や変速時におけるポンプカバー15とクラッチドラム36との回転差を吸収するようになっている。なお、フルードカップリング40は、対をなす両羽根部材のうち一方の羽根部材がポンプカバー15に固着されると共に他方の羽根部材はリベット41によりクラッチドラム36にカシメ固定されている。
次に、油圧室37に作動油としてのATFを供給する作動油路の構成について詳述する。
図1〜図3に示すように、変速機構の入力軸13内には、基端側のオイルポンプに連通する第1の作動油路a1が軸方向に沿って形成されており、該第1の作動油路a1は先端の開口が栓部材42により閉塞されている。そして、該第1の作動油路a1の長手方向において、入力軸13におけるスプライン30が形成された位置よりも先端側であって且つタービンハブ31の貫通孔32の大径部32bと対応する位置からは、径方向外方に向けて第2の作動油路a2が油孔43を入力軸13の外周面13aに開口するように曲げ形成されている。そして、第2の作動油路a2は、入力軸13の外周面13aに開口した油孔43を通じて、タービンハブ31の貫通孔32の大径部32b内に前後一対のオイルシール50によって形成された油溜まり室31aと連通するようになっている。
また、タービンハブ31には、その貫通孔32の大径部32bの内周面からタービンハブ31の内部を径方向外方に向けて貫通する第3の作動油路a3が油圧室37に連通するように斜状に且つ直線状をなすように形成されている。そして、これらの第1の作動油路a1、第2の作動油路a2、油溜まり室31a、及び第3の作動油路a3により、クラッチ作動時に油圧室37に対して作動油としてのATFを供給する作動油路が構成されている。なお、本実施形態では、第1の作動油路a1により作動油路の軸方向に延びる油路が構成されると共に、第2の作動油路a2、油溜まり室31a、及び第3の作動油路a3により作動油路の少なくとも径方向に延びる油路が構成されている。
続いて、ハウジング16内に潤滑油としてのATFを循環供給する潤滑油路の構成について詳述する。
図1〜図3に示すように、変速機構の入力軸13内には、基端側のオイルポンプに連通する第1の潤滑油路b1が前記作動油路の第1の作動油路a1と平行に軸方向に沿って形成されている。第1の潤滑油路b1は、その先端が入力軸13の先端(前端)面に開口しており、その先端開口を通じてフロントカバー14の底壁の内面(後面)略中心部に形成された油路形成凹部45に連通している。
また、タービンハブ31の軸方向前後各端面において、スラストベアリング34a,34bと径方向で対応する各位置には、図1〜図3に示すように、入力軸13の軸線Lと直交した径方向に延びる複数本(本実施形態では各4本)の油溝46,47が形成されている。各油溝46,47は、変速機構の入力軸13の軸線Lを中心として周方向に等角度間隔(90度間隔)をおいて、且つ作動油路の第2及び第3の各作動油路a2,a3とは互いの油路延設方向が周方向にずれるように形成されている。そして、これらの第1の潤滑油路b1、油路形成凹部45、及び前端面側の各油溝46により、ハウジング16内における潤滑必要箇所(例えば発進クラッチ18等)にオイルポンプ側から潤滑油を供給するための供給油路が構成されている。
また、変速機構の入力軸13の外周面13aとポンプカバー15における支持カバー19の内周面との間には基端側のオイルポンプに連通する第2の潤滑油路b2が前記後端面側の各油溝47の径方向内方側と連通するように形成されている。そして、これらの第2の潤滑油路b2及び後端面側の各油溝47により、ハウジング16内における潤滑必要箇所(例えば発進クラッチ18等)に前記供給油路を介して供給された潤滑油をオイルポンプ側に戻すための戻し油路が構成されている。
そして、本実施形態では、前記第1の潤滑油路b1、油路形成凹部45、及び前端面側の各油溝46からなる供給油路と、前記第2の潤滑油路b2及び後端面側の各油溝47からなる戻し油路とにより、ハウジング16内に潤滑油としてのATFを循環供給する潤滑油路が構成されている。なお、本実施形態では、第1の潤滑油路b1及び第2の潤滑油路b2により潤滑油路の軸方向に延びる油路が構成されると共に、油路形成凹部45及び各油溝46,47により潤滑油路の少なくとも径方向に延びる油路が構成されている。
特に、図1及び図2に示すように、少なくとも径方向に延びる油路の一部を構成する各油溝46,47のうち前端面側の各油溝46は、作動油路における少なくとも径方向に延びる油路の一部を構成する第2の作動油路a2及び第3の作動油路a3の径方向内方側の油路と、入力軸13の軸方向において各々の設置スペースがオーバーラップするように形成されている。すなわち、入力軸13の軸方向における同一位置又はその近傍位置において、各油溝46と、第2の作動油路a2と、第3の作動油路a3の径方向内方側の油路とは、各々の油路延設方向が入力軸13の軸方向において部分的にオーバーラップした状態で径方向に沿うように形成されている。
そして、作動油路における少なくとも径方向に延びる油路の一部を構成する第3の作動油路a3は、その径方向外方側の油路が、その径方向内方側の油路(及び第2の作動油路a2)よりも潤滑油路の一部を構成する各油溝46から入力軸13の軸方向において離間するように、その油路延設方向が基端側に傾斜した直線状の油路構造となっている。
次に、タービンハブ31の貫通孔32(大径部32b)の内周面と変速機構の入力軸13の外周面13aとの間に介設されたオイルシール50の構成について詳述する。
図4に示すように、オイルシール50は、タービンハブ31における貫通孔32の大径部32b内に嵌入される環状の嵌合部材51と、嵌合部材51に外周側となる径方向外側の部分が固着された環状のシールリップ52とを備えている。さらに、オイルシール50は、シールリップ52の内周側となる径方向内側の部分を入力軸13の外周面13aに対して圧接するように付勢する付勢部材としての環状のスプリング部材53を備えている。
嵌合部材51は、軸方向に沿った断面の形状がL字状をなす金属等の剛性材により構成されている。また、嵌合部材51は、その外径が貫通孔32の大径部32bの内径よりも若干大きく形成されており、嵌合部材51が貫通孔32の大径部32b内に嵌入される際には、その外側面が大径部32bの内周面に対して圧接するようになっている。また、シールリップ52の径方向内側の部分における入力軸13の外周面が摺接する部位は曲面形状をなすように形成されており、この曲面が形成された部分の外周面にスプリング部材53は嵌合されている。そして、このスプリング部材53によりシールリップ52の曲面は径方向内方側に付勢されて変速機構の入力軸13の外周面13aに摺接し、この曲面が入力軸13の外周面との摺接に基づき該外周面上にシールリップ52の径方向内側の部分を乗り上げさせるようになっている。なお、シールリップ52に適用する弾性材としては、シールを行う対象となるオイルの種類や耐摩耗性、耐水性等を考慮して適切なものを選択することが望ましい。
次に、上述した発進装置11の作用を図5〜図8に従って説明する。
まず、発進装置11の製造工程において、変速機構の入力軸13とタービンハブ31とを一体回転可能に連結する組み付け工程について説明する。なお、図5〜図8では、図面内容の簡略化を図るべく、タービンハブ31と共にハウジング16内に収容される他部材(ピストン29等)をハウジング16も含めて図示を省略している。
さて、この組み付け工程では変速機構の入力軸13がタービンハブ31の貫通孔32に先端側から挿通されることにより貫装されるが、その前段階においてタービンハブ31における貫通孔32の大径部32b内には、図5に示すように、一対のオイルシール50が予め装着される。すなわち、大径部32b内の最奥部と開口部の2位置に、各々一つずつオイルシール50が嵌入配置される。
なお、この大径部32b内への嵌入時において、各オイルシール50は環状をなす嵌合部材51の外側面が大径部32bの内周面に圧接する。そのため、各オイルシール50は、軸方向への移動が規制された状態で、各々の装着位置(最奥部と開口部)に位置決め装着される。すなわち、入力軸13の外周面13a上に環状の凹溝を形成しなくても、オイルシール50は、嵌合部材51の外側面がシールリップ52の弾性変形に伴って貫通孔32の大径部32bの内周面及び入力軸13の外周面13aに対して圧接した状態となるため、軸方向への移動が規制された状態で位置決め装着される。
そして次に、そのようにオイルシール50が装着された状態にあるタービンハブ31における貫通孔32の小径部32a内に入力軸13が先端側から挿入されると、図6に示すように、入力軸13は、その先端が貫通孔32の小径部32aを通過した時点で、大径部32bの最奥部に装着されたオイルシール50のシールリップ52に当接する。このとき、入力軸13の先端面の周縁には面取り加工により斜面状のテーパ面13bが形成されている。その一方、シールリップ52の径方向内方側に垂れた径方向内側の部分は、径方向外方側に曲げ形成されている。
そのため、最奥部のオイルシール50のシールリップ52は、その径方向内側の部分の曲面が入力軸13の先端のテーパ面13bに沿って円滑に摺動しながら傾動する。すなわち、入力軸13の先端とシールリップ52の径方向内側の部分とが引っ掛かってしまうようなことはない。そして、入力軸13が更に挿入方向前側に挿入されると、その最奥部のオイルシール50のシールリップ52は、入力軸13の外周面13aに対してスプリング部材53の付勢力で押圧されつつ弾性変形を伴って摺接するようになる。
そして、入力軸13が挿入方向前側に更に押し込まれると、図7に示すように、入力軸13の外周面に形成されたスプライン30と貫通孔32の小径部32aの内周面に形成されたスプライン33とが凹凸嵌合する。そして、入力軸13が両スプライン30,33の凹凸嵌合状態を維持しつつ更に挿入方向前側に押し込まれると、入力軸13は、その先端が貫通孔32の大径部32bの開口部に装着されたオイルシール50のシールリップ52に当接する。すると、この開口部のオイルシール50のシールリップ52も最奥部のオイルシール50のシールリップ52の場合と同様に、その径方向内側の部分の曲面が入力軸13の先端のテーパ面13bに沿って円滑に摺動しながら傾動する。そして、最終的には、図8に示すように、入力軸13の外周面13aに対してスプリング部材53の付勢力でシールリップ52が更に圧接力を高めるように押圧されつつ弾性変形を伴って摺接するようになる。
また、この場合において、入力軸13の外周面13a上に形成されたスプライン30は、貫通孔32内への入力軸13の挿入に伴い小径部32aのスプライン33には凹凸嵌合するものの、それ以上に挿入方向前側(すなわち、貫通孔32の大径部32b内)まで進入することはない。そのため、貫通孔32の大径部32bの最奥部に装着されたオイルシール50のシールリップ52に入力軸13側のスプライン30が接触するようなことはなく、かかるスプライン30との接触によりシールリップ52が損傷を受けるようなことはない。
この図8に示す状態になると、両スプライン30,33が凹凸嵌合することにより、入力軸13とタービンハブ31は周方向への相対移動が不能となり一体回転可能に連結される。そして、入力軸13の先端側の外周面13aに開口した第2の作動油路a2の油孔43は、タービンハブ31における貫通孔32の大径部32bにおける軸方向の略中央部に位置する。そして、入力軸13の外周面13aと貫通孔32の大径部32bの内周面との間に嵌入された前後一対のオイルシール50は、入力軸13の外周面13a上に開口した油孔43を軸方向の両側から挟んだ配置態様になって、両オイルシール50間に油溜まり室31aを形成する。そして、以上により、変速機構の入力軸13とタービンハブ31とを一体回転可能に連結する組み付け工程が終了する。
そして、上記組み付け工程が完了した発進装置11の使用時において、エンジン側の出力軸12と変速機構の入力軸13を直結する際には、オイルポンプ側から第1の作動油路a1、第2の作動油路a2、油溜まり室31a、及び第3の作動油路a3を経由して油圧室37内にATFが作動油として供給される。その結果、油圧室37内の油圧上昇に伴いピストン29が外側摩擦係合板28を内側摩擦係合板27に圧接させる方向へ移動し、発進クラッチ18は非係合状態から係合状態になる。
この場合において、第2の作動油路a2の油孔43から油溜まり室31a内に吐出されたATFが入力軸13の外周面13aに沿って軸方向に漏出しようとしても、そのようなATFの漏出は油孔43を軸方向の前後両側から挟む配置態様に装着された一対のオイルシール50のシール機能により規制される。そして、軸方向への漏出が規制されたATFは、油圧室37に向けて直線的に斜状をなす第3の作動油路a3を介して速やかに油圧室37に供給される。
また、発進クラッチ18が係合状態と非係合状態を繰り返すハウジング16内に潤滑油としてATFを循環供給する場合には、オイルポンプ側から第1の潤滑油路b1、油路形成凹部45及び前端面側の各油溝46を経由して発進クラッチ18の配設箇所等にATFが供給されると共に、後端面側の各油溝47及び第2の潤滑油路b2を経由してハウジング16内からATFがオイルポンプ側に戻される。特に、ハウジング16内にATFを供給する場合には、第2の作動油路a2(及び第3の作動油路a3の径方向内方側の油路部分)と軸方向において設置スペースがオーバーラップする前端面側の各油溝46を通じてスラストベアリング34aの潤滑を図りつつ発進クラッチ18側へ潤滑油としてATFが供給される。
本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、入力軸13の外周面13aに開口した油孔43から軸方向にATFが漏出することを規制するためのシール部材としてオイルシール50が使用されている。そして、オイルシール50は、タービンハブ31の貫通孔32における大径部32bの内周面に嵌合部材51の外側面が圧接すると共に、入力軸13の外周面13aにシールリップ52の径方向内側の部分が弾性変形を伴って圧接することにより軸方向への移動不能に装着される。そのため、シール部材を軸方向への移動不能に装着するための環状の凹溝を変速機構の入力軸13の外周面13a上に設けることが不要となる。したがって、このような凹溝の配設スペースを入力軸13に確保しなくて済む分だけ、発進装置11の小型化要請に応えつつ、変速機構の入力軸13の外周面13aに開口する油孔43を含んだ油路構造の油路を介して供給される油の軸方向への漏出を好適に規制することができる。
(2)また、オイルシール50は、シールリップ52の径方向内側の部分がスプリング部材53により入力軸13の外周面13aに向けて付勢されているので、シールリップ52自体の弾性力のみならずスプリング部材53の付勢力が加わった強い圧接力でもって入力軸13の外周面13aに対して圧接した状態となる。したがって、スプリング部材53によりオイルシール50のシール機能を更に強化することができる。
(3)上記実施形態では、入力軸13側のスプライン30は、入力軸13の外周面13aにおけるオイルシール50の配置位置よりも入力軸13の基端側となる位置に形成されている。そのため、入力軸13をタービンハブ31に対して組み付ける際には、入力軸13側のスプライン30がタービンハブ31における貫通孔32の大径部32b内に嵌入配置されたオイルシール50のシールリップ52に接触することはない。そのため、入力軸13の組み付け過程で、入力軸13のスプライン30がオイルシール50のシールリップ52を損傷することを防止できる。
(4)上記実施形態では、入力軸13における先端面の周縁は面取り加工が施されて先端側ほど小径となるテーパ面13bとされている。そのため、入力軸13をタービンハブ31に組み付ける際には、オイルシール50におけるシールリップ52の径方向内側の部分の曲面が入力軸13の先端のテーパ面13bに沿って円滑に摺動しながら傾動するようになる。したがって、入力軸13の組み付け過程で、オイルシール50のシールリップ52の径方向内側の部分が入力軸13の先端に引っ掛かるようなこともなく、タービンハブ31に対する入力軸13の組み付け作業を円滑になし得る。
(5)上記実施形態では、オイルシール50のシールリップ52における径方向内側の部分は、径方向外方に向けて曲げ形成されている。そのため、入力軸13をタービンハブ31に組み付ける際には、シールリップ52の径方向内側の部分に形成された曲面が入力軸13の先端から外周面13aにかけて円滑に摺動する。したがって、入力軸13の組み付け過程で、入力軸13がシールリップ52に引っ掛かるようなこともなく、タービンハブ31に対する入力軸13の組み付け作業を円滑になし得る。
(6)上記実施形態では、潤滑油路において少なくとも径方向に延びる油路の一部となる各油溝46と、作動油路において少なくとも径方向に延びる油路の一部となる第2の作動油路a2(及び第3の作動油路a3の径方向内方側の油路)とが、各々の設置スペースを軸方向においてオーバーラップするように形成されている。そのため、発進装置11では、このオーバーラップ分だけ装置全体の軸長を短縮することが可能となる。したがって、作動油路及び潤滑油路という複数の油路がそれぞれ少なくとも径方向に延びる油路を含んだ油路構造をなして併設される場合でも、軸方向の長大化を抑制して発進装置11の小型化要請に応えることができる。
(7)上記実施形態では、潤滑油路における各油溝46と、作動油路における第2の作動油路a2(及び第3の作動油路a3の径方向内方側の油路)とは、各々の径方向外方側部分が入力軸13の軸線Lを中心とする周方向において互いに離間するように延設されることになる。そのため、互いの油路における少なくとも径方向に延びる油路の設置スペースが軸方向において部分的にオーバーラップする油路構成を簡便に実現することができる。
(8)上記実施形態では、作動油路における第3の作動油路a3の径方向内側の油路よりも潤滑油路における各油溝46を径方向外側に配置することにより、互いの油路の設置スペースが軸方向にオーバーラップする油路構成を簡便に実現することができる。
(9)上記実施形態では、タービンハブ31の軸方向の端面とハウジング16の内面との間にはスラストベアリング34a,34bが配置されているため、スラストベアリング34a,34bの軸方向の厚み分だけ発進装置11全体の軸長が長大化するという懸念がある。しかし、上記実施形態では、潤滑油路において前端面側のスラストベアリング34aを潤滑する各油溝46が作動油路の少なくとも径方向に延びる油路の一部である第2の作動油路a2(及び第3の作動油路a3の径方向内方側の油路部分)と軸方向において部分的にオーバーラップした油路構成になっているので、このような懸念に対して軸長の短縮化を図って好適に対応することができる。
(10)上記実施形態では、作動油路における軸方向に延びる油路を構成する第1の作動油路a1から径方向に延びる油路を構成する第2の作動油路a2が径方向外方に向けて曲げ形成される位置と発進クラッチ18の油圧室37とが軸方向において離れた配置となっている。しかし、この第2の作動油路a2と油溜まり室31aを介して連通する第3の作動油路a3がタービンハブ31の内部を直線的に油圧室37に向けて斜状に貫通しているので、ATFを速やかに油圧室37に供給することができる。
(11)上記実施形態では、作動油路における少なくとも径方向に延びる油路の一部である第3の作動油路a3は、入力軸13に対して一体回転可能に連結されたタービンハブ31に形成されている。そのため、タービンハブ31内の第3の作動油路a3の内径側の開口が入力軸13の外周面部分に形成された油孔43に対して常に径方向に沿って対向した配置となる。したがって、第1の作動油路a1を通じて供給される作動油圧を第3の作動油路a3を通じて発進クラッチ18に対して応答性良く供給することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、オイルシール50のシールリップ52における径方向内側の部分は必ずしも径方向外方に向けて曲げ形成されている必要はなく、直線状をなすように形成されていてもよい。なお、この場合、シールリップ52の径方向内側の部分は、軸方向に対して傾斜配置することが望ましい。
・上記実施形態において、入力軸13は、その先端面の周縁に対して面取り加工を施さなくてもよい。
・上記実施形態において、オイルシール50は、シールリップ52の径方向内側の部分を入力軸13の外周面13aに対して圧接するように付勢するスプリング部材53を省略した構成としてもよい。このようにした場合も、シールリップ52自体の弾性力によりシールリップ52の径方向内側の部分は入力軸13の外周面13aに弾性変形を伴って圧接し得る。
・上記実施形態において、オイルシール50は、タービンハブ31における貫通孔32の大径部32b内において入力軸13の外周面13aに開口する油孔43を軸方向の両側から挟んだ配置態様となるならば、前後一対に限らず、3つ以上のオイルシール50が配置される構成であってもよい。
・上記実施形態において、作動油路における径方向に延びる油路を構成する第2の作動油路a2及び第3の作動油路a3は、屈曲状もしくは湾曲状をなすように形成してもよい。
・上記実施形態において、タービンハブ31の軸方向前後両側に配置されるスラストベアリング34a,34bは省略してもよい。この場合、スラストベアリング34a,34bの設置スペースに相当する距離分だけ発進装置11の軸長を短縮することができる。
・上記実施形態において、作動油路における径方向に延びる油路の一部を構成する第3の作動油路a3は、潤滑油路における径方向に延びる油路の一部を構成する前端面側の各油溝46と、軸方向において油路全体がオーバーラップする構成であってもよい。
・上記実施形態において、潤滑油路の第1の潤滑油路b1の途中から径方向に延びる油路を曲げ形成し、その油路の油孔が貫通孔32内で入力軸13の外周面13aに油孔が開口するようにし、その油孔を軸方向の両側から挟んだ配置態様となるようにオイルシールを配設してもよい。
・上記実施形態において、作動油路における径方向に延びる油路の一部を構成する第2の作動油路a2及び第3の作動油路a3は、潤滑油路における径方向に延びる油路の一部を構成する各油溝46に対して入力軸13の軸線Lを中心とする周方向に油路延設方向がずれていなくてもよい。この場合でも、第3の作動油路a3の径方向内方側の油路部分が各油溝46の径方向内方側の部分よりも径方向内方側に位置するようにすれば、軸方向にオーバーラップした油路構造を形成できる。
・上記実施形態において、発進装置11は、多板式の発進クラッチ18を備えたものに限定されない。例えば、クラッチ機構に供給される作動油圧に基づき係合状態が切り替わるロックアップクラッチを備えたトルクコンバータ等にも適用できる。
本実施形態の発進装置の縦断面図。 本実施形態の発進装置の要部拡大断面図。 図2の3−3線矢視部分断面図。 本実施形態のオイルシール装着状態を示す斜視図。 変速機構の入力軸とタービンハブとの組み付け工程を説明する縦断面図。 変速機構の入力軸とタービンハブとの組み付け工程を説明する縦断面図。 変速機構の入力軸とタービンハブとの組み付け工程を説明する縦断面図。 変速機構の入力軸とタービンハブとの組み付け工程を説明する縦断面図。
符号の説明
11…発進装置、12…出力軸、13…入力軸、13a…入力軸の外周面、14…入力側部材としてのハウジング、18…クラッチ機構としての発進クラッチ、30…凹凸被係合部としてのスプライン、31…出力側部材としてのタービンハブ、31a…油溜まり室、32…貫通孔、33…凹凸係合部としてのスプライン、34a,34b…スラストベアリング、37…油圧室としてのシリンダ油室、43…油孔、45…潤滑油路における供給油路の少なくとも径方向に延びる油路を構成する油路形成凹部、46…潤滑油路における供給油路の少なくとも径方向に延びる油路を構成する油溝、47…潤滑油路における戻し油路の少なくとも径方向に延びる油路を構成する油溝、50…シール部材としてのオイルシール、51…嵌合部材、52…シールリップ、53…付勢部材としてのスプリング部材、a1…作動油路の軸方向に延びる油路を構成する第1の作動油路、a2…作動油路の少なくとも径方向に延びる油路を構成する第2の作動油路、a3…作動油路の少なくとも径方向に延びる油路を構成する第3の作動油路、b1…供給油路の軸方向に延びる油路を構成する第1の潤滑油路、b2…戻し油路の軸方向に延びる油路を構成する第2の潤滑油路。

Claims (4)

  1. 駆動源の出力軸に連結された入力側部材と、
    変速機構の入力軸を挿通可能な貫通孔を有し、且つ該貫通孔に前記入力軸が先端部から挿通されることにより該入力軸に対して一体回転可能に連結される出力側部材と、
    クラッチ作動することにより前記入力側部材と前記出力側部材とを動力伝達可能に直結するクラッチ機構と、
    前記変速機構の入力軸に前記出力側部材が連結された状態において前記貫通孔の内周面と対向する前記入力軸の外周面部分に油孔が開口するように前記入力軸に穿設された油路と、
    該油路の前記油孔を前記入力軸の軸方向の両側から挟んだ配置態様となるように前記入力軸の外周面と前記貫通孔の内周面との間に介設されるシール部材とを備え、
    該シール部材は、
    前記出力側部材の前記貫通孔内に該貫通孔の内周面に圧接するように嵌入される環状の嵌合部材と、
    該嵌合部材に径方向外側の部分が固着されると共に径方向内側の部分が前記入力軸の外周面に対して弾性変形を伴いながら摺接可能に形成された環状のシールリップとを備え
    前記入力軸の外周面には、前記出力側部材における前記貫通孔の内周面に形成された凹凸係合部に対して前記出力側部材と前記入力軸とを該入力軸の軸方向には相対移動可能に且つ周方向には相対移動不能に係合する凹凸被係合部が形成されており、
    該凹凸被係合部は、前記入力軸の外周面において、前記シール部材が配置される位置よりも前記入力軸の基端側となる位置に形成されていることを特徴とする発進装置。
  2. 請求項1に記載の発進装置において、
    前記シール部材は、前記シールリップの径方向内側の部分を前記入力軸の外周面に対して圧接するように付勢する付勢部材を更に備えていることを特徴とする発進装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の発進装置において、
    前記変速機構の前記入力軸における先端面の周縁は面取り加工が施されていることを特徴とする発進装置。
  4. 請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の発進装置において、
    前記シール部材は、前記シールリップの径方向内側の部分における前記入力軸の外周面が摺接する部位が、前記入力軸の外周面との摺接に基づき該外周面上に前記径方向内側の部分を乗り上げさせ得る面形状をなすように形成されていることを特徴とする発進装置。
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