JP4974313B2 - アセトニトリルの改善された精製および回収 - Google Patents

アセトニトリルの改善された精製および回収 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粗製アセトニトリル中に存在する実質上全てのアクリロニトリル不純物を容易に取り除くためのプロセスに関する。
【0002】
【従来の技術】
アンモニアおよび酸素を用いるプロピレンの接触アンモ酸化(catalytic ammoxidation)によるアクリロニトリルの製造において、粗製アセトニトリル副生成物が生成される。用語「粗製アセトニトリル」は、シアン化水素、水、および他の不純物を含有する液体アセトニトリルを意味する。他の不純物は、アクリロニトリル、アセトアルデヒド、アセトン、メタノール、アクロレイン、オキサゾール、シス−およびトランス−クロトノニトリル、メタクリロニトリルならびにアリルアルコールを含み得る。粗製アセトニトリルの成分の相対的な割合は、種々の条件に依存して広範囲に変化し得る。粗製アセトニトリル中の有機不純物の濃度レベルは、2重量%〜4重量%より高い濃度で単一の有機成分が見出されることなく、通常は15%未満である。通常、アクリロニトリルプラントから得られた粗製アセトニトリルは、25%と85%との間のアセトニトリルを含有する。代表的には、粗製アセトニトリルは、52%のアセトニトリル、43.6%の水、2.5%のシアン化水素、0.5%のアクリロニトリルおよび1.3%の上記したような他の有機不純物の重量基準で構成される。元来、アクリロニトリル製造時には、生成した粗製アセトニトリルは焼却によって処分された。しかし、近年では、この物質を回収し、精製し、そして販売して、このプロセスに価値を付加する。
【0003】
アクリロニトリルの製造時に生成される粗製アセトニトリル副生成物の「第1段階」精製には2つの基礎技術がある。代表的には、これらのプロセスは、バルク溶媒用途に対して十分な純度を有するアセトニトリルを生成する。最も主要で、かつ最も一般的に実施される技術はバッチプロセスである。このプロセスでは、粗製アセトニトリルを蒸留し、低沸点蒸留物であるバルクのHCNを除去する。次いで、残留物質を、強塩基の混合物(一般的には、水酸化ナトリウム、ホルムアルデヒドおよび水)あるいは強塩基および硫酸鉄のいずれかと反応させ、残留するHCNを実質的に全て取り除く。(米国特許第4,328,075号および同第3,201,451号を参照のこと。)次いで、HCNを含まない物質を蒸留し、約25%の水を含有するアセトニトリル/水共沸混合物を生成する。続いてこの共沸混合物を無水塩化カルシウムと共にスラリー化し、この共沸混合物中からバルクの水を除き、そして約3%〜5%の水を含有するアセトニトリル/水混合物を生成する。次いで、この混合物を蒸留し、多くの用途で受容可能な純度を有するアセトニトリル生成物を生成する。代表的には、この物質は、数重量ppmのアクリロニトリルまたはUVスペクトルにおいて強く吸収する他の不純物を含む。
【0004】
「第1段階」精製アセトニトリルを生成する第2の方法は、連続的な回収プロセスである。この回収プロセスは以下の工程を包含する:(1)粗製アセトニトリルを蒸留ゾーンで、1気圧以上の圧力で第1の蒸留を行い、バルクのHCNを取り除く工程;(2)この共沸混合物をダイジェスターを通過させ、ダイジェスター中で、塩基およびホルムアルデヒドの水溶液での処理によって、残留HCNを取り除く工程;(3)1気圧未満の圧力で第2の蒸留を行い、この物質を、水を含有する底部生成物と高濃度のアセトニトリルを含有する第2のアセトニトリル/水共沸混合物とに分離する工程;(4)および、第1の蒸留での圧力より高圧力で第3の蒸留を行い、側留(side stream)として精製アセトニトリルを生成する工程。このプロセスは、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第4,362,603号に記載され、そしてこの特許は本明細書中に参考として援用される。この方法によって精製されるアセトニトリルは、数重量ppmまでのアクリロニトリル、アセトアミド、オキサゾールまたは他のUV吸収不純物を含有し得る。
【0005】
バルク溶媒グレードのアセトニトリルを形成するために、これら2つの基本手順が広く許容される一方で、アセトニトリル生成において、クロマトグラフィー用途にこれらの方法を使用することは、このアセトニトリルが比較的多量のUV吸収不純物を含有するために、許容されない。UV吸収不純物(<190nmに不純物に対するUVカットオフ)を実質的に含まない、高性能(HPLCグレード)のアセトニトリルについて紛れもなく市場がある。
【0006】
HPLCグレードのアセトニトリルの仕様は、第1段階精製によって生成した物質を許容不可とし、従って、HPLCグレードのアセトニトリルの製造者によるさらなるプロセスが必要となる。このような高グレードの純度を達成するために、従来のアセトニトリル精製の商業的方法では、コストのかかる複数工程のプロセス(例えば、過マンガン酸酸化、酸処理、五酸化リンによる乾燥、および2回の蒸留を包含する)を用いる。
【0007】
さらに最近の手順は、米国特許第5,292,919号および同第5,426,208号において、オゾンによるアセトニトリル処理に続いて、木炭または黒鉛化炭素、活性アルミナ、および/またはモレキュラーシーブからなる一連の吸着床にアセトニトリルを通す工程について開示する。
【0008】
いくつかの他の特許および参考文献は、酸性イオン交換樹脂を用いて、アセトニトリルから不純物を取り除くアセトニトリルの精製を記載する。英国特許第1,223,915号は、一連の強酸カチオン交換樹脂を使用し、塩基(アンモニアおよび3,3’−イミノジプロピオニトリル)濃度を減少させること(アセトニトリル水溶液中において、各々500ppmから、それぞれ10ppmおよび50ppm未満まで)を記載する。このレベルの純度ではまだ、HPLCグレードのアセトニトリルとして許容されない。
【0009】
本発明のプロセスは、粗製アセトニトリル中に存在する実質上全てのアクリロニトリル不純物(特にアクリロニトリルの製造時に副生成物として生成される粗製アセトニトリル)を容易に取り除くための改良した工程に関するものである。加えて、本発明のプロセスは粗製アセトニトリルの中間流の生成をもたらし、これはHPLCグレードのアセトニトリルを製造するためのプロセスを簡略化し、実質上経済的節約をもたらす。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、粗製アセトニトリル中に存在する実質上全てのアクリロニトリル不純物を容易に取り除くための改良されたプロセスを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、不純物としてアクリロニトリルを含む粗製アセトニトリルの処理のためのプロセスであって、不純物としてアクリロニトリルを含む粗製アセトニトリルと水とを蒸留カラムの上部に供給する工程、実質的に全てのアクリロニトリル不純物が水の存在下で蒸気化し、そして該蒸留カラムから出るオーバーヘッド流れ中に除去されるのに充分な時間にわたって水の存在下で、該粗製アセトニトリルを蒸留する工程、およびアクリロニトリル不純物を実質的に含まない該粗製アセトニトリルを該蒸留カラムの下部から回収する工程を包含する、プロセスに関する。
【0012】
好適な実施態様では、上記プロセスにおいて、上記水が、上記粗製アセトニトリルが上記蒸留カラムに入るポイントよりも上部から該蒸留カラムに供給される。
【0013】
1つの実施態様では、上記蒸留塔が、複数のトレーを備え、そして上記水が、上記蒸留カラム中に存在する最上部のトレーよりも上部のポイントから該蒸留カラムに供給される。
【0014】
好適な実施態様では、上記プロセスにおいて、蒸留温度が約60℃〜71℃(140°F〜160°Fの間に維持される。
【0015】
本発明はまた、HPLCグレードのアセトニトリルを製造するためのプロセスであって:
工程1)少なくとも1気圧の第1圧力で、不純物としてアクリロニトリルを含む粗製アセトニトリルと水とを、第1オーバーヘッド還流ループを備える第1蒸留カラムに供給し、実質的に全てのアクリロニトリル不純物が水に吸収され、そして該第1蒸留カラムから出るオーバーヘッド流れ中の該粗製アセトニトリルに存在するHCN不純物と共に除去されるのに充分な時間該粗製アセトニトリルを蒸留し、アクリロニトリル不純物と水を含有する第1底部生成物とを実質的に含まない第1アセトニトリル/水共沸混合物および水を含有する第1底部生成物とを生成する工程、
工程2)第2オーバーヘッド還流ループを備える第2蒸留カラム中において、1気圧未満の第2圧力で該第1アセトニトリル/水共沸混合物を蒸留し、該第1アセトニトリル/水共沸混合物を、水を含有する第2底部生成物と該第1アセトニトリル/水共沸混合物より高いアセトニトリル濃度を有する第2アセトニトリル/水共沸混合物とに分離する工程、
工程3)第3オーバーヘッド還流ループを備える第3蒸留カラム中において、1気圧より高い第3圧力で該第2アセトニトリル/水共沸混合物を蒸留し、該第2アセトニトリル/水共沸混合物からの実質的に全量の水を含有する第3アセトニトリル/水共沸混合物、アセトニトリルおよび重質有機物を含む第3底部生成物、ならびに高純度アセトニトリルを含む側留を生成する工程、および
工程4)該高純度アセトニトリル側留を酸性イオン交換樹脂に通し、該高純度アセトニトリルをさらに精製し、そしてHPLCグレードアセトニトリルを生成する工程
を包含し、
ここで、工程1、工程2および工程3における還流比が、それぞれ、2.7:1より大きく、2.2:1より大きく、および3.0:1より大きく維持される、プロセスに関する。
【0016】
好適な実施態様では、上記プロセスにおいて、上記工程1における還流比が約4.4:1より大きい。
【0017】
1つの実施態様では、上記プロセスにおいて、上記工程2における還流比が約4.5:1より大きい。
【0018】
1つの実施態様では、上記プロセスにおいて、上記工程3における還流比が約8.0:1より大きく維持される。
【0019】
好適な実施態様では、上記プロセスにおいて、上記酸性イオン交換樹脂が、硫酸官能基を組み込んだ強酸樹脂を含むように選択される。
【0020】
好適な実施態様では、上記プロセスにおいて、上記酸性イオン交換樹脂が、カルボン酸官能基を組み込んだ弱酸樹脂を含むように選択される。
【0021】
好適な実施態様では、上記プロセスが、上記酸性イオン交換樹脂から回収された精製アセトニトリルを蒸留する工程をさらに包含する。
【0022】
1つの実施態様では、上記プロセスにおいて、上記工程1における還流比が約4.4:1より大きい。
【0023】
1つの実施態様では、上記プロセスにおいて、上記工程2における還流比が約4.5:1より大きい。
【0024】
1つの実施態様では、上記プロセスにおいて、上記工程3における還流比が約8.0:1より大きく維持される。
【0025】
1つの実施態様では、上記プロセスにおいて、上記酸性イオン交換樹脂が、硫酸官能基を組み込んだ強酸樹脂を含むように選択される。
【0026】
1つの実施態様では、上記プロセスにおいて、上記酸性イオン交換樹脂が、カルボン酸官能基を組み込んだ弱酸樹脂を含むように選択される。
【0027】
本発明の第1の目的は、粗製アセトニトリル中に存在するアクリロニトリル不純物を実質上取り除くための改良されたプロセスを提供することである。
【0028】
本発明のさらなる目的は、アクリロニトリル製造時の副生成物として得られた粗製アセトニトリル中に存在するアクリロニトリル不純物を実質上取り除くための改良されたプロセスを提供することである。
【0029】
本発明のなおさらなる目的は、HPLCグレードのアセトニトリルを製造するための改良されたプロセスを提供することである。
【0030】
本発明の別の目的は、溶媒グレードのアセトニトリルの製造の回収率を高め製造リサイクルプロセスを提供することである。
【0031】
本発明のさらなる目的、利点および新規な特徴は、一部が以下に記載され、そして一部は以下の検討において当業者に明白となるか、または本発明の実施によって習得され得る。本発明の目的および利点は、添付の特許請求の範囲において特定される手段および組み合わせによって実現され、かつ得られ得る。
【0032】
【発明の実施の形態】
本明細書において具体化され、そして記載される本発明の目的に従って、上記の目的を達成するために、本発明の方法は、不純物としてアクリロニトリルを含む粗製アセトニトリルと水とを蒸留カラムの上部に供給する工程と、実質上全てのアクリロニトリル不純物が水によって気相に移動し、その結果蒸留カラムから出るオーバーヘッド流に除去されるのに充分な時間、水の存在下で、粗製アセトニトリルを蒸留する工程と、蒸留カラムの下部から実質上アクリロニトリル不純物を含まない粗製アセトニトリルが回収される工程とを包含する。
【0033】
本発明のプロセスの好適な実施態様において、水は粗製アセトニトリルが蒸留カラムに入るポイントよりも上部からカラムに供給される。
【0034】
本発明のプロセスのさらなる好適な実施態様において、蒸留塔は複数のトレーを備え、そして水が、蒸留カラム中に存在する最上部のトレーよりも上部のポイントから蒸留カラムに供給される。
【0035】
本発明のプロセスのさらなる好適な実施態様において、蒸留塔はパッキングを備える。
【0036】
本発明のプロセスのさらなる好適な実施態様において、軽留分カラム上部における蒸留温度は約18psiaの圧力において約60℃〜71℃(140°F〜160°F(好ましくは62℃〜68℃(144°F〜155°F、とりわけ好ましくは64℃〜67℃(148°F〜152°Fであること)の間である。
【0037】
本発明のプロセスは軽留分カラムの側留から回収されたアセトニトリルを製造することを可能にし、このアセトニトリルは先に軽留分カラムの側留から回収された側留アセトニトリルと比較して、実質的にアクリロニトリル不純物のレベルが低減されている。例えば、本発明のプロセスの実施の間に回収された側留アセトニトリル中のアクリロニトリル不純物のレベルは約240ppmから約40ppmまで減少しており、これは代表的な軽留分のカラムの側留の粗製物に存在するアクリロニトリル不純物の量が約600%減少したことを示している。本発明のプロセスを実施している間に生成物カラム側留から得られる溶媒グレードのアセトニトリル生成物は約1〜3ppmの範囲から100ppb検出下限未満の値まで減少する。
【0038】
本発明のプロセスの実施がHPLCグレードのアセトニトリルを製造する二次工程と連動している場合には、実質的な経済上の利益をもたらすことがさらに見いだされている。本発明の実施が、以前のプロセスの蒸留手順により得られる代表的な溶媒グレードのアセトニトリルと比較して、検出可能なアクリロニトリルを含まない溶媒グレードのアセトニトリル生成物の製造をもたらすことから、HPLCグレードのアセトニトリルを製造するための溶媒グレードのアセトニトリルの下流の処理(downstream treatment)の間で、実質的に苛性性が低く(例えば、60%〜70%)そしてホルムアルデヒドをほとんど加える必要がないことが見出されている。実際、これまでのプロセスにおいて必要だったHPLC苛性処理に比べて、約80%〜85%の苛性使用量が減少し、ダイジェスター(digester)操作の簡略化をもたらし、操作上の問題点に関連する重合が減少しそして精製プロセスの全体にわたる実質的なコスト節約をもたらす。
【0039】
HPLCグレードのアセトニトリル製造のための好適な製造プロセスの詳細は本出願の譲受人に譲渡された同時係属中の米国出願第08/632382号(4/10/96提出)に詳細に記載され、そして本明細書中に参考として援用される。
【0040】
本明細書において具体化されそして記載される本発明の別の目的に従って、本発明の方法は以下の工程を包含する:(工程1)第1オーバーヘッド還流ループを備える第1蒸留カラムの上部に、不純物としてアクリロニトリルを含む粗製アセトニトリルと水とを供給し、少なくとも1気圧の第1圧力で、水の存在下実質上全てのアクリロニトリル不純物が蒸気化し粗製アセトニトリル中に存在するHCN不純物と共に第一蒸留カラムから出るオーバーヘッド流として除去されるのに充分な時間粗製アセトニトリルを水と共に蒸留し、実質的にアクリロニトリル不純物と水を含有する第1底部生成物(bottom product)とを含まない第1アセトニトリル/水共沸混合物および水を含有する第1底部生成物を生成する工程;(工程2)第2オーバーヘッド還流ループを備える第2蒸留カラム中において、1気圧未満の第2圧力で第1アセトニトリル/水共沸混合物を蒸留して、第1アセトニトリル/水共沸混合物を、水を含有する第2底部生成物と、第1アセトニトリル/水共沸混合物より高いアセトニトリル濃度を有する第2アセトニトリル/水共沸混合物とに分離する工程;(工程3)第3オーバーヘッド還流ループを備える第3蒸留カラム中において、1気圧より高い第3圧力で第2アセトニトリル/水共沸混合物を蒸留し、実質的に第2アセトニトリル/水共沸混合物からの全ての水を含有する第3アセトニトリル/水共沸混合物、アセトニトリルおよび重質有機物を含む第3底部生成物、ならびに高純度アセトニトリルを含む側留を生成する工程;および(工程4)高純度アセトニトリル側留を酸性イオン交換樹脂に通し、高純度アセトニトリルをさらに精製し、そしてHPLCグレードのアセトニトリルを生成する工程。ここで、工程1、工程2および工程3における還流比は、それぞれ、2.7:1より大きく、2.2:1より大きく、および3.0:1より大きく保たれる。
【0041】
上記で使用されるように、用語「還流比」は以下のように定義される:第1カラム(軽留分カラム)については、還流比は、オーバーヘッド還流の流速をカラム側部からダイジェスターへの供給速度で割った比として定義される。第2蒸留(乾燥カラム)については、還流比は、オーバーヘッド還流の流速と生成物カラムへ流れ出るオーバーヘッドの速度との比として定義される。第3の蒸留カラム(生成物カラム)については、還流比は、オーバーヘッド還流の流速とアセトニトリル生成物の側留の流速との比として定義される。
【0042】
本発明の好ましい実施態様においては、軽留分カラムの還流比は、好ましくは4.4:1より大きく、乾燥カラムの還流比は、好ましくは4.5:1より大きく、そして生成物カラムの還流比は、好ましくは8.0:1より大きい。特に好ましくは、軽留分カラムの還流比は5.2:1より大きく、乾燥カラムの還流比は5.0:1より大きく、そして生成物カラムの還流比は10.9:1より大きい。
【0043】
酸性イオン交換樹脂は、それらのH+形態で使用される。樹脂床の再生は、当該分野において公知の任意の従来手順によって樹脂床全体にわたって硫酸または塩酸溶液を通して行われ得る。再生後、樹脂床を、床容量の数倍の量のアセトニトリルで洗浄して、床を乾燥し、そして不純物を除去する。
【0044】
樹脂処理の工程は、当該分野で公知の任意の様式で行われ得る。樹脂処理の工程は、好ましくは、連続的な固定床プロセスとして行われ得るが、例えば、(任意に)撹拌されたタンク反応器中のスラリー様式操作は、本発明の範囲内である。室温、または必要に応じて高温もしくは低温での連続様式で、ならびに上方流または下方流のいずれかを用いて、好ましくは15℃〜35℃の温度で、吸着床は操作され得る。1時間当たり約0.1〜300床容量の範囲の流速は、本発明のプロセスの範囲内であるが、この範囲外での操作もまた十分である。好ましくは、流速は1時間当たり0.2〜50床容量の範囲である。最も好ましくは、流速は1時間当たり0.5〜35床容量の範囲である。
【0045】
最後に、HPLCグレードのアセトニトリルの最終的な蒸留は任意であり、かつ当該分野で公知の従来の手段で行われ得る。好ましくは、蒸留手段は、ガラスまたはステンレス鋼の装置中での蒸留であるが、アセトニトリルに対して不活性であり、かつ汚染物質を含まない他の構造物質は本発明の範囲内である。分留は、Oldershawカラム、または床、らせん、トレー、ターニング、サドル、もしくは当該分野で公知の他の従来のパッキング物質で充填されたカラムで達成され得る。
【0046】
本発明の実施に有用な適切なイオン交換樹脂は、硫酸官能基を組み込んだ強酸型(ゲル形態、またはマクロ網状もしくはマクロ細孔形態のいずれか)を含む。例として、Amberlyst 15、Amberlyst XN 1010、Dowex 50、Amberlite IRP−69、Amberlite IR−118、およびこれらの等価物が挙げられるが、これらに限定されない。また、受容可能であるがあまり好ましくないイオン交換樹脂は、カルボン酸官能基を組み込んだ、いわゆる弱酸樹脂(ゲル形態、またはマクロ網状もしくはマクロ細孔形態のいずれか)である。このクラスの樹脂の例としては、Amberlite IRP−64およびIRC−50Sが挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましくは、非水性用途に特別に設計された強酸樹脂(例えば、Amberlyst 15)である。
【0047】
本発明のプロセスによれば、不純物としてアクリロニトリルを含む粗製アセトニトリルおよび水は蒸留カラムの上部から供給される。次いで、粗製アセトニトリルは、粗製アセトニトリル中に存在する実質上全てのアクリロニトリル不純物が水の存在下で蒸気化されて、蒸留カラムから出るオーバーヘッド流中に除去され得るのに充分な時間、水の存在下で蒸留される。実質上アクリロニトリル不純物を含まない粗製アセトニトリルが、蒸留カラムの下部から(好ましくは側留として)回収される。
【0048】
本発明の実施の別の局面において、実質上アクリロニトリル不純物を含まない粗製アセトニトリルはさらに処理され、高純度アセトニトリルが回収される。「高純度」アセトニトリルは、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)グレードのアセトニトリル(非常に高純度のアセトニトリル)、すなわち、<190nmのUV吸収カットオフを有する、UV吸収不純物をほとんど含まない(0.1〜0.3ppm(最大)より十分に低い)アセトニトリルを意味する。本発明に従って処理される粗製アセトニトリルは、少なくとも15%の水を含有する任意のアセトニトリル/水混合物である。従って、本発明のプロセスは、種々の水/アセトニトリル共沸混合物の処理に適用され得る。しかし、本発明は、酸素およびアンモニアを用いてアクリロニトリルを形成するプロピレンのアンモ酸化によって製造される粗製アセトニトリル流の処理において最も広い用途を見い出す。上記のように、このような粗製アセトニトリル流は、通常約52%のアセトニトリル、43.6%の水、0.5%のアクリロニトリル、2.5%のHCNおよび1.3%の他の少量の不純物(例えば、オキサゾール、アリルアルコール、アセトンおよびプロピオニトリル)を含有する。
【0049】
アクリロニトリルプラントから回収され、そして上記組成を有する粗製アセトニトリルは、本発明により簡便に処理され得る。HPLCグレードのアセトニトリルの製造に応用した場合の本発明のプロセスは、図面にフロースキームで示されているプロセスに従って、ここで詳細に参照される。
【0050】
この好適な系によれば、粗製アセトニトリルは入口ライン14を経て、そして水は入り口ライン12または必要に応じてライン13を経て、軽留分カラム16に供給され、ここで不純物としてアクリロニトリルを含む粗製アセトニトリルは、約140゜F〜160゜F(好ましくは144゜F〜155゜F、特に好ましくは148゜F〜152゜F)の間の温度、約18psiaの圧力にて、実質量のアクリロニトリル不純物が抽出蒸留によって蒸気化されそしてライン18を経てカラムから取り除かれ得るのに充分な時間蒸留される。粗製アセトニトリル中の軽量不純物(すなわちHCN、オキサゾールおよびアセトン)もまた蒸気回収物(draw)として軽留分カラム16からライン18を経て回収され、そしてアクリロニトリルと共に凝縮され、そして還流ライン17を経てカラム16の上方領域に還流により戻される。好ましくは、上記で定義される還流比は2.7:1より大きい。回収されないオーバーヘッドはライン18から取り除かれ、そして廃棄物処理のためベントスクラバー(vent scrubber)(図示せず)あるいは任意の他の従来の手段に輸送される。水は軽留分カラム16の底部から回収され、そしてリボイラー21を通って一部リサイクルしながらライン20を経て廃棄物処理に排出される。約70%のアセトニトリル、30%の水、500ppmのHCN、40ppm〜60ppmの範囲のアクリロニトリルおよび極微量の重質有機物(heavy organic)を含有する第1のアセトニトリル/水共沸混合物は、コンデンサー23中で凝縮された蒸気副回収物としてライン22を経て回収され、そしてライン25を経てダイジェスター24に輸送される。
【0051】
水酸化ナトリウムとホルムアルデヒドとの水溶液を含むHCNダイジェスターの組成物は、ライン26を経てダイジェスター24に添加され、その結果、第1の共沸混合物中に残存する任意のHCNおよびアクリロニトリルが分解(destroy)される。前述のように、必要とされる苛性物およびホルムアルデヒド(formaaldehyde)添加剤の量は本発明のプロセスの実施においては実質的に減少しており、実際、本発明のプロセスの最適条件下での実施においてはホルムアルデヒドの使用は削除することさえも可能であることが想定される。
【0052】
ダイジェスター24を通って出てくる、HCN−アクリロニトリルを含まないアセトニトリル/重質有機物と水との混合物はライン30を経て乾燥カラム32に充填され、そして回収されない物質は、オーバーヘッドとしてライン27を経てダイジェスター24から取り除かれ、そしてライン18中で合わせられてベントスクラバーおよび廃棄物処理に輸送される。さらに、少量の重質不純物を含有するアセトニトリルを含む流れもまた、生成物カラム42からライン34を経て乾燥カラム32に充填される。乾燥カラム32中で、アセトニトリル/重質有機物と水との混合物は1気圧より低い圧力(例えば、3.4psi)にて蒸留され、そして重質有機物は、廃棄物処理のために、リボイラー39を経ていくらかリサイクルされて戻されながら、ライン36を経てカラム32の底部に排出され、そして約10%の水を含有する第2のアセトニトリル/水共沸混合物を含むガス状の頂部回収物は、カラム32からライン38を経て取り除かれる。この第2の共沸混合物の少なくとも一部は、コンデンサー40で凝縮され、そして還流ライン37を経てカラム32に還流で戻される。上記で定義されるこの工程における還流比は2.2:1より大きい。
【0053】
第2のアセトニトリル/水共沸混合物は、ライン38を経てコンデンサー40に充填され、ここで凝縮され、ライン43を経て熱交換器44を通過し、ここで加熱され、次いでライン45を経て生成物カラム42に充填される。生成物カラム42において、第2のアセトニトリル/水共沸混合物は高圧(例えば、50psia)にて蒸留される。重質不純物を含有するアセトニトリルを含む底部生成物は、生成物カラム42の底部からリボイラー46に回収され、一部はライン41を経てカラム42に、そしてライン34を経て乾燥カラム32にリサイクルされる。第3のアセトニトリル/水共沸混合物はライン28を経て生成物カラム42の頂部から回収され、そして凝縮され、そして還流ライン47を経て生成物カラム42の頂部に戻される還流物としてリサイクルされる。凝縮されない蒸気はライン28を経て共沸コンデンサー23まで続き、ここで第1の共沸混合物と混合される。あるいは、これらの凝縮されない蒸気はライン29および14を経て軽留分カラム16に別ルートで送られ得る。好ましくは、上記で定義されるように還流比はプロセスのこの工程について3.0:1より大きい。本発明の別の実施態様において、生成物カラムのオーバーヘッド流28からのいくらかの液体は、ライン48を経て乾燥カラム32に、またはライン41を経てダイジェスター24にリサイクルされ得る。生成物カラム42は高圧にて操作されるので、生成物カラム42に充填された第2のアセトニトリル/水共沸混合物中の全ての水は生成物カラム42のオーバーヘッド流(すなわち、第3のアセトニトリル/水共沸混合物)中に回収され、生成物カラム中に高純度のアセトニトリルが残る。この高純度アセトニトリル(99.8重量%アセトニトリル)はライン50を経て側留(この流れは蒸気でも液体でもよいが、好ましくは蒸気である)としてカラム42から回収され、そして熱交換器51中で冷却された後、ライン52を経て樹脂処理床54に排出され、ここで高純度アセトニトリルは処理されてHPLCグレードのアセトニトリルを生成し、これはライン56を経て生成物タンク58に回収される。
【0054】
乾燥カラム32における蒸留温度は、約75゜F〜90゜Fの間、好ましくは78゜F〜88゜Fの間で変動する。生成物カラム中の代表的な蒸留温度は約250゜F〜260゜F、好ましくは255゜F〜258゜Fの間である。
【0055】
本発明のプロセスの好ましい実施態様において、以下の制御スキーム(scheme)(図示されない)が手段として用いられ得る。軽留分カラム下部の温度はその制御を供給流量制御に連動させる(cascading)ことによって制御している。軽留分カラム温度制御ターゲットはカラム下部の圧のターゲットと関連する平衡式によってセットされる。リボイラー蒸気流量は側留圧を制御する。側留の蒸気の共沸コンデンサーへの流れはダイジェスターにおけるレベルの制御に使用される。冷却塔のコンデンサーへの水の流れはオーバーヘッドの温度の制御に使用される。次いで、オーバーヘッド温度ターゲットは軽留分カラムの上部における一定の組成を確実なものにするために軽留分カラム温度プロフィール(profile)を保持するように変化する。軽留分下部レベルは下部ブローダウン(blowdown)流れによって制御される。このような制御スキームは、溶媒水の添加との連結において、軽留分カラムから出る3つの流れすべてのより一定した組成を確実にする。
【0056】
いったん、共沸コンデンサーレシーバー(receiver)の液面が確立されるとダイジェスターへの供給が開始され得る。苛性物の添加の割合は乾燥カラム供給分に混入したアクリロニトリルがごく少量であることを確実にするように制御される。苛性物の添加は溶媒水の添加に応じて低下するアクリロニトリルの量を反映する。乾燥カラム供給は望ましい生成率に基づいて手動で固定された流れである。その他の全てのカラム供給割合は、最後に乾燥カラムの一定の流れによって決定される。乾燥カラムの圧力降下はリボイラー蒸気流量の変動によって制御される。還流流れは還流ドラムのレベルを制御する。下部レベルは乾燥カラムの下部ブローダウンに合わせて制御される。乾燥カラム下部温度は生成物カラム供給流れに合わせて制御される。ちょうど軽留分カラムにおける場合と同じように、この制御スキームは乾燥カラムから出る2つの流れのより一定した組成を確実にする。乾燥カラムの圧力降下と蒸気流量を連動させることにより、軽留分カラムについて述べたように出力を一定に保つ。
【0057】
生成物カラムの下部レベルは生成物カラムの側留流れを調整することによって制御される。生成物カラムの下部流れは手動で固定された流れである。リボイラー蒸気も同様に固定されたインプットである。還流流れは生成物カラムのトレーの温度を制御する。蒸気回収も同様に固定される。軽留分カラムと乾燥カラムとの間の生成物カラムの液体回収スプリット(split)は回収物中に存在するオキサゾールの量によって決められる(targetted)。生成物カラムから軽留分カラムへの液体回収量の比率を30%から10%へ変更すると、アセトニトリル回収プロセスにおいて実質的に経済的な利益があることがさらに見いだされている。これは生成物カラムから乾燥カラムのみに回収される量が70%から90%へ増加することを意味する。プラントデータと同じようにモデル化したプロセスで回収効率の増加とプロセス能力が実施試験された。
【0058】
【実施例】
以下に示される実施例は、本発明の実施の例示である。
(実施例1)
軽留分カラム供給量約12gpmにおいて、軽留分カラム側留は軽留分カラム側留蒸気組成物中に約240ppmという典型的なアクリロニトリル濃度を示していた。軽留分カラムの設定ポイントに何の訂正や変更を加えることなく最上部のトレーに溶媒水を加えてから30分以内で軽留分カラム側留蒸気中のアクリロニトリル濃度は約40ppmまで降下した。これを理由にダイジェスター中の苛性物消費量が約120インチの苛性物/シフト(shift)から約30インチの苛性物/シフトに変更された。そのような苛性物消費量の劇的な減少にあっても、生成物カラム側留のアクリロニトリル含有量は約3ppmから検出下限の100ppb(parts per billion)未満に減少した。
【0059】
典型的なアセトニトリル精製単位操作において、アセトニトリル生成物カラムは生成物カラム液体オーバーヘッド還流流れ6gpmにおいて操作される。軽留分カラムへおよそ1.8gpm回収するかわりに本発明者らが0.6gpmだけ回収を行った場合、軽留分カラムで1.2gpm分を再処理する必要はない。この1.2gpmという量は上記の実施例1において軽留分カラム供給量とされている12gpmの約10%であった。これは軽留分カラムの荷重を約10%減少し(download)、回収効率を増加し、そしてプロセス全体のエネルギー消費量を削減する。
【0060】
本発明の方法は不純物としてアクリロニトリルを含む粗製アセトニトリルと水とを蒸留カラムの上部から供給する工程、実質上全てのアクリロニトリル不純物が水の存在下で蒸気化されるのを可能にするのに十分な時間、水の存在下で粗製アセトニトリルを蒸留する工程、蒸留カラムから出るオーバーヘッド流中の実質上全てのアクリロニトリルを取り出す工程、および実質上アクリロニトリル不純物を含まない粗製アセトニトリルを、蒸留カラムの下部から回収する工程を包含する。特に本方法はHPLCグレードのアセトニトリル(<190nmのUVカットオフ)の製造に利用され得る。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、粗製アセトニトリル中に存在する実質上全てのアクリロニトリル不純物を容易に取り除くための改良されたプロセスが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のプロセスの実施におけるフローダイヤグラムである。
【符号の説明】
16 軽留分カラム(第1蒸留カラム)
24 ダイジェスター
32 乾燥カラム(第2蒸留カラム)
42 生成物カラム(第3蒸留カラム)
54 樹脂処理床
58 生成物タンク

Claims (15)

  1. 不純物としてアクリロニトリルを含む粗製アセトニトリルの処理のためのプロセスであって、不純物としてアクリロニトリルを含む粗製アセトニトリルと水とを蒸留カラムの上部に供給する工程、実質的に全てのアクリロニトリル不純物が水の存在下で蒸気化し、そして該蒸留カラムから出るオーバーヘッド流れ中に除去されるのに充分な時間にわたって水の存在下で、該粗製アセトニトリルを蒸留する工程、およびアクリロニトリル不純物を実質的に含まない該粗製アセトニトリルを該蒸留カラムの下部から回収する工程を包含し、該水が、該粗製アセトニトリルが該蒸留カラムに入るポイントよりも上部から該蒸留カラムに供給される、プロセス。
  2. 前記蒸留塔が、複数のトレーを備え、そして前記水が、前記蒸留カラム中に存在する最上部のトレーよりも上部のポイントから該蒸留カラムに供給される、請求項1に記載のプロセス。
  3. 蒸留温度が60℃〜71℃(140°F〜160°F)の間に維持される、請求項1に記載のプロセス。
  4. アクリロニトリル不純物を実質的に含まないアセトニトリルを製造するためのプロセスであって:
    (工程1)少なくとも1気圧の第1圧力で、不純物としてアクリロニトリルを含む粗製アセトニトリルと水とを、第1オーバーヘッド還流ループを備える第1蒸留カラムに供給し、実質的に全てのアクリロニトリル不純物が水に吸収され、そして該第1蒸留カラムから出るオーバーヘッド流れ中の該粗製アセトニトリルに存在するHCN不純物と共に除去されるのに充分な時間該粗製アセトニトリルを水の存在下で蒸留し、アクリロニトリル不純物と水を含有する第1底部生成物とを実質的に含まない第1アセトニトリル/水共沸混合物および水を含有する第1底部生成物とを生成する工程であって、該水が、該粗製アセトニトリルが該蒸留カラムに入るポイントよりも上部から該蒸留カラムに供給される工程、
    (工程2)第2オーバーヘッド還流ループを備える第2蒸留カラム中において、1気圧未満の第2圧力で該第1アセトニトリル/水共沸混合物を蒸留し、該第1アセトニトリル/水共沸混合物を、水を含有する第2底部生成物と該第1アセトニトリル/水共沸混合物より高いアセトニトリル濃度を有する第2アセトニトリル/水共沸混合物とに分離する工程、
    (工程3)第3オーバーヘッド還流ループを備える第3蒸留カラム中において、1気圧より高い第3圧力で該第2アセトニトリル/水共沸混合物を蒸留し、該第2アセトニトリル/水共沸混合物からの実質的に全量の水を含有する第3アセトニトリル/水共沸混合物、アセトニトリルおよび重質有機物を含む第3底部生成物、ならびに高純度アセトニトリルを含む側留を生成する工程、および
    (工程4)該高純度アセトニトリル側留を酸性イオン交換樹脂に通し、該高純度アセトニトリルをさらに精製し、そしてアクリロニトリル不純物を実質的に含まないアセトニトリルを生成する工程
    を包含し、
    ここで、工程1、工程2および工程3における還流比が、それぞれ、2.7:1より大きく、2.2:1より大きく、および3.0:1より大きく維持される、プロセス。
  5. 前記工程1における還流比が4.4:1より大きい、請求項4に記載のプロセス。
  6. 前記工程2における還流比が4.5:1より大きい、請求項5に記載のプロセス。
  7. 前記工程3における還流比が8.0:1より大きく維持される、請求項6に記載のプロセス。
  8. 前記酸性イオン交換樹脂が、硫酸官能基を組み込んだ強酸樹脂を含むように選択される、請求項4に記載のプロセス。
  9. 前記酸性イオン交換樹脂が、カルボン酸官能基を組み込んだ弱酸樹脂を含むように選択される、請求項4に記載のプロセス。
  10. 前記酸性イオン交換樹脂から回収された精製アセトニトリルを蒸留する工程をさらに包含する、請求項4に記載のプロセス。
  11. 前記工程1における還流比が4.4:1より大きい、請求項10に記載のプロセス。
  12. 前記工程2における還流比が4.5:1より大きい、請求項11に記載のプロセス。
  13. 前記工程3における還流比が8.0:1より大きく維持される、請求項12に記載のプロセス。
  14. 前記酸性イオン交換樹脂が、硫酸官能基を組み込んだ強酸樹脂を含むように選択される、請求項10に記載のプロセス。
  15. 前記酸性イオン交換樹脂が、カルボン酸官能基を組み込んだ弱酸樹脂を含むように選択される、請求項10に記載のプロセス。
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