JP4969317B2 - 画像形成装置及び画像形成装置用のプロセスカートリッジ、並びにこれを用いた画像形成方法 - Google Patents

画像形成装置及び画像形成装置用のプロセスカートリッジ、並びにこれを用いた画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、画像形成装置及び画像形成装置用のプロセスカートリッジ、並びにこれを用いた画像形成方法に関する。
近年、デジタル信号処理されたデータを書き込むため、有機感光体上にドット光を露光して静電潜像を形成し、反転現像方式により画像形成を行う電子写真画像形成法が盛んに行われるようになった。このような電子写真画像形成法に用いられる有機感光体には、長期の使用にわたって安定でかつ高い解像度での書き込みにも対応できることが要求されるため、感光体の耐久性向上が求められてきた。しかしながら、有機感光体の欠点は強度的に弱く、感光層の減耗や傷による欠陥が発生し易く耐久性の面で改良が求められてきた。
有機感光体の耐摩耗性を改良する技術としては、(1)架橋型電荷輸送層に硬化性バインダーを用いたもの(例えば、特許文献1参照。)、(2)高分子型電荷輸送物質を用いたもの(例えば、特許文献2参照。)、(3)架橋型電荷輸送層に無機フィラーを分散させたもの(例えば、特許文献3参照。)等が挙げられる。これらの技術の内、(1)の硬化性バインダーを用いたものは、電荷輸送物質との相溶性が悪いためや重合開始剤、未反応残基などの不純物により残留電位が上昇し画像濃度低下が発生し易い傾向がある。また、(2)の高分子型電荷輸送物質を用いたものは、ある程度の耐摩耗性向上が可能であるものの、有機感光体に求められている耐久性を十二分に満足させるまでには至っていない。また、高分子型電荷輸送物質は材料の重合、精製が難しく高純度なものが得にくいため材料間の電気的特性が安定しにくい。更に塗工液が高粘度となる等の製造上の問題を起こす場合もある。(3)の無機フィラーを分散させたものは、通常の低分子電荷輸送物質を不活性高分子に分散させた感光体に比べ高い耐摩耗性が発揮されるが、無機フィラー表面に存在する電荷トラップにより残留電位が上昇し、画像濃度低下が発生し易い傾向にある。また、感光体表面の無機フィラーとバインター樹脂の凹凸が大きい場合には、クリーニング不良が発生し、トナーフィルミングや画像流れの原因となることがある。これら(1)、(2)、(3)の技術では、有機感光体に求められる電気的な耐久性、機械的な耐久性、画質上の耐久性も含めた総合的な耐久性を十分に満足するには至っていない。
更に、(1)の耐摩耗性と耐傷性を改良するために多官能のアクリレートモノマー硬化物を含有させた感光体も知られている(特許文献4参照)。この感光体においては、感光層上に設けた保護層にこの多官能のアクリレートモノマー硬化物を含有させている。この保護層においては電荷輸送物質を含有せしめてもよいことが記載されているが、具体的な記載はない。単に架橋型電荷輸送層に低分子の電荷輸送物を含有させた場合には、上記硬化物との相溶性の問題があり、これにより、低分子電荷輸送物質の析出、白濁現象が起こり、露光部電位の上昇により画像濃度が低下するばかりでなく機械強度も低下してしまうおそれがある。さらに、この感光体は、具体的には高分子バインダーを含有した状態でモノマーを反応させるため、3次元網目構造が充分に進行せず、架橋結合密度が希薄となるため飛躍的な耐摩耗性を発揮できるまでには至っていない。
これらに換わる感光層の耐摩耗技術として、炭素−炭素二重結合を有するモノマーと、炭素−炭素二重結合を有する電荷輸送材及びバインダー樹脂からなる塗工液を用いて形成した電荷輸送層を設けることが知られている(例えば、特許文献5参照。)。このバインダー樹脂は電荷発生層と硬化型電荷輸送層の接着性を向上させ、さらに厚膜硬化時の膜の内部応力を緩和させる役割を果たしていると考えられ、炭素−炭素二重結合を有し、上記電荷輸送剤に対して反応性を有するものと、上記二重結合を有せず反応性を有しないものに大別される。この感光体は耐摩耗性と良好な電気的特性を両立しており注目されるが、バインダー樹脂として反応性を有しないものを使用した場合においては、バインダー樹脂と、上記モノマーと電荷輸送剤との反応により生成した硬化物との相溶性が悪く、架橋型電荷輸送層中で層分離が生じ、傷やトナー中の外添剤及び紙粉の固着の原因となることがある。また、上記したように、3次元網目構造が充分に進行せず、架橋結合密度が希薄となるため飛躍的な耐摩耗性を発揮できるまでには至っていない。加えて、この感光体において使用される上記モノマーとして具体的に記載されているものは2官能性のものであり、これらの点で耐摩耗性の点では未だ満足するには至らなかった。また、反応性を有するバインダーを使用した場合においても、硬化物の分子量は増大するものの分子間架橋結合数は少なく、上記電荷輸送物質の結合量と架橋密度との両立は難しく、電気特性及び耐摩耗性も充分とはいえないものであった。
また、同一分子内に二つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を硬化した化合物を含有する感光層も知られている(例えば、特許文献6参照。)。この感光層は架橋結合密度を高められるため高い硬度を有するが、嵩高い正孔輸送性化合物が二つ以上の連鎖重合性官能基を有するため硬化物中に歪みが発生し内部応力が高くなり、架橋表面層が長期間の使用においてクラックや剥がれが発生しやすい場合がある。
また、耐摩耗性向上に対して、高耐久性の有機ケイ素系バインダー樹脂含有の感光層乃至表面保護層を設けることが実用化されているが、有機ケイ素系バインダーは吸湿しやすく、画質の低下、特にフィルミングによる画像ボケ、画像流れ等の欠点も生じてしまう。有機ケイ素系の架橋膜は未反応の加水分解性基やシラノール基が膜表面に残存し易く、高湿環境下において水分子の吸着の影響を受けやすい問題がある。未反応基が多いと、高湿環境下において水分子や帯電時に生成する放電生成物の吸着が起こりやすくなり、その結果表面抵抗が低下し、画像流れ等の問題が発生する。このような吸湿による画像流れに対し、対策として加熱装置を併用することが知られている(例えば、特許文献7参照。)。
しかし、加熱装置を用いることで、その場の画像流れは防止出来るが、トナーがフィルミングしやすくなり、例えば、フィルミング物質の吸湿による装置停止後、翌日の画像流れの発生等の恐れがある。このような吸湿に関連して、高温高湿下において装置停止時の帯電器直下の感光体表面に形成された画像がボケるということが知られていた(例えば特許文献8参照)。
特開昭56−48637号公報 特開昭64−1728号公報 特開平4−281461号公報 特許第3262488号公報 特許第3194392号公報 特開2000−66425号公報 特開2000−241998号公報 特開平06−295085号公報
上述のように、高い耐摩耗性、耐傷性などを有する有機感光体は存在するが、その中で耐摩耗性と電気特性、画質を兼ね備えた感光体は少ない。しかし、本発明に於ける架橋型電荷輸送層はそれらを兼ね備えた有機感光体と言える。しかしながら、低湿環境下で放電型帯電器で連続して帯電しながら画像形成を行ったのちに、長時間、例えば12時間程度、帯電器に近接して感光体を放置すると、帯電器の放電部に近接していた部分のみ帯電性が著しく低下してしまい、画像濃度ムラが生じてしまうというこれまでと異なった現象が明らかになった。この現象の原因物質は特許文献8に記載のような高湿環境下での帯電器直下の原因物質である酸性ガスに起因している可能性はあるが、架橋型電荷輸送層の物性や、回復性より異なる原因物質に起因していると推測される。
本発明は、上述の問題点に鑑み、有機感光体を備えた画像形成装置において、画像形成停止後の再稼働時に現れる感光体の帯電性不良を防ぎ、画像濃度ムラの少ない高画質な画像が安定して得られる画像形成装置及び画像形成方法の提供、並びにこの画像形成装置用のプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明者等は、感光体表面に放電型帯電器から発生する原因物質を感光体に付着させない手段を見いだして本発明を完成した。
発明は、感光体と、感光体表面を帯電させる放電型帯電器と、帯電された感光体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、形成された潜像を現像とする現像手段と、該現像を転写媒体に転写する転写手段とを備えた画像形成装置であって、前記感光体は支持体上に電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋型電荷輸送層を順次積層した感光体であって、前記架橋型電荷輸送層が電荷輸送性構造を有しない3以上のラジカル重合官能基を有するモノマーと電荷輸送性構造を有する1つのラジカル重合官能基を有するモノマーとを重合させることにより形成されており、前記放電型帯電器は、感光体と非接触で近接しており、放電型帯電器と感光体との間に開閉可能なシャッターを備え、前記放電型帯電器周辺の湿度を測定する湿度検知手段と、画像形成中は前記シャッターを開状態とし、画像形成停止中は、前記放電型帯電器周辺の相対湿度が35%以下であったときにシャッターを閉状態とするシャッター制御装置とをさらに備えたことを特徴とする画像形成装置である。
好ましい本発明は、前記電荷輸送性構造を有しない3以上のラジカル重合官能基を有するモノマー、及び電荷輸送性構造を有する1つのラジカル重合官能基を有するモノマーにおけるラジカル重合官能基が、アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする前記画像形成装置である。
本発明は、感光体、並びに感光体表面を帯電させる放電型帯電器、帯電された感光体表面に潜像を形成する潜像形成手段、形成された潜像を現像とする現像手段、該現像を転写媒体に転写する転写手段及び該現像を転写媒体に転写した後の感光体表面を清浄にするクリーニング手段のうち少なくともひとつとを備えており、画像形成装置に着脱可能なプロセスカートリッジであって、前記感光体は、支持体上に電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋型電荷輸送層を順次積層した構造であって、前記架橋型電荷輸送層が電荷輸送性構造を有しない3以上のラジカル重合官能基を有するモノマーと電荷輸送性構造を有する1つのラジカル重合官能基を有するモノマーとを重合させることにより形成されており、前記放電型帯電器は、感光体と非接触で近接しており、放電型帯電器と感光体との間に開閉可能なシャッターを備え、前記放電型帯電器周辺の湿度を測定する湿度検知手段と、画像形成中は前記シャッターを開状態とし、画像形成停止中は、前記放電型帯電器周辺の相対湿度が35%以下であったときにシャッターを閉状態とするシャッター制御装置とをさらに備えたことを特徴とするプロセスカートリッジである。
好ましい本発明は、前記電荷輸送性構造を有しない3以上のラジカル重合官能基を有するモノマー、及び電荷輸送性構造を有する1つのラジカル重合官能基を有するモノマーにおけるラジカル重合官能基が、アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする前記プロセスカートリッジである。
本発明は、感光体表面を放電型帯電器で帯電させる工程と、帯電された感光体表面に潜像を形成する潜像形成工程と、形成された潜像を現像とする現像工程と、現像を転写媒体に転写する転写工程とを含む画像形成方法であって、前記感光体は、支持体上に電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋型電荷輸送層を順次積層した構造であって、前記架橋型電荷輸送層が電荷輸送性構造を有しない3以上のラジカル重合官能基を有するモノマーと電荷輸送性構造を有する1つのラジカル重合官能基を有するモノマーとを重合させることにより形成されており、前記放電型帯電器は、感光体と非接触で近接しており、放電型帯電器と感光体との間に開閉可能なシャッターを備え、前記放電型帯電器周辺の湿度を測定する湿度検知工程と、画像形成中は前記シャッターを開状態とし、画像形成停止中は、放電型帯電器周辺の相対湿度が35%以下であったときにシャッターを閉状態とするシャッター制御工程とをさらに含むことを特徴とする画像形成方法である。
本発明によれば、有機感光体を備えた画像形成装置において、画像形成停止後の再稼働時に現れる感光体の帯電性不良を防ぎ、画像濃度ムラの少ない高画質な画像が安定して得られる画像形成装置及び画像形成方法の提供、並びにこの画像形成装置用のプロセスカートリッジを提供することができる。
本発明の画像形成装置においては、感光体と、感光体表面を帯電させる放電型帯電器と、帯電された感光体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、形成された潜像を現像とする現像手段と、該現像を転写媒体に転写する転写手段とを備えており、
前記感光体は支持体上に電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋型電荷輸送層を順次積層した感光体であって、前記架橋型電荷輸送層が電荷輸送性構造を有しない3以上のラジカル重合官能基を有するモノマーと電荷輸送性構造を有する1つのラジカル重合官能基を有するモノマーとを重合させることにより形成されており、前記放電型帯電器は、感光体と非接触で近接しており、放電型帯電器と感光体との間に開閉可能なシャッターより形成される。
また、本発明における感光体は、支持体上に電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋型電荷輸送層を順次積層した構造であって、架橋型電荷輸送層が電荷輸送性構造を有しない3以上のラジカル重合官能基を有するモノマーと電荷輸送性構造を有する1つのラジカル重合官能基を有するモノマーとを重合させることにより形成されている。
<感光体>
本発明の画像形成装置に好適に使用される感光体について、図1に基づいて説明する。図1は、本発明の画像形成装置における感光体の断面図であり、導電性支持体(31)上に、電荷発生機能を有する電荷発生層(35)と、電荷輸送物機能を有する電荷輸送層(37)とさらに架橋型電荷輸送層(39)が積層された積層構造の感光体である。これらについて順に説明する。
(導電性支持体)
導電性支持体(31)としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体(31)として用いることができる。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体(31)として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、また、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体(31)として良好に用いることができる。
(電荷発生層)
電荷発生層(35)は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を併用することもできる。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層(35)に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。これらのバインダー樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。また、電荷発生層のバインダー樹脂として上述のバインダー樹脂の他に、電荷輸送機能を有する高分子電荷輸送物質、例えば、アリールアミン骨格やベンジジン骨格やヒドラゾン骨格やカルバゾール骨格やスチルベン骨格やピラゾリン骨格等を有するポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリシロキサン、アクリル樹脂等の高分子材料やポリシラン骨格を有する高分子材料等を用いることができる。
前者の具体的な例としては、特開平01−001728号公報、特開平01−009964号公報、特開平01−013061号公報、特開平01−019049号公報、特開平01−241559号公報、特開平04−011627号公報、特開平04−175337号公報、特開平04−183719号公報、特開平04−225014号公報、特開平04−230767号公報、特開平04−320420号公報、特開平05−232727号公報、特開平05−310904号公報、特開平06−234836号公報、特開平06−234837号公報、特開平06−234838号公報、特開平06−234839号公報、特開平06−234840号公報、特開平06−234841号公報、特開平06−239049号公報、特開平06−236050号公報、特開平06−236051号公報、特開平06−295077号公報、特開平07−056374号公報、特開平08−176293号公報、特開平08−208820号公報、特開平08−211640号公報、特開平08−253568号公報、特開平08−269183号公報、特開平09−062019号公報、特開平09−043883号公報、特開平09−71642号公報、特開平09−87376号公報、特開平09−104746号公報、特開平09−110974号公報、特開平09−110976号公報、特開平09−157378号公報、特開平09−221544号公報、特開平09−227669号公報、特開平09−235367号公報、特開平09−241369号公報、特開平09−268226号公報、特開平09−272735号公報、特開平09−302084号公報、特開平09−302085号公報、特開平09−328539号公報等に記載の電荷輸送性高分子材料が挙げられる。
また、後者の具体例としては、例えば特開昭63−285552号公報、特開平05−19497号公報、特開平05−70595号公報、特開平10−73944号公報等に記載のポリシリレン重合体が例示される。
また、電荷発生層(35)には低分子電荷輸送物質を含有させることができる。電荷発生層(35)に併用できる低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
正孔輸送物質としては、以下に表わされる電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。正孔輸送物質としては、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層(35)を形成する方法には、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが主に挙げられる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
後述のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。また、必要に応じて、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のレベリング剤を添加することができる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
(電荷輸送層)
電荷輸送層(37)は電荷輸送機能を有する層で、電荷輸送機能を有する電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層(35)上に塗布、乾燥することにより形成させる。
電荷輸送物質としては、前記電荷発生層(35)で記載した電子輸送物質、正孔輸送物質及び高分子電荷輸送物質を用いることができる。前述したように高分子電荷輸送物質を用いることにより、架橋型電荷輸送層塗工時の下層の溶解性を低減でき、とりわけ有用である。
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
電荷輸送物質の量は結着樹脂100質量部に対し、20〜300質量部、好ましくは40〜150質量部が適当である。但し、高分子電荷輸送物質を用いる場合は、単独でも結着樹脂との併用も可能である。
電荷輸送層の塗工に用いられる溶媒としては前記電荷発生層と同様なものが使用できるが、電荷輸送物質及び結着樹脂を良好に溶解するものが適している。これらの溶剤は単独で使用しても2種以上混合して使用しても良い。また、電荷輸送層(37)の形成には電荷発生層(35)と同様な塗工法が可能である。
また、必要により可塑剤、レベリング剤を添加することもできる。電荷輸送層に併用できる可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂100質量部に対して0〜30質量部程度が適当である。
電荷輸送層に併用できるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、結着樹脂100質量部に対して0〜1質量部程度が適当である。
電荷輸送層の膜厚は、5〜40μm程度が適当であり、好ましくは10〜30μm程度が適当である。このようにして形成された電荷輸送層上に、前述の架橋型電荷輸送層塗工液を塗布し、必要に応じて乾燥後、熱や光照射の外部エネルギーにより硬化反応を開始させ、架橋型電荷輸送層が形成される。
(架橋型電荷輸送層)
架橋型電荷輸送層(39)は電荷輸送機能を有する架橋構造を有する層で、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷輸送層(37)上に塗布、乾燥することにより形成させることが出来る。本発明の架橋型電荷輸送層(39)塗布液の構成材料について説明する。
本発明に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとは、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有しておらず、且つラジカル重合性官能基を3個以上有するモノマーを指す。このラジカル重合性官能基とは、炭素−炭素2重結合を有し、ラジカル重合可能な基であれば何れでもよい。これらラジカル重合性官能基としては、例えば、下記に示す1−置換エチレン官能基、1,1−置換エチレン官能基等が挙げられる。
(1)1−置換エチレン官能基としては、例えば以下の式で表される官能基が挙げられる。
CH=CH−X− ・・・・式10
ただし、式中、Xは、置換基を有していてもよいフェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基、−CO−基、−COO−基、−CON(R10)−基(R10は、水素、メチル基、エチル基等のアルキル基、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基を表す。)、または−S−基を表す。
これらの置換基を具体的に例示すると、ビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミド基、ビニルチオエーテル基等が挙げられる。
(2)1,1−置換エチレン官能基としては、例えば以下の式で表される官能基が挙げられる。
CH=CH(Y)−X− ・・・・式11
ただし、式中、Yは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基あるいはエトキシ基等のアルコキシ基、−COOR11基(R11は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル、フェネチル基等のアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基)、または−CONR1213(R12およびR13は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル基、ナフチルメチル基、あるいはフェネチル基等のアラルキル基、または置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基を表し、互いに同一または異なっていてもよい。)、また、Xは上記式10のXと同一の置換基及び単結合、アルキレン基を表す。ただし、Y,Xの少なくとも何れか一方がオキシカルボニル基、シアノ基、アルケニレン基、及び芳香族環である。
これらの置換基を具体的に例示すると、α−塩化アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリロイルアミノ基等が挙げられる。
なお、これらX、Yについての置換基にさらに置換される置換基としては、例えばハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
これらのラジカル重合性官能基の中では、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用であり、3個以上のアクリロイルオキシ基を有する化合物は、例えば水酸基がその分子中に3個以上ある化合物とアクリル酸(塩)、アクリル酸ハライド、アクリル酸エステルを用い、エステル反応あるいはエステル交換反応させることにより得ることができる。また、3個以上のメタクリロイルオキシ基を有する化合物も同様にして得ることができる。また、ラジカル重合性官能基を3個以上有する単量体中のラジカル重合性官能基は、同一でも異なっても良い。
電荷輸送性構造を有しない3官能以上の具体的なラジカル重合性モノマーとしては、以下のものが例示されるが、これらの化合物に限定されるものではない。
すなわち、本発明において使用する上記ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、ECH変性グリセロールトリアクリレート、EO変性グリセロールトリアクリレート、PO変性グリセロールトリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、2,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどが挙げられ、これらの化合物は単独又は2種類以上を併用しても差し支えない。
また、本発明に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとしては、架橋型電荷輸送層中に緻密な架橋結合を形成するために、該モノマー中の官能基数に対する分子量の割合(分子量/官能基数)は250以下が望ましい。また、この割合が250より大きい場合、架橋型電荷輸送層は柔らかく耐摩耗性が幾分低下するため、上記例示したモノマー等中、HPA、EO、PO等の変性基を有するモノマーにおいては、極端に長い変性基を有するものを単独で使用することは好ましくはない。また、架橋型電荷輸送層に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーの成分割合は、架橋型電荷輸送層全量に対し20〜80質量%、好ましくは30〜70質量%である。モノマー成分が20質量%未満では架橋型電荷輸送層の3次元架橋結合密度が少なく、従来の熱可塑性バインダー樹脂を用いた場合に比べ飛躍的な耐摩耗性向上が達成されない。また、80質量%以上では電荷輸送性化合物の含有量が低下し、電気的特性の劣化が生じる。使用されるプロセスによって要求される電気特性や耐摩耗性が異なり、それに伴い本感光体の架橋型電荷輸送層の膜厚も異なるため一概には言えないが、両特性のバランスを考慮すると30〜70質量%の範囲が最も好ましい。
本発明の架橋型電荷輸送層(39)に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とは、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有しており、且つ1個のラジカル重合性官能基を有する化合物を指す。このラジカル重合性官能基としては、先のラジカル重合性モノマーで示したものが挙げられ、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用である。また、電荷輸送性構造としてはトリアリールアミン構造が効果が高く、中でも下記一般式(1)又は(2)の構造で示される化合物を用いた場合、感度、残留電位等の電気的特性が良好に持続される。
Figure 0004969317
Figure 0004969317
上記式一般式(1)及び(2)中、Rは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR(Rは水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基)、ハロゲン化カルボニル基若しくはCONR(R及びRは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい)を表わし、Ar、Arは置換もしくは未置換のアリーレン基を表わし、同一であっても異なってもよい。Ar、Arは置換もしくは未置換のアリール基を表わし、同一であっても異なってもよい。Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。Zは置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、アルキレンオキシカルボニル基を表わす。m、nは0〜3の整数を表わす。
一般式(1)、(2)において、Rの置換基中、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基が、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等がそれぞれ挙げられ、これらは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等により置換されていても良い。Rの置換基のうち、特に好ましいものは水素原子、メチル基である。
置換もしくは未置換のAr、Arはアリール基であり、アリール基としては縮合多環式炭化水素基、非縮合環式炭化水素基及び複素環基が挙げられる。
縮合多環式炭化水素基としては、好ましくは環を形成する炭素数が18個以下のもの、例えば、ペンタニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレル基、ピレニル基、クリセニル基、及びナフタセニル基等が挙げられる。
非縮合環式炭化水素基としては、ベンゼン、ジフェニルエーテル、ポリエチレンジフェニルエーテル、ジフェニルチオエーテル及びジフェニルスルホン等の単環式炭化水素化合物の1価基、あるいはビフェニル、ポリフェニル、ジフェニルアルカン、ジフェニルアルケン、ジフェニルアルキン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン、1,1−ジフェニルシクロアルカン、ポリフェニルアルカン、及びポリフェニルアルケン等の非縮合多環式炭化水素化合物の1価基、あるいは9,9−ジフェニルフルオレン等の環集合炭化水素化合物の1価基が挙げられる。
複素環基としては、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、オキサジアゾール、及びチアジアゾール等の1価基が挙げられる。
また、前記Ar、Arで表わされるアリール基は例えば以下に示すような置換基を有してもよい。
(1)ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等。
(2)アルキル基、好ましくは、C〜C12とりわけC〜C、さらに好ましくはC〜Cの直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C〜Cのアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C〜Cのアルキル基もしくはC〜Cのアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチル基、エチル基、n−ブチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR)であり、Rは(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基であり、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C〜Cのアルコキシ基、C〜Cのアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
(5)アルキルメルカプト基またはアリールメルカプト基であり、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)
Figure 0004969317
式中、R及びRは各々独立に水素原子、前記(2)で定義したアルキル基、またはアリール基を表わす。アリール基としては、例えばフェニル基、ビフェニル基又はナフチル基が挙げられ、これらはC〜Cのアルコキシ基、C〜Cのアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。R及びRは共同で環を形成してもよい。具体的には、アミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(トリール)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基等が挙げられる。
(7)メチレンジオキシ基、又はメチレンジチオ基等のアルキレンジオキシ基又はアルキレンジチオ基等が挙げられる。
(8)置換又は無置換のスチリル基、置換又は無置換のβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等。
前記Ar、Arで表わされるアリーレン基としては、前記Ar、Arで表されるアリール基から誘導される2価基である。
前記Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。
置換もしくは無置換のアルキレン基としては、C〜C12、好ましくはC〜C、さらに好ましくはC〜Cの直鎖または分岐鎖のアルキレン基であり、これらのアルキレン基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C〜Cのアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C〜Cのアルキル基もしくはC〜Cのアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチレン基、エチレン基、n−ブチレン基、i−プロピレン基、t−ブチレン基、s−ブチレン基、n−プロピレン基、トリフルオロメチレン基、2−ヒドロキエチレン基、2−エトキシエチレン基、2−シアノエチレン基、2−メトキシエチレン基、ベンジリデン基、フェニルエチレン基、4−クロロフェニルエチレン基、4−メチルフェニルエチレン基、4−ビフェニルエチレン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のシクロアルキレン基としては、C〜Cの環状アルキレン基であり、これらの環状アルキレン基にはフッ素原子、水酸基、C〜Cのアルキル基、C〜Cのアルコキシ基を有していても良い。具体的にはシクロヘキシリデン基、シクロへキシレン基、3,3−ジメチルシクロヘキシリデン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基としては、エチレンオキシ、プロピレンオキシ、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコールを表わし、アルキレンエーテル基アルキレン基はヒドロキシル基、メチル基、エチル基等の置換基を有してもよい。
ビニレン基は、下記のいずれかの基で表される。
Figure 0004969317
ただし、Rは水素、アルキル基(前記(2)で定義されるアルキル基と同じ)、アリール基(前記Ar、Arで表わされるアリール基と同じ)、aは1または2、bは1〜3を表わす。
Zは置換もしくは未置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、アルキレンオキシカルボニル基を表わす。置換もしくは未置換のアルキレン基としは、前記Xのアルキレン基と同様なものが挙げられる。置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基としては、前記Xのアルキレンエーテル基が挙げられる。アルキレンオキシカルボニル基としては、カプロラクトン変性基が挙げられる。
本発明の1官能の電荷輸送構造を有するラジカル重合性化合物として更に好ましくは、下記一般式(3)の構造の化合物が挙げられる。
Figure 0004969317
ただし、o、p、qはそれぞれ0又は1の整数、Raは水素原子、メチル基を表わし、Rb、Rcは水素原子以外の置換基で炭素数1〜6のアルキル基を表わし、複数の場合は異なっても良い。s、tは0〜3の整数を表わす。Rb、Rcの置換基として、特にメチル基、エチル基である化合物が好ましい。Zaは単結合、メチレン基、エチレン基、又は下記置換基を表わす。
Figure 0004969317
本発明で用いる上記一般式(1)及び(2)特に(3)の1官能性の電荷輸送構造を有するラジカル重合性化合物は、炭素−炭素間の二重結合が両側に開放されて重合するため、末端構造とはならず、連鎖重合体中に組み込まれ、3官能以上のラジカル重合性モノマーとの重合で架橋形成された重合体中では、高分子の主鎖中に存在し、かつ主鎖−主鎖間の架橋鎖中に存在(この架橋鎖には1つの高分子と他の高分子間の分子間架橋鎖と、1つの高分子内で折り畳まれた状態の主鎖のある部位と主鎖中でこれから離れた位置に重合したモノマー由来の他の部位とが架橋される分子内架橋鎖とがある)するが、主鎖中に存在する場合であってもまた架橋鎖中に存在する場合であっても、鎖部分から懸下するトリアリールアミン構造は、窒素原子から放射状方向に配置する少なくとも3つのアリール基を有し、バルキーであるが、鎖部分に直接結合しておらず鎖部分からカルボニル基等を介して懸下しているため立体的位置取りに融通性ある状態で固定されているので、これらトリアリールアミン構造は重合体中で相互に程よく隣接する空間配置が可能であるため、分子内の構造的歪みが少なく、また、電子写真感光体の表面層とされた場合に、電荷輸送経路の断絶を比較的免れた分子内構造を採りうるものと推測される。
本発明に係る感光体における、1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーの具体例を以下に示すが、1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーとしては、これらの構造のモノマーに限定されるものではない。
Figure 0004969317
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Figure 0004969317
Figure 0004969317
Figure 0004969317
Figure 0004969317
Figure 0004969317
Figure 0004969317
Figure 0004969317
Figure 0004969317
Figure 0004969317
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本発明に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物は、架橋型電荷輸送層の電荷輸送性能を付与するために重要で、この成分は架橋型電荷輸送層に対し20〜80質量%、好ましくは30〜70質量%である。この成分が20質量%未満では架橋型電荷輸送層の電荷輸送性能が充分に保てず、繰り返しの使用で感度低下、残留電位上昇などの電気特性の劣化が現れる。また、80質量%以上では電荷輸送構造を有しない3官能モノマーの含有量が低下し、架橋結合密度の低下を招き高い耐摩耗性が発揮されない。使用されるプロセスによって要求される電気特性や耐摩耗性が異なり、それに伴い本感光体の架橋型電荷輸送層の膜厚も異なるため一概には言えないが、両特性のバランスを考慮すると30〜70質量%の範囲が最も好ましい。
本発明の架橋型電荷輸送層は、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化したものであるが、これ以外に塗工時の粘度調整、架橋型電荷輸送層の応力緩和、低表面エネルギー化や摩擦係数低減などの機能付与の目的で1官能及び2官能のラジカル重合性モノマー及びラジカル重合性オリゴマーを併用することができる。これらのラジカル重合性モノマー、オリゴマーとしては、公知のものが利用できる。
1官能のラジカルモノマーとしては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソブチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、フェノキシテトラエチレングリコールアクリレート、セチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ステアリルアクリレート、スチレンモノマーなどが挙げられる。
2官能のラジカル重合性モノマーとしては、例えば、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、EO変性ビスフェノールFジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどが挙げられる。
機能性モノマーとしては、例えば、オクタフルオロペンチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、2−パーフルオロイソノニルエチルアクリレートなどのフッ素原子を置換したもの、特公平5−60503号公報、特公平6−45770号公報記載のシロキサン繰り返し単位:20〜70のアクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、メタクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、アクリロイルポリジメチルシロキサンプロピル、アクリロイルポリジメチルシロキサンブチル、ジアクリロイルポリジメチルシロキサンジエチルなどのポリシロキサン基を有するビニルモノマー、アクリレート及びメタクリレートが挙げられる。
ラジカル重合性オリゴマーとしては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系オリゴマーが挙げられる。但し、1官能及び2官能のラジカル重合性モノマーやラジカル重合性オリゴマーを多量に含有させると架橋型電荷輸送層の3次元架橋結合密度が実質的に低下し、耐摩耗性の低下を招く。このためこれらのモノマーやオリゴマーの含有量は、3官能以上のラジカル重合性モノマー100質量部に対し50質量部以下、好ましくは30質量部以下に制限される。
また、本発明の架橋型電荷輸送層は少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化したものであるが、必要に応じてこの硬化反応を効率よく進行させるために架橋型電荷輸送層塗布液中に重合開始剤を含有させても良い。
熱重合開始剤としては、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パーオキシベンゾイル)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルベルオキサイド、t−ブチルヒドロベルオキサイド、クメンヒドロベルオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシ)プロパンなどの過酸化物系開始剤、アゾビスイソブチルニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビスイソブチルアミジン塩酸塩、4,4'−アゾビス−4−シアノ吉草酸などのアゾ系開始剤が挙げられる。
光重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、などのアセトフェノン系またはケタール系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、などのベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼン、などのベンゾフェノン系光重合開始剤、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、などのチオキサントン系光重合開始剤、その他の光重合開始剤としては、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物、が挙げられる。また、光重合促進効果を有するものを単独または上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4'−ジメチルアミノベンゾフェノン、などが挙げられる。
これらの重合開始剤は1種又は2種以上を混合して用いてもよい。重合開始剤の含有量は、ラジカル重合性を有する総含有物100質量部に対し、0.5〜40質量部、好ましくは1〜20質量部である。
本発明の架橋型電荷輸送層塗工液には、必要に応じて各種可塑剤(応力緩和や接着性向上の目的)、レベリング剤、ラジカル反応性を有しない低分子電荷輸送物質などの添加剤を含有できる。これらの添加剤は公知のものが使用可能であり、可塑剤としてはジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂に使用されているものが利用可能で、その使用量は塗工液の総固形分に対し20質量%以下、好ましくは10%以下に抑えられる。また、レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが利用でき、その使用量は塗工液の総固形分に対し3質量%以下が適当である。
本発明の架橋型電荷輸送層は、少なくとも上記の電荷輸送構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を含有する塗工液を後に記載の電荷輸送層上に塗布、硬化することにより形成される。かかる塗工液はラジカル重合性モノマーが液体である場合、これに他の成分を溶解して塗布することも可能であるが、必要に応じて溶媒により希釈して塗布される。
このとき用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系、テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピルエーテルなどのエーテル系、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン系、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテートなどのセロソルブ系などが挙げられる。これらの溶媒は単独または2種以上を混合して用いてもよい。溶媒による希釈率は組成物の溶解性、塗工法、目的とする膜厚により変わり、任意である。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行なうことができる。
本発明においては、架橋型電荷輸送層塗工液を塗布後、外部からエネルギーを与え硬化させ、架橋型電荷輸送層を形成するものであるが、このとき用いられる外部エネルギーとしては熱、光、放射線がある。熱のエネルギーを加える方法としては、空気、窒素などの気体、蒸気、あるいは各種熱媒体、赤外線、電磁波を用い塗工表面側あるいは支持体側から加熱することによって行なわれる。加熱温度は100℃以上、170℃以下が好ましく、100℃未満では反応速度が遅く、完全に硬化反応が終了しない。170℃より高温では硬化反応が不均一に進行し架橋型電荷輸送層中に大きな歪みや多数の未反応残基、反応停止末端が発生する。硬化反応を均一に進めるために、100℃未満の比較的低温で加熱後、更に100℃以上に加温し反応を完結させる方法も有効である。光のエネルギーとしては主に紫外光に発光波長をもつ高圧水銀灯やメタルハライドランプなどのUV照射光源が利用できるが、ラジカル重合性含有物や光重合開始剤の吸収波長に合わせ可視光光源の選択も可能である。照射光量は50mW/cm以上、1000mW/cm以下が好ましく、50mW/cm未満では硬化反応に時間を要する。1000mW/cmより強いと反応の進行が不均一となり、架橋型電荷輸送層表面に局部的な皺が発生したり、多数の未反応残基、反応停止末端が生ずる。また、急激な架橋により内部応力が大きくなり、クラックや膜剥がれの原因となる。放射線のエネルギーとしては電子線を用いるものが挙げられる。これらのエネルギーの中で、反応速度制御の容易さ、装置の簡便さから熱及び光のエネルギーを用いたものが有用である。
架橋型電荷輸送層塗工液の組成物としては、前述した電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマー及び1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物以外に、ラジカル重合性官能基を有しないバインダー樹脂、酸化防止剤、可塑剤等の添加剤を多量に含有させると、架橋密度の低下、反応により生じた硬化物と上記添加物との相分離が生じ、有機溶剤に対し可溶性となる。具体的には塗工液の総固形分に対し上記総含有量を20質量%以下に抑えることが重要である。また、架橋密度を希薄にさせないために、1官能または2官能のラジカル重合性モノマー、反応性オリゴマー、反応性ポリマーにおいても、総含有量を3官能ラジカル重合性モノマーに対し20質量%以下とすることが望ましい。さらに、2官能以上の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を多量に含有させると、嵩高い構造体が複数の結合により架橋構造中に固定されるため歪みを生じやすく、微小な硬化物の集合体となりやすい。このことが原因で有機溶剤に対し可溶性となることがある。化合物構造によって異なるが、2官能以上の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の含有量は1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物に対し10質量%以下にすることが好ましい。更に電荷発生層、電荷輸送層、架橋型電荷輸送層を順次積層した構成において、最表面の架橋型電荷輸送層が有機溶剤に対し不溶性であることが、耐摩耗性、耐傷性が達成させることから好ましい。本発明の構成において、架橋型電荷輸送層を有機溶剤に対し不溶性にするには、
(1)架橋型電荷輸送層塗工液の組成物、それらの含有割合の調整、
(2)架橋型電荷輸送層塗工液の希釈溶媒、固形分濃度の調整、
(3)架橋型電荷輸送層の塗工方法の選択、
(4)架橋型電荷輸送層の硬化条件の制御、
(5)下層の電荷輸送層の難溶解性化
などを総合的にコントロールすることが重要である。
架橋型電荷輸送層塗工液の希釈溶媒に関しては、蒸発速度の遅い溶剤を用いた場合、残留する溶媒が硬化の妨げとなったり、下層成分の混入量を増加させることがあり、不均一硬化や硬化密度低下をもたらす。このため有機溶剤に対し、可溶性となりやすい。具体的には、テトラヒドロフラン、テトラヒドロフランとメタノール混合溶媒、酢酸エチル、メチルエチルケトン、エチルセロソルブなどが有用であるが、塗工法と合わせて選択される。また、固形分濃度に関しては、同様な理由で低すぎる場合、有機溶剤に対し可溶性となりやすい。逆に膜厚、塗工液粘度の制限から上限濃度の制約をうける。具体的には、10〜50質量%の範囲で用いることが望ましい。架橋型電荷輸送層の塗工方法としては、同様な理由で塗工膜形成時の溶媒含有量、溶媒との接触時間を少なくする方法が好ましく、具体的にはスプレーコート法、塗工液量を規制したリングコート法が好ましい。また、下層成分の混入量を抑えるためには、電荷輸送層として高分子電荷輸送物質を用いること、架橋型電荷輸送層の塗工溶媒に対し不溶性の中間層を設けることも有効である。
架橋型電荷輸送層の硬化条件としては、加熱または光照射のエネルギーが低いと硬化が完全に終了せず、有機溶剤に対し溶解性があがる。逆に非常に高いエネルギーにより硬化させた場合、硬化反応が不均一となり未架橋部やラジカル停止部の増加や微小な硬化物の集合体となりやすい。このため有機溶剤に対し溶解性となることがある。有機溶剤に対し不溶性化するには、熱硬化の条件としては100〜170℃、10分〜3時間が好ましく、UV光照射による硬化条件としては50〜1000mW/cm、5秒〜5分で且つ温度上昇を50℃以下に制御し、不均一な硬化反応を抑えることが望ましい。
本発明の構成において架橋型電荷輸送層を有機溶剤に対し不溶性にする手法について例示すると、例えば、塗工液として、3つのアクリロイルオキシ基を有するアクリレートモノマーと、一つのアクリロイルオキシ基を有するトリアリールアミン化合物を使用する場合、これらの使用割合は7:3から3:7であり、また、重合開始剤をこれらアクリレート化合物全量に対し3〜20質量%添加し、さらに溶媒を加えて塗工液を調製する。例えば、架橋型電荷輸送層の下層となる電荷輸送層において、電荷輸送物質としてトリアリールアミン系ドナー、及びバインダー樹脂として、ポリカーボネートを使用し、表面層をスプレー塗工により形成する場合、上記塗工液の溶媒としては、テトラヒドロフラン、2−ブタノン、酢酸エチル等が好ましく、その使用割合は、アクリレート化合物全量に対し3倍量〜10倍量である。
次いで、例えば、アルミシリンダー等の支持体上に、下引き層、電荷発生層、上記電荷輸送層を順次積層した感光体上に、上記調製した塗工液をスプレー等により塗布する。その後、自然乾燥又は比較的低温で短時間乾燥し(25〜80℃、1〜10分間)、UV照射あるいは加熱して硬化させる。
UV照射の場合、メタルハライドランプ等を用いるが、照度は50mW/cm以上、1000mW/cm以下が好ましく、例えば200mW/cmのUV光を照射する場合、例えば硬化に際し、複数のランプからドラム周方向を均一30秒程度照射すればよい。このときドラム温度は50℃を越えないように制御する。
熱硬化の場合、加熱温度は100〜170℃が好ましく、例えば加熱手段として送風型オーブンを用い、加熱温度を150℃に設定した場合、加熱時間は20分〜3時間である。
硬化終了後は、さらに残留溶媒低減のため100〜150℃で10分〜30分加熱して、本発明の電子写真感光体を得る。
本発明の画像形成装置において上述の感光体を用いることで、目的を達成できる理由として以下の要因が挙げられる。
電子写真感光体は帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段の一連のプロセスが繰り返される環境で使用され、この過程で感光体が摩耗したり傷が発生することにより、画像劣化を引き起こし寿命となる。この摩耗、傷をもたらす要因としては、(1)帯電、除電時の放電による感光体表面組成物の分解及び酸化性ガスによる化学的劣化、
(2)現像時におけるキャリア付着、
(3)転写時における紙との摩擦、
(4)クリーニング時におけるクリーニングブラシ、クリーニングブレード及び介在するトナーや付着キャリアとの摩擦、などが挙げられる。
これらのハザードに強い感光体を設計するためには、表面層を高硬度、高弾性で且つ均一にすることが重要で、膜構造からは緻密で且つ均質な3次元網目構造を形成する方法が有望である。本発明の表面にあたる架橋電荷輸送層は、3官能以上のラジカル重合性モノマーを硬化した架橋構造有するため3次元の網目構造が発達し、架橋密度が非常に高い高硬度、且つ高弾性表面層が得られ、高い耐摩耗性、耐傷性が達成される。この様に感光体表面の架橋密度すなわち単位体積あたりの架橋結合数を増加させることが重要であるが、硬化反応において瞬時に多数の結合を形成させるため体積収縮による内部応力が発生する。
この内部応力は架橋層の膜厚が厚くなるほど増加するため電荷輸送層全層を硬化させると、クラックや膜剥がれが発生しやすくなる。この現象は初期的に現れなくても、電子写真プロセス上で繰り返し使用され帯電、現像、転写、クリーニングのハザード及び熱変動の影響を受けることにより、経時で発生しやすくなることもある。この問題を解決する方法としては、
(1)架橋層及び架橋構造に高分子成分を導入する、
(2)1官能及び2官能のラジカル重合性モノマーを多量に用いる、
(3)柔軟性基を有する多官能モノマーを用いる、
などの硬化樹脂層を柔らかくする方向性が挙げられるが、いずれも架橋層の架橋密度が希薄となり、飛躍的な耐摩耗性が達成されない。
これに対し、本発明の感光体は、電荷輸送層上に3次元の網目構造が発達した架橋密度の高い架橋型電荷輸送層を設けることで、上記のクラックや膜剥がれが発生せず、且つ非常に高い耐摩耗性が達成される。本発明の感光体がクラックや膜剥がれを抑制できる理由としては、架橋型電荷輸送層を薄膜化できるため内部応力が大きくならないこと、下層に電荷輸送層を有するため表面の架橋型電荷輸送層の内部応力を緩和できることなどによる。このため架橋型電荷輸送層に高分子材料を多量に含有させる必要がなく、この時生ずる、高分子材料とラジカル重合性組成物(ラジカル重合性モノマーや電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物)の反応より生じた硬化物との不相溶が原因の傷やトナーフィルミングも起こりにくい。また、本発明の最表面層の形成においては、上記3官能性ラジカル重合性モノマーに加え、さらに1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を含有しており、これが上記3官能以上のラジカル重合性モノマー硬化時に架橋結合中に取り込まれる。これに対し、官能基を有しない低分子電荷輸送物質を架橋表面層中に含有させた場合、その相溶性の低さから低分子電荷輸送物質の析出や白濁現象が起こり、架橋表面層の機械的強度も低下する。一方、2官能以上の電荷輸送性化合物を主成分として用いた場合は複数の結合で架橋構造中に固定され架橋密度はより高まるが、電荷輸送性構造が非常に嵩高いため硬化樹脂構造の歪みが非常に大きくなり、架橋型電荷輸送層の内部応力が高まる原因となる。
更に、本発明の感光体は良好な電気的特性を有し、このため長期間にわたり高画質化が実現される。これは架橋型電荷輸送層の構成材料として1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を用い、架橋結合間にペンダント状に固定化したことに起因する。上記のように官能基を有しない電荷輸送物質は析出、白濁現象が起こり、感度の低下、残留電位の上昇等繰り返し使用における電気的特性の劣化が著しい。2官能以上の電荷輸送性化合物を主成分として用いた場合は複数の結合で架橋構造中に固定されるため、電荷輸送時の中間体構造(カチオンラジカル)が安定して保てず、電荷のトラップによる感度の低下、残留電位の上昇が起こりやすい。これらの電気的特性の劣化は、画像濃度低下、文字の細り等の画像として現れる。さらに、本発明の感光体においては、下層の電荷輸送層として従来感光体の電荷トラップの少ない高移動度な設計が適応可能で、架橋電荷輸送層の電気的副作用を最小限に抑えることができる。
本発明の架橋型電荷輸送層は電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化することにより形成され、層全体としては3次元の網目構造が発達し高い架橋密度を有するが、上記成分以外の含有物(例えば、1または2官能モノマー、高分子バインダー、酸化防止剤、レベリング剤、可塑剤などの添加剤及び下層からの溶解混入成分)や硬化条件により、局部的に架橋密度が希薄になったり、高密度に架橋した微小な硬化物の集合体として形成されることがある。このような架橋型電荷輸送層は、硬化物間の結合力は弱く有機溶剤に対し溶解性を示し、且つ電子写真プロセス中で繰り返し使用されるなかで、局部的な摩耗や微小な硬化物単位での脱離が発生しやすくなる。本発明のように架橋型電荷輸送層を有機溶剤に対し不溶性にせしめることにより、本来の3次元の網目構造が発達し高い架橋度を有することに加え、連鎖反応が広い範囲で進行し硬化物が高分子量化するため、飛躍的な耐摩耗性が達成される。
また、通常高耐摩耗性保護層を表面層として用いた場合、前述したように、画像流れが生じたり、ドットの再現性が低下することになる。本発明の架橋型電荷輸送層を表面層として用いた場合、膜が緻密でかつ結合力が強いことから、水分や帯電による分子鎖の切断がおきにくい。また、Tgが高く耐熱性も高いことから、加熱による塗膜の強度低下もない。従って、画像ボケも生じにくく、あえて画像ボケが生じやすい条件下においても加熱手段を用いることで、耐摩耗性の低下が無く、画像ボケを防止出来るものと考える。
(中間層)
本発明に係る感光体においては、電荷輸送層と架橋型電荷輸送層の間に、架橋型電荷輸送層への電荷輸送層成分混入を抑える又は両層間の接着性を改善する目的で中間層を設けることが可能である。このため、中間層としては架橋型電荷輸送層塗工液に対し不溶性または難溶性であるものが適しており、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成法としては、前述のごとく一般に用いられる塗工法が採用される。なお、中間層の厚さは0.05〜2μm程度が適当である。
(下引き層)
本発明に係る感光体においては、導電性支持体(31)と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
これらの下引き層は、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
(酸化防止剤の添加)
感光体の各層おいては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、架橋型電荷輸送層、電荷輸送層、電荷発生層、下引き層、中間層等の各層に酸化防止剤を添加することができる。
用いることができる酸化防止剤としては、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できるものが利用できる。例えば、下記のものが挙げられる。
(フェノール系化合物)
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2'−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3'−ビス(4'−ヒドロキシ−3'−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類など。
(パラフェニレンジアミン類)
N−フェニル−N'−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジメチル−N,N'−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
(ハイドロキノン類)
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
(有機硫黄化合物類)
ジラウリル−3,3'−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3'−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3'−チオジプロピオネートなど。
(有機燐化合物類)
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
本発明における酸化防止剤の添加量は、添加する層の総質量に対して0.01〜10質量%である。
<画像形成方法及び装置>
図面に基づいて本発明の画像形成方法ならびに画像形成装置について説明する。本発明の画像形成方法ならびに画像形成装置は、耐摩耗性及び耐傷性が非常に高く、且つクラックや膜剥がれが生じにくい架橋型電荷輸送層を表面に有する積層型感光体構造の感光体を備えている。例えば、少なくとも感光体に帯電、画像露光、現像の過程を経た後、転写媒体(転写紙等)へのトナー画像の転写、定着及び感光体表面のクリーニングというプロセスよりなる画像形成方法ならびに画像形成装置である。場合により、静電潜像を直接転写体に転写し現像する画像形成方法等では、感光体に配した上記プロセスを必ずしも有するものではない。
図3は本発明のシャッターを省いた画像形成装置の概略図であり、これを用いて本発明画像形成中の動作を説明する。なお、シャッターの構造に関しては後述する。画像形成に当たっては、感光体40が時計方向に回転を始め、感光体は放電型帯電器41により像露光前に一様帯電され、像露光手段42からの像露光により感光体面上には静電潛像が形成されていく。尚、書き込まれる画像情報は図示しない画像情報提供手段等からもたらされた情報に基づくものである。
感光体面上の静電潜像は現像手段43により現像されトナー画像が形成される。トナー画像はタイミングを合わせて給紙手段等(図示せず)より供給される転写材(転写紙)に転写手段45により転写される。分離手段(図示せず)により感光体から引き剥がされた転写材はトナー画像をのせて搬送手段(図示せず)によって、定着手段(図示せず)に運ばれ、トナー画像を定着された後、画像形成装置内から排出される。
感光体は転写材を分離された後、クリーニング手段51により表面に残留するトナー等を除去された後、次の画像形成のため再び帯電、像露光以下の工程を経る。これを繰り返す事により多数枚の画像形成がなされる。
尚、感光体40、並びに放電型帯電器41、像露光手段、トナー現像手段、転写体上にトナー像を転写する転写手段45及び転写後の感光体クリーニング手段51等の各手段の少なくも一つを備えた装置ユニットとし、これをプロセスカートリッジとして画像形成装置本体に対し一体的に着脱可能にすることも出来る。
(シャッターを備えた画像形成装置)
図3にシャッターを備えた画像形成装置の構成の一例を示し、本発明の画像形成装置のを説明する。図3においては、図2と同様の画像形成装置であるが、感光体と放電型帯電器との間にシャッターが備えられている点が異なっている。このシャッター63は、画像形成装置稼働中はシャッター部材収納ケース62に巻き込まれて収納されている。画像形成が終了して、画像形成装置が稼働停止すると、帯電器61の放電を終了し、シャッター部材収納ケース62に巻き込まれて収納されていたシャッター部材63がガイド板64に添いながら、感光体60と帯電器61を遮るように出てくる。シャッター部材63は、可撓性があり、ある程度の反発力を有する材料であれば、特に限定する必要はない。例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等の樹脂シートなどが使用出来る。画像形成装置が稼働時には再びシャッター部材収納ケース62に巻き込まれて、収納される。シャッター部材63が感光体60と帯電器61を遮る際に、帯電器61が感光体60から離れる構造になっていてもよい。
さらに、画像形成装置は、感光体近辺の湿度を測定する湿度計を備えていることが好ましい。そして、画像形成装置の稼働停止中で、相対湿度が35%以下の場合にシャッターが閉状態となるように制御する制御装置を備えていることが好ましい。画像形成装置の稼働停止中で、相対湿度が35%以下の場合にシャッターが閉状態とすることにより、再稼働した際の感光体60表面の帯電以上が防止され、良好な画像形成が達成できる。
[実施例]
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、感光体作製例中において使用する「部」は、すべて質量部を表わす。
<1官能の電荷輸送性構造を有する化合物の合成>
1官能の電荷輸送性構造を有する化合物は、例えば特許第3164426号公報記載の方法にて合成される。下記にこの一例を具体的に示す。
(1)ヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物(下記構造式B)の合成
メトキシ基置換トリアリールアミン化合物(下記構造式A)113.85g(0.3mol)と、ヨウ化ナトリウム138g(0.92mol)にスルホラン240mlを加え、窒素気流中で60℃に加温した。この液中にトリメチルクロロシラン99g(0.91mol)を1時間かけて滴下し、約60℃の温度で4時間半撹拌し反応を終了させた。この反応液にトルエン約1.5Lを加え室温まで冷却し、水と炭酸ナトリウム水溶液で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン:酢酸エチル=20:1)にて精製した。得られた淡黄色オイルにシクロヘキサンを加え、結晶を析出させた。この様にして下記構造式Bの白色結晶88.1g(収率=80.4%)を得た。この白色結晶の融点は64.0〜66.0℃で、元素分析値(%)を表13に示した。この白色結晶は、異常の結果より下記の構造式Bのヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物である。
Figure 0004969317
Figure 0004969317
Figure 0004969317
(2)トリアリールアミノ基置換フェニルアクリレート化合物(表4中の化合物No.54)
上記(1)で得られたヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物(構造式B)82.9g(0.227mol)をテトラヒドロフラン400mlに溶解し、窒素気流中で水酸化ナトリウム水溶液(NaOH:12.4g,水:100ml)を滴下した。この溶液を5℃に冷却し、アクリル酸クロライド25.2g(0.272mol)を40分かけて滴下した。その後、5℃で3時間撹拌し反応を終了させた。この反応液を水に注ぎ、トルエンにて抽出した。この抽出液を炭酸水素ナトリウム水溶液と水で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン)にて精製した。得られた無色のオイルにn−ヘキサンを加え、結晶を析出させた。この様にして例示化合物No.54の白色結晶80.73g(収率=84.8%)を得た。白色結晶の融点は117.5〜119.0℃で元素分析値(%)は表14に示すとおりであり、表4中の化合物No.54が生成している。
Figure 0004969317
<感光体作製>
(感光体1)
φ100mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布、乾燥することにより、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、22μmの電荷輸送層を形成した後、この電荷輸送層上に下記組成の架橋型電荷輸送層用塗工液をスプレー塗工し、20分自然乾燥した後、メタルハライドランプ:160W/cm、照射距離:120mm、照射強度:500mW/cm、照射時間:60秒の条件で光照射を行ない塗布膜を硬化させた。更に130℃で20分乾燥を加え5.2μmの架橋型電荷輸送層用を設け感光体1を得た。
〔下引き層用塗工液〕
アルキッド樹脂 6部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製)
酸化チタン 40部
メチルエチルケトン 50部
〔電荷発生層用塗工液〕
Y型チタニルフタロシアニン 6部
シリコーン樹脂溶液(KR5240、15%キシレン−ブタノール溶液
:信越化学社製) 70部
2−ブタノン 200部
〔電荷輸送層用塗工液〕
電荷輸送物質(下記構造式(C)) 20部
ビスフェノールZ型ポリカーボネート(ユーピロンZ300:三菱ガス化学社製)
30部
1,2−ジクロロエタン 200部
Figure 0004969317
〔架橋型電荷輸送層用塗工液〕
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 10部
(例示化合物No.54)
光重合開始剤:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
1部
テトラヒドロフラン 100部
(感光体2)
感光体作製例1の架橋型電荷輸送層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のモノマーに換え、1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を例示化合物No.138、10部に換え、架橋型電荷輸送層の膜厚を5.4μmにした以外は感光体作製例1と同様に感光体2を作製した。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー:ペンタエリスリトールテトラアクリレート (SR−295,化薬サートマー製)
分子量:352、官能基数:4官能、分子量/官能基数=88
(感光体3)
感光体作製例1の架橋型電荷輸送層を用いず、最表層の下記組成の電荷輸送層を32μmにした以外は感光体作製例1と同様に感光体3を作製した。
〔電荷輸送層用塗工液〕
電荷輸送物質(下記構造式(C)) 25部
ビスフェノールZ型ポリカーボネート(ユーピロンZ300:三菱ガス化学社製)
30部
1,2−ジクロロエタン 200部
(実施例)
(1)耐摩耗性評価
上記感光体1〜3をimagio neo 1050 pro(リコー社製、放電型帯電器搭載)に搭載し、耐摩耗性を評価した。評価条件はA4を20万枚コピー後の摩耗量を測定した。摩耗量については、ランニング前後の感光体膜厚を渦電流式膜厚計(フィッシャースコープ社製)にて測定し評価した。結果は下記(2)の画像評価の結果と共に表15にまとめた。
(2)画像評価
上記感光体1〜3をimagio neo 1050 pro(リコー社製、放電型帯電器搭載)に搭載し、実験環境を変化させ評価を行った。測定条件は、実施例1,2については10℃/40%RH環境下で、実施例3,4、比較例1〜4については10℃/30%RH環境下で、A4を2万枚コピー後にコピー機の電源をOFFにして、12時間放置した後に画像出力と電位測定を行った。画像は中間調を出力し、電位は帯電電位の放置時帯電器直下部とそれ以外の部分の電位差(ΔVH)を測定した。なお、このときの放置時帯電器直下部以外の帯電電位を−800Vに調整し、電位を測定した。シャッター閉の実施例、比較例に関しては、コピー停止の12時間放置時にPETフィルム製の簡易的なシャッターを設置し、感光体と帯電器との間を遮蔽するようにした。シャッター閉の実施例、比較例に関しては、コピー停止中の12時間シャッターを設置しないで放置した。表15に実施例1〜4、比較例1〜4と使用した感光体、画像評価結果及び電位評価結果をまとめた。
画像評価は以下のようにした。
○:濃度ムラ発生せず
△:多少の発生は確認されるが、問題にはならない程度
×:発生が確認され、問題になるレベル
Figure 0004969317
上記の結果から、本発明の画像形成装置においては、高性能の有機感光体を備えており高い耐摩耗性を有し、高湿度環境下においては、画像形成停止中もシャッターを使用しない(シャッター開の状態)で画像形成装置を使用しても画像むらや画像形成不良は起こらない(実施例1,2)。さらに、低湿度環境下においても、画像形成停止中はシャッターを使用する(シャッター閉の状態)ことで画像むらや画像形成不良をなくし、画像品質を向上させることができる(実施例3,4)。しかし、低湿度環境下において画像形成停止中にシャッターを使用しない(シャッターがない装置を想定)で画像形成装置を使用すると、画像むらが発生した(比較例1,2)。また、本発明の構成と異なる感光体を使用した画像形成装置においては、シャッターの効果はある程度見られるが、耐摩耗性が劣っている(比較例3,4)。このように、本発明の画像形成装置は、感光体の耐摩耗性が優れており、低湿環境下においても長時間放電型帯電器で作像を行ったのちに、長時間帯電器に近接して感光体を放置しても、画像濃度ムラが生じるが事がなく、安定して高画質の画像を得る事が出来る、画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジを提供することが出来る。
本発明に係る感光体の層構成を示す断面図である。 本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明のシャッター機構の一例を示す概略図である。
符号の説明
31 導電性支持体
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
39 架橋型電荷輸送層
40 感光体(電子写真感光体)
41 放電型帯電器
42 露光手段
43 現像手段
45 転写手段
51 クリーニング手段
60 感光体(電子写真感光体)
61 放電型帯電器
62 シャッター部材収納ケース
63 シャッター部材
64 シャッターガイド板

Claims (5)

  1. 感光体と、感光体表面を帯電させる放電型帯電器と、帯電された感光体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、形成された潜像を現像とする現像手段と、該現像を転写媒体に転写する転写手段とを備えた画像形成装置であって、
    前記感光体は、支持体上に電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋型電荷輸送層を順次積層した構造であって、前記架橋型電荷輸送層が電荷輸送性構造を有しない3以上のラジカル重合官能基を有するモノマーと電荷輸送性構造を有する1つのラジカル重合官能基を有するモノマーとを重合させることにより形成されており、
    前記放電型帯電器は、感光体と非接触で近接しており、放電型帯電器と感光体との間に開閉可能なシャッターを備え
    前記放電型帯電器周辺の湿度を測定する湿度検知手段と、画像形成中は前記シャッターを開状態とし、画像形成停止中は、前記放電型帯電器周辺の相対湿度が35%以下であったときにシャッターを閉状態とするシャッター制御装置とをさらに備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記電荷輸送性構造を有しない3以上のラジカル重合官能基を有するモノマー、及び電荷輸送性構造を有する1つのラジカル重合官能基を有するモノマーにおけるラジカル重合官能基が、アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 感光体、並びに感光体表面を帯電させる放電型帯電器、帯電された感光体表面に潜像を形成する潜像形成手段、形成された潜像を現像とする現像手段、該現像を転写媒体に転写する転写手段及び該現像を転写媒体に転写した後の感光体表面を清浄にするクリーニング手段のうち少なくともひとつとを備えており、画像形成装置に着脱可能なプロセスカートリッジであって、
    前記感光体は、支持体上に電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋型電荷輸送層を順次積層した構造であって、前記架橋型電荷輸送層が電荷輸送性構造を有しない3以上のラジカル重合官能基を有するモノマーと電荷輸送性構造を有する1つのラジカル重合官能基を有するモノマーとを重合させることにより形成されており、
    前記放電型帯電器は、感光体と非接触で近接しており、放電型帯電器と感光体との間に開閉可能なシャッターを備え
    前記放電型帯電器周辺の湿度を測定する湿度検知手段と、画像形成中は前記シャッターを開状態とし、画像形成停止中は、前記放電型帯電器周辺の相対湿度が35%以下であったときにシャッターを閉状態とするシャッター制御装置とをさらに備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  4. 前記電荷輸送性構造を有しない3以上のラジカル重合官能基を有するモノマー、及び電荷輸送性構造を有する1つのラジカル重合官能基を有するモノマーにおけるラジカル重合官能基が、アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする請求項に記載のプロセスカートリッジ。
  5. 感光体表面を放電型帯電器で帯電させる工程と、帯電された感光体表面に潜像を形成する潜像形成工程と、形成された潜像を現像とする現像工程と、現像を転写媒体に転写する転写工程とを含む画像形成方法であって、
    前記感光体は、支持体上に電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋型電荷輸送層を順次積層した構造であって、前記架橋型電荷輸送層が電荷輸送性構造を有しない3以上のラジカル重合官能基を有するモノマーと電荷輸送性構造を有する1つのラジカル重合官能基を有するモノマーとを重合させることにより形成されており、
    前記放電型帯電器は、感光体と非接触で近接しており、放電型帯電器と感光体との間に開閉可能なシャッターを備え、
    前記放電型帯電器周辺の湿度を測定する湿度検知工程と、画像形成中は前記シャッターを開状態とし、画像形成停止中は、放電型帯電器周辺の相対湿度が35%以下であったときにシャッターを閉状態とするシャッター制御工程とをさらに含むことを特徴とする画像形成方法。
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