JP2006010972A - 像担持体及びプロセスカートリッジ、並びに画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 支持体と該支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋型電荷輸送層をこの順に積層してなる感光層とを有し、該架橋型電荷輸送層が電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物と電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物との反応物を含有する感光体と、該感光体を加熱する加熱手段とを有する像担持体、及び該像担持体を用いたプロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法である。
【選択図】 図1
Description
<1> 支持体と該支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋型電荷輸送層をこの順に有してなり、該架橋型電荷輸送層が電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物と電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物との反応物を含有する感光体と、該感光体を加熱する加熱手段とを有することを特徴とする像担持体である。
<2> 感光体内に加熱手段が内蔵され、該加熱手段により内部から感光体を加熱する前記<1>に記載の像担持体である。
<3> 架橋型電荷輸送層の膜厚が1〜10μmである前記<1>から<2>のいずれかに記載の像担持体である。
<4> 架橋型電荷輸送層の膜厚が2〜8μmである前記<1>から<3>のいずれかに記載の像担持体である。
<5> 3官能以上のラジカル重合性化合物及び1官能のラジカル重合性化合物におけるラジカル重合性官能基が、アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の少なくともいずれかである前記<1>から<4>のいずれかに記載の像担持体である。
<6> 像担持体と、該像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着する定着手段と、前記像担持体上をクリーニングするクリーニング手段とを有してなり、前記像担持体が前記<1>から<5>のいずれかに記載の像担持体であり、かつ加熱状態の該像担持体を用いて画像形成することを特徴とする画像形成装置である。
<7> 画像形成時における像担持体の表面温度が30〜65℃である前記<6>に記載の画像形成装置である。
<8> 像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着する定着工程と、前記像担持体上をクリーニングするクリーニング工程とを含んでなり、前記像担持体が前記<1>から<5>のいずれかに記載の像担持体であり、かつ該像担持体を加熱しながら画像形成することを特徴とする画像形成方法である。
<9> 画像形成時における像担持体の表面温度が30〜65℃である前記<8>に記載の画像形成方法である。
<10> 像担持体、該像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段、該可視像を記録媒体に転写する転写手段、及び前記像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段から選択される少なくとも1つを有してなり、前記像担持体が前記<1>から<5>のいずれかに記載の像担持体であり、かつ加熱状態の該像担持体を用いて画像形成することを特徴とするプロセスカートリッジである。
本発明の像担持体は、支持体と、該支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋型電荷輸送層をこの順に積層してなる感光層を有する感光体と、該感光体を加熱する加熱手段とを有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
前記(2)の直接加熱方法としては、発熱体を挟み込んだ面状発熱体やセラミック発熱体を組み込んで感光体ドラム内部から直接加熱する方法、などが挙げられる。前記発熱体としては、例えば、ラミネート処理を行った金属薄板、ポリエチレンテレフタレート樹脂等を支持体としてニクロム線等の発熱体を挟み込んだものなどが挙げられる。これにより、感光体ドラムのどの位置が帯電極直下で停止しても均一に感光体を加熱することが可能となる。また、像担持体を加熱することで像担持体表面の相対湿度を低減させることが可能となるため、画像全面に渡って高湿環境でも良好な画像を得ることができる。従って像担持体自体が加熱手段を備えた直接加熱が最も有効である。また、像担持体の上に外部ヒーターを併用することにより更に加熱効果を高めることができる。
前記感光体は、支持体と、該支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋型電荷輸送層をこの順に積層してなる感光層とを有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
ここで、図2は、本発明の感光体を示す概略断面図である。この感光体は、導電性支持体1上に、電荷発生機能を有する電荷発生層2と、電荷輸送物機能を有する電荷輸送層3と、架橋型電荷輸送層4がこの順に積層されてなる積層構造の感光体である。
前記支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金等の金属;酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも支持体として用いることができる。
前記導電性粉体としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、また、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂が挙げられる。
前記導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
前記感光層は、電荷発生機能を有する電荷発生層と、電荷輸送物機能を有する電荷輸送層と、架橋型電荷輸送層がこの順に積層されてなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
前記電荷発生層は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分として含み、バインダー樹脂、更に必要に応じてその他の成分を含む。
前記無機系材料としては、例えば、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物、アモルファス・シリコン等が挙げられる。該アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
前記有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
これらの中でも、下記構造式(1)で示されるオキシチタニウムフタロシアニンが好ましいものの一つである。
具体的には、特開平01−001728号公報、特開平01−009964号公報、特開平01−013061号公報、特開平01−019049号公報、特開平01−241559号公報、特開平04−011627号公報、特開平04−175337号公報、特開平04−183719号公報、特開平04−225014号公報、特開平04−230767号公報、特開平04−320420号公報、特開平05−232727号公報、特開平05−310904号公報、特開平06−234836号公報、特開平06−234837号公報、特開平06−234838号公報、特開平06−234839号公報、特開平06−234840号公報、特開平06−234841号公報、特開平06−239049号公報、特開平06−236050号公報、特開平06−236051号公報、特開平06−295077号公報、特開平07−056374号公報、特開平08−176293号公報、特開平08−208820号公報、特開平08−211640号公報、特開平08−253568号公報、特開平08−269183号公報、特開平09−062019号公報、特開平09−043883号公報、特開平09−71642号公報、特開平09−87376号公報、特開平09−104746号公報、特開平09−110974号公報、特開平09−110976号公報、特開平09−157378号公報、特開平09−221544号公報、特開平09−227669号公報、特開平09−235367号公報、特開平09−241369号公報、特開平09−268226号公報、特開平09−272735号公報、特開平09−302084号公報、特開平09−302085号公報、特開平09−328539号公報等に記載の電荷輸送性高分子材料が挙げられる。
具体的には、特開昭63−285552号公報、特開平05−19497号公報、特開平05−70595号公報、特開平10−73944号公報等に記載のポリシリレン重合体、などが挙げられる。
前記真空薄膜作製法としては、例えば、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法、等が好適であり、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
前記キャスティング法によって電荷発生層を設ける方法としては、例えば、前記無機系又は有機電荷発生物質を、必要に応じてバインダー樹脂と共に、溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。該溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、等が挙げられる。なお、前記分散液には、必要に応じて、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のレベリング剤を添加することができる。前記塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行うことができる。
前記電荷輸送層は、電荷輸送機能を有する層であり、電荷輸送機能を有する電荷輸送物質及び結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成させる。
前記電荷輸送物質としては、前記電荷発生層で記載した電子輸送物質、正孔輸送物質及び高分子電荷輸送物質を用いることができる。上述したように高分子電荷輸送物質を用いることにより、架橋型電荷輸送層を塗工時の下層の溶解性を低減でき、とりわけ有用である。
前記可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般に用いられる樹脂の可塑剤として使用されているものを用いることができる。該可塑剤の使用量は、前記結着樹脂100質量部に対し0〜30質量部程度が適当である。
前記レベリング剤としては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用される。該レベリング剤の使用量は、前記結着樹脂100質量部に対し0〜1質量部程度が好ましい。
前記電荷輸送層上に、後述する架橋型電荷輸送層塗工液を塗布、必要に応じて乾燥後、熱や光照射の外部エネルギーにより硬化反応を開始させ、架橋型電荷輸送層が形成される。
前記架橋型電荷輸送層は、電荷輸送機能を有する架橋構造を有する層であり、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷輸送層上に塗布、乾燥することにより形成させる。
CH2=CH−X1− ・・・構造式(2)
ただし、前記構造式(2)中、X1は、置換基を有していてもよいフェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基、−CO−基、−COO−基、−CON(R10)−基(ただし、R10は、水素原子、メチル基、エチル基等のアルキル基、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基を表す。)、又はS−基を表す。
これらの置換基としては、具体的には、ビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミド基、ビニルチオエーテル基、等が挙げられる。
CH2=C(Y)−X2− ・・・・構造式(3)
ただし、前記構造式(3)中、Yは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基あるいはエトキシ基等のアルコキシ基、−COOR11基(ただし、R11は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル、フェネチル基等のアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、又はCONR12R13(ただし、R12及びR13は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル基、ナフチルメチル基、あるいはフェネチル基等のアラルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基を表し、互いに同一又は異なっていてもよい。)、また、X2は前記構造式(2)のX1と同一の置換基及び単結合、アルキレン基を表す。ただし、Y,X2の少なくとも何れか一方がオキシカルボニル基、シアノ基、アルケニレン基、及び芳香族環である。
これらの置換基としては、例えば、α−塩化アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリロイルアミノ基。等が挙げられる。
なお、これらX、Yについての置換基に更に置換される置換基としては、例えばハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、などが挙げられる。
これらのラジカル重合性官能基の中では、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用であり、3個以上のアクリロイルオキシ基を有する化合物は、例えば、水酸基がその分子中に3個以上ある化合物とアクリル酸(塩)、アクリル酸ハライド、アクリル酸エステルを用い、エステル反応あるいはエステル交換反応させることにより得ることができる。また、3個以上のメタクリロイルオキシ基を有する化合物も同様にして得ることができる。また、ラジカル重合性官能基を3個以上有する単量体中のラジカル重合性官能基は、同一でも異なってもよい。
前記ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシ変性(以下、EO変性という)トリアクリレート、トリメチロールプロパプロピレンオキシ変性(以下、EO変性という)トリアクリレート、トリメチロールプロパンカプロラクトン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、グリセロールエピクロロヒドリン変性(以下、ECH変性という)トリアクリレート、グリセロールEO変性トリアクリレート、グリセロールPO変性トリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、リン酸EO変性トリアクリレート、2,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレート、などが挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
R1の置換基のうち、特に好ましいものは水素原子、メチル基である。
置換もしくは未置換のAr3、Ar4はアリール基であり、アリール基としては縮合多環式炭化水素基、非縮合環式炭化水素基及び複素環基が挙げられる。
前記縮合多環式炭化水素基としては、好ましくは環を形成する炭素数が18個以下のもの、例えば、ペンタニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、等が挙げられる。
また、前記Ar3、Ar4で表されるアリール基は、例えば、下記(1)〜(8)に示すような置換基を有してもよい。
(1)ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
(2)アルキル基、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、更に好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基には更にフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチル基、エチル基、n−ブチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基、等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR2)であり、R2は前記(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基であり、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、等が挙げられる。
(5)アルキルメルカプト基又はアリールメルカプト基であり、具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基、等が挙げられる。
(6)下記構造式(6)で表される基が挙げられる。
具体的には、アミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(トリール)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基等が挙げられる。
(7)メチレンジオキシ基、又はメチレンジチオ基等のアルキレンジオキシ基又はアルキレンジチオ基等が挙げられる。
(8)置換又は無置換のスチリル基、置換又は無置換のβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレン基としては、C1〜C12、好ましくはC1〜C8、更に好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であり、これらのアルキレン基には更にフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチレン基、エチレン基、n−ブチレン基、i−プロピレン基、t−ブチレン基、s−ブチレン基、n−プロピレン基、トリフルオロメチレン基、2−ヒドロキエチレン基、2−エトキシエチレン基、2−シアノエチレン基、2−メトキシエチレン基、ベンジリデン基、フェニルエチレン基、4−クロロフェニルエチレン基、4−メチルフェニルエチレン基、4−ビフェニルエチレン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のシクロアルキレン基としては、C5〜C7の環状アルキレン基であり、これらの環状アルキレン基にはフッ素原子、水酸基、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基を有していてもよい。具体的にはシクロヘキシリデン基、シクロへキシレン基、3,3−ジメチルシクロヘキシリデン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基としては、エチレンオキシ、プロピレンオキシ、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコールを表し、アルキレンエーテル基アルキレン基はヒドロキシル基、メチル基、エチル基等の置換基を有してもよい。
ビニレン基としては、下記構造式で表される基が好ましい。
前記Zは、置換もしくは未置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基、アルキレンオキシカルボニル2価基を表す。
置換もしくは未置換のアルキレン基としては、前記Xのアルキレン基と同様なものが挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基としては、前記Xのアルキレンエーテル基の2価基が挙げられる。
アルキレンオキシカルボニル2価基としては、カプロラクトン変性2価基が挙げられる。
前記機能性モノマーとしては、例えば、オクタフルオロペンチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、2−パーフルオロイソノニルエチルアクリレートなどのフッ素原子を置換したもの、特公平5−60503号公報、及び特公平6−45770号公報に記載のシロキサン繰り返し単位:20〜70のアクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、メタクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、アクリロイルポリジメチルシロキサンプロピル、アクリロイルポリジメチルシロキサンブチル、ジアクリロイルポリジメチルシロキサンジエチルなどのポリシロキサン基を有するビニルモノマー、アクリレート及びメタクリレートが挙げられる。
前記ラジカル重合性オリゴマーとしては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系オリゴマー、などが挙げられる。
前記含有量が50質量部を超えると、架橋型電荷輸送層の三次元架橋密度が実質的に低下し、耐摩耗性の低下を招くことがある。
なお、光重合促進効果を有するものを単独又は上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、などが挙げられる。
前記可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂に使用されているものが利用可能である。
前記可塑剤の使用量は、前記架橋型電荷輸送層塗工液の総固形分に対し20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
前記レベリング剤としては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが利用できる。
前記レベリング剤の使用量は、前記架橋型電荷輸送層塗工液の総固形分に対し3質量%以下が好ましい。
前記溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピルエーテル等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ系溶媒、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記溶媒による希釈率は組成物の溶解性、塗工法、目的とする膜厚により変わり、任意である。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行うことができる。
前記加熱温度は100〜170℃が好ましい。前記加熱温度が100℃未満であると、反応速度が遅く、完全に硬化反応が終了しないことがあり、170℃を超えると、高温になりすぎて硬化反応が不均一に進行し架橋型電荷輸送層中に大きな歪みや多数の未反応残基、反応停止末端が発生することがある。硬化反応を均一に進めるために、100℃未満の比較的低温で加熱後、更に100℃以上に加温し反応を完結させる方法も有効である。
前記光のエネルギーとしては、主に紫外光に発光波長をもつ高圧水銀灯やメタルハライドランプなどのUV照射光源が利用できるが、ラジカル重合性含有物や光重合開始剤の吸収波長に合わせ可視光光源の選択も可能である。前記照射光量は50〜1000mW/cm2が好ましい。前記照射光量が50mW/cm2未満であると、硬化反応に時間を要することがあり、1000mW/cm2を超えると、反応の進行が不均一となり、架橋型電荷輸送層表面に局部的な皺が発生したり、多数の未反応残基、反応停止末端が生ずることがある。また、急激な架橋により内部応力が大きくなり、クラックや膜剥がれの原因となる。
前記放射線のエネルギーとしては電子線を用いるものが挙げられる。
これらのエネルギーの中で、反応速度制御の容易さ、装置の簡便さから熱及び光のエネルギーを用いたものが有用である。
これらの理由から、本発明の架橋型電荷輸送層は2μm以上の膜厚で良好な耐摩耗性、耐傷性を有するが、繰り返しの使用において局部的に下層の電荷輸送層まで削れた部分できるとその部分の摩耗が増加し、帯電性や感度変動から中間調画像の濃度むらが発生しやすい。従って、より長寿命、高画質化のためには架橋型電荷輸送層の膜厚を2μm以上にすることが望ましい。
これらの添加剤を多量に含有させると、架橋密度の低下、反応により生じた硬化物と上記添加物との相分離が生じ、有機溶剤に対し可溶性となる。具体的には、塗工液の総固形分に対し上記総含有量を20質量%以下に抑えることが重要である。また、架橋密度を希薄にさせないために、1官能又は2官能のラジカル重合性モノマー、反応性オリゴマー、反応性ポリマーにおいても、総含有量を3官能ラジカル重合性モノマーに対し20質量%以下とすることが望ましい。更に、2官能以上の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を多量に含有させると、嵩高い構造体が複数の結合により架橋構造中に固定されるため歪みを生じやすく、微小な硬化物の集合体となりやすい。このことが原因で有機溶剤に対し可溶性となることがある。化合物構造によって異なるが、2官能以上の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の含有量は1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物に対し10質量%以下にすることが好ましい。更に電荷発生層、電荷輸送層、架橋型電荷輸送層を順次積層した構成において、最表面の架橋型電荷輸送層が有機溶剤に対し不溶性であることが、耐摩耗性、耐傷性が達成させることに好ましい。
前記有機溶剤に対し不溶性化するには、熱硬化の条件としては100〜170℃、10分〜3時間が好ましく、UV光照射による硬化条件としては50〜1000mW/cm2、5秒〜5分であり、かつ温度上昇を50℃以下に制御し、不均一な硬化反応を抑えることが望ましい。
次いで、例えば、アルミシリンダー等の支持体上に、下引き層、電荷発生層、上記電荷輸送層を順次積層した感光体上に、上記調製した塗工液をスプレー等により塗布する。その後、自然乾燥又は比較的低温で短時間乾燥し(25〜80℃、1〜10分間)、UV照射あるいは加熱して硬化させる。
紫外線(UV)照射の場合、メタルハライドランプ等を用いるが、照度は50mW/cm2以上、1000mW/cm2以下が好ましく、例えば200mW/cm2のUV光を照射する場合、例えば硬化に際し、複数のランプからドラム周方向を均一30秒程度照射すればよい。このときドラム温度は50℃を超えないように制御する。
熱硬化の場合、加熱温度は100〜170℃が好ましく、例えば、加熱手段として送風型オーブンを用い、加熱温度を150℃に設定した場合、加熱時間は20分〜3時間である。
硬化終了後は、更に残留溶媒低減のため100〜150℃で10分〜30分加熱して、本発明の電子写真感光体が得られる。
本発明の像担持体においては、電荷輸送層と架橋型電荷輸送層の間に、架橋型電荷輸送層への電荷輸送層成分混入を抑える又は両層間の接着性を改善する目的で中間層を設けることが可能である。このため、前記中間層としては、架橋型電荷輸送層塗工液に対し不溶性又は難溶性であるものが適しており、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成方法としては、前記塗工法が採用される。
なお、前記中間層の厚さは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.05〜2μmが好適である。
本発明の像担持体においては、導電性支持体と感光層との間に下引き層を設けることができる。該下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。該樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、前記下引き層には、モアレ防止、残留電位の低減等を図るため、例えば、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物の微粉末顔料を添加することができる。
前記下引き層には、Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。
前記下引き層は、前記感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。更に、前記下引き層には、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。
前記下引き層の膜厚は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0〜5μmが好ましい。
前記有機硫黄化合物類としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネート、などが挙げられる。
前記有機燐化合物類としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィン、などが挙げられる。
前記酸化防止剤の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、添加する層の総質量に対し0.01〜10質量%が好ましい。
本発明における1官能の電荷輸送性構造を有する化合物は、例えば、特許第3164426号公報に記載の方法により合成できる。以下に、この一例を示す。
(1)ヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物(下記構造式(9))の合成
メトキシ基置換トリアリールアミン化合物(下記構造式(8))113.85g(0.3mol)と、ヨウ化ナトリウム138g(0.92mol)にスルホラン240mlを加え、窒素気流中で60℃に加温した。この液中にトリメチルクロロシラン99g(0.91mol)を1時間かけて滴下し、約60℃の温度で4時間半撹拌し反応を終了させた。この反応液にトルエン約1.5Lを加え室温まで冷却し、水と炭酸ナトリウム水溶液で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン:酢酸エチル=20:1)にて精製した。得られた淡黄色オイルにシクロヘキサンを加えて、結晶を析出させた。このようにして下記構造式(9)の白色結晶88.1g(収率=80.4%)を得た。融点は64.0〜66.0℃である。
上記(1)で得られたヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物(構造式(9))82.9g(0.227mol)をテトラヒドロフラン400mlに溶解し、窒素気流中で水酸化ナトリウム水溶液(NaOH:12.4g,水:100ml)を滴下した。この溶液を5℃に冷却し、アクリル酸クロライド25.2g(0.272mol)を40分かけて滴下した。その後、5℃にて3時間撹拌し反応を終了させた。この反応液を水に注ぎ、トルエンにて抽出した。この抽出液を炭酸水素ナトリウム水溶液と水で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン)にて精製した。得られた無色のオイルにn−ヘキサンを加え、結晶を析出させた。このようにして例示化合物No.54の白色結晶80.73g(収率=84.8%)を得た。融点は117.5〜119.0℃である。
本発明における2官能の電荷輸送性構造を有する化合物ジヒドロキメチルトリフェニルアミンは、下記の方法にて合成できる。
まず、温度計、冷却管、攪拌装置、及び滴下ロートの付いたフラスコに、下記反応式で表される化合物(1)49g、及びオキシ塩化リン184gを入れ、加熱溶解した。滴下ロートよりジメチルホルムアミド117gを徐々に滴下し、その後反応液温を85〜95℃に保ち、約15時間攪拌を行った。次に反応液を大過剰の温水に徐々に注いだ後、攪拌しながらゆっくり冷却した。次いで、析出した結晶を濾過及び乾燥した後、シリカゲル等により不純物吸着及びアセトニトリルでの再結晶により精製を行って化合物(2)を得た。収量は30gであった。
得られた化合物(2)30gとエタノール100mlをフラスコに投入し攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム1.9gを徐々に添加した後、液温を40〜60℃に保ち、約2時間攪拌を行った。次に、反応液を約300mlの水に徐々にあけ、攪拌して結晶を析出させた。濾過後、充分に水洗して、乾燥し化合物(3)を得た。収量は30gであった。
本発明の画像形成装置は、像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段と、クリーニング手段とを有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程と、クリーニング工程とを含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば除電工程、リサイクル工程、制御工程等を含んでなる。
前記静電潜像形成工程は、像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記像担持体としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
また、像露光は、画像形成装置を複写機やプリンターとして使用する場合には、原稿からの反射光や透過光を感光体に照射すること、或いはセンサーで原稿を読み取り信号化し、この信号に従ってレーザービームの走査、LEDアレイの駆動、又は液晶シャッターアレイの駆動を行い感光体に光を照射することなどにより行われる。
前記現像工程は、前記静電潜像を、トナー乃至現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像をトナー乃至現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、トナー乃至現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像にトナー乃至現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記像担持体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、などが挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記クリーニング工程は、前記像担持体上をクリーニング手段を用いてクリーニングするクリーニング工程である。
前記クリーニング手段としては、例えば、クリーニングブレード、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ、等が挙げられる。
前記クリーニングブレード71の感光体10への当接荷重P、当接角θの好ましい値としては、Pは5〜50gf/cmが好ましい。θは5〜35°が好ましい。また、クリーニングブレード自由長Lは3〜15mmが好ましい。クリーニングブレードの厚さ0.5〜10mmが好ましい。
ここで、前記JISA硬度及び反発弾性率ともJIS K6301の加硫ゴム物理試験方法に基づき測定することができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
図4は、本発明の画像形成装置を説明するための概略図であり、後に表すような変形例も本発明の範疇に属するものである。
像担持体としての感光体201は、支持体上に、電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋型電荷輸送層をこの順に含む感光層を有してなる。なお、感光体201はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。
帯電部材203には、ワイヤー方式の帯電部材やローラ形状の帯電部材が用いられる。高速帯電にはスコロトロン方式の帯電部材が良好に使用される。この帯電部材により、感光体には帯電が施されるが、感光体に印加される電界強度は高いほどドット再現性が良好になる。
画像露光部205には、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの高輝度が確保でき、高解像度(600dpi以上の解像度)で書き込むことのできる光源が使用される。
また、感光体上の形成されたトナー像は、転写紙に転写されることで転写紙上の画像となるものであるが、この際、2つの方法がある。1つは図4に表すような感光体表面に現像されたトナー像を転写紙に直接転写する方法と、もう1つはいったん感光体から中間転写体にトナー像が転写され、これを転写紙に転写する方法である。いずれの場合にも本発明において用いることができる。
このような転写部材は、構成上、本発明の構成を満足できるものであれば、公知のものを使用することができる。
なお、感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行うと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
先の帯電方式においてAC成分を重畳して使用する場合や、感光体の残留電位が小さい場合等は、この除電機構を省略することもできる。また、光学的な除電ではなく静電的な除電機構(例えば、逆バイアスを印加した或いはアース接地した除電ブラシなど)を用いることもできる。図4中、208はレジストローラ、212は分離爪である。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図7中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される転写紙と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。
なお、前記タンデム画像形成装置においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22との間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写装置22により該合成カラー画像(カラー転写像)を該シート(記録紙)上に転写(二次転写)することにより、該シート(記録紙)上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
本発明のプロセスカートリッジは、像担持体、該像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段、該可視像を記録媒体に転写する転写手段、及び前記像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段から選択される少なくとも1つを有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、トナー乃至現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
本発明のプロセスカートリッジは、各種画像形成装置に着脱自在に備えさせることができ、上述した本発明の画像形成装置に着脱自在に備えさせるのが好ましい。
前記感光体101は、支持体と、該支持体上に電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋型電荷輸送層を少なくともこの順に含む感光層を有する。
帯電手段102としては、例えば、公知の帯電部材が用いられる。
露光手段103としては、例えば、高解像度で書き込みが行うことのできる光源が用いられる。
−像担持体1の作製−
直径100mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液を浸漬法で塗工し、乾燥させて厚さ3.5μmの下引き層を形成した。
・アルキッド樹脂・・・6部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業株式会社製)
・メラミン樹脂・・・4部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業株式会社製)
・酸化チタン・・・40部
・メチルエチルケトン・・・50部
<電荷発生層用塗工液の組成>
・Y型チタニルフタロシアニン・・・6部
・シリコーン樹脂溶液(KR5240、15質量%キシレン−ブタノール溶液、信越化学工業株式会社製)・・・70部
・2−ブタノン・・・200部
<電荷輸送層用塗工液の組成>
・電荷輸送物質(下記構造式(A))・・・25部
・ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ300、三菱ガス化学株式会社製)・・・30部
・ジクロロメタン・・・300部
<架橋型電荷輸送層用塗工液の組成>
・電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー・・・10部
(トリメチロールプロパントリアクリレート、KAYARAD TMPTA、日本化薬株式会社製、分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99)
・1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物(例示化合物No.54)・・・10部
・光重合開始剤としての1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)・・・1部
・テトラヒドロフラン・・・100部
−像担持体2の作製−
実施例1において、架橋型電荷輸送層の膜厚を1.3μmにした以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
得られた感光体の支持体の内側にポリエチレンテレフタレート樹脂でニクロム線からなる発熱体を挟み込んだ面状発熱体を挿入し、内面から加熱可能とした。以上により、像担持体2を作製した。
−像担持体3の作製−
実施例1において、架橋型電荷輸送層の膜厚を7.7μmにした以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
得られた感光体の支持体の内側にポリエチレンテレフタレート樹脂でニクロム線からなる発熱体を挟み込んだ面状発熱体を挿入し、内面から加熱可能とした。以上により、像担持体3を作製した。
−像担持体4の作製−
実施例1において、架橋型電荷輸送層用塗工液を下記組成に変更し、架橋型電荷輸送層の膜厚を5.4μmにした以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
<架橋型電荷輸送層用塗工液の組成>
・電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー・・・10部
(ペンタエリスリトールテトラアクリレート、SR−295,化薬サートマー製、分子量:352、官能基数:4官能、分子量/官能基数=88)
・1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物(例示化合物No.138)・・・10部
・光重合開始剤としての1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)・・・1部
・テトラヒドロフラン・・・100部
−像担持体5の作製−
実施例4において、架橋型電荷輸送層の膜厚を1.4μmにした以外は、実施例4と同様にして、感光体を作製した。
得られた感光体の支持体の内側にポリエチレンテレフタレート樹脂でニクロム線からなる発熱体を挟み込んだ面状発熱体を挿入し、内面から加熱可能とした。以上により、像担持体5を作製した。
−像担持体体6の作製−
実施例4において、架橋型電荷輸送層の膜厚を7.7μmにした以外は、実施例4と同様にして、感光体を作製した。
得られた感光体の支持体の内側にポリエチレンテレフタレート樹脂でニクロム線からなる発熱体を挟み込んだ面状発熱体を挿入し、内面から加熱可能とした。以上により、像担持体6を作製した。
−像担持体7の作製−
実施例1において、架橋型電荷輸送層用塗工液を下記組成に変更し、架橋型電荷輸送層の膜厚を5.0μmにした以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
<架橋型電荷輸送層用塗工液の組成>
・電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー・・・10部
(ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレート(KAYARAD DPCA−60、日本化薬株式会社製、分子量:1263、官能基数:6官能、分子量/官能基数=211)
・1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物(例示化合物No.54)・・・10部
・光重合開始剤としての2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア651、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)・・・1部
・テトラヒドロフラン・・・100部
−像担持体8の作製−
実施例7において、架橋型電荷輸送層の膜厚を9.6μmにした以外は、実施例7と同様にして、感光体を作製した。
得られた感光体の支持体の内側にポリエチレンテレフタレート樹脂でニクロム線からなる発熱体を挟み込んだ面状発熱体を挿入し、内面から加熱可能とした。以上により、像担持体8を作製した。
−像担持体9の作製−
実施例7において、架橋型電荷輸送層の膜厚を1.9μmにした以外は、実施例7と同様にして、感光体を作製した。
得られた感光体の支持体の内側にポリエチレンテレフタレート樹脂でニクロム線からなる発熱体を挟み込んだ面状発熱体を挿入し、内面から加熱可能とした。以上により、像担持体9を作製した。
−像担持体10の作製−
実施例7において、架橋型電荷輸送層の膜厚を2.4μmにした以外は、実施例7と同様にして、感光体を作製した。
得られた感光体の支持体の内側にポリエチレンテレフタレート樹脂でニクロム線からなる発熱体を挟み込んだ面状発熱体を挿入し、内面から加熱可能とした。以上により、像担持体10を作製した。
−像担持体11の作製−
実施例1において、架橋型電荷輸送層を設けず、電荷輸送層の膜厚を27μmとした以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
得られた感光体の支持体の内側にポリエチレンテレフタレート樹脂でニクロム線からなる発熱体を挟み込んだ面状発熱体を挿入し、内面から加熱可能とした。以上により、像担持体11を作製した。
−像担持体12の作製−
実施例1と同様にして電荷輸送層までを作製した。この電荷輸送層上に、下記組成の接着層用塗布液を塗布し、100℃にて30分の加熱処理を行い、膜厚0.3μmの接着層を形成した。
<接着層用塗工液の組成>
・シリルアクリレート(PC−7A:信越化学工業株式会社製)・・・6部
・2−ブタノン・・・200部
<保護層用塗布液の組成>
メチルシロキサン単位80モル%、メチル−フェニルシロキサン単位20モル%からなるポリシロキサンのメタノール溶液にモレキュラーシーブ4Aを添加し、15時間静置し、脱水処理した。この溶液10部をトルエン10部に溶解し、これにメチルトリメトキシシラン1部、ジブチル錫アセテート0.2部を加え均一な保護層用塗布液を調製した。
−像担持体13の作製−
比較例2において、保護層用塗布液にコロイダルシリカ0.5部を加えた以外は、比較例2と同様にして、感光体を作製した。
得られた感光体の支持体の内側にポリエチレンテレフタレート樹脂でニクロム線からなる発熱体を挟み込んだ面状発熱体を挿入し、内面から加熱可能とした。以上により、像担持体13を作製した。
−像担持体14の作製−
比較例2と同様にして接着層までを作製した。市販の有機ケイ素化合物(KP−85、信越化学工業株式会社製)60部、及び2−プロパノール60部を加えて均一に溶解して、表面保護層用塗布液を調製した。この表面保護層用塗布液を前記接着層上に、乾燥膜厚1μmとなるように塗布し、110℃、1時間の乾燥を行い表面保護層を形成した。以上により、感光体を作製した。
得られた感光体の支持体の内側にポリエチレンテレフタレート樹脂でニクロム線からなる発熱体を挟み込んだ面状発熱体を挿入し、内面から加熱可能とした。以上により、像担持体14を作製した。
−像担持体15の作製−
比較例2と同様にして接着層までを作製した。接着層上に、市販の有機ケイ素化合物(X−40−2269、信越化学工業株式会社製)60部、及び2−プロパノール60部を加えて均一に溶解し、この溶液を乾燥膜厚1μmの保護層となるように塗布し、110℃、1時間の乾燥を行い、感光体を作製した。
得られた感光体の支持体の内側にポリエチレンテレフタレート樹脂でニクロム線からなる発熱体を挟み込んだ面状発熱体を挿入し、内面から加熱可能とした。以上により、像担持体14を作製した。
−像担持体16の作製−
実施例1と同様にして電荷輸送層までを形成した。この電荷輸送層上に、市販の有機ケイ素化合物(X−40−2269、信越化学工業株式会社製)30部、及び2−プロパノール60部を加えて均一に溶解し、これにジヒドロキシメチルトリフェニルアミン6部を混合し、均一な溶液とした。この溶液を乾燥膜厚1μmの保護層となるように塗布し、100℃、1時間の乾燥を行い、感光体を作製した。
得られた感光体の支持体の内側にポリエチレンテレフタレート樹脂でニクロム線からなる発熱体を挟み込んだ面状発熱体を挿入し、内面から加熱可能とした。以上により、像担持体16を作製した。
得られた実施例1〜10及び比較例1〜6の各像担持体No.1〜16を画像形成装置(imagio MF7070、株式会社リコー製)に搭載し、露光量を適正化した後、初期帯電電位を−850Vに設定し、高温高湿環境(30℃−90%RH)において、各像担持体の表面温度を40℃に保ちながら50,000枚コピーの実写評価を行った。初期画像と、50,000枚コピー後の画像を40℃の温度条件でサンプリングして下記基準で評価した。更に12時間放置した後の画像についても同様に評価を行った。結果を表1に示す。
〔評価基準〕
◎:異常なし
○:わずかに解像力低下あるが実用化は可能である。
△:一部解像度の低下あり実用上好ましくない。
×:画像流れ発生、実用化はできない。
各像担持体について、渦電流式膜厚計(フィッシャースコープ社製)を用いて、80,000枚コピー前後の膜厚を測定し、前後の膜厚差から摩耗量(μm)を算出した。
2 電荷発生層
3 電荷輸送層
4 架橋型電荷輸送層
10 感光体(感光体ドラム)
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ベルト
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 定電流源
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
71 クリーニングブレード
72 支持部材
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100 画像形成装置
101 像担持体(感光体)
102 帯電手段
103 露光
104 現像手段
105 転写体
106 転写手段
107 クリーニング手段
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 画像形成装置本体
200 給紙テーブル
201 支持体
205 感光層
207 加熱手段
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
Claims (10)
- 支持体と該支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋型電荷輸送層をこの順に有してなり、該架橋型電荷輸送層が電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物と電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物との反応物を含有する感光体と、該感光体を加熱する加熱手段とを有することを特徴とする像担持体。
- 感光体内に加熱手段が内蔵され、該加熱手段により内部から感光体を加熱する請求項1に記載の像担持体。
- 架橋型電荷輸送層の膜厚が1〜10μmである請求項1から2のいずれかに記載の像担持体。
- 架橋型電荷輸送層の膜厚が2〜8μmである請求項1から3のいずれかに記載の像担持体。
- 3官能以上のラジカル重合性化合物及び1官能のラジカル重合性化合物におけるラジカル重合性官能基が、アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の少なくともいずれかである請求項1から4のいずれかに記載の像担持体。
- 像担持体と、該像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着する定着手段と、前記像担持体上をクリーニングするクリーニング手段とを有してなり、前記像担持体が請求項1から5のいずれかに記載の像担持体であり、かつ加熱状態の該像担持体を用いて画像形成することを特徴とする画像形成装置。
- 画像形成時における像担持体の表面温度が30〜65℃である請求項6に記載の画像形成装置。
- 像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着する定着工程と、前記像担持体上をクリーニングするクリーニング工程とを含んでなり、前記像担持体が請求項1から5のいずれかに記載の像担持体であり、かつ該像担持体を加熱しながら画像形成することを特徴とする画像形成方法。
- 画像形成時における像担持体の表面温度が30〜65℃である請求項8に記載の画像形成方法。
- 像担持体、該像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段、該可視像を記録媒体に転写する転写手段、及び前記像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段から選択される少なくとも1つを有してなり、前記像担持体が請求項1から5のいずれかに記載の像担持体であり、かつ加熱状態の該像担持体を用いて画像形成することを特徴とするプロセスカートリッジ。
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-
2004
- 2004-06-24 JP JP2004186761A patent/JP2006010972A/ja active Pending
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