JP4968109B2 - オーディオデータ変換再生システム、オーディオデータ変換装置、オーディオデータ再生装置 - Google Patents
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Description
また、この影響を解消するために、複数の速度で再生したMIDIデータを記憶することも物理的には可能ではあるが、記憶容量が急激に増加するという新たな問題が生じる。
以下、本発明の一実施形態を具体化したカラオケシステムについて説明する。本実施形態においては、本発明のオーディオデータ変換装置及びオーディオデータ再生装置が、カラオケシステム内の構成要素として実現されている。
本実施形態のカラオケシステムは、各地のカラオケ店舗等に設置されたカラオケ装置100と、通信網と、サーバ200と、から基本的に構成される。
カラオケ装置100は、カラオケ店舗の客室ごとに設置されている。
カラオケ装置100とサーバ200とは、例えば、カラオケ店舗内に設置されるルータを介して、通信網によって接続される。ここで、通信網としては、有線、無線、併用どのような形態でもよく、また、インターネットを利用したVPN(Virtual Private Network)であってもよい。
サーバコントローラ201は、サーバ200全体を制御するものであり、プロセッサ(例えば、CPU)によって実現される。また、本発明を実現するために必要なプロセス(プログラム)を実行する。
楽音データは、後述するオーディオデータ変換処理によって変換されたデータである。楽音データの再生においては、MIDI音源を必要としない。
また、オーディオデータ変換処理の変換対象となったMIDIデータを必要に応じ記憶してもよい。
図2は、カラオケ装置100のシステム構成の一例である。図2に示すように、カラオケ装置100は、リモコン101とコマンダ102とから構成される。なお、複数のリモコン101が、コマンダ102と通信可能となるように構成してもよい。
電波通信I/F112及び電波I/F122は、リモコン101とコマンダ102とが電波を媒体とする無線通信(以下、「電波通信」という。)を行うためのインタフェースである。
また、コマンダ102とリモコン101とは、アクセスポイントを介して無線通信を行ってもよい。
リモコン101で受け付けた各種操作信号は、コマンダ102に送信される。また、種々の情報がコマンダ102からリモコン101に送信される。ここで、赤外線通信と無線通信とは、送受信される情報の種類等に応じて適宜切り替えて用いることができる。
また、RAM125上の所定の領域は、リングバッファとして機能する。
サーバ200において実行されるオーディオデータ変換処理について説明する。
図3は、サーバ200の内部構成の一部を示している。
CPU201は、MIDI音源203に対し、楽曲のMIDIデータを送信(転送)する。
MIDI音源203は、受信したMIDIデータに基いて再生処理を行い、ADコンバータ205に演奏音を出力する。
ADコンバータ205は、可変クロックジェネレータ206から出力されるクロック信号に基いて、演奏音デジタルデータを生成する。
記録媒体204は、上記圧縮演奏音データを記憶する。また、圧縮演奏音データは、MIDI音源を用いることなく再生することができる。
オーディオデータ変換処理の詳細について説明する。オーディオデータ変換処理では、MIDIデータが他のフォーマットデータに変換する。オーディオデータ変換処理では、MIDIデータが、打楽器音トラックとそれ以外のトラック(以下、「通常音トラック」という。)に分けられ、それぞれのトラックに対し別々の処理が行われる。なお、MIDIデータは、データベース204または別の記憶媒体に記憶されているものとする。
まず、通常音トラックに対するオーディオデータ変換処理について説明する。打楽器音トラックをミュートとした状態で、MIDIデータを再生し、再生された演奏音を圧縮して記録媒体204に記憶する。なお、「打楽器音トラックをミュートした状態」とは、打楽器音トラックのベロシティを0として再生することをいう。
記録媒体204に記憶された圧縮演奏音データを再生する場合は、圧縮演奏音データを解凍する。そして、解凍した演奏音データを指定された再生速度に応じたサンプリング周波数で読み出し、ピッチシフタを介して出力する(公知の速度変換処理)。すなわち、1つの圧縮演奏音データが、複数の再生速度に対応することになる。
次に、打楽器音トラックに対するオーディオデータ変換処理について説明する。打楽器音は、アタック感が重要な聴覚的要素である。ここで、上記公知の速度変換処理は、その原理的理由により出力音のアタック感に影響を及ぼす。したがって、打楽器音トラックを、通常音トラックと同様に処理した場合は、速度を変更して再生した場合に、悪影響を及ぼすことになる。
複数の再生速度ごとに打楽器音の演奏音を記憶することによりデータ容量が急激に増加することになるため、本実施形態においては、以下のような圧縮処理を行う。
打楽器音トラック部分には、ヘッダとそれぞれの再生速度で再生した場合のループ元データ列が記憶されている。
また、ループ展開データは複数の再生速度において共通に用いられる。
次に、打楽器音トラックに対するオーディオデータ変換処理を構成するループ展開データ生成処理及びループ元データ列生成処理について説明する。
図6は、ループ展開データ生成処理のフローチャートである。
S1において、ループ展開データを作成する。ここでは、オーディオデータ変換処理の対象となる楽曲の小節分だけループ展開データが作成される。
S2において、ループ展開データを初期化する。ここでは、すべてのループ展開データに対し、初期値として「0」をセットする。
S4において、比較元小節を特定する。ここでは、楽曲の先頭から順に、「0」がセットされているループ展開データを探索していき、「0」がセットされているループ展開データが見つかると、そのループ展開データに対応する小節を、「比較元小節」として特定する。したがって、ループ展開データ生成処理実行開始後、最初にS4の処理を実行する場合は、楽曲の最初の小節が、「比較元小節」となる。
S6において、チェック対象小節をセットする。ここでは、楽曲の先頭の小節が「チェック対象小節」としてセットされる。
S8において、比較元小節のMIDIデータとチェック対象小節のMIDIデータは同一か否かを判断する。
同一ではないと判断した場合は(S8:NO)、S10に移行する。一方、同一であると判断した場合は(S8:YES)、S9に移行する。なお、同一か否かの判断においては、互いのMIDIデータが完全に一致していなくても、所定範囲内の差であれば同一であると判断してもよい。例えば、互いのMIDIデータのベロシティ値、発音タイミングの差分値が一定範囲内であれば、同一であると判断してもよい。
S11において、チェック対象小節として、現位置の次の小節をセットする。そして、S7に戻る。これにより、チェック対象小節が、楽曲の最後の小節となるまで、S7〜S11の処理が繰り返し行われることになる。
S12において、「0」がセットされているループ展開データが存在するか否かを判断する。「0」がセットされているループ展開データが存在すると判断した場合は(S12:YES)、S13に移行する。
S13において、ループ展開データ記述値を「1」加算する。その後、S4に戻る。
図7(1)に示すように、第1小節は「MIDIデータA」、第2小節は「MIDIデータA」、第3小節は「MIDIデータB」、第4小節は「MIDIデータC」、第5小節は「MIDIデータA」、第6小節は「MIDIデータB」であるとする。
そして、図7(3)に示すように、第1MIDIデータと、第2MIDIデータ〜第6MIDIデータとがそれぞれ比較される。図7(3)では、第2MIDIデータ、第5MIDIデータについて、第1MIDIデータと同一であると判断される。
次に、ループ元データ列生成処理について説明する。図10は、ループ元データ列生成処理のフローチャートである。ループ元データ列生成処理は、設定される複数の再生速度ごとに実行される。
S21において、再生速度を設定する。例えば、115%、112%、109%、106%、103%、100%、97%、94%、91%、88%、85%のいずれかが設定される。なお、設定する再生速度は、上記以外のものであってもよい。
S24において、ループ展開データ比較値と一致するループ展開データが存在するか否かを判断する。
S26において、ループ展開データ比較値を「1」増加する。その後、S24に戻る。
次に、コマンダ102において実行されるオーディオデータ再生処理について説明する。本実施形態においては、コマンダ102は、サーバ200から受信したオーディオデータ変換処理がなされた楽音データに基いて、オーディオデータ再生処理を行う。コマンダ102は、楽曲再生指示があった場合に、上記楽音データに基いて再生を行う。また、スピコン値の変更指示があった場合に、上記楽音データに基いて速度制御を行う。
図11は、コマンダで実行される入力受付処理のフローチャートである。
S31において、パネル、リモコン101から入力操作があったか否かを判断する。また、入力操作がない間、処理はS31で待機することになる。
S32において、入力操作が楽曲リクエストであるか否かを判断する。楽曲リクエストであると判断した場合は(S32:YES)、S33に移行する。
S33において、リクエストされた楽曲の再生を行う。楽曲の再生処理は公知であるので、説明を省略する。
S34において、入力操作がスピコン値変更であるか否かを判断する。スピコン値変更ではないと判断した場合は(S34:NO)、S35に移行する。
S35において、入力操作指示に基いた処理を行う。例えば、楽曲の検索、リクエスト、ゲームの実行、所定の情報の提示、飲食の注文等、種々の処理が実行される。
S36において、操作内容に応じて、スピコン値エリアを書き換える。ここで、スピコン値エリアは、RAM125上の所定の領域に確保されているものとする。また、スピコン値エリアは、後述するデコーダB制御処理においてアクセスされる。
RAM125は、リングバッファのための領域を有する。また、後述する複数のプロセスでアクセスされる領域(共用メモリ領域)を有する。
また、再生対象の通常演奏データ、ループ元データ列、ループ展開データは、RAM125に記憶されているものとする。
デコーダ132は、打楽器音の圧縮データを解凍する。解凍処理の詳細については後述する。解凍データは、リングバッファ(ループ展開データ用リングバッファ)に順次書き出される。
CPU123は、ピッチシフタ136に対し、制御信号を送信する。スピコン指示があった場合に、その指示に応じたシフト量を指示するための制御信号を送信する(図11のS38参照)。
CPU123は、ループ展開データデータ用リングバッファに記憶される解凍データを、DAコンバータ135に転送する。
なお、図12においては、説明の便宜上、DAコンバータ134及びDAコンバータ135を分けて記載しているが、1つのDAコンバータで実現してもよい。
通常音と打楽器音はミックスされ、スピーカ137により音声出力される。
なお、通常音のみピッチシフタ136が介され、前記ピッチシフタ136による前記通常音の信号伝達遅延時間が生じるときは、前記遅延時間に応じてCPU123による打楽器音の解凍タイミングの変更や、DAコンバータ135の出力に前記遅延時間と同じ遅延時間の遅延線挿入などを行えばよい。
次に、オーディオデータ再生処理について説明する。オーディオデータ再生処理は、楽音再生処理、デコーダA制御処理、デコーダB制御処理に分けることができる。これらの処理は、マルチプロセスとして実行される。
まず、楽音再生処理について説明する。図13は、楽曲再生処理のフローチャートである。
S41において、デコーダA状態エリアをクリアする。また、デコーダB状態エリアをクリアする。それぞれのエリアは、RAM125上の所定の領域に確保されているものとする。また、それぞれのエリアは、後述するデコーダA制御処理、デコーダB制御処理においてアクセスされる。
デコーダAまたはデコーダBでのデコードが終了していないと判断した場合は(S44:NO)、S45に移行する。
通常演奏データ用リングバッファ及びループ展開データ用リングバッファに一定サイズのデータが書き込まれたと判断した場合は(S45:YES)、S46に移行する。
次に、デコーダA制御処理について説明する。図14は、デコーダA制御処理のフローチャートである。
S52において、通常演奏データを読み出し位置から一定サイズ分デコードする。
通常演奏用リングバッファへの書き込みが可能となったと判断した場合は(S53:YES)、S54に移行する。
S55において、通常演奏データ読み出し位置及びリングバッファの書き込み位置を進める。すなわち、通常演奏データの読み出し位置を示すポインタ、及び、通常演奏用リングバッファの書き出し位置を示すポインタを更新する。
S57において、デコード終了を示す情報を、デコーダA状態エリアに書き込む。コード終了を示す情報は、楽曲再生処理(図13)のS44において参照される。
次に、デコーダB制御処理について説明する。図15は、デコーダB制御処理のフローチャートである。
S61において、各種ポインタを初期化する。ここでは、ループ展開データの読み出し位置を示すポインタ、及び、ループ展開データ用リングバッファの書き出し位置を示すポインタを初期化する。
S63において、1小節分のループ展開データを読み込む。ここで、読み出される小節は、小節指定データによって決定される。
S66において、スピコン値が変更されたか否かを判断する。スピコン値が変更されたと判断した場合は(S66:YES)、S64に戻る。
ループ展開データ用リングバッファに書き出し可能となるまで、S67で待機する。ループ展開データ用リングバッファに書き出し可能と判断した場合は(S67:YES)、S68に移行する。
S69において、ループ元データの読み出し位置及びループ展開データ用リングバッファ書き出し位置を進める。すなわち、ループ元データの読み出し位置を示すポインタ、及び、ループ展開データ用リングバッファの書き出し位置を示すポインタを制御する。
S71において、1小節分のループ展開データの書き出しを終了したか否かを判断する。この判断は、小節書き出し値を参照して行われる。
最後の小節を指示していないと判断した場合は(S72:NO)、小節指定データを「1」加算し、S62に戻る。
102 コマンダ
123 CPU
125 RAM
130 映像音声再生手段
131 デコーダ
132 デコーダ
133 可変クロックジェネレータ
134 DAコンバータ
135 DAコンバータ
136 ピッチシフタ
137 スピーカ
200 サーバ
201 サーバコントローラ(CPU)
202 RAM
203 MIDI音源
204 データベース
205 ADコンバータ
207 エンコーダ
Claims (4)
- MIDIデータに基いて別データに変換し、変換した別データに基いて音声信号を再生するオーディオデータ変換再生システムにおいて、
MIDIデータを取得する取得手段と、
取得したMIDIデータから打楽器音以外のトラックデータを通常音のトラックデータとして抽出する通常音抽出手段と、
抽出した通常音のトラックデータに基いて、通常音波形データを生成する通常音生成手段と、
前記取得したMIDIデータから打楽器音のトラックデータを抽出する打楽器音抽出手段と、
再生速度を設定する再生速度設定手段と、
抽出した打楽器音のトラックデータに基いて、前記設定した再生速度に応じた再生クロック数で再生した場合の打楽器音波形データを生成する打楽器音生成手段と、
前記打楽器音波形データに対しデータ圧縮を行う打楽器音波形データ圧縮手段と、を備え、
前記再生速度設定手段は、複数の再生速度を設定し、
前記打楽器音生成手段は、前記複数の再生速度に応じた複数の打楽器音波形データを、前記再生速度毎に生成し、
前記打楽器音波形データ圧縮手段は、
前記複数の打楽器音波形データそれぞれに対し、打楽器音波形データ圧縮処理を行い、
前記打楽器音波形データ圧縮処理は、
所定単位で分割された前記打楽器音のトラックデータに対し、互いに類似するものをグループ化し、
前記グループごとに代表波形データを生成し、
前記代表波形データごとに識別符号を付与し、
前記打楽器音のトラックデータを、前記識別符号を用いて識別符号列として表現し、
前記代表波形データ、前記識別符号列、前記設定された再生速度を、前記打楽器音のトラックデータの打楽器音圧縮データとして生成し、
さらに、
前記通常音波形データ及び前記打楽器音圧縮データを取得するデータ取得手段と、
再生速度を設定する再生速度設定手段と、
前記通常音のデータを、前記設定した再生速度に応じた再生クロック数で出力する通常音再生手段と、
前記通常音再生手段からの出力信号を、前記設定した再生速度に応じたシフト量でピッチシフトを行うピッチシフト手段と、
前記設定した再生速度に応じて、複数の打楽器音データのうち1つの打楽器音データを選択する手段と、
前記選択した打楽器音のデータを前記再生クロック数で出力する打楽器音再生手段と、
前記ピッチシフト手段からの出力信号及び前記打楽器音再生手段からの出力信号をミックスして音声信号を再生する音声信号出力手段と、
を有する、
オーディオデータ変換再生システム。 - MIDIデータに基いて別データに変換するオーディオデータ変換装置において、
MIDIデータを取得する取得手段と、
取得したMIDIデータから打楽器音以外のトラックデータを通常音のトラックデータとして抽出する通常音抽出手段と、
抽出した通常音のトラックデータに基いて、通常音波形データを生成し記憶する通常音記憶手段と、
前記取得したMIDIデータから打楽器音のトラックデータを抽出する打楽器音抽出手段と、
再生速度を設定する再生速度設定手段と、
抽出した打楽器音のトラックデータに基いて、前記設定した再生速度に応じた再生クロック数で再生した場合の打楽器音波形データを生成する打楽器音生成手段と、
前記打楽器音波形データに対しデータ圧縮を行う打楽器音波形データ圧縮手段と、を備え、
前記再生速度設定手段は、複数の再生速度を設定し、
前記打楽器音生成手段は、前記複数の再生速度に応じた複数の打楽器音波形データを、前記再生速度毎に生成し、
前記打楽器音波形データ圧縮手段は、
前記複数の打楽器音波形データそれぞれに対し、打楽器音波形データ圧縮処理を行い、
前記打楽器音波形データ圧縮処理は、
所定単位で分割された前記打楽器音のトラックデータに対し、互いに類似するものをグループ化し、
前記グループごとに代表波形データを生成し、
前記代表波形データごとに識別符号を付与し、
前記打楽器音のトラックデータを、前記識別符号を用いて識別符号列として表現し、
前記代表波形データ、前記識別符号列、前記設定された再生速度を、前記打楽器音のトラックデータの打楽器音圧縮データとして記憶する、
ことを特徴とするオーディオデータ変換装置。 - 前記所定単位は、小節単位である、
ことを特徴とする請求項2のオーディオデータ変換装置。 - 通常音のデータ及び複数の打楽器音のデータに基いて音声信号を再生するオーディオデータ再生装置において、
前記通常音のデータ及び前記複数の打楽器音のデータを取得するデータ取得手段と、
再生速度を設定する再生速度設定手段と、
前記通常音のデータを、前記設定した再生速度に応じた再生クロック数で出力する通常音再生手段と、
前記通常音再生手段からの出力信号を、前記設定した再生速度に応じたシフト量でピッチシフトを行うピッチシフト手段と、
前記設定した再生速度に応じて、複数の打楽器音データのうち1つの打楽器音データを選択する手段と、
前記選択した打楽器音のデータを前記再生クロック数で出力する打楽器音再生手段と、
前記ピッチシフト手段からの出力信号及び前記打楽器音再生手段からの出力信号をミックスして音声信号を再生する音声信号出力手段と、
を有する、
ことを特徴とするオーディオデータ再生装置。
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