JP4967355B2 - 電動パワーステアリング制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、操舵系に操舵補助力を付与する電動モータとこの電動モータに電力を供給するモータ駆動回路との間の電力供給ラインを遮断するためのモータリレー回路の誤動作によるシステムダウンを回避することの可能な電動パワーステアリング制御装置に関するものである。
この種の電動パワーステアリング制御装置は、モータ駆動回路を構成する電界効果トランジスタ(FET)にショート故障が生じる等といった異常が発生した場合には、電動モータが電磁ブレーキとして作用する可能性がある。これを回避するために、従来、電動モータへの電力供給ラインにモータリレーを介挿し、異常時はこのモータリレーを開状態に切り換えることで、電動モータへの電力供給を遮断し、電動モータが電磁ブレーキとして作用することを回避するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−12157号公報
上述のように、電動モータへの電力供給ラインにモータリレーを介挿したシステムでは、前記モータリレーとして常時開型のリレーを用いており、システム起動時にモータリレーを閉状態に制御して電動モータへの電力を供給可能な状態とし、異常発生時には、モータリレーを開状態に制御して電動モータへの電力供給を遮断することで、電動モータが電磁ブレーキとして作用することを回避している。
このようなシステムでは、通常、システム起動時にモータリレーを閉状態にする制御を行うものの、この制御によってモータリレーが確実に閉状態となったどうかの確認は行っておらず、モータリレーを閉状態にする制御を行った後、そのまま操舵補助力を発生させるための通常制御へ移行している。
そのため、何らかによってモータリレーが閉状態とならなかった場合には、通常制御へ移行した後、電流制御が行われて実際に電動モータへの電力供給が開始されたとしても、モータリレーが開状態のままのため電力供給が正常に行われない。その結果として、電動モータへの電流指令値と電動モータに実際に流れた電流値との差が大きくなり、この時点で異常発生と判断されることになる。
このため、例えばモータリレーの接点間に異物が挟まったためにモータリレーが閉状態とならなかった場合には、システム自体には故障が発生していないにも関わらず、モータリレーが閉状態とならないことから異常と判断され、これ以後システムを正常動作させることができず、操舵補助力を発生させることができないという問題がある。
事実として、市場からの返却品を調査した際には、モータリレー内部に接点接続を妨げたと思われる異物が確認されている。
本来、モータリレーは、異常発生時に電動モータが電磁ブレーキとして作用することを回避するために設けられるものである。しかしながら、システム自体は正常であるにも関わらず、異物等のためにモータリレーの故障として検知されることから、システムを停止させる必要があると判断され、電動パワーステアリング装置として動作することができず、これ以後、運転者が操舵操作を行うことができなくなっている。このことは、今後の車両や、システム自身の大型化に与える影響は大きく、システム起動に多少時間を要したとしても、確実に動作することの可能な電動パワーステアリング制御装置が望まれている。
そこで、この発明は上記従来の未解決の課題に着目してなされたものであり、システム自体は正常であるにも関わらず、異物等の影響によりシステムダウンとなることを回避することの可能な電動パワーステアリング制御装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る電動パワーステアリング制御装置は、操舵系に対して操舵補助力を付与する電動モータと、当該電動モータを駆動するモータ駆動回路と、前記モータ駆動回路から前記電動モータへの電力供給ラインを遮断する常時閉型のモータリレー回路と、少なくとも前記電動モータを駆動制御するためのモータ系統の異常監視を行う異常監視手段と、前記異常監視手段の監視結果に応じて前記モータリレー回路を制御するモータリレー制御手段とを備え、前記モータリレー制御手段は、前記異常監視手段で異常を検出したとき前記モータリレー回路を開状態に制御し、前記異常監視手段は、前記モータリレー回路の端子間電圧及び前記電動モータの端子間電圧のうち少なくとも何れか一方を検出する端子間電圧検出手段と、起動時に前記モータ駆動回路を制御して前記電動モータに断線チェック用の電流を通電させ、このときの前記端子間電圧検出手段の検出結果に基づいて前記電動モータを駆動制御するためのモータ系統の断線チェックを行う断線チェック手段とを備えることを特徴としている。
この請求項1に記載の発明では、モータ駆動回路から電動モータへの電力供給ラインを遮断するためのモータリレー回路は、常時閉型の回路で構成され、異常監視手段で異常を検出したとき、モータリレー回路は開状態に制御される。このため、システムが正常である間は、モータリレー回路は閉状態を維持することからモータリレー回路の接点に異物等が挟まる機会が低減され、異物の挟み込み等によってシステム本体が停止となる可能性が低減される。
また、起動時に断線チェック用の電流を電動モータに通電させると共に、このときのモータリレー回路の端子間電圧及び電動モータの端子間電圧の何れか一方を検出し、これに基づいて断線チェックを行うことから、起動時の段階で断線異常を検出することが可能となる。
また、請求項に係る電動パワーステアリング制御装置は、前記モータリレー制御手段は、前記断線チェック手段での、起動時の断線チェックで異常を検出したとき、前記モータリレー回路を開閉動作させる開閉制御手段を備え、前記異常監視手段は前記断線チェックで異常を検出したとき、断線の可能性があるとして前記開閉制御手段を作動させ、前記モータリレー回路を規定回数開閉動作させても前記異常が検出されるとき、断線異常として確定することを特徴としている。
この請求項に記載の発明では、起動時の断線チェックで異常が検出されたときには、断線の可能性があるとして開閉制御手段を作動させて、モータリレー回路を開閉動作させ、規定回数開閉動作させても異常と判断される時点で、断線異常であると確定していることから、モータリレー回路のリレー接点に異物が挟まっている場合等には、開閉動作を行うことで異物の除去を図ることができ、システム自体の異常ではなく異物等の影響によりシステムが停止する可能性を低減することができる。
また、請求項に係る電動パワーステアリング制御装置は、前記電動モータと前記モータ駆動回路との間の電力供給ラインそれぞれに前記モータリレー回路が介挿されていることを特徴としている。
この請求項に記載の発明では、電動モータとモータ駆動回路との間の電力供給ラインそれぞれにモータリレー回路を介挿し、2重系を構成していることから、電動モータへの電力供給をより確実に遮断することが可能となる。
また、本発明の請求項に係る電動パワーステアリング制御装置は、操舵系に対して操舵補助力を付与する電動モータと、当該電動モータを駆動するモータ駆動回路と、前記モータ駆動回路から前記電動モータへの電力供給ラインを遮断する常時閉型のモータリレー回路と、少なくとも前記電動モータを駆動制御するためのモータ系統の異常監視を行う異常監視手段と、前記異常監視手段の監視結果に応じて前記モータリレー回路を制御するモータリレー制御手段とを備え、前記モータリレー制御手段は、前記異常監視手段で異常を検出したとき前記モータリレー回路を開状態に制御し、前記モータリレー回路は前記モータリレー制御手段からのリレーオフ信号によって開閉制御され、前記異常監視手段は起動時に前記モータリレー制御手段から出力される前記リレーオフ信号と当該リレーオフ信号が正常であるとみなすことの可能な予め設定したしきい値とを比較し前記リレーオフ信号が前記しきい値を超えるとき前記リレーオフ信号は正常と判定するリレーオフ信号異常検出手段を備え、前記モータリレー制御手段は、前記リレーオフ信号の異常を通知するための警報手段を有し、前記リレーオフ信号異常検出手段で前記リレーオフ信号の異常を検出したとき、前記モータリレー回路を閉状態に維持したまま、前記警報手段を作動させることを特徴としている。
この請求項に記載の発明によれば、モータ駆動回路から電動モータへの電力供給ラインを遮断するためのモータリレー回路は、常時閉型の回路で構成され、異常監視手段で異常を検出したとき、モータリレー回路は開状態に制御される。このため、システムが正常である間は、モータリレー回路は閉状態を維持することからモータリレー回路の接点に異物等が挟まる機会が低減され、異物の挟み込み等によってシステム本体が停止となる可能性が低減される。
また、起動時にリレーオフ信号の異常検出が行われ、異常が検出されたときには、モータリレー回路を閉状態に維持したまま、警報手段によりリレーオフ信号の異常が通知される。モータリレー回路は、常時閉型の回路で構成され制御が行われない間は閉状態を維持し、リレーオフ信号が異常であっても、電動モータへの通電が可能であるから、モータ系統等のシステムに誤動作を来すような異常がない場合には電動モータへの電力供給を継続したとしても問題はない。したがって、警報手段により異常が発生していることを通知しつつシステムを有効に動作させることが可能となる。
本発明の請求項1に係る電動パワーステアリング制御装置によれば、モータリレー回路を常時閉型の回路で構成し、異常を検出したときに開状態に制御して、電動モータへの電力供給を遮断するようにしたから、モータリレーの接点に異物等が挟まる機会を低減することができ、システム本体は正常動作が可能であるにも関わらず異物のために異常と判断されてシステムが停止される事象を低減することができる。
また、起動時に断線チェック用の電流を通電させ、このときのモータリレー回路の端子間電圧及び電動モータの端子間電圧の少なくとも何れか一方に基づいて断線チェックを行うことから、起動時の時点で断線検出を行うことができ速やかに異常検出を行うことができる。
た、請求項に係る電動パワーステアリング制御装置によれば、起動時の断線チェックで異常を検出したときには、モータリレー回路を規定回数開閉動作させ、それでも異常と判断されるときに断線異常であることを確定するため、システム自体の異常ではなく異物等の影響によりシステムが停止することを回避することができ、システムの信頼性を向上させることができる。
また、請求項に係る電動パワーステアリング制御装置によれば、電動モータとモータ駆動回路との間の電力供給ラインそれぞれにモータリレー回路を介挿し、2重系を構成していることから、電動モータへの電力供給をより確実に遮断することができ信頼性を向上させることができる。
また、本発明の請求項に係る電動パワーステアリング制御装置によれば、モータリレー回路を常時閉型の回路で構成し、異常を検出したときに開状態に制御して、電動モータへの電力供給を遮断するようにしたから、モータリレーの接点に異物等が挟まる機会を低減することができ、システム本体は正常動作が可能であるにも関わらず異物のために異常と判断されてシステムが停止される事象を低減することができる。
また、起動時のリレーオフ信号で異常が検出されたときには、モータリレー回路を閉状態に維持したまま、警報手段によりリレーオフ信号の異常を通知するから、警報手段により異常が発生していることを通知しつつ、システムを有効に動作させることができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
まず、第1の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態を示す概略構成図であって、図中、1はステアリングホイールであり、このステアリングホイール1に運転者から作用される操舵力がステアリングシャフト2に伝達される。このステアリングシャフト2は、入力軸2aと出力軸2bとを有し、入力軸2aの一端がステアリングホイール1に連結され、他端はトルク検出手段としてのトルクセンサ3を介して出力軸2bの一端に連結されている。
そして、出力軸2bに伝達された操舵力は、ユニバーサルジョイント4を介してロアシャフト5に伝達され、さらにユニバーサルジョイント6を介してピニオンシャフト7に伝達される。
このピニオンシャフト7に伝達された操舵力はステアリングギヤ8を介してタイロッド9に伝達され、図示しない転舵輪を転舵させる。ここで、ステアリングギヤ8は、ピニオンシャフト7に連結されたピニオン8aとこのピニオン8aに噛合するラック8bとを有するラックアンドピニオン機構に構成され、ピニオン8aに伝達された回転運動をラック8bで直進運動に変換している。
ステアリングシャフト2の出力軸2bには、補助操舵力を出力軸2bに伝達する減速ギヤ10が連結されており、この減速ギヤ10には、操舵系に対して補助操舵力を発生する電動モータ12の出力軸が連結されている。
トルクセンサ3は、ステアリングホイール1に付与されて入力軸2aに伝達された操舵トルクを検出するもので、例えば、操舵トルクを入力軸2a及び出力軸2b間に介挿した図示しないトーションバーの捩れ角変位に変換し、この捩れ角変位を例えばポテンショメータで検出するように構成されている。このトルクセンサ3から出力されるトルク検出値Tは、コントローラ13に入力される。
このコントローラ13には、トルク検出値Tの他に、車速センサ15で検出した車速検出値Vも入力され、コントローラ13では、入力されるトルク検出値T及び車速検出値Vに応じた操舵補助力を電動モータ12で発生する操舵補助指令値IM *を公知の手順で算出し、算出した操舵補助指令値IM *とモータ電流検出値IMDとにより、電動モータ12に供給する駆動電流をフィードバック制御するためのモータ駆動電流IMを算出する。
コントローラ13は、図2に示すように、公知の手順で、電動モータ12の制御処理を実行するマイクロコンピュータ16を有する操舵補助制御部17と、マイクロコンピュータ16から出力されるモータ駆動電流IMが入力されて電動モータ12に供給する駆動電流を制御するモータ駆動回路18と、電動モータ12に流れる駆動電流を検出するモータ電流検出回路19と、異常発生時に運転者に対してこれを通知するための例えば運転席近傍に設けられた警報装置50と、を備えている。
ここで、モータ駆動回路18は、電界効果トランジスタFET1〜FET4でなるHブリッジ回路20と、マイクロコンピュータ16から出力されるモータ駆動電流IMに基づいて電界効果トランジスタFET1〜FET4の各ゲートを駆動するFETゲート駆動回路21とで構成されている。
FET1及びFET2は、モータ駆動電流IMに基づいて決定されるデューティ比D1のPWM(パルス幅変調)信号によってON/OFFされ、実際に電動モータ12に流れる電流の大きさが制御される。FET3及びFET4は、デューティ比D1の小さい領域では所定1次関数式(a、bを定数としてD2=a・D1+b)で定義されるデューティ比D2のPWM信号で駆動され、デューティ比D1の大きい領域ではPWM信号の符号により決定される電動モータ12の回転方向に応じてON/OFFされる。
例えば、FET4が導通状態にあるときは、電流は、FET1、電動モータ12、FET4、抵抗RLを経て流れ、電動モータ12に正方向の電流が流れる。また、FET3が導通状態にあるときは、電流は、FET2、電動モータ12、FET3、抵抗RRを経て流れ、電動モータ12に負方向の電流が流れる。
さらに、モータ電流検出回路19は、電界効果トランジスタFET4と接地との間に介挿された抵抗RLの正転モータ電流を表す端子間電圧と電界効果トランジスタFET3と接地との間に介挿された抵抗RRの逆転モータ電流を表す端子間電圧とを検出して、正転モータ電流検出時に正のモータ電流検出値“+IMD”を、逆転モータ電流検出時に負のモータ電流検出値“−IMD”を出力する。
そして、電界効果トランジスタFET1及びFET2の接続点に、コントローラ13の内部で生成された内部電圧Vrが印加され、電界効果トランジスタFET3及びFET4はそれぞれ電流検出用抵抗RR及びRLを介して接地されている。
モータリレー部40は、リレー接点41及びこのリレー接点41を付勢するリレーコイル42からなるモータリレー回路43と、リレーコイル42に対する印加電圧を制御する印加電圧制御用能動素子としてのpnp型のバイポーラトランジスタTRとを有し、リレー接点41がHブリッジ回路20の電界効果トランジスタFET2及びFET4の接続点と電動モータ12の一方の入力側との間に接続され、リレーコイル42はその一端は接地され、他端は前記トランジスタTRのコレクタ端子に接続されている。このトランジスタTRのエミッタ端子には内部電圧Vbが印加され、ベース端子には、マイクロコンピュータ16からのリレーオフ信号Ssが入力され、このリレーオフ信号Ssが入力されたときトランジスタTRが導通状態となってリレーコイル42へ電圧印加が行われ、モータリレー回路43が開状態に制御される。
また、リレー端子間電圧検出回路25は、前記リレー接点41の両端の電位差を検出し、このリレー接点41の両端の電位差が、リレー端子間電圧Δvrとして、A/D変換器を介してマイクロコンピュータ16に入力される。
また、マイクロコンピュータ16は図示しないバッテリを電力源として生成された内部電圧Vcにより常時作動可能状態に制御され、図示しないイグニッションスイッチがオン状態となったとき、図示しない電源リレーをオン状態に切り換えて、システム各部への電力供給を開始させ、図3に示す、操舵補助制御処理を実行開始する。
この操舵補助制御処理では、図3に示すように、まず、ステップS1で後述の断線チェック処理を実行し、正常であればステップS2からステップS3に移行し、異常であればステップS2からそのまま処理を終了する。
前記ステップS3では、トルクセンサ3及び車速センサ15の検出信号に基づいて公知の手順でモータ駆動制御処理を実行し、運転者の操舵力に応じた操舵補助力を発生するよう電動モータ12を駆動制御する。また、モータ電流検出回路19で検出されるモータ電流検出値IMDと、モータ駆動電流IMとに基づいてモータ系統監視処理を行い(ステップS4)、これらの差がしきい値以上であるときには、モータ系統の異常と判断する。
そして、モータ系統監視処理の結果正常であるときには、ステップS5からステップS6に移行し、イグニッションスイッチがオフ状態となっていない場合には、ステップS3に戻って、引き続きモータ駆動制御処理を実行する。
そして、イグニッションスイッチがオフ状態となったとき、ステップS6からステップS7に移行して操舵補助制御の終了処理を実行し、例えば、バッテリから各部に電力供給を行うための電力供給ラインに介挿された図示しない電源リレーを遮断し、各部への電力供給を終了し操舵補助制御処理を終了する。
一方、ステップS4のモータ系統監視処理で異常と判断されたときにはステップS5からステップS8に移行する。
このステップS8では、異常検出時の処理を実行し、バイポーラトランジスタTRにリレーオフ信号Ssを出力すると共に、警報装置50を作動させ、音声や、運転席近傍に設けた警告灯を点灯させること等によりモータ系統に異常が発生したことを運転者に通知する。そして、イグニッションスイッチがオフ状態となるまでこの状態を維持し、イグニッションスイッチがオフ状態となったとき、図示しない電源リレーを遮断し、操舵補助制御処理を終了する。
これによって、リレーオフ信号SsがバイポーラトランジスタTRに供給され、バイポーラトランジスタTRが導通状態となってリレーコイル42に電圧が印加されることからモータリレー回路43は開状態となって電動モータ12への電力供給が遮断される。そして、イグニッションスイッチがオフ状態となったとき、図示しない電源リレーが遮断されて、各部への電力供給が終了し、操舵補助制御処理が終了する。
図4は、前記断線チェック処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
この断線チェック処理では、まずステップS11で、FETゲート駆動回路21に対し、断線チェック用のモータ駆動電流IMCを出力する。この断線チェック用のモータ駆動電流IMCは、このモータ駆動電流IMCに応じて電動モータ12が駆動制御されたときに電動モータ12が回転しない電流値相当に設定される。
次いで、ステップS12に移行し、リレー端子間電圧検出回路25で検出されたリレー接点41のリレー端子間電圧Δvrを読み込み、このリレー端子間電圧Δvrが、予め設定したしきい値よりも大きいかどうかに基づいて断線チェックを行う(ステップS13)。
リレー端子間電圧Δvrがしきい値よりも大きいときにはリレー端子間電圧Δvrは正常であって断線は生じていないと判断し、ステップS13からステップS14に移行し、断線チェック終了時の処理を行う。具体的には、断線チェック用のモータ駆動電流IMCの出力を停止し、各部を、モータ駆動制御処理を開始できる状態にする等の処理を行う。
一方、ステップS13で、リレー端子間電圧Δvrがしきい値以下である場合には断線、或いはショート故障等が生じていると判断してステップS15に移行し、リレーオフ信号Ssを断続的に数回出力する。これによって、モータリレー回路43は、数回開閉動作を行うことになるから、リレー接点41に異物が挟まっている場合には異物が除去される可能性がある。つまり、この開閉操作は、異物の除去を図るために行われる。
そして、数回開閉動作を行ったならば、ステップS16に移行し、リレー端子間電圧検出回路25から再度リレー端子間電圧Δvrを読み込み、次いでステップS17に移行し、リレー端子間電圧Δvrが正常であるかどうかを判断する。そして、リレー端子間電圧Δvrが正常である場合にはリレー接点41に挟まっていた異物が除去されたことにより断線が解除されたと判断し、ステップS14に移行し断線チェック終了時の処理を行う。
一方、リレー端子間電圧Δvrが正常でない場合、すなわち、リレー端子間電圧Δvrが略零である場合には、異物が除去されないか或いは何れかの箇所に断線が生じていると判断し、ステップS18に移行し、異常検出時の処理を実行する。具体的には、前記断線チェック用のモータ駆動電流IMCの出力を停止する。また、バイポーラトランジスタTRにリレーオフ信号Ssを出力すると共に、警報装置50を作動させ、音声や、運転席近傍に設けた警告灯を点灯させること等によりモータ系統に異常が発生したことを運転者に通知する。そして、イグニッションスイッチがオフ状態となるまでこの状態を維持し、イグニッションスイッチがオフ状態となったとき、図示しない電源リレーを遮断し、操舵補助制御処理を終了する。
これによって、リレーオフ信号SsがバイポーラトランジスタTRに供給され、バイポーラトランジスタTRが導通状態となってリレーコイル42に電圧が印加されることからモータリレー回路43は開状態となって電動モータ12への電力供給が遮断される。そして、イグニッションスイッチがオフ状態となったとき、図示しない電源リレーが遮断されて、各部への電力供給が終了し、操舵補助制御処理が終了する。
次に、上記第1の実施の形態の動作を説明する。
イグニッションスイッチがオン状態となり、マイクロコンピュータ16が図示しない電源リレーをオン状態に制御し、各部への電力供給が開始されると、マイクロコンピュータ16では、まず、図4に示す断線チェック処理を行い、FETゲート駆動回路21に対して断線チェック用のモータ駆動電流IMCを出力する。
これを受けてFETゲート駆動回路21では、モータ駆動電流IMC相当の通電を行うよう各電界効果トランジスタFET1〜FET4を駆動制御する。モータリレー回路43は、常時閉型の回路で構成されるから、モータリレー回路43を介して電動モータ12に対しモータ駆動電流IMC相当の通電が行われる。この断線チェック用のモータ駆動電流IMCは、電動モータ12が回転しない電流値相当の値に設定されているから、電動モータ12に通電されたとしても電動モータ12が回転することはない。したがって、ステアリングシャフトに操舵補助力が作用することはないから、運転者が操舵を行っていないにも関わらずステアリングシャフトが勝手に動くことはなく、運転者に違和感を与えることもない。
このとき、モータ系統に断線等が生じていない場合には、リレー接点41の両端の電位差は正常な値を示すことから(ステップS12、S13)、リレー端子間電圧Δvrは正常、すなわち、断線は生じていないと判断され、ステップS13からステップS14に移行し断線チェック処理が終了される。
そして、断線チェックの結果正常であるから、図3のステップS2からステップS3に移行し、以後、トルクセンサ3及び車速センサ15の検出信号に基づいて、運転者の操舵操作に応じた操舵補助力を発生させるためのモータ駆動制御処理が実行される。また、このとき、モータ電流検出回路19で検出されるモータ電流検出値IMDとFETゲート駆動回路21に出力したモータ駆動電流IMとの差に基づいてモータ系統監視処理が行われ(ステップS4)、これらの差がしきい値より小さい場合にはモータ系統は正常と判断され、ステップS5からステップS6を経てステップS3に戻り、引き続きモータ駆動制御処理が行われる。
そして、モータ駆動制御処理を実行中に、断線や、ショート故障等、何らかの異常が発生した場合には、モータ電流検出値IMDとモータ駆動電流IMとの差が大きくなりしきい値を越えることから、この時点でモータ系統の異常と判断し、ステップS5からステップS8に移行し、リレーオフ信号Ssを出力してモータリレー回路43を開状態に制御すると共に、警報装置50を作動させ、音声や、警告灯を点灯させること等により異常が発生したことを運転者に通知する。
このため、電動モータ12への電力供給が行われないから、電動モータ12が電磁ブレーキとして作用することはなく、運転者の操舵操作を妨げることはない。
一方、起動時の段階でモータリレー回路43のリレー接点41に異物が挟まっている場合には、モータリレー回路43が開状態となることから、起動時の断線チェックで、リレー接点41のリレー端子間電圧Δvrがしきい値よりも小さくなる。このため、図4のステップS13からステップS15に移行し、モータリレー40が数回開閉制御される。これによって、リレー接点41に挟まった異物が取り除かれた場合には、モータリレー回路43が閉状態となるため、リレー接点41両端のリレー端子間電圧Δvrは正常値となる。したがって、断線チェックの結果は正常と判断され、ステップS17からステップS14に移行し、断線チェック処理が終了されて、以後、上記と同様にモータ駆動制御処理が行われる。
一方、モータリレー回路43が数回開閉制御されてもリレー接点41に挟まった異物が除去されない場合、或いは、別の箇所で断線が生じている場合等には、リレー端子間電圧Δvrは正常値とならないことから、ステップS17からステップS18に移行し、リレーオフ信号Ssを出力すると共に警報装置50を作動させ、運転者に異常を通知するための異常通知処理が実行される。このとき、電動モータ12への電力供給が停止されているため、仮に何れかの電界効果トランジスタにショート故障が生じていたとしても、電動モータ12が電磁ブレーキとして作用することはなく、運転者の操舵操作の妨げとなることはない。
このように、起動時に断線チェックを行っているから、実際に電動モータ12を駆動制御する以前の時点で断線異常を検出することができる。
また、モータリレー回路43は、常時閉型の回路で構成されているため、何らかの異常が発生しない限りは、閉状態を維持することになる。このため、リレー接点41に異物等が挟まる機会は、システムに異常が発生しているときのみとなるから、異物が挟まる可能性を低減することができる。したがって、システム自体は正常であるにも関わらず異物の影響によりモータリレー回路43が正常に作動しないことに起因して、システムが異常と判断される状況となる可能性を低減することができる。
また、起動時に断線チェックを行っており、異物等によってモータリレー回路43が閉状態となっていない場合にはこの時点でこれを検出できることから、運転者の操舵操作に応じた操舵補助力の発生を開始する前のより早い段階で異常を検出することができる。また、断線チェックで異常が発生したときには、モータリレー回路43を開閉動作させていることから、リレー接点41に異物が挟まっている場合等には、この時点で、異物の除去を図ることができ、システムの信頼性を向上させることができる。
また、このように、モータリレー回路43への通電が行われるのは、システムに異常が発生したときのみであるから、モータリレー回路43への通電によるリレー溶着や、リレー接点41の磨耗等が生じる機会を低減することができ、すなわち、リレー溶着や磨耗等が生じる可能性を低減することができる。また、モータリレー回路43に対し、リレー溶着が生じるほどの通電が行われた場合には、この異常を、図3のステップS3でのモータ系統監視処理で検出することができ、異常を検出したときには、この時点でモータリレー回路43が開状態に制御され、電動モータ12への電力供給が停止されることから、リレー溶着の発生を確実に回避することができる。
また、このように、モータリレー回路43が開状態となる機会を低減することができることから、モータリレー回路43が作動するときの作動音が発生する機会を低減可能となる。
また、上述のように、モータリレー回路43を常時閉型の回路を用いることで実現することができるから、従来の回路構成において、モータリレー回路を変更し、操舵補助制御処理の処理手順を変更するだけで容易に実現することができる。
なお、上記第1の実施の形態においては、断線チェック処理において異常を検出したときにはステップS15でモータリレー回路43を数回開閉動作させた後、ステップS16で再度リレー端子間電圧Δvrの異常判定を行っているが、例えば、1回開閉動作を行わせる毎に、異常判定を行い、この動作を、規定回数を上限として繰り返すようにしてもよい。
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
この第2の実施の形態は、図5に示すように、上記第1の実施の形態におけるコントローラ13において、リレーオフ信号Ssを監視する信号監視回路26が設けられている。
この信号監視回路26は、図5に示すように、印加電圧制御用能動素子としてのpnp型のバイポーラトランジスタTR1及びリレーオフ信号Ssをモニタするためのモニタ用のnpn型のバイポーラトランジスタTR2とが直列に接続されバイポーラトランジスタTR1のエミッタ端子には、内部電圧Vbが印加され、バイポーラトランジスタTR2のエミッタ端子は接地される。そして、これらバイポーラトランジスタTR1及びTR2間の電位がリレーコイル42の一端に印加されると共に、その電位がモニタ回路26aでモニタされる。そして、モニタ回路26aでのモニタ結果はA/D変換器を介してマイクロコンピュータ16に入力される。
前記バイポーラトランジスタTR1のベース端子には、マイクロコンピュータ16からのリレーオフ信号Ssが印加され、バイポーラトランジスタTR2のベース端子には、マイクロコンピュータ16からのモニタ用信号Smが入力される。
図6は、第2の実施の形態において、マイクロコンピュータ16で実行される操舵補助制御処理の処理手順を示すフローチャートである。この第2の実施の形態における操舵補助制御処理は、図3に示す上記第1の実施の形態における操舵補助制御処理において、ステップS20の信号チェック処理が追加されている。
第2の実施の形態では、マイクロコンピュータ16では、起動されるとまずステップS20で信号チェック処理を行った後、ステップS1に移行し、以後、上記第1の実施の形態と同様に処理を行う。
前記信号チェック処理では、図7に示すように、まず、モニタ用信号Smを出力し(ステップS21)、バイポーラトランジスタTR2がオン状態に切り換わるまでの所要時間相当待機した後、リレーオフ信号Ssを出力する(ステップS22)。これによって、バイポーラトランジスタTR2がオン状態となった後、バイポーラトランジスタTR1がオン状態となる。
次いで、ステップS23に移行し、モニタ回路26aで検出した抵抗R1及びR2間の電位をモニタ信号として読み込む。このとき、バイポーラトランジスタTR1及びTR2はオン状態であるから、バイポーラトランジスタTR1のエミッタ端子に印加される内部電圧Vbを、抵抗R1と、抵抗R2とリレーコイル42の合成抵抗とで分圧した電位が現れることになる。
次いで、ステップS24に移行して、このモニタ信号が、予め設定したしきい値を超えたかどうかを判断する。前記しきい値は、バイポーラトランジスタTR1のエミッタ端子に印加される内部電圧Vbを、抵抗R1と、抵抗R2とリレーコイル42の合成抵抗とで分圧した電位に基づいて、リレーオフ信号Ssが、バイポーラトランジスタTR1をオン状態とし得る正常な信号であるとみなすことの可能な値に設定される。
そして、モニタ信号がしきい値を超えたとき、リレーオフ信号Ssは正常と判断し、ステップS24からステップS25に移行し、バイポーラトランジスタTR1へのリレーオフ信号Ssの出力を停止する。そして、バイポーラトランジスタTR1がオフ状態に切り換わるまでの所要時間相当が経過した後、バイポーラトランジスタTR2へのモニタ用信号Smの出力を停止し(ステップS26)、信号チェック処理を終了する。これによって、バイポーラトランジスタTR1がオフ状態に切り換わった後、バイポーラトランジスタTR2がオフ状態となる。
一方、前記ステップS24で、モニタ信号がしきい値を越えない場合には、リレーオフ信号Ssの異常と判断し、ステップS27に移行して、警報装置50を作動させ、リレーオフ信号Ssが異常であることを運転者に通知する。ここで、第2の実施の形態における警報装置50は、少なくとも、リレーオフ信号Ssが異常であることを運転者に警告するための表示パネルや警告灯等の警告表示手段を備えている。そして、リレーオフ信号Ssの異常を検出したときには、この警告表示手段を作動させ、以後、リレーオフ信号Ssが異常であることを運転者に警告し続ける。
そして、ステップS25に移行し、バイポーラトランジスタTR1をオフ状態、次いでステップS26でバイポーラトランジスタTR2をオフ状態に制御し、処理を終了する。
ここで、バイポーラトランジスタTR2をオフ状態のままバイポーラトランジスタTR1をオン状態とすると、内部電圧Vrが抵抗R1を介してリレーコイル42に印加されることになりモータリレー回路43が開状態に制御される可能性がある。これを回避するために、バイポーラトランジスタTR2をオン状態にした後、バイポーラトランジスタTR1をオン状態にし、モータリレー回路43が作動しないようにしている。そして、同様の理由で、バイポーラトランジスタTR1及びTR2をオフ状態にする場合には、バイポーラトランジスタTR1をオフ状態にした後、バイポーラトランジスタTR2をオフ状態にしている。
次に、上記第2の実施の形態の動作を説明する。
イグニッションスイッチがオン状態となり、各部への電力供給が開始されると、マイクロコンピュータ16ではまず、図7に示す信号チェック処理を行い、モニタ用信号Sm及びリレーオフ信号Ssをこの順に出力する(ステップS21、S22)。これによって、バイポーラトランジスタTR2がオン状態になった後、バイポーラトランジスタTR1がオン状態となり、抵抗R1及びR2間の電位がモニタ回路26aで検出され、これがモニタ信号として出力される。
マイクコンピュータ16ではこのモニタ信号を読み込み(ステップS23)、これが正常であるかを判断する。正常なリレーオフ信号Ssが出力されており、バイポーラトランジスタTR1がオン状態に制御されれば、モニタ信号は、抵抗R1、R2及びリレーコイル42の抵抗相当値と、内部電圧Vbとで決まる電位相当値となり、しきい値を越えるから、モニタ信号は正常と判断し、モニタ用信号Sm及びリレーオフ信号Ssの出力をこの順に停止し、バイポーラトランジスタTR1、TR2を、バイポーラトランジスタTR2、TR1の順にオフ状態に切り換え、信号チェック処理を終了する。
そして、図6に戻って、ステップS1に移行し、以後、上記第1の実施の形態と同様に、断線チェックを行い、その結果正常であるならば、トルクセンサ3及び車速センサ15の検出信号に基づいてモータ駆動制御処理を実行し、運転者の操舵操作に応じた操舵補助力を発生させる。一方、断線チェックの結果異常である場合には、これを運転者に通知し処理を終了する。
一方、ステップS21での信号チェック処理の結果、異常があった場合、すなわち、リレーオフ信号Ssとして所定の電圧信号が出力されない場合、或いは、バイポーラトランジスタTR1の異常等によって、抵抗R1及びR2間の電位が所定の電位とならずモニタ信号がしきい値を越えない場合には、ステップS24からステップS27に移行し、警報装置50を作動し、リレーオフ信号Ssが異常である旨を警告するための表示灯や表示パネル等の警告表示手段を作動させた後、バイポーラトランジスタTR1、TR2をこの順にオフ状態に切り換える。
そして、信号チェック処理が終了したことから、図6のステップS1に移行し、続いて断線チェックを行い、断線チェックの結果が正常であれば、以後、トルクセンサ3及び車速センサ15の検出信号に基づいて運転者の操舵操作に応じた操舵補助力を発生させる。
このとき、信号チェック処理で異常が検出されているが、この異常は、モータリレー回路43を開状態に制御するためのリレーオフ信号Ss系統の異常である。上述のようにモータリレー回路43は、常時閉型の回路で構成されており通常は閉状態を維持する。したがって、モータリレー回路43を開状態に制御する状況ではないとき、すなわち、モータ系統に異常が発生していない状態では、リレーオフ信号Ss系統に異常があったとしてもモータリレー回路43を開状態にする必要はないことから何ら問題はなく、また、モータ駆動制御処理を実行するにあたっても何ら問題はない。
したがって、リレーオフ信号Ss系統に異常はあるものの、モータ駆動制御処理自体を行う際には何ら影響のない状況では、モータ駆動制御処理を行うことができ、すなわち操舵補助力を発生させることができる。したがって、操舵補助力を発生することの可能な状況を広げることができ、システムを有効に作動させることができる。
また、リレーオフ信号Ss系統に異常がある場合には、警報装置50によってこれを運転者に通知しているから、操舵補助力を発生しつつも、運転者に対し、リレーオフ信号系統の異常に対する速やかな対応を促すことができる。
なお、上記第1の実施の形態と同等の作用効果を得ることができることは言うまでもない。
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
この第3の実施の形態は、図8に示すように、上記第2の実施の形態におけるコントローラ13において、リレー端子間電圧検出回路25に代えて、モータ端子間電圧検出回路27が設けられている。また、モータリレー回路43の他に、このモータリレー回路43と同一構成の常時閉型のモータリレー回路43aが設けられ、このモータリレー回路43aは、Hブリッジ回路20とモータ12との間の、前記モータリレー回路43が介挿された電力供給ラインとは別の電力供給ラインに介挿されている。
つまり、モータリレー回路43aを構成するリレー接点41aの一端は電界効果トランジスタFET1及びFET3との接続点に接続され、他端は、電動モータ12の他方の端子に接続されている。また、モータリレー回路43aを構成するモータコイル42aの一端は、抵抗R1及びR2の接続点に接続され他端は接地されている。
また、前記モータ端子間電圧検出回路27は、前記電界効果トランジスタFET1及びFET3の接続点と、電界効果トランジスタFET2及びFET4の接続点との間の電位差を検出し、これをモータ端子間電圧Δvmとして出力し、このモータ端子間電圧Δvmは、A/D変換器を介してマイクロコンピュータ16に入力される。
そして、マイクロコンピュータ16では、第2の実施の形態と同様に図6に示す処理手順で操舵補助制御処理を実行するが、この第3の実施の形態では、ステップS21の信号チェック処理を、図9に示す手順で行う。
すなわち、図9に示すように、ステップS11で、断線チェック用のモータ駆動電流IMCを出力した後、ステップS12aに移行し、モータ端子間電圧検出回路27からのモータ端子間電圧Δvmを読み込み、このモータ端子間電圧Δvmが予め設定したしきい値よりも大きいかどうかに基づいて断線チェックを行う(ステップS13a)。
モータ端子間電圧Δvmがしきい値よりも大きいときにはモータ端子間電圧Δvmは正常と判断し、ステップS13aからステップS14に移行し、断線チェック用のモータ駆動電流IMCの出力を停止し、各部を、モータ駆動制御処理を開始できる状態にする等の断線チェック終了時の処理を行う。
一方、モータ端子間電圧Δvmがしきい値以下であるときにはモータ端子間電圧Δvmは異常、すなわち、断線が生じている可能性があると判断し、ステップS15に移行して、リレーオフ信号Ssを数回出力して、モータリレー回路43及び43aを数回開閉動作させる。その後、ステップS16aに移行して再度モータ端子間電圧検出回路27からモータ端子間電圧Δvmを読み込んで正常かどうかを判断し(ステップS17a)、正常であれば、ステップS14に移行して断線チェック処理を終了し、異常である場合には、ステップS18に移行して、前記断線チェック用のモータ駆動電流IMCの出力を停止する。また、リレーオフ信号Ssを出力すると共に、警報装置50を作動させ、音声や、運転席近傍に設けた警告灯を点灯させること等によりモータ系統に異常が発生したことを運転者に通知する。そして、イグニッションスイッチがオフ状態となるまでこの状態を維持し、イグニッションスイッチがオフ状態となったとき、図示しない電源リレーを遮断し、操舵補助制御処理を終了する。
ここで、モータリレー回路43及び43aは、電動モータ12への電源ラインの双方に介挿されている。したがって、モータリレー回路43及び43aのうち、何れかがリレー溶着或いは断線や異物等によって作動しなかったとしても、他方は作動するから、信頼性をより向上させることができる。
また、このように溶着の発生や異物の混入を低減することによりモータリレー回路43及び43aの誤動作を防止することができると共に、二重化することにより電動モータ12への電力供給の遮断動作の信頼性を向上させることができ、リレー溶着や断線が生じた場合であっても確実に対応することができるから、起動時におけるモータリレー回路43及び43aのリレー溶着のチェックや断線チェックを省略することもできる。
また、モータリレー回路43及び43aにリレー溶着が生じる要因となる通電を行う機会を低減することができると共に、電力供給の遮断動作の信頼性を向上させることができるから、通常起動時に行われているリレー溶着のチェックを省略することができる。
なお、上記第3の実施の形態においては、電動モータ12の端子間の電位差Δvmに基づいて断線チェックを行う場合について説明したがこれに限るものではなく、上記第2の実施の形態と同様の手順で、モータリレー回路43及び43aの端子間の電位差Δvrを検出しこれに基づいて断線チェックを行うことも可能である。
また、上記第2の実施の形態に、第3の実施の形態を適用し、モータリレー回路43の端子間の電位差Δvrに代えて、電動モータ12の端子間の電位差Δvmを検出しこれに基づいて断線チェックを行うことも可能である。
ここで、上記各実施の形態において、図3及び図6のステップS4のモータ系統監視処理が異常監視手段に対応し、図3及び図6のステップS8の処理がモータリレー制御手段に対応している。
また、リレー端子間電圧検出回路25及びモータ端子間電圧検出回路27が端子間電圧検出手段に対応し、図3及び図6のステップS1の断線チェック処理が断線チェック手段に対応し、図4のステップS16の処理が開閉制御手段に対応している。
また、図7の信号チェック処理がリレーオフ信号異常検出手段に対応し、警報装置50が警報手段に対応している。
本発明の第1の実施の形態を示す概略構成図である。 図1のコントローラの具体的構成を示すブロック図である。 図2のマイクロコンピュータで実行する操舵補助制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図3のステップS1の断線チェック処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態を示す回路図である。 第2の実施の形態における操舵補助制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図6のステップS20での信号チェック処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態を示す回路図である。 第3の実施の形態における、断線チェック処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3 トルクセンサ
8 ステアリングギヤ
10 減速ギヤ
12 電動モータ
13 コントローラ
15 車速センサ
16 マイクロコンピュータ
18 モータ駆動回路
19 モータ電流検出回路
20 Hブリッジ回路
21 FETゲート駆動回路
25 リレー端子間電圧検出回路
26 信号監視回路
27 モータ端子間電圧検出回路
41、41a リレー接点
42、42a リレーコイル
43、43a モータリレー回路
50 警報装置
TR、TR1、TR2 バイポーラトランジスタ

Claims (4)

  1. 操舵系に対して操舵補助力を付与する電動モータと、
    当該電動モータを駆動するモータ駆動回路と、
    前記モータ駆動回路から前記電動モータへの電力供給ラインを遮断する常時閉型のモータリレー回路と、
    少なくとも前記電動モータを駆動制御するためのモータ系統の異常監視を行う異常監視手段と、
    前記異常監視手段の監視結果に応じて前記モータリレー回路を制御するモータリレー制御手段とを備え、
    前記モータリレー制御手段は、前記異常監視手段で異常を検出したとき前記モータリレー回路を開状態に制御し
    前記異常監視手段は、
    前記モータリレー回路の端子間電圧及び前記電動モータの端子間電圧のうち少なくとも何れか一方を検出する端子間電圧検出手段と、
    起動時に前記モータ駆動回路を制御して前記電動モータに断線チェック用の電流を通電させ、このときの前記端子間電圧検出手段の検出結果に基づいて前記電動モータを駆動制御するためのモータ系統の断線チェックを行う断線チェック手段とを備えることを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
  2. 前記モータリレー制御手段は、前記断線チェック手段での、起動時の断線チェックで異常を検出したとき、前記モータリレー回路を開閉動作させる開閉制御手段を備え、
    前記異常監視手段は前記断線チェックで異常を検出したとき、断線の可能性があるとして前記開閉制御手段を作動させ、
    前記モータリレー回路を規定回数開閉動作させても前記異常が検出されるとき、断線異常として確定することを特徴とする請求項記載の電動パワーステアリング制御装置。
  3. 前記電動モータと前記モータ駆動回路との間の電力供給ラインそれぞれに前記モータリレー回路が介挿されていることを特徴とする請求項1又は2記載の電動パワーステアリング制御装置。
  4. 操舵系に対して操舵補助力を付与する電動モータと、
    当該電動モータを駆動するモータ駆動回路と、
    前記モータ駆動回路から前記電動モータへの電力供給ラインを遮断する常時閉型のモータリレー回路と、
    少なくとも前記電動モータを駆動制御するためのモータ系統の異常監視を行う異常監視手段と、
    前記異常監視手段の監視結果に応じて前記モータリレー回路を制御するモータリレー制御手段とを備え、
    前記モータリレー制御手段は、前記異常監視手段で異常を検出したとき前記モータリレー回路を開状態に制御し、
    前記モータリレー回路は前記モータリレー制御手段からのリレーオフ信号によって開閉制御され、
    前記異常監視手段は起動時に前記モータリレー制御手段から出力される前記リレーオフ信号と当該リレーオフ信号が正常であるとみなすことの可能な予め設定したしきい値とを比較し前記リレーオフ信号が前記しきい値を超えるとき前記リレーオフ信号は正常と判定するリレーオフ信号異常検出手段を備え、
    前記モータリレー制御手段は、前記リレーオフ信号の異常を通知するための警報手段を有し、前記リレーオフ信号異常検出手段で前記リレーオフ信号の異常を検出したとき、前記モータリレー回路を閉状態に維持したまま、前記警報手段を作動させることを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
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