JP4966560B2 - 高純度シリコンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池等に使用可能な高純度シリコン(Si)を製造するための方法に関するものである。
太陽電池に使用されるSiには、一般に99.9999%以上の純度が求められ、各種金属不純物は0.1ppm以下、ホウ素(B)については少なくとも0.3ppm以下であることが必要である。この条件を満たすSiには、シーメンス法により製造される半導体用のものが存在するが、製造法が高価であるため、安価であることが特に重視される太陽電池用途には適さない。
安価な高純度Si製造法として、過去、いくつかの試みがなされている。
金属Siの一方向凝固法、即ち、溶融させたSiを一方向に凝固させ、固相と液相の不純物溶解度の差を利用することにより、固相側のSiを高純度化させる技術は古くから知られており、多くの金属不純物に対して有効な精製方法である。しかし、Bは固相−液相間の溶解度差が小さいため、この精製法をB不純物に対して適用することはできない。
また、真空溶解法、即ち、溶融させたSiを真空下に保持し、Si中の低沸点不純物を除去する方法も良く知られており、炭素不純物等の除去に有効である。しかし、溶融Si中のBは、通常、低沸点物質の形態をとらないため、B不純物に対してこの精製法を適用することはできない。
この様に、Si中不純物の中で、Bは最も除去し難く、かつ、Siの電気特性への影響の大きい成分として問題視されてきた。Si中のBの除去を主な目的とした技術には、例えば、以下のものが開示されている。
「特許文献1」には、シリコンを酸洗洗浄する方法と、真空溶解法、一方向凝固法と共に、B除去のため、スラグ精錬法、即ち、溶融シリコン上に、溶融物質(スラグ)を配置し、シリコン中の不純物をスラグに移行させる方法が挙げられている。当該文献では、CaF+CaO+SiOからなるスラグを使用して、B分配比(スラグ中B濃度/Si中B濃度)1.357を得て、B濃度8質量ppmのSiを生成している。しかし、この濃度では太陽電池用Siとしては不適格である。
「特許文献2」には、アルカリ土類金属酸化物又はアルカリ金属酸化物を含有するスラグと粉砕した粗製Siを溶融前に混合した後、これら全部を溶融させるスラグ精錬法が開示されている。しかし、当該文献でのSi中のB濃度は、1ppmが限界であり、太陽電池用途には適さない。また、Siを粉砕する際には新たな不純物の混入が不可避なので、この点からも、Si精製法として不利である。
「非特許文献1」には、NaO+CaO+SiO成分のスラグを用いたスラグ精錬の例が開示されている。当該文献でのB分配比は最高3.5であり、過去開示された技術の中で最も高いものであるが、現実的に使用可能なスラグ原料中Bの濃度を考慮すると、太陽電池用途としては依然として不適である。
この様に、従来のSiのスラグ精錬技術においては、高いB分配比を得ることができず、太陽電池用途としては不適である。SiにおいてB分配比が低くなりがちな原因は、SiとBは同程度に酸化され易いことによるものである。このため、スラグ精錬においては、Si中のBは、酸化されていない状態で存在しがちであり、非酸化ホウ素はスラグに吸収され難いからである。スラグ精錬法として、鋼中Bの除去技術が広く実用化されているが、これは、鋼に対してBが遥かに酸化され易いという性質を利用したものである。この様な物性の本質的な差異が存在するため、鋼におけるスラグ精錬技術をSi中のB除去に安易に応用することは不可能である。
また、スラグ精錬に他の手法を組み合わせた技術も提案されている。
「特許文献3」には、金属Siに、CaO、CaCO、NaO等のフラックス(スラグ)を付与し、酸化性ガスを吹き込むスラグ精錬法が開示されている。しかし、当該文献でのSi中のB濃度は、7.6ppm程度であり、太陽電池用途には適さない。また、安価、かつ、安定して溶融Si中にガスを吹き込むことは、エンジニアリング的にかなり困難であり、Si精製法として不利である。
「特許文献4」及び「特許文献5」には、特殊なトーチを使用し、酸素+水素トーチに水蒸気、SiOを、CaO、BaO、CaF等を溶融Siに付与することにより、Si中のBを除去する方法が開示されている。
これらの技術では、特殊なトーチ等の高価な設備及び複雑な操業が必須であり、経済性の観点から工業的に実用化困難である。
以上示した従来技術は、次の2つの手法に便宜的に分類できる。即ち、第1法は、溶融Si上にスラグを単独で供給する方法(「特許文献1、2」等。以下、「単純スラグ精錬法」と呼ぶ)である。第2法は、酸化性ガスを溶融シリコンに接触させると共に、スラグ、又は、スラグ原料(SiO等)を溶融Siに添加する方法(「特許文献3、4、5」等。以下、「複合スラグ精錬法」と呼ぶ)である。
単純スラグ精錬法の特徴は、B分配比が約3以下(通常は1前後)と低いことである。したがって、従来技術における方針の第1として、目標B濃度を1ppm以上の高濃度領域に限定することが指向されてきた。これは、スラグ原料起因でスラグ中にBが1ppm程度以上含有されることが不可避であることによるものである。B分配比1前後の従来のスラグ精錬の場合、いかに多量のスラグを使用しても、精錬によって得られるSi中のB濃度は、スラグ中B濃度を大きく下回ることは原理的に不可能である。スラグ原料を精製してBを低減することは原理的に可能であるが、経済的合理性を欠くので、工業的には実施不可能である。また、従来技術における方針の第2として、溶融Siと同量もしくはその数倍と言った大量のスラグを用いて、一度に精製を行うことが指向されてきた。これは、金属Si中のB濃度は高々10ppm程度であり、一方、従来の目標B濃度は1ppmであるので、分配比2程度の技術であれば、溶融Siの5倍量のスラグを用いれば、一度の精製作業で目標B濃度を満足できるからである。
複合スラグ精錬法において、添加されるスラグは微粒状であり、かつ、スラグ添加量は、通常、溶融シリコン量に対して微量である。この方法において、脱Bは酸化性ガスによる気化除去が主体であるため、補助的に使用されるスラグへの関心は低く、B分配比すら、報告されていない。また、スラグ原料を粉体として供給する必要性から、一旦、スラグ化した物質は、精製後に廃棄せざるを得ない。
特開昭56−32319号公報 特開昭58−130114号公報 特開2003−12317号公報 米国特許第5972107号明細書 米国特許第6368403号明細書 棚橋他、「資源と素材」、2002年、第118巻、p.497−505
そこで、本発明においては、粗製Siを用いて高純度Siを製造する方法において、製品Si中の不純物、特に、Bの濃度を太陽電池基板用Siに求められるレベルまで安価、簡便に減少せしめる高純度シリコン製造方法を提供することを目的とする。
具体的には、従来のスラグ精錬法においては、原理的にSiに対して大量のスラグを必要とし、廃棄するスラグ量も膨大となるため、スラグ原料費、廃スラグ処理費等が高価となり、製造費を大幅に増大させていた。本発明では、スラグ使用量・スラグ発生量を低減して、製造費を削減する技術を提供することを目的とする。
本発明者のSi製造に関する研究の結果、以下の解決方法を発明するに至った。
第1発明は、溶融シリコンにスラグを利用して、シリコン中の不純物をスラグ中に移動させて精製するシリコンの製造方法において、第1のシリコンに対して、スラグ原料又は添加剤を導入したスラグ原料と共に酸化剤を供給してシリコンを精製すると共に、第1のシリコンの精製に用いられたスラグを、その精製後に、前記第1のシリコンより純度の低い第2のシリコンの精製に再使用することを特徴とする高純度シリコンの製造方法である。
第2発明は、前記第2のシリコンの精製時に、酸化剤を前記スラグと共に溶融シリコンに付与することを特徴とする第1発明に記載の高純度シリコンの製造方法である。
第3発明は、前記酸化剤を前記溶融シリコンに直接接触させることを特徴とする第2発明に記載の高純度シリコンの製造方法である。
第4発明は、前記第1のシリコン精製の後にスラグを除去する際に、精製済みの前記第1のシリコンの一部を前記スラグと共に除去し、前記除去された第1のシリコンの一部を、前記スラグと共に、前記第2のシリコン精製時の溶融シリコンに付与することを特徴とする第1〜3発明のいずれか一つに記載のシリコンの製造方法である。
第5発明は、前記酸化剤が、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸塩の水和物、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩の水和物、又は、アルカリ土類金属の水酸化物の内、1種又は2種以上の組み合わせを主成分とする物質であることを特徴とする第2〜4発明のいずれか一つに記載の高純度シリコンの製造方法である。
第6発明は、前記アルカリ金属の炭酸塩、前記アルカリ金属の炭酸塩の水和物、前記アルカリ金属の水酸化物、前記アルカリ土類金属の炭酸塩、前記アルカリ土類金属の炭酸塩の水和物、又は、前記アルカリ土類金属の水酸化物が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、もしくは、これらの水和物、水酸化マグネシウム、又は、水酸化カルシウムの内、1種又は2種以上の組み合わせであることを特徴とする第5発明に記載の高純度シリコンの製造方法である。
本発明により、Siのスラグ精錬時のスラグ総使用量を大幅に低減することができる。さらに、本発明技術を従来技術である一方向凝固法や真空溶融法と組み合わせることにより、太陽電池基板用の原料Siを高品質、安価で供給することが可能となる。
まず、本発明と従来技術の差異について述べる。従来のSi(シリコン)におけるスラグ精錬技術では、B(ホウ素)分配比が低いため、一旦、精製に使用したスラグを別の精製に再利用するという発想は存在しなかった。また、仮に、再利用したとしてもあまり合理的な製造法とは言えない。これに対し、本発明においては、高いB分配比の得られるスラグ精錬法を提案すると共に、この高いB分配比を利用して、効率高く、Si精製で使用済みのスラグを再利用する方法を与える点で異なる。
次に、本発明の優位な理由を説明する。
前述の様に、従来の単純スラグ精錬法においては、B分配比は通常1前後であった。このため、B濃度が1質量ppm程度の高純度スラグを精製に用いる場合、精錬時に、溶融SiのB濃度がスラグのものよりも高い場合が多い。例えば、B分配比1で、スラグとSiが同量であり、Si中のB濃度が5質量ppm、スラグ中のB濃度が1質量ppmである場合、スラグ精錬後のB濃度は、汚染がなければ、Si、スラグ共3質量ppm(即ち、スラグ初期B濃度の3倍)となる。この精製済みスラグを、再度、B濃度が5質量ppmの他のSiの精製に再使用する場合、SiのBは4質量ppmまでしか低下せず、SiからのB除去量は、初回スラグ使用時の半分に低下してしまい、スラグ再利用は、精製に大きな悪影響を与える。したがって、スラグを効率良く再使用する場合には、より低純度、例えば、B濃度が10質量ppmのSiの精錬用に限定される。この様な限定的なスラグの再利用においても、スラグ原料費用、廃スラグ処理費用等の点で有利になる。但し、純度の低いスラグを使用する場合、スラグ精錬回数が増大して生産性を低下させる傾向となり、スラグ再使用には製造費を増大させる要素もある。従来技術においては、スラグ精錬回数の増加を嫌い、Siに対して大量のスラグを使用することにより、1回のスラグ精錬で目的のSi中のB濃度を満足させる作業が指向されてきた。
一方、本発明にあたって、まず、本発明者らは、Siのスラグ精錬において、スラグと共に、炭酸ナトリウム(NaCO)等の酸化剤を直接、溶融Siに接触する様に供給することにより、7〜11と言う高いB分配比の得られることを見出した。次に、この高いB分配率を利用して、B濃度1質量ppm程度のスラグを用いて、B濃度0.1質量ppmオーダのSiの精錬を実現した。これら公知ではない新真実を基に開発を進めた結果、本発明においては、Si中のB濃度0.1質量ppmオーダの精錬に使用したスラグを再利用することにより、スラグ精錬回数を大きく増大させることなく、使用スラグ量を大幅に削減することができる。
本発明における精製に使用したスラグの再利用について具体的に説明する。本発明においてはB分配比が高いため、B濃度が1質量ppm程度の高純度スラグを精製に用いる場合、精錬時に、溶融SiのB濃度がスラグのものより低い場合が多い。これは、従来技術での作業条件と大きく異なる点である。例えば、B分配比9で、スラグとSiが同量であり、Si中のB濃度が0.3質量ppm、スラグ中B濃度が1質量ppmである場合、スラグ精錬後のB濃度は、汚染がなければ、Siで0.13質量ppm、スラグで1.17質量ppm(即ち、スラグ初期B濃度の1.17倍)となる。この精製済みスラグを再度、B濃度が0.3質量ppmの他のSiの精製に再使用する場合、Si中のBは、0.15質量ppmとなる。つまり、スラグ再利用による精製時のSiからのB除去量は、高々12%程度低下するに過ぎず、大きな問題とはなり得ない。これは、精製前のスラグ中のB量に比べて、精製前のSi中のB量が圧倒的に少ないため、精製時に、仮に、Si中のBが全量スラグ側に移行したとしても、スラグ側のB濃度増加率に大きな影響を与えないことによるものである。したがって、本発明では、スラグ純度悪化によるスラグ精錬回数の増大の問題を、回避、又は、大幅に軽減することができる。この点において、スラグと同程度のB濃度のSiまでしか取り扱えない従来技術に比べて、本発明は、原理的に優位である。
ここで、「第1のシリコンより純度の低い第2のシリコンの精製」とは、精製後の第1のシリコンのシリコン純度と精製前の第2のシリコンのシリコン純度を比較した定義であり、例えば、B濃度0.3質量ppmのSiを精製して0.13質量ppmのSi(第1のシリコン)を製造した際の使用済みスラグを、再度、他の0.3質量ppmのSi(第2のシリコン)の精製に使用することは、「第1のシリコンより純度の低い第2のシリコンの精製」にスラグを再使用したこととみなす。当然、B濃度のより高い(例えば、1質量ppm)Siに対して、前記使用済みスラグを使用することも当然許容される。B濃度の高いSiの精錬にスラグを再使用するほど、スラグ純度低下による、SiからのB除去量への影響は低下する。スラグの再使用にあたっては、スラグ中不純物濃度が許容範囲である限り、再使用を繰り返してもよい。一般に、再使用を繰り返すたびに、スラグ精錬の対象となり得るSiは、より純度の低いものに限定されていく。
(装置構成)
図1を用いて、本発明におけるスラグ精錬の装置構成の概要を説明する。精製炉1内に設置されたるつぼ2は、周囲のヒータ3により加熱・保温される。るつぼ2内には溶融させたSi4を保持でき、所定温度に維持される。るつぼ2内溶融Si4上に酸化剤供給管7を通して酸化剤5が、スラグ供給管8を通じて、スラグ6が供給される。ここで供給されるスラグは、未使用のものでも使用済みのものであってもかまわない。そして、溶融Si4、酸化剤5、並びにスラグ6間でB除去を含めた反応・精製がなされる。加熱・精製中は、炉内雰囲気は、ガス供給管10、ガス排気管11を通して、ガス種・ガス濃度が制御される。酸化剤5が消耗(Si融液やスラグとの反応、又は、気化によるもの)し、スラグ6へのB移行も充分進んだ段階で、スラグ及び残酸化剤はるつぼ外に排出される。排出方法は、るつぼ2に設置されたるつぼ傾動装置12によってるつぼ2が傾けられ、溶融Si4上部に存在するスラグ、残酸化剤、並びに、これらと分離できなかったSi(これらを以下、「使用済み物質」と呼ぶ)が使用済みスラグ受9に注湯される。使用済みスラグ受9は、使用済みスラグ出入口13を開放して炉外に輸送される。この後、るつぼを元の位置に戻し、必要であれば、再度スラグと酸化剤を溶融Si上に供給して精製を複数回継続してもよい。
(スラグ再利用の作業フロー)
スラグ再利用の作業フローを図2で説明する。図2の精製炉1では、図1で説明したものと同様の作業を実施し、精製の後、溶融Si上部に存在する使用済み物質14を載せた使用済みスラグ受けは精製炉1外に輸送される。また、図1の精製炉と同様の構造である第2の精製炉15内で、Si精製の準備をしておき、使用済み物質14は、そのまま、又は、使用済み物質処理装置16を経由して好適な性状に加工された上で、第2の精製炉15のスラグ供給管8を通じて溶融シリコン上に供給され、Siの精製が実施される。第2の精製炉15における精製作業は、図1で説明したものと同様である。
(使用済み物質処理)
使用済み物質14は、スラグ構成率が高く、かつ、高温であれば、そのまま再利用スラグとして使用して良い。しかし、これらの条件が満たされない場合には、使用済み物質処理を行う必要がある。使用済み物質処理は、以下に示すいずれかの処理、又は、これら処理を任意に組み合わせて適用することができる。
使用済み物質温度の低い場合、市販の誘導加熱炉等の加熱炉を用いて使用済み物質を配置して昇温させる。
使用済み物質が凝固している場合には、市販のハンマ等の粉砕具を用いて、使用済み物質を粉砕する。
使用済み物質に酸化剤等が固着している場合には、市販のダイヤモンドソー等の切断機等を用いて、使用済み物質から酸化剤等を分離する。
使用済み物質の塩基度(物質中のアルカリ金属成分比率)がスラグ反応性の点で適当でない場合、炭酸ナトリウムやシリカ等を使用済み物質に混和して、好適な塩基度に調整する。
また、使用済み物質処理を経た物質、又は、使用済み物質処理を必要とせずに直接再使用できる使用済み物質のことを便宜的に使用済みスラグと呼ぶ。
スラグを再使用する際には、スラグとともに酸化剤を溶融シリコンに供給することができる。こうすることにより、スラグ精錬での精製効率低下を避けることができる。これは、以下に述べる理由により、酸化性のより強い成分や揮発性のより高い成分を含むスラグに対して行なう場合に、より効果的である。
例えば、炭酸ナトリウムを含むスラグの場合、スラグ中で生成したナトリウム酸化物がシリコン中のホウ素を酸化することによりスラグ精錬での精製効率(精製効率は、例えば、ホウ素の分配比で評価できる)を高める。即ち、炭酸ナトリウム(ナトリウム酸化物)は、ホウ素の酸化剤として機能する。
このナトリウム酸化物は、スラグ精錬時の温度条件では一般に揮発性が高く、精錬中に蒸発するため、スラグ精錬の時間が経過するに従ってスラグ中のナトリウム酸化物が減少し、精製効率が低下する。従って、使用済みスラグのみを、そのまま別のスラグ精錬に再使用する場合、精製効率が極端に低下し、ときには、スラグ中のホウ素がシリコン中に移動してしまうことがある。
そこで、スラグを再使用する場合には、使用済みのスラグに対して、蒸発等によってスラグ中から失われた炭酸ナトリウム等の酸化剤を補給することによりスラグを再生する。このように再生されたスラグを再使用する場合、スラグ再使用時に精製効率が低下することはない。調査の結果、スラグを再使用するたびに、酸化剤を添加することにより、スラグを何度でも再生できることを本発明者は見出した。
また、酸化性の強いスラグの場合、高い酸化力を有する成分は、スラグ精錬中にシリコンを酸化し続けることにより、より酸化力の低い物質に変化するので、スラグの酸化力は徐々に低下する。この場合も、スラグ再使用時に酸化剤を添加してスラグを再生することで、精製効率の低下を避けることができる。
一方、酸化力がより弱く、かつ、揮発性もより低いスラグの場合、スラグ精錬中での精製効率低下は顕著ではないので、使用済みスラグをそのまま再使用してもとくに問題ない。
従来技術におけるスラグ精錬では、スラグの酸化力が比較的弱く、かつ、揮発性も低いものに実施例が限定されていたので、酸化剤の添加によるスラグ再生の必要性について充分には認識されていなかった。しかし、本発明では、工業化の観点から、スラグの再使用の必要性を認識し、スラグを再使用する際に、酸化剤を添加することにより、スラグを再生できることを見出したものである。
(酸化剤)
酸化剤に関しては、酸化能力、純度、取り扱い易さ、並びに、価格の条件を満たせば、どの様なものでもよい。しかし、望ましくは、酸化剤は、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸塩の水和物、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩の水和物、又は、アルカリ土類金属の水酸化物の内、1種又は2種以上の組み合わせを主成分とする物質であることが望ましい。なぜならば、これらの物質は、第1に、Bの酸化能力が高く、第2に、Siへの溶解による汚染が少なく、第3に、スラグと反応して、低融点・低粘性の安定なスラグを形成するので、排気・廃液処理等の点でも取り扱いが容易であるからである。更に望ましくは、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸塩の水和物、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩の水和物、又は、アルカリ土類金属の水酸化物が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、もしくは、これらの水和物、水酸化マグネシウム、又は、水酸化カルシウムの内、1種又は2種以上であることである。なぜならば、第1に、これらの物質は、Siの酸化により溶融Si表面に生じてSi融液とスラグの接触を阻害する強固なSiO膜をスラグ化して除去でき、第2に、これらの物質は、工業的に大量に生産されており、高純度製品の製造法が確立しており、第3に、特に、炭酸ナトリウムや水酸化ナトリウムを使用した場合に顕著な現象として、スラグ中のBが低沸点物質であるホウ酸化ナトリウムに変化し、スラグから容易に気化除去できる効果が存在するからである。このホウ酸化ナトリウムの形成とスラグからの気化除去の現象は、今回、本発明者らによってみいだされたものである。なお、ここでいうアルカリ土類金属は、ベリリウムおよびマグネシウムを含む。
(スラグ)
スラグとしては、シリコン汚染の惧れの少ない高純度ケイ砂等のSiO、又は、高純度アルミナ等のAlをベースにすることが望ましい。後述の様に、Si融点近傍のやや低温での精製作業が望ましいので、スラグ原料に添加物を導入して、スラグの低融点化・低粘度化を図ることができる。この様な添加剤の例として、B気化除去効果の見込める炭酸ナトリウム等の酸化剤を用いてスラグの高機能性を追求しても良いし、精錬時の反応速度をより穏健にするために、CaOの様に酸化剤ではない添加剤を用いる選択もあり得る。いずれにせよ、精製中に酸化剤の一部がスラグと反応して酸化剤中の成分元素がスラグ内に混入することは避けられない。また、スラグとして、使用済みスラグを凝固させたもの、又は、市販される高純度ソーダガラスを粉砕・加熱して用いても良い。また、スラグ温度としては、Si汚染防止や過剰な反応速度回避の観点から、2000℃以下にすることが望ましい。
(スラグ・酸化剤供給方法)
スラグは、スラグ原料を液体や軟化ガラス状とするか、又は、凝固させた後、粉砕して粒状にして、溶融Si上に均一に広がり得る性状で溶融Siに供給することが望ましい。スラグを粒状にして供給する場合には、速やかに溶融スラグを形成させるため、粒径は小さいことが望ましい。但し、極端に小さい粒径の場合、炉内に粒が飛散し易く、作業性の問題があるので、供給するスラグ粒子の径は、1mm〜200mm程度であることが望ましい。
また、酸化剤については、ソーダ灰等、市販される粒状のものを供給して特に問題ない。酸化剤粒径については、反応性と供給作業性の観点から、望ましくは、1mm〜50mm程度であることが望ましい。更に、激しい反応が許容される場合には、予め融点直上まで加熱して溶融状態にした酸化剤を直接溶融Si上に供給し、反応速度の向上を図ってもかまわない。但し、アルカリ炭酸塩の多くは、1000℃以上の高温では気化分解するものが多いので、分解温度以下で供給することが望ましい。
スラグを利用してSi中の不純物をスラグに移行させる際の、スラグと溶融シリコンの位置関係について述べる。酸化剤を使用しない場合には、溶融シリコン上にスラグを供給して、スラグと溶融シリコンを接触させればよい。
一方、スラグと酸化剤をともに溶融シリコンに供給する場合には、図4に示す様に、溶融Siの上に酸化剤の層があり、さらにその上にスラグの層を存在させる形態でも良く、また、図5(a)、(b)に示す様に、スラグと酸化剤が混和した形態でも良く、さらに、図5(c)に示す様に、酸化剤がスラグより上に配置される形態でも良い。
図4に示す場合は、スラグが溶融Siに直接接触するのではなく、酸化剤を溶融Siに直接接触させている。溶融Si中のBは、主として酸化剤との直接接触によって酸化されるので、溶融Siと酸化剤の接触面積を可能な限り大きく設定して、スラグを酸化剤の上に配置して溶融Siが酸化剤のみと接触する状態とすることが好ましい。また、溶融Si液面上で、酸化剤がSiに接触する部分とスラグがSiに接触する部分が混在してもよい。Si融液を攪拌する等して酸化剤と溶融Si間の接触面積を拡大することは、B酸化速度を大きく向上させる。この、溶融Si中のBが主として酸化剤との直接接触によって酸化され、その直後に酸化ホウ素としてスラグに吸収させることによって、高いB分配比を実現できる現象は、今回、本発明者により見出されたものである。
尚、反応速度が過大等の作業上の理由で反応速度を低下させたい場合には、必ずしも、酸化剤をスラグの下に配置する必要はなく、図5(a)、(b)の様にスラグと混和し、又は、図5(c)の様にスラグ上に配置するように、酸化剤を溶融Si上に供給してもかまわない。
また、「スラグと共に酸化剤を供給する」と言っても、スラグと酸化剤を予め混和しておかない限り、両者を完全に同時に供給することは作業上困難である。したがって、実作業上、「スラグと共に酸化剤を供給する」とは、スラグと酸化剤をそれぞれ短時間の間隔で供給することを意味する。ここで、短時間とは、酸化剤を先に供給する場合であれば、酸化剤の大半が消耗(Siとの反応、又は、高温下での気化分解によるもの)する前にスラグを供給できればよく、例えば、数十kgオーダの酸化剤を供給する場合であれば、酸化剤の供給開始から20分以内にスラグの供給を開始することで、通常、問題ない。
また、使用済み物質中に少量の精製Siが含有されることを防ぐのは極めて困難である。図3を使って、その理由を説明する。スラグ精錬を行う場合、溶融Si4とスラグ6(及び酸化剤5)界面は大きく湾曲し、るつぼ2の壁との間に容易には排出できないスラグ17が発生する。これは、Siの界面張力が大きいこと、並びに、Siとスラグ(及び酸化剤)間の密度差が小さいことによるものであり、物性上、界面の湾曲し難い鋼のスラグ精錬等とは異なる、Siのスラグ精錬固有の問題である。この容易には排出できないスラグ17が精製Si中に残留すると、次回の精製時のB汚染源となって問題なので、スラグを完全に除去することが望ましい。このためには、容易には排出できないスラグ17を周囲の精製Siと共にるつぼ外に排出しなければならならず、るつぼ2に在留する精製Si量は減少する。1回の精製でスラグを使い棄てるスラグ精錬の場合、るつぼからスラグと共に排出されたSiは、単純に歩留まり低下となって製造費を上昇させる。本発明においては、多数回のSi精製を前提にしているので、この歩留低下は大きな問題である。そこで、本発明では、スラグを再使用することにより、精製後にスラグと共に排出されていた精製Siを再びスラグと共にSiに戻すことにより、Siの歩留低下を回避することができる。スラグを再使用する際には、必ず、前回使用時よりも、より純度の低いSiに対して再使用スラグが供給されるので、再使用スラグに含まれる、より純度の高いSiが精製用Siに混入しても純度上の問題は発生しない。本発明において、1回の精製で使用済みスラグとともに除去されるSiの量は、特に制限されるものではないが、作業性と生産性の観点から、全Si質量の0.5〜5%の範囲であることが望ましい。
(その他作業条件)
使用するるつぼについては、溶融シリコンや酸化剤に対して安定であることが望ましく、例えば、黒鉛やアルミナが使用可能である。また、るつぼ材が溶出してスラグ原料の一部として機能することを目的に、シリカガラス等のSiOを主成分としたるつぼを使用しても良い。
作業温度については、高温での作業は、炉材耐久性や炉材汚染の観点から避けるべきである。したがって、溶融Siの温度は、融点以上2000℃以下であることが望ましい。また、工程上の当然の条件として、Si温度は、融点以上とすることで実施できる。
作業雰囲気については、本発明において、Si中のBを酸化することが重要であるので、水素ガス等の還元性雰囲気は避けることが望ましい。また、るつぼ・炉材に黒鉛を使用する場合には、これらの酸化ロスを防止するため、空気等の酸化性雰囲気も避けることが望ましい。したがって、望ましくは、Arガス等の不活性ガス雰囲気とすることができる。雰囲気圧力に関しては、100Pa以下の様な極端な低圧でなければ特に制約はない。極端な低圧下では、溶融Siとスラグ中のSiOが反応してSiOガスが発生し、Si歩留を大幅に低下させるため、100Pa以下の極端な低圧は避けることが望ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1の精製炉を用いて、初回のSi精製を実施した。まず、精製炉内の直径500mmの黒鉛製るつぼ内に、B濃度0.4質量ppmで平均直径5mmの金属Si粒を50kg配置し、Ar雰囲気下で抵抗ヒータによりるつぼを加熱して、1500℃の溶融Siとして保持した。次に、B濃度1.2質量ppmで平均直径10mmの高純度ケイ砂35kg及びB濃度0.4質量ppmで粉末状の炭酸ナトリウム(NaCO)5kgを事前に混和した後、精製炉とは別の、図示しない加熱炉内に配置された黒鉛るつぼ内で1600℃まで加熱・保持してスラグを形成した。次に、B濃度0.4質量ppmで粉末状の炭酸ナトリウム(NaCO)15kgを、酸化剤供給管を通じて精製炉内の溶融Si上に投入した後、精製炉とは別の加熱炉内で生成させたスラグをるつぼと共に精製炉上まで輸送し、るつぼを傾動させ、スラグ供給管を通じて精製炉内の溶融Si上にスラグを注湯した。酸化剤投入からスラグ注湯までの時間は、約5分であった。スラグ注湯後、溶融Siを常圧Ar雰囲気下で1500℃に維持して30分間精製を実施した。精製終了後、るつぼを傾動して、スラグ及び残酸化剤を使用済みスラグ受に排出した後、溶融シリコンのサンプルを採取した。サンプルの採取方法は、Siの融点以上に先端を加熱した高純度アルミナ管の先端を溶融シリコンに浸漬し、この管を通して溶融シリコンを吸引し、アルミナ管の加熱されていない部分で急冷されて凝固したシリコンをアルミナ管ごと炉外に取り出し、後に、アルミナ管からシリコンを分離したものを分析サンプルとした。1回当りのサンプル質量は、約100gであった。サンプルの成分分析方法は、広く市場で用いられているICP分析法によった。使用済み物質質量は、約50kgであった。次に、使用済みスラグ受を炉外に輸送し、使用済み物質のサンプルを採取した後、使用済み物質を凝固させた。サンプルの採取方法は、柄のついた高純度アルミナ製るつぼで使用済み物質から約100gを掬い取って凝固させたものをサンプルとした。サンプルの成分分析方法は、広く市場で用いられているICP分析法によった。得られたサンプル中のBの濃度は、Siで0.16質量ppm、使用済み物質で1.26質量ppmであり、使用済み物質の構成率は、単体酸化物が2%、Siが4%、残りがスラグであった。したがって、精製後Siは、太陽電池用途のB濃度仕様を満足した。
次に、初回の精製と同様のSi原料及び酸化剤を用い、初回の精製と同様の方法で精製炉内でSiを溶融させて、溶融Si上に酸化剤を投下した。ここで、予めハンマにより、平均50mm直径に砕いておいた、前記使用済みスラグ(使用済み物質を単に凝固させたもの)をスラグ供給管を通して、溶融Si及び酸化剤上に投入し、第2回目のSi精製を実施した。Siの精製方法は、初回の精製と同様である。ここで得られたサンプル中のBの濃度は、Siで0.18質量ppm、使用済み物質で1.4質量ppmであった。したがって、使用済みスラグを用いて精製したSiであっても、太陽電池用途のB濃度仕様を満足することができた。2回の精製を通じてのSi歩留は、98%であり、スラグ発生量は、50kgであった。
(比較例1)
実施例1の初回のSi精製と同様の方法で、Si精製を単独に2回実施した。2回の精製を通じてのSi歩留は、96%であり、スラグ発生量は、100kgであった。したがって、本発明において、スラグを再使用することにより、Si歩留及びスラグ発生量・スラグ原料使用量について大幅に改善できることがわかった。
(実施例2)
実施例1に使用した精製炉を3台設置し(それぞれ、1番炉、2番炉、3番炉と呼ぶことにする)、それぞれでSi精製を繰り返し実施した。各炉におけるSi精製方法は、使用原料以外を実施例1と同様にした。但し、各炉内の各精製回間でSiを入れ替えない。ここで、精製するSi純度レベルを各炉で常に異なる様に運用した。具体的には、1番炉、2番炉、3番炉の順により純度の高いSiの精製を行う様に、より具体的には、1番炉が3回目の精製を実施しているときに2番炉が2回目の、3番炉が初回の精製を実施させる様にした。次に、1番炉の精製後に発生した使用済み物質を、液体状態で、2番炉での次回精製用のスラグとして2番炉内のるつぼに供給し、2番炉で発生した使用済み物質を、液体状態で、3番炉での次回精製用のスラグとして3番炉内のるつぼに供給することで2番炉、3番炉の精製を実施した。3番炉から発生する使用済み物質は廃棄した。また、1番炉へのスラグは、常に、新品のものを用いた。使用原料として、各炉とも、B濃度12質量ppmで平均直径5mmの金属Si粒を50kg、酸化剤として、B濃度0.4質量ppmで粉末状の炭酸ナトリウム(NaCO)15kgを使用した。また、1番炉については、B濃度1.2質量ppmで平均直径10mmの高純度ケイ砂35kg及びB濃度0.4質量ppmで粉末状の炭酸ナトリウム(NaCO)5kgを用いて形成したスラグを使用した。また、2番炉、3番炉で、使用できる使用済みスラグの存在しないときには、新品のスラグを使用した。1番炉、2番炉で7回、3番炉で8回の精製を行った結果、最終的に得られたSi中のB濃度は、1番炉で0.09質量ppm、2番炉で0.10質量ppm、3番炉で0.08質量ppmであり、いずれも太陽電池用途のB濃度仕様を満足することができた。また、各炉を通してのSi歩留まりは、98%であり、総スラグ発生量は、400kgであった。
(比較例2)
使用原料以外の条件を実施例1の初回のSi精製と同様の方法で、Si精製を7回実施(この間Siを入れ替えない)した後、Si原料を2回入れ替えて、それぞれでも7回ずつSi精製を実施した(合計21回のSi精製)。使用原料は、B濃度12質量ppmで平均直径5mmの金属Si粒を50kg、酸化剤として、B濃度0.4質量ppmで粉末状の炭酸ナトリウム(NaCO)15kg、また、B濃度1.2質量ppmで平均直径10mmの高純度ケイ砂35kg及びB濃度0.4質量ppmで粉末状の炭酸ナトリウム(NaCO)5kgを用いて形成したスラグを使用した。最終的に得られたSi中のB濃度は、0.09質量ppmであり、太陽電池用途のB濃度仕様を満足した。しかし、Si歩留まりは、75%であり、総スラグ発生量は、1050kgであった。したがって、本発明において、スラグ精錬を繰り返すほど、Si歩留及びスラグ発生量・スラグ原料使用量についての改善効果が向上することがわかった。
(実施例3)
SiOを20kg、CaOを20kg混合して、図示しない溶融炉内で加熱して溶融スラグを生成させた。溶融スラグ中のB濃度は、0.5質量ppmであった。この溶融スラグを用い、実施例2と同様の、1番炉、2番炉、3番炉の3つの精製炉を用いて、それぞれ、初期B濃度10質量ppmの溶融シリコン50kg/炉に対して、実施例2と基本的に同様のスラグ精錬を行なった。但し、スラグ再使用時に酸化剤は、添加していない。
また、シリコンから使用済みスラグを1回の排湯当り30分間かけて注意深く排湯することにより、使用済みスラグ中にシリコンを混入させなかった。このとき、シリコン上に残留したスラグ量は、全スラグ質量の平均1.5%であった。
前記成分でのスラグは、B分配比が1程度と比較的低く、スラグ精錬中も安定しており、かつ、シリコン上に残留させた使用済みスラグ量も比較的少なかったので、シリコン上に残留した使用済みスラグが次回の精錬に与える汚染の影響は、再使用スラグを残留させなかった場合に期待されるシリコン中B濃度減少量を約2%低下させる程度と比較的小さいものであった。
計1200kg/炉のスラグを用いて40回/炉のスラグ精錬を繰り返した結果、いずれの炉でもB濃度が1.0質量ppmのSiを1炉当り35kg得ることができた。
こうして得られたSiを、従来技術である、例えば、酸素と水素のトーチを用いた精錬の原料として使用し、精錬を行なうことにより、太陽電池用途用のB濃度を満足するSiが得られる。
実施例3の様に、スラグ再使用時に酸化剤を添加していない場合でも、この方法によって初期B濃度を低下させたSiを原料として用いることにより、従来技術と比較してSiを精製する時間の大幅な短縮、または、設備の小規模化を図ることができる。
本発明でのスラグ精錬の模式図である。 使用済みスラグ再利用の模式図である。 るつぼ内でのSi−スラグ界面近傍の模式図である。 スラグをSi上に付与する場合のホウ素の挙動を示す図である。 (a)は、Si上に酸化剤とスラグを混和して配置した状態1を示す図であり、(b)は、Si上に酸化剤とスラグを混和して配置した状態2を示す図であり、(c)は、スラグ上に酸化剤を配置した状態を示す図である。
符号の説明
1 精製炉、
2 るつぼ、
3 ヒータ、
4 溶融シリコン、
5 酸化剤、
6 スラグ、
7 酸化剤供給管、
8 スラグ供給管、
9 使用済みスラグ受、
10 ガス供給管、
11 ガス排気管、
12 るつぼ傾動装置、
13 使用済みスラグ受出入口、
14 使用済み物質、
15 第2の精製炉、
16 使用済み物質処理装置、
17 容易には排出できないスラグ部位。

Claims (6)

  1. 溶融シリコンにスラグを利用して、シリコン中の不純物をスラグ中に移動させて精製するシリコンの製造方法において、
    第1のシリコンに対して、スラグ原料又は添加剤を導入したスラグ原料と共に酸化剤を供給してシリコンを精製すると共に、
    第1のシリコンの精製に用いられたスラグを、その精製後に、前記第1のシリコンより純度の低い第2のシリコンの精製に再使用することを特徴とする高純度シリコンの製造方法。
  2. 前記第2のシリコンの精製時に、酸化剤を前記スラグと共に溶融シリコンに付与することを特徴とする請求項1に記載の高純度シリコンの製造方法。
  3. 前記酸化剤を前記溶融シリコンに直接接触させることを特徴とする請求項2に記載の高純度シリコンの製造方法。
  4. 前記第1のシリコン精製の後に前記スラグを除去する際に、精製済みの前記第1のシリコンの一部を前記スラグと共に除去し、前記除去された第1のシリコンの一部を、前記スラグと共に、前記第2のシリコン精製時の溶融シリコンに付与することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の高純度シリコンの製造方法。
  5. 前記酸化剤が、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸塩の水和物、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩の水和物、又は、アルカリ土類金属の水酸化物の内、1種又は2種以上の組み合わせを主成分とする物質であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載の高純度シリコンの製造方法。
  6. 前記アルカリ金属の炭酸塩、前記アルカリ金属の炭酸塩の水和物、前記アルカリ金属の水酸化物、前記アルカリ土類金属の炭酸塩、前記アルカリ土類金属の炭酸塩の水和物、又は、前記アルカリ土類金属の水酸化物が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、もしくは、これらの水和物、水酸化マグネシウム、又は、水酸化カルシウムの内、1種又は2種以上の組み合わせであることを特徴とする請求項5に記載の高純度シリコンの製造方法。
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