JP4966018B2 - 三元非ラメラ脂質組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、医薬および機能性食品組成物における活性剤の保護、安定化、可溶化および送達に関する。特に、本発明は、両親媒性の組成物および製剤ならびにこれらに基づいた活性剤送達システムに関する。
両親媒性物質を基剤とする製剤は、多くの物質の送達において、特にインビボでのヒトまたは動物の体への送達に関して、非常に大きな可能性を示している。両親媒性物質は、かたまりとなって極性および非極性領域を形成する極性基および非極性基の両方を有しているため、極性化合物および非極性化合物のいずれをも有効に可溶化することができる。加えて、極性および/または非極性溶媒中で両親媒性物質/構造化剤によって形成される構造の多くは、他の両親媒性化合物を吸着および安定化させることができる非常に大きな面積の極性/非極性境界を有する。
両親媒性物質/水、両親媒性物質/油および両親媒性物質/水/油の相図における非ラメラ状領域の形成はよく知られた現象である。このような相は、分子レベルでは流体であるが顕著な長距離秩序を示すキュービックP、キュービックD、キュービックGおよびヘキサゴナル相のような液晶相と、液晶相の長距離秩序が無い二分子層シートの多重相互接続3次元両連続ネットワークを含むL3「スポンジ」相とを含んでいる。これらの相は、それぞれの曲率に応じて、順(非極性領域に向かう平均曲率)または逆(極性領域に向かう平均曲率)として説明し得る。脂質系の自発曲率がほぼゼロである場合、構造は典型的にユニラメラまたはマルチラメラ小胞/リポソームのようなラメラ状であり、自発曲率がさらにゼロより大きいかまたは小さい場合は、ミセル、キュービックおよびヘキサゴナル相が典型的に支配的となる。
非ラメラ状の液晶相およびL3相は、熱力学的に安定な系である。すなわち、これらの相は、層やラメラ相などへと分離および/または改質する単なる準安定状態ではなく、混合物の熱力学的に安定な形態である。
ラメラ状および非ラメラ状のいずれの系についても、食事療法剤、化粧品用剤、栄養剤、診断用剤および医薬用剤のための担体ならびに/または賦形剤としての特性が研究されているが、非ラメラ状の系は、極性および非極性領域間の内部表面積が大きい点で非常に有利であると考えられている。このため、特に放出制御製剤における、比較的難溶性の化合物を可溶化するための非ラメラ相の研究が非常に多く行われている。
前述のように、バルク非ラメラ相は典型的に熱力学的に安定な系である。加えて、このバルク相を極性または非極性溶媒中に分散させてバルク溶媒中で非ラメラ(特に液晶)相の粒子を形成し得る。これにより、バルク非混和相を用いると問題が生じる状況、例えば非経口適用において、バルク非ラメラ相の利点を適用することができる。このような非ラメラ粒子の分散液により、化合物の放出プロファイルのさらなる制御も達成し得る。
液晶またはL3相は、過剰の溶媒と熱力学的に平衡または略平衡になることが可能であり、非ラメラ粒子のコロイド的に安定な分散液に分散させ得る。このような粒子は、完全に(つまり熱力学的に)安定であり得るかあるいは徐々に分解し得、それにより、このような粒子と共に製剤化された活性剤の放出プロファイルが制御される。分散液の形成は、自発的なこともあり、又はせん断または超音波のような機械的な力の結果であることもある。これらの非ラメラ粒子は、活性剤の送達において非常に興味深いものであり、多くのこのような活性剤用の担体として提案されている。
水のような溶媒中での非ラメラ相の分散粒子の形成方法が米国特許第5,531,925号に記載されている。このような粒子は、非ラメラ液晶またはL3内部相とラメラまたはL3表面相とを有し、有効成分も含有し得る。
液晶またはL3内部相の公知の粒子は、この相に表面相形成剤の溶液を添加し、攪拌して粗分散液を形成し、得られた混合物を細分化するなどの方法によって形成し得る。
液晶相の存在を評価するためには、小角X線回折(SAX)、cryo−透過型電子顕微鏡法(cryo−TEM)または核磁気共鳴(NMR)分光法を用いて見込みのある液晶材料を調べ得る。分散粒子の大きさおよび粒度分布は、光散乱により、特にレーザ光散乱装置を用いて調べ得る。
有効成分を含有する分散液、特にヒトまたは動物の体への静脈内投与用の分散液は、コロイド状である、すなわち、粒度が10μm以下、特に5μm以下、とりわけ1μm以下であるのが好ましい。分散液内の粒子がこの大きさを超えると、分散液がコロイド的に安定でないことがあり、調製剤を静脈内投与する際に塞栓症を引き起こす恐れが非常に大きい。さらに、いかなる活性剤の放出の制御をも最大限に行うために、粒度の分布が狭いのが好ましい。粒子組成物を静脈内投与以外の方法(例えば、経口投与、筋肉内投与、皮下投与、経直腸投与または吸入による投与)によって投与する場合は、粒子は必ずしもコロイド状でなくてもよいが、粒子の分解および/または活性剤の放出の速度を制御するためには、特徴がはっきりした再現可能な粒度分布とすることがやはり有利である。
粒子組成物の粒度は、非常に長期間にわたる保存に対して安定であることも必要である。粒度の分布が著しく変化すると、組成物の有効輸送率(例えば、任意の活性剤の拡散性および放出速度による)に悪影響が及ぶことがある。より重要性が高いのは、静脈内投与用のコロイド分散液中の粒度の安定性である。このような分散液の粒度分布が(例えば保存および流通に対して)安定していないと、時間が経つにつれて大きな粒子が生じることがあり、投与時に危険となり得る。直接危険とはならなくても、保存の不安定性により、薬物動態学、力学および/または有効性において著しいばらつきが生じる可能性がある。
粒度の制御に加えて、所望の相つまり非ラメラ相にある粒子の割合を最大化することが、装填容量、保護封入、放出制御、再現性などの点でこの有益効果を最大化するために好ましい。したがって、ユニラメラまたはマルチラメラ小胞のようなラメラ粒子の割合は最小化する必要がある。
公知の非ラメラ相分散粒子形成方法は、非常に有効ではあるが、典型的に、粒度の分布が比較的広くなり、かなりの割合の「夾雑」ラメラ小胞粒子を生じる。粒度分布を狭くするために製剤中の細分化および/または安定化剤(例えば、界面活性剤、コポリマーおよび/またはタンパク質)の割合を増加させてもよいし均質化処理のエネルギー投入量を増加させてもよいが、ラメラ粒子の割合を増加させてしまうという犠牲を払うことになる。
現在入手可能であるかあるいは提案されている非ラメラ組成物の1つの限界は、それらが、高濃度ではインビボであまり許容されない脂質にしばしば依存していることである。特に、一般に用いられているモノアシルグリセロール(よく用いられるモノオレイン酸グリセリル−GMOを含む)は、高濃度で投与(特に非経口投与)されると、用量制限的であり得る毒性を有する可能性がある。脂質担体による毒性の副作用の可能性によって、活性剤が用いられる適応症の範囲も副作用の危険が許容され得る非常に重篤なものに限定されることがある。したがって、粒子分散液のように形成可能で安定しており、予測可能な非ラメラ相挙動を示し、かつ、広く用いられている組成物(例えば、GMOを含む組成物)と比較して毒性が少ない(例えば、溶血指数および/または急性毒性の調査からわかる)脂質組成物を提供することは、非常に大きな進歩である。このような製剤がコロイドサイズの粒子(例えば、直径0.05〜約2μm)のように形成可能で安定しており、狭い単峰型の粒度分布を有していると、さらに有利である。
本発明者らは、構造形成成分と、膨張成分と、ポリマー成分とを含む少なくとも3つの両親媒性成分の混合物が、安定な非ラメラ分散液を形成するのに非常に有効であり、インビボで驚くほど低い毒性を示し得ることを新規に立証した。
したがって、第1の局面において、本発明は、
a)少なくとも50%の少なくとも1つの構造形成両親媒性物質と、
b)0〜40%の少なくとも1つの構造膨張両親媒性物質と、
c)2〜20%の少なくとも1つの分散液安定化ポリマー両親媒性物質と、
を含み(全ての部はa+b+cの重量の合計に対する重量比で示される)、
非ラメラ粒子を含むかあるいは水性流体と接触させると非ラメラ粒子を形成し、
前記成分b)が0%であれば、前記成分a)は少なくとも2つの構造形成両親媒性物質を含む粒子組成物を提供する。
本発明の好適な組成物は、本明細書に記載のような少なくとも1つの活性剤をさらに含有し、溶媒(特に、水または水性溶媒もしくは溶媒混合液)を含有し得る。組成物は、適切な担体、賦形剤、充填剤、安定化剤などの成分も含有し得る。
好適な局面において、本発明の組成物の両親媒性成分は、成分a+b+cの総重量に対して、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも70重量%、最も好ましくは少なくとも80重量%の、25℃で10-9M未満の水溶解度を有する両親媒性物質を含む。
さらなる局面において、本発明は、少なくとも1つの本発明の組成物と、少なくとも1つの製薬上許容可能な担体または賦形剤を含む医薬製剤を提供する。
本発明の三元両親媒性組成物は、少なくとも1つの構造形成両親媒性物質(成分a)と、少なくとも1つの他の構造形成両親媒性物質(成分a)か少なくとも1つの「構造膨張」剤(成分b)のいずれかと、少なくとも1つの分散液安定化「ポリマー」両親媒性剤(成分c)とを含む。成分bおよびcは、組成物の細分化を容易にもする。全両親媒性成分(a+b+c)のうち少なくとも50重量%が成分aであることが必要である。これは、好ましくは60〜95%、より好ましくは70〜90%である。これに対応して、成分bは、a+b+cの0〜40重量%、特に2〜40%、好ましくは5〜30%、より好ましくは10〜25%であることが必要である。成分cは、a+b+cの総重量の2〜20%、好ましくは2〜15%、より好ましくは2〜10%含まれることが必要である。
三元両親媒性組成物において、構造形成成分「a」は、リン脂質(例えば、ホスファチジルエタノールアミンおよびホスファチジルコリン)、糖脂質ならびにジグリセリドから選択される少なくとも1つの脂質成分を含むのが好ましい。天然脂質が特に適しており、特に、ジアシルホスファチジルエタノールアミン、ジアシルグリセロールおよびジアシルホスファチジルコリンのような天然ジアシル脂質が適している。ホスファチジルコリンとジアシルグリセロールとの混合物が特に好適である。
成分b)が含まれない場合、成分a)は少なくとも2つの化学的に別個の脂質を含む。この混合物は、1つの非イオン性脂質(ジアシルグリセロールなど)と1つの両性イオン性脂質(ホスファチジルコリンなど)の混合物であるのが好ましい。特に好ましい混合物は、ジオレイン酸グリセロール(GDO)と大豆ホスファチジルコリン(SPC)の混合物である。
構造形成成分a)は少なくとも1つの天然ジアシル脂質であるのが好ましく、成分b)が含まれない場合には、成分a)は少なくとも2つの天然ジアシル脂質の混合物であるのが好ましい。ジアシル脂質において、2つのジアシル鎖は、鎖長と不飽和があればその数および種類との両方の点で、同じであっても異なっていてもよい。好ましいアシル基は、炭素数6〜32、好ましくは6〜24であり、0〜3の不飽和、特に二重結合を有する。アシル基はしばしば炭素鎖における炭素数および不飽和数に言及して説明される。したがって、CX:Zは、炭素数がXであり不飽和数がZである炭化水素鎖を示す。適切な例としては、特に、カプロイル基(C6:0)、カプリロイル基(C8:0)、カプリル基(C10:0)、ラウロイル基(C12:0)、ミリストイル基(C14:0)、パルミトイル基(C16:0)、フィタノイル基(C16:0)、パルミトオレオイル基(C16:1)、ステアロイル基(C18:0)、オレオイル基(C18:1)、エライドイル基(C18:1)、リノレオイル基(C18:2)、リノレノイル基(C18:3)、アラキドノイル基(C20:4)、ベヘノイル基(C22:0)およびリグノセロイル基(C24:9)がある。より好ましいアシル基は、C14〜C20の基であり、最も好ましいのは、パルミトイル基(C16:0)、パルミトオレオイル基(C16:1)、ステアロイル基(C18:0)、オレオイル基(C18:1)、エライドイル基(C18:1)、リノレオイル基(C18:2)、リノレノイル基(C18:3)などのC16〜C18の基である。
非ラメラ構造に対する膨張効果が望ましくない場合には成分b)の使用を避けることが特に好ましい。これは、例えば、ヘキサゴナル相のような特に望ましい相が得られないかもしれない場合であり得る。これは、十分な膨張効果を提供する活性剤のような1つまたは複数の他の成分の効果が原因であるかもしれない。したがって、1つの好適な実施形態において、成分b)が含まれないのは、少なくとも1つの追加的成分、特に活性剤が含まれる場合に限られる。
成分aは、10%まで(例えば、この成分の1〜10重量%)の少なくとも1つの荷電両親媒性物質、特に陰イオン性脂質(アシルもしくはジアシルホスファチジルグリセロールなど)または脂肪酸(以下参照)も含有し得る。別の好適な実施形態において、荷電両親媒性物質は、エチルホスホコリン脂質(1,2−ジアシル−グリセロ−3−エチルホスホコリンを含む);1,2−ジアシル−3−ジ−および−トリ−アルキルアンモニウム−プロパン脂質(1,2−ジアシル−3−トリメチルアンモニウム−プロパンを含む);アンモニウム塩、特にハロゲン化第三級アンモニウム塩(例えば、N,N−ジオクタデシル−N,N−ジメチルアンモニウムブロミド、N,N−ジステアリル−N,N−ジメチルアンモニウムブロミド、N−(1,2−ジミリスチルオキシプロプ−3−イル)−N−ヒドロキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムブロミド、N−N−ジオレオイル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリドおよびN−(1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド、N−(1−(2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド);陽イオン性スペルミジン誘導体(2,3−ジオレイルオキシ−N−[2(スペルミンカルボキシアミド)エチル]−N,Nジメチル−1−プロパンアミニウム(propanaminium)トリフルオロアセテートおよびジヘプタデシルアミドグリシルスペルミジンを含む);ならびに3β−(N−(N’,N’−ジメチルアミノエタン)−カルバモル)コレステロールを含む陽イオン性コレステロール誘導体のような陽イオン性両親媒性物質を含み得る。
これに対応して、成分aの90%以上、好ましくは少なくとも95%は、中性および/または生理的条件下で実効電荷を持たないのが好ましい。
別の実施形態においては、成分aの10重量%まで(例えば、1〜10%)(好ましくは2〜7重量%)が、生理学的に許容可能なステロールであってもよい。このようなステロールとしては、例えば、コレステロールのような動物由来のステロールや、ベータシトステロール、スティグマステロールおよびカンポステロール(camposterol)のような植物由来のステロール(フィトステロール)が挙げられる。これに対応して、成分aの少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%は、一般に非ステロール構造である。
成分aは、過剰の水の中で単独で製剤化されると、逆非ラメラ相、好ましくは逆ヘキサゴナル相を形成するものである。これは、水中で混合物を調製し、公知かつ/または本明細書に記載の相挙動を調べるための技術(小角X線散乱(SAXS)、偏光顕微鏡法および/もしくはcryo−透過型電子顕微鏡法(cryo−TEM)を含む)のいずれかによって相挙動を分析することにより、成分aとして提案された特定の脂質または脂質の混合物について容易に立証することができる。
成分aは組成物中の主な成分であるため、この成分が生体適合性を有することが特に重要である。従来、多くの非ラメラ組成物は、所望の秩序構造および安定性を得るために、比較的高い急性毒性を有する主要な構造形成成分に依存してきた。本発明の組成物を用いることにより、理想的とはいえない生物学的特性を有する脂質の使用の削減または廃止までもが可能になる。
脂質の生物活性の1つの尺度は、水または水溶液への溶解度である。水溶解度が比較的高い成分は、溶液中の溶解脂質モノマーのより高い平衡濃度を維持し、このことは、観察される生物学的効果に少なくとも部分的に関与し得る。例えば、一般に用いられている「モノオレイン酸グリセロール」(GMO)は、室温で10-7M程度、生理的温度ではそれを上回る平衡水溶解度を有する。これに対して、「成分a」用の好ましい非荷電脂質の溶解度は、室温で10-8、より典型的には10-9M以下、好ましくは5×10-10M、より好ましくは10-10M以下であり得る。最小の望ましい溶解度は一般に約10-15Mである。以下の表1は、いくつかの構造形成両親媒性物質の平衡水溶解度を示す。
水溶解度が低いことは、非ラメラ構造粒子の安定性を高めるうえでの利点にもなる。特に、高希釈では、非ラメラ系の安定性は、脂質分子が構造化された材料の表面を離れて溶液中に拡散する速度に依存する。このため、非ラメラ粒子の分散液の安定性は、溶媒へのモノマーの溶解度と直接関連付けられる。
Figure 0004966018
本発明の組成物に陽イオン性脂質が含まれている場合(例えば、成分aの1〜10重量%、特に2〜7重量%で)、これらの組成物は、細胞への核酸の取り込み用に特に適している。特に、陽イオン性脂質を含む本発明の組成物は、DNA(例えばcDNA)もしくはRNAオリゴマーのような一本鎖または二本鎖の核酸を細胞にトランスフェクトするのに非常に適している。適切な核酸オリゴマーとしては、低分子干渉DNAおよびRNA、アンチセンスDNAおよび/またはRNA、プラスミドならびにペプチドまたはタンパク質生成物を機能的にコードする一本鎖または二本鎖DNAもしくはRNA(特に、核酸配列が適宜機能的プロモーターまたは開始コドンを含む場合)がある。本局面においては、組成物の活性剤は、核酸、特に核酸オリゴマーを含む。
したがって、好適な実施形態において、本発明は、成分aの1〜10重量%(特に2〜7重量%)のレベルの陽イオン性脂質と、活性剤としての少なくとも1つの核酸とを含む本発明の組成物(特に、核酸活性剤を細胞にトランスフェクトするのに適した組成物)を提供する。本発明は、このような組成物を投与することを含む核酸(例えば、本明細書に記載のもの)を細胞にトランスフェクトする方法も提供する。
核酸活性剤を(特に、陽イオン性成分と共に)含む本発明の組成物は、遺伝子免疫、遺伝子治療、アンチセンス治療および核酸干渉治療(nucleic-acid-interference therapy)の方法において用いるのに非常に適している。陽イオン性脂質成分が含まれている場合、陽イオン性脂質成分は核酸のトランスフェクションが特に高いレベルで行われるように製剤の特性を調整すると考えられる。組成物全体の性質はまた、本明細書に記載の他の実施形態と同様に、活性剤が担体中に有効に分散され得る保護された封入環境を提供し、所望の作用部位への活性剤の送達を促進する。
陽イオン性成分を含まない場合に組成物によって提供される高いレベルの取り込みは、この高いレベルの活性成分保護と、時間と空間の両方における放出制御と、作用部位の生体膜全域にわたる吸収増大とを含む組成物の特性によるものと考え得る。陽イオン性成分を含むことで見られるさらなる向上は、特に有利なものであり、組成物の作用部位での保持、付着および/または融合がさらに高められるためと考えられる。
膨張成分「b」は、一般に、両親媒性構造の格子を膨張させて両親媒性構造がより容易に分散粒子形態をとることができるようにする成分である。この成分は、例えば逆ヘキサゴナル相構造からキュービック相構造への構造転移を容易にもし得る。適切な膨張剤は、公知の技術(本明細書に記載のものを含む)を用いて構造形成脂質との混合物の相および細分化挙動を調べることによって決めることができる。膨張剤は、一般に分子量が比較的低く(例えば、2500未満、特に2000未満、好ましくは200〜1950)、オリゴエチレンオキシド系界面活性剤のような成分であり得る。オリゴエチレンオキシド系界面活性剤の好ましい例は、非極性「尾」基に結合した5〜40のエチレンオキシド単位を有するものである(例えば、以下に記載のもののいずれかのような脂肪酸のエステルとして、または対応する脂肪アルコールのエーテルとして)。好ましい例としては、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート)、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体およびポリオキシエチレン脂質誘導体が挙げられる。最も好ましい例は、TGMO−15(日光ケミカルズ株式会社(Nikko))、ソルトール(Solutol)HS15(BASF)およびポリソルベート80である。
ポリマー成分「c」は、一般に、分散液の特にコロイド粒子としての安定性を向上させる成分である。ポリマー成分は、一般に分子量が比較的高く(例えば、2000を超える、好ましくは2200を超える、より好ましくは2500〜50000、例えば2500〜10000)、分子構造中に少なくとも1つのポリマー(例えば、コポリマー)部分を有する。好ましいポリマー成分としては、ポリエチレンオキシドコポリマー、ポリエチレンオキシドで誘導体化した脂質、疎水基修飾された(hydrophobically modified)多糖類および両親媒性タンパク質がある。本明細書に記載のようなポロキサマーは、PEG置換脂質、PEG脂肪酸エステルならびにPEG−グリセロールジオレエート、PEG−ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(特にDOPE−PEG2000およびDOPE PEG−5000)またはPEG−ジオレオイルホスファチジルセリンを含むPEG−リン脂質と同様に、ポリマー成分として特に適している。
ポリエチレンオキシドコポリマーの好ましい例は、少なくとも1ブロックのポリオキシチレンと少なくとも1ブロックのポリオキシプロピレンとを含むポロキサマーである。これらの作用剤のうちで最も好ましいのは、ポロキサマー407(例えば、プルロニック(Pluronic)(登録商標)F127、BASF)、ポロキサマー188(例えば、プルロニック(登録商標)F68、BASF)、ポロキサマー124(プルロニック(登録商標)L44、BASF)である。
成分bおよびcは、細分化剤として作用するとともに、粒子相挙動の制御および安定と、非ラメラ相の粒子への細分化の促進および安定化との両方に役立つ。成分bおよびcは、構造化剤の細分化を生じさせるのに、かつ/または細分化された非ラメラ相粒子を安定化するのに十分な総合レベルで含まれる。このような細分化は、自発的であってもよく、せん断および/または超音波処理によるような物理的細分化を必要としてもよい。当業者は、本明細書中の実施例に鑑みて任意の組成物が十分な細分化剤を含有しているかどうかを容易に評価できるであろう。
本発明の組成物は、非ラメラ粒子を含むか、または水性流体と接触するとこのような粒子を形成する組成物を含む。このような流体は、対象への送達用の流体(例えば、水または無菌食塩水)であってもよく、体液、特に胃液、腸液、粘膜表面液または血液であってもよい。
本明細書において、用語「非ラメラ」は、ラメラ相またはリポソームにおいて見られるようなラメラ構造とは対照的なものとして、キュービック、ヘキサゴナルもしくはL3相構造またはこれらの任意の組み合わせを示すために用いられる。粒子が非ラメラ相または構造を有すると記載されている場合は、少なくとも粒子内部がこの構造を有することを示す。粒子は一般に2つの別個の領域、つまり内部領域と周囲の表面領域とを有している。表面領域は、「非ラメラ」粒子においてさえもラメラ状または結晶状であり得、非常に規則正しい結晶または液晶相から実質的に無秩序な流体層までのいかなる相でもあり得る。
用語「ラメラ粒子」は、本明細書において、内側の溶媒室を取り囲む1つまたは複数の外側の両親媒性物質ラメラ二分子層を含むことを特徴とする小胞粒子(例えば、リポソーム)を示すために用いられる。
本発明の1つの局面において、組成物は非ラメラ粒子を含む。このことは、存在する(好ましくはコロイド)粒子のうち、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、最も好ましくは少なくとも85%(容積比)が、非ラメラ状であることを示している(例えば、レーザ回折とcryo−TEMまたはSAXSとの併用によって判断)。本発明の別の局面において、組成物は水性流体と接触すると非ラメラ粒子を形成する。このことは、水性流体(例えば、本明細書に記載のもの)と接触すると、粒子のうちの少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、最も好ましくは少なくとも85%(容積比)が非ラメラ粒子になることを示している。
本発明の1つの好適な実施形態において、組成物に含まれるかあるいは組成物によって形成される粒子は、L3相、逆ヘキサゴナル相および/またはこれらの混合体を含む。最も好ましいのはL3相である。
活性剤を本発明の組成物中で製剤化する場合、活性剤はしばしば構造化剤の相挙動に影響を及ぼす。例えば、ある活性剤(サイクロスポリンAなど)は、いくつかの構造化剤よりも大きな負の曲率を生じさせ、高濃度では、キュービックまたはヘキサゴナル液晶相ではなく逆ミセルL2相のような非常に負に湾曲した相を形成させ得る。それにもかかわらず、自発曲率の負の程度がそれほど大きくない成分a、bおよびcの混合物を用いて製剤化することにより、このような活性剤を例えば逆ヘキサゴナル相に製剤化できるであろう。この方法により、混合物全体として適切な負の曲率が得られ、本発明の組成物における使用が可能になる。
当業者は、特定の構造化剤(もしくは構造化剤と他の成分の混合物)の自発曲率の程度または活性剤を含むことが自発曲率の程度に及ぼす影響を評価するために、標準的な方法を用いることができる。これは、例えば、水中での各構造化剤のバルク相挙動を調査し、その後、含まれる活性剤の濃度を様々に変えて調査することによって行い得る。相は、本明細書中に示す方法(例えば、偏光、SAXS、cryo−TEMなど)のいずれかと、その都度選択された成分の適切な混合物とによって調べることができる。活性剤が混合物の相挙動に及ぼす影響が大きいような状況によっては、選択された構造化剤はそれ自体所望の非ラメラ相を提供しない(例えば、非常に小さいか非常に大きい自発曲率を有する)ことがあるが、活性剤と共に製剤化された場合にのみこの相を生じる。このため、平衡相は、活性剤の添加により、例えばキュービック相からヘキサゴナル液晶相へと変化し得る。
好適な実施形態において、本発明の組成物は少なくとも1つの活性剤を含む。適切な活性剤は、ヒトならびに獣医用薬剤およびワクチン、診断用剤、植物精油、抽出物または香料のような「代替」活性剤、化粧品用剤、栄養剤、栄養補助食品などを含む。適切な薬剤としては、例えば、βラクタムまたは大環状ペプチド抗生物質のような抗菌剤、ポリエンマクロライド(例えば、アンホテリシンB)またはアゾール抗真菌剤のような抗真菌剤、ヌクレオシド類似体、パクリタクセルおよびその誘導体のような抗がんおよび/または抗ウイルス薬、非ステロイド性抗炎症薬のような抗炎症薬、コレステロール低下および血圧低下薬を含む心臓血管作用薬、鎮痛薬、セロトニン吸収阻害剤を含む抗鬱薬、ワクチンならびに骨調節剤が挙げられる。診断用剤としては、放射性標識化合物ならびにX線、超音波およびMRIコントラスト増強剤を含むコントラスト剤がある。栄養剤としては、ビタミン類、補酵素類、栄養補助食品などがある。本発明において用いられる活性剤は、一般に、本明細書に記載の成分a、bまたはcのいずれでもない。
好ましい活性剤としては、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)およびその断片、アンギオテンシンおよびその関連ペプチド、抗体およびそれらの断片、抗原およびそれらの断片、心房性ナトリウム利尿ペプチド、生体付着性ペプチド、ブラジキニンおよびそれらの関連ペプチド、ペプチドTおよびその関連ペプチド、カルシトニンおよびそれらの関連ペプチド、細胞表面受容タンパク質断片、走化性ペプチド、サイクロスポリン、サイトカイン、ダイノルフィンおよびそれらの関連ペプチド、エンドルフィンおよびP−リドトロピン(Plidotropin)断片、エンケファリンおよびそれらの関連タンパク質、酵素阻害剤、フィブロネクチン断片およびそれらの関連ペプチド、胃腸ペプチド、成長ホルモン放出ペプチド、免疫促進ペプチド、インシュリンおよびインシュリン様成長因子、インターロイキン、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)およびそれらの関連ペプチド、メラニン細胞刺激ホルモンおよびそれらの関連ペプチド、核移行シグナル関連ペプチド、ニューロテンシンおよびそれらの関連ペプチド、神経伝達物質ペプチド、オピオイドペプチド、オキシトシン、バソプレッシンおよびそれらの関連ペプチド、副甲状腺ホルモンおよびその断片、プロテインキナーゼおよびそれらの関連ペプチド、ソマトスタチンおよびそれらの関連ペプチド、サブスタンスPおよびその関連ペプチド、トランスフォーミング増殖因子(TGF)およびそれらの関連ペプチド、腫瘍壊死因子断片、毒素および変性毒素ならびにアンギオスタチンを含む抗がんペプチド、抗高血圧ペプチド、抗血液凝固ペプチドおよび抗菌ペプチドなどの機能性ペプチドのようなペプチドからなる群から選択されるヒトまたは獣医用薬剤;免疫グロブリン、アンギオゲニン、骨形成タンパク質、ケモカイン、コロニー刺激因子(CSF)、サイトカイン、成長因子、インターフェロン、インターロイキン、レプチン、白血病抑制因子、幹細胞因子、トランスフォーミング増殖因子および腫瘍壊死因子のようなタンパク質からなる群から選択されるヒトまたは獣医用薬剤;抗ウイルス剤、ステロイド性抗炎症薬(SAID)、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、抗生物質、抗真菌剤、抗ウイルス剤、ビタミン類、ホルモン類、レチノイン酸、プロスタグランジン、プロスタサイクリン、抗がん薬、代謝拮抗薬、縮瞳薬、コリン作働薬、アドレナリン拮抗薬、抗痙攣薬、抗不安薬、トランキライザー、抗鬱薬、麻酔薬、鎮痛薬、アナボリックステロイド、エストロゲン、プロゲステロン、グリコサミノグリカン、ポリヌクレオチド、免疫抑制薬および免疫刺激薬、脂質低下薬および血圧低下薬を含む心臓血管作用薬、骨調節剤からなる群から選択されるヒトまたは獣医用薬剤;ワクチン、ワクチンアジュバント、免疫グロブリンおよび抗血清;診断用剤;化粧品用剤、日焼け止めおよびセルフタンニング剤;栄養剤;栄養補助食品;除草剤、農薬および忌避剤が挙げられる。活性剤のさらなる例は、例えば、マーチンデール(Martindale)、The Extra Pharmacopoeiaに記載されている。活性剤の適切な装填量は、投与経路および本発明の組成物が公知の製剤よりも高い活性剤の生体取り込み量を提供し得ることを念頭に置いて、活性剤の公知の用量を参照することによって決められる。
コロイド組成物においては、例えば光散乱法(レーザ回折など)で測定すると、平均粒度は典型的に0.1〜0.6μmの範囲である。好ましくは、0.05〜1.5μmの範囲から外れるのは粒子のうち1%以下であり、より好ましくはこの範囲から外れるのは0.1%以下であり、最も好ましくはこの範囲から外れる粒子は(レーザ回折では)検出されない。非コロイド製剤においては、平均粒度は典型的に10〜200μmの範囲である。
さらに、本発明のコロイド製剤は、典型的に、周囲温度での長期保存に対して物理的に安定である。このような製剤は、室温で少なくとも10日、より典型的には少なくとも3ヶ月、好ましくは少なくとも6ヶ月、より好ましくは12ヶ月以上の期間にわたって、相挙動と粒度のいずれの点においても本質的に安定なはずである。これに対して、同様の粒度の公知の分散液は、粒度が室温で10日未満しか安定していないこともある。成分cを含まない成分a+bの組成物は典型的に保存に対してそれほど安定していないため、このことは成分a+b+cを含む本発明の組成物の特有の利点である。
保存期間中の粒度の最頻値の増加が2倍以下であれば、粒度分布が保存に対して本質的に安定であると考えることができる。好ましくは、保存期間中の中間粒度の増加は50%以下であり、より好ましくは20%以下である。同様に、保存期間中の分布の半値幅の増加は、好ましくは50%以下、より好ましくは20%以下、最も好ましくは10%以下である。分布が単峰型である場合は、保存期間中は単峰型のままであるのが好ましい。非常に好適な実施形態において、本発明の組成物の粒度分布は、上記の期間にわたる保存時に、中間粒度および粒度分布の半値幅の変化が10%以下であり、単峰型のままである。
静脈内または動脈内投与用のコロイド分散液の場合は、保存および使用中に粒度分布が安定であることが特に重要である。比較的小さな成分の非コロイド粒子を含有する組成物であっても、血流への直接投与により塞栓症または少なくとも予測不可能な放出速度を引き起こし得る。同様に、活性剤の放出制御は、その他のいかなる経路による投与用の組成物においても、信頼性の高い粒度分布に依存し得る。医薬用、診断用および獣医用製品もまた数ヶ月間の保存に対して安定であるのが好ましく、そうでなければ製品のコストおよび有用性に重大な悪影響が及ぶ。
相挙動および粒度の両方の点で保存に対して非常に安定であることに加えて、本発明の組成物は、驚くほどかつ有利にも非毒性である。この低毒性は、例えば溶血効果がないことによって実証され得る。このため、さらに好適な実施形態において、本発明は、0.2重量%の全両親媒性物質濃度までは非溶血性である本明細書に記載のような組成物および製剤を提供する。好ましくは、組成物は、0.5重量%の全両親媒性物質濃度まで、最も好ましくは1重量%の濃度までは非溶血性である。
低毒性は発熱性がないことによってさらに実証され、さらなる実施形態において、本発明は、ウサギにおいて全両親媒性物質の5重量%溶液が少なくとも1ml/kg、好ましくは5重量%溶液が少なくとも2ml/kg、最も好ましくは5重量%で少なくとも5ml/kgの用量までは非発熱性である本明細書に記載のような組成物および製剤をさらに提供する。
低毒性は急性毒性がないことによってさらに実証され、このため、さらなる実施形態において、本発明は、ラットにおいて全両親媒性物質の10重量%溶液が少なくとも2ml/kg、好ましくは10重量%溶液が少なくとも5ml/kg、最も好ましくは10重量%で少なくとも10ml/kgの用量までは急性毒性を示さない本明細書に記載のような組成物および製剤をさらに提供する。
本発明の組成物は、溶媒(水性溶媒など)中で成分a、bおよびcの分散液を調製し、その後、必要に応じて分散液の加熱および冷却処理を1サイクルまたは複数サイクル行うことによって生成し得る。成分a、bおよびcを含む粒子の分散液は、必要に応じて行われる熱処理サイクルに先立って前製剤(pre-formulations)として形成される。この前製剤は、本明細書中の実施例ならびに米国特許第5,531,925号、国際公開第WO02/02716号、WO02/068561号、WO02/066014号およびWO02/068562号に示されているような確立した方法によって調製し得る。これらおよび本明細書中の全ての引用文献の開示を参照により本明細書に援用する。このような方法は以下を含む:
i)両親媒性物質/水液晶相(例えば、水中の成分a)を細分化剤(例えば、成分bおよび/またはc)の水溶液に添加し、混合物を自然に細分化させるかまたは例えば機械的攪拌、ボルテックス、回転−固定子混合、高圧均質化、ミクロ流動化および/もしくは超音波を用いてこの過程を促進させること;あるいは、
ii)a+b+cの混合物(必要に応じて少なくとも1つの生物活性剤を含有)を溶媒(例えば、水溶液)に添加し、直接攪拌すること。
活性剤を含有する分散液を特に液晶相から調製し得るさらなる方法は、組成物を溶解させてその粘度を低下させるのに適した超臨界二酸化炭素(sc−CO2)または別の処理溶媒、例えば軽アルコール(メタノールもしくはエタノールなど)への溶解によるものである。特に、液晶相、例えばバルクキュービックまたはヘキサゴナル相は、しばしば粘性が非常に高く、取り扱いおよび混合が困難なことがある。そのため、液晶相をバルク液体として調製した後で活性剤を装填するとすれば、活性剤を均一に分布させるのに必要な混合を行うことは困難である。圧力/温度図の超臨界領域(典型的には室温以上かつ150バール以上)においては、二酸化炭素は非常に有効な溶媒となり、液晶相の粘度を低減させて活性剤の有効な混合および装填を促進するのに用い得る。その後、sc−CO2を除去(例えば、減圧による)し、前述のように、装填済みのバルク相を溶媒中に分散させ得る。したがって、活性剤が装填された分散液晶相(特に本発明のもの)の形成におけるsc−CO2の使用は、本発明のさらなる局面となる。
本発明の粒子状製剤の相挙動および粒度分布は、1サイクルまたは複数サイクル(好ましくは1サイクル)の加熱および冷却によって制御し得る。このようなサイクルは、ラメラ粒子を非ラメラ形態に変換するため、かつ/または粒度の開きを縮小するために用いることができる。粒子の安定性もこの方法によって向上させ得る。
熱サイクルは、組成物を、活性剤を含んでいるか否かに関わらず、周囲温度への冷却により粒子の少なくとも一部を非ラメラ相に変換するのに十分な温度に至らせるものである。これは、典型的に、1〜30分かけて約90〜150℃に加熱し、その後周囲温度まで冷却することを含んでいる。より典型的には、熱サイクルは、2〜20分かけて100〜120℃に加熱し、その後冷却することを含む。最適な条件は、組成物ごとに細部にわたって異なるが、当業者によって容易に定められる。
熱サイクル過程において、中間粒度は典型的に若干増加するが、粒度分布は減少する。
非ラメラ形態の粒子の存在は、20を超える粒子、好ましくは50を超える粒子の試料を示しているのが好ましい1組のcryo−透過型電子顕微鏡粒子画像から評価するのが好ましい。非ラメラ粒子の存在はX線散乱実験によっても評価し得る。
ラメラ粒子を非ラメラ形態に変換するために熱処理法を用いることができるので、前製剤粒子が非ラメラ状であることは必須ではない。このため、脂質を小胞に製剤化するためのいかなる周知の方法をも、本発明の熱処理法において用いられる前製剤を作製するのに用い得る。適切な方法としては、例えば、超音波処理または押出し(例えば、ポリカーボネート膜を通して)がある。このような方法は当業者に周知である。
前製剤は、好ましくは、周囲温度で熱力学的に安定な状態が非ラメラ状であるように製剤化される。あるいは、非ラメラ形態は熱力学的に準安定な状態であってもよい。活性剤を含む場合、活性剤は、熱サイクルの前および/または後に粒子に組み込み得る。複数の熱サイクルを用いる場合には、活性剤の組み込みをサイクル間に行ってもよい。活性剤が熱に弱い(例えば、ペプチドまたはタンパク質)場合は、活性剤を熱サイクルの完了後に組み込むのが好ましい。
本発明の組成物の粒度分布のさらなる制御は、イオン強度が制御された水性媒質中で粒子を形成および/または懸濁することによって行い得る。特に、小さな(例えば、コロイド状、特に小さなコロイド状(<0.3μm))粒子は、低いイオン強度、例えば水中で約1mM以下のNaCl、での熱処理によって最も容易に形成される。非ラメラ粒子(すなわち、本明細書に記載のような非ラメラ状中心部を有する)の割合は、本明細書に記載の熱サイクル法を用いることによって増加する。粒度分布は、イオン強度が制御された媒質(一般に水溶液)中での熱処理によって制御し得る。平均粒度は、一般に、イオン強度が高い媒質を用いることによって増加する。典型的には、安定な非ラメラ粒子分散液は、用いる組成物に応じて0.1mM〜100mMのNaClの範囲のイオン強度(または同等のイオン強度)で熱処理工程を実施することによって形成し得る。粒度分布は組成物によって異なり、適切な条件は本明細書に記載の方法を参照すればすぐに定め得るが、典型的には、ミクロン以下の粒子は低いイオン強度で形成され、より大きなコロイドおよび非コロイド粒子はより高いイオン強度で形成される。
比較的塩濃度の高い溶液中(例えば、注射用の0.9%NaCl中)で小さな粒子が必要とされる場合は、低いイオン強度での熱処理によって粒子を形成し、冷却後にさらに塩を添加して所望のオスモル濃度を達成してもよい。
さらに、ある割合の荷電脂質が組成物の両親媒性成分に含まれている(例えば、成分aの10%まで)場合は、熱処理工程をイオン強度が約0.1〜20mMのNaClまたは同レベルの他の適切な塩で行うことが好ましい。こうすることにより、粒度を所望の粒度範囲に維持したまま、非ラメラ形態に変換される粒子の割合を増加させる。
粒子(熱処理されたものであってもよく、後で熱処理されるものであってもよい)は、(例えば限外濾過もしくは透析によって)濃縮してもよく、かつ/または例えば噴霧乾燥、流動層乾燥もしくは凍結乾燥によって乾燥させてもよい。乾燥粒子の場合、乾燥処理は、凝集および造粒工程を1回または繰り返し実施して粒度を拡大した後で行い得る。このようにして生成された、濃縮、乾燥および/または凝集状態の粒子製剤は、そのまま用いてもよく、特にインビボでの活性物質の送達用に適した非ラメラ粒子分散液を得るために水和および/または分散させてもよい。このような濃縮、乾燥および/または凝集状態の粒子製剤と、それらを再懸濁/水和することによって得られる分散液は、本発明のさらなる局面となる。
本発明の製剤は、少なくとも1つの本発明の組成物と、少なくとも1つの担体または賦形剤とを含む。製剤が医薬製剤である場合は、担体または賦形剤は製薬上許容可能なものである。
組成物は、水性担体(例えば、注射用水)、結合剤、充填剤、安定化剤、オスモル濃度調節剤、発泡剤、pH緩衝剤および調整剤、粘度調整剤、甘味剤、滑沢剤、乳化剤、香料、コーティング剤(例えば、耐胃液コーティング)などの従来の医薬用担体、希釈剤および/または賦形剤を用いて製剤化し得る。本発明の組成物と少なくとも1つの製薬上許容可能な担体および/または希釈剤とを含む製剤は、懸濁剤、散剤、錠剤、カプセル、コーティングカプセル、コーティング錠、エアゾール剤、坐剤、クリーム、経皮貼付剤、スプレー剤などを含むいかなる公知の剤型にも製剤化し得る。本発明の組成物を乾燥させた場合は、これを、投与前に適切な媒質(精製水または生理的オスモル濃度の溶液など)中に再懸濁するのに適した形態(散剤など)として製剤化してもよい。製剤は、経口投与、非経口投与(例えば、筋肉内、皮下または静脈内注射もしくは注入による投与)、局所投与、経直腸投与などを含むいかなる適切な方法によっても投与し得る。
本発明の組成物は、毒性効果がないかまたは限られており、インビボでの活性剤の送達に有利な特性を提供するともに、このような作用剤を容易に装填し得る。このため、組成物は、新規なまたは公知の活性剤のための適切なまたは改善された送達システムを確立するのに非常に適している。
さらなる局面において、本発明は、少なくとも1つの本発明の組成物を含む、活性剤の生物学的に許容可能な製剤を創製するのに適したキットを提供する。キットは、比較のために複数、例えば2つ、3つ、4つまたはそれ以上の本発明の組成物を提供するものであるのが好ましい。より好ましくは、このようなキットには、少なくとも10の異なる本発明の組成物が入っており、それらは、少なくとも1つのマルチウェルプレートのウェルの中などで、アレイ形式で提供され得る。このようなキットは、組成物への活性剤の装填のためおよび/または投与を目的としたそれらの製剤化のための説明書も含み得る。
以下の本発明を限定するものではない実施例および添付の図面を参照することにより、本発明についてさらに説明する。
両親媒性粒子
1.1 非ラメラ分散液の調製
DOPE(アヴァンティポーラーリピッズ(Avanti Polar Lipids)社、米国、0.75g)、TGMO−15(日光ケミカルズ株式会社、日本、0.2g)およびDOPE−PEG(5000)(アヴァンティポーラーリピッズ社、米国、0.05g)を脱イオン水(49.0g)中で混合することによって、キュービックおよびラメラ粒子の粗分散液を形成した。混合物について、−85℃での凍結と周囲温度で激しく攪拌振盪しながらの解凍とを含む凍結・解凍を3回行った。その後、得られた粗分散液をミクロ流動化装置において周囲温度で10分間(8回)高圧(350バール)で均質化した。
均質化後、レーザ回折(コールター(Coulter)LS230)を用いて粒度を測定した。
均質化された試料は、キュービック相粒子と小胞とからなる粒度0.05〜1ミクロンの濁って青みがかったコロイド分散液であった。
1.2 熱処理
実施例1.1で調製した分散液について、熱処理を必要に応じて1サイクル実施した。
実施例1.1で生成した分散液の試料(25mL)をオートクレーブ(120℃、20分)し、室温まで冷却した。cryo−TEMによって調べたところ、分散液中のさらに大きな割合の粒子が非ラメラ特徴を示した。粒度分布も、熱処理前の分散液と比較するとやや狭く、より良好な保存安定性を示す。
成分:
a DOPE
b TGMO−15(グリセリルモノオレエート−PEG(15)、日光ケミカルズ株式会社、日本)
c DOPE−PEG(5000)
Figure 0004966018
熱処理前後の組成物の粒度分布を図1に示す。
さらなる組成物
実施例1.1および1.2の方法によって第2の組成物を調製することにより、熱処理の際のイオン強度の影響を検討した。同じ成分a、bおよびcを異なる重量比で用い、水の代わりに3mMのNaClを用いて熱処理工程を行った。
Figure 0004966018
熱処理前後の粒度分布を図2に示す。この場合、より高いイオン強度の影響により、狭い粒度分布を維持したまま粒度の最頻値が約4倍に増加することがわかる。粒子も、本質的に100%キュービック相の粒子に変換された。
さらなる組成物
実施例1.1および1.2の方法により、脱イオン水(49.0g)中のDOPE(0.80g)、ポリソルベート80(0.134g)およびプルロニック(登録商標)F127(0.10g)の分散液を調製した。熱処理前後に測定した粒度分布を図3に示す。熱処理により、広い多峰型の粒度分布を示すもとの粒子が単峰型の狭い粒度分布の粒子に変わることがわかる。分散液中のキュービック相粒子の割合は、熱処理後、ほぼ100%に増加した。
成分:
a DOPE
b ポリソルベート80
c プルロニック(登録商標)F127
Figure 0004966018
さらなる組成物:陰イオン性リン脂質を含む
実施例1.1および1.2の方法により、脱イオン水(58.8g)中のDOPE(0.90g)、DOPG(0.036g)、TGMO−15(0.207g)およびDOPE−PEG(5000)(0.06g)の分散液を調製した。5mMのNaCl中で熱処理を行った結果、単峰型の狭い粒度分布が得られた。熱処理前後に測定した粒度分布を図4に示す。熱処理により、分散液中のより大きな割合の粒子が非ラメラ特徴を有することを示す試料の濁りの増加も生じた。
成分:
a1 DOPE
a2 DOPG
b TGMO−15
c DOPE−PEG(5000)
Figure 0004966018
さらなる組成物:陰イオン性リン脂質を含む
実施例1.1および1.2の方法により、脱イオン水(58.8g)中のDOPE(0.90g)、DOPG(0.036g)、ポリソルベート80(0.212g)およびDOPE−PEG(5000)(0.06g)の分散液を調製した。5mMのNaCl中で熱処理を行った結果、単峰型の狭い粒度分布が得られた。熱処理前後に測定した粒度分布を図5に示す。熱処理後、分散液中のより大きな割合の粒子が非ラメラ特徴を示した。
成分:
a1 DOPE
a2 DOPG
b ポリソルベート80
c DOPE−PEG(5000)
Figure 0004966018
さらなる組成物
大豆PC(Soy PC)(リポイド・ゲーエムベーハー(Lipoid GmbH)、ドイツ、0.44g)およびGDO(ダニスコ(Danisco)、デンマーク、0.44g)をエタノール中で混合し、その後溶媒を蒸発除去することによって、これらの混合物を調製する。この混合物に、ポリソルベート80(0.05g)を添加し、得られた両親媒性混合物をボルテックス混合により混合して均質な液体を得る。得られたSPC/GDO/P80混合物(0.93g)を、DOPE−PEG(5000)(0.07g)を溶解させた脱イオン水49gに添加する。混合物を12時間振盪(350rpm)した後、実施例1.1および1.2の方法に従って均質化および熱処理を行う。
成分:
a1 大豆PC
a2 GDO
b ポリソルベート80
c DOPE−PEG(5000)
Figure 0004966018
活性剤装填
水および食塩溶液中の様々な成分の非ラメラ分散液は、実施例1.1の方法によって調製し得、必要に応じて実施例1.2の熱処理法で処理し得る。
得られた分散液に対して陽イオン性ペプチドデスモプレッシンを1mg/mlの濃度になるまで添加する。分散液を室温で60分かけて平衡させ、粒度の再分析を行い、必要に応じて相挙動の再分析を行う。レーザ回折を用いて判断すると、粒度には影響がない。
毒性試験
8.1 溶血
実施例1.1および1.2の方法により、以下の成分をa:b:cの重量比76:20:4で用いて、全両親媒性物質濃度が5重量%になるまで水中に分散させ、キュービック相分散液を調製した。
a)DOPE
b)TGMO−15
c)DOPE−PEG5000
この溶液を、様々な最終濃度となるように水で希釈した。分散液のCryo−TEM画像を図6に示す。
様々な濃度でのキュービック相分散液の溶血効果を測定した。分散液は、1重量%までの全両親媒性物質濃度では非溶血性であることがわかった。
対応する方法によってグリセロールモノオレイン(GMO)のキュービック相分散液を調製し、同じ条件で溶血効果試験を行った。GMOを基剤とする分散液は、0.1重量%という低い全両親媒性物質濃度で重大な溶血効果を示した。
8.2 発熱性
実施例8.1と同様にDOPEを基剤とする製剤を調製し、ウサギモデルにおいて発熱性試験を行った。組成物は、少なくとも5ml/kg(全両親媒性物質5重量%)の用量までは非発熱性であることがわかった。
8.3 急性毒性
実施例8.1と同様にDOPEおよびGMOを基剤とする組成物を調製し、ラットモデルにおいて急性毒性試験を行った。
DOPEを基剤とするキュービック相分散液は、10ml/kg(両親媒性物質10重量%)までの用量で用量依存的に検討したところ急性毒性を示さなかった。
他方、グリセロールモノオレインを基剤とするキュービック相分散液は、対応する脂質用量で毒性があることがわかった。
図1は、必要に応じて行われる熱処理の前後のDOPE/TGMO−15/DOPE−PEG(5000)の組成物の粒度分布を示す。 図2は、必要に応じて行われる熱処理の前後の、NaCl溶液中で調製したDOPE/TGMO−15/DOPE−PEG(5000)の組成物の粒度分布を示す。 図3は、必要に応じて行われる熱処理の前後のDOPE/ポリソルベート80/プルロニック(登録商標)F127の組成物の粒度分布を示す。 図4は、必要に応じて行われる熱処理の前後のDOPE/DOPG/TGMO−15/DOPE−PEG(5000)の組成物の粒度分布を示す。 図5は、必要に応じて行われる加熱処理の前後のDOPE/DOPG/ポリソルベート80/DOPE−PEG(5000)の組成物の粒度分布を示す。 図6は、DOPE/TGMO−15/DOPE−PEG(5000)(76/20/4)の均質化物(homogenisate)を熱処理して得られた非ラメラ粒子のCryo−TEM画像を示す。

Claims (13)

  1. a)少なくとも50%のリン脂質、糖脂質およびジグリセリドから選択される少なくとも1つの構造形成両親媒性物質と、
    b)2〜40%のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体またはポリオキシエチレン脂質誘導体から選択される少なくとも1つの構造膨張両親媒性物質と、
    c)2〜20%のポロキサマー、PEG−グリセロールジオレエート、PEG脂肪酸エステルまたはPEG−リン脂質から選択される少なくとも1つの分散液安定化ポリマー両親媒性物質と、
    を含み(全ての部はa+b+cの重量の合計に対する重量比で示される)、
    非ラメラ粒子を含むかあるいは水性流体と接触させると非ラメラ粒子を形成する粒子組成物
  2. 前記両親媒性成分が、成分a+b+cの総重量に対して少なくとも50重量%の25℃で10-9M未満の水溶解度を有する両親媒性物質を含む請求項1に記載の組成物。
  3. 前記両親媒性成分が、成分a+b+cの総重量に対して少なくとも70重量%の25℃で10-9M未満の水溶解度を有する両親媒性物質を含む請求項1に記載の組成物。
  4. 前記非ラメラ粒子が、L3相およびまたは逆ヘキサゴナル相を含む請求項1から3のいずれかに記載の組成物。
  5. 少なくとも1つの活性剤をさらに含む請求項1から4のいずれかに記載の組成物。
  6. 成分a)が陽イオン性脂質を1〜10重量%のレベルで含む、少なくとも1つの核酸活性剤をさらに含む請求項1から5のいずれかに記載の組成物。
  7. 前記非ラメラ粒子の粒度が10〜200μmである請求項1から6のいずれかに記載の組成物。
  8. 前記非ラメラ粒子がコロイド状である請求項1から7のいずれかに記載の組成物。
  9. 前記非ラメラ粒子が、相挙動および粒度の両方の点で、室温で少なくとも10日の保存に対して安定である請求項8に記載の組成物。
  10. 0.2%の全両親媒性物質濃度までは非溶血性である請求項1から9のいずれかに記載の組成物。
  11. 1%の全両親媒性物質濃度までは非溶血性である請求項1から10のいずれかに記載の組成物。
  12. 少なくとも1つの請求項1から11のいずれかに記載の組成物と、少なくとも1つの生物学的に許容可能な担体または賦形剤とを含む医薬製剤。
  13. 活性剤の生物学的に許容可能な製剤を創製するのに適したキットであって、少なくとも1つの請求項1から4のいずれかに記載の組成物を含むキット。
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