JP4964424B2 - 新規食感を有する未化工α化澱粉 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維感或いはパルプ感のある新規食感を有する未化工α化澱粉、その製造方法、及び、該未化工α化澱粉の飲食品用素材或いは飲食品への利用に関する。
近年、食品の多様化に伴って、従来にない食感、外観を持った食品といった食品のバラエティー化が進んでいる。また、一般家庭での調理時間の短縮の目的からレトルト食品や冷凍冷蔵食品の普及も進んでいる。また、近年の健康ブームから無添加をうたった商品も増加しており、食品添加物にならない新規素材の需要も増えてきている。このような背景から、今までにない食感で、レトルト耐性、冷蔵冷凍耐性を持ち、なおかつ食品添加物にもならないような素材の開発が望まれる。
従来よりα化澱粉は、食品素材や食品の調製に利用されており、ハイアミロース澱粉を食品に利用する例も知られている。例えば、特開2003−144062号公報には、繊維感の強化を目的とした新規な食感のα化澱粉の製造方法、及び食品への応用について記載されている。この公報には、二段階で架橋処理したα化加工澱粉を70〜135℃で加熱処理したα化加工澱粉を含有した液状又はゲル状の食品について記載されており、該食品は、外観と、実際に食した食感が異なるものであることが示されている。しかし、この食品は、二段階で架橋処理した架橋澱粉を原料としたα化澱粉の製造方法によるものであり、化学処理を伴った製造法であって、効率性が低く、更に、化学的処理を伴っているので、食品衛生法上、食品添加物の扱いになり、その利用上も制約を受ける。
また、米国特許4219646号明細書には、架橋デンプンの製造法として、はじめにリン酸架橋したデンプンをつくり、更に、これにリン酸架橋剤を含有させ、ドラムドライヤで乾燥させることにより繊維感を持ったデンプンをつくる製造法が開示させている。しかし、この製造法では、リン酸化が必須であり、この特許明細書には、未化工デンプンでの同様の処理については開示はない。更に、特表2004−519546号公報には、アミロース豊富な澱粉懸濁液を125乃至135℃でα化し、更に、該α化澱粉ペーストをドラム乾燥機で乾燥させて、100μmの平均粒子サイズで、0.4mg/ml未満の低い嵩密度の製品をもたらすα化したアミロース豊富な澱粉を調製することについて記載されている。このアミロース豊富なα化澱粉は、溶解性に優れ、更に、その優れたフィルム形成性から、ソフトカプセルの製造或いはフィルムコーティングのために利用される。しかし、これはアミロース豊富な澱粉の水への溶解性等を高めるための方法であって、水へ溶解せず、繊維感(パルプ感)を付与するようなα化澱粉の製造を目的としたものではない。
また、特開平10−165102号公報には、アミロース含量の高いコーンスターチのα化澱粉を利用した食味及び食感についての経時安定性を改良した餡製品について記載されている。このコーンスターチのα化澱粉は、ハイアミロース・コーンスターチのスラリーを、予め加熱糊化し、これをドラムドライヤー、スプレードライヤー等で乾燥するか、或いは、エクストリューダーを用いてα化し、その後、従来公知の方法を用いて粉砕し、粒径150μm以下のα化澱粉として調製するもので、このα化澱粉は、離水防止性並びに食味及び食感についての経時安定性に優れた餡の製造に用いられることが記載されている。
更に、特開平8−9907号公報には、アミロース含量の高い澱粉質をα化処理をすることにより、保水性及び保油性を合わせ有する澱粉由来の食品素材について記載されている。このアミロース含量の高い澱粉質のα化処理は、アミロース含量が40〜70%であるハイアミロース澱粉を、2軸型エクストルーダにより特定条件の下に処理するものである。すなわち、その処理は、該ハイアミロース澱粉を、澱粉質の固形分含量に対して水分が15〜35%となるように加水し、該澱粉の加水物をバレル温度110〜160℃、処理加圧力15〜100kg/cmという特定の条件下で、2軸型エクストルーダで処理して、α化の程度が20〜80%となるようにα化処理するものである。しかし、この方法は保水性、保油性を併せ持つ澱粉の製造法で、澱粉の粒径との関係について食感を改良しているものではなく、また、澱粉の粒径との関係を改良して食品のレトルト耐性等の物性を持たせるような改良をしているものでもない。
以上のように、従来よりα化澱粉を食品素材や食品の調製に利用するに際して、ハイアミロース澱粉のような澱粉を処理して、改良された特性や食感のα化澱粉を調製する試みは行われてきたが、未化工α化澱粉から繊維感やパルプ感のあるα化澱粉を調製した例は知られていない。
特開平8−9907号公報。 特開平10−165102号公報。 特開2003−144062号公報。 特表2004−519546号公報。 米国特許4219646号明細書。
本発明の課題は、繊維感或いはパルプ感のある新食感を有する未化工α化澱粉、その製造方法、及び、該未化工α化澱粉の飲食品用素材或いは飲食品への利用を提供することにある。すなわち、本発明は未化工α化澱粉でありながら、繊維感やパルプ感をもち、更には、耐熱性、耐酸性、耐冷蔵冷凍性をもつ澱粉、及び該澱粉の利用、更には、該澱粉の効率的な製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、新規食感を有する未化工α化澱粉を製造すべく、種々検討を重ねた結果、原料として25重量%以上のアミロースを含有する未化工澱粉を用いて該澱粉をドラムドライヤーのような加熱処理手段で、α化処理後、粉砕、篩別等により、250μm以上の粒径を有するα化澱粉とすることにより、未化工澱粉であるにもかかわらず、繊維感或いはパルプ感を有する新食感のα化澱粉を製造することができることを見い出し、本発明を完成するに至った。すなわち、これまで、繊維感或いはパルプ感を有するような新食感のα化澱粉を製造するには、生デンプンをドラムドライヤのような加熱処理手段を用いて加熱処理するだけでは達成出来なかったが、原料となる澱粉として25重量%以上のアミロースを含有する未化工澱粉を用い、α化処理後、粉砕、篩別等により、250μm以上の粒径を有するα化澱粉とすることにより、繊維感或いはパルプ感を有する新規食感を有する未化工澱粉のα化澱粉の製造に成功した。
ここで、本発明でいう繊維感或いはパルプ感とは、その食感と共に、水等の液体中に存在するとき、不定形の難溶解性の小片で水等を吸収して半透明から透明性を有するものになるものをいう。また、本発明でいう未化工α化澱粉とは、酸処理及び/又は漂白処理以外の架橋処理、エーテル化処理、エステル化処理等の一般に言う化学的処理のような化工処理を行わない澱粉をいう。
本発明の繊維感或いはパルプ感を有する未化工α化澱粉は、耐熱性、耐酸性、耐冷蔵冷凍性をもつが、本発明において用いる澱粉のアミロース含量を50重量%以上とすることにより、或いは、製造するα化澱粉の粒径を335μm以上とすることにより、耐熱性や耐冷蔵冷凍性を更に増強することができる。また、本発明の繊維感或いはパルプ感を有する未化工α化澱粉は、アミロース含量が25重量%以上で、粒径が250μm以上の未化工α化澱粉を、α化澱粉の70重量%以上含有することが好ましい。
本発明の繊維感或いはパルプ感を有する未化工α化澱粉を製造する本発明の方法は、アミロース含量が25重量%以上の澱粉を加水し、ドラムドライヤーのような加熱処理手段を用いて加熱処理して糊化し、乾燥後、粉砕し、篩別することにより所定の粒径のものを取得することからなる。該ドラムドライヤーでの加熱処理に際しての澱粉の加水量としては、澱粉に対して130〜200%の加水量が特に好ましい範囲として採用される。本発明の繊維感或いはパルプ感のある未化工α化澱粉は、各種飲食品用素材又は飲食品の原料に配合され、新食感を有する食品の製造に用いることができる。
すなわち具体的には本発明は、(1)アミロース含量が25重量%以上の原料澱粉を、該澱粉に対して130〜200%の加水量で加水し、該加水した澱粉をドラムドライヤーで加熱処理して糊化し、乾燥後、粉砕し、335μm〜1.4mmの粒径のものを篩別することを特徴とする繊維感或いはパルプ感のある未化工α化澱粉の製造方法や、(2)原料澱粉として、アミロース含量が50重量%以上であるハイアミロース澱粉を用いることを特徴とする前記(1)記載の繊維感或いはパルプ感のある未化工α化澱粉の製造方法からなる。
また本発明は、(3)前記(1)又は(2)により製造された未化工α化澱粉を、少なくとも70重量%以上含有させることを特徴とする繊維感或いはパルプ感のある未化工α化澱粉を配合した飲食品用澱粉素材の製造方法からなる。
本発明は、未化工α化澱粉でありながら、繊維感或いはパルプ感のある新食感を有する未化工α化澱粉を提供する。本発明の繊維感或いはパルプ感のある未化工α化澱粉は、耐熱性、耐酸性、耐冷蔵冷凍性をもち、該特性を持つα化澱粉として、飲食品の素材の調製、或いは、飲食品の原料として各種飲食品類の製造に用いて、新食感を持つ飲食品類を提供することができる。本発明の繊維感或いはパルプ感のある未化工α化澱粉は、その製造に際して、化学処理を伴わない澱粉の処理により製造されるので、食品添加物ではなく、食品として使用できる利点がある。
また、本発明の繊維感或いはパルプ感のある新食感を有する未化工α化澱粉の製造方法は、化学的な変性処理のような処理を伴わないため、その製造工程を簡略化でき、製造時間の短縮ができて、効率的なα化澱粉の製造方法を提供することが可能となる。更に、本発明の未化工α化澱粉の製造方法は、生澱粉のドラムドライヤー処理のような簡便な方法によりα化を行い、乾燥、粉砕、篩別等を行って、目的とするα化澱粉を製造することを可能とすることから、効率的、簡便、かつ安全な方法で、本発明の新食感を有する未化工α化澱粉を提供することを可能とする。
本発明は、アミロース含量が25重量%以上で、粒径が250μm以上の未化工α化澱粉又は該α化澱粉を主要成分とする繊維感或いはパルプ感のある未化工α化澱粉からなる。本発明の未化工α化澱粉は、耐熱性、耐酸性、耐冷蔵冷凍性をもち、飲食品の製造或いは保存に際してこれらの性質が要求される飲食品に対しても、有利に用いることができるが、特に、用いる澱粉のアミロース含量を50重量%以上とすることにより、耐熱性等を強化することができ、また、製造したα化澱粉の粒径を335μm以上とすることにより、耐冷蔵性等を強化することができる。
本発明における未化工澱粉とは、酸処理及び/又は、漂白処理以外の架橋処理、エーテル化処理、エステル化処理等の化学的処理による化工処理を行わない澱粉をいうが、該澱粉類としては、芋類由来の澱粉、穀物由来の澱粉、豆類由来の澱粉やサゴ澱粉等の未化工の食品に使える澱粉が挙げられる。更に、本発明に使われる澱粉として、未化工澱粉の、乳化剤処理澱粉,油脂加工澱粉、湿熱処理澱粉等が含まれる。本発明に使われる澱粉としては、アミロース含量が25重量%以上、好ましくは50重量%以上の澱粉が挙げられる。例えば、コーンスターチ、サゴ澱粉、緑豆澱粉、ハイアミロースコーンスターチなどが例示される。アミロース含有量が25重量%以下では、耐熱性が低下し、食品等に添加した場合、繊維感またはパルプ感を維持しにくくなる。
更に、本発明において、アミロース含量が25重量%以上で、粒径が250μm以上の未化工α化澱粉を主要成分とする未化工α化澱粉においては、該アミロース含量及び該粒径のα化澱粉を、全α化澱粉の60重量%以上含むのが好ましいが、70重量%以上含有することが更に好ましい。粒径として250μm未満のものを多く含有する場合、繊維感の存在感を表すのにα化澱粉の量が多く必要となり、レトルト処理等により、最終食品の粘度の変化を起こし好ましくない。
本発明において、本発明の繊維感或いはパルプ感を有する未化工α化澱粉を製造するには、アミロース含量が25重量%以上の澱粉を加水し、該澱粉スラリーを加熱処理手段を用いて加熱処理してα化し、乾燥後、粉砕し、篩別することにより所定の粒径のものを取得することにより製造することができる。澱粉のα化のための澱粉スラリー等の加熱処理は、ドラムドライヤー、2軸エクストルーダ、スプレー加熱等により実施することができるが、効率性等からドラムドライヤーを用いることが特に好ましい。該ドラムドライヤーでの加熱処理に際しての澱粉の加水量としては、澱粉に対して130〜200%の加水量が特に好ましい範囲として採用される。
本発明の繊維感或いはパルプ感のある未化工α化澱粉は、各種飲食品用素材又は飲食品の原料に配合して、新食感を有する食品の製造に用いることができる。本発明のα化澱粉を使って、(a)低粘性でそれ自体が流動性を有する液状食品、(b)高粘性で流動性がほとんどない液状食品、(c)ゲル状を呈している食品等に、繊維感(パルプ感)を付与させるには、例えば0.1〜5.0重量%の本発明のα化澱粉を添加すると良い。(a)の具体例としては、焼肉のタレなどのタレ類、フレンチドレッシングやノンオイルドレッシングなどのドレッシング類、煮込みカレー、シチュー、スープ、パスタソースなどが挙げられ、(b)の具体例としては、カスタードクリーム、フラワーペースト、ジャム、フルーツフィリング、クリームチーズ、マヨネーズ風ドレッシングなどが挙げられ、また、(c)の具体例としては、ゼリー、プリン、水ようかん、白和え用豆腐などが挙げられる。
本発明のα化澱粉を、飲食品の製造に使用する場合には、それぞれの飲食品で従来から使用されている食品原料を必要に応じて選択添加することができる。例えば、砂糖、水飴、グルコース、異性化糖、フラクトース、マルト−ス、トレハロース、ソルビトール、マルチトール、合成甘味料などの種々の甘味料を甘味を付与するため、及び/または味質や水分活性を調整するためなどの所望の目的に合わせて適宜選択して使用することができる。また、粉飴やデキストリン、それらの還元物も適宜用いることができる。また、それぞれの使用量は所望により適宜調節される。例えば、高粘性の液状食品においては製造したα化澱粉がその添加量によっては増粘効果もあるので、従来から使用されている増粘剤の量を適宜調節して用いる。また、ゲル状食品ではゲル化剤の量を所望により適宜調節して用いる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
[参考例1]α化ハイアミロースコーンスターチの調製
水150部にハイアミロースコーンスターチ100部を加えてスラリーを調整し、このスラリーをダブルドラムドライヤー(蒸気圧:5.0kg/cm)に供給し、解砕機で粗砕後粉砕してα化ハイアミロースコーンスターチを得た。
[参考例2]α化ハイアミロースコーンスターチの粒度ごとの分別
上記参考例1で製造したα化ハイアミロースコーンスターチ(アミロース含量70%)を多段階でふるいにかけて粒度ごとの分別を行った。その粒度分布を表1に示す。また、任意の10点を選択し、測定した長径・短径の平均を取り平均長径・平均短径とした。なお厚さは250〜360μmのものを選別した。
[実施例1]
各種アミロース含量及び各種粒度におけるα化澱粉の評価
表2の未化工α化澱粉を調製した。使用した澱粉原料はすべて未化工α化澱粉であり、α化の方法は、参考例1の方法に従った。
[実験1−1]
表2の「まる数字」の1〜6を純水に1%ずつ添加して常温で一晩放置し、状態を観察した。観察の結果を、表3に示す。
この上記実験結果より、繊維感を示すことが出来たのは、「まる数字」4のコーンスターチ、「まる数字」5のハイアミロースコーンスターチA、「まる数字」6のハイアミロースコーンスターチBの3種類のみであった。また、この実験において、視覚的評価、食感的評価は、表4の評価基準で行った。
[実験1−2]
次に、繊維感(パルプ感)を付与するにあたり、好ましい粒度を調べた。ハイアミロースコーンスターチBを、表5のように粒度を篩別し、純水に篩別した試料を1%加えて観察した。
以上の結果より、求める繊維感を得るには250μm以上の粒度を多く含有していることが好ましいと思われる。
[実験1−3]
250μm以下の粒度の試料がどの程度まで含有していても、繊維感(パルプ感)を付与することができるかを調べた。粒度毎に篩別したハイアミロースコーンスターチBを、表6のように配合し、純水に各試料を1%加えて観察した。
上記の結果より、粒度が250μm以上のものが70%以上含まれていると、求める繊維感を付与することができるということがわかった。
[実験2]
以下に「まる数字」4,5,6のα化澱粉で、各耐性実験を行った。
[実験2−1]
純水に製造した各α化澱粉(「まる数字」4のコーンスターチ、「まる数字」5のハイアミロースコーンスターチA、「まる数字」6のハイアミロースコーンスターチB)を1%加えて、レトルト処理(120℃20分)を行い状態を観察した。また、求める繊維感を付与するためにはどの程度の粒度が適しているのかを調べるために、粒度を分別したα化澱粉を使用しての実験も行った。結果を、表7に示す。
[実験2−2]
純水に、製造した各α化澱粉を1%加えてボイル殺菌(90℃30分)にかけて状態を観察した。観察結果を、表8に示す。
[実験3−1]
純水に、製造した各α化澱粉を1%加えて冷蔵保存して状態を観察した。観察結果を、表9に示す。
[実験3−2]
純水に、製造した各α化澱粉を1%加えてボイル殺菌(90℃30分)にかけた後、冷蔵保存して状態を観察した。観察結果を、表10に示す。
[実験4−1]
各pH(pH3.3、pH3.5、pH3.8)に調整した緩衝液に製造した各α化澱粉を1%加えて常温保存し状態を観察した。観察結果を、表11に示す。
[実験4−2]
各pH(pH3.3、pH3.5、pH3.8)に調整した緩衝液に、製造した各α化澱粉を1%加えて冷蔵保存し状態を観察した。観察結果を、表12に示す。
(結果)上述された実験結果により、(a)耐酸性においてはアミロース含量が25%重量以上であれば求める繊維感(パルプ感)を付与することができた。(b)耐熱性においてはアミロース含量が50%重量以上であるのが望ましい。溶液の白濁を気にしないのであればアミロース含量25%重量以上でも構わない。(c)耐冷蔵性においてはアミロース含量が25%重量以上であれば問題ない。 粒径は、すべてのもので、250μm以上のものが好ましく、さらに335μm〜1.4mmのものを使用するとより効果的である。
表13の割合で原材料を混合後、90℃まで加熱し、蒸発水分を補正し、常温まで冷却し焼肉用のタレを製造した。比較例1と比べて実施例2の焼肉用のタレは外観がもろもろ感があって、大根おろしが入っているような感じがした。
表14の割合で原材料を混合後、90℃加熱殺菌しノンオイルドレッシングを製造した。尚、表14において「TK−16」(松谷化学工業株式会社製品)はマルトデキストリンである。比較例2のノンオイルドレッシングは外観では通常みられる均一なノンオイルドレッシングであったのに、実施例3のノンオイルドレッシングは大根おろし入用のドレッシングとなった。
表14に示す割合で原材料を使用し、パスタソースを製造した。即ち鍋にオリーブオイルを熱し、にんにくとタマネギを炒める。次いでトマト水煮、ブイヨン、赤ワイン、水を加えて10分間煮込み、塩、胡椒を加えて、火を止めて放冷する。加熱により減量した水分を補充し、試作品を添加し、レトルトパウチに詰め、120℃で20分間レトルト殺菌する。比較例3のパスタソースは、外観上の食感、食したときの食感の何れもさらさらとした感じがしていた。一方、実施例4のパスタソースは外観的にはもろもろしており、食した際にも野菜を煮込んだ際にできるパルプ感が感じられた。

Claims (3)

  1. アミロース含量が25重量%以上の原料澱粉を、該澱粉に対して130〜200%の加水量で加水し、該加水した澱粉をドラムドライヤーで加熱処理して糊化し、乾燥後、粉砕し、335μm〜1.4mmの粒径のものを篩別することを特徴とする繊維感或いはパルプ感のある未化工α化澱粉の製造方法。
  2. 原料澱粉として、アミロース含量が50重量%以上であるハイアミロース澱粉を用いることを特徴とする請求項1記載の繊維感或いはパルプ感のある未化工α化澱粉の製造方法。
  3. 請求項1又は2により製造された未化工α化澱粉を、少なくとも70重量%以上含有させることを特徴とする繊維感或いはパルプ感のある未化工α化澱粉を配合した飲食品用澱粉素材の製造方法。
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