JP4963979B2 - ヘッドホン - Google Patents

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Description

本発明は、外部から侵入する騒音の音圧を低減することができるヘッドホンに関するものである。
携帯型音楽プレーヤの普及に伴い、個人的に楽音を聞くためのヘッドホンも広く普及している。携帯型音楽プレーヤは騒音レベルの高い街中や、電車、バスなどの乗り物の中で使用されることが多く、プレーヤで再生される楽音とともに外部騒音もヘッドホンを通して聞こえる。騒音の中で楽音を聞くと、楽音が外部騒音でかき消されることがあるため、ユーザーはボリュームを上げて楽音を聞こうとし、ボリュームを上げすぎてヘッドホンから外部に音が漏れ、周囲の人たちに不愉快な思いをさせることがある。また、ヘッドホンで高音質の楽音が再生されても、外部から進入する騒音が楽音に影響を与え、ユーザーが聞くことができる再生音の品質を低下させることもある。
そこで、外部から進入してくる騒音を打ち消して騒音の音圧を低減し、ユーザーの耳にはほぼ楽音のみが聞こえるようにしたノイズキャンセル方式のヘッドホンが普及しつつある。ノイズキャンセル方式のヘッドホンの原理は、ヘッドホンに進入してくる騒音をマイクロホンで検知し、検知した騒音信号と逆位相のキャンセルノイズを発生させ、キャンセルノイズで騒音を打ち消すものである。一般的なノイズキャンセル方式のヘッドホンは、一つのスピーカ、したがって一つのボイスコイルを備えている。マイクロホンで集音し電気信号に変換した騒音信号をさらにフィルタや遅延回路に通すことによって、騒音信号とは逆位相のノイズキャンセル信号を生成し、このノイズキャンセル信号と目的の楽音信号を合成(加算)したあと電力増幅し、上記一つのスピーカの一つのボイスコイルに入力するようになっている。
スピーカから出力される音声は、ノイズキャンセル信号と楽音信号の合成信号が音声に変換されたものであり、ノイズキャンセル信号が変換された音声は、ヘッドホンに進入する外部騒音の全部または一部を打ち消し、ユーザーの耳に入る音声はほぼ楽音信号が変換された音声のみとなる。
あるいは、ノイズキャンセル信号と楽音信号を個別に電力増幅したあと、ノイズキャンセル信号と楽音信号を合成し、合成した信号で上記一つのボイスコイルを駆動する方法もある。しかし、二つの電力増幅器がボイスコイルに直列あるいは並列に接続されることになるため、二つの電力増幅器が互いに負荷になるなどの不具合がある。
図2は従来のノイズキャンセル方式ヘッドホンの例を示す。図2において、有底の筒型のヘッドホンハウジング1の開口端にはフランジ部材2が結合されていて、フランジ部材2の外側(図2において左側)の面にはヘッドパッド3が固着されている。ユーザーがこのヘッドホンを使用するとき、ヘッドパッド3の外端面がユーザーの頭部側面に当たり、ヘッドパッド3で囲まれる空間内にユーザーの耳13が位置するようになっている。フランジ部材2は中心に窓孔を有していてリング状に形成され、フランジ部材2の内方の面(図2において右面)には上記窓孔を塞ぐようにしてヘッドホンユニット5が固定されている。ヘッドホンユニット5は、扁平なシャーレ状のベース6と、ベース6の内底部に嵌め込まれた、ベース6より小径でより扁平なシャーレ状のヨーク7と、ヨーク7の内底部中心に固着された扁平なマグネット8と、マグネット8の前側の端面に固着された板状のポールピース9と、円筒状に巻き回されたボイスコイル10と、ドーム状の振動板12と、を有してなる。
シャーレ状のヨーク7の開放側端面とポールピース9の端面とはほぼ同一面にあり、かつ、ポールピース9の外周面と、ヨーク7の開放端側の内周面との間にはリング状の間隙が生じていて、この間隙内に上記ボイスコイル10が進入している。上記リング状の隙間にはマグネット8を源とする磁界が形成され、この磁界の中にボイスコイル10が存在している。上記振動板12は中心部のドーム部を囲んで断面アーチ形のエッジ部が形成され、エッジ部の外周がベース6に固着されて、振動板12が前後方向に振動可能に支持されている。振動板12の上記中心ドーム部とエッジ部の境界にボイスコイル10の一端が固着され、ボイスコイル10はヨーク7にもポールピース9にも接触しないように支持されている。外部のプレーヤの電力増幅器(ドライバ)からボイスコイル10に楽音信号が入力され、ボイスコイル10が楽音信号に従って前後に駆動され、これに伴い振動板12が振動することにより振動板12から音声が発せられる。この音声は、フランジ部材2の中心窓孔を通して、ヘッドパッド3で囲まれているユーザーの耳13に達する。
以上の説明は一般的なヘッドホンの説明で、ノイズキャンセル方式ヘッドホンには、上記の構成に、周辺の騒音を検出するマイクロホンと、このマイクロホンで検出された騒音の逆位相のノイズキャンセル信号を生成する回路、生成したノイズキャンセル信号を楽音信号と合成(加算)してボイスコイル10に入力する合成回路などの信号処理回路が付加される。マイクロホンの位置や信号処理回路の構成には各種の工夫が施されている。図2において、M1〜M4は騒音検出用マイクロホンの配置位置の各種の例を示す。M1はヘッドホン内部に配置した例で、振動板12の直前の空間にマイクロホンの前側をヘッドホンの外側(図2において左側)に向けて配置した例である。M2〜M4はヘッドホンの外側にマイクロホンを配置した例で、M2はフランジ部材2の上部に、M3はフランジ部材2の下部に、M4はハウジング1の外側面に配置した例である。
ノイズキャンセル方式ヘッドホンにおいて、より効果的に外部騒音をキャンセルするために各種の工夫がなされている。例えば、特許文献1記載のヘッドホンは、比較的一定の周波数応答を有しながら雑音を低減するために、ダイヤフラム(スピーカの振動板)と外耳道との間に小さな空洞を設け、その空洞に、ダイヤフラムに近接してマイクロホンを配置し、ヘッドホンによって再生される入力電気信号に、上記マイクロホンの出力に基づくフィードバック信号を結合し、その結合信号を電力増幅しダイヤフラムを駆動するように構成されている。図2に示す従来例において、符号M1で示す位置にマイクロホンを配置した例である。
特許文献2には、雑音キャンセル効果を高めるために、外耳付近の合成音をマイクロホンで収音してこの合成音を位相反転し、この位相反転した音声信号と音源からの楽音信号を第1の加算回路で加算し、この加算結果に音源からの楽音信号を第2の加算回路で加算し、この加算結果を増幅してスピーカから外耳道付近に出力するように構成したアクティブノイズイレーサに関する発明が記載されている。
また、特許文献3には、雑音キャンセル効果を高めるために、能動型雑音制御用ヘッドホンに用いるヘッドホンユニットに、防振部材を介してマイクロホンユニットを配設したヘッドホン装置が記載されている。
特許文献1、2記載の発明も特許文献3記載の発明も、ノイズキャンセル方式ヘッドホンの性能向上を目指したものであるが、後述の本願発明の目的を達成することはできない。また、技術思想も異なる。
本発明に関連のある公知の発明として、アクティブノイズを低減するアクティブノイズ低減信号処理経路と、トークスルー機能を提供するトークスルー信号処理経路と、アクティブノイズ低減信号処理経路およびトークスルー信号処理経路の一方または両方を使用不可にするためのスイッチング素子を備えたノイズ低減ヘッドセットが提案されている(特許文献4参照)。特許文献4には、上記スイッチング素子は、スイッチング素子に供給される電源がノイズ低減信号経路を動作させるには不十分であるとき、ノイズ低減信号経路を使用不可にする旨の記載がある。この点で、後述の本願発明の作用効果の一部と関連するが、課題の解決手段が本願発明とは全く異なる。
特開平6−343195号公報 特開平9−54592号公報 実開平5−36991号公報 特開2006−14307号公報
本発明は、前記従来のノイズキャンセルヘッドホンの問題点を解消することを目的とする。すなわち、従来のノイズキャンセルヘッドホンは、騒音をキャンセルするための信号と楽音信号が電気的に合成されて結合し、信号処理回路を通過するため、楽音信号がノイズキャンセル信号の影響を受けて音質が劣化する。また、はなはだしい場合は、ノイズキャンセル動作をさせた場合と、動作させない場合とで音質差が発生し、ユーザーに違和感を与えるという不具合がある。
また、従来のノイズキャンセルヘッドホンは、ノイズキャンセル動作させるための電源電池を内蔵しているため、ヘッドホンの重量が重くなるという問題、および電源電池が消耗するとノイズキャンセルできないという問題がある。
本発明は、ノイズキャンセル信号と楽音信号との磁気的結合、静電的結合を含む電気的な結合関係をできるだけ浅くして、ノイズキャンセル信号が楽音信号に与える影響を少なくし、ノイズキャンセル信号の電力増幅回路と楽音信号の電力増幅回路が互いに負荷となることがなく、加えて音質の良好なノイズキャンセル方式のヘッドホンを提供することを目的とする。
本発明はまた、内臓電池を用いなくてもノイズキャンセルを可能にして、従来のような、重量が重いという問題及び電池の消耗によってノイズキャンセルできないという問題を解消することができるノイズキャンセル方式のヘッドホンを提供することを目的とする。
本発明は、楽音信号によって駆動されるスピーカユニットと、周辺の騒音にしたがって発電する発電体と、発電体で発電された信号によりスピーカユニットのフレームを駆動する圧電素子と、を備えているヘッドホンであって、発電体は、圧電素子とは別の第2圧電素子からなることを最も主要な特徴とする。
スピーカユニットはプレーヤなどの音源から入力される楽音信号のみを再生する。発電体は、周辺の騒音にしたがって発電し、この発電信号によって圧電素子を駆動する。この圧電素子の駆動によってスピーカユニットのフレームが機械的に振動する。この機械的振動によって発生する音が、ヘッドホン内部に侵入してくる騒音に対して逆位相となるようにしておけば、ヘッドホン内部に侵入してくる騒音を打ち消すことができ、ユーザーの耳に、騒音のない、あるいは騒音の少ない楽音信号の再生音を伝えることができる。
ノイズキャンセルのための圧電素子と楽音信号で駆動されるスピーカユニットは、スピーカユニットのフレームで機械的に直列接続されているのと等価となる。スピーカユニットの振動板は極めて動きやすい構造になっているため、スピーカユニットの音響機械インピーダンスは低い。これに対して圧電素子は例えば圧電セラミックなどで製作されていて材料自体が硬くて動きにくく、音響機械インピーダンスが高い。よって、音響機械インピーダンスの高い圧電素子にスピーカユニットが機械的に直列に結合されているのと等価の構造になっている。
一方、スピーカユニットの電気的な駆動系統と圧電素子の電気的な駆動系統は電気的に分離していて、電気的な結合は浅いため、楽音信号がノイズキャンセル信号によって受ける影響が小さく、高い音質で楽音信号を再生することができる。
ノイズキャンセルのための圧電素子は、周辺の騒音にしたがった発電体からの発電信号により駆動されるため、ノイズキャンセル動作のための電源を必要としない。したがって、ヘッドホンにノイズキャンセルのための電源電池を内蔵する必要がなく、ヘッドホンを軽量化することができるとともに、電池の消耗によってノイズキャンセル動作ができなくなるという問題もなくなる。
ヘッドホンの遮音効果を高めておけば、騒音をキャンセルするための圧電素子の駆動力は小さくてもよく、よって、発電体の出力は小さくてもよい。
以下、本発明にかかるヘッドホンの実施例について図1を参照しながら説明する。図2に示す従来のヘッドホンの例と同じ構成部分には共通の符号を付している。
図1において、筒型のヘッドホンハウジング20は軸線方向の中間部に仕切り壁21を有し、仕切り壁21より前側(図1において左側)と後ろ側がそれぞれ筒部22、24となっている。前側の筒部22内にヘッドホンユニット5が組み込まれ、後ろ側の筒部24には、周辺の騒音にしたがって発電する発電体32が組み込まれている。前側の筒部22の開放端にはリング状のヘッドパッド3が固着されている。ユーザーがこのヘッドホンを使用するとき、ヘッドパッド3の外端面がユーザーの頭部側面に当たり、ヘッドパッド3で囲まれる空間内にユーザーの耳13が位置するようになっている。
ヘッドホンハウジング20の内部にはリング状の支持体35を介してヘッドホンユニット5が固定されている。ヘッドホンユニット5は、扁平なシャーレ状のフレーム6と、フレーム6の内底部に嵌め込まれた、フレーム6より小径でより扁平なシャーレ状のヨーク7と、ヨーク7の内底部中心に固着された扁平なマグネット8と、マグネット8の端面に固着された板状のポールピース9と、円筒状に巻き回されたボイスコイル10と、ドーム状の振動板12と、を有してなる。ヘッドホンユニット5のフレーム6の外周側前端(図1において左端)面は円形をなしていて、この前端面に上記支持体35の内周側後端面が接着等によって結合されている。支持体35の断面形状はアーチ形で、支持体35の外周面が接着その他適宜の手段でヘッドホンハウジング20の内周面に固着されている。支持体35は、後述の圧電素子30の伸縮によりヘッドホンユニット5がヘッドホンハウジング20に対し前後方向に移動するのを許容するように、柔軟性があり、また、音波の通りにくい素材で作られている。
シャーレ状のヨーク7の開放側端面とポールピース9の端面とはほぼ同一面にあり、かつ、ポールピース9の外周面とヨーク7の開放端側内周面との間にはリング状の間隙があって、この間隙内に上記ボイスコイル10が進入している。上記リング状の隙間にはマグネット8を源とする磁界が形成され、この磁界の中に細い導電線が円筒形状に巻き回されてなるボイスコイル10が存在している。上記振動板12は中心部のドーム部を囲んで断面アーチ形のエッジ部が形成され、エッジ部の外周がフレーム6に固着されて、振動板12が前後方向に振動可能に支持されている。振動板12の上記中心ドーム部とエッジ部の境界に、円筒形のボイスコイル10の軸線方向一端が片持ち的に固着され、ボイスコイル10はヨーク7にもポールピース9にも接触しないように振動板12によって支持されている。外部のプレーヤの電力増幅器(ドライバ)からボイスコイル10に楽音信号が入力されると、ボイスコイル10が楽音信号に従って前後に駆動され、これに伴い振動板12が振動することにより振動板12から音声が発せられる。この音声は、ヘッドパッド3で囲まれているユーザーの耳13に達するように、振動板12をヘッドホンハウジング20の筒部22の開放端側に向けてヘッドホンユニット5が配置されている。
スピーカユニット5のフレーム6とヘッドホンハウジング20の仕切り壁21の前面側(図1において左面側)には、圧電素子30の一面が固着され、圧電素子30の他方の面には弾性シート40の一面が固着され、弾性シート40の他方の面はスピーカユニット5のフレーム6の後端面に固着されている。換言すれば、スピーカユニット5は、そのフレーム6が弾性シート40と圧電素子30の介在のもとにヘッドホンハウジング20に結合されている。これをより具体的に言えば、スピーカユニット5のフレーム6とヘッドホンハウジング20の間に圧電素子30が配置され、圧電素子30の一面側が上記フレーム6に結合され、圧電素子30の他面側がヘッドホンハウジング20側に結合され、さらに、圧電素子30の他面側とフレーム6との間に機械的フィルタとして機能する弾性シート40が介在している。上記仕切り板21と圧電素子30、圧電素子30と弾性シート40、弾性シート40とフレーム6の固着は、例えば接着によって行われている。
上記圧電素子30を備えていることと、この圧電素子30に印加する信号を発電する第2圧電素子32を備えている点が本発明にかかるヘッドホンの実施例の一つの特徴になっている。第2圧電素子32は、ヘッドホンハウジング20の後ろ側筒部24の内周面から半径方向内側に向かって仕切り板21と平行に一体に形成されているリング状の支持壁26に、その中心孔を塞ぐようにして固定されている。第2圧電素子32は、周辺の騒音にしたがって発電する発電体を構成していて、その一面側(図1において右側の外側面側)には、受音部材36が固着されている。受音部材36は、ヘッドホンの周辺の騒音を集音して騒音に応じて振動し、この振動を第2圧電素子32に伝達する機能を持っていて、この機能を効果的に発揮するように、騒音に応じて振動しやすい素材、すなわち、質量が軽くて剛性の高い素材で作られる。また、受音部材36は、円錐形の受音部を有していて、この受音部の面積は第2圧電素子32の受音部との対向面の面積より大きく、受音部材36の振動が第2圧電素子32に集中して伝達されるように工夫されている。図1に示す例では、受音部材36は扁平な円錐台形に形成され、円錐台形の頂部の扁平な面が第2圧電素子32に固着されている。図示の受音部材36は板状の部材を円錐台形状に成形した部材になっているが、質量の軽い素材、例えば発泡樹脂を一体成形した部材としてもよい。受音部材36は、周囲の騒音を受けてヘッドホンハウジング20に対し相対的に振動することができるように、その外周が柔軟性のあるエッジ部材38を介してヘッドホンハウジング20の筒部24の内周面に結合されている。
第2圧電素子32による発電出力は圧電素子30に印加されるように電気的に接続されている。圧電素子30は一般的に用いられている圧電素子で、第2圧電素子32の発電出力が印加されることにより、ヘッドホンハウジング20の軸線方向に振動(伸縮)する。第2発電素子32は、空気の振動で発電できるもの、したがって機械的インピーダンスが低いものが望ましく、例えば、圧電バイモルフを使用するとよい。圧電素子30は第2圧電素子32の発電信号で駆動されることにより機械的に振動し、スピーカユニット5のフレーム6を駆動する。前記支持体35は、圧電素子30が駆動されて機械的に振動することにより、ヘッドホンハウジング20に対するスピーカユニット5のフレーム6の機械的振動を許容する素材が選択されるとともに、断面アーチ状に形成されている。支持体35がフレーム6の振動を許容することにより、スピーカユニット5全体が圧電素子30で駆動され振動する。
以上説明した実施例によれば、スピーカユニット5はプレーヤなどから入力される楽音信号で駆動されて楽音が再生される。圧電素子30には、周囲の騒音に応じて発電される発電体としての第2圧電素子32の出力信号すなわち騒音信号が入力され、騒音信号によって駆動され振動するため、圧電素子30とともにスピーカユニット5全体が振動する。この振動は、ヘッドホン内に進入する騒音に対して逆位相となるように、圧電素子30と第2圧電素子32が電気的に接続されていて、圧電素子30が駆動されることによって生じる振動が、ヘッドホン内に侵入する騒音の全部または一部を打ち消し、ユーザーの耳には楽音のみが届き、あるいは騒音のレベルが低くなる。
ノイズキャンセル信号で駆動される圧電素子30と楽音信号で駆動されるスピーカユニット5は、スピーカユニット5のフレーム6で機械的に直列接続されているのと等価となる。スピーカユニット5の振動板12は極めて動きやすい構造になっているため、スピーカユニット5の音響機械インピーダンスは低い。これに対して圧電素子30は例えば圧電セラミックなどで製作されていて材料自体が硬くて動きにくく、音響機械インピーダンスが高い。よって、音響機械インピーダンスの高い圧電素子30にスピーカユニット5が機械的に直列に結合されているのと等価の構造になっていて、ヘッドホンハウジング20から見た振動板12の動きは、楽音信号による振動の向きと圧電素子30による振動の向きが合致した瞬間では振幅が大きく、上記双方の振動の向きが互いに逆であれば振幅は小さくなる。つまり、圧電素子30によるスピーカユニット5の振動板12の動きと、スピーカユニット5の駆動による振動板12の動きが機械的に直列的に重ねられていることになり、ヘッドホン内に侵入する騒音の位相と圧電素子30の駆動によって生成される音声成分の位相とが逆になるように構成することにより、ヘッドホン内に侵入する騒音が、圧電素子30の駆動によって打ち消されることになる。
図1に示す実施例において、各部の音響インピーダンス、音圧、電圧などを以下のように定義する。
:騒音成分の音圧
:ヘッドホン内部に入り込む騒音成分の音圧
:騒音成分により受音部材36が受ける力量
:受音部材36の受音面積
ZPZ1:第2圧電素子32のインピーダンス
:Fによって第2圧電素子32が移動する量
:第2圧電素子32の発電電圧
騒音成分により受音部材36が受ける力量Fは、
=S・P
である。上記力量Fによって第2圧電素子32が移動する量Xは、
=(1/jω)(F/ZPZ1
である。第2圧電素子32がXだけ移動することによって、第2圧電素子32が発電する電圧eは、
=AX (ただし、Aは定数)
となる。
イヤパッド3と人体との間で漏れて耳に到達する騒音の周波数成分は低い周波数領域にあることから、図示の実施例では、ノイズキャンセルのための圧電素子30とスピーカユニットのフレーム6との間に弾性シート40を介在させている。弾性シート40は、圧電素子30とスピーカユニットのフレーム6とを機械的に接続する機械的なローパスフィルタないしはハイカットフィルタとして機能し、ノイズキャンセルに有効な低い周波数領域に関して効果的に騒音を除去ないしは低減することができる。
以上のとおり、本発明の実施例によれば、スピーカユニット5の楽音信号による電気的な駆動系統と、ノイズキャンセルのための圧電素子30の電気的な駆動系統は電気的に分離していて、電気的な結合は浅いため、楽音信号がノイズキャンセル信号によって受ける影響が小さく、高い音質で楽音信号を再生することができる。
ノイズキャンセルのために圧電素子30に印加する信号は、周辺の騒音を受けて発電する第2圧電素子32の出力信号であるため、ノイズキャンセル動作のための電源電池を必要とせず、ノイズキャンセル可能なヘッドホンの軽量化を図ることができる。
受音部材36は円錐形の受音部を有し、この受音部の面積は第2圧電素子32の面積より大きく、受音部材36の振動が第2圧電素子32に集中して伝達されるように構成されているため、第2圧電素子32は周囲の騒音をキャンセルするための信号を効率よく発電することができる。
本発明に係るヘッドホンの実施例を示す縦断面図である。 従来のヘッドホンの例を示す縦断面図である。
符号の説明
5 スピーカユニット
6 フレーム
10 ボイスコイル
12 振動板
20 ヘッドホンハウジング
30 圧電素子
32 第2圧電素子
35 支持体
36 受音部材
40 弾性フィルタ

Claims (7)

  1. 楽音信号によって駆動されるスピーカユニットと、
    周辺の騒音にしたがって発電する発電体と、
    前記発電体で発電された信号によりスピーカユニットのフレームを駆動する圧電素子と、を備えているヘッドホンであって、
    前記発電体は、前記圧電素子とは別の第2圧電素子からなるヘッドホン。
  2. 前記フレームとヘッドホンハウジングの間に圧電素子が配置され、前記圧電素子の一面側が前記ハウジング側に結合され、前記圧電素子の他面側が前記フレームに結合されている請求項1記載のヘッドホン。
  3. 前記圧電素子の他面側と前記フレームとの間に機械的フィルタとして機能する弾性シートが介在している請求項2記載のヘッドホン。
  4. 前記フレームは音波の通りにくい支持体で前記ヘッドホンハウジングに結合されている請求項乃至3のいずれかに記載のヘッドホン。
  5. 前記支持体は、前記圧電素子の駆動により、前記ヘッドホンハウジングに対する前記フレームの振動を許容する請求項4記載のヘッドホン。
  6. 前記第2圧電素子の一面に周辺の騒音にしたがって振動する受音部材が固着され、前記第2圧電素子の他面は前記ヘッドホンハウジングに実質一体に固定され、前記受音部材の振動にしたがって前記第2圧電素子が発電する請求項乃至5のいずれかに記載のヘッドホン。
  7. 前記受音部材は円錐形の受音部を有し、前記受音部の面積は前記第2圧電素子の面積より大きく、前記受音部材の振動が前記第2圧電素子に集中して伝達される請求項6記載のヘッドホン。
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