JP4963977B2 - 眼鏡レンズの製造システム及びマーク検出装置 - Google Patents

眼鏡レンズの製造システム及びマーク検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、両側レンズ面が加工されて得られる累進多焦点レンズ等の眼鏡レンズと、片側レンズ面が加工されて得られる累進多焦点レンズ等の眼鏡レンズとを製造する眼鏡レンズの製造システム、及びこの眼鏡レンズの製造システムに用いられて、異なる位置及び見易さに施されたマークを検出するためのマーク検出装置に関する。
例えば、従来の累進多焦点レンズは、セミフィニッシュレンズ(半完成品;凸側レンズ面と凹側レンズ面の一方が加工済みで、他方が未加工のレンズ)の未加工レンズ面に、切削研磨等の加工を施すことにより作製されていた。また、この累進多焦点レンズの縁摺り加工に際しては、眼鏡装用者の瞳孔中心と累進多焦点レンズの遠用アイポイント(図6の
符号116参照)とが位置するように、例えば上記遠用アイポイントを加工中心として縁
摺り加工されている。
但し、遠用アイポイントは、レンズ面に直接表示することができない。このため、設計の基準となる位置から所定距離だけ離れたレンズ使用領域に基準マーク(図6の符号10
1、102参照)を予め形成しておき、この基準マークから上記遠用アイポイントや遠用
部及び近用部の度数測定位置を導き出せるようにしている(特許文献1参照)。
また、上記セミフィニッシュレンズでは、レンズ面(通常、凸側レンズ面)に既に基準マークが施されているので、この基準マークに基づき凹側レンズ面に切削、研磨等の加工を実施し、表面処理を施す。その後、上記基準マークに基づき、加入度数(図6の符号1
14参照)及び識別マーク(図6の符号115参照)を、レーザー等を用いて刻印している
ところで、近年、両側レンズ面が加工されて得られる累進多焦点レンズが製造されている(特許文献2参照)。この両側レンズ面が加工されて得られる累進多焦点レンズは、凹側レンズ面及び凸側レンズ面が一体となって累進多焦点レンズが構成される。このため、凹側レンズ面と凸側レンズ面の一方に切削等の加工を施した後、他方に切削等の加工を施す際には、両レンズ面が互いに所望の位置となるように位置決めされる必要がある。
しかしながら、この位置決めのために、前述の基準マークをレンズ使用面に予め施すことはできない。当該累進多焦点レンズでは、両レンズ面が加工して形成されるので、基準マークを予め施したとしても、当該基準マークが切削や研磨などの加工によって消滅してしまうからである。
そこで、両側レンズ面が加工されて得られる累進多焦点レンズでは、例えば凸側レンズ面を加工した後に仮基準マーク(図6の符号103〜108参照)をレーザー刻印し、この仮基準マークに基づいて凸側レンズ面をブロッキングして凹側レンズ面を加工している。その後、表面処理を実施し、更に上記仮基準マークに基づいて基準マーク、加入度数、識別マークをレーザー刻印している。
特開2002−1638号公報 国際公開第WO2006/3939A1号パンフレット
上述のことから、片側レンズ面が加工されて得られる累進多焦点レンズに加入度数等をマーキングし、両側レンズ面が加工して得られる累進多焦点レンズに基準マーク及び加入度数などをマーキングするマーキング工程には、これらの両レンズが搬入されることにな
る。そして、片側レンズ面が加工されて得られる累進多焦点レンズにおいては、加入度数等をマーキングするために、上述の如く基準マークが検出される。また、両側レンズ面が加工されて得られる累進多焦点レンズにおいては、基準マーク及び加入度数等をマーキングするために、上述の如く仮基準マークが検出される。
しかしながら、上述の検出されるべき基準マークと仮基準マークとは、施される位置や見易さが異なる。例えば、基準マークは、累進多焦点レンズのレンズ使用領域に、目視では容易に識別しにくい方法で形成されている。また、仮基準マークは、累進多焦点レンズのレンズ非使用領域に、目視で容易に識別可能に形成されている。従って、両側レンズ面が加工されて得られ、仮基準マークが施される累進多焦点レンズと、片側レンズ面が加工されて得られ、基準マークが施されている累進多焦点レンズとは、独立した別個の製造ラインで製造せざるを得なく製造上、工程が簡単になるシステムが求められていた。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、両側レンズ面が加工されて得られ、仮基準マークが施される累進多焦点レンズ等の眼鏡レンズと、片側レンズ面が加工されて得られ、基準マークが施される累進多焦点レンズ等の眼鏡レンズとを、容易に製造することができる眼鏡レンズの製造システムを提供することにある。本発明の他の目的は、累進多焦点レンズ等の眼鏡レンズの異なる位置に施された仮基準マークと基準マークをそれぞれ精度良く短時間に検出できるマーク検出装置を提供することにある。
上述の課題を解決するための手段として、第1の手段は、両側レンズ面が加工されて得られる眼鏡レンズと、片側レンズ面が加工されて得られる眼鏡レンズとを、同一の製造ラインで製造する眼鏡レンズの製造システムであって、
両側レンズ面が加工されて得られる眼鏡レンズにおいて、両レンズ面が共に加工されていない未加工レンズの片側レンズ面を加工した後、当該加工レンズ面のレンズ非使用領域に仮基準マークを施すステップと、
片側レンズ面が加工されて得られる眼鏡レンズにおいて、未加工のセミフィニッシュレンズにおける加工済みレンズ面のレンズ使用領域に予め基準マークが施されたレンズを選択するステップと、
上記仮基準マークを検出するための仮基準マーク検出用光学系と上記基準マークを検出するための基準マーク検出用光学系とを切り換えて、上記仮基準マークまたは上記基準マークを検出するステップと、を有することを特徴とする眼鏡レンズの製造システムである。
第2の手段は、上記両側レンズ面が加工されて得られる眼鏡レンズにおいて、仮基準マーク検出用光学系により仮基準マークを検出した後、この仮基準マークに基づき、当該眼鏡レンズ用の基準マークを、当該レンズのレンズ使用領域に施すことを特徴とする第1の手段にかかる眼鏡レンズの製造システムである。
第3の手段は、上記仮基準マークは、両側レンズ面が加工されて得られる眼鏡レンズ用の基準マークよりも視認し易いように施されることを特徴とする第2の手段かかる眼鏡レンズの製造システムである。
第4の手段は、上記両側レンズ面が加工されて得られる眼鏡レンズ用の基準マークは、片側レンズ面が加工されて得られる眼鏡レンズ用の基準マークと同程度の凹形状または凸形状に施されることを特徴とする第2又は第3の手段にかかる眼鏡レンズの製造システムである。
第5の手段は、上記両側レンズ面が加工されて得られる眼鏡レンズにおいて、当該レンズ用の基準マークの近傍に、加入度数と識別マークの少なくとも一方を仮基準マークに基づき施すことを特徴とする第2乃至第4のいずれかの手段にかかる眼鏡レンズの製造システムである。
第6の手段は、上記片側レンズ面が加工されて得られる眼鏡レンズにおいて、基準マーク検出用光学系により基準マークを検出した後、この基準マークに基づき、当該基準マークの近傍に、加入度数と識別マークの少なくとも一方を施すことを特徴とする第1乃至第5のいずれかの手段にかかる記載の眼鏡レンズの製造システムである。
第7の手段は、前記眼鏡レンズは累進多焦点レンズであることを特徴とする第1乃至第6のいずれかの手段にかかる眼鏡レンズの製造システムである。
第8の手段は、前記眼鏡レンズは、物体側表面である第1の屈折表面と、眼球側表面である第2の屈折表面とに分割配分されている累進屈折力作用を備え、前記第1と第2の屈折表面とを合わせて処方値に基づいた遠用度数(Df)と加入度数(ADD)とを与える両面非球面型累進屈折力レンズであり、
前記セミフィニッシュレンズは、一方の面が累進屈折作用を付与する非球面の光学面であり、他方の面が非光学面である累進屈折力眼鏡レンズ用セミフィニッシュレンズであることを特徴とする第1乃至第7のいずれかの手段にかかる眼鏡レンズの製造システムである。
第9の手段は、両側レンズ面が加工されて得られる眼鏡レンズにおけるレンズ非使用領域に施された仮基準マークを検出する第1の光学系と、
片側レンズ面のみが加工済みのセミフィニッシュレンズの未加工の片側レンズ面が加工されて得られる眼鏡レンズにおけるレンズ使用領域に施された基準マークを検出する第2の光学系と、
上記第1の光学系と上記第2の光学系とを切り換える切換手段と、を有することを特徴とするマーク検出装置である。
第10の手段は、前記眼鏡レンズは累進多焦点レンズであることを特徴とする第9の手段にかかるマーク検出装置である。
第11の手段は、前記眼鏡レンズは、物体側表面である第1の屈折表面と、眼球側表面である第2の屈折表面とに分割配分されている累進屈折力作用を備え、前記第1と第2の屈折表面とを合わせて処方値に基づいた遠用度数(Df)と加入度数(ADD)とを与える両面非球面型累進屈折力レンズであり、
前記セミフィニッシュレンズは、一方の面が累進屈折作用を付与する非球面の光学面であり、他方の面が非光学面である累進屈折力眼鏡レンズ用セミフィニッシュレンズであることを特徴とする第9又は第10の手段にかかるマーク検出装置である。
第1の手段によれば、仮基準マークを検出するための仮基準マーク検出用光学系と、基準マークを検出するための基準マーク検出用光学系とを切り換えて、仮基準マークまたは基準マークを検出している。これらの仮基準マーク、基準マークは、施された位置や見易さが異なることから、それぞれのマークを検出するための専用の光学系を用いることで精度良く検出される。従って、仮基準マーク検出用光学系と基準マーク検出用光学系とを切り換えて、仮基準マークと基準マークとをそれぞれ検出することで、これらのマークを精度良く検出でき、同一の製造ラインにおいて、仮基準マークが施される累進多焦点レンズ等の眼鏡レンズと、基準マークが施されている累進多焦点レンズ等の眼鏡レンズとを容易に製造できる。
第1乃至第4の手段にかかる発明によれば、両側レンズ面が加工されて得られる累進多焦点レンズ用の基準マークが、精度良く検出された仮基準マークに基づいて施されることから、この基準マークを精度良く施すことができる。
第5の手段にかかる発明によれば、両側レンズ面が加工されて得られる累進多焦点レンズにおいて、加入度数と識別マークの少なくとも一方を、精度良く検出された仮基準マークに基づき施すことから、これらの加入度数と識別マークを、基準マークの近傍に精度良く施すことができる。
第6乃至8のいずれかの手段にかかる発明によれば、片側レンズ面が加工されて得られる累進多焦点レンズにおける加入度数と識別マークの少なくとも一方が、基準マーク検出用光学系により精度良く検出された基準マークに基づき施されることから、これらの加入度数と識別マークを、基準マークの近傍に精度良く施すことができる。
第9乃至第11のいずれかの手段にかかる発明によれば、両側レンズ面が加工されて得られる累進多焦点レンズに施された仮基準マークを検出する第1の光学系と、片側レンズ面が加工されて得られる累進多焦点レンズに施された基準マークを検出する第2の光学系とが、切換手段により切り換える。上記仮基準マークと上記基準マークとは、その施される位置や見易さが異なるため、それぞれ専用の光学系を用いて検出される必要がある。従って、上述のように、切換手段により光学系を切り換えてそれぞれのマークを検出することで、それぞれの専用の光学系を独立して用いることなく、仮基準マークと基準マークを精度良く、且つ短時間に検出することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る眼鏡レンズの製造システムが実施する製造工程を示す工程図である。図2は、図1におけるマーキング工程に使用されるマーク検出装置を示す斜視図である。この実施の形態は、眼鏡レンズが累進多焦点レンズである場合の例である。なお、本願発明は、眼鏡レンズが累進多焦点レンズに限られることはなく、少なくとも光学面上に1以上の刻印がなされ、仮基準位置マークがレンズ周縁部に刻印されるようなレンズであれば、単焦点レンズ、あるいは、区分上は単焦点レンズであるが近用測定点を有する眼鏡レンズ(例えば、HOYA株式会社の製品であるニュールックス lecture addpower)等であってもよい。
図1にその製造工程を示す累進多焦点レンズの製造システムでは、両側レンズ面が加工されて得られる累進多焦点レンズ1A(図6)と、片側レンズ面が加工されて得られる累進多焦点レンズ1B(図6)とが、同一の製造ラインで製造される。上記累進多焦点レンズ1Aは、両側レンズ面が共に加工されていない未加工レンズとしてのレンズブランクスを用いて製造される。また、上記累進多焦点レンズ1Bは、レンズ面の一方が加工済みで、他方が未加工であるセミフィニッシュレンズを用いて製造される。
これらの累進多焦点レンズ1A、1Bには、図6に示すように、製造工程において必要な基準マーク101及び102や、仮基準マーク103、104及び105、並びに仮基準マーク106、107及び108等が、累進多焦点レンズ1A、1Bの例えば凸側レンズ面に形成されている。この図6において、符号110は水平基準線であり、符号111は累進多焦点レンズ1A、1Bの幾何中心112を通る子午線111である。また、符号117は遠くを見るための遠用部、符号118は近くを見るための近用部、符号119は度数が連続的に変わる累進部である。
上記基準マーク101及び102は、水平基準線110上において幾何中心112から一定距離a(例えばa=17mm)の位置に形成される。この基準マーク101及び102は、眼鏡フレームの玉型形状113内、つまりレンズ使用領域に設けられる。更に、このレンズ使用領域において上記基準マーク101及び102の近傍に、遠用部117の頂
点屈折力と近用部118の頂点屈折力との差を表す加入度数114と、レンズの種類を表す識別マーク115とが形成されている。
これらの基準マーク101、102、加入度数114及び識別マーク115は、累進多焦点レンズ1A、1Bのいずれにおいても、同程度の深さの凹形状、または同程度の高さの凸形状に形成されて、目視では容易に識別しにくい方法で形成される。後述のように、両側レンズ面が加工されて得られる累進多焦点レンズ1Aにおいては、基準マーク101、102、加入度数114、識別マーク115はレーザーにより刻印される。また、片側レンズ面が加工されて得られる累進多焦点レンズ1Bでは、基準マーク101及び102が当該累進多焦点レンズ1Bの成形時に成形型から転写して形成され、加入度数114及び識別マーク115がレーザーにより刻印される。
前記水平基準線110、子午線111、眼鏡フレームの玉型形状113、幾何中心112、及び後述の遠用アイポイント116は、説明のために図示したものであり、実際の累進多焦点レンズ1A及び1Bには形成されていない。このうち、上記幾何中心112は、上述のようにして形成された基準マーク101及び102から求められ、この幾何中心112から上方へ所定距離(例えば8〜10mm)離れた位置に上記遠用アイポイント116が求められる。例えば、この遠用アイポイント116の位置に加工治具が装着され、眼鏡装用者の瞳孔中心と累進多焦点レンズ1A、1Bの遠用アイポイント116とが一致するようにして累進多焦点レンズ1A、1Bが縁摺り加工される。
一方、仮基準マーク103〜105及び106〜108は、両側レンズ面が加工されて得られる累進多焦点レンズ1Aにのみ形成されるものである。上記仮基準マーク103〜105は、この累進多焦点レンズ1Aの最外周部に形成される。このうち仮基準マーク103及び105は水平基準線110上に、仮基準マーク104は子午線111上に、それぞれ設けられる。また、仮基準マーク106〜108は、眼鏡フレームの玉型形状113から外側へ一定距離離れた位置に形成される。このうち仮基準マーク106及び108は水平基準線110上に、または仮基準マーク107は子午線111上に、それぞれ設けられる。
これらの仮基準マーク103〜108は、眼鏡フレームにおける玉型形状113の外側のレンズ非使用領域に形成されるため、当該累進多焦点レンズ1Aに形成される基準マーク101及び102よりも視認し易いように、深い凹形状または高い凸形状に例えばレーザーを用いて施される。或いは、仮基準マーク103〜108は、基準マーク101及び102よりも視認し易いように、濃い色のマークとして施されてもよい。これにより、仮基準マーク103〜108は、目視または光学機器にて容易に識別可能とされる。そして、上記仮基準マーク103〜105は、レンズブランクスから一方のレンズ面(例えば凸側レンズ面)を加工し、その後他方のレンズ面(例えば凹側レンズ面)を加工するためのブロック基準位置として用いられる。また、上記仮基準マーク106〜108は、累進多焦点レンズ1Aに基準マーク101、102、加入度数114及び識別マーク115をレーザー刻印するための刻印基準位置として用いられる。
さて、両側レンズ面が加工されて得られる累進多焦点レンズ1Aの製造手順を、図1を用いて以下に説明する。
まず、両レンズ面が共に未加工の円柱形状のレンズブランクスを製作する。(ステップS1)。次に、このレンズブランクスの一方の面に対して、他方の面、例えば凸側レンズ面を加工するためのブロッキング(例えば凹側レンズ面ブロッキング)を実施する(ステップS2)。その後、カーブジェネレータ等の加工装置を用いて、上記他方の面に切削加工を実施し、研削、研磨加工を実施して、凸側レンズ面を形成する(ステップS3)。
次に、この凸側レンズ面のレンズ非使用領域に仮基準マーク103〜108(図6)をレーザーマーキング装置を用いて刻印する(ステップS4)。このマーキング後、加工された凸側レンズ面について外観を検査し、この凸側レンズ面度数を検査する(ステップS5)。その後、この凸側レンズ面に対して、レンズブランクスの前記一方の面、例えば凹側レンズ面を加工するためのブロッキング(例えば凸側レンズ面ブロッキング)を、仮基準マーク103〜105(図6)を用いて実施する(ステップS6)。
上記凸側レンズ面のブロッキング後、カーブジェネレータ等の加工装置を用いて上記一方のレンズ面に切削加工または研削加工を実施し、研磨加工を実施して、凹側レンズ面を形成する(ステップS7)。その後、加工された凹側レンズ面について外観を検査し、透過度数を検査する(ステップS8)。上述のようにして累進多焦点レンズ1Aの両レンズ面を加工した後、これらの両レンズ面に硬化膜及び反射防止膜を順次施して表面処理する(ステップS9)。
この表面処理後、マーキング工程において、マーク検出装置30(図2;後に詳説)を用いて累進多焦点レンズ1Aの仮基準マーク106〜108(図6)を検出する。次に、これらの検出された仮基準マーク106〜108に基づいて、累進多焦点レンズ1Aの凸側レンズ面におけるレンズ使用領域に、基準マーク101、102、加入度数114及び識別マーク115を、レーザーマーキング装置31(図2)を用いて刻印する(ステップS10)。このとき、加入度数114は基準マーク102の近傍に、識別マーク115は基準マーク101の近傍にそれぞれ刻印される。尚、加入度数114が基準マーク101の近傍に、識別マーク115が基準マーク102の近傍に、それぞれ設けられてもよい。
上記マーキング工程終了後、透過度数等を再検査する(ステップS11)。その後、例えば遠用アイポイント116に加工治具を装着し、この遠用アイポイント116を加工中心として縁摺り加工を実施し(ステップS12)、検査し梱包して出荷する(ステップS13)。
次に、片側レンズ面が加工されて得られる累進多焦点レンズ1Bの製造手順を、以下に説明する。
まず、レンズ面の一方が加工済みで、他方が未加工のセミフィニッシュレンズを、成形型を用いて作製する(ステップS14)。このときには、加工済みのレンズ面(例えば凸側レンズ面)のレンズ使用領域に基準マーク101及び102が、成形型からの転写によって、成形と同時に形成される。
次に、この加工済みの凸側レンズ面に対して、未加工の凹側レンズ面の加工を実施するためのブロッキング(凸側レンズ面ブロッキング)を、基準マーク101及び102(図6)を用いて実施する(ステップS6)。以下、両側レンズ面が加工されて得られる累進多焦点レンズ1Aの場合と同様にして、凹側レンズ面の形成(ステップS7)、検査(ステップS8)、表面処理(S9)を順次実施する。
この表面処理終了後に、マーキング工程において、まず、マーク検出装置30(後に詳説)を用いて、累進多焦点レンズ1Bの基準マーク101及び102を検出する。次に、これらの検出された基準マーク101及び102に基づいて、累進多焦点レンズ1Bの凸側レンズ面におけるレンズ使用領域に、加入度数114及び識別マーク115をレーザーマーキング装置31を用いて刻印する(ステップS10)。このとき、加入度数114は基準マーク102の近傍に、識別マーク115は基準マーク101の近傍にそれぞれ刻印される。この加入度数114は基準マーク101の近傍に、識別マーク115は基準マー
ク102の近傍に、それぞれ設けられてもよい。
上記マーキング工程終了後、両側レンズ面が加工されて得られる累進多焦点レンズ1Aの場合と同様にして、出荷検査(ステップS11)、縁摺り加工(ステップS12)及び検査梱包出荷(ステップS13)を順次実施する。
ところで、前述のマーキング工程で用いられるマーク検出装置30は、図2〜図4に示すように、被検レンズLとしての累進多焦点レンズ1Aにおける仮基準マーク106〜108を検出し、被検レンズLとしての累進多焦点レンズ1Bにおける基準マーク101及び102を検出するものである。そして、このマーク検出装置30は、照明光学系11、第1撮像光学系12A、第2撮像光学系12B、撮像光学系切換部23、レンズ載置部32、及び図示しない画像処理部を有して構成される。
照明光学系11、第1撮像光学系12A及び第2撮像光学系12Bを構成するレンズ等の光学機器は、基台33に立設された光学系支持プレート34に取り付けられる。これらの照明光学系11と第1撮像光学系12A及び第2撮像光学系12Bとは、ビームスプリッタ(ハーフミラー)13を用いて、照明光学系11の光軸P1と、第1撮像光学系12A及び第2撮像光学系12Bの光軸P2とが同一となるように配置されている。このうち、第1撮像光学系12Aと第2撮像光学系12Bは、それぞれの撮像装置20A、20Bが撮像光学系切換部23により同一の光軸P2上に択一に切り換えて配置されることにより構成されたものであり、撮像装置20A及び20B以外は同一の機器にて構成される。
上記照明光学系11は、その光軸P1上に光源14、コンデンサレンズ15、ピンホール(絞り)16、ビームスプリッタ13、対物レンズ17A、17B、17C、結像レンズ18A、18B及び反射型スクリーン19が順次配置されて構成される。被検レンズLを載置する位置は、対物レンズ17A、17B、17Cと結像レンズ18A、18Bとの間に設定される。上記光源14、コンデンサレンズ15及びピンホール16を光源ユニット14Aと称する。
光源14から発せられた光束はコンデンサレンズ15にて集光され、ピンホール16を通過して均一で効率の良い照明光となる。この照明光が、ビームスプリッタ13に反射されて対物レンズ17A、17B、17Cに入射する。これらの対物レンズ17A、17B、17Cは、全体として、その焦点位置が光源ユニット14Aにおけるピンホール16の位置となるように配置されているため、対物レンズ17A、17B、17Cから結像レンズ18A、18Bに至るまでの範囲で、光束は、主光線が照明光学系11の光軸P1(つまり対物レンズ17A、17B、17C及び結像レンズ18A、18Bの光軸と一致)に平行な平行光となる。この平行光の照明光が被検レンズLに照射され、この被検レンズLを射出した光束が結像レンズ18A、18Bを経て反射型スクリーン19に到達し、仮基準マーク106〜108及び基準マーク101及び102等を含む被検レンズLの画像が反射型スクリーン19に投影される。
前記第1撮像光学系12A及び第2撮像光学系12Bは、その光軸P2上に反射型スクリーン19、結像レンズ18A、18B、対物レンズ17A、17B、17C、ビームスプリッタ13、及びCCDカメラなどの撮像装置20A、20Bが順次配置されて構成される。結像レンズ18A、18Bと対物レンズ17A、17B、17Cとの間に、被検レンズLを載置する位置が設定される。
撮像装置20A、20Bは、当該撮像装置20A、20Bに内蔵の撮像レンズの光学絞り面(不図示)が、対物レンズ17A、17B、17Cの全体の焦点位置に配置される。これにより、対物レンズ17A、17B、17Cから結像レンズ18A、18Bまでの範
囲で、光束は、主光線が第1及び第2撮像光学系12A及び12Bの光軸P2(つまり、対物レンズ17A、17B、17C及び結像レンズ18A、18Bの光軸と一致)に平行な平行光となる。この配置により、撮像装置20A、20Bの受光面(例えばCCD素子面)と反射型スクリーン19とが共役となり、反射型スクリーン19に投影された被検レンズLの画像が反射され、結像レンズ18A、18B、上記被検レンズL及び対物レンズ17A、17B、17Cを経て、撮像装置20A、20Bの上記受光面に結像される。
尚、上記光源14は、被検レンズLの仮基準マーク106〜108並びに基準マーク101及び102等のマークを良好に投影してシャープな画像を得るために、例えば赤色光または近赤外線を発光するLEDが用いられる。また、ビームスプリッタ13は、透過率と反射率の比が例えば7:3のものが用いられる。更に、反射型スクリーン19は、反射率を高めるために、ガラスやアルミニウムなどの微細粒子を塗布した反射シートが貼着されて構成される。この反射型スクリーン19は、表面の明るさ及び背景を均一化させるために、モータ21によって高速回転(例えば3400rpm)され、この状態で被検レンズLの画像を反射する。
結像レンズ18A、18Bは、正の焦点距離を有するレンズ(凸レンズ)であり、前述のごとく被検レンズLの載置位置と反射型スクリーン19との間に配置される。この結像レンズ18A、18Bは、被検レンズLを通過した光束を集光して反射型スクリーン19に投影する作用を有する。この反射型スクリーン19は、被検レンズLの画像を反射させて当該被検レンズLを通過させ、撮像装置20Aまたは20Bに取り込ませる。
上述のごとく撮像装置20A、20Bに取り込まれて撮像された被検レンズLの画像は、図示しない画像処理部に取り込まれて、パターンマッチングなどの手法で画像処理され、画像上の仮基準マーク106〜108、基準マーク101及び102の位置が当該画像処理部により検出される。この検出された仮基準マーク106〜108の位置から、両側レンズ面が加工されて得られる累進多焦点レンズ1Aにおける仮基準マーク101、102、加入度数114及び識別マーク115の刻印すべき位置が求められる。また、検出された基準マーク101及び102の位置から、片側レンズ面が加工されて得られる累進多焦点レンズ1Bにおける加入度数114及び識別マーク115の刻印すべき位置が求められる。
図2〜図4に示す前記レンズ載置部32は、基台33に取り付けられた筒体40に設置される。このレンズ載置部32は、2枚の結像レンズ18A、18Bのうちの上側の結像レンズ18Aに固着されたレンズ支持筒41と、上記2枚の結像レンズ18A、18Bを装着する鏡筒42と、2枚の結像レンズ18A、18Bと鏡筒42とで囲まれた空間に接続された図示しない真空ポンプとを有して構成される。上記上側の結像レンズ18Aには、中央位置にレンズ支持筒41と連通して貫通穴43が形成されている。従って、真空ポンプを起動することで、結像レンズ18A、18B及び鏡筒42により囲まれた空間を経てレンズ支持筒41内が負圧になり、この負圧の作用で当該レンズ支持筒41に、被検レンズLの中央部が吸着保持される。
前記撮像光学系切換部23は、前述の如く、第1撮像光学系12Aの撮像装置20Aと、第2撮像光学系12Bの撮像装置20Bとを光軸P2上に択一に切り換えて配置させるものであり、ガイドレール45、可動板46、ボールねじ等のねじ47、駆動モータ48及び制御装置49を有して構成される。
ガイドレール45は、光学系支持プレート34の上部に水平方向に延在して敷設される。また、可動板46には撮像装置20A及び20Bが並設される。この可動板46に取り付けられたスライダ50がガイドレール45に嵌合されて、可動板46は、ガイドレール
45に沿って水平方向に摺動可能に設けられる。また、ねじ47及び駆動モータ48も光学系支持プレート34の上部に設置され、駆動モータ48によりねじ47が回転駆動される。ねじ47は水平方向に延在される。このねじ47に、可動板46に固定された作動アーム51が螺合される。
従って、駆動モータ48の駆動により、ねじ47及び作動アーム51を介して可動板46が水平方向に移動され、撮像装置20A、20Bは、それぞれの光軸が光軸P2に一致する所定位置に位置づけられる。上記制御装置49は、撮像装置20Aと撮像装置20Bとが上記所定位置にそれぞれ位置づけられるように、駆動モータ48を制御する。尚、ねじ47及び駆動モータ48に代えて、シリンダ等の他の駆動源を用いて可動板46を水平方向に移動させてもよい。
撮像光学系切換部23により撮像装置20Aが光軸P2に位置づけられることで第1撮像光学系12Aが構成され、撮像装置20Bが光軸P2に位置づけられることで第2撮像光学系12Bが構成される。上記撮像装置20Aと20Bとは、撮像倍率と撮像視野が異なる。つまり、撮像装置20Aは、両側レンズ面が加工されて得られる累進多焦点レンズ1Aの仮基準マーク106〜108(図6)を撮像するためのものである。また、撮像装置20Bは、片側レンズ面が加工されて得られる累進多焦点レンズ1Bの基準マーク101及び102(図6)を撮像するためのものである。
更に詳説すると、上記両側レンズ面が加工されて得られる累進多焦点レンズ1Aの仮基準マーク106〜108は、眼鏡フレームの玉型形状113の外側の所定位置にあって、目視で容易に識別可能に設けられている。これらの仮基準マーク106〜108を撮像するためには、光学的に拡大させず、撮像視野52を、図5(A)に示すように、仮基準マーク106〜108が撮像可能な広い範囲に設定する撮像装置20Aが用いられる。従って、この撮像装置20Aを備えた第1撮像光学系12Aによって、両側レンズ面が加工されて得られる累進多焦点レンズ1Aにおける仮基準マーク106〜108が明瞭且つ確実に検出されることになる。つまり、この第1撮像光学系12Aは、仮基準マーク検出用光学系として機能する。
他方、片側レンズ面が加工されて得られる累進多焦点レンズ1Bの基準マーク101及び102は、幾何中心112から一定距離aにあって、レンズ使用面にあることから、目視では容易に識別しにくいように形成されている。これらの基準マーク101及び102を撮像するためには、撮像倍率を高め光学的に拡大させてこれらの基準マーク101及び102を明瞭に撮像し、撮像視野53を、図5(B)に示すように、基準マーク101及び102が撮像可能な狭い範囲に設定する撮像装置20Bが用いられる。従って、この撮像装置20Bを備えた第2撮像光学系12Bによって、片側レンズ面が加工されて得られる累進多焦点レンズ1Bにおける基準マーク101及び102が明瞭且つ確実に検出されることになる。つまり、この第2撮像光学系12Bは、基準マーク検出用光学系として機能する。
上述のように構成されたマーク検出装置30を用いて実施するマーキング工程(図1のステップS10)において、両側レンズ面が加工されて得られる累進多焦点レンズ1Aが搬入されたときには、マーク検出装置30の撮像光学系切換部23により、撮像装置20Aが光軸P2に位置付けられて第1撮像光学系12Aが選択され、この第1撮像光学系12Aにより当該累進多焦点レンズ1Aの仮基準マーク106〜108が検出される。また、上記マーキング工程において、片側レンズ面が加工されて得られる累進多焦点レンズ1Bが搬入されたときには、マーク検出装置30の撮像光学系切換部23により、撮像装置20Bが光軸P2に位置付けられて第2撮像光学系12Bが選択され、この第2撮像光学系12Bにより当該累進多焦点レンズ1Bの基準マーク101及び102が検出される。
以上のように構成されたことから、上記実施の形態によれば、次の効果(1)〜(3)を奏する。
(1)マーク検出装置30は、両側レンズ面を加工して得られる累進多焦点レンズ1Aの仮基準マーク106〜108を検出するための第1撮像光学系12Aと、片側レンズ面を加工して得られる累進多焦点レンズ1Bの基準マーク101及び102を検出するための第2撮像光学系12Bとを、撮像光学系切換部23により切り換えて、仮基準マーク106〜108または基準マーク101及び102を検出している。これらの仮基準マーク106〜108、基準マーク101及び102は、施された位置や見易さが異なることから、それぞれのマークを検出するための専用の光学系(第1撮像光学系12A、第2撮像光学系12B)を用いることで精度良く検出される。従って、マーク検出装置30において、第1撮像光学系12Aと第2撮像光学系12Bとを撮像光学系切換部23により切り換えて、累進多焦点レンズ1Aの仮基準マーク106〜108と、累進多焦点レンズ1Bの基準マーク101及び102とをそれぞれ検出することで、第1撮像光学系12Aと第2撮像光学系12Bとを独立して用いることなく、これらのマーク(仮基準マーク106
〜108、基準マーク101及び102)を精度良く、短時間に検出できる。この結果、
同一の製造ラインにおいて、仮基準マーク106〜108が施される累進多焦点レンズ1Aと、基準マーク101及び102が施される累進多焦点レンズ1Bとを容易に製造することができる。
(2)両側レンズ面が加工されて得られる累進多焦点レンズ1Aの基準マーク101、102、加入度数114及び識別マーク115は、マーク検出装置30の第1撮像光学系12Aにより精度良く検出された仮基準マーク106〜108に基づいて、レーザーマーキング装置31によって施される。このことから、これらの基準マーク101、102、加入度数114及び識別マーク115を、レーザーマーキング装置31を用いて精度良く短時間に効率的にマーキングできる。
(3)片側レンズ面が加工されて得られる累進多焦点レンズ1Bにおける加入度数114及び識別マーク115は、マーク検出装置30の第2撮像光学系12Bにより精度良く検出された基準マーク101及び102に基づき、レーザーマーキング装置31によって施される。このことから、これらの加入度数114及び識別マーク115を、レーザーマーキング装置31を用いて精度良く短時間に効率的にマーキングできる。
なお、上記実施の形態は、眼鏡レンズが累進多焦点レンズである場合であるが、本願発明は、これに限られることなく、例えば、両側レンズ面が加工されて得られる眼鏡レンズが単焦点レンズであり、片側レンズ面が加工されて得られる眼鏡レンズが累進多焦点レンズである場合、あるいは、その逆の場合、さらには、両方とも単焦点レンズである場合にも適用できる。いずれの場合においても、両側レンズ面が加工されて得られる眼鏡レンズの場合には、両レンズ面が共に加工されていない未加工レンズの片側レンズ面を加工した後、当該加工レンズ面のレンズ非使用領域に仮基準マークを施すステップを有する。また、片側レンズ面が加工されて得られる眼鏡レンズの場合には、未加工のセミフィニッシュレンズにおける加工済みレンズ面のレンズ使用領域に予め基準マークが施されたレンズを選択するステップを有する。そして、上記仮基準マークを検出するための仮基準マーク検出用光学系によって上記仮基準マークを検出し、その仮基準マークに基づき、予め定められている位置に基準マーク又は品質保証マーク等を当該レンズの使用領域に施すステップを有する。また、上記仮基準マークを検出できない場合には、上記仮基準マークを検出するための仮基準マーク検出用光学系を、基準マークを検出するための基準マーク検出用光学系に切り換えて、基準マーク又は品質保証マーク等を検出するステップを有する。図7は仮基準マーク203,204,205が付された単焦点レンズ2Aを示す。また、図8は品質保証マーク214が付された単焦点レンズ2Bを示す。なお、図7において符号2
52で示される領域は撮像視野領域であり、図8においては符号253で示される領域が撮像視野領域である。
このように、本願発明は、単焦点レンズと累進屈折力レンズ(多焦点レンズ)のように、刻印の位置、種類、数が異なるレンズを混在して取り扱う場合にも好適である。例えば、単焦点レンズはレイアウト、光学性能値等の情報量が少なく、刻印種類、刻印数が少ない(例えば、単焦点レンズの刻印は品質保証マークのみの1つの場合もある)。これに対して、累進屈折力レンズは前記情報量、刻印数が多く、一般に単焦点レンズに比して複雑な刻印を有する。単焦点レンズの光学製性能値関連情報は、例えば、平均屈折力、乱視屈折力、球面又は非球面等を示す設計種別、屈折率等がある。そしてレイアウト関連情報としては、例えば、光学中心、幾何中心、乱視軸方向がある。一方、累進屈折力レンズにおいて、光学製性能値は上記単焦点レンズの場合に加えて、例えば、近用屈折力、遠用屈折力、加入度、累進帯長、インセット量、左右区分等がある。さらに、レイアウト関連情報としては、例えば、近用屈折力測定位置、遠用屈折力測定位置、プリズム量測定位置、左右識別表示(耳側、鼻側識別表示を含む)、アライメント基準位置等がある。
そして、上記各情報を表示するために刻印位置は、例えば、単焦点では、品質保証マークが眼鏡レンズの装用状態の水平中心線を基準として耳側の45度方向で、光学中心から17mm又は22mm程度離れた位置に刻印される。そして、累進屈折力レンズでは、アライメント基準位置が水平中心線上のプリズム測定位置から17mm離れた位置に刻印される。さらに、累進屈折力レンズは、アライメント基準位置の近傍に光学性能関連情報およびその他レンズ関連情報が刻印される。そしてレイアウト関連情報も併せて表示されている。従って、従来は、上記関連情報を刻印した累進屈折力レンズおよび単焦点レンズを混在して取り扱う場合には刻印位置および刻印内容が多岐にわたるため互いに混在しないように、例えば、単焦点レンズと累進屈折力レンズは製造ラインを独立に設置して対応することが一般的であった。本願発明は、このような場合でも同一の製造ラインで行うことを可能にしたものである。
本発明に係る累進多焦点レンズの製造システムにおける一実施の形態が実施する製造工程を示す工程図である。 図1におけるマーキング工程に使用されるマーク検出装置を示す斜視図である。 図2のマーク検出装置を示す正面図である。 図2のマーク検出装置を示す側面図である。 図2のマーク検出装置における第1撮像光学系の撮像装置と第2撮像光学系の撮像装置とのそれぞれの視野を、累進多焦点レンズとともに示す平面図である。 仮基準マーク、基準マーク等が施された累進多焦点レンズを示す平面図である。 仮基準マーク203,204,205が付された単焦点レンズ2Aを示す図である。 品質保証マーク214が付された単焦点レンズ2Bを示す図である。
符号の説明
1A、1B 累進多焦点レンズ
12A 第1撮像光学系(仮基準マーク検出用光学系、第1光学系)
12B 第2撮像光学系(基準マーク検出用光学系、第2光学系)
20A、20B 撮像装置
23 撮像光学系切換部(切換手段)
30 マーク検出装置
31 レーザーマーキング装置
32 レンズ載置部
52、53 撮像視野
101、102 基準マーク
103、104、105 仮基準マーク
106、107、108 仮基準マーク
113 眼鏡フレームの玉型形状
114 加入度数
115 識別マーク

Claims (11)

  1. 両側レンズ面が加工されて得られる眼鏡レンズと、片側レンズ面が加工されて得られる眼鏡レンズとを、同一の製造ラインで製造する眼鏡レンズの製造システムであって、
    両側レンズ面が加工されて得られる眼鏡レンズにおいて、両レンズ面が共に加工されていない未加工レンズの片側レンズ面を加工した後、当該加工レンズ面のレンズ非使用領域に仮基準マークを施すステップと、
    片側レンズ面が加工されて得られる眼鏡レンズにおいて、未加工のセミフィニッシュレンズにおける加工済みレンズ面のレンズ使用領域に予め基準マークが施されたレンズを選択するステップと、
    上記仮基準マークを検出するための仮基準マーク検出用光学系と上記基準マークを検出するための基準マーク検出用光学系とを切り換えて、上記仮基準マークまたは上記基準マークを検出するステップと、を有することを特徴とする眼鏡レンズの製造システム。
  2. 上記両側レンズ面が加工されて得られる眼鏡レンズにおいて、仮基準マーク検出用光学系により仮基準マークを検出した後、この仮基準マークに基づき、当該眼鏡レンズ用の基準マークを、当該レンズのレンズ使用領域に施すことを特徴とする請求項1に記載の眼鏡レンズの製造システム。
  3. 上記仮基準マークは、両側レンズ面が加工されて得られる眼鏡レンズ用の基準マークよりも視認し易いように施されることを特徴とする請求項2に記載の眼鏡レンズの製造システム。
  4. 上記両側レンズ面が加工されて得られる眼鏡レンズ用の基準マークは、片側レンズ面が加工されて得られる眼鏡レンズ用の基準マークと同程度の凹形状または凸形状に施されることを特徴とする請求項2または3に記載の眼鏡レンズの製造システム。
  5. 上記両側レンズ面が加工されて得られる眼鏡レンズにおいて、当該レンズ用の基準マークの近傍に、加入度数と識別マークの少なくとも一方を仮基準マークに基づき施すことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の眼鏡レンズの製造システム。
  6. 上記片側レンズ面が加工されて得られる眼鏡レンズにおいて、基準マーク検出用光学系により基準マークを検出した後、この基準マークに基づき、当該基準マークの近傍に、加入度数と識別マークの少なくとも一方を施すことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の眼鏡レンズの製造システム。
  7. 前記眼鏡レンズは累進多焦点レンズであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の眼鏡レンズの製造システム。
  8. 前記眼鏡レンズは、物体側表面である第1の屈折表面と、眼球側表面である第2の屈折表面とに分割配分されている累進屈折力作用を備え、前記第1と第2の屈折表面とを合わせて処方値に基づいた遠用度数(Df)と加入度数(ADD)とを与える両面非球面型累進屈折力レンズであり、
    前記セミフィニッシュレンズは、一方の面が累進屈折作用を付与する非球面の光学面であり、他方の面が非光学面である累進屈折力眼鏡レンズ用セミフィニッシュレンズであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の眼鏡レンズの製造システム。
  9. 両側レンズ面が加工されて得られる眼鏡レンズにおけるレンズ非使用領域に施された仮基準マークを検出する第1の光学系と、
    片側レンズ面のみが加工済みのセミフィニッシュレンズの未加工の片側レンズ面が加工
    されて得られる眼鏡レンズにおけるレンズ使用領域に施された基準マークを検出する第2の光学系と、
    上記第1の光学系と上記第2の光学系とを切り換える切換手段と、を有することを特徴とするマーク検出装置。
  10. 前記眼鏡レンズは累進多焦点レンズであることを特徴とする請求項9記載のマーク検出装置。
  11. 前記眼鏡レンズは、物体側表面である第1の屈折表面と、眼球側表面である第2の屈折表面とに分割配分されている累進屈折力作用を備え、前記第1と第2の屈折表面とを合わせて処方値に基づいた遠用度数(Df)と加入度数(ADD)とを与える両面非球面型累進屈折力レンズであり、
    前記セミフィニッシュレンズは、一方の面が累進屈折作用を付与する非球面の光学面であり、他方の面が非光学面である累進屈折力眼鏡レンズ用セミフィニッシュレンズであることを特徴とする請求項9乃至10のいずれかに記載のマーク検出装置。
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