JP4963669B2 - 装飾合わせガラス及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス板とガラス板との間に装飾シートが積層されて封止樹脂で封止されてなる装飾合わせガラス及びその製造方法に関する。
装飾を施したガラスとして、ガラス板とガラス板との間に装飾体を封じた合わせガラスが知られている。例えば、特開平5−170490号公報(特許文献1)には、一方および他方の板ガラス夫々の内側面に中間接着膜を配し、さらにその間の全面または適所に小薄片を散在、配置したうえで両板ガラスを合着一体化したことを特徴とする装飾合わせガラスについて記載されている。これによれば、容易な手段でマイカ等の小薄片による装飾効果が発揮でき、断熱、熱線反射機能を有するとされている。しかしながら、装飾体表面に光を拡散させる凹凸等が形成されている場合には、装飾体表面が中間接着膜に埋もれてしまうので、装飾効果が失われてしまうこともあり改善が望まれていた。
特開平8−208283号公報(特許文献2)には、その主面が対向配置された2枚のガラス板と、前記2枚のガラス板の間に配置された装飾体シートと、前記2枚のガラス板を部分的に接着する接着部材と、を備えた装飾体入り合わせガラスについて記載されている。これによれば、ガラス板を部分的に接着しているだけであるので、接着面積を小さくでき、接着剤を加熱する場合に温度制御が容易であるとされている。また、ガラス板を全面で接着しないので間に空気が残留しても何ら問題が生じず、排気減圧処理等の複雑な処理が不要となり、製造工程を簡略化でき製造コストを下げることができるとされている。更に、特許文献2には、前記2枚のガラス板のうち少なくとも一方のガラス板の他方のガラス板と対向する面に飛散防止層が形成されている装飾体入り合わせガラスについても記載されている。これによれば、ガラスが衝撃により割れても、飛散防止層が形成されているガラス板はガラスが飛散しにくく、住宅の内部側に配置されたガラス板に飛散防止層を設けることで、住宅内部からの衝撃によるガラスの飛散を防止できるとされている。しかしながら、飛散防止層が形成されていない側のガラス板が割れた場合等、必ずしもガラスの飛散を防止できるわけではなかった。
特開平5−170490号公報 特開平8−208283号公報
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、装飾シートにおける凹凸表面からなる装飾面のデザインが損なわれることなく保持された装飾合わせガラスを提供することを目的とするものである。
上記課題は、第1ガラス板と第2ガラス板との間に装飾シート及び保護シートが積層されて封止樹脂で封止されてなる装飾合わせガラスであって、
第1ガラス板と装飾シートとの間、及び第2ガラス板と保護シートとの間に封止樹脂が充填され、装飾シートが凹凸表面からなる装飾面を有し、その装飾面の凸部の先端が保護シートの表面と接しており、該装飾シート及び該保護シートとの間に封止樹脂が充填されていない空間を有し、かつ装飾シート又は保護シートの少なくとも一方の端部が第1ガラス板の端部よりも内側にあることを特徴とする装飾合わせガラスを提供することによって解決される。
更に上記課題は、第1ガラス板と第2ガラス板との間に装飾シート及び保護シートを積層して封止樹脂で封止する装飾合わせガラスの製造方法であって、
第1ガラス板、第1封止樹脂シート、装飾シート、保護シート、第2封止樹脂シート及び第2ガラス板をこの順番で積層し、
装飾シート又は保護シートの少なくとも一方の端部が第1ガラス板の端部よりも内側にあるように装飾シート又は保護シートの少なくとも一方を配置し、
加熱して第1封止樹脂シート及び第2封止樹脂シートを溶融させてから冷却して封止することを特徴とする装飾合わせガラスの製造方法を提供することによっても解決される。
このとき、装飾シート及び保護シートの融点又は軟化点以下の温度で加熱することが好適な実施態様である。
本発明の装飾合わせガラスは、装飾シートの凹凸表面からなる装飾面が保護シートにより保護されて封止樹脂で封止されるため、装飾面のデザインが損なわれることなく保持される。また、第1ガラス板と装飾シートとの間、及び第2ガラス板と保護シートとの間が封止樹脂を介して固着されているため、第1ガラス板及び第2ガラス板のどちらの面が破壊されたとしてもガラスが飛散することがないため安全性に優れている。更に、本発明の装飾合わせガラスを住宅やビル等の窓ガラスとして用いた場合、窓ガラスの外側からガラス面を破壊して不法侵入を試みたとしても、短時間で封止樹脂のみならず装飾シート及び保護シートまでを破ることは容易ではないため防犯効果に優れており、また、封止樹脂が充填されていない空間を有するので防音効果及び断熱効果も改善されている。
以下、図面を参照しながら本発明をより具体的に説明する。図1は、本発明の装飾合わせガラスの一例の断面模式図である。図2は、封止処理前の積層体の一例を示した断面模式図であり、第1ガラス板2、第1封止樹脂シート7、装飾シート3、保護シート4、第2封止樹脂シート8及び第2ガラス板6がこの順番に積層されてなる例である。
本発明の装飾合わせガラス1では、装飾シート3が凹凸表面からなる装飾面を有し、その装飾面の凸部の先端が保護シート4の表面と接しており、該装飾シート3及び該保護シート4との間に封止樹脂5が充填されていない空間を有する。このように、装飾シート3の凹凸表面からなる装飾面が保護シート4により保護されて封止樹脂5で封止されるため、装飾面のデザインが損なわれることなく保持される。特に、装飾シート3が装飾面で光を拡散や屈折させるようなシートである場合、スリガラスや型板ガラスと同等の機能を有する装飾合わせガラス1が得られ、ガラス表面に水滴や指紋等が付いてもスリガラスや型板ガラスとしての装飾機能が損なわれないため好ましい。このように、装飾シート3が光拡散シートである場合、装飾シート3と保護シート4との間が封止樹脂5で充填されてしまうと光を拡散させることが困難となるため、本発明の構成を採用する意義が大きい。
本発明の装飾合わせガラス1は、第1ガラス板2と第2ガラス板6との間に装飾シート3及び保護シート4が積層されて、第1ガラス板2と装飾シート3との間、及び第2ガラス板6と保護シート4との間に封止樹脂5が充填されてなるものである。このように、第1ガラス板2と装飾シート3との間、及び第2ガラス板6と保護シート4との間が封止樹脂5を介して固着されているため、第1ガラス板2及び第2ガラス板6のどちらの面が破壊されたとしてもガラスが飛散することがないため安全性に優れている。更に、本発明の装飾合わせガラス1を住宅やビル等の窓ガラスとして用いた場合、窓ガラスの外側からガラス面を破壊して不法侵入を試みたとしても、短時間で封止樹脂5のみならず装飾シート3及び保護シート4までを破ることは容易ではないため防犯効果に優れており、また、封止樹脂5が充填されていない空間を有するので防音効果にも優れている。
本発明の装飾合わせガラス1は、装飾シート3の凹凸表面からなる装飾面の先端と保護シート4の表面とが接しているので、接している部分を介した熱伝導を考慮する必要があるが、装飾シート3と保護シート4との間に封止樹脂5で充填されていない空間を有するため断熱効果が期待できる。ここで、本発明の装飾合わせガラス1を製造するにあたっては、通常、第1ガラス板2と第2ガラス板6との間にある空気を真空排気して封止する。このとき、装飾シート3と保護シート4との間にある封止樹脂5が充填されていない空間も減圧状態に保たれていると考えられるため、より高い断熱効果が期待できる。また、時間の経過とともに、装飾シート3と保護シート4との間にある封止樹脂5が充填されていない空間には、気体や何らかの揮発分等が浸入することも想定されるが、前記空間の減圧状態が保たれなくなった場合であっても、断熱効果が期待できると考えられる。
本発明で用いられる装飾シート3としては、凹凸表面からなる装飾面を有するものであれば特に限定されず、プラスチック、金属、紙、布等から構成されるものを用いることができる。第1ガラス板2と第2ガラス板6との間に装飾シート3及び保護シート4を積層して封止樹脂5で封止した際に、装飾面の凹凸形状がつぶれることなく維持されるとともに防犯効果が優れている観点から、装飾シート3はプラスチック又は金属から構成されることが好ましい。中でも、軽量性や取り扱い性の観点から、装飾シート3はプラスチックから構成されることがより好ましい。また、本発明の装飾合わせガラス1を透明性が要求される用途に用いる場合、装飾シート3が透明であることが好ましい。ここで要求される透明性は、一定割合の光が透過しさえすればよいという意味である。したがって、例えば、装飾シート3が着色していてもよいし、白濁していてもよい。プラスチックから構成される装飾シート3は、単層樹脂シートや少なくとも1層以上の樹脂層を有する多層樹脂シートであってもよい。用いられる樹脂は特に限定されず、ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステル樹脂、ポリフッ化ビニリデンに代表されるフッ素系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等が好適に用いられる。中でも、強度や接着性の観点からポリエステル樹脂がより好適に用いられる。また、装飾シート3が多層樹脂シートである場合、同じ種類の樹脂や異なる種類の樹脂を積層しても構わない。
装飾シート3の装飾面に凹凸形状を形成する方法としては特に限定されない。例えば、エンボスロールを用いて成形してもよいし、物理的あるいは化学的にエッチングして形成してもよいし、粒子を含むコーティング処理を施してもよい。ここで、凸部の高さは、装飾シート3と保護シート4とを積層した際に装飾シート3と保護シート4との間に封止樹脂5で充填されていない空間が形成される程度であれば特に限定されず、0.001〜0.5mmであることが好ましい。凸部の高さは0.002mm以上であることがより好ましく、0.005mm以上であることが更に好ましい。一方、凸部の高さが0.5mmを超える場合、装飾シート3と保護シート4との間に封止樹脂5が流入してしまうおそれがあり、0.2mm以下であることがより好ましく、0.1mm以下であることが更に好ましい。
本発明で用いられる装飾シート3の厚さは特に限定されず、板状のものからフィルム状のものまで使用することができる。装飾シート3の厚さは、0.01〜1mmであることが好ましい。装飾シート3の厚さが0.01mm未満の場合、防犯効果が低くなるおそれがあり、0.02mm以上であることが好ましく、0.03mm以上であることが更に好ましい。一方、装飾シート3の厚さが1mmを超える場合、得られる装飾合わせガラス1の厚みが厚くなるとともに製造コストが高くなるおそれがあり、0.8mm以下であることがより好ましく、0.5mm以下であることが更に好ましい。また、装飾シート3として光拡散シートを用いた場合、凹凸形状からなる装飾面で光を拡散させるだけでなく、入射した光を装飾シート3内部でも拡散させるように装飾シート3がバインダー樹脂中に光拡散粒子を分散させた光拡散層を含んでいてもよい。
本発明で用いられる保護シート4は、装飾シート3の凹凸表面からなる装飾面を保護することができ、透明性を有するものであれば特に限定されない。ここで要求される透明性は、装飾面を保護した際に装飾面が視認できる程度に一定割合の光が透過しさえすればよいという意味である。したがって、例えば、保護シート4が着色していてもよいし、白濁していてもよい。また、保護シート4の材質は特に限定されないが、軽量化の観点からプラスチックから構成されることが好ましい。プラスチックから構成される保護シート4としては、単層又は多層からなる樹脂シートであることが好ましい。用いられる樹脂は特に限定されず、ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステル樹脂、ポリフッ化ビニリデンに代表されるフッ素系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等が好適に用いられる。中でも、強度や接着性の観点からポリエステル樹脂がより好適に用いられる。また、保護シート4が多層樹脂シートである場合、同じ種類の樹脂や異なる種類の樹脂を積層しても構わない。
本発明で用いられる保護シート4の厚さは特に限定されず、板状のものからフィルム状のものまで使用することができる。保護シート4の厚さは、0.01〜2mmであることが好ましい。保護シート4の厚さが0.01mm未満の場合、保護シート4の強度が低下して装飾面を保護することが困難となるおそれがあり、0.02mm以上であることがより好ましく、0.03mm以上であることが更に好ましい。一方、保護シート4の厚さが2mmを超える場合、合わせガラスの作製が困難となるおそれがあるとともに、ガラスとの熱膨張係数の違いにより剥離が生じるおそれがあり、1mm以下であることがより好ましく、0.8mm以下であることが更に好ましく、0.5mm以下であることが特に好ましい。
本発明で使用するガラス板は特に限定されず、用途や目的に応じて選択される。通常、第1ガラス板2と第2ガラス板6とは実質的に同じ形状であるが、厚みや素材は異なっていてもよい。ガラス板の厚みは、1mm以上であることが好ましい。薄すぎる場合、製造中にガラス板が破損するおそれがある。また、ガラス板が厚い場合、上下からの荷重の影響が大きく、加熱時の熱伝導にも時間を要するため、封止操作の工夫が必要な場合がある。ガラス板の厚みは、より好適には2mm以上である。一方、ガラス板の厚みは、好適には20mm以下であり、より好適には10mm以下である。また、ガラス板の面積は用途によって様々であるが、本発明によれば、1m以上の大型の装飾合わせガラス1を製造することも容易である。
本発明で使用するガラス板としては、貼り合わせ時に破損しにくく安全性や防犯性に優れる点から強化ガラスが好適に用いられる。具体的には、表面圧縮応力が20MPa以上のガラス板を用いることが好ましい。ここで、ガラス板の表面圧縮応力は、JIS R3222に準じて測定される値である。表面圧縮応力が20MPa以上のガラス板としては、具体的には、倍強度ガラス、強化ガラス、超強化ガラスなどが挙げられる。倍強度ガラスは表面圧縮応力が通常20〜60MPaのものであり、強化ガラスは表面圧縮応力が通常90〜130MPaのものであり、超強化ガラスは表面圧縮応力が通常180〜250MPaのものである。また、表面圧縮応力を大きくするほど、強度は向上するが、反りが大きくなりやすい。
本発明の装飾合わせガラス1は、装飾シート3又は保護シート4の少なくとも一方の端部が第1ガラス板2の端部よりも内側にあることを特徴とする。このことにより、得られる装飾合わせガラス1の接着強度が良好となる。特に、装飾シート3及び保護シート4の端部の両方ともが第1ガラス板2の端部よりも内側にある構成とすることにより、第1ガラス板2の周縁部と第2ガラス板6の周縁部が封止樹脂5を介して接着されるため、得られる装飾合わせガラス1の接着強度がより良好となる。装飾シート3又は保護シート4の端部と第1ガラス板2の端部との距離については得られる装飾合わせガラス1の大きさにより適宜調節する必要があるが、2mm以上であることが好ましく、5mm以上であることがより好ましい。一方、装飾シート3又は保護シート4の端部と第1ガラス板2の端部との距離は、通常、100mm以下である。
本発明で用いられる封止樹脂5の材質は、透明であって熱可塑性及び接着性を有するものであれば特に限定されないが、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリビニルブチラール及びポリウレタンからなる群から選択される一種の樹脂が好適に使用される。このとき、架橋可能な熱可塑性樹脂、特に加熱することによって架橋反応が進行する樹脂であることが強度や耐久性の面からは好ましい。したがって、このような樹脂をシートの形態で第1ガラス板2と装飾シート3との間、及び保護シート4と第2ガラス板6との間に挟み、加熱溶融してから、必要に応じて架橋反応を進行させ、その後冷却固化させて、装飾シート3及び保護シート4を封止する。加熱によって架橋されるものを使用することによって、耐久性や接着性に優れたものとできる。架橋可能な熱可塑性樹脂としては、加熱した時に架橋反応が進行するものであれば特に限定されない。例えばEVAであれば架橋剤を配合して加熱することで架橋させることができるし、ポリウレタンであればイソシアネート基と水酸基とを反応させることによって架橋させることができる。
封止樹脂5としてポリウレタンを用いる場合、柔軟性に優れているので、ガラスとプラスチックのように熱膨張係数の大きく異なる材料を組み合わせて使用する際にも、剥離が生じにくく好適である。さらにポリウレタンは、貫通強度にも優れている。
架橋可能な熱可塑性樹脂のうちでも、架橋剤を含有する熱可塑性樹脂を使用することが好適である。このときの熱可塑性樹脂は、架橋剤とともに加熱した時に架橋反応が進行するものであれば特に限定されないが、透明性、柔軟性、耐久性などに優れたエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が最も好適に使用される。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)としては、酢酸ビニル単位が部分的にケン化されたものを用いてもよい。
本発明の装飾合わせガラス1を製造するにあたっては、封止樹脂シートを第1ガラス板2と装飾シート3との間、及び第2ガラス板6と保護シート4との間に挟み、加熱溶融してから冷却固化させて、装飾シート3及び保護シート4を封止する。封止樹脂シートがEVA樹脂に架橋剤を含有するものであることが好ましく、この場合には、加熱溶融してから架橋反応を進行させ、その後冷却することで架橋されたEVAで封止することができる。封止樹脂シート中のEVAは、DSC法で測定した融点が50〜80℃のものであることが、透明性と形態保持性のバランスの観点から好ましい。
封止樹脂シートは、その片面又は両面に適当なエンボスを有していてもよく、このことにより、ブロッキングを防止でき、気泡残りも抑制しやすくなる。封止樹脂シートの厚さは0.1mm以上であることが好ましく、0.2mm以上であることがより好ましい。一定以上の厚みとすることで、ガラス板と装飾シート3とが均一に接着される。一方、封止樹脂シートの厚さは、通常、3mm以下であり、2mm以下であることが好ましい。封止樹脂シートは1枚又は複数枚重ねて厚みを調節して使用することができる。
また、本発明において各種の易接着処理を行ってもよい。ここで、易接着処理とは、シート間の接着性を向上させる機能を付与する処理のことをいう。本発明において、封止樹脂シートと装飾シート3との接着性を向上させる場合は、装飾シート3と接する側の封止樹脂シートの表面に易接着処理を行うことが好ましく、封止樹脂シートと保護シート4との接着性を向上させる場合は、保護シート4と接する側の封止樹脂シートの表面に易接着処理を行うことが好ましい。また、装飾シート3や保護シート4が予め易接着処理されていても構わない。易接着処理としては、例えば、シート表面にイソシアネート系プライマーに代表されるウレタン樹脂等を塗布してプライマー層を形成する処理、シランカップリング剤を塗布する処理、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線照射処理などが挙げられる。
以上説明した、装飾シート3、保護シート4、ガラス板及び樹脂シートを用いて装飾合わせガラス1が製造される。以下に具体的な製造方法について説明する。
まず、図2を用いて積層構成について説明する。図2は、封止処理前の積層体の一例を示した断面模式図であり、第1ガラス板2、第1封止樹脂シート7、装飾シート3、保護シート4、第2封止樹脂シート8及び第2ガラス板6がこの順番で積層されている。
まず、第1ガラス板2の上に実質的にその全面を覆うように第1封止樹脂シート7を重ねる。第1封止樹脂シート7は装飾シート3の裏面と接するものである。引き続き、第1封止樹脂シート7の上に、装飾シート3の凹凸面が保護シート4と接するようにして装飾シート3と保護シート4をこの順番で積層する。このとき、装飾シート3及び保護シート4の少なくとも一方の端部が第1ガラス板2の端部よりも内側にあるように配置される。このことにより、得られる装飾合わせガラス1の接着強度が良好となる。配置する方法としては、装飾シート3と保護シート4の中心軸が重なるように配置することが好ましい。次に、保護シート4の上に第2封止樹脂シート8と第2ガラス板6とが積層されて封止処理前の積層体10が得られる。このとき、装飾シート3又は保護シート4の周縁部に樹脂シート片を配置してもよく、このことにより、得られる装飾合わせガラス1の接着強度を向上させることができる。また、本発明では、装飾シート3と保護シート4を複数積層した構成にしてもよい。特に、凹凸表面からなる装飾面が装飾シート3の両面に形成されている場合には、装飾シート3の両面にそれぞれ保護シート4が積層された構成が好適に採用される。
本発明の装飾合わせガラス1の製造方法は、積層体を加熱して第1封止樹脂シート7及び第2封止樹脂シート8を溶融させてから冷却して封止することを特徴とする。このとき、第1ガラス板2と装飾シート3との間、及び保護シート4と第2ガラス板6との間の空気を排出してから溶融させることが好ましい。一方、装飾シート3と保護シート4との間にある封止樹脂5が充填されていない空間には空気が残存したままでも構わないが、得られる装飾合わせガラス1の断熱効果を更に高める観点からは、ほぼ真空に近い状態になるように空気が排出されることが好ましい。
図3は、封止処理装置の一例の模式図である。この封止処理装置は、積層体10を内部に収容する複数の封止処理容器11を有し、封止処理容器内の空気の排出操作や、封止処理装置内の加熱操作及び圧力調整操作の可能なものである。封止処理容器11はその一部又は全部が気体非透過性の柔軟な膜からなるものである。当該膜の素材は、気体非透過性の柔軟な膜であれば良く、一定以上の柔軟性と強度があって、膜の内部が真空になった時や膜の外部が加圧状態になった時に外気圧が積層体10全体に均一にかかるようになるものであれば特に限定されず、ゴムや樹脂のシートやフィルムが使用できる。このとき、全体が気体非透過性の柔軟な膜からなる袋を使用することが好ましい。この場合には、封止処理容器11は単なる袋であるから、様々な形状や寸法の装飾合わせガラス1を製造する際に柔軟に対応することが可能であり、建材や内装材など、多様な寸法の製品を製造することが要求される用途に対して好適である。
特に、積層体10において、第1ガラス板2又は第2ガラス板6の少なくとも一方が湾曲したガラス板である場合に、このような封止処理容器11を使用することが好ましい。封止処理容器11の内部を減圧して上下からの荷重が積層体10にかかった時に、ガラス板が割れるのを防止することができる。この場合には、封止処理容器11である袋を、ガラス板の表面に沿わせてから封止するのが好ましい。
また、積層体10が、取付け金具などのようにガラス板から外側へ突出した部材を有する場合にも、このような封止処理容器11を使用することが好ましい。この場合にも、封止処理容器11である袋を、突出した部材の形状に沿わせてから封止するのが好ましい。突出した部材の形状によっては、その形状に対応したポケットを有する袋を使用してもよい。また、突出部に過剰の荷重がかかるのを防止するために、突出部を、減圧時に変形しにくいカバーで覆ってから、封止処理容器11の中に導入することも好ましい。こうすることによって封止処理容器11の破損を防止することもできる。
積層体10を封止処理容器11に導入する際には、積層体10の外縁を通気性のある素材からなるブリーダー12で覆って、積層体10内部の溶融樹脂が流出するのを防ぐとともに、積層体10内部からの空気の排出ルートを確保することが好ましい。ブリーダー12に使用される素材としては、織布、編地、不織布などの布帛が使用可能である。
このようにして積層体10が入れられた複数の封止処理容器11をオーブン13内に導入して相互に間隔をあけて平行に配置する。これによって、封止処理容器11内の積層体10は相互に平行に配置されることになる。複数の封止処理容器11は、上下方向に間隔をあけて重ねて配置されることが好ましい。所定の間隔をあけて配置する方法は特に限定されず、所定の間隔を有する棚をオーブン13内に設ける方法などが例示される。
オーブン13内において積層体10と平行の向きに熱風を流すことによって積層体10を加熱する。積層体10と平行の向きに熱風を流すことによって、積層体10に効率良くかつ均一に熱を伝えることが可能である。このとき、封止処理容器11の下面にも熱風が接触するようにすることが好ましく、そのためには、封止処理容器11と棚との間にスペーサーを配置する方法や、棚自体を網棚にする方法などが好適に採用される。熱風を供給する方法は特に限定されず、オーブン13内にヒーターを設けて、ファンを用いて積層体10と平行の向きに熱風を流しても良い。しかしながら、オーブン13の外部にヒーターを設けて、熱風をオーブン13内に導入する方法が、均一に加熱しやすくて好ましい。この場合、オーブン13が、熱風導入口と、その反対側に設けられた熱風導出口とを有し、熱風導入口から熱風導出口へと流れる通路の間に複数の封止処理容器11が配置されることが好ましい。また、オーブン13内を実質的に大気圧に維持しながら積層体10を加熱することが、装置コストの面から好ましい。
封止処理に際しては、前記封止処理容器11内を減圧して第1ガラス板2と第2ガラス板6との間の空気を排出する。図3の封止処理装置では、それぞれの封止処理容器11に排気するためのパイプ14が接続されている。パイプ14は、3本まとめられてパイプ15に接続されている。さらにこのようにまとめられたパイプ15が6本(一部図示を省略)、タンク16に接続されている。タンク16は真空ポンプ17に接続されており、これによって封止処理容器11内部の空気を排出することが可能である。封止処理容器11の数は、複数であれば特に限定されないが、生産効率を考慮すれば、6個以上であることが好ましく、12個以上であることがより好ましい。
6本のパイプ15のそれぞれには、バルブ18を介して圧力計19が接続され、またパイプ15中の流れを遮断することの可能な圧力調整弁20が設けられている。これによって、パイプ15に接続された封止処理容器11のいずれかに漏れが発生した場合に、圧力計19が圧力の上昇を検知し、制御回路21が圧力調整弁20に信号を送って圧力調整弁20を閉じる。これによって、封止操作の途中で一つの封止処理容器11に漏れが発生しても、他の封止処理容器11にその悪影響が及ぶのを防止することができる。本発明で使用する封止処理容器11は、柔軟なシートからなるものであるし、装飾合わせガラス1の形態にしたがってさまざまな形状のものを準備する必要があるので、漏れが発生するおそれがある。したがって、このような制御方法を採用することが好ましい。図3の例では、3つの封止処理容器11ごとに一つの制御を行っているが、これは設備コストと効果とのバランスに基づくものである。圧力計19と圧力調整弁20のセットは、2セット以上あればよいが、好適には3セット以上、より好適には5セット以上である。制御回路21からアラーム信号を出して、オペレーターに知らせることもできる。
6本のパイプ15はタンク16に接続されており、圧力調整弁20が開いている状態では、全ての封止処理容器11がタンク16と連通している。タンク16の空気は真空ポンプ17によって排出される。また、タンク16にはコントロールバルブ22を介して外気を導入することができる。
図3の封止処理装置においては、タンク16内の圧力を制御することによって全ての封止処理容器11の内部の圧力を同時に制御することができる。タンク16内部の圧力は、バルブ23を介して接続された圧力計24で計測され、この圧力データを受け取った制御回路25がコントロールバルブ22に信号を送って外気を取り入れながら所望の圧力に微調整する。この間真空ポンプ17は運転を継続している。比較的容量の大きなタンク16に対して外気を取り込みながら制御することで封止処理容器11内の圧力の微調整が可能である。
また、封止処理容器11内の減圧操作を開始する前に、圧力調整弁20及びコントロールバルブ22を閉めた状態で真空ポンプ17の運転を行うことによって、タンク16内を予め減圧しておくこともできる。この場合には、圧力調整弁20を開くことによって迅速に封止処理容器11内の空気を排出することができる。これによって、真空ポンプ17の排気能力が小さい場合であっても、封止処理容器11内を迅速に減圧するのに役立つ。
タンク16の容量は特に限定されるものではないが、10リットル以上であることが好ましく、20リットル以上であることがより好ましい。また、容量が大きすぎる場合には、コントロールバルブ22による圧力制御が迅速にできなくなるおそれがあるので、500リットル以下であることが好ましい。後に説明する実施例で使用した封止処理装置は、50リットルのタンク16を備えていた。
図3には具体的に示されてはいないが、前記オーブン13に隣接する温度調節室を少なくとも1つ設け、該温度調節室において予熱操作又は冷却操作を行うことも好適である。これによって、予熱操作や徐冷操作に必要な時間の分だけ封止操作のサイクルタイムを短縮することができる。温度調節室は、オーブン13に隣接して配置され、その内部で温度調整ができるものであれば特に限定されない。
以上説明したような封止処理装置を用いて第1ガラス板2と第2ガラス板6との間の空気を排出し、加熱して樹脂を溶融させてから冷却して封止する。このときの温度条件は特に限定されるものではなく、樹脂が溶融することの可能な温度まで上昇させれば良く、結晶性の樹脂であればその樹脂の融点以上まで加熱すれば良い。また、封止樹脂が架橋可能な熱可塑性樹脂であれば、架橋可能な温度まで上昇させて、所定の時間架橋可能な温度に保持する。圧力も積層体10内の空気を排出できて気泡残りが低減できるような圧力まで減圧できるのであればその圧力は特に限定されないが、できるだけ気泡残りを防ぐ観点からは、減圧度を上げて真空排気することが好ましい。また、装飾シート3と保護シート4との間に封止樹脂が浸入するのを防ぐ観点からは、封止樹脂が溶融又は軟化したところで、減圧度を下げて圧力を上昇させる操作を行ってもよい。また、研磨処理等を行うことにより、装飾シート3の端部から凹凸形状を数mm程度削ってもよい。このことにより、積層体10の上下から圧力がかかった際に、装飾シート3の周辺部と保護シート4の周辺部とが接するため、装飾シート3と保護シート4との間に封止樹脂が浸入するのを防ぐことができる。
具体的には、封止処理容器11内で封止するに際して、封止樹脂の融点未満の温度において封止処理容器内を減圧する工程(工程1)、減圧したままで封止樹脂の融点以上の温度まで昇温する工程(工程2)、冷却する工程(工程3)及び前記封止処理容器内の圧力を上昇させる工程(工程4)の各工程からなる封止操作を行うことが好適である。封止樹脂として架橋可能な熱可塑性樹脂を使用する場合には、工程2の後に架橋反応が進行する温度範囲で架橋反応を進行させる工程を追加で行ってもよい。
工程1は、封止樹脂の融点未満の温度において封止処理容器11内を減圧する工程である。封止樹脂の融点未満の温度で減圧することによって積層体10の内部の空気が排出される通路が確保されるものである。このとき、封止処理容器11内の圧力は、好適には0.01MPa以下、より好適には0.005MPa以下まで減圧される。十分に減圧することによって封止後の気泡残りを効果的に抑制することができる。
工程2は、減圧したままで封止樹脂の融点以上の温度まで昇温する工程であり、工程1に引き続いて行われる工程である。封止樹脂を昇温すると融点付近で弾性率が大きく低下し高粘度の液体へと変化することになるが、工程2は、そのような温度に到達するまで減圧したままにする工程である。工程2の昇温操作で到達する温度の下限値は、好適には(Tm+10)℃以上であり、より好適には(Tm+20)℃以上である。多くの封止樹脂において好適な下限値は80℃以上であり、より好適には85℃以上である。また上限値は、通常200℃以下である。ここで、昇温する際には、装飾シート3及び保護シート4の融点又は軟化点以下の温度で加熱することが好ましい。このことにより、装飾シート3及び保護シート4が破損するのを防ぐことができる。
工程2で昇温する速度はゆっくりであることが好ましく、室温から上記温度まで昇温するのにかかる時間が2分以上であることが好ましく、5分以上であることがより好ましい。ゆっくり昇温すると周縁部が先に溶融しにくく中央部に気泡が残らない。このとき、途中で昇温速度を変化させてもよいし、昇温を停止して積層体10の内部の温度分布を解消させる、バランシング操作を施しても良い。生産性の観点から、昇温時間は、通常5時間以下であり、好適には2時間以下である。
工程3は冷却する工程であり、工程2に引き続いて行われる工程である。工程3においては、通常、室温付近まで冷却するが、冷却速度が早すぎるとガラス板が割れるおそれがある。また、得られる装飾合わせガラス1に反りが発生するおそれもある。したがって、好適には5分以上、より好適には10分以上かけて冷却する。
また、工程4は封止処理容器11内の圧力を上昇させる工程である。工程4は、工程3に引き続いて行われる工程であるが、工程3よりも前に行っても後に行っても構わないし、工程3と同時に行っても構わない。通常、大気圧と実質的に同じ圧力(0.1MPa)まで昇圧する。工程3において室温付近まで冷却した後に圧力を上昇させるのであれば、短時間で昇圧すればよいが、樹脂が溶融状態にあるときに昇圧する場合には、ゆっくり昇圧するほうが好ましい。また、段階的に昇圧しても構わない。
こうして得られた装飾合わせガラス1は、周縁部まで封止樹脂5が充填されており、接着性や耐久性に優れた封止樹脂5で周縁部まで封止することができるので、信頼性の高い装飾合わせガラス1を提供することができる。特に、装飾シート3と保護シート4の両方の端部がガラス板の端部よりも内側にある場合は、封止樹脂層の周縁に装飾シート3又は保護シート4の端面が露出せず、より信頼性の高い装飾合わせガラス1を提供することができる。
気体不透過性の柔軟なシートからなる封止処理容器内で封止するという、上記製造方法によれば、第1ガラス板2又は第2ガラス板6の少なくとも一方が湾曲したガラス板である場合であっても、封止操作が容易である。この場合、曲げガラスにはさまれた装飾合わせガラス1を提供することができるので、建築物のデザインの多様化の要求に応えることができる。また、装飾合わせガラス1固定用の金具を備え、該金具がガラス板に形成された貫通孔に挿入され、該金具の頭部側の端部が封止樹脂層側に配置され、該金具の反対側の端部が外側に突出している装飾合わせガラス1も容易に製造できる。これによって、近年広く行われるようになったDPG工法に適用できる装飾合わせガラス1を提供することができる。
本発明の装飾合わせガラス1は、装飾シート3の凹凸表面からなる装飾面が保護シート4により保護されて封止樹脂5で封止されるため、装飾面のデザインが損なわれることなく保持される。特に、装飾シート3が装飾面で光を拡散させるような光拡散シートである場合、スリガラスとして機能する装飾合わせガラス1が得られる。また、様々な形状や寸法への対応が容易なので、建築物の外壁、屋根、窓、天井、内壁などに好適に使用される。
以下図面に基づいて本発明の実施例を説明する。図1は本発明の装飾合わせガラスの一例の断面模式図であり、図2は封止操作前の積層体の一例の断面模式図である。図1及び図2中の第1ガラス板2及び第2ガラス板6はソーダ石灰ガラスであり、縦210mm、横290mm、厚さ5mmの表面圧縮応力(100)MPaのガラス板を用いた。第1ガラス板2上に合わせガラス接着用中間膜である第1封止樹脂シート7を積層した。第1封止樹脂シート7は第1ガラス板2と同じ寸法のものを使用した。本実施例では合わせガラス用中間膜として松浦株式会社製のEVAシート(タケメルトF700)の厚さ0.25mmのものを使用した。本実施例において封止樹脂シートは全て同様の物を使用した。
次に第1封止樹脂シート7上に装飾シート3として凸部の高さが約10〜50μmの光拡散加工を施してあるポリエチレンテレフタレート製の光拡散シートを重ねた。本実施例では厚さ115μmの光拡散シート(株式会社きもと製、商品名ライトアップ)を縦190mm、横270mmにカットしたものを用いた。続いて光拡散シートの光拡散加工面を中間膜から保護する保護シート4を重ねた。本実施例では厚さ0.1mmのポリエチレンテレフタレート製の保護シート4(東レ株式会社製、商品名ルミラーフィルム)を縦190mm、横270mmにカットしたものを用いた。ここで、保護シート4及び光拡散シートは第1ガラス板2と比較して周辺部の余白が10mmとなるように小さくカットした物を用い、光拡散シートと保護シート4の中心軸が同一になるように重ねた。
次に第2封止樹脂シート8と保護シート4の接着性を上げる為に第2封止樹脂シート8と接する側の保護シート4の表面にイソシアネート系プライマーを20〜50g/m程度塗布した。溶媒の揮発を数分間待ち、保護シート4上に第2封止樹脂シート8を重ねた。第2封止樹脂シート8は第1ガラス板2と同じ寸法のものを使用した。続いて、縦210mm、横290mm、厚さ5mmの第2ガラス板6を重ねて積層体10を得た。
こうして得られた積層体10を用い、図3に示す封止処理装置を用いて封止操作を行った。まず、積層体10の外縁の全周をブリーダー12で覆い、封止処理容器11の中に投入しパイプ14と接続してオーブン13に入れた。
以上のようにセッティングしてから、以下の工程1〜4の封止処理操作を行った。このときの温度と圧力は、表1及び図4に示すように制御した。このとき温度はオーブン13内の温度であり、圧力は圧力調整弁20で設定した圧力である。
工程1:「封止処理装置内の温度を封止樹脂の融点未満の温度において封止処理容器内を減圧する工程」
10分間室温(20℃)で維持したまま、封止処理容器内を大気圧から0.005MPa未満まで減圧した。
工程2:「封止処理容器内を減圧したままで封止樹脂の融点以上の温度まで昇温する工程」
20分かけて室温(20℃)から100℃まで昇温し、100℃で30分間維持した。この間、封止処理容器内の圧力を0.005MPa未満に維持した。
工程3:「冷却する工程」
20分かけて100℃から20℃まで冷却した。この間、封止処理容器内の圧力を0.005MPa未満に維持した。
工程4:「封止処理容器内の圧力を上昇させる工程」
封止処理容器内の圧力を0.1MPa(大気圧)まで上昇させ、オーブン13から取り出した。
Figure 0004963669
封止操作後の装飾合わせガラスの一例の断面模式図である。 封止操作前の積層体の一例の断面模式図である。 封止処理装置の一例の模式図である。 実施例1における封止処理時の温度と圧力を示した図である。
符号の説明
1 装飾合わせガラス
2 第1ガラス板
3 装飾シート
4 保護シート
5 封止樹脂
6 第2ガラス板
7 第1封止樹脂シート
8 第2封止樹脂シート
10 積層体
11 容器
12 ブリーダー
13 オーブン
14、15 パイプ
16 タンク
17 真空ポンプ
18、23 バルブ
19、24 圧力計
20 圧力調整弁
21、25 制御回路
22 コントロールバルブ

Claims (3)

  1. 第1ガラス板と第2ガラス板との間に装飾シート及び保護シートが積層されて封止樹脂で封止されてなる装飾合わせガラスであって、
    第1ガラス板と装飾シートとの間、及び第2ガラス板と保護シートとの間に封止樹脂が充填され、装飾シートが凹凸表面からなる装飾面を有し、その装飾面の凸部の先端が保護シートの表面と接しており、該装飾シート及び該保護シートとの間に封止樹脂が充填されていない空間を有し、かつ装飾シート又は保護シートの少なくとも一方の端部が第1ガラス板の端部よりも内側にあることを特徴とする装飾合わせガラス。
  2. 第1ガラス板と第2ガラス板との間に装飾シート及び保護シートを積層して封止樹脂で封止する装飾合わせガラスの製造方法であって、
    第1ガラス板、第1封止樹脂シート、装飾シート、保護シート、第2封止樹脂シート及び第2ガラス板をこの順番で積層し、
    装飾シート又は保護シートの少なくとも一方の端部が第1ガラス板の端部よりも内側にあるように装飾シート又は保護シートの少なくとも一方を配置し、
    加熱して第1封止樹脂シート及び第2封止樹脂シートを溶融させてから冷却して封止することを特徴とする装飾合わせガラスの製造方法。
  3. 装飾シート及び保護シートの融点又は軟化点以下の温度で加熱する請求項2記載の装飾合わせガラスの製造方法。
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