JP4962121B2 - 切削工具 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンのシリンダーヘッドのバルブ穴加工等に用いるのに最適な切削工具に関するものである。
従来、エンジンのシリンダーヘッドのバルブ穴では、穴の開口部の周縁にバルブが頻繁に当たることになるため、この部分には焼結合金等の硬質部材を嵌装して耐久性を得るようにしている。このバルブ穴を加工する切削工具としては、例えば特許文献1に開示されるように、穴自体を仕上げ加工するガンリーマ等の穴加工工具と開口部周縁を加工する切刃チップとを備えたものが知られている。この切削工具では、開口部をバルブヘッドの形状に合わせてテーパ面状に形成することができるように、切刃チップが切削工具の回転軸線に対して斜交する方向にスライド可能に設けられている。
図3、図4、図5は、このようなバルブ穴の加工に用いられていた従来の切削工具の一例を示すものである。これらの図において工具本体1は略円錐状をなし、アダプタ2を介して図示しない工作機械の主軸端等に装着されてその軸線O回りに回転され、切削加工に供される。
また、この工具本体1の先端には軸線Oに沿ってブッシュ3が装着されており、このブッシュ3に上述したガンリーマ等の穴加工工具(図示略)のシャンクを嵌挿して、工具本体1ごと回転しつつ穴加工工具を前進させることにより、穴自体の仕上げ加工が可能とされている。なお、この穴加工工具の前進は、後述するスライド軸の内部に同軸に挿通された軸4により行われるようになっている。
工具本体1の先端部外周には3つの切刃チップ5A、5B、5Cが設けられており、これらの切刃チップ5A〜5Cによってバルブ穴の上記開口部周縁が加工されるようになされている。ただし、図3においては一の切刃チップ5Aだけが図示され、他の二つの切刃チップ5B,5Cは図示が略されている。
ここで、これらの切刃チップ5A〜5Cのうち、二つの切刃チップ5B,5Cは工具本体1に直接固定される一方、一つの切刃チップ5Aは上述のようにスライド可能に取り付けられている。すなわち、工具本体1にはそのなす円錐形状の母線の方向に沿って、軸線Oに斜交して図4に示すようにT溝6が形成されており、このT溝6にはスライダー7が摺動自在に嵌挿されていて、切刃チップ5Aはこのスライダー7に着脱自在に固定される。
なお、このスライダー7には径方向に調整ボルト7Aがねじ込まれていて、この調整ボルト7Aの先端が、スライダー7に装着される切刃チップ5Aの後端に当接して位置決めされることにより、切刃チップ5Aの軸線O方向の位置が調節可能とされている。
また、工具本体1およびアダプタ2の内部には、それぞれ軸線Oに沿って穴1a,2aが形成されており、これらの穴1a,2aにはスライド軸8およびカップリング部材9が挿通されている。このカップリング部材9はキー9aを介して穴1aに嵌着されており、これによって工具本体1とカップリング部材9とは軸線O回りに一体として回転可能、かつスライド軸8を進退させることにより穴1a内を進退可能とされている。
さらに、工具本体1のT溝6と穴1aとは、T溝6の底面に開口する貫通穴6aを介して連通されている。そして、スライダー7には、この貫通穴6aを通って穴1aに突出する連結ピン(スライドキー)10が、クランプネジ10aにより固定されて取り付けられて、連結ピン10がカップリング部材9に形成された斜孔9bに嵌挿されることにより、スライダー7とカップリング部材9とが連結されるようになっている。
こうすることにより、スライド軸8を介してカップリング部材9を進退させるのに伴い、スライダー7がT溝6に沿って摺動して切刃チップ5Aが軸線Oに斜交する方向に移動するようになっている。
このような構成の切削工具によりバルブ穴の加工を行うには、まず、ブッシュ3にガンリーマ等の穴加工工具を装着して軸4により工具本体1の基端側に引き込み、その上で工具本体1を回転させるとともに軸線O方向に送りを与えることにより、図5に示すように、工具に直接固定された二つの切刃チップ5B,5Cを用いて被削材Sに形成されたバルブ穴の縁部C,Cの面取りを行う。
次いで、工具本体1を一旦僅かに後退させてから、工具本体1を回転させつつ、スライド軸8およびカップリング部材9を前進させて、連結ピン10およびスライダー7を介して切刃チップ5Aを図中鎖線R方向に沿ってスライドさせることにより、バルブ穴の開口部周縁にテーパ面Pを形成するようにする。その後、工具本体1を回転させた状態で軸4により穴加工工具を前進させることで、バルブ穴の内部(バルブガイド穴)の仕上げ加工を行うようになっている。
特開平9−19811号公報
ところで、上記した従来の切削工具では、工具本体1のなす円錐形状の母線の方向に沿って、軸線Oに斜交してT溝6が形成されており、T溝6にはスライダー7が摺動自在に嵌挿され、切刃チップ5Aはこのスライダー7に着脱自在に固定されている。
このように、上記した従来の切削工具では、スライド軸8を介してカップリング部材9を進退させることによって、連結ピン10がカップリング部材9の斜孔9b内を摺動してスライダー7を斜めに摺動させるため、カップリング部材9とスライダー7との間で駆動力のロスが大きく、言い換えればスライダー7を切削抵抗に抗して所要の動力で駆動するには、より大きな動力が必要となる。
また、上記の従来の切削工具では、円錐形状の母線に沿うT溝6を正確に形成しなければ、スライダー7および切刃チップ5Aもテーパ面Pに沿った所定のテーパ角でスライドさせることができない。しかもT溝6を形成した後に修正することは困難である。
さらに、上記の従来の切削工具では、スライダー7、連結ピン10、クランプネジ10aなどの多くの部品を要していた。このような多くの部品を要することが工具本体1の構造を複雑とし、工具の組み立て容易性を阻害する一因となっていた。こうしたことにより工具製作費が高価となることがあった。
本発明は、このような背景の下になされたものであり、エンジンのシリンダーヘッドのバルブ穴加工等に用いるのに最適な切削工具であって、使用駆動力を低減するとともに、加工効率及び加工精度の向上を図り、使用部品点数の低減及び切削工具の組み立て容易性の向上を図ることのできる切削工具を提供することを目的としている。
本発明に係る切削工具では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
本発明は、軸線回りに回転される工具本体を有し、前記工具本体の先端に前記軸線に沿って延びる穴加工工具が装着され、前記工具本体の後端部が工作機械の工具保持部に保持される切削工具であって、前記工具保持部は、前記軸線方向に互いに移動可能に同軸状に配置された外周スリーブと中間スリーブと内周スリーブとを有し、前記外周スリーブの先端側には前記工具本体の後端外周部が接続され、前記内周スリーブには穴加工工具が装着され、前記中間スリーブの先端側には、前記工具本体に対して前記軸線方向のみに進退可能に支持された切刃部材が接続され、前記切刃部材は、前記工具本体の先端において前記穴加工工具の外周側に位置してその切刃が外周側に向かうに従い後端側に向けて傾斜するように配置されることを特徴とする。
本発明によれば、中間スリーブを軸線周りに回転させながら外周スリーブに接続された工具本体と同じ軸線の方向に沿ってのみ摺動させることにより、中間スリーブに接続された切刃部材の切刃によってバルブ穴にテーパ面状の傾斜を形成することができる。このため、従来の切削工具よりも簡素な構成を用いてテーパ面状の傾斜を形成することができる。
従って、このように中間スリーブを軸線の方向に摺動させながら切削を行うことにより、従来はスライダーを工具本体のなす円錐形状の母線の方向に摺動させながら切削を行わざるを得なかったバルブ穴開口部のテーパ面の面取りを、切刃部材を設けた中間スリーブに取り付けられた一つの切刃部材の軸線の方向の摺動により行うことが可能となる。
また、中間スリーブの移動により直接的に切刃部材を進退駆動させてテーパ面の加工ができるので駆動の軽減を図ることができる。しかも、切刃部材は軸線方向に沿ってのみ進退させればよく、テーパ角は切刃部材で調整可能なので精度を確保しやすい。
本発明に係る他の切削工具は、上記において、前記中間スリーブの先端側には、前記工具本体の後端内周部に前記軸線方向のみに進退可能に収容されたカップリング部材が接続され、前記切刃部材は、前記工具本体の先端において前記穴加工工具の外周側に開口して前記軸線方向に延びる長孔に挿入されたスライドブロックの先端に設けられ、前記スライドブロックと前記カップリング部材は、これらスライドブロックとカップリング部材との間に介装されるスリーブ部材に挿通されたボルト部材により連結されて固定されることを特徴とする。
本発明によれば、中間スリーブに接続されたカップリング部材とスライドブロックとがボルト部材により固定されることによって、中間スリーブの軸線の方向の動きをボルト部材によってスライドブロックに直接的に伝達して切刃を軸線の方向に摺動させ得る簡素な構成を提供する。そして、これらスライドブロックとカップリング部材との間には前記ボルト部材が挿通されるスリーブ部材が介装されているので、このスリーブ部材を長さの異なるものに交換することにより、スライドブロックとカップリング部材との間隔を調節して、中間スリーブから切刃までの距離を調整することが可能となる。
本発明に係る他の切削工具は、上記において、前記スライドブロックは、軸線に対して交差し、かつ互いに交差する少なくとも2方向から押圧され工具本体に支持されることを特徴とする。
本発明によれば、スライドブロックは、その摺動する軸線の方向に対して垂直かつ互いに直交する2方向からスプリングにより押圧付勢されて工具本体内に支持されるので、切刃部材を精度よく進退させて一層高精度の加工が可能となる。
本発明によれば、切刃部材を軸線方向に進退可能に配置することで切刃を工具本体と同じ軸線方向にスライド可能な構成とすることにより、従来、工具本体のなす円錐形状の母線の方向に沿って設けたスライダーを母線の方向にスライドさせていた構成と同じように、バルブ穴等の加工効率及び加工精度の向上を図ることを可能とすると同時に、従来の構成よりも駆動力の低減と使用部品点数の大幅な低減とを図ることができる。
以下、本発明に係る切削工具の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る切削工具の一実施形態を示す側断面図であり、図2は、図1に示す実施形態の正面図である。
切削工具11は、加工時に軸線O回りに所定の回転方向(図2における反時計回り方向)に回転される略円錐形状の工具本体12と、この工具本体12の工具先端側(図1において左側)に向けて軸線Oに沿って延びる穴加工工具としての長尺状のリーマ13と、工具本体12の工具先端側外周に向けて配置される切刃部材14とを有している。リーマ13は、概略円柱状をなしており、その先端側部分に刃先部13Aが形成されるとともに、後端側部分がシャンク部13Bとされている。
工具本体12は、図1に示すように、その後端側で同軸状に配置された工作機械の主軸の略円筒状の外周スリーブ21の先端部と不図示のドライブピン及び係合穴等により連結していて、外周スリーブ21の回転は工具本体12に伝達されるようになっている。外周スリーブ21の内周側には略円筒状の中間スリーブ22が同軸状に配置され、中間スリーブ22の内周側には略円筒状の内周スリーブ23が同軸状に配置されている。
工具本体12は、工具先端側から後端側(図1において右側)に向かうにしたがい外径が大きくなる多段円錐状をなしており、軸線O方向中央部に胴部24が形成され、この胴部24の工具後端側を向く面24Aは軸線Oと直交する平坦面となっている。
工具本体12の内周孔の先端側部分は小径孔26とされており、小径孔26の工具後端側に一段内径が大きくされた大径孔27が連設されている。小径孔26には、その内周側にリーマ13のシャンク部13Bが挿入されるブッシュ15が嵌入されている。大径孔27には略円筒状をなすカップリング部材70が第1キー部材52を介して装入されて、軸線O方向に摺動自在、かつ軸線O周りに工具本体12と一体に回転可能とされている。
中間スリーブ22は、その先端側がカップリング部材70の内周側に対して軸線O方向に係合するように嵌挿されている。具体的には、中間スリーブ22の先端部に一体的に設けた花弁形係合突部56と、カップリング部材70の後端部に設けた花弁形係合凹部58との係合により軸線O方向に連結される。
中間スリーブ22の内周側には、内周スリーブ23が嵌挿され、リーマ13のシャンク部13Bに連結可能とされていて、中間スリーブ22の進退に伴いカップリング部材70が進退されるとともに、内周スリーブ23の送り出しによりリーマ13の送りがなされるように設定されている。
工具本体12の先端側の軸線Oから外周側に僅かに離れた位置には、軸線O方向に沿って延びる長孔30が形成されている。長孔30の軸線Oの方向に垂直な平面による断面形状は、図2に示すように矩形断面状とされ、この矩形の一辺と軸線Oから径方向に延びた直線とが直交するように形成されている。
この長孔30内には、長孔30と平行に延びる略直方体状のスライドブロック31と、平板状の一対の側壁板80、81とが配置されている。
スライドブロック31は、後端側が長孔30内に挿入され、先端側部分に設けた切刃部材14が工具本体12の先端側外周に向けて突出するようにされており、長孔30内に沿って軸線O方向に摺動可能になっている。切刃部材14はクランプネジ16によりスライドブロック31に固定されており、その切刃14Aが、形成すべきテーパ面の傾斜に合わせて工具本体12の外周側に向かうに従い後端側に向かうように傾斜させられている。
スライドブロック31の後端側にはネジ孔が軸線Oに平行に形成されるとともに、カップリング部材70には、このネジ孔と同軸となるようにボルト挿通孔34が設けられ、さらにスライドブロック31とカップリング部材70との間には、これらネジ孔とボルト挿通孔34とに内周部が連通する円筒状のスリーブ部材37が介装されている。そして、これらボルト挿通孔34とスリーブ部材37の内周部とには、ボルト部材としてのボルト36がカップリング部材70側から挿通されて前記ネジ孔にねじ込まれており、スライドブロック31の後端側とカップリング部材70とは、間にスリーブ部材37を挟み込むようにしてこのボルト36により連結されている。
一方の側壁板80は、図2に示すように、スライドブロック31の軸線Oに対する外周側の面に当接している。工具本体12には径方向に大径の大ネジ孔72Aが、この側壁板80には径方向に小径の小孔72Bが設けられており、この小孔72Bには小径の胴部にコイルスプリング82を巻装した第1支持ボルト74の先端部が挿入されて、大ネジ孔72Aには第1支持ボルト74のネジ山が形成された大径の頭部がねじ込まれることで、側壁板80を軸線Oに対する内周側に押圧付勢している。これに伴い、スライドブロック31もこの側壁板80によって径方向内周側に押圧支持されるようになっている。
他方の側壁板81は、図2に示すように、加工時の工具本体12の回転方向を向くスライドブロック31の側面に当接している。工具本体12の軸線Oの方向に離れた2箇所には、軸線Oに垂直かつ第1支持ボルト74のねじ込まれる方向とは直交する方向に大径の大ネジ孔73Aが、対向する側壁板81の2箇所には小径の小孔73Bが設けられており、この小孔73Bには小径の胴部にコイルスプリング83を巻装した第2支持ボルト75の先端部が挿入されて、大ネジ孔73Aには第2支持ボルト75の頭部がねじ込まれることで、側壁板81を回転方向の後方側(図2における時計回り方向側)に押圧付勢し、これに伴いスライドブロック31も側壁板81によってこの回転方向後方側に押圧支持されるようになっている。
このように、スライドブロック31は、これら一対の側壁板80、81のコイルスプリング82、83によって、その摺動する軸線Oに対して交差する方向で、かつ互いにも交差する2方向(本実施形態では直交する2方向)から押圧付勢されることにより、工具本体12の長孔30内に軸線O方向に摺動可能に支持される。
中間スリーブ22の内周孔の工具先端側には、その外周面にギア歯39が形成されたナット部材38が収容され、このナット部材38の工具後端側に内周スリーブ23が挿入されている。
内周スリーブ23に形成された内周孔は、先端面に向けて開口した第1孔40と、この第1孔40よりも一段小径とされた第2孔41と、この第2孔41よりもさらに一段小径の第3孔42とが連設されて構成されている。この第1孔40には、ナット部材38の工具後端側部分が嵌入されている。
第2孔41には、リーマ13を支持するためのチャック43が挿入されている。チャック43は、軸線O方向に縦列するように配置された一対のチャック部材44、45と、これらチャック部材44、45の径方向内側に配置されるコレット46とから構成されている。
チャック部材44、45は、第2孔41に嵌挿可能な外径を有する概略円筒状に形成されており、工具先端側に配置されるチャック部材44はナット部材38の工具後端側を向く面に当接させられ、工具後端側に配置されるチャック部材45は第2孔41の工具先端側を向く底面に当接させられるとともに、これら一対のチャック部材44、45の間には軸線O方向に間隔が開けられて配置されている。さらに、これらのチャック部材44、45の内周側には、互いに他方のチャック部材45、44側に向かうにしたがい漸次拡径するテーパ部44A、45Aが形成されている。
コレット46は、その外周側がテーパ部44A、45Aと密着するような形状とされた概略円筒状をなしており、その円筒壁部には、コレット46の中心軸を含む平面に沿った多数のスリット(図示なし)が形成されていて、このスリットに挟まれた部分が中心軸に対する径方向内側に撓むことにより、コレット46の内径が縮径される構成とされている。このコレット46の内周側にリーマ13のシャンク部13Bが挿入されている。
中間スリーブ22の工具先端側部分には、チャック43の工具先端側に配置されたナット部材38を軸線O方向に進退可能に移動させる移動部材47が配置されている。
この移動部材47は、軸線Oと平行に延びる円柱状をなしており、移動部材47の工具後端側に、円板状をなしてその外周にウォーム歯48を有するウォームギア部49が形成されている。このウォーム歯48はナット部材38の工具先端側外周面に形成されたギア歯39と歯合され、移動部材47を回転させることでナット部材38を軸線O方向に移動可能な構成とされている。この移動部材47の工具先端側には、六角棒レンチ等の作業用工具と係合する係合孔50が形成され、この係合孔50が工具本体12の先端面に露呈されている。
工具本体12の大径孔27の工具後端側部分には、軸線Oと平行に延びるキー溝51が形成され、カップリング部材70の外周面の後端側部分に、キー溝51に嵌入されるキー部材52が備えられており、このキー溝51とキー部材52とが係合することで工具本体12とカップリング部材70との相対回転が防止されている。
中間スリーブ22には、中間スリーブ22と内周スリーブ23とが軸線O方向に容易に相対移動しないように内周スリーブ23を押圧する止めネジ55が備えられている。また、中間スリーブ22とカップリング部材70は、上述したように中間スリーブ22の前端部に一体的に設けた花弁形係合突部56と、カップリング部材70の後端部に設けた花弁形係合凹部58との係合により軸線O方向に連結される。これにより中間スリーブ22とカップリング部材70とが軸線O方向に容易に相対移動することが防止されている。
工具本体12の工具後端側には、工作機械の工具保持部62に取り付けられる取付部61が形成されている。
外周スリーブ21の胴部24の工具後端側を向く面24Aには、図2に示すように円弧状をなすガイド溝57が形成されている。このガイド溝57には、工作機械のうち外周スリーブ21の胴部24の工具後端側を向く面24Aと対向する部分に配置されたガイドピン77が係合されており、工作機械と工具本体12とはこのガイド溝57に案内されて相対回転するように構成されている。
工具本体12の先端側外周には、図2に示すように、互いに周方向に異なる位相で2個の固定切刃20が設けられる。各固定切刃20は、半径方向及び軸線O方向における刃先位置がそれぞれ互いにずれるように調整されて工具本体12の先端側外周に固定される。
上記構成の動作について説明する。
工具本体12にリーマ13を装着する際には、コレット46の内周を拡径させた状態でリーマ13のシャンク部13Bをブッシュ15、ナット部材38、コレット46の内部へと挿入し、外周スリーブ21の先端面側に露呈された移動部材47の係合孔50に六角棒レンチ等の作業用工具を係合させて回転させることにより、ナット部材38を工具後端側へと移動させる。
すると、ナット部材38の工具後端側を向く面がチャック部材44、45を押圧することになり、コレット46の内径が縮径するように変形し、リーマ13のシャンク部13Bを支持することになる。
以上で準備が完了し、工具本体12を軸線O周りに前記回転方向に回転させると、リーマ13の刃先部13Aがバルブ穴を切削し、固定切刃20が縁部の面取りをする。さらに、工具本体12を軸線O周りに回転させながら僅かに後退させ、次いで中間スリーブ22を軸線O方向先端側に移動させることによって、カップリング部材70が前進して、ボルト36およびスリーブ部材37を介してスライドブロック31が軸線O方向に摺動しつつ前進し、このスライドブロック31先端に取り付けられた切刃部材14の切刃14Aがテーパ面を切削する。
上記のように、本実施形態では、内周スリーブ23に穴加工工具であるリーマ13が支持されるとともに、中間スリーブ22に軸線O方向のみに摺動可能なスライドブロック31が連結されていて、このスライドブロック31に取り付けられた切刃部材14の切刃14Aが、形成すべきテーパ面に応じたテーパ角で工具本体12の外周側に向かうに従い後端側に向かうように傾斜しているので、上述したような切削加工を行う際に、中間スリーブ22を軸線O方向に移動させてスライドブロック31及びこのスライドブロック31に装着された切刃部材14を軸線O方向のみに移動させることにより、バルブ穴の開口部周縁をテーパ状に加工することができる。
このため、比較的簡略な構成でありながら、このようなテーパ状の加工を行うことができ、必要とされる部品数の削減を図るとともに、工具本体12には前記軸線Oに平行な長孔30を形成したりして切刃部材14を案内するように構成すればよく、従来のように工具本体がなす円錐の母線に沿ってT溝を形成したりするのに比べて、工具本体12の加工、製造が容易でもある。また、この切刃14Aが設けられた切刃部材14を、中間スリーブ22の移動によって直接的に進退駆動させてテーパ面の加工ができるので、駆動力のロスが少なく、したがって駆動力の軽減を図ることもできる。
さらに、本実施形態では、前記テーパ面を切削する切刃部材14の進退を、工具本体12の軸線O方向への送りとは独立して制御することが可能であり、従って、切刃14Aの送りを切削条件等に応じて調整することができる。例えば、この切刃14Aの送りを、リーマ13や固定切刃20の送りよりも小さくすることにより、前記テーパ面を一層高精度に加工することができる。しかも、この切刃14Aの傾斜は、切刃部材14ごとに調整可能であるので、テーパ角自体の精度も確保することができる。
また、本実施形態では、中間スリーブ22の先端側に、やはり軸線O方向のみに進退可能とされたカップリング部材70が接続されるとともに、切刃部材14は前記長孔30に挿入されたスライドブロック31に取り付けられており、これらカップリング部材70とスライドブロック31とがスリーブ部材37を介してボルト36により連結されているので、中間スリーブ22の軸線O方向の移動を、カップリング部材70を介して直接的に切刃14Aの進退として伝達することができる。このため、切刃14Aが軸線Oに平行な方向からずれて進退するような事態も防ぐことができ、さらに精度良い加工を促すことができる。
また、スライドブロック31とカップリング部材70との間にスリーブ部材37が介装されて、このスリーブ部材37の内周部に前記ボルト36が挿通されているので、このスリーブ部材37を長さの異なるものに交換することにより、スライドブロック31とカップリング部材70との軸線O方向の間隔を調節することができ、従ってスライドブロック31先端の切刃14Aから中間スリーブ22までの距離を調整することができる。このため、加工すべきテーパ面に対して切刃14Aを軸線O方向において最適な位置に配置することができ、一層高精度の加工が可能となる。
しかも、前記スライドブロック31も、長孔30内において軸線Oに対して交差し、かつ互いにも交差する2方向から一対の側壁板80、81によって押圧付勢されているので、ガタツキを生じさせたりすることなくさらに確実にスライドブロック31を長孔30に沿って案内することができ、より一層高精度の加工を図ることが可能となる。また、こうしてスライドブロック31が押圧付勢されていることにより、例えば長期の使用によってスライドブロック31の側面に摩耗が生じたりした場合でもガタツキを防止できるという利点も得られる。
なお、上述した実施の形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせあるいは動作手順等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
本発明の切削工具の一実施形態を示す側断面図である。 図1に示す実施形態の正面図である。 従来の切削工具を示す側断面図である。 図3におけるZZ断面図である。 従来の切削方法における切刃チップ5A〜5Cの回転および摺動の軌跡を示す図である。
符号の説明
11…切削工具
12…工具本体
13…リーマ(穴加工工具)
14…切刃部材
21…外周スリーブ
22…中間スリーブ
23…内周スリーブ
31…スライドブロック
36…ボルト(ボルト部材)
37…スリーブ部材
62…工具保持部
70…カップリング部材
O…工具本体12の回転軸線

Claims (3)

  1. 軸線回りに回転される工具本体を有し、前記工具本体の先端に前記軸線に沿って延びる穴加工工具が装着され、前記工具本体の後端部が工作機械の工具保持部に保持される切削工具であって、
    前記工具保持部は、前記軸線方向に互いに移動可能に同軸状に配置された外周スリーブと中間スリーブと内周スリーブとを有し、
    前記外周スリーブの先端側には前記工具本体の後端外周部が接続され、
    前記内周スリーブには前記穴加工工具が装着され、
    前記中間スリーブの先端側には、前記工具本体に対して前記軸線方向のみに進退可能に支持された切刃部材が接続され、
    前記切刃部材は、前記工具本体の先端において前記穴加工工具の外周側に位置してその切刃が外周側に向かうに従い後端側に向けて傾斜するように配置されることを特徴とする切削工具。
  2. 前記中間スリーブの先端側には、前記工具本体の後端内周部に前記軸線方向のみに進退可能に収容されたカップリング部材が接続され、
    前記切刃部材は、前記工具本体の先端において前記穴加工工具の外周側に開口して前記軸線方向に延びる長孔に挿入されたスライドブロックの先端に設けられ、
    前記スライドブロックと前記カップリング部材とは、これらスライドブロックとカップリング部材との間に介装されたスリーブ部材に挿通されるボルト部材により連結されて固定されることを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
  3. 前記スライドブロックは、軸線に対して交差し、かつ互いに交差する少なくとも2方向から押圧され工具本体に支持されることを特徴とする請求項2に記載の切削工具。
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