JP4961151B2 - 光路偏向素子及び画像表示装置 - Google Patents

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この発明は、液晶分子の配列を電極基板面内に沿って生じる電界により変化させて光を偏向させる光路偏向素子及び光路偏向素子を使用したプロジェクションディスプレイやヘッドマウントディスプレイ等の画像表示装置に関するものである。
液晶分子の配列を電極基板面内に沿って生じる電界により変化させて光を偏向させる光路偏向素子が、例えば特許文献1や特許文献2及び特許文献3等に開示されている。この光路偏向素子は、液晶層を挟んだ透明基板の一方の基板表面にだけ複数の平行な透明ライン電極を設け、各ライン電極に段階的な電圧値を印加して各ライン電極間の電位差により各ライン電極間に基板面内に沿った電界すなわち水平電界を生じさせて、カイラススメクチックC相を形成する強誘電性液晶を用いた液晶層の内部に強制的に電位勾配を作り、素子の全面で比較的均一な電界強度を得るようにしている。これらの光路偏向素子においては、強誘電性液晶の垂直配向膜にシランカップリング剤を用いている。シランカップリング剤は有機化合物を含み、プロジェクタ装置などの強い光に長時間曝露されて使用する場合には耐久性に問題が生じる可能性がある。
これに対して強誘電性液晶の配向膜として無機化合物、例えばSiO斜方蒸着膜を用い、画像表示素子へ応用したものが知られている。
この無機化合物として一酸化珪素(SiO)あるいは二酸化珪素(SiO,SiO,x≦2)が代表的であり、これは,従来広く使われている有機化合物であるポリイミドに比べて、耐光性や信頼性に優れる利点がある。また、AlやMgF等も使用されている。
また、特許文献4には、強誘電性液晶の配向膜としてSiO斜方蒸着膜を用い、透明基板上の透明電極とSiO斜方蒸着層との間にSiO層を設け、これを平滑化層として用い、透明電極の表面凹凸を平滑化したことが示されている。さらに、特許文献5には強誘電性液晶の配向膜としてのSiO斜方蒸着膜に垂直配向剤を塗布して強誘電性液晶を垂直配向させ、良好な配向が得られるようにしている。
一方、SiO,SiO等の無機化合物の薄膜は光学薄膜や反射防止膜として用いられる。例えばSiOに関しては、屈折率を広い範囲にわたり蒸着時の条件を変えることにより調整できることが知られている。また、特許文献5には、SiO蒸着膜の屈折率を酸素ガス圧、あるいは蒸着速度の調整により約1.50から1.90の範囲で調整できることが示されている。
特開2002−214579公報 特開2003−91026号公報 特開2003−98502号公報 特開平8−106095号公報 特開昭62−160426号公報
しかしながら、光路偏向素子のガラス基板と配向膜、液晶、配向膜等の界面において、各々の部材の屈折率が異なると界面反射が発生する。例えば図8に示すように、ガラス基板51と配向膜52及び液晶層53の屈折率が異なっていると、各界面とで反射が生じ、さらに、各界面で反射した光が他の界面で複数回反射する。この反射した光は光路がシフトされており、白表示の光であっても黒表示に入り黒の照度を上げてコントラスト比を低下させる要因となる。ここでコントラスト比とは、画像表示装置の表示面全面に白と黒とを表示させ,その照度の比(白/黒)をとったもの、あるいは表示面を16分割(4×4)し、白と黒との市松模様を表示させたときの白の照度の平均値と黒の照度の平均値との比をとったものである(ANSI Contrast Ratio)。光学素子や光学系に漏れ光があると、特に黒の照度が向上してコントラスト比を低下させる。コントラスト比の定義が白の照度/黒の照度であり、黒の照度が僅かな変化でもコントラスト比を大きく低下させてしまう。これに対して特許文献1〜特許文献5等においてはこの点は考慮されていない。
この発明は、このような課題を解消し、無機斜方蒸着膜を液晶の配向膜と反射防止膜との両機能を有する機能性薄膜として用い、界面反射を低減してコントラスト比を向上させるとともに耐久性を向上させることができる光路偏向素子と画像表示装置を提供することを目的とするものでもある。
この発明の光路偏向素子は、複数のライン電極を一方の表面に平行に形成され、配向膜を有する一対の電界形成素子と、該一対の電界形成素子の配向膜の間に設けられた液晶層とを有し、前記配向膜の屈折率が膜厚方向に変化している光路偏向素子であって、配向膜は、屈折率が基板の屈折率から液晶層の屈折率と変化していることを特徴とする。
この発明の画像表示装置は、前記光路偏向素子を有し、画像情報にしたがって制御された光を前記光路偏向素子で偏向して投影することを特徴とする。
この発明の光路偏向素子は、配向膜を屈折率が基板の屈折率から液晶層の屈折率と変化させて形成することにより、光路偏向素子の内部の各界面における反射を低減することができる。
この光路偏向素子を画像表示装置に使用することにより、コントラスト比を高めた高精細で安定した画像を表示することができる。
図1はこの発明の光路偏向素子の構成を示し、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)のB−B断面図である。光路偏向素子1は1対の電界形成素子2とスペーサ3及び液晶層4を有する。各電界形成素子2は透光性を有する材料例えばガラスで形成された基板5と、複数のライン電極6と、抵抗膜7と、透光性を有する材料例えばガラスで形成された第2の基板8及び配向膜9を有する。ここで基板5,8は抵抗体、例えばガラスやゴム、プラスチック、セラミックなどで透光性を有する材料が望ましい。さらに基板5,8は同一の屈折率を有する材料で形成することが望ましい。複数のライン電極6は透明導電膜、例えばITO(酸化インジウム)からなり基板5の一方の表面に平行に形成されている。抵抗膜7は各ライン電極6の端部表面に沿って帯状に積層して成膜されている。第2の基板8は基板5のライン電極6を設けた面に光学用の接着剤を介して接着されている。この第2の基板8を接着する接着剤の屈折率は、基板5と第2の基板8の屈折率と同じものが使用されている。配向膜9は第2の基板8の表面に成膜される。
この配向膜9は、一酸化珪素(SiO)や二酸化珪素(SiO,SiO,x≦2)あるいはAlやMgF等の無機化合物の斜方蒸着膜からなる。図2(a)の断面図に示すように、第2の基板8と配向膜9の界面をA、配向膜9と液晶層4の界面をBとしたとき、屈折率n9は、図2(b)に示すように、第2の基板8と配向膜9の界面Aにおける屈折率n98は第2の基板8の屈折率n8と同じであり、配向膜9と液晶層4の界面Bにおける屈折率n94は液晶層4の屈折率n4と同じになるように、配向膜9の屈折率は厚さ方向に変化させている。この配向膜9の屈折率n9の変化は図2(b)に示すように一定勾配で変化させたり、図2(c)に示すように階段状に変化しても良い。すなわち、配向膜9の界面における屈折率を互いに接する材料の屈折率に合わせることにより、界面における反射を防ぐことができる。なお、界面における屈折率は同一であることが望まれるが、ほぼ同一であれば良い。また、屈折率n3の勾配は第2の基板8と液晶層4の屈折率n8,n4に応じて負であっても良いし曲線状に変化しても良い。
この屈折率勾配を有する配向膜9としてSiOを用いた斜方蒸着膜の作製方法は、蒸着装置において第2の基板8にSiOを蒸着中に第2の基板8の角度をステッピングモータなどにより微小な角度制御を行いながら徐々に変えて蒸着角θを変えて行う。また、蒸着中に抵抗加熱の場合は抵抗に流す電流を徐々に変えて蒸着速度を変えたり、電子線加熱の場合は電子線の強度を徐々に変えても良いし、真空度を徐々に変えても良い。また、蒸着中に酸素ガスを流し、その流量を徐々に変えても良い。このように第2の基板8の角度変化や加熱量の変化、真空度の変化及び酸素ガス流量の変化を比較的大きく離散的に行えば、配向膜9の屈折率勾配は図2(c)のようになり、小さく連続的に行えば図2(b)のようになる。また、変化量を一定にすると、配向膜9の屈折率勾配は直線あるいは等間隔の階段状になるが、変化量が不定であると屈折率勾配は曲線あるいは不等間隔の階段状になるがいずれでも良い。
この斜方蒸着膜を作製する装置の一例の基本構成は、図3に示すように、真空槽21と真空ポンプ22と蒸着源23とシャッタ24とスリット25及びガラス基板26を傾け固定する治具27を有する。真空ポンプ22は油回転ポンプ(低真空引き)と油拡散ポンプ(高真空引き)を有する。蒸着源23はSiOやSiOの顆粒あるいはペレットなどであり、これらを抵抗加熱の場合はボートに、電子線加熱の場合は坩堝に入れる。この蒸着源23の材料の融点により、SiOの場合は抵抗加熱、SiOの場合は電子線加熱が主に使われる。シャッタ24は膜厚を制御するために使われ、蒸着中は開放する。そして蒸着源23からの蒸気は多少の発散角を持っている。この発散角が大きければ均一な蒸着膜を作製できないためスリット25を設けて発散角を制限する。治具27はアーム28に支持された回転軸29を有し、回転軸29にガラス基板26が取り付けられ、回転軸28を回転することにより蒸着角θ、すなわち蒸着源23からの垂直線とガラス基板26の法線がなす角をパルスモータ,ステッピングモータ等により可変してガラス基板26に蒸着される無機化合物の柱状構造(カラム)のガラス基板26に対する傾きを変えて液晶の配向特性(水平、垂直、あるいはチルト角)調整ができる。また、均質な膜を作製するためにはガラス基板26を基板法線を中心に回転したり、蒸着源23からの垂直線あるいはそれと平行な軸を中心に回転させる。さらに、ガラス基板26をハロゲンランプ等の照射により加熱することによりガラス基板26と薄膜との密着性や薄膜の密度を向上することができる。この斜方蒸着膜を形成する被蒸着材はガラス基板26に限られずSi等の半導体であっても良い。
このように作製されて屈折率勾配を有する配向膜9の屈折率の測定は、屈折率が連続して変わったり、屈折率が均一である厚みが薄いために困難である。このため検量線となる試料をあらかじめ作製しておく。例えば蒸着角θを75度〜85度まで連続的に変化させた斜方蒸着膜を作製する場合は、検量線として蒸着角θを75度〜85度まで1度刻みで変化させた11種類の膜を作製し、それらの屈折率を測ることにより作製される。この屈折率の測定は、波長と温度が一定の状態で例えばエリプソメータにより行う。その他の方法で作製した場合も同様である。
この配向膜9側を内側にして1対の電界形成素子2はスペーサ3により一定間隔をおいて貼り合わされ、この対向して配置した配向膜9間にカイラススメクチックC相を形成する強誘電性液晶の液晶層4が充填されている。
この電界形成素子2の両端のライン状電極6間に電圧印加手段10から電圧を印加すると、隣接するライン電極6間では抵抗膜7の各抵抗により電圧の減衰が生じ、各ライン電極6には段階的に異なる電位が与えられて、ライン電極6の長手方向と直交する向に電位勾配が形成され、この電位が変化する方向に基板5の面に沿った水平電界が発生する。この両端のライン状電極6に印加する電圧の極性を逆にすると、電界の方向を反転させることができる。したがって電圧印加手段10として交流電源を用いると、周期的に、あるいは任意のタイミングで電界の方向を切り替えることができる。この電界を効率良く発生させるために、液晶層4を挟んだ1対の電界形成素子2は、図1(a)に示すように、ライン電極6が重ならないように半ピッチだけずらして配置されている。
このライン電極6は、例えば幅が10μm、ピッチは100μmで、数10mm×数10mmの基板5に数10本から数100本程度形成されている。また、電界形成素子2の厚さは例えば約1mmであり、液晶層4の厚さ(セルギャップ)は50μmである。また、電界形成素子2の基板5の空気と接する面には反射防止膜が設けられている。
このようにライン状電極6間に印加する電圧の極性を変えることにより水平電界の方向を切り替わる電界形成素子2を有する光路偏向素子1で、図4の模式図(a)に示すように、電界形成素子2により液晶層4に例えばY方向の電界が加えられると、液晶層4の液晶分子11が電界の方向に傾く。そしてき、この電界の極性を反転すると、図4(b)に示すように、液晶分子11が傾き、液晶分子11は電界の方向により配向を変える。この光路偏向素子1にライン電極6に平行な方向に直線偏光した光を入射すると、入射光は、液晶層4の厚さ及び液晶分子2の常光/異常光屈折率に応じた光路シフトを受けて偏向して、図4に示すように、第1出射光と第2出射光の光路をとる。このように光を偏向させるとき、ライン電極6の本数やライン幅、ライン間隔、各ライン電極6間の電位差などを所望の光路サイズや光路偏向量及び液晶材料などに基づき適宜設定すれば良い。このように直線偏光の光路が液晶層4で変るのは、液晶の複屈折性によるものであり、液晶の分子配向の切り替えにより光路の偏向方向も変わり、二方向を取り得る。
このように電界形成素子2に印加する電圧の極性を切り替えて液晶層4に発生する電界の極性を反転する周期は、人がフリッカを知覚できない速度で反転する必要があり、60Hz以上の周期で反転させることが望ましい。
この光路偏向手段1で入射光の光路を変更するとき、電界形成素子2の第2の基板8と配向膜9の界面Aにおける屈折率n98は第2の基板8の屈折率n8と同じであり、配向膜9と液晶層4の界面Bにおける屈折率n94は液晶層4の屈折率n4と同じになるように配向膜9の屈折率を厚さ方向に変化させているから、光路偏向手段1の内部の各界面で屈折率差がなく、各界面における反射を防いで漏れ光を防ぐことができる。
この電界形成素子2の第2の基板8と配向膜9及び液晶層4を積層して反射率を零とするには、配向膜9の厚さtを用いる光の波長λに対してt=λ/4とし、この波長λに対する配向膜9の屈折率をn9、第2の基板8の屈折率をn8、液晶層4の屈折率をn4とすると、配向膜9の屈折率n9を、n9=(n8×n4)1/2とすると、波長λの光に対しての反射防止の効果は最大となり、理論的には反射率は零となる。例えば光の波長λを550nmとすると、配向膜9の厚さtは137.5nmとなり、第2の基板8の屈折率n8を1.52、カイラススメクチックC相を形成する強誘電性液晶の液晶層4の屈折率n4を1.61とすると、配向膜9の屈折率n9は1.56となり、SiOを使用すれば良いことになる。
これに対して本発明の配向膜9は屈折率を厚さ方向に変化しているから、配向膜9の厚さに制限されずに光路偏向素子1の各界面における屈折率差を解消して、各界面における反射を零にすることができる。
前記説明では、電界形成素子2の第2の基板8と配向膜9の界面Aにおける屈折率n98は第2の基板8の屈折率n8と同じであり、配向膜9と液晶層4の界面Bにおける屈折率n94は液晶層4の屈折率n4と同じになるように配向膜9の屈折率を厚さ方向に変化させた場合について説明したが、配向膜9の2つの界面における屈折率が第2の基板8の屈折率n8と液晶層4の屈折率n4と厳密に一致していなくても、配向膜9の屈折率n9を、n9=(n8+n4)/2とすると、n8≦n9≦n4となり、配向膜9の2つの界面における屈折率差が小さくなって反射防止の効果が生じる。例えば第2の基板8の屈折率n8を1.52、カイラススメクチックC相を形成する強誘電性液晶の液晶層4の屈折率n4を1.61とした場合、配向膜9の屈折率n9は1,57となり、配向膜9の2つの界面における屈折率差を小さくすることができる。すなわち、配向膜9の2つの界面における屈折率の差を小さくさせておくことにより、反射を防止することができる。
前記説明では液晶層4を、カイラルスメクチックC相をなす強誘電性液晶で形成して、応答速度を高速にする場合について説明したが、カイラルスメクチックA相をなす液晶やネマチック相をなす液晶あるいは他の相をなす液晶で液晶層4を形成しても良い。
また、前記説明では電界形成素子2の第2の基板8に1層の配向膜9を形成した場合について説明したが、図5に示すように、第1の配向膜91と第2の配向膜92を形成して2層にしても良い。このように電界形成素子2の第2の基板8に第1の配向膜91と第2の配向膜92を形成する場合は、第2の基板8に第1の配向膜91を蒸着し、その上に第2の配向膜92を使用して斜方蒸着する。例えば第2の基板8として屈折率n8が1.52のガラス基板を使用し、第1の配向膜91を屈折率n91が1.46のSiOで形成し、第2の配向膜92をSiOで屈折率n92が第1の配向膜91の界面側から1,46〜1.61と厚さ方向に変化する斜方蒸着膜で形成し、液晶層4として屈折率n4が1.61の強誘電性液晶を使用すると、第2の基板8と第1の配向膜91の界面を除いて、他の界面における反射を低減することができる。
また、このように配向膜9を第1の配向膜91と第2の配向膜92の2層で形成することに電界形成素子2の液晶層4と接触する表面を平坦化することができる。すなわち、第2の基板8として光学研磨を施したガラス基板を使用しても、その表面には多少の粗さが残る。この表面粗さが残った第2の基板8に配向膜9を形成すると、配向膜9の表面には第2の基板8の表面粗さを引き継ぎ、この表面に液晶を配向させると配向ムラが生じ、この配向ムラは強誘電性液晶では特に顕著となる。そこで第1の配向膜91で第2の基板8の表面粗さを低減し、その上に第2の配向膜92を形成することにより表面を平坦化して液晶の配向ムラを低減する。
前記説明では電界形成素子2に第2の基板8を有する場合について説明したが、図6に示すように、基板5のライン電極6を有する面に第1の配向膜91を直接形成し、第1の配向膜91の上に第2の配向膜91を斜方蒸着膜で形成しても良い。このように基板5のライン電極6を有する面に第1の配向膜91を形成する場合、第1の配向膜91を形成する基板5の面に形成したライン電極6には厚さがあるとともにライン状であるため凹凸が生じる。この凹凸を平坦にするために、その上に第1の配向膜91を設けて凹凸を低減し、その上に第2の配向膜92を形成して表面を平坦化する。この第1の配向膜91を例えば石英ガラスで形成された基板5の屈折率1.46と同じ屈折率を有するSiOで形成し、第2の配向膜92をSiOで屈折率n92が第1の配向膜91の界面側から1,46〜1.61と厚さ方向に変化する斜方蒸着膜で形成し、液晶層4として屈折率n4が1.61の強誘電性液晶を使用すると、第2の基板8と第1の配向膜91の界面を除いて、他の界面における反射を低減することができる。また、第2の配向膜92の屈折率n92を、n92=(1.46+1.61)/2=1.54としても、n91<n92<n5であり、界面反射を低減することができる。なお、配向膜9は3層以上設けても良い。
また、図6(b)に示すように、液晶層4と接する第2の配向膜92の上にシランカップリング剤などの垂直配向剤12を塗布すると良い。このシランカップリング剤などの垂直配向剤12の屈折率は1.473であるから第2の配向膜92の屈折率n92を第1の配向膜91の界面側から1,46〜1.473と厚さ方向に変化する斜方蒸着膜で形成すれば界面反射を低減できる。このように液晶層4と接する面にシランカップリング剤などの垂直配向剤12を塗布することにより、斜方蒸着膜からなる第2の配向膜92単独では得られない液晶配向性を得ることができる。すなわち斜方蒸着膜はカラム構造を有し、その形状により液晶を配向させる効果が大きいが、これに垂直配向剤12を塗布することにより化学的な効果も得られて配向性を向上することができる。特にシランカップリング剤には液晶を垂直配向させるものがあり、垂直配向させる場合に効果がある。
次に、光路偏向素子1を使用した画像表示装置について説明する。画像表示装置30は、図7の構成図に示すように、光源31と偏光変換素子32と色分離素子33,35と反射鏡34,36と空間光変調素子(LCoS:Liquid Crystal on Silicon)37と偏光分離素子38,39,40と空間光変調素子41,42と色合成素子(Xプリズム)43と2枚の光路偏光素子1a,1bと1/2波長板44及び投射レンズ46を有する。光源31は超高圧水銀ランプ等からなり非偏光の白色光を放射する。偏光変換素子32は光源31から放射された非偏光光を直線偏光とする。この光源31と偏光変換素子32の間には図示していないが、光源31の配光分布を均一にするための一対のフライアイレンズからなる均一照明光学系を有する。空間光変調素子37,41,42は赤、緑、青(R,G,B)の各色にそれぞれ対応する。また、偏光分離素子38,39,40も各色に対応している.色分離素子33,34は二枚で白色光からR,G,Bを分離する。光路偏光素子1a,1bは偏光方向が直交するように配置され、光路を4方向に偏光させる。この2枚の光路偏向素子1a,1bで直線偏光の電場の振動方向を変える必要があり、遅相軸をx軸あるいはy軸から角度45度回転させた1/2波長板44を間に設け、1/2波長板44により光路偏向素子1aを透過した直線偏光をその電場の振動方向を90°回転させる。
この画像表示装置30でスクリーン27や壁に画像を投影するとき、空間光変調素子37,41,42の画素数が、例えばXGAで1024×768ドットであった場合、光路偏向素子1a,1bによる4方向の偏向により、QXGA相当の2048×1536ドットとなり4倍の画素数増大となる。このように画像を投影するとき、光路偏向素子1a,1bにおいて界面反射が生じると、光路偏向素子1a,1b内で多重反射をするほかに他の光学素子との間でも反射し得る。これに対して光路偏向素子1a,1bは界面反射を低減するように構成されているから他の光学素子との界面反射も低減でき、漏れ光を低減してコントラスト比を向上することができる。
前記説明では斜方蒸着膜からなる配向膜9を有し、各界面における反射を低減した光路偏光素子1について説明したが、異なる屈折率の基板が積層された透過光学素子で屈折率が異なる基板の間に、厚さ方向に屈折率勾配を有する斜方蒸着膜を形成しても良い。
この発明の光路偏向素子の構成図である。 第2の基板と配向膜及び液晶層の屈折率を示す模式図である。 斜方蒸着膜の作製装置の構成図である。 光路偏向素子で電界により偏向した光路を示す模式図である。 第2の基板に2層構造の配向膜を設けた状態を示す断面図である。 ライン電極を有する基板に2層構造の配向膜を設けた状態を示す断面図である。 画像表示装置の構成図である。 ガラス基板と配向膜及び液晶層の各界面における反射光を示す模式図である。
符号の説明
1;光路偏向素子、2;電界形成素子、3;スペーサ、4;液晶層、5;基板、
6;ライン電極、7;抵抗膜、8;第2の基板、9;配向膜、10;電圧印加手段、
11;液晶分子、12;垂直配向剤、91;第1の配向膜、92;第2の配向膜。

Claims (2)

  1. 複数のライン電極を一方の表面に平行に形成され、配向膜を有する一対の電界形成素子と、該一対の電界形成素子の配向膜の間に設けられた液晶層とを有し、前記配向膜の屈折率が膜厚方向に変化している光路偏向素子であって、
    前記配向膜は、屈折率が前記基板の屈折率から液晶層の屈折率と変化していることを特徴とする光路偏向素子
  2. 求項記載の光路偏向素子を有する画像表示装置であって、
    画像情報にしたがって制御された光を前記光路偏向素子で偏向して投影することを特徴とする画像表示装置。
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