JP4961107B2 - 薄肉射出成形容器用ポリエチレン及びそれからなる容器 - Google Patents

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Description

本発明は、薄肉射出成形容器用ポリエチレン及びそれからな容器に関し、詳しくは、成形性、剛性と耐衝撃性とのバランス、低臭気性、食品安全性に優れ、かつ、これまでよりも低温で射出成形可能な高流動性を有したポリエチレン及びそれからな容器に関する。さらに詳しくは、射出成形で成形される薄肉のカップ型容器に好適な材料であり、低温、かつ、高速で成形ができ、剛性が高く、耐衝撃性を有し、低臭性に優れた清涼飲料、乳飲料等の液体や乳製品等を収容する容器用ポリエチレン及びそれからなる容器に関する。
従来、射出成形で成形される薄肉のカップ型容器は、メルトフローレート(MFR)が40g/10分程度の単段重合による高密度ポリエチレンが使用されている。近年、成形サイクルを短縮し、生産効率を上げるという要求が高まっており、上記ポリエチレンにて低温の射出成形を行う試みがなされているが、成形速度の高速化が不十分であり、成形温度が高温となるため、サイクル時間の短縮が困難である。また、高速化のため、MFRを60g/10分程度に上げた場合には、高速化が可能となるが、耐衝撃性など実用物性が著しく低下し、実用上、使用不可能であった。
また、2種類のポリエチレンを順次重合もしくはブレンドすることにより得られるポリエチレン組成物は、耐ストレスクラック性、耐衝撃性等に優れており、コンテナー、ボトル、フィルム、キャップ等に使用されているが、低温高速成形に対応しうる高流動性、製品の剛性を十分満足するものが得られていない。
例えば、荷重2.16kgにおけるMFRが5〜2000g/10min、密度が0.965〜0.970g/cmのポリエチレンとMFRが0.01〜0.2g/10min、荷重10.0kgにおけるMFR10との比(MFR10/MFR)が15以下、密度が0.890〜0.950g/cmのエチレン・α−オレフィン共重合体とからなり、特定の物性を有するポリエチレン樹脂組成物(例えば、特許文献1参照。)を射出成形で成形される薄肉のカップ型容器に適用すると、耐ストレスクラック性は良いものの、高サイクル成形性および高剛性化の点では不十分である。
また、荷重2.16kgにおけるMFRが0.8〜5g/10min、荷重21.6kgにおけるHLMFRが180g/10min以上、かつ、HLMFR/MFRが80以上であるポリエチレン樹脂組成物(例えば、特許文献2参照。)、および、荷重2.16kgにおけるMFRが0.5〜5g/10min、荷重21.6kgにおけるHLMFRが180g/10min以上、HLMFR/MFRが80以上、かつ高温GPC溶出分における短鎖分岐数BHとBL比が特定のポリエチレン樹脂組成物(例えば、特許文献3参照。)により耐ストレスクラック性を向上させることが可能となったが、成形サイクルが上がらず、高速成形が難しいという問題があった。
特開昭58−103542号公報 特開2000−248125号公報 特開2002−60559号公報
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、成形性、剛性と耐衝撃性とのバランス、低臭気性、食品安全性に優れ、かつ、これまでよりも低温で射出成形可能な高流動性を有したポリエチレン及びそれから得られる容器を提供することにある。特に、射出成形で成形される薄肉のカップ型容器に好適な材料であり、低温、かつ、高速で成形ができ、剛性が高く、耐衝撃性を有し、低臭性に優れた容器を提供でき、特に清涼飲料、乳飲料等の液体や乳製品等を収容する容器用に好適な材料及びそれから得られる容器を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の物性を有するポリエチレンが剛性と耐衝撃性とのバランス、低臭気性、食品安全性に優れ、かつ、これまでよりも低温で射出成形可能な高流動性を有した成形性、全ての性能を有する薄肉射出成形容器用ポリエチレンとして用いることができ、好ましくは連続多段重合法で第一段目で特定の物性を有する高分子量ポリエチレンを第二段目で特定の物性を有する低分子量のポリエチレンを重合した特定の物性を有するポリエチレンが剛性、耐衝撃性、低臭気性、食品安全性に優れ、かつ、低温で射出成形可能な高流動性を有した成形性を有する薄肉射出成形容器用ポリエチレンとして用いることができることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、チーグラー触媒を用いて連続多段重合法で、エチレン単独重合あるいはエチレンと炭素数3〜18のα−オレフィンを共重合させて、(A)温度190℃、荷重21.6kgにおけるメルトフローレート(HLMFR)が10g/10分を超え80g/10分以下、密度が0.930g/cm を超え0.955g/cm 以下の高分子量のポリエチレン15質量部以上45質量部未満、及び(B)温度190℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)が150g/10分以上、密度が0.960g/cm 以上の低分子量のポリエチレン55質量部より多く85質量部以下を順次重合して得られるポリエチレンであって、以下の(a)〜(f)の性状を有することを特徴とする薄肉射出成形容器用ポリエチレンが提供される。
(a)温度190℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)が15〜50g/10分
(b)密度が0.955g/cm以上
(c)せん断速度比が1.6〜2.1
(d)曲げ弾性率が800MPa以上
(e)ガスクロマトグラフィー(GC)測定による炭化水素揮発分が80ppm以下
(f)190℃、射出圧75MPa、厚み2mmでのスパイラルフローが50cm以上
また、本発明の第の発明によれ、第1の発明の薄肉射出成形容器用ポリエチレンを射出成形してなることを特徴とする容器が提供される。
本発明のポリエチレンを用いることにより、成形性、剛性と耐衝撃性とのバランス、低臭気性、食品安全性に優れた容器が成形でき、かつ、これまでよりも低温で射出成形可能であるため、成形ハイサイクル化が可能となる。また、本発明のポリエチレンを用いた容器は剛性が高く、優れた性能を有する容器である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるポリエチレンは、以下の(a)〜(f)の性状を有し、チーグラー触媒、フィリップス触媒、メタロセン触媒等の各種触媒、好ましくはチーグラー触媒を用いて重合されるエチレン単独あるいはエチレンと炭素数3〜18のα−オレフィンから選ばれる1種またはそれ以上のコモノマーとの共重合体である。α−オレフィンの代表例としては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
本発明のポリエチレンの(a)温度190℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)は、15〜50g/10分であり、好ましくは20〜40g/10分である。MFRが15g/10分未満であると高速成形性が劣り、MFRが50g/10分を超えると耐ストレスクラック性が劣り好ましくない。
ここで、MFRは、JIS−K6922−2に準拠して測定する値である。
本発明のポリエチレンの(b)密度は、0.955g/cm以上であり、好ましくは0.958g/cm以上である。密度が0.955g/cm以上であると高レベルの剛性を有し、薄肉容器であっても高度な座屈強度を有する。密度が0.955g/cm未満では剛性が劣り、容器が座屈、変形しやすく好ましくない。密度の上限値は特に限定されないが、通常は0.980g/cm程度である。
ここで、密度は、JIS−K6922−1、2に準拠して測定する値である。
本発明のポリエチレンの(c)せん断速度比は、1.6〜2.1であり、好ましくは1.7〜2.0の範囲である。せん断速度比が1.6未満であると高速成形性が劣り、2.1を超えると物性が著しく低下する。
ここで、せん断速度比とは、直径1mm、長さL/直径D=20のキャピラリ−にて、170℃、荷重20kgfのせん断速度をγL、せん断応力をτLとし、荷重150kgfのせん断速度をγH、せん断応力をτHとしたとき次式で算出されるものである。
せん断速度比={log(γH)−log(γL)}/{log(τH)−log(τL)}
本発明のポリエチレンの(d)曲げ弾性率は、800MPa以上であり、好ましくは1000MPa以上である。曲げ弾性率が800MPa未満では剛性が劣り、容器が、座屈、変形しやすい。曲げ弾性率の上限値は特に限定されないが、通常は2000MPa程度である。
ここで、曲げ弾性率は、射出成形にてJIS−K7152−1のタイプA金型にて210℃で成形して10×80×4mmの試験片を作製し、JIS−K6922−2に準拠して測定する値である。
本発明のポリエチレンの(e)ガスクロマトグラフィー(GC)測定による炭化水素揮発分は、80ppm以下であり、好ましくは30ppm以下である。このGC測定による炭化水素揮発分が80ppmを超えると、臭気が発生し、内容物の味、香味が変質し、好ましくない。
ここで、GC測定の条件は、ポリエチレン樹脂1gを25mlのガラス密閉容器に入れ、130℃で60分加熱した際のデッドスペース中の空気をガスクロマトグラフィーにて揮発分を測定する値である。
本発明のポリエチレンの(f)190℃、射出圧75MPa、厚み2mmでのスパイラルフローが50cm以上であり、好ましくは60cm以上である。スパイラルフローが50cm未満では、薄肉成形品を低温で高速成形することが難しい。スパイラルフローの上限値は特に限定されないが、通常は200cm程度である。
ここで、スパイラルフローは、東芝機械製IS−80射出成形機を用い、設定温度190℃、射出圧力75MPa、保持圧力75MPa、射出時間5秒、冷却時間10秒、保圧切替え位置7mmの条件で、幅10mm、厚み2mm、最長流路長2000mmのスパイラル流路を有する金型を用い、試料の最長流動長を測定する値である。
また、本発明のポリエチレンは、シャルピー衝撃強度(JIS−K6922−2)が通常1.0KJ/m以上で耐衝撃性が良好であり、容器とした場合の物性バランスが優れている。
本発明のポリエチレンは、上記(a)〜(f)の要件を満たすものであれば単一のポリエチレンでもよく、複数、たとえば異なる二種類の物性を有するポリエチレン成分から構成されるものであっても良い。
本発明のポリエチレンが異なる二種類の物性を有するポリエチレン成分から構成されるものとしては、例えば、次に示す(A)成分と(B)成分のポリエチレンを組み合わせて得られるポリエチレン、または、(A)成分と(B)成分を順次重合して得られるポリエチレンが好ましい。なお、各ポリエチレン成分を別々に重合した後でブレンドすることにより得ることも可能である。
(A)成分
(A)成分のポリエチレンの温度190℃、荷重21.6kgにおけるメルトフローレート(HLMFR)は、10g/10分を超え80g/10分以下が好ましく、より好ましくは20〜70g/10分である。また、密度は、0.930g/cmを超え0.955g/cm以下が好ましく、より好ましくは0.932〜0.942g/cmである。(A)成分のポリエチレンのHLMFRが10g/10分以下であっても、80g/10分を超える場合であっても、流動性、実用物性のバランスが取れない。また、(A)成分のポリエチレンの密度が0.930g/cm以下の場合は剛性が不十分となり、0.955g/cmを超えるものは耐衝撃性が不十分となる。
ここで、HLMFRは、JIS−K7210に準拠して測定する値であり、密度は、JIS−K6922−1、2に準拠して測定する値である。
(B)成分
(B)成分のポリエチレンのMFRは、好ましくは150g/10分以上であり、より好ましくは200g/10分以上である。また、密度は、0.960g/cm以上であり、好ましくは0.965g/cm以上である。
(B)成分のポリエチレンのMFRが150g/10分未満の場合は流動性が悪化し、密度が0.960g/cm未満の場合は剛性が低下するおそれがある。(B)成分のポリエチレンのMFRの上限は特に制限されないが、(A)成分及び(B)成分を混合した全体のMFRが15〜50g/10分、かつ、算出によるせん断速度比が1.6〜2.1を満たす範囲であればよい。また、(B)成分のポリエチレンの密度の上限値は特に制限されないが、通常は0.980g/cm程度である。
ここで、MFRは、JIS−K6922−2に準拠して測定する値であり、密度は、JIS−K6922−1、2に準拠して測定する値である。
(A)成分と(B)成分の組成割合は、(A)成分が15質量部以上45質量部未満が好ましく、より好ましくは20質量部以上40質量部未満であり、(B)成分が55質量部より多く85質量部以下が好ましく、より好ましくは60質量部以上80質量部以下である。(A)成分を15質量部以上とすることにより耐衝撃性が向上し、45質量部未満とすることにより成形性が向上する。(A)成分のポリエチレンが15質量部未満の場合は耐衝撃性が悪化し、45質量部以上の場合は成形性が悪化し好ましくない。
本発明のポリエチレンにおいて、(A)成分と(B)成分のポリエチレンを組み合わせたポリエチレンを用いる場合は、好ましくは、(A)成分及び(B)成分のポリエチレンを別個にそれぞれ重合し、それらをブレンドすることにより得ることができる。さらに好ましくは、操作の容易さや組成の均質さ等の理由から直列に接続した複数の重合反応器、例えば、2基の重合反応器で順次連続的に重合して得られるポリエチレンが挙げられる。
重合触媒は、前記したチーグラー触媒、フィリップス触媒、メタロセン触媒等のシングルサイト触媒等の各種触媒が用いられる。重合は、有機溶媒中、液状単量体中あるいは気相中で行うことができる。
直列に接続した複数の重合反応器で順次連続的に重合する、いわゆる多段重合においては、例えば、第一段目においてエチレンあるいはさらにα−オレフィンを(共)重合させて高分子量成分となるポリエチレン((A)成分に相当)を製造し、引き続き重合系中にエチレンおよび水素を導入して、第二段目において低分子量成分となるポリエチレン((B)成分に相当)を製造し、その結果、高分子量成分と低分子量成分とを含むポリエチレンを調製することができる。また、第一段目において、低分子量成分となるポリエチレン、第二段目において、高分子量成分となるポリエチレンを製造しても良い。
なお、多段重合の場合、第二段目以降の重合域で生成するポリエチレンの量とその性状については、各重合反応器後のポリエチレン生成量(未反応ガス分析等により把握できる)を求め、そのポリエチレンの物性は、各重合反応器の後でそれぞれ抜出した重合体の物性を測定し、物性の加成性から換算して求めることができる。
本発明のポリエチレンには、本発明の効果を著しく損なわない範囲で添加剤、充填材等を添加してもよい。添加剤としては、例えば酸化防止剤(フェノール系、リン系、イオウ系)、滑剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤等を1種または2種以上適宜併用することができる。充填材としては、例えばタルク、マイカ等が使用できる。
本発明のポリエチレンは、必要に応じて射出成形法以外の成形方法により容器とすることもできるが、特に射出成形により薄肉のカップ型容器向けに好適な材料であり、低温、かつ、高速で射出成形することができる。
本発明のポリエチレンより成形される容器としては、特に射出成形による薄肉のカップ型容器が好ましい例として挙げられる。該容器の平均の厚さは、好ましくは0.5〜1.5mmであり、より好ましくは0.8〜1.2mmである。また、該容器の深さは、好ましくは2〜25cmであり、より好ましくは3〜20cmであり、さらに好ましくは5〜15cmである。該容器の外径は、好ましくは3〜20cmであり、より好ましくは5〜15cmである。
本発明の容器は、剛性が高く、耐衝撃性を有し、低臭性に優れているので、特に清涼飲料、乳飲料等の液体や乳製品等を収容するのに適している。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、ポリエチレンの物性は以下の方法で測定した。
(1)MFR:JIS−K6922−2に準拠して測定した。
(2)HLMFR:JIS−K7210に準拠して測定した。
(3)密度:JIS−K6922−1、2に準拠して測定した。
(4)せん断速度比:東洋精機製フローテスターを用い、直径1mm、長さL/直径D=20のキャピラリ−にて、170℃、荷重20kgfのせん断速度をγL、せん断応力をτLとし、荷重150kgfのせん断速度をγH、せん断応力をτHとしたとき次式で算出した。
せん断速度比={log(γH)−log(γL)}/{log(τH)−log(τL)}
(5)曲げ弾性率:射出成形にてJIS−K7152−1のタイプA金型にて210℃で成形し10×80×4mmの試験片を作製し、JIS−K6922−2に準拠して測定した。
(6)炭化水素揮発分:ポリエチレン樹脂1gを25mlのガラス密閉容器に入れ、130℃で60分加熱した際のデッドスペース中の空気をガスクロマトグラフィーにて揮発分を測定した。
(7)スパイラルフロー:東芝機械製IS−80射出成形機を用い、設定温度190℃、射出圧力75MPa、保持圧力75MPa、射出時間5秒、冷却時間10秒、保圧切替え位置7mmの条件で、幅10mm、厚み2mm、最長流路長2000mmのスパイラル流路を有する金型を用い、試料の最長流動長を測定した。
(8)シャルピー衝撃強度:JIS−K6922−2に準拠して測定した。
(9)容器適性:外観目視、触感覚、臭気、成形性により評価した。
(実施例1)
チーグラー触媒を用いてコモノマーとしてブテン−1を用いスラリー重合法により連続二段重合装置を用いて表1に示した(A)成分を重合後、(B)成分を重合してポリエチレンを得た。それらの配合比、樹脂のMFR、HLMFRを各測定値とともに併せて示した。即ち、第一段目の重合ではモノマーとしてエチレン及びブテン−1を供給し、第二段目の重合ではエチレンを供給して製造し、スチームストリッピング処理を施した。第二段目で製造される(B)成分の量(配合比)、その物性などは、各段の後の未反応ガス分析から各段の生産量をそれぞれ求め、さらに第一段目の後と第二段目の後で得られた樹脂成分の物性をそれぞれ測定し、加成性から換算して求めた。
実施例1のポリエチレンは、曲げ弾性率、スパイラルフロー、シャルピー衝撃強度、揮発分のいずれも良好であった。
(実施例2)
表1に示す各成分、コモノマーを用いて実施例1と同様に行った。表1に示すように、得られたポリエチレンは、曲げ弾性率、スパイラルフロー、シャルピー衝撃強度、揮発分のいずれも良好であった。
(比較例1)
表1に示す(B)成分のみからなるポリエチレンを用いて、実施例1と同様に試験した。その結果、表1に示すように曲げ弾性率、シャルピー衝撃強度は良好であるが、せん断速度比範囲外となり、容器適正が不良であった。
(比較例2)
表1に示す(B)成分のみからなるポリエチレンを用いて、実施例1と同様に試験した。その結果、表1に示すように曲げ弾性率、スパイラルフローは良好であるが、MFR、せん断速度比が範囲外となり、シャルピー衝撃強度が著しく低下し、容器適正が不良であった。
(比較例3)
実施例1の連続二段重合装置を用いて、表1に示す(A)成分及び(B)成分を重合してポリエチレンを得た。その結果、表1に示すようにMFR小さく容器適正が不良であった。
Figure 0004961107
本発明のポリエチレンは、低温、かつ、高速で射出成形することができ、薄肉のカップ型容器向けに好適な材料として用いることができる。また、本発明の容器は、剛性が高く、耐衝撃性を有し、低臭性に優れているので、特に清涼飲料、乳飲料等の液体や乳製品等を収容する容器として用いることができる。

Claims (2)

  1. チーグラー触媒を用いて連続多段重合法で、エチレン単独重合あるいはエチレンと炭素数3〜18のα−オレフィンを共重合させて、(A)温度190℃、荷重21.6kgにおけるメルトフローレート(HLMFR)が10g/10分を超え80g/10分以下、密度が0.930g/cm を超え0.955g/cm 以下の高分子量のポリエチレン15質量部以上45質量部未満、及び(B)温度190℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)が150g/10分以上、密度が0.960g/cm 以上の低分子量のポリエチレン55質量部より多く85質量部以下を順次重合して得られるポリエチレンであって、以下の(a)〜(f)の性状を有することを特徴とする薄肉射出成形容器用ポリエチレン。
    (a)温度190℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)が15〜50g/10分
    (b)密度が0.955g/cm以上
    (c)せん断速度比が1.6〜2.1
    (d)曲げ弾性率が800MPa以上
    (e)ガスクロマトグラフィー(GC)測定による炭化水素揮発分が80ppm以下
    (f)190℃、射出圧75MPa、厚み2mmでのスパイラルフローが50cm以上
  2. 請求項1記載の薄肉射出成形容器用ポリエチレンを射出成形してなることを特徴とする容器。
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