JP4960488B2 - タイムスタンプを用いて磁気ヘッドのタッチダウンを検出する方法及び同方法を適用する磁気ディスク装置 - Google Patents

タイムスタンプを用いて磁気ヘッドのタッチダウンを検出する方法及び同方法を適用する磁気ディスク装置 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、タイムスタンプを用いて磁気ヘッドのタッチダウンを検出する方法及び同方法を適用する磁気ディスク装置に関する。
近年の磁気ディスク装置では、磁気記録密度の向上に伴い磁気記録媒体(つまり磁気ディスク)上に記録される、当該磁気ディスクの周方向のマーク長が短くなり、当該磁気ディスクの半径方向のトラック幅が狭くなる傾向にある。よって記録再生信号の品質を高めるためには磁気記録再生ヘッド(つまり磁気ヘッド)と磁気ディスクとの距離(より詳細には、マグネチックスペーシング)を狭くすることが必要となる。
そこで近年の磁気ディスク装置は、磁気ヘッドに発熱素子を備え、磁気ヘッドの熱膨張によって当該磁気ヘッド(より詳細には、磁気ヘッドに備えられている記録再生素子)と磁気ディスクとの距離を調整する機能を有している。言い換えると磁気ヘッドは磁気ディスク上を浮上しており、その浮上高(Dynamic Flying Height)を調整することが可能となっている。
発熱素子に供給される電力(Dynamic Flying Height Power:DFHパワー)を制御することで、磁気ヘッドの浮上高は容易に調整が可能である。しかし浮上高の基準点、すなわち磁気ヘッドが磁気ディスクと接触した状態(タッチダウン)を検出しないと、正確な浮上高制御を実現することは難しい。
従来技術では例えば、トラック位置誤差信号(Position Error Signal:PES)に基づいて磁気ヘッドのタッチダウン(TD)が次のように検出される。まず、磁気ヘッドが正常に浮上してトラッキング制御が行われている場合、PESは所定の値を示しており、その変化は位置決め精度を表している。しかし磁気ヘッドの浮上高を下げた結果、当該磁気ヘッドが磁気ディスクと接触した場合、この接触に伴う振動が、当該磁気ヘッドに磁気ディスクの半径方向に発生する。すると、PESの値が異常に変動する現象が観測される。この現象を利用して磁気ヘッドのタッチダウンが検出される。
また、磁気ヘッドが磁気ディスクに接触した場合、当該磁気ディスクの法線方向に振動する成分が観測される。この状態は、再生信号の振幅の変動として現れる。再生信号の変化は、例えばサーボ信号、あるいはデータ信号においては、リードチャネル(Read Channel:RDC)内の可変利得アンプ(Variable Gain Amplifier:VGA)の値として検出することが可能である。
特開2007−184017号公報 米国特許第7508618号明細書 特開2001−291218号公報 特開2000−195211号公報 特開2000−251430号公報
磁気ヘッドがタッチダウンによって振動する現象は、磁気ディスクの半径位置に依存する傾向がある。磁気ディスクの内周側と外周側とではタッチダウンによる磁気ヘッドの振動が顕著に現れるが、中周では発生する振動が小さい。これは、磁気ヘッドの接触摩擦力が、スキュー(Skew)角の影響を受けることで、磁気ディスクの半径方向に振動する力を生んでいることに起因する。このため、磁気ディスクの内周と外周とでのタッチダウンの検出は可能であるが、中周でのタッチダウンの検出は信号の振幅が小さく測定不能となる場合がある。
さらに、磁気ディスクの反り、磁気ディスク表面の潤滑材の影響を受けて、タッチダウン検出のための測定値がばらつく。これより従来技術では、磁気ヘッドの浮上高を正確に校正することは困難である。
本発明の目的は、磁気ディスクの中周でも磁気ヘッドのタッチダウンを高精度に検出することができる、タイムスタンプを用いて磁気ヘッドのタッチダウンを検出する方法及び同方法を適用する磁気ディスク装置を提供することにある。
実施形態によれば、磁気ディスク装置において、磁気ヘッドが備える発熱素子に供給される電力を変えて当該磁気ヘッドの浮上高を変えることによって、当該磁気ヘッドの磁気ディスクへの接触を検出するタッチダウン検出方法が提供される。タッチダウン検出方法は、前記磁気ディスクを回転させるスピンドルモータの制御を一時的にフィードバック制御からオープンループ制御に変更し、前記オープンループ制御の期間に、前記磁気ディスクの回転速度の変化を検出し、前記検出された回転速度の変化に基づいて前記磁気ヘッドの前記磁気ディスクへの接触を検出する。
実施形態に係る、磁気ヘッドのタッチダウンを検出するための典型的な基本原理を説明するための図。 磁気ヘッドが磁気ディスクに接触している場合と接触していない場合のスピンドルモータの回転速度変化の例を、フィードバック制御及びオープンループ制御のそれぞれについて示す図。 磁気ディスク上のサーボ領域の配置の例と、当該磁気ディスクの回転速度変化とタイムスタンプの変化との関係の例とを説明するための図。 磁気ヘッドの浮上高が下げられていない状態及び下げられている状態のそれぞれにおけるタイムスタンプの変化の例を示す図。 磁気ヘッドと磁気ディスクとの接触の状態がそれぞれ異なる場合のタイムスタンプ差分の例について示す図。 図5に示されるタイムスタンプ差分の曲線毎に近似される直線を、勾配と対応付けて示す図。 磁気ヘッドの浮上高を徐々に低下させた際のタイムスタンプ勾配の変化の例を示す図。 同実施形態に係る磁気ディスク装置の典型的な構成を示す図。 同実施形態で適用されるタッチダウン測定の典型的な手順を示すフローチャート。 同実施形態で適用されるタイムスタンプ値測定の典型的な手順を示すフローチャート。 同実施形態で適用されるタッチダウン判定計算の典型的な手順を示すフローチャート。 同実施形態において2つの磁気ヘッドが位置する磁気ディスク上のゾーンを切り替えてタッチダウン点を測定した結果の例を、従来技術を用いてタッチダウン点を測定した結果と対比して示す図。
以下、実施形態につき図面を参照して説明する。
まず、本実施形態で適用される、磁気ヘッドのタッチダウンを検出する仕組みの原理について説明する。
(1)本実施形態に係る磁気ディスク装置(HDD)は、磁気ヘッドの浮上高を変えることによって、当該磁気ヘッドの磁気ディスクへの接触(タッチダウン)を検出し、この磁気ヘッドの接触の検出に応じて磁気ヘッドの浮上高を設定する機能を有する。本実施形態の第1の特徴は、このような磁気ディスク装置において、磁気ディスクの回転速度変化を検出することで、磁気ヘッドの接触を検出することにある。
磁気ヘッドの接触と磁気ディスクの回転速度変化との関係について図1を参照して説明する。図1に示すように、磁気ヘッド11が、矢印Aの方向に回転している磁気ディスク12に接触した際に、当該磁気ヘッド11に接触摩擦により接触応力(接触摩擦力)13が加わる。磁気ヘッド11に接触応力13が加わると、当該磁気ヘッド11に、磁気ディスク11の半径方向及び当該磁気ディスク11の法線方向への振動が発生する。つまり、磁気ヘッド11の磁気ディスク12への接触は、磁気ヘッド11の振動として観測することが可能である。
接触応力13は、磁気ディスク12にも加わる。この接触応力13は、磁気ディスク12の回転速度を低下させる方向に働く。そこで本実施形態では、磁気ディスク12の回転速度変化を検出することで、磁気ヘッド11の接触を容易に検出する手法が適用される。
(2)本実施形態の第2の特徴は、磁気ディスク12の回転速度変化を、SPM101の制御にオープンループ制御を適用した状態で検出することにある。以下、その理由について説明する。
磁気ディスク12は、スピンドルモータ(SPM)101によって回転させられる。SPM101は、後述するディスクコントローラ(HDC)212(図8参照)によるフィードバック制御を受ける。つまり、HDC212は、SPM101が所定の回転速度で回転するように当該SPM101を制御するためのフィードバック制御を実行する。このため、SPM101の回転速度が変化しても、常に所定の回転速度に戻るように、当該SPM101が制御される。具体的には、磁気ヘッド11の磁気ディスク12への接触によって当該磁気ヘッド11に加わった接触応力13をキャンセルするべく、SPM101に供給される電流が増加される。これにより、SPM101の回転トルクが増し、当該SPM101の回転速度が所定の回転速度に修正される。
図2(a)は、上述のようにSPM101がフィードバック制御を受けている場合の磁気ディスク12の一定の周回数(revolution)の期間における回転速度変化の例を示す。ここでは、一定の周回数は20である。図2(a)において、曲線21は磁気ヘッド11が磁気ディスク12に接触していない状態(または磁気ヘッド11の浮上高が下げられていない状態)の回転速度変化を示し、曲線22は磁気ヘッド11が磁気ディスク12に接触している状態(または磁気ヘッド11の浮上高が下げられている状態)の回転速度変化を示す。曲線22から明らかなように、磁気ヘッド11が磁気ディスク12に接触して当該磁気ディスク12の回転速度変化が発生しても、フィードバック制御が機能することにより、直ちに元の回転速度に修正される。
図2(b)は、SPM101の制御に、フィードバック制御に代えてオープンループ制御が適用された場合の、磁気ディスク12の一定の周回数(ここでは20)の期間における回転速度変化の例を示す。図2(b)において、曲線23は磁気ヘッド11が磁気ディスク12に接触していない状態の回転速度変化を示し、曲線24は磁気ヘッド11が磁気ディスク12に接触している状態の回転速度変化を示す。
周知のようにオープンループ制御では、SPM101に常時一定の電流が供給され、当該SPM101の回転速度が変化しても、当該回転速度は修正されない。このため、磁気ヘッド11と磁気ディスク12との接触によって磁気ディスク12の回転速度が変化しても、当該回転速度は元の回転速度に修正されない。つまり、磁気ヘッド11が磁気ディスク12に接触することによって接触応力13が発生すると、磁気ディスク12の周回数の増加に伴って当該磁気ディスク12の回転速度は低下する。
これにより、曲線24から明らかなように、磁気ディスク12の回転速度変化率(より詳細には、回転速度変化率の絶対値)は、磁気ディスク12の周回数の増加に伴って大きくなる。よって、磁気ディスク12の回転速度変化を検出する期間、フィードバック制御に代えてオープンループ制御を適用することで、当該回転速度変化をより明確に捉えることが可能となる。
(3)本実施形態の第3の特徴は、磁気ディスク12の回転速度変化の検出に、当該磁気ディスク12上に離散的に配置されているサーボ領域31(図3(a)参照)の間の時間間隔、いわゆるタイムスタンプ(図3(b)及び(c)参照)を利用することにある。このサーボ領域31の間の時間間隔(つまりサーボ時間間隔)とは、磁気ディスク12の回転に応じてサーボ領域31が図1に示される磁気ヘッド11の位置を通過する時間間隔を指す。このサーボ時間間隔を計測することで、磁気ディスク12の回転速度変化を容易に検出することが可能となる。サーボ時間間隔は、後述するように、サーボ領域31に記録されているサーボパターン(より詳細には、サーボ同期マーク)が検出されるタイミングの時間間隔として計測することが可能である。
近年のリードチャネルは、一般にサーボ時間間隔を測定する機能を具備している。この機能は記録動作時の書き込み周波数を最適化するために用意されている。この機能により、サーボ時間間隔の変動がモニターされる。よって磁気ディスクに記録されているサーボパターンに対して、偏心した軌跡に磁気ヘッドが追従する場合、そのサーボ時間間隔の変動を正確に捉えることが可能となっている。これより、サーボの引き込み周波数の変化を事前に推定し、サーボ制御動作を安定に行うことが可能となる。
本実施形態では、リードチャネルが備える上述の機能を流用することで、図1に示される磁気ディスク12の回転速度変化を高精度に捉えることを可能としている。
磁気ディスクの回転速度変化とサーボ時間間隔(タイムスタンプ)の変化との関係の一例について、図3を参照して説明する。まず図1に示される磁気ディスク12上には、当該磁気ディスク12の周方向に、図3(a)に示されるように、サーボパターンが記録されたサーボ領域31が離散的に配置されている。互いに隣接するサーボ領域31の間は、データ領域32に割り当てられている。サーボ領域31の所定位置、例えば先頭には、当該サーボ領域31を識別するための情報としてのサーボ同期マーク(Servo Synchronization Mark:SSM)が記録されている。
図1に示される磁気ヘッド11が磁気ディスク12に接触し、双方の間に接触応力13が発生した場合、磁気ディスク12の回転速度変化はサーボ領域31の間の時間間隔(サーボ時間間隔)の変動として現れる。より詳細には、磁気ディスク12の回転速度変化は、図3(b)及び(c)に示すように、サーボ同期マーク(SSM)が検出されるクロック信号(Servo Sync Mark Found:SSMF)の時間間隔(タイムスタンプ)の変動として現れる。よって、磁気ディスク12の回転速度変化は、測定されるタイムスタンプ値の変化として数値的に検出される。特に図3(c)には、接触応力13によって磁気ディスク12の回転速度が低下した結果、タイムスタンプ値33が、当該タイムスタンプ値33よりも大きいタイムスタンプ値34に変化した状態が示されている。
(4)本実施形態の第4の特徴は、タイムスタンプ値変化の測定(検出)精度を上げるために、以下のタイムスタンプ差分を計測(検出)する手法を適用することにある。
本実施形態では、タイムスタンプ差分の計測において、図1に示される磁気ヘッド11と磁気ディスク12とが非接触の状態で取得(検出)されるタイムスタンプ値が、基準値として用いられる。一方、磁気ヘッド11と磁気ディスク12とが接触した状態で取得されるタイムスタンプ値は、評価値として用いられる。
また本実施形態では、タイムスタンプ値を取得する期間に亘って、同一サーボ領域31が検出されるタイミングSSMF毎に、基準値と評価値との差分が、タイムスタンプ差分として計測(計算)される。これによりタイムスタンプ差分の変化が計測される。このタイムスタンプ差分の変化に基づいて、磁気ヘッド11と磁気ディスク12との接触を正確に検出することが可能となる。
タイムスタンプ差分の変化について図4を参照して説明する。本実施形態では、一定の期間、例えば磁気ディスク12の一定の回転数、つまり一定の周回数revolution(ここでは10)の期間だけ、タイムスタンプ値が取得(検出)されるものとする。ここでは、磁気ヘッド11と磁気ディスク12とが接触しない非タッチダウン状態(非TD状態)での、周回数が0から10までの期間におけるタイムスタンプ値が、基準値として取得される。
次に、前述の発熱素子に供給されるDFHパワーが徐々に増やされる。これにより磁気ヘッド11の浮上高が徐々に下げられる。そして、DFHパワーが増やされる都度、そのDFHパワーでの周回数が0から10までの期間におけるタイムスタンプ値が、評価値として取得される。
図4(a)は、磁気ヘッド11の浮上高が下げられないために、磁気ヘッド11が磁気ディスク12に接触していない非タッチダウン状態(非TD状態)の、周回数が0から10までの期間におけるタイムスタンプ値(基準値)の変化の例を示す。図4(b)は、磁気ヘッド11の浮上高が下げられた結果、磁気ヘッド11が磁気ディスク12に接触しているタッチダウン状態(TD状態)での、周回数が0から10までの期間におけるタイムスタンプ値(評価値)の変化の例を示す。なお、図4(a)及び(b)では、変化量が0の場合のタイムスタンプ値が0となるように、各タイムスタンプ値が正規化されている。
磁気ディスク12上のサーボパターンが記録されたサーボ領域31の群は、磁気ヘッド11に対して同心円状に位置するものではなく、偏心した状態にある。これは、磁気ディスク12上に離散的にサーボパターンを記録するサーボトラックライタと、このサーボパターンが記録された磁気ディスク12を実装した磁気ディスク装置とで、当該磁気ディスク12の回転中心位置が異なるためである。
したがって、偏心に応じて各サーボパターン(サーボ領域31)の位置で周速が異なる。このため、非タッチダウン状態(非TD状態)において取得されるタイムスタンプ値(基準値)は、図4(a)に示されるように、ほぼ周期的に変化する。一方、タッチダウン状態(TD状態)において取得されるタイムスタンプ値(評価値)は、図4(b)に示されるように、ほぼ周期的に変化するだけでなく、図1に示される接触応力13の影響で、周回数の増加に伴って変化量が増加する。
本実施形態では、図4(a)に示すような基準値と図4(b)に示すような評価値との、同一サーボ領域31のタイミングSSMF毎の差分(以下、タイムスタンプ差分と称する)が計算される。そして、このタイムスタンプ差分に基づいて、タイムスタンプ値の変化、つまり磁気ディスク12の回転速度変化が検出される。
このように、タイムスタンプ差分に基づいて磁気ディスク12の回転速度変化を検出することにより、以下の効果を生む。例えば上述のような偏心に起因して磁気ディスク12の周期的な回転変動が発生する場合、当該回転変動がタイムスタンプ値の変動として現れる。そこで、本実施形態では、上述した周回数(10)の期間、磁気ヘッド11の浮上高が変えられない(下げられない)状態でタイムスタンプ値が基準値として取得される。同様に、上述した周回数(10)の期間、磁気ヘッド11の浮上高が変えられた(下げられた)状態で、取得された基準値と同数のタイムスタンプ値が評価値として取得される。そして、取得された基準値と評価値との差分がタイムスタンプ差分として計算される。この差分計算により、周期的な回転変動成分はキャンセルされる。したがって、差分計算により取得されるタイムスタンプ差分は、磁気ヘッド11の浮上高が下げられたことによる(例えば、磁気ヘッド11が磁気ディスク12に接触したことによる)タイムスタンプ変化を明確に表す。よって、このようなタイムスタンプ差分に基づいて磁気ディスク12の回転速度変化を検出することで、検出精度を上げることが可能となる。
図5は、上述の周回数(10)の期間におけるタイムスタンプ差分の3つの例について示す。曲線51は、磁気ヘッド11が磁気ディスク12に接触していない状態で評価値が取得された場合におけるタイムスタンプ差分の周回数に対する変化を示す。曲線52は、磁気ヘッド11が磁気ディスク12に軽く接触している状態で評価値が取得された場合におけるタイムスタンプ差分の周回数に対する変化を示す。曲線53は、磁気ヘッド11が磁気ディスク12に強く接触している状態で評価値が取得された場合におけるタイムスタンプ差分の周回数に対する変化を示す。ここで、曲線51,52及び53は、ほぼ直線であり、その勾配は、磁気ヘッド11が磁気ディスク12に強く接触するほど、大きくなることに注意されたい。
(5)本実施形態の第5の特徴は、タイムスタンプ差分yの周回数xに対する変化を表す直線(一次)近似式y=ax+bを取得し、当該近似式y=ax+bの勾配aに基づいて、タッチダウンを検出(判定)することにある。
上述したように本実施形態では、磁気ヘッド11の浮上高を下げない状態で取得された基準値と磁気ヘッド11の浮上高を下げた状態で取得された評価値との差分がタイムスタンプ差分yとして取得される。そこで、このタイムスタンプ差分yの周回数xに対する変化をプロットして、その変化を表す曲線を直線で近似することで、対応する直線近似式、つまり一次近似式y=ax+bが取得される。そして、取得された一次近似式y=ax+bから、近似された直線の勾配aが取得される。この勾配aは、タイムスタンプ値の変化量を表す。そこで、この勾配をタイムスタンプ勾配aと称する。
図6は、図5に示される曲線51〜53から近似される直線61〜63を、当該直線61〜63の勾配a1〜a3と対応付けて示す。本実施形態では、DFHパワーを変えて磁気ヘッド11の浮上高を徐々に下げながら、浮上高毎に直線61〜63に相当する直線の勾配がタイムスタンプ勾配として取得される。この浮上高毎のタイムスタンプ勾配をプロットすると、磁気ヘッド11が磁気ディスク12にタッチダウンした際に、急激にタイムスタンプ勾配が変化する。
図7は、磁気ヘッド11の浮上高を徐々に低下させた際のタイムスタンプ勾配の変化の例を示す。図7では、横軸を浮上高が低下した量(浮上高低下量)とし、縦軸をタイムスタンプ勾配としている。浮上高低下量は、上述の発熱素子にDFHパワーが印加されない場合の浮上高を基準としており、DFHパワーが大きくなるほど大きくなる。
浮上高が徐々に低下されると、磁気ディスク12の回転速度が徐々に低下する。このため、図7からも明らかなように、浮上高低下量の増加(DFHパワーの増大)に伴い、タイムスタンプ勾配も増加する傾向にある。また、タイムスタンプ測定のばらつきの影響を受けるため、タイムスタンプ勾配は変動する。
浮上高低下量がある値を超えた結果、磁気ヘッド11が磁気ディスク12と接触すると、図7からも明らかなように、タイムスタンプ勾配が急激に変化する。よって、タッチダウンを検出するためには、この急激な変化を捉えることが重要になる。そこでHDC212は、タイムスタンプ勾配が急激に変化する前の、浮上高低下量Xに対するタイムスタンプ勾配Yの変化を表す直線近似式Y=AX+Bを取得する。HDC212は、浮上高低下量X=X1に対応するタイムスタンプ勾配Y=Y1の、直線近似式Y=AX+Bから想定されるタイムスタンプ勾配(タイムスタンプ勾配の平均値)からの乖離が、所定の値を超えた場合に、磁気ヘッド11が磁気ディスク12にタッチダウンしたと判定する。
上述の説明では、理解を容易にするために、上記Xとして浮上高低下量を用いている。しかし、浮上高低下量を測定することは容易ではない。一方、浮上高低下量は、DFHパワー(より詳細には、DFHパワーを指定する制御値、つまりDFHパワー制御値)にほぼ比例する。そこで本実施形態では、処理の簡略化のために、上記Xとして、浮上高低下量に代えてDFHパワー(DFHパワー制御値)が用いられる。
次に、上述した原理を適用する本実施形態の詳細について説明する。図8は本実施形態に係る磁気ディスク装置の典型的な構成を示す。なお、図8において、図1と等価な要素には同一参照番号を付してある。図8に示す磁気ディスク装置は、大きく分けて、ヘッドディスクアセンブリ部(HDA部)100と、印刷回路基板部(PCB部)200とから構成される。
HDA部100は、図1に示される磁気ヘッド11及び磁気ディスク12に加えて、スピンドルモータ(SPM)101、ハブ102、及びボイスコイルモータ(VCM)駆動機構103を備えている。HDA部100は、例えば上面の開口した矩形箱状のアルミニウム製の筐体110内に収められている。この筐体110には、当該筐体110の開口を閉塞するように、図示しないシールド材及びトッププレートが取り付けられている。これにより、HDA部100は筐体110内に封入され、外気から遮断される。
HDA部100において、磁気ディスク12はハブ102を介してSPM101に取り付けられ、所定の回転速度(例えば5400rpm)にて回転させられる。磁気ディスク12の面12a及び12bはデータが磁気記録される記録面をなしている。磁気ヘッド11は磁気ディスク12の面12a側に配置される。
SPM101は後述する制御部(control section)210によって制御される。このSPM101のための制御は、SPM101の所定の回転速度を維持するための制御、及びSPM101のスタート/ストップのための制御を含む。またVCM駆動機構103も制御部210によって制御される。VCM駆動機構103は、制御部210からの指示に従い、磁気ヘッド11の磁気ディスク12へのロード及び磁気ディスク12からのアンロード、磁気ヘッド11を磁気ディスク12上の目標トラックへ移動するシーク動作を行う。VCM駆動機構103はVCM(ボイスコイルモータ)を用いて構成されており、磁気ヘッド11を搭載したアクチュエータ104の回動を制御することでシーク動作を行う。
図8に示す磁気ディスク装置では、磁気ディスク12の面12b側に磁気ヘッド14が配置されている。しかし、以降の磁気ヘッド14に関する説明は、説明の簡略化のために省略する。必要ならば、以降の説明において磁気ヘッド11を磁気ヘッド14に読み替えられたい。
HDA部100において、ヘッドアンプ121は、VCM駆動機構103の近傍に設けられたフレキシブル印刷回路基板(FPC)上に配置されている。ヘッドアンプ121は、このFPCを介して磁気ヘッド11及び制御部210と電気的に接続されている。但し、図1では、作図の都合で、ヘッドアンプ121は、VCM駆動機構103から離れた箇所に配置されている。なお、ヘッドアンプ121がアクチュエータ104に搭載された構成であっても、あるいはPCB部200に配置された構成であってもよい。
ヘッドアンプ121は、リードアンプと、ライトドライバと、パワーアンプ(いずれも図示せず)とを備えている。リードアンプは、ヘッド121によりリードされた信号(リード信号)を増幅する。ライトドライバは、後述するリードチャネル211から転送されるライトデータをライト電流(ライト信号)に変換して磁気ヘッド11に出力する。パワーアンプは、HDC212からの指示に応じて磁気ヘッド11に備えられた発熱素子に当該磁気ヘッド11の浮上高を制御するための電力(つまり、DFHパワー)を供給する。
一方、PCB部200は、制御部210及びパワー制御アンプ220を備えている。制御部210及びパワー制御アンプ220は、図示せぬ印刷回路基板に搭載されている。制御部210は、リードチャネル(RDC)211及びHDC(ディスクコントローラ)212から構成される。リードチャネル211は、リード/ライトに関連する信号処理を行う。すなわちリードチャネル211は、ヘッドIC18によって増幅されたリード信号(リード信号)をデジタルデータに変換し、このデジタルデータからリードデータを復号する。リードチャネル211はまた、上記デジタルデータからサーボデータ(サーボパターン)を抽出する。リードチャネル211はまた、HDC212から転送されるライトデータを符号化し、この符号化されたライトデータをヘッドアンプ121に転送する。リードチャネル211はさらに、前述のタイムスタンプ値をモニターする機能を有する。
HDC212は、当該HDC212とホストとの間で外部インターフェースを介して信号を授受する。具体的には、HDC212は、ホストから外部インターフェースを介して転送されるコマンド(ライトコマンド、リードコマンド等)を受信する。HDC212はまた、ホストと当該HDC212との間のデータ転送を制御する。HDC212はまた、ホストから外部インターフェースを介して転送されたデータ信号に応じてライトデータを生成する。HDC212はまた、リードチャネル211を介して行われる磁気ディスク12と当該HDC212との間のデータ転送を制御する。HDC212はまた、SPM101及びVCM駆動機構103等を制御する。本実施形態において、SPM101及びVCM駆動機構103の制御のための制御信号は、HDC212の制御の下で、パワー制御アンプ220によって生成される。HDC212はさらに、磁気ヘッド11に備えられた発熱素子にヘッドアンプ121を介してDFHパワーを供給する。
さて、近年の磁気ディスク装置の高記録密度化の流れから、磁気ディスクに記録される磁気マークは微細化の一途をたどっている。磁気ディスク装置の高記録密度化を実現するためには、磁気ディスクと磁気ヘッドとの間のマグネチックスペーシングを小さくする必要がある。そのため、このような磁気ディスク装置は、磁気ヘッドに発熱素子を備え、当該発熱素子に供給されるDFHパワーによって当該発熱素子の発熱量を制御することで、磁気ヘッドの浮上高をコントロールしている。つまり磁気ディスク装置は、磁気ヘッドの熱膨張量を制御して当該磁気ヘッドに備えられているリード/ライト素子の突き出し量を調整することにより、当該磁気ヘッドの浮上高が所定の値になるように調整する。図8に示す磁気ディスク装置においても、磁気ヘッド11に発熱素子を備え、ヘッドアンプ121から当該発熱素子に供給されるDFHパワーを制御部210のHDC212によって制御することで、磁気ヘッド11の浮上高が制御される。
ここで、DFHパワーが供給されない状態での磁気ヘッドの浮上高は、磁気ディスク装置毎に異なるのが一般的である。また、磁気ディスク装置が複数の磁気ヘッドを備えているものとすると、DFHパワーが供給されない状態での当該複数の磁気ヘッドのそれぞれの浮上高も異なるのが一般的である。そこで、磁気ヘッド毎に、当該磁気ヘッドの浮上高を校正するために、当該磁気ヘッドを対応する磁気ディスクに接触させることにより、当該磁気ヘッドの浮上高がゼロになる状態が検出される。
従来技術では、磁気ヘッドの浮上高がゼロになる状態、つまり磁気ヘッドが磁気ディスクにタッチダウンした状態が、先に述べたように、トラック位置誤差信号(PES)を用いて検出される。しかし、トラック位置誤差信号に基づくタッチダウンの検出は、以下に述べるように難しい。
まず、磁気ヘッドは、VCM駆動機構の回転ピボットの中心を軸にして磁気ディスクに対して弧を描くように動作する。このため磁気ヘッドは、磁気ディスクの回転方向(つまり周方向)に対して、当該磁気ディスクの内周と外周では一定の角度(いわゆるスキュー角)をもって位置することになる。磁気ヘッドが磁気ディスクと接触した場合、接触応力(接触摩擦力)によって磁気ディスクの周方向と半径方向の抗力の成分が発生する。
すると、磁気ヘッドを磁気ディスク上の目標トラックに位置付けるための位置決め制御により、上記半径方向の抗力に対抗して当該磁気ヘッドを目標トラック上に整定させる動作が行われる。しかし、磁気ヘッドは、磁気ディスクに接触した際に発生する例えば振動(揺れ)の影響により、目標トラックに安定して整定されない。この結果、トラック位置誤差信号の振幅(以下、PES値と称する)が増大する。従来技術では、このPES値の増大を検出することでタッチダウンが検出される。
ところが、目標トラックが磁気ディスクの中周に存在する場合、つまり磁気ヘッドを磁気ディスクの中周の目標トラックに位置付ける場合、接触応力の働く方向と磁気ヘッドの抗力が働く方向とが一致するため、磁気ヘッドの磁気ディスクの半径方向の揺れは少なく、目標トラックに対する磁気ヘッドの当該半径方向の位置ずれの変化が現れにくい。よってPES値の変化が殆どなく、タッチダウンを検出することが困難となる。
そこで本実施形態では、前述したように、磁気ヘッド11が磁気ディスク12に接触した際に発生する接触応力13(図1参照)の働きによって当該磁気ディスク12の回転速度変化が発生することを検出して、磁気ヘッド11のタッチダウンを検出する手法が適用される。また本実施形態では、磁気ディスク12の回転速度変化を定量的に検出するために、タイムスタンプ値を用いている(図3(a)〜(c)参照)。
タイムスタンプ値とは、前述したように、磁気ディスク12上に離散的に配置されているサーボ領域31が当該磁気ディスク12の回転に応じて磁気ヘッド11の位置を通過する時間間隔を指す。ここでは、タイムスタンプ値には、各サーボ領域31に記録されているサーボ同期マーク(SSM)が検出されるタイミングを示すクロック信号(SSMF信号)の、サーボ同期マークの検出タイミングSSMFの時間間隔を測定した値が用いられる。
リードチャネル211は、一般に、磁気ヘッド11を磁気ディスク12上の目標トラックに位置決めするためのサーボ動作中と、磁気ディスク12にデータを書き込むためのライト動作中とにおいて、タイムスタンプ値をモニターしている。このモニターされたタイムスタンプ値は、前者であればサーボ引き込み周波数の調整に、後者であればライトクロック周波数の調整に、それぞれ使用されている。
磁気ディスク12上のサーボパターンが記録されたサーボ領域31の群は、磁気ヘッド11に対して同心円状に位置するものではなく、偏心した状態にある。これは、磁気ディスク12上に離散的にサーボパターンを記録するサーボトラックライタと、このサーボパターンが記録された磁気ディスク12を実装した磁気ディスク装置とで、当該磁気ディスク12の回転中心位置が異なるためである。
したがって、偏心に応じて各サーボパターン(サーボ領域31)の位置で周速が異なる。このため、サーボ引き込み周波数が変動する結果となってサーボ動作の安定性が損なわれる可能性がある。これを補正するために、リードチャネル211は、タイムスタンプ値をモニターすることによって、磁気ディスク12の速度変化を検出し、その検出された速度変化に基づいて、サーボ引き込み周波数を安定化させる。
本実施形態では、このリードチャネル211によってモニターされるタイムスタンプ値を磁気ヘッド11のタッチダウンの検出に利用する。つまり本実施形態では、タイムスタンプの変化を観測することで、磁気ヘッド11のタッチダウンに起因する磁気ディスク12の回転速度変化を検出する手法を適用する。
以下、本実施形態で適用されるタッチダウン測定(検出)の典型的な手順について、図8に示される磁気ディスク装置の出荷時の調整・検査工程におけるタッチダウン測定を例に、図9のフローチャートを参照して説明する。
今、HDC212が、ホストから測定コマンドを受信したものとする。するとHDC212は、タッチダウン測定を開始する(ステップ900)。
まずHDC212は、パワー制御アンプ220を介してVCM駆動機構103を制御することにより、磁気ヘッド11を磁気ディスク12上の目標とするゾーンに移動させる(ステップ901)。本実施形態において、磁気ディスク12は当該磁気ディスク12の半径方向に複数のゾーンに区分して管理される。ここでは、磁気ディスク12の内周のゾーン、中周のゾーン及び外周のゾーンの各々について、タッチダウンが測定されるものとする。測定対象ゾーン数は3に限らない。例えば、磁気ヘッド11の空気ベアリング面(ABS)の設計に応じて、当該磁気ヘッド11の磁気ディスク12上の半径方向位置によって当該磁気ヘッド11の浮上特性が変わる場合、詳細に調査するために測定対象ゾーン数を増やしてもよい。
次にHDC212は、磁気ヘッド11の浮上高を変えて当該磁気ヘッド11のタッチダウンを検出するために、浮上高制御手段として機能して、当該磁気ヘッド11に備えられている発熱素子に供給されるべきDFHパワーを設定する(ステップ902)。つまりHDC212は、発熱素子に供給されるべきDFHパワーを指定するDFHパワー制御値(DFHパワーパラメータ)をヘッドアンプ121に設定する。これによりヘッドアンプ121は、HDC212によってDFHパワーの供給が指定されている期間だけ、磁気ヘッド11に備えられている発熱素子に、上記設定されたDFHパワー制御値の示すDFHパワーを供給する。
HDC212は、上記ステップ902を実行する都度、DFHパワーを増加する。ヘッドアンプ121内では、上記発熱素子に供給可能な最大DFHパワーに対して、例えば8ビット(256ステップ)の分解能をもって、DFHパワーの設定が可能であるものとする。そこで本実施形態においてHDC212は、この分解能の単位(1ステップ単位、いわゆる1dac単位)でDFHパワーを徐々に変化(ここでは増大)させている。このようにDFHパワーを変えることで磁気ヘッド11の熱膨張量が変わる。これにより、磁気ヘッド11に備えられているリード/ライト素子の突き出し量が変わり、磁気ヘッド11の浮上高が変化する。
次にHDC212は、SPM101の制御をフィードバック制御からオープンループ制御に変更する(ステップ903)。これによりHDC212はオープンループ制御の期間、パワー制御アンプ220を介してSPM101に一定電流(SPM電流)を供給する。そして、この期間、HDC212は、SPM101の回転速度が所定の回転速度から変化したとしても、その変化した回転速度を当該所定の回転速度に修正しない。
次にHDC212は、タイムスタンプ測定手段として機能して、例えばリードチャネル211に対して後述するタイムスタンプ値取込命令を発行することにより、当該リードチャネル211を用いてタイムスタンプ値を測定する(ステップ904)。本実施形態において、このタイムスタンプ値の測定は、磁気ディスク12の第1の周回数の期間と、当該第1の周回数の期間に続く第2の周回数の期間において行われる。HDC212は、ヘッドアンプ121に対して、第1の周回数の期間発熱素子にDFHパワーを供給せず、第2の周回数の期間当該発熱素子にDFHパワーを供給することを指示する。第1の周回数と第2の周回数とは等しく、例えば10である。測定されたタイムスタンプ値は、HDC212が有する書き換え可能なメモリ、例えばRAMに一時格納される。
HDC212は、上述のタイムスタンプ値の測定(ステップ904)を実行し終えると、SPM101の制御を、元のフィードバック制御に戻す(ステップ905)。
次にHDC212は、タイムスタンプ差分計算手段として機能して、測定されたタイムスタンプ値に基づいてタイムスタンプ差分を計算する(ステップ906)。つまりHDC212は、上記発熱素子にDFHパワーが供給されない状態(DFH−OFF状態)におけるタイムスタンプ値(以下、第1のタイムスタンプ値と称する)と、上記発熱素子にDFHパワーが供給される状態(DFH−ON状態)におけるタイムスタンプ値(以下、第2のタイムスタンプ値と称する)との、同一サーボ領域31のタイミングSSMF毎の差分をタイムスタンプ差分として計算する。算出されたタイムスタンプ差分は、上記RAMに一時格納される。但し本実施形態では、初めてステップ902が実行されることによって設定されるDFHパワー(DFHパワー制御値)は、後述するようにゼロ(0dac)である。
次にHDC212は、タイムスタンプ勾配計算手段として機能して、算出されたタイムスタンプ差分に基づいて、現在設定されているDFHパワー(以下、現DFHパワーと称する)に対応するタイムスタンプ勾配を計算する(ステップ907)。
次にHDC212は、現DFHパワーでのタイムスタンプ値測定(ステップ904)の回数が予め定められた回数Nとなったかを判定する(ステップ908)。もし、タイムスタンプ値測定の回数がNに達していないならば(ステップ908のNo)、HDC212は、現DFHパワーで、ステップ903乃至907を再び実行する。
やがて、タイムスタンプ値測定の回数がNに達したならば(ステップ908のYes)。HDC212は、タッチダウン判定(検出)に必要な計測データを取得し終えたと判定する。するとHDC212は、タッチダウン判定計算手段として機能して、タッチダウン判定に利用するデータを取得するための計算(タッチダウン判定計算)実行する(ステップ909)。このタッチダウン判定計算の概要を以下に説明する。
まずHDC212は、現DFHパワーにおけるN回の測定結果のそれぞれに対応するタイムスタンプ勾配の平均値(以下、タイムスタンプ勾配値と称する)を計算する。算出されたタイムスタンプ勾配値は現DFHパワーに対応付けて上記RAMに格納される。次にてHDC212は、これまでに取得されたDFHパワー毎のタイムスタンプ勾配値に基づいて、DFHパワー(より詳細には、DFHパワー制御値)Xに対するタイムスタンプ勾配値Yの関係を表す一次近似式Y=AX+Bを取得する。
一次近似式Y=AX+Bを取得する理由は次の通りである。まず、DFHパワー毎の実際のタイムスタンプ勾配値、つまり測定されたタイムスタンプ勾配値(測定タイムスタンプ勾配値)は、ばらつく可能性がある。そこで本実施形態では、DFHパワー毎の平均的なタイムスタンプ勾配値を取得するために、一次近似式Y=AX+Bが取得される。
HDC212は、取得された一次近似式Y=AX+Bと、現DFHパワーX1とに基づき、現DFHパワーX1に対応する平均的なタッチダウン勾配値Y1、つまり推定されるタッチダウン勾配値(推定タッチダウン勾配値)Y1を取得する。HDC212は、推定タッチダウン勾配値Y1と後述する標準偏差σとに基づき、現DFHパワーX1におけるタッチダウン判定に用いられる閾値を取得する。これによりタッチダウン判定計算(ステップ909)は終了する。
するとHDC212は、現DFHパワーにおける測定タイムスタンプ勾配値(測定値)が閾値を超えているかを判定する(ステップ910)。もし、測定タイムスタンプ勾配値が閾値を超えていないならば(ステップ910のNo)、HDC212はステップ902に戻る。このステップ902において、HDC212は、磁気ヘッド11の浮上高を現在よりも下げるために、ヘッドアンプ121によって上記発熱素子に供給されるべきDFHパワー(を指定するDFHパワー制御値)を例えば1dacだけ増加する。次にてHDC212は、SPM101の制御をフィードバック制御からオープンループ制御に変更する(ステップ903)。そしてHDC212は、ステップ903に進んで、再度タイムスタンプの測定を開始する。
これに対し、測定タイムスタンプ勾配値が閾値を超えているならば(ステップ910のYes)、HDC212は、現在のDFHパワー、つまり測定タイムスタンプ勾配値がが閾値を超えた際のDFHパワーを、磁気ヘッド11を磁気ディスク12にタッチダウンさせるためのDFHパワー(タッチダウン判定結果)として、ホストへ通知する(ステップ911)。これによりHDC212は、タッチダウン測定を終了する。
ホストは、HDC212から通知された、磁気ヘッド11をタッチダウンさせるためのDFHパワーに基づいて、磁気ヘッド11の浮上高を所定の値に調整するためのDFHパワーを決定する。ホストは、決定されたDFHパワーを指定するDFHパワー制御値を、磁気ヘッド11に対応付けてHDC212内の例えば図示せぬフラッシュROM(つまり書き換え可能な不揮発性メモリ)に設定する。これにより、HDC212は、リード/ライト時における磁気ヘッド11の浮上高を、当該磁気ヘッド11に対応付けてフラッシュメモリに設定されたDFHパワー制御値に基づいて、所定の値に高精度に調整することができる。このような、磁気ヘッド11の浮上高を所定の値に調整するためのDFHパワーの校正を、磁気ディスク装置の出荷後においても、リード信号の品質またはライト信号の品質が基準レベルよりも低下した際に、HDC212がホストから独立して行うことも可能である。
次に上述のタッチダウン測定における、ステップ903,904,906,907及び909の詳細について説明する。
まず、ステップ903で実行される、SPM101の制御の変更について説明する。
前述したように、通常HDC212は、SPM101が所定の回転速度で回り続けるように当該SPM101を制御するためのフィードバック制御を実行する。すなわちHDC212は、SPM101の回転速度の変化を監視する。もし、外乱等の影響を受けて当該SPM101の回転速度が変化したならば、HDC212は、当該SPM101に供給される電流を、その変化量に基づいて即座に変更する。このようなフィードバック制御により、SPM101の回転速度は所定の回転速度に速やかに修正される。
このため、SPM101がフィードバック制御を受けている状態で、磁気ヘッド11が磁気ディスク12に接触して当該磁気ディスク12の回転速度が一時的に変化したとしても、その回転速度が所定の回転速度に修正される。したがって、タッチダウン測定のために、磁気ヘッド11の浮上高を徐々に下げて当該磁気ヘッド11を磁気ディスク12に接触させたとしても、磁気ディスク12の回転速度の変化量として大きな値が観測されない可能性がある。
また、フィードバック制御によってSPM101の回転速度が所定の回転数に修正される際に、オーバーシュートまたはアンダーシュートによる回転変動が発生する。この変動分は、タッチダウンによって発生する回転速度変化を検出する際のノイズ成分となる。
そこで本実施形態では、タイムスタンプ値の測定(ステップ904)の前に、SPM101の制御が、フィードバック制御からオープンループ制御に変更される。これより、磁気ヘッド11と磁気ディスク12との接触によって発生する回転速度変化は修正されることなく現われる。また、オープンループ制御では、SPM101に一定電流が供給される。このため、フィードバック制御による回転速度変化は発生しない。つまり、フィードバック制御では避けられなかった上述のノイズ成分の発生を防ぐことでできる。
次に、ステップ904で実行されるタイムスタンプ値測定の典型的な手順について、図10のフローチャートを参照して説明する。
HDC212は、リードチャネル211に対して、タイムスタンプ値の取り込みを要求するタイムスタンプ値取込命令を発行する(ステップ1001)。タイムスタンプ値取込命令は、パラメータとしてタイムスタンプ値の取込数Mを持つ。そこでHDC212は、タイムスタンプ値取込命令の発行に応じて、タイムスタンプ値の取込数Mをリードチャネル211内に設定する(ステップ1002)。
本実施形態で適用される基本的なタイムスタンプ値取得方法では、DFH−OFF状態とDFH−ON状態のそれぞれにおいて、複数周回数Rのタイムスタンプ値の取り込みが必要となる。この場合、磁気ディスク12が1回転(1周回)する期間に磁気ヘッド11を通過するサーボ領域31の数(つまりサーボセクタ数)をSとすると、2R×S(=M)個のタイムスタンプ値の取り込みが指定されることになる。図4(a)及び(b)の例では、Rが10あることから、Mは20×Sとなる。なお、取込数Mに代えて、周回数Rを指定してもよい。
リードチャネル211内にタイムスタンプ値の取込数Mが設定されると、当該リードチャネル211は、図8に示す磁気ディスク装置が備えている、ROMあるいはフラッシュROMのような不揮発性メモリに格納されたファームウェアプログラムに従って、タイムスタンプ値取込命令で指定されたタイムスタンプ値の計測を開始する。ここでは、サーボ領域31に記録されているサーボパターンを読み込むためのサーボ読み込み処理(ステップ1003)が行われる。このサーボ読み込み処理ではサーボ同期マーク(SSM)が検出される。リードチャネル211はサーボ読み込み処理において、今回サーボ同期マークが検出されたタイミングと前回のサーボ読み込み処理でサーボ同期マークが検出されたタイミングとの間の時間間隔、つまりタイムスタンプ値を測定し、その測定されたタイムスタンプ値を当該リードチャネル211内の所定のレジスタに一時保持する。
リードチャネル211はサーボ読み込み処理を実行し終えると、上記所定のレジスタに保持されたタイムスタンプ値を読み込んで(ステップ1004)、例えば、当該リードチャネル211内の図示せぬ先入れ先出しバッファに格納する(ステップ1005)。するとリードチャネル211はHDC212に1回のサーボ読み込み終了を通知する。
リードチャネル211は、リードチャネル211からのサーボ読み込み終了通知をカウントすることにより、当該リードチャネル211によってバッファに格納されたタイムスタンプ値の数、つまりタイムスタンプ値の取込数をカウントしている。そこでリードチャネル211は、リードチャネル211からサーボ読み込み終了が通知される都度、タイムスタンプ値の取込数(サンプル数)が指定の取込数Mに達したかを判定する(ステップ1006)
もし、タイムスタンプ値の取込数がMに達していないならば(ステップ1006のNo)、HDC212はリードチャネル211に以上の操作(ステップ1003乃至1005)を再度行わせる。すなわちHDC212は、タイムスタンプ値の取込数がMに達するまで、リードチャネル211によるステップ1003乃至1005の操作の繰り返しを制御する。そして取込数がMに達したならば(ステップ1006のYes)、そのMに一致する数のタイムスタンプ値を時系列順に上記バッファからHDC212内の上記RAMに読み込む(ステップ1007)。これによりHDC212は、リードチャネル211に対して指定した取込数Mに一致する数のタイムスタンプ値を取得することができる。
本実施形態においてHDC212は、第1の周回数Rの期間、発熱素子をDFH−OFF状態に設定して、M/2個、つまりR×S個のタイムスタンプ値(第1のタイムスタンプ値)を基準値として取得する(図4(a)参照)。HDC212はまた、後続する第2の周回数Rの期間、発熱素子をDFH−ON状態に設定して、残りのM/2個、つまりR×S個のタイムスタンプ値(第2のタイムスタンプ値)を評価値として取得する(図4(b)参照)。ここで、Rは上述したように10である。しかし、磁気ディスク装置の特性にもよるが、せいぜい数周回分のタイムスタンプ値で十分である。
次に、ステップ906で実行される、タイムスタンプ差分計算の詳細について説明する。
HDC212は、リードチャネル211を用いてタイムスタンプ値を測定し終えると、つまりリードチャネル211によって測定されたM/2個の第1のタイムスタンプ値及びM/2個の第2のタイムスタンプ値を取得すると、タイムスタンプ差分を計算する。
図4(a)は、既に説明したように、DFH−OFF状態、つまり磁気ヘッド11の浮上高が下げられていない状態において、磁気ディスク12の回転に応じて第1のタイムスタンプ値が変化する様子を示している。DFH−OFF状態は、磁気ヘッド11が磁気ディスク12と接触していない状態(非TD状態)でもある。図4(a)の例では、第1のタイムスタンプ値は磁気ディスク12の偏心に応じてサインカーブを描くように変化している。
図4(b)は、DFH−ON状態、つまり磁気ヘッド11の浮上高が下げられている状態において、磁気ディスク12の回転に応じて第2のタイムスタンプ値が変化する様子を示している。このDFH−ON状態では、DFHパワーの大きさによっては、磁気ヘッド11が磁気ディスク12と接触しているタッチダウン状態(TD状態)となる可能性がある。図4(b)は、このようなタッチダウン状態における第2のタイムスタンプ値の変化を示している。図4(b)の例では、磁気ディスク12の偏心に応じて第2のタイムスタンプ値が変化するだけでなく、タッチダウンによる影響で周回数の増加に伴って第2のタイムスタンプ値の変化量が増加している。
このように、第1のタイムスタンプ値及び第2のタイムスタンプ値には、磁気ディスク12の偏心の影響も反映されていることに注意すべきである。
そこでHDC212は、M/2個の第1のタイムスタンプ値(基準値)とM/2個の第2のタイムスタンプ値(評価値)との、同一サーボ領域31のSSMFのタイミング毎の差分を計算する。この差分計算により、磁気ディスク12の偏心の影響を相殺でき、タイムスタンプ値の変化のみ抽出することが可能となる。
図5は、前述したように、タイムスタンプ差分の3つの例について示す。曲線51は、DFH−ON状態におけるDFHパワーが小さいために、磁気ヘッド11が磁気ディスク12に接触していない状態で第2のタイムスタンプ値が取得された場合におけるタイムスタンプ差分の周回数に対する変化を示す。曲線51はほぼ直線であり、その勾配はゼロに近い。
曲線52は、DFH−ON状態におけるDFHパワーが中程度のために、磁気ヘッド11が磁気ディスク12に軽く接触している状態で第2のタイムスタンプ値が取得された場合におけるタイムスタンプ差分の周回数に対する変化を示す。曲線53は、DFH−ON状態におけるDFHパワーが大きいために、磁気ヘッド11が磁気ディスク12に強く接触している状態で第2のタイムスタンプ値が取得された場合におけるタイムスタンプ差分の周回数に対する変化を示す。曲折52及び53も、ほぼ直線であり、その勾配は、磁気ヘッド11が磁気ディスク12に強く接触するほど、大きくなる。
次に、ステップ907で実行される、タイムスタンプ勾配計算の詳細について説明する。
HDC212は、現DFHパワーにおけるタイムスタンプ差分を計算し終えると、当該タイムスタンプ差分に基づいてタイムスタンプ勾配を計算する。つまりHDC212は、タイムスタンプ差分yの周回数xに対する変化を一次近似(直線近似)するための計算により、一次近似式y=ax+bを取得する。
一次近似式y=ax+bの勾配aは、現DFHパワーにおけるタイムスタンプ値の変化量を表す。したがって、タイムスタンプ差分yの周回数xに対する変化を直線で近似することにより、HDC212は現DFHパワーにおけるタイムスタンプ値の変化特性を把握することができる。そこでHDC212は、取得された一次近似式y=ax+bの勾配aを、現DFHパワーにおけるタイムスタンプ値の変化量を示すタイムスタンプ勾配として取得する。取得されたタイムスタンプ勾配は、現DFHパワーに対応付けて上記RAMに格納される。
ところで、振動のような外乱がある環境で、タイムスタンプ値が測定される場合、外乱に起因するタイムスタンプ値の変化も現われる。この場合、上述のようにタイムスタンプ差分yの周回数xに対する変化を直線で近似することにより、外乱の影響を低減することができる。つまり本実施形態によれば、外乱に対して安定してタイムスタンプ値を測定できる。
次に、ステップ909で実行される、タッチダウン判定計算の典型的な手順について、図11のフローチャートを参照して説明する。
本実施形態では、ステップ902が実行される都度、DFHパワー(を指定するDFHパワー制御値)が前述したように1dac増加される。図9のフローチャートに従うタッチダウン測定において、初めてステップ902が実行されることによって設定されるDFHパワー、つまりタッチダウン測定の開始時に設定されるDFHパワーを、測定開始DFHパワーと称する。本実施形態において、測定開始DFHパワーはゼロ、つまりDFHパワーを指定するDFHパワー制御値はゼロ(0dac)である。
また本実施形態では、ステップ902が一定回数実行された後に、つまりDFHパワー(を指定するDFHパワー制御値)が一定値(例えば、10dac)に達した後に、タイムスタンプ判定に用いられる閾値の計算が開始される。そこで、このDFHパワー(10dac)を、判定開始DFHパワーと称する。
まずHDC212は、現DFHパワーが測定開始DFHパワーであるかを判定する(ステップ1101)。もし、測定開始DFHパワーであるならば(ステップ1101のYes)、HDC212は、当該測定開始DFHパワーにおけるNサンプルのタイムスタンプ勾配の標準偏差σを計算する(ステップ1102)。HDC212は、算出された標準偏差σを当該HDC212内の上記RAMに格納し(ステップ1103)、タッチダウン判定計算を終了する。
これに対し、測定開始DFHパワーでないならば(ステップ1101のNo)、HDC212は、現DFHパワーが判定開始DFHパワーであるかを判定する(ステップ1104)。もし、判定開始DFHパワーでないならば(ステップ1104のNo)、HDC212は何もせずにタッチダウン判定計算を終了する。
やがて、ステップ902が一定回数(ここでは10回)実行された結果、現DFHパワーが判定開始DFHパワーに一致したものとする。このように、現DFHパワーが判定開始DFHパワーの場合(ステップ1104のYes)、HDC212は、タイムスタンプ判定に用いられる閾値の計算のための処理を次のように実行する。
まずHDC212は、これまでに取得されたDFHパワー毎のタイムスタンプ勾配値に基づいて、DFHパワー(より詳細には、DFHパワー制御値)Xに対するタイムスタンプ勾配値Yの関係を表す一次近似式Y=AX+Bを取得するための一次近似計算を実行する(ステップ1105)。次にHDC212は、一次近似計算により取得された一次近似式Y=AX+Bに、変数Xとして現DFHパワー(現DFHパワー制御値)X1を代入することにより、その際のYの値Y1を計算する(ステップ1106)。ステップ1106においてHDC212は、算出されたY1を、現DFHパワーX1に対応する推定タッチダウン勾配値Y1として取得する。
このように、推定タッチダウン勾配値Y1は、現在までに取得されているDFHパワー毎のタイムスタンプ勾配値に基づく一次近似計算により算出される一次近似式(Y=AX+B)と、現DFHパワーX1とから取得される。この推定タッチダウン勾配値Y1は、、現DFHパワーにおける平均的なタッチダウン勾配値であるといえる。現DFHパワーX1における実際のタイムスタンプ勾配値、つまり測定タイムスタンプ勾配値は、この推定タッチダウン勾配値Y1に対してばらつく可能性がある。
そこでHDC212は、このばらつきを考慮して、現DFHパワーX1におけるタッチダウン判定に用いられる閾値を決定する。具体的には、HDC212は、ステップ1106で取得された推定タッチダウン勾配値Y1と、先のステップ1103でRAMに格納された標準偏差σとに基づき、現DFHパワーX1におけるタッチダウン判定に用いられる閾値を、次式(所定の規則)
閾値=Y1+3σ
に従って計算する(ステップ1107)。これによりHDC212は、図11のフローチャートに従う図9のステップ909(タッチダウン判定計算)を終了する。
HDC212はステップ909を終了すると、前述したように現DFHパワーにおけるタイムスタンプ勾配値(測定タイムスタンプ勾配値)が閾値を超えているかを判定する(ステップ910)。本実施形態において、閾値はY1+3σである。つまり、HDC212は、現DFHパワーにおける測定タイムスタンプ勾配値が、推定タイムスタンプ勾配値(平均的なタイムスタンプ勾配値)Y1よりも3σ(標準偏差の3倍)を超えて乖離しているかを判定する。なお、上述の乖離の程度を判定するのに用いられる値として、タイムスタンプ勾配値のばらつきを反映した値であれば、3σ以外の値を使用することも可能である。
もし、測定タイムスタンプ勾配値が閾値を超えていないならば(ステップ910のNo)、HDC212はステップ902に戻る。なお、現DFHパワーが測定開始DFHパワーでない期間は、HDC212は測定タイムスタンプ勾配値に無関係に、当該測定タイムスタンプ勾配値が閾値を超えていないとしてステップ902に戻る。つまり、ステップ910における実質的な判定は、現DFHパワーが測定開始DFHパワーである状態でのみ行われる。これに対し、タイムスタンプ勾配値が閾値を超えているならば(ステップ910のYes)、HDC212は前述したようにステップ911を実行して、図9のフローチャートに従うタッチダウン測定を終了する。
上述のタッチダウン測定方法を用いて、磁気ヘッド11及び14が位置する磁気ディスク12上のゾーンを切り替えてタッチダウン点を測定した結果の一例を図12に示す。ここでは、磁気ディスク12上のゾーン数が、外周に位置するゾーン0から内周に位置するゾーン35までの36である場合を想定している。図12には、従来技術によりPESに基づいてタッチダウンを測定した結果も併せて示されている。
図12において、折れ線12TS0及び12TS1はタイムスタンプ(タイムスタンプ法)に基づく磁気ヘッド11及び14に関するタッチダウン測定結果を示す。折れ線12 PES0 及び12PES1は従来から知られているPES(PES法)に基づく磁気ヘッド11及び14に関するタッチダウン測定結果を示す。図12の縦軸にはDFHパワーが供給されない状態での浮上高を0nmとした場合に、DFHパワーが供給されることで低下した浮上高(相対浮上高)を示している。横軸にはタッチダウン測定時に磁気ヘッド11及び14が位置付けられた磁気ディスク12上のゾーンのゾーン番号を示す。
図12から明らかなように、磁気ヘッド11に関するタッチダウン測定結果は、磁気ディスク12の内周部及び外周部では、PES法とタイムスタンプ法とでほぼ同等である。一方、磁気ヘッド14に関するタッチダウン測定結果は、磁気ディスク12の内周部及び外周部であっても、PES法とタイムスタンプ法とで異なる。つまり磁気ヘッド14については、タイムスタンプ法のタッチダウン測定結果の方が浮上高変化が小さく、より浮上の高い位置でタッチダウンが検出できている。また、磁気ディスク12の中周部(より詳細には、ゾーン17)では、磁気ヘッド11及び14のいずれもPES法ではタッチダウン点が検出できない。これに対し、タイムスタンプ法では、磁気ディスク12の中周部でも、磁気ヘッド11及び14のいずれも安定してタッチダウン点を検出できる。
近年の磁気ディスクドライブでは、磁気ヘッドと磁気ディスクとのインターフェース(head disk interface: HDI)の特性を改善するために、当該磁気ディスクの表面に塗布する潤滑剤として摩擦抵抗の低い材質の潤滑剤を適用する傾向にある。ところが、PES法を用いたタッチダウン測定では、磁気ディスクの表面に摩擦抵抗の低い潤滑剤を使用すると、タッチダウン時のPES値変化が小さくなるため、タッチダウンを検出することが難しくなる。これに対して、本実施形態のようにタイムスタンプ法を適用し、磁気ディスク12の回転速度変化を検出することによってタッチダウンを測定するならば、潤滑剤の影響が小さく、安定してタッチダウンを検出可能である。しかも本実施形態では、磁気ディスク12の回転速度変化が、SPM101の制御をフィードバック制御からオープンループ制御に変更した状態で検出されるため、磁気ディスク12の回転速度変化をより明確に捉えることができる。
このように本実施形態においては、磁気ヘッド11のタッチダウン点、つまり磁気ヘッド11の浮上高を調整する際の基準となる点(DFHパワー)を正確に測定することができる。この測定結果に基づいて、磁気ヘッド11の浮上高を調整することで、リード/ライト信号品質を安定化させ、高性能な磁気ディスクドライブを提供することが可能となる。また、磁気ヘッド14のタッチダウン点についても、上述した手法により、正確に測定することができる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、磁気ディスクの中周でも磁気ヘッドのタッチダウンを高精度に検出できる、タイムスタンプを用いて磁気ヘッドのタッチダウンを検出する方法及び同方法を適用する磁気ディスク装置を提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11,14…磁気ヘッド、12…磁気ディスク、13…接触応力、21…サーボ領域、100…ヘッドディスクアセンブリ部(HDA部)、101…スピンドルモータ(SPM)、103…VCM駆動機構、121…ヘッドアンプ、200…印刷回路基板部(PCB部)、210…制御部、211…リードチャネル、212…ディスクコントローラ(HDC)、220…パワー制御アンプ、SSM…サーボ同期マーク。

Claims (10)

  1. 磁気ディスク装置において、磁気ヘッドが備える発熱素子に供給される電力を変えて当該磁気ヘッドの浮上高を変えることによって、当該磁気ヘッドの磁気ディスクへの接触を検出するタッチダウン検出方法であって、
    前記磁気ディスクを回転させるスピンドルモータの制御を一時的にフィードバック制御からオープンループ制御に変更し、
    前記オープンループ制御の期間に、前記磁気ディスクの回転速度の変化を検出し、
    前記検出された回転速度の変化に基づいて前記磁気ヘッドの前記磁気ディスクへの接触を検出する
    タッチダウン検出方法。
  2. 前記磁気ディスク上に離散的に配置されているサーボ領域から前記磁気ヘッドによってサーボパターンが読み出される時間間隔であるタイムスタンプをさらに計測し、
    前記回転速度の変化が、前記計測されたタイムスタンプに基づいて検出される
    請求項1記載のタッチダウン検出方法。
  3. 前記タイムスタンプを計測することは、前記磁気ヘッドと前記磁気ディスクとが非接触の第1の状態での第1のタイムスタンプを計測し、且つ、前記磁気ヘッドを前記磁気ディスクに接触させるために前記第1の状態よりも前記ヘッドの浮上高が下げられた第2の状態での第2のタイムスタンプを計測し、
    前記回転速度の変化を検出することは、前記第1のタイムスタンプを基準として、前記第2のタイムスタンプの前記第1のタイムスタンプに対する変動量を検出し、
    前記検出された変動量が前記検出された回転速度の変化として取得される
    請求項2記載のタッチダウン検出方法。
  4. 前記検出された変動量は、前記第1のタイムスタンプと前記第2のタイムスタンプとの差分に対応する、請求項3記載のタッチダウン検出方法。
  5. 前記第1の状態は、前記磁気ヘッドの浮上高が制御されない状態であり、
    前記第2の状態は、前記磁気ヘッドの浮上高が制御される状態である
    請求項3記載のタッチダウン検出方法。
  6. 前記第1の状態及び前記第2の状態は、いずれも前記磁気ディスクの所定の周回数に亘って設定され、
    前記第1の状態及び前記第2の状態は時間的に連続する
    請求項5記載のタッチダウン検出方法。
  7. 前記変動量は、前記浮上高を低下させながら、浮上高毎に、前記所定の周回数に亘って検出され、
    前記回転速度の変化を検出することは、前記所定の周回数に亘って検出される変動量に基づいて、前記浮上高毎に、前記所定の周回数または前記所定の周回数に対応するサーボ領域の数に対する前記変動量を直線で近似することにより、前記浮上高毎に、前記近似された直線の勾配をタイムスタンプ勾配として取得し、且つ、前記浮上高毎に取得される前記タイムスタンプ勾配に基づいて、前記浮上高に対する前記タイムスタンプ勾配の変化を検出し、
    前記検出されたタイムスタンプ勾配の変化が前記検出された回転速度の変化として取得される
    請求項6記載のタッチダウン検出方法。
  8. 前記検出されたタイムスタンプ勾配の前記浮上高に対する変化を近似する直線の近似式を取得し、
    前記取得された近似式と現在の浮上高とに基づいて、現在の浮上高に対応する平均的なタイムスタンプ勾配を取得し、
    前記磁気ヘッドの前記磁気ディスクへの接触を検出することは、現在の浮上高に対応する前記取得されたタイムスタンプ勾配が前記平均的なタイムスタンプ勾配から乖離する程度の大小に基づいて、前記磁気ヘッドの前記磁気ディスクへの接触を検出する
    請求項7記載のタッチダウン検出方法。
  9. 同一浮上高に対するタイムスタンプ勾配の標準偏差を算出し、
    前記乖離する程度の大小の判定に、前記算出された標準偏差に対応する値が用いられる
    請求項8記載のタッチダウン検出方法。
  10. 磁気ディスク装置において、
    磁気ディスクを回転させるスピンドルモータと、
    前記スピンドルモータの制御を一時的にフィードバック制御からオープンループ制御に変更するスピンドルモータ制御手段と、
    前記オープンループ制御の期間に、磁気ヘッドが備える発熱素子に供給される電力を変えることにより当該磁気ヘッドの浮上を変えた場合の前記磁気ディスクの回転速度の変化を検出する第1の検出手段と、
    前記検出された回転速度の変化に基づいて前記磁気ヘッドの前記磁気ディスクへの接触を検出する第2の検出手段と
    を具備する磁気ディスク装置。
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