JP4955357B2 - 背面電子衝撃加熱装置 - Google Patents

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本発明は、半導体ウエハ等の加熱物を高温に加熱する加熱装置に関し、特に加速した電子を加熱プレートにその背後から衝突させて加熱プレートを発熱させる形式の背面電子衝撃加熱装置であって、加熱プレートにその背後に電子や輻射熱を反射する遮蔽板を設けたものに関する。
半導体ウェハ等の処理プロセスにおいて、その半導体ウェハ等の板状部材を加熱するための加熱手段として、加速した電子を加熱プレートの背後に衝突させて加熱プレートを発熱させる形式の背面電子衝撃加熱装置が使用されている。この背面電子衝撃加熱装置では、フィラメントに通電することにより発生した熱電子を高電圧で加速し、この熱電子を加熱プレートの背後に衝突させて、加熱プレートを発熱させる。そしてこの加熱プレートの上に載せた板体を加熱する。
図3は、背面電子衝撃加熱装置の従来例を示す図である。
加熱容器21は、図示していない真空チャンバの中に設置され、この真空チャンバ内が真空とされることにより、前記加熱容器21の全体が真空空間の中に置かれる。
この加熱容器21は、下面が開いた容器状のものであって、シリコンウエハ等の薄形板状の加熱物27を載せる天板が平坦な加熱プレート22となったものである。言い方を換えると、加熱容器21は、加熱プレート22が天板となってその上面側が閉じられ、加熱プレート22の周囲の下方には、下面側が開口した円筒形状の周壁33が設けられている。
加熱容器21の周壁33の下端部はフランジ状になっており、このフランジ部分が真空シール材28を挟んで下部フランジ26の上面に当てられると共に、フランジ部分の上に当てられた環状の導電性座金36を介して押え金具35により固定されている。これにより、加熱容器21と下部フランジ26は電気的に導通した状態で前記真空シール材28により気密にシールされる。下部フランジ26は接地され、従って加熱容器21も接地される。
このような加熱容器21の材質としては、黒鉛等の導電体が使用される。これに対し、加熱容器21がアルミナや窒化珪素のようなセラミックスで絶縁体からなる場合は、その加熱プレート22の内面や周壁33とその下部フランジの内外の全面をメタライズして導体膜を形成し、この導体膜を前記導電性座金36、押え金具35及び下部フランジ26を介して接地する。
さらに、この加熱容器21の内部には、下部フランジ26から支柱34が立設され、この支柱34の上端側に平板状のホルダ32が支持されている。さらにこのホルダ32からフィラメント支持柱37が立設され、このフィラメント支持柱37にフィラメント29が取り付けられている。このフィラメント29は、加熱容器21の中で前記加熱プレート22の背後に設けられている。
このフィラメント29のリード線24は、セラミックス端子25を通して下部フレーム26から加熱容器21の外部へ引き出され、図示していないフィラメント加熱電源に接続する。さらに、このフィラメント29のリード線24の一方には、図示していない電子加速電源により加速電圧が印加される。前述したように、加熱プレート22を有する加熱容器21は接地されているので、フィラメント29に対して正電位に保持される。
前記支柱34に保持された平板状のホルダ32から遮蔽板支持柱38が立設され、この支持柱38により、フィラメント29の下方に位置するように遮蔽板23が支持されている。この遮蔽板23は、遮蔽板支持柱38を介してフィラメント29に導通しており、同フィラメント29と同電位のマイナス電位とされる。
このような背面電子衝撃加熱装置では、フィラメント29と加熱プレート22との間に電子加速電源31により一定の高電圧の加速電圧を印加すると共に、フィラメント加熱電源30によりフィラメント29に通電すると、フィラメント29から熱電子があらゆる方向に放出される。ここで、下に向かった熱電子もマイナス電位の遮蔽板23によって反射されるので、結果的にフィラメント29から上下方向に放出された殆どの熱電子は前記加速電圧により加速されて加熱プレート22の下面に衝突する。この電子衝撃により加熱プレート22が加熱される。加熱プレート22に生じる熱は、フィラメント29の下方に設けられた遮蔽板23により反射され、出来る限り熱が不要な個所に拡散するのが防止される。加熱プレート22に衝突した電子は、加熱容器21の周壁33から導電性座金36、押え金具35、下部フランジ26を介してアースに流れる。
一般の加熱装置は、金属や黒鉛等の抵抗体に電気を通電し、この電気抵抗による発熱を利用して加熱物を加熱する電気抵抗加熱手段によるものである。しかし、前記の背面電子衝撃加熱装置は、フィラメント29で発生する電子を高電圧で加速し、フィラメント29に対して正電位に保持された加熱プレート22に衝突させて加熱するので、熱効率に優れる。加速電圧が数V以下であれば、X線も発生せず、電子同士の反発によって電子が広がりながら加熱プレート22に衝突するので、加熱プレート22のフィラメント29の近傍のみに加熱が集中することも無い。さらに、加熱容器21の加熱プレート22のみを加熱するために、加熱プレート22に対しフィレメント22の背後側に負電位に維持した板状の遮蔽板23を設置することで、フィレメント22で発生した熱電子がこの遮蔽板23により反射され、加熱プレート22のみを加熱することが出来る。
背面電子衝撃加熱装置の加熱容器21内の遮蔽板23は、電子を反射すると共に加熱プレート22からの輻射熱も反射する。
一般に熱が伝わる態様には、熱輻射、熱伝導、熱対流の3態様がある。しかし、真空中における伝熱は熱輻射のみであり、大気中であっても、発熱体と加熱物とが至近にあると、実質的に熱輻射と熱伝導のみよる加熱が行われる。また、発熱体の温度が500℃以下の場合は、輻射熱による加熱は効果が無い等、加熱温度、加熱方式、温度分布等の条件により伝熱態様は様々である。
これに対し、背面電子衝撃加熱装置において、輻射熱の反射と共に電子の反射が求められる遮蔽板では、輻射熱を反射するだけの遮蔽板とは異なり、単に輻射率が低いだけでは電子の反射は出来ない。すなわち、加熱プレート22に対して負電位に維持し、且つフィラメント29とほぼ同じ電位にまで加熱プレート22に対する負電圧を高めないと、電子の反射は悪い。
このように、遮蔽板23を加熱プレート22に対して負電位に維持するためには、遮蔽板23が良導電体でなければならない。セラミックスのような絶縁体からなる板でも、熱電子のチャージアップにより熱電子の反射は出来るが、縁体のため電位分布差が大きく、不安定である。しかもフィラメントの電位に応じてチャージアップ電位が変わることから、制御が困難であるという問題もある。このため、背面電子衝撃加熱装置に使用する遮蔽板23としては、容易にフィラメントと同電位に出来、しかも電気的接続が容易な金属が用いられており、その中でも輻射熱も反射する輻射率の低い材料が好ましいということになる。
遮蔽板23は、前述したように支持柱38により加熱容器21の中に設置される。この遮蔽板23に電子が当たると共に、加熱容器21の内部の輻射熱により遮蔽板23が加熱される。このとき、遮蔽板23のフィラメント29に近い部分が高温になり、フィラメント29から遠い部分が比較的温度が低くなるため、遮蔽板23に温度分布が生じる。この温度分布により遮蔽板23に熱応力が生じ、遮蔽板23が曲がる等の変形が起こる。この変形は、支持柱38による遮蔽板23の熱歪の吸収が十分でないと、変形はより大きくなる。
遮蔽板23に曲がり等の変形が生じると、熱電子の反射方向が変わり、加熱プレート22の温度分布が不均一になる。加熱プレート22の加熱温度にもよるが、1000℃以上の高温加熱においては、加熱プレート22としてMo、Ta、W等の高融点金属を用いている。これらの金属のうち、MoとWは熱膨張係数が比較的小さく、熱伝導率も比較的高いので、温度分布が生じにくく、曲がりにくい。
しかし、加熱プレート22を1000℃以上の温度に加熱すると、遮蔽板23も1000℃近い高温になる。背面電子衝撃加熱装置は電子の集中照射による加熱であることから、抵抗加熱方式等の一般のヒータに比べて高温に加熱することが出来て、昇温速度も速い。この背面電子衝撃加熱装置の特長を利用して2000℃程度の超高温に加熱することも可能である。しかしこのような2000℃に及ぶ加熱プレート22の加熱温度では、遮蔽板23もそれに応じて高温になり、加熱プレート22が2000℃では遮蔽板23の温度は1700℃に及ぶ。
前述した通り、高温下での遮蔽板23には高融点で耐熱性の高いMoやWを使用している。MoとWは熱膨張係数が比較的小さく、熱伝導率も比較的高いので、温度分布が生じにくく、温度分布に伴う変形も小さい。しかも、金属であるため、セラミックス等に比べて加工も比較的容易であり、高温下で使用する遮蔽板23に適当である。
しかし、この耐熱性の高いMoやWであっても、1000℃を超えると再結晶が始まり、温度分布に伴う熱変形が弾性変形ではなく、永久的な塑性変形となる。そしてその永久変形が遮蔽板23のさらなる温度分布を発生させて大きな変形を起こす。そうすると電子の反射方向が時間と共に変化し、加熱プレート22の温度にむらが生じてしまうという課題があった。
特開2005−056582号公報 特開2004−355877号公報 特開2003−178864号公報
本発明では、前記従来の背面電子衝撃加熱装置における課題に鑑み、高温下での遮蔽板の温度分布を小さくし、その変形を押さえると共に、電子を確実に反射出来るようにする背面電子衝撃加熱装置を提供することを目的とする。
本発明では、前記の目的を達成するため、遮蔽板11を熱膨張係数の小さいもので作り、温度分布が出来ても変形しにくいようにした。また、遮蔽板11を熱伝導率の大きいものとすることで、温度分布自体が生じにくくした。さらに、遮蔽板11を再結晶温度と軟化点が極めて高いセラミックスにより作り、なお且つ負電位を印加しやすいように、導電性セラミックスを使用するようにした。
すなわち、本発明による背面電子衝撃加熱装置は、加熱容器1の天板となっている加熱プレート2の背後からフィラメント9で発生した電子を加速して衝突させて同加熱プレート2を加熱するものである。そして前記加熱プレート2に対してフィラメント9の背後に設けられ、熱電子と輻射熱を加熱プレート2側に反射する遮蔽板11を有し、この遮蔽板11が熱良導体の導電性セラミックスからなっている。より具体的には、遮蔽板11は、黒鉛の表面に熱分解生成黒鉛等の黒鉛をコーティングしたものからなる。このようなセラミックスにより作られた遮蔽板11は、加熱プレート2に近い側にのみ配し、加熱プレート2から遠い側の遮蔽板3は金属製とすることも出来る。もちろん、加熱プレート2から遠い側の遮蔽板11にもセラミックス製のものを用いること出来る。
このようなセラミックスにより作られた遮蔽板11は、熱変形が小さく、高温での永久変形もしにくので、電子を反射する方向が変化せず、加熱プレート2を同じ状態で加熱することが出来る。またこの遮蔽板11は、熱良導体であるため、電子が当たることにより高温になった時も温度のムラが生じにくく、熱変形を防止出来る。さらに、導電性セラミックスからなるため、電子を反射するために負の電位を印加することも出来る。
以上説明した通り、本発明による背面電子衝撃加熱装置では、遮蔽板11の熱変形を抑えることが出来るので、加熱プレート2への電子の衝突のムラが解消し、均一な温度分布を形成することが出来る。さらに、高温下での永久変形もしにくいため、加熱プレート2を2000℃以上という高温に加熱する背面電子衝撃加熱装置でも、遮蔽板11の永久変形による弊害を防止出来る。
本発明では、本発明による背面電子衝撃加熱装置では、電子を反射する遮蔽板11に熱良導体の導線性セラミックスからなるものを使用し、前記目的を達成した。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、実施例をあげて詳細に説明する。
図1は、本発明による背面電子衝撃加熱装置の一実施形態を示す図である。
ステンレス鋼等の金属からなる下部フランジ6の上に加熱容器1が設置されている。この加熱容器1は、下面が開いた容器状のものであって、シリコンウエハ等の薄形板状の加熱物7を載せる天板が平坦な加熱プレート2となったものである。換言すると、加熱容器1は、加熱プレート2が天板となってその上面側が閉じられ、加熱プレート2の周囲の下方には、下面側が開口した円筒形状の周壁13が設けられている。加熱容器1の周壁13の下端部はフランジ状になっている。この加熱容器1は、図示してない真空チャンバの中に設置され、真空チャンバ内が減圧されることにより、加熱容器1の全体が真空空間となる。
下部フランジ6の加熱容器1のフランジ部分を載せる部分には、下部フランジ6の中心軸の周りに同心円状に溝が設けられ、この溝に真空シール材8が嵌め込まれている。この溝に嵌め込まれた真空シール材8の上に、前記加熱容器1の周壁13の下端部のフランジ部分が載せられ、さらにこのフランジ部分がその上に当てられた環状の導電性座金16を介して押え金具15により固定される。この状態で加熱容器1と下部フランジ6とは電気的に導通すると共に、前記真空シール材8により気密にシールされる。下部フランジ6は接地され、従って加熱容器1も接地される。
このような加熱容器1の材質としては、黒鉛等の導電体が使用される。これに対し、加熱容器1がアルミナや窒化珪素のようなセラミックスで絶縁体からなる場合は、その加熱プレート2の内面や周壁13の内外面の全面をメタライズして導体膜を形成し、この導体膜を前記導電性座金16、冷却液通路17を有する押え金具15及び下部フランジ6を介して接地する。
さらに、この加熱容器1の内部には、下部フランジ6から支柱14が立設され、この支柱14の上端側に平板状のホルダ12が支持されている。さらにこのホルダ12からフィラメント支持柱17が立設され、このフィラメント支持柱17にフィラメント9が取り付けられている。このフィラメント9は、加熱容器1の中でその加熱プレート2の背後に設けられている。
このフィラメント9のリード線4は、セラミックス端子5を通して下部フレーム6から加熱容器1の外部へ引き出され、図示していないフィラメント加熱電源に接続する。さらに、このフィラメント9のリード線4の一方には、図示していない電子加速電源により加速電圧が印加される。なお加熱プレート2を有する加熱容器1は接地され、フィラメント9に対して正電位に保持される。
前記支柱14に保持された平板状のホルダ2から遮蔽板支持柱18が立設され、この支持柱18により、フィラメント9の下方に位置するように遮蔽板3、11が支持されている。この遮蔽板3、11は、遮蔽板支持柱18を介してフィラメント9に導通しており、同フィラメント9と同電位のマイナス電位とされる。
ここで、加熱プレート22に最も近い遮蔽板11には、熱良導体の導電性セラミックスからなっている。より具体的には、遮蔽板11は、黒鉛を基材とし、この基材の表面に黒鉛より3倍程度熱伝導率の高い熱分解生成黒鉛をコーティングしたものからなる。このようなセラミックスにより作られた遮蔽板11は、加熱プレート2に近い側にのみ配し、加熱プレート2から遠い側の遮蔽板3はMoやW等の金属製とすることも出来る。もちろん、加熱プレート2から遠い側の遮蔽板11にもセラミックス製のものを用いること出来る。図1の実施例では、加熱プレート2に近い側の1枚の遮蔽板11のみを熱良導体の導電性セラミックス板とし、その下には通常のMoやW等の高融点金属からなる遮蔽板3を配置している。
このような背面電子衝撃加熱装置では、フィラメント9と加熱プレート2との間に高電圧の加速電圧を印加すると共に、フィラメント9に通電すると、フィラメント9から熱電子があらゆる方向に放出される。この熱電子のうち下に向かった熱電子はマイナス電位になった遮蔽板3、11によって反射され、上に向かった熱電子と共に前記加速電圧により加速されて加熱プレート2の下面に衝突する。このため、電子衝撃により加熱プレート2が加熱される。加熱プレート2に生じる熱は、フィラメント9の下方に設けられた遮蔽板3、11により反射され、出来る限り熱が不要な個所に拡散するのが防止される。加熱プレート2に衝突した電子は、加熱容器1の周壁13から導電性座金16、押え金具15、下部フランジ6を介してアースに流れる。
加熱プレート2が予め定められた温度に達すると、フィラメント9に通電する電力が下げられ、加熱プレート2の温度が定められた温度に維持される。そして、予め定められた時間が経過すると、フィラメント9への通電が停止され、加熱プレート2の加熱を停止する。その後、加熱容器1の殆どの熱は、冷却液通路17を有する押え金具16と下部フランジ6の冷却液通路7に通している冷却液により下部フランジ6や加熱容器1が冷却され、加熱プレート2が降温される。
既に述べた通り、MoとWは熱膨張係数が比較的小さく、熱伝導率も比較的高いので、温度分布が生じにくく、曲がりにくい。加熱プレート2を1000℃以上の温度に加熱すると、遮蔽板3は700℃程度の高温になる。このような温度域では、遮蔽板3に多少の温度ムラがあり、加熱時に熱応力による遮蔽板3の変形が生じても、その変形は弾性変形の範囲であり、常温に戻れば熱歪も無くなる。
しかし、加熱プレート2を2000℃程度の超高温に加熱する場合、遮蔽板23の温度は1700℃に及び、MoやW等の高融点金属では対応出来ない。これに対し、前述した熱良導体の導電性セラミックスからなる遮蔽板11は、熱変形が小さく、高温での永久変形しにくい。またこの遮蔽板11が熱良導体であることから、電子が当たることにより高温になった時も温度のムラが生じることが無い。さらに、導電性セラミックスからなるため、電子を反射するために負の電位を印加することも出来る。
実験によれば、加熱プレート22を5分程度の短時間に1300℃の温度に昇温するという加熱方法であれば、MoやW等の高融点金属からなる遮蔽板3のみであっても、それら遮蔽板3の永久変形は起こらなかった。しかし、1300℃の温度で数時間〜数十時間長時間加熱すると、加熱プレート22の変形が累積し、永久変形することが分かった。これは、表1に記載したように、金属の再結晶温度が加熱温度より低いために、再結晶による永久変形が生じることによる。
Figure 0004955357
表1に示した金属の再結晶温度の下限は何れも600〜900℃の付近にあり、加熱プレート2を2000℃程度の超高温に加熱する場合には対応出来ない。SiCは再結晶温度が高いが、1550℃から強度低下が見られ、熱衝撃に弱くなる。温度差が300℃程になると、熱衝撃で破損する。このため、加熱プレート2の加熱温度の上限は1800℃までゆっくり昇温する必要がある。
黒鉛は、金属より再結晶温度が高く、導電性があるため、遮蔽板11の材料として最適である。さらに、面方向の熱伝導率が400W/mKと、黒鉛に比べて3倍程ある熱分解生成黒鉛を黒鉛の表面にコーティングすることより、遮蔽板11は熱良導体となり、温度分布が形成されにくくなる。
図2は、遮蔽板3、11の支持柱18による取付構造の一例を示す図である。この図2に示すように、遮蔽板3、11の径方向に長孔19を設け、ここに支持柱18をややルーズに取り付けることにより、温度変化による遮蔽板18の径方向の変形を吸収することが出来る。なお、遮蔽板3、11の中心に空いた孔は、フィラメント9のリード線4を通す貫通孔である。
本発明による背面電子衝撃加熱装置の一実施例を示す概略縦断面図である。 本発明による背面電子衝撃加熱装置の一実施例の遮蔽板を示す斜視図である。 背面電子衝撃加熱装置の従来例を示す概略縦断面図である。
符号の説明
1 加熱容器
2 加熱プレート
3 遮蔽板
9 フィラメント
11 遮蔽板

Claims (2)

  1. 加熱容器(1)の天板となっている加熱プレート(2)の背後からフィラメント(9)で発生した電子を加速して衝突させて同加熱プレート(2)を加熱する背面電子衝撃加熱装置において、前記加熱プレート(2)に対してフィラメント(9)の背後に設けられ、熱電子と輻射熱を加熱プレート(2)側に反射する遮蔽板(11)を有し、この遮蔽板(11)が黒鉛の表面に熱分解生成黒鉛をコーティングした熱良導体の導電性セラミックスからなることを特徴とする背面電子衝撃加熱装置。
  2. 加熱プレート(2)に近い側に配置された遮蔽板(11)をセラミックスとし、加熱プレート(2)に遠い側に配置された遮蔽板(3)を金属製としたことを特長とする請求項2に記載の背面電子衝撃加熱装置。
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