JP4952730B2 - エジェクタ式冷凍サイクル - Google Patents

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Description

本発明は、エジェクタを有するエジェクタ式冷凍サイクルに関する。
従来、冷媒減圧手段の機能および冷媒循環手段の機能を果たすエジェクタを有するエジェクタ式冷凍サイクルが知られている。例えば、特許文献1〜3には、圧縮機吐出冷媒を放熱器にて室外空気と熱交換させることで放熱させ、放熱した高圧冷媒をエジェクタのノズル部にて減圧するエジェクタ式冷凍サイクルが開示されている。
例えば、特許文献1のエジェクタ式冷凍サイクルでは、エジェクタのディフューザ部下流側に低圧冷媒の気液を分離する気液分離器を配置し、気液分離器の気相冷媒出口を圧縮機吸入口側へ接続するとともに液相冷媒出口を吸引側蒸発器の入口へ接続し、吸引側蒸発器の出口をエジェクタの冷媒吸引口に接続している。
また、特許文献2のエジェクタ式冷凍サイクルでは、エジェクタのノズル部の上流側に、放熱器から流出した冷媒の流れを分岐する分岐部を設け、分岐部で分岐された一方の冷媒をエジェクタのノズル部側へ流入させ、他方の冷媒をエジェクタの冷媒吸引口側へ流入させている。
そして、エジェクタのディフューザ部の下流側にディフューザ部から流出した冷媒を蒸発させる流出側蒸発器を配置し、さらに、分岐部とエジェクタの冷媒吸引口との間に、冷媒を減圧膨張させる固定絞りおよび吸引側蒸発器を配置している。これにより、双方の蒸発器において冷凍能力を発揮できるようにしている。
また、特許文献3のエジェクタ式冷凍サイクルでは、エジェクタのディフューザ部下流側に、ディフューザ部から流出した冷媒の流れを分岐する分岐部を設け、分岐部で分岐された一方の冷媒を流出側蒸発器へ流入させ、他方の冷媒を吸引側蒸発器を介してエジェクタの冷媒吸引口側へ流入させている。これにより、双方の蒸発器において冷凍能力を発揮できるようにしている。
この種のエジェクタ式冷凍サイクルに適用されるエジェクタでは、エジェクタのノズル部にて高圧冷媒を減圧膨張させて噴射し、この噴射冷媒の圧力低下によって冷媒吸引口から蒸発器下流側の冷媒を吸引することで、ノズル部における減圧膨張時の運動エネルギの損失を回収している。
そして、回収した運動エネルギ(以下、回収エネルギという。)を、エジェクタのディフューザ部にて圧力エネルギに変換して、圧縮機吸入冷媒の圧力を上昇させている。これにより、圧縮機の駆動動力を低減させてエジェクタ式冷凍サイクルの成績係数(COP)を向上させている。
また、特許文献4には、熱交換対象流体である室内送風空気を冷却する冷却運転モードの冷媒流路と、室内送風空気を加熱する加熱運転モードの冷媒流路とを切替可能に構成されたエジェクタ式冷凍サイクルが開示されている。
特許第3322263号公報 特許第3931899号公報 特開2008−107055号公報 特開2002−327967号公報
しかしながら、この種のエジェクタ式冷凍サイクルでは、ノズル部を通過する冷媒(以下、駆動流という。)の流量低下に伴って、エジェクタの吸引能力が低下してしまうので、回収エネルギ量も減少してしまう。このため、駆動流の流量低下に伴って、上述のCOP向上効果が低減してしまう。
例えば、特許文献1のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、外気温の低下に伴って高圧冷媒の圧力が低下すると、高圧冷媒と低圧冷媒との圧力差が縮小して、エジェクタの駆動流の流量が低下してしまう。
このような駆動流の流量低下が生じると、エジェクタの吸引能力が低下して、回収エネルギ量が減少するだけでなく、気液分離器から蒸発器へ液相冷媒が供給されにくくなり、サイクルが発揮できる冷凍能力も低下してしまう。その結果、駆動流の流量低下に伴って、COPが大幅に低減してしまう。
さらに、エジェクタの吸引能力が低下して、蒸発器へ冷媒が供給されなくなってしまうと、低圧冷媒が蒸発器にて吸熱作用を発揮できなくなり、サイクルが破綻してしまうという問題を引き起こす。
このことを図29により詳細に説明する。図29は、特許文献1のエジェクタ式冷凍サイクルの冷媒の状態を示すモリエル線図である(特許文献1の第2図参照)。なお、図29の実線は、通常運転時の冷媒の状態を示し、破線は、上述のサイクル破綻が生じた際の冷媒の状態を示している。
図29から明らかなように、外気温の低下等によって高圧冷媒と低圧冷媒との圧力差が縮小すると(図29の白抜矢印X29)、エジェクタの吸引能力が低下する。これにより、蒸発器に冷媒が供給されなくなると、低圧冷媒が蒸発器にて吸熱作用を発揮できなくなる(図29の白抜矢印Y29)。
このため、図29の破線に示すように、放熱器にて冷媒が放熱できる熱量は、圧縮機の圧縮仕事量相当になってしまう。その結果、実質的に、冷媒を介して低圧側から高圧側へ熱量を移動させることができなくなり、サイクルが破綻してしまう。
これに対して、特許文献2のエジェクタ式冷凍サイクルでは、分岐部から固定絞りおよび吸引側蒸発器を介して冷媒吸引口へ至る冷媒流路を、エジェクタのノズル部に対して並列的な接続関係にしているので、圧縮機の冷媒吸入、吐出能力を利用して吸引側蒸発器へ流入した冷媒を冷媒吸引口へ導出させることができる。
従って、高圧冷媒と低圧冷媒との圧力差の縮小によって駆動流の流量低下が生じ、エジェクタの回収エネルギ量が減少しても、圧縮機の作用によって冷媒を吸引側蒸発器および流出側蒸発器に供給することができる。
これにより、特許文献1のエジェクタ式冷凍サイクルのようなサイクル破綻を回避することができる。しかしながら、駆動流の流量低下に伴って、ディフューザ部における昇圧量が減少して、COPが低下してしまうことについては回避することができない。
また、特許文献3のエジェクタ式冷凍サイクルでは、圧縮機→放熱器→エジェクタ→流出側蒸発器→圧縮機の順で冷媒を環状に流すことができる。従って、高圧冷媒と低圧冷媒との圧力差の縮小によって駆動流の流量低下が生じ、エジェクタの吸引能力が低下しても、圧縮機の冷媒吸入、吐出作用によって冷媒を流出側蒸発器に供給することができる。
これにより、特許文献1のエジェクタ式冷凍サイクルのようなサイクル破綻を回避することができる。しかしながら、駆動流の流量低下に伴って、ディフューザ部における昇圧量が減少してしまうことによるCOPの低下、および、吸引側蒸発器へ冷媒を供給できなくなることによるCOPの低下を回避することはできない。
すなわち、エジェクタを冷媒減圧手段として用いるエジェクタ式冷凍サイクルでは、駆動流の流量変動が生じると、高いCOPを発揮させながらサイクルを安定して作動させることができないという問題がある。また、特許文献4のように、冷却運転モードと加熱運転モードを切替可能に構成されたエジェクタ式冷凍サイクルでは、少なくともエジェクタを冷媒減圧手段として用いる冷媒流路に切り替えた際に、同様の問題が生じる。
本発明は、上記点に鑑み、エジェクタの駆動流の流量変動が生じても、エジェクタ式冷凍サイクルを安定して作動させることを目的とする。
上記の目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明では、冷媒を圧縮して吐出する第1、第2圧縮機構(11a、21a)と、冷媒と外気とを熱交換させる室外熱交換器(41)と、冷媒と熱交換対象流体とを熱交換させる利用側熱交換器(51)と、冷媒を減圧膨張させるノズル部(13a)から噴射する高速度の噴射冷媒の流れによって冷媒吸引口(13b)から冷媒を吸引して、噴射冷媒と冷媒吸引口(13b)から吸引された吸引冷媒との混合冷媒をディフューザ部(13d)にて昇圧するエジェクタ(13)と、冷媒を減圧膨張させる冷媒減圧手段(18)と、熱交換対象流体を冷却する冷却運転モードの冷媒流路、および、熱交換対象流体を加熱する加熱運転モードの冷媒流路を切り替える冷媒流路切替手段(31、32、33)とを備え、
冷凍サイクルの運転モードとして冷却運転モードが選択されたときには、冷媒流路切替手段(31〜33)により、第1圧縮機構(11a)吐出冷媒を室外熱交換器(41)にて放熱させ、室外熱交換器(41)にて放熱した冷媒をノズル部(13a)へ流入させるとともに、利用側熱交換器(51)にて蒸発した冷媒を冷媒吸引口(13b)側へ吐出させ、ディフューザ部(13d)から流出した冷媒を第1圧縮機構(11a)へ吸入させる冷媒流路に切り替え、
一方、冷凍サイクルの運転モードとして加熱運転モードが選択されたときには、冷媒流路切替手段(31〜33)により、第2圧縮機構(21a)吐出冷媒を利用側熱交換器(51)にて放熱させ、利用側熱交換器(51)にて放熱した冷媒を冷媒減圧手段(18)へ流入させて減圧膨張させ、冷媒減圧手段(18)にて減圧膨張された冷媒を室外熱交換器(41)にて蒸発させ、室外熱交換器(41)にて蒸発した冷媒を第1圧縮機構(11a)へ吸入させ、第1圧縮機構(11a)吐出冷媒をディフューザ部(13d)および冷媒吸引口(13b)を通過して第2圧縮機構(21a)吸入口側へ流入させる冷媒流路に切り替えるエジェクタ式冷凍サイクルを特徴とする。
これによれば、冷却運転モード時に、放熱器として機能する室外熱交換器(41)から流出した冷媒をエジェクタ(13)のノズル部(13a)にて減圧させ、蒸発器として機能する利用側熱交換器(51)から流出した冷媒を第2圧縮機構(21a)へ吸入させ、第2圧縮機構(21a)から吐出された冷媒をエジェクタ(13)の冷媒吸引口(13b)から吸引するエジェクタ式冷凍サイクルが構成される。
そして、この冷却運転モード時に、第2圧縮機構(21a)が、蒸発器として機能する利用側熱交換器(51)からエジェクタ(13)の冷媒吸引口(13b)側へ冷媒を吐出するので、エジェクタ(13)の駆動流の流量低下に伴ってエジェクタ(13)の吸引能力が低下するような運転条件であっても、エジェクタ(13)の吸引能力を補助することができる。
従って、エジェクタ式冷凍サイクルが構成される冷却運転モード時には、駆動流の流量変動が生じてエジェクタ(13)の吸引能力が低下するような運転条件であっても、サイクルを安定して作動させることができる。
しかも、冷却運転モード時には、2つの第1、第2圧縮機構(11a、21a)およびエジェクタ(13)のディフューザ部(13d)の昇圧作用によって冷媒を昇圧できるので、1つの圧縮機構にて冷媒を昇圧する場合に対して、第1、第2圧縮機構(11a、21a)の駆動動力を低減させてCOPを向上できる。
つまり、冷却運転モード時には、ディフューザ部(13d)の昇圧作用によって、第1圧縮機構(11a)の吸入圧力を上昇させることで、第1圧縮機構(11a)の圧縮機駆動動力を低減させることができるのみならず、それぞれの第1、第2圧縮機構(11a、21a)の吸入圧力と吐出圧力との圧力差を縮小できるので、第1、第2圧縮機構(11a、21a)の圧縮効率を向上できる。
また、加熱運転モード時には、放熱器として機能する利用側熱交換器(51)から流出した冷媒を冷媒減圧手段(18)にて減圧し、蒸発器として機能する室外熱交換器(41)から流出した冷媒を第1、第2圧縮機構(11a、21a)にて昇圧するサイクルを構成できる。このサイクルでは、エジェクタ(13)を冷媒減圧手段として用いないので、エジェクタ(13)の吸引能力の低下によって、サイクルの作動が不安定になってしまうことがない。
さらに、加熱運転モード時には、第1圧縮機構(11a)および第2圧縮機構(21a)の2つの圧縮機構によって、第1圧縮機構(11a)→第2圧縮機構(21a)の順で冷媒を多段階に昇圧させるので、冷却運転モードと同様に、1つの圧縮機構にて冷媒を昇圧する場合に対して、第1、第2圧縮機構(11a、21a)の駆動動力を低減させてCOPを向上できる。従って、加熱運転モード時にも、高いCOPを発揮させながら、サイクルを安定して作動させることができる。
このように、高いCOPを発揮させながら、エジェクタ式冷凍サイクルを安定して作動できることは、高圧冷媒と低圧冷媒との圧力差が大きい冷凍サイクル装置、例えば、冷却運転モード時に庫内温度を極低温(例えば、−30℃〜−10程度)まで低下させ、加熱運転モード時に吸熱源としての外気が極低温となる環境で使用される冷温保存庫等に適用した際に、極めて有効である。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、冷媒の気液を分離して、分離された気相冷媒を第1圧縮機構(11a)吸入口側へ流出させる気液分離器(14)と、気液分離器(14)にて分離された液相冷媒を減圧膨張させる分離冷媒減圧手段(15)とを備え、
冷媒流路切替手段(31〜33)は、冷却運転モード時に、ディフューザ部(13d)流出冷媒を、気液分離器(14)を介して第1圧縮機構(11a)へ吸入させ、分離冷媒減圧手段(15)にて減圧膨張された冷媒を利用側熱交換器(51)へ流入させる冷媒流路に切り替え、加熱運転モード時に、室外熱交換器(41)から流出した冷媒を、気液分離器(14)を介して第1圧縮機構(11a)へ吸入させる冷媒流路に切り替えることを特徴とする。
これにより、具体的に、冷却運転モード時に、気液分離器(14)にて分離された液相冷媒を分離冷媒減圧手段(15)にて減圧膨張させ、減圧膨張された冷媒を利用側熱交換器(51)にて蒸発させるエジェクタ式冷凍サイクルを構成できる。
また、加熱運転モード時に、蒸発器として機能する室外熱交換器(41)から流出した冷媒を、気液分離器(14)を介して第1圧縮機構(11a)へ吸入させることで、第1圧縮機構(11a)→第2圧縮機構(21a)の順で多段階に昇圧するサイクルを構成できる。
さらに、冷却運転及び加熱運転のいずれの運転モードにおいても、気液分離器(14)にて分離された気相冷媒を第1圧縮機構(11a)へ吸入させるので、第1圧縮機構(11a)の液圧縮の問題を回避できる。
請求項3に記載の発明では、請求項1に記載のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、ノズル部(13a)へ流入する冷媒の流れを分岐して、分岐された一方の冷媒をノズル部(13a)側へ流出させる上流側分岐部(22)を備え、
冷媒流路切替手段(31、32)は、冷却運転モード時に、上流側分岐部(22)にて分岐された他方の冷媒を冷媒減圧手段(18)へ流入させ、冷媒減圧手段(18)にて減圧膨張された冷媒を利用側熱交換器(51)へ流入させる冷媒流路に切り替え、加熱運転モード時に、冷媒減圧手段(18)にて減圧膨張された冷媒を、上流側分岐部(22)を介して室外熱交換器(41)へ流入させる冷媒流路に切り替えることを特徴とする。
これにより、具体的に、冷却運転モード時に、上流側分岐部(22)にて分岐された他方の冷媒を冷媒減圧手段(18)にて減圧膨張させ、減圧膨張された冷媒を利用側熱交換器(51)にて蒸発させるエジェクタ式冷凍サイクルを構成できる。
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、冷却運転モード時に、ディフューザ部(13d)から流出して第1圧縮機構(11a)へ吸入される冷媒を蒸発させる流出側熱交換器(52)を備えることを特徴とする。
これによれば、冷却運転モード時に、蒸発器として機能する利用側熱交換器(51)のみならず、流出側熱交換器(52)でも冷媒に吸熱作用を発揮させることができる。従って、冷却運転モード時に、利用側熱交換器(51)と流出側熱交換器(52)とによりそれぞれ別の熱交換対象流体冷却することもできる。
さらに、冷却運転モード時に、蒸発器として機能する利用側熱交換器(51)では、第2圧縮機構(21a)吸入側圧力に相当する冷媒蒸発圧力となり、これに対し、流出側熱交換器(52)では、ディフューザ部(13d)にて昇圧された後の冷媒蒸発圧力となるので、蒸発器として機能する利用側熱交換器(51)および流出側熱交換器(52)の冷媒蒸発温度をそれぞれ異なる温度とすることができる。
また、請求項5に記載の発明のように、請求項4に記載のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、冷媒流路切替手段(31、32)は、冷却運転モード時に、流出側熱交換器(52)にてディフューザ部(14d)流出冷媒を蒸発させる冷媒流路に切り替え、加熱運転モード時に、流出側熱交換器(52)にて室外熱交換器(41)から流出した冷媒を蒸発させる冷媒流路に切り替えるようになっていてもよい。
また、請求項6に記載の発明のように、請求項4に記載のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、冷媒流路切替手段(31、32)は、冷却運転モード時に、流出側熱交換器(52)にてディフューザ部(14d)流出冷媒を蒸発させる冷媒流路に切り替え、加熱運転モード時に、流出側熱交換器(52)にて第1圧縮機構(11a)吐出冷媒を放熱させる冷媒流路に切り替えるようになっていてもよい。
請求項7に記載の発明では、請求項3ないし6のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、上流側分岐部(22)と冷媒減圧手段(18)との間に配置されて、冷却運転モード時には、上流側分岐部(22)にて分岐された他方の冷媒を放熱させ、加熱運転モード時には、冷媒減圧手段(18)にて減圧膨張された冷媒を蒸発させる補助熱交換器(53)を備えることを特徴とする。
これによれば、補助熱交換器(53)を、冷却運転モード時には別の熱交換対象流体の加熱用に用いることができ、加熱運転モード時には別の熱交換対象流体の冷却用に用いることができる。
さらに、冷却運転モード時に、補助熱交換器(53)が、上流側分岐部(22)にて分岐された他方の冷媒を放熱させるので、上流側分岐部(22)にて分岐された一方の冷媒、すなわちエジェクタ(13)のノズル部(13a)へ流入する冷媒のエンタルピを不必要に低下させない。これにより、ノズル部(13a)における回収エネルギ量を増大させてCOPを向上できる。
請求項8に記載の発明では、請求項3ないし7のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、冷却運転モード時に、上流側分岐部(22)にて分岐された他方の冷媒と、第2圧縮機構(21a)吸入冷媒とを熱交換させる内部熱交換器(35)を備えることを特徴とする。
これによれば、冷却運転モード時に、上流側分岐部(22)にて分岐された他方の冷媒を内部熱交換器(35)において第2圧縮機構(21a)の吸入冷媒により冷却することができる。これにより、蒸発器として機能する利用側熱交換器(51)入口側冷媒のエンタルピと出口側冷媒のエンタルピとのエンタルピ差(冷凍能力)を拡大して、より一層、COPを向上できる。
請求項9に記載の発明では、請求項3ないし7のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、冷却運転モード時に、冷媒減圧手段(18)における減圧膨張過程の冷媒と、第2圧縮機構(21a)吸入冷媒とを熱交換させる内部熱交換器(36)を備えることを特徴とする。
これによれば、冷却運転モード時に、蒸発器として機能する利用側熱交換器(51)入口側冷媒のエンタルピと出口側冷媒のエンタルピとのエンタルピ差(冷凍能力)を内部熱交換器(36)の作用で拡大して、COPを向上できる。
請求項10に記載の発明では、請求項1に記載のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、ディフューザ部(13d)から流出した冷媒の流れを分岐する下流側分岐部(23)と、冷却運転モード時に、下流側分岐部(23)にて分岐された一方の冷媒を蒸発させる流出側熱交換器(52)と、下流側分岐部(23)にて分岐された他方の冷媒を減圧膨張させる低圧側減圧手段(19b)とを備え、
冷媒流路切替手段(31〜33)は、冷却運転モード時に、流出側熱交換器(52)から流出した冷媒を第1圧縮機構(11a)へ吸入させ、低圧側減圧手段(19b)にて減圧膨張された冷媒を利用側熱交換器(51)へ流入させる冷媒流路に切り替えることを特徴とする。
これによれば、具体的に、冷却運転モード時に、下流側分岐部(23)にて分岐された一方の冷媒を流出側熱交換器(52)にて蒸発させるとともに、下流側分岐部(23)にて分岐された他方の冷媒を低圧側減圧手段(19b)にて減圧膨張させて、利用側熱交換器(51)にて蒸発させるエジェクタ式冷凍サイクルを構成できる。
また、請求項11に記載の発明では、冷媒を圧縮して吐出する第1、第2圧縮機構(11a、21a)と、第1圧縮機構(11a)吐出冷媒の流れを分岐する吐出側分岐部(24)と、吐出側分岐部(24)にて分岐された一方の冷媒を放熱させる放熱用熱交換器(54)と、放熱用熱交換器(54)から流出した冷媒を減圧膨張させるノズル部(13a)から噴射する高速度の噴射冷媒の流れによって冷媒吸引口(13b)から冷媒を吸引して、噴射冷媒と冷媒吸引口(13b)から吸引された吸引冷媒との混合冷媒をディフューザ部(13d)にて昇圧するエジェクタ(13)と、冷媒と外気とを熱交換させる室外熱交換器(41)と、冷媒と熱交換対象流体とを熱交換させる利用側熱交換器(51)と、冷媒を減圧膨張させる冷媒減圧手段(18)と、熱交換対象流体を冷却する冷却運転モードの冷媒流路、および、熱交換対象流体を加熱する加熱運転モードの冷媒流路を切り替える冷媒流路切替手段(31、32)とを備え、
冷凍サイクルの運転モードとして冷却運転モードが選択されたときには、冷媒流路切替手段(31、32)により、吐出側分岐部(24)にて分岐された一方の冷媒を、放熱用熱交換器(54)を介してエジェクタ(13)のノズル部(13a)へ流入させて減圧膨張させるとともに、吐出側分岐部(24)にて分岐された他方の冷媒を室外熱交換器(41)にて放熱させ、室外熱交換器(41)にて放熱した冷媒を冷媒減圧手段(18)へ流入させて減圧膨張させ、冷媒減圧手段(18)にて減圧膨張された冷媒を利用側熱交換器(51)にて蒸発させ、利用側熱交換器(51)にて蒸発した冷媒を第2圧縮機構(21a)へ吸入させ、第2圧縮機構(21a)から冷媒を冷媒吸引口(13b)側へ吐出させ、ディフューザ部(13d)から流出した冷媒を第1圧縮機構(11a)へ吸入させる冷媒流路に切り替え、
一方、冷凍サイクルの運転モードとして加熱運転モードが選択されたときには、冷媒流路切替手段(31、32)により、第2圧縮機構(21a)吐出冷媒を利用側熱交換器(51)にて放熱させ、利用側熱交換器(51)にて放熱した冷媒を冷媒減圧手段(18)へ流入させて減圧膨張させ、冷媒減圧手段(18)にて減圧膨張された冷媒を室外熱交換器(41)へ流入させて蒸発させ、室外熱交換器(41)にて蒸発した冷媒を第1圧縮機構(11a)へ吸入させ、第1圧縮機構(11a)吐出冷媒のうち吐出側分岐部(24)にて分岐された一方の冷媒を放熱用熱交換器(54)を通過して前記ノズル部(13a)へ流入させるとともに、前記吐出側分岐部(24)にて分岐された他方の冷媒を前記ディフューザ部(13d)へ流入させ、前記エジェクタ(13)の内部で合流した前記一方の冷媒と前記他方の冷媒を前記冷媒吸引口(13b)を通過して前記第2圧縮機構(21a)吸入口側へ流入させる冷媒流路に切り替えるエジェクタ式冷凍サイクルを特徴とする。
これによれば、具体的に、冷却運転モード時に、吐出側分岐部(24)にて分岐された一方の冷媒を、放熱用熱交換器(54)を介して、エジェクタ(13)のノズル部(13a)へ供給するとともに、吐出側分岐部(24)にて分岐された他方の冷媒を、室外熱交換器(41)および冷媒減圧手段(18)を介して利用側熱交換器(51)へ供給して蒸発させるエジェクタ式冷凍サイクルを構成できる。
そして、このエジェクタ式冷凍サイクルにて実行される冷却運転モード時には、請求項1に記載の発明と同様に、第2圧縮機構(21a)が、蒸発器として機能する利用側熱交換器(51)からの冷媒を吸入してエジェクタ(13)の冷媒吸引口(13b)側へ吐出するので、駆動流の流量変動が生じてエジェクタ(13)の吸引能力が低下するような運転条件であっても、サイクルを安定して作動させることができる。
また、加熱運転モード時に、請求項1に記載の発明と同様に、第1圧縮機構(11a)および第2圧縮機構(21a)の2つの圧縮機構によって、冷媒を第1圧縮機構(11a)→第2圧縮機構(21a)の順で多段階に昇圧させるサイクルを構成できる。従って、加熱運転モード時にも、高いCOPを発揮させながら、サイクルを安定して作動させることができる。
さらに、冷却運転モード時に、放熱用熱交換器(54)および室外熱交換器(41)の熱交換能力(放熱性能)を独立に変化させることができるので、例えば、室外熱交換器(41)の熱交換能力(放熱性能)と、利用側熱交換器(51)の熱交換能力(吸熱性能)とを容易に適合させることができる。従って、サイクルの作動を安定化させやすい。
また、放熱用熱交換器(54)として、その熱交換能力が室外熱交換器(41)よりも低いものを採用することで、エジェクタ(13)のノズル部(13a)へ流入する冷媒のエンタルピが不必要に減少してしまうことを回避できる。これにより、ノズル部(13a)における回収エネルギ量を増大させて、COPを向上できる。
請求項12に記載の発明では、請求項11に記載のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、冷却運転モード時に、ディフューザ部(13d)から流出して第1圧縮機構(11a)へ吸入される冷媒を蒸発させる流出側熱交換器(52)を備えることを特徴とする。
これによれば、冷却運転モード時に、蒸発器として機能する利用側熱交換器(51)のみならず、流出側熱交換器(52)でも冷媒に吸熱作用を発揮させることができる。
また、請求項13に記載の発明のように、請求項12に記載のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、冷媒流路切替手段(31、32)は、冷却運転モード時に、流出側熱交換器(52)にてディフューザ部(14d)流出冷媒を蒸発させる冷媒流路に切り替え、加熱運転モード時に、流出側熱交換器(52)にて吐出側分岐部(24)にて分岐された他方の冷媒を放熱させる冷媒流路に切り替えるようになっていてもよい。
また、請求項14に記載の発明のように、請求項12に記載のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、冷媒流路切替手段(31、32)は、冷却運転モード時に、流出側熱交換器(52)にてディフューザ部(14d)流出冷媒を蒸発させる冷媒流路に切り替え、加熱運転モード時に、流出側熱交換器(52)にて室外熱交換器(41)から流出した冷媒を蒸発させる冷媒流路に切り替えるようになっていてもよい。
請求項15に記載の発明では、請求項12ないし14のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、冷却運転モード時に、室外熱交換器(41)から流出した冷媒と、第1圧縮機構(11a)吸入冷媒とを熱交換させる内部熱交換器を備えることを特徴とする。
これによれば、冷却運転モード時に、蒸発器として機能する利用側熱交換器(51)入口側冷媒のエンタルピと出口側冷媒のエンタルピとのエンタルピ差(冷凍能力)を拡大して、COPを向上できる。
請求項16に記載の発明では、請求項1ないし15のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、ノズル部(13a)へ流入する冷媒を減圧膨張させる高圧側減圧手段(19a)を備えることを特徴とする。
これによれば、高圧側減圧手段(19a)の作用によって、ノズル部(13a)へ流入する冷媒を気液二相冷媒となるまで減圧することができる。従って、ノズル部(13a)へ液相冷媒を流入させる場合に対して、ノズル部(13a)における冷媒の沸騰を促進させて、ノズル効率を向上させることができる。
その結果、ディフューザ部(13d)における昇圧量を増加させて、より一層、COPを向上できる。なお、ノズル効率とは、ノズル部(13a)において、冷媒の圧力エネルギを運動エネルギに変換する際のエネルギ変換効率である。
さらに、高圧側減圧手段(19a)を可変絞り機構で構成することで、サイクルの負荷変動に応じて、ノズル部(13a)へ流入させる冷媒流量を変化させることができる。その結果、負荷変動が生じても、高いCOPを発揮させながら安定してサイクルを作動させることができる。
請求項17に記載の発明では、請求項1ないし16のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、第1圧縮機構(11a)の冷媒吐出能力を変更する第1吐出能力変更手段(11b)と、第2圧縮機構(21a)の冷媒吐出能力を変更する第2吐出能力変更手段(21b)とを備え、第1吐出能力変更手段(11b)および第2吐出能力変更手段(21b)は、それぞれ独立して第1圧縮機構(11a)および第2圧縮機構(21a)の冷媒吐出能力を変更可能に構成されていることを特徴とする。
これによれば、第1圧縮機構(11a)の冷媒吐出能力と第2圧縮機構(21a)の冷媒吐出能力とを独立に調整して、第1、第2圧縮機構(11a、21a)のいずれも高い圧縮効率を発揮させながら作動させることができる。従って、エジェクタ式冷凍サイクル全体としてのCOPを、より一層、向上させることができる。
請求項18に記載の発明では、請求項1ないし17のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、第1圧縮機構(11a)および第2圧縮機構(21a)は、同一のハウジング内に収容されて、一体的に構成されていることを特徴とする。これによれば、第1圧縮機構(11a)および第2圧縮機構(21a)の小型化が可能となり、エジェクタ式冷凍サイクル全体としての小型化を図ることもできる。
請求項19に記載の発明のように、請求項1ないし18のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、第1圧縮機構(11a)は、冷媒を臨界圧力以上となるまで昇圧させるようになっていてもよい。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
第1実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 (a)は、第1実施形態の冷却運転モードの冷媒の状態を示すモリエル線図であり、(b)は、第1実施形態の加熱運転モードの冷媒の状態を示すモリエル線図である。 第2実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 第3実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 (a)は、第3実施形態の冷却運転モードの冷媒の状態を示すモリエル線図であり、(b)は、第3実施形態の加熱運転モードの冷媒の状態を示すモリエル線図である。 第4実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 (a)は、第4実施形態の冷却運転モードの冷媒の状態を示すモリエル線図であり、(b)は、第4実施形態の加熱運転モードの冷媒の状態を示すモリエル線図である。 第5実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 (a)は、第5実施形態の冷却運転モードの冷媒の状態を示すモリエル線図であり、(b)は、第5実施形態の加熱運転モードの冷媒の状態を示すモリエル線図である。 第6実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 (a)は、第6実施形態の冷却運転モードの冷媒の状態を示すモリエル線図であり、(b)は、第6実施形態の加熱運転モードの冷媒の状態を示すモリエル線図である。 第7実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 (a)は、第7実施形態の冷却運転モードの冷媒の状態を示すモリエル線図であり、(b)は、第7実施形態の加熱運転モードの冷媒の状態を示すモリエル線図である。 第8実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 第9実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 (a)は、第9実施形態の冷却運転モードの冷媒の状態を示すモリエル線図であり、(b)は、第9実施形態の加熱運転モードの冷媒の状態を示すモリエル線図である。 第10実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 (a)は、第10実施形態の冷却運転モードの冷媒の状態を示すモリエル線図であり、(b)は、第10実施形態の加熱運転モードの冷媒の状態を示すモリエル線図である。 第11実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 (a)は、第11実施形態の冷却運転モードの冷媒の状態を示すモリエル線図であり、(b)は、第11実施形態の加熱運転モードの冷媒の状態を示すモリエル線図である。 第12実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 (a)は、第12実施形態の冷却運転モードの冷媒の状態を示すモリエル線図であり、(b)は、第12実施形態の加熱運転モードの冷媒の状態を示すモリエル線図である。 第13実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 (a)は、第13実施形態の冷却運転モードの冷媒の状態を示すモリエル線図であり、(b)は、第13実施形態の加熱運転モードの冷媒の状態を示すモリエル線図である。 第14実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 (a)は、第14実施形態の冷却運転モードの冷媒の状態を示すモリエル線図であり、(b)は、第14実施形態の加熱運転モードの冷媒の状態を示すモリエル線図である。 (a)は、他の実施形態における冷媒流路切替手段の構成図であり、(b)は、他の実施形態における別の冷媒流路切替手段の構成図である。 他の実施形態における更に別の冷媒流路切替手段の構成図である。 従来技術のエジェクタ式冷凍サイクルの冷媒の状態を示すモリエル線図である。
(第1実施形態)
図1、2により、本発明のエジェクタ式冷凍サイクル100を、庫内温度を低温または高温に保つ冷温保存庫に適用した例を説明する。図1は、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル100の全体構成図である。
このエジェクタ式冷凍サイクル100は、熱交換対象流体である庫内空気を冷却する冷却運転モードと、庫内空気を加熱する加熱運転モードを切替可能に構成されている。なお、図1における実線矢印は、冷却運転モード時における冷媒の流れを示し、破線矢印は、加熱運転モードにおける冷媒の流れを示している。
エジェクタ式冷凍サイクル100において、第1圧縮機11は、冷媒を吸入し、圧縮して吐出するもので、吐出容量が固定された第1圧縮機構11aを第1電動モータ11bにて駆動する電動圧縮機である。第1圧縮機構11aとしては、具体的に、スクロール型圧縮機構、ベーン型圧縮機構等の各種圧縮機構を採用できる。
第1電動モータ11bは、後述する制御装置から出力される制御信号によって、その作動(回転数)が制御されるもので、交流モータ、直流モータのいずれの形式を採用してもよい。そして、この回転数制御によって、第1圧縮機構11aの冷媒吐出能力が変更される。従って、本実施形態の第1電動モータ11bは、第1圧縮機構11aの冷媒吐出能力を変更する第1吐出能力変更手段を構成している。
第1圧縮機11(第1圧縮機構11a)の吐出口側には、第1電気式四方弁31が接続されている。第1電気式四方弁31は、上述の冷却運転モードにおける冷媒流路と加熱運転モードにおける冷媒流路とを切り替えるもので、制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される冷媒流路切替手段である。
より具体的には、第1電気式四方弁31は、第1圧縮機11吐出口側と室外熱交換器41との間および後述するエジェクタ13のディフューザ部13d出口側と後述するアキュムレータ14入口側との間を同時に接続する冷媒流路(図1の実線矢印で示す回路)と、第1圧縮機11吐出口側とディフューザ部13d出口側との間および室外熱交換器41とアキュムレータ14入口側との間を同時に接続する冷媒流路(図1の破線矢印で示す回路)とを切り替える。
図1の実線矢印で示す冷媒流路のように、冷却運転モードにおける第1圧縮機11吐出口側には、第1電気式四方弁31を介して、室外熱交換器41が接続されている。室外熱交換器41は、その内部を通過する冷媒と送風ファン41aにより送風される室外空気とを熱交換させる熱交換器である。送風ファン41aは、制御装置から出力される制御電圧によって回転数(送風空気量)が制御される電動式送風機である。
従って、室外熱交換器41は、室外熱交換器41内に外気温よりも高温の第1圧縮機11吐出冷媒が流通する場合には、冷媒を放熱させる放熱器として機能する。また、室外熱交換器41内に外気温よりも低温の固定絞り18流出冷媒が流通する場合には、冷媒を蒸発させる蒸発器として機能する。
なお、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル100では、冷媒として通常のフロン系冷媒を採用し、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界冷凍サイクルを構成している。このため、放熱器として機能する熱交換器は、冷媒を凝縮させる凝縮器として作用する。
また、この冷媒には第1圧縮機構11aおよび後述する第2圧縮機構21aを潤滑するための冷凍機油が混入されている。この冷凍機油は液相冷媒に対して溶解性を有し、冷媒とともにサイクルを循環している。
さらに、冷却運転モードにおける室外熱交換器41の出口側には、電気式三方弁33の1つの冷媒流入出口が接続されている。電気式三方弁33は、上述の冷却運転モードにおける冷媒流路と加熱運転モードにおける冷媒流路とを切り替えるもので、第1電気式四方弁31等とともに冷媒流路切替手段を構成している。また、電気式三方弁33は、制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
具体的には、電気式三方弁33は、室外熱交換器41とエジェクタ13のノズル部13a入口側との間を接続する冷媒流路(図1の実線矢印で示す回路)、および、後述する固定絞り18の出口側と室外熱交換器41との間を接続する冷媒流路(図1の破線矢印で示す回路)とを切り替える。
また、電気式三方弁33では、一方の冷媒流路に切り替えられると他方の冷媒流路は閉塞された状態となる。従って、冷媒が他方の冷媒流路を流通することも、冷媒がサイクル内部から外部へ漏れ出ることもない。
エジェクタ13は、冷媒を減圧膨張させる冷媒減圧手段であるとともに、高速で噴出する冷媒流の吸引作用によって冷媒の循環を行う冷媒循環手段でもある。
より具体的には、エジェクタ13は、冷却運転モード時に室外熱交換器41から流出した高圧冷媒の通路面積を小さく絞って、高圧冷媒を等エントロピ的に減圧膨張させるノズル部13a、ノズル部13aの冷媒噴射口と連通するように配置されて後述する第2圧縮機21から吐出された冷媒を吸引する冷媒吸引口13b等を有して構成される。
さらに、ノズル部13aおよび冷媒吸引口13bの冷媒流れ下流側部位には、ノズル部13aから噴射する高速度の冷媒流と冷媒吸引口13bからの吸引冷媒とを混合する混合部13cが設けられ、混合部13cの冷媒流れ下流側には昇圧部をなすディフューザ部13dが設けられている。
ディフューザ部13dは冷媒通路面積を徐々に大きくする形状に形成されており、冷媒流れを減速して冷媒圧力を上昇させる作用、つまり、冷媒の速度エネルギを圧力エネルギに変換する作用を果たす。さらに、ディフューザ部13dの出口側には、前述の如く、第1電気式四方弁31の1つの冷媒流入出口が接続されている。
アキュムレータ14は、その内部に流入した冷媒の気液を分離して、サイクル内の余剰液相冷媒を溜める気液分離器である。従って、本実施形態のアキュムレータ14は、冷却運転モード時には、ディフューザ部13dから流出した冷媒の気液を分離し、加熱運転モード時には、室外熱交換器41から流出した冷媒の気液を分離する。
また、アキュムレータ14の気相冷媒流出口には、第1圧縮機11の吸入口が接続され、液相冷媒流出口には、分離冷媒固定絞り15および逆止弁16aを介して、三方継手17aの1つの冷媒流入出口が接続されている。
分離冷媒固定絞り15は、アキュムレータ14から流出した冷媒をさらに減圧膨張させる分離冷媒減圧手段である。この分離冷媒固定絞り15としては、具体的に、オリフィスやキャピラリチューブを採用できる。また、逆止弁16aは、アキュムレータ14の液相冷媒流出口側から三方継手17a側へ冷媒が流れることのみを許容している。
三方継手17aは、互いに連通する3つの冷媒流入出口を有する冷媒配管継手部材である。また、三方継手17aの別の冷媒流入出口には、それぞれ利用側熱交換器51および冷媒減圧手段としての固定絞り18の入口側が接続されている。固定絞り18の基本的構成は、分離冷媒固定絞り15と同様である。また、固定絞り18の出口側には、前述の如く、電気式三方弁33の1つの冷媒流入出口が接続されている。
利用側熱交換器51は、その内部を通過する冷媒と送風ファン51aにより循環送風される熱交換対象流体である庫内空気とを熱交換させる熱交換器である。送風ファン51aは、制御装置から出力される制御電圧によって回転数(送風空気量)が制御される電動式送風機である。
従って、利用側熱交換器51は、利用側熱交換器51内に庫内空気よりも分岐冷媒固定絞り15流出冷媒が流通する場合には、冷媒を蒸発させる蒸発器として機能し、利用側熱交換器51内に庫内空気よりも高温の第1圧縮機11吐出冷媒が流通する場合には、冷媒を放熱させる放熱器として機能する。
利用側熱交換器51の他方の冷媒流入出口には、第2電気式四方弁32の1つの冷媒流入出口が接続されている。第2電気式四方弁32は、冷却運転モードにおける冷媒流路と加熱運転モードにおける冷媒流路とを切り替えるもので、第1電気式四方弁31等とともに冷媒流路切替手段を構成している。また、第2電気式四方弁32の基本的構成は、第1電気式四方弁31と同様である。
より具体的には、第2電気式四方弁32は、利用側熱交換器51と第2圧縮機21吸入口側との間および第2圧縮機21吐出口側とエジェクタ13の冷媒吸引口13b側とを同時に接続する冷媒流路(図1の実線矢印で示す回路)と、冷媒吸引口13b側と第2圧縮機21吸入口側との間および第2圧縮機21吐出口側と利用側熱交換器51との間を同時に接続する冷媒流路(図1の破線矢印で示す回路)とを切り替える。
第2圧縮機21は、冷媒を吸入して圧縮して、吐出するもので、その基本的構成は第1圧縮機11と同様である。従って、第2圧縮機21は、固定容量型の第2圧縮機構21aを第2電動モータ21bにて駆動する電動圧縮機である。さらに、本実施形態の第2電動モータ21bは、第2圧縮機構21aの冷媒吐出能力を変更する第2吐出能力変更手段を構成している。
図示しない制御装置は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される。この制御装置は、そのROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行って、上述の各種電気式のアクチュエータ11b、21b、31、32、33、41a、51a等の作動を制御する。
従って、この制御装置は、第1吐出能力変更手段である第1電動モータ11bの作動を制御する第1吐出能力制御手段としての機能、第2吐出能力変更手段である第2電動モータ21bの作動を制御する第2吐出能力制御手段としての機能、および、流路切替手段である第1、第2電気式四方弁31、32、電気式三方弁33の作動を制御する冷媒流路切替制御手段を兼ね備えている。もちろん、第1吐出能力制御手段、第2吐出能力制御手段、および、冷媒流路切替制御手段を異なる制御装置で構成してもよい。
また、制御装置には、外気温を検出する外気センサ、庫内温度を検出する庫内温度センサ等の図示しないセンサ群の検出値や、冷温保存庫を作動させる作動スイッチ、庫内空気を冷却する冷却運転モードと庫内空気を加熱する加熱運転モードとのモード切替スイッチ等が設けられた図示しない操作パネルの各種操作信号が入力される。
次に、上記構成における本実施形態の作動を図2のモリエル線図に基づいて説明する。なお、図2(a)は、冷却運転モードにおける冷媒の状態を示すモリエル線図であり、図2(b)は、加熱運転モードにおける冷媒の状態を示すモリエル線図である。
まず、冷却運転モードについて説明する。冷却運転モードは、操作パネルの作動スイッチが投入された状態で、モード切替スイッチにより冷却運転モードが選択されると実行される。冷却運転モードでは、制御装置が、第1、第2電動モータ11b、21b、送風ファン41a、51aを作動させるとともに、第1、第2電気式四方弁31、32、電気式三方弁33を実線矢印で示す回路に切り替える。
これにより、第1圧縮機11(→第1電気式四方弁31)→室外熱交換器41(→電気式三方弁33)→エジェクタ13のノズル部13a(→第1電気式四方弁31)→アキュムレータ14→第1圧縮機11の順に冷媒が循環するとともに、アキュムレータ14→分離冷媒固定絞り15(→逆止弁16a→三方継手17a)→利用側熱交換器51(→第2電気式四方弁32)→第2圧縮機21(→第2電気式四方弁32)→エジェクタ13の冷媒吸引口13b(→第1電気式四方弁31)→アキュムレータ14の順に冷媒が循環するサイクルが構成される。
従って、第1圧縮機11(第1圧縮機構11a)にて圧縮された冷媒(図2(a)のa2点)は、第1電気式四方弁31を介して、室外熱交換器41へ流入し、送風ファン41aから送風された庫外空気(外気)と熱交換して放熱して凝縮する(a2点→b2点)。つまり、本実施形態の冷却運転モードでは、室外熱交換器41が放熱器として機能する。
室外熱交換器41にて放熱した冷媒は、電気式三方弁33を介して、エジェクタ13のノズル部13aへ流入して等エントロピ的に減圧膨張される(b2点→c2点)。そして、この減圧膨張時に冷媒の圧力エネルギが速度エネルギに変換されて、冷媒がノズル部13aの冷媒噴射口から高速度となって噴射される。
この噴射冷媒の冷媒吸引作用により、第2圧縮機21(第2圧縮機構21a)吐出冷媒(j2点)が、第2電気式四方弁32を介して、冷媒吸引口13bからエジェクタ13内部へ吸引される。さらに、ノズル部13aから噴射された噴射冷媒と冷媒吸引口13bから吸引された吸引冷媒がエジェクタ13の混合部13cにて混合され、ディフューザ部13dへ流入する(c2点→d2点およびj2点→d2点)。
ディフューザ部13dでは通路面積の拡大により、冷媒の速度エネルギが圧力エネルギに変換されるため、冷媒の圧力が上昇する(d2点→e2点)。ディフューザ部13dから流出した冷媒は、第1電気式四方弁31を介して、アキュムレータ14へ流入して気相冷媒および液相冷媒に分離される(e2点→f2点およびe2点→g2点)。
アキュムレータ14の気相冷媒出口から流出した気相冷媒は、第1圧縮機11に吸入されて圧縮される(f2点→a2点)。一方、アキュムレータ14の液相冷媒出口から流出した液相冷媒は、分離冷媒固定絞り15にて、さらに等エンタルピ的に減圧膨張されて、その圧力を低下させる(g2点→h2点)。
分離冷媒固定絞り15にて減圧膨張された冷媒は、逆止弁16aおよび三方継手17aを介して、利用側熱交換器51へ流入し、送風ファン51aにより循環送風された庫内空気から吸熱して蒸発する(h2点→i2点)。これにより、熱交換対象流体である庫内空気が冷却される。
つまり、本実施形態の冷却運転モードでは、利用側熱交換器51が蒸発器として機能する。さらに、本実施形態の冷却運転モードでは、電気式三方弁33が室外熱交換器41とエジェクタ13のノズル部13a入口側との間を接続する冷媒流路に切り替えられているので、三方継手17aへ流入した冷媒が固定絞り18側へ流出することはない。
利用側熱交換器51から流出した冷媒は、第2電気式四方弁32を介して、第2圧縮機21に吸入され圧縮される(i2点→j2点)。この際、制御装置は、エジェクタ式冷凍サイクル全体としてのCOPが略最大に近づくように、第1、第2電動モータ11b、21bの作動を制御する。
具体的には、第1、第2圧縮機構11a、21aの機械効率を向上させるために、第1、第2圧縮機構11a、21aの昇圧量が略同等となるように制御する。なお、圧縮効率とは、第1、第2圧縮機11、21にて冷媒が等エントロピ圧縮された際の冷媒のエンタルピの増加量をΔH1としたときに、この増加量ΔH1を、実際に第1、第2圧縮機11、21にて冷媒が昇圧された際の冷媒のエンタルピ増加分ΔH2で除した値である。
例えば、第1、第2圧縮機11、21の回転数や昇圧量(吐出圧力と吸入圧力との圧力差)が増加すると、その摩擦熱によって冷媒の温度が上昇して実際のエンタルピ増加分ΔH2が増加するため、圧縮効率も低下することになる。
さらに、第2圧縮機21から吐出された冷媒は、前述の如く、第2電気式四方弁32を介して、冷媒吸引口13bからエジェクタ13内へ吸引される(j2点→d2点)。
次に、加熱運転モードについて説明する。加熱運転モードは、操作パネルの作動スイッチが投入された状態で、モード切替スイッチにより加熱運転モードが選択されると実行される。加熱運転モードでは、制御装置が、第1、第2電動モータ11b、21b、送風ファン41a、51aを作動させるとともに、第1、第2電気式四方弁31、32、電気式三方弁33を破線矢印で示す回路に切り替える。
これにより、第1圧縮機11(→第1電気式四方弁31→エジェクタ13のディフューザ部13d→第2電気式四方弁32)→第2圧縮機21(→第2電気式四方弁32)→利用側熱交換器51→固定絞り18(→電気式三方弁33)→室外熱交換器41(→第1電気式四方弁31)→アキュムレータ14→第1圧縮機11の順に冷媒が循環するサイクルが構成される。
従って、第1圧縮機11にて圧縮された冷媒(図2(b)のk2点)は、第1電気式四方弁31を介して、エジェクタ13のディフューザ部13dからエジェクタ13内へ流入する。さらに、加熱運転モードでは、電気式三方弁33が固定絞り18出口側と室外熱交換器41との間を接続する冷媒流路に切り替えられているので、エジェクタ13内へ流入した冷媒はノズル部13a側へは流入せず、その全流量が冷媒吸引口13bから流出する。
つまり、加熱運転モードでは、エジェクタ13内における冷媒流れが、冷却運転モードに対して逆流する。さらに、エジェクタ13内を流通する冷媒は、ディフューザ部13d→冷媒吸引口13bを通過する際の圧力損失によって僅かに減圧される(k2点→l2点)。エジェクタ13の冷媒吸引口13bから流出した冷媒は、第2電気式四方弁32を介して、第2圧縮機21へ吸入され、さらに圧縮される(l2点→m2点)。
第2圧縮機21から吐出された冷媒は、第2電気式四方弁32を介して、利用側熱交換器51へ流入する。利用側熱交換器51へ流入した冷媒は、送風ファン51aから循環送風された庫内空気と熱交換して放熱して凝縮する(m2点→n2点)。これにより、庫内空気が加熱される。つまり、加熱運転モードでは、利用側熱交換器51が放熱器として機能する。
利用側熱交換器51にて放熱した冷媒は、三方継手17aを介して、固定絞り18へ流入して等エンタルピ的に減圧膨張される(n2点→o2点)。なお、本実施形態では、逆止弁16aの作用によって、三方継手17aへ流入した冷媒は、分離冷媒減圧手段15側へ流出することはなく、その全流量が固定絞り18にて減圧膨張される。
固定絞り18にて減圧膨張された冷媒は、電気式三方弁33を介して、室外熱交換器41へ流入し、送風ファン41aにより送風された庫外空気(外気)から吸熱して蒸発する。つまり、本実施形態の加熱運転モードでは、室外熱交換器41が蒸発器として機能する。さらに、室外熱交換器41から流出した冷媒は、第1電気式四方弁31を介して、アキュムレータ14へ流入して気液分離される(o2点→p2点)。
アキュムレータ14の気相冷媒出口から流出した気相冷媒は、第1圧縮機11に吸入されて圧縮される(p2点→k2点)。なお、加熱運転モードでは、逆止弁16aの弁体部に作用する冷媒圧力のうち、分離冷媒固定絞り15側の冷媒圧力が三方継手17a側の冷媒圧力よりも低くなる。
そのため、逆止弁16aが閉弁状態となり、アキュムレータ14内の液相冷媒は、分離冷媒固定絞り15側へ液相冷媒は流出することはない。その他の作動は、冷却運転モードと同様である。
従って、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル100を作動させると、冷却運転モードでは、室外熱交換器41を放熱器として機能させ、利用側熱交換器51を蒸発器として機能させるエジェクタ式冷凍サイクルが構成される。これにより、利用側熱交換器51にて庫内空気を冷却できる。
また、加熱運転モードでは、利用側熱交換器51を放熱器として機能させ、室外熱交換器41を蒸発器として機能させ、室外熱交換器41にて蒸発した冷媒を第1圧縮機11(第1圧縮機構11a)→第2圧縮機21(第2圧縮機構21a)の順に昇圧するサイクルが構成される。これにより、利用側熱交換器51にて庫内空気を加熱できる。
さらに、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル100では、以下のような優れた効果を得ることができる。
(A)冷却運転モード時に、エジェクタ13の駆動流が流量低下するような運転条件となっても、エジェクタ式冷凍サイクルを安定して作動させることができる。
つまり、第2圧縮機構21aを備えているので、例えば、低外気温時等のように、高圧冷媒と低圧冷媒との圧力差が低下して、エジェクタ13の駆動流が流量低下するような運転条件、すなわち、エジェクタ13の吸引能力が低下するような運転条件となっても、エジェクタ13の吸引能力を、第2圧縮機構21aの吸入吐出作用によって補助することができる。
さらに、本実施形態のサイクル構成では、第2圧縮機構21aの吸引作用によって、アキュムレータ14から利用側熱交換器51へ確実に液相冷媒を供給することができる。その結果、冷却運転モード時に、エジェクタ13の吸引能力が低下するような運転条件となっても、エジェクタ式冷凍サイクルを安定して作動させることができる。
(B)冷却運転モード時に、2つの第1、第2圧縮機構11a、21aおよびエジェクタ13のディフューザ部13dの昇圧作用によって冷媒を昇圧できるので、1つの圧縮機構にて冷媒を昇圧する場合に対して、第1、第2圧縮機構11a、21aの駆動動力を低減させてCOPを向上できる。
つまり、ディフューザ部13dの昇圧作用によって、第1圧縮機構11aの吸入圧力を上昇させることで、第1圧縮機構11aの駆動動力を低減できる。さらに、それぞれの第1、第2圧縮機構11a、21aにおける吸入圧力と吐出圧力との圧力差を縮小できるので、それぞれの第1、第2圧縮機構11a、21aの圧縮効率を向上できる。
この際、第1、第2圧縮機構11a、21aの冷媒吐出能力を第1、第2電動モータ11b、21bが独立に変化させることができるので、エジェクタ式冷凍サイクル10全体としてCOPを効果的に向上させることができる。
(C)加熱運転モード時に、第1圧縮機構11aおよび第2圧縮機構21aの2つの圧縮機構によって、冷媒を多段階に昇圧できるので、冷却運転モードと同様に、1つの圧縮機構にて冷媒を昇圧する場合に対して、第1、第2圧縮機11、21の駆動動力を低減させてCOPを向上できる。
さらに、加熱運転モード時には、エジェクタ13を冷媒減圧手段として用いないので、エジェクタの13の吸引能力の低下によって、サイクルの作動が不安定になってしまうことがない。従って、加熱運転モード時にも、高いCOPを発揮させながら、サイクルを安定して作動させることができる。
(D)いずれの運転モードにおいても、第1圧縮機11に、アキュムレータ14にて分離された気相冷媒を吸入させることができるので、第1圧縮機11の液圧縮の問題を回避できる。
本実施形態のように、高いCOPを発揮させながら、サイクルを安定して作動できることは、高圧冷媒と低圧冷媒との圧力差が大きい冷凍サイクル装置、例えば、冷却運転モード時に庫内温度を極低温(例えば、−30℃〜−10程度)まで低下させ、加熱運転モード時に吸熱源としての外気が極低温となる環境で使用される冷温保存庫等に適用した際に、極めて有効である。
(第2実施形態)
本実施形態では、図3の全体構成図に示すように、第1実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル100に対して、電気式三方弁33を廃止して、第2三方継手17bおよび第2、第3逆止弁16b、16cを設けた例を説明する。なお、図3では、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付している。このことは、以下の図面においても同様である。
第2三方継手17bの基本的構成は、三方継手17aと同様である。そして、第2三方継手17bの3つの冷媒流入出口には、第1実施形態の電気式三方弁33と同様に、それぞれ室外熱交換器41、エジェクタ13のノズル部13a入口側および固定絞り18出口側が接続されている。
第2逆止弁16bは、第2三方継手17bとエジェクタ13のノズル部13a入口側との間に配置され、第2三方継手17b側からノズル部13a入口側へ冷媒が流れることのみを許容している。また、第3逆止弁16cは、第2三方継手17bと固定絞り18出口側との間に配置され、固定絞り18出口側から第2三方継手17bへ冷媒が流れることのみを許容している。
なお、以下の説明では、三方継手17aと第2三方継手17bとの相違を明確化するために、三方継手17aを第1三方継手17aと記載し、逆止弁16aと第2、第3逆止弁16b、16cとの相違を明確化するために、逆止弁16aを第1逆止弁16aと記載する。
次に、上記構成における本実施形態の作動を説明する。本実施形態の冷却運転モードでは、制御装置が、第1、第2電動モータ11b、21b、送風ファン41a、51aを作動させるとともに、第1、第2電気式四方弁31、32を実線矢印で示す回路に切り替える。
これにより、第1圧縮機11(→第1電気式四方弁31)→室外熱交換器41(→第2三方継手17b→第2逆止弁16b)→エジェクタ13のノズル部13a(→第1電気式四方弁31)→アキュムレータ14→第1圧縮機11の順に冷媒が循環するとともに、アキュムレータ14→分離冷媒固定絞り15(→第1逆止弁16a→三方継手17a)→利用側熱交換器51(→第2電気式四方弁32)→第2圧縮機21(→第2電気式四方弁32)→エジェクタ13の冷媒吸引口13b(→第1電気式四方弁31)→アキュムレータ14の順に冷媒が循環するサイクルが構成される。
従って、第1圧縮機11から吐出された冷媒は、第1実施形態の冷却運転モードと同様に、室外熱交換器41へ流入して放熱する。室外熱交換器41から流出した冷媒は、第2三方継手17bへ流入し、第2逆止弁16bを介して、エジェクタ13のノズル部13aへ流入する。
この際、第2三方継手17bへ流入した冷媒は、第3逆止弁16cの作用によって、固定絞り18出口側へ流出することはなく、その全流量がエジェクタ13のノズル部13aへ流入する。その他の作動は、第1実施形態の冷媒運転モードと同様である。
従って、本実施形態の冷却運転モードでは、第1実施形態の冷却運転モードと同様のサイクルが構成され、第1実施形態の図2(a)のモリエル線図に示すように作動する。その結果、本実施形態の冷却運転モードでは、第1実施形態の冷却運転モードと全く同様の効果を得ることができる。
一方、加熱運転モードでは、制御装置が、第1、第2電動モータ11b、21b、送風ファン41a、51aを作動させるとともに、第1、第2電気式四方弁31、32を破線矢印で示す回路に切り替える。
これにより、第1圧縮機11(→第1電気式四方弁31→エジェクタ13のディフューザ部13d→第2電気式四方弁32)→第2圧縮機21(→第2電気式四方弁32)→利用側熱交換器51→固定絞り18(→第3逆止弁16c→第2三方継手17b)→室外熱交換器41(→第1電気式四方弁31)→アキュムレータ14→第1圧縮機11の順に冷媒が循環するサイクルが構成される。
従って、第1圧縮機11から吐出された冷媒は、第1実施形態の加熱運転モードと同様に、固定絞り18へ流入して減圧膨張される。固定絞り18から流出した冷媒は、第3逆止弁16cおよび第2三方継手17bを介して、室外熱交換器41へ流入する。
この際、加熱運転モードでは、第2逆止弁16bの弁体部に作用する冷媒圧力のうち、第2三方継手17b側の冷媒圧力がエジェクタ13のノズル部13a側の冷媒圧力よりも低くなる。そのため、第2逆止弁16bが閉弁状態となり、第2三方継手17bへ流入した冷媒は、ノズル部13a側へ流出することはなく、その全流量が室外熱交換器41へ流入する。その他の作動は、第1実施形態の加熱運転モードと同様である。
従って、本実施形態の加熱運転モードでは、第1実施形態の加熱運転モード時と同様のサイクルが構成され、第1実施形態の図2(b)のモリエル線図に示すように作動する。その結果、本実施形態の加熱運転モードでは、第1実施形態の加熱運転モードと全く同様の効果を得ることができる。
さらに、本実施形態では、電気式三方弁33を廃止し、純機械的機構で構成される第2、第3逆止弁16b、16cを採用して、冷却運転モードと加熱運転モードとを切替可能なサイクルを構成しているので、第1実施形態に対して、簡素なサイクル構成で第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、図4の全体構成図に示すように、第1実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル100の電気式三方弁33および第1逆止弁16aを廃止し、分離冷媒固定絞り15を分離冷媒電気式膨張弁15aに変更し、固定絞り18を電気式膨張弁18aに変更し、さらに、第2実施形態と同様の第2三方継手17bを設けるとともに、第2三方継手17bとノズル部13aとの間に高圧側電気式膨張弁19aを設けた例を説明する。
高圧側電気式膨張弁19aは、冷却運転モード時に、エジェクタ13のノズル部13aへ流入する冷媒を気液二相状態となるまで減圧させる高圧側減圧手段である。分離冷媒電気式膨張弁15a、電気式膨張弁18aおよび高圧側電気式膨張弁19aは、それぞれ絞り開度を変更可能に構成された弁体と、この弁体の絞り開度を変化させるステッピングモータからなる電動アクチュエータとを有して構成される可変絞り機構である。
さらに、これらの電気式膨張弁15a、18a、19aは、それぞれ制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される。また、これらの電気式膨張弁15a、18a、19aは、その絞り開度を全閉状態として冷媒流路を遮断することができる。従って、これらの電気式膨張弁15a、18a、19aは、減圧手段としての機能を果たすだけでなく、冷媒流路切替手段としての機能を兼ね備える。
次に、上記構成における本実施形態の作動を図5のモリエル線図に基づいて説明する。なお、図5(a)は、冷却運転モードにおける冷媒の状態を示すモリエル線図であり、図5(b)は、加熱運転モードにおける冷媒の状態を示すモリエル線図である。また、図5における冷媒の状態を示す符号は、図2における同様の冷媒の状態を示す符号と同一の符号を用いるとともに、添字のみを変更している。このことは、以下の実施形態におけるモリエル線図においても同様である。
まず、本実施形態の冷却運転モードでは、制御装置が、第1、第2電動モータ11b、21b、送風ファン41a、51aを作動させるとともに、第1、第2電気式四方弁31、32を実線矢印で示す回路に切り替え、分離冷媒電気式膨張弁15aおよび高圧側電気式膨張弁19aを絞り状態とし、電気式膨張弁18aを全閉状態とする。
これにより、第1圧縮機11(→第1電気式四方弁31)→室外熱交換器41(→第2三方継手17b)→エジェクタ13のノズル部13a(→第1電気式四方弁31)→アキュムレータ14→第1圧縮機11の順に冷媒が循環するとともに、アキュムレータ14→分離冷媒電気式膨張弁15a(→第1三方継手17a)→利用側熱交換器51(→第2電気式四方弁32)→第2圧縮機21(→第2電気式四方弁32)→エジェクタ13の冷媒吸引口13b(→第1電気式四方弁31)→アキュムレータ14の順に冷媒が循環するサイクルが構成される。
従って、第1圧縮機11から吐出された冷媒(図5(a)のa5点)は、第1実施形態の冷却運転モードと同様に、室外熱交換器41へ流入して放熱する(a5点→b5点)。室外熱交換器41から流出した冷媒は、第2三方継手17bへ流入し、第2逆止弁16bを介して、高圧側電気式膨張弁19aへ流入する。
この際、第2三方継手17bへ流入した冷媒は、電気式膨張弁18aが全閉状態となっているので、電気式膨張弁18a側へ流出することはなく、その全流量が高圧側電気式膨張弁19aへ流入する。高圧側電気式膨張弁19aへ流入した冷媒は、等エンタルピ的に減圧膨張されて、気液二相状態となる(b5点→b’5点)。高圧側電気式膨張弁19aから流出した冷媒は、エジェクタ13のノズル部13aへ流出する。
また、アキュムレータ14から流出した液相冷媒は、分離冷媒電気式膨張弁15aにて等エントロピ的に減圧膨張されて第1三方継手17aへ流入する(g5点→h5点)。その他の作動は、第1実施形態の冷却運転モードと同様である。従って、本実施形態の冷却運転モードでは、第1実施形態の冷却運転モード時と同様のサイクルが構成され、第1実施形態の冷却運転モードと同様の効果を得ることができる。
一方、加熱運転モードでは、制御装置が、第1、第2電動モータ11b、21b、送風ファン41a、51aを作動させるとともに、第1、第2電気式四方弁31、32を破線矢印で示す回路に切り替え、分離冷媒電気式膨張弁15aおよび高圧側電気式膨張弁19aを全閉状態とし、電気式膨張弁18aを絞り状態とする。
これにより、第1圧縮機11(→第1電気式四方弁31→エジェクタ13→第2電気式四方弁32)→第2圧縮機21(→第2電気式四方弁32)→利用側熱交換器51→電気式膨張弁18a(→第2三方継手17b)→室外熱交換器41(→第1電気式四方弁31)→アキュムレータ14→第1圧縮機11の順に冷媒が循環するサイクルが構成される。
従って、第1圧縮機11から吐出された冷媒(図5(b)のk5点)は、第1実施形態の加熱運転モードと同様に、電気式膨張弁18aへ流入して減圧膨張される。電気式膨張弁18aから流出した冷媒は、第2三方継手17bを介して、室外熱交換器41へ流入する。
この際、加熱運転モードでは、分離冷媒電気式膨張弁15aが全閉状態となっているので、アキュムレータ14から流出した液相冷媒が第1三方継手17aへ流入することはない。
さらに、高圧側電気式膨張弁19aが全閉状態となっているので、第2三方継手17bへ流入した冷媒は、高圧側電気式膨張弁19a側へ流入することはなく、その全流量が室外熱交換器41へ流入する。その他の作動は、第1実施形態の加熱運転モードと同様である。
従って、本実施形態の加熱運転モードでは、第1実施形態の加熱運転モードと同様のサイクルが構成され、図5(b)のモリエル線図に示すように作動する。この加熱運転モード時の作動は、第1実施形態の加熱運転モード時の作動(図2(b))と同様である。従って、本実施形態の加熱運転モードでは、第1実施形態の加熱運転モードと同様の効果を得ることができる。
さらに、本実施形態では、冷却運転モード時に、高圧側電気式膨張弁19aにて減圧された冷媒(図5(a)のb’5点)が気液二相状態となるので、エジェクタ13のノズル部13aへ気液二相状態の冷媒を流入させることができる。従って、ノズル部13aへ液相冷媒を流入させる場合に対して、ノズル部13aにおける冷媒の沸騰を促進させることができ、ノズル効率を向上させることができる。
これにより、回収エネルギ量を増加させて、ディフューザ部13dにおける昇圧量を増加させることができるので、より一層、COPを向上できる。さらに、ノズル部13aへ液相冷媒を流入させる場合に対して、ノズル部13aの冷媒通路面積を拡大することができるので、ノズル部13aの加工が容易となる。その結果、エジェクタ13の製造コストを低減して、エジェクタ式冷凍サイクル100全体としての製造コストを低減できる。
(第4実施形態)
図6、7により、本発明のエジェクタ式冷凍サイクル200を、庫内温度を低温または高温に保つ冷温保存庫に適用した例を説明する。本実施形態の冷温保存庫は、冷温保存切替可能な第1保存庫と低温保存のみが可能な第2保存庫(冷蔵庫)を有している。図6は、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル200の全体構成図である。
なお、このエジェクタ式冷凍サイクル200は、その前提となる第1実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル100に対して、構成機器の変更およびその接続態様の変更、すなわちサイクル構成を変更したものである。
図6に示すように、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル200では、第1実施形態に対して、アキュムレータ14、分離冷媒固定絞り15、第1逆止弁16aおよび第1三方継手17aを廃止している。そして、第1電気式四方弁31の1つの冷媒流入出口と第1圧縮機11吸入口側との間に流出側熱交換器52を設けている。
流出側熱交換器52は、その内部を通過する冷媒を、送風ファン52aにより循環送風される第2保存庫内空気と熱交換させて蒸発させ、吸熱作用を発揮させる吸熱用熱交換器である。このため、本実施形態の流出側熱交換器52は、第2の利用側熱交換器として機能する。送風ファン52aは、制御装置から出力される制御電圧によって回転数(送風空気量)が制御される電動式送風機である。
従って、本実施形態の第1電気式四方弁31は、第1圧縮機11吐出口側と室外熱交換器41との間およびエジェクタ13のディフューザ部13d出口側と流出側熱交換器52入口側との間を同時に接続する冷媒流路(図6の実線矢印で示す回路)と、第1圧縮機11吐出口側とディフューザ部13d出口側との間および室外熱交換器41と流出側熱交換器52入口側との間を同時に接続する冷媒流路(図6の破線矢印で示す回路)とを切り替える。
さらに、本実施形態では、電気式三方弁33を廃止しており、冷却運転モードにおける室外熱交換器41の出口側に、第2実施形態と同様の高圧側電気式膨張弁19a、および、冷却運転モード時に高圧側電気式膨張弁19a流出冷媒の流れを分岐する上流側分岐部22を設けている。
この高圧側電気式膨張弁19aの弁開度は、制御装置の制御信号によって、第1圧縮機11吸入冷媒の過熱度が予め設定された所定値となるように制御される。また、上流側分岐部22は、冷却運転モード時に高圧側電気式膨張弁19aから流出した冷媒の流れを分岐して、分岐された一方の冷媒をエジェクタ13のノズル部13a側へ流出させ、他方の冷媒を固定絞り18側へ流出させる三方継手構造のものである。
このような上流側分岐部22は、管径の異なる配管を接合して構成してもよいし、金属ブロックや樹脂ブロックに通路径の異なる複数の冷媒通路を設けて構成してもよい。さらに、上流側分岐部22とエジェクタ13のノズル部13aとの間には、第2実施形態と同様の第2逆止弁16bが配置されている。
また、本実施形態では、第1三方継手17aを廃止しているので、冷却運転モードにおける固定絞り18出口側(加熱運転モードにおける固定絞り18入口側)と冷却運転モードにおける利用側熱交換器52入口側(加熱運転モードにおける利用側熱交換器52出口が)が直接接続されている。その他の構成は第1実施形態と同様である。
次に、上記構成における本実施形態の作動を図7のモリエル線図に基づいて説明する。なお、図7(a)は、冷却運転モードにおける冷媒の状態を示すモリエル線図であり、図7(b)は、加熱運転モードにおける冷媒の状態を示すモリエル線図である。
まず、本実施形態の冷却運転モードでは、制御装置が、第1、第2電動モータ11b、21b、送風ファン41a、51a、52aを作動させ、第1、第2電気式四方弁31、32を実線矢印で示す回路に切り替え、さらに、高圧側電気式膨張弁19aを絞り状態とする。
これにより、図6の実線矢印に示すように、第1圧縮機11(→第1電気式四方弁31)→室外熱交換器41→高圧側電気式膨張弁19a→上流側分岐部22(→第2逆止弁16b)→エジェクタ13のノズル部13a(→第1電気式四方弁31)→流出側熱交換器52→第1圧縮機11の順に冷媒が循環するとともに、上流側分岐部22→固定絞り18→利用側熱交換器51(→第2電気式四方弁32)→第2圧縮機21(→第2電気式四方弁32)→エジェクタ13の冷媒吸引口13b(→第1電気式四方弁31)→流出側熱交換器52→第1圧縮機11の順に冷媒が循環するサイクルが構成される。
従って、第1圧縮機11にて圧縮された冷媒(図7(a)のa7点)は、第1電気式四方弁31を介して室外熱交換器41へ流入し、送風ファン41aから送風された庫外空気(外気)と熱交換して放熱して凝縮する(a7点→b7点)。室外熱交換器41から流出した冷媒は、高圧側電気式膨張弁19aへ流入して中間圧となるまで等エンタルピ的に減圧膨張され、気液二相状態となる(b7点→b’7点)。
この際、高圧側電気式膨張弁19aの弁開度は、第1圧縮機11吸入側冷媒の過熱度(f7点)が予め定めた所定値となるように調整される。高圧側電気式膨張弁19aから流出した中間圧冷媒は、上流側分岐部22へ流入し、エジェクタ13のノズル部13a側へ流入する冷媒流れと固定絞り18側へエジェクタ13の冷媒吸引口13b側へ流入する冷媒流れとに分流される。
ここで、本実施形態では、ノズル部13a側へ流入する冷媒流量Gnozと冷媒吸引口13b側へ流入する冷媒流量Geとの流量比Ge/Gnozが、サイクル全体として高いCOPを発揮できる最適流量比となるように、ノズル部13aおよび固定絞り18の流量特性(圧力損失特性)、並びに、上流側分岐部22内の冷媒通路面積等が決定されている。
上流側分岐部22からノズル部13a側へ流出した中間圧冷媒は、ノズル部13aで等エントロピ的に減圧膨張して噴射される(b’7点→c7点)。そして、第1実施形態と同様に、噴射冷媒の冷媒吸引作用により、冷媒吸引口13bから第2圧縮機21吐出冷媒が吸引され、混合部13cにて噴射冷媒と吸引冷媒が混合される(c7点→d7点、j7点→d7点)。
さらに、混合された冷媒は、ディフューザ部13dにて昇圧されて(d7点→e7点)、流出側熱交換器52へ流入する。流出側熱交換器52へ流入した冷媒は、送風ファン52aによって循環送風された第2保存庫内空気から吸熱して蒸発する(e7点→f7点)。これにより、第2保存庫内空気が冷却される。流出側熱交換器52から流出した冷媒は、第1圧縮機11に吸入され、再び圧縮される(f7点→a7点)。
一方、上流側分岐部22から固定絞り18側へ流出した中間圧冷媒は、固定絞り18にて、さらに等エンタルピ的に減圧膨張されて、その圧力を低下させる(b’7点→h7点)。固定絞り18にて減圧膨張された冷媒は、利用側熱交換器51へ流入し、送風ファン51aにより循環送風された第1保存庫内空気から吸熱して蒸発する(h7点→i7点)。これにより、第1保存庫内空気が冷却される。
利用側熱交換器51から流出した冷媒は、第2電気式四方弁32を介して、第2圧縮機21に吸入されて圧縮される(i7点→j7点)。さらに、第2圧縮機21から吐出された冷媒は、冷媒吸引口13bからエジェクタ13内へ吸引される(j7点→d7点)。その他の作動は、第1実施形態と同様である。
次に、加熱運転モードでは、制御装置が、第1、第2電動モータ11b、21b、送風ファン41a、51a、52aを作動させ、第1、第2電気式四方弁31、32を破線矢印で示す回路に切り替え、高圧側電気式膨張弁19aを絞り状態とする。
これにより、図6の破線矢印に示すように、第1圧縮機11(→第1電気式四方弁31→エジェクタ13→第2電気式四方弁32)→第2圧縮機21(→第2電気式四方弁32)→利用側熱交換器51→固定絞り18(→上流側分岐部22)→高圧側電気式膨張弁19a→室外熱交換器41(→第1電気式四方弁31)→流出側熱交換器52→第1圧縮機11の順に冷媒が循環するサイクルが構成される。
従って、第1圧縮機11にて圧縮された冷媒(図7(b)のk7点)は、第1実施形態と同様に、エジェクタ13内を逆流する際に僅かに減圧され(k7点→l7点)、第2圧縮機21へ吸入されて圧縮される(l7点→m7点)。第2圧縮機21にて圧縮された冷媒は、第2電気式四方弁32を介して、利用側熱交換器51へ流入する。
利用側熱交換器51へ流入した冷媒は、送風ファン51aから循環送風された庫内空気と熱交換して放熱して凝縮する(m7点→n7点)。これにより、第1保存庫内空気が加熱される。利用側熱交換器51にて放熱した冷媒は、固定絞り18へ流入して等エンタルピ的に減圧膨張される(n7点→n’7点)。固定絞り18にて減圧膨張された冷媒は、上流側分岐部22を介して、高圧側電気式膨張弁19aへ流入する。
高圧側電気式膨張弁19aへ流入した冷媒は、さらに等エンタルピ的に減圧膨張される(n’7点→o7点)。この際、高圧側電気式膨張弁19aの弁開度は、第2逆止弁16bの弁体部に作用する冷媒圧力のうち、上流側分岐部22側の冷媒圧力がノズル部13a側の冷媒圧力よりも低くなるように調整される。
これにより、第2逆止弁16bが閉弁状態となり、上流側分岐部22へ流入した冷媒は、ノズル部13a側へ流出することなく、その全流量が高圧側電気式膨張弁19a側へ流出する。高圧側電気式膨張弁19aから流出した冷媒は、室外熱交換器41へ流入し、送風ファン41aにより送風された庫外空気(外気)から吸熱する(o7点→o’7点)。
室外熱交換器41から流出した冷媒は、第1電気式四方弁31を介して、流出側熱交換器52へ流入し、送風ファン52aによって循環送風された第2保存庫内空気から、さらに吸熱して蒸発する(o’7点→p7点)。これにより、第2保存庫内空気が冷却される。流出側熱交換器52から流出した冷媒は、第1圧縮機11に吸入されて圧縮される(p7点→k7点)。その他の作動は、冷却運転モードと同様である。
従って、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル200を作動させると、冷却運転モードでは、室外熱交換器41を放熱器として機能させ、利用側熱交換器51および流出側熱交換器52を蒸発器として機能させるエジェクタ式冷凍サイクルが構成される。これにより、利用側熱交換器51にて第1保存庫内空気を冷却でき、流出側熱交換器52にて第2保存庫内空気を冷却できる。
この際、流出側熱交換器52の冷媒蒸発圧力は、第2圧縮機21およびディフューザ部13dで昇圧した後の圧力となり、一方、利用側熱交換器51の冷媒蒸発圧力は固定絞り18での減圧直後の圧力となる。
従って、流出側熱交換器52の冷媒蒸発圧力(冷媒蒸発温度)よりも利用側熱交換器51の冷媒蒸発圧力(冷媒蒸発温度)を十分に低くすることができる。その結果、冷却運転モード時に、例えば、第2保存庫を、庫内温度を0℃〜10℃程度とする冷蔵庫として用い、第1保存庫を、庫内温度を−30℃〜−10℃程度まで冷却する冷凍庫として用いることができる。
また、加熱運転モードでは、利用側熱交換器51を放熱器として機能させ、室外熱交換器41および流出側熱交換器52を蒸発器として機能させ、流出側熱交換器52から流出した冷媒を第1圧縮機11→第2圧縮機21の順に昇圧するサイクルが構成される。これにより、利用側熱交換器51にて第1保存庫内空気を加熱でき、流出側熱交換器52にて第2保存庫内空気を冷却できる。
さらに、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル200では、第1実施形態の(A)〜(C)と同様の効果、および、第3実施形態と同様のエジェクタ13のノズル部13aへ気液二相冷媒を流入させることによるCOP向上効果を得ることができるだけでなく、以下のような優れた効果を得ることもできる。
(E)冷却運転モード時に、上流側分岐部22において、流量比Ge/Gnozが最適流量比となるように冷媒の流れを分流しているので、蒸発器として機能する流出側熱交換器52および利用側熱交換器51の双方へ適切な流量の冷媒を供給して、高いCOPを発揮させながらエジェクタ式冷凍サイクルを運転することができる。
(F)冷却運転モード時に、蒸発器として機能する利用側熱交換器51および流出側熱交換器52を通過する冷媒の流れが、第1圧縮機11を起点および終点とする環状となるので、冷媒に第1、第2圧縮機11、21の潤滑用のオイル(冷凍機油)を混入させても、このオイルが室外熱交換器41、利用側熱交換器51および流出側熱交換器52内等に滞留してしまうことを回避できる。
(第5実施形態)
本実施形態では、第4実施形態に対して、流出側熱交換器52の接続態様を変更して、第1、第2保存庫の双方を冷温保存切替可能とした冷温保存庫に、エジェクタ式冷凍サイクル200を適用した例を説明する。具体的には、図8の全体構成図に示すように、本実施形態の流出側熱交換器52は、エジェクタ13のディフューザ部13d出口と第1電気式四方弁31の1つの冷媒流入出口との間に配置されている。
従って、本実施形態の第1電気式四方弁31は、第1圧縮機11吐出口側と室外熱交換器41との間および流出側熱交換器52と第1圧縮機11吸入口側との間を同時に接続する冷媒流路(図8の実線矢印で示す回路)と、第1圧縮機11吐出口側と流出側熱交換器52との間および室外熱交換器41と第1圧縮機11吸入口側との間を同時に接続する冷媒流路(図8の破線矢印で示す回路)とを切り替える。その他の構成は、第4実施形態と同様である。
次に、上記構成における本実施形態の作動を図9のモリエル線図に基づいて説明する。なお、図9(a)は、冷却運転モードにおける冷媒の状態を示すモリエル線図であり、図9(b)は、加熱運転モードにおける冷媒の状態を示すモリエル線図である。
まず、本実施形態の冷却運転モードでは、制御装置が、第1、第2電動モータ11b、21b、送風ファン41a、51a、52aを作動させ、第1、第2電気式四方弁31、32を実線矢印で示す回路に切り替え、高圧側電気式膨張弁19aを絞り状態とする。
これにより、図8の実線矢印に示すように、第1圧縮機11(→第1電気式四方弁31)→室外熱交換器41→高圧側電気式膨張弁19a→上流側分岐部22(→第2逆止弁16b)→エジェクタ13のノズル部13a→流出側熱交換器52(→第1電気式四方弁31)→第1圧縮機11の順に冷媒が循環するとともに、上流側分岐部22→固定絞り18→利用側熱交換器51(→第2電気式四方弁32)→第2圧縮機21(→第2電気式四方弁32)→エジェクタ13の冷媒吸引口13b→流出側熱交換器52→第1圧縮機11の順に冷媒が循環するサイクルが構成される。
つまり、本実施形態の冷却運転モードでは、第4実施形態の冷却運転モードと全く同様のサイクルが構成され、図9(a)のモリエル線図に示すように作動する。この冷却運転モード時の作動は、第4実施形態の冷却運転モード時の作動(図7(a))と同様である。従って、本実施形態の冷却運転モードでは、第4実施形態の冷却運転モードと同様の効果を得ることができる。
次に、加熱運転モードでは、制御装置が、第1、第2電動モータ11b、21b、送風ファン41a、51a、52aを作動させ、第1、第2電気式四方弁31、32を破線矢印で示す回路に切り替え、高圧側電気式膨張弁19aを絞り状態とする。
これにより、図8の破線矢印に示すように、第1圧縮機11(→第1電気式四方弁31)→流出側熱交換器52(→エジェクタ13→第2電気式四方弁32)→第2圧縮機21(→第2電気式四方弁32)→利用側熱交換器51→固定絞り18(→上流側分岐部22)→高圧側電気式膨張弁19a→室外熱交換器41(→第1電気式四方弁31)→第1圧縮機11の順に冷媒が循環するサイクルが構成される。
従って、第1圧縮機11にて圧縮された冷媒(図9(b)のk9点)は、第1電気式四方弁31を介して流出側熱交換器52へ流入し、送風ファン52aによって循環送風された第2保存庫内空気と熱交換して放熱する(k9点→k’9点)。これにより、第2保存庫内空気が加熱される。
流出側熱交換器52にて放熱した冷媒は、エジェクタ13内を逆流する際に僅かに減圧されて(k’9点→l9点)、第2圧縮機21へ吸入されて圧縮される(l9点→m9点)。また、室外熱交換器41にて外気から吸熱した冷媒(o9点→p9点)は、第1電気式四方弁31を介して、第1圧縮機11に吸入されて圧縮される。その他の作動は、第4実施形態の加熱運転モードと同様である。
従って、本実施形態の加熱運転モードでは、利用側熱交換器51および流出側熱交換器52を放熱器として機能させ、室外熱交換器41を蒸発器として機能させ、室外熱交換器41にて蒸発した冷媒を第1圧縮機11→第2圧縮機21の順に昇圧するサイクルが構成される。
これにより、利用側熱交換器51にて第1保存庫内空気を加熱でき、流出側熱交換器52にて第2保存庫内空気を加熱できる。さらに、第1実施形態の(C)と同様に、サイクルを安定して作動させることができる。
また、第2圧縮機21に、流出側熱交換器52にて放熱させた冷媒を吸入させることができるので、第1圧縮機11吐出冷媒を吸入させる場合に対して、第2圧縮機21に、エンタルピの低い冷媒を吸入させることができる。これにより、第2圧縮機21において冷媒を等エントロピ的に圧縮する際の圧縮仕事量を低減させて、第2圧縮機21の駆動動力を低減させることができるので、より一層、COPを向上できる。
(第6実施形態)
図10、11により、本発明のエジェクタ式冷凍サイクル300を、第1実施形態と同様の冷温保存庫に適用した例を説明する。図10は、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル300の全体構成図である。なお、このエジェクタ式冷凍サイクル300は、その前提となる第5実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル200に対して、サイクル構成を変更したものである。
図10に示すように、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル300では、第5実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル200に対して、流出側熱交換器52を廃止して、内部熱交換器35を追加している。
内部熱交換器35は、冷却運転モード時に、高圧側冷媒流路35aを通過する上流側分岐部22から固定絞り18側へ流出した冷媒と、低圧側冷媒流路35bを通過する第2圧縮機21吸入冷媒との間で熱交換を行うものである。
この内部熱交換器35の具体的構成としては、高圧側冷媒流路35aを形成する外側管の内側に低圧側冷媒流路35bを形成する内側管を配置する二重管方式の熱交換器構成を採用している。もちろん、高圧側冷媒流路35aを内側管として、低圧側冷媒流路35bを外側管としてもよい。さらに、高圧側冷媒流路35aと低圧側冷媒流路35bとを形成する冷媒配管同士をろう付け接合して熱交換させる構成等を採用してもよい。
従って、本実施形態の第1電気式四方弁31は、第1圧縮機11吐出口側と室外熱交換器41との間およびエジェクタ13のディフューザ部13d出口側と第1圧縮機11吸入口側との間を同時に接続する冷媒流路(図10の実線矢印で示す回路)と、第1圧縮機11吐出口側とエジェクタ13のディフューザ部13d出口側との間および室外熱交換器41と第1圧縮機11吸入口側との間を同時に接続する冷媒流路(図10の破線矢印で示す回路)とを切り替える。
第2電気式四方弁32は、内部熱交換器35の低圧側冷媒流路35bと第2圧縮機21吸入口側との間および第2圧縮機21吐出口側とエジェクタ13の冷媒吸引口13b側とを同時に接続する冷媒流路(図10の実線矢印で示す回路)と、冷媒吸引口13b側と第2圧縮機21吸入口側との間および第2圧縮機21吐出口側と内部熱交換器35の低圧側冷媒流路35bとの間を同時に接続する冷媒流路(図10の破線矢印で示す回路)とを切り替える。
さらに、本実施形態では、上流側分岐部22とエジェクタ13のノズル部13a入口側との間に第4実施形態と同様の高圧側電気式膨張弁19aを配置している。
次に、上記構成における本実施形態の作動を図11のモリエル線図に基づいて説明する。なお、図11(a)は、冷却運転モードにおける冷媒の状態を示すモリエル線図であり、図11(b)は、加熱運転モードにおける冷媒の状態を示すモリエル線図である。
まず、本実施形態の冷却運転モードでは、制御装置が、第1、第2電動モータ11b、21b、送風ファン41a、51aを作動させ、第1、第2電気式四方弁31、32を実線矢印で示す回路に切り替え、さらに、高圧側電気式膨張弁19aを絞り状態とする。
これにより、図10の実線矢印に示すように、第1圧縮機11(→第1電気式四方弁31)→室外熱交換器41→上流側分岐部22→高圧側電気式膨張弁19a→エジェクタ13のノズル部13a(→第1電気式四方弁31)→第1圧縮機11の順に冷媒が循環するとともに、上流側分岐部22→内部熱交換器35の高圧側冷媒流路35a→固定絞り18→利用側熱交換器51→内部熱交換器35の低圧側冷媒流路35b(→第2電気式四方弁32)→第2圧縮機21(→第2電気式四方弁32)→エジェクタ13の冷媒吸引口13b(→第1電気式四方弁31)→第1圧縮機11の順に冷媒が循環するサイクルが構成される。
従って、第1圧縮機11にて圧縮された冷媒(図11(a)のa11点)は、第5実施形態と同様に、室外熱交換器41にて送風ファン41aから送風された庫外空気(外気)と熱交換して放熱して凝縮する(a11点→b11点)。室外熱交換器41から流出した冷媒は、上流側分岐部22へ流入して、高圧側電気式膨張弁19a側へ流入する冷媒流れと内部熱交換器35の高圧側冷媒流路35a側へ流入する冷媒流れとに分流される。
上流側分岐部22から高圧側電気式膨張弁19aへ流入した冷媒は、高圧側電気式膨張弁19aにて等エンタルピ的に減圧膨張して気液二相状態の中間圧冷媒となる(b11点→b’11点)。この際、高圧側電気式膨張弁19aの弁開度は、第1圧縮機11吸入口側の冷媒の過熱度(f11点)が予め定めた所定値となるように調整される。
高圧側電気式膨張弁19aから流出した中間圧冷媒は、第5実施形態と同様に、エジェクタ13のノズル部13aにて等エントロピ的に減圧膨張して噴射され(b’11点→c11点)、第2圧縮機21吐出冷媒と混合され(c11点→d11点、j11点→d11点)、ディフューザ部13dにて昇圧される(d11点→e11点)。
ディフューザ部13dから流出した冷媒は、第1圧縮機11吸入口へ至る冷媒配管にて周辺空気等から吸熱してエンタルピを増加させ(e11点→f11点)、第1圧縮機11に吸入されて圧縮される(f11点→a11点)。
一方、上流側分岐部22から内部熱交換器35の高圧側冷媒流路35aへ流入した高圧冷媒は、低圧側冷媒流路35bを流通する第2圧縮機21吸入冷媒と熱交換して、そのエンタルピを低下させる(b11点→b”11点)。これに伴って、第2圧縮機21吸入冷媒のエンタルピが増加する(i11点→i’11点)。
内部熱交換器35の高圧側冷媒流路35aから流出した冷媒は、固定絞り18にて、さらに等エンタルピ的に減圧膨張されて、その圧力を低下させる(b”11点→h11点)。固定絞り18から流出した冷媒は、利用側熱交換器51へ流入し、送風ファン51aにより循環送風された庫内空気から吸熱して蒸発する(h11点→i11点)。これにより、庫内空気が冷却される。
利用側熱交換器51から流出した冷媒は、第2電気式四方弁32を介して、内部熱交換器35の低圧側冷媒流路35bへ流入して、前述の如く、そのエンタルピを増加させる。さらに、内部熱交換器35の低圧側冷媒流路35bから流出した冷媒は、第2電気式四方弁32を介して、第2圧縮機21へ吸入される。その他の作動は、第5実施形態と同様である。
次に、加熱運転モードでは、制御装置が、第1、第2電動モータ11b、21b、送風ファン41a、51aを作動させ、第1、第2電気式四方弁31、32を破線矢印で示す回路に切り替え、さらに、高圧側電気式膨張弁19aを全閉状態とする。
これにより、図10の破線矢印に示すように、第1圧縮機11(→第1電気式四方弁31→エジェクタ13→第2電気式四方弁32)→第2圧縮機21(→第2電気式四方弁32)→内部熱交換器35の低圧側冷媒流路35b→利用側熱交換器51→固定絞り18→内部熱交換器35の高圧側冷媒流路35a→上流側分岐部22→室外熱交換器41(→第1電気式四方弁31)→第1圧縮機11の順に冷媒が循環するサイクルが構成される。
従って、第1圧縮機11にて圧縮された冷媒(図11(b)のk11点)は、第5実施形態と同様に流れ、第2圧縮機21へ吸入されて圧縮される。第2圧縮機21にて圧縮された冷媒は(m11点)、第2電気式四方弁32を介して、内部熱交換器35の低圧側冷媒流路35bへ流入する。
そして、内部熱交換器35の低圧側冷媒流路35bへ流入した冷媒は、高圧側冷媒流路35aを流通する固定絞り18流出冷媒と熱交換して、そのエンタルピをさらに低下させる(m11点→m’11点)。これに伴って、固定絞り18流出冷媒のエンタルピが増加する(o11点→o’11点)。
内部熱交換器35の低圧側冷媒流路35bから流出した冷媒は、利用側熱交換器51へ流入し、送風ファン51aから循環送風された庫内空気と熱交換して放熱する(m’11点→n11点)。これにより、庫内空気が加熱される。利用側熱交換器51から流出した冷媒は、固定絞り18にて等エンタルピ的に減圧膨張されて(n11点→o11点)、内部熱交換器35の高圧側冷媒流路35aへ流入し、前述の如く、そのエンタルピを増加させる。
内部熱交換器35の高圧側冷媒流路35aから流出した冷媒は、高圧側電気式膨張弁19aが全閉状態となっているので、その全流量が室外熱交換器41へ流入し、送風ファン41aから送風された外気と熱交換して吸熱する(o’11点→p11点)。室外熱交換器41から流出した冷媒は、第1圧縮機11に吸入されて圧縮される(p11点→k11点)。その他の作動は、第5実施形態と同様である。
従って、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル300を作動させると、冷却運転モードでは、室外熱交換器41を放熱器として機能させ、利用側熱交換器51を蒸発器として機能させるエジェクタ式冷凍サイクルが構成される。これにより、利用側熱交換器51にて庫内空気を冷却できる。
一方、加熱運転モードでは、利用側熱交換器51を放熱器として機能させ、室外熱交換器41を蒸発器として機能させ、室外熱交換器41にて蒸発した冷媒を第1圧縮機11→第2圧縮機21の順に昇圧するサイクルが構成される。これにより、利用側熱交換器51にて庫内空気を加熱できる。
さらに、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル300では、冷却運転モード時に、第1実施形態の(A)、(B)と同様の効果、第3実施形態と同様のCOP向上効果、および、第4実施形態の(F)と同様の効果を得ることができるだけでなく、以下のような優れた効果を得ることもできる。
(G)冷却運転モード時に、内部熱交換器35の作用によって、蒸発器として作用する利用側熱交換器51の入口側冷媒のエンタルピと出口側冷媒のエンタルピとのエンタルピ差を拡大させて冷凍能力を増大させることができる。これにより、より一層、COPを向上できる。
(H)冷却運転モード時に、内部熱交換器35において、上流側分岐部22から固定絞り18入口側へ至る冷媒通路を流通する高圧冷媒と第2圧縮機構21aへ吸入される低圧冷媒とを熱交換させているので、上流側分岐部22からノズル部13aへ流入する冷媒のエンタルピを不必要に低下させない。
これにより、更なるCOP向上効果を得ることができる。その理由は、ノズル部13aへ流入する冷媒のエンタルピを不必要に低下させないことで、ノズル部13aにおける回収エネルギ量を増大できるからである。
このことをより詳細に説明すると、ノズル部13aへ流入する冷媒のエンタルピが増加するに伴って、等エントロピ線の傾きが緩やかになる。そのため、ノズル部13aにて、同じ圧力分だけ等エントロピ膨張させた場合、ノズル部13a入口側冷媒のエンタルピが高いほど、ノズル部13a入口側冷媒のエンタルピとノズル部13a出口側冷媒のエンタルピとの差(回収エネルギ量)が大きくなる。
従って、ノズル部13aへ流入する冷媒のエンタルピが増加するに伴って、ノズル部13aにおける回収エネルギ量が増大する。そして、この回収エネルギ量の増大に伴って、ディフューザ部13dにおける昇圧量を増大させることができ、更なるCOP向上効果を得ることができる。
また、本実施形態の加熱運転モードでは、内部熱交換器35を設けない場合に対して、室外熱交換器41にて冷媒が外気から吸熱する吸熱量および利用側熱交換器52にて冷媒が放熱できる放熱量が若干低減してしまうものの、第1実施形態の(c)と同様に、サイクルを安定して作動させることができる。
さらに、本実施形態のサイクルに対して、加熱運転モード時に、内部熱交換器35の少なくとも一方の冷媒流路を迂回させるように冷媒を流すバイパス通路を追加してもよい。これにより、加熱運転モード時に、内部熱交換器35の機能を抑制して、利用側熱交換器52における冷媒の放熱量の低減を抑制できる。
(第7実施形態)
図12、13により、本発明のエジェクタ式冷凍サイクル400を、第5実施形態と同様の冷温保存切替可能な2つの保存庫を有する冷温保存庫に適用した例を説明する。図12は、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル400の全体構成図である。なお、このエジェクタ式冷凍サイクル400は、その前提となる第1実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル100に対して、サイクル構成を変更したものである。
図12に示すように、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル400では、第1実施形態に対して、アキュムレータ14、分離冷媒固定絞り15および第1逆止弁16aを廃止している。そして、エジェクタ13のディフューザ部13d出口側に、ディフューザ部13dから流出した冷媒の流れを分岐する下流側分岐部23を設けるとともに、第4実施形態と同様の高圧側電気式膨張弁19aおよび流出側熱交換器52を設けている。
下流側分岐部23の基本的構成は、第4実施形態の上流側分岐部22と同様である。この下流側分岐部23の一方の冷媒流出口23bには、流出側熱交換器52が接続され、他方の冷媒流出口23cには、低圧側減圧手段である低圧側電気式膨張弁19bを介して、第1三方継手17aの一つの冷媒流入出口側が接続されている。
さらに、下流側分岐部23は、一方の冷媒流出口23bから流出側熱交換器52側へ流出する冷媒の流れ方向、および、他方の冷媒流出口23cから低圧側電気式膨張弁19b側へ流出する冷媒の流れ方向が、ディフューザ部13d出口側から冷媒流入口23aへ流入する冷媒の流れ方向に対して、対象方向に向くとともに鋭角に交わるように略Y字型に形成されている。
従って、下流側分岐部23へ流入した冷媒は、その流れが分岐される際に、不必要に流速を低下させることなく下流側分岐部23から流出していく。これにより、下流側分岐部23においてエジェクタ13から流出した冷媒の流速(動圧)が維持される。もちろん、下流側分岐部23はこれに限定されることなく、略T字型等に形成してもよい。
さらに、本実施形態の流出側熱交換器52の他方の冷媒流入出口には、第1電気式四方弁31の1つの冷媒流入出口が接続されている。
従って、本実施形態の第1電気式四方弁31は、第1圧縮機11吐出口側と室外熱交換器41との間および流出側熱交換器52と第1圧縮機11吸入口側との間を同時に接続する冷媒流路(図12の実線矢印で示す回路)と、第1圧縮機11吐出口側と流出側熱交換器52との間および室外熱交換器41と第1圧縮機11吸入口側との間を同時に接続する冷媒流路(図12の破線矢印で示す回路)とを切り替える。
さらに、本実施形態の高圧側電気式膨張弁19aは、電気式三方弁33からノズル部13a入口側へ至る冷媒流路に配置されている。また、低圧側電気式膨張弁19bの基本的構成は、高圧側電気式膨張弁19aと同様であり、冷却運転モード時に、利用側熱交換器51における冷媒蒸発温度が、操作パネルにより設定された設定温度となるように弁開度が調整される。
次に、上記構成における本実施形態の作動を図13のモリエル線図に基づいて説明する。なお、図13(a)は、冷却運転モードにおける冷媒の状態を示すモリエル線図であり、図13(b)は、加熱運転モードにおける冷媒の状態を示すモリエル線図である。
まず、本実施形態の冷却運転モードでは、制御装置が、第1、第2電動モータ11b、21b、送風ファン41a、51a、52aを作動させ、第1、第2電気式四方弁31、32および電気式三方弁33を実線矢印で示す回路に切り替え、さらに、高圧側電気式膨張弁19aおよび低圧側電気式膨張弁19bを絞り状態にする。
これにより、図12の実線矢印に示すように、第1圧縮機11(→第1電気式四方弁31)→室外熱交換器41(→電気式三方弁33)→高圧側電気式膨張弁19a→エジェクタ13のノズル部13a→下流側分岐部23→流出側熱交換器52(→第1電気式四方弁31)→第1圧縮機11の順に冷媒が循環するとともに、下流側分岐部23→低圧側電気式膨張弁19b→第1三方継手17a→利用側熱交換器51(→第2電気式四方弁32)→第2圧縮機21(→第2電気式四方弁32)→エジェクタ13の冷媒吸引口13b→下流側分岐部23の順に冷媒が循環するサイクルが構成される。
従って、第1圧縮機11にて圧縮された冷媒(図13(a)のa13点)は、第1実施形態と同様に、室外熱交換器41にて送風ファン41aから送風された庫外空気(外気)と熱交換して放熱して凝縮する(a13点→b13点)。室外熱交換器41から流出した冷媒は、電気式三方弁33を介して、高圧側電気式膨張弁19aへ流入する。
高圧側電気式膨張弁19aへ流入した冷媒は、等エンタルピ的に減圧膨張して気液二相状態の中間圧冷媒となる(b13点→b’13点)。この際、高圧側電気式膨張弁19aの弁開度は、第1圧縮機11吸入口側冷媒の過熱度(f13点)が予め定めた所定値となるように調整される。
高圧側電気式膨張弁19aから流出した中間圧冷媒は、第1実施形態と同様に、エジェクタ13のノズル部13aにて等エントロピ的に減圧膨張して噴射され(b’13点→c13点)。第2圧縮機21吐出冷媒と混合され(c13点→d13点、j13点→d13点)、ディフューザ部13dにて昇圧される(d13点→e13点)。
ディフューザ部13dから流出した冷媒は、下流側分岐部23へ流入する。下流側分岐部23へ流入した冷媒は、流出側熱交換器52側へ流入する冷媒流れと、低圧側電気式膨張弁19b側へ流入する冷媒流れとに分流される。
ここで、本実施形態では、下流側分岐部23の冷媒流出口23b側の冷媒通路面積を、冷媒流出口23c側の冷媒通路面積よりも大きく設定することにより、流出側熱交換器52側へ流入する冷媒流量G1が低圧側電気式膨張弁19b側へ流入する冷媒流量G2よりも多くなるようにしている。
下流側分岐部23から流出側熱交換器52へ流入した冷媒は、送風ファン52aによって循環送風された第2保存庫内空気から吸熱して蒸発する(e13点→f13点)。これにより、第2保存庫内空気が冷却される。そして、流出側熱交換器52から流出した冷媒は、第1圧縮機11に吸入され、再び圧縮される(f13点→a13点)。
一方、下流側分岐部23から低圧側電気式膨張弁19bへ流入した冷媒は、さらに等エンタルピ的に減圧膨張されて、その圧力を低下させる(e13点→h13点)。低圧側電気式膨張弁19bにて減圧膨張された冷媒は、第1三方継手17aを介して、利用側熱交換器51へ流入し、送風ファン51aにより循環送風される第1保存庫内空気から吸熱して蒸発する(h13点→i13点)。これにより、第1保存庫内空気が冷却される。
また、冷却運転モードでは、電気式三方弁33が、室外熱交換器41と高圧側電気式膨張弁19a入口側とを接続する冷媒流路に切り替えられているので、第1三方継手17aへ流入した冷媒は、固定絞り18側へ流入することなく、その全流量が利用側熱交換器51へ流入する。その他の作動は、第1実施形態と同様である。
次に、加熱運転モードでは、制御装置が、第1、第2電動モータ11b、21b、送風ファン41a、51a、52aを作動させ、第1、第2電気式四方弁31、32および電気式三方弁33を実線矢印で示す回路に切り替え、さらに、高圧側電気式膨張弁19aおよび低圧側電気式膨張弁19bを全閉状態にする。
これにより、図12の破線矢印に示すように、第1圧縮機11(→第1電気式四方弁31)→流出側熱交換器52(→下流側分岐部23→エジェクタ13→第2電気式四方弁32)→第2圧縮機21(→第2電気式四方弁32)→利用側熱交換器51(→第1三方継手17a)→固定絞り18(→電気式三方弁33)→室外熱交換器41(→第1電気式四方弁31)→第1圧縮機11の順に冷媒が循環するサイクルが構成される。
従って、第1圧縮機11にて圧縮された冷媒(図13(b)のk13点)は、第1電気式四方弁31を介して流出側熱交換器52へ流入し、送風ファン52aによって循環送風された第2保存庫内空気と熱交換して放熱する(k13点→k’13点)。これにより、第2保存庫内空気が加熱される。
流出側熱交換器52から流出した冷媒は、下流側分岐部23を介して、エジェクタ13のディフューザ部13dからエジェクタ13内へ流入する。加熱運転モードでは、低圧側電気式膨張弁19bが全閉状態となっているので、下流側分岐部23へ流入した冷媒は、低圧側電気式膨張弁19b側へ流出することなく、その全流量がディフューザ部13d側へ流出する。
エジェクタ13内へ流入した冷媒は、ディフューザ部13d→冷媒吸引口13bを通過する際の圧力損失によって僅かに減圧される(k’13点→l13点)。エジェクタ13の冷媒吸引口13bから流出した冷媒は、第2電気式四方弁32を介して、第2圧縮機21へ吸入され、さらに圧縮される(l13点→m13点)。その他の作動は、第1実施形態と同様である。
従って、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル400を作動させると、冷却運転モードでは、室外熱交換器41を放熱器として機能させ、利用側熱交換器51および流出側熱交換器52を蒸発器として機能させるエジェクタ式冷凍サイクルが構成される。これにより、利用側熱交換器51にて第1保存庫内空気を冷却でき、流出側熱交換器52にて第2保存庫内空気を冷却できる。
一方、加熱運転モードでは、流出側熱交換器52および利用側熱交換器51を放熱器として機能させ、室外熱交換器41を蒸発器として機能させ、室外熱交換器41から流出した冷媒を第1圧縮機11→第2圧縮機21の順に昇圧するサイクルが構成される。これにより、利用側熱交換器51にて第1保存庫内空気を加熱でき、流出側熱交換器52にて第2保存庫内空気を加熱できる。
さらに、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル400では、第1実施形態の(A)〜(C)と同様の効果、第3実施形態と同様のCOP向上効果、および、第5実施形態と同様の第2圧縮機21の駆動動力低減によるCOP向上効果を得ることができるだけでなく、以下のような優れた効果を得ることもできる。
本実施形態では、冷却運転モード時に、下流側分岐部23にて、下流側分岐部23から流出側熱交換器52側へ流入する冷媒流量G1が、下流側分岐部23から固定絞り15側へ流入する冷媒流量G2よりも多くなるようにしているので、室外熱交換器41および利用側熱交換器51のうち放熱器として機能する熱交換器にてより多くの冷媒を放熱させることができる。これにより、サイクル全体として冷媒の吸熱量、すなわちサイクルの冷凍能力を拡大することができる。
(第8実施形態)
本実施形態では、図14の全体構成図に示すように、第7実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル400に対して、電気式三方弁33を廃止して、第2実施形態と同様の第2三方継手17bおよび第3逆止弁16cを設けた例を説明する。
次に、上記構成における本実施形態の作動を説明する。本実施形態の冷却運転モードでは、制御装置が、第1、第2電動モータ11b、21b、送風ファン41a、51aを作動させるとともに、第1、第2電気式四方弁31、32を実線矢印で示す回路に切り替え、さらに、高圧側電気式膨張弁19aおよび低圧側電気式膨張弁19bを絞り状態とする。
これにより、図14の実線矢印に示すように、第1圧縮機11(→第1電気式四方弁31)→室外熱交換器41(→第2三方継手17b)→高圧側電気式膨張弁19a→エジェクタ13のノズル部13a→下流側分岐部23→流出側熱交換器52(→第1電気式四方弁31)→第1圧縮機11の順に冷媒が循環するとともに、下流側分岐部23→低圧側電気式膨張弁19b→第1三方継手17a→利用側熱交換器51(→第2電気式四方弁32)→第2圧縮機21(→第2電気式四方弁32)→エジェクタ13の冷媒吸引口13b→下流側分岐部23の順に冷媒が循環するサイクルが構成される。
従って、第1圧縮機11から吐出された冷媒は、第7実施形態の冷却運転モードと同様に、室外熱交換器41にて放熱して、第2三方継手17bへ流入する。この際、第2三方継手17bへ流入した冷媒は、第3逆止弁16cの作用によって、固定絞り18出口側へ流出することはなく、その全流量がエジェクタ13のノズル部13aへ流入する。
また、低圧側電気式膨張弁19aから流出した冷媒は、第1三方継手17aへ流入する。冷却運転モードでは、第3逆止弁16cの弁体部に作用する冷媒圧力のうち、固定絞り18側の冷媒圧力が第2三方継手17b側の冷媒圧力よりも低くなるので、第3逆止弁16cが閉弁状態となる。従って、第1三方継手17aへ流入した冷媒は、固定絞り18側へ流出することなく、その全流量が利用側熱交換器51側へ流出する。
その他の作動は、第7実施形態の冷媒運転モードと同様である。つまり、本実施形態の冷却運転モードでは、第7実施形態の冷却運転モード時と同様のサイクルが構成され、第7実施形態の図13(a)のモリエル線図に示すように作動する。その結果、本実施形態の冷却運転モードでは、第7実施形態の冷却運転モードと全く同様の効果を得ることができる。
一方、加熱運転モードでは、制御装置が、第1、第2電動モータ11b、21b、送風ファン41a、51aを作動させるとともに、第1、第2電気式四方弁31、32を破線矢印で示す回路に切り替え、高圧側電気式膨張弁19aおよび低圧側電気式膨張弁19bを全閉状態とする。
これにより、図14の破線矢印に示すように、第1圧縮機11(→第1電気式四方弁31)→流出側熱交換器52(→下流側分岐部23→エジェクタ13→第2電気式四方弁32)→第2圧縮機21(→第2電気式四方弁32)→利用側熱交換器51(→第1三方継手17a)→固定絞り18(→第3逆止弁16c→第2三方継手17b)→室外熱交換器41(→第1電気式四方弁31)→第1圧縮機11の順に冷媒が循環するサイクルが構成される。
つまり、本実施形態の加熱運転モードでは、第7実施形態の加熱運転モード時と同様のサイクルが構成され、第7実施形態の図13(b)のモリエル線図に示すように作動する。その結果、本実施形態の加熱運転モードでは、第7実施形態の加熱運転モードと全く同様の効果を得ることができる。
さらに、本実施形態では、電気式三方弁33を廃止し、純機械的機構で構成される第3逆止弁16cを採用して、冷却運転モードと加熱運転モードとを切替可能なサイクルを構成しているので、第7実施形態に対して、簡素なサイクル構成で第7実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第9実施形態)
図15、16により、本発明のエジェクタ式冷凍サイクル600を、庫内温度を低温または高温に保つ冷温保存庫に適用した例を説明する。本実施形態の冷温保存庫は、冷温保存切替可能な第1、3保存庫と低温保存のみが可能な第2保存庫を有している。図15は、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル600の全体構成図である。
図15に示すように、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル600では、第4実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル200に対して、高圧側温度式膨張弁19aを廃止するとともに、上流側分岐部22と冷媒減圧手段である固定絞り18との間に補助熱交換器53を設けている。
補助熱交換器53は、その内部を通過する冷媒を、送風ファン53aにより循環送風される第3保存庫内空気と熱交換させるものである。送風ファン53aは、制御装置から出力される制御電圧によって回転数(送風空気量)が制御される電動式送風機である。また、本実施形態では、上述の実施形態に対して、室外熱交換器41の熱交換性能を低下させている。その他の構成は、第4実施形態と同様である。
次に、上記構成における本実施形態の作動を図16のモリエル線図に基づいて説明する。なお、図16(a)は、冷却運転モードにおける冷媒の状態を示すモリエル線図であり、図16(b)は、加熱運転モードにおける冷媒の状態を示すモリエル線図である。
まず、本実施形態の冷却運転モードでは、制御装置が、第1、第2電動モータ11b、21b、送風ファン41a、51a〜53aを作動させるとともに、第1、第2電気式四方弁31、32を実線矢印で示す回路に切り替える。
これにより、図15の実線矢印に示すように、第1圧縮機11(→第1電気式四方弁31)→室外熱交換器41→上流側分岐部22→第2逆止弁16b→エジェクタ13のノズル部13a(→第1電気式四方弁31)→流出側熱交換器52→第1圧縮機11の順に冷媒が循環するとともに、上流側分岐部22→補助熱交換器53→固定絞り18→利用側熱交換器51(→第2電気式四方弁32)→第2圧縮機21(→第2電気式四方弁32)→エジェクタ13の冷媒吸引口13b(→第1電気式四方弁31)→流出側熱交換器52→第1圧縮機11の順に冷媒が循環するサイクルが構成される。
従って、第1圧縮機11にて圧縮された冷媒(図16(a)のa16点)は、第1電気式四方弁31を介して、室外熱交換器41へ流入し、送風ファン41aから送風された庫外空気(外気)と熱交換して放熱して凝縮する(a16点→b16点)。
室外熱交換器41から流出した冷媒は、上流側分岐部22へ流入して、第2逆止弁16bを介してエジェクタ13のノズル部13a側へ流入する冷媒流れと補助熱交換器53側へ流入する冷媒流れとに分流される。なお、本実施形態においても、第4実施形態と同様に、流量比Ge/Gnozが、最適流量比となるように、ノズル部13aおよび固定絞り15の流量特性(圧力損失特性)等が決定されている。
上流側分岐部22から第2逆止弁16bを介してエジェクタ13のノズル部13a側へ流入した冷媒は、第4実施形態と同様に、エジェクタ13のノズル部13aにて等エントロピ的に減圧膨張して噴射され(b16点→c16点)、第2圧縮機21吐出冷媒と混合され(c16点→d16点、j16点→d16点)、さらに、ディフューザ部13dにて昇圧される(d16点→e16点)。
ディフューザ部13dから流出した冷媒は、流出側熱交換器52へ流入して、送風ファン52aによって循環送風された第2保存庫内空気から吸熱して蒸発する(e16点→f16点)。これにより、第2保存庫内空気が冷却される。流出側熱交換器52から流出した冷媒は、第1圧縮機11に吸入され、再び圧縮される(f16点→a16点)。
一方、上流側分岐部22から補助熱交換器53側へ流出した冷媒は、送風ファン53aから循環送風された第3保存庫内空気と熱交換して放熱し、そのエンタルピをさらに低下させる(b16点→b’16点)。これにより、第3保存庫内空気が加熱される。補助熱交換器53から流出した冷媒は、固定絞り18にて等エンタルピ的に減圧膨張されて、その圧力を低下させる(b’16点→h16点)。その他の作動は、第4実施形態と同様である。
次に、加熱運転モードでは、制御装置が、第1、第2電動モータ11b、21b、送風ファン41a、51a〜53aを作動させるとともに、第1、第2電気式四方弁31、32を破線矢印で示す回路に切り替える。
これにより、図15の破線矢印に示すように、第1圧縮機11(→第1電気式四方弁31→エジェクタ13→第2電気式四方弁32)→第2圧縮機21(→第2電気式四方弁32)→利用側熱交換器51→固定絞り18→補助熱交換器53→上流側分岐部22→室外熱交換器41(→第1電気式四方弁31)→流出側熱交換器52→第1圧縮機11の順に冷媒が循環するサイクルが構成される。
従って、第1圧縮機11にて圧縮された冷媒(図16(b)のk16点)は、第4実施形態の加熱運転モードと同様に、エジェクタ13内を逆流する際に僅かに減圧され(k16点→l16点)、第2圧縮機21へ吸入されて圧縮される(l16点→m16点)。第2圧縮機21にて圧縮された冷媒は、第2電気式四方弁32を介して、利用側熱交換器51へ流入する。
利用側熱交換器51へ流入した冷媒は、送風ファン51aから循環送風された第1保存庫内空気と熱交換して放熱して凝縮する(m16点→n16点)。これにより、第1保存庫内空気が加熱される。利用側熱交換器51にて放熱した冷媒は、固定絞り18へ流入して等エンタルピ的に減圧膨張されて(n16点→o16点)、補助熱交換器53へ流入する。
補助熱交換器53へ流入した冷媒は、送風ファン53aから循環送風された第3保存庫内空気から吸熱して、そのエンタルピを増加させる(o16点→o’16点)。これにより、第3保存庫内空気が冷却される。補助熱交換器53から流出した冷媒は、上流側分岐部22を介して、室外熱交換器41へ流入する。
この際、加熱運転モードでは、第2逆止弁16bの弁体部に作用する冷媒圧力のうち、上流側分岐部22側の冷媒圧力がノズル部13a側の冷媒圧力よりも低くなるので、第2逆止弁16bは閉弁状態となる。従って、上流側分岐部22へ流入した冷媒は、ノズル部13a側へ流出することなく、その全流量が室外熱交換器41側へ流出する。
室外熱交換器41へ流入した冷媒は、送風ファン41aにより送風された庫外空気(外気)から吸熱して、エンタルピを増加させる(o’16点→o”16点)。室外熱交換器41から流出した冷媒は、第1電気式四方弁31を介して、流出側熱交換器52へ流入し、送風ファン52aによって循環送風された第2保存庫内空気から吸熱して、さらにエンタルピを増加させる(o”16点→p16点)。これにより、第2保存庫内空気が冷却される。
その他の作動は、第4実施形態と同様である。従って、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル600を作動させると、冷却運転モードでは、室外熱交換器41および補助熱交換器53を放熱器として機能させ、第1利用側熱交換器51および流出側熱交換器52を蒸発器として機能させるエジェクタ式冷凍サイクルが構成される。
これにより、利用側熱交換器51にて第1保存庫内空気を冷却でき、流出側熱交換器52にて第2保存庫内空気を冷却でき、さらに、補助熱交換器53にて第3保存庫内空気を加熱できる。
一方、加熱運転モードでは、利用側熱交換器51を放熱器として機能させ、補助熱交換器53、室外熱交換器41および流出側熱交換器52を蒸発器として機能させ、流出側熱交換器52から流出した冷媒を第1圧縮機11→第2圧縮機21の順に昇圧するサイクルが構成される。
これにより、利用側熱交換器51にて第1保存庫内空気を加熱でき、流出側熱交換器52にて第2保存庫内空気を冷却でき、さらに、補助熱交換器53にて第3保存庫内空気を冷却できる。
さらに、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル600では、第4実施形態と同様の効果を得ることができるだけでなく、冷却運転モード時に、補助熱交換器53の作用によって、固定絞り18へ流入する冷媒のエンタルピを低下させることができるので、蒸発器として作用する利用側熱交換器51の入口側冷媒のエンタルピと出口側冷媒のエンタルピとのエンタルピ差を拡大させて冷凍能力を増大させることができる。
また、補助熱交換器53では、上流側分岐部22からエジェクタ13のノズル部13a側へ流出した冷媒を放熱させない。従って、本実施形態の如く、室外熱交換器41の熱交換性能を低下させることで、ノズル部13aへ流入する冷媒のエンタルピを不必要に低下させない。従って、本実施形態においても第6実施形態の(G)、(H)と同様に、更なるCOP向上効果を得ることができる。
(第10実施形態)
本実施形態では、第9実施形態に対して、流出側熱交換器52の接続態様を変更して、第1〜第3保存庫の全てを冷温保存切替可能とした冷温保存庫に、エジェクタ式冷凍サイクル600を適用した例を説明する。具体的には、図17の全体構成図に示すように、本実施形態の流出側熱交換器52は、エジェクタ13のディフューザ部13d出口と第1電気式四方弁31の1つの冷媒流入出口との間に配置されている。
従って、本実施形態の第1電気式四方弁31は、第5実施形態と同様に、第1圧縮機11吐出口側と室外熱交換器41との間および流出側熱交換器52と第1圧縮機11吸入口側との間を同時に接続する冷媒流路(図17の実線矢印で示す回路)と、第1圧縮機11吐出口側と流出側熱交換器52との間および室外熱交換器41と第1圧縮機11吸入口側との間を同時に接続する冷媒流路(図17の破線矢印で示す回路)とを切り替える。その他の構成は、第9実施形態と同様である。
次に、上記構成における本実施形態の作動を図18のモリエル線図に基づいて説明する。なお、図18(a)は、冷却運転モードにおける冷媒の状態を示すモリエル線図であり、図18(b)は、加熱運転モードにおける冷媒の状態を示すモリエル線図である。
まず、本実施形態の冷却運転モードでは、制御装置が、第1、第2電動モータ11b、21b、送風ファン41a、51a〜53aを作動させるとともに、第1、第2電気式四方弁31、32を実線矢印で示す回路に切り替える。
これにより、図17の実線矢印に示すように、第1圧縮機11(→第1電気式四方弁31)→室外熱交換器41→上流側分岐部22(→第2逆止弁16b)→エジェクタ13のノズル部13a→流出側熱交換器52(→第1電気式四方弁31)→第1圧縮機11の順に冷媒が循環するとともに、上流側分岐部22→補助熱交換器53→固定絞り18→利用側熱交換器51(→第2電気式四方弁32)→第2圧縮機21(→第2電気式四方弁32)→エジェクタ13の冷媒吸引口13b→流出側熱交換器52(→第1電気式四方弁31)→第1圧縮機11の順に冷媒が循環するサイクルが構成される。
つまり、本実施形態の冷却運転モードでは、第9実施形態の冷却運転モードと全く同様のサイクルが構成され、図18(a)のモリエル線図に示すように作動する。この冷却運転モード時の作動は、第9実施形態の冷却運転モード時の作動(図16(a))と同様である。従って、本実施形態の冷却運転モードでは、第9実施形態の冷却運転モードと同様の効果を得ることができる。
次に、加熱運転モードでは、制御装置が、第1、第2電動モータ11b、21b、送風ファン41a、51a〜53aを作動させるとともに、第1、第2電気式四方弁31、32を破線矢印で示す回路に切り替える。
これにより、図17の破線矢印に示すように、第1圧縮機11(→第1電気式四方弁31)→流出側熱交換器52(→エジェクタ13→第2電気式四方弁32)→第2圧縮機21(→第2電気式四方弁32)→利用側熱交換器51→固定絞り18→補助熱交換器53(→上流側分岐部22)→室外熱交換器41(→第1電気式四方弁31)→第1圧縮機11の順に冷媒が循環するサイクルが構成される。
従って、第1圧縮機11にて圧縮された冷媒(図18(b)のk18点)は、第1電気式四方弁31を介して流出側熱交換器52へ流入し、送風ファン52aによって循環送風された第2保存庫内空気と熱交換して放熱する(k18点→k’18点)。これにより、第2保存庫内空気が加熱される。
流出側熱交換器52にて放熱した冷媒は、エジェクタ13内を逆流する際に僅かに減圧されて(k’18点→l18点)、第2圧縮機21へ吸入されて圧縮される(l18点→m18点)。また、室外熱交換器41にて外気から吸熱した冷媒(o’18点→p18点)は、第1電気式四方弁31を介して、第1圧縮機11に吸入されて圧縮される。その他の作動は、第9実施形態の加熱運転モードと同様である。
従って、本実施形態の加熱運転モードでは、流出側熱交換器52および利用側熱交換器51を放熱器として機能させ、補助熱交換器53および室外熱交換器41を蒸発器として機能させ、室外熱交換器41にて蒸発した冷媒を第1圧縮機11→第2圧縮機21の順に昇圧するサイクルが構成される。
これにより、利用側熱交換器51にて第1保存庫内空気を加熱でき、流出側熱交換器52にて第2保存庫内空気を加熱でき、補助熱交換器53にて第3保存庫内空気を冷却できる。さらに、第1実施形態の(C)と同様の効果、および、第5実施形態と同様の第2圧縮機21の圧縮仕事量低減によるCOP向上効果を得ることができる。
(第11実施形態)
本実施形態では、図19の全体構成図に示すように、第4実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル200に対して、内部熱交換器36を追加したエジェクタ式冷凍サイクル700について説明する。内部熱交換器36は、冷却運転モード時に、高圧側冷媒流路としての固定絞り18を通過する減圧膨張過程の冷媒と、低圧側冷媒流路36bを通過する第2圧縮機構21a吸入冷媒との間で熱交換を行うものである。
この内部熱交換器36の具体的構成としては、低圧側冷媒流路36bを形成する外側管の内側に、キャピラリチューブ等で構成される固定絞り18を配置する二重管方式の熱交換器構成を採用している。もちろん、固定絞り18と低圧側冷媒流路36bを形成する冷媒配管とをろう付け接合して熱交換させる構成等を採用してもよい。
従って、本実施形態の第2電気式四方弁32は、利用側熱交換器51と内部熱交換器36の低圧側冷媒流路36bとの間および第2圧縮機21吐出口側とエジェクタ13の冷媒吸引口13bとの間を同時に接続する冷媒流路(図19の実線矢印で示す回路)と、エジェクタ13の冷媒吸引口13bと低圧側冷媒流路36bとの間および第2圧縮機21吐出口側と利用側熱交換器51との間を同時に接続する冷媒流路(図19の破線矢印で示す回路)とを切り替える。その他の構成は、第4実施形態と同様である。
次に、上記構成における本実施形態の作動を図20のモリエル線図に基づいて説明する。なお、図20(a)は、冷却運転モードにおける冷媒の状態を示すモリエル線図であり、図20(b)は、加熱運転モードにおける冷媒の状態を示すモリエル線図である。
まず、本実施形態の冷却運転モードでは、制御装置が、第1、第2電動モータ11b、21b、送風ファン41a、51a、52aを作動させ、第1、第2電気式四方弁31、32を実線矢印で示す回路に切り替え、さらに、高圧側電気式膨張弁19aを絞り状態とする。
これにより、図19の実線矢印に示すように、第1圧縮機11(→第1電気式四方弁31)→室外熱交換器41→高圧側電気式膨張弁19a→上流側分岐部22(→第2逆止弁16b)→エジェクタ13のノズル部13a(→第1電気式四方弁31)→流出側熱交換器52→第1圧縮機11の順に冷媒が循環するとともに、上流側分岐部22→固定絞り18→利用側熱交換器51(→第2電気式四方弁32)→内部熱交換器36の低圧側冷媒流路36b→第2圧縮機21(→第2電気式四方弁32)→エジェクタ13の冷媒吸引口13b→流出側熱交換器52→第1圧縮機11の順に冷媒が循環するサイクルが構成される。
従って、第1圧縮機11にて圧縮された冷媒(図20(a)のa20点)は、第4実施形態と同様に上流側分岐部22にて、エジェクタ13のノズル部側13aへ流出する流れと、内部熱交換器36(固定絞り18)側へ流出する流れとに分流される。
上流側分岐部22から内部熱交換器36(固定絞り18)側へ流出した高圧冷媒は、低圧側冷媒流路35bを流通する第2圧縮機21吸入冷媒と熱交換して、そのエンタルピを低下させる(b20点→h20点)。これに伴って、第2圧縮機21吸入冷媒のエンタルピが増加する(i20点→i’20点)。
換言すると、固定絞り18を通過する冷媒は、減圧膨張しながら第2圧縮機構21a吸入冷媒の温度と同等となるまで冷却されて、そのエンタルピを減少させる。これにより、第4実施形態に対して、蒸発器として機能する利用側熱交換器51へ流入する冷媒のエンタルピを減少させることができる。その他の作動は、第4実施形態の冷却運転モードと同様である。
次に、加熱運転モードでは、制御装置が、第1、第2電動モータ11b、21b、送風ファン41a、51a、52aを作動させ、第1、第2電気式四方弁31、32を破線矢印で示す回路に切り替え、さらに、高圧側電気式膨張弁19aを絞り状態とする。
これにより、図19の破線矢印に示すように、第1圧縮機11(→第1電気式四方弁31→エジェクタ13→第2電気式四方弁32)→内部熱交換器36の低圧側冷媒流路36b→第2圧縮機21(→第2電気式四方弁32)→利用側熱交換器51→固定絞り18→上流側分岐部22→高圧側電気式膨張弁19a→室外熱交換器41(→第1電気式四方弁31)→流出側熱交換器52→第1圧縮機11の順に冷媒が循環するサイクルが構成される。
従って、第1圧縮機11にて圧縮された冷媒(図20(b)のk20点)は、第4実施形態と同様に、エジェクタ13内を逆流する際に僅かに減圧されて(k7点→l7点)、第2電気式四方弁32を介して、内部熱交換器36の低圧側冷媒流路36bへ流入する。
内部熱交換器36の低圧側冷媒流路36bへ流入した高圧冷媒は、固定絞り18を通過する利用側熱交換器51流出冷媒と熱交換して、そのエンタルピを低下させる(l20点→l’20点)。これに伴って、固定絞り18通過冷媒のエンタルピが増加する(n20点→n’20点)。その他の作動は、第4実施形態の加熱運転モードと同様である。
従って、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル700を作動させると、冷却運転モードでは、室外熱交換器41を放熱器として機能させ、利用側熱交換器51および流出側熱交換器52を蒸発器として機能させるエジェクタ式冷凍サイクルが構成される。これにより、利用側熱交換器51にて第1保存庫内空気を冷却でき、流出側熱交換器52にて第2保存庫内空気を冷却できる。
一方、加熱運転モードでは、利用側熱交換器51を放熱器として機能させ、室外熱交換器41および流出側熱交換器52を蒸発器として機能させ、流出側熱交換器52から流出した冷媒を第1圧縮機11→第2圧縮機21の順に昇圧するサイクルが構成される。これにより、利用側熱交換器51にて第1保存庫内空気を加熱でき、流出側熱交換器52にて第2保存庫内空気を冷却できる。
さらに、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル700では、第1実施形態の(A)〜(C)と同様の効果、および、第3実施形態と同様のCOP向上効果を得ることができるだけでなく、内部熱交換器36の作用によって第6実施形態の(G)、(H)と同等の効果を得ることができる。また、本実施形態においても、第6実施形態と同様に、加熱運転モード時に内部熱交換器36の機能を抑制するためのバイパス通路等を追加してもよい。
(第12実施形態)
本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル700は、図21の全体構成図に示すように、第5実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル200に対して、第11実施形態と同様の内部熱交換器36を追加したものである。従って、本実施形態では、第1、第2保存庫の双方を冷温保存切替可能としている。また、本実施形態の第2電気式四方弁32も、第11実施形態と同様に冷媒流路を切り替える。
次に、上記構成における本実施形態の作動を図22のモリエル線図に基づいて説明する。なお、図22(a)は、冷却運転モードにおける冷媒の状態を示すモリエル線図であり、図22(b)は、加熱運転モードにおける冷媒の状態を示すモリエル線図である。
まず、本実施形態の冷却運転モードでは、制御装置が、第1、第2電動モータ11b、21b、送風ファン41a、51a、52aを作動させ、第1、第2電気式四方弁31、32を実線矢印で示す回路に切り替え、さらに、高圧側電気式膨張弁19aを絞り状態とする。
これにより、図21の実線矢印に示すように、第1圧縮機11(→第1電気式四方弁31)→室外熱交換器41→高圧側電気式膨張弁19a→上流側分岐部22(→第2逆止弁16b)→エジェクタ13のノズル部13a→流出側熱交換器52(→第1電気式四方弁31)→第1圧縮機11の順に冷媒が循環するとともに、上流側分岐部22→固定絞り18→利用側熱交換器51(→第2電気式四方弁32)→内部熱交換器36の低圧側冷媒流路36b→第2圧縮機21(→第2電気式四方弁32)→エジェクタ13の冷媒吸引口13b→流出側熱交換器52→第1圧縮機11の順に冷媒が循環するサイクルが構成される。
つまり、本実施形態の冷却運転モードでは、第11実施形態の冷却運転モードと全く同様のサイクルが構成され、図22(a)のモリエル線図に示すように作動する。この冷却運転モード時の作動は、第11実施形態の冷却運転モード時の作動(図20(a))と同様である。従って、本実施形態の冷却運転モードでは、第11実施形態の冷却運転モードと同様の効果を得ることができる。
次に、加熱運転モードでは、制御装置が、第1、第2電動モータ11b、21b、送風ファン41a、51a、52aを作動させ、第1、第2電気式四方弁31、32を破線矢印で示す回路に切り替え、さらに、高圧側電気式膨張弁19aを絞り状態とする。
これにより、図21の破線矢印に示すように、第1圧縮機11(→第1電気式四方弁31)→流出側熱交換器52(→エジェクタ13→第2電気式四方弁32)→内部熱交換器36の低圧側冷媒流路36b→第2圧縮機21(→第2電気式四方弁32)→利用側熱交換器51→固定絞り18→上流側分岐部22→高圧側電気式膨張弁19a→室外熱交換器41(→第1電気式四方弁31)→第1圧縮機11の順に冷媒が循環するサイクルが構成される。
従って、第1圧縮機11にて圧縮された冷媒(図22(b)のk22点)は、第1電気式四方弁31を介して流出側熱交換器52へ流入し、送風ファン52aによって循環送風された第2保存庫内空気と熱交換して放熱する(k22点→k’22点)。これにより、第2保存庫内空気が加熱される。流出側熱交換器52にて放熱した冷媒は、エジェクタ13内を逆流する際に僅かに減圧される(k’22点→l22点)。
さらに、エジェクタ13の冷媒吸引口13bから流出した冷媒は、第2電気式四方弁32を介して、内部熱交換器36の低圧側冷媒流路36bへ流入する。低圧側冷媒流路36bへ流入した高圧冷媒は、固定絞り18を通過する利用側熱交換器51流出冷媒と熱交換して、そのエンタルピを低下させる(l22点→l’22点)。これに伴って、固定絞り18通過冷媒のエンタルピが増加する(n22点→n’22点)。
その他の作動は、第11実施形態と同様である。従って、本実施形態の加熱運転モードでは、流出側熱交換器52および利用側熱交換器51を放熱器として機能させ、室外熱交換器41を蒸発器として機能させ、室外熱交換器41から流出した冷媒を第1圧縮機11→第2圧縮機21の順に昇圧するサイクルが構成される。
これにより、利用側熱交換器51にて第1保存庫内空気を加熱でき、流出側熱交換器52にて第2保存庫内空気を加熱できる。さらに、第11実施形態の暖房運転モード時と同様の効果を得ることもできる。もちろん、本実施形態においても、第6実施形態と同様に、加熱運転モード時に内部熱交換器36の機能を抑制するためのバイパス通路等を追加してもよい。
(第13実施形態)
図23、24により、本発明のエジェクタ式冷凍サイクル800を、冷温保存切替可能な第1保存庫、低温保存のみが可能な第2保存庫および高温保存のみが可能な第3保存庫を有する冷温保存庫に適用した例を説明する。図23は、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル800の全体構成図である。
図23に示すように、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル800では、第4実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル200に対して、上流側分岐部22を廃止して、第1圧縮機11の吐出冷媒の流れを分岐する吐出側分岐部24、および、吐出側分岐部24にて分岐された一方の冷媒を放熱させる放熱用熱交換器54を追加して、サイクル構成を変更している。
吐出側分岐部24の基本的構成は、上流側分岐部22と同様である。吐出側分岐部24方の冷媒流入出口には、放熱用熱交換器54入口側が接続され、他方の冷媒流入出口には、第1電気式四方弁31の1つの冷媒流入出口が接続されている。さらに、本実施形態では、室外熱交換器41の一方の冷媒流入出口に、固定絞り18が接続されている。
放熱用熱交換器54は、その内部を通過する冷媒を、送風ファン54aにより循環送風される第3保存庫内空気と熱交換させるものである。送風ファン54aは、制御装置から出力される制御電圧によって回転数(送風空気量)が制御される電動式送風機である。また、放熱用熱交換器54の出口側には、高圧側減圧手段としての高圧側電気式膨張弁19aを介して、エジェクタ13のノズル部13a入口側が接続されている。
従って、本実施形態の第1電気式四方弁31は、吐出側分岐部24の1つの冷媒流出口と室外熱交換器41との間およびエジェクタ13のディフューザ部13d出口側と流出側熱交換器52入口側との間を同時に接続する冷媒流路(図23の実線矢印で示す回路)と、吐出側分岐部24の1つの冷媒流出口とディフューザ部13d出口側との間および室外熱交換器41と流出側熱交換器52入口側との間を同時に接続する冷媒流路(図23の破線矢印で示す回路)とを切り替える。その他の構成は、第4実施形態と同様である。
次に、上記構成における本実施形態の作動を図24のモリエル線図に基づいて説明する。本実施形態の冷却運転モードでは、制御装置が、第1、第2電動モータ11b、21b、送風ファン41a、51a、52a、54aを作動させ、第1、第2電気式四方弁31、32を実線矢印で示す回路に切り替え、さらに、高圧側温度式膨張弁19aを絞り状態とする。
これにより、図23の実線矢印に示すように、第1圧縮機11→吐出側分岐部24→放熱用熱交換器54→高圧側電気式膨張弁19a→エジェクタ13のノズル部13a(→第1電気式四方弁31)→流出側熱交換器52→第1圧縮機の順に冷媒が循環するとともに、吐出側分岐部24(→第1電気式四方弁31)→室外熱交換器41→固定絞り18→利用側熱交換器51(→第2電気式四方弁32)→第2圧縮機21(→第2電気式四方弁32)→エジェクタ13の冷媒吸引口13b→流出側熱交換器52→第1圧縮機の順に冷媒が循環するサイクルが構成される。
従って、第1圧縮機11(第1圧縮機構11a)にて圧縮された冷媒(図24(a)のa24点)は、吐出側分岐部24へ流入し、放熱用熱交換器54側へ流出する冷媒流れと、第1電気式四方弁31を介して室外熱交換器41側へ流出する冷媒流れとに分流される。
ここで、本実施形態では、放熱用熱交換器54側へ流入する冷媒流量Gr1と室外熱交換器41側へ流入する冷媒流量Gr2との流量比Gr1/Gr2が、サイクル全体として高いCOPを発揮できる最適流量比となるように、吐出側分岐部24内の各冷媒通路の通路面積(圧力損失特性)が決定されている。
放熱用熱交換器54へ流入した冷媒は、送風ファン54aから循環送風された第3保存庫内空気と熱交換して放熱する(a24点→b124点)。これにより、第3保存庫内空気が加熱される。放熱用熱交換器54から流出した冷媒は、高圧側電気式膨張弁19aへ流入して、等エンタルピ的に減圧膨張されて気液二相状態の中間圧冷媒となる(b124点→b1’24点)。
この際、高圧側電気式膨張弁19aの弁開度は、第1圧縮機11吸入冷媒の過熱度(f24点)が予め定めた所定値となるように調整される。高圧側電気式膨張弁19aから流出した中間圧冷媒は、ノズル部13aで等エントロピ的に減圧膨張する(b1’24点→c24点)。
そして、ノズル部13aから噴射された噴射冷媒と冷媒吸引口13bから吸引された吸引冷媒がエジェクタ13の混合部13cにて混合されて(c24点→d24点、j24点→d24点)、ディフューザ部13dにて昇圧される(d24点→e24点)。
ディフューザ部13dから流出した冷媒は、第1電気式四方弁31を介して、流出側熱交換器52へ流入して、送風ファン52aによって循環送風された第2保存庫内空気から吸熱して蒸発する(e24点→f24点)。これにより、第2保存庫内空気が冷却される。そして、流出側熱交換器52から流出した冷媒は、第1圧縮機11に吸入され、再び圧縮される(f24点→a24点)。
一方、吐出側分岐部24から室外熱交換器41側へ流入した冷媒は、送風ファン41aから送風された庫外空気(外気)と熱交換して放熱して凝縮する(a24点→b224点)。室外熱交換器41から流出した冷媒は、固定絞り18にてさらに等エンタルピ的に減圧膨張されて、その圧力を低下させる(b224点→h24点)。
固定絞り18にて減圧膨張された冷媒は、利用側熱交換器51へ流入して、送風ファン51aにより循環送風される第1保存庫内空気から吸熱して蒸発する(h24点→i24点)。これにより、第1保存庫内空気が冷却される。その他の作動は、第4実施形態と同様である。
次に、加熱運転モードでは、制御装置が、第1、第2電動モータ11b、21b、送風ファン41a、51a、52a、54aを作動させるとともに、第1、第2電気式四方弁31、32を破線矢印で示す回路に切り替え、さらに、高圧側温度式膨張弁19aを全開状態とする。
これにより、図23の破線矢印に示すように、第1圧縮機11→吐出側分岐部24→放熱用熱交換器54(→高圧側電気式膨張弁19a→エジェクタ13→第2電気式四方弁32)→第2圧縮機21(→第2電気式四方弁32)→利用側熱交換器51→固定絞り18→室外熱交換器41(→第1電気式四方弁31)→流出側熱交換器52→第1圧縮機の順に冷媒が循環するとともに、吐出側分岐部24(→第1電気式四方弁31→エジェクタ13→第2電気式四方弁32)→第2圧縮機21の順に冷媒が流れるサイクルが構成される。
従って、第1圧縮機11にて圧縮された冷媒(図24(b)のk24点)は、吐出側分岐部24にて放熱用熱交換器54側へ流出する流れと、第1電気式四方弁31側へ流出する流れとに分流される。吐出側分岐部24から放熱用熱交換器54側へ流出した冷媒は、放熱用熱交換器54にて送風ファン54aから循環送風された第3保存庫内空気と熱交換して放熱する(k24点→k124点)。これにより、第3保存庫内空気が加熱される。
放熱用熱交換器54にて放熱した冷媒は、高圧側電気式膨張弁19aを介して、エジェクタ13のノズル部13aへ流入する。加熱運転モードでは、高圧側電気式膨張弁19aが全開状態となっているので、高圧側電気式膨張弁19aを流通する冷媒は、高圧側電気式膨張弁19aにて減圧膨張されることなく、エジェクタ13内へ流入する。
一方、吐出側分岐部24から第1電気式四方弁31側へ流出した冷媒は、エジェクタ13のディフューザ部13dからエジェクタ13内へ流入する。加熱運転モードでは、ノズル部13aからエジェクタ13内へ流入した冷媒の圧力とディフューザ部13dからエジェクタ13内へ流入した冷媒の圧力との間には、殆ど圧力差がない。
このため、ノズル部13aからエジェクタ13内へ流入した冷媒は、ノズル部13aにて減圧膨張されることなく、ディフューザ部13dからエジェクタ13内へ流入した冷媒と合流する(k124点→k’24点、k224点→k’24点)。エジェクタ13内で合流した冷媒は、エジェクタ13内を通過する際に僅かに減圧されて(k’24点→l24点)、第2電気式四方弁32を介して、第2圧縮機21へ吸入されて圧縮される(l24点→m24点)。
第2圧縮機21から吐出された冷媒は、第2電気式四方弁32を介して、利用側熱交換器51へ流入する。利用側熱交換器51へ流入した冷媒は、送風ファン51aから循環送風された第1保存庫内空気と熱交換して放熱して凝縮する(m24点→n24点)。これにより、第1保存庫内空気が加熱される。
利用側熱交換器51にて放熱した冷媒は、固定絞り18へ流入して等エンタルピ的に減圧膨張されて(n24点→o24点)、室外熱交換器41へ流入し、送風ファン41aから送風された庫外空気(外気)から吸熱する(n24点→o’24点)。
室外熱交換器41から流出した冷媒は、第1電気式四方弁31を介して、流出側熱交換器52へ流入し、送風ファン52aによって循環送風された第2保存庫内空気から、さらに吸熱して蒸発する(o’24点→p24点)。これにより、第2保存庫内空気が冷却される。流出側熱交換器52から流出した冷媒は、第1圧縮機11に吸入されて、再び圧縮される(p24点→k24点)。その他の作動は、第4実施形態と同様である。
従って、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル800を作動させると、冷却運転モードでは、放熱用熱交換器54および室外熱交換器41を放熱器として機能させ、利用側熱交換器51および流出側熱交換器52を蒸発器として機能させるエジェクタ式冷凍サイクルが構成される。
これにより、利用側熱交換器51にて第1保存庫内空気を冷却でき、流出側熱交換器52にて第2保存庫内空気を冷却でき、さらに、放熱用熱交換器54にて第3保存庫内空気を加熱できる。
一方、加熱運転モードでは、放熱用熱交換器54および利用側熱交換器51を放熱器として機能させ、室外熱交換器41および流出側熱交換器52を蒸発器として機能させ、流出側熱交換器52から流出した冷媒を第1圧縮機11→第2圧縮機21の順に昇圧するサイクルが構成される。
これにより、利用側熱交換器51にて第1保存庫内空気を加熱でき、流出側熱交換器52にて第2保存庫内空気を冷却でき、さらに、放熱用熱交換器54にて第3保存庫内空気を加熱できる。
さらに、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル800では、それぞれの運転モードにおいて、第4実施形態と同様の効果を得ることができるだけでなく、室外熱交換器41、利用側熱交換器51、流出側熱交換器52および放熱用熱交換器54の熱交換性能を独立に変化させることができる。これにより、例えば、室外熱交換器41の放熱性能と利用側熱交換器51の吸熱性能とを容易に適合させることができ、サイクルの作動を安定化させやすい。
(第14実施形態)
本実施形態では、第13実施形態に対して、流出側熱交換器52の接続態様を変更して、第1、第2保存庫の双方を冷温保存切替可能とした冷温保存庫に、エジェクタ式冷凍サイクル800を適用した例を説明する。具体的には、図25の全体構成図に示すように、本実施形態の流出側熱交換器52は、エジェクタ13のディフューザ部13d出口と第1電気式四方弁31の1つの冷媒流入出口との間に配置されている。
従って、本実施形態の第1電気式四方弁31は、吐出側分岐部24の1つの冷媒流出口と室外熱交換器41との間および流出側熱交換器52と第1圧縮機11吸入口側との間を同時に接続する冷媒流路(図25の実線矢印で示す回路)と、吐出側分岐部24の1つの冷媒流出口と流出側熱交換器52との間および室外熱交換器41と第1圧縮機11吸入口側との間を同時に接続する冷媒流路(図25の破線矢印で示す回路)とを切り替える。その他の構成は、第13実施形態と同様である。
次に、上記構成における本実施形態の作動を図26のモリエル線図に基づいて説明する。なお、図26(a)は、冷却運転モードにおける冷媒の状態を示すモリエル線図であり、図26(b)は、加熱運転モードにおける冷媒の状態を示すモリエル線図である。
まず、本実施形態の冷却運転モードでは、制御装置が、第1、第2電動モータ11b、21b、送風ファン41a、51a、52a、54aを作動させ、第1、第2電気式四方弁31、32を実線矢印で示す回路に切り替え、高圧側電気式膨張弁19aを絞り状態とする。
これにより、図25の実線矢印に示すように、第1圧縮機11→吐出側分岐部24→放熱用熱交換器54→高圧側電気式膨張弁19a→エジェクタ13のノズル部13a→流出側熱交換器52(→第1電気式四方弁31)→第1圧縮機の順に冷媒が循環するとともに、吐出側分岐部24(→第1電気式四方弁31)→室外熱交換器41→固定絞り18→利用側熱交換器51(→第2電気式四方弁32)→第2圧縮機21(→第2電気式四方弁32)→エジェクタ13の冷媒吸引口13b→流出側熱交換器52→第1圧縮機の順に冷媒が循環するサイクルが構成される。
つまり、本実施形態の冷却運転モードでは、第13実施形態の冷却運転モードと全く同様のサイクルが構成され、図26(a)のモリエル線図に示すように作動する。この冷却運転モード時の作動は、第13実施形態の冷却運転モード時の作動(図24(a))と同様である。従って、本実施形態の冷却運転モードでは、第13実施形態の冷却運転モードと同様の効果を得ることができる。
次に、加熱運転モードでは、制御装置が、第1、第2電動モータ11b、21b、送風ファン41a、51a、52a、54aを作動させるとともに、第1、第2電気式四方弁31、32を破線矢印で示す回路に切り替え、さらに、高圧側温度式膨張弁19aを全開状態とする。
これにより、図25の破線矢印に示すように、第1圧縮機11→吐出側分岐部24→放熱用熱交換器54(→高圧側電気式膨張弁19a→エジェクタ13→第2電気式四方弁32)→第2圧縮機21(→第2電気式四方弁32)→利用側熱交換器51→固定絞り18→室外熱交換器41(→第1電気式四方弁31)→第1圧縮機の順に冷媒が循環するサイクルが構成されるとともに、吐出側分岐部24(→第1電気式四方弁31)→流出側熱交換器52(→エジェクタ13→第2電気式四方弁32)→第2圧縮機21の順に冷媒が流れるサイクルが構成される。
従って、第1圧縮機11にて圧縮された冷媒(図26(b)のk26点)のうち、吐出側分岐部24から放熱用熱交換器54側へ流入した冷媒は、放熱用熱交換器54にて放熱する(k26点→k126点)。これにより、第3保存庫内空気が加熱される。放熱用熱交換器54にて放熱した冷媒は、高圧側電気式膨張弁19aを介して、エジェクタ13のノズル部13aへ流入する。
また、吐出側分岐部24から第1電気式四方弁31を介して、流出側熱交換器52側へ流入した冷媒は、流出側熱交換器52にて放熱する(k26点→k226点)。これにより、第2保存庫内空気が加熱される。流出側熱交換器52にて放熱した冷媒は、エジェクタ13のディフューザ部13dへ流入する。
そして、ノズル部13aからエジェクタ13内へ流入した冷媒およびディフューザ部13dからエジェクタ13内へ流入した冷媒が、第13実施形態と同様にエジェクタ13内にて合流する(k126点→k’26点、k226点→k’26点)。
エジェクタ13内で合流した冷媒は、エジェクタ13内を通過する際に僅かに減圧されて(k’26点→l26点)、第2電気式四方弁32を介して、第2圧縮機21へ吸入されて圧縮される(l24点→m24点)。また、室外熱交換器41にて吸熱した冷媒(o26点→p26点)は、第1電気式四方弁31を介して、第1圧縮機11へ吸入される。その他の作動は、第13実施形態と同様である。
従って、本実施形態の加熱運転モードでは、利用側熱交換器51、流出側熱交換器52および放熱用熱交換器54を放熱器として機能させ、室外熱交換器41を蒸発器として機能させ、室外熱交換器41にて蒸発した冷媒を第1圧縮機11→第2圧縮機21の順に昇圧するサイクルが構成される。
これにより、利用側熱交換器51にて第1保存庫内空気を加熱でき、流出側熱交換器52にて第2保存庫内空気を加熱でき、放熱用熱交換器54にて第3保存庫内空気を加熱できる。さらに、第1実施形態の(C)と同様に、サイクルを安定して作動させることができる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の実施形態では、冷却運転モード時に、エジェクタ式冷凍サイクルを構成する冷媒流路に切り替え、加熱運転モード時に、冷媒を多段階に昇圧させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルを構成する冷媒流路に切り替える例、すなわち、冷却運転モードが特許請求の範囲に記載した一方の運転モードに対応し、加熱運転モードが特許請求の範囲に記載した他方の運転モードに対応する例を説明したが、逆の構成に切り替えるようにしてもよい。
つまり、冷却運転モード時に、冷媒を多段階に昇圧させる冷凍サイクルを構成する冷媒流路に切り替え、加熱運転モード時に、エジェクタ式冷凍サイクルを構成する冷媒流路に切り替える、すなわち、加熱運転モードが特許請求の範囲に記載した一方の運転モードに対応し、冷却運転モードが特許請求の範囲に記載した他方の運転モードに対応する構成にしてもよい。
(2)上述の実施形態では、第1、第2圧縮機11、21として、それぞれ別体で構成された圧縮機を採用した例を説明したが、第1、第2圧縮機構11a、21aおよび第1、第2電動モータ11b、21bを一体的に構成してもよい。
例えば、第1、第2圧縮機構11a、21aおよび第1、第2電動モータ11b、21bを同一のハウジング内に収容して一体的に構成してもよい。この場合には、第1、第2圧縮機構11a、21aの回転軸を共通化して、共通する駆動源から供給される駆動力によって双方の圧縮機構を駆動するようにしてもよい。
これにより、第1、第2圧縮機構11a、21aを小型化して、エジェクタ式冷凍サイクル全体としての小型化を図ることができる。
(3)上述の実施形態では、第1、第2圧縮機11、21として、電動圧縮機を採用した例を説明したが、第1、第2圧縮機11、21の形式はこれに限定されない。
例えば、エンジン等を駆動源として、吐出容量の変化により冷媒吐出能力を調整できる可変容量型圧縮機を採用してもよい。この場合は、吐出容量変更手段が、吐出能力変更手段となる。また、電磁クラッチの断続により駆動源との接続を断続的に変化させて冷媒吐出能力を調整する固定容量型圧縮機を使用してもよい。この場合は、電磁クラッチが、吐出能力変更手段となる。
さらに、第1、第2圧縮機11、21に、同一の形式の圧縮機構を採用してもよいし、異なる形式の圧縮機構を採用してもよい。
(4)上述の実施形態では、エジェクタ13としてノズル部13aの絞り通路面積が固定された固定式のエジェクタ13を採用しているが、ノズル部の絞り通路面積を変更可能に構成された可変エジェクタを採用してもよい。
また、上述の実施形態では、高圧側減圧手段、低圧側減圧手段および第3実施形態の分離冷媒減圧手段として、電気式膨張弁を採用した例を説明したが、これらの減圧手段は電気式膨張弁に限定されない。例えば、固定絞りと電磁弁(開閉弁)を組み合わせた構成等を採用してもよい。さらに、冷媒減圧手段として固定絞りを採用した例を説明したが、冷媒減圧手段として可変絞り機構を採用してもよい。
もちろん、第1、第2実施形態の分離冷媒減圧手段として、電気式膨張弁あるいは固定絞りと電磁弁(開閉弁)を組み合わせた構成等を採用し、さらに、第1逆止弁16aを廃止してもよい。この場合は、加熱運転モード時にアキュムレータ14から第1三方継手17aへ至る冷媒通路を遮断するように電気式膨張弁あるいは電磁弁(開閉弁)の作動を制御すればよい。
さらに、冷媒減圧手段、高圧側減圧手段、低圧側減圧手段および分離冷媒減圧手段として、冷媒を体積膨張させて減圧させるとともに、冷媒の圧力エネルギを機械的エネルギに変換して出力する膨張機を採用してもよい。
このような膨張機としては、具体的に、スクロール型、ベーン型、ローリングピストン型といった容積型圧縮手段を採用できる。そして、容積型圧縮手段を圧縮手段として用いる場合の冷媒流れに対して逆流させるように冷媒を流すことで、冷媒を体積膨張させて減圧させながら、機械的エネルギを出力させることができる。
(5)上述の実施形態では、冷媒として通常のフロン系冷媒を採用した例を説明したが、冷媒の種類はこれに限定されない。例えば、炭化水素系冷媒、二酸化炭素等を用いてもよい。さらに、本発明のエジェクタ式冷凍サイクルを、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超える超臨界冷凍サイクルとして構成してもよい。
さらに、エジェクタ式冷凍サイクル100〜800を超臨界冷凍サイクルとする場合には、高圧側減圧手段を廃止してもよい。これにより、エジェクタ13のノズル部13aにおける減圧量を増加させることができるので、ノズル部19a入口側冷媒のエンタルピとノズル部19a出口側冷媒のエンタルピとの差(回収エネルギ量)も増加させて、より一層、COPを向上できる。
さらに、超臨界冷凍サイクルを構成する場合、高圧側減圧手段として、放熱器として機能する熱交換器の出口側冷媒温度に基づいてCOPが略最大となるように決定される目標高圧に調整する圧力制御弁を採用してもよい。
このような圧力制御弁としては、具体的に、放熱器として機能する熱交換器出口側に設けられた感温部を有し、この感温部の内部に放熱器として機能する熱交換器出口側冷媒の温度に対応した圧力を発生させ、感温部の内圧と放熱器として機能する熱交換器出口側の冷媒圧力とのバランスで弁開度を機械的機構により調整する構成を採用できる。
(6)上述の各実施形態では、冷媒流路切替手段として、第1、第2電気式四方弁31、32、電気式三方弁33等を採用した例を説明したが、冷媒流路切替手段は、これに限定されない。
例えば、図27(a)に示すように、第1電気式四方弁31の代わりに、2つの電気式三方弁31aを組み合わせて構成してもよいし、図27(b)に示すように、4つの開閉弁(電磁弁)31bを組み合わせて構成してもよい。また、図28に示すように、電気式三方弁33の代わりに、3つの開閉弁(電磁弁)33bを組み合わせて構成してもよい。
(7)上述の実施形態では、内部熱交換器35の高圧側冷媒流路35aにおける冷媒流れ方向と低圧側冷媒流路35bにおける冷媒流れ方向について言及していないが、高圧側冷媒流路における冷媒流れ方向と低圧側冷媒流路における冷媒流れ方向が同一方向となる並向流としてもよいし、高圧側冷媒流路における冷媒流れ方向と低圧側冷媒流路における冷媒流れ方向が異なる方向となる対向流としてもよい。
さらに、第9、第10、第13、第14実施形態の冷却運転モードについては、流出側熱交換器52および送風ファン52aを廃止して、補助熱交換器53あるいは室外熱交換器41から流出して固定絞り18へ流入する高圧側冷媒と、エジェクタ13のディフューザ部13dから流出した低圧側冷媒、すなわち第1圧縮手段11aへ吸入される低圧側冷媒とを熱交換させる内部熱交換器を採用してもよい。
(8)上述の各実施形態では、本発明のエジェクタ式冷凍サイクル100〜800を冷温保存庫に適用した例を説明したが、本発明の適用はこれに限定されない。例えば、エジェクタ式冷凍サイクルを、空調装置、その他の定置型の冷凍サイクル装置、車両用冷凍サイクル装置等に適用してもよい。
11、21 第1、第2圧縮機
11a、21a 第1、第2圧縮機構
11b、21b 第1、第2電動モータ
12 高圧側固定絞り
13 エジェクタ
13a ノズル部
13b 冷媒吸引口
13d ディフューザ部
14 アキュムレータ
22 上流側分岐部
23 下流側分岐部
24 吐出側分岐部
18 固定絞り
31、32 第1、第2電気式四方弁
33 電気式三方弁
41 室外熱交換器
51 利用側熱交換器
52 流出側熱交換器
53 補助熱交換器
54 放熱用熱交換器

Claims (19)

  1. 冷媒を圧縮して吐出する第1、第2圧縮機構(11a、21a)と、
    冷媒と外気とを熱交換させる室外熱交換器(41)と、
    冷媒と熱交換対象流体とを熱交換させる利用側熱交換器(51)と、
    冷媒を減圧膨張させるノズル部(13a)から噴射する高速度の噴射冷媒の流れによって冷媒吸引口(13b)から冷媒を吸引して、前記噴射冷媒と前記冷媒吸引口(13b)から吸引された吸引冷媒との混合冷媒をディフューザ部(13d)にて昇圧するエジェクタ(13)と、
    冷媒を減圧膨張させる冷媒減圧手段(18)と、
    前記熱交換対象流体を冷却する冷却運転モードの冷媒流路、および、前記熱交換対象流体を加熱する加熱運転モードの冷媒流路を切り替える冷媒流路切替手段(31、32、33)とを備え、
    冷凍サイクルの運転モードとして前記冷却運転モードが選択されたときには、前記冷媒流路切替手段(31〜33)により、前記第1圧縮機構(11a)吐出冷媒を前記室外熱交換器(41)にて放熱させ、前記室外熱交換器(41)にて放熱した冷媒を前記ノズル部(13a)へ流入させるとともに、前記利用側熱交換器(51)にて蒸発した冷媒を前記第2圧縮機構(21a)へ吸入させ、前記第2圧縮機構(21a)から冷媒を前記冷媒吸引口(13b)側へ吐出させ、前記ディフューザ部(13d)から流出した冷媒を前記第1圧縮機構(11a)へ吸入させる冷媒流路に切り替え、
    一方、冷凍サイクルの運転モードとして前記加熱運転モードが選択されたときには、前記冷媒流路切替手段(31〜33)により、前記第2圧縮機構(21a)吐出冷媒を前記利用側熱交換器(51)にて放熱させ、前記利用側熱交換器(51)にて放熱した冷媒を前記冷媒減圧手段(18)へ流入させて減圧膨張させ、前記冷媒減圧手段(18)にて減圧膨張された冷媒を前記室外熱交換器(41)にて蒸発させ、前記室外熱交換器(41)にて蒸発した冷媒を前記第1圧縮機構(11a)へ吸入させ、前記第1圧縮機構(11a)吐出冷媒を前記ディフューザ部(13d)および前記冷媒吸引口(13b)を通過して前記第2圧縮機構(21a)吸入口側へ流入させる冷媒流路に切り替えることを特徴とするエジェクタ式冷凍サイクル。
  2. 冷媒の気液を分離して、分離された気相冷媒を前記第1圧縮機構(11a)吸入口側へ流出させる気液分離器(14)と、
    前記気液分離器(14)にて分離された液相冷媒を減圧膨張させる分離冷媒減圧手段(15)とを備え、
    前記冷媒流路切替手段(31〜33)は、
    前記冷却運転モード時に、前記ディフューザ部(13d)流出冷媒を、前記気液分離器(14)を介して前記第1圧縮機構(11a)へ吸入させ、前記分離冷媒減圧手段(15)にて減圧膨張された冷媒を前記利用側熱交換器(51)へ流入させる冷媒流路に切り替え、
    前記加熱運転モード時に、前記室外熱交換器(41)から流出した冷媒を、前記気液分離器(14)を介して前記第1圧縮機構(11a)へ吸入させる冷媒流路に切り替えることを特徴とする請求項1に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  3. 前記ノズル部(13a)へ流入する冷媒の流れを分岐して、分岐された一方の冷媒を前記ノズル部(13a)側へ流出させる上流側分岐部(22)を備え、
    前記冷媒流路切替手段(31、32)は、
    前記冷却運転モード時に、前記上流側分岐部(22)にて分岐された他方の冷媒を前記冷媒減圧手段(18)へ流入させ、前記冷媒減圧手段(18)にて減圧膨張された冷媒を前記利用側熱交換器(51)へ流入させる冷媒流路に切り替え、
    前記加熱運転モード時に、前記冷媒減圧手段(18)にて減圧膨張された冷媒を、前記上流側分岐部(22)を介して前記室外熱交換器(41)へ流入させる冷媒流路に切り替えることを特徴とする請求項1に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  4. 前記冷却運転モード時に、前記ディフューザ部(13d)から流出して前記第1圧縮機構(11a)へ吸入される冷媒を蒸発させる流出側熱交換器(52)を備えることを特徴とする請求項3に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  5. 前記冷媒流路切替手段(31、32)は、
    前記冷却運転モード時に、前記流出側熱交換器(52)にて前記ディフューザ部(14d)流出冷媒を蒸発させる冷媒流路に切り替え、
    前記加熱運転モード時に、前記流出側熱交換器(52)にて前記室外熱交換器(41)から流出した冷媒を蒸発させる冷媒流路に切り替えることを特徴とする請求項4に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  6. 前記冷媒流路切替手段(31、32)は、
    前記冷却運転モード時に、前記流出側熱交換器(52)にて前記ディフューザ部(14d)流出冷媒を蒸発させる冷媒流路に切り替え、
    前記加熱運転モード時に、前記流出側熱交換器(52)にて前記第1圧縮機構(11a)吐出冷媒を放熱させる冷媒流路に切り替えることを特徴とする請求項4に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  7. 前記上流側分岐部(22)と前記冷媒減圧手段(18)との間に配置されて、前記冷却運転モード時には、前記上流側分岐部(22)にて分岐された他方の冷媒を放熱させ、前記加熱運転モード時には、前記冷媒減圧手段(18)にて減圧膨張された冷媒を蒸発させる補助熱交換器(53)を備えることを特徴とする請求項3ないし6のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  8. 前記冷却運転モード時に、前記上流側分岐部(22)にて分岐された他方の冷媒と、前記第2圧縮機構(21a)吸入冷媒とを熱交換させる内部熱交換器(35)を備えることを特徴とする請求項3ないし7のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  9. 前記冷却運転モード時に、前記冷媒減圧手段(18)における減圧膨張過程の冷媒と、前記第2圧縮機構(21a)吸入冷媒とを熱交換させる内部熱交換器(36)を備えることを特徴とする請求項3ないし7のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  10. 前記ディフューザ部(13d)から流出した冷媒の流れを分岐する下流側分岐部(23)と、
    前記冷却運転モード時に、前記下流側分岐部(23)にて分岐された一方の冷媒を蒸発させる流出側熱交換器(52)と、
    前記下流側分岐部(23)にて分岐された他方の冷媒を減圧膨張させる低圧側減圧手段(19b)とを備え、
    前記冷媒流路切替手段(31〜33)は、
    前記冷却運転モード時に、前記流出側熱交換器(52)から流出した冷媒を前記第1圧縮機構(11a)へ吸入させ、前記低圧側減圧手段(19b)にて減圧膨張された冷媒を前記利用側熱交換器(51)へ流入させる冷媒流路に切り替えることを特徴とする請求項1に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  11. 冷媒を圧縮して吐出する第1、第2圧縮機構(11a、21a)と、
    前記第1圧縮機構(11a)吐出冷媒の流れを分岐する吐出側分岐部(24)と、
    前記吐出側分岐部(24)にて分岐された一方の冷媒を放熱させる放熱用熱交換器(54)と、
    前記放熱用熱交換器(54)から流出した冷媒を減圧膨張させるノズル部(13a)から噴射する高速度の噴射冷媒の流れによって冷媒吸引口(13b)から冷媒を吸引して、前記噴射冷媒と前記冷媒吸引口(13b)から吸引された吸引冷媒との混合冷媒をディフューザ部(13d)にて昇圧するエジェクタ(13)と、
    冷媒と外気とを熱交換させる室外熱交換器(41)と、
    冷媒と熱交換対象流体とを熱交換させる利用側熱交換器(51)と、
    冷媒を減圧膨張させる冷媒減圧手段(18)と、
    前記熱交換対象流体を冷却する冷却運転モードの冷媒流路、および、前記熱交換対象流体を加熱する加熱運転モードの冷媒流路を切り替える冷媒流路切替手段(31、32)とを備え、
    冷凍サイクルの運転モードとして前記冷却運転モードが選択されたときには、前記冷媒流路切替手段(31、32)により、前記吐出側分岐部(24)にて分岐された一方の冷媒を、前記放熱用熱交換器(54)を介して前記エジェクタ(13)の前記ノズル部(13a)へ流入させて減圧膨張させるとともに、前記吐出側分岐部(24)にて分岐された他方の冷媒を前記室外熱交換器(41)にて放熱させ、前記室外熱交換器(41)にて放熱した冷媒を前記冷媒減圧手段(18)へ流入させて減圧膨張させ、前記冷媒減圧手段(18)にて減圧膨張された冷媒を前記利用側熱交換器(51)にて蒸発させ、前記利用側熱交換器(51)にて蒸発した冷媒を前記第2圧縮機構(21a)へ吸入させ、前記第2圧縮機構(21a)から冷媒を前記冷媒吸引口(13b)側へ吐出させ、前記ディフューザ部(13d)から流出した冷媒を前記第1圧縮機構(11a)へ吸入させる冷媒流路に切り替え、
    一方、冷凍サイクルの運転モードとして前記加熱運転モードが選択されたときには、前記冷媒流路切替手段(31、32)により、前記第2圧縮機構(21a)吐出冷媒を前記利用側熱交換器(51)にて放熱させ、前記利用側熱交換器(51)にて放熱した冷媒を前記冷媒減圧手段(18)へ流入させて減圧膨張させ、前記冷媒減圧手段(18)にて減圧膨張された冷媒を前記室外熱交換器(41)へ流入させて蒸発させ、前記室外熱交換器(41)にて蒸発した冷媒を前記第1圧縮機構(11a)へ吸入させ、前記第1圧縮機構(11a)吐出冷媒のうち前記吐出側分岐部(24)にて分岐された一方の冷媒を前記放熱用熱交換器(54)を通過して前記ノズル部(13a)へ流入させるとともに、前記吐出側分岐部(24)にて分岐された他方の冷媒を前記ディフューザ部(13d)へ流入させ、前記エジェクタ(13)の内部で合流した前記一方の冷媒と前記他方の冷媒を前記冷媒吸引口(13b)を通過して前記第2圧縮機構(21a)吸入口側へ流入させる冷媒流路に切り替えることを特徴とするエジェクタ式冷凍サイクル。
  12. 前記冷却運転モード時に、前記ディフューザ部(13d)から流出して前記第1圧縮機構(11a)へ吸入される冷媒を蒸発させる流出側熱交換器(52)を備えることを特徴とする請求項11に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  13. 前記冷媒流路切替手段(31、32)は、
    前記冷却運転モード時に、前記流出側熱交換器(52)にて前記ディフューザ部(14d)流出冷媒を蒸発させる冷媒流路に切り替え、
    前記加熱運転モード時に、前記流出側熱交換器(52)にて前記吐出側分岐部(24)にて分岐された他方の冷媒を放熱させる冷媒流路に切り替えることを特徴とする請求項12に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  14. 前記冷媒流路切替手段(31、32)は、
    前記冷却運転モード時に、前記流出側熱交換器(52)にて前記ディフューザ部(14d)流出冷媒を蒸発させる冷媒流路に切り替え、
    前記加熱運転モード時に、前記流出側熱交換器(52)にて前記室外熱交換器(41)から流出した冷媒を蒸発させる冷媒流路に切り替えることを特徴とする請求項12に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  15. 前記冷却運転モード時に、前記室外熱交換器(41)から流出した冷媒と、前記第1圧縮機構(11a)吸入冷媒とを熱交換させる内部熱交換器を備えることを特徴とする請求項12ないし14のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  16. 前記ノズル部(13a)へ流入する冷媒を減圧膨張させる高圧側減圧手段(19a)を備えることを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  17. 前記第1圧縮機構(11a)の冷媒吐出能力を変更する第1吐出能力変更手段(11b)と、
    前記第2圧縮機構(21a)の冷媒吐出能力を変更する第2吐出能力変更手段(21b)とを備え、
    前記第1吐出能力変更手段(11b)および前記第2吐出能力変更手段(21b)は、それぞれ独立して前記第1圧縮機構(11a)および前記第2圧縮機構(21a)の冷媒吐出能力を変更可能に構成されていることを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  18. 前記第1圧縮機構(11a)および前記第2圧縮機構(21a)は、同一のハウジング内に収容されて、一体的に構成されていることを特徴とする請求項1ないし17のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  19. 前記第1圧縮機構(11a)は、冷媒を臨界圧力以上となるまで昇圧させることを特徴とする請求項1ないし18のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
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