JP2004205154A - 冷凍機 - Google Patents
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Abstract
【課題】液体ポンプのポンプ効率が低下してしまうことを防止する。
【解決手段】内部熱交換器90にて液体ポンプ70に吸引される冷媒を冷却して、液体ポンプ70に吸引される冷媒が確実に液相となるようにする。これにより、液体ポンプ70のポンプ効率が低下してしまうことを防止して冷凍機を効率よく運転することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】内部熱交換器90にて液体ポンプ70に吸引される冷媒を冷却して、液体ポンプ70に吸引される冷媒が確実に液相となるようにする。これにより、液体ポンプ70のポンプ効率が低下してしまうことを防止して冷凍機を効率よく運転することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱された作動流体が有するエネルギにて稼動するポンプ手段を備える冷凍機に関するもので、車両用冷凍機に適用して有効である。
【0002】
【従来の技術】
蒸気圧縮式冷凍機を用いた空調装置の消費動力は、主に、圧縮機の消費動力であり、特に、車両においては、運転状況によっては、空調装置の消費動力が車両全体の消費動力の約50%を占める場合がある。
【0003】
そこで、従来は、圧縮機と廃熱により加熱された冷媒流れを駆動源として作動するエジェクタポンプとを組み合わせて圧縮機の消費動力を低減している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭49−132739号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1に係る発明では、加熱器をなす廃熱回収器に流体を送る液体ポンプを必要とするが、この液体ポンプが流体を吸入すると、吸入側の圧力が低下するので、吸入される流体が蒸発してポンプ効率(体積効率)が低下するとともに、インペラ等の羽根車に表面近傍において流体圧力が局所的に低下して流体が沸騰し、キャビテーションが発生してしまう。
【0006】
そして、キャビテーション等により吸引される流体が気化すると、ポンプから吐出される液体の流量が低下してしまうので、ポンプ、つまり羽根車の回転数を増大させても吐出流量が増大しなくなり、必要な流量を確保することができなくなるといった問題やキャビテーションによって羽根車が壊蝕してしまうといった問題が発生する。
【0007】
本発明は、上記点に鑑み、第1には、従来と異なる新規な冷凍機を提供し、第2には、液体ポンプのポンプ効率が低下してしまうことを防止して冷凍機を効率よく運転することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、減圧された低圧冷媒を蒸発させて冷凍能力を発揮する蒸発器(10)と、蒸発器(10)にて蒸発した冷媒を冷却する放熱器(20)と、加熱された作動流体が有するエネルギにて稼動し、蒸発器(10)側から冷媒を吸引して放熱器(20)側に吐出するポンプ手段(30)と、ポンプ手段(30)に流入する作動流体を加熱する加熱器(40)と、ポンプ手段(30)から流出した作動流体のうち液化した作動流体を加熱器(40)に送り出すための液体ポンプ(70)と、液体ポンプ(70)の吸入側に設けられ、液体ポンプ(70)に吸引される作動流体を冷却する冷却手段(90)とを備えることを特徴とする。
【0009】
これにより、液体ポンプ(70)に液相の作動流体を確実に供給することができるので、液体ポンプ(70)のポンプ効率が低下してしまうことを防止して冷凍機を効率よく運転することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明では、冷却手段(90)は、液体ポンプ(70)に吸引される作動流体と低圧冷媒とを熱交換することにより、液体ポンプ(70)に吸引される作動流体を冷却することを特徴とするものである。
【0011】
請求項3に記載の発明では、冷却手段(90)は、蒸発器(10)から流出した低圧冷媒にて液体ポンプ(70)に吸引される作動流体を冷却することを特徴とするものである。
【0012】
請求項4に記載の発明では、冷却手段(90)は、蒸発器(10)に流入する前の低圧冷媒にて液体ポンプ(70)に吸引される作動流体を冷却することを特徴とするものである。
【0013】
請求項5に記載の発明では、冷却手段(91)は、雰囲気と液体ポンプ(70)に吸引される作動流体とを熱交換することにより、液体ポンプ(70)に吸引される作動流体を冷却することを特徴とするものである。
【0014】
請求項6に記載の発明では、作動流体は、蒸発器(10)及び放熱器(20)内を循環する冷媒と同じ流体であり、ポンプ手段(30)は、加熱器(40)にて加熱された冷媒を加速するノズル(31)を有し、ノズル(31)から噴射する高速冷媒流の巻き込み作用により蒸発器(10)側から冷媒を吸引して放熱器(20)側に吐出するエジェクタ方式のポンプであり、放熱器(20)には、ポンプ手段(30)により蒸発器(10)から吸引された冷媒と共にノズル(31)から噴射した冷媒が流入し、放熱器(20)から流出した冷媒を液相冷媒と気相冷媒とに分離するとともに、液相冷媒の一部を冷却手段(90、91)に供給する気液分離器(50)を備え、冷却手段(90、91)、気液分離器(50)及び放熱器(20)が一体化されていることを特徴とする。
【0015】
これにより、例えば冷凍機の車両への搭載性を向上させることができる。
【0016】
請求項7に記載の発明では、冷媒を蒸発させて冷凍能力を発揮する蒸発器(10)と、蒸発器(10)にて蒸発した冷媒を冷却する放熱器(20)と、ノズル(31)から噴射する冷媒の噴流により蒸発器(10)側から冷媒を吸引して放熱器(20)側に吐出するエジェクタポンプ(30)と、蒸発器(10)側から冷媒を吸引して放熱器(20)側に吐出する圧縮機(60)と、ノズル(31)に流入する冷媒を加熱する加熱手段(40)と、エジェクタポンプ(30)から流出した冷媒のうち液化した冷媒を加熱器(40)に送り出すための液体ポンプ(70)と、液体ポンプ(70)の吸入側に設けられ、液体ポンプ(70)に吸引される作動流体を冷却する冷却手段(90)とを備え、圧縮機(60)を起動した後、所定時間が経過したときに加熱器(40)にて加熱された冷媒をノズル(31)に供給し始めることを特徴とする。
【0017】
これにより、液体ポンプ(70)に液相の作動流体を確実に供給することができるので、液体ポンプ(70)のポンプ効率が低下してしまうことを防止して冷凍機を効率よく運転することができる。
【0018】
請求項8に記載の発明では、冷媒を蒸発させて冷凍能力を発揮する第1、2蒸発器(10、11)と、蒸発器(10)にて蒸発した冷媒を冷却する放熱器(20)と、ノズル(31)から噴射する冷媒の噴流により第2蒸発器(11)側から冷媒を吸引して放熱器(20)側に吐出するエジェクタポンプ(30)と、第1蒸発器(10)側から冷媒を吸引して放熱器(20)側に吐出する圧縮機(60)と、ノズル(31)に流入する冷媒を加熱する加熱手段(40)と、エジェクタポンプ(30)から流出した冷媒のうち液化した冷媒を加熱器(40)に送り出すための液体ポンプ(70)と、液体ポンプ(70)の吸入側に設けられ、液体ポンプ(70)に吸引される作動流体を冷却する冷却手段(90)とを備えることを特徴とする。
【0019】
これにより、液体ポンプ(70)に液相の作動流体を確実に供給することができるので、液体ポンプ(70)のポンプ効率が低下してしまうことを防止して冷凍機を効率よく運転することができる。
【0020】
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0021】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明に係る冷凍機を車両用空調装置に適用したものであって、図1は本実施形態に係る冷凍機の模式図であり、図2はエジェクタポンプ30の模式図である。
【0022】
図1中、蒸発器10は冷媒を蒸発させることにより室内に吹き出す空気から吸熱して空気を冷却する低圧側冷媒熱交換器であり、放熱器20は蒸発器10にて蒸発した冷媒を冷却する高圧側冷媒熱交換器である。
【0023】
なお、本実施形態では、冷媒としてフロン(R134a)を採用しているが、その他のフロン系の冷媒、炭化水素系の冷媒、二酸化炭素等を用いてもよいことは言うまでもない。
【0024】
エジェクタポンプ30は、蒸発器10側から冷媒を吸引して放熱器20側に吐出する第1のポンプ手段であり、具体的には図2に示すように、高圧冷媒の圧力エネルギ(圧力ヘッド)を速度エネルギ(速度ヘッド)に変換して作動流体である冷媒を等エントロピ的に減圧膨張させるノズル31、ノズル31から噴射する高速の冷媒噴流により蒸発器10側から冷媒を巻き込むように吸引しながら、ノズル31から噴射する冷媒と蒸発器10から吸引した冷媒とを混合させる混合部32、及び混合部32から流出する冷媒の速度エネルギを圧力エネルギに変換して冷媒の圧力を昇圧させるディフューザ33等からなるものである。
【0025】
なお、エジェクタポンプ30においては、混合部32及びディフューザ33にて冷媒圧力が上昇するので、混合部32及びディフューザ33により昇圧部が構成される。
【0026】
また、図1中、廃熱熱交換器40は、走行用エンジンの廃熱、つまりエンジン冷却水及びエンジン排気を熱源としてノズル31に流入する冷媒を加熱する加熱器であり、気液分離器50は、放熱器20から流出する冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して余剰冷媒を液相冷媒として蓄えるとともに、液相冷媒を廃熱熱交換器40及び蒸発器10側に供給するレシーバである。
【0027】
なお、廃熱熱交換器40は、エンジン冷却水と冷媒とが、両者を対向流れ又は直交対向流流れの状態で熱交換させるように構成することが望ましい。
【0028】
圧縮機60は、電磁クラッチ等の動力を断続可能に伝達する動力伝達手段を介して走行用エンジンから動力を得て蒸発器10側から冷媒を吸引してエジェクタポンプ30の混合部32に吸引した冷媒を吐出する第2のポンプ手段であり、液体ポンプ70は気液分離器50から液相冷媒を吸引して廃熱熱交換器40側に冷媒を循環させる電動式の第3のポンプ手段である。
【0029】
減圧器80は、気液分離器50と蒸発器10とを結ぶ冷媒通路に設けられて冷媒を等エンタルピ的に減圧する減圧手段であり、本実施形態では、蒸発器10の冷媒出口における冷媒過熱度が所定値となるように開度が制御される温度式膨脹弁が採用されている。
【0030】
内部熱交換器90は、液体ポンプ70の吸入側に設けられて液体ポンプ70に吸引される作動流体である冷媒を冷却する冷却手段であり、この内部熱交換器90は、液体ポンプ70に吸引される冷媒と減圧器80にて減圧された低圧冷媒とを熱交換することにより、液体ポンプ70に吸引される冷媒を冷却してその過冷却度を高めている。
【0031】
なお、本実施形態では、減圧器80にて減圧された低圧冷媒のうち蒸発器10を流出した冷媒にて液体ポンプ70に吸引される冷媒を冷却している。
【0032】
次に、本実施形態に係る冷凍機の作動及びその特徴を述べる。
【0033】
エジェクタポンプ30及び圧縮機60は、共に冷媒を循環させるポンプ手段として機能するものでり、冷媒は以下に述べるように循環する。
【0034】
1.始動時
冷凍機を始動させるときには、液体ポンプ70を始動する前に、先ず、圧縮機60を稼動させる。これにより、気液分離器50→減圧器80→蒸発器10→内部熱交換器90→圧縮機60→エジェクタポンプ30(混合部32→ディフューザ33)→放熱器20→気液分離器50の順に冷媒が循環する吸引流れが発生する。
【0035】
このとき、減圧器80で等エンタルピ的に減圧された低圧冷媒が蒸発器10にて室内に吹き出す空気から吸熱して蒸発し、圧縮機60にて圧縮されて高温高圧となって放熱器20にて冷却されて凝縮する。
【0036】
なお、この段階では、ノズル31に廃熱熱交換器40にて加熱された過熱蒸気が供給されていないので、エジェクタポンプ30は、単なる冷媒通路として機能する。
【0037】
2.定常時
液体ポンプ70を停止させた状態で圧縮機60を所定時間稼動させた後、気液分離器50内に所定量以上の液相冷媒が溜まったときに、液体ポンプ70を始動させて、気液分離器50→内部熱交換器90→液体ポンプ70→廃熱熱交換器40→エジェクタポンプ30→放熱器20→気液分離器50の順に冷媒が循環する駆動流れを発生させる。
【0038】
このため、駆動流れは、液体ポンプ70により冷媒を廃熱熱交換器40に循環させるに十分な程度まで昇圧されて廃熱熱交換器40に流入する。そして、廃熱熱交換器40に流入した冷媒は、廃熱を吸熱してそのエンタルピを増大させた状態でエジェクタポンプ30のノズル31に流入し、ノズル31にて等エントロピー的に減圧膨脹する。つまり、エジェクタポンプ30は、ノズル31にて低下したエンタルピ量に相当するポンプ仕事して、圧縮機60のポンプ仕事を補助する。
【0039】
因みに、吸引流れは始動時と同じであり、図3は冷媒状態を示すp−h線図であり、図3の符号は図1の●で示される位置の冷媒状態を示すものであり、図4は冷凍機を始動させる際の制御フローを示すフローチャートである。
【0040】
なお、本実施形態では、放熱器20内の冷媒圧力を冷媒の臨界圧力未満としているが、本実施形態に限定されるものではなく、放熱器20内の冷媒圧力を臨界圧力以上としてもよい。
【0041】
ところで、廃熱熱交換器40に流入した冷媒は、そのエンタルピを増大させるが、液体ポンプ70は、主に液相冷媒を気液分離器50から吸引して廃熱熱交換器40に供給するので、廃熱熱交換器40から冷媒に供給される熱エネルギは、液相冷媒を沸騰蒸発させるためと、沸騰した冷媒をさらに加熱するためとに消費される。
【0042】
一方、廃熱熱交換器40にて冷媒に与えられた熱エネルギのうち、ポンプ仕事(機械的エネルギ)として回収することが可能なエネルギは、エンタルピH(=U+pV)から内部エネルギUを引いた量、すなわち沸騰した冷媒をさらに加熱するために消費されたエネルギpVである。
【0043】
したがって、廃熱からより多くのポンプ仕事を回収するには、廃熱熱交換器40に液相冷媒ではなく気相冷媒を流入させる方がよいが、廃熱熱交換器40に気相冷媒を流入させるべく、気液分離器50から気相冷媒を吸引して廃熱熱交換器40に供給すると、液体ポンプ70にて気相冷媒が圧縮されて廃熱熱交換器40に流入する冷媒の温度が上昇してしまい、冷媒と廃熱源であるエンジン冷却水との温度差が小さくなり、冷媒に供給することができる熱量が減少し、却って、廃熱から回収することができるポンプ仕事量が低下してしまう。
【0044】
またさらに、液体ポンプ70にて気相冷媒が圧縮されてしまうと、ポンプ効率、つまり液体ポンプ70に与えたエネルギに対する液体ポンプ70により循環させられた冷媒の質量流量との比が、液相冷媒を吸引して圧送する場合に比べて悪化してしまう。
【0045】
そこで、本実施形態では、内部熱交換器90にて液体ポンプ70に吸引される冷媒を冷却して、液体ポンプ70に吸引される冷媒が確実に液相となるようにしている。
【0046】
(第2実施形態)
第1実施形態では、減圧器80にて減圧された低圧冷媒のうち蒸発器10を流出した冷媒にて液体ポンプ70に吸引される冷媒を冷却したが、本実施形態は、図5に示すように、減圧器80にて減圧された低圧冷媒のうち蒸発器10に流入する前の冷媒にて液体ポンプ70に吸引される冷媒を冷却するものであり、その他は、第1実施形態と同じである。
【0047】
なお、図6は定常時における本実施形態に係る冷凍機冷媒状態を示すp−h線図であり、図6の符号は図5の●で示される位置の冷媒状態を示すものである。
【0048】
(第3実施形態)
上述の実施形態では、内部熱交換器90にて減圧器80によって減圧された低圧冷媒と液体ポンプ70に吸引される冷媒とを熱交換することにより液体ポンプ70に吸引される冷媒を冷却したが、本実施形態は、図7に示すように、雰囲気と液体ポンプ70に吸引される冷媒とを熱交換する過冷却器91にて液体ポンプ70に吸引される冷媒を冷却するものであり、その他は、第1実施形態と同じである。
【0049】
なお、図8は定常時における本実施形態に係る冷凍機冷媒状態を示すp−h線図であり、図8の符号は図7の●で示される位置の冷媒状態を示すものである。
【0050】
(第4実施形態)
本実施形態は、図9に示すように、過冷却器91、気液分離器50及び放熱器20を一体化したものである。
【0051】
なお、本実施形態に係る一体化された熱交換器100の構造は、特開平6−50615号公報に記載の熱交換器と構造であり、具体的には、冷媒が流れる複数本のチューブ101、及びチューブ101の長手方向両端側に配置されてチューブ101と連通するヘッダタンク102等にて熱交換部を構成し、ヘッダタンク102内をセパレータ103にて仕切って放熱器20と過冷却器91とを構成したものである。
【0052】
これにより、配管の本数及び配管接続箇所を低減することができるので、車室外に搭載される機器、つまり過冷却器91、気液分離器50及び放熱器20の車両への組み付け工数を低減しつつ、車室外に搭載される機器の小型化を図ることができ、冷凍機の車両への搭載性を向上させることができる。
【0053】
なお、本実施形態では、過冷却器91、気液分離器50及び放熱器20が一体化したが、内部熱交換器90、気液分離器50及び放熱器20を一体化してもよいことは言うまでもない。
【0054】
(第5実施形態)
本実施形態は、図10に示すように、蒸発器を第1、2蒸発器10、11の2台とし、かつ、減圧器を第1、2減圧器80、81とするとともに、第1蒸発器10には圧縮機60にて冷媒を循環させ、第2蒸発器11には、エジェクタポンプ30にて冷媒を循環させるものである。
【0055】
具体的には、圧縮機60→放熱器20→気液分離器50→第1減圧器80→第1蒸発器10→圧縮機60の順で流れる主流れ、液体ポンプ70→廃熱熱交換器40→エジェクタポンプ30(ノズル31→混合部32→ディフューザ33)→放熱器20→気液分離器50→過冷却器9→液体ポンプ70の順で流れる駆動流、及び気液分離器50→第2減圧器81→第2蒸発器11→エジェクタポンプ30(混合部32→ディフューザ33)→放熱器20→気液分離器50の順に冷媒が循環する吸引流れが発生する。
【0056】
このとき、第1蒸発器10にて室内に吹き出す空気を冷却する等の比較的大きな冷却能力を安定的に供給し、第2蒸発器11では、電動モータ、インバータ回路等のモータ駆動回路及び燃料電池等の車載機器の冷却に用いて有効である。因みに、この場合、廃熱熱交換器40は、この冷却が必要な車載機器から廃熱を回収するように構成することが望ましい。
【0057】
因みに、図11は定常時における本実施形態に係る冷凍機冷媒状態を示すp−h線図であり、図11の符号は図10の●で示される位置の冷媒状態を示すものである。
【0058】
なお、本実施形態では、液体ポンプ70に吸引される冷媒を冷却する冷却手段として過冷却器91を用いたが、第1、2実施形態のごとく、低圧冷媒にて液体ポンプ70に吸引される冷媒を冷却する内部熱交換器90を用いてもよいことは言うまでもない。
【0059】
また、過冷却器91等の液体ポンプ70に吸引される冷媒を冷却する冷却手段を廃止しても本実施形態を実施することができる。
【0060】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、第1のポンプ手段としてノズル31から噴射する流体の巻き込み作用によって流体輸送を行う運動量輸送式ポンプ、つまりエジェクタポンプ30を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば膨脹機(タービン)にて稼動するポンプ等を用いてもよい。
【0061】
なお、第1のポンプ手段として膨脹機(タービン)等を利用する場合には、膨脹機に流入させる流体は、冷媒とは異なる他の作動流体としてもよい。
【0062】
また、冷凍機を始動させるときには、液体ポンプ70を始動する前に、先ず、圧縮機60を所定時間稼動させた後、液体ポンプ70を稼動させたが、このような冷凍機の始動手段は、液体ポンプ70に吸引される冷媒を冷却する冷却手段(内部熱交換器90や過冷却器91等)を備えていない冷凍機にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る冷凍機の模式図である。
【図2】本発明の実施形態に係るエジェクタポンプの模式図である。
【図3】p−h線図である。
【図4】本発明の実施形態に係る冷凍機の始動制御示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2実施形態に係る冷凍機の模式図である。
【図6】p−h線図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る冷凍機の模式図である。
【図8】p−h線図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係る熱交換器の模式図である。
【図10】本発明の第5実施形態に係る冷凍機の模式図である。
【図11】p−h線図である。
【符号の説明】
10…蒸発器、20…放熱器、30…エジェクタポンプ、
40…廃熱熱交換器、50…気液分離器、60…圧縮機、
70…冷媒ポンプ、80…減圧器、90…内部熱交換器。
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱された作動流体が有するエネルギにて稼動するポンプ手段を備える冷凍機に関するもので、車両用冷凍機に適用して有効である。
【0002】
【従来の技術】
蒸気圧縮式冷凍機を用いた空調装置の消費動力は、主に、圧縮機の消費動力であり、特に、車両においては、運転状況によっては、空調装置の消費動力が車両全体の消費動力の約50%を占める場合がある。
【0003】
そこで、従来は、圧縮機と廃熱により加熱された冷媒流れを駆動源として作動するエジェクタポンプとを組み合わせて圧縮機の消費動力を低減している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭49−132739号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1に係る発明では、加熱器をなす廃熱回収器に流体を送る液体ポンプを必要とするが、この液体ポンプが流体を吸入すると、吸入側の圧力が低下するので、吸入される流体が蒸発してポンプ効率(体積効率)が低下するとともに、インペラ等の羽根車に表面近傍において流体圧力が局所的に低下して流体が沸騰し、キャビテーションが発生してしまう。
【0006】
そして、キャビテーション等により吸引される流体が気化すると、ポンプから吐出される液体の流量が低下してしまうので、ポンプ、つまり羽根車の回転数を増大させても吐出流量が増大しなくなり、必要な流量を確保することができなくなるといった問題やキャビテーションによって羽根車が壊蝕してしまうといった問題が発生する。
【0007】
本発明は、上記点に鑑み、第1には、従来と異なる新規な冷凍機を提供し、第2には、液体ポンプのポンプ効率が低下してしまうことを防止して冷凍機を効率よく運転することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、減圧された低圧冷媒を蒸発させて冷凍能力を発揮する蒸発器(10)と、蒸発器(10)にて蒸発した冷媒を冷却する放熱器(20)と、加熱された作動流体が有するエネルギにて稼動し、蒸発器(10)側から冷媒を吸引して放熱器(20)側に吐出するポンプ手段(30)と、ポンプ手段(30)に流入する作動流体を加熱する加熱器(40)と、ポンプ手段(30)から流出した作動流体のうち液化した作動流体を加熱器(40)に送り出すための液体ポンプ(70)と、液体ポンプ(70)の吸入側に設けられ、液体ポンプ(70)に吸引される作動流体を冷却する冷却手段(90)とを備えることを特徴とする。
【0009】
これにより、液体ポンプ(70)に液相の作動流体を確実に供給することができるので、液体ポンプ(70)のポンプ効率が低下してしまうことを防止して冷凍機を効率よく運転することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明では、冷却手段(90)は、液体ポンプ(70)に吸引される作動流体と低圧冷媒とを熱交換することにより、液体ポンプ(70)に吸引される作動流体を冷却することを特徴とするものである。
【0011】
請求項3に記載の発明では、冷却手段(90)は、蒸発器(10)から流出した低圧冷媒にて液体ポンプ(70)に吸引される作動流体を冷却することを特徴とするものである。
【0012】
請求項4に記載の発明では、冷却手段(90)は、蒸発器(10)に流入する前の低圧冷媒にて液体ポンプ(70)に吸引される作動流体を冷却することを特徴とするものである。
【0013】
請求項5に記載の発明では、冷却手段(91)は、雰囲気と液体ポンプ(70)に吸引される作動流体とを熱交換することにより、液体ポンプ(70)に吸引される作動流体を冷却することを特徴とするものである。
【0014】
請求項6に記載の発明では、作動流体は、蒸発器(10)及び放熱器(20)内を循環する冷媒と同じ流体であり、ポンプ手段(30)は、加熱器(40)にて加熱された冷媒を加速するノズル(31)を有し、ノズル(31)から噴射する高速冷媒流の巻き込み作用により蒸発器(10)側から冷媒を吸引して放熱器(20)側に吐出するエジェクタ方式のポンプであり、放熱器(20)には、ポンプ手段(30)により蒸発器(10)から吸引された冷媒と共にノズル(31)から噴射した冷媒が流入し、放熱器(20)から流出した冷媒を液相冷媒と気相冷媒とに分離するとともに、液相冷媒の一部を冷却手段(90、91)に供給する気液分離器(50)を備え、冷却手段(90、91)、気液分離器(50)及び放熱器(20)が一体化されていることを特徴とする。
【0015】
これにより、例えば冷凍機の車両への搭載性を向上させることができる。
【0016】
請求項7に記載の発明では、冷媒を蒸発させて冷凍能力を発揮する蒸発器(10)と、蒸発器(10)にて蒸発した冷媒を冷却する放熱器(20)と、ノズル(31)から噴射する冷媒の噴流により蒸発器(10)側から冷媒を吸引して放熱器(20)側に吐出するエジェクタポンプ(30)と、蒸発器(10)側から冷媒を吸引して放熱器(20)側に吐出する圧縮機(60)と、ノズル(31)に流入する冷媒を加熱する加熱手段(40)と、エジェクタポンプ(30)から流出した冷媒のうち液化した冷媒を加熱器(40)に送り出すための液体ポンプ(70)と、液体ポンプ(70)の吸入側に設けられ、液体ポンプ(70)に吸引される作動流体を冷却する冷却手段(90)とを備え、圧縮機(60)を起動した後、所定時間が経過したときに加熱器(40)にて加熱された冷媒をノズル(31)に供給し始めることを特徴とする。
【0017】
これにより、液体ポンプ(70)に液相の作動流体を確実に供給することができるので、液体ポンプ(70)のポンプ効率が低下してしまうことを防止して冷凍機を効率よく運転することができる。
【0018】
請求項8に記載の発明では、冷媒を蒸発させて冷凍能力を発揮する第1、2蒸発器(10、11)と、蒸発器(10)にて蒸発した冷媒を冷却する放熱器(20)と、ノズル(31)から噴射する冷媒の噴流により第2蒸発器(11)側から冷媒を吸引して放熱器(20)側に吐出するエジェクタポンプ(30)と、第1蒸発器(10)側から冷媒を吸引して放熱器(20)側に吐出する圧縮機(60)と、ノズル(31)に流入する冷媒を加熱する加熱手段(40)と、エジェクタポンプ(30)から流出した冷媒のうち液化した冷媒を加熱器(40)に送り出すための液体ポンプ(70)と、液体ポンプ(70)の吸入側に設けられ、液体ポンプ(70)に吸引される作動流体を冷却する冷却手段(90)とを備えることを特徴とする。
【0019】
これにより、液体ポンプ(70)に液相の作動流体を確実に供給することができるので、液体ポンプ(70)のポンプ効率が低下してしまうことを防止して冷凍機を効率よく運転することができる。
【0020】
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0021】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明に係る冷凍機を車両用空調装置に適用したものであって、図1は本実施形態に係る冷凍機の模式図であり、図2はエジェクタポンプ30の模式図である。
【0022】
図1中、蒸発器10は冷媒を蒸発させることにより室内に吹き出す空気から吸熱して空気を冷却する低圧側冷媒熱交換器であり、放熱器20は蒸発器10にて蒸発した冷媒を冷却する高圧側冷媒熱交換器である。
【0023】
なお、本実施形態では、冷媒としてフロン(R134a)を採用しているが、その他のフロン系の冷媒、炭化水素系の冷媒、二酸化炭素等を用いてもよいことは言うまでもない。
【0024】
エジェクタポンプ30は、蒸発器10側から冷媒を吸引して放熱器20側に吐出する第1のポンプ手段であり、具体的には図2に示すように、高圧冷媒の圧力エネルギ(圧力ヘッド)を速度エネルギ(速度ヘッド)に変換して作動流体である冷媒を等エントロピ的に減圧膨張させるノズル31、ノズル31から噴射する高速の冷媒噴流により蒸発器10側から冷媒を巻き込むように吸引しながら、ノズル31から噴射する冷媒と蒸発器10から吸引した冷媒とを混合させる混合部32、及び混合部32から流出する冷媒の速度エネルギを圧力エネルギに変換して冷媒の圧力を昇圧させるディフューザ33等からなるものである。
【0025】
なお、エジェクタポンプ30においては、混合部32及びディフューザ33にて冷媒圧力が上昇するので、混合部32及びディフューザ33により昇圧部が構成される。
【0026】
また、図1中、廃熱熱交換器40は、走行用エンジンの廃熱、つまりエンジン冷却水及びエンジン排気を熱源としてノズル31に流入する冷媒を加熱する加熱器であり、気液分離器50は、放熱器20から流出する冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して余剰冷媒を液相冷媒として蓄えるとともに、液相冷媒を廃熱熱交換器40及び蒸発器10側に供給するレシーバである。
【0027】
なお、廃熱熱交換器40は、エンジン冷却水と冷媒とが、両者を対向流れ又は直交対向流流れの状態で熱交換させるように構成することが望ましい。
【0028】
圧縮機60は、電磁クラッチ等の動力を断続可能に伝達する動力伝達手段を介して走行用エンジンから動力を得て蒸発器10側から冷媒を吸引してエジェクタポンプ30の混合部32に吸引した冷媒を吐出する第2のポンプ手段であり、液体ポンプ70は気液分離器50から液相冷媒を吸引して廃熱熱交換器40側に冷媒を循環させる電動式の第3のポンプ手段である。
【0029】
減圧器80は、気液分離器50と蒸発器10とを結ぶ冷媒通路に設けられて冷媒を等エンタルピ的に減圧する減圧手段であり、本実施形態では、蒸発器10の冷媒出口における冷媒過熱度が所定値となるように開度が制御される温度式膨脹弁が採用されている。
【0030】
内部熱交換器90は、液体ポンプ70の吸入側に設けられて液体ポンプ70に吸引される作動流体である冷媒を冷却する冷却手段であり、この内部熱交換器90は、液体ポンプ70に吸引される冷媒と減圧器80にて減圧された低圧冷媒とを熱交換することにより、液体ポンプ70に吸引される冷媒を冷却してその過冷却度を高めている。
【0031】
なお、本実施形態では、減圧器80にて減圧された低圧冷媒のうち蒸発器10を流出した冷媒にて液体ポンプ70に吸引される冷媒を冷却している。
【0032】
次に、本実施形態に係る冷凍機の作動及びその特徴を述べる。
【0033】
エジェクタポンプ30及び圧縮機60は、共に冷媒を循環させるポンプ手段として機能するものでり、冷媒は以下に述べるように循環する。
【0034】
1.始動時
冷凍機を始動させるときには、液体ポンプ70を始動する前に、先ず、圧縮機60を稼動させる。これにより、気液分離器50→減圧器80→蒸発器10→内部熱交換器90→圧縮機60→エジェクタポンプ30(混合部32→ディフューザ33)→放熱器20→気液分離器50の順に冷媒が循環する吸引流れが発生する。
【0035】
このとき、減圧器80で等エンタルピ的に減圧された低圧冷媒が蒸発器10にて室内に吹き出す空気から吸熱して蒸発し、圧縮機60にて圧縮されて高温高圧となって放熱器20にて冷却されて凝縮する。
【0036】
なお、この段階では、ノズル31に廃熱熱交換器40にて加熱された過熱蒸気が供給されていないので、エジェクタポンプ30は、単なる冷媒通路として機能する。
【0037】
2.定常時
液体ポンプ70を停止させた状態で圧縮機60を所定時間稼動させた後、気液分離器50内に所定量以上の液相冷媒が溜まったときに、液体ポンプ70を始動させて、気液分離器50→内部熱交換器90→液体ポンプ70→廃熱熱交換器40→エジェクタポンプ30→放熱器20→気液分離器50の順に冷媒が循環する駆動流れを発生させる。
【0038】
このため、駆動流れは、液体ポンプ70により冷媒を廃熱熱交換器40に循環させるに十分な程度まで昇圧されて廃熱熱交換器40に流入する。そして、廃熱熱交換器40に流入した冷媒は、廃熱を吸熱してそのエンタルピを増大させた状態でエジェクタポンプ30のノズル31に流入し、ノズル31にて等エントロピー的に減圧膨脹する。つまり、エジェクタポンプ30は、ノズル31にて低下したエンタルピ量に相当するポンプ仕事して、圧縮機60のポンプ仕事を補助する。
【0039】
因みに、吸引流れは始動時と同じであり、図3は冷媒状態を示すp−h線図であり、図3の符号は図1の●で示される位置の冷媒状態を示すものであり、図4は冷凍機を始動させる際の制御フローを示すフローチャートである。
【0040】
なお、本実施形態では、放熱器20内の冷媒圧力を冷媒の臨界圧力未満としているが、本実施形態に限定されるものではなく、放熱器20内の冷媒圧力を臨界圧力以上としてもよい。
【0041】
ところで、廃熱熱交換器40に流入した冷媒は、そのエンタルピを増大させるが、液体ポンプ70は、主に液相冷媒を気液分離器50から吸引して廃熱熱交換器40に供給するので、廃熱熱交換器40から冷媒に供給される熱エネルギは、液相冷媒を沸騰蒸発させるためと、沸騰した冷媒をさらに加熱するためとに消費される。
【0042】
一方、廃熱熱交換器40にて冷媒に与えられた熱エネルギのうち、ポンプ仕事(機械的エネルギ)として回収することが可能なエネルギは、エンタルピH(=U+pV)から内部エネルギUを引いた量、すなわち沸騰した冷媒をさらに加熱するために消費されたエネルギpVである。
【0043】
したがって、廃熱からより多くのポンプ仕事を回収するには、廃熱熱交換器40に液相冷媒ではなく気相冷媒を流入させる方がよいが、廃熱熱交換器40に気相冷媒を流入させるべく、気液分離器50から気相冷媒を吸引して廃熱熱交換器40に供給すると、液体ポンプ70にて気相冷媒が圧縮されて廃熱熱交換器40に流入する冷媒の温度が上昇してしまい、冷媒と廃熱源であるエンジン冷却水との温度差が小さくなり、冷媒に供給することができる熱量が減少し、却って、廃熱から回収することができるポンプ仕事量が低下してしまう。
【0044】
またさらに、液体ポンプ70にて気相冷媒が圧縮されてしまうと、ポンプ効率、つまり液体ポンプ70に与えたエネルギに対する液体ポンプ70により循環させられた冷媒の質量流量との比が、液相冷媒を吸引して圧送する場合に比べて悪化してしまう。
【0045】
そこで、本実施形態では、内部熱交換器90にて液体ポンプ70に吸引される冷媒を冷却して、液体ポンプ70に吸引される冷媒が確実に液相となるようにしている。
【0046】
(第2実施形態)
第1実施形態では、減圧器80にて減圧された低圧冷媒のうち蒸発器10を流出した冷媒にて液体ポンプ70に吸引される冷媒を冷却したが、本実施形態は、図5に示すように、減圧器80にて減圧された低圧冷媒のうち蒸発器10に流入する前の冷媒にて液体ポンプ70に吸引される冷媒を冷却するものであり、その他は、第1実施形態と同じである。
【0047】
なお、図6は定常時における本実施形態に係る冷凍機冷媒状態を示すp−h線図であり、図6の符号は図5の●で示される位置の冷媒状態を示すものである。
【0048】
(第3実施形態)
上述の実施形態では、内部熱交換器90にて減圧器80によって減圧された低圧冷媒と液体ポンプ70に吸引される冷媒とを熱交換することにより液体ポンプ70に吸引される冷媒を冷却したが、本実施形態は、図7に示すように、雰囲気と液体ポンプ70に吸引される冷媒とを熱交換する過冷却器91にて液体ポンプ70に吸引される冷媒を冷却するものであり、その他は、第1実施形態と同じである。
【0049】
なお、図8は定常時における本実施形態に係る冷凍機冷媒状態を示すp−h線図であり、図8の符号は図7の●で示される位置の冷媒状態を示すものである。
【0050】
(第4実施形態)
本実施形態は、図9に示すように、過冷却器91、気液分離器50及び放熱器20を一体化したものである。
【0051】
なお、本実施形態に係る一体化された熱交換器100の構造は、特開平6−50615号公報に記載の熱交換器と構造であり、具体的には、冷媒が流れる複数本のチューブ101、及びチューブ101の長手方向両端側に配置されてチューブ101と連通するヘッダタンク102等にて熱交換部を構成し、ヘッダタンク102内をセパレータ103にて仕切って放熱器20と過冷却器91とを構成したものである。
【0052】
これにより、配管の本数及び配管接続箇所を低減することができるので、車室外に搭載される機器、つまり過冷却器91、気液分離器50及び放熱器20の車両への組み付け工数を低減しつつ、車室外に搭載される機器の小型化を図ることができ、冷凍機の車両への搭載性を向上させることができる。
【0053】
なお、本実施形態では、過冷却器91、気液分離器50及び放熱器20が一体化したが、内部熱交換器90、気液分離器50及び放熱器20を一体化してもよいことは言うまでもない。
【0054】
(第5実施形態)
本実施形態は、図10に示すように、蒸発器を第1、2蒸発器10、11の2台とし、かつ、減圧器を第1、2減圧器80、81とするとともに、第1蒸発器10には圧縮機60にて冷媒を循環させ、第2蒸発器11には、エジェクタポンプ30にて冷媒を循環させるものである。
【0055】
具体的には、圧縮機60→放熱器20→気液分離器50→第1減圧器80→第1蒸発器10→圧縮機60の順で流れる主流れ、液体ポンプ70→廃熱熱交換器40→エジェクタポンプ30(ノズル31→混合部32→ディフューザ33)→放熱器20→気液分離器50→過冷却器9→液体ポンプ70の順で流れる駆動流、及び気液分離器50→第2減圧器81→第2蒸発器11→エジェクタポンプ30(混合部32→ディフューザ33)→放熱器20→気液分離器50の順に冷媒が循環する吸引流れが発生する。
【0056】
このとき、第1蒸発器10にて室内に吹き出す空気を冷却する等の比較的大きな冷却能力を安定的に供給し、第2蒸発器11では、電動モータ、インバータ回路等のモータ駆動回路及び燃料電池等の車載機器の冷却に用いて有効である。因みに、この場合、廃熱熱交換器40は、この冷却が必要な車載機器から廃熱を回収するように構成することが望ましい。
【0057】
因みに、図11は定常時における本実施形態に係る冷凍機冷媒状態を示すp−h線図であり、図11の符号は図10の●で示される位置の冷媒状態を示すものである。
【0058】
なお、本実施形態では、液体ポンプ70に吸引される冷媒を冷却する冷却手段として過冷却器91を用いたが、第1、2実施形態のごとく、低圧冷媒にて液体ポンプ70に吸引される冷媒を冷却する内部熱交換器90を用いてもよいことは言うまでもない。
【0059】
また、過冷却器91等の液体ポンプ70に吸引される冷媒を冷却する冷却手段を廃止しても本実施形態を実施することができる。
【0060】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、第1のポンプ手段としてノズル31から噴射する流体の巻き込み作用によって流体輸送を行う運動量輸送式ポンプ、つまりエジェクタポンプ30を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば膨脹機(タービン)にて稼動するポンプ等を用いてもよい。
【0061】
なお、第1のポンプ手段として膨脹機(タービン)等を利用する場合には、膨脹機に流入させる流体は、冷媒とは異なる他の作動流体としてもよい。
【0062】
また、冷凍機を始動させるときには、液体ポンプ70を始動する前に、先ず、圧縮機60を所定時間稼動させた後、液体ポンプ70を稼動させたが、このような冷凍機の始動手段は、液体ポンプ70に吸引される冷媒を冷却する冷却手段(内部熱交換器90や過冷却器91等)を備えていない冷凍機にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る冷凍機の模式図である。
【図2】本発明の実施形態に係るエジェクタポンプの模式図である。
【図3】p−h線図である。
【図4】本発明の実施形態に係る冷凍機の始動制御示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2実施形態に係る冷凍機の模式図である。
【図6】p−h線図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る冷凍機の模式図である。
【図8】p−h線図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係る熱交換器の模式図である。
【図10】本発明の第5実施形態に係る冷凍機の模式図である。
【図11】p−h線図である。
【符号の説明】
10…蒸発器、20…放熱器、30…エジェクタポンプ、
40…廃熱熱交換器、50…気液分離器、60…圧縮機、
70…冷媒ポンプ、80…減圧器、90…内部熱交換器。
Claims (8)
- 減圧された低圧冷媒を蒸発させて冷凍能力を発揮する蒸発器(10)と、
前記蒸発器(10)にて蒸発した冷媒を冷却する放熱器(20)と、
加熱された作動流体が有するエネルギにて稼動し、前記蒸発器(10)側から冷媒を吸引して前記放熱器(20)側に吐出するポンプ手段(30)と、
前記ポンプ手段(30)に流入する作動流体を加熱する加熱器(40)と、
前記ポンプ手段(30)から流出した作動流体のうち液化した作動流体を前記加熱器(40)に送り出すための液体ポンプ(70)と、
前記液体ポンプ(70)の吸入側に設けられ、前記液体ポンプ(70)に吸引される作動流体を冷却する冷却手段(90)とを備えることを特徴とする冷凍機。 - 前記冷却手段(90)は、前記液体ポンプ(70)に吸引される作動流体と前記低圧冷媒とを熱交換することにより、前記液体ポンプ(70)に吸引される作動流体を冷却することを特徴とする請求項1に記載の冷凍機。
- 前記冷却手段(90)は、前記蒸発器(10)から流出した前記低圧冷媒にて前記液体ポンプ(70)に吸引される作動流体を冷却することを特徴とする請求項2に記載の冷凍機。
- 前記冷却手段(90)は、前記蒸発器(10)に流入する前の前記低圧冷媒にて前記液体ポンプ(70)に吸引される作動流体を冷却することを特徴とする請求項2に記載の冷凍機。
- 前記冷却手段(91)は、雰囲気と前記液体ポンプ(70)に吸引される作動流体とを熱交換することにより、前記液体ポンプ(70)に吸引される作動流体を冷却することを特徴とする請求項1に記載の冷凍機。
- 前記作動流体は、前記蒸発器(10)及び前記放熱器(20)内を循環する冷媒と同じ流体であり、
前記ポンプ手段(30)は、前記加熱器(40)にて加熱された冷媒を加速するノズル(31)を有し、前記ノズル(31)から噴射する高速冷媒流の巻き込み作用により前記蒸発器(10)側から冷媒を吸引して前記放熱器(20)側に吐出するエジェクタ方式のポンプであり、
前記放熱器(20)には、前記ポンプ手段(30)により前記蒸発器(10)から吸引された冷媒と共に前記ノズル(31)から噴射した冷媒が流入し、
前記放熱器(20)から流出した冷媒を液相冷媒と気相冷媒とに分離するとともに、液相冷媒の一部を前記冷却手段(90、91)に供給する気液分離器(50)を備え、
前記冷却手段(90、90)、前記気液分離器(50)及び前記放熱器(20)が一体化されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の冷凍機。 - 冷媒を蒸発させて冷凍能力を発揮する蒸発器(10)と、
前記蒸発器(10)にて蒸発した冷媒を冷却する放熱器(20)と、
ノズル(31)から噴射する冷媒の噴流により前記蒸発器(10)側から冷媒を吸引して前記放熱器(20)側に吐出するエジェクタポンプ(30)と、
前記蒸発器(10)側から冷媒を吸引して前記放熱器(20)側に吐出する圧縮機(60)と、
前記ノズル(31)に流入する冷媒を加熱する加熱手段(40)と、
前記エジェクタポンプ(30)から流出した冷媒のうち液化した冷媒を前記加熱器(40)に送り出すための液体ポンプ(70)と、
前記液体ポンプ(70)の吸入側に設けられ、前記液体ポンプ(70)に吸引される作動流体を冷却する冷却手段(90)とを備え、
前記圧縮機(60)を起動した後、所定時間が経過したときに前記加熱器(40)にて加熱された冷媒を前記ノズル(31)に供給し始めることを特徴とする冷凍機。 - 冷媒を蒸発させて冷凍能力を発揮する第1、2蒸発器(10、11)と、
前記蒸発器(10)にて蒸発した冷媒を冷却する放熱器(20)と、
ノズル(31)から噴射する冷媒の噴流により前記第2蒸発器(11)側から冷媒を吸引して前記放熱器(20)側に吐出するエジェクタポンプ(30)と、前記第1蒸発器(10)側から冷媒を吸引して前記放熱器(20)側に吐出する圧縮機(60)と、
前記ノズル(31)に流入する冷媒を加熱する加熱手段(40)と、
前記エジェクタポンプ(30)から流出した冷媒のうち液化した冷媒を前記加熱器(40)に送り出すための液体ポンプ(70)と、
前記液体ポンプ(70)の吸入側に設けられ、前記液体ポンプ(70)に吸引される作動流体を冷却する冷却手段(90)とを備えることを特徴とする冷凍機。
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